JP3121142B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP3121142B2 JP04268286A JP26828692A JP3121142B2 JP 3121142 B2 JP3121142 B2 JP 3121142B2 JP 04268286 A JP04268286 A JP 04268286A JP 26828692 A JP26828692 A JP 26828692A JP 3121142 B2 JP3121142 B2 JP 3121142B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電式複写機やレーザ
ービームプリンタ等の、電子写真法を利用した画像形成
装置に利用される電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来技術】カールソンプロセス等の電子写真法は、コ
ロナ放電により、電子写真感光体の表面を均一に帯電さ
せる工程と、帯電した電子写真感光体の表面を露光し
て、当該表面に静電潜像を形成する露光工程と、形成さ
れた静電潜像に現像剤を接触させて、この現像剤に含ま
れるトナーにより、静電潜像をトナー像に顕像化する現
像工程と、トナー像を紙等に転写する転写工程と、転写
されたトナー像を定着させる定着工程と、転写工程後、
感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング工程
とを含んでいる。
【0003】上記電子写真法に使用される電子写真感光
体としては、セレンのような無機材料を含有する感光層
を用いた無機感光体や有機材料を含有する感光層を用い
た有機感光体がある。有機感光体は無機感光体に比べて
安価でしかも無公害であり、また、分子構造が多様であ
ることから機能設計の自由度が大きく、生産性が高い等
多くの利点を有しているので、近年広範な研究が進めら
れている。
【0004】このような有機感光体には、一般に、光照
射により電荷を発生させる電荷発生材料と、発生した電
荷を輸送する電荷輸送材料とを含む機能分離型の感光層
が多く使用されている。かかる有機感光体に望まれる各
種の条件を満足させるためには、電荷発生材料、電荷輸
送材料等組み合わせる材料の選択を適切に行う必要があ
る。
【0005】上記電荷輸送材料としては、従来から種種
の物質が研究され、ポリビニルカルバゾール、オキサジ
アゾール系化合物、ピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系
化合物等の多くの物質が提案されている。これらの電荷
輸送材料は正孔輸送材料であるため、現在、有機感光体
の主流になっている機能分離型感光体の一つである、導
電性基体上に電荷発生層と電荷輸送層をこの順に積層し
た系の積層型感光体では必然的に負帯電プロセスが要求
される。
【0006】しかし、負帯電型の有機感光体では、オゾ
ンの発生により環境を汚染したり、感光体が酸化されて
劣化したりする恐れがあり、これを防ぐため、オゾンを
発生させないシステムや、画像形成装置内のオゾンを廃
棄するシステムなどを必要とし、プロセスやシステムが
複雑化するという欠点がある。これらの欠点を解消する
ために電荷輸送材料として電子輸送材料を使用すること
が検討され、前記電子輸送材料としてジフェノキノン骨
格を有する化合物を用いた、正帯電で使用することがで
きる電子写真感光体が提案されている(特開平1−20
6349号公報)。
【0007】前記ジフェノキノン骨格を有する化合物
は、非極在化したπ電子系を有する電子受容体であり、
アニオンラジカル状態が関与する電子移動反応により電
子を輸送することができる。ところで、 正帯電または
負帯電の両方の帯電特性を有する感光体を用いることが
できれば、感光体の応用範囲をさらに広げることができ
る。このような感光体としては、電荷輸送材料としてジ
フェノキノン構造を有する電子輸送材料とポリシラン系
の正孔輸送材料とを感光層に含有させることにより、正
負両帯電で使用できる、高感度でかつ繰り返し特性に優
れた感光体を得ることも検討されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記ジフェノキノン誘
導体は、良好な輸送能を示すといわれているが、高速複
写機等に用いるには感度が悪く、実用面で未だ充分満足
し得るものではなかった。本発明者等は、種種のジフェ
ノキノン誘導体の内でも特定の位置関係で置換基を含有
するジフェノキノン誘導体は、従来電子輸送剤として知
られているジフェノキノン誘導体に比べて感度面が顕著
に優れていることを見出した。
【0009】また、各種材料を用いた有機感光体を作製
するためには、電子写真特性を満足するべくマッチング
のよい材料を選択しなければならない。例えば、電荷輸
送能力の高い電荷輸送材料同士を組み合わせたとして
も、良好な電子写真特性を得られるとは限らず、電荷輸
送材料として、正孔輸送材料と電子輸送材料が共存する
系では、電荷移動錯体の形成に注意する必要がある。す
なわち、電荷移動錯体が形成されると正孔と電子の間に
再結合が生じ、全体として電荷の移動が低下してしまう
からである。さらに、正孔輸送材料のHOMOと電子輸
送材料のLUMOのエネルギーギャップが、感光体に照
射される主露光および除電光の波長エネルギーと一致し
た場合、電荷移動錯体による光の吸収が生じてしまい電
荷発生効率の激減を招く事になる。
【0010】電荷移動錯体の形成としては、正孔輸送材
料と電子輸送材料との電子雲の重なり方に因果関係があ
ると推論される。本発明は、上記の点を解決しようとす
るもので、その目的は、高感度でかつ繰り返し特性およ
び残留電位特性に優れた電子写真感光体を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段および作用】導電性基体上
に、電子輸送材料としての下記一般式(1):
【0012】
【化3】
【0013】(式中、R1、R2、R3およびR4は、
水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、アルコキ
シ基、アリール基を示す。但し、R1、R2、R3およ
びR4のうち2つは同一の基とし、前記同一の基と他の
2つはそれぞれ異なる基とする。)で表されるジフェノ
キノン系化合物と、正孔輸送材料としての下記一般式
(2):
【0014】
【化4】
【0015】(式中、R5およびR6は、水素原子、ア
ルキル基またはアルコキシ基を示し、夫々複数置換して
いてもよく、nは1〜2の整数を示す。)で表される化
合物とを含有する感光層を設ければよいことを見出し、
本発明を完成するに到った。本発明は、上記一般式
(1)で示される構造のジフェノキノン誘導体は電子輸
送剤として公知のジフェノキノン誘導体とほぼ同等の帯
電性や繰り返し特性を保全しながら、顕著に改善された
感度や残留電位を示すと言う知見に基づくものである。
【0016】従来、溶剤に溶け易く、従って結着樹脂と
の相溶性も良好で、しかも電子輸送性能に最も優れたジ
フェノキノン誘導体として、3,3−ジメチル−3,
,−ジtertブチル−4,4,−ジフェノキノン(D
MDB) 即ち下記式(a)
【0017】
【化5】
【0018】の誘導体が知られている。このDMDB
は、ジフェノキノン誘導体の内でも、高い帯電特性と優
れた感度とを有しているものの、高速の複写機等に用い
るにはさらなる感度面での改良が必要であり、実用面で
未だ充分満足し得るものではない。これに対して、本発
明に従い、上記一般式(1)で示される構造のジフェノ
キノン誘導体を使用すると、DMDBと同レベルに帯電
特性や繰り返し特性を維持しながら、感度や残留電位を
顕著に向上させることが可能となる(後述する例参
照)。
【0019】本発明に用いるジフェノキノン誘導体が上
記の改善を示すことは、多くの実験の結果、現象として
見出されたものであるが、この誘導体は、より対称性が
低い為感光層中で会合体あるいは凝集体などの形成が起
こりにくく、その為、同一体積内に有効にジフェノキノ
ン分子が分布し、電子のホッピング伝導を行うのに有利
に働いているものと推測される。
【0020】そこで、本発明者らは、上記ジフェノキノ
ン系化合物に対し特定の正孔輸送材料を選択し、高性能
で満足するような電子写真特性を得ようと考え、使用す
る正孔輸送材料について種々検討を行った。本発明であ
る特定の電子輸送材料としての前記一般式(1)で表さ
れる化合物と、特定の正孔輸送材料としての前記一般式
(2)で表される化合物とを選択したことによるマッチ
ングの作用は明確にはなっていないが、後述する実施例
と比較例の対比から、結果として感度、繰り返し特性、
残留電位特性の向上に繋がることが理解される。
【0021】即ち、複写機に標準装着されている露光ラ
ンプの出力を上げなくてもカブリ等の不具合を発生する
ことはなく、延いては露光ランプの長寿命化や消費電力
の低減に繋がるものと推定される。
【0022】
【好適態様】電荷発生材料 電荷発生材料としては、従来公知のものを使用すること
ができ、例えば、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ
素、アモルファスシリコン、ピリリウム塩、アゾ系顔
料、ペリレン系顔料、アンサンスロン系顔料、フタロシ
アニン系顔料、インジゴ系顔料、トリフェニルメタン系
顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系
顔料、キナクリドン系顔料、ピロロピロール系顔料等が
挙げられ、好ましくは、メタルフリーフタロシアニン、
銅フタロシアニン、オキソチタニルフタロシアニンなど
があげられ、特にイオン化ポテンシャルが5.3eV乃
至5.6eV〔その測定は大気下光電子分析装置(理研
計器株式会社製、AC−1)による〕を示す材料が好適
であり、特に好適なものとして、次のものが例示され
る。 X型メタルフリーフタロシアニン(IP=5.38e
V) β型メタルフリーフタロシアニン(IP=5.32e
V) オキソチタニルフタロシアニン(IP=5.32eV) 1,4−ジチオケト−3,6−ジフェニル−ピロロ−
(3,4−C)ピロロピロール(IP=5.46eV) N,N−ビス(3,,5,−ジメチルフェニル)ペリレン
−3,4,9,10−テトラカルボキシルジイミド(I
P=5.60eV)電荷輸送材料 前記一般式(1)で表される電子輸送材料および前記一
般式(2)で表される正孔輸送材料が使用される。
【0023】前記一般式(1)で表されるジフェノキノ
ン系化合物において、R1、R2、R3およびR4に相
当するアルキル基としては、例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などがあ
げられる。アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、
エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキ
シ基、t−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられ
る。
【0024】アリ−ル基としては、例えばフェニル基、
トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、ア
ントリル基、フェナントリル基等があげられる。上記各
基に置換する置換基としては、メチル基、エチル基、イ
ソプロピル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、
t−ブチル基、ペンチル基、メトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブ
トキシ基、t−ブトキシ基等があげられる。
【0025】前記一般式(1)で表されるジフェノキノ
ン誘導体としては、下記式(3)、(4)、(5)で表
されるものが使用される。
【0026】
【化6】
【0027】(式中、R1'、R2'、R3'は、異なっ
水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、アルコ
キシ基、アリール基を示す。)前記一般式(3)、
(4)、(5)で表されるジフェノキノン誘導体の具体
例としては、夫々の式中のR1' 〜R3' の基として表
1に示す様な基を有する化合物が例示される。
【0028】
【表1】
【0029】上記一般式(3)、(4)または(5)で
表されるジフェノキノン誘導体は、それぞれ単独でも、
あるいは混合して用いてもよい。また、上記一般式
(3)、(4)または(5)で表されるジフェノキノン
誘導体は、従来公知の種種の方法で合成することが可能
であるが、例えば上記一般式(3)で表されるジフェノ
キノン誘導体は、下記式(i)
【0030】
【化7】
【0031】(式中R1, は前記一般式(3)と同様)
で表される二置換フェノールおよび下記式(ii)
【0032】
【化8】
【0033】(式中R2,、R3,は前記一般式(3)と
同様)で表される二置換フェノールを極性溶媒中におい
て銅塩−第3級アミン錯体触媒の存在下において分子状
酸素と接触させることによって合成される。また、上記
一般式(4)で表されるジフェノキノン誘導体は、前記
式(i)(ii)に代えて、下記式(iii)(iv)
で表される二置換フェノールを用いること以外は、前記
と同様にして合成される。
【0034】
【化9】
【0035】(式中R1,、R2,、R3,は前記一般式
(4)と同様) また、上記一般式(5)で表されるジフェノキノン誘導
体は、前記式(i)(ii)に代えて、下記式(v)
(vi)で表される二置換フェノールを用いること以外
は、前記と同様にして合成される。
【0036】
【化10】
【0037】(式中R1,、R2,、R3,は前記一般式
(5)と同様) 上記一般式(2)で表される正孔輸送材料において、式
中のR5、R6に相当するアルキル基、アルコキシ基と
しては、例えば前記一般式(1)と同様のものがあげら
れる。前記一般式(2)で表される化合物の具体的化合
物としては、下記式(C)〜(E)で表されるものが挙
げられる。
【0038】
【化11】
【0039】前記化合物(2)は、従来公知の種種の方
法で合成することが可能である。電荷輸送材料である前
記一般式(1)、(2)で表される化合物は、従来公知
の他の電荷輸送材料と組み合わせて使用することもでき
る。従来公知の電荷輸送材料としては、種々の電子吸引
性化合物、電子供与性化合物を用いることができる。
【0040】電子吸引性化合物としては、例えば、2,
6−ジメチル−2, ,6, −ジtert−ジブチルジフ
ェノキノン等のジフェノキノン誘導体、マロノニトリ
ル、チオピラン系化合物、テトラシアノエチレン、2,
4,8−トリニトロチオキサントン、3,4,5,7−
テトラニトロ−9−フルオレノン、ジニトロベンゼン、
ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロア
ントラキノン、ジニトロアントラキノン、無水コハク
酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等が例示
される。
【0041】また、電子供与性化合物としては、2,5
−ジ(4−メチルアミノフェニル)、1,3,4−オキ
サジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、9−(4
−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル
系化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系
化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェ
ニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラゾン
系化合物、トリフェニルアミン系化合物、インドール系
化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化
合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、
イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾ
ール系化合物等の含窒素環式化合物、縮合多環式化合物
が例示されている。
【0042】これらの電荷輸送材料は、1種または2種
以上混合して用いられる。なお、ポリビニルカルバゾー
ル等の成膜性を有する電荷輸送材料を用いる場合には、
結着樹脂は必ずしも必要でない。結着樹脂 結着樹脂としては、種々の樹脂を使用することができ
る。例えばスチレン系重合体、スチレン−ブタジエン共
重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレ
ン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン
−アクリル酸共重合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリプロピレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ポリエステルアルキド樹脂、ポリアミド、ポリウレ
タン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホ
ン、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂
等の熱可塑性樹脂や、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋
性の熱硬化性樹脂、さらにエポキシアクリレート、ウレ
タン−アクリレート等の光硬化性樹脂等があげられる。
これらの結着樹脂は1種または2種以上を混合して用い
ることができる。導電性基体 感光層が形成される導電性基体としては、導電性を有す
る種々の材料を使用することができ、例えばアルミニウ
ム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、ク
ロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、イ
ンジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属単体や、上記金
属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料、ヨ
ウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で被覆
されたガラス等が例示される。
【0043】導電性基体はシート状、ドラム状等の何れ
であってもよく、基体自体が導電性を有するか、あるい
は基体の表面が導電性を有していればよい。また、導電
性基体は、使用に際して、充分な機械的強度を有するも
のが好ましい。添加剤 有機感光層には、増感剤、フルオレン系化合物、酸化防
止剤、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、可塑剤等の添加剤
を含有させることができる。
【0044】例えは適当な酸化防止剤は次の通りであ
る。
【0045】
【化12】
【0046】
【化13】
【0047】上記立体障害性フェノール系酸化防止剤
を、全固形分当たり0.1乃至50重量%配合すると、
電子写真特性に悪影響を与えることなく、感光層の耐久
性を顕著に向上させ得ることがわかった。また、電荷発
生層の感度を向上させるために、例えばターフェニル、
ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤
を電荷発生材料と併用してもよい。感光体の構成 本発明の感光体は、感光層として単層型、積層型の何れ
にも適応可能である。但し、電子輸送材料と正孔輸送材
料との組み合わせによる効果は、特に、両材料が同一の
層内に含有された単層型感光層において、より顕著に顕
れるので、本発明は、単層型感光層を備えた電子写真感
光体に適用するのがより好ましいといえる。
【0048】単層型の感光体を得るには、電荷発生材料
と、電子輸送材料である前記一般式(1)で表される化
合物と、正孔輸送材料である前記一般式(2)で表され
る化合物と、結着樹脂等とを含有する感光層を、塗布等
の手段により導電性基体上に形成すればよい。即ち、上
記単層系での電荷像生成原理は、露光により電荷発生材
料に電荷(正孔・電子)が発生した時、電子は電子輸送
材料に注入され、正孔は正孔輸送材料に注入され、その
後注入された夫々の電荷(正孔・電子)は途中でトラッ
プされることなく夫々の輸送材料中で授受されて、最終
的に感光層の表面あるいは導電性基体の表面に輸送され
るものである。
【0049】つまり、上記のような単層型感光体では、
電荷のトラップが抑制され、感度を向上させることがで
きるばかりでなく、両帯電感光体としても使用でき応用
範囲が広いものである。さらに、単層型感光体はその構
成上感光層の2度塗りをする必要がないため、生産性が
向上するものである。また、積層型の感光体を得るに
は、導電性基体上に、蒸着または塗布等の手段により電
荷発生材料を含有する電荷発生層を形成し、この電荷発
生層上に電子輸送材料である前記一般式(1)で表され
る化合物と、正孔輸送材料である前記一般式(2)で表
される化合物と、結着樹脂とを含有する電荷輸送層を形
成すればよい。また、上記とは逆に、導電性基体上に電
荷輸送層を形成し、次いで電荷発生層を形成してもよ
い。
【0050】上記タイプの積層型の感光体は両帯電感光
体として使用でき応用範囲が広いものである。また、導
電性基体上に、正孔輸送材料である前記一般式(2)で
表される化合物と結着樹脂とを含有する正孔輸送層を形
成し、この正孔輸送層上に、蒸着または塗布等の手段に
より電荷発生材料を含有する電荷発生層を形成し、この
電荷発生層上に、電子輸送材料である前記一般式(1)
で表される化合物と結着樹脂とを含有する電子輸送層を
形成してもよい。
【0051】上記タイプの積層型の感光体は正帯電型と
なる。また、上記とは逆に、導電性基体上に電子輸送層
を形成し、次いで電荷発生層および正孔輸送層を順次積
層させて形成してもよい。上記タイプの積層型の感光体
は負帯電型となる。さらに上記有機感光層上に保護層が
設けられていてもよい、有機感光層と導電性基体との間
に中間層が設けられていてもよい。単層型感光体 上記有機感光層が単層で形成される場合には、有機感光
層の膜厚は10〜50μmが好ましく、さらに好ましく
は15〜30μmである。
【0052】上記電荷発生材料の含有量は、有機感光層
の結着樹脂100重量部に対して1〜20重量部の範囲
で含有されているのが好ましく、さらに好ましくは1〜
10重量部である。電荷発生材料の含有量が1重量部未
満の場合、得られる感光体の電荷発生能力が小さい。逆
に電荷発生材料の含有量が20重量部を越える場合、得
られる感光体の耐摩耗性が低下する恐れがある。
【0053】上記一般式(1)で表される電子輸送材料
の含有量は、有機感光層の結着樹脂100重量部に対し
て10〜100重量部の範囲で含有されているのが好ま
しく、さらに好ましくは20〜70重量部である。上記
電子輸送材料の含有量が10重量部未満の場合、得られ
る感光体の感度、繰り返し特性が悪くなる。逆に上記電
子輸送材料の含有量が100重量部を越える場合、得ら
れる感光体の耐摩耗性が低下する恐れがある。
【0054】上記一般式(2)で表される正孔輸送材料
の含有量は、有機感光層の結着樹脂100重量部に対し
て10〜100重量部の範囲で含有されているのが好ま
しく、さらに好ましくは20〜70重量部である。上記
正孔輸送材料の含有量が10重量部未満の場合、得られ
る感光体の感度が悪くなる。逆に上記正孔輸送材料の含
有量が100重量部を越える場合、得られる感光体の耐
摩耗性が低下する恐れがある。
【0055】また、上記一般式(1)で表される電子輸
送材料の含有量は、電荷輸送材料中、20〜80重量%
含有されており、特に30〜70重量%含有されている
のが好ましい。電荷輸送材料中の上記電子輸送材料の含
有量が20重量%未満の場合、得られた感光体の感度、
繰り返し特性が悪くなる。逆に、上記電子輸送材料の含
有量が80重量%を越える場合、得られる感光体の感度
が悪くなる。積層型感光体 上記有機感光層が電荷発生層と電荷輸送層とから形成さ
れる場合には、電荷発生層の膜厚は0.1〜5μmが好
ましく、さらに好ましくは0.5〜2μmである。電荷
輸送層の膜厚は10〜50μmが好ましく、さらに好ま
しくは15〜30μmである。
【0056】上記電荷発生材料の含有量は、電荷発生層
の結着樹脂100重量部に対して50〜500重量部の
範囲で含有されているのが好ましく、さらに好ましくは
100〜300重量部である。電荷発生材料の含有量が
50重量部未満の場合、得られる感光体の電荷発生能力
が小さく、逆に電荷発生材料の含有量が500重量部を
越える場合、得られる感光体の機械的強度が低下する恐
れがある。
【0057】上記一般式(1)で表される電子輸送材料
の含有量は、電荷輸送層の結着樹脂100重量部に対し
て10〜100重量部の範囲で含有されているのが好ま
しく、さらに好ましくは20〜70重量部である。上記
電子輸送材料の含有量が10重量部未満の場合、得られ
る感光体の感度、繰り返し特性が悪くなる。逆に上記電
子輸送材料の含有量が100重量部を越える場合、得ら
れる感光体の耐摩耗性が低下する恐れがある。
【0058】上記一般式(2)で表される正孔輸送材料
の含有量は、電荷輸送層の結着樹脂100重量部に対し
て10〜100重量部の範囲で含有されているのが好ま
しく、さらに好ましくは20〜70重量部である。上記
正孔輸送材料の含有量が10重量部未満の場合、得られ
る感光体の感度が悪くなる。逆に上記正孔輸送材料の含
有量が100重量部を越える場合、得られる感光体の耐
摩耗性が低下する恐れがある。
【0059】また、上記一般式(1)で表される電子輸
送材料の含有量は、電荷輸送材料中、20〜80重量%
含有されており、特に30〜70重量%含有されている
のが好ましい。電荷輸送材料中の上記電子輸送材料の含
有量が20重量%未満の場合、得られた感光体の感度、
繰り返し特性が悪くなる。逆に、上記電子輸送材料の含
有量が80重量%を越える場合、得られる感光体の感度
が悪くなる。感光体の作製 上記各層を、塗布の方法により形成する場合には、前記
例示の電荷発生材料、電荷輸送材料、結着樹脂等を、適
当な溶剤とともに、公知の方法、例えば、ロールミル、
ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカーあるいは
超音波分散器等を用いて分散混合して塗布液を調整し、
これを公知の手段により塗布、乾燥すればよい。
【0060】塗布液をつくるための溶剤としては、種々
の有機溶剤が使用可能で、例えばメタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、
n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン、等の脂肪族
系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭
素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジメチル
エーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エ
チレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸
エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジメチルホルムア
ルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド等があげられる。これらの溶剤は1種又は2種以上を
混合して用いることができる。
【0061】さらに、電荷輸送材料や電荷発生材料の分
散性、感光層表面の平滑性をよくするために界面活性
剤、レベリング剤等を使用してもよい。以下、実施例お
よび比較例をあげて本発明を詳細に説明する。
【0062】
【実施例】
合成例1 3,5−ジイソプロピル−3,−tertブチル−5,
フェニル−4,4,−ジフェノキノンの合成 酸素ガス導入管、廃ガス排出管、攪拌器を備えた500
ミリリットルのセパラブルフラスコに2,6−ジイソプ
ロピルフェノール7.8g、2−tertブチル−6−
フェニルフェノール9.94g、塩化第一銅0.18
g、テトラメチルエチレンジアミン0.414g、メタ
ノール100ミリリットルを仕込み、激しく攪拌しなが
ら純酸素ガスをフラスコ気相部に流通しながら反応終了
後、析出した結晶を濾別し、水洗、乾燥した。ついで、
シリカゲルを充填したカラムクロマトグラフィーで分離
し下記一般式(c)で示される目的物を取得した。目的
物の収量は4.9g(収率27%)であった。
【0063】
【化14】
【0064】合成例2 3,5−ジイソプロピル−3,−(α,α,γ,γ−テ
トラメチルブチル)−5, −フェニル−4,4, −ジフ
ェノキノンの合成 原料の二置換フェノールとして、2,6−ジイソプロピ
ルフェノールと2−(α,α,γ,γ−テトラメチルブ
チル)−6−フェニルフェノールを用いたこと以外は合
成例1と同様に反応させ下記一般式(d)で示される目
的物を取得した。目的物の収量は6.4g(収率32
%)であった。
【0065】
【化15】
【0066】合成例3 3,5−ジ(第2ブチル)−3,−tertブチル−5,
−フェニル−4,4,−ジフェノキノンの合成 原料の二置換フェノールとして、2,6−ジ(第二ブチ
ル)フェノールと2−tertブチル−6−フェニルフ
ェノールを用いたこと以外は合成例1と同様に反応させ
下記一般式(b)で示される目的物を取得した。
【0067】
【化16】
【0068】実施例1〜9および比較例1〜7 電荷発生材料5重量部、電子輸送材料40重量部、正孔
輸送材料40重量部、結着樹脂としてポリカーボネート
樹脂100重量部および溶剤としての所定量のジクロロ
メタンをボールミルで混合分散して単層型感光層用塗布
液を調製した。この調製液をアルミニウムシート上にワ
イヤーバーにて塗布した後、100℃で60分間熱風乾
燥することにより、膜厚15〜20μmの単層型の感光
層を有する電子写真感光体を得た。
【0069】使用した電荷発生材料は、下記(I)に示
される化合物であり、 I:X型メタルフリーフタロシアニン(IP=5.38
eV) 使用した正孔輸送材料は、下記式(A)〜(E)の化合
物番号
【0070】
【化17】
【0071】
【化18】
【0072】使用した電子輸送材料は、前記式(a)〜
(d)の化合物番号を用いて表2に具体的に示した。上
記各実施例、比較例の電子写真感光体について以下の試
験を行い、その特性を評価した。電気特性 静電式複写試験装置(川口電機社製、EPA−810
0)を用い、実施例、比較例で作成したシート状の電子
写真感光体の表面に±7KVの印加電圧を加えて、その
表面電位を正または負に帯電させて、初期表面電位V1
(V)を測定した。その後、露光光源であるハロゲンラ
ンプを用い、白色ハロゲン光を露光時間6秒で照射して
半減露光量の測定を行った。即ち、初期表面電位V1
(V)が1/2となるまでの時間を求め、半減露光量
(μJ/cm2)を求めた。また、露光開始後から3秒
経過した時点の表面電位を初期残留電位V2(V)とし
て求めた。
【0073】上記の結果を表2に示した。繰り返し特性 上記各実施例及び比較例で得られた電子写真感光体を、
各々アルミニウムシリンダー上に接着テープを用いて貼
りつけた後、静電複写機DC−1656(三田工業株式
会社製)に装着した。
【0074】次に、1000回複写を繰り返し行い、そ
の後の表面電位V1’(V)および露光後電位V2’
(V)を表面電位計を用いて測定し、初期表面電位およ
び初期残留電位との差を下記式を用いて算出した。(但
し、測定は正帯電で行った。)
【0075】
【数1】
【0076】上記の結果を表3に示した。
【0077】
【表2】
【0078】表2より明らかなように、実施例1〜実施
例9で表される本発明の電子写真感光体は、露光後電
位、半減露光量および繰り返し特性に優れているもので
あり、電子写真特性として高性能を示すことがわかる。
これに比べて比較例1〜比較例7で表される電子写真感
光体は、露光後電位が高く、感度の悪いものであり、さ
らに繰り返し特性が極端に悪化するものであった。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、電子輸送材料としての
一般式(1)で表されるジフェノキノン誘導体と正孔輸
送材料として前記一般式(2)で表される化合物を選択
することにより、優れた電子写真特性を有する有機感光
体を提供することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−256050(JP,A) 特開 平3−144573(JP,A) 特開 平1−252965(JP,A) 特開 平4−230764(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/00 - 5/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基体上に、電子輸送材料としての下
    記一般式(1): 【化1】 (式中、R1、R2、R3およびR4は、水素原子、置
    換基を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、アリー
    ル基を示す。但し、R1、R2、R3およびR4のうち
    2つは同一の基とし、前記同一の基と他の2つはそれぞ
    れ異なる基とする。)で表されるジフェノキノン系化合
    物と、正孔輸送材料としての下記一般式(2): 【化2】 (式中、R5およびR6は、水素原子、アルキル基また
    はアルコキシ基を示し、夫々複数置換していてもよく、
    nは1〜2の整数を示す。)で表される化合物とを含有
    する感光層を設けたことを特徴とする電子写真感光体。
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