JPH11282179A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

Info

Publication number
JPH11282179A
JPH11282179A JP10086427A JP8642798A JPH11282179A JP H11282179 A JPH11282179 A JP H11282179A JP 10086427 A JP10086427 A JP 10086427A JP 8642798 A JP8642798 A JP 8642798A JP H11282179 A JPH11282179 A JP H11282179A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
embedded image
charge transfer
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10086427A
Other languages
English (en)
Inventor
Hajime Suzuki
一 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd
Yamanashi Electronics Co Ltd
Original Assignee
Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd
Yamanashi Electronics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd, Yamanashi Electronics Co Ltd filed Critical Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd
Priority to JP10086427A priority Critical patent/JPH11282179A/ja
Publication of JPH11282179A publication Critical patent/JPH11282179A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 環境温度に影響されることなく、経時による
塗液安定性,感光体に塗布したときの塗膜性に優れた電
子写真感光体の提供。 【解決手段】 導電性支持体上に電荷発生剤と電荷移動
剤と結着樹脂を有する感光層を形成した電子写真感光体
において、感光層中に結着樹脂として粘度平均分子量4
0,000〜100,000の範囲のポリカーボネート
と、電荷移動剤として一般式〔I〕で表されるトリフェ
ニルアミン化合物とを含有することを特徴とする電子写
真感光体。 〔式中、R21〜R25は水素原子、ハロゲン原子、炭
素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ
基、アリール基を示すか、又はR21とR22及びR
23とR24はそれぞれが互いに結合して環を形成して
もよく、nは0又は1を示す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体に
関し、さらに詳しくは、トリフェニルアミン系化合物か
らなる電荷移動材料と特定のポリカーボネート樹脂を主
成分とする結着樹脂とを組み合わせることにより、環境
温度に影響されない感光特性を備え、塗液の経時安定
性、塗膜性に優れた電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体の光導電材料には、一般
的に、セレン(Se)、硫化カドミウム(CdS)、酸
化亜鉛(ZnO)、アモルファスシリコン(a−Si)
等の無機材料が使用されているが、かかる無機材料を用
いた感光体は、暗所で例えば帯電ローラーにより帯電
し、次いで、像露光を行い露光部のみの電荷を選択的に
消失させて静電潜像を形成し、更に、現像剤で可視化し
て画像形成するごとく利用されている。かかる電子写真
感光体に要求される基本特性として、暗所で適当な電
位に帯電できること、光照射により表面電荷を消失す
ることができる機能を備えていること等であるが、前記
無機材料は、各々長所、短所を有している。例えば、セ
レン(Se)は、前記、の特性は十分満足するが、
可撓性がなくフィルム状に加工することが難しく、ま
た、熱や機械的衝撃に鋭敏であるため取扱いに注意を要
する等の欠点がある。更に、アモルファスシリコン(a
−Si)は製造条件が難しく、製造コストが高くなると
いう欠点がある。
【0003】このため、近年は、電子写真感光体とし
て、有機光導電物質として知られるフタロシアニンやア
ゾ化合物を電荷発生層として用い、更にヒドラゾン化合
物等からなる電荷移動層を積層して構成される機能分離
型の有機感光体が主流になっている。
【0004】しかし、用いる発生剤(特にフタロシアニ
ン系材料)によっては、P型材料であるため基板からの
ホール注入が発生しやすい等の性質があり、帯電電位が
低下するなどの問題があった。その対策として、電荷移
動層からの対策を例にあげると、基板注入を抑えるため
電荷移動層にイオン化ポテンシャル値(IP値)の高い
材料を選択するという方法があげられる。しかし、高す
ぎる材料を用いると電荷発生層と電荷移動層とのIP値
差が大きくなり、キャリア注入効率の低下や残留電位が
高くなる。更に環境安定性も悪くなる。また、電荷移動
層のIP値の低い材料を用いると基板注入を抑えること
ができず、帯電電位が大きくなり環境安定性も悪くな
る。従って、帯電電位の安定性及び環境安定性の点で電
荷移動剤の選択が重要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、有機感光体の中
で、上記の電子写真特性に関しては充分な性能を有する
ように開発されたものでも、有機材料で構成されている
ため、感光体に有機材料を塗布する工程における塗液の
経時変化による特性不良や、塗布時の塗膜性等感光体特
性に影響する問題の改善が要求されている。また、複写
機,プリンターのカラー化,高速化に伴い、電子写真装
置の複雑化による感光体への高ストレス化の傾向にあ
り、感光体の高耐久性が要求されている。これらの問題
を解決するために、種々対策が検討されており、例えば
感光体表面層の結着樹脂の改善や、表面層に用いられる
電荷移動材料の改善が提案されている。
【0006】しかしながら、従来提案されている樹脂を
用いた場合にまだ充分満足できるものが得られないのが
実情である。すなわち、高温高湿下での感光体電気特性
の劣化や、樹脂と電荷移動材料との相溶性の点で、相溶
性が低いと塗膜形成後結晶化や析出等が発生し、電気特
性に著しい悪影響を与えることが確認されている。この
ため、かかる欠点のない結着樹脂および樹脂と組み合わ
される電荷移動材料が要望されている。
【0007】本発明は、このような従来の技術の課題を
解決するためになされたもので、優れた電子写真特性を
損なうことなく電荷移動層の塗工溶液の安定性,塗工膜
の均一性,環境安定性を高くした電子写真感光体を提供
することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、感光層の
結着樹脂と電荷移動材料の組み合わせについて鋭意研究
を重ねた結果、感光層中に結着樹脂としてポリカーボネ
ート樹脂の粘度平均分子量を一定範囲に規制する点に着
目したと共に、特定の構造の電荷移動剤との組み合わせ
により、前記従来技術の問題点がなく、しかも長期間に
わたって優れた静電特性を維持することを見い出し、本
発明を完成するに至った。
【0009】かかる見地に基づいてなされた本発明の態
様は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生剤と電荷
移動剤と結着樹脂を有する感光層を形成した電子写真感
光体において、該感光層中に結着樹脂として粘度平均分
子量40, 000〜100,000の範囲のポリカーボ
ネートと、電荷移動剤として一般式〔I〕で表されるト
リフェニルアミン化合物とを含有することを特徴とする
電子写真感光体である。
【化14】 〔式中、R21,R22,R23,R24,R25はそれぞれ同一
であっても異なっていてもよく、水素原子,ハロゲン原
子,炭素数1〜4のアルキル基,炭素数1〜4のアルコ
キシ基,置換基を有してもよいアリール基を示すか、又
はR21とR22及びR23とR24はそれぞれが互いに結合し
て環を形成してもよく、nは0又は1を示す。〕
【0010】かかる構成を有する本発明の態様の場
合、感光層中に結着樹脂として粘度平均分子量40, 0
00〜100, 000の範囲のポリカーボネートと、電
荷移動剤として一般式〔I〕で表されるトリフェニルア
ミン化合物とを含有することによって、溶液安定性及び
塗膜性が向上するため、電荷移動剤の結晶化,感光体の
塗膜不良が低減する。また、電気特性において環境安定
性が良好で特に残留電位の上昇を抑えられる。
【0011】この場合、本発明の態様によれば、本発
明の態様において、感光層中に電荷移動剤として一般
式〔I〕で表されるトリフェニルアミン化合物の中でI
P値5. 1〜5. 3eVの範囲のものを好ましく含有す
ることもできる。
【0012】本発明の態様の場合、電気特性において
環境安定性が良好で、特に帯電電位の低下を抑制すると
共に、残留電位の上昇を抑えるという効果に優れてい
る。
【0013】さらに、本発明の態様によれば、本発明
の態様において、感光層中に結着樹脂として一般式
〔II〕の繰り返し構造単位並びに、一般式〔III 〕及び
一般式〔IV〕の少なくとも1つの繰り返し構造単位を有
する粘度平均分子量40, 000〜100, 000の範
囲のポリカーボネート共重合体を含有することもでき
る。
【0014】
【化15】 〔式中、 R1 〜R12は、各々独立に炭素数1〜6のアル
キル基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基のいずれ
かを表し、a〜cは2〜6の整数を表し、dは0〜20
0の整数を表す。〕
【化16】 〔式中、Xは、 −O−、−CO−、−S−、−SO−、
−SO2 −、−CR15 16−(但し、R15及びR16は、
各々独立に水素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1
〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基又は置
換アリール基のいずれかを表す。)、炭素数5〜8の
1,1−シクロアルキリデン基又は炭素数2〜12の
α,ω- アルキレン基のいずれかを表す。また、R13
びR14は、各々独立にハロゲン原子、炭素数1〜6のア
ルキル基、炭素数6〜12のアリール基又は置換アリー
ル基のいずれかを表し、e及びfは、各々独立に0〜4
の整数を表す。〕
【化17】 〔式中、Yは、 単結合、−O−、−CO−、−S−、−
SO−、−SO2 −、−CR1920−(但し、R19及び
20は、各々独立に水素原子、トリフルオロメチル基、
炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール
基又は置換アリール基のいずれかを表す。)、炭素数5
〜8の1,1−シクロアルキリデン基又は炭素数2〜1
2のα,ω- アルキレン基のいずれかを表す。また、R
17及びR18は、各々独立にハロゲン原子、炭素数1〜6
のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基又は置換ア
リール基のいずれかを表す。ここで、 Yが−O−、−C
O−、−S−、−SO−、−SO2 −、−CR19
20−、炭素数5〜8の1, 1−シクロアルキリデン基、
炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基のいずれかの場
合、g及びhは、各々独立に1〜4の整数を表す。Yが
単結合の場合、g及びhは、各々独立に0〜4の整数を
表す。〕
【0015】本発明の態様の場合、感光層中に結着樹
脂として一般式〔II〕で表される繰り返し単位と、一般
式〔III 〕及び/又は一般式〔IV〕で表される繰り返し
単位とを共重合させてなるポリカーボネート共重合体を
含有することによって、塗液状態、塗膜性が向上し、さ
らに、耐フィルミング性及び耐摩耗性を有する。
【0016】特に、本発明の態様によれば、本発明の
態様において、感光層中に結着樹脂として式〔II
a〕、式〔III a〕及び式〔IVa〕で表される繰り返し
構造単位を有する粘度平均分子量40,000〜10
0,000の範囲のポリカーボネート共重合体を含有す
ることもできる。
【化18】
【化19】
【化20】
【0017】さらに、本発明の態様によれば、本発明
の態様において、感光層中に結着樹脂として式〔II
a〕、式〔III a〕及び式〔IVb〕で表される繰り返し
構造単位を有する粘度平均分子量40,000〜10
0,000の範囲のポリカーボネート共重合体を含有す
ることもできる。
【化21】
【化22】
【化23】
【0018】さらにまた、本発明の態様によれば、本
発明の態様〜のいずれか一態様において、電荷移動
剤として式〔Ia〕で表されるトリフェニルアミン化合
物を用いることもできる。
【化24】
【0019】本発明の態様は、感光体の残留電位特性
の上昇を抑える点で好ましいものである。
【0020】また、本発明の態様によれば、本発明の
態様〜のいずれか一態様において、電荷移動剤とし
て式〔Ib〕で表されるトリフェニルアミン化合物を用
いることもできる。
【化25】
【0021】本発明の態様もまた、感光体の残留電位
特性の上昇を抑える点で好ましいものである。
【0022】また、本発明の態様によれば、本発明の
態様〜のいずれか一態様において、電荷移動剤とし
て式〔Ic〕で表されるトリフェニルアミン化合物を用
いることもできる。
【化26】
【0023】本発明の態様もまた、感光体の残留電位
特性の上昇を抑える点で好ましいものである。
【0024】本発明によれば、前記一般式〔I〕で表さ
れるトリフェニルアミン化合物は、溶剤に対する溶解性
およびポリカーボネート樹脂に対する相溶性が高く、均
一な塗膜が得られる。そのため、均一な界面を形成で
き、特に高感度でかつ繰り返し安定性に優れた電子写真
感光体が得られる。
【0025】また、前記一般式〔I〕のトリフェニルア
ミン化合物は、フタロシアニン系材料等の電荷発生剤と
の適合性の点で、特に、IP値5. 1〜5. 3eVの範
囲のものが好ましい。
【0026】電荷移動層における結着樹脂としては、粘
度平均分子量が40, 000〜100, 000の範囲に
あるポリカーボネート樹脂を主成分とするポリカーボネ
ート樹脂が使用される。ポリカーボネート樹脂の粘度平
均分子量が40, 000未満では、塗布可能な粘度調整
を行うと固形分が高くなり、塗布液中で電荷移動剤が結
晶化してしまい塗工不可能になる。一方、粘度平均分子
量が100, 000より大きいと、塗布液の粘度が高す
ぎて塗膜の均一性にバラツキが生じ、特性がバラツキに
なる。さらに、ポリカーボネート樹脂が奏する作用、効
果を損なわない範囲内で他の種類のポリカーボネート樹
脂と混合して用いることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電子写真感光
体の好ましい実施の形態を詳細に説明する。本発明は、
例えば、導電性支持体の上に少なくとも電荷発生剤が含
有される電荷発生層が形成され、その上に少なくとも電
荷移動剤が含有される電荷移動層が形成される機能分離
型電子写真感光体に適用されるものである。この場合、
電荷発生層と電荷移動層とにより感光層が形成される。
【0028】また、本発明は、電荷発生剤と電荷移動剤
が同一の層に含有される単層型電子写真感光体や、電荷
移動層、電荷発生層の順に積層された逆積層型電子写真
感光体等に対しても適用することができる。
【0029】本発明に用いることができる導電性支持体
としては、アルミニウム、真鍮、ステンレス鋼、ニッケ
ル、クロム、チタン、金、銀、銅、錫、白金、モリブデ
ン、インジウム等の金属単体やその合金の加工体や、上
記金属や炭素等の導電性物質を蒸着、メッキ等の方法で
処理し、導電性を持たせたプラスチック板およびフィル
ム、さらに酸化錫、酸化インジウム、ヨウ化アルミニウ
ムで被覆した導電性ガラス等、種類や形状に制限される
ことなく、導電性を有する種々の材料を使用して導電性
支持体を構成することができる。また、導電性支持体の
形状については、ドラム状、棒状、板状、シート状、ベ
ルト状のものを使用することができる。
【0030】本発明に用いることができる電荷発生剤と
しては、ジスアゾ顔料やオキシチタニウムフタロシアニ
ン(例えば、α型、β型)が感度の相性が良い点で望ま
しいが、それに限定されるものではない。その他、例え
ば、セレン、セレン−テルル、セレン−砒素、アモルフ
ァスシリコン、無金属フタロシアニン、他の金属フタロ
シアニン顔料、モノアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ポリア
ゾ顔料、インジゴ顔料、スレン顔料、トルイジン顔料、
ピラゾリン顔料、ペリレン顔料、キナクリドン顔料、多
環キノン顔料、ピリリウム塩等を用いることができる。
【0031】これらの電荷発生剤は単体で用いてもよい
し、適切な光感度波長や増感作用を得るために2種類以
上を混合して用いてもよい。
【0032】本発明の電子写真感光体は、その感光層中
に結着樹脂として粘度平均分子量40, 000〜10
0, 000の範囲のポリカーボネートを含有するもので
ある。これらポリカーボネートは、その特性、合成の容
易さ、あるいは樹脂の用途等により適宜選択することが
できる。
【0033】この場合、例えば、上記式〔II〕、上記式
〔III 〕及び/又は上記式〔IV〕で表される繰り返し単
位からなるポリカーボネート共重合体を用いることがで
きる。
【0034】上記の繰り返し単位を2種類以上有するポ
リカーボネート共重合体の場合、一般式〔II〕で表され
る繰り返し単位の含有割合が、一般式〔II〕で表される
繰り返し単位のモル数と他の全ての繰り返し単位のモル
数の合計に対するモル比で、0.0001〜1好ましく
は0.01〜1であるものは耐フィルミング性が向上す
る点で望ましい。
【0035】また、前記ポリカーボネート共重合体は、
塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の
20℃における還元粘度(ηSP/c)が0.70dl/
g以上であると、成膜された感光層の硬度が高くなり好
ましい。
【0036】また、感光層の構成を積層型あるいは逆積
層型とした場合には、電荷発生層及び電荷移動層の片方
あるいは両方に本発明の結着樹脂が用いられてもよい
が、前記結着樹脂はその特性上、最表面層に含有される
と、所望の特性が十分に発揮され好ましいものである。
【0037】一方、本発明の電子写真感光体において
は、感光層中に、上述した特定のポリカーボネート共重
合体以外の結着樹脂を含有させることもできる。
【0038】感光層を形成するために用いることができ
る結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、スチレン
樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、エチレ
ン−酢酸ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル
樹脂、塩素化ポリエーテル、塩化ビニル−酢酸ビニル樹
脂、ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ニトリル樹脂、ア
ルキッド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリメチルペンテ
ン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ
樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリレート樹脂、ポリス
ルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリルス
ルホン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノール樹脂、
EVA(エチレン・酢酸ビニル・共重合体)樹脂、AC
S(アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレ
ン)樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・ス
チレン)樹脂、エポキシアリレート等の光硬化樹脂等が
ある。これらは、1種でも2種以上混合して使用するこ
とも可能である。また、分子量の異なった樹脂を混合し
て用いれば、硬度や耐摩耗性を改善できるのでより好ま
しい。
【0039】本発明の電子写真感光体は、その感光層中
に電荷移動剤として一般式〔I〕で表されるトリフェニ
ルアミン化合物を含有するものである。上記、一般式
〔I〕において、R21〜R25で表わされる炭素数1〜4
個のアルキル基としては、好ましくは、例えばメチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基等が挙げられるが、特にメチル
基、エチル基が好ましい。R21〜R25で表わされるアル
コキシ基としては、好ましくは、炭素数1〜4個のアル
コキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子として
は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙
げられる。
【0040】電荷移動層中の一般式〔I〕で表されるト
リフェニルアミン化合物の含有量は、結着樹脂1重量部
に対し、0. 3〜1. 6重量部とすることが好ましく、
より好ましくは0. 5〜1. 0重量部である。トリフェ
ニルアミン化合物の含有量が0. 3重量部以上のもの
は、残留電位の上昇を抑制するなどの電気特性の点で特
に好ましい。他方、1. 6重量部以下のものは、耐摩耗
性等の機械特性、塗液状態、感光体の塗布後の塗膜性の
点で特に好ましい。
【0041】一般式〔I〕で表されるトリフェニルアミ
ン化合物のうちでも、好ましい具体例として表1に示す
化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。また、特に好ましいものは、式〔Ia〕,式〔I
b〕又は式〔Ic〕で表されるトリフェニルアミン化合
物であり、これらのトリフェニルアミン化合物を用いる
ことは、低温から高温までの環境における電気特性で安
定している点で効果的である。
【0042】
【表1】
【0043】さらに、本発明の電子写真感光体の感光層
中には、他の電荷移動剤を添加することもできる。その
場合には、感光層の感度を高めたり、残留電位を低下さ
せることができるので、本発明の電子写真感光体の特性
を改良することができる。
【0044】そのような特性改良のために添加できる電
荷移動剤としては、ポリビニルカルバゾール、ハロゲン
化ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビ
ニルインドロキノキサリン、ポリビニルベンゾチオフェ
ン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、
ポリビニルピラゾリン、ポリアセチレン、ポリチオフェ
ン、ポリピロール、ポリフェニレン、ポリフェニレンビ
ニレン、ポリイソチアナフテン、ポリアニリン、ポリジ
アセチレン、ポリヘプタジイエン、ポリピリジンジイ
ル、ポリキノリン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフ
ェロセニレン、ポリペリナフチレン、ポリフタロシアニ
ン等の導電性高分子化合物を用いることができる。
【0045】また、低分子化合物として、トリニトロフ
ルオレノン、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノ
ジメタン、キノン、ジフェノキノン、ナフトキノン、ア
ントラキノン及びこれらの誘導体等、アントラセン、ピ
レン、フェナントレン等の多環芳香族化合物、インドー
ル、カルバゾール、イミダゾール等の含窒素複素環化合
物、フルオレノン、フルオレン、オキサジアゾール、オ
キサゾール、ピラゾリン、トリフェニルメタン、トリフ
ェニルアミン、エナミン、スチルベン、前記以外のブタ
ジエン、前記以外のヒドラゾン化合物等を電荷移動剤と
して添加することができる。
【0046】また、同様の目的の電荷移動剤として、ポ
リエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリア
クリロニトリル、ポリメタクリル酸等の高分子化合物に
Li(リチウム)イオン等の金属イオンをドープした高
分子固体電解質等を添加することもできる。
【0047】さらに、同様の目的の電荷移動剤として、
テトラチアフルバレン−テトラシアノキノジメタンで代
表される電子供与性物質と電子受容性物質で形成された
有機電荷移動錯体等も用いることができる。
【0048】なお、前記電荷移動剤は、1種だけ添加し
ても、2種以上の化合物を混合して添加しても所望の感
光体特性を得ることができる。
【0049】本発明の電子写真感光体は、光導電材料や
結着樹脂の酸化劣化による特性変化、クラックの防止、
機械的強度の向上の目的で、その感光層中に酸化防止剤
や紫外線吸収剤を含有することが好ましい。
【0050】本発明に用いることができる酸化防止剤と
しては、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、
2,6−ジ−tert−4−メトキシフェノール、2−
tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,4−
ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,6−
ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、ブチル
化ヒドロキシアニソール、プロピオン酸ステアリル−β
−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル) 、α−トコフェロール、β−トコフェロール、
n−オクタデシル−3−(3′,5′−ジ−tert−
ブチル−4′−ヒドロキシフェニル) プロピオネート等
のモノフェノール系、2,2′−メチレンビス(6−t
ert−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4′−
ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチル
フェノール) 、4,4′−チオビス(6−tert−ブ
チル−3−メチルフェノール) 、1,1,3−トリス
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチル
フェニル) ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,
6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジル) ベンゼン、テトラキス〔メチレン−3
−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル) プロピオネート〕メタン等のポリフェノール系
等が好ましく、これらを1種若しくは2種以上を同時に
感光層中に含有することができる。
【0051】また、 紫外線吸収剤としては、2−(5−
メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α, α−ジ
メチルベンジル) フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾー
ル、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロ
キシフェニル) ベンゾトリアゾール、2−(3−ter
t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−
5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t
ert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−
アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−オクチ
ルフェニル) ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾー
ル系、サリチル酸フェニル、サリチル酸−p−tert
−ブチルフェニル、サリチル酸−p−オクチルフェニル
等のサリチル酸系が好ましく、 これらを1種若しくは2
種以上を同時に感光層に含有することができる。
【0052】また、酸化防止剤と紫外線吸収剤を同時に
添加することもできる。これらの添加は感光層中であれ
ば何れの層でもよいが、最表面の層特に電荷移動層に添
加することが好ましい。
【0053】なお、酸化防止剤は、結着樹脂に対して3
〜20重量%とすることが好ましく、紫外線吸収剤の添
加量は、結着樹脂に対して3〜30重量%とすることが
好ましい。更に、酸化防止剤と紫外線吸収剤との両者を
添加する場合には、両成分の添加量は、結着樹脂に対し
て5〜40重量%とすることが好ましい。
【0054】前記酸化防止剤、紫外線吸収剤以外にも、
ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール化合物等の光
安定剤、ジフェニルアミン化合物等の老化防止剤、界面
活性剤等を感光層に添加することもできる。
【0055】感光層の形成方法としては、所定の感光材
料と結着樹脂と共に溶媒に分散あるいは溶解して塗工液
を作成し、所定の下地上に塗工する方法が一般的であ
る。
【0056】塗工方法としては、浸漬塗工、カーテンフ
ロー、バーコート、ロールコート、リングコート、スピ
ンコート、スプレーコート等、下地の形状や塗工液の状
態に合わせて行うことができる。また、電荷発生層は真
空蒸着法により形成させることもできる。
【0057】塗工液に使用する溶剤には、メタノール、
エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、ブタノ
ール等のアルコール類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽
和脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホル
ム、クロロベンゼン等の塩素系炭化水素、ジメチルエー
テル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(TH
F)、メトキシエタノール等のエーテル類、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン等のケトン類、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、
プロピオン酸メチル等のエステル類、N, N- ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド等がある。これら
は単独で用いても、2種類以上の溶剤を混合して用いて
もよい。
【0058】本発明に係る電子写真感光体においては、
導電性支持体と感光層との間に、接着機能、バリヤー機
能、支持体表面の欠陥被覆機能などを持つ中間層を設け
てもよい。この中間層としては、酸化アルミニウム、ポ
リエチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、
酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ナイロン樹脂等を用いることができる。これら
の中間層は、単独の樹脂で構成しても良く、2種類以上
の樹脂を混合して構成しても良い。
【0059】また、樹脂中に金属化合物、金属酸化物、
カーボン、シリカ、樹脂粉体等を分散させた中間層を用
いることもできる。更に、特性改善のために各種顔料、
電子受容性物質や電子供与性物質等を含有させることも
できる。
【0060】加えて、感光層の表面に、ポリビニルホル
マール樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、シリコン樹脂等の有機薄膜や、シランカ
ップリング剤の加水分解物で形成されるシロキサン構造
体から成る薄膜を成膜して表面保護層を設けてもよく、
その場合には、感光体の耐久性が向上するので好まし
い。この表面保護層は、耐久性向上以外の他の機能を向
上させるために設けてもよい。
【0061】
【実施例】以下、本発明に係る電子写真感光体の実施例
を比較例と比較することにより、本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものでない。な
お、比較例において用いた電荷移動剤化合物は公知のも
のであり表2に示す。
【0062】
【表2】
【0063】〔実施例1〕直径30mmのアルミニウム
からなる円筒ドラム上に、結着樹脂としてポリビニルブ
チラールを用いたα型オキシチタニウムフタロシアニン
の分散液を浸漬塗工により0.1μm塗布し、電荷発生
層を形成した。
【0064】次いで、結着樹脂として式〔IIa〕、式
〔III a〕及び式〔IVa〕で表される繰り返し構造単位
を有するポリカーボネート共重合体(粘度平均分子量4
0, 000)と、電荷移動剤として式〔Ia〕で表され
るトリフェニルアミン化合物(IP値5. 19)と、酸
化防止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−メ
チルフェノールと、紫外線吸収剤として2−(5−メチ
ル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールを、
ポリカーボネート共重合体/式〔Ia〕/酸化防止剤/
紫外線吸収剤=1.0/0.8/0.08/0.1の重
量比でクロロホルムに溶解して塗工液を調製した。そし
て、浸漬塗工によりこの塗工液を塗布した後、100℃
の温度下で1時間乾燥し、20μmの膜厚の電荷移動層
を形成した。以上のような方法で電子写真感光体を作製
した。
【0065】この場合、ポリカーボネート共重合体の繰
り返し単位のモル比を式〔IIa〕/式〔III a〕/式
〔IVa〕=0.01/0.85/0.14とし、還元粘
度は1.63dl/gであった。
【0066】〔実施例2〕粘度平均分子量が40, 00
0の代わりに70, 000である実施例1と同じポリカ
ーボネート樹脂を結着樹脂として用いた以外は、実施例
1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
【0067】〔実施例3〕粘度平均分子量が40, 00
0の代わりに100, 000である実施例1と同じポリ
カーボネート樹脂を結着樹脂として用いた以外は、実施
例1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
【0068】〔実施例4〕粘度平均分子量が40, 00
0の代わりに70, 000である実施例1と同じポリカ
ーボネート樹脂を結着樹脂として用い、実施例1の電荷
移動剤式〔Ia〕に代えて、式〔Ic〕(IP値5. 3
0)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で電子写真
感光体を作製した。
【0069】〔実施例5〕粘度平均分子量が40, 00
0の代わりに70, 000である実施例1と同じポリカ
ーボネート樹脂を結着樹脂として用い、実施例1の電荷
移動剤式〔Ia〕に代えて、式〔Ib〕(IP値5. 1
5)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で電子写真
感光体を作製した。
【0070】〔実施例6〕実施例2のポリカーボネート
樹脂と電荷移動剤との含有重量比率1. 0:0.8に代
えて、1. 0:0. 3とした他は、実施例1と同様の方
法で電子写真感光体を作製した。
【0071】〔実施例7〕実施例2のポリカーボネート
樹脂と電荷移動剤との含有重量比率1. 0:0.8に代
えて、1. 0:1. 6とした他は、実施例1と同様の方
法で電子写真感光体を作製した。
【0072】〔比較例1〕粘度平均分子量が40, 00
0の代わりに30, 000である実施例1と同じポリカ
ーボネート樹脂を結着樹脂として用いた以外は、実施例
1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
【0073】〔比較例2〕粘度平均分子量が40, 00
0の代わりに120, 000である実施例1と同じポリ
カーボネート樹脂を結着樹脂として用いた以外は、実施
例1と同様の方法で電子写真感光体を作製した。
【0074】〔比較例3〕実施例1の式〔Ia〕で表さ
れる電荷移動剤に代えて、表2−(1)の電荷移動剤
(IP値5. 35)を用いた以外は、実施例1と同様の
方法で電子写真感光体を作製した。
【0075】〔比較例4〕実施例1の式〔Ia〕で表さ
れる電荷移動剤に代えて、表2−(2)の電荷移動剤
(IP値4. 99)を用いた以外は、実施例1と同様の
方法で電子写真感光体を作製した。
【0076】〔比較例5〕実施例1の式〔Ia〕で表さ
れる電荷移動剤に代えて、表2−(3)の電荷移動剤
(IP値5. 40)を用いた以外は、実施例1と同様の
方法で電子写真感光体を作製した。
【0077】評価方法 〔静電特性の測定〕電子写真感光体評価装置(トレック
ジャパン(株)製Model ー ELYSIA)を用い、実施例及び
比較例によって作製された電子写真感光体を印加電圧−
5KVで帯電させ、除電光としてタングステンランプを
用い200LUXに調整し照射した。そして、その初期
表面電位をV01(−V)とし、波長780nm、露光
光量20erg/cm2 の光を用いて電子写真感光体を
露光したときの残留電位をVR1(−V)とした。その
結果を表3に示す。
【0078】〔環境安定性試験〕前記V01、VR1の
低温から高温(5°〜50°)の環境下の電位上下限値
を測定し、各々ΔVO 及びΔVR として表3に示す。
【0079】〔溶液状態の測定〕溶解後の塗液をポット
ミルに24時間放置した時の塗液状態での結晶化の有無
を確認した。その結果を表3に示す。
【0080】〔塗膜性〕塗布後の感光体表面の外観にお
いて、結晶化の有無を確認した。その結果を表3に示
す。
【0081】
【表3】
【0082】表3から明らかなように、実施例1〜7の
電子写真感光体は環境安定性,溶液の経時状態,感光体
に塗布した時の塗膜性が良好であった。
【0083】これに対し、比較例1,2の電子写真感光
体は、光疲労は少ないが、環境安定性が悪く、経時にお
ける溶液状態では結晶化がおこった。また、感光体に塗
布した時の塗膜性は、粘度平均分子量が30, 000と
少ないものは、電荷移動剤の塗膜欠陥が多く、粘度平均
分子量が120, 000と大きいものは塗布膜厚にバラ
ツキが生じた。
【0084】また、比較例3,4,5の電子写真感光体
は、環境安定性が悪く、実用不可能なものであった。
【0085】〔耐フイルミング試験〕実施例2において
作製された円筒状電子写真感光体を、スコロトロン帯電
方式により電子写真感光体を負に帯電し、LED露光、
非磁性二成分現像方式、ブレードクリーニング方式によ
り画像形成を行う電子写真装置に装着し、A4用紙を1
0万枚連続印字させ、連続印字後の画像を評価した。そ
の結果を表4に示す。判定は、感光体表面上にトナーが
固着している場合、また画像上ベタ黒印字で白抜けがあ
く場合は「×」、ないものは「○」とした。
【0086】〔耐摩耗性の測定〕実施例2において作製
された円筒状電子写真感光体を、スコロトロン帯電方式
により電子写真感光体を負に帯電し、LED露光、非磁
性二成分現像方式、ブレードクリーニング方式により画
像形成を行う電子写真装置に装着し、A4用紙を10万
枚連続印字させ、連続印字後の感光層の摩耗量を測定し
た。その結果を表4に示す。通常、感光体の表面層であ
る電荷移動層が削れてくると、帯電電位の低下による感
度の低下をもたらし、さらに画像濃度の低下を誘発す
る。従って、連続印字後の電荷層の膜厚は少なくとも1
5μm以上でないと前記の不具合生じる。目安として1
0万枚印字後、摩耗量が5μm以内であれば、感光体の
電気特定,画像上においても問題の発生しない範囲であ
る。
【0087】
【表4】
【0088】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の電子写真感
光体は、環境温度に影響されることなく、経時による塗
液安定性,感光体に塗布したときの塗膜性に優れた感光
体を提供できるものである。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生剤
    と電荷移動剤と結着樹脂を有する感光層を形成した電子
    写真感光体において、該感光層中に結着樹脂として粘度
    平均分子量40,000〜100,000の範囲のポリ
    カーボネートと、電荷移動剤として一般式〔I〕で表さ
    れるトリフェニルアミン化合物とを含有することを特徴
    とする電子写真感光体。 【化1】 〔式中、R21,R22,R23,R24,R25はそれぞれ同一
    であっても異なっていてもよく、水素原子,ハロゲン原
    子,炭素数1〜4のアルキル基,炭素数1〜4のアルコ
    キシ基,置換基を有してもよいアリ−ル基を示すか、又
    はR21とR22及びR23とR24はそれぞれが互いに結合し
    て環を形成してもよく、nは0又は1を示す。〕
  2. 【請求項2】 前記一般式〔I〕で表されるトリフェニ
    ルアミン化合物がイオン化ポテンシャル値5. 1〜5.
    3eVの範囲のものであることを特徴とする請求項1記
    載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記ポリカーボネートが一般式〔II〕の
    繰り返し構造単位並びに、一般式〔III 〕及び一般式
    〔IV〕の少なくとも1つの繰り返し構造単位を有する粘
    度平均分子量40,000〜100,000の範囲のポ
    リカーボネート共重合体であることを特徴とする請求項
    1記載の電子写真感光体。 【化2】 〔式中、 R1 〜R12は、各々独立に炭素数1〜6のアル
    キル基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基のいずれ
    かを表し、a〜cは2〜6の整数を表し、dは0〜20
    0の整数を表す。〕 【化3】 〔式中、Xは、 −O−、−CO−、−S−、−SO−、
    −SO2 −、−CR15 16−(但し、R15及びR16は、
    各々独立に水素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1
    〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基又は置
    換アリール基のいずれかを表す。)、炭素数5〜8の
    1,1−シクロアルキリデン基又は炭素数2〜12の
    α,ω- アルキレン基のいずれかを表す。また、R13
    びR14は、各々独立にハロゲン原子、炭素数1〜6のア
    ルキル基、炭素数6〜12のアリール基又は置換アリー
    ル基のいずれかを表し、e及びfは、各々独立に0〜4
    の整数を表す。〕 【化4】 〔式中、Yは、 単結合、−O−、−CO−、−S−、−
    SO−、−SO2 −、−CR1920−(但し、R19及び
    20は、各々独立に水素原子、トリフルオロメチル基、
    炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール
    基又は置換アリール基のいずれかを表す。)、炭素数5
    〜8の1,1−シクロアルキリデン基又は炭素数2〜1
    2のα,ω- アルキレン基のいずれかを表す。また、R
    17及びR18は、各々独立にハロゲン原子、炭素数1〜6
    のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基又は置換ア
    リール基のいずれかを表す。ここで、 Yが−O−、−C
    O−、−S−、−SO−、−SO2 −、−CR19
    20−、炭素数5〜8の1, 1−シクロアルキリデン基、
    炭素数2〜12のα,ω- アルキレン基のいずれかの場
    合、g及びhは、各々独立に1〜4の整数を表す。Yが
    単結合の場合、g及びhは、各々独立に0〜4の整数を
    表す。〕
  4. 【請求項4】 前記ポリカーボネートが式〔IIa〕、式
    〔III a〕及び式〔IVa〕で表される繰り返し構造単位
    を有する粘度平均分子量40,000〜100,000
    の範囲のポリカーボネート共重合体であることを特徴と
    する請求項3記載の電子写真感光体。 【化5】 【化6】 【化7】
  5. 【請求項5】 前記ポリカーボネートが式〔IIa〕、式
    〔III a〕及び式〔IVb〕で表される繰り返し構造単位
    を有する粘度平均分子量40,000〜100,000
    の範囲のポリカーボネート共重合体であることを特徴と
    する請求項3記載の電子写真感光体。 【化8】 【化9】 【化10】
  6. 【請求項6】 前記電荷移動剤が式〔Ia〕で表される
    トリフェニルアミン化合物であることを特徴とする請求
    項1乃至5のいずれか1項記載の電子写真感光体。 【化11】
  7. 【請求項7】 前記電荷移動剤が式〔Ib〕で表される
    トリフェニルアミン化合物であることを特徴とする請求
    項1乃至5のいずれか1項記載の電子写真感光体。 【化12】
  8. 【請求項8】前記電荷移動剤が式〔Ic〕で表されるト
    リフェニルアミン化合物であることを特徴とする請求項
    1乃至5のいずれか1項記載の電子写真感光体。 【化13】
JP10086427A 1998-03-31 1998-03-31 電子写真感光体 Pending JPH11282179A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10086427A JPH11282179A (ja) 1998-03-31 1998-03-31 電子写真感光体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10086427A JPH11282179A (ja) 1998-03-31 1998-03-31 電子写真感光体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11282179A true JPH11282179A (ja) 1999-10-15

Family

ID=13886613

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10086427A Pending JPH11282179A (ja) 1998-03-31 1998-03-31 電子写真感光体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11282179A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003215820A (ja) * 2002-01-23 2003-07-30 Konica Corp 有機感光体、画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2004240184A (ja) * 2003-02-06 2004-08-26 Konica Minolta Holdings Inc 有機感光体、画像形成方法及び画像形成装置
JP2004252052A (ja) * 2003-02-19 2004-09-09 Konica Minolta Holdings Inc 有機感光体、画像形成方法及び装置
JP2011180457A (ja) * 2010-03-02 2011-09-15 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び、電子写真画像形成装置
US20120094223A1 (en) * 2010-10-15 2012-04-19 Fuji Xerox Co., Ltd. Image forming apparatus and process cartridge
JP2013047751A (ja) * 2011-08-29 2013-03-07 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP2013186260A (ja) * 2012-03-07 2013-09-19 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP2013200417A (ja) * 2012-03-23 2013-10-03 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
JP2017062422A (ja) * 2015-09-25 2017-03-30 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置およびプロセスカートリッジ

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07173112A (ja) * 1993-11-02 1995-07-11 Takasago Internatl Corp トリフェニルアミン誘導体、それを用いた電荷輸送材料及び電子写真感光体
JPH07219250A (ja) * 1994-01-31 1995-08-18 Konica Corp 電子写真感光体
WO1996026916A1 (fr) * 1995-03-01 1996-09-06 Takasago International Corporation Derives de triphenylamine, et materiau conducteur de charge et photorecepteur electrophotographique prepares a partir desdits derives
JPH09325508A (ja) * 1996-06-03 1997-12-16 Dainippon Ink & Chem Inc 電子写真感光体
JPH1020527A (ja) * 1996-07-02 1998-01-23 Shindengen Electric Mfg Co Ltd 電子写真感光体
JPH1031319A (ja) * 1996-07-15 1998-02-03 Takasago Internatl Corp 電荷輸送材料及び該電荷輸送材料を含有する電子写真感光体
JPH10142818A (ja) * 1996-11-06 1998-05-29 Hitachi Chem Co Ltd 電子写真感光体

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07173112A (ja) * 1993-11-02 1995-07-11 Takasago Internatl Corp トリフェニルアミン誘導体、それを用いた電荷輸送材料及び電子写真感光体
JPH07219250A (ja) * 1994-01-31 1995-08-18 Konica Corp 電子写真感光体
WO1996026916A1 (fr) * 1995-03-01 1996-09-06 Takasago International Corporation Derives de triphenylamine, et materiau conducteur de charge et photorecepteur electrophotographique prepares a partir desdits derives
JPH09325508A (ja) * 1996-06-03 1997-12-16 Dainippon Ink & Chem Inc 電子写真感光体
JPH1020527A (ja) * 1996-07-02 1998-01-23 Shindengen Electric Mfg Co Ltd 電子写真感光体
JPH1031319A (ja) * 1996-07-15 1998-02-03 Takasago Internatl Corp 電荷輸送材料及び該電荷輸送材料を含有する電子写真感光体
JPH10142818A (ja) * 1996-11-06 1998-05-29 Hitachi Chem Co Ltd 電子写真感光体

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003215820A (ja) * 2002-01-23 2003-07-30 Konica Corp 有機感光体、画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2004240184A (ja) * 2003-02-06 2004-08-26 Konica Minolta Holdings Inc 有機感光体、画像形成方法及び画像形成装置
JP2004252052A (ja) * 2003-02-19 2004-09-09 Konica Minolta Holdings Inc 有機感光体、画像形成方法及び装置
JP2011180457A (ja) * 2010-03-02 2011-09-15 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び、電子写真画像形成装置
US20120094223A1 (en) * 2010-10-15 2012-04-19 Fuji Xerox Co., Ltd. Image forming apparatus and process cartridge
JP2012088397A (ja) * 2010-10-15 2012-05-10 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2013047751A (ja) * 2011-08-29 2013-03-07 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP2013186260A (ja) * 2012-03-07 2013-09-19 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP2013200417A (ja) * 2012-03-23 2013-10-03 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
JP2017062422A (ja) * 2015-09-25 2017-03-30 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置およびプロセスカートリッジ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4823124B2 (ja) 単層分散型感光体、電子写真装置
JP5336826B2 (ja) 電子写真感光体及び電子写真装置
WO2017072972A1 (ja) 電子写真用感光体、その製造方法および電子写真装置
JPWO2006003897A1 (ja) 電子写真感光体
JPH11282179A (ja) 電子写真感光体
JP3986160B2 (ja) 電子写真感光体
US7291432B2 (en) Imaging members
JP4447187B2 (ja) 電子写真感光体
US7629096B2 (en) Electrophotographic photoreceptor with an undercoat layer containing a polyimide resin and electrophotographic apparatus with the photoreceptor
JP2009282458A (ja) 電子写真感光体及び電子写真装置
JPH11153875A (ja) 電子写真感光体
JP2008256851A (ja) 電子写真感光体及び電子写真装置
JPH0527457A (ja) 電子写真感光体
JP5472578B2 (ja) 電子写真感光体及び画像形成装置
JP2002229236A (ja) 電子写真感光体
JP5540958B2 (ja) 感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JPH11153874A (ja) 電子写真感光体
JPH1020527A (ja) 電子写真感光体
JP2004279938A (ja) 電子写真感光体
JP5472580B2 (ja) 電子写真感光体
JP5472579B2 (ja) 電子写真感光体
JP2002169309A (ja) 電子写真感光体
JP5278661B2 (ja) 電子写真感光体および電子写真装置
JP4166380B2 (ja) 電子写真感光体
JP5277716B2 (ja) 電子写真感光体及び電子写真装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040315

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070316

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080701