JP2004021265A - 電子写真感光体,電子写真画像形成装置,電子写真カートリッジ,及び電子写真ドラム - Google Patents
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Abstract
【課題】機械的強度及び静電特性に優れた電子写真感光体,並びにそれを含む電子写真画像形成装置を提供する。
【解決手段】導電性支持体上に,少なくとも高分子化合物を含む結着樹脂と低分子化合物よりなる正孔輸送物質を含有する層を有する感光層を備えた電子写真感光体において,前記高分子化合物が特定構造のビフェニルフルオレン単位を主鎖中に有するポリエステル樹脂であり,前記低分子化合物は特定構造のスチルベン系化合物であることを特徴とする。これにより,機械的強度及び静電特性に優れた特性を示す。
【選択図】 図1
【解決手段】導電性支持体上に,少なくとも高分子化合物を含む結着樹脂と低分子化合物よりなる正孔輸送物質を含有する層を有する感光層を備えた電子写真感光体において,前記高分子化合物が特定構造のビフェニルフルオレン単位を主鎖中に有するポリエステル樹脂であり,前記低分子化合物は特定構造のスチルベン系化合物であることを特徴とする。これにより,機械的強度及び静電特性に優れた特性を示す。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真感光体,電子写真画像形成装置,電子写真カートリッジ,及び電子写真ドラムに係り,特に高耐久性及び優れた静電特性を両立できる望ましい性能を有する電子写真感光体及びそれを備えた電子写真画像形成装置,電子写真カートリッジ,及び電子写真ドラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に,電子写真感光体は導電性基板上に電荷発生物質,電荷輸送物質,結着樹脂よりなる感光層を備えて作成される。感光層としては,特に最近は,電荷発生層と電荷輸送層とを積層してなる機能分離型の積層型感光体が主流となっている。ここで,電荷輸送層に使われる結着樹脂としては,ポリカーボネート樹脂,アクリル樹脂,ポリエステル樹脂,ポリスルホン樹脂,ポリスチレン樹脂などが一般的であるが,その中でもポリカーボネート系樹脂は電気絶縁性,強度,及び低分子化合物の電荷輸送物質との相溶性などに優れるために最も多用されている。しかし,ポリカーボネート系樹脂は金属基板との接着性が悪く,耐熱性が低く,高耐久性を要求する用途としては強度が十分でないという欠点もあって,これに替わる新規の樹脂の探索も進められている。
【0003】
最近,カルドポリマー(cardopolymer)と呼ばれる主鎖中にフルオレン骨格を有するポリエステル系樹脂が,例えば特許文献1,特許文献2,特許文献3に記載されているように,その耐熱性,高強度,良好な光学性能のために注目を浴びている。また,これを電子写真感光体の結着樹脂として使用しようとする試みも,例えば特許文献4,特許文献5,特許文献6,特許文献7に開示されている。
【0004】
【特許文献1】
米国特許第4387209号明細書
【特許文献2】
特開昭64−001723号公報
【特許文献3】
特開平06−049186号公報
【特許文献4】
特開平05−297601号公報
【特許文献5】
特開平07−281456号公報
【特許文献6】
特開平10−020515号公報
【特許文献7】
特開2000−327757号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで,例えば特許文献6に開示されているように,このような樹脂を単独で感光層の結着樹脂として用いると,暗減衰が大きくなりやすく,感度も不十分であると指摘されており,実用的な感光体を得るために,他の結着樹脂を半分以上混合するような方法が提案されている。しかし,そのような方法では必然的にカルドポリマー本来の特性が混合する他の樹脂の特性によって希釈され,その性能を十分に生かせないという問題点があった。
【0006】
本発明者らはカルドポリマー本来の効果的な特徴を減少させることのない電子写真感光体を実現するために感光体の組成を鋭意検討した結果,正孔輸送物質として特定のスチルベン系化合物を使用することによってカルドポリマーの物理的,化学的長所を減少させずに優れた電気特性を有する電子写真感光体が得られることを見出して本発明に至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の付加的な態様または長所は以下の説明から部分的に開示され,部分的には以下の説明から自明になるか,または後述の本発明の実施の形態によって理解されうる。
【0008】
前記技術的課題を達成するために本発明は,導電性支持体上に,少なくとも高分子化合物を含む結着樹脂と低分子化合物を含む正孔輸送物質を含有する層を有する感光層を備えた電子写真感光体において,前記高分子化合物が下記化学式1で表されるビフェニルフルオレン単位を主鎖中に有するポリエステル樹脂であり,前記低分子化合物は化学式2で表されるスチルベン系化合物であることを特徴とする電子写真感光体を提供する。
【0009】
【化17】
・・・(化学式1)
【0010】
【化18】
・・・(化学式2)
【0011】
ただし,化学式1において芳香族環状の水素原子は任意の置換基に置換えられ,化学式2においてR1〜R5は各々独立して,水素原子,C1〜C30の置換あるいは未置換アルキル基,C6〜C30の置換あるいは未置換アリール基,C1〜C30の置換あるいは未置換アルコキシ基,及びC8〜C30の置換あるいは未置換スチリル基よりなる群から選択されたいずれか1つを示し,また芳香族環状の水素原子は任意の置換基に置換えられうる。
【0012】
化学式1の芳香族環状に置換えられている置換基としては,芳香族環状の水素原子と置換可能であればいずれも良い。例えば,ハロゲン原子,ニトロ基,シアノ基,アミノ基,アルキル基,アルコキシ基,アリール基,スチリル基などを挙げられる。
【0013】
化学式2のR1〜R5及び芳香族環状に置換えられている置換基も水素原子と置換可能であればいずれも良い。例えば,ハロゲン原子,ニトロ基,シアノ基,アミノ基,アルキル基,アルコキシ基,アリール基,スチリル基などを挙げられる。
【0014】
本発明に係る電子写真感光体において,前記感光層は結着樹脂及び正孔輸送物質を含有する電荷輸送層と電荷発生層との積層構造よりなりうる。
【0015】
本発明に係る電子写真感光体において,前記結着樹脂及び正孔輸送物質を含有する層が電荷発生物質も含有しうる。
【0016】
本発明に係る電子写真感光体において,前記結着樹脂及び正孔輸送物質を含有する層が電子輸送物質も含有しうる。
【0017】
本発明に係る電子写真感光体において,前記ポリエステル樹脂は下記の化学式3,4及び5で表される構造単位のうち少なくとも2つの構造単位の共重合体であることを特徴とする電子写真感光体であることが望ましい。
【0018】
【化19】
・・・(化学式3)
【0019】
【化20】
・・・(化学式4)
【0020】
【化21】
・・・(化学式5)
【0021】
本発明に係る電子写真感光体において,前記感光層内のスチルベン系化合物の比率は10〜60重量%の範囲内であることが望ましい。
【0022】
また,本発明は前記一特徴を有する本発明に係る電子写真感光体を使用できる電子写真画像形成装置を提供する。
【0023】
本発明の態様及び長所は添付した図面と関連した以下の具現例の説明から容易に理解される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0025】
以下,本実施の形態に係る電子写真感光体について詳細に説明する。
【0026】
本実施の形態の電子写真感光体は特定構造のポリエステル樹脂及び正孔輸送物質の組合わせを含む感光層を含む。ビフェニルフルオレン骨格を主鎖中に有するポリエステル樹脂を使用した感光体がポリカーボネート系樹脂を使用した感光体に比べて暗減衰,感度において劣る原因は明確ではないが,前記ポリエステル樹脂の構造上の特徴が主鎖中に,主鎖とほとんど垂直面に大きなフルオレン環を有することから類推すれば,フルオレン環による大きなπ電子共役系が電荷輸送に関与する電荷輸送物質のπ電子共役系に干渉し,エネルギーレベルに変化を発生させるからであると推測される。本実施の形態において使用するスチルベン系化合物には分子内に電荷輸送に関与するスチルベン骨格とエナミン(enamine)骨格がフェニル基を介在して柔軟に配位可能に共存していて,前記フルオレン骨格による干渉を受けにくい立体構造を容易に取ることによって優れた電気特性を実現している。
【0027】
次いで,本実施の形態に係る電子写真感光体の多様な例を以下に説明する。
【0028】
電子写真感光体は,導電性支持体上に塗布された感光層を具備できる。導電性支持体としては,導電性材料の薄膜を備えて,ドラムあるいはベルト状の金属,プラスチックよりなるものを使用しうる。
【0029】
感光層は,電荷発生層と電荷輸送層とを積層した積層型でも,単一層に電荷発生及び輸送の機能を共に有する単層型でも良い。
【0030】
感光層に使われる電荷発生物質としては,例えばフタロシアニン系顔料,アゾ系顔料,キノン系顔料,ペリレン系顔料,インジゴ系顔料,ビスベンゾイミダゾール系顔料,キナクリドン系顔料,アズレニウム系染料,スクアリリウム系染料,ピリリウム系染料,トリアリールメタン系染料,シアニン系染料などの有機材料や,アモルファスシリコン,アモルファスセレン,三方晶セレン,テルリウム,セレン−テルリウム合金,硫化カドミウム,硫化アンチモン,硫化亜鉛などの無機材料を挙げられる。感光層に使われる電荷発生物質は前記例に限定されるものではなく,これらを単独で使用してもよく,2種以上の電荷発生物質を混合して使用しても良い。
【0031】
積層感光体の場合には前記電荷発生物質を結着樹脂と共に溶媒に分散させて塗布するか,真空蒸着,スパッタリング,CVD法などの手段で成膜して電荷発生層を形成する。通常,電荷発生物質の厚さは0.1μm〜1.0μmの範囲内で設定する。前記厚さが0.1μm未満であれば感度が不足し,1.0μmを超えれば帯電能及び感度が低下する問題点がある。
【0032】
電荷発生物質に使われうる結着樹脂としては電気絶縁性の高分子重合体が望ましく,例えばポリカーボネート,ポリエステル,メタクリル樹脂,アクリル樹脂,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,ポリスチレン,ポリビニルアセテート,シリコン樹脂,シリコン−アルキド樹脂,スチレン−アルキド樹脂,ポリ−N−ビニルカルバゾール,フェノキシ樹脂,エポキシ樹脂,ポリビニルブチラル,ポリビニルアセタル,ポリビニルホルマル,ポリスルホン,ポリビニルアルコール,エチルセルロース,フェノール樹脂,ポリアミド,カルボキシ−メチルセルロース,ポリウレタンなどを挙げられるが,これらに限定されるものではない。これらの高分子重合体は単独で使用しても,2種以上を混合して使用しても良い。
【0033】
電荷発生層上には本実施の形態のポリエステル樹脂とスチルベン系化合物の両者を有する電荷輸送層が設けられるが,逆に層構成を電荷輸送層上に電荷発生層を設けた構成とすることも可能である。電荷輸送層の形成には,前記ポリエステル樹脂とスチルベン系化合物とを溶媒として溶解させた溶液を塗布する方法を用いることができる。
【0034】
単層感光体の場合には前記電荷発生物質を結着樹脂及び電荷輸送物質と共に溶媒に分散させて塗布することによって感光層が得られる。この場合,結着樹脂及び電荷輸送物質としては,本実施の形態のポリエステル樹脂とスチルベン系化合物との組合わせが使われるが,前記スチルベン系化合物は正孔の輸送能力しか持てないために,感光層内で電荷発生を行う単層感光体の場合には層内に電子が残留しやすく,繰り返しによる残留電位の増加などを発生させやすいために,別の電子輸送物質を併用することが望ましい。
【0035】
感光層の厚さは積層型,単層型に関係なく通常5μm〜50μmの範囲内で設定される。塗布法に使われる溶媒としては,アルコール類,ケトン類,アミド類,エーテル類,エステル類,スルホン類,芳香族類,脂肪族ハロゲン化炭化水素類などの有機溶媒を挙げられる。塗布法としては,浸漬塗布,リング塗布,ロール塗布,スプレー塗布などを挙げられるが,本実施の形態の電子写真感光体はいかなる方法を使用して作成しても良い。
【0036】
主鎖中に化学式1で表されるビフェニルフルオレン骨格を有するポリエステル樹脂と化学式2で表されるスチルベン系化合物を含有する感光層において,結着樹脂としては前記ポリエステル樹脂を単独で使用しても良く,本発明の効果を損なわない範囲内で他の樹脂と混合して使用しても良い。他の樹脂を併用する場合には,前記ポリエステル樹脂の重量比が少なくとも結着樹脂の50重量%以上にすることが望ましい。
【0037】
本実施の形態で用いられる電子写真感光体の結着樹脂として特に望ましいポリエステル樹脂の構造式の例を以下で説明する。
【0038】
【化22】
・・・(化学式6)
【0039】
【化23】
・・・(化学式7)
【0040】
化学式6,7においてm,nは各々独立して10〜1000の整数を意味する。このような構造を有するポリエステル樹脂は市販品として化学式6の構造を有する商品名“O−PET”(カネボウ社製)があり,化学式7の構造を有する商品名“ISARYL”(ISONOVA社製)が入手可能である。
【0041】
本実施の形態の電子写真感光体に使われるポリエステル樹脂として前記樹脂に限定されず,例えば主鎖中に化学式1で表されるビフェニルフルオレン骨格を有する単一あるいは2種以上の構造単位の重合体ないしは他の構造単位との共重合体よりなるポリエステル樹脂を使用できる。
【0042】
本実施の形態の電子写真感光体において,正孔輸送物質としては化学式2で表されるスチルベン系化合物が用いられる。本実施の形態の電子写真感光体に適当な正孔輸送物質の構造例を以下に示す。
【0043】
【化24】
・・・(化学式8)
【0044】
【化25】
・・・(化学式9)
【0045】
【化26】
・・・(化学式10)
【0046】
【化27】
・・・(化学式11)
【0047】
【化28】
・・・(化学式12)
【0048】
化学式8〜12に表したスチルベン系化合物は,米国特許5013623号明細書に開示されており,その合成も同特許明細書の記載から容易に実施可能である。
【0049】
また,感光層には本発明の効果を損なわない範囲内で他の電荷輸送物質を併用して使用しても良い。電荷輸送物質としては正孔輸送物質及び電子輸送物があるが,特に単層型感光体の場合には前述したように電子輸送物質を併用することが望ましい。
【0050】
併用可能な正孔輸送物質としては,例えばピレン系,カルバゾール系,ヒドラゾン系,オキサゾール系,オキサジアゾール系,ピラゾリン系,アリルアミン系,アリルメタン系,ベンジジン系,チアゾール系,スチリル系などの含窒素環式化合物や縮合多環式化合物を挙げられる。また,これらの置換基を主鎖あるいは測鎖に有する高分子化合物やポリシラン系化合物を使用することもできる。
【0051】
併用可能な電子輸送物質としては,例えばベンゾキノン系,シアノエチレン系,シアノキノジメタン系,フルオレノン系,キサントン系,フェナントラキノン系,無水フタル酸系,チオピラン系,ジフェノキノン系などの電子吸引性低分子化合物を挙げられるが,これらに限定されず,電子輸送性高分子化合物やn型半導体特性を有する顔料などであっても良い。
【0052】
本発明の電子写真感光体に併用できる電荷輸送物質は前記例に限定されず,その使用においては単独あるいは2種以上を混合して使用できる。
【0053】
感光層内のスチルベン系化合物の比率は10〜60重量%の範囲が望ましい。10重量%未満である場合には電子輸送能が足りないために感度が不足し,残留電位が大きくなる傾向があるので望ましくなく,また60重量%を超えれば感光層内の樹脂含量が少なくなって本発明のポリエステル樹脂の優れた特徴が十分に発揮できない傾向があって望ましくない。
【0054】
また,導電性支持体と感光層との間には,接着性の向上,あるいは支持体からの電荷注入を阻止する目的で中間層を設置しても良い。このような中間層としては,アルミニウムの陽極酸化層と,酸化チタン,酸化錫などの金属酸化物粉末の樹脂分散層と,ポリビニルアルコール,カゼイン,エチルセルロース,ゼラチン,フェノール樹脂,ポリアミドなどの樹脂層を挙げられるが,これらに限定されるものではない。
【0055】
また,結着樹脂と共に可塑剤,レベリング剤,分散安定剤,酸化防止剤,光安定剤などの添加剤を使用しても良い。
【0056】
酸化防止剤としては,例えばフェノール系,硫黄系,燐系,アミン系化合物などの酸化防止剤が挙げられる。
【0057】
光安定剤としては,例えばベンゾトリアゾール系化合物,ベンゾフェノン系化合物,ヒンダードアミン系化合物などが挙げられる。
【0058】
【実施例】
実施例1
γ型チタニルフタロシアニン3重量部を,化学式6で表されるポリエステル樹脂(カネボウ社製“O−PET”)50重量部,化学式8で表される正孔輸送物質40重量部及び下記化学式13で表される電子輸送物質10重量部をクロロホルム300重量部に溶解させた溶液に加え,ボールミルで分散させて塗布液を得た。
【0059】
【化29】
・・・(化学式13)
【0060】
次いで,この塗布液を,直径30mmのアルミニウム製のドラム上にリングコーティング法で塗布後乾燥して厚さ20μmの単層型電子写真感光体を得た。
【0061】
比較例1
実施例1において化学式6で表されるポリエステル樹脂の代りに,ポリカーボネート樹脂(商品名“Panlite C−1400”(帝人化成社製))を使用した以外には同じ方法で電子写真感光体を得た。
【0062】
比較例2
実施例1において化学式8で表されるスチルベン系化合物の代りに下記化学式14で表される正孔輸送物質を使用した以外には同じ方法で電子写真感光体を得た。
【0063】
【化30】
・・・(化学式14)
【0064】
比較例3
比較例1において化学式8で表されるスチルベン系化合物の代りに前記化学式14で表される正孔輸送物質を使用した以外には同じ方法で電子写真感光体を得た。
【0065】
実施例2
実施例1において使用したものと同じアルミニウム製のドラム上に,γ型チタニルフタロシアニン7重量部,ポリビニルブチラル樹脂(積水化学社製,商品名“S−LECBH−3”)3重量部,酢酸エチル290重量部をサンドミルで分散させて得た塗布液を,リングコーティング法で塗布後乾燥して,厚さ0.4μmの電荷発生層を形成した。
【0066】
次いで,化学式7で表されるポリエステル樹脂(ISONOVA社製,“ISARYL25L”)60重量部と化学式11で表される正孔輸送物質40重量部とをクロロホルム300重量部に溶解させた溶液を,塗布後乾燥して,厚さ20μmの電荷輸送層を形成し,積層型の電子写真感光体を得た。
【0067】
比較例4
実施例2において化学式7で表されるポリエステル樹脂の代りに,ポリカーボネート樹脂(三菱化学社製,“lupilon Z−200”)を使用した以外には同じ方法で電子写真感光体を得た。
【0068】
比較例5
実施例2において化学式11で表されるスチルベン系化合物の代りに,下記化学式15で表される正孔輸送物質を使用した以外には同じ方法で電子写真感光体を得た。
【0069】
【化31】
・・・(化学式15)
【0070】
比較例6
比較例4において化学式11で表されるスチルベン系化合物の代りに,前記化学式15で表される正孔輸送物質を使用した以外には同じ方法で電子写真感光体を得た。
【0071】
前記実施例1〜2及び比較例1〜6で製作した各電子写真感光体についての特性評価は後述する方法によって実施した。
【0072】
静電特性
前記各感光体の電子写真特性をドラム感光体評価装置(QEA社製,“PDT−2000”)を使用して測定した。
【0073】
測定条件は単層型感光体の場合にはコロナ電圧+7.5kV,積層型感光体の場合は−7.5kVで,いずれも帯電器と感光体の相対速度100mm/secの条件で帯電し,直後に波長780nmの単色光を露光エネルギー0〜10mJ/m2の範囲内の一定値で照射し,露光後の表面電位値を記録し,エネルギー対表面電位の関係を測定した。ここで,光を照射していない場合の表面電位をV0(V)とし,暗所で1秒語の電位V1(V)との比V1/V0を電位維持率とした。また,光照射によってV0が1/2に減衰するのに必要なエネルギーをE1/2(mJ/m2)とした。各感光体について,初期特性と同一条件で帯電1秒後に波長600nmの発光ダイオードによる露光(エネルギー約100mJ/m2)で除電する工程を100回繰り返した後の特性を測定し,安定性を評価した。測定結果を表1に示す。
【0074】
【表1】
【0075】
耐久性試験
(1)接着性
実施例1及び比較例1〜3の単層感光体について,基板との接着性を評価するために粘着テープによる剥離テストを実施した。方法は感光層表面に粘着テープ(3M社製),“スコッチテープ#104”)を気泡が入らないように感光層の端部からドラムの軸方向に10cmの長さに付け,端部からドラムと垂直方向に徐々に剥がすことによって評価した。
【0076】
その結果,化学式6のポリエステル樹脂を使用した実施例1及び比較例2の感光体は感光層の剥離が全く見られなかったが,一般のポリカーボネート樹脂を使用した比較例1及び3の感光体はテープの接着面全体に基板からの剥離が発生した。
【0077】
(2)耐摩耗性
実施例2及び比較例4〜6の各積層感光剤をレーザープリンタ(三星電子製,“ML−6060”)を改造した試験装置に装着して連続印刷を行った。方法は,トナーを普及しつつ濃度5%のテスト画面を1万枚印刷し,初期及び終了時の膜厚さの差を測定し,耐摩耗性を評価した。その結果を下記表2に示す。
【0078】
【表2】
【0079】
表1において,比較例2,3及び比較例5,6の比較から分かるように,一般の正孔輸送物質は電子写真感光体であって一般のポリカーボネート樹脂との組合わせでは優れた電子写真特性を示すが,ビフェニルフルオレン骨格を主鎖中に有するポリエステル樹脂との組合わせでは暗減衰,感度において大きな特性の低下を示した。一方,実施例1と比較例1,及び実施例2と比較例4の比較から分かるように,本実施の形態に係るスチルベン系化合物を使用した感光体ではポリカーボネート樹脂を使用した結果とほぼ同じ特性を示していることが分かる。
【0080】
また,耐久性試験の結果から分かるように,一般の電子写真感光体に使われているポリカーボネート系樹脂を使用した比較例の感光体は基板との接着性,耐摩耗性が不良であったが,ビフェニルフルオレン骨格を主鎖中に有するポリエステル樹脂を結着樹脂として使用した感光体はいずれも優れた特性を示した。
【0081】
したがって,静電特性の結果と耐久性試験の結果とを総合して評価すれば,本実施の形態に係る実施例1及び2の感光体は静電特性及び機械的強度をいずれも有する優れた感光体であることが分かる。
【0082】
図1は,本発明の一具現に係る支持体3上に装着された単層型感光層2を含む電子写真感光体1を示す説明図(比率は正確ではない)である。
【0083】
図2は,本発明の一具現に係る支持体7上に装着された積層型感光層5,6を含む電子写真感光体4を示す説明図(比率は正確ではない)である。
【0084】
図3は,本発明の特定の具現に係る画像形成装置30,電子写真ドラム28,及び電子写真カートリッジ21の模式図である。通常,電子写真カートリッジ21は電子写真感光体29,電子写真感光体29を帯電させる1つ以上の帯電装置25,電子写真感光体29上に形成された静電潜像を現像する現像装置24,及び電子写真感光体29の表面をクリーニングするクリーニング装置26を含む。電子写真カートリッジ21は画像形成装置30に着脱自在であり,電子写真感光体29については前記で詳細に説明した。
【0085】
画像形成装置30の電子写真感光体ドラム28,29は一般に電子写真装置30に着脱自在であり,その上に電子写真感光体29が配置されたドラム28を含むが,電子写真感光体29については前記で詳細に説明した。
【0086】
一般に,画像形成装置30は感光体ユニット(例えば,電子写真感光体ドラム28,29),前記感光体ユニットを帯電させる帯電装置25,前記感光体ユニット上に静電潜像を形成するために前記帯電された感光体ユニットを画像化された光(imagewise light)として照射する画像化光照射装置22,前記感光体ユニット上にトナー画像を形成するために前記静電潜像をトナーで現像する現像ユニット24,及び紙Pのような受容体上に前記トナー画像を転写する転写装置27を含むが,前記感光体ユニットは前述した電子写真感光体29を含む。帯電装置25は帯電ユニットとして電圧を供給され,また前記電子写真感光体と接触してこれを帯電させうる。画像形成装置30はまた次のサイクルを準備するために電子写真感光体の表面上の残留電荷を消去するための予備露光ユニット23を含みうる。
【0087】
前記感光体はまたその上部に配置された保護層(図示せず)を具備できる。
【0088】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。よって,本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等物によって決まるべきである。
【0089】
【発明の効果】
本発明に係る電子写真感光体は,静電特性と機械的強度に優れた電子写真感光体である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一具現に係る支持体上に装着された単層型感光層を含む電子写真感光体を示す説明図である。
【図2】本発明の一具現に係る支持体上に装着された積層型感光層を含む電子写真感光体を示す説明図である。
【図3】本発明の特定の具現に係る画像形成装置,電子写真ドラム,及び電子写真カートリッジの模式図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体
2 単層型感光層
3 支持体
4 電子写真感光体
5 積層型感光層
6 積層型感光層
7 支持体
21 電子写真カートリッジ
22 画像化光照射装置
23 予備露光ユニット
24 現像装置
25 帯電装置
26 クリーニング装置
27 転写装置
28 電子写真ドラム
29 電子写真感光体
30 画像形成装置
P 紙
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真感光体,電子写真画像形成装置,電子写真カートリッジ,及び電子写真ドラムに係り,特に高耐久性及び優れた静電特性を両立できる望ましい性能を有する電子写真感光体及びそれを備えた電子写真画像形成装置,電子写真カートリッジ,及び電子写真ドラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に,電子写真感光体は導電性基板上に電荷発生物質,電荷輸送物質,結着樹脂よりなる感光層を備えて作成される。感光層としては,特に最近は,電荷発生層と電荷輸送層とを積層してなる機能分離型の積層型感光体が主流となっている。ここで,電荷輸送層に使われる結着樹脂としては,ポリカーボネート樹脂,アクリル樹脂,ポリエステル樹脂,ポリスルホン樹脂,ポリスチレン樹脂などが一般的であるが,その中でもポリカーボネート系樹脂は電気絶縁性,強度,及び低分子化合物の電荷輸送物質との相溶性などに優れるために最も多用されている。しかし,ポリカーボネート系樹脂は金属基板との接着性が悪く,耐熱性が低く,高耐久性を要求する用途としては強度が十分でないという欠点もあって,これに替わる新規の樹脂の探索も進められている。
【0003】
最近,カルドポリマー(cardopolymer)と呼ばれる主鎖中にフルオレン骨格を有するポリエステル系樹脂が,例えば特許文献1,特許文献2,特許文献3に記載されているように,その耐熱性,高強度,良好な光学性能のために注目を浴びている。また,これを電子写真感光体の結着樹脂として使用しようとする試みも,例えば特許文献4,特許文献5,特許文献6,特許文献7に開示されている。
【0004】
【特許文献1】
米国特許第4387209号明細書
【特許文献2】
特開昭64−001723号公報
【特許文献3】
特開平06−049186号公報
【特許文献4】
特開平05−297601号公報
【特許文献5】
特開平07−281456号公報
【特許文献6】
特開平10−020515号公報
【特許文献7】
特開2000−327757号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで,例えば特許文献6に開示されているように,このような樹脂を単独で感光層の結着樹脂として用いると,暗減衰が大きくなりやすく,感度も不十分であると指摘されており,実用的な感光体を得るために,他の結着樹脂を半分以上混合するような方法が提案されている。しかし,そのような方法では必然的にカルドポリマー本来の特性が混合する他の樹脂の特性によって希釈され,その性能を十分に生かせないという問題点があった。
【0006】
本発明者らはカルドポリマー本来の効果的な特徴を減少させることのない電子写真感光体を実現するために感光体の組成を鋭意検討した結果,正孔輸送物質として特定のスチルベン系化合物を使用することによってカルドポリマーの物理的,化学的長所を減少させずに優れた電気特性を有する電子写真感光体が得られることを見出して本発明に至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の付加的な態様または長所は以下の説明から部分的に開示され,部分的には以下の説明から自明になるか,または後述の本発明の実施の形態によって理解されうる。
【0008】
前記技術的課題を達成するために本発明は,導電性支持体上に,少なくとも高分子化合物を含む結着樹脂と低分子化合物を含む正孔輸送物質を含有する層を有する感光層を備えた電子写真感光体において,前記高分子化合物が下記化学式1で表されるビフェニルフルオレン単位を主鎖中に有するポリエステル樹脂であり,前記低分子化合物は化学式2で表されるスチルベン系化合物であることを特徴とする電子写真感光体を提供する。
【0009】
【化17】
・・・(化学式1)
【0010】
【化18】
・・・(化学式2)
【0011】
ただし,化学式1において芳香族環状の水素原子は任意の置換基に置換えられ,化学式2においてR1〜R5は各々独立して,水素原子,C1〜C30の置換あるいは未置換アルキル基,C6〜C30の置換あるいは未置換アリール基,C1〜C30の置換あるいは未置換アルコキシ基,及びC8〜C30の置換あるいは未置換スチリル基よりなる群から選択されたいずれか1つを示し,また芳香族環状の水素原子は任意の置換基に置換えられうる。
【0012】
化学式1の芳香族環状に置換えられている置換基としては,芳香族環状の水素原子と置換可能であればいずれも良い。例えば,ハロゲン原子,ニトロ基,シアノ基,アミノ基,アルキル基,アルコキシ基,アリール基,スチリル基などを挙げられる。
【0013】
化学式2のR1〜R5及び芳香族環状に置換えられている置換基も水素原子と置換可能であればいずれも良い。例えば,ハロゲン原子,ニトロ基,シアノ基,アミノ基,アルキル基,アルコキシ基,アリール基,スチリル基などを挙げられる。
【0014】
本発明に係る電子写真感光体において,前記感光層は結着樹脂及び正孔輸送物質を含有する電荷輸送層と電荷発生層との積層構造よりなりうる。
【0015】
本発明に係る電子写真感光体において,前記結着樹脂及び正孔輸送物質を含有する層が電荷発生物質も含有しうる。
【0016】
本発明に係る電子写真感光体において,前記結着樹脂及び正孔輸送物質を含有する層が電子輸送物質も含有しうる。
【0017】
本発明に係る電子写真感光体において,前記ポリエステル樹脂は下記の化学式3,4及び5で表される構造単位のうち少なくとも2つの構造単位の共重合体であることを特徴とする電子写真感光体であることが望ましい。
【0018】
【化19】
・・・(化学式3)
【0019】
【化20】
・・・(化学式4)
【0020】
【化21】
・・・(化学式5)
【0021】
本発明に係る電子写真感光体において,前記感光層内のスチルベン系化合物の比率は10〜60重量%の範囲内であることが望ましい。
【0022】
また,本発明は前記一特徴を有する本発明に係る電子写真感光体を使用できる電子写真画像形成装置を提供する。
【0023】
本発明の態様及び長所は添付した図面と関連した以下の具現例の説明から容易に理解される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0025】
以下,本実施の形態に係る電子写真感光体について詳細に説明する。
【0026】
本実施の形態の電子写真感光体は特定構造のポリエステル樹脂及び正孔輸送物質の組合わせを含む感光層を含む。ビフェニルフルオレン骨格を主鎖中に有するポリエステル樹脂を使用した感光体がポリカーボネート系樹脂を使用した感光体に比べて暗減衰,感度において劣る原因は明確ではないが,前記ポリエステル樹脂の構造上の特徴が主鎖中に,主鎖とほとんど垂直面に大きなフルオレン環を有することから類推すれば,フルオレン環による大きなπ電子共役系が電荷輸送に関与する電荷輸送物質のπ電子共役系に干渉し,エネルギーレベルに変化を発生させるからであると推測される。本実施の形態において使用するスチルベン系化合物には分子内に電荷輸送に関与するスチルベン骨格とエナミン(enamine)骨格がフェニル基を介在して柔軟に配位可能に共存していて,前記フルオレン骨格による干渉を受けにくい立体構造を容易に取ることによって優れた電気特性を実現している。
【0027】
次いで,本実施の形態に係る電子写真感光体の多様な例を以下に説明する。
【0028】
電子写真感光体は,導電性支持体上に塗布された感光層を具備できる。導電性支持体としては,導電性材料の薄膜を備えて,ドラムあるいはベルト状の金属,プラスチックよりなるものを使用しうる。
【0029】
感光層は,電荷発生層と電荷輸送層とを積層した積層型でも,単一層に電荷発生及び輸送の機能を共に有する単層型でも良い。
【0030】
感光層に使われる電荷発生物質としては,例えばフタロシアニン系顔料,アゾ系顔料,キノン系顔料,ペリレン系顔料,インジゴ系顔料,ビスベンゾイミダゾール系顔料,キナクリドン系顔料,アズレニウム系染料,スクアリリウム系染料,ピリリウム系染料,トリアリールメタン系染料,シアニン系染料などの有機材料や,アモルファスシリコン,アモルファスセレン,三方晶セレン,テルリウム,セレン−テルリウム合金,硫化カドミウム,硫化アンチモン,硫化亜鉛などの無機材料を挙げられる。感光層に使われる電荷発生物質は前記例に限定されるものではなく,これらを単独で使用してもよく,2種以上の電荷発生物質を混合して使用しても良い。
【0031】
積層感光体の場合には前記電荷発生物質を結着樹脂と共に溶媒に分散させて塗布するか,真空蒸着,スパッタリング,CVD法などの手段で成膜して電荷発生層を形成する。通常,電荷発生物質の厚さは0.1μm〜1.0μmの範囲内で設定する。前記厚さが0.1μm未満であれば感度が不足し,1.0μmを超えれば帯電能及び感度が低下する問題点がある。
【0032】
電荷発生物質に使われうる結着樹脂としては電気絶縁性の高分子重合体が望ましく,例えばポリカーボネート,ポリエステル,メタクリル樹脂,アクリル樹脂,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,ポリスチレン,ポリビニルアセテート,シリコン樹脂,シリコン−アルキド樹脂,スチレン−アルキド樹脂,ポリ−N−ビニルカルバゾール,フェノキシ樹脂,エポキシ樹脂,ポリビニルブチラル,ポリビニルアセタル,ポリビニルホルマル,ポリスルホン,ポリビニルアルコール,エチルセルロース,フェノール樹脂,ポリアミド,カルボキシ−メチルセルロース,ポリウレタンなどを挙げられるが,これらに限定されるものではない。これらの高分子重合体は単独で使用しても,2種以上を混合して使用しても良い。
【0033】
電荷発生層上には本実施の形態のポリエステル樹脂とスチルベン系化合物の両者を有する電荷輸送層が設けられるが,逆に層構成を電荷輸送層上に電荷発生層を設けた構成とすることも可能である。電荷輸送層の形成には,前記ポリエステル樹脂とスチルベン系化合物とを溶媒として溶解させた溶液を塗布する方法を用いることができる。
【0034】
単層感光体の場合には前記電荷発生物質を結着樹脂及び電荷輸送物質と共に溶媒に分散させて塗布することによって感光層が得られる。この場合,結着樹脂及び電荷輸送物質としては,本実施の形態のポリエステル樹脂とスチルベン系化合物との組合わせが使われるが,前記スチルベン系化合物は正孔の輸送能力しか持てないために,感光層内で電荷発生を行う単層感光体の場合には層内に電子が残留しやすく,繰り返しによる残留電位の増加などを発生させやすいために,別の電子輸送物質を併用することが望ましい。
【0035】
感光層の厚さは積層型,単層型に関係なく通常5μm〜50μmの範囲内で設定される。塗布法に使われる溶媒としては,アルコール類,ケトン類,アミド類,エーテル類,エステル類,スルホン類,芳香族類,脂肪族ハロゲン化炭化水素類などの有機溶媒を挙げられる。塗布法としては,浸漬塗布,リング塗布,ロール塗布,スプレー塗布などを挙げられるが,本実施の形態の電子写真感光体はいかなる方法を使用して作成しても良い。
【0036】
主鎖中に化学式1で表されるビフェニルフルオレン骨格を有するポリエステル樹脂と化学式2で表されるスチルベン系化合物を含有する感光層において,結着樹脂としては前記ポリエステル樹脂を単独で使用しても良く,本発明の効果を損なわない範囲内で他の樹脂と混合して使用しても良い。他の樹脂を併用する場合には,前記ポリエステル樹脂の重量比が少なくとも結着樹脂の50重量%以上にすることが望ましい。
【0037】
本実施の形態で用いられる電子写真感光体の結着樹脂として特に望ましいポリエステル樹脂の構造式の例を以下で説明する。
【0038】
【化22】
・・・(化学式6)
【0039】
【化23】
・・・(化学式7)
【0040】
化学式6,7においてm,nは各々独立して10〜1000の整数を意味する。このような構造を有するポリエステル樹脂は市販品として化学式6の構造を有する商品名“O−PET”(カネボウ社製)があり,化学式7の構造を有する商品名“ISARYL”(ISONOVA社製)が入手可能である。
【0041】
本実施の形態の電子写真感光体に使われるポリエステル樹脂として前記樹脂に限定されず,例えば主鎖中に化学式1で表されるビフェニルフルオレン骨格を有する単一あるいは2種以上の構造単位の重合体ないしは他の構造単位との共重合体よりなるポリエステル樹脂を使用できる。
【0042】
本実施の形態の電子写真感光体において,正孔輸送物質としては化学式2で表されるスチルベン系化合物が用いられる。本実施の形態の電子写真感光体に適当な正孔輸送物質の構造例を以下に示す。
【0043】
【化24】
・・・(化学式8)
【0044】
【化25】
・・・(化学式9)
【0045】
【化26】
・・・(化学式10)
【0046】
【化27】
・・・(化学式11)
【0047】
【化28】
・・・(化学式12)
【0048】
化学式8〜12に表したスチルベン系化合物は,米国特許5013623号明細書に開示されており,その合成も同特許明細書の記載から容易に実施可能である。
【0049】
また,感光層には本発明の効果を損なわない範囲内で他の電荷輸送物質を併用して使用しても良い。電荷輸送物質としては正孔輸送物質及び電子輸送物があるが,特に単層型感光体の場合には前述したように電子輸送物質を併用することが望ましい。
【0050】
併用可能な正孔輸送物質としては,例えばピレン系,カルバゾール系,ヒドラゾン系,オキサゾール系,オキサジアゾール系,ピラゾリン系,アリルアミン系,アリルメタン系,ベンジジン系,チアゾール系,スチリル系などの含窒素環式化合物や縮合多環式化合物を挙げられる。また,これらの置換基を主鎖あるいは測鎖に有する高分子化合物やポリシラン系化合物を使用することもできる。
【0051】
併用可能な電子輸送物質としては,例えばベンゾキノン系,シアノエチレン系,シアノキノジメタン系,フルオレノン系,キサントン系,フェナントラキノン系,無水フタル酸系,チオピラン系,ジフェノキノン系などの電子吸引性低分子化合物を挙げられるが,これらに限定されず,電子輸送性高分子化合物やn型半導体特性を有する顔料などであっても良い。
【0052】
本発明の電子写真感光体に併用できる電荷輸送物質は前記例に限定されず,その使用においては単独あるいは2種以上を混合して使用できる。
【0053】
感光層内のスチルベン系化合物の比率は10〜60重量%の範囲が望ましい。10重量%未満である場合には電子輸送能が足りないために感度が不足し,残留電位が大きくなる傾向があるので望ましくなく,また60重量%を超えれば感光層内の樹脂含量が少なくなって本発明のポリエステル樹脂の優れた特徴が十分に発揮できない傾向があって望ましくない。
【0054】
また,導電性支持体と感光層との間には,接着性の向上,あるいは支持体からの電荷注入を阻止する目的で中間層を設置しても良い。このような中間層としては,アルミニウムの陽極酸化層と,酸化チタン,酸化錫などの金属酸化物粉末の樹脂分散層と,ポリビニルアルコール,カゼイン,エチルセルロース,ゼラチン,フェノール樹脂,ポリアミドなどの樹脂層を挙げられるが,これらに限定されるものではない。
【0055】
また,結着樹脂と共に可塑剤,レベリング剤,分散安定剤,酸化防止剤,光安定剤などの添加剤を使用しても良い。
【0056】
酸化防止剤としては,例えばフェノール系,硫黄系,燐系,アミン系化合物などの酸化防止剤が挙げられる。
【0057】
光安定剤としては,例えばベンゾトリアゾール系化合物,ベンゾフェノン系化合物,ヒンダードアミン系化合物などが挙げられる。
【0058】
【実施例】
実施例1
γ型チタニルフタロシアニン3重量部を,化学式6で表されるポリエステル樹脂(カネボウ社製“O−PET”)50重量部,化学式8で表される正孔輸送物質40重量部及び下記化学式13で表される電子輸送物質10重量部をクロロホルム300重量部に溶解させた溶液に加え,ボールミルで分散させて塗布液を得た。
【0059】
【化29】
・・・(化学式13)
【0060】
次いで,この塗布液を,直径30mmのアルミニウム製のドラム上にリングコーティング法で塗布後乾燥して厚さ20μmの単層型電子写真感光体を得た。
【0061】
比較例1
実施例1において化学式6で表されるポリエステル樹脂の代りに,ポリカーボネート樹脂(商品名“Panlite C−1400”(帝人化成社製))を使用した以外には同じ方法で電子写真感光体を得た。
【0062】
比較例2
実施例1において化学式8で表されるスチルベン系化合物の代りに下記化学式14で表される正孔輸送物質を使用した以外には同じ方法で電子写真感光体を得た。
【0063】
【化30】
・・・(化学式14)
【0064】
比較例3
比較例1において化学式8で表されるスチルベン系化合物の代りに前記化学式14で表される正孔輸送物質を使用した以外には同じ方法で電子写真感光体を得た。
【0065】
実施例2
実施例1において使用したものと同じアルミニウム製のドラム上に,γ型チタニルフタロシアニン7重量部,ポリビニルブチラル樹脂(積水化学社製,商品名“S−LECBH−3”)3重量部,酢酸エチル290重量部をサンドミルで分散させて得た塗布液を,リングコーティング法で塗布後乾燥して,厚さ0.4μmの電荷発生層を形成した。
【0066】
次いで,化学式7で表されるポリエステル樹脂(ISONOVA社製,“ISARYL25L”)60重量部と化学式11で表される正孔輸送物質40重量部とをクロロホルム300重量部に溶解させた溶液を,塗布後乾燥して,厚さ20μmの電荷輸送層を形成し,積層型の電子写真感光体を得た。
【0067】
比較例4
実施例2において化学式7で表されるポリエステル樹脂の代りに,ポリカーボネート樹脂(三菱化学社製,“lupilon Z−200”)を使用した以外には同じ方法で電子写真感光体を得た。
【0068】
比較例5
実施例2において化学式11で表されるスチルベン系化合物の代りに,下記化学式15で表される正孔輸送物質を使用した以外には同じ方法で電子写真感光体を得た。
【0069】
【化31】
・・・(化学式15)
【0070】
比較例6
比較例4において化学式11で表されるスチルベン系化合物の代りに,前記化学式15で表される正孔輸送物質を使用した以外には同じ方法で電子写真感光体を得た。
【0071】
前記実施例1〜2及び比較例1〜6で製作した各電子写真感光体についての特性評価は後述する方法によって実施した。
【0072】
静電特性
前記各感光体の電子写真特性をドラム感光体評価装置(QEA社製,“PDT−2000”)を使用して測定した。
【0073】
測定条件は単層型感光体の場合にはコロナ電圧+7.5kV,積層型感光体の場合は−7.5kVで,いずれも帯電器と感光体の相対速度100mm/secの条件で帯電し,直後に波長780nmの単色光を露光エネルギー0〜10mJ/m2の範囲内の一定値で照射し,露光後の表面電位値を記録し,エネルギー対表面電位の関係を測定した。ここで,光を照射していない場合の表面電位をV0(V)とし,暗所で1秒語の電位V1(V)との比V1/V0を電位維持率とした。また,光照射によってV0が1/2に減衰するのに必要なエネルギーをE1/2(mJ/m2)とした。各感光体について,初期特性と同一条件で帯電1秒後に波長600nmの発光ダイオードによる露光(エネルギー約100mJ/m2)で除電する工程を100回繰り返した後の特性を測定し,安定性を評価した。測定結果を表1に示す。
【0074】
【表1】
【0075】
耐久性試験
(1)接着性
実施例1及び比較例1〜3の単層感光体について,基板との接着性を評価するために粘着テープによる剥離テストを実施した。方法は感光層表面に粘着テープ(3M社製),“スコッチテープ#104”)を気泡が入らないように感光層の端部からドラムの軸方向に10cmの長さに付け,端部からドラムと垂直方向に徐々に剥がすことによって評価した。
【0076】
その結果,化学式6のポリエステル樹脂を使用した実施例1及び比較例2の感光体は感光層の剥離が全く見られなかったが,一般のポリカーボネート樹脂を使用した比較例1及び3の感光体はテープの接着面全体に基板からの剥離が発生した。
【0077】
(2)耐摩耗性
実施例2及び比較例4〜6の各積層感光剤をレーザープリンタ(三星電子製,“ML−6060”)を改造した試験装置に装着して連続印刷を行った。方法は,トナーを普及しつつ濃度5%のテスト画面を1万枚印刷し,初期及び終了時の膜厚さの差を測定し,耐摩耗性を評価した。その結果を下記表2に示す。
【0078】
【表2】
【0079】
表1において,比較例2,3及び比較例5,6の比較から分かるように,一般の正孔輸送物質は電子写真感光体であって一般のポリカーボネート樹脂との組合わせでは優れた電子写真特性を示すが,ビフェニルフルオレン骨格を主鎖中に有するポリエステル樹脂との組合わせでは暗減衰,感度において大きな特性の低下を示した。一方,実施例1と比較例1,及び実施例2と比較例4の比較から分かるように,本実施の形態に係るスチルベン系化合物を使用した感光体ではポリカーボネート樹脂を使用した結果とほぼ同じ特性を示していることが分かる。
【0080】
また,耐久性試験の結果から分かるように,一般の電子写真感光体に使われているポリカーボネート系樹脂を使用した比較例の感光体は基板との接着性,耐摩耗性が不良であったが,ビフェニルフルオレン骨格を主鎖中に有するポリエステル樹脂を結着樹脂として使用した感光体はいずれも優れた特性を示した。
【0081】
したがって,静電特性の結果と耐久性試験の結果とを総合して評価すれば,本実施の形態に係る実施例1及び2の感光体は静電特性及び機械的強度をいずれも有する優れた感光体であることが分かる。
【0082】
図1は,本発明の一具現に係る支持体3上に装着された単層型感光層2を含む電子写真感光体1を示す説明図(比率は正確ではない)である。
【0083】
図2は,本発明の一具現に係る支持体7上に装着された積層型感光層5,6を含む電子写真感光体4を示す説明図(比率は正確ではない)である。
【0084】
図3は,本発明の特定の具現に係る画像形成装置30,電子写真ドラム28,及び電子写真カートリッジ21の模式図である。通常,電子写真カートリッジ21は電子写真感光体29,電子写真感光体29を帯電させる1つ以上の帯電装置25,電子写真感光体29上に形成された静電潜像を現像する現像装置24,及び電子写真感光体29の表面をクリーニングするクリーニング装置26を含む。電子写真カートリッジ21は画像形成装置30に着脱自在であり,電子写真感光体29については前記で詳細に説明した。
【0085】
画像形成装置30の電子写真感光体ドラム28,29は一般に電子写真装置30に着脱自在であり,その上に電子写真感光体29が配置されたドラム28を含むが,電子写真感光体29については前記で詳細に説明した。
【0086】
一般に,画像形成装置30は感光体ユニット(例えば,電子写真感光体ドラム28,29),前記感光体ユニットを帯電させる帯電装置25,前記感光体ユニット上に静電潜像を形成するために前記帯電された感光体ユニットを画像化された光(imagewise light)として照射する画像化光照射装置22,前記感光体ユニット上にトナー画像を形成するために前記静電潜像をトナーで現像する現像ユニット24,及び紙Pのような受容体上に前記トナー画像を転写する転写装置27を含むが,前記感光体ユニットは前述した電子写真感光体29を含む。帯電装置25は帯電ユニットとして電圧を供給され,また前記電子写真感光体と接触してこれを帯電させうる。画像形成装置30はまた次のサイクルを準備するために電子写真感光体の表面上の残留電荷を消去するための予備露光ユニット23を含みうる。
【0087】
前記感光体はまたその上部に配置された保護層(図示せず)を具備できる。
【0088】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。よって,本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等物によって決まるべきである。
【0089】
【発明の効果】
本発明に係る電子写真感光体は,静電特性と機械的強度に優れた電子写真感光体である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一具現に係る支持体上に装着された単層型感光層を含む電子写真感光体を示す説明図である。
【図2】本発明の一具現に係る支持体上に装着された積層型感光層を含む電子写真感光体を示す説明図である。
【図3】本発明の特定の具現に係る画像形成装置,電子写真ドラム,及び電子写真カートリッジの模式図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体
2 単層型感光層
3 支持体
4 電子写真感光体
5 積層型感光層
6 積層型感光層
7 支持体
21 電子写真カートリッジ
22 画像化光照射装置
23 予備露光ユニット
24 現像装置
25 帯電装置
26 クリーニング装置
27 転写装置
28 電子写真ドラム
29 電子写真感光体
30 画像形成装置
P 紙
Claims (18)
- 導電性支持体上に,少なくとも高分子化合物を含む結着樹脂と低分子化合物を含む正孔輸送物質を含有する層を有する感光層を備えた電子写真感光体において,
前記高分子化合物が化学式1で表されるビフェニルフルオレン単位を主鎖中に有するポリエステル樹脂であり,前記低分子化合物は化学式2で表されるスチルベン系化合物であることを特徴とする,電子写真感光体。
ただし,化学式1において芳香族環状の水素原子は任意の置換基に置換えられ,
化学式2においてR1〜R5は各々独立して,水素原子,C1〜C30の置換あるいは未置換アルキル基,C6〜C30の置換あるいは未置換アリール基,C1〜C30の置換あるいは未置換アルコキシ基,及びC8〜C30の置換あるいは未置換スチリル基よりなる群から選択されたいずれか1つを示し,また芳香族環状の水素原子は任意の置換基に置換えられうる。 - 前記感光層は,結着樹脂及び正孔輸送物質を含有する電荷輸送層と電荷発生層との積層構造よりなることを特徴とする,請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記結着樹脂及び正孔輸送物質を含有する層は,電荷発生物質を含有することを特徴とする,請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記結着樹脂及び正孔輸送物質を含有する層は,電子輸送物質を含有することを特徴とする,請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層内のスチルベン系化合物の比率は,10〜60重量%の範囲内であることを特徴とする,請求項1に記載の電子写真感光体。
- 複数の支持ローラと,前記支持ローラの運動が電子写真感光体の運動を起こすように前記支持ローラと作動可能に結合された電子写真感光体とを含む電子写真画像形成装置であって,
前記電子写真感光体は,導電性支持体上に,少なくとも高分子化合物を含む結着樹脂と低分子化合物を含む正孔輸送物質とを含有する層を有する感光層を備え,前記高分子化合物が化学式1で表されるビフェニルフルオレン単位を主鎖中に有するポリエステル樹脂であり,前記低分子化合物は化学式2で表されるスチルベン系化合物であることを特徴とする,電子写真画像形成装置。
ただし,化学式1において芳香族環状の水素原子は任意の置換基に置換えられ,
化学式2においてR1〜R5は各々独立して,水素原子,C1〜C30の置換あるいは未置換アルキル基,C6〜C30の置換あるいは未置換アリール基,C1〜C30の置換あるいは未置換アルコキシ基,及びC8〜C30の置換あるいは未置換スチリル基よりなる群から選択されたいずれか1つを示し,また芳香族環状の水素原子は任意の置換基に置換えられうる。 - 前記感光層は,結着樹脂及び正孔輸送物質を含有する電荷輸送層と電荷発生層の積層構造よりなることを特徴とする,請求項7に記載の電子写真画像形成装置。
- 前記結着樹脂及び正孔輸送物質を含有する層は,電荷発生物質を含有することを特徴とする,請求項7に記載の電子写真画像形成装置。
- 前記結着樹脂及び正孔輸送物質を含有する層は,電子輸送物質を含有することを特徴とする,請求項7に記載の電子写真画像形成装置。
- 前記感光層内のスチルベン系化合物の比率は,10〜60重量%の範囲内であることを特徴とする,請求項7に記載の電子写真画像形成装置。
- 導電性支持体上に,少なくとも高分子化合物を含む結着樹脂と低分子化合物を含む正孔輸送物質を含有する層を有する感光層を備えた電子写真感光体であって,前記高分子化合物が化学式1で表されるビフェニルフルオレン単位を主鎖中に有するポリエステル樹脂であり,前記低分子化合物は化学式2で表されるスチルベン系化合物であることを特徴とする電子写真感光体と,
前記電子写真感光体を帯電させる帯電装置,前記電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像装置,及び前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング装置のうち少なくともいずれか1つと,を含み,
画像形成装置に着脱自在であることを特徴とする,電子写真カートリッジ。
ただし,化学式1において芳香族環状の水素原子は任意の置換基に置換えられ,
化学式2においてR1〜R5は各々独立して,水素原子,C1〜C30の置換あるいは未置換アルキル基,C6〜C30の置換あるいは未置換アリール基,C1〜C30の置換あるいは未置換アルコキシ基,及びC8〜C30の置換あるいは未置換スチリル基よりなる群から選択されたいずれか1つを示し,また芳香族環状の水素原子は任意の置換基に置換えられうる。 - 前記電子写真感光体の感光層は,
単層型と,積層型とのうちいずれか1つであることを特徴とする,請求項13に記載の電子写真カートリッジ。 - 画像形成装置に着脱自在であるドラムと,前記ドラム上に配された電子写真感光体とを含む電子写真ドラムであって,
前記電子写真感光体は,
導電性支持体上に,少なくとも高分子化合物を含む結着樹脂と低分子化合物を含む正孔輸送物質を含有する層とを有する感光層を備え,前記高分子化合物が化学式1で表されるビフェニルフルオレン単位を主鎖中に有するポリエステル樹脂であり,前記低分子化合物は化学式2で表されるスチルベン系化合物であることを特徴とする,電子写真ドラム。
ただし,化学式1において芳香族環状の水素原子は任意の置換基に置換えられ,
化学式2においてR1〜R5は各々独立して,水素原子,C1〜C30の置換あるいは未置換アルキル基,C6〜C30の置換あるいは未置換アリール基,C1〜C30の置換あるいは未置換アルコキシ基,及びC8〜C30の置換あるいは未置換スチリル基よりなる群から選択されたいずれか1つを示し,また芳香族環状の水素原子は任意の置換基に置換えられうる。 - 前記電子写真感光体の感光層は,
単層型と,積層型とのうちいずれか1つであることを特徴とする,請求項15に記載の電子写真ドラム。 - 導電性支持体上に,少なくとも高分子化合物を含む結着樹脂と低分子化合物を含む正孔輸送物質を含有する層を有する感光層を備える電子写真感光体を含む感光体ユニットであって,前記高分子化合物が化学式1で表されるビフェニルフルオレン単位を主鎖中に有するポリエステル樹脂であり,前記低分子化合物は化学式2で表されるスチルベン系化合物であることを特徴とする感光体ユニットと,
前記感光体ユニットを帯電させる帯電装置と,
前記感光体ユニット上に静電潜像を形成するために前記帯電された感光体ユニットを画像化された光として照射する画像化光照射装置と,
前記感光体ユニット上にトナー画像を形成するために前記静電潜像をトナーで現像する現像ユニットと,
受容体上に前記トナー画像を転写する転写装置とを含むことを特徴とする,電子写真画像形成装置。
ただし,化学式1において芳香族環状の水素原子は任意の置換基に置換えられ,
化学式2でR1〜R5は各々独立して,水素原子,C1〜C30の置換あるいは未置換アルキル基,C6〜C30の置換あるいは未置換アリール基,C1〜C30の置換あるいは未置換アルコキシ基,及びC8〜C30の置換あるいは未置換スチリル基よりなる群から選択されたいずれか1つを示し,また芳香族環状の水素原子は任意の置換基に置換えられうる。 - 前記電子写真感光体の感光層は,
単層型と,積層型とのうちいずれか1つであることを特徴とする,請求項17に記載の電子写真画像形成装置。
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