JP2015094839A - 電子写真感光体 - Google Patents

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重企 池畑
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晋平 若松
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保行 木内
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Abstract

【課題】従来のものよりも感度が極めて良好で、環境変動による性能の低下が起こりにくい、優れた電子写真感光体を提供する。
【解決手段】感光層が、電荷発生材料として、ブタンジオール付加チタニルフタロシアニンを、電子輸送材料として、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド系化合物および/またはピラゾロン系化合物を含電子写真感光体。感光層は、正帯電型単層であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、複写機やプリンター等に用いられる電子写真感光体に関する。特に、本発明は、感度が良好で、環境変動による性能低下が起こりにくい電子写真感光体に関する。
近年、電子写真感光体においては、光の吸収が高効率で電荷キャリア(担体)の生成能力に優れる電荷発生材料(Charge Generation Material。以下、「CGM」とも言う)の探索、および、移動度が高く電荷キャリアの輸送能力に優れる正孔輸送材料(Hole Transport Material。以下、「HTM」とも言う)や電子輸送材料(Electron Transport Material。以下、「ETM」とも言う)の探索、さらには、それらの最適な組合せの研究・開発が盛んに行われている。
上記CGMの中では、金属フタロシアニン系の化合物、特にチタニルフタロシアニン系化合物が、感度等の電気特性に優れていることから、広く使用されている(特許文献1など)。
一方、特許文献2,3には、上記チタニルフタロシアニン系化合物をCGMとして用いた際に、ETMとしてナフタレンテトラカルボン酸ジイミド系化合物(以下、「NTC」と称することがある)を組合せた電子写真感光体が提案されている。
しかし、これら先提案の電子写真感光体では、結晶形が不安定なチタニルフタロシアニン系化合物を用いているので、長期にわたって保管・使用していくにつれ、大気中の水分に影響されやすいことに起因し、電気特性の性能が低下するケースがあった。
他方、特許文献4には、チタニルフタロシアニンと2,3−ブタンジオールとの反応生成物からなるCGMと、ジフェノキノン系化合物からなるETMとの組合せが提案されている。
しかし、その感度は不十分で、実用的に満足し得る性能が得られなかったことに加えて、上記ジフェノキノン系化合物は、安定性が悪く、感光層中に通常添加されるジブチルヒドロキシトルエン(BHT)等の酸化防止剤と速やかに反応し、ジフェノールになってしまう問題があった。
なお、感光層形成のための塗工液中に、もしジフェノールが生成してしまうと、該ジフェノールは、塗工液調製時に使用される溶剤に溶け難いうえ、調製された塗工液中に結晶が徐々に析出してくるので、感光層作製工程を煩雑にし、その生産性や品質を低下させる等の難点があった。
特開2000−122318号公報 特開2006−18302号公報 特許第4607034号公報 特許第3709596号公報 特願2013−75715 特許第4034962号公報 特許第3373783号公報
本発明は、上記状況に鑑みてなされたもので、従来のものよりもより高感度で、環境変動による性能の低下が起こりにくい電子写真感光体の提供を課題とする。
本発明者らは、まず、数多く存在する電子写真感光体用のCGMの中から、大気中の水分の影響を受けることがなく、結晶安定性に非常に優れた化合物として、チタニルフタロシアニンと2,3−ブタンジオールとの反応生成物(以下、「ブタンジオール付加チタニルフタロシアニン」とも言う)に着目し、種々検討を重ねた結果、
このブタンジオール付加チタニルフタロシアニンに、ETMとして、NTC及び/またはピラゾロン系化合物(以下「ピラゾロン」と称することがある)を組合せれば、それぞれの電気特性を相殺することなく、しかも、それぞれ別のCGM(あるいはETM)と組合せた場合の感光層のものより高感度であるばかりか、有機溶剤との相溶性も良好で、その製造工程において調製された感光体塗工液中への経時的なETMの析出等の弊害がなく、環境変動に対しても極めて安定な電子写真感光体が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、感光層が、電荷発生材料として、下記式(I)で表されるブタンジオール付加チタニルフタロシアニンを、電子輸送材料として、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド系化合物および/または下記式(III)で表されるピラゾロン系化合物を含む電子写真感光体を要旨とするものである。

式(III)中、R1およびR2は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、エステル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリル基、アミド基、アミノ基、アシル基、カルボキシル基、カルボニル基、またはカルボン酸基を示す。
このとき、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド系化合物は、下記式(IV)で表される化合物であることが好ましい。

式(IV)中、R3およびR4は、同一または異なって、炭素数2〜12の直鎖または分岐のアルキル鎖を示す。
あるいは、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド系化合物は、下記式(II)で表される化合物であってもよい。

式(II)中、A〜Fは、同一または異なって、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示す。これらの基のうちアルキル基はさらに置換基としてアルコキシ基および/またはハロゲン原子を有していてもよい。また、シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基は、いずれもその環上にさらに置換基としてアルキル基および/またはハロゲン原子を有していてもよい。さらにアラルキル基は、そのアルキレン鎖上にさらに置換基としてアルキル基および/またはハロゲン原子を有していてもよい。
さらに、本発明における感光層は、正帯電型単層とすることができる。
本発明の電子写真感光体は、感光層中に、CGMとしてブタンジオール付加チタニルフタロシアニンを用いると共に、NTCおよび/またはピラゾロンからなるETMを含有させることによって、他のETMと組合せた従来の電子写真感光体に比べて、環境変動での性能低下を防止でき、その感度をより向上させることができる。
また、本発明のETMとして用いるNTCやピラゾロンは、安定性の高い物質ゆえ、感光層塗工液中へのBHTなどの酸化防止剤の添加を省略することもできる。
しかも、本発明のNTCやピラゾロンは、感光層の塗工液調製用の有機溶剤やバインダー樹脂との相溶性に優れるので、塗工液保管中の経時的な析出がない。したがって、感光体の感光層作製工程を煩雑にしたり、その生産性や品質を低下させることがなく、製造コストの低減にもつながるものである。
さらに、本発明の電子写真感光体は、正帯電型単層としても使用することができ、電子、正孔それぞれの移動速度が大幅に向上し、感度の向上につながるのみならず、負帯電型積層のものに比べ、層形成作業も改善され得るものである。
本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す断面図である。
本発明の電子写真感光体1は、例えば、図1にその層構成の断面図を示すように、導電性支持体2と、導電性支持体2上に設けられた感光層3とを備えた単層型とすることができる。
なお、図1には示していないが、導電性支持体2と感光層3との間には必要に応じて接着性・ブロッキング性等の改善のために金属酸化物を分散したバインダー樹脂等からなる中間層(下引き層)を設けても良い。
本発明の電子写真感光体に用いられる感光層3は、少なくともCGM、ETM、及びHTMを含み、前記CGMとしては、光を吸収して高い効率で電荷キャリアを生成する上式(I)で表されるブタンジオール付加チタニルフタロシアニンが使用される。
上式(I)で表されるブタンジオール付加チタニルフタロシアニンは、チタニルフタロシアニンと2,3−ブタンジオールとの反応生成物である。
チタニルフタロシアニンとしては、α、β、γ、Y型の他、アモルファスやこれらの混合型結晶など、いずれも使用可能であるが、中でも、β型、あるいはβ型とY型の混晶が、合成の簡便さの点から、好ましい。さらに、これらβ型、あるいはβ型とY型の混晶をアシッドペースト処理したウェットケーキの状態(アモルファスチタニルフタロシアニン)も好適に用いることができる。
これらβ型、β型とY型の混晶、アシッドペースト処理に用いる原料については、常法により合成してもよく、一般に市販されているものをそのまま用いてもよいし、本出願人等による特許(特許第4034962号)明細書に記載の方法(反応溶媒として、エーテル結合を有する1価のアルコールを、触媒として、o−アルキルイソ尿素誘導体を用いることにより、副生物である無金属フタロシアニンの量を抑えつつ、四塩化チタンを用いる反応でないことから、塩素由来の不純物の混入がなく、加えて毒性の強い溶媒の残留もない、高純度なチタニルフタロシアニンのβ型結晶、あるいはβ型とY型の混晶を得る方法)によって得られるものであってもよい。
2,3−ブタンジオールとしては、(S,S)−2,3−ブタンジオール、(R,R)−2,3−ブタンジオール、またはこれら異性体の混合物であってもよいが、どちらか一方のみを用いる方が、より確実に電荷キャリア(担体)の生成能力に優れたCGMが得られやすい。
このようなチタニルフタロシアニンと2,3−ブタンジオールとの反応条件は特に限定されないが、クロロナフタレン、ジクロロベンゼン、ジクロロトルエン、テトラリン、キノリン、キシレンなどの有機溶媒を使用し、撹拌下、150〜220℃、常圧、0.5〜4時間程度で行うことが好ましい。さらに、反応中に副生する水を、ディーンスタークトラップなどを用いて脱水する事で、より安定した製造が可能である。
反応終了後、60℃程度にまで冷却し、濾過にて反応生成物(I)を取り出し、減圧乾燥を行う。
前記ETMとしては、上式(IV)で表されるNTC、上式(II)で表されるNTC、上式(III)で表されるピラゾロンのうちの少なくとも1種を用いる。
これらNTC(IV),(II)、ピラゾロン(III)のいずれも、前記ブタンジオール付加チタニルフタロシアニン(I)にて生成された電荷に対し優れた電子輸送機能を有することはもとより、塗工液中の溶剤との相溶性に優れるので感光層中に高濃度に均一に分散させることができる。
ピラゾロン(III)については、酸素や酸化防止剤に対する安定性に加え、有機溶剤に対する溶解性をはじめ、感光体塗工液調製後、保管中の経時的な析出の無さなどを考慮すると、上式(III)中、R1、R2が、同一または異なって、アルキル基、アリール基である化合物が好ましい。
NTC(IV)については、酸素や酸化防止剤に対する安定性に加え、感光体塗工液の製造容易性などを考慮すると、上式(IV)中、R3とR4は同一であることが好ましく、好ましいR3やR4としては、炭素数が2〜7の直鎖のアルキル基である。
本発明では、ブタンジオール付加チタニルフタロシアニン(I)にて生成された電荷に対する電子輸送性能の高さ、使用される有機溶剤やバインダー樹脂との相溶性、製造(取扱)容易性、コストなどを考慮すると、NTCは、上式(II)で表される化合物であってもよい。
上式(II)中、好ましいCやFとしては、メチル基、エチル基など、
好ましいAやDとしては、アルキル基、ハロアルキル基、フェニル基、アリール基など、
好ましいBやEとしては、アルキル基、ハロアルキル基、フェニル基、アリール基などがそれぞれ挙げられる。
この上式(II)で表されるNTCは、常法により合成してもよく、一般に市販されているものをそのまま用いてもよいし、本発明者等による先願(特願2013−75715)明細書に記載の方法(例えば、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物と、アミノアンチピリン誘導体とを加熱撹拌して反応させる方法)によって得られるものであってもよい。
本発明では、感光層中に、前記したようなブタンジオール付加チタニルフタロシアニン(I)、ピラゾロン(III)、NTC(IV)、NTC(II)の他に、従来公知のCGM、ETM、あるいは、下記に例示するHTMを組合せることができる。
〔組合せ可能なHTMの例〕
下記一般式(V)、(VI)、(VII)、(VIII)で表される化合物など、これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
式(V)中、R5〜R7は、各々水素原子と、ハロゲン原子と、アルキル基と、アリル基と、アルコキシ基と、アリール基と、ジアルキルアミノ基と、ジフェニルアミノ基とからなる群より選択されるいずれか1種類の置換基であり、l、m、nは0以上2以下の整数を示す。
式(VI)中、R8〜R11は、各々水素原子と、アルキル基と、アリル基と、アルコキシ基と、アリール基と、ジアルキルアミノ基と、ジフェニルアミノ基とからなる群より選択されるいずれか1種類の置換基を示す。
式(VII)中、R12〜R15は、水素原子と、アルキル基と、アリル基と、アリール基とからなる群より選択されるいずれか1種類の置換基を示す。
式(VIII)中、R16〜R18は、水素原子と、アルキル基と、アリル基と、アリール基とからなる群より選択されるいずれか1種類の置換基を示す。
これらHTMの中では、分子構造にかかわりなく、分子量が大きく、正孔輸送能の高いものが好ましい。
このようなHTMに、前記ピラゾロン(III)、NTC(IV)、NTC(II)のうちの少なくとも一種を組合せれば、電子輸送機能、正孔輸送機能が十分に発揮され、電子、正孔それぞれの移動性がより一層優れたものとなるので、正負両極性において使用できるが、正極性として使用すると特に高感度な感光体となり、しかも単層とすることができるので、本発明の電子写真感光体は正帯電型の感光体として使用するのが好ましい。
以上のようなCGM、ETM、HTMなどを含有する感光層3を形成するためのバインダー樹脂としては、下記に例示するような従来公知のものを使用すればよい;
〔バインダー樹脂の例〕
ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエーテル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ニトリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノール樹脂、EVA(エチレン・酢酸ビニル)樹脂、ACS(アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂及びエポキシアリレートなど、これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
〔その他の添加剤〕
また、感光層3には、上述の各成分の他に、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、分散安定剤、界面活性剤、レベリング剤、可塑剤など、種々の添加剤を添加することもできる。
特に、本発明の電子写真感光体は、耐酸素性を有するETMを用いるので、BHTなどの酸化防止剤の添加を妨げるものではないが、添加を省略することもできる。
感光層3において、CGMは感光層全体に対して、0.1〜3重量%とすればよい。また、ETMは、バインダー樹脂100重量部に対して5〜50重量部、HTMは、バインダー樹脂100重量部に対して、5〜50重量部とすることができる。
以上のような感光層3が形成される導電性支持体2には、下記に例示するような導電性を有する種々の材料を使用すればよい;
〔導電性支持体の例〕
鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属単体;上記金属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で被覆されたガラス;カーボンブラック等の導電性微粒子を分散させた樹脂基体等が挙げられる。
導電性支持体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて、シート状、ドラム状等のいずれであってもよく、支持体自体が導電性を有するか、あるいは支持体の表面が導電性を有していればよい。また、導電性支持体は、使用に際して十分な機械的強度を有するものが好ましい。
本発明の電子写真感光体において、導電性支持体2と感光層3との間に設けてもよい中間層(下引き層)としては、酸化アルミニウム、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、ナイロン樹脂などを用いることができる。
さらに、本発明の電子写真感光体は、必要に応じて感光層3の表面にポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の有機薄膜からなる耐久性や機能向上化のための表面保護層を設けても良い。
<ブタンジオール付加チタニルフタロシアニン(I)の合成>
前述の特許第4034962号明細書に記載の方法にて合成したチタニルフタロシアニン(β型とY型の混晶)14g(0.024モル)と、(R,R)−2,3−ブタンジオール3.28g(0.036モル)とを、キシレン100ミリリットル(以下、ミリリットルをmLと記す)中で、常圧、還流下で2時間攪拌下に反応させた。反応の際、ディーンスタークトラップを用いて副生してくる水を脱水した。
反応終了後、60℃程度にまで冷却し、濾過をし、得られた結晶を減圧乾燥し、ブタンジオール付加チタニルフタロシアニン(I)15.5g(青色結晶。ブタンジオールの付加率:約100%)を得た。
<有機溶剤との分散液の安定性・有機溶剤への溶解性>
表1に示す例1〜3のCGM、表2,3に示す例4〜10のETMについて、有機溶剤に分散した後の安定性あるいは有機溶剤への溶解性の評価を以下のように行った。評価結果は、表1〜3に併せて示す。なお、例1のCGMは、前記合成方法にて得られたブタンジオール付加チタニルフタロシアニン(I)を用いた;
テトラヒドロフラン1mLに、例1〜10の各化合物0.1gと、酸化防止剤としてBHTを0.01g加え、30分間超音波分散させた(テトラヒドロフランは、電子写真感光体の塗工液調製時に用いられる代表的な有機溶剤である)。
・分散液の安定性(CGM)については、得られた分散液を1時間静置した後、その液の状態を観察し、沈降していないものを「○」、1/3以上沈降したものを「×」とした。
・溶解性(ETM)については、分散後、完全に溶解したものを「○」、やや溶解したものを「△」とした。
表1から、チタニルフタロシアニンの結晶型のうち、最高の感光体感度をもたらすと言われているY型(例3)は、沈降しやすく、分散液の安定性が悪いのに対し、β型とY型の混晶を用いたブタンジオールとの付加体(例1)では、安定性が良好であることがわかった。
表2から、本発明の感光体をなすETM(例4〜6)は、いずれも溶解性に優れていることがわかった。
<電子写真感光体の感度>
例101〜107
上記安定性・溶解性の試験にて、「○」の評価が得られた例1,2の化合物(CGM)と、例4〜6,9の化合物(ETM)を用いて、電子写真感光体を以下のように作製した。
CGMとして表4に示す各化合物0.1gを、それぞれ分子量40,000のZ型ポリカーボネート4.7gとともにテトラヒドロフラン100mLに入れ、超音波分散機にて24時間分散させた。
そこへ、HTMとして前式(V)で表されるm−TPD(N,N'−ジフェニル−N,N'−ジ(m−トリル)ベンジジン)を3.5gずつと、ETMとして表4に示す各化合物を1.7gずつとを、それぞれ加え混合溶解させ、例101〜107の塗工液を得た。
次いで、得られた各塗工液を、三菱マテリアルテクノ社製の1本塗り塗工装置にて、アルミニウム製のドラム状導電性支持体へ、膜厚が20μmとなるように塗工し、正帯電単層型の電子写真感光体を作製した。
各例の電子写真感光体の感度を評価するため、ジェンテック社製電子写真評価装置“CINDIE743”を使用して、半減露光量(μJ/cm2)を測定した。結果を併せて表4に示す。
半減露光量は、帯電した感光層(光導電層)の表面を露光した時、その表面電位を半減させるのに必要な露光量であり、この半減露光量が小さいほど感光体の感度が大であることを示す。
本発明の電子写真感光体は、単層型であっても、非常に高感度ゆえ、例えば、静電式複写機、ファクシミリ、レーザビームプリンタ、LEDプリンタなどの画像形成装置として、好適に使用され得るものである。
1 電子写真感光体
2 導電性支持体
3 感光層

Claims (3)

  1. 感光層が、
    電荷発生材料として、下記式(I)で表されるブタンジオール付加チタニルフタロシアニンを、
    電子輸送材料として、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド系化合物および/または下記式(III)で表されるピラゾロン系化合物を
    含むことを特徴とする電子写真感光体。


    式(III)中、R1およびR2は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、エステル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリル基、アミド基、アミノ基、アシル基、カルボキシル基、カルボニル基、またはカルボン酸基を示す。
  2. ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド系化合物が、下記式(IV)で表される化合物および/または下記式(II)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。

    式(IV)中、R3およびR4は、同一または異なって、炭素数2〜12の直鎖または分岐のアルキル鎖を示す。


    式(II)中、A〜Fは、同一または異なって、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示す。これらの基のうちアルキル基はさらに置換基としてアルコキシ基および/またはハロゲン原子を有していてもよい。また、シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基は、いずれもその環上にさらに置換基としてアルキル基および/またはハロゲン原子を有していてもよい。さらにアラルキル基は、そのアルキレン鎖上にさらに置換基としてアルキル基および/またはハロゲン原子を有していてもよい。
  3. 前記感光層が、正帯電単層であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。

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