JP5540966B2 - 電子写真感光体及び電子写真装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献1〜4で開示されている電荷輸送剤では、上述した電子写真感光体に求められている諸特性を充分に満たすものとすることはできなかった。
また本発明は、前記電子写真感光体を用いた電子写真装置、電子写真方法及び電子写真装置用プロセスカートリッジを提供することを目的とする。
すなわち、上記課題は、以下の本発明によって解決される。
本発明に係る電子写真感光体は、導電性支持体と、該導電性支持体上に設けられた感光層と、を有する電子写真感光体であって、前記感光層は、結着樹脂と、電荷発生剤と、電荷輸送剤と、を含み、前記電荷発生剤は、オキシチタニウムフタロシアニンを含有し、該オキシチタニウムフタロシアニンは、CuKαを線源とするX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)の回折ピークとして27.2°に最大ピークを有し、かつ28.6゜にも同時にピークを有し、その強度が27.2°の強度の20%未満であり、さらに最も低角側の回折ピークとして7.3゜に回折ピークを有し、7.4°以上9.4゜未満の範囲に回折ピークを有さず、前記電荷輸送剤は、下記一般式(I)で表される化合物を含有することを特徴とする。
電荷発生層の形成方法としては、各種の方法を使用することができるが、例えば後述する特定のフタロシアニン組成物を電荷発生剤として用い、結着樹脂とともに適当な溶媒により分散もしくは溶解した塗布液を、所定の下地となる導電性支持体上に塗布し、必要に応じて乾燥させて形成することができる。
また、電荷発生層と電荷輸送層を上下逆に積層させた逆積層型電子写真感光体等についても適用することができる。さらに、電荷発生剤と電荷輸送剤とを同一層に含有する単層型電子写真感光体にも適用できる。
図1に示すオキシチタニウムフタロシアニンは、ブラッグ角(2θ±0.2°)の回折ピークとして27.2゜に最大回折ピークを有し、かつ28.6゜にも同時にピークを有し、その強度が27.2°の強度の20%未満であり、さらに最も低角側の回折ピークとして7.3゜に回折ピークを有し、7.4°以上9.4゜未満の範囲に回折ピークを有しないものである。
感光層中からオキシチタニウムフタロシアニンを抽出する際に、オキシチタニウムフタロシアニンが結晶転移しないように注意しなければならない。また、感光層中には結着樹脂や電荷輸送剤等が含有されており、X線回折スペクトルを測定する上でそれらが障害となる。よって、結着樹脂や電荷輸送剤等を除去し、オキシチタニウムフタロシアニンの結晶型を変えない溶媒を適宜選択する必要がある。
フェノール系酸化防止剤は、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−4−メトキシフェノール、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、ブチル化ヒドロキシアニソール、プロピオン酸ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)、α−トコフェロール、β−トコフェロール、n−オクタデシル−3−(3’−5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のモノフェノール系、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、4.4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等のポリフェノール系等が好ましく、これらを1種若しくは2種以上を同時に感光層中に含有することができる。
本発明の電子写真感光体が搭載される電子写真装置としては、少なくとも帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程など通常用いられる方法により画像形成を行うものであって、これら各工程を実現するための手段を有する。
詳細には帯電方式はブラシ、ローラーなどの接触式、スコロトロン、コロトロン等の非接触式の、いずれの方式でもよく、正負いずれの帯電電荷でもよい。
露光方式は、LED,LD等いずれでもよい。
現像方式は、2成分、1成分、磁性/非磁性いずれでもよい。
転写方式は、ローラー、ベルト等いずれでもよい。
クリーニング方式はブレードクリーニング、ブラシクリーニング、帯電部や現像部をクリーニング工程として兼用してもよい。
また、クリーニング工程や除電工程を省略した方式でもよい。
11は図中の矢印方向に回転される電子写真感光体であって、電子写真感光体11と接触して帯電手段である帯電部材12が設けられている。
帯電部材12には、電源13から電圧が供給されるようになっていて、電子写真感光体11の表面を所定の電位に一様帯電させる。
この静電潜像は電子写真感光体11の表面に担持されたまま現像装置15との対向位置まで移動し、現像装置15内に収容されているトナーにより可視化され、トナー像が電子写真感光体11上に形成される。
このトナー像は、電子写真感光体11表面に担持されたまま転写装置16との対向位置まで移動し、電子写真感光体11と転写装置16とに狭持されてなる記録媒体である記録紙に転写される。
転写されたトナー像を有する記録紙は、定着装置19まで搬送され、熱及び圧力によりトナー像は記録紙に定着される。
また、トナー像が転写された後の電子写真感光体11は、クリーニング装置17により、転写残トナーなどが除去され、一連の電子写真法の画像形成プロセスを終える。
繰り返し画像形成を行う場合には、再度帯電装置12による帯電工程から始まる電子写真方法の画像形成プロセスを行う。
即ち、電子写真感光体上に担持されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段が、一次転写部と、中間転写体と、二次転写部と、を備える形態とすることができる。
またこのとき、前述のタンデム型のカラー電子写真装置において中間転写方式を採用したような、現像手段がYMCKのそれぞれに対応した4色のトナー像を形成した場合、中間転写体上の所定の位置に、4色のトナー像が積層するように各色ごと一次転写される。次いで、中間転写体上に一次転写され積層された状態の4色のトナー像は、当該中間転写体表面に担持された状態で二次転写部との対向位置まで搬送された後、記録媒体上に一括で二次転写される。
また、以上説明した帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段、及び転写手段の中から選ばれる1以上の手段と、電子写真感光体と、を具備する電子写真装置用プロセスカートリッジを、電子写真装置に一体で取り付け/取り外しを可能として、交換操作などを簡便なものとすることができる。
1,3−ジイミノイソインドリン292部とスルホラン1800部を混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド204部を滴下する。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行った。反応終了後、放冷した後析出物を濾過し、アセトンで粉体が青色になるまで洗浄し、つぎにメタノールで数回洗浄し、さらに80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗オキシチタニウムフタロシアニンを得た。
得られた熱水洗浄処理した粗オキシチタニウムフタロシアニン顔料のうち60部を96%硫酸1000部に3〜5℃下撹拌、溶解し、濾過した。得られた硫酸溶液を氷水35000部中に撹拌しながら滴下し、析出した結晶を濾過、ついで洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返し、オキシチタニウムフタロシアニン顔料の水ペーストを得た。
この水ペーストにテトラヒドロフラン1500部を加え、室温下で撹拌し、ペーストの濃紺色の色が淡い青色に変化したら、撹拌を停止し、直ちに減圧濾過を行った。濾過装置上で得られた結晶をテトラヒドロフランで洗浄し、顔料のウェットケーキ98部を得た。これを減圧下(5mmHg)、70℃で2日間乾燥して、オキシチタニウムフタロシアニン結晶78部を得た。
導電性支持体として、直径30mmのアルミニウムからなる円筒ドラム上に、アルキド樹脂(ベッコライトM−6401−50大日本インキ化学工業社製)とアミノ樹脂(スーパーベッカミンG−821−60大日本インキ化学工業社製)を重量比65:35の割合で混合して混合樹脂を作製した。さらに前記混合樹脂と酸化チタン(CR−EL石原産業社製)を重量比で1:3の割合とし、メチルエチルケトンに溶解して塗布液として、1.5μmの膜厚で下引き層を形成した。
実施例1で得られた電子写真感光体表面に事務用カッターで円周方向とそれに交差する円筒軸方向にそれぞれ切込みを入れ、一辺が約2cmの切れ目を形成させる。その切り目の入った部分よりピンセットを用いて感光膜を剥離する。4−メトキシ−4−メチルペンタノン15mlを50mlビーカーに入れ、その中に剥離した感光膜を浸漬し、電荷輸送層を完全に溶解させた後によくかき混ぜてゲル状の微細片として溶媒中に分散させる。これをテフロン(登録商標)製メンブランフィルター(Pore size 0.2μm)で吸引ろ過し、ろ過物をPTX 10mlで洗浄する。次にろ過物が内側になるようにメンブランフィルターをシリコン無反射板に密着させ、メンブランフィルターだけを剥がしてシリコン無反射板にオキシチタニウムフタロシアニンを付着させ、それを風乾しX線回折の検体試料とした。
上記のように作成された検体試料を測定する場合は、粉末法にて測定しX線源としてCuKα(波長1.54178Å)を用い、測定条件は以下の通りである。
X線回折装置 フリップス社製 X’Pert
測定条件 X線管球 Cu
走査範囲 4°〜35°
管電圧 45kv
管電流 40mA
ステップ角度 0.01度
計数時間 20秒
受光スリット、発散スリット 可変型
照射幅 20mm
実施例1で用いた電荷輸送剤に代えて、(段落〔0065〕記載の)前記化学式(Ib)で表される電荷輸送剤を用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例1で用いた電荷輸送剤に代えて、(段落〔0066〕記載の)前記化学式(Ic)で表される電荷輸送剤を用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例1で用いた電荷輸送剤に代えて、(段落〔0067〕記載の)前記化学式(Id)で表される電荷輸送剤を用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例1で用いた電荷輸送剤に代えて、(段落〔0068〕記載の)前記化学式(Ie)で表される電荷輸送剤を用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例1で用いたフェノール系酸化防止剤の2.6−ジ−tert-ブチル−4−メチルフェノールに代えて、硫黄系酸化防止剤のジステアリル3,3’チオジプロピオネート(セミライザーTPS 住友化学製)を用い、結着樹脂:電荷輸送剤:硫黄系酸化防止剤の比率(重量比)を1:1:0.01に変えた他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例1で用いたフェノール系酸化防止剤の2.6−ジ−tert-ブチル−4−メチルフェノールに代えて、紫外線吸収剤の2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(Tinuvin−P Geigy製)を用い、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例1で用いたフェノール系酸化防止剤の2.6−ジ−tert-ブチル−4−メチルフェノールに代えて、アミン系酸化防止剤のα,α’−(テトラベンジル)ジアミノ−P−キシレンを用い、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例1で用いた電荷輸送層の組成に、更に硫黄系酸化防止剤のジステアリル3,3’チオジプロピオネートと紫外線吸収剤の2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールを加え、結着樹脂:電荷輸送剤:フェノール系酸化防止剤:硫黄系酸化防止剤:紫外線吸収剤の比率(重量比)を1:1:0.05:0.01:0.05として電子写真感光体を作製した。
実施例1で用いたフェノール系酸化防止剤を添加しなかった他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例1で用いられた電荷発生剤に代えて、図3で表されるα型オキシチタニウムフタロシアニンを用い、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例1で用いた電荷輸送剤に代えて、下記化学式(A)で表される電荷輸送剤を用い、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例1で用いた電荷輸送剤に代えて、下記化学式(B)で表される電荷輸送剤を用い、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例1で用いた電荷輸送剤に代えて、下記化学式(C)で表される電荷輸送剤を用い、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
電子写真感光体評価装置(山梨電子工業社製)を用い、実施例1〜9及び比較例1〜4、並びに参考例1で作製された電子写真感光体を温度23℃、湿度50%の環境下(N/N)で、スコロトロン方式で電子写真感光体への放電電流25μAを流した時の電子写真感光体の表面電位(V0)を計測する。その後、表面電位が−700Vになるように放電電流を調節し、波長780nmの半導体レーザーで照射して、表面電位が1/2(−350V)に減衰した時の露光エネルギー量:半減露光エネルギー量(E1/2)を計測した。また、1.0μJ/cm2の露光エネルギーを照射した時の電子写真感光体表面電位を残留電位(VL)とし、その結果を表1に示す。尚、現像−露光間100msにおいて測定した。ここで、電位の測定位置は電子写真装置における現像位置と一致するものであり、例えば図2に示すような電子写真装置の場合、電子写真感光体11の中心と現像装置15が有する現像ローラの中心とを結んだ線上における電子写真感光体11表面が現像位置である。
これに対し、参考例1はVo低下、比較例1は半減露光低下、比較例2〜3は、本発明における特定の電荷発生剤と他の電荷輸送剤との組み合わせにより、1万サイクル後のVo、もしくは残留電位が大きく変化し、感光体特性として満足できるものではなかった。
電子写真感光体評価装置(山梨電子工業製)を用い、実施例1〜9及び比較例1〜4、並びに参考例1によって作製された電子写真感光体に対し、半減露光量の5倍の光量を照射し、露光から現像位置に到達するまでの時間を100m秒、50m秒、30m秒と変化させた時の現像位置での表面電位を光応答性(−V)として評価しその結果を表2に示す。
(株)リコー製CX−411カラープリンターを用い転写電流を変動させ画像確認した。1サイクル目にベタ黒画像を印字し以降のハーフトーン上に現れる残像(ゴースト)を23℃、50%RH環境で評価した。但しプロセス内に装備されているイレース露光器は排除し評価を行った。その結果を表3に示す。尚、残像発生無しを○、残像発生を△、強く残像が発生を×とした。
12 帯電部材
13 電源
14 露光装置
15 現像装置
16 転写装置
17 クリーニング装置
19 定着装置
Claims (13)
- 導電性支持体と、該導電性支持体上に設けられた感光層と、を有する電子写真感光体であって、
前記感光層は、結着樹脂と、電荷発生剤と、電荷輸送剤と、を含み、
前記電荷発生剤は、オキシチタニウムフタロシアニンを含有し、
該オキシチタニウムフタロシアニンは、CuKαを線源とするX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)の回折ピークとして27.2°に最大ピークを有し、かつ28.6゜にも同時にピークを有し、その強度が27.2°の強度の20%未満であり、さらに最も低角側の回折ピークとして7.3゜に回折ピークを有し、7.4°以上9.4゜未満の範囲に回折ピークを有さず、
前記電荷輸送剤は、下記一般式(I)で表される化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
(上記一般式(I)中、R1〜R4は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。) - 前記感光層は、フェノール系酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層は、アミン系酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層は、硫黄系酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
該電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体表面に静電潜像を形成する露光手段と、
前記静電潜像をトナーによって可視化してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、を有し、
前記電子写真感光体を除電する除電手段を有しないことを特徴とする電子写真装置。 - 電子写真感光体を帯電させる帯電工程と、
帯電した前記電子写真感光体表面に静電潜像を形成する露光工程と、
前記静電潜像をトナーによって可視化してトナー像を形成する現像工程と、
前記トナー像を記録媒体上に転写する転写工程と、を有する電子写真方法であって、
前記電子写真感光体は、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の電子写真感光体であり、
前記露光工程から前記現像工程までに要する時間が100m秒以下であることを特徴とする電子写真方法。 - 帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段、及び転写手段の中から選ばれる1以上の手段と、
請求項1乃至10の何れか1項に記載の電子写真感光体と、を具備することを特徴とする電子写真装置用プロセスカートリッジ。
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