JPH1020515A - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

Info

Publication number
JPH1020515A
JPH1020515A JP17352696A JP17352696A JPH1020515A JP H1020515 A JPH1020515 A JP H1020515A JP 17352696 A JP17352696 A JP 17352696A JP 17352696 A JP17352696 A JP 17352696A JP H1020515 A JPH1020515 A JP H1020515A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
electrophotographic photoreceptor
electrophotographic
charge
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17352696A
Other languages
English (en)
Inventor
Saburo Yokota
三郎 横田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP17352696A priority Critical patent/JPH1020515A/ja
Publication of JPH1020515A publication Critical patent/JPH1020515A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被膜強度に優れ、かつ正帯電使用時における
電気特性的に好ましい性能を有する電子写真用感光体を
提供すること。 【解決手段】 導電性支持体上に電荷発生材料、電荷輸
送材料、及び結着樹脂を同一の層内に含有する感光層を
形成して成る電子写真用感光体において、感光層を形成
する結着樹脂が、(1)ポリカーボネート系樹脂及び
(2)主鎖中に特定構造のビフェニルフルオレン骨格を
有するポリエステル系樹脂を含有する電子写真用感光
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真用感光体に
関し、更に詳しくは、生産性に優れ、耐久性が良好で、
かつ電気的に優れた特性を有する電子写真用感光体に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真用感光体は、導電性基
体上に光導電性の材料からなる感光層を形成することに
より構成されているが、感光層としては、電荷発生層と
電荷輸送層からなる機能分離型の積層型電子写真用感光
体が用いられることが多い。
【0003】電子写真用有機感光体の発展の経緯を辿っ
てみると、有機化合物として最初に実用化されたポリ−
N−ビニルカルバゾール/トリニトロフルオレノン錯体
による単層型電子写真用感光体(米国特許第3,48
4,237号明細書)、米国特許第3,397,086
号明細書に開示されたフタロシアニン/樹脂分散型電子
写真用感光体、「ジャーナル・オブ・アプライド・フィ
ジックス」(Journal ofApplied Physics)第49巻第
11号第5543〜5564頁(1978年)等に開示
されたチアピリリウム塩とポリカーボネート樹脂との共
晶体にトリフェニルメタン系電荷輸送材を併用した電子
写真用感光体等に見られるように、当初は、種々の単層
構成の電子写真用感光体による開発が専ら行われてき
た。しかしながら、これら単層型電子写真用感光体は、
塗布工程が単純である、正帯電で使用できる等の利点は
あるものの、反面、材料面の制約が多い、感度、耐久性
が不十分である等の問題があり、その後、これらの問題
が改善し易い電荷発生層と電荷輸送層からなる積層型電
子写真用感光体がその利点から広く普及するにしたがっ
て、現在では殆ど実用化されていない。
【0004】しかしながら、一般の積層型の電子写真用
感光体の層構成は、通常1μm以下の薄層の電荷発生層
の上に、比較的厚い層からなる電荷輸送層を積層したも
のであり、電荷発生層の薄膜形成の難しさが収率を落と
す要因となっている。また、電荷輸送層に用いる電荷輸
送材料としては正孔輸送性の材料を用いることが、その
化合物群の豊富さ、電気的な安定性、材料としての安全
性等の理由から一般的であるので、このような積層型電
子写真用感光体は必然的に負帯電でしか感度を発現でき
ないものである。
【0005】近年、電子写真プロセスにおけるマイナス
コロナ放電から生ずる有害なオゾンが環境上問題とな
り、オゾンの発生量の少ないプラスコロナで使用可能な
正帯電型電子写真用感光体の実用化が望まれている。ま
た正帯電型電子写真用感光体は、従来から用いられてい
るa−Se、a−Si等の無機感光体と極性が同じた
め、多くの周辺部材を共用できる利点も存在する。
【0006】このような正帯電型電子写真用感光体の実
現に対する要求に対して、旧来の単層型電子写真用感光
体が、正帯電で使用できる点や、その単純な層構成等の
利点から再評価されるようになってきている。そこで、
再度実用的な単層型電子写真用感光体を実現しようとす
る試みが活発に行われるようになっているが、未だ要求
に充分応え得るものは実現されていないのが現状であ
る。
【0007】例えば、特開昭54−1633号公報に
は、フタロシアニンの如き電荷発生材料を、オキサジア
ゾールの如き正孔輸送材料とジニトロフルオレノンの如
き電子輸送材料と一緒に結着樹脂中に分散してなる感光
層を導電性支持体の上に設けた単層型の電子写真用感光
体が開示されている。この種の電子写真用感光体は、従
来のフタロシアニン/樹脂分散系の単層型電子写真用感
光体のように電荷発生と電荷輸送との機能を同一の材料
が行なう構成とは異なり、電荷輸送と電荷発生の機能を
それぞれ異なる材料に受け負わせるものであるから、電
荷発生材料の濃度を従来に比べ、大幅に低減することが
できる利点があった。しかしながら、同公報に記載の電
子写真用感光体の感光層に使用されている結着樹脂は、
一般的なポリエステル系樹脂であり、このような構成の
電子写真用感光体は、帯電能、感度が不十分であり、ま
た樹脂自体の強度が弱く、実用上の耐刷性が十分得られ
ないという問題点があった。
【0008】そこで、このような構成の電子写真用感光
体に用いられる樹脂として、その強度、電気的な特性か
らポリカーボネート系樹脂を用いることによって、優れ
た強度と電気特性が得られることが、特開平2−705
9号公報等に開示されている。しかしながら、ポリカー
ボネート系樹脂は、一般に、金属との接着性が極めて不
良であり、このような構成の電子写真用感光体におい
て、実用的な被膜強度を持たせるためには、支持体と感
光層の間にアンカー層を設けたり、支持体の表面を機械
的、化学的に修飾することによって、接着性を高める手
段を講じる必要があった。
【0009】また、特開平5−297601号公報に
は、主鎖中にビフェニルフルオレン骨格を有する特定構
造のポリアリレート樹脂が機械的強度と接着性に優れて
いるので、電子写真用感光体の結着樹脂として、好適で
あることが開示されている。また、特開平6−4918
6号公報には、やはり主鎖中にビフェニルフルオレン骨
格を有する特定構造のポリエステル重合体が優れた光学
特性と成形性から光学材料用途に好適であることが開示
されている。
【0010】しかしながら、これらの樹脂を用いて、上
述のような電荷発生材料と電荷輸送材料を有する単層構
成の感光層を有する電子写真用感光体を作製すると、暗
減衰が大きくなり易く、また感度も不十分となる問題点
があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来提案されてきた単層型電子写真用感光
体の実用化において問題となった諸点を改善し、かつ電
気的、画像特性的に好ましい性能を有する電子写真用感
光体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、導電性基体上に、少なくとも電荷発生材
料、電荷輸送材料、及び結着樹脂を同一の層内に含有す
る感光層を有する電子写真用感光体において、結着樹脂
が、(1)ポリカーボネート系樹脂、及び(2)主鎖中
に、一般式
【0013】
【化2】
【0014】(式中、芳香環上の水素原子は任意の置換
基で置換されていても良い。)のビフェニルフルオレン
骨格を有するポリエステル系樹脂を含有することを特徴
とする電子写真用感光体を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の電子写真用感光体の感光
層の構造の例を図1に示した。ここで感光層の膜厚は、
5〜50μmの範囲が好ましい。感光層の膜厚は、浸漬
塗工により形成する場合、塗工速度、塗料の粘度、専断
力等の諸物性を調節することにより容易に所望の膜厚と
することができる。なお、この単層構成の感光層に付加
して、中間層或いは表面保護層等の機能層を適宜合わせ
て用いることも可能である。
【0016】本発明の電子写真用感光体に用いられる導
電性支持体としては、例えば、アルミニウム、銅、亜
鉛、ステンレス、クロム、ニッケル、モリブデン、バナ
ジウム、インジウム、金、白金等の金属又は合金を用い
た金属板、金属ドラム、金属ベルト、あるいは導電性ポ
リマー、酸化インジウム等の導電性化合物やアルミニウ
ム、パラジウム、金等の金属又は合金を塗布、蒸着、あ
るいはラミネートした紙、プラスチックフィルム、ベル
ト等が挙げられる。
【0017】光導電層に用いる電荷発生材料には、例え
ば、アゾ系顔料、キノン系顔料、ペリレン系顔料、イン
ジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ビスベンゾイミダゾ
ール系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔
料、キノリン系顔料、レーキ系顔料、アゾレーキ系顔
料、アントラキノン系顔料、オキサジン系顔料、ジオキ
サジン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、アズレニウ
ム系染料、スクウェアリウム系染料、ピリリウム系染
料、トリアリルメタン系染料、キサンテン系染料、チア
ジン系染料、シアニン系染料等の種々の有機顔料、染料
や、更にアモルファスシリコン、アモルファスセレン、
テルル、セレン−テルル合金、硫化カドミウム、硫化ア
ンチモン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料を挙げるこ
とができる。
【0018】感光層に用いる電荷発生材料は、その使用
に際しては、ここに挙げたものを単独で用いることもで
きるが、2種類以上の電荷発生材料を混合して用いるこ
ともできる。
【0019】本発明の電子写真用感光体では感光層中の
電荷発生材料の割合は、感光層の総重量に対して、0.
1〜10重量%の範囲が好ましく、中でも0.2〜5重
量%の範囲が特に好ましい。電荷発生材料の割合がこの
範囲よりも大きいと、感光層中の電荷の移動度が低下す
るため、感度が低下し、また感光層の表面に露出する電
荷発生材料の量が多くなるため、耐久性が悪くなる傾向
にあるので、好ましくない。また、電荷発生材料の割合
がこの範囲よりも小さすぎると、電荷発生に寄与する電
荷発生材料の絶対量が不足するので、感度が悪くなる傾
向にあるので、好ましくない。
【0020】本発明の電子写真用感光体における電荷輸
送材料は、正孔輸送材料及び/又は電子輸送材料を用い
ることができる。
【0021】感光層に使用可能な正孔輸送材料として
は、低分子化合物では、例えば、ピレン系、カルバゾー
ル系、ヒドラゾン系、オキサゾール系、オキサジアゾー
ル系、ピラゾリン系、アリールアミン系、アリールメタ
ン系、ベンジジン系、チアゾール系、スチルベン系、ブ
タジエン系等の化合物が挙げられる。また、高分子化合
物としては、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、
ハロゲン化ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニル
ピレン、ポリビニルアンスラセン、ポリビニルアクリジ
ン、ピレン−ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾー
ル−ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホル
ムアルデヒド樹脂、トリフェニルメタンポリマー、ポリ
シラン等が挙げられる。
【0022】電子輸送材料としては、例えば、ベンゾキ
ノン系、テトラシアノエチレン系、テトラシアノキノジ
メタン系、フルオレノン系、キサントン系、フェナント
ラキノン系、無水フタール酸系、ジフェノキノン系等の
有機化合物や、アモルファスシリコン、アモルファスセ
レン、テルル、セレンーテルル合金、硫化カドミウム、
硫化アンチモン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料が挙
げられる。
【0023】本発明の電子写真用感光体で使用する電荷
輸送材料は、ここに挙げたものに限定されるものではな
く、その使用に際しては単独、あるいは2種類以上混合
して用いることができる。
【0024】感光層中の電荷輸送材料の割合は、使用す
る電荷輸送材料の輸送能によって異なるが、低分子化合
物の場合、感光層の総重量に対して、10〜60重量%
の範囲が好ましい。10重量%よりも少ない場合、電荷
輸送能が不十分となるため、感度が不足して、残留電位
が大きくなる傾向にあるので好ましくなく、また、60
重量%よりも多い場合、感光層中の樹脂の含有量が小さ
くなるので、感光層の機械的強度が低下する傾向にある
ので、好ましくない。
【0025】本発明の電子写真用感光体の感光層に用い
る結着樹脂には、ポリカーボネート系樹脂、及び主鎖中
にビフェニルフルオレン骨格を有するポリエステル系樹
脂が用いられる。
【0026】ここでポリカーボネート系樹脂とは、主鎖
中に炭酸エステル結合を有する重合体の総称であり、一
般式(2)
【0027】
【化3】
【0028】で表わされる構造単位を有する線状高分子
化合物を意味する。ここでRは任意のジオール成分であ
るが、本発明の電子写真用感光体の結着樹脂として特に
好適なものの構造単位の例を以下に挙げる。
【0029】
【化4】
【0030】本発明の電子写真用感光体で使用するポリ
カーボネート系樹脂の構造単位は、ここに挙げたものに
限定されるものではなく、その使用に際しては単独、或
いは2種類以上の混合、乃至は共重合体として用いるこ
ともできる。
【0031】また、ポリエステル系樹脂とは、主鎖中に
エステル結合を有する重合体の総称であるが、本発明の
電子写真用感光体に用いられるポリエステル系樹脂とし
ては、特に上記エステル部が芳香族ジカルボン酸のエス
テルであるものが好適に用いられる。本発明の電子写真
用感光体の結着樹脂として特に好適なものの構造単位の
例を以下に挙げる。
【0032】
【化5】
【0033】本発明の電子写真用感光体で使用するポリ
エステル系樹脂の構造単位は、ここに挙げたものに限定
されるものではなく、その使用に際しては単独、或いは
2種類以上の混合、乃至は共重合体として用いることも
できる。
【0034】このようなポリエステル系樹脂は、ジオー
ル成分であるビフェニルフルオレン化合物と芳香族ジカ
ルボン酸との縮合反応により製造することができる。ま
た、このようなポリエステル系樹脂の市販品としては、
例えば、イソノヴァ社製の「ISARYL」、鐘紡社製
の「O−PET」等が挙げられる。
【0035】ポリカーボネート系樹脂とポリエステル系
樹脂の混合する割合は、ポリカーボネート系樹脂100
重量部に対して、ポリエステル系樹脂が5〜100重量
部の範囲が好ましい。ポリエステル系樹脂の使用割合が
この範囲よりも小さい場合、接着性、強度等の混合によ
る効果が得られ難くなる傾向にあるので、好ましくな
い。また、ポリエステル系樹脂の使用割合がこの範囲よ
りも大きい場合、電気的特性が低下する傾向にあるの
で、好ましくない。
【0036】また、これらの結着樹脂と共に、分散安定
剤、可塑剤、表面改質剤、酸化防止剤、光劣化防止剤等
の添加剤を使用することもできる。
【0037】可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩
化ビフェニル、ターフェニル、ジブチルフタレート、ジ
エチレングリコールフタレート、ジオクチルフタレー
ト、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾフェ
ノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。
【0038】表面改質剤としては、例えば、シリコンオ
イル、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0039】酸化防止剤としては、例えば、フェノール
系、硫黄系、リン系、アミン系化合物等の酸化防止剤が
挙げられる。
【0040】光劣化防止剤としては、例えば、ベンゾト
リアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ヒンダ
ードアミン系化合物等が挙げられる。
【0041】感光層を浸漬塗工によって形成する場合、
上記の電荷発生材料、電荷輸送材料等を結着樹脂と混合
して溶剤に溶解乃至分散した塗料を用いる。溶剤として
は、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノー
ル等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、
シクロヘキサノン等のケトン類;N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド
類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルセロソル
ブ等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステ
ル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキ
シド及びスルホン類;塩化メチレン、クロロホルム、四
塩化炭素、トリクロロエタン等の脂肪族ハロゲン化炭化
水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロルベン
ゼン、ジクロルベンゼン等の芳香族類などが挙げられ
る。
【0042】
【作用】本発明の電子写真用感光体に使用する電荷輸送
材料は結着樹脂中に固溶体として含有されているから、
この電荷輸送材料/樹脂固溶体はそれ自体が、あたかも
固有の電荷輸送性の高分子化合物であるかのように作用
することになる。一方、電荷発生材料はこの電荷輸送材
料/樹脂固溶体中に分散されているため、積層型電子写
真用感光体の場合と比べて、電荷発生材料と電荷輸送材
料/樹脂との接触面積は桁外れに大きくなっている。そ
のため電荷発生材料と電荷輸送材料/樹脂界面における
電荷の注入過程が感光体特性に極めて大きい影響を持つ
ことになる。即ち、結着樹脂と電荷発生材料との電気的
な親和性は、本発明の電子写真用感光体において特性上
極めて重要な意味を持つことが明らかである。
【0043】ポリカーボネート系樹脂は、他の接着性の
良好な樹脂をブレンドすることによって接着性を向上さ
せることも可能であるが、本発明のような構成の電子写
真用感光体においては、これによって通常、大幅な電気
特性の劣化が生じることになる。この原因は、ポリカー
ボネート系樹脂が一般的に他の樹脂との相溶性が不良で
あるため、前記電荷輸送材料/樹脂固溶体中に電気的に
不連続な微少領域が生じ、電荷発生材料との電気的親和
性を落としているためと推測される。
【0044】本発明の電子写真用感光体では、このよう
な構成の電子写真用感光体において、ビフェニルフルオ
レン骨格を主鎖中に持つポリエステル系樹脂の持つ優れ
た接着性、機械的強度と、ポリカーボネート系樹脂の優
れた電気特性が、両者の混合によって、双方の長所を損
なうことなく、最も良好な感光体特性を導き出したこと
に大きな特徴がある。本発明の電子写真用感光体におけ
る2種類の樹脂の組み合わせは、一般に相溶性が不良で
あるポリカーボネート系樹脂とポリエステル系樹脂の組
み合わせにおいて、ビフェニルフルオレン骨格を持つポ
リエステルが特異的にポリカーボネート系樹脂と良好な
相溶性を示すことから、優れた特性を発現しているもの
と考えられる。
【0045】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更
に詳細に説明するが、これにより本発明が実施例に限定
されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例中
における「部」は「重量部」を示す。
【0046】(実施例1)α型チタニルフタロシアニン
0.3部、式
【0047】
【化6】
【0048】で表わされるアリールアミン化合物9部、
【0049】
【化7】
【0050】で表わされるジフェノキノン系化合物3
部、式
【0051】
【化8】
【0052】で表わされる構造単位からなるポリカーボ
ネート系樹脂(三菱瓦斯化学社製の「ユーピロンZ−2
00」)7部及び式
【0053】
【化9】
【0054】で表わされる構造単位からなるポリエステ
ル系樹脂(イソノヴァ社製の「ISARYL−25
L」)7部をクロロホルム76部に溶解し、振動ミルを
用いて分散させて、感光層用の塗料を作成した。
【0055】この塗料を用いて、厚さ0.3mmのアル
ミニウム板の上に、乾燥後の膜厚が20μmと成るよう
に塗布した後、乾燥させて、感光層を形成し、板状の電
子写真用感光体を得た。
【0056】(実施例2)実施例1において、ポリカー
ボネート系樹脂「ユーピロンZ−200」に代えて、式
【0057】
【化10】
【0058】で表わされる構造単位からなる高分子化合
物(帝人化成社製の「パンライトC−1400」)を用
いた以外は、実施例1と同様にして電子写真用感光体を
得た。
【0059】(実施例3)実施例1において、ポリエス
テル系樹脂「ISARYL−25L」に代えて、式
【0060】
【化11】
【0061】で表わされる構造単位とエチレンテレフタ
レートとの共重合体(鐘紡社製の「O−PET」)を用
いた以外は、実施例1と同様にして電子写真用感光体を
得た。
【0062】(実施例4)ポリカーボネート系樹脂「ユ
ーピロンZ−200」に代えて、式
【0063】
【化12】
【0064】で表わされる構造単位と式
【0065】
【化13】
【0066】で表わされる構造単位から成る共重合体
(出光石油化学社製の「BPPC」)を用いた以外は、
実施例3と同様にして電子写真用感光体を得た。
【0067】(比較例1)実施例1において、ポリエス
テル系樹脂を用いないで、ポリカーボネート系樹脂の使
用量を14部とした以外は、同様にして、電子写真用感
光体を得た。
【0068】(比較例2)実施例1において、ポリカー
ボネート系樹脂を用いないで、ポリエステル系樹脂の使
用量を14部とした以外は、同様にして、電子写真用感
光体を得た。
【0069】(比較例3)実施例2において、ポリカー
ボネート系樹脂の使用割合を12部とし、ポリエステル
系樹脂「ISARYL−25L」に代えて、一般の熱可
塑性飽和ポリエステル系樹脂(東洋紡績社製の「バイロ
ン200」)2部を使用した以外は、実施例2と同様に
して、電子写真用感光体を得た。
【0070】(比較例4)実施例1において、ポリカー
ボネート系樹脂及びポリエステル系樹脂に代えて、アク
リル樹脂(三菱レイヨン社製の「ダイヤナールBR−8
0」)14部を用いた以外は、実施例1と同様にして、
電子写真用感光体を得た。
【0071】(接着特性)各実施例及び各比較例で得た
電子写真用感光体の基体への接着強度を評価するため
に、JIS法に準拠した剥離強度試験を実施した。測定
方法はJIS−K5400に準拠した方法により、クロ
スカット試験を行い、更にニチバン社製「セロテープ」
(セロファン粘着テープ)による剥離試験を行い、10
0個のます目の残存数により評価を行った。その結果を
表1に示した。
【0072】
【表1】
【0073】表1に示した結果から、本発明による実施
例1〜4で得た電子写真用感光体、ポリエステル系樹脂
を単独で用いた比較例2で得た電子写真用感光体、及び
ビフェニルフルオレン骨格を有さない通常のポリエステ
ル系樹脂とポリカーボネート系樹脂を混合して用いた比
較例3で得た電子写真用感光体は、何れも基板と感光層
との間の接着性に優れていることが理解できる。一方、
電子写真用感光体の結着樹脂として良く用いられるポリ
カーボネート系樹脂やアクリル樹脂を単独で用いた比較
例1及び比較例4で得た電子写真用感光体は、基板と感
光層との間の接着性が悪く、特にポリカーボネート系樹
脂を単独で用いた場合は全く実用的でないことが理解で
きる。
【0074】(電気特性)各実施例及び各比較例で得た
電子写真用感光体の電気特性を評価するために、各電子
写真用感光体について、静電複写紙試験装置(川口電機
製作所社製の「EPA−8100」)を用いて、静電特
性を測定した。測定方法は、まず電子写真用感光体を暗
所で印加電圧6kVのコロナ放電により帯電させ、この
直後の表面電位を初期電位V0 として、帯電能の評価に
用いた。次に、暗所に10秒間放置した後の電位を測定
し、V10とした。ここで、V10/V0 によって電位保持
能を評価した。次いで、780nmの単色光で、その表
面における露光強度が1μW/cm2 になるように設定
し、感光層に光照射を15秒間行い、表面電位の減衰曲
線を記録した。ここで15秒後の表面電位を測定し、そ
れを残留電位VR とした。また、光照射により表面電位
がV10の1/2に減少するまでの露光量を求め、半減露
光量E1/2 として感度を評価した。更に、帯電後300
0ルクスの白色光を0.1秒照射して除電する工程を1
秒ごとに100回繰り返した直後に、同じ測定を行っ
て、繰り返し特性の評価を行った。これらの結果を表2
にまとめて示した。
【0075】
【表2】
【0076】表2に示した結果から、本発明の実施例1
〜4で得た電子写真用感光体は、ポリカーボネート系樹
脂を単独で用いた比較例1の電子写真用感光体と比較し
て、初期感度特性、繰り返し特性等においても全く遜色
のないものであることが理解できる。一方、比較例2で
得たポリエステル系樹脂を単独で用いた電子写真用感光
体は、各実施例で得た電子写真用感光体と比較して、帯
電特性と残留電位がやや劣っていることが理解できる。
また、本発明で使用するポリエステル系樹脂以外の汎用
ポリエステル系樹脂を用いた比較例3で得た電子写真用
感光体は、ポリカーボネート系樹脂との相溶性が悪いた
め、その添加量を少なくしたにも拘わらず、残留電位と
繰り返し後の感度が非常に劣っていることが理解でき
る。更に、一般的な電子写真用感光体の結着樹脂として
広く利用されているアクリル系樹脂を単独で用いた比較
例4の電子写真用感光体は、各実施例で得た電子写真用
感光体と比較して、全ての特性項目において、大きく劣
っていることが理解できる。
【0077】
【発明の効果】本発明の電子写真用感光体は、被膜強度
と正帯電における電気的特性に優れ、繰り返し特性も良
好な、実用上好ましい電子写真用感光体である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真用感光体の層構成の一例を示
す模式断面図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 電荷発生材料 3 電荷輸送材料/結着樹脂 4 感光層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に、少なくとも電荷発生材
    料、電荷輸送材料、及び結着樹脂を同一の層内に含有す
    る感光層を有する電子写真用感光体において、結着樹脂
    が、(1)ポリカーボネート系樹脂、及び(2)主鎖中
    に、一般式(I) 【化1】 (式中、芳香環上の水素原子は任意の置換基で置換され
    ていても良い。)のビフェニルフルオレン骨格を有する
    ポリエステル系樹脂を含有することを特徴とする電子写
    真用感光体。
  2. 【請求項2】 結着樹脂が、ポリカーボネート系樹脂1
    00重量部に対し、主鎖中に一般式(I)で表わされる
    ビフェニルフルオレン骨格を有するポリエステル系樹脂
    を5〜100重量部の範囲で含有する請求項1記載の電
    子写真用感光体。
JP17352696A 1996-07-03 1996-07-03 電子写真用感光体 Pending JPH1020515A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17352696A JPH1020515A (ja) 1996-07-03 1996-07-03 電子写真用感光体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17352696A JPH1020515A (ja) 1996-07-03 1996-07-03 電子写真用感光体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1020515A true JPH1020515A (ja) 1998-01-23

Family

ID=15962167

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17352696A Pending JPH1020515A (ja) 1996-07-03 1996-07-03 電子写真用感光体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1020515A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100449718B1 (ko) * 2002-03-21 2004-09-22 삼성전자주식회사 전자사진적인 화상 형성방법
KR100457525B1 (ko) * 2002-06-17 2004-11-17 삼성전자주식회사 기계적강도와 정전특성이 모두 우수한 전자사진 감광체
KR100497359B1 (ko) * 2002-07-15 2005-06-23 삼성전자주식회사 이층구조 정대전형 유기감광체
KR100497360B1 (ko) * 2002-07-27 2005-06-23 삼성전자주식회사 단층형 전자사진 감광체
KR100497496B1 (ko) * 2002-07-10 2005-07-01 삼성전자주식회사 단층형 전자사진용 감광체
KR100503069B1 (ko) * 2002-10-09 2005-07-21 삼성전자주식회사 습식현상용 전자사진 감광체
JP2010111876A (ja) * 2003-04-22 2010-05-20 Osaka Gas Co Ltd フルオレン系組成物及びその成形体
WO2018139151A1 (ja) * 2017-01-30 2018-08-02 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6884559B2 (en) 2002-03-21 2005-04-26 Samsung Electronics Co., Ltd. Electrophotographic imaging method
KR100449718B1 (ko) * 2002-03-21 2004-09-22 삼성전자주식회사 전자사진적인 화상 형성방법
KR100457525B1 (ko) * 2002-06-17 2004-11-17 삼성전자주식회사 기계적강도와 정전특성이 모두 우수한 전자사진 감광체
KR100497496B1 (ko) * 2002-07-10 2005-07-01 삼성전자주식회사 단층형 전자사진용 감광체
CN1320408C (zh) * 2002-07-15 2007-06-06 三星电子株式会社 双层充正电的有机感光体
KR100497359B1 (ko) * 2002-07-15 2005-06-23 삼성전자주식회사 이층구조 정대전형 유기감광체
KR100497360B1 (ko) * 2002-07-27 2005-06-23 삼성전자주식회사 단층형 전자사진 감광체
KR100503069B1 (ko) * 2002-10-09 2005-07-21 삼성전자주식회사 습식현상용 전자사진 감광체
JP2010111876A (ja) * 2003-04-22 2010-05-20 Osaka Gas Co Ltd フルオレン系組成物及びその成形体
WO2018139151A1 (ja) * 2017-01-30 2018-08-02 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
CN110192155A (zh) * 2017-01-30 2019-08-30 京瓷办公信息系统株式会社 电子照相感光体、处理盒和图像形成装置
JPWO2018139151A1 (ja) * 2017-01-30 2019-11-07 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
CN110192155B (zh) * 2017-01-30 2022-07-01 京瓷办公信息系统株式会社 电子照相感光体、处理盒和图像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3456565B2 (ja) 画像形成方法及び画像形成装置
JPH0252257B2 (ja)
JP2006018266A (ja) 画像形成部材
JPH1020515A (ja) 電子写真用感光体
JP2680530B2 (ja) 電子写真感光体
JP3250368B2 (ja) 電子写真感光体
JP2001206943A (ja) 電子写真感光体
JPH1165137A (ja) 電子写真感光体
JPH07160017A (ja) 電子写真感光体
JP3903552B2 (ja) 電子写真用感光体
JPH05297601A (ja) 電子写真用感光体
JPH08278643A (ja) 電子写真用有機感光体
JP3709596B2 (ja) 電子写真用感光体
JPH11202511A (ja) 電子写真用感光体
JP2002174919A (ja) 接触帯電用単層正帯電型有機感光体、その製造方法及び画像形成部材
JP3770980B2 (ja) フェノール系化合物及びそれを含有する電子写真感光体
JP3682848B2 (ja) 電子写真用感光体およびそれを用いる画像形成装置
JPH08278642A (ja) 電子写真感光体
JP2005241973A (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ、および電子写真装置
JPH11153875A (ja) 電子写真感光体
JP2004021265A (ja) 電子写真感光体,電子写真画像形成装置,電子写真カートリッジ,及び電子写真ドラム
JPH07281456A (ja) 電子写真用感光体
JPH11153874A (ja) 電子写真感光体
JPH05341539A (ja) 電子写真用感光体
JPH0996913A (ja) 電子写真用感光体