JP5326541B2 - 画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成方法、該画像形成方法を実施可能な複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、これらのうち少なくとも1つを備えた複合機等の画像形成装置及び該画像形成装置に着脱自在なプロセスカートリッジに関する。
従来より、電子写真技術は広く利用されており、ファクシミリやパーソナルコンピュータに接続するプリンタに利用されているが、近年デジタル記録技術は、プリンタのみならず通常の複写機にも応用されてデジタル複写機の開発が進み、その需要は今後益々高まっていく傾向にある。
このようなデジタル複写機では、オフィス環境の効率的な利用の観点から画像形成速度の向上、高画質化、小型化、静音化さらに環境負荷低減の目的から装置の長寿命化が要求されている。
また、スモールオフィス、ホームオフィスなど小規模のワーキンググループなどでデジタル複写機を利用するケースが増加し、特に低コストで小型化設計は重要視される傾向にある。
今日、電子写真装置では、市場からの要求に伴いカラー複写機やカラープリンタのなど、カラー化が進んでいる。カラー電子写真装置には、一つの感光体の周りに複数色の現像装置を備え、感光体上にカラー像を形成し、このトナー像を転写してカラー画像を形成する、いわゆるリボルバ型のものと、感光体に個別に現像装置を備え、単色の像を形成しこれらを並べて配置しそれぞれの単色の像を順次重ねて転写していき、カラー像を形成するいわゆるタンデム型のものが広く用いられている。
リボルバ型のものは、感光体を一つしか使用しないため、装置の小型化が比較的有利であるが、複数回の画像形成を行わなければならないので、高速化には不利である。逆にタンデム型では装置が大型化するが、高速化には有利であるという特徴がある。
近年、カラーの画像形成装置においてもモノクロ並みのスピードが要求されることからタンデム型の画像形成装置が注目されている。
タンデム型の画像形成装置では、図1(本発明の実施形態における画像形成装置の概要構成図)に示すように、回転自在に駆動可能な像担持体としての感光体ドラム1を有しており、まず帯電手段としての帯電装置2により感光体ドラム1の表面を一様に帯電させる。
次いで、露光用光学系(露光手段)によりレーザビーム3を照射し、感光体ドラム1の表面を露光して感光体ドラム上に静電潜像を形成した後、現像手段としての現像装置4内の現像剤5を感光体ドラム1の表面に移動させて、感光体ドラム1上に可視画像を形成する。
次に、被転写体としての中間転写ベルト6と感光体ドラム1との当接部において、当接部の中間転写ベルト6内部に設けられた1次転写手段としての1次転写ロ−ラ7により、感光体ドラム1の表面の現像剤5を中間転写ベルト6の表面に転写する。転写された現像剤は2次転写手段としての2次転写ローラ8にて紙(転写紙、記録紙)P上に転写された後、定着装置9に供給され、紙上にトナー像が定着される。
一方、感光体ドラム1の表面に残留した現像剤5は、次回の画像形成に備えクリーニング手段としてのクリーニング装置10内の弾性体ブレードとしてのクリーニングブレード11により清掃除去される。
クリーニング装置としては、ファーブラシや磁気ブラシ等を使用するものや、クリーニングブレードを使用するものなどがあるが、構成が簡素で安価なことにより、クリーニングブレードで感光体の表面に付着した残留物を掻き落とすタイプのクリーニング装置が広範に使用されている。
このような市場背景の中、現像剤としてのトナーは低コスト観点から非磁性一成分のものを使用するケースが多く、この場合、帯電性を補助する主にシリカ成分からなる外添剤成分や小型化設計のためワックスなどの光沢性を補助する成分を内添することで定着オイルレスを実現している。ところがこのようにワックス成分などをトナーに内包すると、現像部でトナーの流動性を保持するために攪拌機構を設けたり、現像ブレードのように一定量のトナー層を形成するためにトナーを規制する部材等でトナーに物理的なストレスが加わると、トナー表面にワックス成分が染み出してくるため、トナー間の凝集力が大きくなり現像ブレード等で固着等の不具合を引き起こす。
これを防止するためトナーには前記外添成分を表面に付与し、トナー間の流動性を保持するように設計されるが、この外添成分はトナー母体に比較し、粒径が大幅に小さいため、上記の物理的なストレスで外添成分が母体から外れるなど、遊離した外添成分が感光体に付着すると、クリーニング部材により感光体から除去することが困難になるため、クリーニング性を確保するためクリーニング部材を高線圧にて、ピーク圧を大きくし感光体に当接する構成をとることが多くなる。
クリーニング部材は主にポリウレタンなどからなるゴム製のブレードを使用する場合がほとんどで、ゴム材を高線圧で感光体に当接させると感光体表面とブレード先端の摩擦振動が大きくなる。さらに高温環境下で該クリーニングブレードの反発弾性が上昇することで感光体との接点でのブレードの挙動が増幅し、この結果、ブレードと感光体間の振動と感光体の共振により非常に不快な異音を発生するようになってしまう。
良好な画像品質を得るためには、前記クリーニングブレードにより転写残トナーを像担持体から除去する必要がある。クリーニングブレードのトナー阻止力を向上させるためにクリーニングブレードを像担持体にできるだけ高圧力で押し付け、像担持体とクリーニングブレードの密着性を高めるような構成をとることが多い。
クリーニング性の向上のためには当接部付近に滞留した転写残トナーを掃き出すため、クリーニングブレードと像担持体の間の摩擦力により、クリーニングブレードの圧縮復元運動(スティックスリップ)を活性化することが知られている。クリーニングブレードを高圧力で感光体に押し付けることにより、前記スティックスリップは加速し、クリーニング性は向上する。また、ブレードのゴム材料に高反発弾性のブレードを使用することで前記スティックスリップは加速し、クリーニング性は向上する。
ところが線圧を高くしすぎるとクリーニングブレードの過剰な振動によるビビリ音、あるいはクリーニングブレード当接点と像担持体との共振による異音が発生してしまう。
クリーニング性を維持するため、ある程度のスティックスリップは必要であるが、大きくしすぎるとブレードが鳴いてしまうという相反する作用がある。こうした、異音を低減するため従来から種々の方法が提案されてきた。
特許文献1には、感光ドラムに接触して感光ドラムを帯電するために振動電圧が印加される帯電部材と、感光ドラムをクリーニングするクリーニングブレードを備えるクリーニング装置とを備え、クリーニング装置は振動を吸収する振動吸収部を備え、帯電部材と感光ドラムとの間で発生する帯電音を低減することが提案されている。
しかしながら、クリーニング装置の振動吸収部だけでは、ブレードホルダー自身の振動を抑制することができない。
特許文献2には、材質の異なる複数のクリーニングブレードをクリーニング周辺の温度により使い分けることが記載されているが、複数のブレードを使用することによるコストアップ、またブレードの切替機構、レイアウト等装置の大型化が避けられない。
以上のように、ブレードの振動を抑制するため振動を吸収する部材、あるいは数種類のブレードを使い分けるなど、ブレードの振動抑制の機能を有する部材を付加し、異音を防止する機構が種々提案されている。
しかしながら、これらは部品点数を増やすことによるコストアップ、さらには装置の小型化には適していないという問題を有していた。
最近では、例えば特許文献3のように、画像形成装置のプロセスカートリッジ内に内蔵される感光ドラムにおいて、金属製の円筒部材と、円筒部材の外面の少なくとも一部を包囲する弾性材と、円筒部材の外面に弾性材を密着させたコーティング層とを備える防振材をドラムシリンダ内に配置して、感光ドラムの振動を吸収し感光ドラムの回転時に発生する振動を確実に吸収すると共に、防振材と感光ドラムとの密着性を高めることが提案されている。
これはブレードと感光体の振動と共振する感光体の内部に固有振動数を変化させるための制振部材を内包し、共振を抑制しようとしたもので、部品点数増加によるコストアップはあるものの、装置レイアウトには寄与せず、小型化設計には適している。
特開平5−341701号公報 特開平5−341699号公報 特開2001−235971号公報
しかしながら、特許文献3に開示された方法では、共振を防止できるだけの部材を感光体内部に充填するため、装置の重量は増加し、ユーザー自身により交換作業をするようなプロセスカートリッジ形態を採用した場合は、カートリッジの重量が増加し、交換作業上ユーザーの負担となる。
このように、感光体のクリーニング性を維持しつつ、ブレードの振動と感光体の共振音を防止することは容易ではなく、振動防止部材を追加するなどして対策せざるをえない状況であった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、振動による鳴きやビビリと感光体の共振音の発生を防止しつつ、画像ムラ、クリーニング不良の発生のない、安定で良好な画像品質を実現できる画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することを、その目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、像担持体上を一様に帯電させる帯電手段と、一様に帯電した前記像担持体の表面を露光し静電潜像を形成する露光手段と、形成された静電潜像を現像剤にて前記像担持体上に可視画像を形成する現像手段と、前記像担持体上の画像を被転写体へ転写する転写手段と、転写後に前記像担持体上に残留する現像剤を主に弾性体のブレードにて除去するクリーニング手段とを有する画像形成装置を用いた画像形成方法において、現像剤として、非磁性一成分トナーでワックスを内添したものを使用し、前記像担持体表面のユニバーサル硬度が150〜175N/mかつ弾性変形率が30〜42%であり、前記弾性体ブレードと前記像担持体との接触圧力が30〜50N/m、前記弾性体ブレードの前記像担持体との接点において前記像担持体の接線とのなす角が13〜17°であることを特徴とする。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の画像形成方法において、前記像担持体である電子写真感光体は、感光層中に結着樹脂として少なくとも構造式(1)及び構造式(2)で表される繰り返し単位を含むポリカーボネート共重合体樹脂Aと、構造式(3)で表されるポリカーボネート樹脂Bとを含み、ポリカーボネート共重合体樹脂Aとポリカーボネート樹脂Bとの重量比が、60:40から90:10の範囲であることを特徴とする。
Figure 0005326541
Figure 0005326541
Figure 0005326541
請求項3記載の発明では、請求項2記載の画像形成方法において、前記感光層中の電荷発生剤がY型オキシチタニウムフタロシアニンであることを特徴とする。
請求項4記載の発明では、請求項2又は3記載の画像形成方法において、前記感光層中の電荷移動剤が一般の構造式(4)で表されるジスチリル系電荷移動剤であることを特徴とする。
Figure 0005326541
(構造式4中、R〜Rは、各々独立に水素、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基を表す。)
請求項5記載の発明では、請求項2〜4のいずれかに記載の画像形成方法において、前記感光層は、添加剤としてフェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤及びベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含むことを特徴とする。
請求項6記載の発明では、請求項2〜5のいずれかに記載の画像形成方法において、前記感光層の成分を溶解し、該感光層を形成するための溶剤としてテトラヒドロフランを用いることを特徴とする。
請求項7記載の発明では、請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成方法において、前記弾性体ブレードのJIS−Aに規格される硬度は70〜80°であること特徴とする。
請求項8記載の発明では、請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成方法において、前記弾性体ブレードの反発弾性は30〜65%であること特徴とする。
請求項9記載の発明では、請求項1〜8のいずれかに記載の画像形成方法において、前記像担持体の厚みは0.6〜1.5mmであることを特徴とする。
請求項10記載の発明では、画像形成装置において、請求項1〜9のいずれかに記載の画像形成方法を実施可能であることを特徴とする。
請求項11記載の発明では、請求項10記載の画像形成装置において、温度検知手段と、該温度検知手段の検知情報に基づいて装置内の温度を一定の温度以上に上がらないように制御する制御手段を有することを特徴とする。
請求項12記載の発明では、請求項11記載の画像形成装置において、前記制御手段は、一定の温度にてプロセス速度を小さくすることを特徴とする。
請求項13記載の発明では、プロセスカートリッジにおいて、請求項1〜9のいずれかに記載の画像形成方法における前記像担持体、前記現像剤、及び前記クリーニング手段を一体に備えたことを特徴とする。
本発明によれば、接触圧力30〜50N/mにすることで感光体上残トナーの掻き取り能力を向上することができる。さらに接触角を13〜17°に設定することで感光体との接触部分でのピーク圧力を大きくすることが可能となり、より残トナーの阻止力を向上させることができる。
また感光体表面の磨耗を促進させることで感光体の表面はリフレッシュされ粒径の小さいトナーの感光体上付着(フィルミング)を防止することが可能となり、長期に亘り安定した画像品質を維持することが可能となる。一方、感光体表面のユニバーサル硬度が150〜175N/m、弾性変形率が30〜42%にすることにより、クリーニングブレード(弾性体ブレード)が高圧力で感光体に押し付けられた場合も、表面のクッション性によりクリーニングブレードの過剰な振動を防止することが可能となるため、感光体とブレード振動の共振を防止し、異音等の発生を抑制することができる。以上により、長期にわたり画像品質を維持しつつ、異音等の発生のない安定した装置稼動が可能となる。
本発明によれば、ポリカーボネート共重合体樹脂Aとポリカーボネート樹脂Bの比率を60:40から90:10の範囲にすることで感光体表面の硬度、弾性仕事率を請求項1の領域に設定することが可能となり、長期に亘り画像品質を維持しつつ、異音等の発生のない安定した装置稼動が可能となる。
Y型オキシチタニウムフタロシアニンは安価なレーザー波長780nmに対して電荷発生剤として高感度特性を有し、本発明における電荷輸送材料との相性もよく効果が高い。
本発明によれば、本電荷輸送剤にて、樹脂との相性がよく耐環境性に強い感光体を提供できる。
本発明によれば、感光体の特性、機械特性、耐久性を向上することができる。
本発明によれば、テトラヒドロフランにて、結着樹脂及び電荷移動剤の溶解性、製造された溶液の安定性を図ることができる。また環境に対する負荷の面から、ノンハロゲンで使いやすい。
本発明によれば、感光体の表面をリフレッシュする機能が促進され、クリーニング不良の発生を防止することにより、長期に渡り安定した画像品質を維持することが可能となる。
本発明によれば、クリーニングブレード(弾性体ブレード)の挙動は大きくなる。これによりブレードエッジ付近に滞留する、堰き止めたトナーの吐き出し効果が促進されることでクリーニング品質は安定化する。従ってクリーニング不良の発生を防止することにより、長期に亘り安定した画像品質を維持することが可能となる。
本発明によれば、感光体の固有振動数を変化させることが可能になる。したがって、ブレードと感光体表面の摩擦振動数との共振点から固有振動数をずらすことが可能となり、長期に亘り異音等の発生のない安定した装置稼動が可能となる。
本発明によれば、弾性体ブレードの温度上昇による、反発弾性の上昇を制御することが可能となり、弾性体ブレードと感光体表面の摩擦振動の過多によるブレードビビリを防止することが可能となる。したがって、長期に渡り異音等の発生のない安定した装置稼動が可能となる。
以下、本発明の実施形態を図を参照して説明する。
本実施形態に係るタンデム型の画像形成装置の構成の概略は図1について既述した通りである。補足すると、図1に示すように、上記した感光体ドラム1廻りの構成は、色別(イエロー:Y、マゼンタ:M、シアン:C、ブラック:Bk)に同一構成が中間転写ベルト6に沿って並設されており、上記色順に中間転写ベルト6上に重ね合わせて転写され、2次転写部位で被転写体としての転写紙に一括転写される。ここでの色順は一例であり、限定される趣旨ではない。
図2に基づいて、各感光体ドラム1の周辺構成を詳細に説明する。感光体ドラム1の周囲には、当該ドラム表面を帯電するための帯電装置2、一様帯電処理面に潜像を形成するためのレーザー光線3を射出する図示しない露光手段、ドラム表面の潜像に帯電トナーを付着することでトナー像を形成する現像装置4、形成されたドラム上のトナー像を被転写体へ転写する転写装置としての1次転写ローラ7、ドラム上の残留トナーを除去するためのクリーニング装置10、ドラム上の残留電位を除去するための除電装置27が順に配置されている。
タンデム型の電子写真では、主にブラック、マゼンタ、シアン、イエローといった単色の画像を前記感光体表面に形成する。このような構成において、画像形成がネガポジ方式(露光部電位を低くしトナーを付着させる)で行われる場合、帯電装置2の帯電ローラ22によって表面を一様に負に帯電された感光体ドラム1は、露光光3によって感光体表面に静電潜像を形成され、現像装置4によってトナー5を感光体表面に付着させ、像を可視化する。
トナー像は、中間転写ベルト6や1次転写ローラ7などから構成される転写装置25によって、感光体ドラム1表面から転写され、感光体ドラム1から中間転写ベルト6に転写されなかった残トナー成分はクリーニング装置10により感光体表面から除去される。
中間転写ベルト表面に転写されたトナー像は、図示しない2次転写部にて2次転写ローラ8にバイアスが印加されることにより、図示しない給紙トレイから搬送された記録紙へ転写される。転写後の残留トナー成分あるいは、外添材成分はクリーニング装置10によって除去される。
未定着の記録紙上のトナー像は定着装置9によって記録紙に定着される。残留トナーを除去された感光体ドラム1は除電ランプ27で残留電位をキャンセルされ、次回の画像形成プロセスに供される。
図2において、符号15は図示しない画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジを示している。
図6に示すように、画像形成装置の制御は制御手段16によって行われ、マイクロコンピュータとしての制御手段16には、画像形成装置内に設置された温度検知手段としての温度センサ17からの検知情報が入力される。
制御手段16のROMには、一定の温度値(指示値)が記憶されており、画像形成装置内の温度が指示値に達すると、制御手段16は定着装置9の定着ヒータ18への通電をOFFし、弾性体ブレードの温度上昇による反発弾性の上昇に基づくブレードビビリを防止すべく、指示値以上の温度では画像形成動作を行わないように制御する。
指示値近傍の温度ではプロセス速度を小さくして、ブレードビビリを抑制する制御を行うようになっている。
帯電装置22には、感光体ドラム1に接触配置した帯電ローラ22の芯金に高電圧を印加し、感光体表面を一様に帯電する接触ロール帯電方式を使用しているが、チャージワイヤに高電圧を印加することにより放電するコロトロン、スコロトロン方式、この他に帯電ブラシ、帯電シート、針電極などを使用することができる。
これらは、感光体に対して非接触で感光体表面を帯電できるため、クリーニング性の影響を受けにくいというメリットはあるが、放電に伴って生成されるオゾンやNOx等の放電生成物の発生量が帯電ロール方式に比較し格段に大きいため、感光体の耐久性の面で課題がある。
転写装置25としては、中間転写ベルト方式を用いているが、この他にチャージワイヤ、転写ローラ、針電極、転写ドラムなど公知のものを使用することができる。
図3は、感光体ドラム(電子写真感光体)1の構成例を示す断面図である。導電性支持体31上に、少なくとも電荷発生剤が含有される電荷発生層32が形成され、その上に少なくとも電荷移動剤が含有される電荷移動層33が形成される機能分離型電子写真感光体が適用されるものである。
この場合、電荷発生層32と電荷移動層33とにより感光層30が形成される。
電荷発生層32の形成方法としては、各種の方法を使用することができるが、例えば、オキシチタニウムフタロシアニン顔料を電荷発生剤として用い、バインダー樹脂とともに適当な溶媒により分散若しくは溶解した塗布液を、所定の下地となる支持体上に塗布し、必要に応じて乾燥させて形成することができる。
電荷移動層33は、少なくとも後述する本発明の電荷移動剤を有するものであり、この電荷移動層33は、例えば、その下地となる電荷発生層32上に電荷移動剤をバインダー樹脂を用いて結着することにより形成することができる。
電荷移動層33の形成方法としては、各種の方法を使用することができるが、通常の場合、電荷移動剤をバインダー樹脂とともに適当な溶媒により分散若しくは溶解した塗布液を、下地となる電荷発生層上に塗布し、乾燥させる方法を用いることができる。
また、電荷発生層32と電荷移動層33を上下逆に積層させた逆積層型電子写真感光体等についても適用することができる。さらに、電荷発生剤と電荷移動剤とを同一層に含有する単層型電子写真感光体にも適用できる。また、必要に応じて導電性支持体31と電荷発生層32の間に中間層を設けても良いし、感光層30上に保護層を設けても良い。
本発明に用いることができる導電性支持体31としては、アルミニウム、真鍮、ステンレス鋼、ニッケル、クロム、チタン、金、銀、銅、錫、白金、モリブデン、インジウム等の金属単体やそれらの合金の加工体が挙げられる。形状は、シ−ト状、フイルム状、ベルト状等フレキシブルな形状であればいずれのものでもよく、そして、無端、有端を問わない。
また、導電性支持体31の直径は、60mm以下、好ましくは30mm以下のものが特に有効である。
また、導電性支持体31の厚みは振動減少の観点から0.6〜1.5mmであり、0.7〜1.2mmであることがより好ましい。0.6mm以下であると支持体の強度が不足し、さらに真直度や、振れ精度を保つことが困難でフルカラーの画像などでは色ずれ等の不具合がある。逆に1.2mm以上では、材料費が上がりコスト高となってしまう。
この中でも、JIS3000系、JIS5000系、JIS6000系等のアルミニウム合金が用いられ、EI(Extrusion Ironing)法、ED(Extrusion Drawing)法、DI(Drawing Ironing)法、II(Impact Ironing)法等一般的な方法により成形を行った導電性支持体が好ましく、さらに、その導電性支持体の表面に、ダイヤモンドバイト等による表面切削加工や研磨、陽極酸化処理等の表面処理、またはこれらの加工、処理を行わない無切削管などいずれのものでもよい。
また、基体として樹脂を用いる場合、樹脂中に金属粉や導電性カーボン等の導電剤を含有させたり、基体形成用樹脂として導電性樹脂を用いることもできる。
さらに、基体にガラスを用いる場合、その表面に酸化錫、酸化インジウム、ヨウ化アルミニウムで被覆し、導電性を持たせてもよい。
また、支持体上に中間層を形成してもよい。この中間層は接着向上機能、アルミニウム管からの流れ込み電流を防止するバリヤー機能、アルミニウム管表面の欠陥被覆機能等をもつ。この中間層には、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、ナイロン樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂等の各種樹脂を用いることができる。これらの樹脂層は、単独の樹脂で構成してもよく、2種以上の樹脂を混合して構成してもよい。また、層中に金属化合物、カーボン、シリカ、樹脂粉末等を分散させることもできる。さらに、特性改善のために各種顔料、電子受容性物質や電子供与性物質等を含有させることもできる。
これらの中間層は感光層と同様に適当な溶媒、分散、塗工法を用いて形成することができる。中間層の膜厚は、0.1μm〜50μm、好ましくは0.5μm〜20μmが適当である。
本発明に用いることができる電荷発生剤としては、オキシチタニウムフタロシアニンが高感度特性を有することから望ましく、中でも図3に示すX線回折ピーク図のY型オキシチタニウムフタロシアニンが本発明の電荷移動剤との組み合わせにおいて相性がよい。
これらの電荷発生剤は単体で用いてもよいし、適切な光感度波長や増感作用を得るために2種類以上を混合して用いてもよい。電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm、好ましくは0.1〜2μmである。
次に、本発明の感光層に用いられる結着樹脂として、構造式(1)及び構造式(2)で表される繰り返し単位を含むポリカーボネート共重合体樹脂Aと、構造式(3)で表されるポリカーボネート樹脂Bの両方を含む。
Figure 0005326541
Figure 0005326541
Figure 0005326541
前記ポリカーボネート共重合体樹脂A:前記ポリカーボネート樹脂B(重量比)が、60:40から90:10の範囲にあることが適当であり、前記ポリカーボネート共重合体樹脂Aの比率が前記範囲より小さくなると異音が発生するようになり、大きくなると電子写真装置内で発生するオゾン及び窒素酸化物による感光体表面の劣化に伴う画像濃度低下が発生するようになる。
一方、本発明の電子写真感光体においては、感光層中に、上述したポリカーボネート共重合体樹脂Aにおいては、更にシロキサンを含むポリカーボネートを共重合化することができる。
具体的には、一般構造式(5)若しくは一般構造式(10)で表されるシロキサンを含むポリカーボネート樹脂が上げられる。
Figure 0005326541
構造式5中、R10、11は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリ−ル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリ−ルオキシ基のいずれかを表し、aは1〜200の整数であり、Xは、−O−、又は下記一般構造式(6)若しくは(7)(構造式中のR13は、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリ−ル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリ−ルオキシ基のいずれかを表し、b、b'は、各々独立に0〜6の整数、dは0〜4の整数である。)で示される基を表し、Xは、−O−、又は下記一般構造式(8)若しくは(9)(構造式中、R14は、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリ−ル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリ−ルオキシ基のいずれかを表す。)で示される基を表し、f、f'は、各々独立に0〜6の整数、lは0〜4の整数を表す。
Figure 0005326541
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構造式(10)中、R21〜R32は、各々独立に炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基のいずれかを表し、m〜pは、各々独立に2〜6の整数を表し、qは0〜200の整数を表す。
なお、感光層が電荷発生層と電荷移動層とからなる場合には、前記樹脂はどちらの層にも適用できる。
電荷発生層に用いる場合の結着樹脂の量は、電荷発生剤100重量部に対し、10〜500重量部、好ましくは25〜300重量部が適当である。
次に本発明の電子写真感光体には、電荷移動剤として一般構造式(4)で表される化合物が含有される。
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一般構造式(4)中、R〜Rは、各々独立に水素、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリ−ル基を表す。〕
上記電荷移動剤は、本発明のバインダー樹脂との相性がよく、耐環境性に強い電子写真感光体を提供できるものである。
一般構造式(4)に示す化合物において、特に構造式(4−a)〜(4−d)で表される化合物が本発明のバインダー樹脂との相性がよく好ましい。
以下、具体的化合物を示すがこれらに限定されるものではない。
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電荷移動剤に対する結着樹脂の比率は、1.25〜2.5(重量比)の範囲が好ましい。さらに好ましくは1.5から2.0(重量比)がよい。2.5(重量比)より多いと、残留電位が上昇するなど電気特性が悪化する。他方、1.25(重量比)より少ないと、耐摩耗性等の機械特性が低下する。
さらに、一般構造式(4)で表される化合物と他の電荷移動剤とを混合して用いることもできる。この場合、一般構造式(4)の化合物と他の化合物の含有比率は、一般構造式(4)の化合物:他の化合物=50:50〜95:5、好ましくは70:30〜95:5の範囲がよい。
他の電荷移動剤としては、ポリビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルインドロキノキサリン、ポリビニルベンゾチオフェン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、ポリビニルピラゾリン、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリイソチアナフテン、ポリアニリン、ポリジアセチレン、ポリヘプタジイエン、ポリピリジンジイル、ポリキノリン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェロセニレン、ポリペリナフチレン、ポリフタロシアニン等の導電性高分子化合物を用いることができる。
また、低分子化合物として、トリニトロフルオレノン、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、キノン、ジフェノキノン、ナフトキノン、アントラキノン及びこれらの誘導体、アントラセン、ピレン、フェナントレン等の多環芳香族化合物、インドール、カルバゾール、イミダゾール等の含窒素複素環化合物、フルオレノン、フルオレン、オキサジアゾール、オキサゾール、ピラゾリン、ヒドラゾン、トリフェニルメタン、トリフェニルアミン、エナミン、スチルベン等を使用することができる。
また、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸等の高分子化合物にLiイオン等の金属イオンをドープした高分子固体電解質等も用いることができる。さらに、テトラチアフルバレン−テトラシアノキノジメタンで代表される電子供与性化合物と電子受容性化合物で形成された有機電荷移動錯体等も用いることができ、これらを1種だけ添加して又は2種以上の化合物を混合して添加して、所望の感光体特性を得ることができる。
本発明の電子写真感光体製造のための溶剤としては、結着樹脂及び電荷移動剤の溶解性、製造された溶液の安定性、あるいは環境に対する負荷の面から、テトラヒドロフランが適当である。
本発明の電子写真感光体を製造するための塗布液には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、軟化剤、硬化剤、架橋剤等を添加して、感光体の特性、耐久性、機械特性の向上を図ることができる。特に、酸化防止剤と紫外線吸収剤との併用は感光体の耐久性向上に寄与し有用である。
その中でも該感光層にアミン系酸化防止剤が好ましく、例えば、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−エチル−2−メチル−p−フェニレンジアミン、N−エチル−N−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン、アルキル化ジフェニルアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジアリル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン、4,4′−ジオクチル−ジフェニルアミン、4,4′−ジオクチル−ジフェニルアミン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、N−フェニル−β−ナフチルアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等を挙げることができる。
フェノール系酸化防止剤は、2.6−ジ−tert−ブチルフェノール、2.6−ジ−tert−4−メトキシフェノール、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2.4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2.6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、ブチル化ヒドロキシアニソール、プロピオン酸ステアリル−β−(3.5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)、α−トコフェロール、β−トコフェロール、n−オクタデシル−3−(3’−5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のモノフェノール系、2.2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、4.4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4.4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1.1.3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1.3.5−トリメチル−2.4.6−トリス(3.5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン−3(3.5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等のポリフェノール系等が好ましく、これらを1種若しくは2種以上を同時に感光層中に含有することができる。
紫外線吸収剤は、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3.5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3.5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3.5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3.5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル、サリチル酸−p−tert−ブチルフェニル、サリチル酸−p−オクチルフェニル等のサリチル酸系が好ましく、特にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。以上の酸化防止剤を1種若しくは2種以上を同時に感光層に含有することができる。
本発明の電子写真感光体に添加されるフェノール系酸化防止剤の添加量は、結着樹脂に対して3〜20重量%、アミン系酸化防止剤の添加量は、結着樹脂に対して3〜20重量%の範囲であることが好ましい。一方、紫外線吸収剤の添加量は、結着樹脂に対して3〜30重量%とすることが好ましい。
加えて、感光層の上に、ポリビニルホルマール樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の有機薄膜や、シランカップリング剤の加水分解物で形成されるシロキサン構造体から成る薄膜を成膜して表面保護層を設けてもよく、その場合には、感光体の耐久性が向上するので好ましい。この表面保護層は、耐久性向上以外の他の機能を向上させるために設けてもよい。
保護層の膜厚は、0.1〜20μmが適当である。
本発明の電子写真感光体は、感光層表面のユニバーサル硬度が150〜175N/mmであり、弾性仕事率(弾性変形率)が30〜42%である。
ユニバーサル硬度が175N/mm以上では、該感光体を電子写真装置に装着、作動した時感光層表面とクリーニングブレードの接点で異音が発生する。150N/mm以下では画像濃度変動が大きくなる。同様に、弾性仕事率が42%以上でも異音が発生する。同様に、弾性仕事率が42%以上でも異音が発生し、30%以下では画像濃度変動が大きくなる。
本発明の電子写真感光体において、ユニバーサル硬度及び弾性仕事率の測定は、アルミニュームパイプ上に乾燥後の膜厚が24μmの該感光層の表面について行った。
本発明では、ユニバーサル硬度及び弾性仕事率は、フィッシャーインストルメンツH―100(フィッシャーインストルメンツ社製)、ビッカース圧子を用い、設定加重9.8mN、押し込み深さ1μm、測定環境として温度22℃、相対湿度55%の条件下で測定した。ユニバーサル硬度については圧子の最大荷重での変位を硬さの値として表し、弾性仕事率は負荷―除荷試験のグラフより計算して求めた。
クリーニング装置10における、クリーニングブレード11は、支持部材11bに板状のポリウレタン等の素材からなる弾性体ブレード11aを取り付けたもので、電子写真感光体の表面に加圧当接させる構成となっている。従って、トナーのクリーニング精度を上げるためには、電子写真感光体へのブレードの当接圧を上げる必要がある。
また、電子写真感光体へのブレードの当接形態としては、電子写真感光体の回転方向に対し順方向のものと、カウンター方向のものとがある。クリーニングの精度から見ると、後者のカウンター方向の当接形態がより好ましい。クリーニング精度を向上させるカウンター方向の当接法は、同時に電子写真感光体へのブレードの当接圧を上げ、両者の摩擦力の上昇を引き起こす。
その結果、電子写真感光体の削れ量の増加による耐久性低下、電子写真感光体の傷の発生、ブレードと感光体との接触部のめくれによるクリーニング不良の発生や感光体下流方向へのブレード巻き込みによる装置の停止や破損等の問題に至る恐れが生じる。
図4はクリーニング装置10の詳細説明図である。図4おいて、像担持体1表面に付着したトナーを清掃するために使用されるクリーニング装置10は、像担持体1に付着したトナーを掻き取り除去するために、トナー回収容器33と、このトナー回収容器33内にねじ固定などで支持され、像担持体1と同一方向に回転可能であり、クリーニングブレード11の接触により像担持体1表面より掻き取られたトナーをトナー回収容器33内で移送するスクリュ38とを有している。
クリーニングブレード11を像担持体へ圧接する手段として、ケースへの固定により支持する手段を示したが、圧接力を付勢するために固定でなくばね圧接などの外力を付加しても構わない。
クリーニングブレード11は、板状の弾性体ブレード11a及びこれを支持する支持部材11bから構成され、該支持部材11bに弾性体ブレード11aが長手方向に亘って接着される。
クリーニングブレード11は、弾性体ブレード11aとの接着面と反対側の面における弾性体ブレード11aの自由端側先端部が、矢印方向に回転する像担持体1表面に所定の接触角θで圧接、使用される。図4において符号Sは感光体ドラム1の接線を示している。
ここで接触圧は、像担持体と同じ径を有する円筒状の治具に圧力センサを取り付け、センサ部をクリーニングブレード先端に圧接し測定した。この時、弾性体ブレードの感光体への接触圧は30〜50N/mであることが望ましく、40〜45N/mであるとより好ましい。接触圧が30N/m以下ではブレードのトナー阻止力不足によるすり抜け、接触圧が50N/m以上では感光体の回転トルク上昇によるブレード捲くれ、ビビリ音の発生がある。
また接触角θについては感光体とクリーニングブレード(弾性体ブレード)の接触角θ部に速乾性の流動体エグザファイン((株)GC社製)を流し込み、型をとった後、断面形状の角度を測定しなす角とした。ここでなす角は13°〜17°であることが望ましく、14°〜16°であるとより好ましい。13°以下ではブレードが倒れすぎて(腹当たり)先端に浮きが生じてしまうためトナーを阻止できず、17°以上ではブレード先端が感光体の回転方向に連れ回り、ブレード捲くれ等を発生してしまう。
弾性体ブレード11aの硬度は70°〜80°であり、73°〜76°であることがより好ましい。硬度が70°以下であると軟らかすぎて感光体との接触摩擦によりブレードエッジが磨耗してしまい、トナーの阻止力が小さくなってしまう。
また76°以上のブレードでは逆に硬すぎて感光体表面を傷つけること、ブレードエッジの耐カケ性が悪化するためクリーニング不良などの不具合を起こしてしまう。
ここで弾性体ブレード11aの硬度はJIS K6253の硬さ試験で規定される。
弾性体ブレード11aの反発弾性は25℃で30〜65%であり35〜50%であることがより好ましい。反発弾性が30%以下であると、弾性体ブレード11aにより堰き止めたトナーを押し戻す力が不足するため、耐久が進むと前記の堰き止めたトナーがブレードを押し戻しトナーがすり抜けるようになってしまう。また逆に反発弾性が65%を超えるとブレード先端の挙動が大きくなり、特に高温時にブレードの鳴きが発生してしまう。
ここで弾性体ブレード11aの反発弾性は、JIS K6255の反発弾性試験により規定される。
弾性体ブレード11aは、上記物性を有すれば、その材料、形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。弾性体ブレード11aの形状としては、例えば、矩形板状のものが挙げられる。
前記材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、天然ゴム、ポリウレタン(詳しくは少なくともウレタン結合を有する有機化合物)材料で形成されるのが好ましい。該ポリウレタンは、よく知られているようにイソシアネート化合物とポリオール化合物との反応によって得られる。
前記イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4‐ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5‐ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、等が挙げられる。
前記ポリオール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオール、等が挙げられる。前記アクリルポリオールを構成する原料モノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n‐ブチル、アクリル酸2‐エチルヘキシル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n‐ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n‐ヘキシル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、メタクリル酸2‐ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸2‐ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリルアミド、N‐メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、グリシジルメタクリレート、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、等が挙げられる。
[トナー]
本発明における好ましいトナーについては、画質への影響を考慮する上で、体積平均粒径において3〜10μmが好ましく、クリーニング性を十分に効果発揮できる観点で、6〜10μmが更に好ましい。
また、転写紙上に形成されたトナー画像を定着する際に、紙と定着装置との分離性能を維持・向上させるため、トナー母材中に離型成分を含ませている。
本発明のフルカラー画像形成用トナーを構成するトナー粒子は、後で詳述する、炭化水素系ワックスが内添されている第1バインダー樹脂、第2バインダー樹脂、及び着色剤、荷電制御剤、外添剤を用いることが好ましい。
[バインダー樹脂]
第1バインダー樹脂および第2バインダー樹脂の種類は、特に制限されず、フルカラートナーの分野で公知のバインダー樹脂、例えば、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂、エポキシ系樹脂、COC(環状オレフィン樹脂(例えば、TOPAS−COC(Ticona社製)))等であってよいが、オイルレス定着の観点から、第1バインダー樹脂および第2バインダー樹脂はいずれもポリエステル系樹脂を使用することが好ましい。
本発明において好ましく使用されるポリエステル系樹脂としては、多価アルコール成分と多価カルボン酸成分を重縮合させることにより得られたポリエステル樹脂が使用可能である。
多価アルコール成分のうち2価アルコール成分としては、例えば、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
3価以上のアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
また、多価カルボン酸成分のうち2価のカルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクチルコハク酸、これらの酸の無水物あるいは低級アルキルエステルが挙げられる。
3価以上のカルボン酸成分としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸,1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−
メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸、これらの酸の無水物、低級アルキルエステル等が挙げられる。
また、本発明においてはポリエステル系樹脂として、ポリエステル樹脂の原料モノマーと、ビニル系樹脂の原料モノマーと、両方の樹脂の原料モノマーと反応するモノマーとの混合物を用い、同一容器中でポリエステル樹脂を得る縮重合反応およびビニル系樹脂を得るラジカル重合反応を並行して行わせて得られた樹脂(以下、単に「ビニル系ポリエステル樹脂」という)も好適に使用可能である。なお、両方の樹脂の原料モノマーと反応するモノマーとは、換言すれば縮重合反応およびラジカル重合反応の両反応に使用し得るモノマーである。即ち縮重合反応し得るカルボキシ基とラジカル重合反応し得るビニル基を有するモノマーであり、例えばフマル酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
ポリエステル樹脂の原料モノマーとしては、上述した多価アルコール成分および多価カルボン酸成分が挙げられる。またビニル系樹脂の原料モノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、
p−クロルスチレン等のスチレンまたはスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のエチレン系不飽和モノオレフィン類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸イソペンチル、メタクリル酸ネオペンチル、メタクリル酸3−(メチル)ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル等のメタクリル酸アルキルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸イソペンチル、アクリル酸ネオペンチル、アクリル酸3−(メチル)ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル等のアクリル酸アルキルエステル類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸;アクリロニトリル、マレイン酸エステル、イタコン酸エステル、塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ビニルメチルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルおよびビニルイソブチルエーテル等が挙げられる。
ビニル系樹脂の原料モノマーを重合させる際の重合開始剤としては、例えば、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、イソプロピルパーオキシカーボネート、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤等が挙げられる。
第1バインダー樹脂および第2バインダー樹脂としては上記のような各種ポリエステル系樹脂が好ましく使用されるが、中でも、オイルレス定着用トナーとしての分離性および耐オフセット性をさらに向上させる観点から、以下に示す第1バインダー樹脂および第2バインダー樹脂を使用することがより好ましい。
より好ましい第1バインダー樹脂は、上述した多価アルコール成分と多価カルボン酸成分を重縮合させて得られたポリエステル樹脂、特に多価アルコール成分としてビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を用い、多価カルボン酸成分としてテレフタル酸およびフマル酸を用いて得られたポリエステル樹脂である。
より好ましい第2バインダー樹脂はビニル系ポリエステル樹脂、特にポリエステル樹脂の原料モノマーとしてビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物、テレフタル酸、トリメリット酸およびコハク酸を用い、ビニル系樹脂の原料モノマーとしてスチレンおよびブチルアクリレートを用い、両反応性モノマーとしてフマル酸を用いて得られたビニル系ポリエステル樹脂である。
本発明においては上述したように第1バインダー樹脂の合成時に炭化水素系ワックスが内添される。第1バインダー樹脂に炭化水素系ワックスを予め内添するには、第1バインダー樹脂を合成する際に、第1バインダー樹脂を合成するためのモノマー中に炭化水素系ワックスを添加した状態で第1バインダー樹脂の合成を行えば良い。
例えば、第1バインダー樹脂としてのポリエステル系樹脂を構成する酸モノマーおよびアルコールモノマーに炭化水素系ワックスを添加した状態で縮重合反応を行えば良い。第1バインダー樹脂がビニル系ポリエステル樹脂の場合には、ポリエステル樹脂の原料モノマーに炭化水素系ワックスを添加した状態で、当該モノマーを撹拌および加熱しながら、これにビニル系樹脂の原料モノマーを滴下して重縮合反応およびラジカル重合反応を行えばよい。
[ワックス]
一般に、ワックスの極性が低いほうが定着部材ローラとの離型性に優れている。本発明に用いられるワックスは、極性の低い炭化水素系ワックスである。
炭化水素系ワックスとは、炭素原子と水素原子のみからなるワックスであり、エステル基、アルコール基、アミド基などを含まない。具体的な炭化水素系ワックスとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピレンの共重合体、などのポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油ワックス、フィッシャートロプシュワックス、などの合成ワックスなどが挙げられる。このうち、本発明において好ましいものは、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスであり、さらに好ましくはポリエチレンワックス、パラフィンワックスである。
[ワックス分散剤]
本発明のトナーには、ワックスの分散を助けるワックス分散剤を含有させても良い。
ワックス分散剤としては特に限定はなく、公知のものを使用することができ、ワックスとの相溶性の高いユニットと樹脂との相溶性の高いユニットがブロック体として存在するポリマーやオリゴマー、ワックスとの相溶性の高いユニットと樹脂との相溶性の高いユニットのうち一方に他方がグラフトしているポリマーもしくはオリゴマー、エチレン・プロピレン・ブテン・スチレン・α−スチレンなどの不飽和炭化水素と、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸などのα,β−不飽和カルボン酸やそのエステルもしくはその無水物との共重合体、ビニル系樹脂とポリエステルとのブロック、もしくはグラフト体などが挙げられる。
上記のワックスとの相溶性の高いユニットとしては、炭素数が12以上の長鎖アルキル基や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエンとそれらの共重合体があり、樹脂との相溶性の高いユニットとしては、ポリエステル、ビニル系樹脂などが挙げられる。
[荷電制御剤]
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、通常、バインダー樹脂100重量部に対して、0.1乃至10重量部の範囲で用いられる。
好ましくは、0.2乃至5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招くことがある。
[着色剤]
本発明のトナーに用いる着色剤は、公知のものを用いることができる。 例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。
本発明において、着色剤の含有量はトナーに対して通常1乃至15重量%、好ましくは3乃至10重量%である。
[着色剤のマスターバッチ化]
本発明で用いる着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、先にあげたポリエステル、ビニル系の樹脂のほかに、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
[外添剤]
本発明では、トナー粒子の流動性や帯電性/現像性/転写性を補助するための外添剤として好ましくは1種以上の無機微粒子が用いられる。 無機微粒子のBET法による比表面積としては、30m/g〜300m/gであることが好ましく、1次粒子径として10nm〜50nmが好ましい。1次粒子径が大きすぎるとトナー母体への固定化が難しくなり、外添剤の離脱による画像への悪影響が顕著になるため50nm以下が望ましい。また、10nm以下だと母体への埋没が激しいため耐久性が十分でなくなる。
無機微粒子の具体例としては、例えば、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、酸化チタン、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。本発明における外添剤総量としては、トナー母体に対して1.0〜4.0重量部である事が好ましい。
外添剤総量が上記の範囲より多い場合、カブリ、現像性、定着分離性が悪化する。外添剤総量が上記の範囲より少ない場合、流動性、転写性、耐熱保管性が悪化する。
本発明の実施例について説明する。
[トナーの作成]
ポリエステル樹脂A(軟化点131℃、AV値 25)・・68部
ポリエステル樹脂B(軟化点116℃、AV値 1.9)・・32部
シアンのマスターバッチ(Pigment Blue 15:3を50部含有)・・8部
カルナウバワックス・・8部
上記トナー材料をヘンシェルミキサーで十分混合した後、二軸押出し混練機(PCM−30:池貝鉄工社製)の排出部を取り外したものを使用して、溶融混練し、得られた混合物を冷却プレスローラで厚さ2mmに圧延し、冷却ベルトで冷却した後、フェザーミルで粗粉砕した。その後、機械式粉砕機(KTM:川崎重工業社製)で平均粒径10〜12μmまで粉砕し、さらに、ジェット粉砕機(IDS:日本ニューマチック工業社製)で粗粉分級しながら粉砕した後、微粉分級をロータ型分級機(ティープレックス型分級機タイプ100ATP:ホソカワミクロン社製)を使用して分級を行い、体積平均粒径7.9μm、平均円形度0.910のトナー母体Aを得た。
このトナー母体A100部に対して、シリカ(RX200)1部を添加し、ヘンシェルミキサーで周速40m/sec、5分間混合処理して、トナーを作成した。
本実施例で説明したクリーニング装置と以下説明する感光体にて高温環境下(32℃/54%Rh)にて5000枚の耐刷試験を行い、クリーニング性と異音の発生状況の確認を行った。その結果を表1に示す。
評価機はRICOH製CX3000を改造したもので感光体、クリーニングブレード、トナーは標準品と交換し実験を行った。帯電条件は帯電ロールを用いた接触帯電方式により感光体表面電位を−500Vに均一に帯電できるように電圧を印加し、現像条件は接触ロールを用いた現像方式、中間転写ベルトを有する、画像形成装置を使用している。システム速度は120mm/sec、異音確認時には、半速モード(60mm/sec)での確認も行っている。
Figure 0005326541
<クリーニング性>5000枚ランニング後のクリーニング性について、以下の基準により評価した。
◎:良好
○:クリーニング不良はあるが画質影響無し
△:軽微な画像不良
×:極めて不良
<異音>5000枚ランニング後の異音発生について、以下の基準により評価した。
◎:良好
○:軽微な異音
△:不快な音
×:極めて大きな異音
<画像濃度>以下の基準により評価した。
○:良好
×:濃度不良
[実施例1]
直径30mm、厚み1.0mmの無切削アルミニウムからなる円筒ドラム上に、アルキド樹脂(ベッコライトM-6401-50大日本インキ化学工業社製)とアミノ樹脂(スーパーベッカミンG-821-60大日本インキ化学工業社製)を65:35の割合で混合し、さらに前記混合樹脂と酸化チタン(CR-EL石原産業社製)を1:3の割合とし、メチルエチルケトンに溶解して塗布液として、1.5μmの膜厚で形成した。
次に、図5のX線回折角Cukα(2θ±0.2度)27.2度に最大ピークを有するY型−オキシチタニウムフタロシアニン粉末10gをガラスビ−ズと1,3ジオキソラン500mlにポリビニルブチラール樹脂(BX-1積水化学工業社製)10gを溶解した液を加え、サンドミル分散機で20時間分散し、得られた分散液をろ過してガラスビ−ズを取り去り、電荷発生層用塗布液を作成した。
これを前記下引層上に浸漬塗工し乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。次に結着樹脂としては、構造式(1)、構造式(2)を90:10のモル比で、粘度平均分子量(Mv:40,000)のポリカーボネート共重合体樹脂と、構造式(3)で表される粘度平均分子量(Mv:50,000)のポリカーボネート樹脂より成り、重量比90:10である。
電荷移動剤としては、構造式(4−a)で表される化合物とする。結着樹脂と電荷移動剤の重量比は100:60である。前記結着樹脂と電荷移動剤をテトラヒドロフランに溶解し、電荷移動層用塗工液を調製した。電荷発生層を形成した基体を該電荷移動層用塗工液に浸漬塗工し、130℃で60分乾燥し膜厚24.0μmの電荷移動層を形成し、電子写真感光体を作製した。
クリーニングブレードの弾性体ブレードはウレタンゴム系のブレードを常法により硬度75°、反発弾性40%に調整し、作製した。以上より準備したトナー、感光体、クリーニングブレードを使用し、クリーニングブレードの取り付けを線圧45N/m、接触角が15°になるように設定した。
[実施例2]
実施例1で用いたポリカーボネート共重合体樹脂と、ポリカーボネート樹脂式との重量比を60:40とした以外は、他は実施例1と同様にして実験を行った。
[実施例3]
実施例1でクリーニング条件を線圧40N/m、クリーニングブレード(弾性体ブレード)の接触角を16°とした以外は、実施例1と同様にして実験を行った。
「実施例4」
実施例1で用いたポリカーボネート共重合体の構造式(1)、式(2)モル比を80:20に代えた以外は、他は実施例1と同様にして実験を行った。
[実施例5]
実施例1で用いた電荷移動剤に代えて、構造式(4−b)で表される電荷移動剤に代えた以外は、他は実施例1と同様にして実験を行った。
[実施例6]
実施例1で用いた電荷移動剤に代えて、構造式(4−c)で表される電荷移動剤に代えた以外は、他は実施例1と同様にして実験を行った。
[実施例7]
実施例1で用いた電荷移動剤に代えて、構造式(4−d)で表される電荷移動剤に代えた以外は、他は実施例1と同様にして実験を行った。
[実施例8]
実施例1でクリーニングブレード(弾性体ブレード)の硬度を72°、線圧を35N/mとした以外は、実施例1と同様にして実験を行った。
[実施例9]
実施例1でクリーニングブレード(弾性体ブレード)の反発弾性を35%とした以外は、実施例1と同様にして実験を行った。
[実施例10]
実施例1において画像形成装置に取り付けた温度センサにより、指示値が35℃に達した場合、定着温度ヒータを切り、その後は、画像形成を行わず空運転を実施する制御を付与し、画像形成装置内の温度が35℃以上に上がらないようにした以外は、実施例1と同様に実験を行った。
[比較例1]
実施例1で用いられたポリカーボネート共重合体樹脂の構造式(1)に代えて、構造式(11)を用いた他は実施例1と同様にして実験を行った。
Figure 0005326541
[比較例2]
実施例1で用いたポリカーボネート共重合体樹脂と、ポリカーボネート樹脂式との重量比を50:50とした以外は、他は実施例1と同様にして実験を行った。
[比較例3]
実施例1で用いたポリカーボネート共重合体樹脂と、ポリカーボネート樹脂式との重量比を100:0とした以外は、他は実施例1と同様にして実験を行った。
[比較例4]
実施例1でクリーニング条件を線圧55N/m、クリーニングブレード(弾性体ブレード)の接触角を11°とした以外は、実施例1と同様にして実験を行った。
[比較例5]
実施例1でクリーニング条件を線圧25N/m、クリーニングブレード(弾性体ブレード)の接触角を18°とした以外は、実施例1と同様にして実験を行った。
[比較例6]
実施例1でクリーニングブレード(弾性体ブレード)の硬度を65°、反発弾性を70%とした以外は、実施例1と同様にして実験を行った。
[比較例7]
実施例1でクリーニングブレード(弾性体ブレード)の硬度を65°、反発弾性を20%とした以外は、実施例1と同様にして実験を行った。
本発明の一実施形態に係るタンデム型画像形成装置の概要構成を示す図である。 プロセスカートリッジの概要構成図である。 感光体ドラムの感光層の断面図である。 クリーニング装置の詳細図である。 Y型−オキシチタニウムフタロシアニンのX線回折角特性を示す図である。 画像形成装置内の温度制御に係る制御ブロック図である。
符号の説明
1 像担持体としての感光体ドラム
2 帯電手段としての帯電装置
4 現像手段としての現像装置
中間転写装置を構成する
5 現像剤
6 被転写体としての中間転写ベルト
7 転写手段としての1次転写ローラ
15 プロセスカートリッジ
16 制御手段
17 温度検知手段としての温度センサ

Claims (13)

  1. 像担持体上を一様に帯電させる帯電手段と、一様に帯電した前記像担持体の表面を露光し静電潜像を形成する露光手段と、形成された静電潜像を現像剤にて前記像担持体上に可視画像を形成する現像手段と、前記像担持体上の画像を被転写体へ転写する転写手段と、転写後に前記像担持体上に残留する現像剤を主に弾性体のブレードにて除去するクリーニング手段とを有する画像形成装置を用いた画像形成方法において、
    現像剤として、非磁性一成分トナーでワックスを内添したものを使用し、
    前記像担持体表面のユニバーサル硬度が150〜175N/mかつ弾性変形率が30〜42%であり、前記弾性体ブレードと前記像担持体との接触圧力が30〜50N/m、前記弾性体ブレードの前記像担持体との接点において前記像担持体の接線とのなす角が13〜17°であることを特徴とする画像形成方法。
  2. 請求項1記載の画像形成方法において、
    前記像担持体である電子写真感光体は、感光層中に結着樹脂として少なくとも構造式(1)及び構造式(2)で表される繰り返し単位を含むポリカーボネート共重合体樹脂Aと、構造式(3)で表されるポリカーボネート樹脂Bとを含み、ポリカーボネート共重合体樹脂Aとポリカーボネート樹脂Bとの重量比が、60:40から90:10の範囲であることを特徴とする画像形成方法。
    Figure 0005326541
    Figure 0005326541
    Figure 0005326541
  3. 請求項2記載の画像形成方法において、
    前記感光層中の電荷発生剤がY型オキシチタニウムフタロシアニンであることを特徴とする画像形成方法。
  4. 請求項2又は3記載の画像形成方法において、
    前記感光層中の電荷移動剤が一般の構造式(4)で表されるジスチリル系電荷移動剤であることを特徴とする画像形成方法。
    Figure 0005326541
    (式中、R〜Rは、各々独立に水素、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基を表す。)
  5. 請求項2〜4のいずれかに記載の画像形成方法において、
    前記感光層は、添加剤としてフェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤及びベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含むことを特徴とする画像形成方法。
  6. 請求項2〜5のいずれかに記載の画像形成方法において、
    前記感光層の成分を溶解し、該感光層を形成するための溶剤としてテトラヒドロフランを用いることを特徴とする画像形成方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成方法において、
    前記弾性体ブレードのJIS−Aに規格される硬度は70〜80°であること特徴とする画像形成方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成方法において、
    前記弾性体ブレードの反発弾性は30〜65%であること特徴とする画像形成方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の画像形成方法において、
    前記像担持体の厚みは0.6〜1.5mmであることを特徴とする画像形成方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の画像形成方法を実施可能な画像形成装置。
  11. 請求項10記載の画像形成装置において、
    温度検知手段と、該温度検知手段の検知情報に基づいて装置内の温度を一定の温度以上に上がらないように制御する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項11記載の画像形成装置において、
    前記制御手段は、一定の温度にてプロセス速度を小さくすることを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項1〜9のいずれかに記載の画像形成方法における前記像担持体、前記現像剤、及び前記クリーニング手段を一体に備えたプロセスカートリッジ。
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