JP5278661B2 - 電子写真感光体および電子写真装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高速プロセスに対応でき、長波長域でも応答性が高く、繰り返し使用しても電気特性の劣化が少ない電子写真感光体と、これを用いた電子写真装置に関し、詳しくは、導電性支持体上に、電荷発生剤として特定の結晶型を有するヒドロキシガリウムフタロシアニンを含むと共に、電荷移動剤として特定の構造を有する化合物(トリアリールアミン誘導体)を含む感光層を設けた電子写真感光体と、これを用いた電子写真装置に関する。
近年、電子写真方式を採用する、ノンインパクトプリンタの露光光源としては半導体レーザーやLED等長波長の光源が主に使用されている。さらにまた、複写機、プリンター装置の小型化、高速化に伴い、感光体の小径化、周速の早いプロセスが採用されてきている。そのため、電子写真感光体は長波長域に感度を有する電荷発生剤を使用するのが一般的である。従来、このような材料としてフタロシアニン系顔料がよく用いられている。このフタロシアニン系顔料はその付加金属、あるいは結晶型によって感度あるいは安定性が異なることはよく知られている。また、パソコンの普及に伴い、プリンタ等の電子写真装置の使用環境も多様化したため、安定した画像が得られることへの要求が高まっている。
電荷発生剤として用いられるフタロシアニン系顔料の中で長波長域に感度を有し、繰り返し安定性の優れたものとしてはヒドロキシガリウムフタロシアニンが挙げられる。ヒドロキシガリウフタロシアニンには、いくつもの結晶型が紹介されているが、その中でもブラッグ角(2θ)7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に回折ピークを示すものが繰り返し安定性に優れているとされている。
しかしながら、高速プロセスで用いると、繰り返し使用後の感光体の電位特性が劣化し、得られる画像にカブリ、黒スジ及び濃度ムラなどが生じてしまう。高速プロセスに用いた場合は、光応答性も十分でなければ感光層中に電荷が残り、次工程の電子写真プロセスで、カブリ、黒スジ及び濃度ムラなどの原因となる。このため、電荷移動剤としては、高い電荷輸送能力を持つことが必要であり、また、電荷発生剤と電荷輸送剤との組合せが重要である。
例えば、電荷発生材料としてヒドロキシガリウムフタロシアニンを用い、これと、電荷輸送材料に特定の構造式を有するアリールアミン誘導体を組み合せて用いることが知られている。これにより感度、繰り返し使用時の安定性が改善されるとされている(例えば、特許文献1参照)。しかし、近年の装置小型化、高速化に伴う感光体の小径化、周速の早いプロセスなどにおいて要求される特性(高帯電性、高感度、低残留電位、繰り返し使用時の電位安定性等)は一層厳しくなっており、従来技術での対応は難しい。
一方、電荷発生剤としてオキシチタニウムフタロシアニン[ブラッグ角(2θ±0.2°)27.2°に最大ピークを有する]を用い、これと、電荷移動剤に特定の構造式を有するトリフェニルアミン誘導体を組み合せて用いることにより、帯電性、感度、低残留電位、繰り返し使用時の電位安定性など改善が図られているが、近年の高度化する要求特性において今だ十分とは言えず、更なる特性向上が求められている(例えば、特許文献2参照)。
なお、フタロシアニン系顔料の電荷発生剤を用いないものの例としては、例えば、キャリア発生物質[セレンとその合金、硫化カドミウム等の無機顔料、あるいはアゾ系顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン誘導体、アンスアンスロン系誘導体等の有機顔料]と、特定の構造式を有する二種類のキャリア輸送物質[特定の構造式を有するトリフェニルアミン誘導体(スチリル置換フェニル基含有)と特定の構造式を有するヒドラゾン化合物の二種類を用いる]を組み合せて用いることが知られている。これにより帯電電位、残留電位が改善されるとされている(例えば、特許文献3参照)。しかし、近年の要求特性に対応するのは難しい。
特許第3097289号公報 特開2007−233351号公報 特開平1−106069
前述のような状況から、長波長域の感度を有し、高応答性であり、高速で繰り返し使用しても電子写真特性、特に初期電位と繰り返し使用後の電位の再現性が安定している電子写真感光体が求められている。また、高い電荷発生効率を有する電荷発生剤を用いても、電荷移動剤との相性が悪いと充分な感度を得ることができないだけでなく、高温高湿から低温低湿までさまざま使用環境においても高品質の画像が得られない。電荷発生剤と電荷移動剤との相性は、さまざまな視点から研究されているが、良好な組み合せに関しては今だ明確に見出されてはいないのが現状である。
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、電子写真装置(複写機、プリンター装置等)の小型化及び高速化に伴う、感光体の小径化、並びに周速の早いプロセスに対応でき、且つ、長波長域でも高応答性で、繰り返し使用においても電気特性の劣化がなく、しかも安定性が高い電子写真感光体と、これを用いた電子写真装置を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の〔1〕〜〔13〕に記載する発明によって上記課題が解決されることを見出し本発明に至った。以下、本発明について具体的に説明する。
〔1〕:上記課題は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生剤と電荷移動剤を含有する
感光層を設けてなる電子写真感光体であって、
前記電荷発生剤はCuKαを線源とするX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンであり、前記電荷移動剤は下記一般式(Ic)又は(Id)で表される化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体により解決される。
なお以降、「一般式(I)で表される化合物(後述)」を「特定の構造を有するトリアリールアミン誘導体]と表現することがある。
Figure 0005278661

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〔2〕:上記〔1〕に記載の電子写真感光体において、前記感光層が、導電性支持体上に少なくとも電荷発生剤を含む電荷発生層と、少なくとも電荷移動剤を含む電荷移動層を、順次または逆順に積層した積層型であることを特徴とする。
〔3〕:上記〔1〕に記載の電子写真感光体において、前記感光層が、電荷発生剤と電荷移動剤を同時に含む単層型であることを特徴とする。
〔4〕:上記〔1〕乃至〔3〕のいずれかに記載の電子写真感光体において、前記感光層中に結着樹脂を含有することを特徴とする。
〕:上記〔1〕乃至〔〕のいずれかに記載の電子写真感光体において、前記感光層にヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有することを特徴とする。
〕:上記〔1〕乃至〔〕のいずれかに記載の電子写真感光体において、前記感光層にアミン系酸化防止剤を含有することを特徴とする。
〕:上記〔1〕乃至〔〕のいずれかに記載の電子写真感光体において、前記感光層に硫黄系酸化防止剤を含有することを特徴とする。
〕:上記〔1〕乃至〔〕のいずれかに記載の電子写真感光体において、前記感光層にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含有することを特徴とする。
〕:上記課題は少なくとも感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段および定着手段を具備してなる画像形成装置において、前記感光体が〔1〕乃至〔〕のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真装置により解決される

本発明の電子写真感光体によれば、導電性支持体上に設けられる単層型または積層型の感光層中に、電荷発生材料として特定のX線回折スペクトルを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンを、また電荷移動剤として特定の構造を有するトリアリールアミン誘導体を含有し、これらの電荷発生材料と電荷移動剤の組み合せが良好であることから、残留電位が極めて低く、イレーズレス電子写真装置内で使用した場合にも、残像を現すことなく、優れた電子写真特性を示す。そして、長波長域でも応答性が高く、繰り返し使用においても電気特性の劣化が抑制され安定性が高く、高温高湿から低温低湿までさまざま使用環境においても高品質の画像が得られる。このため、複写機、プリンター装置等の電子写真装置における小型化および高速化に伴う感光体の小径化、並びに周速の早いプロセスに対応できる。
本発明の電子写真装置によれば、本発明の感光体が有する長波長域の良好な感度、高応答性、高速繰り返し使用における電位の再現性、安定性などが発揮されて、感光体の小径化、高速プロセスの実現が可能となり、さまざま使用環境(高温高湿から低温低湿まで)においても高品質の画像が得られる。
前述のように本発明における電子写真感光体は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生剤と電荷移動剤を含有する感光層を設けてなる電子写真感光体であって、
前記電荷発生剤はCuKαを線源とするX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンであり、前記電荷移動剤は下記一般式(I)で表される化合物を含有することを特徴とするものである。
Figure 0005278661
〔式中、R1〜R3は、各々独立に水素、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリ−ル基を表す。〕
本発明の電子写真感光体は、基体(導電性支持体)上に設けられる感光層に電荷発生剤(電荷発生材料)として特定のX線回折スペクトルを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンを含有すると共に、電荷移動剤として前記一般式(I)で表される化合物を含有するものであり、このような本発明における電荷発生剤と電荷移動剤は非常に相性が良く、良好な組み合せであることを見出した。すなわち、残留電位が極めて低く、イレーズレス電子写真装置内で使用した場合にも、残像を現すことなく、優れた電子写真特性を示す。そして、長波長域でも応答性が高く、繰り返し使用においても電気特性の劣化が抑制され安定性が高い。このため、感光体の小径化、並びに周速の早いプロセスに対応できる。
感光層にヒンダードフェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤あるいは、ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤を含有することができる。
ここで、前記一般式(I)で表される化合物が、下記式(Ia)〜(Id)で表されるものが好ましく用いられる。
Figure 0005278661
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また、少なくとも本発明の感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段及び定着手段を具備した装置構成(複写機、プリンター装置等の電子写真装置)とすれば、本発明の感光体が有する長波長域の良好な感度、高応答性、高速繰り返し使用における電位の再現性、安定性などが発揮されて、感光体の小径化、高速プロセス(周速の早いプロセス)の実現が可能となり、高温高湿から低温低湿までさまざま使用環境においても高品質の画像が得られる。
なお、帯電手段としては、例えば、感光体に接触するように配置され、電圧が印加される帯電部材を有するものであってもよい。電子写真装置においては、帯電、露光、現像、転写、除電を行い(除電はない場合も含む)、再び帯電を行う一連の画像形成プロセスが実行される。
本発明に係る電子写真感光体の好ましい実施の形態を、詳細に説明する。
本発明の電子写真感光体は、例えば、導電性支持体上に、少なくとも電荷発生剤を含む電荷発生層が形成され、その上に少なくとも電荷移動剤を含む電荷移動層が形成される機能分離型(積層型)の構成からなる感光層にも適用されるものである。この場合、電荷発生層と電荷移動層とにより感光層が形成される。
電荷発生層の形成方法としては各種の方法を使用することができるが、例えば、本発明におけるヒドロキシガリウムフタロシアニン(電荷発生剤)をバインダー樹脂(結着樹脂)と共に、適当な溶媒に分散もしくは溶解して調製した塗布液を用いて、所定の下地となる導電性支持体上に塗布し、必要に応じて乾燥させて形成することができる。
また、電荷移動層は、前記一般式(I)で表される化合物を電荷移動剤として含有するものであり、この電荷移動層は、例えば、その下地となる電荷発生層上に電荷移動剤をバインダー樹脂(結着樹脂)を用いて結着することにより形成することができる。
電荷移動層の形成方法としては各種の方法を使用することができるが、通常、前記一般式(I)で表される化合物をバインダー樹脂(結着樹脂)と共に、適当な溶媒に分散もしくは溶解して調製した塗布液を用いて、下地となる電荷発生層上に塗布し、乾燥させて形成することができる。
本発明の電子写真感光体は、機能分離型(積層型)の構成とすることもできるが、感光層が電荷発生剤と電荷移動剤を同時に含む単層型の電子写真感光体にも適用することができる。
以下に、本発明の電子写真感光体(感光体)の層構成に関して図を参照して説明する。
図6は、本発明に係る電子写真感光体の構成例を示す断面図であり、導電性支持体1上に少なくとも電荷発生剤を含む電荷発生層5と、少なくとも電荷移動剤を含む電荷移動層7とが、順次積層された構成(積層型)をとっている。なお、電荷発生層5と電荷移動層7とにより感光層3が形成される。
また、図6において電荷発生層5と電荷移動層7を逆順(上下逆)に積層させた逆積層型の感光層とする構成についても適用することができる。
図7は、本発明に係る電子写真感光体の別の構成例を示す断面図であり、導電性支持体1上に、少なくとも電荷発生剤と電荷移動剤を同時に含む感光層3(単層型)が設けられている。
図8は、本発明に係る電子写真感光体の他の構成例を示す断面図であり、導電性支持体1上に、少なくとも電荷発生剤を含む電荷発生層5と、少なくとも電荷移動剤を含む電荷移動層7とが、順次積層され(積層型)さらに電荷移動層7上に表面保護層9が設けられてなる。
図9は、本発明に係る電子写真感光体のさらに他の構成例を示す断面図であり、導電性支持体1上に、少なくとも電荷発生剤と電荷移動剤を同時に含む感光層3が設けられ(単層型)、さらに感光層3表面に表面保護層9が設けられてなる。
なお、上記図6〜図9構成において、導電性支持体1と感光層3の間に下引き層などの中間層を設けても構わない。
本発明に用いることができる導電性支持体としては、アルミニウム、真鍮、ステンレス鋼、ニッケル、クロム、チタン、金、銀、銅、錫、白金、モリブデン、インジウム等の金属単体やそれらの合金の加工体が挙げられる。形状は、シート状、フイルム状、ベルト状等フレキシブルな形状であればいずれのものでもよく、そして、無端、有端を問わない。また、導電性支持体の直径は、60mm以下、好ましくは30mm以下のものが特に有効である。
導電性支持体としては、例えば、JIS3000系、JIS5000系、JIS6000系等のアルミニウム合金が用いられ、EI(Extrusion Ironing)法、ED(Extrusion Drawing)法、DI(Drawing Ironing)法、II(Impact Ironing)法等一般的な方法により成形を行なった導電性支持体が好ましく、更に、その導電性支持体の表面に、ダイヤモンドバイト等による表面切削加工や研磨、陽極酸化処理等の表面処理を行ったもの、またはこれらの加工、処理を行なわない無切削管などいずれのものでも用いることができる。
また、基体(導電性支持体)として樹脂を用いる場合、樹脂中に金属粉や導電性カーボン等の導電剤を含有させたり、基体形成用樹脂として導電性樹脂を用いることもできる。
さらに、基体にガラスを用いる場合、その表面に酸化錫、酸化インジウム、ヨウ化アルミニウムで被覆し、導電性を持たせてもよい。
また、導電性支持体上に樹脂層を形成してもよい。この樹脂層は接着向上機能、アルミニウム管からの流れ込み電流を防止するバリヤー機能、アルミニウム管表面の欠陥被覆機能等を持つ。この樹脂層には、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、ナイロン樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂等の各種樹脂を用いることができる。これらの樹脂層は、単独の樹脂で構成してもよく、2種以上の樹脂を混合して構成してもよい。また、層中に金属化合物、カーボン、シリカ、樹脂粉末等を分散させることもできる。さらに、特性改善のために各種顔料、電子受容性物質や電子供与性物質等を含有させることもできる。
感光層に含有される電荷発生剤としては、CuKαを線源とするX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、および28.3°°に強い回折ピークを示すヒドロキシガリウムフタロシアニンが用いられる。
また、感光層中には、適切な光感度波長や増感作用を得るために、電荷移動剤として前記一般式(I)で表される化合物以外に、フタロシアニンやアゾ顔料等を混合させることもできる。これらは、感度の相性が良い点で望ましい。その他、例えば、モノアゾ顔料、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ポリアゾ顔料、インジゴ顔料、スレン顔料、トルイジン顔料、ピラゾリン顔料、ペリレン顔料、キナクリドン顔料、ピリリウム塩等を用いることができる。
感光層を形成するために用いられるバインダー樹脂(結着樹脂)としては、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエーテル、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ニトリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノール樹脂、EVA(エチレン・酢酸ビニル)樹脂、ACS(アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂及びエポキシアリレート等が挙げられる。
それらは単体で用いてもよいが、2種以上混合して使用することも可能である。分子量の異なった樹脂を混合して用いることにより、例えば、硬度や耐摩耗性を改善できて好ましい。
なお、感光層が機能分離型(積層型)の構成、すなわち、電荷発生層と電荷移動層とからなる場合には、前記結着樹脂はいずれの層にも適用できる。
塗布液を用いて単層型あるいは積層型の感光層を形成する場合、塗布液の調製に使用する溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等の塩素系炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、メトキシエタノール等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、あるいはアニソール等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
特に上記中でも、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、あるいはハロゲン化炭化水素系溶媒が好ましく、これらは単独、あるいは2種以上の混合溶媒として用いることができる。
前述のように本発明における感光層には、電荷移動剤として前記一般式〔I〕で表される化合物が含有される。一般式(I)で表される化合物はヒドロキシガリウムフタロシアニンとの相性がよく、耐環境性に強い電子写真感光体を提供することができる。
前記一般式(I)で表される化合物の中でも、特に前記式(Ia)〜(Id)で表される化合物がヒドロキシガリウムフタロシアニンとの相性がよく好ましいが、これらに限定されるものではない。
例えば、積層型とした場合、電荷移動層中における前記一般式(I)で表される化合物の含有量は、結着樹脂1重量部に対し、0.3〜2.0重量部とすることが好ましい。一般式(I)で表される化合物の含有量が0.3重量部より少ないと、残留電位が上昇するなど電気特性が悪化する。他方、2.0重量部より多いと、耐摩耗性等の機械特性が低下する。
電荷移動剤としては、前記一般式(I)で表される化合物と、他の電荷移動剤とを混合して用いることもできる。この場合、一般式(I)の化合物と他の化合物の含有比率は、〔(I)〕:〔他の化合物〕=50:50〜95:5、好ましくは70:30〜95:5の範囲がよい。
他の電荷移動剤としては、ポリビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルインドロキノキサリン、ポリビニルベンゾチオフェン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、ポリビニルピラゾリン、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリイソチアナフテン、ポリアニリン、ポリジアセチレン、ポリヘプタジイエン、ポリピリジンジイル、ポリキノリン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェロセニレン、ポリペリナフチレン、ポリフタロシアニン等の導電性高分子化合物を用いることができる。
また、低分子化合物として、トリニトロフルオレノン、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、キノン、ジフェノキノン、ナフトキノン、アントラキノンおよびこれらの誘導体、アントラセン、ピレン、フェナントレン等の多環芳香族化合物、インドール、カルバゾール、イミダゾール等の含窒素複素環化合物、フルオレノン、フルオレン、オキサジアゾール、オキサゾール、ピラゾリン、ヒドラゾン、トリフェニルメタン、トリフェニルアミン、エナミン、スチルベン等を使用することができる。
また、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸等の高分子化合物にLiイオン等の金属イオンをドープした高分子固体電解質等も用いることができる。
さらに、テトラチアフルバレン−テトラシアノキノジメタンで代表される電子供与性化合物と電子受容性化合物で形成された有機電荷移動錯体等も用いることができ、これらを1種だけ添加するか、または2種以上の化合物を混合して添加し、所望の感光体特性を得ることができる。
本発明の電子写真感光体を製造するために用いる塗布液には、特性を損なわない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、軟化剤、硬化剤、架橋剤等を添加して、感光体の特性、耐久性、機械特性の向上等を図ることができる。特に、酸化防止剤および紫外線吸収剤を単独もしくは組み合わせて使用することにより感光体の耐久性向上に寄与し有用である。その中でも該感光層にはヒンダードフェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤および、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2.6−ジ−tert−ブチルフェノール、2.6−ジ−tert−4−メトキシフェノール、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2.4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2.6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、ブチル化ヒドロキシアニソール、プロピオン酸ステアリル−β−(3.5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)、α−トコフェロール、β−トコフェロール、n−オクタデシル−3−(3’−5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のモノフェノール系、2.2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、4.4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4.4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1.1.3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1.3.5−トリメチル−2.4.6−トリス(3.5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン−3(3.5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等のポリフェノール系等が好ましく、これらを1種若しくは2種以上を同時に感光層中に含有することができる。
アミン系酸化防止剤としては、例えば、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−エチル−2−メチル−p−フェニレンジアミン、N−エチル−N−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン、アルキル化ジフェニルアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジアリル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン、4,4′−ジオクチル−ジフェニルアミン、4,4′−ジオクチル−ジフェニルアミン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、N−フェニル−β−ナフチルアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等を挙げることができる。これらを1種若しくは2種以上を同時に感光層中に含有することができる。
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル−3.3−チオジプロピオネート、ジトリデシイル−3.3−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3.3−チオジプロピオネート、ジステアリル−3.3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル−3.3−チオプロピオネート、ビス〔2−メチル−4−(3−n−アルキルC12〜C14)チオプロピオネート)−5−t−ブチルフェニル〕スルフィド、ペンタエリスリトールテトラ(β−ラウリル−チオプロピオネート)エステル、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプト−6−メチルベンズイミダゾール等を挙げることができる。酸化防止剤は、1種若しくは2種以上を同時に感光層中に含有することができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3.5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3.5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3.5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3.5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル、サリチル酸−p−tert−ブチルフェニル、サリチル酸−p−オクチルフェニル等のサリチル酸系が好ましい。以上の酸化防止剤を1種若しくは2種以上を同時に感光層に含有することができる。
本発明の電子写真感光体に添加されるフェノール系酸化防止剤の添加量は、結着樹脂に対して3〜20重量%の範囲、アミン系酸化防止剤の添加量は結着樹脂に対し3〜20重量%の範囲、硫黄系酸化防止剤の添加量は結着樹脂対して0,5〜5重量%であることが好ましい。一方、紫外線吸収剤の添加量は、結着樹脂に対して3〜20重量%とすることが好ましい。
加えて、前記本発明に係る電子写真感光体の構成例で示したように、感光層の上に表面保護層を設けることができる。例えば、感光層の上に、ポリビニルホルマール樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の有機薄膜や、シランカップリング剤の加水分解物で形成されるシロキサン構造体から成る薄膜を成膜して表面保護層を設けてもよく、その場合には、感光体の耐久性が向上するので好ましい。この表面保護層は、耐久性向上以外の他の機能を向上させるために設けてもよい。
本発明における電子写真装置は、少なくとも感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段及び定着手段を具備しており、これにより帯電、露光、現像、転写、除電を行い(除電はない場合も含む)、再び帯電を行う一連の画像形成プロセスが実行される。ここで、帯電手段としては、例えば、感光体に接触するように配置され、電圧が印加される帯電部材を有するものであってもよい。
本発明の電子写真感光体が搭載される電子写真装置としては、通常、帯電方式はブラシ、ローラーなどの接触式、スコロトロン、コロトロン等の非接触式の、いずれの方式でもよく、正負いずれの帯電電荷でもよい。露光方式は、LED、LD等いずれでもよい。現像方式は、2成分、1成分、磁性/非磁性いずれでもよい。転写方式もローラー、ベルト等いずれでもよい。
本発明の電子写真装置について例を挙げて説明する。
図4は、本発明に係る電子写真装置を説明するための概略構成図である。
11は感光体を示し、感光体11と接触して帯電部材12(帯電手段)が設けられている。帯電部材12には、電源13から電圧が供給されるようになっている。感光体の周囲には、露光装置14(露光手段)、現像装置15(現像手段)、転写装置16(転写手段)、クリーニング装置17および除電器18が設けられている。なお、19は定着装置(定着手段)である。
図5は、イレーズレス型の電子写真装置であって、図4の電子写真装置における除電器18が設けられていない以外は同一の構造を有している。
なお上記感光体11は、CuKαを線源とするX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンを電荷発生剤として含有すると共に、特定の構造を有するトリアリールアミン誘導体を電荷移動剤として含有し、少なくとも電荷発生剤を含む電荷発生層と、少なくとも電荷移動剤を含む電荷移動層とが、積層された積層型感光層構成か、若しくは電荷発生剤と電荷移動剤を同時に含む感光層構成からなる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により制約を受けるものではない。
なお、以下、実施例1、2、5とあるのは、参考例1、2、5とする。
先ず、実施例および比較例に用いるヒドロキシガリウムフタロシアニンを以下により合成した。
[ヒドロキシガリウムフタロシアニンの合成]
1,3−ジイミノイソインドリン30部および三塩化ガリウム9.1部をキノリン230部中に添加し、200℃において3時間反応させた後、生成物を濾別した。次いで、アセトン、メタノールで洗浄し、湿ケーキを乾燥してクロロガリウムフタロシアニン結晶28部を得た。 次に、上記クロロガリウムフタロシアニン結晶3部を濃硫酸60部に0℃にて溶解後、この溶液を5℃の蒸留水450部中に滴下して結晶を析出させた。蒸留水、希アンモニア水等で洗浄後、乾燥してヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶2.5部を得た。 更に、上記ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶0.5部をジメチルホルムアミド15部および直径1mmのガラスビーズ30部と共に24時間ミリングした後、結晶を分離した。次いで、メタノールで洗浄後、乾燥して、目的のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。
得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶のX線回折スペクトルを測定したところ、Cu−Kα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θが7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強い回折ピークを有していた。測定結果を図1に示す。
<X線回折スペクトル測定条件>
X線管球:Cu
電圧:50kV
電流:30mA
走査速度:2°/分
走査範囲:3°〜40°
時定数:2秒
(実施例1)
直径24mmの無切削アルミニウムからなる円筒ドラム(導電性支持体)上に、アルキド樹脂(ベッコライトM−6401−50大日本インキ化学工業社製)とアミノ樹脂(スーパーベッカミンG−821−60大日本インキ化学工業社製)を65:35の割合で混合し、さらに前記混合樹脂と酸化チタン(CR−EL石原産業社製)を1:3の割合とし、メチルエチルケトンに溶解して調製した塗布液を塗布し、1.5μmの膜厚で下引層を形成した。
次に、合成例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン粉末10g、ガラスビーズ、および1,3ジオキソラン500mlにポリビニルブチラール樹脂(BM−1積水化学工業社製)10gを溶解した液を加え、サンドミル分散機で20時間分散し、得られた分散液をろ過してガラスビーズを取り去り、電荷発生層用塗布液を作成した。これを前記下引層上に浸漬塗工し乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、バインダー樹脂としてポリカーボネート樹脂(Z400三菱ガス化学社製)と、電荷移動剤として、前記式(Ia)で表される化合物と、酸化防止剤として2.6−ジ−tert-ブチル-4-メチルフェノール、紫外線吸収剤として2−(2−ヒドロキシー5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(Tinuvin-P Geigy)とを、それぞれ重量比1.0:1.0:0.05:0.05で用意し、テトラヒドロフランに溶解して電荷移動層用塗工液を調製した。
上記下引層/電荷発生層を順次形成した基体(導電性支持体)を該電荷移動層用塗工液に浸漬塗工し、120℃で60分乾燥して膜厚25.0μmの電荷移動層を形成し、電子写真感光体を作製した。
(実施例2)
実施例1で用いた電荷移動剤に代えて、前記式(Ib)で表される電荷移動剤を用いた他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
(実施例3)
実施例1で用いた電荷移動剤に代えて、前記式(Ic)で表される電荷移動剤を用いた他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
(実施例4)
実施例1で用いた電荷移動剤に代えて、前記式(Id)で表される電荷移動剤を用いた他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
(実施例5)
電荷発生層は実施例1と同様としたまま、電荷移動層用塗工液を下記のように代えて電荷移動層を形成した他は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
バインダー樹脂としてポリカーボネート樹脂(Z400三菱瓦斯化学製)と、電荷移動剤として式〔Ia〕で表される化合物と、フェノール系酸化防止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、アミン系酸化防止剤としてN−フェニル−1−ナフチルアミン、硫黄系酸化防止剤としてジステアリル−3−3−チオジプロピオネート(スミライザーTPS、住友化学製)紫外線吸収剤として2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(Tinuvin−P、geigy製)とを、重量比1.0:1.0:0.05:0.05:0.01:0.05で用意し、テトラヒドロフランに溶解して電荷移動層用塗工液を調製した。
電荷発生層を形成した基体を該電荷移動層用塗工液に浸漬塗工し、120℃で60分乾燥し、25.0μmの電荷移動層を形成し、電子写真感光体を作製した。
(比較例1)
実施例1で用いた電荷移動剤に代えて、下記式(A)で表される電荷移動剤を用いた他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
Figure 0005278661
(比較例2)
実施例1で用いた電荷移動剤に代えて、下記式(B)で表される電荷移動剤を用いた他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
Figure 0005278661
(比較例3)
実施例1で用いた電荷発生剤に代えて、図2のX線回折スペクトルを示すY型オキシチタニウムフタロシアニンを用いた他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
(比較例4)
実施例1で用いられた電荷発生剤に代えて、図3のX線回折スペクトルを示すβ型オキシチタニウムフタロシアニンを用いた他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
上記実施例1〜5、および比較例1〜4で作製した電子写真感光体を用いて、下記評価方法で静電特性および光応答性を評価した。
<静電特性>
電子写真感光体評価装置(山梨電子工業社製)を用い、実施例および比較例によって作製された電子写真感光体についてそれぞれ、帯電、露光、現像、転写を1サイクルとして、1サイクル目の電位を初期とし、さらに1万サイクル後の表面電位(V0)、残留電位(VL)、露光量0.6μJ/cm2の静電特性を測定し、変化量を求めることにより評価した。評価結果を下記表1に示す。
Figure 0005278661
表1から明らかなように、実施例1〜5は、本願発明の電荷発生剤と電荷移動剤との組み合わせにより、初期帯電電位、残留電位、1万サイクル後の帯電電位、残留電位も大きな変化がなく、感光体特性として良好なものであった。
これに対し、比較例1〜4、すなわち、本願発明における電荷発生剤と、本願発明ではない他の電荷移動剤とを組み合わせた場合、1万サイクル後の残留電位が大きく変化し、感光体特性として満足できるものではなかった。さらに、本願発明ではない他の電荷発生剤と、本願発明における電荷移動剤とを組み合わせた場合、1万サイクル後の残留電位が大きく変化し、感光体特性として満足できるものでなかった。
<光応答性>
電子写真感光体評価装置(山梨電子工業製)を用い、実施例および比較例によって作製された電子写真感光体それぞれに対し、半減露光量の5倍の光量を照射し、露光から現像器に到達するまでの時間を変化させた時の現像器位置での電子写真感光体の表面電位を光応答性(−V)として評価した。評価結果を下記表2に示す。
Figure 0005278661
表2から明らかなように、実施例1〜5は、露光後現像器位置に到達するまでの時間が長い場合、短い場合にかかわらず表面電位は低く、優れた感光体特性であった。
これに対し比較例1〜4では、到達時間が短くなると表面電位は著しく高くなり、感光体特性として満足できるものではなかった。
本願発明によれば、接触帯電に対する耐絶縁破壊性に優れ、残留電位の上昇がない良好な感光体を提供できるものである。すなわち、本願発明の電子写真感光体は、長波長域でも高応答性で、繰り返し使用においても電気特性の劣化がなく、感光体の小径化や高速プロセスに対応できる。これによって、複写機、プリンター装置等の電子写真装置の小型化や高速化への対応ができる。
本発明に係るヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶のX線回折スペクトルを示す図である。 比較例3において用いたY型オキシチタニウムフタロシアニンのX線回折スペクトルを示す図である。 比較例4において用いたβ型オキシチタニウムフタロシアニンのX線回折スペクトルを示す図である。 本発明に係る電子写真装置を説明するための概略構成図である。 本発明に係る別の電子写真装置(イレーズレス型)を説明するための概略構成図である。 本発明に係る電子写真感光体の構成例を示す断面図である。 本発明に係る電子写真感光体の別の構成例を示す断面図である。 本発明に係る電子写真感光体の他の構成例を示す断面図である。 本発明に係る電子写真感光体のさらに他の構成例を示す断面図である。
符号の説明
1 導電性支持体
3 感光層
5 電荷発生層
7 電荷移動層
9 表面保護層
11 感光体
12 帯電部材
13 電源
14 露光装置
15 現像装置
16 転写装置
17 クリーニング装置
18 除電器
19 定着装置

Claims (9)

  1. 導電性支持体上に少なくとも電荷発生剤と電荷移動剤を含有する感光層を設けてなる電子写真感光体であって、
    前記電荷発生剤はCuKαを線源とするX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンであり、
    前記電荷移動剤は下記一般式(Ic)又は(Id)で表される化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0005278661

    Figure 0005278661
  2. 前記感光層が、導電性支持体上に少なくとも電荷発生剤を含む電荷発生層と、少なくとも電荷移動剤を含む電荷移動層を、順次または逆順に積層した積層型であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記感光層が、電荷発生剤と電荷移動剤を同時に含む単層型であることを特徴とする請求項項1に記載の電子写真感光体。
  4. 前記感光層中に結着樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 前記感光層にヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の電子写真感光体。
  6. 前記感光層にアミン系酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の電子写真感光体。
  7. 前記感光層に硫黄系酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の電子写真感光体。
  8. 前記感光層にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の電子写真感光体。
  9. 少なくとも感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段および定着手段を具備してなる画像形成装置において、前記感光体が請求項1乃至のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真装置。
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