JP2013195514A - 画像形成装置 - Google Patents

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秀一 生野
Yoshiyuki Shimizu
義之 清水
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Abstract

【課題】高い平均円形度のトナーを使用した場合でも長期間に亘って帯電手段表面及び静電潜像担持体表面を清浄に保つことができ、安定した画像出力が可能である画像形成装置の提供。
【解決手段】静電潜像担持体、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、定着手段、及びクリーニング手段を有し、トナーが、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母体粒子と、シリカ粒子を含有する外添剤とを含み、トナーの平均円形度が0.97以上、クリーニング手段が、支持部材に一端部が連結され、所定の長さの自由端部を有する平板状の弾性部材とからなるクリーニングブレードを有し、ブレードが、弾性部材の自由端側の一端が静電潜像担持体表面に長手方向に沿って当接するように配置され、ブレードの弾性部材のJIS−A硬度が70度以上、ブレードの反発弾性係数が23℃で35%以下、静電潜像担持体の中心線平均表面粗さRaが0.05μm以下である画像形成装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、レーザープリンタ、ファクシミリ、印刷機等の画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成方法は、静電潜像担持体である感光体の表面に放電によって電荷を与える帯電工程と、帯電した前記感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記感光体表面に形成された静電潜像にトナーを供給して現像する現像工程と、感光体表面のトナー像を記録媒体表面に転写する転写工程と、前記記録媒体表面のトナー像を定着する定着工程と、前記転写工程後に静電像担持体表面に残留するトナーを除去するクリーニング工程とを含んでなる。
このような電子写真方式の画像形成方法に用いられるトナーは、一般に、結着樹脂中に、着色剤、帯電制御剤、及びその他の添加剤を含有させた着色粒子であり、その製造方法には、大別して粉砕法と重合法とがある。
前記粉砕法では、熱可塑性樹脂中に、着色剤、帯電制御剤、及びオフセット防止剤などを溶融混合して均一に分散させ、得られた組成物を粉砕し、分級することによりトナーを製造している。この粉砕法によれば、ある程度優れた特性を有するトナーを製造することはできるが、トナー材料の選択に制限がある。即ち、溶融混合により得られる組成物は、経済的に使用可能な装置により粉砕し、分級できるものでなければならない。
このような要請から、溶融混合した組成物は、充分に脆くせざるを得ない。このため、実際に前記組成物を粉砕して粒子にする際に、高範囲の粒径分布のものが形成され易く、良好な解像度と階調性のある複写画像を得ようとすると、例えば、粒径5μm以下の微粉と、20μm以上の粗粉とを分級により除去しなければならず、収率が非常に低くなるという欠点がある。また、粉砕法では、着色剤、帯電制御剤等の配合剤を熱可塑性樹脂中に均一に分散することが困難である。配合剤の不均一な分散は、トナーの流動性、現像性、耐久性、画像品質などに悪影響を及ぼす。
近年、これらの粉砕法における問題点を克服するために、重合法によるトナーの製造が行われている。
前記重合法では、機械的な粉砕を行わず、化学的反応によりトナーを形成するため、得られるトナー粒子の平均粒径を小径化し易く、また粒径分布において均一化し易いという特徴がある。また、重合法、特に懸濁重合法においてはトナー粒子の形状が球形化し易く、平均円形度で0.98に至る場合もある。
昨今の電子写真の分野では、高画質化が様々な角度から検討されており、中でも、トナーの小径化及び球形化が極めて有効であるとの認識が高まっており、その一例として、トナーを球形化することにより転写性が改善されることが知られている(特許文献1参照)。
しかし、低温定着性が得られ難く、定着に多くのエネルギーが必要となり、省エネルギーの観点から問題となり易く、また小粒径の重合法トナーを使用した場合、従来の粉砕法で製造されたトナーに比べて形状が真球に近いこと、及び粒径が小さくなっていることでクリーニングすることが難しく、クリーニング不良が発生し易いという欠点が一般的に知られている。
このようなクリーニング工程において、一般的に用いられるクリーニング手段としては、平板状のウレタンゴム等からなるブレード部材を板金からなる支持部材に長手方向に貼り付けたクリーニング手段を使用し、ブレード部材の支持部材との接着側とは異なる端部を静電潜像担持体表面に所定の圧力をもって当接させ、ブレード部材を弾性変形させながら静電潜像担持体表面とブレード部材間でブレードニップ部を形成しつつ、静電潜像担持体表面を摺擦することで、感光体表面に残留するトナー又は異物を除去及び回収するブレードクリーニング方式が多用されている。
転写工程通過後のトナーが、クリーニングブレードと静電潜像担持体間のニップ部近傍に到達すると、従来の粉砕トナーではニップ内への侵入を阻止しニップ近傍に堆積していたが、トナー粒径が小径化かつ球形形状である場合、トナーがブレードニップ部近傍の奥深くまで侵入し易くなり、クリーニングブレードと静電潜像担持体の間に挟まれたトナーは回転を開始しながら、ニップ部内に侵入し通過するものと考えられている。
画像面積率の低い現像及び転写では転写残トナーが少なく、クリーニング不良が問題となることはないが、写真画像等の画像面積率の高いもの、更に、給紙不良等で未転写の画像形成したトナーが像担持体上に転写残トナーとして発生した場合には、ブレードニップ部に大量のトナーが突入し、大量のすり抜けが発生し、画像上に地汚れとして現れてしまうという問題がある。
また、ブレードニップ部を通過したトナーは、静電潜像担持体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなり、画像品質上、重大な欠損を生じる恐れもある。
このようなクリーニング工程での課題を解決するべく、球形かつ小粒径トナーの形状を制御する提案がなされているが、トナーの表面形状だけでクリーニング性を改善すると、良好な転写性及び画像品質との両立が困難になると共に、トナーの製造工程が増加し、トナーの生産性への影響も懸念される。
一方、トナー形状を操作するのではなく、トナー表面に添加される外添剤の種類を粒径別に細かく規定することで、トナー間又は周辺部材との付着力を低減させると共に、クリーニングブレードに用いられるブレード部材の反発弾性を規定することが考えられる。これはブレードニップ部の弾性を利用し、静電潜像担持体との摩擦力によりブレードニップ部が圧縮後、内部応力により復元するスティックスリップ現象として知られているが、このブレードエッジ部の挙動を活性化させることでブレードニップ部に滞留したトナーを積極的に除去することが提案されている(特許文献2参照)。
しかし、この提案の技術のように、クリーニングブレードの反発弾性を利用し、ブレードニップ部の挙動を活性化させて、ブレードニップ部近傍に堆積したトナーを弾いて除去することは、従来から用いられてきたブレードクリーニングの考え方の一つではあるが、実際にトナーの小径化が進み、かつ平均円形度が0.97以上の球形トナーを使用した場合、ブレードニップ部に生じる微小な挙動及びそれに伴って生じる静電潜像担持体への押圧力の変動により、ブレードニップ内部に侵入し易くなることから、却ってクリーニング不良が加速するケースが見られる。
また、トナー中にクリーニング助剤を外添することにより、ブレードニップ部上流側にクリーニング助剤を所定の幅で滞留させ、ブレードニップ部より上流でトナーを堰き止めることが提案されている(特許文献3参照)。
しかし、この提案のように、クリーニング助剤をブレードニップ部近傍に堆積させ、ニップ内部へのトナーの侵入を阻止する考えについても、微小粒子による堆積量を制御することは困難である。また、上述のブレードニップ部の挙動により、クリーニングブレードの長手方向に沿ってトナーを均等に堆積させることは困難であることから、堆積部が未形成又は不十分な部分からのクリーニング不良の発生を抑えるのは実際には困難である。更に、トナーの通過を阻止するため、クリーニングブレードの静電潜像担持体に対する押圧力を増加させても、効果が乏しい反面、静電潜像担持体の感光層の摩耗や、ブレードエッジ部の摩耗が促進され、寿命の観点から弊害が大きく出てしまう。
したがって、先行技術文献においては、小粒径かつ高い平均円形度のトナーをクリーニングさせるには不十分であるのが現状である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、高い平均円形度の球形トナーを使用した場合においても、長期間に亘って帯電手段表面及び静電潜像担持体表面を清浄に保つことができ、安定した画像出力が可能である画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、電子写真作像プロセスにおいて、転写工程を通過後に静電潜像担持体表面に残留するトナーを回収し静電潜像担持体表面を清掃するクリーニング手段として平板状の弾性部材を静電潜像担持体表面の長手方向に均等に当接させ、静電潜像担持体上に残留するトナーを堰き止めた後に掻き落とし、所定の回収手段により回収するブレードクリーニング方式を採用することにより、高い平均円形度の球形トナーを使用した場合においても、長期間に亘って帯電手段表面及び静電潜像担持体表面を清浄に保つことができ、安定した画像出力が可能となることを知見した。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記静電潜像担持体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、前記静電潜像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを有する画像形成装置であって、
前記トナーが、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母体粒子と、少なくともシリカ粒子を含有する外添剤とを含み、かつ前記トナーの平均円形度が0.97以上であり、
前記クリーニング手段が、支持部材と、該支持部材に一端部が連結され、所定の長さの自由端部を有する平板状の弾性部材とからなるクリーニングブレードを有し、
前記クリーニングブレードが、前記弾性部材の自由端側の一端が前記静電潜像担持体表面に長手方向に沿って当接するように配置され、
前記クリーニングブレードの弾性部材のJIS−A硬度が70度以上であり、かつJIS K6255規格に準拠した反発弾性係数が23℃で35%以下であり、
前記静電潜像担持体のJIS B0601−2001規格に準拠した中心線平均表面粗さRaが0.05μm以下であることを特徴とする。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、高い平均円形度の球形トナーを使用した場合においても、長期間に亘って帯電手段表面及び静電潜像担持体表面を清浄に保つことができ、安定した画像出力が可能である画像形成装置を提供することができる。
図1は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。 図2は、画像形成装置におけるクリーニング手段の一例を示す概略図である。 図3は、クリーニング手段におけるクリーニングブレードの一例を示す概略図である。 図4は、クリーニングブレードが静電潜像担持体表面に当接する部分における静電潜像担持体表面に対する接線とクリーニングブレードの端面とのなす角度θを説明する図である。 図5は、クリーニングブレードの弾性部材の反発弾性係数と静電潜像担持体の中心線平均表面粗さRaとを組み合わせた際のクリーニング性との関係を示す図である。 図6は、クリーニングブレードの弾性部材のJIS−A硬度と反発弾性係数との組み合せた際のクリーニング性との関係を示す図である。
(画像形成装置及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段と、クリーニング手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。なお、前記帯電手段と前記露光手段を合わせて静電潜像形成手段と称することもある。
本発明で用いられる画像形成方法は、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程と、クリーニング工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。なお、前記帯電工程と前記露光工程を合わせて静電潜像形成工程と称することもある。
本発明で用いられる画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記帯電工程は前記帯電手段により行うことができ、前記露光工程は前記露光手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記クリーニング工程は前記クリーニング手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
本発明においては、(1)前記トナーが、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母体粒子と、少なくともシリカ粒子を含有する外添剤とを含み、かつ前記トナーの平均円形度が0.97以上である。
(2)前記クリーニング手段が、支持部材と、該支持部材に一端部が連結され、所定の長さの自由端部を有する平板状の弾性部材とからなるクリーニングブレードを有し、
前記クリーニングブレードが、前記弾性部材の自由端側の一端が前記静電潜像担持体表面に長手方向に沿って当接するように配置され、
前記クリーニングブレードの弾性部材のJIS−A硬度が70度以上であり、かつJIS K6255規格に準拠した反発弾性係数が23℃で35%以下である。
(3)前記静電潜像担持体のJIS B0601−2001規格に準拠した中心線平均表面粗さRaが0.05μm以下である。
以上の(1)〜(3)の要件をすべて満たすことにより、高い平均円形度の球形トナーを使用した場合においても、長期間に亘って帯電手段としての帯電ローラ表面及び静電潜像担持体表面を清浄に保つことができ、安定した画像出力が可能である。
<静電潜像担持体>
前記静電潜像担持体(以下、「像担持体」、「電子写真感光体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)などが挙げられる。
前記静電潜像担持体の中心線平均表面粗さRaは、0.05μm以下であり、0.01μm〜0.05μmが好ましい。前記中心線平均表面粗さRaが0.05μmを超えると、ブレードニップ内へのトナーが侵入し易くなり、高円形度のトナーの場合にはニップ部近傍でトナーが回転することでニップ部内への侵入を起こし易くなり、クリーニングブレードを通過してクリーニング不良を起こし易くなることがある。
ここで、前記中心線平均表面粗さRaは、触芯式表面粗さ測定機(SURFCOM 1400D、東京精密株式会社製)を用いて、JIS B0601−2001規格に準拠し、評価長さLn=4mm、基準長さL=0.8mm、カットオフ値=0.8mmの測定条件で測定することができる。
前記静電潜像担持体の中心線平均表面粗さRaを0.05μm以下とする方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、静電潜像担持体の最表面に低摩擦係数を有する樹脂の保護層を設ける方法、静電潜像担持体中に含フッ素樹脂などの低摩擦係数を有する微粒子などを分散する方法、静電潜像担持体表面に脂肪酸金属塩などの潤滑剤を塗布する方法などが挙げられる。
前記静電潜像担持体は、前記中心線平均表面粗さRaの数値範囲を満たせば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、支持体上に少なくとも感光層を有してなり、該感光層は単層型感光層であっても、積層型感光層であってもよいが、機能分離型の積層型感光層が好ましい。
−支持体−
前記支持体としては、体積抵抗値1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等の金属;酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも支持体として用いることができる。また、厚み50μm〜150μmのニッケル箔でもよく、あるいは厚み50μm〜150μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの表面にアルミニウム蒸着等の導電加工を行ったものでもよい。
その他、前記支持体上に導電性粉体を適当なバインダー樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の画像形成装置における支持体として用いることができる。
前記導電性粉体としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、また、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITO等の金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられるバインダー樹脂には、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
前記導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
更に、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、導電性支持体として良好に用いることができる。
−積層型感光層−
前記積層型感光層は、電荷発生層、及び電荷輸送層を少なくともこの順に有し、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。
−−電荷発生層−−
前記電荷発生層は、少なくとも電荷発生物質を含んでなり、バインダー樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
前記電荷発生物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、無機系材料と有機系材料とのいずれかを用いることができる。
前記無機系材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶セレン、アモルファス−セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物などが挙げられる。
前記有機系材料としては、特に制限はなく、公知の材料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シーアイピグメントブルー25(カラーインデックスC.I.21180)、シーアイピグメントレッド41(C.I.21200)、シーアイシッドレッド52(C.I.45100)、シーアイベーシックレッド3(C.I.45210)、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルベンゼン骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料等のアゾ顔料;シーアイピグメントブルー16(C.I.74100)等のフタロシアニン系顔料;シーアイバットブラウン(C.I.73410)、シーアイバットダイ(C.I.730.50)等のインジゴ系顔料;アルゴールスカーレット5(バイエル社製)、インダスレンスカーレットR(バイエル社製)等のペリレン系顔料;スクエリック染料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電荷発生層に使用されるバインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリアクリルアミド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
更に必要に応じて、電荷輸送材料を添加してもよい。また、電荷発生層のバインダー樹脂として、上述のバインダー樹脂の他に、高分子電荷輸送材料を添加することもできる。
前記電荷発生層を形成する方法としては、真空薄膜作製法と、溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。
前記真空薄膜作製法としては、例えば、グロー放電重合法、真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法、加速イオンインジェクション法などが挙げられる。前記真空薄膜作製法は、上述した無機系材料又は有機系材料を良好に形成することができる。
また、後者のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、電荷発生層塗工液を用いて、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法などの慣用されている方法を用いて行うことができる。
前記電荷発生層塗工液に用いられる有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロプロパン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、沸点が40℃〜80℃のテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、メタノール、エタノールは、塗工後の乾燥が容易であることから特に好適である。
前記電荷発生層塗工液は、前記有機溶媒中に前記電荷発生物質と、バインダー樹脂を分散、溶解して製造する。有機顔料を有機溶媒に分散する方法としては、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、振動ミルなどの分散メディアを用いた分散方法、高速液衝突分散方法などが挙げられる。
前記電荷発生層の平均厚みは、0.01μm〜5μmが好ましく、0.05μm〜2μmがより好ましい。
−−電荷輸送層−−
前記電荷輸送層は、帯電電荷を保持させ、かつ、露光により電荷発生層で発生分離した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的を達成するためには、電気抵抗が高いことが要求される。また、保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するためには、誘電率が小さく、かつ電荷移動性がよいことが要求される。
前記電荷輸送層は、少なくとも電荷輸送材料を含んでなり、バインダー樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記電荷輸送材料としては、正孔輸送物質、電子輸送物質等の低分子型の電荷輸送材料が用いられ、更に必要に応じて高分子電荷輸送材料を添加することもできる。
前記電子輸送物質(電子受容性物質)としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記正孔輸送物質(電子供与性物質)としては、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記高分子電荷輸送材料としては、以下のような構造を有するものが挙げられる。
(a)カルバゾール環を有する重合体としては、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−175337号公報、特開平4−183719号公報、特開平6−234841号公報に記載の化合物等が例示される。
(b)ヒドラゾン構造を有する重合体としては、例えば、特開昭57−78402号公報、特開昭61−20953号公報、特開昭61−296358号公報、特開平1−134456号公報、特開平1−179164号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−180852号公報、特開平3−50555号公報、特開平5−310904号公報、特開平6−234840号公報に記載の化合物等が例示される。
(c)ポリシリレン重合体としては、例えば、特開昭63−285552号公報、特開平1−88461号公報、特開平4−264130号公報、特開平4−264131号公報、特開平4−264132号公報、特開平4−264133号公報、特開平4−289867号公報に記載の化合物等が例示される。
(d)トリアリールアミン構造を有する重合体としては、例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−134457号公報、特開平2−282264号公報、特開平2−304456号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−133066号公報、特開平5−40350号公報、特開平5−202135号公報に記載の化合物等が例示される。
(e)その他の重合体としては、例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−234837号公報に記載の化合物等が例示される。
また、前記高分子電荷輸送材料としては、上記以外にも、例えば、トリアリールアミン構造を有するポリカーボネート樹脂、トリアリールアミン構造を有するポリウレタン樹脂、トリアリールアミン構造を有するポリエステル樹脂、トリアリールアミン構造を有するポリエーテル樹脂などが挙げられる。前記高分子電荷輸送材料としては、例えば、特開昭64−1728号公報、特開昭64−13061号公報、特開昭64−19049号公報、特開平4−11627号公報、特開平4−225014号公報、特開平4−230767号公報、特開平4−320420号公報、特開平5−232727号公報、特開平7−56374号公報、特開平9−127713号公報、特開平9−222740号公報、特開平9−265197号公報、特開平9−211877号公報、特開平9−304956号公報などに記載の化合物が挙げられる。
また、電子供与性基を有する重合体としては、前記重合体だけでなく、公知の単量体との共重合体、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマー、更には、例えば、特開平3−109406号公報に開示されているような電子供与性基を有する架橋重合体などを用いることもできる。
前記電荷輸送層に使用されるバインダー樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、フェノキシ樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記電荷輸送層は、架橋性のバインダー樹脂と架橋性の電荷輸送材料との共重合体を含むこともできる。
前記電荷輸送材料の含有量は、前記電荷輸送層中に30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。前記含有量が、30質量%未満であると、静電潜像担持体へのレーザ書き込みにおけるパルス光露光において、高速電子写真プロセスでの十分な光減衰時間が得られないことがある。
前記電荷輸送層は、これらの電荷輸送材料及びバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解乃至分散し、これを塗布し、乾燥することにより形成できる。前記電荷輸送層には、更に必要に応じて、前記電荷輸送材料及びバインダー樹脂以外に、可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤などの添加剤を適量添加することもできる。
前記電荷輸送層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、5μm〜30μmが好ましい。
−単層型感光層−
前記単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送材料、及びバインダー樹脂を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記電荷発生物質、電荷輸送材料、及びバインダー樹脂としては、上述した材料を用いることができる。前記その他の成分としては、例えば、可塑剤、微粒子、各種添加剤などが挙げられる。
前記単層型感光層の平均厚みは、5μm〜100μmが好ましく、5μm〜50μmがより好ましい。前記平均厚みが、5μm未満であると、帯電性が低下することがあり、100μmを超えると、感度の低下をもたらすことがある。
−保護層−
前記静電潜像担持体では、最表面層として、前記感光層の保護及び耐久性の向上を目的として、前記保護層を感光層の上に形成することができる。
前記保護層は、バインダー樹脂及びフィラーを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記保護層に使用されるバインダー樹脂としては、例えば、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル樹脂、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、ポリブチレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記保護層には、耐摩耗性を向上させるためフィラーを添加すると効果的であり、このフィラーとしては、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂等の有機材料又は酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム、チタン酸カリウム等の無機材料からなる微粉末が挙げられる。
前記保護層に添加されるフィラーの含有量は、10質量%〜40質量%が好ましく、20質量%〜30質量%がより好ましい。前記フィラーの含有量が、10質量%未満であると、摩耗が大きく、耐久性に劣り、40質量%を超えると、露光時における明部電位の上昇が著しくなって、感度低下が無視できなくなることがある。前記フィラーの粒径は、平均一次粒径として0.3μm〜1.2μmが好ましく、0.3μm〜0.7μmがより好ましい。前記粒径が小さい場合には耐摩耗性が充分でなく、また、粒径が大きい場合には書き込み光を散乱させるため、好ましくない。
前記保護層には、フィラーの分散性を向上させるために分散助剤を添加することができる。添加される分散助剤は塗料等に使用されるもの(例えば、変性エポキシ樹脂縮合物、不飽和ポリカルボン酸低分子量ポリマー等)が適宜利用でき、その量は質量基準で通常は、含有するフィラーの量に対して0.5質量%〜4質量%が好ましく、1質量%〜2質量%がより好ましい。
前記保護層の形成方法としては、スプレー塗工法、リング塗工法等の通常の塗布法が採用される。前記保護層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5μm〜10μmが好ましく、4μm〜6μmがより好ましい。
−下引き層−
前記支持体と前記感光層との間には、必要に応じて、下引き層を設けてもよい。前記下引き層は、接着性を向上する、モアレなどを防止する、上層の塗工性を改良する、残留電位を低減するなどの目的で設けられる。
前記下引き層は、少なくとも樹脂、及び微粉末を含み、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂;共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂;ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。
前記微粉末としては、例えば、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物;金属硫化物、又は金属窒化物などが挙げられる。
前記下引き層の平均厚みについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1μm〜10μmが好ましく、1μm〜5μmがより好ましい。
−中間層−
前記静電潜像担持体においては、必要に応じて前記支持体上に、接着性、電荷ブロッキング性を向上させるために中間層を設けてもよい。前記中間層は、樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが好ましい。前記樹脂としては、前記下引き層と同様のものを適宜選択して用いることができる。
前記中間層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05μm〜2μmが好ましい。
また、前記静電潜像担持体においては、耐環境性の改善のため、特に、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、保護層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。
<帯電工程及び帯電手段>
前記帯電工程は、前記静電潜像担持体の表面を帯電させる工程であり、帯電手段により実施される。
前記帯電は、例えば、前記帯電手段を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記帯電手段の形状としては、例えば、ローラ、磁気ブラシ、ファーブラシ等のどのような形態をとってもよく、電子写真方式の画像形成装置の仕様及び形態にあわせて選択可能である。磁気ブラシを用いる場合、磁気ブラシは、例えば、Zn−Cuフェライト等、各種フェライト粒子を帯電手段として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。又はブラシを用いる場合、例えば、ファーブラシの材質としては、カーボン、硫化銅、金属又は金属酸化物により導電処理されたファーを用い、これを金属又は他の導電処理された芯金に巻き付けたり、張り付けたりすることで帯電器とする。
前記帯電器は、前記のような接触式の帯電器に限定されるものではないが、帯電器から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られる利点がある。
前記帯電器が静電潜像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
また、帯電器が、静電潜像担持体にギャップテープを有し非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものも好ましい。
<露光工程及び露光手段>
前記露光工程は、帯電された静電潜像担持体表面を露光する工程であり、前記露光手段により行われる。
前記露光は、例えば、前記露光手段を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光における光学系は、アナログ光学系とデジタル光学系とに大別される。前記アナログ光学系は、原稿を光学系により直接静電潜像担持体上に投影する光学系であり、前記デジタル光学系は、画像情報が電気信号として与えられ、これを光信号に変換して電子写真感光体を露光し作像する光学系である。
前記露光手段としては、前記帯電手段により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
<現像工程及び現像手段>
前記現像工程は、前記静電潜像を、前記トナーを用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナーを用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナーを用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナーを収容し、前記静電潜像に該トナーを接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナーを摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるものなどが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと、必要に応じてキャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させるトナーは、前記トナーを含む現像剤であってもよく、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
−トナー−
前記トナーは、トナー母体粒子と、外添剤とを含み、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記トナーは、モノクロトナー及びカラートナーのいずれであってもよい。
前記トナー母体粒子は、少なくとも結着樹脂、及び着色剤を含み、必要に応じて、離型剤、帯電制御剤等のその他の成分を含んでなる。
−−−結着樹脂−−−
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリビニルトルエン樹脂等のスチレン又はその置換体の単重合体、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族炭化水素、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂と比較して、トナーの保存時の安定性を確保しながら、溶融粘度を低下させることができる点でポリエステル樹脂が特に好ましい。
前記ポリエステル樹脂は、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分との重縮合反応によって得ることができる。
前記アルコール成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等のジオール類;1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノーA等のエーテル化ビスフェノール類;これらを炭素数3〜22の飽和又は不飽和の炭化水素基で置換した2価のアルコール単位体;その他の2価のアルコール単位体;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエスリトール、ジペンタエスリトール、トリペンタエスリトール、ショ糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の三価以上の多価アルコール単量体などが挙げられる。
前記カルボン酸成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等のモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらを炭素数3〜22の飽和又は不飽和の炭化水素基で置換した2価の有機酸単量体、これらの酸の無水物、低級アルキルエステルと、リノレイン酸からの二量体酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、3,3−ジカルボキシメチルブタン酸、テトラカルボキシメチルメタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸エンボール三量体酸、これら酸の無水物等の三価以上の多価カルボン酸単量体などが挙げられる。
−−−着色剤−−−
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−離型剤−−−
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ワックス類などが挙げられる。
前記ワックス類としては、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトンなどが挙げられる。前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなどが挙げられる。前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどが挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミドなどが挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミドなどが挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトンなどが挙げられる。これらのカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワッックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどが挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワッックス、サゾールワックスなどが挙げられる。
前記離型剤の含有量は、トナー全成分に対して5質量%〜15質量%が好ましい。
−−−帯電制御剤−−−
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられる。
前記帯電制御剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、0.1質量部〜10質量部が好ましく、0.2質量部〜5質量部がより好ましい。
−−外添剤−−
前記外添剤としては、少なくともシリカ粒子を含有する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、例えば、シリカ、酸化チタン、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素等の無機粒子;ソープフリー乳化重合法により得られる平均粒径が0.05μm〜1μmのポリメタクリル酸メチル粒子、ポリスチレン粒子等の樹脂粒子などを含んでいてもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、表面が疎水化処理されているシリカが好ましい。
前記シリカとしては、例えば、シリコーン処理シリカが挙げられる。前記シリコーン処理シリカとは、その表面がシリコーンオイルにより表面処理(疎水化処理)されたシリカである。
前記表面処理の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどが挙げられる。
前記シリコーン処理シリカとしては、市販品を用いることができる。前記市販品としては、例えば、RY200、R2T200S、NY50、RY50(以上、日本エアロジル社製)などが挙げられる。
前記外添剤のトナー母体粒子に対する被覆率は、15%〜100%が好ましく、30%〜100%がより好ましい。前記被覆率が、15%未満であると、トナー母体粒子が露出してしまい、部材への固着やフィルミングが発生することがある。
ここで、前記被覆率は、下記数式(1)によって算出することができる。
<数式(1)>
被覆率(%)=(Dv×ρi×Wa)/(4×Da×ρa)×100
ただし、前記数式(1)中、Dvはトナーの体積平均粒径(μm)、Daはシリカ粒子を含む外添剤の一次粒子径(μm)、ρiはトナーの真比重(g/cm)、ρaは外添剤の真比重(g/cm)、Waはトナー母体粒子100質量部に対する外添剤の添加量を表す。
なお、外添剤が複数種類からなる場合には、個々の外添剤について一次平均粒径Da、真比重ρa、及び含有量Waを求め、個々の被覆率を算出し、これらを合計して全体の被覆率を求めることができる。
前記トナー母体粒子の体積平均粒径は、例えば、コールターマルチサイザーIII(コールター社製)を用いて測定することができる。
前記外添剤の一次平均粒径の測定は、一次粒子を溶剤(テトラヒドロフラン(THF))に分散させた後、基板上で溶剤を除去して乾固させたサンプルを、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM、加速電圧:5kV〜8kV、観察倍率:8,000倍〜10,000倍)にて視野中の外添剤の粒子径の平均値を計測(計測した粒子数:100個)して求めることができる。
前記トナー母体粒子及び前記外添剤の真比重は、ルシャテリエ比重瓶を用い、JIS−K−0061:92の5−2−1に準拠して測定することができる。
−−その他の成分−−
前記トナーにおけるその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸などが挙げられる。
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものであり、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
前記クリーニング性向上剤は、静電潜像担持体や中間転写体に残存する転写後のトナーを除去するために前記トナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩;ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子などが挙げられる。前記ポリマー微粒子としては、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01μm〜1μmのものが好適である。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライトなどが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
−−トナーの製造方法−−
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、従来公知のトナーの製造方法の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、混練・粉砕法、重合法、溶解懸濁法、噴霧造粒法などが挙げられる。
−−−混練・粉砕法−−−
前記混練・粉砕法は、例えば、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー材料を溶融混練し、得られた混練物を粉砕し、分級することにより、前記トナーの母体粒子を製造する方法である。
前記溶融混練では、前記トナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。前記溶融混練機としては、例えば、一軸又は二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所製KTK型二軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、池貝鉄工所製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、結着樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
前記粉砕では、前記溶融混練で得られた混練物を粉砕する。この粉砕においては、まず、混練物を粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際、ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
前記分級は、前記粉砕で得られた粉砕物を分級して所定粒径の粒子に調整する。前記分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離器等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができる。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナー母体粒子を製造することができる。
次いで、外添剤のトナー母体粒子への外添が行われる。トナー母体粒子と外添剤とをミキサーを用い、混合及び攪拌することにより外添剤が解砕されながらトナー母体粒子表面に被覆される。この時、シリカ粒子等の外添剤を均一かつ強固にトナー母体粒子に付着させることが耐久性の点で重要である。
−−−重合法−−−
前記重合法によるトナーの製造方法としては、例えば、有機溶媒中に少なくともウレア又はウレタン結合し得る変性されたポリエステル系樹脂と着色剤を含むトナー材料を溶解乃至分散させる。そして、この溶解乃至分散物を水系媒体中に分散し、重付加反応させ、この分散液の溶媒を除去し、洗浄して得られる。
前記ウレア又はウレタン結合し得る変性されたポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させて得られる、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーなどが挙げられる。そして、このポリエステルプレポリマーとアミン類等との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られる変性ポリエステル樹脂は、低温定着性を維持しながらホットオフセット性を向上させることができる。
前記多価イソシアネート化合物(PIC)としては、例えば、脂肪族多価イソシアネート(例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート等);脂環式ポリイソシアネート(例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等);芳香族ジイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等);芳香脂肪族ジイソシアネート(例えば、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、5/1〜1/1が好ましく、4/1〜1.2/1がより好ましく、2.5/1〜1.5/1が更に好ましい。
前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、1個以上が好ましく、平均1.5個〜3個がより好ましく、平均1.8個〜2.5個が更に好ましい。
前記ポリエステルプレポリマーと反応させるアミン類(B)としては、例えば、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
前記2価アミン化合物(B1)としては、例えば、芳香族ジアミン(例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等);脂環式ジアミン(例えば、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等);脂肪族ジアミン(例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)などが挙げられる。
前記3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
前記アミノアルコール(B3)としては、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
前記アミノメルカプタン(B4)としては、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
前記アミノ酸(B5)としては、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)の中でも、B1及びB1と少量のB2の混合物が特に好ましい。
前記アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、1/2〜2/1が好ましく、1.5/1〜1/1.5がより好ましく、1.2/1〜1/1.2が更に好ましい。
上記のような重合法によるトナーの製造方法によれば、小粒径かつ球形状トナーを環境負荷少なく、低コストで作製することができる。
前記分散のための分散機としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機などが挙げられる。
これらの中でも、分散体(油滴)の粒径を2μm〜20μmに制御することができる点で、高速せん断式分散機が好ましい。
前記高速せん断式分散機を用いた場合、回転数、分散時間、分散温度等の条件は、目的に応じて適宜選択することができる。
前記回転数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000rpm〜30,000rpmが好ましく、5,000rpm〜20,000rpmがより好ましい。
前記分散時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、バッチ方式の場合、0.1分間〜5分間が好ましい。
前記分散温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、加圧下において、0℃〜150℃が好ましく、40℃〜98℃がより好ましい。なお、一般に、前記分散温度が高温である方が分散は容易である。
前記トナー材料を水系媒体中に分散させる際の、水系媒体の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー材料100質量部に対して、50質量部〜2,000質量部が好ましく、100質量部〜1,000質量部がより好ましい。
前記分散液から有機溶媒を除去する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、反応系全体を徐々に昇温させて、油滴中の有機溶媒を蒸発させる方法、分散液を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の有機溶媒を除去する方法などが挙げられる。
前記有機溶媒が除去されると、トナー母体粒子が形成される。トナー母体粒子に対しては、洗浄、乾燥等を行うことができ、更に分級等を行うことができる。前記分級は、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離などにより、微粒子部分を取り除くことにより行ってもよいし、乾燥後に分級操作を行ってもよい。
前記得られたトナー母体粒子は、前記外添剤、必要に応じて前記帯電制御剤等の粒子と混合してもよい。このとき、機械的衝撃力を印加することにより、トナー母体粒子の表面から前記外添剤等の粒子が脱離するのを抑制することができる。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高速で回転する羽根を用いて混合物に衝撃力を印加する方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させて粒子同士又は粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などが挙げられる。
前記方法に用いる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オングミル(ホソカワミクロン株式会社製)、I式ミル(日本ニューマチック株式会社製)を改造して粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業株式会社製)、自動乳鉢などが挙げられる。
前記トナーの平均円形度としては、0.97以上であり、0.97〜0.98が好ましい。前記平均円形度が、0.97未満であると、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがある。
前記平均円形度は、以下の方法により求めることができる。
下記式(1)より得られた値を円形度aと定義する。この円形度はトナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.00を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。
円形度a=L/L ・・・ (1)
ただし、前記式(1)中、Lは、粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長を表し、Lは、粒子の投影像の周囲長を表す。
前記平均円形度の測定方法について説明する。前記平均円形度は、例えば、東亜医用電子社製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定することができる。
具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100mL〜150mL中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1mL〜0.5mL加え、更に測定試料を0.1g〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1分間〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3,000個/μL〜10,000個/μLとして前記装置によりトナーの形状、粒度を測定する。
前記トナーの体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2μm〜10μmが好ましく、3μm〜8μmがより好ましい。前記体積平均粒径が、2μm未満であると、現像効率の低下、及びブレードクリーニング性の低下といった現象が発生することがあり、10μmを超えると、文字やラインの飛び散りを抑えることが難しくなることがある。
前記体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.00〜1.40が好ましい。前記比(Dv/Dn)が、1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
次に、トナー粒子の粒度分布の測定方法について説明する。コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100mL〜150mL中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1mL〜5mL加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1質量%NaCl水溶液を調製したもので、例えば、ISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2mg〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で1分間〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn)を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00μm以上2.52μm未満;2.52μm以上3.17μm未満;3.17μm以上4.00μm未満;4.00μm以上5.04μm未満;5.04μm以上6.35μm未満;6.35μm以上8.00μm未満;8.00μm以上10.08μm未満;10.08μm以上12.70μm未満;12.70μm以上16.00μm未満;16.00μm以上20.20μm未満;20.20μm以上25.40μm未満;25.40μm以上32.00μm未満;32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上40.30μm未満の粒子を対象とする。
前記トナーは、磁性キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合、二成分現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、前記キャリア100質量部に対してトナー1質量部〜10質量部が好ましい。前記磁性キャリアとしては、粒子径20μm〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなどが挙げられる。
前記被覆樹脂としては、アミノ系樹脂、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。また、ポリビニル及びポリビニリデン系樹脂、例えば、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂及びスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂及びポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂などが挙げられる。更に必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。前記導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛などが挙げられる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。前記平均粒子径が、1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
なお、前記トナーはキャリアを使用しない一成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
<転写工程及び転写手段>
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写手段を用いて前記静電潜像担持体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
<定着工程及び定着手段>
前記定着工程は、記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程であり、定着手段を用いて、定着させることができる。なお、二色以上のトナーを用いる場合は、各色のトナーが記録媒体に転写される毎に定着させてもよいし、全色のトナーが記録媒体に転写されて積層された状態で定着させてもよい。定着手段としては、特に限定されず、公知の加熱加圧手段を用いた熱定着方式を採用することができる。加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラを組合せたもの、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトを組合せたもの等が挙げられる。このとき、加熱温度は、通常、80℃〜200℃である。なお、必要に応じて、定着手段と共に、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
<クリーニング工程及びクリーニング手段>
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段は、支持部材と、該支持部材に一端部が連結され、所定の長さの自由端部を有する平板状の弾性部材とからなるクリーニングブレードを有し、前記クリーニングブレードが、前記弾性部材の自由端側の一端が前記静電潜像担持体表面に長手方向に沿って当接するように配置されている。
前記支持部材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、プラスチック、セラミックなどが挙げられる。これらの中でも、ある程度の強度がかかるため金属板が好ましく、SUS等の鋼板、アルミニウム板、リン青銅板が特に好ましい。
前記クリーニングブレードに用いられる弾性部材は、JIS−A硬度が70度以上、反発弾性係数が35%以下であれば特に制限はなく、従来公知の組成、工法で製造することができ、高弾性の得られやすいポリウレタンエラストマーなどが挙げられる。
前記ポリウレタンエラストマーは、通常、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを用いてプレポリマーを調製し、これに硬化剤、及び必要に応じて硬化触媒を加えて、所定の型内にて架橋し、炉内にて後架橋させた後、常温で放置熟成することによって製造される。
前記ポリオール化合物としては、例えば、高分子量ポリオール、低分子量ポリオールなどが挙げられる。
前記高分子量ポリオールとしては、例えば、アルキレングリコールと脂肪族二塩基酸との縮合体であるポリエステルポリオール;エチレンアジペートエステルポリオール、ブチレンアジペートエステルポリオール、ヘキシレンアジペートエステルポリオール、エチレンプロピレンアジペートエステルポリオール、エチレンブチレンアジペートエステルポリオール、エチレンネオペンチレンアジペートエステルポリオール等のアルキレングリコールとアジピン酸とのポリエステルポリオール等のポリエステル系ポリオール;カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトンエステルポリオール等のポリカプロラクトン系ポリオール;ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール等のポリエーテル系ポリオールなどが挙げられる。
前記低分子量ポリオールとしては、例えば、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキノン−ビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフエニルメタン、4,4’−ジアミノジフエニルメタン等の二価アルコール;1,1,1−トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、1,1,1−トリス(ヒドロキシエトキシメチル)プロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール等の三価又はそれ以上の多価アルコールなどが挙げられる。
前記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフチレン1,5−ジイソシアネート(NDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添キシリレンジイソシアネート(HXDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記硬化触媒としては、例えば、2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾールなどが挙げられる。これらの中でも、1,2−ジメチルイミダゾールが特に好ましい。
前記硬化触媒の含有量は、0.01質量%〜0.5質量%が好ましく、0.05質量%〜0.3質量%がより好ましい。
前記クリーニングブレードの弾性部材のJIS−A硬度は、70度以上であり、75度〜80度が好ましい。前記JIS−A硬度が、70度未満であると、ブレード線圧が得られにくく、静電潜像担持体との当接部面積が拡大し易いため、クリーニング不良が発生することがある。
ここで、前記クリーニングブレードの弾性部材のJIS−A硬度は、例えば、高分子計器株式会社製 マイクロゴム硬度計 MD−1により測定することができる。
従来のクリーニングブレードにおける弾性部材は、反発弾性係数が50%以上の材料が多く用いられてきた。これは、従来のトナーを用いたブレードクリーニングでは、クリーニングブレードにおける弾性部材の持つタック性を利用して、静電潜像担持体表面と弾性部材とのブレードニップ部に生じる摩擦により生じる弾性部材を圧縮する力と、それを元に戻そうとする弾性部材の復元力によって生じる「スティックスリップ現象」と呼ばれる微細な振動を積極的に発生させ、ブレードニップ部近傍に堆積したトナーを排除していた。
これに対して、平均円形度が0.97以上、好ましくは0.97〜0.98と極めて真球に近く、体積平均粒径が約6μmと従来のトナーに比べて小径のトナーを用いると、ブレードニップ部を微細に振動させる「スティックスリップ現象」の発生が顕著になると、クリーニングブレードと静電潜像担持体との間の密着状態が部分的に弱まり、その部分にトナーが入り込むことでブレードニップ部を通過し、クリーニング不良が発生してしまう。この問題を解決するため、本発明においては、クリーニングブレードにおける弾性部材に反発弾性係数の低い材料を用いることにより、「スティックスリップ現象」の発生を防止しつつクリーニング性を向上させている。
したがって、前記クリーニングブレードにおける弾性部材のJIS K6255規格に準拠した反発弾性係数は、23℃で35%以下であり、20%〜30%が好ましい。前記反発弾性係数が35%を超えると、クリーニングブレードの弾性部材にタック性が生じ、「スティックスリップ現象」が発生してしまうことがある。
ここで、前記クリーニングブレードの弾性部材の反発弾性係数は、JIS K6255規格に準拠し、23℃において、リュプケ式反発弾性測定装置にて測定することができる。
前記クリーニングブレードは、前記静電潜像担持体表面に対して、10N/m〜100N/mの押圧力で当接することが好ましい。前記押圧力が、10N/m未満であると、クリーニングブレード当接部のトナー通過によるクリーニング不良が発生し易くなり、100N/mを超えると、クリーニングブレード当接部の摩擦力の増加によりクリーニングブレードが捲れ上がることがある。前記押圧力は、10N/m〜50N/mが好ましい。
前記押圧力は、例えば、共和電業社製 小型圧縮型ロードセルを組み込んだ測定装置に対し、所定の条件に設定されたクリーニングブレードを当接により測定することができる。
前記クリーニングブレードが静電潜像担持体表面に当接する部分における接線とクリーニングブレードの端面とのなす角度θは、65°以上85°以下であることが好ましい。
前記なす角度θが、65°未満であると、クリーニングブレードの捲れ上りが発生することがあり、85°を超えると、クリーニングブレードがエッジではなく鏡面側で感光体に腹当りし易くなり、クリーニング不良が発生することがある。
図3に示すように、前記クリーニングブレードにおける弾性部材の平均厚みをtとし、支持部材の端部から弾性部材の自由端部までの距離をLとすると、次式、0.1≦t/L≦0.75を満たすことが好ましい。前記(t/L)が、0.1未満であると、ブレードが捲れ上り易くなることがあり、0.75を超えると、クリーニングブレードエッジと静電潜像担持体表面との当接が困難になり、クリーニング不良が発生することがある。
前記弾性部材の平均厚みtは、1.0mm〜3.0mmが好ましい。
前記支持部材の端部から弾性部材の自由端部までの距離Lは、5mm〜12mmが好ましい。
<その他の工程及びその他の手段>
−除電工程及び除電手段−
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
−リサイクル工程及びリサイクル手段−
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
−制御工程及び制御手段−
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
ここで、図1は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。
この図1の画像形成装置100は、表面に感光層を有し、正逆方向それぞれに回転可能な静電潜像担持体としての感光体ドラム(1k、1c、1m、1y)と、該感光体ドラム(1k、1c、1m、1y)の周囲に、正回転方向に沿って画像形成プロセスを実行するための帯電手段(2k、2c、2m、2y)と、露光手段(不図示)による露光Lと、現像手段(3k、3c、3m、3y)と、転写手段(4k、4c、4m、4y)と、クリーニング手段(5k、5c、5m、5y)とを有し、これらの手段からなる画像形成ユニットが、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(Bk)の各色毎に並列に配置されている。
帯電手段(2k、2c、2m、2y)は、導電性の弾性層を有する帯電ローラを感光体ドラム(1k、1c、1m、1y)表面に所定の圧力をもって当接、回転させると共に、高圧電源により直流電圧又は直流と交流の重畳電圧を印加し、感光体ドラム(1k、1c、1m、1y)の表層に形成された感光層を一様に帯電するように構成されている。
露光手段による露光Lにより感光体ドラム(1k、1c、1m、1y)上に静電潜像を形成する。
現像手段(3k、3c、3m、3y)においては、例えば、弾性体からなる現像ローラ(31k、31c、31m、31y)を感光体ドラム(1k、1c、1m、1y)表面に接触させて現像を行う接触一成分現像手段が用いられ、ホッパー内に収納されたトナーを供給ローラ(32k、32c、32m、32y)を介して現像ローラ(31k、31c、31m、31y)上に供給及び搬送し、現像ローラ上に当接された規制ブレードにより、現像ローラ上にトナーによる薄層を形成すると共に、現像ローラとの摩擦荷電により薄層化されたトナーを所定の帯電量に荷電させた後、感光体ドラム(1k、1c、1m、1y)と現像ローラ(31k、31c、31m、31y)とが当接する現像ニップ部に搬送され、感光体ドラム(1k、1c、1m、1y)に形成された静電潜像と搬送されたトナーとを接触することによって静電潜像の可視画像化を行う。
トナーにより可視画像化された感光体ドラム(1k、1c、1m、1y)上の画像は、次に転写工程へと移動させられる。
転写手段(4k、4c、4m、4y)としては、駆動ローラ43、44に掛け回された転写ベルト42と、転写ベルト42内に設けられ、転写ベルト42を介して各色感光体ドラム(1k、1c、1m、1y)表面に接離可能な一次転写ローラ(41k、41c、41m、41y)と、転写ベルト42表面と当接配置される二次転写ローラ45、及び二次転写ローラ45通過後、転写ベルト42上に残存するトナーを除去及び回収する転写クリーニング部46から構成される。
各色ユニットにて、感光体ドラム(1k、1c、1m、1y)上に形成された可視画像は順次、感光体ドラム(1k、1c、1m、1y)と転写ベルト42との接触部において、一次転写ローラ(41k、41c、41m、41y)に高圧電源よりバイアス電圧を印加することにより、転写ベルト42上へと移動しカラー画像の形成が行われる。
転写ベルト42上で形成されたカラー画像は、レジストローラによってレジストタイミングを設定した上で給紙装置から繰り出される転写紙を、転写ベルト42内の駆動ローラ44と挟持するように配置され、回転可能に設定された二次転写ローラ45に高圧電源よりバイアス電圧を印加することにより、転写紙上に転写される。
転写手段によりカラー画像が転写された転写紙は、定着手段6に搬送された後、トナーの溶融温度まで加熱されると同時に加圧されることで、カラー画像が転写紙上に定着され、図示されない排紙トレイに排出される。
感光体ドラム(1k、1c、1m、1y)上、転写ベルト42との接触部通過後に残留するトナー及び異物は、感光体ドラムの回転方向下流側に設けられたクリーニング手段(5k、5c、5m、5y)へと移動し、クリーニング手段により、感光体ドラム1表面から除去され、クリーニング手段(5k、5c、5m、5y)内に回収されることで、感光体ドラム(1k、1c、1m、1y)表面を清浄に保つことができる。
このように各プロセスを経た感光体ドラム(1k、1c、1m、1y)は、再度画像形成を行うため、再び帯電手段(2k、2c、2m、2y)へと移動し、次の画像形成工程が実施される。
図2に示すように、クリーニング手段5は、ポリウレタンを基材とした平板状の弾性部材51aと、それを支持する支持部材51bとからなるクリーニングブレード51と、該クリーニングブレード51により感光体ドラム1表面より掻き落とされた残留トナーをトナー回収容器(不図示)まで搬送する搬送スクリュー52とから構成されている。図2中2は帯電手段である。
クリーニングブレード51は、図3に示すように、弾性部材51aが板金を曲げて形成された支持部材51bに、弾性部材51aが支持部材51bとの接着部境界から所定の自由長を持つよう長手方向に沿って連結されている。
また、図4に示すように、支持部材51bとの接着面と反対側の弾性部材51aの自由長先端のエッジ部が弾性変形を伴って感光体ドラム1の表面と所定のクリーニング角度θと圧力で当接し、ブレードニップ部を形成するようにクリーニング手段5の筐体内に固定配置されている。
このブレードニップ部において感光体ドラム1表面に残留するトナーを堰き止めて掻き落とし、次の静電潜像形成過程において、残留トナーによる画像ノイズが発生しないようにしている。
クリーニングブレード51に用いられる弾性部材は、従来公知の組成、工法で製造することができ、一般的に高弾性の得られやすいポリウレタンゴムなどが用いられている。
従来より、クリーニングブレード51に用いられる弾性部材51aとしては、反発弾性係数は50%以上の材料が多く用いられてきた。これは、従来からあるトナーにおけるブレードクリーニング方法において、弾性体ブレード材の持つタック性を利用し、感光体ドラム表面とブレード材とのブレードニップに生じる摩擦によって生じるブレード材を圧縮する力と、それを元に戻そうとする弾性体の復元力によって生じる「スティックスリップ現象」と呼ばれる微細な振動を積極的に発生させ、ブレードニップ近傍に堆積したトナーを排除することを目的とするものである。
しかしながら、本発明では、使用するトナーの平均円形度が0.97以上、好ましくは0.97〜0.98と極めて真球に近く、体積平均粒径が約6μmと従来使用してきたトナーに比べて小径であるため、ブレードニップ部を微細に振動させる「スティックスリップ現象」が顕著になると、クリーニングブレード51と感光体ドラム1間の密着状態が部分的に弱まり、その部分にトナーが入り込むことでブレードニップ部を通過し、クリーニング不良が発生することが確認されている。そのため、弾性部材51aのゴム材としてのタック性を抑制するため、反発弾性係数の低い材料が用いられ、前記弾性部材のJIS K6255規格に準拠した反発弾性係数が23℃で35%以下である。
加えて、ブレードニップ部は弾性部材51aが感光体ドラム1表面に押圧されて形成されるため、ブレードニップ部の面積が広いほど単位面積当たりに働くトナー通過阻止力が小さくなり、先のスティックスリップ現象が発生すると更にトナーが侵入し通過し易くなる。そのため、弾性部材51aにおけるJIS−A硬度がより固いものが用いられ、前記弾性部材のJIS−A硬度は70度以上である。
また、弾性部材51aに対向する感光体ドラム1表面にも配慮を行っている。ブレードニップ部の挙動を抑制するため、凹凸が激しくなるとその形状を追随する弾性部材51aの挙動も顕著になりやすい。よって対向する感光体ドラム1表面の状態も、弾性部材に影響を及ぼすので、凹凸の少ない平滑な状態のものが用いられ、前記静電潜像担持体のJIS B0601−2001規格に準拠した中心線平均表面粗さRaが0.05μm以下である。
また、クリーニングブレードと静電潜像担持体表面との当接部分における該静電潜像担持体表面に対する接線とクリーニングブレードの端面とのなす角度θについては、弾性部材のエッジ部が感光体ドラムの回転に伴う摩擦力で弾性変形し引き込まれた状態であっても、ブレードニップ内にトナーが侵入しないよう、ブレードニップ部の幅を抑え、押圧力が集中して感光体ドラム1表面に作用するように、65°以上85°以下の範囲で設定することが好ましい。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
<静電潜像担持体の中心線平均表面粗さRaの測定>
静電潜像担持体における中心線平均表面粗さRaは、触芯式表面粗さ測定機(SURFCOM 1400D、東京精密株式会社製)を用いて、JIS B0601−2001規格に準拠し、評価長さLn=4mm、基準長さL=0.8mm、カットオフ値=0.8mmの測定条件で測定した。
<クリーニングブレードの弾性部材の反発弾性係数の測定>
クリーニングブレードの弾性部材の反発弾性係数は、JIS K6255規格に準拠し、23℃において、リュプケ式反発弾性測定装置にて測定した。
<クリーニングブレードの弾性部材のJIS−A硬度の測定>
クリーニングブレードの弾性部材のJIS−A硬度は、高分子計器株式会社製 マイクロゴム硬度計 MD−1により測定した。
(実験例1)
<クリーニングブレードNo.1〜No.6の作製>
ポリウレタンエラストマーとして、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを用いてプレポリマーを調製し、これに硬化剤、及び必要に応じて硬化触媒を加えて、所定の型内にて架橋し、炉内にて後架橋させたものを遠心成型によりシート状に成型後、常温放置、熟成したものを所定の寸法にて、短冊状に裁断した。この短冊状に形成されたゴムブレードを板金製の支持部材にホットメルト等にて貼付して、下記表1に示す反発弾性係数及びJIS−A硬度を示すクリーニングブレードNo.1を作製した。
次いで、上記の材料の配合比、架橋条件等を変えて、下記表1に示す反発弾性係数及びJIS−A硬度を示すクリーニングブレードNo.2〜6を作製した。
<静電潜像担持体No.1〜8の作製>
表面にアルマイト処理により下引き層が形成された、アルミニウム製の円筒形状をなす導電性支持体に、有機機能材料とバインダー樹脂とを有機溶剤に溶解乃至分散させて調製された電荷発生材料及び電荷輸送材料の溶液を、この順に前記導電性支持体表面にディッピング法により均一に塗布して、電荷発生層及び電荷輸送層を形成し、下記表1に示す中心線平均表面粗さRaを示す静電潜像担持体No.1を作製した。
次いで、分子量の異なるバインダー樹脂への変更、及びアルミナ等のフィラーの添加により、下記表1に示す中心線平均表面粗さRaを示す静電潜像担持体No.2〜8を作製した。
<クリーニング性評価>
下記表1に示すように、クリーニングブレードと静電潜像担持体としての感光体ドラムを組み合わせて、以下のようにしてクリーニング性を評価した。
クリーニング性評価においては、クリーニングブレードの弾性体のゴム性が低下し易く、トナーのすり抜けが発生し易い冬季想定環境下(温度5℃〜10℃、湿度15%RH)で行った。
画像形成装置(Ricoh IPSiO SP C310、株式会社リコー製)を用い、感光体ドラム上に現像手段により、所定の面積(印字面積率1%〜10%相当)のベタパッチ画像を形成した。なお、トナーとしては、シリコーンオイルで疎水化処理されたシリカ粒子を外添剤として使用し、重合法により製造された平均円径度0.98のトナーを用いた。このトナーの体積平均粒径Dvは6.0μm、個数平均粒径Dnは5.2μm、Dv/Dnは1.15、外添剤の被覆率は100%であった。
形成されたベタパッチ画像は、通常は転写手段に移動し、ベタパッチ画像の大半が中間転写ベルト上に移動するが、今回の評価ではよりクリーニング性の良否を見極めるため、通常の画像形成過程と異なり、未転写の状態でこのベタパッチ画像を通過させた。
転写手段を未転写の状態で通過したベタパッチ画像は、そのままクリーニングブレードと感光体ドラムとのブレードニップ形成部に進入し掻き落とされる。この工程を連続で100回繰り返し行った。これにより、通常より大量のトナーをブレードニップ部に入力することができる。
クリーニング性の評価は、上記工程を行った後のクリーニングブレードより下流に配置された帯電ローラ上へのトナー汚染状況を確認することで行った。
帯電ローラ表面に無色透明のテープ(キハラ社製、アメニティBコートブックテープ)を貼付した後に剥離し、テープ側に転写されたトナー汚れの有無を確認し、トナー汚れ発生箇所を色彩色差計(Minolta社製、CR−241)にて、明度L*の測定を行い、下記基準によりクリーニング性を評価した。結果を表1及び図5に示す。
〔評価基準〕
○:L*≧85
△:80≦L*<85
×:L*<80
Figure 2013195514
表1及び図5の結果から、クリーニングブレードにおける弾性部材の反発弾性係数(JIS K6255)が35%以下であり、かつ感光体ドラムの中心線平均表面粗さRaが0.05μm以下となる点線で囲まれた領域の組み合わせにおいて、帯電ローラ上にクリーニング不良によるトナー汚染が少なく、良好なクリーニング性が得られることが分かった。
(実験例2)
<クリーニングブレードNo.A〜Rの作製>
ポリウレタンエラストマーとして、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを用いてプレポリマーを調製し、これに硬化剤、及び必要に応じて硬化触媒を加えて、所定の型内にて架橋し、炉内にて後架橋させたものを遠心成型によりシート状に成型後、常温放置、熟成したものを所定の寸法にて、短冊状に裁断した。この短冊状に形成されたゴムブレードを板金製の支持部材にホットメルト等にて貼付して、下記表2に示す反発弾性係数及びJIS−A硬度を示すクリーニングブレードNo.Aを作製した。
次いで、上記の材料の配合比、架橋条件等を変えて、下記表2に示す反発弾性係数及びJIS−A硬度を示すクリーニングブレードNo.B〜Rを作製した。
<クリーニング性評価>
実験例1において、作製したクリーニングブレードNo.A〜Rを用い、静電潜像担持体として感光体No.1(中心線平均表面粗さRaが0.015μm)を用い、実験例1と同じトナーを用いた以外は、実験例1と同様にして、クリーニング性を評価した。結果を表2及び図6に示す。
Figure 2013195514
表2及び図6の結果から、クリーニングブレードにおける弾性部材のJIS−A硬度と反発弾性係数(JIS K6255)との組合せとクリーニング性との関係において、弾性部材のJIS−A硬度が70度以上、好ましくは72度以上とすることで良好なクリーニング性が得られることが分かった。
(トナーの製造例1)
<トナー1の作製>
−ポリエステルの合成−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器内に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物235質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物525質量部、テレフタル酸205質量部、アジピン酸47質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を入れ、常圧下、230℃で8時間反応した。更に10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸46質量部を入れ、常圧下、180℃で2時間反応し、[ポリエステル]を得た。
得られた[ポリエステル]は、数平均分子量が2,600、重量平均分子量が6,900、ガラス転移温度(Tg)が44℃、酸価が26mgKOH/gであった。
−プレポリマーの合成−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を入れ、常圧下、230℃で8時間反応し、更に10〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル]を得た。
得られた[中間体ポリエステル]は、数平均分子量2,100、重量平均分子量9,500、ガラス転移温度(Tg)55℃、酸価0.5mgKOH/g、水酸基価49mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器内に、[中間体ポリエステル]411質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を入れ、100℃で5時間反応し、[プレポリマー]を得た。得られた[プレポリマー]の遊離イソシアネート質量%は、1.53%であった。
−マスターバッチの作製−
カーボンブラック(キャボット社製、リーガル400R)40質量部、結着樹脂としてポリエステル樹脂(三洋化成工業株式会社製、RS−801、酸価10mgKOH/g、重量平均分子量20,000、ガラス転移温度(Tg)64℃)60質量部、及び水30質量部をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行い、パルベライザーで1mmの大きさに粉砕し、[マスターバッチ]を作製した。
−顔料及びワックス分散液(油相)の作製−
撹拌棒、及び温度計をセットした容器内に、[ポリエステル]545質量部、パラフィンワックス(HNP009、日本精鑞株式会社製)181質量部、及び酢酸エチル1,450質量部を仕込み、撹拌下、80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで、容器内に、[マスターバッチ]500質量部、帯電制御剤(LR−147、日本カーリット株式会社製))100質量部、及び酢酸エチル100質量部を仕込み、1時間混合し、[原料溶解液]を得た。
得られた[原料溶解液]1,500質量部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/時間、ディスク周速度6m/秒間、直径0.5mmのジルコニアビーズを80体積%充填し、3パスの条件で、カーボンブラック及びワックスの分散を行った。次いで、前記[ポリエステル]425質量部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料及びワックス分散液]を得た。得られた[顔料及びワックス分散液]の固形分濃度(130℃、30分間)が50質量%となるように調整した。
−水相作製工程−
イオン交換水970質量部、分散安定用の有機樹脂微粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25質量%水性分散液40質量部、及びドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)140質量部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相]とする。
−乳化工程−
前記[顔料及びワックス分散液]975質量部、及びアミン類としてイソホロンジアミン2.6質量部を、TKホモミキサー(特殊機化株式会社製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[プレポリマー]88質量部を加えTKホモミキサーで5,000rpmにて1分間混合した後、[水相]1,200質量部を加え、TKホモミキサーで、回転数8,000〜13,000rpmで調整しながら20分間混合し、[乳化スラリー]を得た。
−脱溶剤工程−
撹拌機、及び温度計をセットした容器に、[乳化スラリー]を投入し、30℃で8時間脱溶剤を行い、[分散スラリー]を得た。
−洗浄及び乾燥工程−
得られた[分散スラリー]100質量部を減圧濾過した後、以下の洗浄及び乾燥を行った。
(1)濾過ケーキにイオン交換水100質量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。このときの濾液は、乳白色であった。
(2)(1)の濾過ケーキにイオン交換水900質量部を加え、超音波振動を付与してTKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返した。
(3)(2)のリスラリー液のpHが4となるように10質量%塩酸を加え、そのままスリーワンモーターで攪拌30分間後濾過した。
(4)(3)の濾過ケーキにイオン交換水100質量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返し[濾過ケーキ]を得た。
得られた[濾過ケーキ]を循風乾燥機にて42℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、[トナー母体粒子]を作製した。
作製された[トナー母体粒子]100質量部に対して、疎水性シリカ(RY50、日本アエロジル株式会社製、平均一次粒径40nm、シリコーンオイル処理あり)2.0質量部をヘンシェルミキサー(ヘンシェル20B、三井鉱山株式会社製)にて1,500rpmで6分間混合した。以上により、トナー1を作製した。
得られたトナー1について、以下のようにして、トナーの体積平均粒径Dv、個数平均粒径Dn、及び比(Dv/Dn)、平均円形度、及び被覆率を測定したところ、平均円形度は0.974、体積平均粒径Dvは6.3μm、個数平均粒径Dnは5.3μm、Dv/Dnは1.19、外添剤の被覆率は43.0%であった。
<トナーの体積平均粒径Dv、個数平均粒径Dn、及び比(Dv/Dn)の測定>
トナーの体積平均粒径Dv、個数平均粒径Dn、及び比(Dv/Dn)は、コールターマルチサイザーIII型測定装置に、個数分布及び体積分布を出力するインターフェイス(日科技研株式会社製)を介して、PC−9801パーソナルコンピューター(NEC社製)を接続して、粒度分布の測定を行った。
具体的には、まず、電解液100mL〜150mL中に、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1mL〜5mL加えた。なお、電解液とは、1級塩化ナトリウムを用いて、1質量%の水溶液を調製したものであり、ISOTON−II(コールター社製)を使用した。
次に、試料を2mg〜20mg加えて懸濁させた後に、超音波分散機で1分間〜3分間分散させた。100μmアパーチャーを用いて、得られた分散液からトナーの体積及び個数を測定し、体積分布及び個数分布を算出した。
チャンネルとしては、2.00μm以上2.52μm未満;2.52μm以上3.17μm未満;3.17μm以上4.00μm未満;4.00μm以上5.04μm未満;5.04μm以上6.35μm未満;6.35μm以上8.00μm未満;8.00μm以上10.08μm未満;10.08μm以上12.70μm未満;12.70μm以上16.00μm未満;16.00μm以上20.20μm未満;20.20μm以上25.40μm未満;25.40μm以上32.00μm未満;32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
<平均円形度の測定>
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(「FPIA−2100」、シスメックス株式会社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−2100 Data Processing Program for FPIA version00−10)を用いて行った。
まず、ガラス製100mLビーカー内に10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩、ネオゲンSC−A、第一工業製薬株式会社製)を0.1mL〜0.5mL添加し、各トナー0.1g〜0.5g添加し、ミクロスパーテルでかき混ぜた。次いで、イオン交換水80mLを添加し、得られた分散液を超音波分散器(本多電子株式会社製)で3分間分散処理した後、前記分散液を、前記FPIA−2100を用いて濃度を5,000個/μL〜15,000個/μLが得られるまでトナーの形状及び分布を測定した。
<外添剤の被覆率の計算方法>
外添剤のトナー母体粒子に対する被覆率は、以下の式によって算出した。
<数式(1)>
被覆率(%)=(Dv×ρi×Wa)/(4×Da×ρa)×100
ただし、前記数式(1)中、Dvはトナーの体積平均粒径(μm)、Daはシリカ粒子を含む外添剤の一次粒子径(μm)、ρiはトナーの真比重(g/cm)、ρaは外添剤の真比重(g/cm)、Waはトナー母体粒子100質量部に対する外添剤の添加量を表す。
なお、外添剤が複数種類からなる場合には、個々の外添剤について一次平均粒径Da、真比重ρa、及び含有量Waを求め、個々の被覆率を算出し、これらを合計して全体の被覆率を求めた。
<<外添剤の一次平均粒径>>
外添剤の一次平均粒径の測定は、一次粒子を溶剤(テトラヒドロフラン(THF))に分散させた後、基板上で溶剤を除去して乾固させたサンプルを、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM、加速電圧:5kV〜8kV、観察倍率:8,000倍〜10,000倍)にて視野中の外添剤の粒子径の平均値を計測(計測した粒子数:100個)することにより求めた。
<<トナー母体粒子の体積平均粒径>>
前記トナーの体積平均粒径の測定と同様にして測定した。
<<真比重>>
前記トナー母体粒子及び前記外添剤の真比重は、ルシャテリエ比重瓶を用い、JIS−K−0061:92の5−2−1に準拠して測定した。
測定は、具体的には以下の手順で実施した。
(1)ルシャテリエ比重瓶に約250mLのエチルアルコールを入れ、メニスカスが目盛りの位置にくるように調整した。
(2)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0℃±0.2℃になったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取った(精度0.025mLとする)。
(3)試料約100.000gを量り取り、その質量をWとした。
(4)量り取った試料を比重瓶に入れ泡を除いた。
(5)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0℃±0.2℃になったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取った(精度0.025mLとする)。
前記(1)から(5)の操作を実施した後に、続いて、下記式(1)及び下記式(2)に基づいて真比重を算出した。
式(1):D=W/(L2−L1)
式(2):S=D/0.9982
ただし、前記式(1)及び前記式(2)中、Dは試料の密度(20℃)(g/cm)、Sは試料の比重(20℃)、Wは試料の見かけの質量(g)、L1は試料を比重瓶に入れる前の液温20℃におけるメニスカスの読み値(mL)、L2は試料を比重瓶に入れた後の液温20℃におけるメニスカスの読み値(20℃)(mL)を表し、前記式(2)中の定数「0.9982」は20℃における水の密度(g/cm)である。)
(トナーの製造例2)
<トナー2の作製>
トナーの製造例1において、疎水性シリカ(RY50、日本アエロジル株式会社製、平均一次粒径40nm、シリコーンオイル処理あり)の添加量を2.0質量部から0.5質量部に変更した以外は、トナーの製造例1と同様にして、トナー2を作製した。
得られたトナー2について、前記トナー1と同様にして、トナーの体積平均粒径Dv、個数平均粒径Dn、及び比(Dv/Dn)、平均円形度、及び被覆率を測定したところ、
平均円形度が0.974、体積平均粒径(Dv)が6.3μm、個数平均粒径(Dn)が5.3μm、Dv/Dnが1.19、外添剤の被覆率が10.7%であった。
Figure 2013195514
(実施例1)
下記のトナー、静電潜像担持体、クリーニングブレードを用い、下記のクリーニングブレードの感光体ドラム表面への押圧力、及びクリーニング角を備えた画像形成装置(Ricoh IPSiO SP C310、株式会社リコー製)を用い、耐久性試験を行った。結果を表4に示す。
<トナー>
前記トナーの製造例1で作製したトナー1を使用した。
<クリーニングブレード>
クリーニングブレードとして、厚みtが2.4mm、反発弾性係数が27%、JIS−A硬度が77度である弾性部材を、板金支持部材に自由長Lが8mm(t/L=0.3)となるように接着したクリーニングブレード3(表1参照)を用いた。
<静電潜像担持体>
静電潜像担持体としての感光体ドラムは、中心線平均表面粗さRaが0.025μmの前記作製した感光体2(表1参照)を用いた。
<クリーニングブレードの感光体ドラム表面への押圧力>
クリーニングブレードの感光体ドラム表面に対する押圧力が60N/mとなるように設定した。なお、クリーニングブレードの感光体ドラム表面に対する押圧力は、粉砕法によるトナーを使用した場合、一般に10N/m〜50N/mの範囲で用いられることが知られているが、今回それより高い60N/mで設定を行っている。これは今回使用するトナーが平均円形度0.97以上の球形トナーであり、粉砕法によるトナーに比べてブレードニップ内に侵入し易いことが知られていることから、より高い押圧力を発生させてクリーニングブレードを感光体ドラム表面に強固に密着しトナーの侵入を阻止することを可能にするためである。
ただし、トナーの通過阻止するために必要な押圧力は、トナー中の外添剤量や外添剤に処理されるシリコーンオイル量によってブレードニップ入り口に形成される外添剤の堆積層が増大させることで、より少ない押圧力でもクリーニング不良を抑えることが可能となっている。
実際、トナー中の外添剤の調整することで、従来の粉砕トナー使用時と同等の10N/m〜20N/m付近においてもクリーニングが可能であることを確認している。
このようにトナー中の外添剤の調整でクリーニングブレードの押圧力をより低く設定することにより、長期間に亘る使用状況下においても弾性部材や感光体ドラムに与える磨耗影響を抑制することも可能である。
<なす角度θ>
クリーニングブレードと静電潜像担持体表面との当接部分における接線とクリーニングブレードの端面とのなす角度θが78°となるように設定した。
以上の設定条件において、冬季想定環境(温度5℃〜10℃、湿度15%RH)下、以下のようにして、耐久性試験を行った。結果を表4に示す。
<耐久性試験>
耐久性評価は主に、材料硬化時のクリーニング及び感光体材料の磨耗変化とそれに伴うクリーニング性を評価するため、前記冬季想定環境を中心に行った。
耐久評価時の画像出力では、実際の市場での使用状況を考慮し、1回の出力指示で1枚ずつ出力することを繰り返して行い(4,000回)、出力一枚当りの画像印字面積率は1%相当のものを使用した。なお、耐久経時のクリーニング性の評価には、実際に出力される画像上にクリーニング不良による画像不良の発生の有無に加え、前記帯電ローラ表面に無色透明のテープ(キハラ社製、アメニティBコートブックテープ)を貼付した後に剥離し、テープ側に転写されたトナー汚れの有無を確認し、トナー汚れ発生箇所を色彩色差計(Minolta社製、CR−241)にて明度L*測定を行い、下記基準によりクリーニング性を評価した。
〔評価基準〕
○:L*≧85
△:80≦L*<85
×:L*<80
(実施例2)
実施例1において、トナー1を、前記作製したトナー2に代えた以外は、実施例1と同様にして、耐久性試験を行った。結果を表4に示す。
(比較例1)
実施例1において、クリーニングブレード3を、前記作製したクレーニングブレード5(表1参照)に代えた以外は、実施例1と同様にして、耐久性試験を行った。結果を表4に示す。
(比較例2)
実施例1において、クリーニングブレード3を、前記作製したクレーニングブレード2(表1参照)に代えた以外は、実施例1と同様にして、耐久性試験を行った。結果を表4に示す。
(比較例3)
実施例1において、感光体2を、前記作製した感光体6(表1参照)に代えた以外は、実施例1と同様にして、耐久性試験を行った。結果を表4に示す。
Figure 2013195514
なお、実施例1及び2では、顕著なスティックスリップ現象の発生が抑制され、結果として、耐久性評価結果が向上した
本発明としては、以下の態様が好ましい。
<1> 静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記静電潜像担持体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、前記静電潜像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを有する画像形成装置であって、
前記トナーが、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母体粒子と、少なくともシリカ粒子を含有する外添剤とを含み、かつ前記トナーの平均円形度が0.97以上であり、
前記クリーニング手段が、支持部材と、該支持部材に一端部が連結され、所定の長さの自由端部を有する平板状の弾性部材とからなるクリーニングブレードを有し、
前記クリーニングブレードが、前記弾性部材の自由端側の一端が前記静電潜像担持体表面に長手方向に沿って当接するように配置され、
前記クリーニングブレードの弾性部材のJIS−A硬度が70度以上であり、かつJIS K6255規格に準拠した反発弾性係数が23℃で35%以下であり、
前記静電潜像担持体のJIS B0601−2001規格に準拠した中心線平均表面粗さRaが0.05μm以下であることを特徴とする画像形成装置である。
<2> 下記数式(1)で表される、外添剤のトナー母体粒子に対する被覆率が15%〜100%である前記<1>に記載の画像形成装置である。
<数式(1)>
(Dv×ρi×Wa)/(4×Da×ρa)×100
ただし、前記数式(1)中、Dvはトナーの体積平均粒径(μm)、Daはシリカ粒子を含む外添剤の一次粒子径(μm)、ρiはトナーの真比重(g/cm)、ρaは外添剤の真比重(g/cm)、Waはトナー母体粒子100質量部に対する外添剤の添加量を表す。
<3> トナーの体積平均粒径が、2μm〜10μmである前記<1>から<2>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<4> 外添剤が、シリコーンオイルで疎水化処理されたシリカ粒子を含む前記<1>から<3>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<5> クリーニングブレードが静電潜像担持体表面に対して、10N/m〜100N/mの押圧力で当接する前記<1>から<4>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<6> クリーニングブレードと静電潜像担持体表面との当接部分における該静電潜像担持体表面に対する接線とクリーニングブレードの端面とのなす角度が65°以上85°以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<7> クリーニングブレードにおける弾性部材の平均厚みをtとし、支持部材の端部から前記弾性部材の自由端部までの距離をLとすると、次式、0.1≦t/L≦0.75を満たす前記<1>から<6>のいずれかに記載の画像形成装置である。
1k、1c、1m、1y 静電潜像担持体(感光体ドラム)
2k、2c、2m、2y 帯電手段
3k、3c、3m、3y 現像手段
4k、4c、4m、4y 転写手段
5k、5c、5m、5y クリーニング手段
51 クリーニングブレード
51a 弾性部材
51b 支持部材
100 画像形成装置
L 露光
特開平9−258474号公報 特許第2732697号公報 特開2003−307985号公報

Claims (7)

  1. 静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記静電潜像担持体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、前記静電潜像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを有する画像形成装置であって、
    前記トナーが、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母体粒子と、少なくともシリカ粒子を含有する外添剤とを含み、かつ前記トナーの平均円形度が0.97以上であり、
    前記クリーニング手段が、支持部材と、該支持部材に一端部が連結され、所定の長さの自由端部を有する平板状の弾性部材とからなるクリーニングブレードを有し、
    前記クリーニングブレードが、前記弾性部材の自由端側の一端が前記静電潜像担持体表面に長手方向に沿って当接するように配置され、
    前記クリーニングブレードの弾性部材のJIS−A硬度が70度以上であり、かつJIS K6255規格に準拠した反発弾性係数が23℃で35%以下であり、
    前記静電潜像担持体のJIS B0601−2001規格に準拠した中心線平均表面粗さRaが0.05μm以下であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 下記数式(1)で表される、外添剤のトナー母体粒子に対する被覆率が15%〜100%である請求項1に記載の画像形成装置。
    <数式(1)>
    被覆率(%)=(Dv×ρi×Wa)/(4×Da×ρa)×100
    ただし、前記数式(1)中、Dvはトナーの体積平均粒径(μm)、Daはシリカ粒子を含む外添剤の一次粒子径(μm)、ρiはトナーの真比重(g/cm)、ρaは外添剤の真比重(g/cm)、Waはトナー母体粒子100質量部に対する外添剤の添加量を表す。
  3. トナーの体積平均粒径が、2μm〜10μmである請求項1から2のいずれかに記載の画像形成装置。
  4. 外添剤が、シリコーンオイルで疎水化処理されたシリカ粒子を含む請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. クリーニングブレードが静電潜像担持体表面に対して、10N/m〜100N/mの押圧力で当接する請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. クリーニングブレードと静電潜像担持体表面との当接部分における該静電潜像担持体表面に対する接線とクリーニングブレードの端面とのなす角度が65°以上85°以下である請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. クリーニングブレードにおける弾性部材の平均厚みをtとし、支持部材の端部から前記弾性部材の自由端部までの距離をLとすると、次式、0.1≦t/L≦0.75を満たす請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置。
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