JPH08278643A - 電子写真用有機感光体 - Google Patents
電子写真用有機感光体Info
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- JPH08278643A JPH08278643A JP8414995A JP8414995A JPH08278643A JP H08278643 A JPH08278643 A JP H08278643A JP 8414995 A JP8414995 A JP 8414995A JP 8414995 A JP8414995 A JP 8414995A JP H08278643 A JPH08278643 A JP H08278643A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 優れた帯電性、感度及び繰返し安定性を有
し、その結果として高濃度でしかも地肌カブリのない鮮
明な画像を長期にわたって安定に形成し得る電子写真有
機感光体を提供する。 【構成】 有機感光体、特に電荷発生層及び電荷輸送層
を順次積層して成る感光体電荷輸送層中に、特定のキノ
メタン誘導体を含有させる。 【効果】 露光及び除電光による光疲労が解消され、優
れた帯電性及び感度が得られ、繰返し安定性を向上させ
ることができる。
し、その結果として高濃度でしかも地肌カブリのない鮮
明な画像を長期にわたって安定に形成し得る電子写真有
機感光体を提供する。 【構成】 有機感光体、特に電荷発生層及び電荷輸送層
を順次積層して成る感光体電荷輸送層中に、特定のキノ
メタン誘導体を含有させる。 【効果】 露光及び除電光による光疲労が解消され、優
れた帯電性及び感度が得られ、繰返し安定性を向上させ
ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真複写、プリン
ター、普通紙ファックス等に使用する電子写真感光体に
関するもので、より詳細には、耐光性及び帯電安定性が
向上し、これにより繰り返し使用時の安定性が向上した
電子写真感光体に関する。
ター、普通紙ファックス等に使用する電子写真感光体に
関するもので、より詳細には、耐光性及び帯電安定性が
向上し、これにより繰り返し使用時の安定性が向上した
電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法においては、電子写真感光体
を帯電し、画像露光して静電潜像を形成し、この静電潜
像を現像バイアス電圧が印加された状態でトナー現像
し、形成されるトナー像を転写紙等に転写し、定着して
画像形成を行う。この電子写真法はデジタル式またはア
ナログ式の複写、プリンター或いは普通紙FAX等に広
く使用されている。
を帯電し、画像露光して静電潜像を形成し、この静電潜
像を現像バイアス電圧が印加された状態でトナー現像
し、形成されるトナー像を転写紙等に転写し、定着して
画像形成を行う。この電子写真法はデジタル式またはア
ナログ式の複写、プリンター或いは普通紙FAX等に広
く使用されている。
【0003】この電子写真法に用いる感光体として、従
来セレン感光体やアモルファスシリコン感光体が使用さ
れていたが、近年有機感光体(OPC)も広く使用され
るに至っている。有機感光体には、電荷発生剤(CG
M)と電荷輸送剤(CTM)を別々の層として積層した
機能分離型の積層感光体と、これらCGM及びCTMを
単一の分散層として設けた単層感光体とが代表的なもの
としてある。
来セレン感光体やアモルファスシリコン感光体が使用さ
れていたが、近年有機感光体(OPC)も広く使用され
るに至っている。有機感光体には、電荷発生剤(CG
M)と電荷輸送剤(CTM)を別々の層として積層した
機能分離型の積層感光体と、これらCGM及びCTMを
単一の分散層として設けた単層感光体とが代表的なもの
としてある。
【0004】電荷発生剤としては、各種の無機系または
有機系の電荷発生剤、例えばセレン、セレン−テルル、
アモルファスシリコン、ピリリウム塩、アゾ系顔料、ジ
スアゾ系顔料、トリスアゾ顔料、アンサンスロン系顔
料、フタロシアニン系顔料、インジコ系顔料、スレン系
顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、ピラント
ロン系顔料、ペリレン系顔料、キナクリドン系顔料等が
知られており、電荷輸送剤としてもポリ−N−ビニルカ
ルバゾール、フェナントレン、N−エチルカルバゾー
ル、2,5 −ジフェニル−1,3,4 −オキサジアゾール、2,
5 −ビス−(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4 −
オキサジアゾール、ビス−ジエチルアミノフェニル−1,
3,6 −オキサジアゾール、4,4'−ビス(ジエチルアミ
ノ)−2,2'−ジメチルトリフエニルメタン、2,4,5 −ト
リアミノフェニルイミダゾール、2,5 −ビス(4−ジエ
チルアミノフェニル)−1,3,4 −トリアゾール、1−フ
ェニル−3−(4−ジエチルアミノスチリル)−5−
(4−ジエチルアミノフェニル)−2−ピラゾリン、p
−ジエチルアミノベンツアルデヒド−(ジフェニルヒド
ラゾン)、テトラ(m−メチルフェニル)メタフェニレ
ンジアミン、N,N,N',N' −テトラフェニルベンジジン誘
導体、N,N'−ジフエニル−N,N'−ジキシリルベンジジン
類などの正孔輸送剤、2−ニトロ−9−フルオレノン、
2,7 −ジニトロ−9−フルオレノン、2,4,7 −トリニト
ロ−9−フルオレノン、2,4,5,7 −テトラニトロ−9−
フルオレノン、2−ニトロベンゾチオフエン、2,4,8 −
トリニトロチオキサントン、ジニトロアントラセン、ジ
ニトロアクリジン、ジニトロアントラキノン、3,5−
ジメチル−3’,5’−ジt−ブチルジフェノキノンな
どの電子輸送剤等が知られている。
有機系の電荷発生剤、例えばセレン、セレン−テルル、
アモルファスシリコン、ピリリウム塩、アゾ系顔料、ジ
スアゾ系顔料、トリスアゾ顔料、アンサンスロン系顔
料、フタロシアニン系顔料、インジコ系顔料、スレン系
顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、ピラント
ロン系顔料、ペリレン系顔料、キナクリドン系顔料等が
知られており、電荷輸送剤としてもポリ−N−ビニルカ
ルバゾール、フェナントレン、N−エチルカルバゾー
ル、2,5 −ジフェニル−1,3,4 −オキサジアゾール、2,
5 −ビス−(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4 −
オキサジアゾール、ビス−ジエチルアミノフェニル−1,
3,6 −オキサジアゾール、4,4'−ビス(ジエチルアミ
ノ)−2,2'−ジメチルトリフエニルメタン、2,4,5 −ト
リアミノフェニルイミダゾール、2,5 −ビス(4−ジエ
チルアミノフェニル)−1,3,4 −トリアゾール、1−フ
ェニル−3−(4−ジエチルアミノスチリル)−5−
(4−ジエチルアミノフェニル)−2−ピラゾリン、p
−ジエチルアミノベンツアルデヒド−(ジフェニルヒド
ラゾン)、テトラ(m−メチルフェニル)メタフェニレ
ンジアミン、N,N,N',N' −テトラフェニルベンジジン誘
導体、N,N'−ジフエニル−N,N'−ジキシリルベンジジン
類などの正孔輸送剤、2−ニトロ−9−フルオレノン、
2,7 −ジニトロ−9−フルオレノン、2,4,7 −トリニト
ロ−9−フルオレノン、2,4,5,7 −テトラニトロ−9−
フルオレノン、2−ニトロベンゾチオフエン、2,4,8 −
トリニトロチオキサントン、ジニトロアントラセン、ジ
ニトロアクリジン、ジニトロアントラキノン、3,5−
ジメチル−3’,5’−ジt−ブチルジフェノキノンな
どの電子輸送剤等が知られている。
【0005】電荷発生剤としてビスアゾ顔料を用いた有
機感光体の内、実用化されているものとしては、下記式
(2)
機感光体の内、実用化されているものとしては、下記式
(2)
【化3】 の構造を有するビスアゾ顔料を用いたものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ビ
スアゾ顔料を用いた有機感光体、特に積層構成の感光体
においては、実機での繰り返し使用時に、帯電性、感度
等が低下するという問題がある。この理由は、本発明者
らの研究によると、画像形成時の露光、除電光により光
疲労を引き起こし、これが帯電性、感度低下を引き起こ
すためと思われる。
スアゾ顔料を用いた有機感光体、特に積層構成の感光体
においては、実機での繰り返し使用時に、帯電性、感度
等が低下するという問題がある。この理由は、本発明者
らの研究によると、画像形成時の露光、除電光により光
疲労を引き起こし、これが帯電性、感度低下を引き起こ
すためと思われる。
【0007】本発明者等は、有機感光体中に、特に電荷
発生層及び電荷輸送層を順次積層して成る感光体電荷輸
送層中に、以下に説明するキノメタン誘導体を含有させ
ると、露光及び除電光による光疲労が解消され、優れた
帯電性及び感度が得られ、繰返し安定性が向上すること
を見出した。
発生層及び電荷輸送層を順次積層して成る感光体電荷輸
送層中に、以下に説明するキノメタン誘導体を含有させ
ると、露光及び除電光による光疲労が解消され、優れた
帯電性及び感度が得られ、繰返し安定性が向上すること
を見出した。
【0008】即ち、本発明の目的は、優れた帯電性、感
度及び繰返し安定性を有し、その結果として高濃度でし
かも地肌カブリのない鮮明な画像を長期にわたって安定
に形成し得る電子写真有機感光体を提供するにある。
度及び繰返し安定性を有し、その結果として高濃度でし
かも地肌カブリのない鮮明な画像を長期にわたって安定
に形成し得る電子写真有機感光体を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記式
(1)
(1)
【化4】 式中、R1 ,R2 ,R3 及びR4 の各々は、同一でも異
なっていてもよく、それぞれ水素原子、アルキル基、ア
リール基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基また
はニトロ基であり、l及びmの各々は1乃至5の整数で
ある、で表わされるキノメタン誘導体を有機感光層中に
含有することを特徴とする電子写真用感光体が提供され
る。
なっていてもよく、それぞれ水素原子、アルキル基、ア
リール基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基また
はニトロ基であり、l及びmの各々は1乃至5の整数で
ある、で表わされるキノメタン誘導体を有機感光層中に
含有することを特徴とする電子写真用感光体が提供され
る。
【0010】本発明の感光体は、導電性基体上に設けら
れた電荷発生層と電荷発生層の電荷輸送層とから成る積
層感光体であることが好ましく、前記式(1)のキノメ
タン誘導体は電荷輸送層中に含有されていることが好ま
しい。
れた電荷発生層と電荷発生層の電荷輸送層とから成る積
層感光体であることが好ましく、前記式(1)のキノメ
タン誘導体は電荷輸送層中に含有されていることが好ま
しい。
【0011】電荷発生層中の電荷発生剤は、特に制限さ
れないが、ビスアゾ顔料、ペリレン系顔料、フタロシア
ニン系顔料であることが好ましく、特に下記式(2)
れないが、ビスアゾ顔料、ペリレン系顔料、フタロシア
ニン系顔料であることが好ましく、特に下記式(2)
【化5】 式中、Aは水素原子または置換または未置換のアルキル
基、アリール基または複素環基であり、nはゼロまたは
1であり、Cpはカップラー残基である、で表わされる
ビスアゾ顔料であることが好ましい。
基、アリール基または複素環基であり、nはゼロまたは
1であり、Cpはカップラー残基である、で表わされる
ビスアゾ顔料であることが好ましい。
【0012】前記式(1)のキノメタン誘導体は、一般
に有機感光層中に0.05〜30重量%の量、特に0.
1乃至20重量%の量で含有されていることが好まし
い。
に有機感光層中に0.05〜30重量%の量、特に0.
1乃至20重量%の量で含有されていることが好まし
い。
【0013】
【作用】本発明の感光体は、有機感光体の電荷輸送媒質
中に上記式(1)のキノメタン誘導体を含有させたこと
が顕著な特徴である。
中に上記式(1)のキノメタン誘導体を含有させたこと
が顕著な特徴である。
【0014】後述する例を参照されたい。即ち、式
(1)のキノメタン誘導体を含有させない以外は同様の
構成のアナログ積層感光体では、1万枚繰り返し後に
は、帯電電位の低下が約300ボルトのオーダーに達
し、また露光後の残留電位の増加も20乃至50ボルト
のオーダーに達するのに対して、本発明に従いキノメタ
ン誘導体を有機感光層に配合すると、帯電電位の低下が
約80ボルト以下、多くの場合50ボルト以下のオーダ
ーに抑制され、また露光後の残留電位の増加も15ボル
以下に抑制されるのである。この傾向は、デジタル積層
感光体でも同様である。かくして、キノメタン誘導体を
電荷輸送媒質中に含有させると、繰り返し時における帯
電性及び感度の低下が有効に防止されることが明らかで
ある。
(1)のキノメタン誘導体を含有させない以外は同様の
構成のアナログ積層感光体では、1万枚繰り返し後に
は、帯電電位の低下が約300ボルトのオーダーに達
し、また露光後の残留電位の増加も20乃至50ボルト
のオーダーに達するのに対して、本発明に従いキノメタ
ン誘導体を有機感光層に配合すると、帯電電位の低下が
約80ボルト以下、多くの場合50ボルト以下のオーダ
ーに抑制され、また露光後の残留電位の増加も15ボル
以下に抑制されるのである。この傾向は、デジタル積層
感光体でも同様である。かくして、キノメタン誘導体を
電荷輸送媒質中に含有させると、繰り返し時における帯
電性及び感度の低下が有効に防止されることが明らかで
ある。
【0015】本発明において、キノメタン誘導体が繰り
返し時における帯電性及び感度の安定性をもたらすとい
う事実は、実験の結果現象として見いだされたものであ
り、その理由は次のようなものと思われる。
返し時における帯電性及び感度の安定性をもたらすとい
う事実は、実験の結果現象として見いだされたものであ
り、その理由は次のようなものと思われる。
【0016】既に指摘したとおり、積層構成の感光体に
おいて、繰り返し使用時に帯電性、感度が低下するの
は、露光、除電光により感光体が光疲労を引き起こすた
めであり、これは電荷輸送層形成時に電荷発生層中のビ
スアゾ顔料等の電荷発生材が界面近傍に溶出し、分子交
代の状態で存在するビスアゾ分子等が電子をトラップす
るためと思われる。これに対して、電荷輸送層中にキノ
メタン誘導体を含有させると、上記ビスアゾ分子等でト
ラップされた電子をキノメタン誘導体が引き抜き、輸送
するため帯電性の低下が抑制されるものと考えられる。
また、キノメタン誘導体はクエンチャーとしても作用
し、電荷輸送材(CTM)の光劣化抑制にも効果がある
ものと認められる。上記の作用は、電荷輸送媒質中に電
荷発生剤を分散させた単層有機感光体の場合にも同様に
得られる。
おいて、繰り返し使用時に帯電性、感度が低下するの
は、露光、除電光により感光体が光疲労を引き起こすた
めであり、これは電荷輸送層形成時に電荷発生層中のビ
スアゾ顔料等の電荷発生材が界面近傍に溶出し、分子交
代の状態で存在するビスアゾ分子等が電子をトラップす
るためと思われる。これに対して、電荷輸送層中にキノ
メタン誘導体を含有させると、上記ビスアゾ分子等でト
ラップされた電子をキノメタン誘導体が引き抜き、輸送
するため帯電性の低下が抑制されるものと考えられる。
また、キノメタン誘導体はクエンチャーとしても作用
し、電荷輸送材(CTM)の光劣化抑制にも効果がある
ものと認められる。上記の作用は、電荷輸送媒質中に電
荷発生剤を分散させた単層有機感光体の場合にも同様に
得られる。
【0017】
【発明の好適態様】本発明の有機感光体の一例を示す図
1において、この有機感光体は積層型感光体であり、導
電性基板1の上に電荷発生層(CGL)2及び電荷輸送
層(CTL)3が順次積層されている。
1において、この有機感光体は積層型感光体であり、導
電性基板1の上に電荷発生層(CGL)2及び電荷輸送
層(CTL)3が順次積層されている。
【0018】電荷発生層(CGL)には、電荷発生剤が
含有されており、電荷輸送層(CTL)には、正孔輸送
材と前記式(1)のキノメタン誘導体が含有されてい
る。
含有されており、電荷輸送層(CTL)には、正孔輸送
材と前記式(1)のキノメタン誘導体が含有されてい
る。
【0019】式(1)のキノメタン誘導体において、基
R1 ,R2 ,R3 及びR4 の各々は、同一でも異なって
いてもよく、それぞれ水素原子、アルキル基、アリール
基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基またはニト
ロ基であるが、具体的なものとして次のものがあげられ
る。即ち、アルキル基としては、メチル、エチル、プロ
ピル、ブチル、アミル基等が挙げられ、アリール基とし
てはフェニル、ナフチル、ビフェニル、トリル、エチル
フェニル基等が挙げられ、アラールキル基としては、ベ
ンジル、フェネチル基等が挙げられる。ハロゲン原子と
しては、塩素、臭素、フッ素等が挙げられる。また、ア
ルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、ブトキシ基等が挙げられる。
R1 ,R2 ,R3 及びR4 の各々は、同一でも異なって
いてもよく、それぞれ水素原子、アルキル基、アリール
基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基またはニト
ロ基であるが、具体的なものとして次のものがあげられ
る。即ち、アルキル基としては、メチル、エチル、プロ
ピル、ブチル、アミル基等が挙げられ、アリール基とし
てはフェニル、ナフチル、ビフェニル、トリル、エチル
フェニル基等が挙げられ、アラールキル基としては、ベ
ンジル、フェネチル基等が挙げられる。ハロゲン原子と
しては、塩素、臭素、フッ素等が挙げられる。また、ア
ルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、ブトキシ基等が挙げられる。
【0020】前記式(1)のキノメタン誘導体は、下記
式(3)
式(3)
【化6】 べンゾフェノン誘導体と、下記式(4)
【化7】 のフェノール誘導体とを、例えばメタンスルフォン酸及
びブチルメルカプタン中で、80℃で7時間還流するこ
とにより合成することができる。
びブチルメルカプタン中で、80℃で7時間還流するこ
とにより合成することができる。
【0021】電荷輸送層に含有させるキノメタン誘導体
の具体的な化合物としては、下記表1に示す構造のもの
(以下の実施例では化合物1としてこの構造を引用す
る)が挙げられる。
の具体的な化合物としては、下記表1に示す構造のもの
(以下の実施例では化合物1としてこの構造を引用す
る)が挙げられる。
【0022】
【表1】
【0023】一方、電荷発生層中に含有させる電荷発生
剤としては、従来公知の電荷発生剤、例えば前に引用し
たものがいずれも使用されるが、ビスアゾ顔料、ペリレ
ン系顔料、フタロシアニン系顔料であることが好まし
く、特に前記式(2)のビスアゾ顔料が好適に使用され
る。
剤としては、従来公知の電荷発生剤、例えば前に引用し
たものがいずれも使用されるが、ビスアゾ顔料、ペリレ
ン系顔料、フタロシアニン系顔料であることが好まし
く、特に前記式(2)のビスアゾ顔料が好適に使用され
る。
【0024】ピラゾール骨格を有するビスアゾ顔料にお
いて、ピラゾール環の3位にには、直接或いはビニリデ
ン基を介して、置換或いは未置換のアルキル基、アリー
ル基或いは複素環基が結合していてもよく、ここで、ア
ルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、アミル基等が挙げられ、アリール基としてはフェニ
ル、ナフチル、ビフェニル、アントリル、フェナントリ
ル、フルオレニル基等が挙げられ、複素環基としては、
窒素、酸素、硫黄或いはこれらの組み合わせを環中に含
有する単環或いは多環の飽和乃至不飽和の複素環基、例
えばチエニル基、フリル基、イミダゾリル基、ピロリル
基、ピリミジニル基、イミダゾール基、ピラジニル基、
ピラゾリニル基、ピロリジニル基、ピラニル基、ピペリ
ジル基、ピペラジニル基、モルホリル基、ピリジル基、
ピリミジル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、ベンゾ
フリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、
インドリル基、キノリル基、カルバゾリル基、ジベンゾ
フラニル基等が挙げられる。これらの置換基としては、
低級アルキル基、低級アルコキシ基、アシルオキシ基、
クロール等のハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトリル
基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、アシルオキシ基、
カルボキシル基等が挙げられる。
いて、ピラゾール環の3位にには、直接或いはビニリデ
ン基を介して、置換或いは未置換のアルキル基、アリー
ル基或いは複素環基が結合していてもよく、ここで、ア
ルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、アミル基等が挙げられ、アリール基としてはフェニ
ル、ナフチル、ビフェニル、アントリル、フェナントリ
ル、フルオレニル基等が挙げられ、複素環基としては、
窒素、酸素、硫黄或いはこれらの組み合わせを環中に含
有する単環或いは多環の飽和乃至不飽和の複素環基、例
えばチエニル基、フリル基、イミダゾリル基、ピロリル
基、ピリミジニル基、イミダゾール基、ピラジニル基、
ピラゾリニル基、ピロリジニル基、ピラニル基、ピペリ
ジル基、ピペラジニル基、モルホリル基、ピリジル基、
ピリミジル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、ベンゾ
フリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、
インドリル基、キノリル基、カルバゾリル基、ジベンゾ
フラニル基等が挙げられる。これらの置換基としては、
低級アルキル基、低級アルコキシ基、アシルオキシ基、
クロール等のハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトリル
基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、アシルオキシ基、
カルボキシル基等が挙げられる。
【0025】一方、式(2)におけるカプラー残基とし
ては、この種のアゾ顔料に使用されるカプラー(アゾカ
ップリング成分)の残基であれば任意のもの、例えば置
換或いは未置換のフェノール類、ナフトール類、或いは
水酸基含有複素環環化合物等であってよく、ここで置換
基としては、低級アルキル基、低級アルコキシ基、アリ
ール基、アシルオキシ基、クロール等のハロゲン原子、
ヒドロキシル基、ニトリル基、ニトロ基、アミノ基、ア
ミド基、アシルオキシ基、カルボキシル基等が挙げられ
る。
ては、この種のアゾ顔料に使用されるカプラー(アゾカ
ップリング成分)の残基であれば任意のもの、例えば置
換或いは未置換のフェノール類、ナフトール類、或いは
水酸基含有複素環環化合物等であってよく、ここで置換
基としては、低級アルキル基、低級アルコキシ基、アリ
ール基、アシルオキシ基、クロール等のハロゲン原子、
ヒドロキシル基、ニトリル基、ニトロ基、アミノ基、ア
ミド基、アシルオキシ基、カルボキシル基等が挙げられ
る。
【0026】電荷発生剤の具体的なものとして、次の
「CG1」乃至「CG14」(後述する実施例では化合
物2としてこの構造を引用する)が挙げられる。
「CG1」乃至「CG14」(後述する実施例では化合
物2としてこの構造を引用する)が挙げられる。
【化8】
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】一方、電荷輸送層中に含有させる正孔輸送
剤としては、それ自体公知の正孔輸送剤、例えば前に引
用したものがいずれも使用されるが、好適なものとし
て、下記式(5)
剤としては、それ自体公知の正孔輸送剤、例えば前に引
用したものがいずれも使用されるが、好適なものとし
て、下記式(5)
【化11】 式中、Ar1 、Ar2 、Ar3 及びAr4 の各々は置換
或いは未置換のアリール基であり、Yは置換或いは未置
換のアリーレン基であり、nはゼロまたは1の数であ
る、で表される芳香族アミン類が挙げられる。
或いは未置換のアリール基であり、Yは置換或いは未置
換のアリーレン基であり、nはゼロまたは1の数であ
る、で表される芳香族アミン類が挙げられる。
【0030】更に、正孔輸送剤の他の好適なものとし
て、ヒドラゾン類、特に下記式(6)
て、ヒドラゾン類、特に下記式(6)
【化12】 式中、Ar5 の各々は置換或いは未置換のアリール基で
ある、で表されるヒドラゾン類を挙げることができる。
ある、で表されるヒドラゾン類を挙げることができる。
【0031】正孔輸送剤の具体的なものとして、次の
「CT1」乃至「CT41」(後述する実施例では化合
物3としてこの構造を引用する)が挙げられる。
「CT1」乃至「CT41」(後述する実施例では化合
物3としてこの構造を引用する)が挙げられる。
【0032】
【化13】
【0033】
【化14】
【0034】
【化15】
【0035】
【化16】
【0036】
【化17】
【0037】
【化18】
【0038】
【化19】
【0039】
【化20】
【0040】電荷発生剤や電荷輸送剤を分散させる樹脂
媒質としては、種々の樹脂が使用でき、例えば、スチレ
ン系重合体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系
重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレ
ン、アイオノマー等のオレフィン系重合体、ポリ塩化ビ
ニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステ
ル、アルキッド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、エポ
キシ樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリス
ルホン、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ケ
トン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹
脂、フェノール樹脂や、エポキシアクリレート等の光硬
化型樹脂等、各種の重合体が例示できる。これらの結着
樹脂は、一種または二種以上混合して用いることもでき
る。好適な樹脂は、スチレン系重合体、アクリル系重合
体、スチレン−アクリル系重合体、ポリエステル、アル
キッド樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート等であ
る。
媒質としては、種々の樹脂が使用でき、例えば、スチレ
ン系重合体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系
重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレ
ン、アイオノマー等のオレフィン系重合体、ポリ塩化ビ
ニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステ
ル、アルキッド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、エポ
キシ樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリス
ルホン、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ケ
トン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹
脂、フェノール樹脂や、エポキシアクリレート等の光硬
化型樹脂等、各種の重合体が例示できる。これらの結着
樹脂は、一種または二種以上混合して用いることもでき
る。好適な樹脂は、スチレン系重合体、アクリル系重合
体、スチレン−アクリル系重合体、ポリエステル、アル
キッド樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート等であ
る。
【0041】特に好適な樹脂は、ポリカーボネート、帝
人化成社製パンライト、三菱瓦斯化学社製PCZ等であ
り、下記一般式(7)、
人化成社製パンライト、三菱瓦斯化学社製PCZ等であ
り、下記一般式(7)、
【化21】 式中、R5 及びR6 は水素原子または低級アルキル基で
あって、R5 及びR6 は連結して、結合炭素原子と共
に、シクロヘキサン環のごときシクロ環を形成していて
もよい、で表されるビスフェノール類とホスゲンとから
誘導されるポリカーボネートである。
あって、R5 及びR6 は連結して、結合炭素原子と共
に、シクロヘキサン環のごときシクロ環を形成していて
もよい、で表されるビスフェノール類とホスゲンとから
誘導されるポリカーボネートである。
【0042】積層型感光体の場合、前記電荷発生剤(C
GM)は電荷発生層(CGL)中のの樹脂固形分100
重量部当たり5乃至1000重量部、特に250乃至5
00重量部の量で含有されるのがよく、また前記正孔輸
送剤(CTM)は電荷輸送層(CTL)の樹脂固形分1
00重量部当たり10乃至500重量部、特に50乃至
200重量部の量で含有されるのがよい。
GM)は電荷発生層(CGL)中のの樹脂固形分100
重量部当たり5乃至1000重量部、特に250乃至5
00重量部の量で含有されるのがよく、また前記正孔輸
送剤(CTM)は電荷輸送層(CTL)の樹脂固形分1
00重量部当たり10乃至500重量部、特に50乃至
200重量部の量で含有されるのがよい。
【0043】一方、キノメタン誘導体は、電荷輸送層
(CTL)の樹脂固形分100重量部当たり0.1重量
部以上、特に1乃至10重量部の量で含有されるのがよ
い。
(CTL)の樹脂固形分100重量部当たり0.1重量
部以上、特に1乃至10重量部の量で含有されるのがよ
い。
【0044】基板/CGL/CTL感光体の場合、CG
Lは、一般に0.01乃至5μm、特に0.1乃至3μ
mの範囲にあるのがよく、CTLは2乃至100μm、
特に20乃至40μmの範囲にあるのがよい。
Lは、一般に0.01乃至5μm、特に0.1乃至3μ
mの範囲にあるのがよく、CTLは2乃至100μm、
特に20乃至40μmの範囲にあるのがよい。
【0045】本発明に用いる感光体形成用組成物には、
電子写真学的特性に悪影響を及ぼさない範囲で、それ自
体公知の種々の配合剤例えば、酸化防止剤、ラジカル捕
捉剤、一重項クエンチャー、UV吸収剤、軟化剤、表面
改質剤、消泡剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワック
ス、アクセプター、ドナー等を配合させることができ
る。
電子写真学的特性に悪影響を及ぼさない範囲で、それ自
体公知の種々の配合剤例えば、酸化防止剤、ラジカル捕
捉剤、一重項クエンチャー、UV吸収剤、軟化剤、表面
改質剤、消泡剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワック
ス、アクセプター、ドナー等を配合させることができ
る。
【0046】また、感光層の少なくとも上層に全固形分
当たり0.1乃至50重量%の立体障害性フェノール系
酸化防止剤を配合すると、電子写真学的特性に悪影響を
与えることなく、感光層の耐久性を顕著に向上させるこ
とができる。
当たり0.1乃至50重量%の立体障害性フェノール系
酸化防止剤を配合すると、電子写真学的特性に悪影響を
与えることなく、感光層の耐久性を顕著に向上させるこ
とができる。
【0047】感光層を設ける導電性基板としては、導電
性を有する種々の材料が使用でき、例えば、アルミニウ
ム、銅、錫、白金、金、銀、バナジウム、モリブデン、
クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、インジウム、
ステンレス鋼、真鍮等の金属単体や、上記金属が蒸着ま
たはラミネートされたプラスック材料、ヨウ化アルミニ
ウム、酸化錫、酸化インジウム等で被覆されたガラス等
が例示される。本発明の感光体では、通常のアルミニウ
ム素管、特に膜厚が1乃至50μmとなるようにアルマ
イト処理を施した素管を好適に用い得る。
性を有する種々の材料が使用でき、例えば、アルミニウ
ム、銅、錫、白金、金、銀、バナジウム、モリブデン、
クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、インジウム、
ステンレス鋼、真鍮等の金属単体や、上記金属が蒸着ま
たはラミネートされたプラスック材料、ヨウ化アルミニ
ウム、酸化錫、酸化インジウム等で被覆されたガラス等
が例示される。本発明の感光体では、通常のアルミニウ
ム素管、特に膜厚が1乃至50μmとなるようにアルマ
イト処理を施した素管を好適に用い得る。
【0048】積層型感光体を形成させるには、電荷発生
材料と結着樹脂との組み合わせ或いは電荷輸送剤、キノ
メタン誘導体及び結着樹脂等の組み合わせを、従来公知
の方法、例えば、ロールミル、ボールミル、アトライ
タ、ペイントシェイカーあるいは超音波分散器等を用い
て塗布用組成物を調製し、従来公知の塗布手段により順
次塗布、積層し、乾燥すればよい。
材料と結着樹脂との組み合わせ或いは電荷輸送剤、キノ
メタン誘導体及び結着樹脂等の組み合わせを、従来公知
の方法、例えば、ロールミル、ボールミル、アトライ
タ、ペイントシェイカーあるいは超音波分散器等を用い
て塗布用組成物を調製し、従来公知の塗布手段により順
次塗布、積層し、乾燥すればよい。
【0049】塗布液を形成するのに使用する溶剤として
は、種々の有機溶剤が使用でき、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、
n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系
炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭
素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジメチル
エーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エ
チレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸
エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド等、種々の溶剤が例示さ
れ、一種または二種以上混合して用いられる。塗布液の
固形分濃度は一般に5乃至50%とするのがよい。
は、種々の有機溶剤が使用でき、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、
n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系
炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭
素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジメチル
エーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エ
チレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸
エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド等、種々の溶剤が例示さ
れ、一種または二種以上混合して用いられる。塗布液の
固形分濃度は一般に5乃至50%とするのがよい。
【0050】本発明は、積層型有機感光体に特に有効で
あるが、電荷輸送媒質中に電荷発生剤を分散させた単一
分散型感光体にも勿論適用でき、この場合前記電荷発生
剤(CGM)は樹脂固形分100重量部当たり0.5乃
至20重量部、特に0.5乃至10重量部の量で感光層
中に含有されるのがよく、また前記電荷輸送剤(CT
M)は樹脂固形分100重量部当たり5乃至200重量
部、特に20乃至150重量部の量で感光層中に含有さ
れるのがよい。また、キノメタン誘導体は積層感光体の
場合と同様な量で配合するのがよい。
あるが、電荷輸送媒質中に電荷発生剤を分散させた単一
分散型感光体にも勿論適用でき、この場合前記電荷発生
剤(CGM)は樹脂固形分100重量部当たり0.5乃
至20重量部、特に0.5乃至10重量部の量で感光層
中に含有されるのがよく、また前記電荷輸送剤(CT
M)は樹脂固形分100重量部当たり5乃至200重量
部、特に20乃至150重量部の量で感光層中に含有さ
れるのがよい。また、キノメタン誘導体は積層感光体の
場合と同様な量で配合するのがよい。
【0051】単層感光層の厚みは、特に制限されない
が、一般に10乃至40μm、特に20乃至35μmの
範囲とすることが望ましい。
が、一般に10乃至40μm、特に20乃至35μmの
範囲とすることが望ましい。
【0052】
【実施例】本発明を次の例で説明する。
【0053】合成例 明細書本文記載の方法で、表1の化合物を合成した。構
造1の化合物の融点は200.1℃であり、その赤外線
吸収スペクトルは図2のとおりであった。積層感光体の
処方は、下記表2の通りとした。
造1の化合物の融点は200.1℃であり、その赤外線
吸収スペクトルは図2のとおりであった。積層感光体の
処方は、下記表2の通りとした。
【0054】
【表2】 以上の処方量で、アルミ素管上にCGLを膜厚0.5μ
mで塗布し110℃、30分熱処理した後、CTLを膜
厚20μmで塗布し、110℃、30分熱処理した。ド
ラム塗布方法はディッピン法にて行った。
mで塗布し110℃、30分熱処理した後、CTLを膜
厚20μmで塗布し、110℃、30分熱処理した。ド
ラム塗布方法はディッピン法にて行った。
【0055】ドラム感度はドラム感度試験機にて測定し
た。また、安定性評価は実機での10Kエージング(一
万枚複写処理)後のΔV0とΔVrを測定した。アナロ
グ(アゾまたはペリレン顔料)感光体のエージング試験
には、DC2556をマイナス帯電仕様にした機械を用
いた。また、デジタル(フタロシアニン)感光体では、
当社LP−2080を用いた。なお、ΔV0測定はエー
ジング評価前の帯電電位と耐刷後の帯電電位との差を示
し、ΔVrは耐刷前の残留電位と耐刷後の残留電位の差
を示した。なお、ΔVrの帯電電位は800±20Vと
した。
た。また、安定性評価は実機での10Kエージング(一
万枚複写処理)後のΔV0とΔVrを測定した。アナロ
グ(アゾまたはペリレン顔料)感光体のエージング試験
には、DC2556をマイナス帯電仕様にした機械を用
いた。また、デジタル(フタロシアニン)感光体では、
当社LP−2080を用いた。なお、ΔV0測定はエー
ジング評価前の帯電電位と耐刷後の帯電電位との差を示
し、ΔVrは耐刷前の残留電位と耐刷後の残留電位の差
を示した。なお、ΔVrの帯電電位は800±20Vと
した。
【0056】感光体の層構成は図1に示す通りとした。
ドラム電気特性評価の測定条件は、下記表3の通りであ
る。
ドラム電気特性評価の測定条件は、下記表3の通りであ
る。
【0057】
【表3】
【0058】比較例1乃至7 前記表2の処方において、キノメタン誘導体を配合する
ことなく、表4に示す化合物2及び化合物3を用いて、
アナログ積層感光体を作成し、表5に示す結果を得た。
ことなく、表4に示す化合物2及び化合物3を用いて、
アナログ積層感光体を作成し、表5に示す結果を得た。
【0059】
【表4】
【0060】
【表5】
【0061】実施例1乃至17 前記表2の処方において、キノメタン誘導体(化合物
1)を表6に示す量で用いると共に、表6に示す化合物
2及び化合物3を用いて、アナログ積層感光体を作成
し、表7に示す結果を得た。
1)を表6に示す量で用いると共に、表6に示す化合物
2及び化合物3を用いて、アナログ積層感光体を作成
し、表7に示す結果を得た。
【0062】
【表6】
【0063】
【表7】
【0064】表5と表7との対比から、キノメタン誘導
体の配合は、1万枚耐刷後における表面電位の低下抑制
及び残留電位の増加防止に著効のあることがわかる。
体の配合は、1万枚耐刷後における表面電位の低下抑制
及び残留電位の増加防止に著効のあることがわかる。
【0065】比較例8乃至11 前記表2の処方において、キノメタン誘導体を配合する
ことなく、表8に示す化合物2及び化合物3を用いて、
デジタル積層感光体を作成し、表9に示す結果を得た。
ことなく、表8に示す化合物2及び化合物3を用いて、
デジタル積層感光体を作成し、表9に示す結果を得た。
【0066】
【表8】
【0067】
【表9】
【0068】実施例18乃至25 前記表2の処方において、キノメタン誘導体(化合物
1)を表10に示す量で用いると共に、表10に示す化
合物2及び化合物3を用いて、アナログ積層感光体を作
成し、表11に示す結果を得た。
1)を表10に示す量で用いると共に、表10に示す化
合物2及び化合物3を用いて、アナログ積層感光体を作
成し、表11に示す結果を得た。
【0069】
【表10】
【0070】
【表11】
【0071】表9と表11との対比から、キノメタン誘
導体の配合は、1万枚耐刷後における表面電位の低下抑
制及び残留電位の増加防止に著効のあることがわかる。
導体の配合は、1万枚耐刷後における表面電位の低下抑
制及び残留電位の増加防止に著効のあることがわかる。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、有機感光体、特に電荷
発生層及び電荷輸送層を順次積層して成る感光体電荷輸
送層中に、特定のキノメタン誘導体を含有させることに
より、露光及び除電光による光疲労が解消され、優れた
帯電性及び感度が得られ、繰返し安定性を向上させるこ
とができる。
発生層及び電荷輸送層を順次積層して成る感光体電荷輸
送層中に、特定のキノメタン誘導体を含有させることに
より、露光及び除電光による光疲労が解消され、優れた
帯電性及び感度が得られ、繰返し安定性を向上させるこ
とができる。
【図1】本発明の有機感光体の一例を示す断面図であ
る。
る。
【図2】構造1の化合物1の赤外吸収スペクトルであ
る。
る。
【符号の説明】 1 導電性基板 2 電荷発生層(CGL) 3 電荷輸送層(CTL)
Claims (5)
- 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 式中、R1 ,R2 ,R3 及びR4 の各々は、同一でも異
なっていてもよく、それぞれ水素原子、アルキル基、ア
リール基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基また
はニトロ基であり、l及びmの各々は1乃至5の整数で
ある、で表わされるキノメタン誘導体を有機感光層中に
含有することを特徴とする電子写真用感光体。 - 【請求項2】 感光体が導電性基体上に設けられた電荷
発生層と電荷発生層の電荷輸送層とから成る積層感光体
であり、前記式(1)のキノメタン誘導体が電荷輸送層
中に含有されていることを特徴とする請求項1記載の感
光体。 - 【請求項3】 電荷発生層中の電荷発生剤がビスアゾ顔
料、ペリレン系顔料、フタロシアニン系顔料である請求
項2記載の感光体。 - 【請求項4】 電荷発生層中の電荷発生剤が下記式
(2) 【化2】 式中、Aは水素原子または置換または未置換のアルキル
基、アリール基または複素環基であり、nはゼロまたは
1であり、Cpはカップラー残基である、で表わされる
ビスアゾ顔料である請求項3記載の感光体。 - 【請求項5】 前記式(1)のキノメタン誘導体を有機
感光層中に0.05〜30重量%の量で含有する請求項
1記載の感光体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8414995A JPH08278643A (ja) | 1995-04-10 | 1995-04-10 | 電子写真用有機感光体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8414995A JPH08278643A (ja) | 1995-04-10 | 1995-04-10 | 電子写真用有機感光体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08278643A true JPH08278643A (ja) | 1996-10-22 |
Family
ID=13822456
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8414995A Pending JPH08278643A (ja) | 1995-04-10 | 1995-04-10 | 電子写真用有機感光体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08278643A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6825359B2 (en) | 2002-02-13 | 2004-11-30 | Fuji Electric Imaging Device Co., Ltd. | Quinomethane compounds |
US6852458B2 (en) | 2002-02-04 | 2005-02-08 | Fuji Electric Imaging Device Co., Ltd. | Electrophotographic photoreceptor, and electrophotographic apparatus using the same |
US6933091B2 (en) | 2002-05-28 | 2005-08-23 | Fuji Electric Imaging Devices Co., Ltd. | Photoconductor for electrophotography and quinomethane compound |
DE112007000172T5 (de) | 2006-01-18 | 2008-12-24 | Fuji Electric Device Technology Co., Ltd. | Chinonverbindung; elektrophotographischer Photoleiter und elektrographisches Gerät |
JP2010066553A (ja) * | 2008-09-11 | 2010-03-25 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 電子写真感光体とそれを用いた画像形成装置 |
JP2018013573A (ja) * | 2016-07-20 | 2018-01-25 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 電子写真感光体 |
-
1995
- 1995-04-10 JP JP8414995A patent/JPH08278643A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6852458B2 (en) | 2002-02-04 | 2005-02-08 | Fuji Electric Imaging Device Co., Ltd. | Electrophotographic photoreceptor, and electrophotographic apparatus using the same |
US6825359B2 (en) | 2002-02-13 | 2004-11-30 | Fuji Electric Imaging Device Co., Ltd. | Quinomethane compounds |
US6933091B2 (en) | 2002-05-28 | 2005-08-23 | Fuji Electric Imaging Devices Co., Ltd. | Photoconductor for electrophotography and quinomethane compound |
DE112007000172T5 (de) | 2006-01-18 | 2008-12-24 | Fuji Electric Device Technology Co., Ltd. | Chinonverbindung; elektrophotographischer Photoleiter und elektrographisches Gerät |
JP2010066553A (ja) * | 2008-09-11 | 2010-03-25 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 電子写真感光体とそれを用いた画像形成装置 |
JP2018013573A (ja) * | 2016-07-20 | 2018-01-25 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 電子写真感光体 |
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