JPH05992A - キノン系化合物と電子写真感光体 - Google Patents

キノン系化合物と電子写真感光体

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JPH05992A
JPH05992A JP15488291A JP15488291A JPH05992A JP H05992 A JPH05992 A JP H05992A JP 15488291 A JP15488291 A JP 15488291A JP 15488291 A JP15488291 A JP 15488291A JP H05992 A JPH05992 A JP H05992A
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compound
quinone compound
examples
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JP15488291A
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Inventor
Masafumi Tanaka
雅史 田中
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Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明のキノン系化合物は、下記式(I) で示
されるように対称軸aまたはbを介して非対称な構造を
有する化合物である。式(I) 中、R1 、R2 、R3 、R
4 、R5 、R6 、R7 およびR8 は同一または異なって
水素原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキル
基、アルコキシ基またはフッ素置換アルキル基を示し、
n は0〜3の整数である。本発明の電子写真感光体は、
電荷輸送材料として、対称な構造の化合物をも包含する
ほかは上記キノン系化合物(I) と同じ構造である特定の
キノン系化合物(II) を含有する感光層を有するもので
ある。 【効果】本発明のキノン系化合物は、結着樹脂との相溶
性および溶剤への溶解性にすぐれる。また、本発明の電
子写真感光体は、感度にすぐれている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なキノン系化合物
とこれを用いた電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、複写機、プリンター、ファクシミ
リ等の画像形成装置における電子写真感光体として、加
工性および経済性にすぐれ、機能設計の自由度が大きい
有機感光体が広く使用されている。また、電子写真感光
体を用いて複写画像を形成する場合には、カールソンプ
ロセスが広く利用されている。カールソンプロセスは、
コロナ放電により感光体を均一に帯電させる帯電工程
と、帯電した感光体に原稿像を露光し原稿像に対応した
静電潜像を形成する露光工程と、静電潜像をトナーを含
有する現像剤で現像しトナー像を形成する現像工程と、
トナー像を紙などの基材に転写する転写工程と、基材に
転写されたトナー像を定着させる定着工程と、転写工程
後、感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング
工程とを含んでいる。このカールソンプロセスにおい
て、高品質の画像を形成するには、電子写真感光体が帯
電特性および感光特性に優れており、かつ露光後の残留
電位が低いことが要求される。
【0003】従来より、セレンや硫化カドミウム等の無
機光導電体が電子写真感光体材料として公知であるが、
これらは毒性があり、しかも生産コストが高いという欠
点がある。そこで、これらの無機物質に代えて、種々の
有機物質を用いた、いわゆる有機電子写真感光体が提案
されている。かかる有機電子写真感光体は、露光により
電荷を発生する電荷発生材料と、発生した電荷を輸送す
る機能を有する電荷輸送材料とからなる感光層を有す
る。
【0004】かかる有機電子写真感光体に望まれる各種
の条件を満足させるためには、これら電荷発生材料と電
荷輸送材料との選択を適切に行う必要がある。電荷輸送
材料としては、従来から種々の物質が研究され、ポリビ
ニルカルバゾール、オキサジアゾール系化合物、ピラゾ
リン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の多くの物質が提
案されている。これらの電荷輸送材料はホール輸送材料
であるため、現在、有機電子写真感光体の主流となって
いる機能分離型感光体では必然的に負帯電プロセスが要
求される。しかしながら、負極性コロナ放電は本質的に
不安定であり、かつオゾン発生による感光体の劣化、使
用環境の汚染等の問題を有している。これらの問題を解
決するには、電荷輸送材料として電子輸送材料を用いた
正帯電で動作する有機電子写真感光体を採用すれば良
く、電子輸送材料としては特開平1−206349号公
報に記載されているジフェノキノン構造を有する化合物
が提案されている。このものは非局在化したπ電子系を
有する電子受容体であり、アニオンラジカル状態が関与
する電子移動反応により電子を輸送することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
下記式(A)で示される置換基の構成では、感光体を構
成する結着樹脂との相溶性が低く、また溶剤への溶解性
にも劣り、従って量的に多量のジフェノキノン系化合物
を感光層内に含有させることができないため、充分な感
度が得られないという欠点がある。
【0006】
【化3】
【0007】本発明の目的は、かかる技術的課題を解決
し、高い電子受容性を有すると共に、結着樹脂との相溶
性にすぐれかつ溶剤への溶解性にもすぐれたキノン系化
合物と、感度にすぐれた電子写真感光体を提供すること
である。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】上記の目的を
達成するための本発明のキノン系化合物は、一般式(I):
【0009】
【化4】
【0010】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5
6 、R7 およびR8 は同一または異なって水素原子、
アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルコキ
シ基またはフッ素置換アルキル基を示す。nは0〜3の
整数である。ただし、置換基R 1 、R2 、R3 およびR
4 と、R5 、R6 、R7 およびR8 との関係または置換
基R1 、R3 、R5 およびR7 と、R2 、R4 、R6
よびR8 との関係において、相互に対応する位置関係に
ある複数対の置換基のうち少なくとも一対の置換基が互
いに異なるものとする。) 上記ただし書は、本発明の化合物が図1において破線a
およびbで示されるいずれかの対称軸を介して非対称な
構造となることを意味している。具体的には、例えば置
換基R1 ≠R7 であれば、他の置換基が同一であっても
化合物は対称軸bを介して非対称となる。また、置換基
1 ≠R2 であれば、他の置換基が同一であっても化合
物は対称軸aを介して非対称となる。
【0011】本発明のキノン系化合物(I) は電荷輸送材
料、とくに電子輸送材料として有効である。すなわち、
本発明のキノン系化合物(I) は長い共役二重結合を有す
るため、電子輸送能にすぐれる。そして、従来のジフェ
ノキノン系化合物と異なり、このキノン系化合物では、
2,5−シクロヘキサジエン−1−オンで表される2つ
の環状不飽和ケトン部分が基:
【0012】
【化5】
【0013】を介して結合されているため、互いに単結
合部分で回転可能であり、さらに本発明の化合物は前述
のように非対称な構造となっているため、結着樹脂との
相溶性および溶剤への溶解性が従来のジフェノキノン系
化合物より格段にすぐれている。上記置換基のうち、フ
ッ素置換アルキル基は、結着樹脂との相溶性をより向上
させるのに役立つと共に、フッ素原子によって昇華性を
低下させることができるという利点がある。
【0014】また、本発明の電子写真感光体は、導電性
基体上に、下記一般式(II)で表されるキノン系化合物を
含有する感光層を設けたことを特徴とする。
【0015】
【化6】
【0016】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5
6 、R7 およびR8 は同一または異なって水素原子、
アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルコキ
シ基またはフッ素置換アルキル基を示す。nは0〜3の
整数である。) 本発明の電子写真感光体で使用されるキノン系化合物(I
I)は、上記一般式(I)で表される非対称なキノン系化合
物のほか、対称なキノン系化合物をも包含している。対
称なキノン系化合物は非対称な化合物に比べて、樹脂と
の相溶性や溶剤への溶解性に幾分劣るものの、従来のジ
フェノキノン系化合物に対して充分に高い相溶性および
溶解性を有している。従って、本発明の電子写真感光体
は、感度および帯電能にすぐれ、高い繰り返し特性を有
する。
【0017】前記アルキル基としては、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシ
ル基などがあげられる。シクロアルキル基としては、例
えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオ
クチル基などがあげられる。
【0018】アリール基としては、例えばフェニル基、
ナフチル基、ビフェニリル基、アントリル基、フェナン
トリル基などがあげられる。アルコキシ基としては、例
えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブト
キシ基、t−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基などがあげ
られる。ハロゲン原子としては、塩素、ヨウ素、臭素、
フッ素があげられる。
【0019】前記フッ素置換アルキル基としては、例え
ば1または2以上のフッ素原子が置換したメチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソ
ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基など
があげられ、好ましくはトリフルオロメチル基のように
アルキル基の有する全ての水素原子がフッ素原子と置換
されたものが好ましい。
【0020】また、上記置換基としては、例えばハロゲ
ン原子、アルキル等の置換基を有することのあるアミノ
基、水酸基、エステル化されていてもよいカルボキシル
基、シアノ基、C1 −C6 アルキル基、C1 −C6 アル
コキシ基、アリール基を有することのあるC2 −C6
ルケニル基などがあげられる。置換基は2以上であって
もよく、また2つの置換基が環を形成していてもよい。
【0021】前記一般式(I) または(II)で表されるキノ
ン系化合物の具体例としては、以下のものをあげること
ができる。このうち、式(1) 〜(8) および(11)〜(16)で
示すものが非対称な化合物であり、式(9) および(10)で
示すものが対称な化合物である。
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【0024】
【化9】
【0025】
【0026】
【化10】
【0027】前記一般式(I) または(II)で表される化合
物は、例えば下記反応式にて製造することができる。 反応式:
【0028】
【化11】
【0029】(式中、Rは上記R1 〜R8 は前記と同じ
である。) すなわち、式(a) および式(b) で表されるフェノール系
化合物を溶剤に溶解し、酸化剤にて酸化反応させること
により、式(I) または(II)で表されるキノン系化合物を
得ることができる。上記溶剤としては、例えばベンゼ
ン、クロロホルム、ジクロロメタンなどが使用可能であ
る。また、上記酸化剤としては、例えば過マンガン酸カ
リウム、フェリシアン化カリウムなどが使用可能であ
る。反応は温度50〜55℃程度で加熱することによっ
て行われる。なお、この反応式は、上記nが0の場合で
あるが、nが1以上の場合も同様にして反応させること
ができる。
【0030】本発明における感光層は、前記一般式(II)
で表される化合物の1種または2種以上を含有する。な
お、該化合物(II)は一般式(I) の非対称な化合物を包含
していることはいうまでもない。本発明における感光層
には、電荷発生材料、電荷輸送材料である前記一般式(I
I)で表される化合物および結着樹脂を混合した単層型
と、電荷発生層および電荷輸送層を積層した積層型とが
あるが、本発明の感光層はいずれにも適用可能である。
【0031】積層型の電子写真感光体を得るには、導電
性基材上に電荷発生材料を含有する電荷発生層を形成
し、この電荷発生層上に、電荷輸送材料である前記一般
式(II)で表される化合物を含有する電荷輸送層を形成す
ればよい。また、積層順序をこれと逆にし、電荷輸送層
上に電荷発生層を設けるようにしてもよい。電荷発生材
料としては、従来より使用されているセレン、セレン−
テルル、セレン−ヒ素、アモルファスシリコン、ピリリ
ウム塩、アゾ系化合物、ジスアゾ系化合物、フタロシア
ニン系化合物、アンサンスロン系化合物、ペリレン系化
合物、インジゴ系化合物、トリフェニルメタン系化合
物、スレン系化合物、トルイジン系化合物、ピラゾリン
系化合物、ペリレン系化合物、キナクリドン系化合物、
ピロロピロール系化合物等があげられる。これらの電荷
発生材料は1種または2種以上を混合して使用すること
ができる。
【0032】また、電荷輸送材料である前記一般式(II)
で表される化合物は、従来公知の他の電荷輸送材料と組
み合わせて使用することができる。従来公知の電荷輸送
材料としては、例えば2,5−ジ(4−メチルアミノフ
ェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなどのオキサ
ジアゾール系化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリ
ル)アントラセン等のスチリル系化合物、ポリビニルカ
ルバゾール等のカルバゾール系化合物、1−フェニル−
3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾール等のピ
ラゾリン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、イン
ドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾ
ール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系
化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、
トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合物、縮合多環
式化合物が例示される。なお、ポリビニルカルバゾール
等の成膜性を有する電荷輸送材料を使用する場合には結
着樹脂は必ずしも必要ではない。
【0033】前記結着樹脂としては、種々の樹脂が使用
可能であり、例えばスチレン系重合体、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合
体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合
体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリプロピレン、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリエステル、アルキド樹脂、ポリアミ
ド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアリレー
ト、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹
脂、ホリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂等の
熱可塑性樹脂や、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、その
他架橋性の熱硬化性樹脂、さらにエポキシアクリレー
ト、ウレタン−アクリレートなどの光硬化性樹脂などが
あげられる。これらの結着樹脂は1種または2種以上を
混合して用いることができる。
【0034】また、電荷発生材料、電荷輸送材料および
結着樹脂を溶解して塗布液をつくるための溶剤として
は、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、ブタノール等のアルコール類、n−ヘキサン、オク
タン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロ
メタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン
等のハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジ
メチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、シ
クロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸メチル
等のエステル類、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド等があげられる。
これらの溶剤は1種または2種以上を混合して用いるこ
とができる。
【0035】また、電荷発生層の感度を向上させるため
に、例えばターフェニル、ハロナフトキノン類、アセナ
フチレン等の公知の増感剤を上記電荷発生材料と共に使
用してもよい。さらに、電荷輸送材料や電荷発生材料の
分散性、染工性等をよくするために界面活性剤、レベリ
ング剤等を使用してもよい。
【0036】上記導電性基体としては、例えばアルミニ
ウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、
クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、
インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属単体や、上記
金属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料、
ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で被
覆されたガラス等が例示される。
【0037】導電性基体はシート状、ドラム状などのい
ずれであってもよく、基体自体が導電性を有するか、あ
るいは基体の表面が導電性を有していればよい。また、
基体は、使用に際して、充分な機械的強度を有するもの
が好ましい。積層型電子写真感光体において、電荷発生
層を構成する電荷発生材料と結着樹脂とは種々の割合で
使用することができるが、結着樹脂100重量部に対し
て、電荷発生材料5〜500重量部、とくに10〜25
0重量部の割合で用いるのが好ましい。
【0038】また、電荷発生層は、適宜の膜厚を有して
いてもよいが、0.01〜5μm、とくに0.1〜3μm程
度に形成されるのが好ましい。電荷輸送層を構成する上
記一般式(1) で表される化合物(電荷輸送材料)と前記
結着樹脂とは種々の割合で使用することができるが、光
照射により電荷発生層で生じた電荷が容易に輸送できる
ように、結着樹脂100重量部に対して、上記一般式で
表される化合物を10〜500重量部、とくに25〜2
00重量部の割合で用いるのが好ましい。
【0039】また、電荷輸送層の厚さは、2〜100μ
m、とくに5〜30μm程度であるのが好ましい。単層
型の電子写真感光体においては、結着樹脂100重量部
に対して電荷発生材料は2〜20重量部、とくに3〜1
5重量部、上記一般式で表される化合物(電荷輸送材
料)は40〜200重量部、とくに50〜150重量部
であるのが適当である。また、単層型の感光層の厚さは
10〜50μm、とくに15〜30μm程度であるのが
好ましい。
【0040】電荷発生層および電荷輸送層を含む感光層
を塗布手段により形成する場合には、電荷発生材料また
は電荷輸送材料と結着樹脂とを、従来公知の方法、例え
ばロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェ
ーカー、超音波分散器等を用いて塗布液を調製する。
【0041】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
詳細に説明する。 実施例1(上記式(1) で表される化合物の合成) 2,6−ジtert−ブチル−p−クレゾール2.2gと、
2,6−ジメチル−p−クレゾール1.4gとをベンゼ
ン100mlに溶解した。ついで、この溶液に、フェリシ
アン化カリウム10gを溶解したアルカリ性溶液100
mlを、室温で1時間かけて滴下した後、80℃で還流す
ることにより、反応させた。生成物には上記式(1) で表
される化合物のほか、その異性体も含有されているた
め、カラムクロマトグラムで異性体を分離し、標記化合
物0.9gを単離した。 収率 25% 元素分析値:C24302 として 計算値(%) C82.24 H8.63 O9.13 実測値(%) C82.31 H8.71 O− 実施例2(上記式(2) で表される化合物の合成) 2−メチル−6−tert−ブチル−p−クレゾール3.5
gをベンゼン100mlに溶解した。ついで、この溶液
に、フェリシアン化カリウム10gを溶解したアルカリ
性溶液100mlを、室温で1時間かけて滴下した後、8
0℃で還流することにより、反応させた。反応終了後、
反応液の溶媒を留去した。ついで、残渣を精製した後、
エタノールに溶解し、再結晶させて標記化合物3.1g
を得た。 収率 90% 元素分析値:C24302 として 計算値(%) C82.24 H8.63 O9.13 実測値(%) C82.25 H8.63 O− 融点: 250〜255℃ 得られた標記化合物の赤外吸収スペクトルを図2に示
す。 実施例3〜10(上記式(3) 〜(10)で表される化合物の
合成) 適当な出発物質を用いて実施例1または2と同様にして
それぞれの標記化合物を合成した。
【0042】得られた化合物の元素分析値を実施例1,2
の元素分析値と共に表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】実施例11〜18(積層型感光層) 電荷発生材料としてのX型フタロシアニン2重量部、ポ
リビニルブチラール樹脂1重量部およびジクロロメタン
120重量部をボールミルを用いて分散させた。得られ
た分散液をアルミニウムシート上にワイヤーバーを用い
て塗工し、100℃で1時間乾燥し、0.5μmの電荷
発生層を得た。
【0045】この電荷発生層上に、実施例1〜8のいず
れかで得たキノン系化合物(電荷輸送材料)5重量部お
よびポリカーボネート樹脂10重量部およびベンゼン8
0重量部からなる溶液をワイヤーバーにて塗工し、10
0℃で1時間乾燥し、22μmの電荷輸送層を形成し、
電子写真感光体を得た。 実施例19および20(積層型感光層) 実施例1〜8で得たキノン系化合物に代えて、実施例9
および10のいずれかで得たキノン系化合物を用いて、
添加量を2.5重量部としたほかは実施例11〜18と
同様にして電子写真感光体を得た。
【0046】なお、添加量を2.5重量部としたのは、
これ以上ではキノン系化合物の結晶が析出するためであ
る。 比較例1(積層型感光層) 電荷輸送材料として、上記式(A)で表されるジフェノ
キノン系化合物を樹脂10重量部に対して2.5重量部
の割合で使用したほかは実施例11〜20と同様にして
電子写真感光体を得た。このジフェノキノン系化合物の
添加量を2.5重量部としたのは、この化合物が結着樹
脂に溶解する限界であり、これ以上では結晶が析出する
ためである。 実施例21〜28(単層型感光層) (成分) (重量部) X型フタロシアニン 5 ポリカーボネート樹脂 100 N,N'- ビス(2,4- ジメチルフェニル)- N,N'- ジフェニルベンジジン 40 実施例1〜10のいずれかで得たキノン系化合物 40 これらの各成分を所定量のベンゼンに溶解し、ボールミ
ルにて分散させ、分散液をアルミニウムシート上にワイ
ヤーバーを用いて塗工し、100℃で1時間乾燥し、約
15μmの感光層を形成し、電子写真感光体を得た。 実施例29および30(積層型感光層) 実施例1〜8で得たキノン系化合物に代えて、実施例9
および10のいずれかで得たキノン系化合物を用いて、
添加量を25重量部としたほかは実施例21〜28と同
様にして電子写真感光体を得た。
【0047】なお、添加量を25重量部としたのは、実
施例19,20と同じ理由からである。 比較例2(単層型感光層) 電荷輸送材料として、上記式(2) で表されたジフェノキ
ノン系化合物に代えて、上記式(A)で表されるジフェ
ノキノン系化合物を用いたほかは実施例21〜30と同
様にして、電子写真感光体を得た。ただし、使用したジ
フェノキノン系化合物(A)の添加量は25重量部とし
た。
【0048】(評価試験)各実施例および比較例で得た
感光体の表面電位、半減露光量(E1/2 )および残留電
位を評価試験機(川口電気社製の「EPA8100」)
にて測定した。測定条件は以下の通りである。 光強度:10μW/cm2 露光時間:2秒 表面電位:(±)700V付近となるように流れ込み電
流値を調整した。
【0049】光源:780nmの光 除電:200ルクス 残留電位測定:露光開始後1秒後の電位を測定した。 実施例11〜30および比較例1〜2の試験結果を表2
および表3に示す。
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】これらの試験結果から、実施例の感光体は
比較例のものに比べて半減露光量および残留電位がすぐ
れており、感度が改善されていることがわかる。とく
に、非対称なキノン系化合物を用いた実施例11〜18
および実施例21〜28において感度向上が著しい。
【0053】
【発明の効果】以上のように本発明のキノン系化合物
は、結着樹脂との相溶性および溶剤への溶解性にすぐれ
ている。また、本発明の電子写真感光体は、特定のキノ
ン系化合物を含有する感光層を有しているために、感度
にすぐれているという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のキノン系化合物を示す説明図である。
【図2】実施例2で得られた化合物の赤外吸収スペクト
ルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 5/06 376 8305−2H

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I): 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7
    よびR8 は同一または異なって水素原子、アルキル基、
    アリール基、シクロアルキル基、アルコキシ基またはフ
    ッ素置換アルキル基を示す。n は0〜3の整数である。
    ただし、置換基R 1 、R2 、R3 およびR4 と、R5
    6、R7 およびR8 との関係または置換基R1
    3 、R5 およびR7 と、R2 、R4 、R6 およびR8
    との関係において、相互に対応する位置関係にある複数
    対の置換基のうち少なくとも一対の置換基が互いに異な
    るものとする。)で表されるキノン系化合物。
  2. 【請求項2】導電性基体上に、下記一般式(II)で表され
    るキノン系化合物を含有する感光層を設けたことを特徴
    とする電子写真感光体。 【化2】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7
    よびR8 は同一または異なって水素原子、アルキル基、
    アリール基、シクロアルキル基、アルコキシ基またはフ
    ッ素置換アルキル基を示す。n は0〜3の整数であ
    る。)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010217374A (ja) * 2009-03-16 2010-09-30 Kyocera Mita Corp 電子写真感光体
US9557662B2 (en) 2015-03-27 2017-01-31 Fuji Xerox Co., Ltd. Electrophotographic photoreceptor, process cartridge, and image forming apparatus

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