JP2000122318A - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JP2000122318A
JP2000122318A JP10298169A JP29816998A JP2000122318A JP 2000122318 A JP2000122318 A JP 2000122318A JP 10298169 A JP10298169 A JP 10298169A JP 29816998 A JP29816998 A JP 29816998A JP 2000122318 A JP2000122318 A JP 2000122318A
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electron
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JP10298169A
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Shinichi Okada
真一 岡田
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単層型電子写真用感光体において問題となっ
た帯電性や感度の不足、繰り返し安定性の不良等の諸点
を改善し、これらの電気的特性に優れた好ましい電子写
真用感光体を実現することにある。 【解決手段】 電荷発生物質、正孔輸送物質及び電子輸
送物質を感光層中に含有する単層型電子写真用感光体に
おいて、電荷発生物質がチタニウムフタロシアニン系化
合物であり、正孔輸送物質はイオン化ポテンシャル(I
p)が5.45eV以上のアリールアミン系化合物であ
り、電子輸送物質がペリレン系化合物であることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真用感光体に
関し、更に詳しくは、近赤外領域の感度、帯電性が良好
で、かつ繰り返し使用時の安定性に優れた単層型電子写
真用感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真用感光体は、導電性の
基体の上に、光導電性の材料からなる感光層を形成する
ことにより構成されているが、感光層としては、電荷発
生層と電荷輸送層からなる機能分離型の光導電層を有す
る積層型電子写真用感光体が用いられることが多い。
【0003】しかしながら、一般の積層型電子写真用感
光体は、通常1μm以下の薄層の電荷発生層の上に、比
較的厚い層からなる電荷輸送層を積層したものであり、
電荷発生層の薄膜形成の難しさが収率を落とす要因とな
っている。また、電荷輸送層に用いる電荷輸送物質は、
化合物群の豊富さ、材料としての安全性等の理由から、
正孔輸送性の材料を用いることが一般的なため、このよ
うな積層型電子写真用感光体は、必然的に負帯電でしか
感度を発現できないものである。
【0004】近年、コスト低減要求に応えるため、生産
工程の単純化が大きな課題となっている。また、マイナ
スのコロナ放電時に多量に発生するオゾンの影響が環境
上問題視されるようになり、オゾン発生量の少ないプラ
スのコロナ放電で使用可能な正帯電型の電子写真用感光
体の実現も望まれている。
【0005】このような電子写真用感光体に対する要求
に対して、旧来の単層型電子写真用感光体が、その単純
な層構成や正帯電での使用可能性等の利点から再評価さ
れるようになってきている。そこで、再度実用的な単層
型電子写真用感光体を実現しようとする試みが活発に行
われるようになっているが、未だ要求に充分応え得るも
のは実現されていない。
【0006】例えば、特開昭54−1633号公報に
は、フタロシアニンの如き電荷発生物質を、オキサジア
ゾールの如き正孔輸送物質とジニトロフルオレノンの如
き電子輸送物質と一緒に結着樹脂中に分散してなる感光
層を導電性支持体の上に設けた単層型の電子写真用感光
体が開示されている。
【0007】この種の電子写真用感光体は、従来のフタ
ロシアニン/樹脂分散系の単層型電子写真用感光体のよ
うに電荷発生と電荷輸送を同一の材料が行う構成とは異
なり、電荷発生と電荷輸送をそれぞれ異なる材料に受け
負わせるものであるから、電荷発生物質の濃度を従来に
比べ大幅に低減することが可能で、かつ正負両帯電性の
電子写真用感光体が実現できる利点があった。このた
め、このような構成を採る電子写真用感光体は、近年活
発な実用化検討が加えられている。
【0008】しかしながら、このような感光体では電荷
発生物質が電荷輸送物質中に分散されているため、電荷
発生物質と電荷輸送物質との接触面積が従来の積層感光
体に比べて桁違いに大きくなり、電荷発生物質からの電
荷の注入特性が感光体特性に与える影響が極めて強い。
そのため、このような感光体では帯電性や感度が十分に
得られず、また電荷発生が感光層の内部で起きるため移
動度の悪い電子がトラップされ易く、繰り返し特性が安
定しないという特性上の問題を生じ易かった。
【0009】また、このような構成に必須である電子輸
送物質は、トリニトロフルオレノン(TNF)に代表さ
れるように一般に溶解性が劣っていたり、強い変異原性
を有する場合が多く、その材料選択の幅は自ずと狭くな
らざるを得なかった。
【0010】例えば、特開昭61−239248号公報
には、α形チタニルフタロシアニンを電荷発生物質とし
て、正孔輸送物質、電子輸送物質と共に分散して成る単
層構成の感光体が記載されている。同発明は、チタニウ
ムフタロシアニン系化合物をこのような構成の感光体に
用いた最初の例として興味深いが、電子輸送物質として
は顔料系の材料としてジスアゾ化合物のみしか開示され
ておらず、電荷移動度の不足から生ずる特性不良の問題
が生じ易いものであり、チタニウムフタロシアニン系化
合物の近赤外領域における高感度特性を十分に発揮し難
いものであった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来提案されてきた単層型電子写真用感光
体において問題となった帯電性や感度の不足、繰り返し
安定性の不良等の諸点を改善し、これらの電気的特性に
優れた好ましい電子写真用感光体を実現することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記実状に鑑
み鋭意検討したところ、電荷発生物質、正孔輸送物質及
び電子輸送物質を感光層に含有する単層型電子写真用感
光体において、電荷発生物質がチタニウムフタロシアニ
ン系化合物、正孔輸送物質はイオン化ポテンシャルが
5.45eV以上のアリールアミン系化合物、電子輸送
物質がペリレン系化合物であることにより上記課題を解
決するに至った。
【0013】すなわち本発明は、電荷発生物質、正孔輸
送物質及び電子輸送物質を感光層中に含有する単層型電
子写真用感光体において、電荷発生物質がチタニウムフ
タロシアニン系化合物であり、正孔輸送物質はイオン化
ポテンシャル(Ip)が5.45eV以上のアリールア
ミン系化合物であり、電子輸送物質が一般式(1)
【0014】
【化3】 (1)
【0015】で表されるペリレン系化合物(式中、R1
及びR2は各々独立に水素原子、置換基を有していても
良いアルキル基、アリール基アルコキシル基を表し、m
及びnは各々独立に1から3の整数を表す。)であるこ
とを特徴とする単層型電子写真用感光体を提供する。
【0016】中でも、正孔輸送物質はイオン化ポテンシ
ャル(Ip)が5.45eV〜5.65eVの範囲であ
るアリールアミン系化合物が好ましく、特に5.50〜
5.60eVの範囲であるアリールアミン系化合物が好
ましい。
【0017】本発明に用いられるアリールアミン系化合
物とは、各々独立的に置換若しくは無置換の3個のアリ
ール基残基が窒素原子に結合した骨格を分子中の主骨格
とする化合物を意味する。
【0018】また、特にペリレン系化合物としては式
(2)
【0019】
【化4】 (2)
【0020】で表される化合物が好ましい。
【0021】本発明に用いられるチタニウムフタロシア
ニン系化合物は、チタニルフタロシアニンと二置換アル
キレングリコラートチタニウムフタロシアニンの混合物
であることが好ましく、特に、この二置換アルキレング
リコラートチタニウムフタロシアニンがチタニルフタロ
シアニンと光学活性な2,3−ブタンジオールより調製
された化合物であることが好ましい。
【0022】感光層中に占めるチタニウムフタロシアニ
ン系化合物の割合は、得られた電子写真用感光体の感度
に対しては0.5質量%以上が好ましく、電荷保持能や
電荷輸送性に対しては5.0質量%以下の範囲が好まし
い。
【0023】また、本発明における感光層中の正孔輸送
物質と電子輸送物質の質量比は、電子写真感光体に求め
られる諸特性の内、帯電性及び感度の面からは正孔輸送
物質の割合が多い方が好ましいが、繰り返し時に帯電性
の低下を招くため、全般的な諸特性を満足するために
は、感光層中の正孔輸送物質と電子輸送物質の質量比は
70:30〜95:5の範囲内であることが特に好まし
い。
【0024】このような構成を用いることによって、単
層構造の感光体でありながら、チタニウムフタロシアニ
ン系化合物の近赤外領域における高感度特性を損なうこ
となく、帯電性が良好で、繰り返し安定性に優れた実用
上好ましい特性の電子写真用感光体が実現できる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の単層型電子写真用感光体
の感光層の構造の例を図1に示した。ここで、導電性支
持体1には任意の形状のものが用いられ、その上に電荷
発生物質2と電子輸送物質3を、正孔輸送物質を含有さ
せた結着樹脂4に分散してなる感光層5が設けられる。
なお、感光層の膜厚は、5〜50μmの範囲が好まし
い。感光層の膜厚は、浸漬塗工により形成する場合、塗
工速度、塗料の粘度、剪断力等の諸物性を調節すること
により容易に所望の膜厚とすることができる。なお、こ
の単層構成の感光層に付加して、中間層或いは表面保護
層等の機能層を適宜合わせて用いることも可能である。
【0026】図2に示した感光層の構造の例は、図1に
示した感光層の構造の例に中間層6を設けたものであ
る。
【0027】本発明で電荷発生物質として使用するフタ
ロシアニン系化合物及びペリレン系化合物を粉砕して電
子写真感光体用塗料に分散する方法として、具体的に
は、一般的な撹絆装置の他に、ホモミキサー、ディスパ
ーター、アジター、ボールミル、サンドミル、アトライ
ター、ペイントコンディショナー等が挙げられるが、こ
れに限定されるものではない。
【0028】本発明で使用する正孔輸送物質としてはイ
オン化ポテンシャルが5.45eV以上のアリールアミ
ン系化合物を単独、或いは2種類以上混合して用いるこ
とができる。また、本願発明の効果を損なわない範囲
で、必要に応じて本願発明の規定する範囲外の正孔輸送
物質を組み合わせて用いても良い。
【0029】このような正孔輸送物質としては、低分子
化合物では、例えば、ピレン系、カルバゾール系、ヒド
ラゾン系、オキサゾール系、オキサジアゾール系、ピラ
ゾリン系、アリールメタン系、ベンジジン系、チアゾー
ル系、スチルベン系、ブタジエン系等の化合物が挙げら
れる。
【0030】また、高分子化合物としては、例えば、ポ
リ−N−ビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリ−N−ビ
ニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルアン
スラセン、ポリビニルアクリジン、ピレン−ホルムアル
デヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹
脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂、トリ
フェニルメタンポリマー、ポリシラン等が挙げられが、
これに限定されるものではない。
【0031】なお、本発明で規定するイオン化ポテンシ
ャルとは、材料の基底状態から電子一個を取り出すのに
必要なエネルギー量を意味する。この特性値を測定する
ためには、例えば、真空紫外吸収法、電子衝撃法、光イ
オン化法、光電子スペクトル法等の手法が知られてい
る。一般的には、大気雰囲気中で紫外線を照射して放出
される光電子スペクトルを測定する装置(例えば理研計
器社製の表面分析装置、AC−1)がその簡便さから広
く普及しており、後述の各実施例、各比較例におけるイ
オン化ポテンシャルの実測値は、全て同法で測定した。
測定は、試料にモノクロメーターで分光した紫外光をエ
ネルギーを変化させながら照射して、光電効果により、
光電子が放出され始める最低エネルギーを求めることで
イオン化ポテンシャルを決定した。
【0032】結着樹脂は、電気絶縁性のフィルム形成可
能な高分子重合体が好ましい。そのような高分子重合体
としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、
メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルアセテー
ト、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−
アクリロニトリル重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合
体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノ
ール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹
脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルブチラ
ール、ポリビニルフォルマール、ポリスルホン、カゼイ
ン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロー
ス、フェノール樹脂、ポリアミド、カルボキシ−メチル
セルロース、塩化ビニリデン系ポリマーラテックス、ポ
リウレタン等が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。これらの結着樹脂は、単独又は2種類以上混
合して用いられる。
【0033】また、これらの結着樹脂と共に、分散安定
剤、可塑剤、表面改質剤、酸化防止剤、光劣化防止剤等
の添加剤を使用することもできる。
【0034】可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩
化ビフェニル、ターフェニル、ジブチルフタレート、ジ
エチレングリコールフタレート、ジオクチルフタレー
ト、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾフェ
ノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。
【0035】表面改質剤としては、例えば、シリコンオ
イル、フッ素樹脂等が挙げられる。酸化防止剤として
は、例えば、フェノール系、硫黄系、リン系、アミン系
化合物等の酸化防止剤が挙げられる。
【0036】光劣化防止剤としては、例えば、ベンゾト
リアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ヒンダ
ードアミン系化合物等が挙げられる。
【0037】本発明の感光体を塗布法で形成する場合の
塗料に用いる溶剤としては、例えば、メタノール、エタ
ノール、n−プロパノール等のアルコール類、アセト
ン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド等のアミド類、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、メチルセロソルブ等のエーテル類、酢酸メチ
ル、酢酸エチル等のエステル類、ジメチルスルホキシ
ド、スルホラン等のスルホキシド及びスルホン類、塩化
メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエタ
ン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼン
等の芳香族類などが挙げられる。
【0038】本発明の電子写真用感光体に用いられる導
電性支持体としては、例えば、アルミニウム、銅、亜
鉛、ステンレス、クロム、チタン、ニッケル、モリブデ
ン、バナジウム、インジウム、金、白金等の金属又は合
金を用いた金属板、金属ドラム、或は、導電性ポリマ
ー、酸化インジウム等の導電性化合物やアルミニウム、
パラジウム、金等の金属又は合金を塗布、蒸着、或はラ
ミネートした紙、プラスチックフィルム等が挙げられ
る。
【0039】また、本発明による電子写真用感光体を作
製する塗布方法としては、例えば、浸漬コーティング
法、スプレーコーティング法、スピンコーティング法、
ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、
ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、カ
ーテンコーティング法等のコーティング法を用いること
ができる。
【0040】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更
に詳細に説明するが、これにより本発明が実施例に限定
されるものではない。なお、以下の各実施例及び各比較
例中における「部」は「重量部」を示す。
【0041】《チタニウムフタロシアニン化合物の合成
例》四塩化チタニウムとオルトフタロニトリルより得ら
れたCuKα線による粉末X線回折において図2のスペ
クトルを示しIR吸収において図3のスペクトルを示す
オキシチタニウムフタロシアニン20部と、(2R,3
R)−2,3−ブタンジオール2.2部を、α−クロロ
ナフタレン240部中で195〜205℃で撹絆下1.
5時間反応させた。
【0042】これを室温にまで冷却した後、ろ別し、ベ
ンゼン、メタノール、DMF、水の順に洗浄後、減圧乾
燥することにより、ママススペクトルにおいてm/Z=
576,648にピークを示し、CuKα線による粉末
X線回折において図4スペクトルを示し、IR吸収にお
いて図5のスペクトルを示すフタロシアニン化合物を得
た。
【0043】このフタロシアニン化合物は、マススペク
トル測定の結果より式(3)
【0044】
【化5】 (3)
【0045】で表わされる二置換アルキレングリコラー
トチタニウムフタロシアニン化合物と未反応のチタニル
フタロシアニンの混合組成物であることが分かった。
【0046】(実施例1)ポリビニルブチラール樹脂
(積水化学工業社製の「エスレックBM−1」)1部及
び塩化メチレン50部から成る樹脂溶液に、X型無金属
フタロシアニン2部を混合した後、ボールミルを用いて
6時間分散させて中間層用の塗料Aを得た。
【0047】この塗料Aを用いて、アルミニウムを蒸着
したポリエステルフィルム上にワイヤーバーを用いて、
乾燥後の膜厚が0.3μmとなるように塗布し、乾燥さ
せて中間層を形成した。
【0048】チタニウムフタロシアニン化合物の合成で
得たチタニルフタロシアニン及び式(3)で表される二
置換アルキレングリコラートチタニウムフタロシアニン
の混合物16.5部を塩化メチレン48部、1,1,2
−トリクロロエタン72部の混合溶媒中でガラスビーズ
と共にペイントコンディショナーを用いて湿式粉砕し
た。粉砕終了後、ガラスビーズを濾別し溶媒を留去後、
減圧乾燥しフタロシアニン化合物の粉砕品を得た。この
フタロシアニン化合物の粉砕品1部及びポリカーボネー
ト樹脂(三菱瓦斯化学社製の「ユーピロンZ−20
0」)1部を用いてロール練肉を行い、その後粉砕して
チップ状顔料分散樹脂を得た。この顔料分散樹脂2部、
塩化メチレン48部及び1,1,2−トリクロロエタン
32部を、ガラスビーズと共にサンドグラインダーで分
散、溶解してフタロシアニン化合物分散液Bを得た。
【0049】次に電子輸送物質として式(2)で表され
るペリレン化合物(BASF社製の「Paliogen
Red K−3580」)
【0050】
【化6】 (2)
【0051】2部及びポリカーボネート樹脂(三菱瓦斯
化学社製の「ユーピロンZ−200」)1部を用いてロ
ール練肉を行い、その後粉砕してチップ状顔料分散樹脂
を得た。この顔料分散樹脂3部、塩化メチレン42部及
び1,1,2−トリクロロエタン28部を、ガラスビー
ズと共にサンドグラインダーで分散、溶解してペリレン
化合物分散液Cを得た。
【0052】この様にして得られた分散液B65.5
部、分散液C100部及び正孔輸送物質として、式
(4)
【0053】
【化7】 (4)
【0054】で表されるアリールアミン系化合物(Ip
=5.50eV)15.5部、及びポリカーボネート樹
脂(三菱ガス化学社製の「ユーピロンZ−200」)2
2.5部を混合溶解させ、正孔輸送物質と電子輸送物質
の質量割合が85:15、電荷発生物質と電荷輸送物質
の質量割合が4.38/100、電荷輸送物質と樹脂の
質量割合が74/100の感光体用の塗料Dを作製し
た。
【0055】この塗料Dを用いて、先の中間層を形成し
たアルミニウムを蒸着したポリエステルフィルム上に乾
燥後の膜厚が25μmと成るようにワイヤーバーを用い
て塗布した後、乾燥させて感光層を形成し、図2に示す
層構成のシート状の電子写真用感光体を得た。
【0056】(実施例2)実施例1において、正孔輸送
物質として式(5)
【0057】
【化8】 (5)
【0058】で表されるアリールアミン系化合物(Ip
=5.52eV)を用いた以外は同様にして感光体用の
塗料Eを作製した。
【0059】実施例1において、塗料Dに代えて塗料E
を用いた以外は実施例1と同様にして図2に示す層構成
のシート状の電子写真用感光体を得た。
【0060】(比較例1)実施例1において、正孔輸送
物質として式(6)
【0061】
【化9】 (6)
【0062】で表されるアリールアミン系化合物(Ip
=5.42eV)を用いた以外は同様にして感光体用の
塗料Fを作製した。
【0063】実施例1において、塗料Dに代えて塗料F
を用いた以外は実施例1と同様にして図2に示す層構成
のシート状の電子写真用感光体を得た。
【0064】(実施例3)実施例1で作製した中間層用
の塗料Aを用いて、直径30mmのアルミニウム製ドラム
の外周面に、乾燥後の膜厚が0.5μmと成るように、
浸漬塗布した後、100℃で10分間加熱乾燥させて、
中間層を形成した。
【0065】実施例1で作製した塗料Dを用いて、上記
の中間層の上に、乾燥後の膜厚が30μmと成るように
浸漬塗布した後、乾燥させて感光層を形成し図2に示す
層構成のドラム状の電子写真用感光体を得た。
【0066】(実施例4)実施例3で使用した塗料Dに
代え実施例2で作製した塗料Eを用いた以外は実施例3
と同様にして図2に示す層構成のドラム状の電子写真用
感光体を得た。
【0067】(比較例2)実施例1において、正孔輸送
物質として式(7)
【0068】
【化10】 (7)
【0069】で表される化合物(Ip=5.30eV)
を用いた以外は同様にして感光体用の塗料Gを作製し
た。
【0070】実施例3で使用した塗料Dに代え塗料Gを
用いた以外は実施例3と同様にして図2に示す層構成の
ドラム状の電子写真用感光体を得た。
【0071】(比較例3)電子輸送物質としてペリレン
化合物の代わりに式(8)
【0072】
【化11】 (8)
【0073】で表される化合物2部、ポリカーボネート
樹脂(三菱ガス化学社製の「ユーピロンZ−200」)
1部、塩化メチレン42部及び1,1,2−トリクロロ
エタン28部を混合溶解し電子輸送物質溶解液Hを調製
した。
【0074】実施例1で作製した分散液Cに代え、電子
輸送物質溶解液Hを用いた以外は同様にして感光体用の
塗料Iを作製した。
【0075】実施例3で使用した塗料Dに代え塗料Iを
用いた以外は実施例3と同様にして図2に示す層構成の
ドラム状の電子写真用感光体を得た。
【0076】(実施例5)実施例1で調製した感光体用
の塗料Dを用いて、直径30mmのアルミニウム製ドラ
ムの外周面に、乾燥後の膜厚が30μmと成るように浸
漬塗布した後、乾燥させて感光層を形成し図1に示す層
構成のドラム状の電子写真用感光体を得た。
【0077】《電子写真特性》実施例1、2及び比較例
1で得た電子写真感光体について、静電複写紙試験装置
(川口電機製作所社製の「EPA8100」)を用い
て、電子写真感光体を暗所で+6KVのコロナ放電によ
り帯電し、この時の電子写真感光体の表面電位V
0(V)を測定した。次に、そのまま暗所で10秒間放
置したときの電子写真感光体の表面電位V10(V)を測
定した。V0とV10より電子写真感光体の表面電位の電
位保持率(%):(V10/V0)×100を算出した。
【0078】更に、表面電位V10に対して波長780n
m、露光エネルギー10mW/m2の光で露光を行い、
表面電位がV10の半分になるまでの時間より半減露光量
1/ 2(mJ/m2)を求めた。更にまた、露光開始15
秒後の表面電位、すなわち残留電位VR(V)を測定し
た。
【0079】この表面電位の暗及び光減衰の測定結果を
表1に示した。また、帯電、暗所放置1秒間、露光1秒
間、300ルクスの白色光による除電1秒間のプロセス
を200回繰り返した際のV0の変化量(ΔV0)も同
様に表1に示した。
【0080】
【表1】
【0081】表1に示した結果から明らかなように、本
発明の実施例1及び2で得た電子写真用感光体は、比較
例1で得た電子写真用感光体と同様に実用上十分な電位
保持率を示している。しかしながら、半減露光量及び残
留電位については、実施例で得た電子写真用感光体の方
が優れた特性を示しており、特に比較例で得た電子写真
用感光体と比較すると繰り返し時の帯電安定性が優れた
ものであった。
【0082】次に実施例3、4、比較例2、3及び実施
例5で得た電子写真用感光体について実機特性評価を実
施した。正帯電型のドラム状電子写真用感光体に対応し
た市販のレーザープリンター(ブラザー工業社製の「H
L−660」)の現像位置に表面電位計を装着した電位
評価機に、試作したドラム状電子写真用感光体を装着
し、23℃、50%RHの環境中で0%、50%、10
0%網点画像をプリントした際の感光体表面電位を測定
した。この測定結果を表2に示した。
【0083】また、12.5%網点画像をA4サイズの
紙を用いて200枚プリントした直後の0%、50%、
100%網点画像プリント時の感光体表面電位の測定結
果も同様に表2に示した。
【0084】
【表2】
【0085】表2から明らかなように、本発明の実施例
3及び4で得た電子写真用感光体は比較例2及び3で得
た電子写真用感光体と比較すると、帯電電位(V0)が
高く繰り返し時の変動が小さく安定であることが分か
る。繰り返し時に帯電電位が低下すると、印刷時にカブ
リの発生を招き実用上問題がある。本発明以外の感光体
では、この傾向が強く実用的であるとは言い難い。
【0086】また本発明の電子写真用感光体では100
%露光電位も低く高感度であると同時に、繰り返し時の
安定性も高いことが分かる。また、中間層を省いた場合
には更に高感度となることが明らかである。
【0087】
【発明の効果】本発明の電子写真用感光体は、電気特性
に優れ、繰り返し安定性が良好な実用上好ましい単層型
電子写真用感光体である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の単層型電子写真用感光体の構造の一
例を示す模式断面図である。
【図2】 本発明の単層型電子写真用感光体の構造の他
の一例を示す模式断面図である。
【図3】 チタニウムフタロシアニン化合物の合成例で
用いたオキシチタニウムフタロシアニンのX線回折スペ
クトルである。
【図4】 チタニウムフタロシアニン化合物の合成例で
用いたオキシチタニウムフタロシアニンのIR吸収スペ
クトルである。
【図5】 チタニウムフタロシアニン化合物の合成例で
得たオキシチタニウムフタロシアニンと(2R,3R)
−2,3−ブタンジオールとの反応生成物と、未反応の
オキシチタニウムフタロシアニンの混合組成物のX線回
折スペクトルである。
【図6】 チタニウムフタロシアニン化合物の合成例で
得たオキシチタニウムフタロシアニンと(2R,3R)
−2,3−ブタンジオールとの反応生成物と、未反応の
オキシチタニウムフタロシアニンの混合組成物のIR吸
収スペクトルである。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 電荷発生物質 3 電子輸送物質 4 正孔輸送物質/結着樹脂 5 感光層 6 中間層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電荷発生物質、正孔輸送物質及び電子輸
    送物質を感光層中に含有する単層型電子写真用感光体に
    おいて、電荷発生物質がチタニウムフタロシアニン系化
    合物であり、正孔輸送物質はイオン化ポテンシャル(I
    p)が5.45eV以上のアリールアミン系化合物であ
    り、電子輸送物質が一般式(1) 【化1】 (1) で表されるペリレン系化合物(式中、R1及びR2は各々
    独立に水素原子、置換基を有していても良いアルキル
    基、アリール基、アルコキシル基を表し、m及びnは各
    々独立に1から3の整数を表す。)であることを特徴と
    する単層型電子写真用感光体。
  2. 【請求項2】 ペリレン系化合物が下記構造式(2)で
    表される化合物であることを特徴とする請求項1記載の
    単層型電子写真用感光体。 【化2】 (2)
  3. 【請求項3】 チタニウムフタロシアニン系化合物が、
    チタニルフタロシアニンと二置換アルキレングリコラー
    トチタニウムフタロシアニンの混合物であることを特徴
    とする請求項1または2記載の単層型電子写真用感光
    体。
  4. 【請求項4】 感光層中の正孔輸送物質と電子輸送物質
    の質量比が70:30〜95:5の範囲内であることを
    特徴とする請求項1、2または3記載の単層型電子写真
    用感光体。
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