JP6332730B2 - クリーニングブレード、画像形成装置およびプロセスカートリッジ - Google Patents

クリーニングブレード、画像形成装置およびプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、クリーニングブレード、並びにこれを用いた電子写真方式の画像形成装置、及びその画像形成装置に対して着脱可能に装着されるプロセスカートリッジに関するものである。
従来、電子写真方式の画像形成装置では、被清掃部材たる感光体などの像担持体について、転写紙や中間転写体へトナー像を転写した後の表面に付着した不要な転写残トナーはクリーニング手段たるクリーニング装置によって除去している。このクリーニング装置としては、一般的に構成を簡単にでき、クリーニング性能も優れていることから、短冊形状のクリーニングブレードを用いたものがよく知られている。クリーニングブレードは、ポリウレタンゴムなどの弾性部材からなるブレード部材で構成され、ブレード部材の基端を支持部材で支持して先端稜線部を像担持体の表面に当接させて、像担持体上の転写残トナーをせき止めて掻き落とし除去する。
従来、クリーニングブレードとしては、低硬度のポリウレタンゴムなどからなる単層構造のブレード部材が広く用いられていた。
特許文献1、2には、像担持体と接触する先端稜線部を備えるエッジ層を比較的高硬度のゴム材料で形成し、エッジ層よりも低硬度のゴム材料で形成したバックアップ層を有する積層構造のブレード部材を用いたクリーニングブレードが記載されている。
近年、画像形成装置の高信頼性、高寿命化に加えて、環境意識への高まりから、画像形成装置における省エネルギーがますます重要になってきている。省エネルギーとしては、画像形成装置で最もエネルギーを消費する定着プロセスの省エネルギー化が重要な課題となっており、定着装置自体の省エネルギー化技術の開発とともに、低温定着トナーの開発も盛んに行われている。低温定着トナーでは、より低い温度でトナーをゴム化/軟化させる必要があり、それに伴いトナーのガラス転移温度も低下する。例えば、トナーのガラス転移温度(Tg)が40〜60℃であるようなトナーが開発されている。
一方、画像形成装置で画像形成動作を継続していくと機械内部の温度が上昇する。通常のオフィス環境で想定される温度範囲(10℃〜35℃)では、機械内部の温度が低温定着トナーのガラス転移温度近辺、あるいは、それ以上の温度にまで上昇してしまう場合がある。例えば、中速機では機械内部の温度が低温定着トナーのガラス転移温度近辺の60℃まで上昇してしまう場合があり、高速機ではさらに高い温度まで機内温度が上昇してしまう場合もあった。また、クリーニングブレード方式では、像担持体とブレード部材との当接部で摺動摩擦力による摩擦熱が発生し、ブレード部材の先端稜線部は機内温度よりもさらに高い温度まで上昇する。
クリーニングブレード方式では、ブレード部材の先端稜線部を表面移動する像担持体に当接させてトナーをせき止めて除去しているが、像担持体とブレード部材との摩擦力によりブレード部材の先端稜線部が像担持体の移動方向に引っ張られて変形する。このため、実際には、堰き止められたトナーの一部が変形した先端稜線部を少しずつすり抜けており、先端稜線部を少しずつすり抜ける際にトナーは像担持体に押しつけられた状態となる。
低温定着トナーを用いた場合は、トナーが変形した先端稜線部を少しずつすり抜ける際に、先端稜線部の温度上昇と押し付け力とにより容易にゴム化/軟化して像担持体の表面に付着してしまう。像担持体の表面に付着したトナーは、経時で膜状となり、像担持体の表面にフィルミングが発生してしまう。フィルミングが発生すると、画像濃度ムラ、クリーニング不良、帯電不良等の不具合を発生する。
特許文献1、2には、先端稜線部を含むエッジ層を比較的高硬度のゴム材料で形成したブレード部材においては、先端稜線部の変形が抑えられ、トナーが先端稜線部をすり抜けにくくなると記載されている。このため、低温定着トナーによるフィルミングの発生を抑えることに有利と考えられる。しかし、低温定着トナーによるフィルミングの発生を良好に抑制するためのゴム材料の条件については検討されていない。
また、特許文献1では、先端稜線部近傍を含むエッジ層の硬度を、一般的にゴム材料の硬度を表すJIS−A測定法によるゴム硬度で75〜90と規定している。しかしながら、比較的薄いエッジ層とバックアップ層とからなるブレード部材において、JIS−A測定法によりエッジ層のゴム硬度をバックアップ層との積層方向に垂直な面から測定すると、測定値はバックアップ層の影響を含むものとなってしまう。このため、低温定着トナーによるフィルミングを抑制するためのブレード部材の先端稜線部の硬さの指標としてJIS−A測定法によるゴム硬度を用いると硬度測定位置によってはその効果が十分に得られない虞がある。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、省エネルギー化を図りつつ、被清掃部材の表面へのフィルミングを抑制できるクリーニングブレード、画像形成装置およびプロセスカートリッジを提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、短冊形状のゴム材料からなるブレード部材で構成され、ブレード部材の先端稜線部を表面移動する被清掃部材の表面に当接して被清掃部材の表面から付着物を除去するクリーニングブレードにおいて、上記ブレード部材は、上記ブレード部材の上記先端稜線部を含み上記被清掃部材の表面と当接するエッジ層と、該エッジ層に積層された少なくとも一層以上のバックアップ層とを有する積層構造であり、上記エッジ層、または、上記先端稜線部を含み上記被清掃部材の表面と当接する含浸部のマルテンス硬度が1.0[N/mm]以上、4.2[N/mm ]以下であり、上記バックアップ層のマルテンス硬度が0.6以上、0.8[N/mm ]以下であることを特徴とするものである。
本発明によれば、省エネルギー化を図りつつ、被清掃部材の表面へのフィルミングを抑制できるという優れた効果がある。
本実施形態に係るプリンタの概略構成図。 同プリンタが備えるプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図。 同プリンタが備えるクリーニングブレードの一例の断面図。 図3のクリーニングブレードのエッジ部の拡大図であり、(a)は感光体に非接触時、(b)は感光体に接触時時を示す。 実施例1のクリーニングブレードの概略構成図。 実施例2のクリーニングブレードの概略構成図。 実施例3のクリーニングブレードの概略構成図。 クリーニングブレードのエッジ部の変形の様子を示す拡大図。 同プリンタが備えるプロセスカートリッジの他の例を示す概略構成図。 同プリンタが備えるプロセスカートリッジの他の例を示す概略構成図。 無機微粒子を含有した感光体に対するクリーニングブレードのエッジ部の様子を示す拡大図。 (a)及び(b)は重合トナーの形状を示す正面図。 (a)〜(d)は感光体のそれぞれの実施例を示す断面図。 従来のクリーニングブレードのエッジ部の拡大図であり、(a)は感光体に非接触時、(b)は感光体に接触時時を示す。 (a)及び(b)は保護剤を塗布した感光体に対し従来のクリーニングブレードによりクリーニングした状態を示す拡大図。 従来のクリーニングブレードにより潤滑剤添加トナーをクリーニングした状態を示す説明図。 無機微粒子を含有した感光体に対する従来のクリーニングブレードのエッジ部の様子を示す拡大図。 エッジ部を含む部分に紫外線硬化樹脂を含浸する含浸部を設けたクリーニングブレードを示す図。 ビッカース圧子を押し込むときの積算応力Wplastと、試験荷重除荷寺の積算応力をWelastとを示すグラフ。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。まず、本実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタ100の概略構成図である。プリンタ100は、フルカラー画像を形成するものであって、画像形成部120、中間転写装置160、及び給紙部130から概略構成されている。なお、以下の説明において、添え字Y、C、M、Bkは、それぞれ、イエロー用、シアン用、マゼンタ用、ブラック用の部材であることを示すものである。
画像形成部120には、イエロートナー用のプロセスカートリッジ121Y、シアントナー用のプロセスカートリッジ121C、マゼンタトナー用のプロセスカートリッジ121M、ブラックトナー用のプロセスカートリッジ121Bkが設けられている。これらのプロセスカートリッジ121(Y、C、M、Bk)は、略水平方向に一列に並べて配置されている。プロセスカートリッジ121(Y、C、M、Bk)は、プリンタ100に対して一体として着脱自在に装着される。
中間転写装置160は、複数の支持ローラに掛け渡された無端状の中間転写ベルト162と、一次転写ローラ161(Y、C、M、Bk)と、二次転写ローラ165を備えている。中間転写ベルト162は、各プロセスカートリッジ121(Y、C、M、Bk)の上方で、各プロセスカートリッジに設けられて表面移動する潜像担持体としてのドラム状の各感光体10(Y、C、M、Bk)の表面移動方向に沿って配置されている。中間転写ベルト162は、感光体10(Y、C、M、Bk)の表面移動に同期して表面移動する。各一次転写ローラ161(Y、C、M、Bk)は、中間転写ベルト162の内周面に沿って配置されており、これらの一次転写ローラ161(Y、C、M、Bk)により中間転写ベルト162の表面が各感光体10(Y、C、M、Bk)の表面に弱圧接している。
各感光体10(Y、C、M、Bk)上にトナー像を形成し、そのトナー像を中間転写ベルト162に転写する構成及び動作は、各プロセスカートリッジ121(Y、C、M、Bk)について実質的に同一である。ただし、カラー用の3つのプロセスカートリッジ121(Y、C、M)に対応した一次転写ローラ161(Y、C、M)についてはこれらを上下に揺動させる図示しない揺動機構が設けられている。揺動機構は、カラー画像が形成されないときに感光体10(Y、C、M)に中間転写ベルト162を接触させないように動作する。中間転写ベルト162の二次転写ローラ165よりも表面移動方向下流側であってプロセスカートリッジ121Yの上流側には、二次転写後の残留トナー等の中間転写ベルト162上の付着物を除去するための中間転写ベルトクリーニング装置167を設けている。
中間転写装置160の上方には、各プロセスカートリッジ121(Y、C、M、Bk)に対応したトナーカートリッジ159(Y、C、M、Bk)が略水平方向に並べて配置されている。また、プロセスカートリッジ121(Y、C、M、Bk)の下方には、帯電された感光体10(Y、C、M、Bk)の表面にレーザー光を照射して静電潜像を形成する露光装置140が配置されている。
給紙部130は、露光装置140の下方に配置されている。給紙部130には、記録媒体としての転写紙を収容する給紙カセット131及び給紙ローラ132が設けられている。レジストローラ対133を経て中間転写ベルト162と二次転写ローラ165との間の二次転写ニップ部に向けて所定のタイミングで転写紙を給送する。
二次転写ニップ部の転写紙搬送方向下流側には定着装置30が配置されており、この定着装置30の転写紙搬送方向下流側には、排紙ローラ及び排紙された転写紙を収納する排紙収納部135が配置されている。
図2は、プリンタ100が備えるプロセスカートリッジ121の一例の概略構成図である。ここで、各プロセスカートリッジ121(Y、C、M、Bk)の構成はほぼ同様であるので、以下の説明では色分け用の添え字Y、C、M、Bkを省略して、プロセスカートリッジ121の構成及び動作について説明する。
プロセスカートリッジ121は、ドラム状の感光体10と、感光体10の周りに配置されたクリーニング装置1、帯電部40及び現像部50とを備えている。
クリーニング装置1は、感光体10の回転軸方向に長尺な短冊形状の弾性部材であるクリーニングブレード5における、感光体の回転方向と直交する方向へ延びるエッジ稜線となっている先端稜線部(以下、エッジ部という)61を感光体10の表面に押しつける。これにより、感光体10表面上の転写残トナー等の不要な付着物を引き離し除去する。除去されたトナー等の付着物は排出スクリュ43によってクリーニング装置1の外に排出される。
帯電部40は、感光体10と対向する帯電ローラ41と、この帯電ローラ41に当接して回転する帯電ローラクリーナ42とから主として構成されている。
現像部(現像装置)50は、感光体10の表面にトナーを供給して静電潜像を可視像化するものであり、現像剤(キャリア、トナー)を表面に担持する現像剤担持体としての現像ローラ51を備える。現像部50は、この現像ローラ51と、現像剤収容部に収容された現像剤を攪拌しながら搬送する攪拌スクリュ52と、攪拌された現像剤を現像ローラ51に供給しながら搬送する供給スクリュ53と、から主として構成されている。
以上のような構成を有する4つのプロセスカートリッジ121は、それぞれ単独でサービスマンやユーザにより着脱・交換が可能となっている。また、プリンタ100から取り外した状態のプロセスカートリッジ121については、感光体10、帯電部40、現像部50、クリーニング装置1が、それぞれ単独で新しい装置との交換が可能に構成されている。なお、プロセスカートリッジ121は、クリーニング装置1で回収した転写残トナーを回収する廃トナータンクを備えていてもよい。この場合、更に、プロセスカートリッジ121において廃トナータンクを単独で着脱・交換が可能な構成とすれば利便性が向上する。
次に、プリンタ100の動作について説明する。
プリンタ100では、不図示のオペレーションパネルやパーソナルコンピュータ等の外部機器からプリント命令を受け付ける。まず、感光体10を図2の矢印で示す移動方向(回転方向)Aに回転させ、帯電部40の帯電ローラ41によって感光体10の表面を所定の極性に一様帯電させる。帯電後の感光体10に対し、露光装置140は、入力されたカラー画像データに対応して光変調された例えばレーザービーム光を色ごとに照射し、これによって各感光体10の表面にそれぞれ各色の静電潜像を形成する。各静電潜像に対し、各色の現像部50の現像ローラ51から各色の現像剤を供給し、各色の静電潜像を各色の現像剤で現像し、各色に対応したトナー像を形成して可視像化する。
次いで、一次転写ローラ161にトナー像と逆極性の転写電圧を印加することによって、中間転写ベルト162を挟んで感光体10と一次転写ローラ161との間に一次転写電界を形成する。同時に、一次転写ローラ161で中間転写ベルト162を弱圧接することで一次転写ニップを形成する。これらの作用により、各感光体10上のトナー像は中間転写ベルト162上に効率よく一次転写される。中間転写ベルト162上には、各感光体10で形成された各色のトナー像が互いに重なり合うように転写され、積層トナー像が形成される。
中間転写ベルト162上に一次転写された積層トナー像に対しては、給紙カセット131内に収容されている転写紙が給紙ローラ132やレジストローラ対133等を経て所定のタイミングで給送される。そして、二次転写ローラ165にトナー像と逆極性の転写電圧を印加することにより、転写紙を挟んで中間転写ベルト162と二次転写ローラ165との間に二次転写電界を形成し、転写紙上に積層トナー像が転写される。積層トナー像が転写された転写紙は定着装置30に送られ、熱及び圧力で定着される。トナー像が定着された転写紙は、排紙ローラによって排紙収納部135に排出、載置される。一方、一次転写後の各感光体10上に残留する転写残トナーは、各クリーニング装置1のクリーニングブレード5によって掻き取られ、除去される。
次に、本プリンタ100の特徴部であるクリーニング装置1のクリーニングブレード5について説明する。
まず、従来のクリーニングブレードにおける問題点について説明する。図14は、従来のクリーニングブレードのエッジ部の拡大図である。従来のクリーニングブレード200は、低硬度のポリウレタンゴムなどからなる単層構造であり、エッジ部201を含むエッジ部近傍のマルテンス硬度としては0.7[N/mm]程度である。
図14(a)は、クリーニングブレード200のエッジ部201が感光体210の表面に非接触の状態を示すものである。短冊形状のクリーニングブレード200は直角状のエッジ部201を間に挟んで隣接するブレード対向面202とブレード先端面201とを有している。ブレード対向面202は感光体210の表面に対向している。
図14(b)は、クリーニングブレード200のエッジ部201が感光体210の表面に接触した状態を示すものである。感光体210は矢印で示す移動方向220に移動しており、クリーニングブレード200のエッジ部201を形成するブレード先端面201は、感光体210の移動に伴って移動方向220の下流側に引き込まれる。この引き込みにより、エッジ部201が大きく変形してエッジ部201に楔形状部204が形成され、楔形状部204が感光体210の表面に接触し感光体210の移動に伴って相対的に摺動する。このときには、ブレード対向面202は感光体210の表面に接触していない。
このようなクリーニングブレード200の接触状態では、感光体210との接触面積が広くなり、接触面圧が大きくなることがない。このため、感光体210への表面に残留しているトナーがクリーニングブレード200からすり抜け易くなり、残留トナーを除去するクリーニング性能が低下する。トナーが変形した先端稜線部をすり抜ける際にトナーは像担持体に押しつけられた状態となる。
また、プリンタ100は画像形成動作の継続により機械内部の温度が低温定着トナーのガラス転移温度近辺、あるいはそれ以上の温度にまで上昇してしまう場合がある。例えば、線速が約140〜260[mm/sec]の中速機では、機械内部の温度が低温度定着トナーのガラス転移温度近辺の60℃まで上昇してしまう場合がある。線速が約350〜650[mm/sec]の高速機では、さらに高い温度まで機内温度が上昇してしまう場合もあった。また、感光体10とクリーニングブレード200との当接部で摺動摩擦力による摩擦熱が発生し、クリーニングブレード200のエッジ部201は機内温度よりも更に高い温度まで上昇する。
ガラス転移温度(Tg)が、例えば、40〜60℃であるような低温定着トナーは、変形したエッジ部をすり抜ける際に、エッジ部の温度上昇と押し付け力とにより容易にゴム化/軟化して感光体10の表面に付着してしまう。感光体10の表面に付着したトナーは、経時で膜状となり、感光体200の表面にフィルミングが発生してしまう。フィルミングが発生すると、画像濃度ムラ、クリーニング不良、帯電不良等の不具合を発生させてしまう。
図3は、本実施形態のクリーニングブレード5の一例の断面図である。クリーニングブレード5は、短冊形状のブレード部材であり、ブレードホルダ3の一側面に保持されている。図3に示すクリーニングブレード5は、感光体の回転方向と直交する方向へ延びるエッジ稜線となっているエッジ部61を含むエッジ層6と、エッジ層6の裏面に積層されたバックアップ層7とからなる積層構造である。このエッジ部61が感光体10の表面と接触して感光体10の表面の転写残トナー等の不要な付着物を除去する。
図4は、図3のクリーニングブレードのエッジ部の拡大図である。本プリンタ100に採用するクリーニングブレード5は、エッジ部を含むエッジ部近傍のマルテンス硬度を1.0[N/mm]以上とする。
図4(a)は、クリーニングブレード5のエッジ部61が感光体10の表面に非接触の状態を示すものである。短冊形状のクリーニングブレード5は直角状のエッジ部61を間に挟んで隣接するブレード対向面62とブレード先端面63とを有している。ブレード対向面62は感光体10の表面に対向している。
図4(b)は、クリーニングブレード5のエッジ部61が感光体10の表面に接触した状態を示すものである。エッジ部61を含むエッジ部近傍のマルテンス硬度を1.0[N/mm]以上と高硬度に設定することで、感光体10の移動に伴うブレード先端面63の引き込みが抑えられ、従来のクリーニングブレードに比べてエッジ部61の変形を少ない状態にできる。これにより、トナーのすり抜けが抑制され、感光体10の表面へのフィルミングの発生やクリーニング不良の発生が抑制される。
また、図18に示すように、低硬度のポリウレタンゴムなどからなる単層構造のブレード5のエッジ部61を含む部分に紫外線硬化樹脂を含浸する含浸部65を設けて、エッジ部61を含むエッジ部近傍のマルテンス硬度を1.0[N/mm]以上にしてもよい。図18(a)に示すように、エッジ部61を含むエッジ部近傍のみに含浸部65を設けたり、図18(b)に示すように、エッジ部近傍とブレード先端面63とに含浸部65を設けたりしてもよい。また、図18(c)に示すように、ブレード先端面63とブレード対向面62とに含浸部65を設けてもよい。また、図18(d)に示すように、エッジ部近傍とブレード対向面62とブレード後端面66とに含浸部65を設けてもよい。また、図18(e)に示すように、ブレード先端面63とブレード対向面62とブレード後端面66とに含浸部65を設けてもよい。さらに、図18(f)に示すように、エッジ部近傍とブレード対向面62とに含浸部65を設けてもよい。
弾性ブレード5への紫外線硬化樹脂の含浸は、ハケ塗り、スプレー塗工、ディップ塗工などによって行うことが可能である。含浸させる紫外線硬化樹脂としては、マルテンス硬度250〜500[N/mm]、弾性仕事率75[%]以下、特に50〜75[%]の材料が好ましい。これにより、感光体10に当接する弾性ブレード5のエッジ部61が感光体表面移動方向に変形するのを抑制することができる。さらに、経時表面層摩耗によって内部が露出したときも内部への含浸作用により、同様に変形を抑制することができる。
なお、紫外線硬化樹脂のマルテンス硬度の硬度は、フィシャー・インストルメンツ社製、微小硬度計 HM−2000を用いて測定したものである。具体的には、ガラス板上に紫外線硬化樹脂を塗布し、層厚20[μm]として、ビッカース圧子9.8[mN]の力で30秒間押し込み、5秒保持し、9.8[mN]の力で30秒かけて抜き計測する。また、弾性仕事率は、マルテンス硬度の計測時の積算応力から、以下のようにして求められる特性値である。ビッカース圧子を押し込むときの積算応力をWplast、試験荷重除荷寺の積算応力をWelastとすると、弾性仕事率は、Welast/Wplast×100%の式で定義される特性値である(図19参照)。弾性仕事率が高いほど、ヒステリシスロス(塑性変形)が少ない、すなわちゴム性が高いことをあらわしている。弾性仕事率が低すぎると、ゴムというよりガラスに近い状態である。
なお、上記エッジ部61を含むエッジ部近傍のマルテンス硬度は、弾性ブレード5に紫外線硬化樹脂を含浸した状態でのマルテンス硬度であり、上述した紫外線硬化樹脂のマルテンス硬度とは異なる。
含浸処理を行う紫外線硬化樹脂としては、高硬度で高弾性な材料が好ましく、トリシクロデカンまたはアダマンタン骨格を有するアクリレートまたはメタクリレートが好ましい。トリシクロデカンまたはアダマンタン骨格を有するアクリレートまたはメタクリレートは、官能基が少なくてもトリシクロデカンやアダマンタン骨格の特殊な構造により架橋点の不足を補うことができ好ましい。トリシクロデカンまたはアダマンタン骨格を有するアクリレートまたはメタクリレートとしては、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、1,3-アダマンタンジメタノールジアクリレート、1,3-アダマンタンジメタノールジメタクリレート、1,3,5−アダマンタントリメタノールトリアクリレート、1,3,5−アダマンタントリメタノールトリメタクリレートなどがあり、これらを2種以上混ぜ合わせて使用してもよい。
また、トリシクロデカンまたはアダマンタン骨格を有するアクリレートまたはメタクリレートの官能基数は1〜6が好ましく、2〜4がさらに好ましい。1官能のみでは架橋構造が弱く5官能以上だと立体障害が起きる可能性があるため、異なる官能基数のアクリレートまたはメタクリレートを混ぜることが好ましい。また、トリシクロデカンまたはアダマンタン骨格を有するアクリレートまたはメタクリレートの分子量は500以下が好ましい。分子量500以上だと分子サイズが大きくなるため弾性ブレードに含浸しにくく高硬度化が困難である。
ハケ塗り、スプレー塗工、ディップ塗工などによって弾性ブレード5に紫外線硬化樹脂を含浸させるための含浸塗工液に、分子量100〜1500のアクリレートモノマーを混合してもよい。アクリレートモノマーとしては、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジアクレリート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,7−ヘプタンジオールジアクリレート、1,8−オクタンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、1,11−ウンデカンジオールジアクリレート、1,18−オクタデカンジオールジアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、PEG600ジアクリレート、PEG400ジアクリレート、PEG200ジアクリレート、ネオペンチルグリコール・ヒドロキシピバリン酸エステルジアクリレート、オクチル/デシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンなどが挙げられ、これらを1種または2種以上混合してもよい。
含浸塗工液の希釈剤としては、紫外線硬化樹脂が可溶で、沸点の低いことが望ましい。特に沸点が160℃以下、100℃以下であればさらに好ましい。使用できる希釈溶剤としては、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系、またはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等のケトン系、またはエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系、またはエタノール、プロパノール、1−ブタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール系の有機溶剤などを用いることもできる。
上記希釈剤は塗工時における含浸を促進する効果を有する一方、ゴム内部に残留溶媒が存在しゴムが膨潤したままで厚みが元に戻らないなど物性を悪化させ、耐摩耗性を悪化させるおそれがある。また、残留溶媒を除去させるために、加熱乾燥を行ってもゴム物性が変化してしまい、クリーニング性が悪化するおそれがあった。このため、加熱乾燥温度を下げる、または加熱乾燥に代えて真空乾燥を行うなどするのが好ましい。これにより、残留溶媒濃度の低減を図ることができる。
次に、含浸塗工液の具体的実施例の一例を説明する。
<含浸塗工液1>
紫外線硬化樹脂:出光興産 X-DA 50部 官能基数2
重合開始剤 :チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 5部
溶媒 :シクロヘキサノン 55部
<含浸塗工液2>
紫外線硬化樹脂:新中村化学工業 A-DCP 50部 官能基数2
重合開始剤 :チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 5部
溶媒 :シクロヘキサノン 55部
<含浸塗工液3>
紫外線硬化樹脂:出光興産 X-A-201 50部 官能基数2
重合開始剤 :チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 5部
溶媒 :シクロヘキサノン 55部
<含浸塗工液4>
紫外線硬化樹脂:三菱ガス化学 ADTM 50部 官能基数3
重合開始剤 :チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 5部
溶媒 :シクロヘキサノン 55部
<含浸塗工液5>
紫外線硬化樹脂1:新中村化学工業 A-DCP 25部 官能基数2
紫外線硬化樹脂2:ダイセルサイテック PETIA 25部 官能基数3
重合開始剤 :チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 5部
溶媒 :シクロヘキサノン 55部
<含浸塗工液6>
紫外線硬化樹脂1:出光興産 X-A-201 25部 官能基数2
紫外線硬化樹脂2:ダイセルサイテック PETIA 25部 官能基数3
重合開始剤 :チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 5部
溶媒 :シクロヘキサノン 55部
<含浸塗工液7>
紫外線硬化樹脂:ダイセルサイテック PETIA 50部 官能基数3
重合開始剤 :チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 5部
溶媒 :シクロヘキサノン 55部
<含浸塗工液8>
紫外線硬化樹脂:ダイセルサイテック DPHA 50部 官能基数6
重合開始剤 :チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 5部
溶媒 :シクロヘキサノン 55部
次に、低温定着トナーを用いて、クリーニングブレード5のエッジ部を含むエッジ部近傍のマルテンス硬度とフィルミング発生の関係とを比較検討した実験について説明する。
実験に使用する低温定着トナーとしては、ガラス転移温度(Tg)が45℃の低温定着トナーを用いた。また、フィルミング発生状況を比較的短時間に効率的に比較するため、本発明者らのこれまでの知見からフィルミングが発生しやすいよう、以下の条件下で実験を行った。
(実験条件)
機内温度が上昇しやすい32℃54%の環境にて、2時間程度の間に連続して10000枚の画像出力を行った。出力画像は、感光体10へのトナー入力を最大にするよう、A4の記録紙に全面ベタ画像を出力した。実験機としては、リコー製のMPC5000機を用いた。この実験機において、図2にしめす構成のプロセスカートリッジのクリーニングブレード5を表1のNo.1〜27の条件のブレード部材にそれぞれ変更し、帯電ローラ41による帯電方式を接触DC帯電と、非接触AC帯電の二種類で画像出力をおこなった。なお、これまでの知見から、感光体10の表面へのフィルミングは、DC帯電に比べ、AC帯電のほうが発生しやすいことがわかっており、DC帯電に対する加速条件としてAC帯電での評価を実施している。
表1のNo.1〜27に示す条件のブレード部材をクリーニングブレード5として用い、画像出力を行いながら、感光体10の表面のフィルミングを目視観察するとともに、ベタ画像中の異常画像(白抜け)の有無を確認し、ランク付けを行った。
(ランク基準)
ランク5:目視でフィルミングが観察されず、ベタ画像中にも異常画像が見られない。
ランク4:目視で軽微なフィルミングが観察され、ベタ画像中にも白抜けがわずかに見られるが、実使用上の問題なし。
ランク3:目視でフィルミングが観察され、ベタ画像中にも白抜けが見られ、実使用上問題になる場合がある。
ランク2:目視でフィルミングが観察され、ベタ画像中にもはっきりと白抜けが見られ、実使用上問題となる。
ランク1:目視でフィルミングが多数観察され、ベタ画像中にもはっきりと白抜けが見られ、実使用上の問題となる。
また、上述のフィルミングに対する評価結果に加え、低温、低湿環境(10℃15%)下でのトナー除去性能(LLクリーニング性能)の評価結果を行った。
クリーニング性は、以下の評価方法にて◎、○、×の三段階で比較した。クリーニング不良が発生しやすい低温低湿環境(10℃15%)に一昼夜評価機を放置下後、10℃15%の環境で連続して3000枚の画像出力を行った。出力画像は、感光体10へのトナー入力を最大にするよう、A4の記録紙に全面ベタ画像を出力した。実験機としては、上述と同様、リコー製のMPC5000機を用いた。この実験機においても、図2にしめす構成のプロセスカートリッジのクリーニングブレード5を表1のNo.1〜27の条件のブレード部材にそれぞれ変更し、DC帯電よりもクリーニング性が低下しやすい非接触AC帯電の条件下で画像出力をおこなった。その際に、クリーニング不良発生の有無を比較した。
(クリーニング性)
◎:3000枚通紙後、紙上にクリーニング不良が顕在化せず、実使用上問題なし。
○:3000枚通紙後、感光体上にはすり抜けトナーが確認されるが、紙上にクリーニング不良が健在化していないため、実使用上問題なし。
×:3000枚通紙後、紙上にクリーニング不良が健在化しており、実使用上、異常画像として問題あり。
Figure 0006332730
クリーニングブレード5としては、単層構造のブレード部材(No.1、8、14、17)と、図3に示すエッジ層6とバックアップ層7とからなる二層構造のブレード部材(上記No.以外)とを用いた。
単層構造のブレード部材は、エッジ層6のみからなりバックアップ層7を有していないものとみなすことができる。
二層構造のブレード部材では、バックアップ層7のマルテンス硬度を0.77[N/mm]としている。エッジ層6のマルテンス硬度がそれぞれ異なり、エッジ層6の厚みは全て500[μm]の厚さとしている。ブレード部材の感光体10への当接圧は全て線圧20[g/cm]となるようしているため、二層構造のブレード部材のバックアップ層7の厚さは、上記線圧を得るよう適宜調整されてその厚さが異なるものとなっている。
また、No.23〜27は、単層構造のブレード部材No.8に対して、図18(a)に示すように、エッジ部61近傍に紫外線硬化樹脂を含浸し、ブレード先端のマルテンス硬度を高めたブレードである。また、含浸塗工液として、上述した含浸塗工液1を用い、含浸時間を互いに異ならせて、表1のNo.23〜27のブレードを作成した。例えば、No.23のブレードは、含浸時間を30分としたものであり、No.23のブレードは、60分としたものである。
(実験結果)
表1に示すように、単層構造、二層構造の何れのブレード部材でも、DC帯電においては、エッジ層6のマルテンス硬度が0.98[N/mm]以上でフィルミングランクが実使用上問題のないランク4以上となっている。さらに、マルテンス硬度が大きくなるにしたがってランク5に改善されていく。また、フィルミングが発生しやすいAC帯電においても、マルテンス硬度が1.0[N/mm]以上でフィルミングランクが実使用上問題のないランク4以上となっており、さらに、マルテンス硬度が大きくなるにしたがってランク5に改善されていく。これより、エッジ層6のマルテンス硬度、すなわち、エッジ部を含むエッジ部近傍のマルテンス硬度を1.0[N/mm]以上とすることで、ガラス転移温度(Tg)が低い低温定着対応トナーにおいても、実使用上フィルミングが問題にならないことが分かる。
また、マルテンス硬度が10[N/mm]を超えたブレードNo.27では、低温低湿環境(10℃15%)でクリーニング不良となっている。これは、エッジ近傍のマルテンス硬度が高すぎ、感光体に対する追従性が低下し、クリーニング不良となっていると考えられる。このことから、フィルミングと低温低湿環境下でのクリーニング性を両立する為には、マルテンス硬度が1.0[N/mm]以上で10[N/mm]以下であることが必要である。
次に、実施例1〜3に基づき、エッジ部を含むエッジ部近傍のマルテンス硬度を1.0[N/mm]以上としたクリーニングブレード5について具体的に説明する。
<実施例1>
図5は、実施例1のクリーニングブレードの概略構成図である。実施例1のクリーニングブレード5は単層構造のブレード部材である。エッジ層6のみの単層構造のクリーニングブレード5では、ブレード対向面62側からエッジ部近傍A1のマルテンス硬度を測定した値、または、ブレード先端面63側からエッジ部近傍A2のマルテンス硬度を測定した値が1.0[N/mm]以上であればよい。このような測定値を有するクリーニングブレード5は、エッジ部61を含むエッジ部近傍のマルテンス硬度が1.0[N/mm]以上となり、上述のように低温定着対応トナーを用いた場合においてもフィルミングを抑制できる。
<実施例2>
図6は、実施例2のクリーニングブレードの概略構成図である。実施例2のクリーニングブレード5は、エッジ部を含むエッジ層6とバックアップ層7とからなる二層構造のブレード部材である。このブレード部材は、遠心成型によって各層を順次重ね合わせることで作成され、現状では一般的かつ有効な製造方法となっている。
実施例2のクリーニングブレード5は、ブレード対向面62側からエッジ層6のエッジ部近傍B1のマルテンス硬度を測定した値、または、ブレード先端面63側からエッジ部近傍B21のマルテンス硬度を測定した値が1.0[N/mm]以上であればよい。このような測定値を有するクリーニングブレード5は、エッジ部61を含むエッジ部近傍のマルテンス硬度が1.0[N/mm]以上となり、上述のように低温定着対応トナーを用いた場合においてもフィルミングを抑制できる。
また、実施例2のクリーニングブレード5では、ブレード先端面63側からエッジ層6(図中B21)のマルテンス硬度を測定した値と、ブレード先端面63側からバックアップ層7(図中B22)のマルテンス硬度を測定した値とが異なる。エッジ層6のマルテンス硬度が1.0[N/mm]以上の場合、バックアップ層7のマルテンス硬度はエッジ層6のマルテンス硬度に比べて小さく設定することが望ましい。これは、マルテンス硬度が1.0[N/mm]以上のゴム材料では、ゴム材質の永久伸び値[%]が比較的大きくなるため、所謂ヘタリにより長期に使用する場合には当接圧の低下などの問題が発生しやすい。一方、マルテンス硬度が1.0[N/mm]未満のゴム材料は、ゴム材質の永久伸び値[%]が比較的小さく、ヘタリがおきにくい。エッジ層6としてマルテンス硬度が1.0[N/mm]以上のゴム材料を、バックアップ層7として1.0[N/mm]未満のゴム材料組み合わせて用いることで、クリーニングブレード5全体として永久伸び値が小さくなるように構成する。
具体的には、表1のように、マルテンス硬度が1.0〜4.2[N/mm]のゴム材料で厚みは500[μm]のエッジ層6に、マルテンス硬度が0.6〜0.8[N/mm]のゴム材料を厚さ1000〜1600[μm]のバックアップ層7を組み合わせる。これにより、長期に使用する場合でも、ヘタリによる当接圧の低下を発生し難くすることができる。バックアップ層7のマルテンス硬度、厚さは、狙いの当接圧力に応じて、適宜調整すればよい。
なお、図6のクリーニングブレード5では、ブレード先端面63側から測定したエッジ層6(図中B21)のマルテンス硬度の値と、ブレード先端面63側から測定したバックアップ層7(図中B22)のマルテンス硬度の値とが異なると説明した。しかし、これに限らず、ブレード対向面62側から測定したエッジ部近傍B1のマルテンス硬度の値と、ブレード対向面62と対向するブレード背面64側(図中B3)から測定したバックアップ層7のマルテンス硬度の値とが異なるものでもよい。
マルテンス硬度の測定は、23℃50%の環境において、微小硬度計HM2001を用いて、押し込み荷重 1[N]、押し込み時間 10[秒]、クリープ時間 5[秒]で測定しており、測定時には圧子が5[μm]〜10[μm]程度ゴム材料に食い込む。一般的に、マルテンス硬度の測定では、圧子の食込み方向に関して、圧子の食込み量に対して最大10倍程度の深さが測定値に影響してくることが知られている。すなわち、圧子が5[μm]〜10[μm]程度ゴム材料に食込む場合、圧子が食い込んでいるゴム材料の50[μm]〜100[μm]の領域が測定値に影響与える。
本実施例のクリーニングブレード5では、エッジ層6の厚さが500[μm]、バックアップ層7の厚さが1300[μm]であり、マルテンス硬度測定時の圧子の食込み量が5〜10[μm]程度である。これより、圧子を押し込む測定位置が積層方向に垂直なブレード対向面側(図中B1)またはブレード背面側(図中B3)であっても、エッジ層6およびバックアップ層7は、互いに影響を受けないでマルテンス硬度の測定値を得ることができる。このため、硬度測定位置によらず、エッジ層6およびバックアップ層7の硬さを正確に特定でき、さらにはその大小関係に関しても正確な比較ができる。よって、クリーニングブレード5の硬さを規定するため、上記マルテンス硬度の測定値を用いることが適している。
これと比較して、JIS−A測定法によるゴム硬度は、硬度測定位置が積層方向に垂直なブレード対向面側(図中B1)またはブレード背面側(図中B3)では、エッジ層6およびバックアップ層7は、互いに影響を受けたゴム硬度の測定値となる。例えば、積層する前のJIS−A測定法によるゴム硬度が80度のゴム材料を厚さ500[μm]のエッジ層6に、積層する前のJIS−A測定法によるゴム硬度が70度のゴム材料を厚さ1300[μm]のバックアップ層7とした二層構成のブレード部材とする。このようなブレード部材の成形後に、一般的なJIS−A測定法でブレード対向面側(図中B1)からエッジ層6のゴム硬度を測定すると、エッジ層6はバックアップ層7の影響を受けてゴム硬度76度程度に計測される。また、JIS−A測定法でブレード背面側(図中B3)からバックアップ層7のゴム硬度を測定すると、バックアップ層7はエッジ層6の影響を受けてゴム硬度72度程度に計測される。このように、積層ブレードとして成型した後に、JIS−A測定法によりゴム硬度を測定すると、エッジ層6およびバックアップ層7は互いの影響を受けて異なる値となる場合がある。このため、硬度測定位置によっては、エッジ層6およびバックアップ層7の硬さを正確に特定できず、その大小関係に関しても正確な比較ができない。これに対して、上述のように、マルテンス硬度の測定値は他の層の影響を受けないので積層ブレードとして成型後も、エッジ層、背面層の大小関係が正確に比較、特定することができる。
<実施例3>
図7は、実施例3のクリーニングブレードの概略構成図である。実施例3のクリーニングブレード5は、エッジ部を含むブレード対向面62のエッジ部近傍C11とブレード先端面63のエッジ部近傍C21とが、それ以外の領域を形成するゴム材料と異なるマルテンス硬度を有するゴム材料で形成されている。実施例3のクリーニングブレード5は、ブレード対向面62側からエッジ部近傍C11のマルテンス硬度を測定した値、または、ブレード先端面63側からエッジ部近傍C21のマルテンス硬度を測定した値が1.0[N/mm]以上であればよい。これにより、エッジ部61を含むエッジ部近傍のマルテンス硬度が1.0[N/mm]以上となり、上述のように低温定着対応トナーを用いた場合においても、フィルミングを抑制できる。
実施例2のクリーニングブレードでは、ブレード対向面62の全域がマルテンス硬度が1.0[N/mm]以上のゴム材料で形成されたエッジ層6となっている。これに対して、実施例3ではブレード対向面62のエッジ部61を含むエッジ部近傍C1のみがマルテンス硬度が1.0[N/mm]以上のゴム材料で形成されている。ブレード対向面62のエッジ部61から離れた領域C12のマルテンス硬度は、エッジ部近傍のマルテンス硬度と異なる。さらに、エッジ部61から離れた領域C12のマルテンス硬度は、エッジ部61を含むエッジ近傍C11のマルテンス硬度よりも小さい1.0[N/mm]未満を組み合わせることが好ましい。この場合も、エッジ部61から離れたブレード背面64側から測定したマルテンス硬度が1.0[N/mm]未満であっても構わない。これにより、実施例2と同様の理由で、長期に使用する場合でも、ヘタリによる当接圧の低下を発生し難くすることができる。
さらに、本実施形態のクリーニングブレード5について、実施例2を用いて詳しく説明する。エッジ層6及びバックアップ層7はいずれもウレタンゴム等のゴム材料により形成されるが、上述のようにエッジ層6はバックアップ層7よりもマルテンス硬度の高いゴム材料によって形成されている。
本実施形態のクリーニングブレード5では、エッジ部61を含むエッジ部近傍のマルテンス硬度の値を上述したように高硬度に設定する。これにより、クリーニングブレード5が感光体10の表面と接触すると、図8に示すようにエッジ部61が潰れたように変形し、エッジ部近傍のブレード対向面62とブレード先端面63とが同時に感光体10の表面と接触した状態となる。このようなエッジ部61の接触状態では、図14(b)に示す、従来のクリーニングブレードにおける楔形状部204の形成が抑制される。すなわち、クリーニングブレード5のエッジ部61の変形が小さく、エッジ部61の感光体10表面との接触面積が広くなることがない。このため、感光体10の表面への接触面圧が高くなり、感光体10の表面に付着しているトナーのすり抜けを防止でき、感光体10の表面へのフィルミングの発生やクリーニング不良の発生が抑制される。
さらに、エッジ層6は23℃における100%モジュラスの値がバックアップ層7よりも大きなゴム材料によって形成されるものであり、エッジ層6の23℃における100%モジュラスの値が6MPa〜12MPaに設定されることが好ましい。このようなゴム材料では、エッジ部61の接触面積が広くなることを抑制でき、感光体10への接触面圧が高くなってクリーニング性能を向上させることができる。また、感光体10との長期接触による経時的なヘタリを抑制でき、接触面圧の低下を防止することができる。これにより長期にわたって良好なクリーニング性能を維持することができる。具体的には、エッジ層6として23℃における100%モジュラスの値が6〜12MPaのウレタンゴムを用い、バックアップ層7として23℃における100%モジュラスの値が4〜5MPaのウレタンゴムを用いることができる。
また、本実施形態において、クリーニングブレード5のエッジ層6及びバックアップ層7に用いるゴム材料としては、上述したマルテンス硬度の値を有することを条件にいずれもtanδピーク温度が10℃未満のウレタンゴムを用いることが良好である。tanδピーク温度が10℃未満のゴム材料は環境温度が10℃である低温環境においても、ゴム材料として機能することができる。このため、通常オフィスで想定される低温環境においても、クリーニングブレード5が弾性を有したゴム材料として機能し、感光体10の表面に弾性を有して接触するため良好なクリーニング性能を得ることが可能となる。
エッジ部61を含むエッジ部近傍のマルテンス硬度を1.0[N/mm]以上としたクリーニングブレードにおいて、他のブレード物性値を例示している。表2はエッジ層6及びバックアップ層7の組み合わせ例を示し、いずれの組み合わせも本実施形態のクリーニングブレード5として用いることができる。

Figure 0006332730
また、近年、クリーニング性能向上のために感光体10の表面に脂肪酸金属塩や無機潤滑剤等の保護剤を塗布したり、感光体10の耐摩耗性の向上のためにトナーにステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩含有の潤滑剤を添加したりする構成が知られている。これらの構成においても、従来のクリーニングブレードではエッジ部が楔状に変形してしまいクリーニング性能を向上させることが難しかった。以下、この問題点について詳しく説明する。
図15は、保護剤を塗布した感光体210に対し、図14で示した従来のクリーニングブレード200によってクリーニングする状態を示したものである。同図において符号300は残留トナー、符号310は保護剤である。
図15(a)に示すように、クリーニングブレード200のエッジ部201が感光体210の表面に接触することにより、エッジ部201が楔形状部204に大きく変形する。この楔形状部204が感光体210に接触するため、クリーニングブレード200の接触面圧が大きくならず、クリーニング性能が低下する。これにより感光体210表面の保護剤310が感光体210の表面に付着したままでクリーニングブレード200をすり抜ける。
図15(b)は画像形成を継続した場合における状態を示す。保護剤310がクリーニングブレード200のすり抜けを継続するため、保護剤310が感光体210の表面で成長して大きくなり、これによりトナー300もクリーニングブレード200をすり抜け易くなる。これを原因として、白抜け等の画像異常が発生したり、クリーニング不良による縦スジ画像が発生したりする。
図16は、従来のクリーニングブレードにより、感光体210の耐摩耗性向上のためにステアリン酸亜鉛含有の潤滑剤を添加した潤滑剤添加トナー340をクリーニングした状態をしめす説明図である。図16において、符号250は感光体210の表面に接触して矢印260方向に移動する中間転写ベルトである。中間転写ベルト250には感光体210の静電潜像を現像したトナー像が転写され、トナー像を記録媒体に転写する。符号270はトナー340を感光体210に供給するための現像ローラである。
ステアリン酸亜鉛等の潤滑剤が添加された潤滑剤添加トナー340の場合には、トナー帯電能力が低下して帯電量が小さくなり、帯電量が小さい状態で転写電流により逆帯電し、中間転写ベルト250に転写される。帯電量が小さいため、中間転写ベルト250への転写においては、転写チャージャにより逆帯電したトナー量や逆帯電量が大きくなる。これにより感光体210表面には、中間転写ベルト250に転写されない残留トナーが多くなり、この状態でクリーニングブレード200に達して感光体210の表面がクリーニングされる。
図16の構成においても、従来のクリーニングブレード200では、エッジ部201の大きな変形によって楔形状部204が形成され、この楔形状部204が感光体210に接触する。このため、クリーニングブレード200の接触面圧が大きくならず、クリーニング性能が低下する。これにより潤滑剤添加トナー340のすり抜け量が増加するクリーニング不良が発生し、画像の画質が低下する。
さらに、感光体210表面の耐摩耗性向上のために、トナーにステアリン酸亜鉛含有の潤滑剤を添加するのに加え、感光体210の表面に無機微粒子を含有させた高耐久感光体を使用する構成もある。図17は、感光体210の表面に無機微粒子を含有させた場合における従来のクリーニングブレードのエッジ部の様子を示す断面図である。
無機微粒子360を含有した感光体210は、無機微粒子360による微小な凹凸面370が表面に形成された状態となっている。また、潤滑剤添加トナー340は潤滑剤添加により帯電能力が低下しトナー帯電量が低下するため、転写チャージにより逆帯電するトナー量が増加する。このため、中間転写ベルト250へ転写されないで感光体210に残存するトナー340の付着力が大きくなる。
従来のクリーニングブレード200では、エッジ部201の大きな変形によって楔形状部204が形成され、この楔形状部204が感光体210に接触するため、クリーニングブレード200の接触面圧が大きくならない。また、感光体210の表面に微小な凹凸面370が形成されているため、感光体210表面へのクリーニングブレード200の接触状態が不均一で不安定となる。従って、クリーニングブレード200をすり抜けるトナー340の量が増加してクリーニング不良が発生し、形成される画像の画質が低下する。
これらの問題に対しても、本実施形態のエッジ部61を含むエッジ部近傍のマルテンス硬度を1.0[N/mm]以上としたクリーニングブレード5を用いることが有効である。以下、本プリンタに採用する他のプロセスカートリッジの例を用いてその効果を説明する。
図9は、本実施形態のプリンタが備えるプロセスカートリッジの他の例を示す概略構成図である。このプロセスカートリッジ122は、感光体10の表面に保護剤を塗布する保護剤塗布装置70を設けた構成である。このプロセスカートリッジ122においては、帯電ローラ41として感光体10に接触して感光体10を帯電させるローラ部材が用いられており、この帯電ローラ41には交流電圧が印加される。ローラ部材は、感光体10と微小はギャップを有して対向する。保護剤塗布装置70は感光体10の移動方向Aにおけるクリーニング装置1よりも下流側に設けられている。これにより感光体10に対して保護剤を安定して塗布することができる。
保護剤塗布装置70においては、棒状となっている固形保護剤72が保持筒71に保持されており、保持筒71内の圧縮スプリング73により感光体10方向に付勢されている。固形保護剤72と感光体10の間には、回転するブラシローラ74が配置されており、ブラシローラ74の回転によって固形保護剤72を削り取り、感光体10の表面に塗布するようになっている。また、ブラシローラ74の下流側には、ポリウレタン等によって形成された塗布ブレード75が配置されており、感光体10の表面に塗布された保護剤を薄膜化することができる。
ブラシローラ74は感光体10の回転方向Aと逆方向に回転駆動されており、ブラシローラ74と感光体10の表面との間に大きな摺擦作用が作用するため、感光体10への保護剤塗布を効率的に行うことができる。また、塗布ブレード75はトレーリング方向から感光体10に接触しており、これにより保護剤を感光体10から掻き落とすことがなく良好な塗布効率で保護剤を薄膜化することができる。
保護剤は脂肪酸金属塩及び無機潤滑剤を含有している。このような保護剤においては、脂肪酸金属塩が、帯電電流により破壊されるため感光体10表面が破壊されるのを防止する。と同時に、帯電電流では破壊されない無機潤滑剤により、保護剤の潤滑作用が脂肪酸金属塩のみの場合よりもより良い状態で維持されるため、感光体10へのクリーニングをより良好に維持することが可能となる。
脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレインサン銅、オレイン酸鉛、オレイン酸マンガン、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸コバルト、パルミチン酸鉛、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウム、カプリル酸鉛、カプリン酸鉛、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸カルシウム、リシノール酸亜鉛、リシノール酸カドミウム及びこれらの混合物があるが、これに限るものではない。また、これらを混合して使用してもよい。この場合、ステアリン酸亜鉛が特に感光体10への成膜性に優れることから、最も好ましく用いられる。
無機潤滑剤は自身が劈開して潤滑する、或いは内部滑りを起こす無機化合物である。具体的な物質例としては、タルク・マイカ・窒化ホウ素・二硫化モリブデン・二硫化タングステン・カオリン・スメクタイト・ハイドロタルサイト化合物・フッ化カルシウム・グラファイト・板状アルミナ・セリサイト・合成マイカなどがあるがこれに限るものではない。この場合、窒化ホウ素は、原子がしっかりと組み合った六角網面が広い間隔で重なり、層間に働く力が弱いファンデルワールス力のみであるため、容易に劈開、潤滑することから最も好ましく用いられる。なお、これらの無機潤滑剤は疎水性付与等の目的で、必要に応じて表面処理がなされていても良い。
このようなプロセスカートリッジ122においても、エッジ部61を含むエッジ部近傍のマルテンス硬度が1.0[N/mm]以上と高硬度に設定することで、感光体10の移動(矢印A)に伴うブレード先端面63の引き込みが抑えられる。このため、従来のクリーニングブレードに比べてエッジ部61の変形を少ない状態とできる。これにより、トナーのすり抜けが抑制され、感光体10の表面へのフィルミングの発生やクリーニング不良の発生が抑制される。
図10は保護剤塗布装置70として、図9のブラシローラ74に代えて発泡ウレタンローラ77を用いたプロセスカートリッジ123を示す。発泡ウレタンローラ77以外は図5のプロセスカートリッジ122と同様な構成となっている。発泡ウレタンローラ77は感光体10の移動方向Aと反対方向に回転駆動され、この回転駆動により固形保護剤72の保護剤を感光体10の表面に塗布する。発泡ウレタンローラ77を用いることにより、ブラシローラ74の場合のようなヘタリによる経時的な保護剤塗布能力の劣化がなくなり、保護剤の塗布が安定する。このため、経時的な保護剤塗布量の減少を考慮して保護剤塗布量を設定する必要がなく、保護剤を効率的な塗布できる。
このようなプロセスカートリッジ122においても、エッジ部61を含むエッジ部近傍のマルテンス硬度が1.0[N/mm]以上と高硬度に設定することで、感光体10の移動(矢印A)に伴うブレード先端面63の引き込みが抑えられる。このため、従来のクリーニングブレードに比べてエッジ部61の変形を少ない状態とできる。これにより、トナーのすり抜けが抑制され、感光体10の表面へのフィルミングの発生やクリーニング不良の発生が抑制される。
また、本実施形態にプリンタにおいては、像担持体として、最表面に無機微粒子を含有した感光体10を用いることができる。無機微粒子を最表面に含有することにより、感光体10の表面の耐摩耗性を向上させることができる。
無機微粒子としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、酸化珪素、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、チタン酸カリウムなどの無機材料が挙げられる。特に金属酸化物が良好であり、さらには、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン等が有効に使用できる。
無機微粒子の平均一次粒径は、0.01〜0.5[μm]であることが表面層93の光透過率や耐摩耗性の点から好ましい。無機微粒子の平均一次粒径が0.01[μm]以下の場合は、耐摩耗性の低下、分散性の低下等を引き起こし、0.5[μm]以上の場合には、分散液中において無機微粒子の沈降性が促進されたり、トナーのフィルミングが発生したりする可能性がある。
無機微粒子の添加量は、高いほど耐摩耗性が高いので良好であるが、高すぎる場合には残留電位の上昇、保護層の書き込み光透過率が低下し、副作用を生じる場合がある。このことから概ね全固形分に対して、30重量%以下、好ましくは20重量%以下である。その下限値は、通常、3重量%である。
また、無機微粒子は少なくとも一種の表面処理剤で表面処理させることが無機微粒子の分散性の面から好ましい。無機微粒子の分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さらには耐摩耗性の低下を引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる問題に発展する可能性がある。
図11は表面に無機微粒子81を含有した感光体10に対するエッジ部の様子を示す断面図である。
無機微粒子81を含有することにより、微小な凹凸面82が感光体10の表面に形成されており、この表面に対して、クリーニングブレード5が接触する。上述のように、クリーニングブレード5のエッジ層6は、エッジ部61を含むエッジ部近傍のマルテンス硬度が1.0[N/mm]以上と高硬度に設定する。これにより、感光体10の表面との接触により、エッジ部61が変形してブレード対向面62及びブレード先端面63が同時に感光体10の表面と接触し、感光体10との接触部分に楔形状部の形成が抑制される。すなわち、エッジ部61が変形しにくいため、エッジ部61の引き込みが抑制され、感光体表面の不均一な凹凸に対しても、安定して接触する。更にクリーニングブレード5のエッジ層6が硬く、エッジ部61が変形しにくい。このため、エッジ部61の感光体下流側への引き込みが抑制されることにより、エッジ部61と感光体10との接触面積が小さくなり、感光体10への接触圧力が増大するためせき止め能力が向上する。このため、無機微粒子81による微小な凹凸面82が感光体10の表面に形成されていても、トナーのすり抜けを抑制でき、クリーニング不良の発生を防止することが可能となる。また、バックアップ層7がエッジ層6よりも低硬度であるため感光体10との長期接触による経時的なヘタリを抑制でき、長期にわたって良好なクリーニング性能を維持することができる。
本実施形態においては、トナーとして脂肪酸金属塩を含有したものを用いることができ、現像部50はこの脂肪酸金属塩を含有したトナーによって感光体10表面の静電潜像を現像する。脂肪酸金属塩を含有したトナーによって感光体10が現像されることにより、潤滑性が良好となり、感光体10の耐摩耗性を向上させることができる。
脂肪酸金属塩としては、感光体10に用いる脂肪酸金属塩と同様な金属塩を用いることができる。すなわち、脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレインサン銅、オレイン酸鉛、オレイン酸マンガンパルミチン酸亜鉛、パルミチン酸コバルト、パルミチン酸鉛、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウム、カプリル酸鉛、カプリン酸鉛、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸カルシウム、リシノール酸亜鉛、リシノール酸カドミウム及びこれらの混合物があるが、これに限るものではない。また、これらを混合して使用してもよい。この場合、ステアリン酸亜鉛が原造次における感光体10への成膜性に優れることから、最も好ましく用いられる。
本実施形態においては、トナーとして重合トナーを用いることができ、現像部50は重合トナーによって感光体10表面の静電潜像を現像する。重合トナーは画質向上のために用いるものであり、高円形化、小粒径化がし易い懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法により製造される。このうち、特に、円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5[μm]以下の重合トナーを用いるのが好ましい。平均円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5[μm]の重合トナーを用いることにより、より高解像度の画像を形成することができる。
「円形度」は、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子株式会社製、商品名)により計測した平均円形度である。具体的には、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150[ml]中に、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜0.5[ml]加え、更に測定試料(トナー)を0.1〜0.5[g]程度加える。その後、このトナーが分散した懸濁液を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理し、分散液濃度が3000〜1[万個/μl]となるようにしたものを上述の分析装置にセットして、トナーの形状及び分布を測定する。そして、この測定結果に基づき、図12(a)に示す実際のトナー投影形状の外周長をC1、その投影面積をSとし、この投影面積Sと同じ図12(b)に示す真円の外周長をC2としたときのC2/C1を求め、その平均値を円形度とする。
「体積平均粒径」については、コールターカウンター法によって求めることが可能である。具体的には、コールターマルチサイザー2e型(コールター社製)によって測定したトナーの個数分布や体積分布のデータを、インターフェイス(日科機社製)を介してパーソナルコンピュータに送って解析する。より詳しくは、1級塩化ナトリウムを用いた1%NaCl水溶液を電解液として用意する。そして、この電解水溶液100〜150[ml]中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5[ml]加える。更に、これに被検試料としてのトナーを2〜20[mg]加え、超音波分散器で約1〜3分間分散処理する。そして、別のビーカーに電解水溶液100〜200[ml]を入れ、その中に分散処理後の溶液を所定濃度になるように加えて、上記コールターマルチサイザー2e型にかける。アパーチャーとしては、100[μm]のものを用い、50,000個のトナー粒子の粒径を測定する。チャンネルとしては、2.00〜2.52[μm]未満;2.52〜3.17[μm]未満;3.17〜4.00[μm]未満;4.00〜5.04[μm]未満;5.04〜6.35[μm]未満;6.35〜8.00[μm]未満;8.00〜10.08[μm]未満;10.08〜12.70[μm]未満;12.70〜16.00[μm]未満;16.00〜20.20[μm]未満;20.20〜25.40[μm]未満;25.40〜32.00[μm]未満;32.00〜40.30[μm]未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00[μm]以上32.0[μm]以下のトナー粒子を対象とする。そして、関係式「体積平均粒径=ΣXfV/ΣfV」に基づいて、体積平均粒径を算出する。但し、「X」は各チャンネルにおける代表径、「V」は各チャンネルの代表径における相当体積、「f」は各チャンネルにおける粒子個数である。
このような重合トナーを用いて感光体10の静電潜像を現像することにより高解像度の画像を形成することができる。このような脂肪酸金属塩含有した重合トナーを用いて感光体10の表面に画像を形成し、画像を被転写体に転写後にクリーニングブレード5によって感光体10の表面をクリーニングする。
上述のように、クリーニングブレード5のエッジ層6は、エッジ部61を含むエッジ部近傍のマルテンス硬度が1.0[N/mm2]以上と高硬度に設定する。これにより、感光体10の表面との接触により、エッジ部61が変形してブレード対向面62及びブレード先端面63が同時に感光体10の表面と接触し、感光体10との接触部分に楔形状部の形成が抑制される。このため感光体10の表面のトナーのすり抜けを抑制することができる。また、エッジ部61の変形が小さく、感光体10との接触面積が広くなることを抑制でき、接触圧力を維持することができるため、大きなクリーニング性能を発揮することができる。さらにバックアップ層7がエッジ層6よりも硬度であるため感光体10との長期接触による経時的なヘタリを抑制でき、長期にわたって良好なクリーニング性能を維持することが可能となる。
図13(a)〜(d)は本実施形態に用いることができる像担持体としての感光体10の層構造を示す。
図13(a)は導電性支持体91上に表面近傍に無機微粒子を含有した感光層92を積層して設けた例である。図13(b)は導電性支持体91上に感光層92と無機微粒子を含有した表面層93を順次積層した例である。図13(c)は導電性支持体91上に電荷発生層921、電荷輸送層922を順次積層した感光層92を配置し、更に感光層92上に無機微粒子を含有した表面層93を積層して設けた例である。図13(d)は導電性支持体91上に下引き層94を設け、下引き層94の上に電荷発生層921、電荷輸送層922を順次積層した感光層92を積層し、更に感光層92上に無機微粒子を含有した表面層93を積層して設けた例である。
本実施形態の感光体10は、導電性支持体91上に少なくとも、感光層92と表面層93を積層した構造であればよく、その他の層等が任意に組み合わされていても構わない。
図13(a)に示すように、感光層92が最表層となる場合は、感光層92に無機微粒子が含有されている。感光層92が電荷発生層921、電荷輸送層922を順次積層した構成の場合は、電荷輸送層922が最表層となり、電荷輸送層922に無機微粒子が含有される。
無機微粒子としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、酸化珪素、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、チタン酸カリウムなどの無機材料が挙げられる。特に金属酸化物が良好であり、さらには、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン等が有効に使用できる。
無機微粒子の平均一次粒径は、0.01〜0.5[μm]であることが表面層93の光透過率や耐摩耗性の点から好ましい。無機微粒子の平均一次粒径が0.01[μm]以下の場合は、耐摩耗性の低下、分散性の低下等を引き起こし、0.5[μm]以上の場合には、分散液中において無機微粒子の沈降性が促進されたり、トナーのフィルミングが発生したりする可能性がある。
無機微粒子の添加量は、高いほど耐摩耗性が高いので良好であるが、高すぎる場合には残留電位の上昇、保護層の書き込み光透過率が低下し、副作用を生じる場合がある。従って、概ね全固形分に対して、30重量%以下、好ましくは20重量%以下である。その下限値は、通常、3重量%である。
また、これらの無機微粒子は少なくとも一種の表面処理剤で表面処理させることが可能であり、そうすることが無機微粒子の分散性の面から好ましい。
無機微粒子の分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さらには耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。
次に、図13(b)〜図13(d)に示すように、感光層92の最表面に無機微粒子を含有させた表面層93を設けた感光体10について説明する。
表面層93は、少なくとも無機微粒子とバインダー樹脂で構成される。無機微粒子としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、酸化珪素、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、チタン酸カリウムなどの無機材料が挙げられる。特に金属酸化物が良好であり、さらには、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン等が有効に使用できる。
無機微粒子の平均一次粒径は、0.01〜0.5[μm]であることが表面層93の光透過率や耐摩耗性の点から好ましい。
無機微粒子の平均一次粒径が0.01[μm]以下の場合は、耐摩耗性の低下、分散性の低下等を引き起こし、0.5[μm]以上の場合には、分散液中において無機微粒子の沈降性が促進されたり、トナーのフィルミングが発生したりする可能性がある。
表面層93中の無機微粒子濃度は、高いほど耐摩耗性が高いので良好であるが、高すぎる場合には残留電位の上昇、保護層の書き込み光透過率が低下し、副作用を生じる場合がある。
従って、概ね全固形分に対して、50重量%以下、好ましくは30重量%以下である。その下限値は、通常、5重量%である。
また、これらの無機微粒子は少なくとも一種の表面処理剤で表面処理させることが可能であり、そうすることが無機微粒子の分散性の面から好ましい。
無機微粒子の分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さらには耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。
表面処理剤としては、従来用いられている表面処理剤を使用することができるが、無機微粒子の絶縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。
例えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸等、あるいはこれらとシランカップリング剤との混合処理や、Al、TiO、ZrO、シリコーン、ステアリン酸アルミニウム等、あるいはそれらの混合処理が無機微粒子の分散性及び画像ボケの点からより好ましい。
シランカップリング剤による処理は、画像ボケの影響が強くなるが、上記の表面処理剤とシランカップリング剤との混合処理を施すことによりその影響を抑制できる場合がある。
表面処理剤の量については、用いる無機微粒子の平均一次粒径によって異なるが、3〜30wt%が適しており、5〜20wt%がより好ましい。表面処理量がこれよりも少ないと無機微粒子の分散効果が得られず、また多すぎると残留電位の著しい上昇を引き起こす。これら無機微粒子の材料は単独もしくは2種類以上混合して用いられる。
これら無機微粒子の材料は、適当な分散機を用いることにより分散できる。分散液中での無機微粒子の平均粒径は、1[μm]以下、好ましくは0.5[μm]以下にあること表面層93の透過率の点から好ましい。
次に、本実施形態のプリンタ100に用いるトナーについて説明する。
本プリンタ100では、画像形成装置の定着装置30における省エネルギー化を狙い、ガラス転移温度(Tg)が40〜60℃となる低温定着トナーを採用している。
本実施形態のトナーとしては、低温定着性、耐ホットオフセット性、耐熱保存性いずれも優れたトナーとするために、結着樹脂として、1)ガラス転移点(Tg)が39〜65℃、2)THF可溶分の重量平均分子量(Mw)をガラス転移点(Tg/℃)で除した値(Mw/Tg)が40〜120の条件を満たすポリエステル樹脂を使用する。
従来用いられてきたポリエステル樹脂は、Tgを65℃よりも低下させるに従い、急激にMwが低下する傾向にあり、低温定着性、耐ホットオフセット性、耐熱保存性をいずれも満たすことは困難であった。ポリエステル樹脂のTgが39℃未満では、Mwをいくら調節しても耐熱保存性を改善することはできない。従って、トナーの物性のバランスを取れる範囲としてTgを39〜65℃とし、かつMw/Tgの値を40〜120とするものである。Mw/Tgの値が上記範囲にあることにより、ポリエステル樹脂は耐熱保存性を維持できるTgを有し、かつ低分子量化も図られ、トナーの低温定着性の一層の向上、及び耐熱保存性の維持が可能となる。
尚、Mw及びTgは以下の測定方法によって得られるものであり、Mw/Tgの値におけるTgの単位は℃である。
ガラス転移点(Tg)の測定は、理学電機社製のRigaku THRMOFLEX TG8110により、昇温速度10℃/minの条件にて測定される。
また、分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により次のように測定される。40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1[ml]の流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6重量%に調製した樹脂のTHF試料溶液を50〜200[μl]注入して測定する。試料の分子量測定に当たっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により、作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Chemical Co.あるいは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
上記条件を満たすポリエステル樹脂としては、その化学構造が以下の特徴を有するものがよい。すなわち、ポリエステル樹脂が有するベンゼン環骨格と1,4−シクロヘキシレン骨格のモル比(ベンゼン環骨格/1,4−シクロヘキシレン骨格)が2.0〜15.0であり、ベンゼン骨格と両末端エステル結合を有するアルキレン骨格のモル比(ベンゼン骨格/両末端エステル結合アルキレン骨格)が3.0以上である。
ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)は、主にその化学構造に支配されており、ベンゼン環骨格が連続すればするほど、また、含有量が多ければ多いほどTgは高くなる傾向にある。また、アルキレン骨格が長ければ長いほど、また、含有量が多ければ多いほどTgは低くなる傾向にある。従って、ベンゼン環骨格の含有量が多いと耐ホットオフセット性、耐熱保存性は向上するが、低温定着性に不利になり、アルキレン骨格の含有量が多いと低温定着性には有利になるが、耐ホットオフセット性、耐熱保存性には悪影響を及ぼす。一方、1,4−シクロヘキシレン骨格を適度に含有することにより、Tgを維持しながら、樹脂の重量平均分子量の調節を図り、低温定着性の一層の向上が可能となる。
そこで、モル比(ベンゼン環骨格/1,4−シクロヘキシレン骨格)及びモル比(ベンゼン骨格/両末端エステル結合アルキレン骨格)の範囲を上記のように規定する。モル比(ベンゼン環骨格/1,4−シクロヘキシレン骨格)が2.0より小さいと、ポリエステル樹脂が脆くなり、トナー自体の耐久性がなくなる。モル比(ベンゼン環骨格/1,4−シクロヘキシレン骨格)が15.0より大きいと、ガラス転移点を維持しながら低分子量化を図ることが困難になり、低温定着性が発現されない。また、モル比(ベンゼン骨格/両末端エステル結合アルキレン骨格)が3.0より小さいと、耐熱保存性の維持が困難である。
尚、モル比(ベンゼン環骨格/1,4−シクロヘキシレン骨格)及びモル比(ベンゼン骨格/両末端エステル結合アルキレン骨格)は、樹脂の原料となる多価カルボン酸及び多価アルコールの仕込み組成比より算出できる。また、生成した樹脂の1H−NMR(核磁気共鳴)測定によっても算出することができる。
低温定着性、耐ホットオフセット性を有しつつ、耐熱保存性を維持するためには、ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)を調節することが重要であり、本発明におけるポリエステル樹脂のTHF可溶分のMwは2,000〜7,800に設計することが好ましい。Mwが2,000未満ではオリゴマー成分が増加するため、上記に示すように化学構造の制御を行っても耐熱保存性が悪化し、7,800を超えると溶融温度が高くなり低温定着性が悪化するためである。
また、ポリエステル樹脂の酸価を1.0〜50.0[KOHmg/g]にすることにより、低温定着性、耐ホットオフセット性、耐熱保存性、帯電安定性などのトナー特性をより高品位にすることが可能である。
本実施形態の低温定着トナーは、結着樹脂として上記のポリエステル樹脂を用いる他、後に詳述する活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体(以下、「プレポリマー」と称する。)を混合して製造することができる。このプレポリマーを活性水素基を有する化合物と共に混合することにより、トナー製造過程で伸長または架橋反応等を行わせることができ、上記トナー特性の向上を図ることができる。
ここで、ポリエステル樹脂の酸価が50.0[KOHmg/g]を超えると、プレポリマーの伸長または架橋反応が不十分となり、耐ホットオフセット性に影響が見らる。また、1.0[KOHmg/g]未満では、プレポリマーの伸長または架橋反応が進みやすく、製造安定性に問題が生じる。
尚、ポリエステル樹脂の酸価の測定方法は、JIS K0070に準拠した方法による。但しサンプルが溶解しない場合は、溶媒にジオキサン又はTHF等の溶媒を用いる。
さらなる検討によれば、上記ポリエステル樹脂の酸価と共に、トナーの酸価が低温定着性、耐ホットオフセット性に対して重要である。トナーの酸価は、0.5〜40.0[KOHmg/g]にすることが好ましい。トナーの酸価が40.0[KOHmg/g]を超えると、プレポリマーの伸長または架橋反応が不十分となり、耐ホットオフセット性に影響が見られる。また、0.5[KOHmg/g]未満では、プレポリマーの伸長または架橋反応が進みやすく、製造安定性に問題が生じるためである。尚、トナーの酸価の測定は、ポリエステル樹脂の酸価と同様にして行うことができる。
トナーのガラス転移点は、低温定着性、耐熱保存性、高耐久性を得るために40〜60℃が好ましい。ガラス転移点が40℃未満では現像機内でのトナーのブロッキングや、感光体へのフィルミングが発生し易くなり、また、60℃を超えた場合には低温定着性が悪化しやすくなる。尚、トナーのガラス転移点の測定は、ポリエステル樹脂のガラス転移点と同様にして行うことができる。
本実施形態の低温定着トナーは、トナーの体積平均粒径(Dv)は3〜8[μm]であることが好ましく、また、その個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)は1.00〜1.25の範囲にあることが、さらに好ましい。Dv/Dnをこのように規定することにより、高解像度、高画質のトナーを得ることが可能となる。また、より高品質の画像を得るには、Dvを3〜7[μm]にし、Dv/Dnを1.00〜1.20にし、且つ3[μm]以下の粒子を個数%で1〜10個数%にするのがよい。より好ましくは、Dvを3〜6[μm]にし、Dv/Dnを1.00〜1.15にするのがよい。このようなトナーは、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、とりわけフルカラー複写機などに用いた場合に画像の光沢性に優れる。更に二成分現像剤においては、長期に亘るトナーの収支が行われても、現像剤中でのトナーの粒子径変動が少なくなり、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
尚、トナーの平均粒径及び粒度分布は、コールターカウンターTA−II型を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科技研社製)と、PC9801パーソナルコンピューター(NEC製)とを接続し測定した。
本実施形態の低温定着トナーの実施例について説明する。
<製造例1>
(ポリエステル樹脂の製造例)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物517部、テレフタル酸317部、エチレングリコール101部、水素添加ビスフェノールA65部を投入する。そして、常圧窒素気流下のもと、170℃で10時間縮合反応した後に、反応温度210℃で5時間縮合反応を継続した。更に0〜15[mmHg]の減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に冷却し、ポリエステル樹脂(PE1)を得た。得られたポリエステル樹脂(PE1)は、THF可溶分の重量平均分子量(Mw)2,900、酸価5[KOHmg/g]、ガラス転移点(Tg)43℃であり、重量平均分子量とガラス転移点の比(Mw/Tg)は67であった。また、ベンゼン環骨格と1,4−シクロヘキシレン骨格のモル比は9.5、ベンゼン環骨格と両末端エステル結合
アルキレン骨格のモル比は3.2であった。
(プレポリマーの製造例)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物795部、イソフタル酸200部、テレフタル酸65部、及びジブチルチンオキサイドを2部投入し、常圧窒素気流下のもと、210℃で8時間縮合反応した。次いで10〜15[mmHg]の減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート170部と2時間反応し、プレポリマー(a1)を得た。得られたプレポリマー(a1)は、THF可溶分の重量平均分子量(Mw)は5,000、平均官能基数は2.25であった。
(ケチミン化合物の製造例)
攪拌棒及び温度計の付いた反応槽中に、イソホロジアミン30部とメチルエチルケトン70部を仕込み、50℃で5時間反応し、ケチミン化合物(b1)を得た。
(トナーの製造例)
ポリエステル(PE1)85部、プレポリマー(a1)15部、ケチミン化合物(b1)2部、脱遊離脂肪酸型カルナバワックス5部、カーボンブラック(#44:三菱化学社製)10部、含金属アゾ化合物1部、水5部をヘンシェルミキサーで攪拌混合した。その後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物をジェットミル、風力分級機を用いて粉砕分級し、トナー母体を得た。得られたトナー母体に疎水性シリカ0.5部を添加混合し、最終的なトナー(I)とした。
<製造例2>
(ポリエステル樹脂の製造例)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物613部、テレフタル酸322部、エチレングリコール13部、水素添加ビスフェノールA52部を投入する。そして、製造例1と同様にしてポリエステル樹脂(PE2)を得た。得られたポリエステル樹脂(PE2)は、THF可溶分の重量平均分子量(Mw)5,800、酸価38[KOHmg/g]、ガラス転移点(Tg)59℃であり、重量平均分子量とガラス転移点の比(Mw/Tg)は98であった。また、ベンゼン環骨格と1,4−シクロヘキシレン骨格のモル比は13.5、ベンゼン環骨格と両末端エステル結合アルキレン骨格のモル比は27.0であった。
(トナーの製造例)
ポリエステル樹脂(PE2)85部、プレポリマー(a1)15部、ケチミン化合物(b1)2部、脱遊離脂肪酸型カルナバワックス5部、カーボンブラック(#44:三菱化学社製)10部、含金属アゾ化合物1部、水5部をヘンシェルミキサーで攪拌混合した。その後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物をジェットミル、風力分級機を用いて粉砕分級し、トナー母体を得た。得られたトナー母体に疎水性シリカ0.5部を添加混合し、最終的なトナー(II)とした。
<製造例3>
(ポリエステル樹脂の製造例)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物548部、テレフタル酸296部、エチレングリコール44部、水素添加ビスフェノールA113部を投入する。そして、製造例1と同様にしてポリエステル樹脂(PE3)を得た。得られたポリエステル樹脂(PE3)は、THF可溶分の重量平均分子量(Mw)3,300、酸価7[KOHmg/g]、ガラス転移点(Tg)43℃であり、重量平均分子量とガラス転移点の比(Mw/Tg)は77であった。また、ベンゼン環骨格と1,4−シクロヘキシレン骨格のモル比は5.6、ベンゼン環骨格と両末端エステル結合アルキレン骨格のモル比は7.5であった。
(トナーの製造例)
ポリエステル樹脂(PE3)83部、プレポリマー(a1)17部、ケチミン化合物(b1)2部、脱遊離脂肪酸型カルナバワックス5部、カーボンブラック(#44:三菱化学社製)10部、含金属アゾ化合物1部、水5部をヘンシェルミキサーで攪拌混合した。その後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物をジェットミル、風力分級機を用いて粉砕分級し、トナー母体を得た。得られたトナー母体に疎水性シリカ0.5部を添加混合し、最終的なトナー(III)とした。
<製造例4>
(ポリエステル樹脂の製造例)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物426部、テレフタル酸350部、エチレングリコール8部、水素添加ビスフェノールA216部を投入する。そして、製造例1と同様にしてポリエステル樹脂(PE4)を得た。得られたポリエステル樹脂(PE4)は、THF可溶分の重量平均分子量(Mw)6,500、酸価28[KOHmg/g]、ガラス転移点(Tg)62℃であり、重量平均分子量とガラス転移点の比(Mw/Tg)は105であった。また、ベンゼン環骨格と1,4−シクロヘキシレン骨格のモル比は2.7、ベンゼン環骨格と両末端エステル結合アルキレン骨格のモル比は35.7であった。
(プレポリマーの製造例)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物795部、イソフタル酸200部、テレフタル酸65部、及びジブチルチンオキサイド2部を投入し、常圧窒素気流下のもと、210℃で8時間縮合反応した。次いで10〜15[mmHg]の減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート150部と2時間反応を行い、プレポリマー(a2)を得た。得られたプレポリマー(a2)は、重量平均分子量(Mw)が5,000、平均官能基数が2.00であった。
(トナーの製造例)
ビーカー内にプレポリマー(a2)14.3部、ポリエステル樹脂(PE4)55部、酢酸エチル78.6部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるライスワックス10部、銅フタロシアニンブルー顔料4部、酢酸エチルを100部ビーズミルに入れ30分間、分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000[rpm]の回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。これをトナー材料油性分散液(1)とする。
ビーカー内にイオン交換水306部、リン酸三カルシウム10%懸濁液265部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れる。次に、TK式ホモミキサーで12,000[rpm]に攪拌しながら、この水分散液に上記トナー材料油性分散液(1)及びケチミン化合物(b1)2.7部を加える。そして、30分攪拌を続けながら反応させた。反応後の分散液(粘度:5,500[mPa・s])を減圧下1.0時間以内に50℃以下の温度で有機溶剤を除去した後、濾別、洗浄、乾燥し、次いで風力分級し、球形状のトナー母体を得た。
得られた母体粒子100部、帯電制御剤(オリエント化学社製ボントロン E−84)0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50[m/sec]に設定して混合処理した。この場合、その混合操作は、2分間運転、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、混合処理した。この場合、その混合操作は、周速を15[m/sec]として30秒混合1分間休止を5サイクル行い、最終的なトナー(IV)を得た。
上述した、トナー(I)〜(IV)で用いたポリエステル樹脂(PE1)〜(PE4)に関する物性を表3に示す。
Figure 0006332730
<製造例5>
(ポリエステル樹脂の製造例)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物585部、テレフタル酸307部、エチレングリコール71部、水素添加ビスフェノールA36部を投入する。そして、製造例1と同様にしてポリエステル樹脂(PE5)を得た。得られたポリエステル樹脂(PE5)は、THF可溶分の重量平均分子量(Mw)2,500、酸価9[KOHmg/g]、ガラス転移点(Tg)35℃であり、重量平均分子量とガラス転移点の比(Mw/Tg)は71であった。また、ベンゼン環骨格と1,4−シクロヘキシレン骨格のモル比は18.5、ベンゼン環骨格と両末端エステル結合アルキレン骨格のモル比は4.8であった。
(トナーの製造例)
ポリエステル樹脂(PE5)85部、プレポリマー(a1)15部、ケチミン化合物(b1)2部、脱遊離脂肪酸型カルナバワックス5部、カーボンブラック(#44:三菱化学社製)10部、含金属アゾ化合物1部、水5部をヘンシェルミキサーで攪拌混合する。その後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物をジェットミル、風力分級機を用いて粉砕分級し、トナー母体を得た。得られたトナー母体に疎水性シリカ0.5部を添加混合し、最終的なトナー(V)とした。
<製造例6>
(ポリエステル樹脂の製造例)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物244部、テレフタル酸443部、エチレングリコール99部、水素添加ビスフェノールA214部を投入する。そして、製造例1と同様にしてポリエステル樹脂(PE6)を得た。得られたポリエステル樹脂(PE6)は、THF可溶分の重量平均分子量(Mw)5,700、酸価18[KOHmg/g]、ガラス転移点(Tg)45℃であり、重量平均分子量とガラス転移点の比(Mw/Tg)は127であった。また、ベンゼン環骨格と1,4−シクロヘキシレン骨格のモル比は2.4、ベンゼン環骨格と両末端エステル結合アルキレン骨格のモル比は2.6であった。
(トナーの製造例)
ビーカー内にプレポリマー(a1)14.3部、ポリエステル樹脂(PE6)55部、酢酸エチル78.6部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるライスワックス10部、銅フタロシアニンブルー顔料4部、酢酸エチルを100部ビーズミルに入れ30分間、分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000[rpm]の回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。これをトナー材料油性分散液(2)とする。
ビーカー内にイオン交換水306部、リン酸三カルシウム10%懸濁液265部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れる。次に、TK式ホモミキサーで12,000[rpm]に攪拌しながら、この水分散液に上記トナー材料油性分散液(2)及びケチミン化合物(b1)2.7部を加える。そして、30分攪拌を続けながら反応させた。反応後の分散液(粘度:3,800[mPa・s])を減圧下1.0時間以内に50℃以下の温度で有機溶剤を除去した後、濾別、洗浄、乾燥し、次いで風力分級し、球形状のトナー母体を得た。
得られた母体粒子100部、帯電制御剤(オリエント化学社製ボントロン E−84)0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50[m/sec]に設定して混合処理した。この場合、その混合操作は、2分間運転、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、混合処理した。この場合、その混合操作は、周速を15[m/sec]として30秒混合1分間休止を5サイクル行い、最終的なトナー(VI)を得た。
<製造例7>
(ポリエステル樹脂の製造例)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物393部、テレフタル酸430部、エチレングリコール121部、水素添加ビスフェノールA57部を投入する。そして、製造例1と同様にしてポリエステル樹脂(PE7)を得た。得られたポリエステル樹脂(PE7)は、THF可溶分の重量平均分子量(Mw)5,000、酸価11[KOHmg/g]、ガラス転移点(Tg)41℃であり、重量平均分子量とガラス転移点の比(Mw/Tg)は122であった。また、ベンゼン環骨格と1,4−シクロヘキシレン骨格のモル比は10.8、ベンゼン環骨格と両末端エステル結合アルキレン骨格のモル比は2.6であった。
(トナーの製造例)
ビーカー内にプレポリマー(a2)14.3部、ポリエステル樹脂(PE7)55部、酢酸エチル78.6部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるライスワックス10部、銅フタロシアニンブルー顔料4部、酢酸エチルを100部ビーズミルに入れ30分間、分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000[rpm]の回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。これをトナー材料油性分散液(3)とする。
ビーカー内にイオン交換水306部、リン酸三カルシウム10%懸濁液265部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れる。次に、TK式ホモミキサーで12,000[rpm]に攪拌しながら、この水分散液に上記トナー材料油性分散液(3)及びケチミン化合物(b1)2.7部を加える。そして、30分攪拌を続けながら反応させた。反応後の分散液(粘度:7,800[mPa・s])を減圧下1.0時間以内に50℃以下の温度で有機溶剤を除去した後、濾別、洗浄、乾燥し、次いで風力分級し、球形状のトナー母体を得た。
得られた母体粒子100部、帯電制御剤(オリエント化学社製ボントロン E−84)0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50[m/sec]に設定して混合処理した。この場合、その混合操作は、2分間運転、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、混合処理した。この場合、その混合操作は、周速を15[m/sec]として30秒混合1分間休止を5サイクル行い、最終的なトナー(VII)を得た。
上述した、トナー(V)〜(VII)で用いたポリエステル樹脂(PE5)〜(PE7)に関する物性を表4に示す。
Figure 0006332730
本実施形態の低温定着トナーの実施例として上記のトナー(I)〜(VII)を用いて、低温定着性、耐高温オフセット性、耐熱保存性について評価した。トナーの評価項目及び評価方法は以下の通りである。
<定着性評価>
定着ローラとしてテフロン(登録商標)製のローラを使用した(株)リコー製複写機 MF2200定着部を改造した装置を用いて、これにリコー製のタイプ6200紙をセットし、複写テストを行った。定着温度を変化させてコールドオフセット温度(定着下限温度)とホットオフセット温度(耐ホットオフセット温度)を求めた。従来の低温定着トナーの定着下限温度は140〜150℃程度である。尚、低温定着性の評価条件は、以下のとおりである。紙送りの線速度:120〜150[mm/sec]、面圧:1.2[kgf/cm]、ニップ幅3[mm]である。また、ホットオフセットの評価条件は、紙送りの線速度を50[mm/sec]、面圧2.0[kgf/cm]、ニップ幅4.5[mm]と設定した。
各特性評価の基準は以下の通りである。
1)低温定着性(5段階評価)
◎:130℃未満、○:130〜140℃、□:140〜150℃、△:150〜160
℃、×:160℃以上
2)耐ホットオフセット性(5段階評価)
◎:201℃以上、○:200〜191℃、□:190〜181℃、△:180〜171℃、×:170℃以下
<耐熱保存性評価>
トナー試料20[g]を20[ml]のガラス瓶に入れ、50回程度ガラス瓶をタッピングし試料を密に固めた後、50℃の高温槽に24時間放置し、その後針入度試験器を用いて針入度を以下のように求めた。
3)耐熱保存性(5段階評価)
◎:貫通、○:〜25[mm]、□25〜20[mm]、△:20〜15[mm]、×:15[mm]以下
表5に、トナーの評価結果を示す。
Figure 0006332730
表5を見て分かる通り、ガラス転移温度(tg)が、40℃〜61℃のトナー(I)〜(IV)、(VI)、(VII)は、低温定着性、耐ホットオフセット性、耐熱保存性いずれにも優れた結果が得られた。一方、ガラス転移温度(tg)が、40℃未満のトナー(V)は、低温定着性、耐ホットオフセット性には優れるものの、耐熱保存性が「×」であり耐熱保存性劣る結果が得られた。このことから、少なくとも、ガラス転移温度(tg)が40℃〜60℃のトナーは、低温定着性、耐ホットオフセット性、耐熱保存性いずれにも優れることが確認された。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、以下の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
短冊形状のゴム材料からなるブレード部材で構成され、ブレード部材の先端稜線部(エッジ部)61を表面移動する感光体10などの被清掃部材の表面に当接して被清掃部材の表面から付着物を除去するクリーニングブレード5において、ブレード部材の先端稜線部近傍を、先端稜線部を含み被清掃部材と対向するブレード対向面62側から測定したマルテンス硬度、または、先端稜線部を含みブレード対向面62と隣接するブレード先端面63側から測定したマルテンス硬度が1.0[N/mm]以上である。
これによれば、上記実施形態の実験で説明したように、ゴム材料からなるブレード部材の先端稜線部近傍のマルテンス硬度が1.0[N/mm]以上であると、省エネルギー化のために低温定着トナー等の粉体を用いた場合でも感光体10へのフィルミングの発生を抑制できる。これは、先端稜線部の変形が抑えられ、トナーが先端稜線部をすり抜け難くなり、トナーが感光体10の表面に押しつけられ難くなるためである。また、先端稜線部が広がることを抑制できるため、感光体10と先端稜線部との摺動摩擦力が抑制されて摩擦熱の発生が抑制され、先端稜線部の温度上昇が抑えられるためである。
また、ゴム材料からなるブレード部材の先端稜線部近傍の硬さを表す指標として、一般的にゴム材料の硬度として広く用いられているJIS−A測定法によるゴム硬度ではなく、マルテンス硬度を用いている。マルテンス硬度は微小硬度計を用いて先端稜線部の微小領域を測定した特性であり、JIS−A測定法によるゴム硬度のように、硬度測定位置によっては先端稜線部以外の領域の影響を含む虞がない。すなわち、硬度測定位置によらず、先端稜線部のみの硬さとその変形量を規定するのに適している。このため、ブレード部材の先端稜線部近傍をブレード対向面62側、または、ブレード先端面63側の何れかから測定したマルテンス硬度が1.0[N/mm]以上とすることで、感光体10上へのフィルミングの発生を良好に抑制できるクリーニングブレードを提供することができる。
(態様B)
(態様A)において、ブレード部材は先端稜線部を含むエッジ層6と、エッジ層6に積層された少なくとも一層以上のバックアップ層7などの層とを有する積層構造であり、エッジ層6の先端稜線部近傍を、ブレード対向面62側から測定したマルテンス硬度またはブレード先端面63から測定したマルテンス硬度と、エッジ層以外の層をブレード先端面63側から測定したマルテンス硬度とが異なる。
これによれば、エッジ部61及びエッジ部近傍を硬くしてエッジ部の変形を少なくするとともに、バックアップ層7のゴム材料の硬さを選択することができ、クリーニングブレード5全体としての特性を調整可能にできる。
(態様C)
(態様A)において、ブレード部材は先端稜線部を含むエッジ層と、エッジ層に積層された少なくとも一層以上のバックアップ層7などの層とを有する積層構造であり、エッジ層の先端稜線部近傍を、上記ブレード対向面62側から測定したマルテンス硬度またはブレード先端面63側から測定したマルテンス硬度よりも、エッジ層以外の層をブレード先端面63側から測定したマルテンス硬度またはブレード対向面62と対向するブレード背面64側から測定したマルテンス硬度が小さい。これによれば、エッジ部61及びエッジ部近傍を硬くしてエッジ部の変形を少なくするとともに、バックアップ層7の硬さを小さくすることで経時におけるヘタリを抑制し、長期に使用する場合の当接圧を安定させて、長期にわたって安定した特性を得る。また、マルテンス硬度の測定値は、硬度測定位置によって積層構造における他の層の影響を受けない。このため、バックアップ層7の硬度として、ブレード先端面63側から測定したマルテンス硬度またはブレード背面64側から測定したマルテンス硬度を用いることができる。
(態様D)
(態様A)において、ブレード部材は、先端稜線部を含むブレード対向面62の先端稜線部近傍と先端稜線部を含むブレード先端面63の先端稜線部近傍とが、それ以外の領域を形成するゴム材料と異なるマルテンス硬度を有するゴム材料で形成されている。これによれば、エッジ部61及びエッジ部近傍を硬くしてエッジ部の変形を少なくするとともに、クリーニングブレード5全体としての特性を調整可能にできる。
(態様E)
(態様A)乃至(態様D)の何れかにおいて、ブレード部材が感光体10などの被清掃部材の表面と当接状態にある時には、ブレード対向面62とブレード先端面63とが被清掃部材の表面に接触する。このようなエッジ部61の接触状態では、エッジ部61の変形が小さく、エッジ部61の感光体10表面との接触面積が広くなることがない。このため、感光体10の表面への接触面圧が高くなり、感光体10の表面に付着しているトナーのすり抜けを防止でき、感光体10の表面へのフィルミングの発生やクリーニング不良の発生が良好に抑制される。
(態様F)
(態様A)乃至(態様E)の何れかにおいて、ブレード部材の先端稜線部を形成する材料は、少なくとも23℃における100%モジュラスの値が6〜12MPaである。
(態様G)
(態様A)乃至(態様F)の何れかにおいて、ブレード部材を形成する材料はtanδピーク温度が10℃未満のゴム材料である。これによれば、環境温度が10℃である低温環境においても、ブレード部材がゴム材料として機能することができる。このため、通常オフィスで想定される低温環境においても、クリーニングブレード5が弾性を有したゴム材料として機能し、感光体10の表面に弾性を有して接触するため良好なクリーニング性能を得ることが可能となる。
(態様H)
表面移動部材である感光体10などの像担持体上に形成した画像を最終的に記録媒体に転移させて画像を形成する画像形成装置において、像担持体上に画像を形成するトナーとしてガラス転移温度(Tg)が低い低温定着トナーを用い、像担持体の表面に当接して、その表面上に付着したトナーを除去するためのクリーニング部材として、(態様A)乃至(態様G)の何れかのクリーニングブレードを用いる。これによれば、上記実施形態に説明したように、低温定着トナーを用いた場合でも、感光体10の表面へのフィルミングの発生やクリーニング不良の発生が良好に抑制され、高品位な画像が得られる。
(態様I)
(態様H)において、像担持体の表面は無機微粒子を含有している。これにより、感光体表面の耐摩耗性向上を図りつつ、感光体10の表面へのフィルミングの発生やクリーニング不良の発生が良好に抑制することができる。
(態様J)
(態様H)において、像担持体の表面に保護材を塗布する保護剤塗布装置70を備える。これによれば、感光体との摩擦力を抑えつつ、感光体10の表面へのフィルミングの発生やクリーニング不良の発生が良好に抑制することができる。
(態様K)
(態様H)において、トナーは脂肪酸金属塩を含有する添加剤を添加されたものである。これによれば、感光体の耐摩耗性を向上させつつ、感光体10の表面へのフィルミングの発生やクリーニング不良の発生が良好に抑制することができる。
(態様L)
感光体10などの像担持体と、少なくとも像担持体の表面に付着したトナーを除去するクリーニングブレード5を有するクリーニング手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、クリーニングブレードとして、(態様A)乃至(態様G)の何れかに記載のクリーニングブレードを用いる。
これによれば、上記実施形態に説明したように、フィルミングの発生やクリーニング不良の発生が良好に抑制することができる。また、プロセスカートリッジの形態を取ることで、操作性を向上できる。
1 クリーニング装置
5 クリーニングブレード
6 エッジ層
7 バックアップ層
10 感光体
40 帯電装置
50 現像装置
61 エッジ部(先端稜線部)
62 ブレード対向面
63 ブレード先端面
64 ブレード背面
70 保護剤塗布装置
77 発泡ウレタンローラ
81 無機微粒子
121、122、123 プロセスカートリッジ
200 クリーニングブレード(従来)
201 エッジ部(従来)
特開2007−086202号公報 特開2011−197309号公報

Claims (9)

  1. 短冊形状のゴム材料からなるブレード部材で構成され、ブレード部材の先端稜線部を表面移動する被清掃部材の表面に当接して被清掃部材の表面から付着物を除去するクリーニングブレードにおいて、
    上記ブレード部材は、上記ブレード部材の上記先端稜線部を含み上記被清掃部材の表面と当接するエッジ層と、該エッジ層に積層された少なくとも一層以上のバックアップ層とを有する積層構造であり、
    上記エッジ層、または、上記先端稜線部を含み上記被清掃部材の表面と当接する含浸部のマルテンス硬度が1.0[N/mm]以上、4.2[N/mm ]以下であり、
    上記バックアップ層のマルテンス硬度が0.6以上、0.8[N/mm ]以下であることを特徴とするクリーニングブレード。
  2. 請求項1のクリーニングブレードにおいて、上記ブレード部材が上記被清掃部材の表面と当接状態にある時には、上記先端稜線部を含み上記被清掃部材と対向するブレード対向面と上記先端稜線部を含み該ブレード対向面と隣接するブレード先端面とが該被清掃部材の表面に接触することを特徴とするクリーニングブレード。
  3. 請求項1または2のクリーニングブレードにおいて、上記エッジ層を形成する材料は、少なくとも23℃における100%モジュラスの値が6〜12MPaであることを特徴とするクリーニングブレード。
  4. 請求項1乃至3の何れかのクリーニングブレードにおいて、上記ブレード部材を形成する材料はtanδピーク温度が10℃未満のゴム材料であることを特徴とするクリーニングブレード。
  5. 表面移動部材である像担持体上に形成した画像を最終的に記録媒体に転移させて画像を形成する画像形成装置において、
    上記像担持体上に画像を形成するトナーとしてガラス転移温度(Tg)が低い低温定着トナーを用い、該像担持体の表面に当接して、その表面上に付着したトナーを除去するためのクリーニング部材として、請求項1乃至4の何れかに記載のクリーニングブレードを用いることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項の画像形成装置において、上記像担持体の表面は無機微粒子を含有していることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項の画像形成装置において、上記像担持体の表面に保護材を塗布する保護材塗布装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項の画像形成装置において、上記トナーは脂肪酸金属塩を含有する添加剤を添加されたものであることを特徴とする画像形成装置。
  9. 像担持体と、少なくとも該像担持体の表面に付着したトナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、
    上記クリーニング手段として、請求項1乃至の何れかに記載のクリーニングブレードを用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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