JP5483187B2 - クリーニング装置、並びに、これを備える画像形成装置、プロセスカートリッジ、中間転写ユニット及び記録体搬送ユニット - Google Patents

クリーニング装置、並びに、これを備える画像形成装置、プロセスカートリッジ、中間転写ユニット及び記録体搬送ユニット Download PDF

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Description

本発明は、表面移動部材の表面上の付着物を除去するクリーニング装置、並びに、これを備える複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置、プロセスカートリッジ、中間転写ユニット及び記録体搬送ユニットに関するものである。
この種の画像形成装置としては、電子写真方式のものやインクジェット方式のものなど種々のものが知られており、表面移動部材を備えているものが多い。例えば、電子写真方式の画像形成装置では、感光体ドラム等の潜像担持体(像担持体)、中間転写ベルト等の中間転写体(像担持体)、紙搬送ベルト等の記録体搬送部材などの表面移動部材を備えたものが知られている。また、インクジェット方式の画像形成装置では、紙搬送ベルト等の記録体搬送部材などの表面移動部材を備えたものが知られている。一般に、このような表面移動部材の表面に不要な付着物が付着すると種々の不具合を引き起こすことから、表面移動部材を被清掃体としてその表面から不要な付着物を除去するクリーニング手段が必要となる。被清掃体の表面をクリーニングするクリーニング手段としては、板状に成型したウレタンゴム等の弾性部材からなるブレード部材を用いたブレードクリーニング方式(特許文献1乃至3等)のものがある。
ブレードクリーニング方式のクリーニング装置では、装置の枠体に固定された金属等の剛性の高い材料からなる保持部材によってブレード部材を保持し、ブレード部材の一端を被清掃体の表面に押しつけてこの表面上の付着物を除去する。このようなブレードクリーニング方式のクリーニング装置は、構成が簡単でコストが安価であり、かつ付着物の除去性能にも優れていることから、広く利用されている。
ブレードクリーニング方式のクリーニング装置では、高い除去性能を得るためにブレード部材が被清掃体の表面に対して高い当接圧力で当接することが求められ、経時で安定した除去性能を得るために初期の当接状態を維持するが求められる。
しかし、ブレード部材全体が一様な弾性材料から構成される単層構造のブレード部材では、当接圧力を高くすることと、初期の当接状態を維持することとを両立することが困難である。これは、以下の理由による。
すなわち、比較的硬度の高い弾性材料からなる単層構造のブレード部材を用いると、被清掃体と当接するエッジ部における変形が小さく、当接面積が広くなることを抑制できるため、当接圧力を高く設定することができ、クリーニング性能の向上を図ることが出来る。しかし、硬度が高い弾性材料は一般的に永久伸びの値が大きくなる。ブレード部材はその一端を被清掃体の表面に押しつけられ撓んだ状態で被清掃体に当接している。このとき、永久伸びの値が大きい弾性材料からなるブレード部材を長期に渡って被清掃体に当接させ続けると、ブレード部材が撓んだ形状に永久変形する、所謂ヘタリが発生し、初期の当接状態と異なる当接状態になり、クリーニング不良の原因となる。
一方、比較的硬度の低い弾性材料からなる単層構造のブレード部材を用いた場合、硬度が低い弾性材料は一般的に永久伸びの値が小さいため、ブレード部材を長期に渡って被清掃体に当接させ続けてもヘタリが生じ難く、初期の当接状態を維持することができる。しかし、硬度が低い単層構造のブレード部材を用いると、被清掃体と当接するエッジ部における変形が大きく、当接面積が広くなるため当接圧力が低くなり、除去性能が不十分となる。
このように、単層構造のブレード部材では、当接圧力を高くすることと、初期の当接状態を維持するととを両立することが困難であり、高い除去性能を経時で安定して得ることは困難である。
特許文献3には、それぞれ硬度が異なる弾性材料からなる二層の積層構造のブレード部材を用いるクリーニング装置が記載されている。このクリーニング装置のブレード部材は、被清掃体と接触するエッジ部を備えるエッジ層を硬度が高い材質によって形成させ、被清掃体と接触しないバックアップ層を硬度が低い材質によって形成されている。エッジ層の硬度が高いことで、上述した比較的硬度の高い弾性材料からなる単層構造のブレード部材と同様に、当接するエッジ部における変形が小さく、当接面積が広くなることを抑制できるため、当接圧力を高く設定することができる。さらに、被清掃体と接触しないバックアップ層は硬度が低く、永久伸びの値が小さいため、硬度の高い単層構造のブレード部材よりもヘタリが生じ難く、初期の当接状態を維持することができる。
特許文献3のクリーニング装置が備えるブレード部材の概略図を図15に示す。図15は、硬度が高い弾性材料からなるエッジ層1及び硬度が低い弾性材料からなるバックアップ層2からなる二層の積層構造のブレード部材5と、ブレード部材5を保持するブレードホルダ3との説明図である。
図15に示すブレード部材5では、ブレードホルダ3によって保持される保持位置5aからエッジ部1e側のブレード部材5の先端までの全域に渡って永久伸びの値が大きいエッジ層1が存在する。このため、ブレード部材5が被清掃体に押しつけられ撓んだ状態では、ヘタリが生じ難いバックアップ層2だけでなく、ヘタリが生じ易いエッジ層1も撓んだ状態となり、ブレード部材5を長期に渡って被清掃体に当接させ続けると、エッジ層1のみに大きなヘタリが生じることがある。
エッジ層1にヘタリが生じるとエッジ層1は撓んだ状態の形状で形を維持しようとするため、ヘタリが生じていない、または、ヘタリが小さいバックアップ層2に対して撓む方向の力が働き、バックアップ層2と同じ材質のみからなる単層構造のブレード部材よりも経時での当接状態の変化が生じ易い。
ブレード部材5において、硬度が高く永久伸びの値が大きい材質によって形成されるエッジ層1を設ける利点は、エッジ部1eにおける変形を小さくして、当接面積が広くなることを抑制し、当接圧力を高く設定できることである。このため、図16(a)及び図16(b)に示すように、ブレード部材5の先端部のみにエッジ層1を設けてもその利点は得ることができる。
図16は、エッジ層1のヘタリに起因する当接状態の変化を抑制できるブレード部材5とブレード部材5を保持するブレードホルダ3との説明図である。図16(a)は、ブレード部材5のエッジ部を形成する先端部のみに硬度が高く永久伸びの値が大きい材質からなるエッジ層1を設け、他の部分はバックアップ層2とした構成である。図16(b)は、特許文献3に記載のものと同様の二層構造のブレード部材5を作成した後に、エッジ層1の先端部以外の部分(図中の破線で示す部分)を取り除いた構成である。
図16に示すブレード部材5は、保持位置5aからエッジ部1e側の先端までの全域に渡って存在するのはヘタリが生じ難いバックアップ層2のみであって、ヘタリが生じ易いエッジ層1はブレード部材5の先端部のみに存在する。このため、ブレード部材5が被清掃体に押しつけられ撓んだ状態では、ヘタリが生じ難いバックアップ層2が撓んだ状態となる。このような構成であれば、当接圧力を高くすることと、初期の当接状態を維持するととを両立することができる。
しかし、積層構造のブレード部材を量産する工法としては、遠心成型機を用いた工法が一般的であり、この工法では、ブレード部材の全域が積層構造となる。このため、図16(a)に示すように、先端のみを別の材質とするブレード部材5を製造するには、別の新たな工法を用いなければならず、工法に課題が残る。また、エッジ層1とバックアップ層2とがその境界で容易に分離する構成では、クリーニング時にエッジ層1がバックアップ層2から分離して、二層構造ではなくなってしまうので、エッジ層1とバックアップ層2とは強固に固定されている。よって、図16(b)のように、先端部以外のエッジ層1の部分を取り除く場合、図16(b)の破線で示す部分をバックアップ層2から剥がすにしても、削り取るにしても大きな労力を要し、ブレード部材を量産するときの生産性の低下に繋がる。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、当接圧力を高くすることと、初期の当接状態を維持するととを両立することができ、量産性に適したブレード部材を有するクリーニング装置、並びに、これを備える画像形成装置、プロセスカートリッジ、中間転写ユニット及び記録体搬送ユニットを提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、互いに永久伸びの値が異なる材質からなる複数の層によって構成される積層構造のブレード部材と、該ブレード部材の一端を保持する保持部材とを有し、該ブレード部材の他端の先端稜線部であるエッジ部を表面移動する被清掃体の表面に当接させて、該被清掃体の表面をクリーニングする構成であり、該ブレード部材の複数の層のうち上記エッジ部を備えるエッジ層は、他の層に比べて永久伸びの値が大きい材質によって形成されるクリーニング装置において、上記ブレード部材が上記保持部材によって保持される保持位置から上記エッジ部までの間の上記エッジ層の表面に、上記被清掃体の表面移動方向に直交する方向に延在する複数のスリットを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のクリーニング装置において、上記スリットを形成する断面同士の密着を抑制する密着抑制剤が該スリットに塗布されていることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2のクリーニング装置において、上記スリットを形成する断面同士の密着を抑制するために該スリットには断面密着防止加工が施されていることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3のクリーニング装置において、上記断面密着防止加工として、上記スリットがV字溝形状となるように該スリットに除去加工が施されていることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項3または4のクリーニング装置において、上記断面密着防止加工として、上記スリットが溝形状となるように該スリットに除去加工が施され、溝の角に丸みをつける加工が施されていることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項3乃至5のいずれか1項に記載のクリーニング装置において、上記断面密着防止加工として、上記スリットを形成する断面に粗面処理加工が施されていることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のクリーニング装置において、上記ブレード部材を上記被清掃体に当接させた状態での線圧低下率が90[%]以上であることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のクリーニング装置において、上記エッジ層が上記被清掃体の表面に接触する部分よりも離れた箇所の該エッジ層の表面に上記スリットを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のクリーニング装置において、上記スリットの深さは上記エッジ層の層厚以下であることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のクリーニング装置において、上記保持位置近傍までの範囲にわたる複数箇所に上記スリットを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、表面移動する潜像担持体上に形成した画像を最終的に記録媒体に転移させる画像形成装置の本体に着脱自在に構成され、該潜像担持体を上記被清掃体としてその表面上に付着した不要な付着物を除去するクリーニング手段と、該潜像担持体とを一体に支持したプロセスカートリッジにおいて、上記クリーニング手段として、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のクリーニング装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、表面移動する像担持体上に形成した画像を中間転写体に転写し、この画像を最終的に記録媒体に転移させる画像形成装置の本体に着脱自在に構成され、該中間転写体を上記被清掃体としてその表面上に付着した不要な付着物を除去するクリーニング手段と、該中間転写体とを一体に支持した中間転写ユニットにおいて、上記クリーニング手段として、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のクリーニング装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、表面移動部材である像担持体上に形成した画像を最終的に記録体に転移させる画像形成装置において、上記像担持体上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段として、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のクリーニング装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項13の画像形成装置において、上記画像を形成するトナーの形状係数SF1が100以上150以下であることを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、表面移動部材する記録体搬送部材の表面に担持された記録体上に画像を形成する画像形成装置の本体に着脱自在に構成され、該記録体搬送部材を上記被清掃体としてその表面上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段と、該記録体搬送部材とを一体に支持した記録体搬送ユニットにおいて、上記クリーニング手段として、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のクリーニング装置を用いることを特徴とするものである。
本発明においては、エッジ層の表面に複数のスリットを設けているため、ブレード部材が被清掃体に押しつけられ撓んだ状態では、エッジ層以外の層が撓んだ状態となり、エッジ層は撓んだ状態となった層に沿うようにスリットが開く。ブレード部材が撓んだ状態ではエッジ層のスリットが開くため、保持位置からエッジ部までの全域に渡って存在するエッジ層にヘタリが生じる構成とは異なり、エッジ層以外の層に対して撓む方向の力が働くことを抑制できる。このため、図16を用いて説明した構成と同様に当接圧力を高くすることと、初期の当接状態を維持するととを両立することができる。さらに、積層構造に形成されたブレード部材のエッジ層にスリットを設ける加工を施すのみであり、新たな工法は必要なく、先端部以外のエッジ層の部分を取り除くほどの労力も不要であるため、量産性に適している。
本発明によれば、量産性に適したブレード部材によって、当接圧力を高くすることと、初期の当接状態を維持するととを両立することができるという優れた効果がある。
実施形態に係るクリーニング装置のブレードが感光体に当接する部分の説明図。 実施形態に係るプリンタの概略構成図。 同プリンタに設けられるプロセスカートリッジを示す概略構成図。 実施形態のブレード部材の先端部の拡大図。 実施例1のブレード部材とブレードホルダとの説明図。 実施例2のブレード部材とブレードホルダとの説明図。 実施例3のブレード部材とブレードホルダとの説明図。 実施例4のブレード部材とブレードホルダとの説明図、(a)は、ブレード部材の根元側ほどスリットのピッチを狭くした構成の説明図、(b)は、ブレードの根元側ほどスリットを深くした構成の説明図。 切り込み状のスリットが形成されたエッジ層の拡大説明図。 実施例5のブレード部材とブレードホルダとの説明図。 実施例6のブレード部材のエッジ層の拡大説明図、(a)は、スリットがV字溝形状、(b)は、スリットがV字溝の最深部に丸みをつけた形状、(c)は、スリットがU字溝形状。 実施例7のブレード部材のエッジ層の拡大説明図。 測定器の斜視説明図。 測定器の側方説明図。 従来の二層の積層構造のブレード部材とブレードホルダとの説明図。 先端部のみにエッジ層を設けたブレード部材とブレードホルダとの説明図、(a)は、先端部の一部のみがエッジ層となるように積層した構成の説明図、(b)は、先端部以外のエッジ層を除去した構成の説明図。
以下、本発明を、画像形成装置としてのプリンタに適用した一実施形態について説明する。
図2は、本実施形態における画像形成装置であるプリンタ100を示す概略構成図である。
プリンタ100は、フルカラー画像を形成するものであって、画像形成部120、二次転写装置160及び給紙部130から主として構成されている。なお、以下の説明において、添え字Y,C,M,Bkは、それぞれ、イエロー用、シアン用、マゼンタ用、ブラック用の部材であることを示すものである。
画像形成部120には、図中左側から順に、イエロートナー用のプロセスカートリッジ121Y、シアントナー用のプロセスカートリッジ121C、マゼンタトナー用のプロセスカートリッジ121M、ブラックトナー用のプロセスカートリッジ121Bkが設けられている。これらのプロセスカートリッジ121(Y,C,M,Bk)は、略水平方向に並べて配置されている。
二次転写装置160には、複数の支持ローラに掛け渡された中間転写体である無端状の中間転写ベルト162と、一次転写ローラ161(Y,C,M,Bk)と、二次転写ローラ165とから主に構成されている。中間転写ベルト162は、各プロセスカートリッジ121(Y,C,M,Bk)の上方で、各プロセスカートリッジに設けられた表面移動する像担持体である潜像担持体としてのドラム状の感光体10(Y,C,M,Bk)の表面移動方向に沿って配置されている。中間転写ベルト162は、感光体10(Y,C,M,Bk)の表面移動に同期して表面移動する。また、各一次転写ローラ161(Y,C,M,Bk)は、中間転写ベルト162の内周面側に配置されており、これらの一次転写ローラ161(Y,C,M,Bk)により中間転写ベルト162の下側に位置する外周面(表面)が各感光体10(Y,C,M,Bk)の外周面(表面)に弱圧接している。
各感光体10(Y,C,M,Bk)上にトナー像を形成し、そのトナー像を中間転写ベルト162に転写する構成及び動作は、各プロセスカートリッジ121(Y,C,M,Bk)について実質的に同一である。ただし、カラー用の3つのプロセスカートリッジ121(Y,C,M)に対応した一次転写ローラ161(Y,C,M)についてはこれらを上下に揺動させる図示しない揺動機構が設けられている。揺動機構は、カラー画像が形成されないときに感光体10(Y,C,M)に中間転写ベルト162を接触させないように動作する。
中間転写ユニットである二次転写装置160は、プリンタ100の本体から着脱自在に構成されている。具体的には、プリンタ100の画像形成部120を覆っている図2中の紙面手前側の前カバー(不図示)を開き、二次転写装置160を図2中の紙面奥側から手前側へスライドさせることで、プリンタ100の本体から二次転写装置160を取り外すことができる。二次転写装置160をプリンタ100の本体に装着する場合には、取り外し作業とは逆の作業をすればよい。
なお、中間転写ベルト162における二次転写ローラ165よりも表面移動方向下流側であってプロセスカートリッジ121Yの上流側には、二次転写後の残留トナー等の中間転写ベルト162上に付着した付着物を除去するための中間転写ベルトクリーニング装置167を設けている。中間転写ベルトクリーニング装置167は、中間転写ベルト162と一体に支持された状態で二次転写装置160として、プリンタ100本体に対して着脱自在に構成されている。
二次転写装置160の上方には、各プロセスカートリッジ121(Y,C,M,Bk)に対応したトナーカートリッジ159(Y,C,M,Bk)が略水平方向に並べて配置されている。
また、プロセスカートリッジ121(Y,C,M,Bk)の下方には、帯電された感光体10(Y,C,M,Bk)の表面にレーザー光を照射して静電潜像を形成する露光装置140が配置されている。
また、露光装置140の下方には、給紙部130が配置されている。給紙部130には、記録材としての転写紙を収容する給紙カセット131及び給紙ローラ132が設けられており、レジストローラ対133を経て中間転写ベルト162と二次転写ローラ165との間の二次転写ニップ部に向けて所定のタイミングで転写紙を給送する。
また、二次転写ニップ部の転写紙搬送方向下流側には定着装置90が配置されており、この定着装置90の転写紙搬送方向下流側には、排紙ローラ及び排紙された転写紙を収納する排紙収納部135が配置されている。
図3は、プリンタ100が備えるプロセスカートリッジ121を示す概略構成図である。
ここで、各プロセスカートリッジ121の構成はほぼ同様であるので、以下の説明では色分け用の添え字Y、C、M、Bkを省略して、プロセスカートリッジ121の構成及び動作について説明する。
プロセスカートリッジ121は、感光体10と、感光体10の周りに配置されたクリーニング装置30、帯電装置40及び現像装置50とを備えている。
クリーニング装置30は、感光体10の回転軸方向に長尺な弾性部材であるブレード部材(以下、ブレード部材5という。)におけるその長尺方向に延びる一辺(当接辺)をエッジ部として感光体10の表面に押しつけて、感光体10表面上の転写残トナー等の不要な付着物を引き離し除去する。そして、ブラシローラ29によってブレード部材5の当接位置の感光体10の表面移動方向上流側から排出スクリュ43に向けて跳ね飛ばし、排出スクリュ43によってクリーニング装置30の外に排出する。本実施形態において、ブラシローラ29の繊維材質は導電性のPETを使用している。クリーニング装置30についての詳細な説明は後述する。
なお、クリーニング装置30には潤滑剤塗布装置を設けてもよい。潤滑剤塗布装置としては、固形潤滑剤と、固形潤滑剤を支持する潤滑剤支持部材と、固形潤滑剤及び感光体10の両方に接触して回転するブラシローラ29とで構成されたものを利用できる。このような潤滑剤塗布装置では、ブラシローラ29により固形潤滑剤から削り取った粉末状の潤滑剤をブラシローラ29により感光体10の表面に塗布する。また、ブラシローラ29によって感光体10の表面に潤滑材を塗布する構成の場合、ブラシローラ29よりも感光体10の表面移動方向下流側に、感光体10の表面に当接するように塗布ブレードを配置してもよい。この塗布ブレードは、その先端部が感光体10の表面に当接する状態で塗布ブレードホルダに支持され、感光体10の表面に塗布された潤滑剤を均してその厚さを均一にするためのものである。
帯電装置40は、感光体10に当接するように配置された帯電ローラ41と、この帯電ローラ41に当接して回転する帯電ローラクリーナ42とから主として構成されている。
現像装置50は、感光体10の表面にトナーを供給して静電潜像を可視像化するものであり、現像剤を表面に担持する現像剤担持体としての現像ローラ51を備える。現像装置50は、この現像ローラ51と、現像剤収容部に収容された現像剤を攪拌しながら搬送する攪拌スクリュ52と、攪拌された現像剤を現像ローラ51に供給しながら搬送する供給スクリュ53と、から主として構成されている。
以上のような構成を有する4つのプロセスカートリッジ121は、それぞれ単独でサービスマンやユーザにより着脱・交換が可能となっている。また、プリンタ100から取り外した状態のプロセスカートリッジ121については、感光体10、帯電装置40、現像装置50、クリーニング装置30が、それぞれ単独で新しい装置との交換が可能に構成されている。なお、プロセスカートリッジ121は、クリーニング装置30で回収した転写残トナーを回収する廃トナータンクを備えていてもよい。この場合、更に、プロセスカートリッジ121において廃トナータンクが単独で着脱・交換が可能な構成とすれば利便性が向上する。
次に、プリンタ100の動作について説明する。
プリンタ100では、不図示のオペレーションパネルやパーソナルコンピュータ等の外部機器からプリント命令を受け付けると、まず、感光体10を図中矢印Aの方向に回転させ、帯電装置40の帯電ローラ41によって感光体10の表面を所定の極性に一様帯電させる。帯電後の感光体10に対し、露光装置140は、入力されたカラー画像データに対応して光変調された例えばレーザービーム光を色ごとに照射し、これによって各感光体10の表面にそれぞれ各色の静電潜像を形成する。各静電潜像に対し、各色の現像装置50の現像ローラ51から各色の現像剤を供給し、各色の静電潜像を各色の現像剤で現像し、各色に対応したトナー像を形成して可視像化する。次いで、一次転写ローラ161にトナー像と逆極性の転写電圧を印加することによって、中間転写ベルト162を挟んで感光体10と一次転写ローラ161との間に一次転写電界を形成し、一次転写ローラ161で中間転写ベルト162を弱圧接することで一次転写ニップを形成する。これらの作用により、各感光体10上のトナー像は中間転写ベルト162上に効率よく一次転写される。中間転写ベルト162上には、各感光体10で形成された各色のトナー像が互いに重なり合うように転写され、積層トナー像が形成される。
中間転写ベルト162上に一次転写された積層トナー像は、給紙カセット131内に収容されている転写紙が給紙ローラ132やレジストローラ対133等を経て所定のタイミングで給送される。そして、二次転写ローラ165にトナー像と逆極性の転写電圧を印加することにより、転写紙を挟んで中間転写ベルト162と二次転写ローラ165との間に二次転写電界を形成し、転写紙上に積層トナー像が転写される。積層トナー像が転写された転写紙は定着装置90に送られ、熱及び圧力で定着される。トナー像が定着された転写紙は、排紙ローラによって排紙収納部135に排出、載置される。一方、一次転写後の各感光体10上に残留する転写残トナーは、各クリーニング装置30のブレード部材5によって掻き取られ、除去される。
次に、本発明の特徴部分であるクリーニング装置30について詳しく説明する。
図1は、クリーニング装置30のブレード部材5が感光体10に当接する部分を感光体10の回転軸方向から見たときの説明図である。
クリーニング装置30は、互いに永久伸びの値が異なる材質からなるエッジ層1及びバックアップ層2の二つの層によって構成される積層構造のブレード部材5と、ブレード部材5の一端を保持するブレードホルダ3とを有する。そして、クリーニング装置30は、ブレード部材5のブレードホルダ3によって保持される側とは反対側の端部のエッジ部1eを図1中の矢印A方向に表面移動する感光体10の表面に当接させて、感光体10の表面をクリーニングする構成である。エッジ部1eを備えるエッジ層1はバックアップ層2に比べて永久伸びの値が大きい材質によって形成されている。そして、ブレード部材5がブレードホルダ3に貼り付けれブレードホルダ3に保持される保持位置5aからエッジ部1eまでの間のエッジ層1の表面に複数のスリット4を設けている。
図15に示すような従来の積層構造のブレード部材5も、エッジ層1に永久伸びの値が比較的大きい材質を使用し、バックアップ層2に永久伸びの値が比較的小さい材質を使用している。これは、エッジ層1に用いるのに適した硬度が高く、永久伸びの値が大きい材質のみからなるブレード部材では、そのヘタリによって経過時間や環境の変化によって安定した線圧を維持できなかったためであり、バックアップ層2に低硬度で永久伸びの値が小さい材質を用いることで、ブレード全体のヘタリを抑制する構成である。
図15に示すように、ブレード部材5における保持位置5aからエッジ部1e側の先端までの全域に渡ってエッジ層1を設けた構成であっても、エッジ層1とバックアップ層2の材料の組み合わせによっては、当接圧力を高くすることと、初期の当接状態を維持するととを両立することができる構成もある。しかし、材料選択や、厚さの組み合わせに制約が生じていた。
小粒径や球形のトナーを除去するために、ブレード先端のエッジ部1eに高硬度の材質を用いて除去するという構成に使用するブレード部材5の製法として、積層するために遠心成型機で異なる材料を順次投入して積層構造とした場合、本来必要なブレード先端だけでなく、図15に示すように、ブレード部材5における保持位置5aからエッジ部1e側の先端までの全域に渡って高硬度のエッジ層1が形成される。そして、このエッジ層1にヘタリが生じることで線圧低下を引き起こす原因となる。
このような問題に対して、図1に示す本実施形態のクリーニング装置30のブレード部材5は、本来必要ではない、先端以外の部分の梁としてのヘタリの発生を抑制するため、エッジ層1の表面に複数のスリット4(切り込み)を設けている。感光体10に接する高硬度の層であるエッジ層1に複数のスリット4を設けることで、ブレード部材5を感光体10に押しつけたときには、ブレード部材5の撓みに応じて、スリット4が開き、エッジ層1に伸びが生じることを抑制し、エッジ層1に永久伸びが生じることを抑制することが出来る。これにより、高硬度のエッジ層1のヘタリを抑制し、エッジ層1の材質の物性に依存していたブレード部材5全体のヘタリの発生を大幅に抑制することができる。
クリーニング装置30では、感光体10に対向するエッジ層1の表面に複数のスリット4を設けることで、図1に示すように、感光体10にブレード部材5を押しつけたときにスリット4が開いて、エッジ層1の伸びを緩和するため、エッジ層1の梁としての永久伸びを抑制することができる。これにより、エッジ部1eに本来必要な物性を維持したまま、エッジ層1の物性に依存した「ヘタリ」を大幅に低減することができる。
また、ブレード部材5は、感光体10の表面に食い込むように設置されるので、エッジ層1に対して働く応力は圧縮応力でなく、引っ張り応力となる。このため、細かなスリット4を複数設けることで、材質としての伸びでなく、スリット4の広がりとして、その伸びを吸収できるようになる。
図4は、本実施形態のブレード部材5の先端部の拡大図である。
図4に示すように、ブレード部材5のエッジ層1に設けられた複数のスリット4のうち、最もエッジ部1e側のスリット4からエッジ部1eまで距離Sは、感光体10に接触する幅であるニップ幅Nよりも長く設定されている。ニップ幅Nの間にスリット4が設けられていると、スリット4がめくれの起点となる可能性があるため、距離Sをニップ幅Nよりも長く設定することにより、スリット4を起点としためくれの発生を防止することが出来る。
また、ブレード部材5における変形は、ニップ部での先端変形を除けば、ブレード部材5の撓みによって発生する応力は、保持位置5a側である根元側で大きくなり、先端側では小さい。このため、エッジ部1eから100[μm]程度離れたところからスリット4を設けても、スリット4を設けることによる効果が薄れることはほとんどない。
〔実施例1〕
次に、エッジ層1とバックアップ層2との二層からなる積層構造で、エッジ層1にスリット4を設けた、本実施形態のクリーニング装置30に適用可能なブレード部材5の一つ目の実施例(以下、実施例1と呼ぶ)について説明する。
図5は、実施例1のブレード部材5と、ブレード部材5を保持するブレードホルダ3との説明図である。
実施例1のブレード部材5は、ブレード部材5の先端から保持位置5aの先端側の端部までの長さを自由長L0としたときに、エッジ層1の表面におけるエッジ部1eからL0の範囲に複数のスリット4を設けている。図4を用いて説明したように、ニップ幅Nの間にスリット4が設けられていると、スリット4がめくれの起点となる可能性があるため、エッジ部1eから100[μm]以上離れた位置から根元に向かって複数のスリット4が設けられている。ここで、エッジ部1eから100[μm]以上離れた位置からスリット4を設けるとしているのは、ニップ幅Nがおおよそ100[μm]であるためである。
〔実施例2〕
次に、本実施形態のクリーニング装置30に適用可能なブレード部材5の二つ目の実施例(以下、実施例2と呼ぶ)について説明する。
図6は、実施例2のブレード部材5と、ブレード部材5を保持するブレードホルダ3との説明図である。実施例1では、スリット4を設ける範囲がL0であったが、実施例2では、スリット4を設ける範囲がL0よりも広い範囲であるL1となっている。
スリット4は、その深さがエッジ層1の厚みの厚さ以下となるように形成されている。すなわち、エッジ層1の厚さをt、スリット4の深さをdとすると、t>dの関係を満たす。ここで、dの値をできる限りtに近付けることが望ましい。これは、dの値が小さく、スリット4が浅いとブレード部材5が撓んだときにスリット4が開き難くなる。スリット4を開き易くするためにはdの値を大きくしてスリット4を深く入れることが望ましいが、スリット4を深く入れすぎてdがtを超えるとバックアップ層2にまで切れ目が入ってしまう。バックアップ層2に切れ目が入るとブレード部材5の強度が低下するため、スリット4は、エッジ層1の厚みを超えない範囲で、できるだけ深くなるようにdの値を設定する。これにより、ブレード部材5が撓んだときのスリット4の広がりを確保することができる。
さらに、ブレードホルダ3のエッジの部分はブレード部材5における応力が集中する部分でもあるため、自由長L0よりも広い範囲となるL1の範囲にスリット4を設けることで、応力が集中する部分でスリット4が開くため、ヘタリの緩和に対してより大きな効果が得ることができる。
〔実施例3〕
次に、本実施形態のクリーニング装置30に適用可能なブレード部材5の三つ目の実施例(以下、実施例3と呼ぶ)について説明する。
図7は、実施例3のブレード部材5と、ブレード部材5を保持するブレードホルダ3との説明図である。実施例1及び実施例2は、スリット4の深さdがエッジ層1の厚さtよりも小さく、d<tの関係を満たす構成であるが、実施例3はd=tの関係を満たす構成であり、スリット深さdが上限となる構成である。
スリット4は、ブレード部材5に生じるヘタリがエッジ層1の永久伸びの影響を受けにくくするためのものであり、エッジ層1の厚さtまでのスリット深さdで最大の効果がある。tよりも深いスリット4は、バックアップ層2の強度を弱めることになり、十分な圧力が得られない可能性がある。また、バックアップ層2の狙いである十分に圧接力を調整する機能が発揮できない可能性がある。よって、実施例3のように、d=tの関係を満たす構成がスリット深さdが上限となる構成である。
〔実施例4〕
次に、本実施形態のクリーニング装置30に適用可能なブレード部材5の四つ目の実施例(以下、実施例4と呼ぶ)について説明する。
図8は、実施例4のブレード部材5と、ブレード部材5を保持するブレードホルダ3との説明図である。実施例1乃至3は、ブレード部材5の根元側から先端側に渡って複数のスリット4を均等なピッチで同じ深さとなるように設けた構成であるが、実施例4は、ブレード部材5の根元側と先端側とでスリット4の配置に差異も設けた構成である。
図8(a)は、根元側ほどスリット4のピッチを狭くして、スリット4の分布を根元側を密にし、先端側を疎にした構成の説明図であり、図8(b)は、先端側のスリット4を浅くして、根元側ほどスリット4を深くした構成の説明図である。
上述したように、ブレード部材5に生じる応力は根元側で大きくなるため、実施例4のブレード部材5ように、根元側ほどスリット4が開き易くなる構成としてもよい。
上述したように、本実施形態のクリーニング装置30は、ブレード部材5のエッジ部1eを形成する稜線を含んだエッジ層1の表面にスリット4を設け、ブレード部材5全体でヘタリが起きにくい構成となっている。
図9は、切り込み状のスリット4が形成されたエッジ層1の拡大説明図である。
ブレード部材5を所定の長さに切断する場合、クリーニングに使用するエッジ部1eの精度を確保するために、高精度のカッターを使用して切断することが一般的である。そして、切り込み状のスリット4をエッジ層1の表面に設ける加工を行うときに、そのカッターを用いてスリット4を設けることが工法的にも課題は少ない。
しかし、高精度のカッターで図9に示すように直線的なスリット4を設けると、スリット4を挟んで対向する切断面は、その断面形状が精度良く一致する。そして、主にウレタンゴムを使用材料とするエッジ層1では、ウレタンゴムの組成によってはスリット4を設けても、切断面同士が真空密着して、ブレード部材5の撓みに応じてスリット4が開くことができず、スリット4を設けた効果がうまく得られないことがある。
〔実施例5〕
次に、本実施形態のクリーニング装置30に適用可能なブレード部材5の五つ目の実施例(以下、実施例5と呼ぶ)について説明する。
図10は、実施例5のブレード部材5と、ブレード部材5を保持するブレードホルダ3との説明図である。実施例5のブレード部材5は、切り込み状のスリット4の切断面に潤滑剤や離型剤等の表面エネルギーを低減する物質からなる密着抑制剤9を当する構成である。
密着抑制剤9を塗布することで、スリット4の切断面同士が密着することを防止し、ブレード部材5の撓みに応じてスリット4がスムーズに開くことが可能となり、スリット4を設けることによるヘタリ防止の効果を十分に発揮できる。
密着抑制剤9としては、潤滑剤として使用されるステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、シリカなどを用いることが出来る。また、密着抑制剤9は、潤滑剤に限るものではなく、離型剤を塗布する構成であっても同様の効果を得ることができ、さらには、トナーを塗布してもよい。密着抑制剤9は。粉体や液体のものがあるが、表面エネルギーを下げ、スリット4の切断面同士が密着してくっついた状態にならないものなら、広く材料を選ぶことができる。
〔実施例6〕
次に、本実施形態のクリーニング装置30に適用可能なブレード部材5の六つ目の実施例(以下、実施例6と呼ぶ)について説明する。
図11は、実施例6のブレード部材5のエッジ層1の拡大説明図である。実施例1〜実施例5に記載のブレード部材5のエッジ層1に設けたスリット4は幅のない直線の切り込み状であるが実施例6のエッジ層1に設けたスリット4は幅のある溝状である。図11(a)は、V字溝形状のスリット4の拡大説明図であり、図11(b)は、V字溝の最深部に丸みをつけた形状のスリット4の拡大説明図であり、図11(c)は、U字溝形状のスリット4の拡大説明図である。
図11に示す実施例6のブレード部材5は、エッジ層1の表面の一部を除去して、溝状のスリット4を形成し、スリット4に幅を持たせることで、スリット4の切断面同士が密着することを防止することができる。
これにより、ブレード部材5の撓みに応じてスリット4がスムーズに開くことが可能となり、スリット4を設けることによるヘタリ防止の効果を十分に発揮できる。
図11(a)は、スリット4をV字溝形状として、ブレード部材5に撓みが無い状態で切断面が接触しないようにした構成である。図11(a)に示すスリット4の形状は、角度を持たせた2枚のカッターを用いて除去加工してできる溝形状であり、加工方法、加工時間など加工に課題の少ない溝の形状である。
しかし、溝の最深部の角に応力が集中し、亀裂を生じるおそれがある。このような不具合を防止する構成として、図11(b)や図11(c)に示すように、面の向きが変わる箇所を角とせずに丸みを設けた形状が亀裂防止という観点で有効である。
図11(b)に示すように、V字溝形状のスリット4の最深部に丸みをつけることでスリット4の最深部に対する応力集中による亀裂が起き難くなる。
図11(c)に示すように、U字溝形状のスリット4であれば、応力が集中する角がないため、亀裂が生じ難くなる。
〔実施例7〕
次に、本実施形態のクリーニング装置30に適用可能なブレード部材5の七つ目の実施例(以下、実施例7と呼ぶ)について説明する。
図12は、実施例7のブレード部材5のエッジ層1の拡大説明図である。実施例7のブレード部材5ではスリット4を設ける加工を切断面がきれいな平面となるカッターでの加工ではなく、ディスク状の薄い砥石など切断面が粗くなる加工装置を用いた加工で行う。スリット4の加工面(切断面)の表面を粗くすることで、対向する切断面の幅が狭く、切断面同士が接触してもその接触面には空隙が生じ、加工面同士が真空密着することを防止できる。真空密着していなければ囲う面同士の密着力は低いため、ブレード部材5の撓みに応じてスリット4がスムーズに開くことが可能となり、スリット4を設けることによるヘタリ防止の効果を十分に発揮できる。
切断面が粗くなる加工装置によってスリット4を設け得る加工は、図12に示すように切り込み状のスリット4を設ける加工に限るものではなく、図11を用いて説明した実施例6のように溝状のスリット4を形成する加工に用いてもよい。
ここで、図15に示すように、エッジ層1にスリット4が設けられていない従来の二層構造のブレード部材について説明する。
特許文献3には、エッジ層は長期に渡ってトナーを掻き取る機能、バックアップ層(特許文献3ではベース層)はエッジ層の圧接力を調整する機能として二層構造のグブレード部材が開示されている。この二層のブレード部材では、エッジ層、バックアップ層に関する物性値が開示されており、エッジ層の永久伸びが5[%]以下、バックアップ層の永久伸びが1.5[%]以下の構成が開示されている。
しかしながら、エッジ層とバックアップ層とを合わせた二層全体での永久伸びの規定がなく、エッジ層、バックアップ層の材料物性を規定したに過ぎない。本発明者らが鋭意検討を重ねたところ、エッジ層、バックアップ層を合わせた二層全体での永久伸びの値が、高硬度材料を単層で用いた場合の永久伸びの値と同等である場合には、二層構造としても、長期に渡る使用によってヘタリが発生し、クリーニング不良の原因となることが分かった。
従って、従来の二層構造のブレード部材における二層全体での永久伸びの値が大きい場合には、長期に渡る使用においてヘタリが発生し、初期の当接状態が変動してしまい、長期に渡るクリーニング性能の維持には問題がある。
〔実験例〕
本発明者らは実験によってブレード部材全体として永久伸びの値が2[%]以下となるように設定すれば、図15に示すように、先端から根元まで一様な二層構造のブレード部材であっても、ヘタリによるクリーニング性能の低下を使用に耐え得る範囲内とすることができることを確認した。
以下、この実験例に付いて説明する。
本実験では、構成が異なる複数のブレード部材を用意し、各ブレード部材を感光体に当接させた状態で、長時間放置し、初期線圧に対して経時の線圧がどの程度低下するかについて検討した。
実験に用いた7種類のブレード部材であるブレード(1)〜(7)の構成を表1に示す。
Figure 0005483187
表1における単層構造のブレード部材であるブレード(1)〜(5)としては、厚さが1.8[mm]、自由長が7.2[mm]のものを用いた。また、二層構造のブレード部材であるブレード(6)及び(7)としては、エッジ層が0.5[mm]、バックアップ層が1.3[mm]で、ブレード全体の厚さが1.8[mm]、自由長が7.2[mm]のものを用いた。
表1に示すように、ブレード全体としての永久伸びの値はブレード(6)が1.6[%]で、ブレード(7)が1.95[%]である。
表1に示すブレード(1)〜(7)をそれぞれ感光体に当接するように作像ユニットに配置したまま、240時間放置し、その間にブレード部材の作用力(線圧)の時系列データを測定した。また、合わせて異形トナーと球形トナーに対するクリーニング性能を確認した。この測定結果を表2に示す。
Figure 0005483187
図13及び図14は、線圧を測定する測定器200の説明図である。
組み付け状態におけるブレードの当接による線圧を測定する測定器200は、感光体10に相当する径で、ブレード部材5のエッジ層1が接する場所に設けた受け台102を備える。受け台102は、長手方向に三分割された構成であり、ロードセル101にブレード部材5の作用力を伝える。ロードセル101は三つの受け台102のそれぞれに接触するように配置されており、ロードセル101としては、例えば、KYOWA製LMA−A-1〇Nを用いることが出来る。また、測定器200は、ロードセル101に作用する力を表示するためのパネル103を備える。パネル103としては、例えばKYOWA製計装パネルWGA−650を用いることが出来る。さらに、ロードセル101で測定される測定値を時系列に記録するためのロガー104(パーソナルコンピュータでのロギング)を用意し、実際の使用に即したレイアウトでブレード部材を組み付ける。そして、記録された測定値について、ブレード組み付け時を初期値として、その値と所定の経過時間時の測定値とを比較することで、線圧の低下率を算出する。
図示の例では、測定に用いる受け台102を3分割しているが、受け台102の分割数は任意で良い。
表2における線圧低下率とは、初期線圧に対する240時間放置後の線圧の割合であり、(240時間放置後の線圧)/(初期線圧)×100で求まる値である。
表2に示す異形トナーとは、円形度0.96程度で、粒径約6[μm]の重合トナーであり、球形トナーとは円形度0.98以上で、粒径約4[μm]の重合トナーである。
また、表2中のクリーニング性能について、初期とは、通紙枚数1枚〜1000枚までのサンプルについて以下の判定を行った。また、80Kとは、8万枚通紙を行い、79000枚〜80000枚のサンプルについて以下の判定を行った。
「○」:紙上に顕在化したクリーニング不良なし
「×」:紙上に顕在化したクリーニング不良あり
表2に示すように、単層構造のブレード部材であるブレード(1)〜(5)のうち、永久伸びの値が小さいブレード(1)及びブレード(2)は線圧低下率がそれぞれ97.7[%]及び92[%]であり、線圧の低下を抑制されていることが確認された。一方、永久伸びの値が大きいブレード(3)、ブレード(4)及びブレード(5)では、線圧低下率が、それぞれ88.5[%]、87.6[%]及び78[%]となるまで経時の線圧が低下しており、所謂ヘタリが発生している。
ブレード(1)及びブレード(2)は、永久伸びの値が約2.0[%]であり、永久伸びの値が少ない材料であるため、線圧低下が少なく、異形トナーに対しては長期に渡ってクリーニング性能を維持し、80K時点で良好なクリーニング性を得ている。しかし、100%モジュラスの値がそれぞれ4[MPa]及び5.3[MPa]で十分大きくないため、ブレード先端と感光体とが当接するニップ部において十分に高い当接圧力が得られず、初期から球形トナーをクリーニングすることが出来ない。
ブレード(3)は、永久伸びの値が2.3[%]で、永久伸びが若干高く、線圧低下率が90[%]を下回っており、若干のヘタリが発生している。しかし、100%モジュラスの値が6.2[MPa]で比較的高モジュラス材料である為、異形トナーに対しては、80K相当でも良好なクリーニング性を確保している。また、初期では球形トナーに対しても良好なクリーニング性を得ている。
ブレード(6)及びブレード(7)は、ブレード(4)及びブレード(5)で用いた材料をエッジ層に用い、バックアップ層に永久伸びの小さな材料を用いることにより、二層全体での永久伸びの値をそれぞれ1.6[%]及び1.95[%]にまで改善したブレード部材である。ブレード(6)及びブレード(7)の線圧低下の測定結果は、それぞれ93.2[%]及び91.4[%]となっており、線圧低下率が90[%]以上となるように、経時の線圧の低下が抑えられている。
また、ブレード(6)及びブレード(7)は、100%モジュラスがそれぞれ7.5[MPa]、12[MPa]と比較的高い値であり、高い当接圧力を容易に得られるため、球形トナーに対するクリーニング性能では、初期では十分なクリーニング性能を得ている。さらに、ブレード全体としての永久伸びの値を2.0[%]以下に抑えているため、長期に渡ってクリーニング性能を維持し、80Kの時点でも良好なクリーニング性能を得ている。
上述した実験例から、エッジ層に永久伸びの値が2[%]以上で100%モジュラスの値が高い材料を用いた場合にも、バックアップ層として永久伸びの値が2[%]以下の材料を設け、ブレード部材全体として永久伸びの値が2[%]以下となるように構成することにより、ヘタリの問題が解決される。また、エッジ層に高い当接圧力を得ることができる、100%モジュラスの値が約6[MPa]以上の材料を使用することにより、小粒径、球形の重合トナー(ここでは円形度0.98以上、粒径4[μm]を想定)のクリーニング不良の問題が解決される。
上述しタ実験例のように、一様なブレードでも、エッジ層とバックアップ層の材料の組み合わせによっては、当接圧力を高くすることと、初期の当接状態を維持するととを両立することができる構成もある。しかし、エッジ層に100%モジュラスの値が大きい材料を用いつつ、ブレード部材全体での永久伸びの値が2[%]以下とする構成は、材料選択や、厚さの組み合わせに制約が生じてしまう。
これに対して、本実施形態のブレード部材5のように、エッジ層1にスリット4を設けた構成であれば、エッジ層1のヘタリの影響を抑制することができる。このため、スリット4を設ける前の二層構造のブレード部材全体での永久伸びの値が2[%]以上となるものであっても、バックアップ層2の永久伸びの値が2[%]以下であれば、スリット4の深さや形状によって、線圧低下率を90[%]以上とすることができる。よって、本実施形態のブレード部材5を備えたクリーニング装置30では、当接圧力を高くすることと、初期の当接状態を維持するととを両立することができる構成において、材料選択や、厚さの組み合わせの制約を緩和できる。
上述した実施形態では、永久伸びの値が大きいエッジ層1と永久伸びの値が小さいバックアップ層2からなる積層構造のブレード部材5を備えるクリーニング装置30は、感光体10を被清掃体としてその表面の付着物を除去する構成である。本実施形態と同様のブレード部材を備えたクリーニング装置の被清掃体としては、感光体に限るものではない。例えば、中間転写ベルト162を被清掃体として、中間転写ベルトクリーニング装置167のクリーニング部材として、ブレード部材5と同様のものを用いることが出来る。さらに、被清掃体としては感光体10や中間転写ベルト162のようなトナー像担持体に限るものではなく、未転写のトナー像が形成された記録媒体を搬送する記録媒体搬送ベルトを清掃体として、記録媒体搬送ベルトのクリーニング装置のクリーニング部材としてもブレード部材5と同様のものを用いることが出来る。また、記録媒体搬送ベルトを備える画像形成装置としては、電子写真方式のものに限らず、インクジェット方式のものであって、記録媒体搬送ベルトのクリーニング装置のクリーニング部材としてもブレード部材5と同様のものを用いることが出来る。
さらに、ブレード部材5はカウンター方式で感光体10に当接する構成であるが、当接方式としては、トレーリング方式でも適用可能である。
以上、本実施形態のクリーニング装置30は、互いに永久伸びの値が異なる材質からなる複数の層によって構成される積層構造のブレード部材5と、ブレード部材5の一端を保持する保持部材であるブレードホルダ3とを有する。クリーニング装置30は、ブレード部材5の他端の先端稜線部であるエッジ部1eを表面移動する被清掃体である感光体10の表面に当接させて、感光体10の表面をクリーニングする構成である。ブレード部材5の複数の層のうちエッジ部1eを備えるエッジ層1は、他の層であるバックアップ層に比べて永久伸びの値が大きい材質によって形成される。このようなクリーニング装置30で、ブレード部材5がブレードホルダ3によって保持される保持位置5aからエッジ部1eまでの間のエッジ層1の表面に、感光体10の表面移動方向に直交する方向に延在する複数のスリット4を設けている。エッジ層1の表面に複数のスリット4を設けているため、ブレード部材5が感光体10に押しつけられ撓んだ状態では、エッジ層1以外の層が撓んだ状態となり、エッジ層1は撓んだ状態となった層に沿うようにスリット4が開く。ブレード部材5が撓んだ状態ではエッジ層1のスリット4が開くため、図15に示す構成のように、保持位置5aからエッジ部1eまでの全域に渡って存在するエッジ層1にヘタリが生じる構成とは異なり、エッジ層1以外の層であるバックアップ層2に対して撓む方向の力が働くことを抑制できる。このため、図16を用いて説明した構成と同様に当接圧力を高くすることと、初期の当接状態を維持するととを両立することができる。さらに、二層の積層構造に形成されたブレード部材5のエッジ層1にスリット4を設ける加工を施すのみであり、新たな工法は必要なく、先端部以外のエッジ層1の部分を取り除くほどの労力も不要であるため、量産性に適している。よって、量産性に適したブレード部材5によって、当接圧力を高くすることと、初期の当接状態を維持するととを両立することができる。
また、実施例5のように、スリット4を形成する断面同士の密着を抑制する密着抑制剤9をスリット4に塗布することで、スリット4の切断面同士が密着することを防止し、ブレード部材5の撓みに応じてスリット4がスムーズに開くことが可能となり、スリット4を設けることによるヘタリ防止の効果を十分に発揮できるようになる。
また、実施例6や実施例7のように、スリット4を形成する断面同士の密着を抑制するためにスリット4に断面密着防止加工を施すことで、スリット4の切断面同士が密着することを防止することができる。これにより、ブレード部材5の撓みに応じてスリット4がスムーズに開くことが可能となり、スリット4を設けることによるヘタリ防止の効果を十分に発揮できる。
特に、実施例6のように、断面密着防止加工として幅のある溝状のスリット4を設けることで、切断面同士が接触することを防止することが出来る。溝状のスリット4としては、図11(a)に示すように、スリット4がV字溝形状となるようにエッジ層1に除去加工を施すことで、加工方法、加工時間など加工に課題の少ない溝の形状を実現することが出来る。
また、図11(b)及び図11(c)に示すように、溝状のスリット4の面の向きが変わる箇所(コーナー)を角とせずに丸みを設けた形状とすることで、亀裂防止という観点で有効である。
特に、実施例7のように、断面密着防止加工として、スリット4を形成する断面に粗面処理加工が施すことで、切断面同士が接触しても空隙が形成され、真空密着することを防止できるため、スリット4の切断面同士が密着することを防止することができる。
また、ブレード部材5を感光体10に当接させた状態での線圧低下率が90[%]以上となるように設定することにより、積層構造のブレード全体の永久伸びの値が2%以内となるブレード部材と同様に当接圧力を高くすることと、初期の当接状態を維持するととを両立することができる。
また、本実施形態のクリーニング装置30で用いるブレード部材5のエッジ層1が感光体10の表面に接触する部分よりもエッジ部1e離れた箇所(距離S1となる位置よりも根元側)のエッジ層1の表面にスリット4を設ける。最も先端側のスリット4とエッジ部1eとの距離S(100[μm])を、ニップ幅Nよりも長く設定することにより、スリット4を起点としためくれの発生を防止することが出来る。
また、ブレード部材5のエッジ層1に設けるスリット4の深さをエッジ層の層厚t以下とすることにより、スリット4の最深部がバックアップ層2にまで達することを防止し、バックアップ層2に切れ目が入ることに起因するブレード部材5の強度が低下することを防止できる。
また、図6のL1で示すように、ブレード部材5の保持位置5a近傍までの範囲にわたる複数箇所にスリット4を設けたことにより、応力が集中するブレードホルダ3のエッジの部分でスリット4が開くため、ヘタリの緩和に対してより大きな効果が得ることができる。
また、本実施形態のプリンタ100は、表面移動する潜像担持体である感光体10上に形成した画像を最終的に記録媒体である転写紙に転移させるものであり、このプリンタ100本体に着脱自在に構成され、感光体10を上記被清掃体としてその表面上に付着した不要な付着物を除去するクリーニング手段と、感光体10とを一体に支持したプロセスカートリッジ121を備える。そして、このプロセスカートリッジ121のクリーニング手段として、本実施形態のクリーニング装置30を用いることにより、当接圧力を高くすることと、初期の当接状態を維持するととを両立することができ、長期に渡って感光体10のクリーニングを良好に行うことが出来るプロセスカートリッジ121を実現できる。
また、プリンタ100は、表面移動する像担持体である感光体10上に形成したトナー像を中間転写体である中間転写ベルト162に転写し、このトナー像を最終的に記録媒体である転写紙に転移させるものであり、このプリンタ100本体に着脱自在に構成され、中間転写ベルト162を被清掃体としてその表面上に付着した不要な付着物を除去するクリーニング手段である中間転写ベルトクリーニング装置167と、中間転写ベルト162とを一体に支持した中間転写ユニットである二次転写装置160を備える。そして、中間転写ベルトクリーニング装置167として、クリーニング装置30と同様のブレード部材を備えるクリーニング装置を用いることにより、長期に渡って中間転写ベルト162のクリーニングを良好に行うことが出来る二次転写装置160を実現できる。
また、プリンタ100は、表面移動部材である感光体10上に形成したトナー像を最終的に転写紙に転移させる画像形成装置であり、感光体10上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段として、クリーニング装置30を用いることにより、長期に渡って感光体10のクリーニングを良好に行うことができ、良好な画像形成を行うことが出来る。
また、プリンタ100では、トナー像を形成するトナーは、形状係数SF1が100以上150以下の重合トナーである。重合トナーによっては球形に近く、より高画質なトナー像を形成することが出来るものがあるが、このような球形トナーは高い除去性能を要する。クリーニング装置30は、当接圧力を高くすることと、初期の当接状態を維持するととを両立することができるため、高い除去性能を要する球形トナーであっても良好にクリーニングを行うことができ、プリンタ100は、安定して高画質な画像形成を行うことができる。
また、画像形成装置としては、表面移動部材する記録体搬送部材である記録体搬送ベルトの表面に担持された記録体上に画像を形成する本体に着脱自在に構成され、記録体搬送ベルトを被清掃体としてその表面上に付着した不要な付着物を除去するための搬送ベルトクリーニング手段と、記録体搬送ベルトとを一体に支持した記録体搬送ユニットを備えるものがある。このような構成の画像形成装置における搬送ベルトクリーニング手段として、クリーニング装置30と同様のブレード部材を備えるクリーニング装置を用いることにより、長期に渡って記録体搬送ベルトのクリーニングを良好に行うことが出来る記録体搬送ユニットを実現できる。
1 エッジ層
1e エッジ部
2 バックアップ層
3 ブレードホルダ
4 スリット
5 ブレード部材
5a 保持位置
9 密着抑制剤
10 感光体
30 クリーニング装置
40 帯電装置
50 現像装置
90 定着装置
100 プリンタ
120 画像形成部
121 プロセスカートリッジ
160 二次転写装置
161 一次転写ローラ
162 中間転写ベルト
165 二次転写ローラ
167 中間転写ベルトクリーニング装置
特許3276462号公報 特開2007−248737号公報 特開2007−086202号公報

Claims (15)

  1. 互いに永久伸びの値が異なる材質からなる複数の層によって構成される積層構造のブレード部材と、
    該ブレード部材の一端を保持する保持部材とを有し、
    該ブレード部材の他端の先端稜線部であるエッジ部を表面移動する被清掃体の表面に当接させて、該被清掃体の表面をクリーニングする構成であり、
    該ブレード部材の複数の層のうち上記エッジ部を備えるエッジ層は、他の層に比べて永久伸びの値が大きい材質によって形成されるクリーニング装置において、
    上記ブレード部材が上記保持部材によって保持される保持位置から上記エッジ部までの間の上記エッジ層の表面に、上記被清掃体の表面移動方向に直交する方向に延在する複数のスリットを設けたことを特徴とするクリーニング装置。
  2. 請求項1のクリーニング装置において、
    上記スリットを形成する断面同士の密着を抑制する密着抑制剤が該スリットに塗布されていることを特徴とするクリーニング装置。
  3. 請求項1または2のクリーニング装置において、
    上記スリットを形成する断面同士の密着を抑制するために該スリットには断面密着防止加工が施されていることを特徴とするクリーニング装置。
  4. 請求項3のクリーニング装置において、
    上記断面密着防止加工として、上記スリットがV字溝形状となるように該スリットに除去加工が施されていることを特徴とするクリーニング装置。
  5. 請求項3または4のクリーニング装置において、
    上記断面密着防止加工として、上記スリットが溝形状となるように該スリットに除去加工が施され、溝の角に丸みをつける加工が施されていることを特徴とするクリーニング装置。
  6. 請求項3乃至5のいずれか1項に記載のクリーニング装置において、
    上記断面密着防止加工として、上記スリットを形成する断面に粗面処理加工が施されていることを特徴とするクリーニング装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のクリーニング装置において、
    上記ブレード部材を上記被清掃体に当接させた状態での線圧低下率が90[%]以上であることを特徴とするクリーニング装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載のクリーニング装置において、
    上記エッジ層が上記被清掃体の表面に接触する部分よりも離れた箇所の該エッジ層の表面に上記スリットを設けたことを特徴とするクリーニング装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のクリーニング装置において、
    上記スリットの深さは上記エッジ層の層厚以下であることを特徴とするクリーニング装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載のクリーニング装置において、
    上記保持位置近傍までの範囲にわたる複数箇所に上記スリットを設けたことを特徴とするクリーニング装置。
  11. 表面移動する潜像担持体上に形成した画像を最終的に記録媒体に転移させる画像形成装置の本体に着脱自在に構成され、
    該潜像担持体を上記被清掃体としてその表面上に付着した不要な付着物を除去するクリーニング手段と、該潜像担持体とを一体に支持したプロセスカートリッジにおいて、
    上記クリーニング手段として、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のクリーニング装置を用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  12. 表面移動する像担持体上に形成した画像を中間転写体に転写し、この画像を最終的に記録媒体に転移させる画像形成装置の本体に着脱自在に構成され、
    該中間転写体を上記被清掃体としてその表面上に付着した不要な付着物を除去するクリーニング手段と、該中間転写体とを一体に支持した中間転写ユニットにおいて、
    上記クリーニング手段として、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のクリーニング装置を用いることを特徴とする中間転写ユニット。
  13. 表面移動部材である像担持体上に形成した画像を最終的に記録体に転移させる画像形成装置において、
    上記像担持体上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段として、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のクリーニング装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項13の画像形成装置において、
    上記画像を形成するトナーの形状係数SF1が100以上150以下であることを特徴とする画像形成装置。
  15. 表面移動部材する記録体搬送部材の表面に担持された記録体上に画像を形成する画像形成装置の本体に着脱自在に構成され、
    該記録体搬送部材を上記被清掃体としてその表面上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段と、該記録体搬送部材とを一体に支持した記録体搬送ユニットにおいて、
    上記クリーニング手段として、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のクリーニング装置を用いることを特徴とする記録体搬送ユニット。
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