JP2017040902A - 感光体クリーニング装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

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有 榊原
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Abstract

【課題】異物付着による白ポチ等の異常画像の発生を抑制できる感光体クリーニング装置を提供する。【解決手段】感光体クリーニング装置1に、ローラ部材としての研磨ローラ2と、クリーニング部材としてのクリーニングブレード5とを設け、感光体10に接触配置し、感光体表面の転写残トナーや外添剤を除去するように構成した。そして、感光体10を帯電させる帯電部材としての帯電ローラ41とクリーニングブレード5との間に、研磨ローラ2を配置した。【選択図】図2

Description

本発明は、感光体クリーニング装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関するものである。
画像形成装置の高信頼性、高寿命化のためには、感光体寿命を延ばす必要がある。
そして、感光体の高寿命化のために、感光体の耐摩耗性を向上させた場合には、その削れ難さのために、感光体表面にトナーや、その外添剤等の異物が付着蓄積することがあり、感光体表面への異物付着蓄積による、白ポチ等の異常画像が発生することがあった。
このような異常画像の発生を抑制するため、従来からクリーニングローラ等のローラ部材と、クリーニングブレード等のクリーニング部材とを感光体に接触配置し、感光体表面の付着物を除去する感光体クリーニング装置が知られている。
例えば、特許文献1には、ローラ部材とクリーニング部材とを感光体に接触配置するにあたり、感光体を帯電する帯電部材とローラ部材との間に、クリーニング部材を配置した感光体クリーニング装置が記載されている。
しかしながら、感光体を帯電する帯電部材とローラ部材との間に、クリーニング部材を配置した感光体クリーニング装置では、作像する画像や作像(温度)環境等により、感光体表面の異物が蓄積成長して、白ポチ等の異常画像が発生する場合があった。
上述した課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ローラ部材と、クリーニング部材とを感光体に接触配置し、前記感光体表面の付着物を除去する感光体クリーニング装置であって、前記感光体を帯電させる帯電部材と前記クリーニング部材との間に、前記ローラ部材を配置することを特徴とする。
本発明によれば、異物付着による白ポチ等の異常画像の発生を抑制できる感光体クリーニング装置を提供できる。
―実施形態に係るプリンタ100の概略構成図。 プリンタが備える作像ユニットの一例の概略構成図。 従来の画像形成装置が備える作像ユニットの一例の概要構成図。 実施例1に係る作像ユニットに有した感光体の表面の構成説明図。 実施例1に係る研磨ローラの構成説明図。 実施例1に係る研磨ローラの凸形状を形成する弾性材料を発泡材料である発泡ウレタンとした場合の、感光体から付着物を除去するメカニズムの説明図。 設ける位置の違いにより、研磨ローラに入力されるトナーの厚さの、長手方向の変化の説明図。 実施例2に係る作像ユニットの概略構成図。 実施例2に係る感光体クリーニング装置の、研磨ローラの感光体に対する加圧方向の説明図。 実施例3に係る感光体クリーニング装置に設けた研磨ローラの説明図。 実施例4に係る作像ユニットの概略構成図。 クリーニングブレードの、感光体表面の摺動で変形するブレードエッジの経時変化の説明図。 実施例4に係る除去ローラの、感光体に対する加圧力を制御する加圧力制御機構の説明図。 実施例4に係る除去ローラの、感光体の使用時間に応じた加圧力の制御例のグラフ。 実施例5に係る作像ユニットの概略構成図。 実施例5に係るメラミンローラの外径変化の説明図。 実施例5に係るメラミンローラの、感光体の使用時間に応じた外径、及び加圧力の変化を示したグラフ。 実施例5に係るメラミンローラの作成方法の説明図。 実施例6に係る作像ユニットの概略構成図。 実施例6に係る除去ローラの、感光体の使用時間に応じたローラ回転数の制御例のグラフ。 実施例7に係る作像ユニットの概略構成図。 実施例7に係る無機微粒子を表面に添加したメラミンローラの、経時変化の説明図。 実施例8に係る作像ユニット121の概略構成図。 ローラ外径が長手方向で均一なローラ部材の、端部と中央部で発生する接触圧偏差の説明図。 クリーニングブレード上流側に配置されたローラ部材表面に保持されるトナーの説明図。 実施例8に係る中央部外径を端部よりも大きくしているメラミンローラの一例の説明図。 中央部外径を端部よりも大きくして感光体軸方向接触圧偏差を低減している状態の説明図。 メラミンローラの中央部外径を端部よりも大きくした構成の検証実験結果。 実施例8に係る中央部外径を端部よりも大きくしているメラミンローラの別例の説明図。 実施例8に係るメラミンローラに中央平坦部を設けた例の説明図。 メラミンローラに平坦部を設けた構成の検証実験結果。 実施例9に係る作像ユニットの概略構成図。 実施例9に係るメラミンローラの説明図。 実施例9のメラミンローラにより、低減できる感光体に対する接触圧偏差の説明図。 メラミンローラの中央部の硬さを端部硬さよりも硬くした構成の検証実験結果。 メラミンローラの中央部と端部の外径差を設け、中央部の硬さを端部硬さよりも硬くした構成の検証実験結果1。 メラミンローラの中央部と端部の外径差を設け、中央部の硬さを端部硬さよりも硬くした構成の検証実験結果2。 メラミンローラと感光体の接触部のメラミンローラ周方向反対側に板金部材からなるバックアップ部材を接触配置する構成の説明図。 メラミンローラと感光体の接触部のメラミンローラ周方向反対側に板金部材からなるバックアップ用ローラ部材を接触配置する構成の説明図。 バックアップ部材をメラミンローラの中央部のみに配置した構成の説明図。
以下、本発明を適用した感光体クリーニング装置を備えた画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、プリンタ100という)の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタ100の概略構成図である。
プリンタ100は、タンデム方式のフルカラー画像を形成する画像形成装置であって、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のトナーを用いてカラー画像形成を行う。作像部120、中間転写部160、及び給紙部130から主として構成されている。なお、以下の説明において、添え字Y、C、M、Bkは、それぞれ、イエロー用、シアン用、マゼンタ用、ブラック用の部材であることを示すものである。
プリンタ100は、その下部に記録媒体としての用紙を収納する2つの給紙カセット131を配した給紙部130を設け、その上方に作像部120及び中間転写部160を配置した構成を備える。
作像部120には、イエロートナー用の作像ユニット121Y、シアントナー用の作像ユニット121C、マゼンタトナー用の作像ユニット121M、ブラックトナー用の作像ユニット121Bkが設けられている。これらの作像ユニット121Y,C,M,Bkは、略水平方向に一列に並べて配置されるとともに、それぞれプロセスカートリッジ122として構成され、プリンタ100に対して、それぞれ一体に着脱可能に構成されている。
中間転写部160は、複数の架張ローラに巻き掛けられた可撓性を有する無端ベルトで構成した中間転写体としての中間転写ベルト162と、一次転写ローラ161Y,C,M,Bkと、二次転写ローラ166を備えている。中間転写ベルト162は、作像ユニット121Y,C,M,Bkの上方で、各作像ユニット121に設けられて表面移動する像担持体(潜像担持体)としてのドラム状の感光体10Y,C,M,Bkの表面移動方向に沿って配置されている。中間転写ベルト162は、感光体10Y,C,M,Bkの表面移動に同期して表面移動する。一次転写ローラ161Y,C,M,Bkは、中間転写ベルト162の内周面に沿って配置されており、これらの一次転写ローラ161Y,C,M,Bkにより中間転写ベルト162の表面が感光体10Y,C,M,Bkの表面に弱圧接している。
中間転写ベルト162を巻き掛ける複数の架張ローラとしては、図1図中左側の駆動ローラ163、図中右側の二次転写バックアップローラ164、及び図中上方の従動ローラ165と、一次転写ローラ161Y,C,M,Bk等が挙げられる。
また、中間転写ベルト162の周囲には、二次転写バックアップローラ164と対向して用紙の搬送経路60に臨む位置に、二次転写装置となる二次転写ローラ166が配置されている。一方、駆動ローラ163と対向する位置にベルト表面を清掃するベルトクリーニング装置167を設置している。
中間転写部160の上方には、作像ユニット121Y,C,M,Bkに対応したトナーボトル159Y,C,M,Bkが略水平方向に並べて配置されている。また、作像ユニット121Y,C,M,Bkの下方には、一様帯電された感光体10Y,C,M,Bkの表面にレーザー光を照射して静電潜像を形成する露光装置140が配置されている。
給紙部130は、露光装置140の下方に配置されている。給紙部130には、記録媒体としての用紙を収容する給紙カセット131及び給紙ローラ132が設けられている。レジストローラ対133を経て中間転写ベルト162と二次転写ローラ166との間の二次転写ニップ部に向けて所定のタイミングで用紙を給送する。
二次転写ニップ部の用紙搬送方向下流側には、用紙にトナー像を定着させる定着装置30が配置されており、この定着装置30の用紙搬送方向下流側には、排紙ローラ及び排紙された用紙を収納する排紙収納部135が配置されている。
そして、給紙部130の2つの給紙カセット131から定着装置30までの間には、用紙を搬送する搬送経路60が形成されている。
作像部120は、駆動ローラ163と二次転写バックアップローラ164との間に配置される中間転写ベルト162の下部側ベルト走行辺に対向するように配置されている。作像ユニット121Y,C,M,Bkは、中間転写ベルト162に接するように感光体10Y,C,M,Bkを配置している。感光体10Y,C,M,Bkが中間転写ベルト162に接する位置における中間転写ベルト162の内側には、一次転写を行う転写装置としての一次転写ローラ161Y,C,M,Bkがそれぞれ設けてある。なお、中間転写ベルト162の上方には、補給用トナーを収納するトナーボトル159Y,C,M,Bkが設けられている。
このプリンタ100では、作像ユニット121Y,C,M,Bkの感光体10Y,C,M,Bkが露光装置140で所定パターンによって露光される。そして、感光体10Y,C,M,Bkが、それぞれ現像装置50Y,C,M,Bkで現像されるのに呼応して、いずれかの給紙カセット131から搬送された用紙は、作像部120に搬送される。その後、中間転写部160で感光体10Y,C,M,Bkから順次トナーが転写され、中間転写ベルト162上に担持されたカラーのトナー像が、二次転写された後、定着装置30で定着されて排出される。
次に、本実施形態のプリンタ100に備える作像ユニット121Y,C,M,Bkの概略について、図を用いて説明する。
図2は、プリンタ100が備える作像ユニット121の一例の概略構成図であり、後述する実施例1の感光体クリーニング装置1の概要説明図でもある。また、図2(a)が作像ユニット121の一例の概略構成図、図2(b)が感光体クリーニング装置1に設けた研磨ローラ2の拡大説明図である。
ここで、作像ユニット121Y,C,M,Bkの構成はほぼ同様であるので、以下の説明では色分け用の添え字Y,C,M,Bkは適宜、省略して、作像ユニット121の構成及び動作について説明する。
図2(a)に示すように、作像ユニット121は、ドラム状の感光体10と、感光体10の周りに配置された感光体クリーニング装置1、帯電装置40、及び現像装置50とを備えている。
感光体クリーニング装置1は、クリーニング部材として、感光体10の回転軸方向に長尺な短冊形状の弾性部材からなる積層構造のクリーニングブレード5と、螺旋状の凸形状が弾性部材で形成されたローラ部材である研磨ローラ2とを備えている。
なお、研磨ローラ2については、後述する各実施例で詳細に説明するため、以下の説明では簡略に、その概要を説明する。
そして、クリーニングブレード5における、感光体10の回転方向と直交する方向へ延びるエッジ稜線となっている先端稜線部を感光体10の表面に押しつけ、感光体表面上の転写残トナー等の不要な付着物を掻き取って除去する。その後、除去されずに感光体表面上に残った外添剤等の異物も、図2(b)に示す、研磨ローラ2の弾性部材で形成された凸形状(異物除去部材)のエッジ部で研磨するように掻き取って除去する。
クリーニングブレード5で除去された転写残トナー等の付着物は排出スクリュ8によって感光体クリーニング装置1の外に排出される。また、研磨ローラ2で除去された外添剤等の異物は、感光体クリーニング装置1を収容したケース内に一旦、落下等した後、このケース外に排出される。なお、クリーニングブレード5は支持部材3を介して、研磨ローラ2は軸受けを介して、感光体クリーニング装置1を収容したケース内に保持されている。
帯電装置40は、感光体10と対向する帯電部材である帯電ローラ41と、この帯電ローラ41に当接して回転する帯電ローラクリーナ42とから主として構成されている。
現像装置50は、感光体10の表面にトナーを供給して静電潜像を可視像化するものであり、現像剤(キャリア、トナー)を表面に担持する現像剤担持体としての現像ローラ51を備える。現像装置50は、この現像ローラ51と、現像剤収容部に収容された現像剤を攪拌しながら搬送する攪拌スクリュ52と、攪拌された現像剤を現像ローラ51に供給しながら搬送する供給スクリュ53と、から主として構成されている。
以上のような構成を有する4つの作像ユニット121は、いずれもプロセスカートリッジ122として一体に構成されており、それぞれ単独でサービスマンやユーザにより着脱・交換が可能となっている。また、プリンタ100から取り外した状態のプロセスカートリッジ122については、感光体10、帯電装置40、現像装置50、感光体クリーニング装置1が、それぞれ単独で新しい装置との交換が可能に構成されている。
なお、作像ユニット121は、感光体クリーニング装置1で回収した転写残トナーを回収する廃トナータンクを備えていてもよい。この場合、更に、作像ユニット121において廃トナータンクを単独で着脱・交換が可能な構成とすれば利便性が向上する。
上述したように、作像ユニット121が、感光体10と、帯電装置40、現像装置50、及び感光体クリーニング装置1の内の少なくとも一つとを含むプロセスカートリッジ122を有することで、プリンタ100は、次のような効果を奏することができる。
複数の作像手段が一体化されて、セット性・メインテナンス性が良いプリンタ100を提供できる。更に、感光体10と一体化することにより、一体化した現像装置50の現像ローラ51、帯電装置40の帯電ローラ41、感光体クリーニング装置1のクリーニングブレード5や研磨ローラ2等の感光体10に対する位置精度が良くなる。
次に、プリンタ100の動作について説明する。
プリンタ100では、装置本体に設けられたオペレーションパネルやパーソナルコンピュータ等の外部機器からプリント命令を受け付ける。
まず、感光体10を図2(a)に矢印で示す、図中時計方向に回転させ、帯電装置40の帯電ローラ41によって感光体10の表面を所定の極性に一様帯電させる。帯電後の感光体10に対し、露光装置140は、入力されたカラー画像データに対応して光変調されたレーザー光を、露光装置140から色ごとに照射し、これによって各感光体10の表面にそれぞれ各色の静電潜像を形成する。そして、各静電潜像に対し、各色の現像装置50の現像ローラ51から各色の現像剤を供給し、各色の静電潜像を各色の現像剤で現像し、各色に対応したトナー像を形成して可視像化する。
次いで、一次転写ローラ161にトナー像と逆極性の転写電圧を印加することによって、中間転写ベルト162を挟んで感光体10と一次転写ローラ161との間に一次転写電界を形成する。同時に、一次転写ローラ161で中間転写ベルト162を弱圧接することで一次転写ニップを形成する。これらの作用により、各感光体10上のトナー像は中間転写ベルト162上に効率よく一次転写される。中間転写ベルト162上には、各感光体10で形成された各色のトナー像が互いに重なり合うように転写され、積層トナー像が形成される。
中間転写ベルト162上に一次転写された積層トナー像に対しては、給紙カセット131内に収容されている用紙が給紙ローラ132やレジストローラ対133等を経て所定のタイミングで給送される。そして、二次転写ローラ166にトナー像と逆極性の転写電圧を印加することにより、用紙を挟んで中間転写ベルト162と二次転写ローラ166との間に二次転写電界を形成し、用紙上に積層トナー像が転写される。
積層トナー像が転写された用紙は定着装置30に送られ、熱及び圧力で定着される。トナー像が定着された用紙は、排紙ローラによって排紙収納部135に排出、載置される。
一方、一次転写後の各感光体10上に残留する転写残トナーは、各感光体クリーニング装置1のクリーニングブレード5で除去されるとともに、除去されずに感光体表面上に残った外添剤等の異物も研磨ローラ2で除去される。また、二次転写後に中間転写ベルト162上に残った転写残トナー等は、ベルトクリーニング装置167で除去される。
ここで、本実施形態の作像ユニット121に有した感光体クリーニング装置1について詳細に説明する前に、従来の作像ユニットに有した感光体クリーニング装置の課題について、図も用いて、より具体的に説明しておく。
なお、本実施形態の感光体クリーニング装置1に有する構成部材と同一な構成部材や、同様な構成部材については、特に区別する必要が無い限り、適宜、同一の符号を付して説明する。
昨今のカラー化、高速化、高画質化の進展とともに、電子写真式の画像形成装置では、4連タンデム方式の画像形成装置が主流となってきている。また、環境意識への高まりから、リサイクル、高信頼性、高寿命化もますます重要になってきている。さらに、オフィス環境への配慮から、オゾン発生量、粉塵発生量に関しても、意識が高まっている。そのために、電子写真式の画像形成装置では、帯電部材として、オゾン発生量が少ない帯電ローラ方式が採用されるものが多い。また、高画質化への要求から、帯電部材としての帯電ローラに(帯電電流が十分に流れ帯電電位の安定する)交流電圧を印加するものも多くなってきている。
感光体は、作像過程、すなわち、帯電、現像、転写、クリーニング過程で、電荷注入、放電、摺擦等、様々なストレスを受けて劣化、摩耗する。このため、高信頼性、高寿命化のためには、感光体寿命を延ばす必要がある。
感光体の高寿命化のために、感光体に潤滑剤を塗布して、感光体への異物付着を防止して感光体摩耗を抑制する場合、感光体そのものを高硬度化したり、感光体表面に高硬度でストレスに強い保護層を設けたりして、耐摩耗性を向上させる場合がある。そして、感光体に潤滑剤を塗布する場合には、潤滑剤や塗布機構のコストがアップする。
また、感光体の耐摩耗性を向上させた場合には、その削れ難さのために、感光体表面にトナーやその外添剤が付着蓄積することがあり、感光体表面への異物付着蓄積による、白ポチ等の異常画像が発生することが問題となってきた。
このような異常画像の発生を抑制するため、従来からクリーニングローラ等のローラ部材と、クリーニングブレード等のクリーニング部材とを感光体に接触配置し、感光体表面の付着物を除去する感光体クリーニング装置が知られている。
例えば、特許文献1には、ローラ部材とクリーニング部材とを感光体に接触配置するにあたり、感光体を帯電する帯電部材とローラ部材との間に、クリーニング部材を配置した感光体クリーニング装置が記載されている。
ここで、従来の感光体そのものを高硬度化して、高寿命化を狙った感光体回り作像ユニットの例を図3に示す。
図3に示す感光体10は高硬度なアモルファスシリコンで構成されている。この感光体は、高硬度で耐摩耗性がよく削れにくいため、感光体表面に付着した異物が感光体表面の摩耗とともに除去されにくくなっており、感光体表面に付着した異物がやがて蓄積成長して、白ポチ等の異常画像が発生する。
そこで、感光体表面に付着したトナー、外添剤等の異物を除去するために、クリーニングブレード5の感光体回転方向上流側に、感光体表面に接触したローラ部材として円柱状のクリーニングローラ9を軸位置固定で配置している。そして、感光体10と従動方向に回転駆動して感光体表面の線速の1.1倍で摺擦させ、トナーに含まれる研磨成分とクリーニングローラ9の摺擦により感光体10に付着した異物を除去している。
このクリーニングローラ9は、高硬度な(例えば、50[°]:Asker−C)なEPDM発泡ゴムから構成されている。
なお、オゾン発生量の低減と帯電電位の安定化のために、帯電部材として、直流電圧に交流電圧を重畳した接触AC帯電ローラである帯電ローラ41を採用している。
しかしながら、クリーニングローラ9は、クリーニングブレード5の感光体回転方向上流側に配置されているため、作成する画像によりクリーニングローラ9に入力されるトナー量が異なる。高画像作像時には、クリーニングローラ9は、トナーが過剰に供給されて感光体10との接触面積が減少し、クリーニングローラ9の感光体摺擦作用が弱くなり、高画像が連続する場合には、クリーニングローラ9の感光体摺擦除去能力が不足してくる。また、作成する画像によりクリーニングローラ9に入力されるトナー量は、クリーニングローラ9の長手方向(軸方向)でも異なり、入力されるトナーの長手方向の厚さの高低差により、クリーニングローラ9の感光体摺擦除去能力が不足する場合もある。更に、高温環境等、感光体への異物の付着力が高まる場合には、感光体摺擦除去能力不足により、感光体表面に付着した異物を除去しきれなくなる。そして、感光体表面の異物が蓄積成長して、白ポチ等の異常画像が発生する。
また、高硬度な(例えば50[°]:Asker−C)材質のクリーニングローラ9を軸位置固定で感光体と摺擦させている。このため、クリーニングローラ9の外径のバラツキにより、感光体への食い込み加圧力のバラツキが大きくなる。そして、食い込み量が大きい場合には、感光体駆動負荷が大きくなり、バンディング、ジダーといった異常画像も発生する。一方、食い込み量が小さい場合には、加圧力不足により、異物除去不良が発生する。
また、感光体駆動負荷が大きい場合には、摺擦負荷も大きくなり、感光体10の膜摩耗が促進されてしまう場合もあった。
以下、上述したような従来の感光体クリーニング装置の課題を解決するために、発明者らが見出した作像ユニット121に有する感光体クリーニング装置1の構成について、複数の実施例を挙げて説明する。
(実施例1)
本実施形態の作像ユニット121に有した感光体クリーニング装置1の実施例1について説明する。
ここで、図2を用いて説明したように、本実施例のローラ部材である研磨ローラ2は、帯電ローラ41の感光体回転方向上流側であって、クリーニングブレード5の感光体回転方向下流側、つまり帯電ローラ41とクリーニングブレード5との間に配置されている。
まず、本実施例に係る作像ユニット121の構成について、図を用いて、より詳細に説明する。
図4は、本実施例に係る作像ユニット121に有した感光体10の表面の構成説明図であり、図4(a)が感光体10の表面の層構造の説明図、図4(b)が図4(a)に示す保護層12の拡大説明図である。図5は、本実施例に係る研磨ローラ2の構成説明図であり、図5(b)が斜視説明図、図5(b)が断面説明図である。図6は、本実施例に係る研磨ローラ2の凸形状を形成する弾性材料を発泡材料である発泡ウレタン2bとした場合の、感光体10から付着物を除去するメカニズムの説明図である。図7は、設ける位置の違いにより、研磨ローラ2に入力されるトナーの厚さの長手方向の変化の説明図である。そして、図7(a)が従来の感光体クリーニング装置と同様にクリーニングブレード5の感光体回転方向上流側に設けた場合の説明図、図7(b)が本実施例のようにクリーニングブレード5の感光体回転方向下流側に設けた場合の説明図である。
本実施例の作像ユニット121では、ドラム状の感光体10として、直径:φが30[mm]で、図4(a)に示すように感光層11の上(感光体表面)に保護層12を設けたものを用いている。そして、感光体表面に設ける保護層12としては、図4(b)に示すように、無機微粒子であるアルミナフィラー12aを含有して架橋樹脂12bにより固められた高硬度なものを用いている。
帯電装置40では、従来と同様に、オゾン発生量の低減と帯電電位の安定化のために、帯電部材として、直流電圧に交流電圧を重畳した接触AC帯電ローラである帯電ローラ41を採用している。この帯電ローラ41は、直径:φが8[mm]の金属芯金上に2[mm]のヒドリンゴムからなる弾性層が設けられている。更にその表面には、およそ5[μm]の表面層を設けて、弾性ゴム層からの汚染成分の染み出しによる感光体汚染を防止している。
クリーニングブレード5には、クリーニング能力が向上する高硬度なエッジ層と、エッジ層よりも低硬度なバックアップ層で構成された2層ブレードが採用されている。具体的には、エッジ硬度が90[°](JIS K)、100%モジュラスが10[Mpas]と高硬度な厚み0.5[mm]のエッジ層と、エッジ層よりも低硬度(硬度が65[°])で厚み1.5[mm]のバックアップ層で構成された2層ブレードである。
また、クリーニングブレード5の自由長は8[mm]で、当接エッジが感光体10におよそ0.8[mm]食い込むように配置されている。エッジ硬度が高い(すなわち、100%モジュラスが大きい)と、クリーニングブレード5のエッジの引き込まれがなくなり、挙動が安定するため、クリーニング能力が向上する。
そして、本実施例の作像ユニット121では、感光体クリーニング装置1に有するローラ部材(感光体付着物除去部材)である研磨ローラ2の構成が、従来の感光体クリーニング装置に有するクリーニングローラとは異なる。
本実施例では、感光体表面に付着したトナーや外添剤等の異物(付着物)を除去するために、ローラ部材として、図5(a)、(b)に示すように芯金2a上に、発泡ウレタン2bが螺旋状に設けられた研磨ローラ2を用いている。具体的には、研磨ローラ2は、直径:φが5[mm]の金属軸である芯金2a上に、硬度が50[°](Asker−C)、厚さが2[mm]、幅が4[mm]の発泡ウレタン2bが70[mm]ピッチで、螺旋状に設けられたものである。そして、螺旋状に設けられた発泡ウレタン2bの外周側の接触部2cが感光体10の表面に摺擦する。
この研磨ローラ2が、図2に示すように感光体表面上のクリーニングブレード5と帯電ローラ41との間に配置されている。
なお、本実施例の研磨ローラ2は、型成形により、芯金2a上に発泡ウレタン2bの螺旋形状を形成している。
そして、研磨ローラ2は、感光体10の表面と線速差を持ち、感光体表面を摺擦するように、駆動源のより回転駆動されるように構成されている。これにより、図5(a)に示す研磨ローラ2に設けた発泡ウレタン2bの感光体10に接触する表面である接触部2cが感光体10の表面と線速差をもって感光体表面を摺擦でき、摺擦効果により、感光体表面の付着物を効果的に除去することが可能となる。
また、研磨ローラ2(発泡ウレタン2b)の感光体食込み量は、およそ0.3[mm]で設定されている。
また、発泡ウレタン2bは、図6に示すように、無数の微小な空孔をもつセル構造となっているので、微小空孔部分のエッジが感光体表面を効果的に摺擦し、感光体表面に付着した異物を除去する。つまり、研磨ローラ2に螺旋状の凸形状を形成する(螺旋配置される)弾性材料が無数の微小な空孔をもつセル構造となっているので、微小空孔部分のエッジが感光体表面を効果的に摺擦するので、感光体表面の付着物除去効果が向上する。
また、研磨ローラ2は、図2に示すように、感光体表面に接触して、図中、時計方向に回転する感光体10の回転方向に対して、図中、反時計方向である反対方向に駆動源により回転駆動される。これにより、研磨ローラ2が感光体10との接触部で、感光体10とは、反対方向に回転するので、感光体表面に対する研磨ローラ2の線速差を大きくできる。このように線速差を大きくすることで、研磨ローラ2の感光体表面の摺擦効果が大きくなり、感光体表面の付着物除去効果が向上する。
なお、本実施例の感光体クリーニング装置1では、研磨ローラ2は、感光体10の表面の線速に対して、0.5倍の線速で駆動源により回転駆動されて感光体10を摺擦している。
螺旋状の凸部が回転にともなって、感光体表面と接触、離間する際、凸部のエッジ部(接触部2cの端部近傍)が感光体10の表面を摺擦するために、エッジ部の掻き取り効果により、感光体表面の付着物が効果的に除去できる。
また、研磨ローラ2がクリーニングブレード5の感光体回転方向下流側に配置されているため、画像面積によって、研磨ローラ2へのトナーの入力量が変わることがない。すなわち、研磨ローラ2と感光体10との接触面積が増減して異物除去能力が変化することがない。このため、研磨ローラ2が安定して異物除去能力を発揮することができる。
また、感光体10の回転方向に対して、反対方向に感光体線速の0.5倍で研磨ローラ2が駆動されているため、感光体表面に対する研磨ローラ2の摺擦速度(相対移動速度)が感光体10の線速に対して1.5倍となり摺擦効果が大きくなる。感光体回転方向に対して反対方向に回転させるために、同じ方向に回転させるもののように、研磨ローラ2そのものの線速を感光体10の線速の1.5倍まで大きくする必要がない。このため、研磨ローラ2の回転数が抑えられ、研磨ローラ2の回転軸受けに対する負荷を抑制することが可能となる。
そして、研磨ローラ2の螺旋状の凸形状のエッジ部の摺擦掻き取り効果によって、高温環境等、感光体10への異物の付着力が高まる場合でも、感光体10へ異物が付着蓄積することが防止可能となり、白ポチ等の異常画像の発生を防止できる。
また、研磨ローラ2は、直径:φが5[mm]の芯金2a上に感光体10と接触する厚さが2[mm]、幅が4[mm]の凸部が70[mm]ピッチで螺旋状に配置されて凸形状を形成しているため、接触面積がおよそ1/4まで低減される。このように接触面積が低減されるため、研磨ローラ2の感光体10への全体加圧力がおよそ1/4まで抑制できる。
このため、研磨ローラ2の感光体10への設定食い込み量の0.3[mm]に対して、研磨ローラ2のローラ外径バラツキが、±0.15[mm]までローラ外径がばらついても、感光体加圧力のバラツキがおよそ1/4まで低減される。
そして、研磨ローラ2のローラ外径がバラツキ範囲で大きい場合でも、感光体駆動に対する研磨ローラ2の負荷が抑制されて、バンディング、ジダーといった異常画像の発生を防止できる。
このようして、研磨ローラ2のローラ外径がバラツキ範囲で大きいことによる加圧力の上昇を抑制することができるので、研磨ローラ2の食い込み量を0.3[mm]まで大きく設定できている。このため、研磨ローラ2の外径バラツキに対して、研磨ローラ2による感光体10の表面に付着した付着物(異物)の除去能力不足を防止可能な程度まで、食い込み量を大きく設定している。
また、研磨ローラ2の感光体10に対する接触加圧力、及びそのバラツキ抑制による感光体駆動負荷の軽減効果により、感光体10の膜摩耗も抑制できる。
また、研磨ローラ2が感光体10の回転方向に対して帯電ローラ41の上流側(前)に配置されているために、感光体表面が帯電電流により活性化され、異物と感光体表面との付着力が高まる前に、感光体表面のシリカ等のトナー外添剤を除去することが可能となる。これにより、感光体10の表面にトナー外添剤等が付着することを効果的に防ぐことが可能となる。
上述したように、本実施例の感光体クリーニング装置1は、ローラ部材としての研磨ローラ2と、クリーニング部材としてのクリーニングブレード5とを感光体10に接触配置し、感光体表面の転写残トナーや外添剤を除去するものである。そして、研磨ローラ2の軸である芯金2a上に螺旋状の凸形状を弾性材料としての発泡ウレタン2bで形成し、感光体10を帯電させる帯電部材としての帯電ローラ41とクリーニングブレード5との間に、研磨ローラ2を配置している。
このように構成することで、本実施例の感光体クリーニング装置1では、研磨ローラ2が、感光体回転方向に対して、クリーニングブレード5の下流側に配置されるので、研磨ローラ2と感光体10の接触部に入力される残留トナーを低減することができる。このため、研磨ローラ2と感光体10の接触面積が減少したり、変動したりすることを抑制しつつ、入力されるトナーの長手方向の厚さの高低差も低減できる。これにより、研磨ローラ2による感光体10に付着した異物の異物除去能力が不足せず、安定するため、感光体上の異物(付着物)を安定して除去できる。
また、研磨ローラ2が帯電ローラ41の感光体回転方向上流側に配置されているために、感光体10の表面が帯電電流により活性化され、異物が付着しやすくなる前に、感光体表面のシリカ等のトナー外添剤を除去することも可能となる。
これらにより、感光体10への異物付着を防止可能となり、異物付着による白ポチ等の異常画像の発生を抑制できる。
よって、異物付着による白ポチ等の異常画像の発生を抑制できる感光体クリーニング装置1を提供できる。
また、本実施例の感光体クリーニング装置1は、発泡ウレタンで形成した螺旋状の凸形状が回転して感光体表面と接触、離間する際、凸形状のエッジ部が感光体表面を摺擦する掻き取り効果により異物除去能力を向上させることができる。このため、ローラ部材としての研磨ローラ2の感光体10への加圧力を抑制できる。加えて、研磨ローラ2には感光体10と接触する凸形状が螺旋状に形成(配置)されており、感光体10との接触面積が小さくなるため、研磨ローラ2の感光体10への加圧力も抑制できる。そして、これらの加圧力の抑制効果により、研磨ローラ2の感光体10への食い込み加圧力のバラツキを低減し、感光体駆動負荷が大きくなってバンディング、ジダーといった異常画像が発生したり、加圧力不足して異物除去不良が発生したりすることを抑制できる。
また、研磨ローラ2が感光体10に接触するときの加圧力を低減することによる感光体駆動負荷の低減効果により、感光体10の膜摩耗も抑制できる。
よって、バンディング、ジダーといった異常画像の発生を抑制しつつ、感光体10の膜摩耗も抑制できる感光体クリーニング装置1を提供できる。
また、本実施例のプロセスカートリッジ122は、上述したように、少なくとも感光体10と、感光体クリーニング装置1とを備えることで、上述した感光体クリーニング装置1と同様な効果を奏することができる。
また、本実施例のプリンタ100は、感光体クリーニング装置として、上述したような感光体クリーニング装置1を備えることで、上述した感光体クリーニング装置1と同様な効果を奏することができる。
なお、特許文献2には、芯金(芯体)上に螺旋状の凸形状を弾性材料(発泡弾性材料)で形成した、被清掃部材の付着物を除去するローラ部材(清掃部材)が記載されている。しかし、特許文献2には、被清掃対象を感光体とし、クリーニングブレードとローラ部材とを用いて感光体上の付着物を除去する場合の、クリーニングブレードとローラ部材との配置位置の関係については、明確な記載は一切無い。
ここで、設ける位置の違いにより、研磨ローラ2に入力されるトナーの厚さの、長手方向の変化について、図7を用いて説明しておく。
感光体10へのトナーの入力画像は感光体10の長手方向に薄い部分と濃い部分が存在するため、一次転写後の感光体表面の長手方向の残トナーの厚さが異なってくる。このため、従来の感光体クリーニング装置と同様に、クリーニングブレード5の感光体回転方向上流側に研磨ローラ2を配置すると、図7(a)に示すような長手方向に厚さが異なるトナーが研磨ローラ2に入力されることになる。この状態で研磨ローラ2を感光体10の表面に押し付けても、長手方向のトナー厚さの違いにより、感光体表面の外添剤等を取り除き難い。
一方、本実施例の感光体クリーニング装置1のように、クリーニングブレード5の感光体回転方向下流側に研磨ローラ2を配置すると、一次転写後の感光体表面の長手方向の残トナーの厚さが異なっていても、クリーニングブレード5で先に残トナーを掻き取る。このため、図7(b)に示すように、感光体表面の長手方向の残トナーの厚さの高低差が低減され、研磨ローラ2に入力される付着物は外添剤が大半となる。この状態で研磨ローラ2を感光体10の表面に押し付けることで、感光体表面の外添剤等を、より取り除き易くなる。
(実施例2)
次に、本実施形態の作像ユニット121に有した感光体クリーニング装置1の実施例2について、図を用いて説明する。
図8は、本実施例に係る作像ユニット121の概略構成図、図9は、本実施例に係る感光体クリーニング装置1の、研磨ローラ2の感光体10に対する加圧方向の説明図である。
本実施例の感光体クリーニング装置1は、ローラ部材である研磨ローラ2の配置方法に係る点のみ実施例1と異なる。
したがって、上述した実施例1の説明と同様な構成、動作、及びその効果については、適宜、省略して説明する。また、上記実施例1の感光体クリーニング装置1に有する構成部材と同一な構成部材や、同様な構成部材については、特に区別する必要が無い限り、適宜、同一の符号を付して説明する。
上述したように本実施例の感光体クリーニング装置1は、ローラ部材である研磨ローラ2の配置方法に係る点のみ実施例1と異なる。具体的には、図8に示すように、本実施例では研磨ローラ2が、感光体10に対して、軸受けを有した保持部材21を介して弾性部材である加圧スプリング22により加圧されている。また、図9に示すように、研磨ローラ2に形成された螺旋状の凸形状(異物除去部材)は、感光体10と研磨ローラ2の接触部(図5(a)に記載の2c参照。)の法線方向に対して、感光体回転方向下流側から感光体10へ向けて加圧されている。
本実施例では、研磨ローラ2の軸位置が感光体10に対して固定されず、片側が5Nの加圧スプリング22により、加圧されているので、ローラ外径の寸法バラツキによる感光体10への加圧力バラツキが抑制可能となっている。
また、感光体10と研磨ローラ2の接触部の法線方向に対して、感光体回転方向下流側から感光体10へ研磨ローラ2を加圧する。これにより、感光体10の回転にともなう研磨ローラ2への感光体10からの摩擦力が研磨ローラ2を感光体10への加圧力を高める方向(加圧スプリング22を押し込む方向)に作用する。このように作用させることで、研磨ローラ2の撓み等による接触状態のバラツキに対して、圧抜けが防止されて、加圧状態が安定する。そして、研磨ローラ2による感光体10に付着した異物の異物除去能力を安定して発揮することが可能となる。
上述したように、本実施例の感光体クリーニング装置1は、研磨ローラ2の軸位置が感光体10に対して固定されておらず、加圧スプリング22により、感光体10に加圧されている。これにより、研磨ローラ2のローラ外径の寸法バラツキによる感光体10への加圧力バラツキが抑制できる。
また、感光体10と研磨ローラ2の接触部の法線方向に対して、感光体回転方向下流側から研磨ローラ2を感光体10へ加圧する。これにより、感光体10の回転にともなって、研磨ローラ2が感光体10へ加圧される方向となるため、研磨ローラ2の感光体10への圧抜けが防止されて、加圧が安定する。
(実施例3)
次に、本実施形態の作像ユニット121に有した感光体クリーニング装置1の実施例3について、図を用いて説明する。
図10は、本実施例に係る感光体クリーニング装置1に設けた研磨ローラ2の説明図である。
本実施例の感光体クリーニング装置1は、ローラ部材である研磨ローラ2に螺旋状の凸形状を形成する方法に係る点のみ実施例1、2と異なる。
したがって、上述した実施例1、2の説明と同様な構成、動作、及びその効果については、適宜、省略して説明する。また、上記実施例1、2の感光体クリーニング装置1に有する構成部材と同一な構成部材や、同様な構成部材については、特に区別する必要が無い限り、適宜、同一の符号を付して説明する。
上述したように本実施例の感光体クリーニング装置1は、ローラ部材である研磨ローラ2に螺旋状の凸形状を形成する方法に係る点のみ実施例1、2と異なる。具体的には、図10に示すように、研磨ローラ2は直径:φ5[mm]の芯金2aの表面に硬度が10[°](Asker−C)、厚さが2[mm]、幅が4[mm]のシート状の弾性部材であるシート状発泡ウレタン2dをピッチ70mmで巻きつけている。芯金2aの曲面上にシート状の発泡材を巻きつけているので、図10に示すように、発泡材であるシート状発泡ウレタン2dが変形して、ローラ外周面側のエッジ部が強調されるために、感光体10の表面の摺擦効果が向上する。
上述したように、本実施例の感光体クリーニング装置1は、研磨ローラ2は、軸部材である芯金2a上にシート状の弾性材料であるシート状発泡ウレタン2dを螺旋状に巻き付けている。これにより、シート状発泡ウレタン2dが変形して、ローラ外周面側のエッジ部が強調されるために、感光体表面の摺擦効果が向上する。
ここで、上述した実施例1〜3では、研磨ローラ2に螺旋状に形成(配置)された凸形状(凸部)のエッジが感光体表面を傷つけることなく摺擦効果を向上させるために、凸形状の弾性材料(部材)の硬度はおよそ10〜60[°](Asker−C)となっている。
硬度が60[°]より大きい場合には、凸形状のエッジが感光体10を傷つける恐れがあり、硬度が10[°]より小さい場合には、凸形状のエッジが柔らかくなりすぎて、摺擦効果が得られない。
(実施例4)
次に、本実施形態の作像ユニット121に有した感光体クリーニング装置1の実施例4について、図を用いて説明する。
図11は、本実施例に係る作像ユニット121の概略構成図である。図12は、クリーニングブレード5の、感光体10表面の摺動で変形するブレードエッジの経時変化の説明図であり、図12(a)が、使用初期の感光体10表面が摺動するときの状態を示し、図12(b)が、経時での状態を示す。図13は、本実施例に係る除去ローラ72の感光体10に対する加圧力を制御する加圧力制御機構の説明図であり、図13(a)が、感光体10の使用初期の状態を示し、図13(b)が、経時での状態を示している。図14は、感光体10の使用時間(駆動時間)に応じた除去ローラ72の加圧力の制御例のグラフである。
本実施例の感光体クリーニング装置1は、ローラ部材の構成、及び本実施例のローラ部材である除去ローラ72による異物除去能力(付着物除去能力)を経時で減少(低下)させていく構成を設けたことに係る点のみ実施例1〜3と異なる。
したがって、上述した実施例1〜3の説明と同様な構成、動作、及びその効果については、適宜、省略して説明する。また、上記実施例1〜3の感光体クリーニング装置1に有する構成部材と同一な構成部材や、同様な構成部材については、特に区別する必要が無い限り、適宜、同一の符号を付して説明する。
上述したように本実施例の感光体クリーニング装置1は、ローラ部材である除去ローラ72の構成、及び除去ローラ72による感光体10に付着した異物除去能力を経時で減少させていく構成に係る点のみ実施例1〜3と異なる。
具体的には、図11に示す除去ローラ72は、直径:φ6[mm]の除去ローラ芯金72a上に硬度が15[°](Asker−C)、厚さが2.5[mm]の発泡EPDM材質層72bが設けられた外径:φ11.0[mm]のローラ部材である。
この除去ローラ72は、実施例1〜3の研磨ローラ2と同様に、帯電ローラ41の感光体回転方向上流側であって、クリーニングブレード5の感光体回転方向下流側、つまり帯電ローラ41とクリーニングブレード5との間に配置されている。一方、除去ローラ72(発泡EPDM材質層72b)の感光体食込み量は、およそ0.2[mm]で設定されている。
また、発泡EPDM材質層72bは、図6に示した発泡ウレタン2bと同様に、無数の微小な空孔をもつセル構造となっているので、微小空孔部分のエッジが感光体表面を効果的に摺擦し、感光体表面に付着した異物を除去する。
また、異物除去能力を経時で低下させていく構成として、次のような構成を有している。除去ローラ72は、図11に示すように、感光体10に対して、圧縮バネからなる加圧バネにより感光体10表面に加圧配置されている。また、除去ローラ72は、感光体回転方向に対して従動方向に、感光体10表面の線速に対して、1.5倍の線速で駆動装置により回転駆動されて感光体10を摺擦している。そして、加圧バネの、ローラ加圧端部の反対側の端部はカムに突き当てられており、カムは駆動源により駆動され、カムの回転により加圧バネの加圧力が可変な構成となっている。
上述したように、除去ローラ72が感光体10の回転方向に対して帯電ローラ41の上流側に配置されており、感光体表面が帯電電流により活性化され、異物と感光体表面との付着力が高まる前に、感光体表面のシリカ等のトナー外添剤を除去することが可能となる。このため、感光体10の表面にトナー外添剤等が付着することを効果的に防ぐことが可能となる。
また、クリーニングブレード5の下流側に配置されており、画像面積によって、除去ローラ72へのトナー入力量が変わり、除去ローラ72と感光体10との接触面積が増減して異物除去能力が変化することがない。このため、除去ローラ72が安定した異物除去能力を発揮する。つまり、安定した異物の摺擦掻き取り効果を奏することができる。
このように安定した異物の摺擦掻き取り効果によって、高画像作成時で、更に、高温環境等、感光体10への異物の付着力が高まる場合でも、感光体10へ異物が付着蓄積することが防止可能となり、白ポチ等の異常画像の発生を防止できる。
ここで、本実施例の除去ローラ72の異物除去効果(付着物除去効果)を検証するために行った検証試験、及びその検証試験結果について、次の表1を用いて説明する。
但し、除去ローラ72(表1中、EPDMローラと記載。)に設けた発泡EPDM材質層72bの硬度は15[°](Asker−C)、除去ローラ72の感光体10に対する線圧(接触圧力):5.0[N/m]とし、感光体10としては、3層タイプのものを用いた。
そして、表1に示す各条件で高温・高湿度(30℃・80%)の環境のもと、A4横通紙、全面ベタ画像で10,000枚通紙後、目視で感光体10上の付着物の有無を、次の◎、○、×の3段階評価した。
◎:感光体10上に付着物が目視できない。つまり、付着物が無い。
○:感光体10上に実用上問題にならない程度のわずかな付着物を目視した。つまり、付着物がわずかに有る。
×:感光体10上に異常画像を引き起こすほどの付着物を目視した。つまり、付着物有り。
(検証結果)
除去ローラ72を設けていない場合には「×」、つまり感光体10上に異常画像を引き起こすほどの付着物を目視した。
除去ローラ72を、クリーニングブレード5の感光体回転方向上流側(前)に設け、感光体10に対してカウンタ駆動で、ローラ摺擦速度を感光体線速比(倍率)で1.5倍とした場合には「×」であった。すなわち、感光体10上に異常画像を引き起こすほどの付着物を目視した。
除去ローラ72を、帯電ローラ41とクリーニングブレード5との間に設け、感光体10に対する連れ回り駆動とし、感光体10に対するローラ摺擦速度(相対移動速度)が0、つまり、ローラ摺擦速度が感光体線速比で0.0倍となった場合には「×」であった。すなわち、除去ローラ72を、帯電ローラ41とクリーニングブレード5との間に設けても、感光体10に対する線速差を設けなかった場合、感光体10上に異常画像を引き起こすほどの付着物を目視した。
除去ローラ72を、帯電ローラ41とクリーニングブレード5との間に設け、感光体10に対して従動方向に駆動して、ローラ摺擦速度を感光体線速比で0.5倍とした場合には「◎」、すなわち、感光体10上に付着物が目視できなかった。
除去ローラ72を、帯電ローラ41とクリーニングブレード5との間に設け、感光体10に対して従動方向に駆動して、ローラ摺擦速度を感光体線速比で0.8倍とした場合には「◎」、すなわち、感光体10上に付着物が目視できなかった。
除去ローラ72を、帯電ローラ41とクリーニングブレード5との間に設け、感光体10に対してカウンタ駆動で、ローラ摺擦速度を感光体線速比で1.5倍とした場合には「◎」、すなわち、感光体10上に付着物が目視できなかった。
これらの評価結果から、帯電ローラ41とクリーニングブレード5との間に設け、感光体10に対して、線速差を持つように駆動する本実施例の除去ローラ72は、良好な感光体10上に付着する異物の異物除去効果を奏することができることを確認できた。
このような安定した摺擦掻き取り効果によって、本実施例の除去ローラ72は、高画像作成時で、更に、高温環境等、感光体10への異物の付着力が高まる場合でも、感光体10へ異物が付着蓄積することが防止可能となる。これにより、白ポチ等の異常画像の発生も防止できる。
しかしながら、除去ローラ72は感光体10を摺擦するため、感光体10の膜摩耗を促進させる場合がある。例えば、除去ローラ72の接触圧力が適切でなく過大な場合や、感光体10との線速差(摺擦速度)が適切でなく過剰である場合には、異物除去能力(付着物除去能力)が過剰になり、感光体10の膜摩耗を促進させてしまう。これは、次の理由による。
図12(a)に示すように、感光体10は使用初期の表面が平坦であり、クリーニングブレード5のブレードエッジ5aと感光体10表面との摩擦力が大きいため、ブレードエッジ5aが感光体の回転によって、大きく引き込まれる。このため、感光体10の使用初期では、ブレードエッジ5aからすり抜けるトナーや外添剤等が引き込まれたブレードエッジ5aによって、感光体10表面に押し付けられて、感光体10に付着し易い。
一方、図12(b)に示すように、感光体10は、その使用にともない、経時で徐々に表面が荒れ、凹凸が形成されて、クリーニングブレード5のブレードエッジ5aとの接触面積が減少する。このため、ブレードエッジ5aと感光体10表面との摩擦力が小さくなり、感光体10の回転によるブレードエッジ5aの引き込みが小さくなる。そして、ブレードエッジ5aからすり抜けるトナーや外添剤等が感光体10表面へ押し付けられる作用が小さくなり、感光体10表面に付着し難くなる。
そして、感光体10の使用初期に感光体10表面へトナーや外添剤等が付着することを防止できるように、感光体10に対する除去ローラ72の線圧(接触圧力)、摺擦速度を設定すると、経時では、感光体10表面へトナーや外添剤等が付着し難くなるため、除去ローラ72の異物除去能力が過剰になり、感光体10の膜摩耗を促進してしまう。
そこで、本実施例の感光体クリーニング装置1では、除去ローラ72の異物除去能力(付着物除去能力)を経時で適正に維持し、異物除去能力過剰による感光体10の膜摩耗促進を防止するために、除去ローラ72の異物除去能力を経時で減少させていくこととした。
このように異物除去能力を経時で減少さていくことで、感光体10の使用初期においては、感光体10の平坦な表面へトナーや外添剤等の付着を防止できる異物除去能力に設定し、経時においては、感光体10の膜摩耗促進を防止できる異物除去能力に設定できる。
よって、除去ローラ72の異物除去能力を経時で適正に維持し、異物除去能力過剰による感光体10の膜摩耗促進を防止できる感光体クリーニング装置1を提供できる。
また、本実施例の感光体クリーニング装置1では、除去ローラ72の異物除去能力を経時で減少させていく方法として、感光体10に対する除去ローラ72の線圧(接触圧力)を経時で減少させていく構成を設けることとした。
このように感光体10に対する除去ローラ72の線圧を経時で減少させていくことで、感光体10の使用初期においては、感光体10の平坦な表面へトナーや外添剤等の付着を防止できる異物除去能力を得ることができる線圧に設定できる。そして、経時においては、異物除去能力(付着物除去能力)過剰による感光体10の膜摩耗促進を防止できる線圧に設定できる。
よって、除去ローラ72の異物除去能力を経時で適正に維持し、異物除去能力過剰による感光体10の膜摩耗促進を防止できる感光体クリーニング装置1を提供できる。
ここで、本実施例の感光体クリーニング装置1に設けた、感光体10に対する除去ローラ72の線圧(接触圧力)を経時で減少させていく具体的な構成例について、図13、図14を用いてより詳細に説明しておく。
図13(a)、(b)に示すように、この感光体クリーニング装置1では、除去ローラ72は、駆動装置により回転駆動される除去ローラ芯金72aの両端が軸受78に支持され、軸受78を加圧バネ77のローラ加圧端部で加圧している。また、加圧バネ77のローラ加圧端部の反対側の端部はカム76bに突き当てられ、カム76bのカム軸76aは駆動源に接続されており、回転駆動されることで加圧バネ77の加圧力が可変な構成となっている。
そして、除去ローラ芯金72aを支持する軸受78、加圧バネ77、及びカム軸76aが駆動源に接続されたカム76b等により、除去ローラ72の発泡EPDM材質層72bを感光体10表面に加圧する加圧力を制御する加圧力制御機構75が構成されている。
この加圧力制御機構75は、図13(a)に示す感光体10の使用初期には、加圧バネ77のローラ加圧端部の反対側の端部がカム76bの回転位置により軸受78側に押し付けられて加圧力が増した状態となる。一方、図13(b)に示す経時では、カム76bの回転位置により軸受78側から遠ざかって加圧力が減少した状態となる。
すなわち、加圧力制御機構75は、図13(a)に示す感光体10の使用初期の加圧力が増した状態から、カム76bが経時で徐々に回転して、除去ローラ72を加圧する加圧バネ77の加圧力が低下するように構成されている。これにより、除去ローラ72の感光体10への接触圧力が経時で減少する。なお、除去ローラ72の感光体10への接触圧力、つまり、ローラ加圧力は、図14に示すように、感光体10の使用時間の経過に応じて、ある一定の割合で減少するように制御される。
このようにローラ加圧力(接触圧力)が経時で減少することで、異物除去能力(付着物除去能力)が経時で減少し、適正に維持される。したがって、感光体10の使用初期においては、感光体10の平坦な表面へトナーや外添剤等の付着を防止できる異物除去能力を得ることができるとともに、経時においては異物除去能力過剰による感光体10の摩耗促進を防止できる。
(実施例5)
次に、本実施形態の作像ユニット121に有した感光体クリーニング装置1の実施例5について、図を用いて説明する。
図15は、本実施例に係る作像ユニット121の概略構成図である。図16は、本実施例に係るメラミンローラ82の外径変化の説明図であり、図16(a)が、感光体10の使用初期の状態を示し、図16(b)が、経時での状態を示している。図17は、本実施例に係るメラミンローラ82の、感光体10の使用時間に応じた外径、及び加圧力の変化例を示したグラフである。図18は、本実施例に係るメラミンローラ82の作成方法の説明図である。
本実施例の感光体クリーニング装置1は、ローラ部材の構成(材質)、支持方法、駆動方法、及び本実施例のローラ部材であるメラミンローラ82による異物除去能力(付着物除去能力)を経時で減少させていく構成に係る点のみ実施例4と異なる。
したがって、上述した実施例4の説明と同様な構成、動作、及びその効果については、適宜、省略して説明する。また、上記実施例4の感光体クリーニング装置1に有する構成部材と同一な構成部材や、同様な構成部材については、特に区別する必要が無い限り、適宜、同一の符号を付して説明する。
上述したように本実施例の感光体クリーニング装置1は、ローラ部材であるメラミンローラ82の構成、支持方法、駆動方法、及びメラミンローラ82による感光体10に付着した異物除去能力を経時で減少させていく構成に係る点のみ実施例4と異なる。
具体的には、図15に示すメラミンローラ82は、直径:φ6[mm]のメラミンローラ芯金82a上に、厚さが2.5[mm]のメラミンフォーム82bが設けられた外径:φ11.0[mm]のローラ部材である。
このメラミンローラ82は、実施例4の除去ローラ72と同様に、帯電ローラ41の感光体回転方向上流側であって、クリーニングブレード5の感光体回転方向下流側、つまり帯電ローラ41とクリーニングブレード5との間に配置されている。一方、メラミンローラ82(メラミンフォーム82b)の感光体食込み量は、およそ0.3[mm]で設定されている。
また、メラミンフォーム82bは、図6に示した発泡ウレタン2bと同様に、無数の微小な空孔をもつセル構造となっているので、微小空孔部分のエッジが感光体表面を効果的に摺擦し、感光体表面に付着した異物を除去する。
また、メラミンローラ82は、感光体10に対して、軸間固定で感光体10表面に接触して配置され、感光体10回転方向の反対方向であって、感光体10表面の線速に対して、0.5倍で駆動装置により回転駆動されて感光体10を摺擦している。
ここで、メラミンローラ82を軸間固定配置することで、簡易な構成でメラミンローラ82に駆動することが可能となっている。
また、メラミンローラ82は、感光体10回転方向の反対方向に、感光体10表面の線速に対して、0.5倍で駆動されているため、感光体10表面に対するメラミンフォーム82bの摺擦速度が感光体10の線速に対して1.5倍となり摺擦効果が大きくなる。
感光体10回転方向に対して反対方向に回転させるために、メラミンローラ82自体の線速を感光体10の線速の1.5倍まで大きくする必要がなく、メラミンローラ82の回転数(速度)が抑えられる。このため、メラミンローラ芯金82aを受ける軸受に対する負荷を抑制することが可能となる。
上述したように、メラミンローラ82は、実施例4の除去ローラ72と同様に、メラミンローラ82が感光体10回転方向に対して、帯電部材の上流側、クリーニングブレード5の下流側に配置されているため、実施例4と同様の効果を奏することができる。つまり、感光体10の表面にトナー外添剤等が付着することを効果的に防ぐことが可能となるとともに、安定した異物の摺擦掻き取り効果を奏することができる。
このように安定した異物の摺擦掻き取り効果によって、高画像作成時で、更に、高温環境等、感光体10への異物の付着力が高まる場合でも、感光体10へ異物が付着蓄積することが防止可能となり、白ポチ等の異常画像の発生を防止できる。
ここで、本実施例のメラミンローラ82の異物除去効果(付着物除去効果)を検証するために行った検証試験、及びその検証試験結果について、次の表2を用いて説明する。
但し、メラミンローラ82(表2中、メラミンローラと記載。)の感光体10に対する線圧(接触圧力):10.0[N/m]とし、感光体10としては、3層タイプのものを用いた。
そして、表2に示す各条件で高温・高湿度(30℃・80%)の環境のもと、A4横通紙、全面ベタ画像で10,000枚通紙後、目視で感光体10上の付着物の有無を、次の◎、○、×の3段階評価した。
◎:感光体10上に付着物が目視できない。つまり、付着物が無い。
○:感光体10上に実用上問題にならない程度のわずかな付着物を目視した。つまり、付着物がわずかに有る。
×:感光体10上に異常画像を引き起こすほどの付着物を目視した。つまり、付着物有り。
(検証結果)
メラミンローラ82を設けていない場合には「×」、つまり感光体10上に異常画像を引き起こすほどの付着物を目視した。
メラミンローラ82を、クリーニングブレード5の感光体回転方向上流側(前)に設け、感光体10に対してカウンタ駆動で、ローラ摺擦速度を感光体線速比(倍率)で1.5倍とした場合には「×」であった。すなわち、感光体10上に異常画像を引き起こすほどの付着物を目視した。
メラミンローラ82を、帯電ローラ41とクリーニングブレード5との間に設け、感光体10に対する連れ回り駆動とし、感光体10に対するローラ摺擦速度(相対移動速度)が0、つまり、ローラ摺擦速度が感光体線速比で0.0倍となった場合には「○」であった。すなわち、除去ローラ72を、除去ローラ72を、帯電ローラ41とクリーニングブレード5との間に設け、感光体10に対する線速差を設けなかった場合であっても、感光体10上に実用上問題にならない程度のわずかな付着物しか目視できなかった。
メラミンローラ82を、帯電ローラ41とクリーニングブレード5との間に設け、感光体10に対して従動方向に駆動して、ローラ摺擦速度を感光体線速比で0.5倍とした場合には「◎」、すなわち、感光体10上に付着物が目視できなかった。
メラミンローラ82を、帯電ローラ41とクリーニングブレード5との間に設け、感光体10に対して従動方向に駆動して、ローラ摺擦速度を感光体線速比で0.8倍とした場合には「◎」、すなわち、感光体10上に付着物が目視できなかった。
メラミンローラ82を、帯電ローラ41とクリーニングブレード5との間に設け、感光体10に対してカウンタ駆動で、ローラ摺擦速度を感光体線速比で1.5倍とした場合には「◎」、すなわち、感光体10上に付着物が目視できなかった。
これらの評価結果から、帯電ローラ41とクリーニングブレード5との間に設けた本実施例のメラミンローラ82は、感光体10に対して線速差を持つように駆動しなくても良好な異物除去効果を奏することができることを確認できた。
このような安定した摺擦掻き取り効果によって、本実施例のメラミンローラ82は、高画像作成時で、更に、高温環境等、感光体10への異物の付着力が高まる場合でも、感光体10への異物の付着蓄積を防止、又は抑制可能となる。これにより、白ポチ等の異常画像の発生も防止、又は抑制可能となる。
また、本実施例のメラミンローラ82による異物除去能力を経時で減少させていく構成は、メラミンローラ芯金82a上に材質がメラミンフォームからなるメラミンフォーム82bを設けるとともに、メラミンローラ82を軸間固定配置とした構成である。
このような構成とすることで、メラミンローラ82による異物除去能力を経時で減少させていくことができるのは、次の理由による。
本実施例のメラミンローラ82は、感光体10表面との接触部がメラミンフォーム材質(メラミンフォーム82b)となっている。このため、硬く脆いメラミンフォーム82bが使用にともなって、図16(a)に示す使用初期の状態から感光体10の使用時間の経過に応じて、ある一定の割合で摩耗して、図16(b)に示すように外径が小さくなっていくとともに、軸間固定されたメラミンローラは接触圧力も減少する。
そして、図17のグラフに示すように、感光体10の使用時間の経過に応じて、メラミンローラ82の外径が小さくなっていくのにともなって、接触圧力、つまり、ローラ加圧力も、ある一定の割合で減少していく。このようにローラ加圧力(接触圧力)が経時で減少することで、異物除去能力(付着物除去能力)が経時で減少し、適正に維持される。したがって、感光体10の使用初期においては、感光体10の平坦な表面へトナーや外添剤等の付着を防止できる異物除去能力を得ることができるとともに、経時においては異物除去能力過剰による感光体10の摩耗促進を防止できる。
すなわち、メラミンローラ82の感光体10への接触圧力を経時で減少させていくことで、使用初期には、感光体10表面へのトナーや外添剤等の付着を防止できる異物除去能力を得つつ、経時には異物除去能力過剰による感光体10の摩耗促進を防止できる。
よって、メラミンローラ82の異物物除去能力を経時で適正に維持し、異物除去能力過剰による感光体10の膜摩耗促進を防止できる。
また、本実施例の感光体クリーニング装置1のメラミンローラ82は、図18(a)に示すように、メラミンフォーム82bを成形後、ローラ径方向に圧縮し、図18(b)に示す状態にしたものである。
このように、メラミンローラ82の感光体10に接触する接触部分であるメラミンフォーム82bを成形後、圧縮することで、メラミンフォーム82bの空孔が少なくなり、メラミンフォーム82bが均一化される。このため、メラミンフォーム材質の欠陥空孔によるメラミンローラ82と感光体10表面との非接触部が少なくなり、接触が安定し、メラミンローラ82による異物除去能力が安定化する。
また、メラミンフォーム82bを形成後、ローラ径方向に圧縮することで、メラミンローラ82表面が周方向に均一に圧縮され、メラミンローラ82の外周面と感光体10表面の接触が安定する。
ここで、本実例のメラミンローラ82では、メラミンフォーム82bの圧縮率は10〜70%としてメラミンローラ82の除去能力を適性に維持している。圧縮率が10%よりも小さい場合には、メラミンフォーム82bの空孔を十分除去できないために、メラミンローラ82と感光体10の接触が不安定になる。また、70%よりも大きい場合には、メラミンフォーム82bが高硬度化して、感光体10表面が傷つき、感光体10の膜摩耗が促進されてしまう。
また、メラミンフォーム82bのセル径を20[μm]〜800[μm]として、メラミンローラ82の異物除去能力(付着物除去能力)を適正に維持している。
メラミンフォーム82bを、20[μm]未満とすると、メラミンフォーム82bの密度、硬度が過大になり、感光体10の膜摩耗を促進してしまう。逆に、800[μm]より大きいと、セルの欠陥空孔によりメラミンローラ82と感光体10が安定して接触することができなくなり、異物除去能力が不足してしまう。
(実施例6)
次に、本実施形態の作像ユニット121に有した感光体クリーニング装置1の実施例6について、図を用いて説明する。
図19は、本実施例に係る作像ユニット121の概略構成図である。図20は、本実施例に係る除去ローラの、感光体10の使用時間に応じたローラ回転数の制御例のグラフである。
本実施例の感光体クリーニング装置1は、ローラ部材の支持方法と、ローラ部材による異物除去能力(付着物除去能力)を経時で減少させていく構成としてのローラ部材の駆動制御方法に係る点のみ実施例4と異なる。
したがって、上述した実施例4の説明と同様な構成、動作、及びその効果については、適宜、省略して説明する。また、上記実施例4の感光体クリーニング装置1に有する構成部材と同一な構成部材や、同様な構成部材については、特に区別する必要が無い限り、適宜、同一の符号を付して説明する。
上述したように本実施例の感光体クリーニング装置1は、ローラ部材である除去ローラ72の支持方法と、除去ローラ72による異物除去能力(付着物除去能力)を経時で減少させていく構成としての駆動制御方法に係る点のみ実施例4と異なる。
具体的には、図19に示す除去ローラ72は、実施例4と同様に、直径:φ6[mm]の除去ローラ芯金72a上に硬度が15[°](Asker−C)、厚さが2.5[mm]の発泡EPDM材質層72bが設けられた外径:φ11.0[mm]のローラ部材である。
また、本実施例の除去ローラ72は、感光体10に対して、軸間固定で感光体10表面に接触して配置され、感光体10回転方向の反対方向であって、感光体10表面の線速に対して、0.5倍で駆動装置により回転駆動されて感光体10を摺擦している。
ここで、除去ローラ72を軸間固定配置することで、簡易な構成で除去ローラ72に駆動することが可能となっている。
また、本実施例の除去ローラ72は、実施例4と同様に、除去ローラ72が感光体10回転方向に対して、帯電部材の上流側、クリーニングブレード5の下流側に配置されているため、実施例4と同様の効果を奏することができる。つまり、感光体10の表面にトナー外添剤等が付着することを効果的に防ぐことが可能となるとともに、安定した異物の摺擦掻き取り効果を奏することができる。
このように安定した異物の摺擦掻き取り効果によって、高画像作成時で、更に、高温環境等、感光体10への異物の付着力が高まる場合でも、感光体10へ異物が付着蓄積することが防止可能となり、白ポチ等の異常画像の発生を防止できる。
また、本実施例の除去ローラ72による異物除去能力を経時で減少させていく構成としての除去ローラ72の駆動制御方法に特徴を有している。
除去ローラ72の駆動制御方法としては、感光体10に対する除去ローラ72の接触面の摺擦速度(相対移動速度)を、経時で減少するように駆動制御する方法である。
具体的には、図20のグラフに示すように、感光体10に対する除去ローラ72接触面の摺擦速度に相関を持つ除去ローラ72の単位時間当たりの回転数を、感光体10の使用時間の経過に応じて、ある一定の割合で減少するように駆動装置を駆動制御する。つまり、本実施例の感光体クリーニング装置1は、除去ローラ72の単位時間当たりの回転数を変更可能な構成となっている。
そして、経時で感光体10表面へトナーや外添剤等が付着し難くなると、除去ローラ72の単位時間当たりの回転数を低下させて、異物除去能力(付着物除去能力)を減少させる。このように減少させることで、感光体10の使用初期においては、感光体10の平坦な表面へトナーや外添剤等の付着を防止できる異物除去能力を得ることができる感光体10表面に対する研磨ローラ2の接触面の摺擦速度に設定できる。そして、経時においては、異物除去能力過剰による感光体10の膜摩耗促進を防止できる感光体10表面に対する研磨ローラ2の接触面の摺擦速度に設定できる。
すなわち、除去ローラ72の単位時間当たりの回転数(摺擦速度)を経時で減少させることで、異物除去能力を低下させ、使用初期には、感光体10表面へのトナーや外添剤等の付着を防止できる異物除去能力を得つつ、経時には異物除去能力過剰による感光体10の摩耗促進を防止できる。
よって、除去ローラ72の異物除去能力を経時で適正に維持し、異物除去能力過剰による感光体10の膜摩耗促進を防止できる。
(実施例7)
次に、本実施形態の作像ユニット121に有した感光体クリーニング装置1の実施例7について、図を用いて説明する。
図21は、本実施例に係る作像ユニット121の概略構成図である。図22は、本実施例に係る無機微粒子を表面に添加したメラミンローラの、経時変化の説明図であり、図22(a)が、感光体10の使用初期の状態を示し、図22(b)が、経時での状態を示している。
本実施例の感光体クリーニング装置1は、ローラ部材の構成に係る点のみ実施例5と異なる。
したがって、上述した実施例5の説明と同様な構成、動作、及びその効果については、適宜、省略して説明する。また、上記実施例5の感光体クリーニング装置1に有する構成部材と同一な構成部材や、同様な構成部材については、特に区別する必要が無い限り、適宜、同一の符号を付して説明する。
上述したように本実施例の感光体クリーニング装置1は、ローラ部材であるメラミンローラ82の構成に係る点のみ実施例5と異なる。
具体的には、図21に示すメラミンローラ82は、感光体接触部がメラミンフォーム82bにより構成されているが、実施例5とは異なり、メラミンフォーム82b(メラミンローラ82)の外周面(表面)に無機微粒子82c(例えば、酸化アルミニウム)が付着している。
このように、メラミンフォーム82bの外周面に無機微粒子82cを付着させることで、メラミンフォーム82bの表面による異物除去効果(付着物除去能力)を高めることが可能となる。
そして、メラミンローラ82の使用初期には、図22(a)に示すように、メラミンフォーム82bの表面に付着させた無機微粒子82cにより、メラミンローラ82による異物除去効果を高める。一方、経時では、メラミンフォーム82bの表面が摩耗することにより、図22(b)に示すように、外周面に付着させた無機微粒子82cが無くなり、異物除去効果が減少する。
(実施例8)
次に、本実施形態の作像ユニット121に有した感光体クリーニング装置1の実施例8について、図を用いて説明する。
図23は、本実施例に係る作像ユニット121の概略構成図である。図24は、ローラ外径が長手方向で均一なローラ部材92の、端部と中央部で発生する接触圧偏差の説明図、図25は、クリーニングブレード5上流側に配置されたローラ部材92表面に保持されるトナーの説明図である。
本実施例の感光体クリーニング装置1は、ローラ部材の構成に係る点のみ実施例5と異なる。
したがって、上述した実施例5の説明と同様な構成、動作、及びその効果については、適宜、省略して説明する。また、上記実施例5の感光体クリーニング装置1に有する構成部材と同一な構成部材や、同様な構成部材については、特に区別する必要が無い限り、適宜、同一の符号を付して説明する。
上述したように本実施例の感光体クリーニング装置1は、ローラ部材であるメラミンローラ82の構成に係る点のみ実施例5と異なる。
具体的には、図23に示すメラミンローラ82は、ローラ外径が長手方向で均一な実施例5とは異なり、弾性材料であるメラミンフォーム82b2の(層の)厚さを長手方向で異ならせて、中央部外径を端部よりも大きくしている。
このように、メラミンフォーム82b2の厚さを長手方向で異ならせて、中央部外径を端部よりも大きくしている理由を、以下に説明する。
実施例5のメラミンローラのように、芯金92c上に弾性層を形成する弾性材料92bの層厚が長手方向で均一で、ローラ外径が長手方向で均一なローラ部材92では、次のような不具合が生じるおそれがある。
感光体付着物除去ローラであるローラ部材92は感光体10への加圧によって、感光体10の軸方向中央部が感光体10から離れる方向に撓む。このようにローラ部材92が感光体10から離れる方向に撓むことにより、ローラ部材92の感光体10中央部への接触圧が端部に比べて小さくなる。このため、図24に示すように、端部と中央部で接触圧偏差が発生し、この接触圧偏差により、端部と中央部で、付着物除去能力偏差が発生する。
ここで、図3で示したクリーニングローラ9のように、クリーニングブレード5上流側に配置されたローラ部材92の場合には、ローラ部材92の表面に保持されたトナーがローラ部材92の回転により感光体10と摺擦して除去能力を発揮する。このため、除去能力は、ローラ部材92表面に保持されるトナー量の影響が大きく、ローラ部材92の接触圧の影響は小さく、付着物を除去する除去能力維持には、図25に示すように適正なトナー量をローラ部材92表面に維持することが重要となる。
一方、クリーニングブレード5下流側に配置されたローラ部材92では、クリーニングブレード5上流側に配置されたローラ部材とは異なり、ローラ部材92表面にトナー層が形成されない。このため、ローラ部材92の感光体10に対する接触圧偏差により、ローラ部材92の除去能力偏差の発生が顕著となる。
このようにローラ外径が長手方向で均一なローラ部材92では、端部と中央部の感光体10に対する接触線圧偏差があるために、ローラ端部と中央部で除去能力偏差が発生して、経時で、ローラ端部と中央部で感光体摩耗量偏差が発生する。すなわち、端部の感光体摩耗が中央部よりも促進されて、中央部の感光体摩耗量が端部よりも大きくなる。それにより、経時で端部と中央部で感光体膜偏差が生じて、画像濃度ムラ等の異常画像が発生する。
すなわち、感光体接触圧偏差が適正な範囲になるように、中央部外径を大きくすることによって、除去ローラ部材が撓んでも、端部と中央部の感光体接触圧偏差が過大にならないようにする。これにより、ローラ部材の感光体接触圧すなわち除去能力を均一に維持、又は除去能力偏差が過大にならないようにすることが可能となる。そして、除去能力偏差による感光体膜摩耗ムラ、それを要因とする感光体膜厚偏差、感光体膜厚偏差により発生する端部と中央部の画像濃度ムラといった異常画像の発生を抑制(防止)することができる。
そこで、本実施例のメラミンローラ82では、中央部外径を端部よりも大きくして、メラミンローラ82の感光体軸方向接触圧偏差を抑制して、接触圧を均一に維持し、ローラ部材の除去能力を感光体軸方向に均一に維持するように構成した。そして、端部と中央部のメラミンローラ82の除去能力偏差により発生する感光体膜摩耗ムラ、それを要因とする端部と中央部のハーフトーン画像濃度ムラ等の画像濃度ムラといった異常画像の発生を抑制するようにした。
次に、具体的な構成例について、図を用いて説明する。
図26は、本実施例に係る中央部外径を端部よりも大きくしているメラミンローラ82の一例の説明図、図27は、中央部外径を端部よりも大きくして感光体軸方向接触圧偏差を低減している状態の説明図である。図28は、メラミンローラ82の中央部外径を端部よりも大きくした構成の検証実験結果である。図29は、本実施例に係る中央部外径を端部よりも大きくしているメラミンローラ82の別例の説明図、図30は、本実施例に係るメラミンローラ82に中央平坦部を設けた例の説明図である。図31は、メラミンローラ82に平坦部を設けた構成の検証実験結果である。
本実施例のメラミンローラ82は、次のように構成され、配置されている。
感光体10表面に付着したトナー、外添剤等の異物を除去するために、直径:φ6[mm]のメラミンローラ芯金82a上に、厚さ凡そ2.5[mm]のメラミンフォーム82b2が設けられた外径凡そφ11[mm]のローラ部材である。そして、図23に示すように、帯電ローラ41の感光体回転方向上流側であって、クリーニングブレード5の感光体回転方向下流側、つまり帯電ローラ41とクリーニングブレード5との間に配置されている。
また、ローラ長は350[mm]で、感光体食込み量は凡そ0.3[mm]で接触線圧力はおよそ10[N/m]に設定されている。
また、メラミンフォーム82b2は、図6に示した発泡ウレタン2bと同様に、無数の微小な空孔をもつセル構造となっているので、微小空孔部分のエッジが感光体表面を効果的に摺擦し、感光体表面に付着した異物を除去する。
このメラミンローラ82は、図26に示すように、メラミンフォーム82b2の外径は端部がφ11.0[mm]に対して、中央まで円弧形状を描いて連続的に増加して、中央部ではφ11.4[mm]と大きくなっている。
また、感光体10に対して、軸位置固定で加圧配置され、感光体10の回転方向に対して反対方向に、感光体10表面の線速に対して、0.5倍で駆動装置により回転駆動されて感光体10を摺擦している。
このように摺擦することで、表2を用いて説明したように、付着物を好適に除去することができ、メダカ等の発生を抑制する効果を奏することができる。
また、軸間固定配置することで、簡易な構成でローラ部材に駆動することが可能となっている。
また、感光体10の回転方向に対して、反対方向に感光体線速の0.5倍で駆動されているため、感光体10表面に対するメラミンローラ82の摺擦速度が感光体線速に対して1.5倍となり摺擦効果が大きくなる。感光体10回転方向に対して反対方向に回転させるために、メラミンローラ82そのものの線速を感光体線速の1.5倍まで大きくする必要がなく、メラミンローラ82の回転数が抑えられるために、ローラ回転軸受に対する負荷を抑制することが可能となる。
また、図23に示すように、メラミンローラ82が感光体10の回転方向に対して帯電部材の上流側に配置され、感光体10表面が帯電電流により活性化して異物と感光体10表面との付着力が高まる前に、感光体10表面のシリカ等のトナー外添剤を除去できる。これにより、感光体10表面にトナー外添剤等が付着することを効果的に防ぐことが可能となる。
また、クリーニングブレード5の下流側に配置されているために、画像面積によって、メラミンローラ82へのトナー入力量が変わり、メラミンローラ82と感光体10との接触面積が増減して異物除去能力が変化することがない。このため、メラミンローラ82が安定して除去能力を発揮できる。
このようなメラミンローラ82の安定した摺擦掻き取り効果によって、高濃度の画像作成時で、更に、高温環境等、感光体10への異物の付着力が高まる場合でも、感光体10へ異物が付着蓄積することが抑制可能となり、白ポチ等の異常画像の発生も抑制できる。
径が長手方向に均一なローラ部材では、感光体10への接触線圧力10[N/m]の加圧によって、感光体軸方向中央部が、感光体から離れる方向におよそ0.2[mm]撓む。
一方、本実施例のメラミンローラ82では、中央部の外径が端部よりも0.4[mm]大きいため、図27に示すように、ローラ部材中央部の感光体10への食い込みが端部と同じに維持される。
これにより、接触線圧力も感光体軸方向に均一に適正な値(10[N/m])に維持でき、付着物除去能力も均一になる。
また、端部と中央部のローラの除去能力偏差により発生する感光体摩耗ムラ、それを要因とする感光体膜厚偏差、感光体膜厚偏差により発生する端部と中央部の画像濃度ムラといった異常画像の発生を抑制することができる。
ここで、本実施例のメラミンローラ82の異物除去効果(感光体付着物除去効果)、及び経時での濃度ムラ画像の抑制効果を検証するために行った検証試験、及びその検証試験結果について、次の図28を用いて説明する。
図28に記載した検証実験結果は、図26のメラミンローラ82に対して、中央部外径とメラミンローラ82の摺擦速度を変えて、感光体付着物及び濃度ムラ画像の発生状況を評価した結果となっている。また、環境条件は、高温高湿(30℃、80%)環境で、メラミンローラ82端部の食い込み量を0.3[mm]に設定するとともに、感光体10としては、3層タイプのものを用いた。そして、A4紙横通紙、前面ベタ画像での30,000枚のランニング評価を行った。
そして、図28に示す各条件で30,000枚通紙後、目視で感光体10上の付着物の有無を、次の◎、○、×の3段階評価した。
◎:感光体10上に付着物が目視できない。つまり、付着物が無い。
○:感光体10上に実用上問題にならない程度のわずかな付着物を目視した。つまり、付着物がわずかに有る。
×:感光体10上に異常画像を引き起こすほどの付着物を目視した。つまり、付着物有り。
また、図28に示す各条件で30,000枚通紙後、目視でハーフトーン画像の濃度ムラの発生の有無を、濃度ムラ発生:×、総度ムラ未発生○の2段階評価した。
この図28の検証実験結果から、次のような効果を奏することができることを確認できた。
端部と中央部の外径差を適正な範囲(0.2[mm]〜0.6[mm])に設定することによって、端部と中央部の接触線圧差が3N/m以下となる。そして、付着物を好適に除去できるとともに、感光体摩耗ムラによる端部と中央部の濃度ムラ画像の発生を抑制可能となることである。
また、外径差を設けるメラミンローラ82の形状に関しては、端部と中央部の線圧差が3[N/m]以下であれば、図29のように端部から中央部にかけて直線的に外径が変化しても、図30のように中央部に平坦な形状を設けても効果に差はない。つまり、メラミンフォームの外径が、図29に示すように端部から中央部にかけて直線的に外径が変化するメラミンフォーム82b3であっても、図30に示すように中央部に平坦な形状を設けたメラミンフォーム82b4であっても効果に差はない。
但し、図31に示す、ローラ端部外径φ11.0[mm]、中央平坦部外径φ11.4[mm]のメラミンローラ82で平坦部長さを変えて実施した検証試験の検証結果にあるように、平坦部幅が250[mm]を越えると、平坦部の撓みにより、ローラ接触線圧差が3[N/m]よりも大きくなり、感光体摩耗ムラ、画像濃度ムラが発生してしまう。
ここで、図31に検証実験結果を示す検証実験も、追加条件を除き、図28に検証実験結果を示した検証実験と同様な条件で行い、同様な評価を行った。
(実施例9)
次に、本実施形態の作像ユニット121に有した感光体クリーニング装置1の実施例9について、図を用いて説明する。
図32は、本実施例に係る作像ユニット121の概略構成図、図33は、本実施例に係るメラミンローラ82の説明図、図34は、本実施例のメラミンローラ82により、低減できる感光体10に対する接触圧偏差の説明図である。
本実施例の感光体クリーニング装置1は、本実施例は、実施例8とローラ部材の感光体10に対する接触圧偏差を低減する構成に係る点のみ異なる。
したがって、上述した実施例8の説明と同様な構成、動作、及びその効果については、適宜、省略して説明する。また、上記実施例8の感光体クリーニング装置1に有する構成部材と同一な構成部材や、同様な構成部材については、特に区別する必要が無い限り、適宜、同一の符号を付して説明する。
上述したように本実施例の感光体クリーニング装置1は、ローラ部材であるメラミンローラ82の感光体10に対する接触圧偏差を低減する構成に係る点のみ異なる。
具体的には、図32に示すメラミンローラ82は、実施例8とは異なり、図33に示すように感光体接触部であるメラミンフォーム82b5の外径が長手方向に均一に構成されている。そして、メラミンローラ82の弾性層を形成するメラミンフォーム82b5の長手方向中央の硬さが圧縮率を高めることで、端部よりも硬く形成されている。
このように、メラミンローラ82の弾性層を形成するメラミンフォーム82b5の長手方向中央の硬さが圧縮率を高めることで、端部よりも硬く形成することで、メラミンローラ82の感光体10に対する接触圧偏差を低減することが可能となる。
このようにメラミンローラ82を構成することで、実施例8のメラミンローラと同様に、感光体10に対する接触圧偏差を低減し、接触圧偏差に起因した不具合の発生を抑制(防止)できる。
このメラミンローラ82は、次のように構成され、配置されている。
感光体10表面に付着したトナー、外添剤等の異物を除去するために、直径:φ6[mm]のメラミンローラ芯金82a上に、厚さ2.5[mm]のメラミンフォーム82b5が設けられた外径:φ11[mm]のローラ部材である。そして、図32に示すように、帯電ローラ41の感光体回転方向上流側であって、クリーニングブレード5の感光体回転方向下流側、つまり帯電ローラ41とクリーニングブレード5との間に配置されている。
また、ローラ長は350[mm]で、感光体食込み量は凡そ0.3[mm]に設定されている。
また、メラミンフォーム82b5は、図6に示した発泡ウレタン2bと同様に、無数の微小な空孔をもつセル構造となっているので、微小空孔部分のエッジが感光体表面を効果的に摺擦し、感光体表面に付着した異物を除去する。
そして、図33に示すメラミンフォーム82b5では、感光体軸方向(長手方向)に圧縮率を変えて圧縮した材質により構成されている。端部圧縮率:10%、中央部圧縮率:30%として、端部から中央部まで圧縮率を線形的に大きくして、中央部の硬さを端部よりも硬く(大きく)している。
このように構成することで、感光体20へのメラミンローラ82の加圧により、中央部が、感光体10から離れる方向に撓んで、中央部食い込み量が端部よりも小さくなっても、中央部の硬さが硬いために、中央部の接触圧低下が防止される。この結果、図34に示すように、接触線圧が感光体軸方向に均一に維持される。
上述したように接触線圧が略均一に維持されるため、端部と中央部のメラミンローラ82の除去能力偏差を低減できる。これにより、メラミンローラ82の除去能力偏差に起因して発生する感光体摩耗ムラ、それを要因とする感光体膜厚偏差、感光体膜厚偏差により発生する端部と中央部の画像濃度ムラといった異常画像の発生を防止することができる。
ここで、本実施例のメラミンローラ82の異物除去効果(感光体付着物除去効果)、及びハーフトーン画像での濃度ムラの抑制効果を検証するために行った検証試験、及びその検証試験結果について、次の図35と、図36及び図37を用いて説明する。
まず、図35の検証実験、及びその検証実験結果から説明する。
図35に記載した検証実験結果は、図33のメラミンローラ82に対して、中央部硬さとメラミンローラ82の摺擦速度を変えて、感光体付着物及び濃度ムラ画像の発生状況を評価した結果となっている。また、環境条件は、高温高湿(30℃、80%)環境で、メラミンローラ82端部の食い込み量を0.3[mm]に設定するとともに、感光体10としては、3層タイプのものを用いた。そして、A4紙横通紙、前面ベタ画像での30,000枚のランニング評価を行った。
そして、図35に示す各条件で30,000枚通紙後、目視で感光体10上の付着物の有無を、次の◎、○、×の3段階評価した。
◎:感光体10上に付着物が目視できない。つまり、付着物が無い。
○:感光体10上に実用上問題にならない程度のわずかな付着物を目視した。つまり、付着物がわずかに有る。
×:感光体10上に異常画像を引き起こすほどの付着物を目視した。つまり、付着物有り。
また、図35に示す各条件で30,000枚通紙後、目視でハーフトーン画像の濃度ムラの発生の有無を、濃度ムラ発生:×、総度ムラ未発生○の2段階評価した。
この図35の検証実験結果から、次のような効果を奏することができることを確認できた。
端部と中央部の硬さの差を適正な範囲(2[kPa]〜6[kPa])に設定することによって、端部と中央部の接触線圧差が3[Nm]以下となり、感光体摩耗ムラによる端部と中央部の濃度ムラ画像発生を抑制可能となることである。
すなわち、感光体10に対する接触圧偏差が適正な範囲になるように、メラミンローラ82の弾性層となるメラミンフォーム82b5の硬さを中央部で硬く(大きく)している。このため、メラミンローラ82が撓んでローラ中央部の感光体10への食い込み量が小さくなっても、端部と中央部のメラミンローラ82と感光体10の接触圧偏差が過大になることが抑制(防止)できる。このように抑制することで、除去能力を均一に維持、又は除去能力偏差が過大にならないようにすることが可能となりる。したがって、端部と中央部のメラミンローラ82の除去能力偏差により発生する感光体10の摩耗ムラ、それを要因とする感光体10の膜厚偏差、感光体10の膜厚偏差により発生する端部と中央部の画像濃度ムラといった異常画像の発生を防止することができる。
次に、図36及び図37の検証実験、及びその検証実験結果から説明する。
この検証実験、及びその検証実験結果は、中央部と端部の外径差を設け、更に端部と中央部で硬さを変えた場合のメラミンローラ82の異物除去効果及び経時での濃度ムラ画像の防止効果を検証するために行った検証試験、及びその検証試験結果である。
メラミンローラ82の中央部外径とメラミンローラ82の中央部硬さ、及び摺端擦速度を変えて、感光体付着物及び濃度ムラ画像の発生状況を評価した結果となっている。
ここで、図36及び図37に検証実験結果を示す検証実験も、追加条件を除き、図35に検証実験結果を示した検証実験と同様な条件で行い、同様な評価を行った。
そして、図36及び図37に検証実験結果から次のような効果を奏することができることを確認できた。
中央部と端部の外径差を設け、更に端部と中央部で硬さを変えた場合にも、外径差及び硬さの差を適正な値に設定することによって、端部と中央部の接触線圧が3[N/m]以下となる。これにより、感光体摩耗ムラによる端部と中央部の濃度ムラ画像発生を抑制(防止)できることが確認できた。
また、本実施例でも、図32に示すように、メラミンローラ82が感光体10の回転方向に対して帯電部材の上流側、クリーニングブレード5の下流側に配置されている。このため、実施例8と同様の効果により、メラミンローラ82が安定した摺擦掻き取り効果が発揮され、高画像作成時で、更に、高温環境等、感光体10への異物の付着力が高まる場合でも、感光体10へ異物が付着蓄積することが抑制(防止)可能となる。
そして、白ポチ等の異常画像の発生を抑制(防止)できる。
また、ローラ部材であるメラミンローラ82の感光体10への加圧によって発生するメラミンローラ82中央部の撓みによる端部と中央部の接触圧偏差に対して、接触圧を均一に維持する構成(方法)として、次のような構成も挙げられる。
図38に示すようにメラミンローラ82と感光体10の接触部のメラミンローラ周方向反対側に板金部材からなるバックアップ部材85を接触配置する構成である。
また、バックアップ部材としては、図38に示す板金部材のほか、図39に記載のようなバックアップ用ローラ部材87も考えられる。
また、バックアップ部材85(バックアップ用ローラ部材87)の設置位置としては、メラミンローラ82の長手方向全幅ではなく、図40に示すように、メラミンローラ82の中央部のみに配置しても、得られる効果に差はない。
ここで、実施例1〜9の作像ユニット121は、作像手段である感光体10と、現像装置50、帯電装置40、感光体クリーニング装置1が一体化されているプロセスカートリッジ122となっている。各作像手段が一体化されているために、セット性・メインテナンス性が良くなり、更に、現像部材である現像ローラ51、帯電部材である帯電ローラ41、クリーニング部材であるクリーニングブレード5や研磨ローラ2等のローラ部材の対感光体位置精度が良くなる。
また、実施例1〜9のプロセスカートリッジ122は、少なくとも感光体10を帯電させる帯電ローラ41と、感光体10表面の付着物を除去する感光体クリーニング装置1とを備え、プリンタ100に対して着脱自在に構成されたものである。このようにプロセスカートリッジ122に、実施例1〜9の感光体クリーニング装置1を備える(用いる)ことで、実施例1〜9の感光体クリーニング装置1と同様な効果を奏することができるプロセスカートリッジ122を提供できる。
そして、本実施形態のプリンタ100は、感光体10上にトナー像を形成する作像ユニット121が、感光体10と、帯電装置40、現像装置50、及び感光体クリーニング装置1の内の少なくとも一つとを含むプロセスカートリッジ122を有する。これにより、複数の作像手段が一体化されて、セット性・メインテナンス性が良いプリンタ100を提供できる。更に、感光体10と一体化することにより、一体化した現像部材としての現像ローラ51、帯電部材としての帯電ローラ41、及びクリーニングブレード5、研磨ローラ2やメラミンローラ82等のクリーニング部材の感光体10に対する位置精度が良くなる。
また、本実施形態のプリンタ100は、作像ユニット121に、感光体10と、実施例1〜9で説明した、いずれかの感光体クリーニング装置1を備える。すなわち、少なくとも感光体10を帯電させる帯電ローラ41と、感光体10表面の付着物を除去する感光体クリーニング装置とを備え、感光体10上に形成した画像を最終的に用紙に転移させるプリンタ100に、実施例1〜9で説明した、いずれかの感光体クリーニング装置1を備える(用いる)。これにより、本実施形態のプリンタ100は、実施例1〜9のいずれかの感光体クリーニング装置1と同様な効果を奏することができる。
以上、本実施形態について、図面を参照しながら説明してきたが、具体的な構成は、上述した本実施形態のプリンタ100や感光体クリーニング装置1の構成に限られるものではなく、要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等を行っても良い。
例えば、作像ユニットを1つだけ備えた画像形成装置や、作像ユニットの構成が異なるものにも、変更可能である。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
研磨ローラ2などのローラ部材と、クリーニングブレード5などのクリーニング部材とを感光体10などの感光体に接触配置し、前記感光体表面の転写残トナーや外添剤などの付着物を除去する感光体クリーニング装置1などの感光体クリーニング装置であって、前記感光体を帯電させる帯電ローラ41などの帯電部材と前記クリーニング部材との間に、前記ローラ部材を配置することを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、次のような効果を奏することができる。
感光体を帯電する帯電部材とローラ部材との間に、クリーニング部材を配置した従来の感光体クリーニング装置では、ローラ部材は、クリーニング部材の感光体回転方向上流側に配置されているため、作成する画像によりローラ部材に入力されるトナー量が異なる。そして、高画像作像時にはトナーが過剰にローラ部材に供給されて、ローラ部材と感光体の接触面積が減少してローラ部材の感光体摺擦作用が弱くなるため、このような高画像が連続する場合には、ローラ部材の感光体摺擦除去能力(異物除去能力)が不足してくる。また、作成する画像によりローラ部材に入力されるトナー量は、ローラ部材の長手方向(軸方向)でも異なり、入力されるトナーの長手方向の厚さの高低差により、ローラ部材の感光体摺擦除去能力が不足する場合もある。更に、高温環境等、感光体への異物の付着力が高まる場合には、感光体摺擦除去能力不足により、感光体表面に付着した異物(付着物)を除去しきれなくなり、感光体表面の異物が蓄積成長して、白ポチ等の異常画像が発生してしまう。
一方、本態様の感光体クリーニング装置では、ローラ部材が、感光体回転方向に対して、クリーニング部材の下流側に配置されるので、ローラ部材と感光体の接触部に入力される残留トナーを低減することができる。このため、ローラ部材と感光体の接触面積が減少したり、変動したりすることを抑制しつつ、入力されるトナーの長手方向の厚さの高低差も低減でき、ローラ部材の異物除去能力が不足せず、安定するため、感光体上の異物(付着物)を安定して除去できる。また、ローラ部材が帯電部材の感光体回転方向上流側に配置されているために、感光体表面が帯電電流により活性化され、異物が付着しやすくなる前に、感光体表面のシリカ等のトナー外添剤を除去することも可能となる。
これらにより、感光体への異物付着を防止可能となり、異物付着による白ポチ等の異常画像の発生を抑制できる。
よって、異物付着による白ポチ等の異常画像の発生を抑制できる感光体クリーニング装置を提供できる。
(態様B)
(態様A)において、研磨ローラ2などの前記ローラ部材の芯金2aなどの軸上に螺旋状の凸形状を発泡ウレタン2bなどの弾性材料で形成していることを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、次のような効果を奏することができる。
クリーニングローラなどのローラ部材を配置した従来の感光体クリーニング装置では、高硬度な材質のローラ部材を軸位置固定で感光体と摺擦させると、ローラ部材の外径のバラツキにより、感光体への食い込み加圧力のバラツキが大きくなる。そして、食い込み量が大きい場合には、感光体駆動負荷が大きくなり、バンディング、ジダーといった異常画像も発生する場合があった。一方、食い込み量が小さい場合には、加圧力不足により、異物除去不良が発生する場合があった。
また、感光体駆動負荷が大きい場合には、摺擦負荷も大きくなり、感光体の膜摩耗が促進されてしまう場合もあった。
一方、本態様の感光体クリーニング装置では、弾性材料で形成した螺旋状の凸形状が回転して感光体表面と接触、離間する際、凸形状のエッジ部が感光体表面を摺擦する掻き取り効果により異物除去能力を向上させて、ローラ部材の感光体への加圧力を抑制できる。
加えて、ローラ部材には感光体と接触する凸形状が螺旋状に形成(配置)されており、感光体との接触面積が小さくなるため、ローラ部材の感光体への加圧力も抑制できる。そして、これらの加圧力の抑制効果により、ローラ部材の感光体への食い込み加圧力のバラツキを低減し、感光体駆動負荷が大きくなってバンディング、ジダーといった異常画像が発生したり、加圧力不足して異物除去不良が発生したりすることを抑制できる。
また、ローラ部材が感光体に接触するときの加圧力を低減することによる感光体駆動負荷の低減効果により、感光体の膜摩耗も抑制できる。
よって、バンディング、ジダーといった異常画像の発生を抑制しつつ、感光体の膜摩耗も抑制できる感光体クリーニング装置を提供できる。
(態様C)
(態様A)又は(態様B)において、研磨ローラ2などの前記ローラ部材が、感光体10などの前記感光体表面と線速差を持ち、前記感光体表面を摺擦することを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、ローラ部材表面が感光体表面と線速差をもって感光体表面を摺擦するので、摺擦効果により、感光体表面の付着物を効果的に除去することが可能となる。
(態様D)
(態様A)乃至(態様C)のいずれかにおいて、研磨ローラ2などの前記ローラ部材が、感光体10などの前記感光体との接触部で、前記感光体の回転方向とは、反対方向に回転することを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、次のような効果を奏することができる。
ローラ部材が感光体との接触部で、感光体の回転方向とは、反対方向に回転するので、感光体表面に対するローラ部材の線速差が大きくなり、ローラ部材の感光体表面の摺擦効果が大きくなり、感光体表面の付着物除去効果が向上する。
(態様E)
(態様A)乃至(態様D)のいずれかにおいて、前記弾性材料が、微小な多数の空孔からなるセル構造をもつ発泡ウレタン2bなどの発泡材料からなることを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、次のような効果を奏することができる。
研磨ローラ2などのローラ部材に螺旋状の凸形状を形成する(螺旋配置される)弾性材料が無数の微小な空孔をもつセル構造となっているので、微小空孔部分のエッジが感光体表面を効果的に摺擦するので、感光体表面の付着物除去効果が向上する。
(態様F)
(態様A)乃至(態様E)のいずれかにおいて、研磨ローラ2やメラミンローラ82などの前記ローラ部材の異物除去能力などの付着物除去能力を経時で減少させていくことを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、感光体10などの感光体の使用初期においては、感光体の平坦な表面へトナーや外添剤等の付着を防止できる付着物除去能力に設定し、経時においては、感光体の膜摩耗促進を防止できる付着物除去能力に設定できる。
よって、ローラ部材の付着物除去能力を経時で適正に維持し、付着物除去能力過剰による感光体の膜摩耗促進を防止できる。
(態様G)
(態様A)乃至(態様F)のいずれかにおいて、感光体10などの前記感光体表面に対する研磨ローラ2などの前記ローラ部材の接触面の摺擦速度をローラ部材の単位時間当たりの回転数を低下させるなどして経時で減少させていくことを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、感光体の使用初期においては、感光体の平坦な表面へトナーや外添剤等の付着を防止できる異物除去能力などの付着物除去能力を得ることができる感光体表面に対するローラ部材の接触面の摺擦速度に設定できる。そして、経時においては、付着物除去能力過剰による感光体の膜摩耗促進を防止できる感光体表面に対するローラ部材の接触面の摺擦速度に設定できる。
よって、ローラ部材の付着物除去能力を経時で適正に維持し、付着物除去能力過剰による感光体の膜摩耗促進を防止できる。
(態様H)
(態様A)乃至(態様G)のいずれかにおいて、メラミンローラ82などの前記ローラ部材の外径が経時で小さくなっていくことを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、次のような効果を奏することができる。
経時で感光体10などの感光体への接触圧力、及び異物除去能力などの付着物除去能力を低下させ、使用初期には、感光体表面へのトナーや外添剤等の付着を防止できる付着物除去能力を得つつ、経時には付着物除去能力過剰による感光体の摩耗促進を防止できる。
よって、ローラ部材の付着物除去能力を経時で適正に維持し、付着物除去能力過剰による感光体の膜摩耗促進を防止できる。
(態様I)
感光体10などの感光体を帯電させる帯電ローラ41などの帯電部材と、前記感光体表面の付着物を除去する感光体クリーニング装置とを備え、プリンタ100などの画像形成装置に対して着脱自在に構成されたプロセスカートリッジ122などのプロセスカートリッジにおいて、前記感光体クリーニング装置として、(態様A)乃至(態様H)のいずれかの感光体クリーニング装置1などの感光体クリーニング装置を備えることを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、(態様A)乃至(態様H)のいずれかの感光体クリーニング装置と同様な効果を奏することができるプロセスカートリッジを提供できる。
(態様J)
感光体10などの感光体を帯電させる帯電ローラ41などの帯電部材と、前記感光体表面の付着物を除去する感光体クリーニング装置とを備え、前記感光体上に形成した画像を最終的に用紙などの記録媒体に転移させるプリンタ100などの画像形成装置において、前記感光体クリーニング装置として、(態様A)乃至(態様H)のいずれかの感光体クリーニング装置1などの感光体クリーニング装置を備えることを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、(態様A)乃至(態様H)のいずれかの感光体クリーニング装置と同様な効果を奏することができる画像形成装置を提供できる。
1 感光体クリーニング装置
2 研磨ローラ(実施例1〜3)
2a 芯金
2b 発泡ウレタン
2c 接触部
2d シート状発泡ウレタン
3 支持部材
5 クリーニングブレード
5a ブレードエッジ
8 排出スクリュ
9 クリーニングローラ(従来技術)
10 感光体
21 保持部材
22 加圧スプリング
30 定着装置
40 帯電装置
41 帯電ローラ
42 帯電ローラクリーナ
50 現像装置
51 現像ローラ
52 攪拌スクリュ
53 供給スクリュ
60 搬送経路
72 除去ローラ(実施例4、6)
72a 除去ローラ芯金(実施例4、6)
72b 発泡EPDM材質層(実施例4、6)
75 加圧力制御機構(実施例4)
76a カム軸(実施例4)
76b カム(実施例4)
77 加圧バネ(実施例4)
78 軸受(実施例4)
82 メラミンローラ(実施例5、7、8、9)
82a メラミンローラ芯金(実施例5、7、8、9)
82b メラミンフォーム(実施例5、7、8、9)
82c 無機微粒子(実施例7)
100 プリンタ
120 作像部
121 作像ユニット
122 プロセスカートリッジ
130 給紙部
131 給紙カセット
132 給紙ローラ
133 レジストローラ対
135 排紙収納部
140 露光装置
159 トナーボトル
160 中間転写部
161 一次転写ローラ
162 中間転写ベルト
163 駆動ローラ
164 二次転写バックアップローラ
165 従動ローラ
166 二次転写ローラ
167 ベルトクリーニング装置
特許第4994851号公報 特開2013−083764号公報

Claims (10)

  1. ローラ部材と、クリーニング部材とを感光体に接触配置し、前記感光体表面の付着物を除去する感光体クリーニング装置であって、
    前記感光体を帯電させる帯電部材と前記クリーニング部材との間に、前記ローラ部材を配置することを特徴とする感光体クリーニング装置。
  2. 請求項1に記載の感光体クリーニング装置において、
    前記ローラ部材の軸上に螺旋状の凸形状を弾性材料で形成していることを特徴とする感光体クリーニング装置。
  3. 請求項1又は2に記載の感光体クリーニング装置において、
    前記ローラ部材が、前記感光体表面と線速差を持ち、前記感光体表面を摺擦することを特徴とする感光体クリーニング装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一に記載の感光体クリーニング装置において、
    前記ローラ部材が、前記感光体との接触部で、前記感光体の回転方向とは、反対方向に回転することを特徴とする感光体クリーニング装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一に記載の感光体クリーニング装置において、
    前記弾性材料が、微小な多数の空孔からなるセル構造をもつ発泡材料からなることを特徴とする感光体クリーニング装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一に記載の感光体クリーニング装置において、
    前記ローラ部材の付着物除去能力を経時で減少させていくことを特徴とする感光体クリーニング装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一に記載の感光体クリーニング装置において、
    前記感光体表面に対する前記ローラ部材の接触面の摺擦速度を経時で減少させていくことを特徴とする感光体クリーニング装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一に記載の感光体クリーニング装置において、
    前記ローラ部材の外径が経時で小さくなっていくことを特徴とする感光体クリーニング装置。
  9. 感光体を帯電させる帯電部材と、前記感光体表面の付着物を除去する感光体クリーニング装置とを備え、画像形成装置に対して着脱自在に構成されたプロセスカートリッジにおいて、
    前記感光体クリーニング装置として、請求項1乃至8のいずれか一に記載の感光体クリーニング装置を備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  10. 感光体を帯電させる帯電部材と、前記感光体表面の付着物を除去する感光体クリーニング装置とを備え、前記感光体上に形成した画像を最終的に記録媒体に転移させる画像形成装置において、
    前記感光体クリーニング装置として、請求項1乃至8のいずれか一に記載の感光体クリーニング装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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