JPH11202511A - 電子写真用感光体 - Google Patents
電子写真用感光体Info
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- JPH11202511A JPH11202511A JP10004684A JP468498A JPH11202511A JP H11202511 A JPH11202511 A JP H11202511A JP 10004684 A JP10004684 A JP 10004684A JP 468498 A JP468498 A JP 468498A JP H11202511 A JPH11202511 A JP H11202511A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 近赤外域における感度が良好で,帯電性,繰
り返し使用時の安定性に優れた電子写真用感光体を提供
すること。 【解決手段】 同一の感光層内に電荷発生物質及び電荷
輸送物質を含有する電子写真感光体において,電荷発生
物質がチタニウムフタロシアニン系化合物,電子輸送物
質が一般式(1)で表される化合物を含有し,正孔輸送
物質のイオン化ポテンシャルが5.4〜5.6eVの範
囲内にあることを特徴とする電子写真用感光体を提供す
る
り返し使用時の安定性に優れた電子写真用感光体を提供
すること。 【解決手段】 同一の感光層内に電荷発生物質及び電荷
輸送物質を含有する電子写真感光体において,電荷発生
物質がチタニウムフタロシアニン系化合物,電子輸送物
質が一般式(1)で表される化合物を含有し,正孔輸送
物質のイオン化ポテンシャルが5.4〜5.6eVの範
囲内にあることを特徴とする電子写真用感光体を提供す
る
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真用感光体に
関し、更に詳しくは、近赤外領域の感度、帯電性が良好
で、かつ繰り返し使用時の安定性に優れた電子写真用感
光体に関する。
関し、更に詳しくは、近赤外領域の感度、帯電性が良好
で、かつ繰り返し使用時の安定性に優れた電子写真用感
光体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真用感光体は、導電性の
基体の上に、光導電性の材料からなる感光層を形成する
ことにより構成されているが、感光層としては、電荷発
生層と電荷輸送層からなる機能分離型の光導電層を有す
る積層型電子写真用感光体が用いられることが多い。
基体の上に、光導電性の材料からなる感光層を形成する
ことにより構成されているが、感光層としては、電荷発
生層と電荷輸送層からなる機能分離型の光導電層を有す
る積層型電子写真用感光体が用いられることが多い。
【0003】しかしながら、一般の積層型電子写真用感
光体は、通常1μm以下の薄層の電荷発生層の上に、比
較的厚い層からなる電荷輸送層を積層したものであり、
電荷発生層の薄膜形成の難しさが収率を落とす要因とな
っている。また、電荷輸送層に用いる電荷輸送物質は、
化合物群の豊富さ、電気的な安定性、材料としての安全
性等の理由から、正孔輸送性の材料を用いることが一般
的であるので、このような積層型電子写真用感光体は、
必然的に負帯電でしか感度を発現できないものである。
光体は、通常1μm以下の薄層の電荷発生層の上に、比
較的厚い層からなる電荷輸送層を積層したものであり、
電荷発生層の薄膜形成の難しさが収率を落とす要因とな
っている。また、電荷輸送層に用いる電荷輸送物質は、
化合物群の豊富さ、電気的な安定性、材料としての安全
性等の理由から、正孔輸送性の材料を用いることが一般
的であるので、このような積層型電子写真用感光体は、
必然的に負帯電でしか感度を発現できないものである。
【0004】近年、コスト低減要求に応えるため、生産
工程の単純化が大きな課題となっている。また、マイナ
スのコロナ放電時に多量に発生するオゾンの影響が環境
上問題視されるようになり、オゾン発生量の少ないプラ
スのコロナ放電で使用可能な正帯電型の電子写真用感光
体の実現も望まれている。
工程の単純化が大きな課題となっている。また、マイナ
スのコロナ放電時に多量に発生するオゾンの影響が環境
上問題視されるようになり、オゾン発生量の少ないプラ
スのコロナ放電で使用可能な正帯電型の電子写真用感光
体の実現も望まれている。
【0005】このような電子写真用感光体に対する要求
に対して、旧来の単層型電子写真用感光体が、その単純
な層構成や正帯電での使用可能性等の利点から再評価さ
れるようになってきている。そこで、再度実用的な単層
型電子写真用感光体を実現しようとする試みが活発に行
われるようになっているが、未だ要求に充分応え得るも
のは実現されていない。
に対して、旧来の単層型電子写真用感光体が、その単純
な層構成や正帯電での使用可能性等の利点から再評価さ
れるようになってきている。そこで、再度実用的な単層
型電子写真用感光体を実現しようとする試みが活発に行
われるようになっているが、未だ要求に充分応え得るも
のは実現されていない。
【0006】例えば、特開昭54−1633号公報に
は、フタロシアニンの如き電荷発生物質を、オキサジア
ゾールの如き正孔輸送物質とジニトロフルオレノンの如
き電子輸送物質と一緒に結着樹脂中に分散してなる感光
層を導電性支持体の上に設けた単層型の電子写真用感光
体が開示されている。
は、フタロシアニンの如き電荷発生物質を、オキサジア
ゾールの如き正孔輸送物質とジニトロフルオレノンの如
き電子輸送物質と一緒に結着樹脂中に分散してなる感光
層を導電性支持体の上に設けた単層型の電子写真用感光
体が開示されている。
【0007】この種の電子写真用感光体は、従来のフタ
ロシアニン/樹脂分散系の単層型電子写真用感光体のよ
うに電荷発生と電荷輸送を同一の材料が行なう構成とは
異なり、電荷発生と電荷輸送をそれぞれ異なる材料に受
け負わせるものであるから、電荷発生物質の濃度を従来
に比べ大幅に低減することが可能で、かつ正負両帯電性
の電子写真用感光体が実現できる利点があった。このた
め、このような構成を取る電子写真用感光体は、近年活
発な実用化検討が加えられている。
ロシアニン/樹脂分散系の単層型電子写真用感光体のよ
うに電荷発生と電荷輸送を同一の材料が行なう構成とは
異なり、電荷発生と電荷輸送をそれぞれ異なる材料に受
け負わせるものであるから、電荷発生物質の濃度を従来
に比べ大幅に低減することが可能で、かつ正負両帯電性
の電子写真用感光体が実現できる利点があった。このた
め、このような構成を取る電子写真用感光体は、近年活
発な実用化検討が加えられている。
【0008】しかしながら、このような感光体では電荷
発生物質が電荷輸送物質中に分散されているため、電荷
発生物質と電荷輸送物質との接触面積が従来の積層感光
体に比べて桁違いに大きくなり、電荷発生物質からの電
荷の注入特性が感光体特性に与える影響が極めて強い。
そのため、このような感光体では帯電性や感度が十分に
得られず、また電荷発生が感光層の内部で起きるため移
動度の悪い電子がトラップされ易く、繰り返し特性が安
定しないという特性上の問題を生じ易かった。
発生物質が電荷輸送物質中に分散されているため、電荷
発生物質と電荷輸送物質との接触面積が従来の積層感光
体に比べて桁違いに大きくなり、電荷発生物質からの電
荷の注入特性が感光体特性に与える影響が極めて強い。
そのため、このような感光体では帯電性や感度が十分に
得られず、また電荷発生が感光層の内部で起きるため移
動度の悪い電子がトラップされ易く、繰り返し特性が安
定しないという特性上の問題を生じ易かった。
【0009】また、このような構成に必須である電子輸
送物質は、トリニトロフルオレノン(TNF)に代表さ
れるように一般に溶解性が劣っていたり、強い変異原性
を有する場合が多く、その材料選択の幅は自ずと狭くな
らざるを得なかった。
送物質は、トリニトロフルオレノン(TNF)に代表さ
れるように一般に溶解性が劣っていたり、強い変異原性
を有する場合が多く、その材料選択の幅は自ずと狭くな
らざるを得なかった。
【0010】例えば、特開昭61−239248号公報
には、α形チタニルフタロシアニンを電荷発生物質とし
て、正孔輸送物質、電子輸送物質と共に分散して成る単
層構成の感光体が記載されている。同発明は、チタニウ
ムフタロシアニン系化合物をこのような構成の感光体に
用いた最初の例として興味深いが、電子輸送物質として
は、ジスアゾ化合物等の顔料系材料のみしか開示されて
おらず、分散安定性や、電荷移動度の不足から生ずる特
性不良の問題が生じ易いものであり、同化合物の近赤外
領域における高感度特性を十分に発揮し難いものであっ
た。
には、α形チタニルフタロシアニンを電荷発生物質とし
て、正孔輸送物質、電子輸送物質と共に分散して成る単
層構成の感光体が記載されている。同発明は、チタニウ
ムフタロシアニン系化合物をこのような構成の感光体に
用いた最初の例として興味深いが、電子輸送物質として
は、ジスアゾ化合物等の顔料系材料のみしか開示されて
おらず、分散安定性や、電荷移動度の不足から生ずる特
性不良の問題が生じ易いものであり、同化合物の近赤外
領域における高感度特性を十分に発揮し難いものであっ
た。
【0011】ところで、特開昭52−2436号公報に
は、下記一般式(2)で表されるフルオレン系化合物と
結着樹脂の固溶体が静電複写用の受容体として有用であ
ることが開示されている。
は、下記一般式(2)で表されるフルオレン系化合物と
結着樹脂の固溶体が静電複写用の受容体として有用であ
ることが開示されている。
【0012】
【化2】
【0013】(ここで、XおよびYは−NO2 、−C
N、ハロゲン、−CF2 から成る群から無関係に選ば
れ、Zは酸素またはジシアノメチレンであり、Rは−N
(R')n、−O−R' または−N⊃R' であり、R' は
2〜25個の炭素原子のアルキルまたはアルキレンであ
り、aは0〜4であり、a' は0〜3であり、かつnは
1〜2である。)
N、ハロゲン、−CF2 から成る群から無関係に選ば
れ、Zは酸素またはジシアノメチレンであり、Rは−N
(R')n、−O−R' または−N⊃R' であり、R' は
2〜25個の炭素原子のアルキルまたはアルキレンであ
り、aは0〜4であり、a' は0〜3であり、かつnは
1〜2である。)
【0014】この系統に属する化合物の中で、Zがジシ
アノメチレン、Rが−O−C4H9、a=a'=0 の化合
物については、ジャーナル・オブ・イメージング・サイ
エンス(Journal of Imaging Science)(1985年)
第29巻、第2号、第69〜72頁の報文において、樹
脂との相溶性が良好で、変異原性のない電子輸送物質で
あることが報告されているが、本系統の化合物は従来検
討された構成においては実用感光体としての特性が不十
分であったため、未だ本格的に実用化されたことがな
い。
アノメチレン、Rが−O−C4H9、a=a'=0 の化合
物については、ジャーナル・オブ・イメージング・サイ
エンス(Journal of Imaging Science)(1985年)
第29巻、第2号、第69〜72頁の報文において、樹
脂との相溶性が良好で、変異原性のない電子輸送物質で
あることが報告されているが、本系統の化合物は従来検
討された構成においては実用感光体としての特性が不十
分であったため、未だ本格的に実用化されたことがな
い。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来提案されてきた電荷発生物質、電子輸
送物質及び正孔輸送物質を感光層に含有する電子写真用
感光体において問題となった帯電性や感度の不足、繰り
返し安定性の不良等の諸点を改善し、これらの電気的特
性に優れた好ましい電子写真用感光体を実現することに
ある。
する課題は、従来提案されてきた電荷発生物質、電子輸
送物質及び正孔輸送物質を感光層に含有する電子写真用
感光体において問題となった帯電性や感度の不足、繰り
返し安定性の不良等の諸点を改善し、これらの電気的特
性に優れた好ましい電子写真用感光体を実現することに
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、電荷発生物質、電子輸送物質及び正孔輸送
物質を感光層に含有する電子写真用感光体において、電
荷発生物質がチタニウムフタロシアニン系化合物、電子
輸送物質が式(1)で表されるフルオレン系化合物をそ
れぞれ含有し、正孔輸送物質のイオン化ポテンシャルが
5.4〜5.6eVの範囲内にあることを特徴とする電
子写真用感光体を提供する。
するために、電荷発生物質、電子輸送物質及び正孔輸送
物質を感光層に含有する電子写真用感光体において、電
荷発生物質がチタニウムフタロシアニン系化合物、電子
輸送物質が式(1)で表されるフルオレン系化合物をそ
れぞれ含有し、正孔輸送物質のイオン化ポテンシャルが
5.4〜5.6eVの範囲内にあることを特徴とする電
子写真用感光体を提供する。
【0017】
【化3】
【0018】(式中、Zは酸素原子又はジシアノメチレ
ン基を表し、Rは置換又は未置換のアルキル基を表し、
m及びnはそれぞれ独立に0〜2の整数を表す。また、
フルオレン骨格中のベンゼン環上の水素原子はハロゲン
原子で置換されていてもよい。)
ン基を表し、Rは置換又は未置換のアルキル基を表し、
m及びnはそれぞれ独立に0〜2の整数を表す。また、
フルオレン骨格中のベンゼン環上の水素原子はハロゲン
原子で置換されていてもよい。)
【0019】また本発明に用いるチタニウムフタロシア
ニン系化合物は、チタニルフタロシアニン、グリコラー
トチタニウムフタロシアニンからなる群から選ばれる化
合物であることが特に望ましい。
ニン系化合物は、チタニルフタロシアニン、グリコラー
トチタニウムフタロシアニンからなる群から選ばれる化
合物であることが特に望ましい。
【0020】更に本発明に用いる電荷発生物質の感光層
中に占める割合は、0.5〜5重量%の範囲内であるこ
とが望ましい。
中に占める割合は、0.5〜5重量%の範囲内であるこ
とが望ましい。
【0021】このような構成を用いることによって、単
層構造の感光体でありながら、チタニウムフタロシアニ
ン系化合物の近赤外領域における高感度特性を損なうこ
となく、帯電性が良好で、繰り返し安定性に優れた実用
上好ましい特性の電子写真感光体が実現できる。
層構造の感光体でありながら、チタニウムフタロシアニ
ン系化合物の近赤外領域における高感度特性を損なうこ
となく、帯電性が良好で、繰り返し安定性に優れた実用
上好ましい特性の電子写真感光体が実現できる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の電子写真用感光体の感光
層の構造の例を図1に示した。ここで、導電性支持体1
には任意の形状のものが用いられ、その上に電荷発生物
質2を電子輸送物質と正孔輸送物質を含有させた結着樹
脂3に分散してなる感光層4が設けられる。なお、感光
層の膜厚は、5〜50μmの範囲が好ましい。感光層の
膜厚は、浸漬塗工により形成する場合、塗工速度、塗料
の粘度、剪断力等の諸物性を調節することにより容易に
所望の膜厚とすることができる。なお、この単層構成の
感光層に付加して、中間層或いは表面保護層等の機能層
を適宜合わせて用いることも可能である。
層の構造の例を図1に示した。ここで、導電性支持体1
には任意の形状のものが用いられ、その上に電荷発生物
質2を電子輸送物質と正孔輸送物質を含有させた結着樹
脂3に分散してなる感光層4が設けられる。なお、感光
層の膜厚は、5〜50μmの範囲が好ましい。感光層の
膜厚は、浸漬塗工により形成する場合、塗工速度、塗料
の粘度、剪断力等の諸物性を調節することにより容易に
所望の膜厚とすることができる。なお、この単層構成の
感光層に付加して、中間層或いは表面保護層等の機能層
を適宜合わせて用いることも可能である。
【0023】本発明で使用する電荷発生物質としては、
チタニウムフタロシアニン系化合物が用いられる。ここ
で、チタニウムフタロシアニン系化合物とは下記一般式
で表される化合物を意味する。
チタニウムフタロシアニン系化合物が用いられる。ここ
で、チタニウムフタロシアニン系化合物とは下記一般式
で表される化合物を意味する。
【0024】
【化4】
【0025】(ここで、Aは酸素原子、ハロゲン原子、
アルコキシ基、アリールオキシ基、更には脂肪族乃至は
芳香族のジオール成分を表し、iは置換基が2価の場合
は1、1価の場合は2を表す。また、フタロシアニン骨
格中のベンゼン環上の水素原子は任意の置換基で置換さ
れていてもよい。)
アルコキシ基、アリールオキシ基、更には脂肪族乃至は
芳香族のジオール成分を表し、iは置換基が2価の場合
は1、1価の場合は2を表す。また、フタロシアニン骨
格中のベンゼン環上の水素原子は任意の置換基で置換さ
れていてもよい。)
【0026】特に好ましいチタニウムフタロシアニン系
化合物の例としては、Aが酸素原子のもの(チタニルフ
タロシアニン)、脂肪族ジオール成分のもの(グリコラ
ートチタニウムフタロシアニン)及びこれらの混合組成
物等が挙げられる。
化合物の例としては、Aが酸素原子のもの(チタニルフ
タロシアニン)、脂肪族ジオール成分のもの(グリコラ
ートチタニウムフタロシアニン)及びこれらの混合組成
物等が挙げられる。
【0027】また、このチタニウムフタロシアニン系化
合物に加えて、他の電荷発生物質を混合して用いること
もできる。このような電荷発生物質としては、例えば、
アゾ系顔料、キノン系顔料、ペリレン系顔料、インジゴ
系顔料、チオインジゴ系顔料、ビスベンゾイミダゾール
系顔料、他のフタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔
料、キノリン系顔料、レーキ系顔料、アゾレーキ系顔
料、アントラキノン系顔料、オキサジン系顔料、ジオキ
サジン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、アズレニウ
ム系染料、スクウェアリウム系染料、ピリリウム系染
料、トリアリルメタン系染料、キサンテン系染料、チア
ジン系染料、シアニン系染料等の種々の有機顔料、染料
や、更にアモルファスシリコン、アモルファスセレン、
テルル、セレン−テルル合金、硫化カドミウム、硫化ア
ンチモン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料を挙げるこ
とができる。
合物に加えて、他の電荷発生物質を混合して用いること
もできる。このような電荷発生物質としては、例えば、
アゾ系顔料、キノン系顔料、ペリレン系顔料、インジゴ
系顔料、チオインジゴ系顔料、ビスベンゾイミダゾール
系顔料、他のフタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔
料、キノリン系顔料、レーキ系顔料、アゾレーキ系顔
料、アントラキノン系顔料、オキサジン系顔料、ジオキ
サジン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、アズレニウ
ム系染料、スクウェアリウム系染料、ピリリウム系染
料、トリアリルメタン系染料、キサンテン系染料、チア
ジン系染料、シアニン系染料等の種々の有機顔料、染料
や、更にアモルファスシリコン、アモルファスセレン、
テルル、セレン−テルル合金、硫化カドミウム、硫化ア
ンチモン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料を挙げるこ
とができる。
【0028】電荷発生物質の感光層中に占める割合は、
得られた電子写真用感光体の感度に対しては0.5重量
%以上が好ましく、電荷保持能や電荷輸送性に対しては
5重量%以下の範囲が好ましい。
得られた電子写真用感光体の感度に対しては0.5重量
%以上が好ましく、電荷保持能や電荷輸送性に対しては
5重量%以下の範囲が好ましい。
【0029】また、本発明の電子写真用感光体の感光層
には、電子輸送物質と正孔輸送物質が混合して用いられ
る。電子輸送物質と正孔輸送物質の混合割合は1:10
から10:1の範囲内が好ましく、一般に正帯電特性を
重視する場合は正孔輸送物質の割合を多くして、負帯電
特性を重視する場合は電子輸送物質の割合を多くするこ
とが好ましい。
には、電子輸送物質と正孔輸送物質が混合して用いられ
る。電子輸送物質と正孔輸送物質の混合割合は1:10
から10:1の範囲内が好ましく、一般に正帯電特性を
重視する場合は正孔輸送物質の割合を多くして、負帯電
特性を重視する場合は電子輸送物質の割合を多くするこ
とが好ましい。
【0030】電子輸送物質としては、下記式(1)で表
されるカルボニルフルオレン系化合物が用いられる。
されるカルボニルフルオレン系化合物が用いられる。
【0031】
【化5】
【0032】(式中、Zは酸素原子又はジシアノメチレ
ン基を表し、Rは置換又は未置換のアルキル基を表し、
m及びnはそれぞれ独立に0〜2の整数を表す。また、
フルオレン骨格中のベンゼン環上の水素原子はハロゲン
原子で置換されていてもよい。)
ン基を表し、Rは置換又は未置換のアルキル基を表し、
m及びnはそれぞれ独立に0〜2の整数を表す。また、
フルオレン骨格中のベンゼン環上の水素原子はハロゲン
原子で置換されていてもよい。)
【0033】このような化合物として好ましい例を以下
に示す。
に示す。
【0034】
【化6】
【0035】また、電子輸送物質としては、必要に応じ
て前記カルボニルフルオレン系化合物と他の電子輸送物
質を併用することもできる。併用して用いることのでき
る電子輸送物質としては、例えば、ベンゾキノン系、テ
トラシアノエチレン系、テトラシアノキノジメタン系、
フルオレノン系、キサントン系、フェナントラキノン
系、無水フタール酸系、ジフェノキノン系等の有機化合
物や、アモルファスシリコン、アモルファスセレン、テ
ルル、セレンーテルル合金、硫化カドミウム、硫化アン
チモン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料が挙げられ
る。
て前記カルボニルフルオレン系化合物と他の電子輸送物
質を併用することもできる。併用して用いることのでき
る電子輸送物質としては、例えば、ベンゾキノン系、テ
トラシアノエチレン系、テトラシアノキノジメタン系、
フルオレノン系、キサントン系、フェナントラキノン
系、無水フタール酸系、ジフェノキノン系等の有機化合
物や、アモルファスシリコン、アモルファスセレン、テ
ルル、セレンーテルル合金、硫化カドミウム、硫化アン
チモン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料が挙げられ
る。
【0036】本発明の電子写真用感光体において使用す
るカルボニルフルオレン系化合物は、例えばカルボニル
フルオレノンのニトロ化或いはマロノニトリルとの縮合
反応等により、得ることができる。
るカルボニルフルオレン系化合物は、例えばカルボニル
フルオレノンのニトロ化或いはマロノニトリルとの縮合
反応等により、得ることができる。
【0037】正孔輸送物質としては、イオン化ポテンシ
ャルが5.4〜5.6eVの範囲内にあるものが用いら
れる。電位保持性に対してはイオン化ポテンシャルが
5.4eV以上が好ましく、残留電位に対してはイオン
化ポテンシャルが5.6eV以下が好ましい。
ャルが5.4〜5.6eVの範囲内にあるものが用いら
れる。電位保持性に対してはイオン化ポテンシャルが
5.4eV以上が好ましく、残留電位に対してはイオン
化ポテンシャルが5.6eV以下が好ましい。
【0038】なお、イオン化ポテンシャルの値は置換基
等により大きく変動するものであり、任意の正孔輸送物
質の中から本範囲内に入るものを選択して用いることが
できる。
等により大きく変動するものであり、任意の正孔輸送物
質の中から本範囲内に入るものを選択して用いることが
できる。
【0039】正孔輸送物質としては、低分子化合物で
は、例えば、ピレン系、カルバゾール系、ヒドラゾン
系、オキサゾール系、オキサジアゾール系、ピラゾリン
系、アリールアミン系、アリールメタン系、ベンジジン
系、チアゾール系、スチルベン系、ブタジエン系等の化
合物が挙げられる。また、高分子化合物としては、例え
ば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリ−
N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニ
ルアンスラセン、ポリビニルアクリジン、ピレン−ホル
ムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデ
ヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹
脂、トリフェニルメタンポリマー、ポリシラン等が挙げ
られる。
は、例えば、ピレン系、カルバゾール系、ヒドラゾン
系、オキサゾール系、オキサジアゾール系、ピラゾリン
系、アリールアミン系、アリールメタン系、ベンジジン
系、チアゾール系、スチルベン系、ブタジエン系等の化
合物が挙げられる。また、高分子化合物としては、例え
ば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリ−
N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニ
ルアンスラセン、ポリビニルアクリジン、ピレン−ホル
ムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデ
ヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹
脂、トリフェニルメタンポリマー、ポリシラン等が挙げ
られる。
【0040】本発明で使用する正孔輸送物質は、ここに
挙げたものに限定されるものではなく、その使用に際し
ては単独、或いは2種類以上混合して用いることができ
る。2種類以上の正孔輸送物質を混合して用いる場合
は、その全てが本願発明の規定するイオン化ポテンシャ
ルの範囲を満足することが最も好ましいが、本願発明の
効果を損なわない範囲で、必要に応じて本願発明の規定
するイオン化ポテンシャルの範囲外の正孔輸送物質と組
み合わせて用いても良い。
挙げたものに限定されるものではなく、その使用に際し
ては単独、或いは2種類以上混合して用いることができ
る。2種類以上の正孔輸送物質を混合して用いる場合
は、その全てが本願発明の規定するイオン化ポテンシャ
ルの範囲を満足することが最も好ましいが、本願発明の
効果を損なわない範囲で、必要に応じて本願発明の規定
するイオン化ポテンシャルの範囲外の正孔輸送物質と組
み合わせて用いても良い。
【0041】なお、本発明で規定するイオン化ポテンシ
ャルとは、材料の基底状態から電子一個を取り出すのに
必要なエネルギー量を意味する。この特性値を測定する
ためには、例えば、真空紫外吸収法、電子衝撃法、光イ
オン化法、光電子スペクトル法等の手法が知られてい
る。一般的には、大気雰囲気中で紫外線を照射して放出
される光電子スペクトルを測定する装置(例えば理研計
器社製の表面分析装置、AC−1)がその簡便さから広
く普及しており、後述の各実施例、各比較例におけるイ
オン化ポテンシャルの実測値は、全て同法で測定した。
測定は、試料にモノクロメーターで分光した紫外光をエ
ネルギーを変化させながら照射して、光電効果により、
光電子が放出され始める最低エネルギーを求めることで
イオン化ポテンシャルを決定した。
ャルとは、材料の基底状態から電子一個を取り出すのに
必要なエネルギー量を意味する。この特性値を測定する
ためには、例えば、真空紫外吸収法、電子衝撃法、光イ
オン化法、光電子スペクトル法等の手法が知られてい
る。一般的には、大気雰囲気中で紫外線を照射して放出
される光電子スペクトルを測定する装置(例えば理研計
器社製の表面分析装置、AC−1)がその簡便さから広
く普及しており、後述の各実施例、各比較例におけるイ
オン化ポテンシャルの実測値は、全て同法で測定した。
測定は、試料にモノクロメーターで分光した紫外光をエ
ネルギーを変化させながら照射して、光電効果により、
光電子が放出され始める最低エネルギーを求めることで
イオン化ポテンシャルを決定した。
【0042】結着樹脂は、電気絶縁性のフィルム形成可
能な高分子重合体が好ましい。そのような高分子重合体
としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、
メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルアセテー
ト、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−
アクリロニトリル重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合
体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノ
ール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹
脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルブチラ
ール、ポリビニルフォルマール、ポリスルホン、カゼイ
ン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロー
ス、フェノール樹脂、ポリアミド、カルボキシ−メチル
セルロース、塩化ビニリデン系ポリマーラテックス、ポ
リウレタン等が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。これらの結着樹脂は、単独又は2種類以上混
合して用いられる。
能な高分子重合体が好ましい。そのような高分子重合体
としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、
メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルアセテー
ト、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−
アクリロニトリル重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合
体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノ
ール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹
脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルブチラ
ール、ポリビニルフォルマール、ポリスルホン、カゼイ
ン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロー
ス、フェノール樹脂、ポリアミド、カルボキシ−メチル
セルロース、塩化ビニリデン系ポリマーラテックス、ポ
リウレタン等が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。これらの結着樹脂は、単独又は2種類以上混
合して用いられる。
【0043】結着樹脂と前記電荷輸送物質の配合割合
は、電荷輸送物質が低分子化合物の場合、結着樹脂10
重量部に対して電荷輸送物質1重量部から10重量部の
範囲が好ましい。また電荷輸送物質が高分子化合物の場
合は、電荷輸送物質自体が結着樹脂としての機能を有す
るので、感光層組成中において電荷発生物質を除く全量
を電荷輸送物質とすることも可能である。
は、電荷輸送物質が低分子化合物の場合、結着樹脂10
重量部に対して電荷輸送物質1重量部から10重量部の
範囲が好ましい。また電荷輸送物質が高分子化合物の場
合は、電荷輸送物質自体が結着樹脂としての機能を有す
るので、感光層組成中において電荷発生物質を除く全量
を電荷輸送物質とすることも可能である。
【0044】また、これらの結着樹脂と共に、分散安定
剤、可塑剤、表面改質剤、酸化防止剤、光劣化防止剤等
の添加剤を使用することもできる。
剤、可塑剤、表面改質剤、酸化防止剤、光劣化防止剤等
の添加剤を使用することもできる。
【0045】可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩
化ビフェニル、ターフェニル、ジブチルフタレート、ジ
エチレングリコールフタレート、ジオクチルフタレー
ト、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾフェ
ノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。
化ビフェニル、ターフェニル、ジブチルフタレート、ジ
エチレングリコールフタレート、ジオクチルフタレー
ト、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾフェ
ノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。
【0046】表面改質剤としては、例えば、シリコンオ
イル、フッ素樹脂等が挙げられる。
イル、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0047】酸化防止剤としては、例えば、フェノール
系、硫黄系、リン系、アミン系化合物等の酸化防止剤が
挙げられる。
系、硫黄系、リン系、アミン系化合物等の酸化防止剤が
挙げられる。
【0048】光劣化防止剤としては、例えば、ベンゾト
リアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ヒンダ
ードアミン系化合物等が挙げられる。
リアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ヒンダ
ードアミン系化合物等が挙げられる。
【0049】本発明の感光体を塗布法で形成する場合の
塗料に用いる溶剤としては、例えば、メタノール、エタ
ノール、n−プロパノール等のアルコール類、アセト
ン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド等のアミド類、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、メチルセロソルブ等のエーテル類、酢酸メチ
ル、酢酸エチル等のエステル類、ジメチルスルホキシ
ド、スルホラン等のスルホキシド及びスルホン類、塩化
メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエタ
ン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼン
等の芳香族類などが挙げられる。
塗料に用いる溶剤としては、例えば、メタノール、エタ
ノール、n−プロパノール等のアルコール類、アセト
ン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド等のアミド類、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、メチルセロソルブ等のエーテル類、酢酸メチ
ル、酢酸エチル等のエステル類、ジメチルスルホキシ
ド、スルホラン等のスルホキシド及びスルホン類、塩化
メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエタ
ン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼン
等の芳香族類などが挙げられる。
【0050】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更
に詳細に説明するが、これにより本発明が実施例に限定
されるものではない。なお、以下の各実施例及び各比較
例中における「部」は「重量部」を示す。
に詳細に説明するが、これにより本発明が実施例に限定
されるものではない。なお、以下の各実施例及び各比較
例中における「部」は「重量部」を示す。
【0051】(実施例1)アシッドペースト処理して得
られたアモルファス状チタニルフタロシアニンをオルト
ジクロルベンゼン中で50゜C、4時間攪拌処理した
後、サンドグラインドミルで6時間湿式粉砕して、図2
のX線回折パターンを示す結晶形のチタニルフタロシア
ニンを得た。このチタニルフタロシアニン1.2部を、
式(8)で表される電子輸送物質3部、式(12)
られたアモルファス状チタニルフタロシアニンをオルト
ジクロルベンゼン中で50゜C、4時間攪拌処理した
後、サンドグラインドミルで6時間湿式粉砕して、図2
のX線回折パターンを示す結晶形のチタニルフタロシア
ニンを得た。このチタニルフタロシアニン1.2部を、
式(8)で表される電子輸送物質3部、式(12)
【0052】
【化7】
【0053】で表される正孔輸送物質(Ip=5.50
eV)8部、及びポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学
社製の「ユーピロンZ−200」)13部をクロロホル
ム76部に溶解した溶液に加え、振動ミルを用いて分散
させて、感光体用の塗料を作成した。
eV)8部、及びポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学
社製の「ユーピロンZ−200」)13部をクロロホル
ム76部に溶解した溶液に加え、振動ミルを用いて分散
させて、感光体用の塗料を作成した。
【0054】この塗料を用いて、直径30mmのアルミ
ニウム素管表面に、乾燥後の膜厚が20μmと成るよう
に浸漬塗布した後、乾燥させて感光層を形成し、ドラム
状の電子写真用感光体を得た。
ニウム素管表面に、乾燥後の膜厚が20μmと成るよう
に浸漬塗布した後、乾燥させて感光層を形成し、ドラム
状の電子写真用感光体を得た。
【0055】(実施例2)実施例1において、電子輸送
物質として式(5)の化合物、正孔輸送物質として式
(13)
物質として式(5)の化合物、正孔輸送物質として式
(13)
【0056】
【化8】
【0057】で表される化合物(Ip=5.43eV)
を用いた以外は同様にして電子写真用感光体を得た。
を用いた以外は同様にして電子写真用感光体を得た。
【0058】(実施例3)実施例1において、電子輸送
物質として式(9)の化合物、正孔輸送物質として式
(14)
物質として式(9)の化合物、正孔輸送物質として式
(14)
【0059】
【化9】
【0060】で表される化合物(Ip=5.58eV)
を用いた以外は同様にして電子写真用感光体を得た。
を用いた以外は同様にして電子写真用感光体を得た。
【0061】(実施例4)実施例1において、電荷発生
物質として、式(15)
物質として、式(15)
【0062】
【化10】
【0063】で表されるグリコラートチタニウムフタロ
シアニンからなる顔料を0.15部用いた以外は、同様
にして電子写真用感光体を得た。
シアニンからなる顔料を0.15部用いた以外は、同様
にして電子写真用感光体を得た。
【0064】(実施例5)実施例4において、電子輸送
物質として、式(10)の化合物を用いた以外は同様に
して電子写真用感光体を得た。
物質として、式(10)の化合物を用いた以外は同様に
して電子写真用感光体を得た。
【0065】(実施例6)実施例4において、電子輸送
物質として、式(7)の化合物を用いた以外は同様にし
て電子写真用感光体を得た。
物質として、式(7)の化合物を用いた以外は同様にし
て電子写真用感光体を得た。
【0066】(実施例7〜9)実施例4〜6において、
電荷発生物質として、α型チタニルフタロシアニンを
0.3部用いた以外は、同様にして電子写真用感光体を
得た。
電荷発生物質として、α型チタニルフタロシアニンを
0.3部用いた以外は、同様にして電子写真用感光体を
得た。
【0067】(比較例1)実施例1において、正孔輸送
物質として、式(16)
物質として、式(16)
【0068】
【化11】
【0069】で表される化合物(Ip=5.32eV)
を用いた以外は同様にして電子写真用感光体を得た。
を用いた以外は同様にして電子写真用感光体を得た。
【0070】(比較例2)実施例2において、正孔輸送
物質として、特開昭62−30255号公報に開示され
た、式(17)
物質として、特開昭62−30255号公報に開示され
た、式(17)
【0071】
【化12】
【0072】で表される化合物(Ip=5.10eV)
を用いた以外は同様にして電子写真用感光体を得た。
を用いた以外は同様にして電子写真用感光体を得た。
【0073】(比較例3)実施例3において、正孔輸送
物質として、式(18)
物質として、式(18)
【0074】
【化13】
【0075】で表されるオキサジアゾール化合物(Ip
=5.72eV)を用いた以外は同様にして電子写真用
感光体を得た。
=5.72eV)を用いた以外は同様にして電子写真用
感光体を得た。
【0076】(比較例4)実施例4において、電子輸送
物質として、特開平5−279582号公報に開示され
た、式(19)
物質として、特開平5−279582号公報に開示され
た、式(19)
【0077】
【化14】
【0078】で表される化合物を用いた以外は同様にし
て電子写真用感光体を得た。
て電子写真用感光体を得た。
【0079】(比較例5)実施例4において、電子輸送
物質として、米国特許第5039585号公報に開示さ
れた、式(20)
物質として、米国特許第5039585号公報に開示さ
れた、式(20)
【0080】
【化15】
【0081】で表される化合物を用いた以外は同様にし
て電子写真用感光体を得た。
て電子写真用感光体を得た。
【0082】(比較例6)実施例4において、電子輸送
物質として、米国特許第4913996号公報に開示さ
れた、式(21)
物質として、米国特許第4913996号公報に開示さ
れた、式(21)
【0083】
【化16】
【0084】で表される化合物を用いた以外は同様にし
て電子写真用感光体を得た。
て電子写真用感光体を得た。
【0085】(比較例7〜9)実施例7〜9において、
電荷発生物質として、X型無金属フタロシアニンを用い
た以外は同様にして電子写真用感光体を得た。
電荷発生物質として、X型無金属フタロシアニンを用い
た以外は同様にして電子写真用感光体を得た。
【0086】(電気特性)各実施例及び各比較例で得た
電子写真用感光体の電気特性を評価するために、各電子
写真用感光体をドラム感光体試験装置(ジェンテック社
製の「シンシア−90」)を用いて電子写真特性を測定
した。測定方法は、電子写真用感光体を暗所で60rp
mで回転させながら、印加電圧+1.3kVの接触ロー
ラ帯電装置により帯電させ、この直後の表面電位を初期
電位V0 として、帯電能の評価に用いた。次に、暗所に
10秒間放置した後の電位V10を測定し、V10/V0 に
よって電位保持能を評価した。次いで、800nmの単
色光で、その表面における露光強度が10mW/m2 に
なるように設定し、感光層に光照射を行い、表面電位の
減衰曲線を記録した。ここで、光照射により表面電位が
V10の1/2に減少するまでの露光量を求め、半減露光
量E1/2 として感度を評価した。また、帯電後波長70
0nmの発光ダイオードにより150mJ/m2 のエネ
ルギーを与えて除電する工程を500回繰り返した直後
に同様な測定を行い、繰り返し安定性を評価した。その
結果を表1〜3にまとめて示した。
電子写真用感光体の電気特性を評価するために、各電子
写真用感光体をドラム感光体試験装置(ジェンテック社
製の「シンシア−90」)を用いて電子写真特性を測定
した。測定方法は、電子写真用感光体を暗所で60rp
mで回転させながら、印加電圧+1.3kVの接触ロー
ラ帯電装置により帯電させ、この直後の表面電位を初期
電位V0 として、帯電能の評価に用いた。次に、暗所に
10秒間放置した後の電位V10を測定し、V10/V0 に
よって電位保持能を評価した。次いで、800nmの単
色光で、その表面における露光強度が10mW/m2 に
なるように設定し、感光層に光照射を行い、表面電位の
減衰曲線を記録した。ここで、光照射により表面電位が
V10の1/2に減少するまでの露光量を求め、半減露光
量E1/2 として感度を評価した。また、帯電後波長70
0nmの発光ダイオードにより150mJ/m2 のエネ
ルギーを与えて除電する工程を500回繰り返した直後
に同様な測定を行い、繰り返し安定性を評価した。その
結果を表1〜3にまとめて示した。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】
【表3】
【0090】表1〜3に示した結果から明らかなよう
に、本発明の実施例1〜9で得た電子写真用感光体は、
電荷発生物質に用いたチタニウムフタロシアニン系化合
物の種類による特性上の差異はあるものの、共通の特徴
として、何れも優れた近赤外領域における感度及び繰り
返し安定性と良好な帯電能を示した。
に、本発明の実施例1〜9で得た電子写真用感光体は、
電荷発生物質に用いたチタニウムフタロシアニン系化合
物の種類による特性上の差異はあるものの、共通の特徴
として、何れも優れた近赤外領域における感度及び繰り
返し安定性と良好な帯電能を示した。
【0091】一方、実施例1〜3と同一の電荷発生物
質、電子輸送物質を用い、正孔輸送物質のイオン化ポテ
ンシャルが請求範囲を外れる化合物を用いた比較例1〜
3で得た感光体では、正孔輸送物質のイオン化ポテンシ
ャルが5.4eVよりも小さい比較例1及び比較例2の
電子写真用感光体は、何れも帯電性が大幅に悪く、感度
も劣っていた。また、イオン化ポテンシャルが5.6e
Vよりも大きい正孔輸送物質を用いた比較例3で得た電
子写真用感光体は、感度、繰り返し安定性に劣り、実用
性が乏しかった。
質、電子輸送物質を用い、正孔輸送物質のイオン化ポテ
ンシャルが請求範囲を外れる化合物を用いた比較例1〜
3で得た感光体では、正孔輸送物質のイオン化ポテンシ
ャルが5.4eVよりも小さい比較例1及び比較例2の
電子写真用感光体は、何れも帯電性が大幅に悪く、感度
も劣っていた。また、イオン化ポテンシャルが5.6e
Vよりも大きい正孔輸送物質を用いた比較例3で得た電
子写真用感光体は、感度、繰り返し安定性に劣り、実用
性が乏しかった。
【0092】また、実施例4〜6と同一の電荷発生物
質、正孔輸送物質を用い、電子輸送物質として他の公知
化合物を用いた比較例4〜6で得た感光体は何れも感度
と繰り返し特性が劣っていた。
質、正孔輸送物質を用い、電子輸送物質として他の公知
化合物を用いた比較例4〜6で得た感光体は何れも感度
と繰り返し特性が劣っていた。
【0093】更に、実施例7〜9と同一の電子輸送物質
と正孔輸送物質を用いて、X型無金属フタロシアニンを
電荷発生物質として用いた比較例7〜9で得た感光体は
長波長域での感度が大幅に劣るものであった。
と正孔輸送物質を用いて、X型無金属フタロシアニンを
電荷発生物質として用いた比較例7〜9で得た感光体は
長波長域での感度が大幅に劣るものであった。
【0094】
【発明の効果】本発明の電子写真用感光体は、良好な近
赤外領域の感度と優れた帯電性と繰り返し安定性を示す
実用上好ましい電子写真用感光体である。
赤外領域の感度と優れた帯電性と繰り返し安定性を示す
実用上好ましい電子写真用感光体である。
【図1】本発明の電子写真用感光体の層構成の一例を示
す模式断面図である。
す模式断面図である。
【図2】実施例1〜3の電荷発生物質として用いた、結
晶型チタニルフタロシアニンのCu−Kα線によるX線
回折スペクトルである。
晶型チタニルフタロシアニンのCu−Kα線によるX線
回折スペクトルである。
1 導電性支持体 2 電荷発生物質 3 電子輸送物質+正孔輸送物質+結着樹脂 4 感光層
Claims (3)
- 【請求項1】 電荷発生物質、電子輸送物質及び正孔輸
送物質を感光層に含有する単層型電子写真用感光体にお
いて、電荷発生物質がチタニウムフタロシアニン系化合
物、電子輸送物質が一般式(1)で表される化合物をそ
れぞれ含有し、正孔輸送物質のイオン化ポテンシャルが
5.4〜5.6eVの範囲内にあることを特徴とする電
子写真用感光体。 【化1】 (式中、Zは酸素原子又はジシアノメチレン基を表し、
Rは置換又は未置換のアルキル基を表し、m及びnはそ
れぞれ独立に0〜2の整数を表す。また、フルオレン骨
格中のベンゼン環上の水素原子はハロゲン原子で置換さ
れていてもよい。) - 【請求項2】 チタニウムフタロシアニン系化合物が、
チタニルフタロシアニン、グリコラートチタニウムフタ
ロシアニンからなる群から選ばれる化合物であることを
特徴とする請求項1記載の電子写真用感光体。 - 【請求項3】 電荷発生物質の感光層中に占める割合
が、0.5〜5重量%の範囲内であることを特徴とする
請求項1または2記載の電子写真用感光体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10004684A JPH11202511A (ja) | 1998-01-13 | 1998-01-13 | 電子写真用感光体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10004684A JPH11202511A (ja) | 1998-01-13 | 1998-01-13 | 電子写真用感光体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11202511A true JPH11202511A (ja) | 1999-07-30 |
Family
ID=11590728
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10004684A Pending JPH11202511A (ja) | 1998-01-13 | 1998-01-13 | 電子写真用感光体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11202511A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6150063A (en) * | 1999-05-26 | 2000-11-21 | Sharp Kabushiki Kaisha | Electrophotographic photoconductor and image formation method |
JP2005215677A (ja) * | 2004-01-27 | 2005-08-11 | Xerox Corp | 光導電性撮像部材 |
US7045264B2 (en) | 2002-06-07 | 2006-05-16 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Single layered electrophotographic photoreceptor |
JP2016186545A (ja) * | 2015-03-27 | 2016-10-27 | 富士ゼロックス株式会社 | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 |
JP2017026882A (ja) * | 2015-07-24 | 2017-02-02 | 富士ゼロックス株式会社 | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 |
-
1998
- 1998-01-13 JP JP10004684A patent/JPH11202511A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6150063A (en) * | 1999-05-26 | 2000-11-21 | Sharp Kabushiki Kaisha | Electrophotographic photoconductor and image formation method |
US7045264B2 (en) | 2002-06-07 | 2006-05-16 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Single layered electrophotographic photoreceptor |
JP2005215677A (ja) * | 2004-01-27 | 2005-08-11 | Xerox Corp | 光導電性撮像部材 |
JP2016186545A (ja) * | 2015-03-27 | 2016-10-27 | 富士ゼロックス株式会社 | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 |
JP2017026882A (ja) * | 2015-07-24 | 2017-02-02 | 富士ゼロックス株式会社 | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 |
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