JP6323755B2 - ブレード部材、画像形成装置およびプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
このクリーニング装置のクリーニング部材として、一般的に構成を簡単にでき、クリーニング性能も優れていることから、短冊形状のブレード部材たるクリーニングブレードを用いたものがよく知られている。このクリーニングブレードは、ポリウレタンゴムなどの弾性部材で構成されている。そして、クリーニングブレードの基端を支持部材で支持して先端稜線部を像担持体の表面に押し当て、像担持体上に残留するトナーをせき止めて掻き落とし除去する。
図1は、本実施形態のクリーニングブレードの斜視図である。
本実施形態のブレード部材たるクリーニングブレード62は、短冊形状の弾性部材622と、この弾性部材622を支持する支持部材621とを有している。弾性部材622の先端稜線部62cには硬化化合物が含浸され含浸層62dが形成されている。弾性部材622の先端稜線部62cが被当接部材表面に長手方向に沿って当接するように配置され、被当接部材上の不要な付着物を除去する。
前記被当接部材としては、その材質、形状、構造、大きさ等について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記被当接部材の形状としては、例えば、ドラム状、ベルト状、平板状、シート状、などが挙げられる。前記被当接部材の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常用いられる程度の大きさが好ましい。
前記被当接部材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、金属、プラスチック、セラミック、などが挙げられる。
前記被当接部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記クリーニングブレードを画像形成装置に適用した場合には、例えば、像担持体、などが挙げられる。
前記不要な付着物としては、被当接部材表面に付着しており、前記クリーニングブレードの除去対象となるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、トナー、潤滑剤、無機微粒子、有機微粒子、ゴミ、埃又はこれらの混合物、などが挙げられる。
前記支持部材としては、その形状、大きさ、及び材質等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記支持部材の形状としては、例えば、平板状、短冊状、シート状、などが挙げられる。前記支持部材の大きさとしては、特に制限はなく、前記被当接部材の大きさに応じて適宜選択することができる。
前記支持部材の材質としては、例えば、金属、プラスチック、セラミック、などが挙げられる。これらの中でも、強度の点から金属板が好ましく、ステンレススチール等の鋼板、アルミニウム板、リン青銅板が特に好ましい。
前記弾性部材622としては、その形状、材質、大きさ、構造などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記弾性部材622の形状としては、例えば、平板状、短冊状、シート状、などが挙げられる。前記弾性部材622の大きさとしては、特に制限はなく、前記被当接部材の大きさに応じて適宜選択することができる。
前記弾性部材622の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高弾性が得られやすい点から、ポリウレタンゴム、ポリウレタンエラストマー、などが好適である。
前記高分子量ポリオールとしては、例えば、アルキレングリコールと脂肪族二塩基酸との縮合体であるポリエステルポリオール;エチレンアジペートエステルポリオール、ブチレンアジペートエステルポリオール、ヘキシレンアジペートエステルポリオール、エチレンプロピレンアジペートエステルポリオール、エチレンブチレンアジペートエステルポリオール、エチレンネオペンチレンアジペートエステルポリオール等のアルキレングリコールとアジピン酸とのポリエステルポリオール等のポリエステル系ポリオール;カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトンエステルポリオール等のポリカプロラクトン系ポリオール;ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール等のポリエーテル系ポリオール、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記硬化触媒の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜0.5質量%が好ましく、0.05質量%〜0.3質量%がより好ましい。
前記弾性部材622の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0mm〜3.0mmが好ましい。
前記「当接部が、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する紫外線硬化性組成物の硬化物が含浸」とは、前記先端稜線部62cの表面だけでなく内部に含まれている。また、前記弾性部材622の先端稜線部62c以外の部位にも紫外線硬化性組成物の硬化化合物が含浸されていてもよい。
前記紫外線硬化性組成物は、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物は、分子内に嵩高い特殊な脂環構造を有しており、官能基数が少なく、かつ分子量が小さい(メタ)アクリレート化合物である。よって、弾性部材622の先端稜線部62cに含浸されやすく、前記先端稜線部62cの硬度を効率よく向上させることができる。
前記トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、商品名:A−DCP(新中村化学工業株式会社製)、などが挙げられる。
前記アダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、商品名:X−DA(出光興産株式会社製)、商品名:X−A−201(出光興産株式会社製)、商品名:ADTM(三菱ガス化学株式会社製)、などが挙げられる。
前記分子量が100〜1,500の(メタ)アクリレート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクレリート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,11−ウンデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,18−オクタデカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、PEG600ジ(メタ)アクリレート、PEG400ジ(メタ)アクリレート、PEG200ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール・ヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート、オクチル/デシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、官能基数が3〜6のペンタエリスリトールトリアクリレート構造を有する化合物が好ましい。
前記紫外線硬化性組成物に含まれる、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物以外のその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光重合開始剤、重合禁止剤、希釈剤、などが挙げられる。
前記光重合開始剤としては、光のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、重合を開始させるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤、などが挙げられる。これらの中でも、光ラジカル重合開始剤が特に好ましい。
前記重合禁止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、p−メトキシフェノール、クレゾール、t−ブチルカテコール、ジ−t−ブチルパラクレゾール、ヒドロキノンモノメチルエーテル、α−ナフトール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール化合物;p−ベンゾキノン、アントラキノン、ナフトキノン、フェナンスラキノン、p−キシロキノン、p−トルキノン、2,6−ジクロロキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジアセトキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジカプロキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジアシロキシ−p−ベンゾキノン、ヒドロキノン、2,5−ジ−ブチルヒドロキノン、モノ−t−ブチルヒドロキノン、モノメチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン等のキノン化合物;フェニル−β−ナフチルアミン、p−ベンジルアミノフェノール、ジ−β−ナフチルパラフェニレンジアミン、ジベンジルヒドロキシルアミン、フェニルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等のアミン化合物;ジニトロベンゼン、トリニトロトルエン、ピクリン酸等のニトロ化合物;キノンジオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム化合物;フェノチアジン等の硫黄化合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記希釈剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等のケトン系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒;エタノール、プロパノール、1−ブタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール系溶媒、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
弾性仕事率が50%未満だと、低温環境下で磨耗速度が著しく上昇し、低温環境下での使用で早期にクリーニング不良が発生するおそれがある。また、弾性仕事率が80%を超えると、先端稜線部62cと被当接部材との摩擦力により、先端稜線部62cが被当接部材の表面移動方向に弾性変形して、先端稜線部62cが捲れてしまうおそれがある。
画像形成装置は、像担持体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段と、クリーニング手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。なお、前記帯電手段と前記露光手段を合わせて静電潜像形成手段と称することもある。
前記像担持体(以下、「電子写真感光体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。前記像担持体の形状としては、例えば、ドラム状、ベルト状、などが挙げられる。前記像担持体の材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、などが挙げられる。
前記帯電工程は、前記像担持体の表面を帯電させる工程であり、帯電手段により実施される。
前記帯電は、例えば、前記帯電手段を用いて前記像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記帯電手段の形状としては、例えば、ローラ、磁気ブラシ、ファーブラシ等のどのような形態をとってもよく、電子写真方式の画像形成装置の仕様及び形態にあわせて選択可能である。磁気ブラシを用いる場合、磁気ブラシは、例えば、Zn−Cuフェライト等、各種フェライト粒子を帯電手段として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。また、ファーブラシを用いる場合、例えば、ファーブラシの材質としては、カーボン、硫化銅、金属又は金属酸化物により導電処理されたファーを用い、これを金属又は他の導電処理された芯金に巻き付けたり、張り付けたりすることで帯電器とする。
前記帯電器は、前記のような接触式の帯電器に限定されるものではないが、帯電器から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られる利点がある。
前記帯電器が像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって像担持体表面を帯電するものが好ましい。
また、帯電器が、像担持体にギャップテープを有し非接触に近接配置された帯電ローラであり、帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって像担持体表面を帯電するものも好ましい。
前記露光工程は、帯電された像担持体表面を露光する工程であり、前記露光手段により行われる。
前記露光は、例えば、前記露光手段を用いて前記像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光における光学系は、アナログ光学系とデジタル光学系とに大別される。前記アナログ光学系は、原稿を光学系により直接像担持体上に投影する光学系であり、前記デジタル光学系は、画像情報が電気信号として与えられ、これを光信号に変換して電子写真感光体を露光し作像する光学系である。
前記露光手段としては、前記帯電手段により帯電された前記像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、前記像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、前記トナーを用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナーを用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナーを用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、前記トナーを収容し、前記静電潜像に該トナーを接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記トナーは、トナー母体粒子と、外添剤とを含み、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記トナーは、モノクロトナー及びカラートナーのいずれであってもよい。
前記トナー母体粒子は、少なくとも結着樹脂、及び着色剤を含み、必要に応じて、離型剤、帯電制御剤等のその他の成分を含んでなる。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリスチレン樹脂、ポリビニルトルエン樹脂等のスチレン又はその置換体の単重合体、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族炭化水素、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂と比較して、トナーの保存時の安定性を確保しながら、溶融粘度を低下させることができる点でポリエステル樹脂が特に好ましい。
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができる。例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ワックス類、などが挙げられる。
前記ワックス類としては、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトン、などが挙げられる。前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、などが挙げられる。前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート、などが挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミド、などが挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミド、などが挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトン、などが挙げられる。これらのカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワッックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、などが挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワッックス、サゾールワックス、などが挙げられる。
前記離型剤の前記トナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%〜15質量%が好ましい。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられる。
前記外添剤としては、少なくともシリカ粒子を含有する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、例えば、シリカ、酸化チタン、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素等の無機粒子;ソープフリー乳化重合法により得られる平均粒径が0.05μm〜1μmのポリメタクリル酸メチル粒子、ポリスチレン粒子等の樹脂粒子などを含んでいてもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、表面が疎水化処理されているシリカが特に好ましい。
前記表面処理の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、などが挙げられる。 前記シリコーン処理シリカとしては、市販品を用いることができる。前記市販品としては、例えば、RY200、R2T200S、NY50、RY50(以上、日本エアロジル社製)、などが挙げられる。
前記トナーにおけるその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸などが挙げられる。
前記クリーニング性向上剤は、像担持体や中間転写体に残存する転写後のトナーを除去するために前記トナーに添加される。例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩;ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。前記ポリマー微粒子としては、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01μm〜1μmのものが好適である。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、などが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、従来公知のトナーの製造方法の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、混練・粉砕法、重合法、溶解懸濁法、噴霧造粒法、などが挙げられる。これらの中でも、画質向上のために、高円形化、小粒径化がし易い懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等の重合法が好ましい。
前記混練・粉砕法は、例えば、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー材料を溶融混練し、得られた混練物を粉砕し、分級することにより、前記トナーの母体粒子を製造する方法である。
前記溶融混練では、前記トナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。前記溶融混練機としては、例えば、一軸又は二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所製KTK型二軸押出機、東芝機械株式会社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、池貝鉄工所製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、結着樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナー母体粒子を製造することができる。
前記重合法によるトナーの製造方法としては、例えば、有機溶媒中に少なくともウレア又はウレタン結合し得る変性されたポリエステル系樹脂と着色剤を含むトナー材料を溶解乃至分散させる。そして、この溶解乃至分散物を水系媒体中に分散し、重付加反応させ、この分散液の溶媒を除去し、洗浄して得られる。
前記多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、5/1〜1/1が好ましく、4/1〜1.2/1がより好ましく、2.5/1〜1.5/1が更に好ましい。
前記2価アミン化合物(B1)としては、例えば、芳香族ジアミン(例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン等);脂環式ジアミン(例えば、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等);脂肪族ジアミン(例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)、などが挙げられる。
前記3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、などが挙げられる。
前記アミノアルコール(B3)としては、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン、などが挙げられる。
前記アミノメルカプタン(B4)としては、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、などが挙げられる。
前記アミノ酸(B5)としては、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸、などが挙げられる。
前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)の中でも、B1及びB1と少量のB2の混合物が特に好ましい。
これらの中でも、分散体(油滴)の粒径を2μm〜20μmに制御することができる点で、高速せん断式分散機が好ましい。
前記高速せん断式分散機を用いた場合、回転数、分散時間、分散温度等の条件は、目的に応じて適宜選択することができる。
前記回転数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000rpm〜30,000rpmが好ましく、5,000rpm〜20,000rpmがより好ましい。
前記分散時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、バッチ方式の場合、0.1分間〜5分間が好ましい。
前記分散温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、加圧下において、0℃〜150℃が好ましく、40℃〜98℃がより好ましい。なお、一般に、前記分散温度が高温である方が分散は容易である。
前記有機溶媒が除去されると、トナー母体粒子が形成される。トナー母体粒子に対しては、洗浄、乾燥等を行うことができ、更に分級等を行うことができる。前記分級は、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離などにより、微粒子部分を取り除くことにより行ってもよいし、乾燥後に分級操作を行ってもよい。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、高速で回転する羽根を用いて混合物に衝撃力を印加する方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させて粒子同士又は粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などが挙げられる。
前記方法に用いる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、オングミル(ホソカワミクロン株式会社製)、I式ミル(日本ニューマチック株式会社製)を改造して粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業株式会社製)、自動乳鉢などが挙げられる。
前記トナーの平均円形度は、例えば、シスメックス株式会社製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定することができる。具体的には、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150[ml]中に、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜0.5[ml]加え、更に測定試料(トナー)を0.1〜0.5[g]程度加える。その後、このトナーが分散した懸濁液を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理し、分散液濃度が3000〜1[万個/μl]となるようにしたものを上述の分析装置にセットして、トナーの形状及び分布を測定する。そして、この測定結果に基づき、図3(a)に示す実際のトナー投影形状の外周長をC1、その投影面積をSとし、この投影面積Sと同じ図3(b)に示す真円の外周長をC2としたときのC2/C1を求め、その平均値を円形度とした。
前記体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.00〜1.40が好ましい。前記比(Dv/Dn)が、1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
前記磁性キャリアとしては、粒子径20μm〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなどが挙げられる。
前記被覆樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニル及びポリビニリデン系樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂、などが挙げられる。
更に必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。前記導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛などが挙げられる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。前記平均粒子径が、1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
なお、前記トナーはキャリアを使用しない一成分系の磁性トナー、或いは非磁性トナーとしても用いることができる。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、中間転写体上に可視像を一次転写した後、可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましい。前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写手段を用いて前記像担持体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト、などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
前記定着工程は、記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程であり、定着手段を用いて、定着させることができる。なお、2色以上のトナーを用いる場合は、各色のトナーが記録媒体に転写される毎に定着させてもよいし、全色のトナーが記録媒体に転写されて積層された状態で定着させてもよい。定着手段としては、特に限定されず、公知の加熱加圧手段を用いた熱定着方式を採用することができる。加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラを組合せたもの、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトを組合せたもの等が挙げられる。このとき、加熱温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80℃〜200℃が好ましい。なお、必要に応じて、定着手段と共に、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記クリーニング工程は、前記像担持体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、前記クリーニングブレードが用いられる。
前記クリーニングブレードは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記像担持体表面に対して、10N/m〜100N/m、より好ましくは、10N/m〜50N/mの押圧力で当接することが好ましい。前記押圧力が、10N/m未満であると、クリーニングブレードと像担持体表面との当接箇所をトナーがすり抜けやすくなり、クリーニング不良が発生し易くなる。一方、100N/mを超えると、当接箇所の摩擦力の増加によりクリーニングブレードの先端稜線部62cが捲れ上がることがある。
前記押圧力は、例えば、共和電業社製 小型圧縮型ロードセルを組み込んだ測定装置を用いて測定することができる。
前記なす角度θが、65°未満であると、クリーニングブレードの捲れ上りが発生することがあり、85°を超えると、クリーニング不良が発生することがある。
前記画像形成装置におけるその他の手段としては、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段、などが挙げられる。
前記画像形成方法におけるその他の工程としては、例えば、除電工程、リサイクル工程、制御工程、などが挙げられる。
前記除電工程は、前記像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
図4は、プリンタ500を示す概略構成図である。プリンタ500は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記す)用の四つの作像ユニット1Y,C,M,Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY,C,M,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。
また、四つの作像ユニット1の下方に露光手段たる光書込ユニット40が配設されている。光書込ユニット40は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを、各作像ユニット1Y,C,M,Kの感光体3Y,C,M,Kに照射する。これにより、感光体3Y,C,M,K上にY,C,M,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット40は、光源から発したレーザ光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー41によって偏向せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体3Y,C,M,Kに照射するものである。かかる構成のものに代えて、LDEアレイによる光走査を行うものを採用することもできる。
図5に示すように、作像ユニット1は、像担持体としてのドラム状の感光体3を備えている。感光体3はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
感光体3の周囲には、帯電ローラ4、現像装置5、一次転写ローラ7、クリーニング手段たるクリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10及び不図示の除電ランプ等が配置されている。帯電ローラ4は、帯電手段としての帯電装置が備える帯電部材であり、現像装置5は、感光体3の表面上に形成された潜像をトナー像化する現像手段である。一次転写ローラ7は、感光体3の表面上のトナー像を中間転写ベルト14に転写する一次転写手段としての一次転写装置が備える一次転写部材である。クリーニング装置6は、トナー像を中間転写ベルト14に転写した後の感光体3上に残留するトナーをクリーニングするクリーニング手段である。潤滑剤塗布装置10は、クリーニング装置6がクリーニングした後の感光体3の表面上に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段である。不図示の除電ランプは、クリーニング後の感光体3の表面電位を除電する除電手段である。
現像装置5は、現像剤担持体としての現像ローラ51を有している。この現像ローラ51には、図示しない電源から現像バイアスが印加されるようになっている。現像装置5のケーシング内には、ケーシング内に収容された現像剤を互いに逆方向に搬送しながら攪拌する供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53が設けられている。また、現像ローラ51に担持された現像剤を規制するためのドクタ54も設けられている。供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53の二本スクリュによって撹拌・搬送された現像剤中のトナーは、所定の極性に帯電される。そして、現像剤は、現像ローラ51の表面上に汲み上げられ、汲み上げられた現像剤は、ドクタ54により規制され、感光体3と対向する現像領域でトナーが感光体3上の潜像に付着する。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザは照射エネルギーが高く、また600〜800[nm]の長波長光を有するため、良好に使用される。
図示しない操作部などからプリント実行の信号を受信したら、帯電ローラ4及び現像ローラ51にそれぞれ所定の電圧または電流が順次所定のタイミングで印加される。同様に、光書込ユニット40及び除電ランプなどの光源にもそれぞれ所定の電圧または電流が順次所定のタイミングで印加される。また、これと同期して、駆動手段としての感光体駆動モータ(不図示)により感光体3が図中矢印方向に回転駆動される。
静電潜像の形成された感光体3の表面は、現像装置5との対向部で現像ローラ51上に形成された現像剤の磁気ブラシによって摺擦される。このとき、現像ローラ51上の負帯電トナーは、現像ローラ51に印加された所定の現像バイアスによって、静電潜像側に移動し、トナー像化(現像)される。各作像ユニット1において、同様の作像プロセスが実行され、各作像ユニット1Y,C,M,Kの各感光体3Y,C,M,Kの表面上に各色のトナー像が形成される。
このように、プリンタ500では、感光体3上に形成された静電潜像は、現像装置5によって、負極性に帯電されたトナーにより反転現像される。本実施形態では、N/P(ネガポジ:電位が低い所にトナーが付着する)の非接触帯電ローラ方式を用いた例について説明したが、これに限るものではない。
中間転写ベルト14上に形成された四色トナー像は、第一給紙カセット151または第二給紙カセット152から給紙され、レジストローラ対55のローラ間を経て、二次転写ニップに給紙される転写紙Pに転写される。このとき、転写紙Pはレジストローラ対55に挟まれた状態で一旦停止し、中間転写ベルト14上の画像先端と同期を取って二次転写ニップに供給される。トナー像が転写された転写紙Pは中間転写ベルト14から分離され、定着ユニット80へ搬送される。そして、トナー像が転写された転写紙Pが定着ユニット80を通過することにより、熱と圧力の作用でトナー像が転写紙P上に定着されて、トナー像が定着された転写紙Pはプリンタ500装置外に排出され、スタック部88にスタックされる。
また、一次転写ニップで中間転写ベルト14に各色のトナー像を転写した感光体3の表面は、クリーニング装置6によって転写後の残留トナーが除去され、潤滑剤塗布装置10によって潤滑剤が塗布された後、除電ランプで除電される。
クリーニングブレード62は、金属や硬質プラスチック等の剛性材料からなる平板状の支持部材621と、平板状の弾性部材622とで構成されている。弾性部材622は、支持部材621の一端側に接着剤などにより固定されており、支持部材621の他端側は、クリーニング装置6のケースに片持ち支持されている。
図7(a)に示すように、クリーニングブレード62は、前記弾性部材622の自由端側の一端である先端稜線部62cが感光体3表面に長手方向に沿って当接するように配置されている。
分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する紫外線硬化性組成物を先端稜線部62cに含浸させる。その後、紫外線を照射することで、図7(b)に示す含浸部分62dが形成され、先端稜線部62cの硬度が上昇し、耐久性の向上が図れる。これにより、弾性部材622が感光体3表面移動方向に変形するのを抑制することができる。
プロセスカートリッジは、像担持体たる感光体3と、前記感光体3上に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
前記クリーニング手段としては、前記クリーニングブレードが用いられる。
前記プロセスカートリッジは、感光体3と、前記クリーニングブレードとを内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、及び除電手段の少なくとも1つの手段を具備し、画像形成装置に着脱可能とした装置(部品)である。
[検証実験1]
弾性部材622の材質、含浸処理方法、含浸処理剤をそれぞれ異ならせて耐久試験を行った。
弾性部材622としては、下記のJIS-A硬度、反発弾性率が互いに異なる2つの弾性部材622を用いた。
特開2011−141449号公報の実施例1に記載のクリーニングブレードの作製方法を参照して、平均厚み1.8mm、11.5mm×32.6mmの平板状の弾性部材No.1とした。
得られた弾性部材No.1のJIS−A硬度は68度、反発弾性率は30%であった。
特開2011−141449号公報の実施例2に記載のクリーニングブレードの作製方法を参照して、平均厚み1.8mm、11.5mm×32.6mmの大きさの平板状の2層構造のクリーニングブレード2を作製した。
得られた2層構造のクリーニングブレード2の当接面側のJIS−A硬度は80度、反当接面側のJIS−A硬度は75度、反発弾性率は25%であった。
クリーニングブレードのJIS−A硬度は、高分子計器株式会社製マイクロゴム硬度計MD−1を用い、JIS K6253に準じて測定した。なお、2層構造のクリーニングブレードについては、各面側から測定を行った。
下記の組成から、常法により紫外線硬化性組成物1を調製した。
・下記構造式で表されるトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:A−DCP、官能基数2、分子量304)・・・50質量部
・溶媒(シクロヘキサノン)・・・55質量部
下記の組成から、常法により紫外線硬化性組成物2を調製した。
・下記構造式で表されるアダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物1(出光興産株式会社製、X−DA、官能基数2、分子量276〜304、1,3−アダマンタンジオールとアクリル酸との反応生成物)・・・50質量部
・重合開始剤(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、イルガキュア184)・・・5質量部
・溶媒(シクロヘキサノン)・・・55質量部
下記の組成から、常法により紫外線硬化性組成物3を調製した。
・下記構造式で表されるアダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物2(1,3−アダマンタンジメタノールジアクリレート、出光興産株式会社製、X−A−201、官能基数2、分子量304)・・・50質量部
・溶媒(シクロヘキサノン)・・・55質量部
下記の組成から、常法により紫外線硬化性組成物4を調製した。
・下記構造式で表されるアダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物3(三菱ガス化学株式会社製、ダイヤピュレストADTM、官能基数3、分子量388)・・・50質量部
・溶媒(シクロヘキサノン)・・・55質量部
下記の組成から、常法により紫外線硬化性組成物5を調製した。
・上記構造式で表されるトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業株式会社製、A−DCP、官能基数2、分子量304)・・・25質量部
・下記構造式で表されるペンタエリスリトールトリアクリレート(ダイセルサイテック
社製、PETIA、官能基数3、分子量298)・・・25質量部
・溶媒(シクロヘキサノン)・・・55質量部
下記の組成から、常法により紫外線硬化性組成物6を調製した。
・上記構造式で表されるアダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物2(1,3−アダマンタンジメタノールジアクリレート、出光興産株式会社製、X−A−201、官能基数2、分子量304)・・・25質量部
・上記構造式で表されるペンタエリスリトールトリアクリレート(ダイセルサイテック社製、PETIA、官能基数3、分子量298)・・・25質量部
・重合開始剤(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、イルガキュア184)・・・5質量部
・溶媒(シクロヘキサノン)・・・55質量部
下記の組成から、常法により紫外線硬化性組成物7を調製した。
・上記構造式で表されるペンタエリスリトールトリアクリレート(ダイセルサイテック社製、PETIA、官能基数3、分子量298)・・・50質量部
・重合開始剤(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、イルガキュア184)・・・5質量部
・溶媒(シクロヘキサノン)・・・55質量部
下記の組成から、常法により紫外線硬化性組成物8を調製した。
・下記構造式で表されるジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(ダイセルサイテック社製、DPHA、官能基数6、分子量578)・・・59質量部
・溶媒(シクロヘキサノン)・・・55質量部
<トナーの製造例>
重合法により、平均円形度が0.98、体積平均粒径が4.9μmのトナー母体粒子を作製した。得られたトナー母体粒子100質量部に対し、小粒径のシリカ微粒子(クラリアント株式会社製、H2000)1.5質量部、小粒径の酸化チタン微粒子(テイカ株式会社製、MT−150AI)0.5質量部、及び大粒径のシリカ微粒子(電気化学工業株式会社製、UFP−30H)をヘンシェルミキサーで撹拌混合し、トナーを作製した。
<クリーニングブレード1の作製>
前記紫外線硬化性組成物1の固形分濃度が50質量%となるように希釈剤(シクロヘキサノン)で希釈した液中に、前記弾性部材No1のと先端稜線部から2mmの部分を2時間浸漬した後、3分間風乾した。風乾後、紫外線照射装置(ウシオ電機株式会社製、UVC−2534/1MNLC3)を用いて紫外線照射(140W/cm×5m/min×5パス)を行った。次いで、熱乾燥機を用いて機内温度100℃で15分間乾燥を行った。
次に、表面硬化処理後のクリーニングブレード1を支持部材としての板金ホルダーに接着剤により固定し、クリーニングブレード1を作製した。
−クリーニングブレード2〜6及び9〜11の作製−
先端稜線部を含浸する紫外線硬化性組成物に代えた以外は、参考実施例1と同様にして、実施例2〜6及び参考比較例1〜3のクリーニングブレード2〜6及び9〜11を作製した。
−クリーニングブレード7〜8の作製−
参考実施例1において、弾性部材と紫外線硬化性組成物に代えた以外は、参考実施例1と同様にして、参考実施例7〜8のクリーニングブレード7〜8を作製した。なお、2層構造のクリーニングブレードは、上記したように物性の異なる2種のゴムを張り合わせたものであり、像担持体との接触部(当接部、先端稜線部)は高硬度側のゴムとなる。
前記カラー複合機(imagio MP C5001、株式会社リコー製)に、前記トナーを搭載して、21℃で65%RHの環境下、画像面積率5%のチャート(A4サイズ横)を3プリント/ジョブで、10,000枚の出力を行った。その後、以下のようにして、当接部の捲れ量、クリーニング性、及び先端稜線部の摩耗量を評価した。結果を下記表3に示す。
前記クリーニングブレードを感光体表面層に用いられる材料を塗布したガラス板上に、上記所定の端食い込み量(線圧)と取り付け角度で摺擦させたときの、クリーニングブレードの当接状態をガラス板裏から観察する。そして、クリーニングブレードの先端稜線部の捲れた長さをCCDカメラ(Nikon CM−5、ニコン社製)で出力した画像を用いて測定した。
前記10,000枚の出力を行った後、縦帯パターン(紙進行方向に対して)43mm幅、3本チャートの評価時画像(A4サイズ横)を20枚出力した後の出力画像を目視観察し、以下の基準でクリーニング性を評価した。なお、異常画像とは、印刷画像にスジ又は帯状に現れる画像や白ポチ画像を意味する。
〔評価基準〕
○:異常画像なし
×:異常画像あり
前記10,000枚の出力を行った後、クリーニングブレードの当接部の摩耗量を、図8に示すようにクリーニングブレードの先端面側から見た摩耗幅を、キーエンス社製レーザマイクロスコープVK−9510により測定した。
次に、本出願人は、低温環境でのクリーニング性能と弾性仕事率の関係を確認する検証実験2を行った。検証実験2は、反発弾性率の異なる弾性部材に対して含浸処理を行い、高硬度化された先端稜線部の弾性仕事率40〜90%のクリーニングブレードを作製した。
検証実験1と同様にして、平均厚み1.8mm、11.5mm×32.6mmの平板状の弾性部材No.3を作製した。弾性部材No.3の23℃における反発弾性率は40%であった。
検証実験1と同様にして、平均厚み1.8mm、11.5mm×32.6mmの平板状の弾性部材No.4を作製した。弾性部材No.4の23℃における反発弾性率は42%であった。
検証実験1と同様にして、平均厚み1.8mm、11.5mm×32.6mmの平板状の弾性部材No.5を作製した。弾性部材No.5の23℃における反発弾性率は45%であった。
検証実験1と同様にして、平均厚み1.8mm、11.5mm×32.6mmの平板状の弾性部材No.6を作製した。弾性部材No.6の23℃における反発弾性率は50%であった。
検証実験1と同様にして、平均厚み1.8mm、11.5mm×32.6mmの平板状の弾性部材No.7を作製した。弾性部材No.5の23℃における反発弾性率は53%であった。
検証実験1と同様にして、平均厚み1.8mm、11.5mm×32.6mmの平板状の弾性部材No.8を作製した。弾性部材No.8の23℃における反発弾性率は58%であった。
検証実験1と同様にして、平均厚み1.8mm、11.5mm×32.6mmの平板状の弾性部材No.9を作製した。弾性部材No.9の23℃における反発弾性率は60%であった。
検証実験1と同様にして、平均厚み1.8mm、11.5mm×32.6mmの平板状の弾性部材No.10を作製した。弾性部材No.10の23℃における反発弾性率は35%であった。
検証実験1と同様にして、平均厚み1.8mm、11.5mm×32.6mmの平板状の弾性部材No.11を作製した。弾性部材No.11の23℃における反発弾性率は30%であった。
検証実験1と同様にして、平均厚み1.8mm、11.5mm×32.6mmの平板状の弾性部材No.12を作製した。弾性部材No.12の23℃における反発弾性率は90%であった。
アダマンタン構造を有するメタアクリレート化合物を含む紫外線硬化組成物の固形分濃度が50質量%となるように希釈剤(シクロヘキサノン)で希釈した液中に、前記弾性部材No6の先端稜線部から2mmの部分を2時間浸漬した後、3分間風乾した。風乾後、紫外線照射装置(ウシオ電機株式会社製、UVC−2534/1MNLC3)を用いて紫外線照射(140W/cm×5m/min×5パス)を行った。次いで、熱乾燥機を用いて機内温度100℃で15分間乾燥を行った。
次に、表面硬化処理後のクリーニングブレード1を支持部材としての板金ホルダーに接着剤により固定し、実施例1のクリーニングブレードを作製した。先端稜線部の弾性仕事率は、80%であった。
含浸させる基材を弾性部材No.3を用いる以外は、実施例1と同様にして、実施例2のクリーニングブレードを作製した。先端稜線部の弾性仕事率は、75%であった。
含浸させる基材を弾性部材No.4を用いる以外は、実施例1と同様にして、実施例3のクリーニングブレードを作製した。先端稜線部の弾性仕事率は、70%であった。
含浸させる基材を弾性部材No.5を用いる以外は、実施例1と同様にして、実施例4のクリーニングブレードを作製した。先端稜線部の弾性仕事率は、66%であった。
含浸させる基材を弾性部材No.6を用いる以外は、実施例1と同様にして、実施例5のクリーニングブレードを作製した。先端稜線部の弾性仕事率は、60%であった。
含浸させる基材を弾性部材No.7を用いる以外は、実施例1と同様にして、実施例6のクリーニングブレードを作製した。先端稜線部の弾性仕事率は、55%であった。
含浸させる基材を弾性部材No.8を用いる以外は、実施例1と同様にして、実施例7のクリーニングブレードを作製した。先端稜線部の弾性仕事率は、50%であった。
含浸させる基材を弾性部材No.10を用いる以外は、実施例1と同様にして、比較例1のクリーニングブレードを作製した。先端稜線部の弾性仕事率は、45%であった。
含浸させる基材を弾性部材No.11を用いる以外は、実施例1と同様にして、比較例2のクリーニングブレードを作製した。先端稜線部の弾性仕事率は、40%であった。
含浸させる基材を弾性部材No.12を用いる以外は、実施例1と同様にして、比較例3のクリーニングブレードを作製した。先端稜線部の弾性仕事率は、90%であった。
前記カラー複合機(imagio MP C5001、株式会社リコー製)に、検証実験1と同じトナーを搭載して、低温環境下、画像面積率5%のチャート(A4サイズ横)を連続通紙で、クリーニング性を評価した。結果を下記表5に示す。また、図9は、横軸を弾性仕事率、縦軸をクリーニング不良発生枚数として検証実験2の結果をグラフ化したものである。
(態様1)
感光体3などの被当接部材の表面に弾性部材622の先端稜線部62cを当接させるブレード部材において、弾性部材622の少なくとも先端稜線部62cに、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含む硬化化合物を含浸して形成した含浸層62dを有し、かつ、先端稜線部62cの弾性仕事率が50%以上80%以下である。
本出願人は、上述した検証実験1に示したように、炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を先端稜線部に含浸することにより、表面層を設けずに、特許文献1と同等な効果(先端稜線部62cのめくれを抑制し、経時使用時の異常摩耗及び異音の発生を抑制しつつ、先端稜線部62cの像担持体に対する追随性を良好にでき当接圧を維持することが可能という効果)を得られることを確認した。
しかしながら、先の表4で示したように、炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物で先端稜線部62cを含浸処理したクリーニングブレードにおいては、低温環境下で先端稜線部が塑性変形し、磨耗しやすくなる場合があることが判明した。
そこで、本出願人は、検証実験2に示したように、更なる鋭意研究を行い、先端稜線部62cの弾性仕事率を40%〜75%とすることで、低温環境下で、先端稜線部62cが塑性変形するのを抑制することができ、低温環境下での耐磨耗性を向上できた。
(態様1)は、以上の背景によりなされたものであり、炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を先端稜線部62cに含浸することにより、表面層を設けずに、先端稜線部62cのめくれを抑制し、経時使用時の異常摩耗及び異音の発生を抑制しつつ、先端稜線部62cの像担持体に対する追随性を良好にでき当接圧を維持することができる。これにより、表面層を設けたクリーニングブレードとは異なり、表面層の割れ、欠けが生じたり、弾性ブレードから剥がれたりする問題が発生するのを防止することができる。
また、先端稜線部の弾性仕事率を50%〜80%にすることにより、低温環境下の耐摩耗性の低下を抑制することができる。
(態様1)において、弾性部材622の23℃における反発弾性率が40%以上60%以下である。
(態様2)によれば、実施形態で説明したように、弾性部材622の23℃における反発弾性率が40%以上60%以下とすることで、弾性部材622が振動するのを抑制することができ、ブレード部材と被当接部材との当接圧の変動を抑制することができる、また、被当接部材に良好に追随することができる。
(態様1)または(態様2)であって、前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の官能基数が2〜6である。
(態様3)によれば、実施形態で説明したように、弾性部材622の先端稜線部62cに含浸されやすく、先端稜線部62cの硬度を効率よく向上させることができる。
(態様1)乃至(態様3)であって、前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の分子量が500以下である。
(態様4)によれば、実施形態で説明したように、アクリレート化合物が、弾性部材622に含浸されやすくなり、先端稜線部62cの硬度を効率よく向上させることができる。
(態様1)乃至(態様4)であって、前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物が、トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物、及びアダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物から選択される少なくとも1種である。
(態様5)によれば、官能基が少なくても特殊な環状構造により架橋点の不足を補うことができ、弾性部材622の先端稜線部62cに含浸されやすく、先端稜線部62cの硬度を効率よく向上させることができる。
(態様5)において、トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物が、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、及びトリシクロデカンジメタノールジメタクリレートから選択される少なくとも1種である。
(態様6)によれば、上記材料を用いることで、弾性部材622の先端稜線部62cに含浸されやすく、先端稜線部62cの硬度を効率よく向上させることができる。
(態様5)であって、アダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物が、1,3−アダマンタンジメタノールジアクリレート、1,3−アダマンタンジメタノールジメタクリレート、1,3,5−アダマンタントリメタノールトリアクリレート、及び1,3,5−アダマンタントリメタノールトリメタクリレートから選択される少なくとも1種である。
(態様7)によれば、上記材料を用いることで、弾性部材622の先端稜線部62cに含浸されやすく、先端稜線部62cの硬度を効率よく向上させることができる。
(態様1)乃至(態様7)いずれかであって、硬化化合物は、官能基数が3〜6のペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含む。
上記材料を含ませることにより、先端稜線部の硬度を適宜調整することが可能となる。
(態様1)乃至(態様8)いずれかであって、弾性部材が、JIS−A硬度の異なる2種類以上のゴムを一体成型してなる積層物である
(態様9)によれば、上記実施形態で説明したように、耐摩耗性と追随性との両立を容易に図ることができる。
(態様1)乃至(態様9)いずれかに記載であって、硬化化合物は、紫外線硬化化合物である。
これによれば、紫外線を照射することにより、先端稜線部を高硬度化させることができ、熱硬化化合物などに比べて、容易に、先端稜線部を高硬度化させることができる。
(態様1)乃至(態様10)であって、被当接部材上の不要な付着物を除去する。
これによれば、経時にわたり良好に被当接部材上の不要な付着物を良好に除去することができる。
表面移動する感光体3などの像担持体上に形成した画像を最終的に転写紙Pなどの記録媒体に転移させる画像形成装置において、像担持体の表面に接触し、その表面上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング部材として、(態様11)のブレード部材を用いる。
かかる構成を備えることで、経時にわたり良好なクリーニング性が維持でき、良好な画像を得ることができる。また、異音の発生を抑制することができる。
感光体3などの像担持体と、像担持体表面上に付着した不要な付着物を除去するクリーニング部材を有するクリーニング装置6などのクリーニング手段と、像担持体表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置10などの潤滑剤塗布手段とを一体に支持し画像形成装置の本体に着脱自在に構成された作像ユニット1などのプロセスカートリッジにおいて、クリーニング部材として、(態様11)のブレード部材を用いる。
これによれば、上記実施形態に説明したように、経時に亘り良好なクリーニング性を得ることができるプロセスカートリッジを得ることができる。
3:感光体
62:クリーニングブレード
62c:先端稜線部
62d:含浸層
622:弾性部材
Claims (13)
- 被当接部材の表面に弾性部材の先端稜線部を当接させるブレード部材において、
前記弾性部材の少なくとも先端稜線部に、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含む硬化化合物を含浸して形成した含浸層を有し、かつ、先端稜線部の弾性仕事率が50%以上80%以下であることを特徴とするブレード部材。 - 請求項1に記載のブレード部材において
前記弾性部材の23℃における反発弾性率が40%以上60%以下であることを特徴とするブレード部材。 - 請求項1または2に記載のブレード部材であって、
前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の官能基数が2〜6であることを特徴とするブレード部材。 - 請求項1乃至3いずれかに記載のブレード部材であって、
前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の分子量が500以下であることを特徴とするブレード部材。 - 請求項1乃至4いずれかに記載のブレード部材であって、
前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物が、トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物、及びアダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物から選択される少なくとも1種であることを特徴とするブレード部材。 - 請求項5に記載のブレード部材であって、
前記トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物が、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、及びトリシクロデカンジメタノールジメタクリレートから選択される少なくとも1種であることを特徴とするブレード部材。 - 請求項5に記載のブレード部材であって、
前記アダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物が、1,3−アダマンタンジメタノールジアクリレート、1,3−アダマンタンジメタノールジメタクリレート、1,3,5−アダマンタントリメタノールトリアクリレート、及び1,3,5−アダマンタントリメタノールトリメタクリレートから選択される少なくとも1種であることを特徴とするブレード部材。 - 請求項1乃至7いずれかに記載のブレード部材であって、
前記硬化化合物は、官能基数が3〜6のペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含むことを特徴とするブレード部材。 - 請求項1乃至8いずれかに記載のブレード部材であって、
前記弾性部材が、JIS−A硬度の異なる2種類以上のゴムを一体成型してなる積層物であることを特徴とするブレード部材。 - 請求項1乃至9いずれかに記載のブレード部材であって、
前記硬化化合物は、紫外線硬化化合物であることを特徴とするブレード部材。 - 請求項1乃至10いずれかに記載のブレード部材であって、
前記被当接部材上の不要な付着物を除去することを特徴するブレード部材。 - 表面移動する像担持体上に形成した画像を最終的に記録媒体に転移させる画像形成装置において、
上記像担持体の表面に接触し、その表面上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング部材として、請求項11に記載のブレード部材を用いることを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体と、
前記像担持体表面上に付着した不要な付着物を除去するクリーニング部材を有するクリーニング手段と、
前記像担持体表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段とを一体に支持し画像形成装置の本体に着脱自在に構成されたプロセスカートリッジにおいて、
上記クリーニング部材として、請求項11に記載のブレード部材を用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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