JP2007241166A - トナー及びその製造方法、並びに、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ及び画像形成方法 - Google Patents

トナー及びその製造方法、並びに、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】環境安定性、転写性、帯電性、及びクリーニング性が長期にわたり変化の少ない安定性に優れたトナー及びその製造方法、並びに該トナーを用いた現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】水系媒体中で造粒され、結着樹脂および着色剤を含むトナー母体粒子に対し3段階の乾式混合による処理工程を含む多段階処理工程によって得られたトナーであって、該3段階の処理工程は体積平均粒径が0.1〜3.0μmでありトナー母体粒子100質量部に対し、0.1〜3.0重量部の脂肪酸金属塩化合物を前記トナー母体に添加し混合してトナー表面に脂肪酸金属化合物を被覆する工程、引き続き帯電制御剤を添加し混合してトナー表面に帯電制御剤を固定化する工程、及び脂肪酸金属化合物および帯電制御剤以外の外添剤を添加し混合してこの外添剤を付着させる工程からなることを特徴とするトナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷等における静電荷像を現像するためのトナー及びその製造方法、該トナーを用いた現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、及び画像形成方法に関する。
電子写真装置や静電記録装置等においては、静電潜像担持体(以下、「感光体」、「電子写真感光体」、「光導電性絶縁体」と称することもある)上に形成された静電潜像にトナーを付着させ、それを記録媒体に転写し、次いで熱により記録媒体に定着させ、トナー画像を形成している。また、フルカラー画像形成は一般に黒、イエロー、マゼンタ、及びシアンの4色のトナーを用いて色の再現を行うものであり、各色について現像を行い、各トナー層を記録媒体上に重ね合わせたトナー像を加熱し、同時に定着することによって、フルカラー画像を得ている。
ところが、一般に印刷を見慣れたユーザーからすると、フルカラー複写機における画像は未だ満足できるレベルではなく、写真、印刷に迫る高精細性、高解像度を満足するさらなる高画質化が求められている。このような電子写真画像の高画質化には、小粒径でかつ狭い粒径分布を持つトナーが有効であることが知られている。
従来より、電気的潜像又は磁気的潜像は、トナーによって現像(可視像)化されている。この現像に使用されるトナーは、一般に、結着樹脂中に、着色剤、帯電制御剤、及びその他の添加剤を含有させた着色粒子である。このトナーの製造方法には、大別して粉砕法と重合法がある。前記粉砕法では、熱可塑性樹脂中に、着色剤、帯電制御剤、及びオフセット防止剤などを溶融混合して均一に分散させ、得られたトナー組成物を粉砕し、分級することによりトナーを製造している。
前記粉砕法によれば、ある程度優れた特性を有するトナーを製造することができるが、トナー用材料の選択には制限がある。例えば、溶融混合により得られるトナー組成物は、経済的に使用可能な装置により粉砕し、分級できるものでなければならない。かかる要請から、溶融混合した組成物は、充分に脆くせざるを得ない。このため、実際、前記トナー組成物を粉砕して粒子にする際に、高範囲の粒径分布が形成され易く、良好な解像度と階調性のある複写画像を得ようとすると、例えば、粒径5μm以下の微粉と20μm以上の粗粉を分級により除去しなければならず、収率が非常に低くなるという欠点がある。また、前記粉砕法では、着色剤や帯電制御剤などを熱可塑性樹脂中に均一に分散することが困難である。このような配合剤の不均一な分散は、トナーの流動性、現像性、耐久性、画像品質などに悪影響を及ぼすおそれがある。
近年、これらの粉砕法における問題点を解決するため、例えば、懸濁重合法により、トナー粒子を製造することが行われている(特許文献1参照)。しかし、前記懸濁重合法により得られるトナー粒子は球形であるが、クリーニング性に劣るという欠点がある。画像面積率の低い現像及び転写では転写残トナーが少なく、クリーニング不良が問題となることはないが、写真画像など画像面積率の高いもの、更には、給紙不良等で未転写の画像形成したトナーが感光体上に転写残トナーとして発生することがあり、蓄積すると画像の地汚れを発生してしまう。また、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまう。更に、低温定着性も十分でなく、定着に必要なエネルギーが多く必要となる。
一方、乳化重合法により得られる樹脂微粒子を会合させて不定形のトナー粒子を得る方法が開示されている(特許文献2参照)。しかし、この乳化重合法で得られるトナー粒子は、水洗浄工程を経ても、界面活性剤が、表面だけでなく、粒子内部にも多量に残存し、空気中の水分を呼び込んでしまうため、トナーの帯電の環境安定性を損ない、かつ帯電量分布を広げ、得られた画像の地汚れが不良となる。また、残存する界面活性剤により、感光体や帯電ローラ、現像ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能を発揮できなくなってしまうことがある。また、帯電性を制御するために帯電制御剤を用いる場合においても、トナー母体が持つ湿度や水分が帯電制御剤を劣化させ、帯電制御剤の能力を充分に発揮させることが出来なくなってしまうことがある。
また、熱ローラなどの加熱部材を使用して行われる接触加熱方式による定着工程において、加熱部材に対するトナー粒子の離型性(以下、「耐オフセット性」と称することがある)が要求される。ここで、耐オフセット性は、トナー粒子表面に離型剤を存在させることにより向上させることができる。これに対し、特許文献3及び特許文献4では、離型性樹脂微粒子をトナー粒子中に含有させるだけでなく、該樹脂微粒子がトナー粒子の表面に偏在していることにより、耐オフセット性を向上させる方法が提案されている。しかし、この提案では、定着下限温度が上昇し、低温定着性、即ち省エネルギー定着性が十分ではないという問題がある。
また、乳化重合法によって得られる結着剤樹脂微粒子を会合させて不定形のトナー粒子を得る方法では、下記のような問題を生じる。つまり耐オフセット性を向上させるために、離型剤微粒子を会合させる場合において、該離型剤微粒子がトナー粒子の内部に取り込まれてしまう。その結果、耐オフセット性の向上を十分に図ることができない。樹脂微粒子、離型剤微粒子、着色剤微粒子などがランダムに融着してトナー粒子が構成されるので、得られるトナー粒子間において組成(構成成分の含有割合)及び構成樹脂の分子量等にバラツキが発生する。その結果、トナー粒子間で表面特性が異なり、長期にわたり安定した画像を形成することができない。更に、低温定着が求められる低温定着システムにおいては、トナー表面に偏在する樹脂微粒子による定着阻害が発生し、定着温度幅を十分に確保できないという問題がある。
一方、溶解懸濁法(EA、Emulsion−Aggregation法)という新製法が最近提案されている(特許文献5参照)。この手法は、懸濁重合法がモノマーからトナー粒子を形成するのに対して、有機溶剤等に溶解したポリマーから造粒する手法で、樹脂の選択範囲の拡大や、極性の制御性等の利点をあげている。またトナー粒子の構造制御(コア/シェル構造制御)が可能という利点を挙げている。しかし、シェル構造は樹脂のみの層で顔料やワックスの表面への露出を低下させることを目的にしており、特に表面状態を工夫したわけではなく、またそのような構造にもなっていない(非特許文献1参照)。したがってシェル構造にはなっているがトナー表面は通常の樹脂で特に工夫はなく、より低温定着を目指した際には、耐熱保存性、環境帯電安定性の点で十分なものではなく問題である。
また、上記懸濁重合法、乳化重合法、及び溶解懸濁法(これら方法によるトナーは「ケミカルトナー」ともいう)は、いずれもスチレン・アクリル系の樹脂を用いることが一般的であり、ポリエステル系樹脂では粒子化に難があり粒径、粒度分布、形状制御が困難である。更に、より低温定着を目指した場合に定着性に限界がある。
また、耐熱保存性、及び低温定着を目的として、ウレア結合で変性されたポリエステルを使用することが提案されている(特許文献6参照)。しかし、この提案では、特にトナー粒子表面が工夫されたものでなく、より条件の厳しい環境帯電安定性の点で十分なものではなかった。
近時、電子写真の分野では、高画質化が様々な角度から検討されており、中でも、トナーの小径化及び球形化が極めて有効であるとの認識が高まっている。しかし、トナーの小径化が進むにつれて転写性、定着性が低下し、貧弱な画像となってしまう傾向が見られる。一方、トナーを球形化することにより転写性が改善されることが知られている(特許文献7)。このような状況の中、カラー複写機やカラープリンタの分野では、更に画像形成の高速化が望まれている。高速化のためには「タンデム方式」が有効である(特許文献8参照)。
前記「タンデム方式」は、画像形成ユニットによって形成された画像を転写ベルトに搬送される単一の転写紙上に順次重ね合わせて転写することにより転写紙上にフルカラー画像を得る方式である。タンデム方式のカラー画像形成装置は、使用可能な転写紙の種類が豊富であり、フルカラー画像の品質も高く、高速度でフルカラー画像を得ることができる、という優れた特質を備える。特に、高速度でフルカラー画像を得ることができるという特質は、他の方式のカラー画像形成装置にはない特有の性質である。
一方、球形トナーを用いて高画質化を図りつつ、高速化も達成しようという試みもなされている。例えば、ケミカルトナーのような球形トナーは、感光体上の現像トナー像が緻密に形成されることから、転写時の転写圧がトナー層に均等に印加されるため、粉砕法トナーに比べて、転写率、転写画像の中抜けなどの転写異常の発生が少ない。
しかし、経時の使用においては、粉砕トナーに比べ、トナーに転写性向上、流動性付与のために外添される流動性改質剤が、トナー表面に急速に埋没するため、転写性、流動性の変化が大きくなる。特に、画像面積の小さい、即ち、トナー消費量の少ない画像を連続して出力した場合など、使用経時でトナー中の外添剤が埋没し、流動性向上効果が得られなくなるため、転写性が変動したり、それに起因して画像上のムラが目立つという課題を有している。
また、ポリエステル樹脂等からなるトナー用樹脂バインダーは環境安定性が悪く、低温低湿での帯電量の上昇、高温高湿での帯電量低下等の問題を引き起こすことがある。更に、耐ブロッキング性、流動性向上効果を狙って外添剤として添加される疎水性シリカも環境安定性を悪化させ、帯電安定性の悪化、流動性の悪化、現像性を低下させて、画像の劣化を引き起こすことがある。
また、従来よりクリーニング性などの向上を目的として、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩をトナー母体粒子に外添させる提案が数多くなされている(特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、及び特許文献15参照)。しかし、これら提案は、トナー母体粒子に脂肪酸金属塩を粒子として外添させるものであり、一時的にクリーニング性の向上は望めるものの、脂肪酸金属化合物のトナーとの付着状態については言及されておらず、クリーニング性と環境安定性、転写性、帯電安定性との両立については十分満足できるものではない。
特許文献16には、機械的製法による粉砕トナーの負帯電特性のトナー母体粒子表面に、脂肪酸金属塩を外添処理して機械的衝撃力を付与/熱的表面処理を施し、さらにこの上に、正極帯電性を示す無機微粒子を外添処理するか、または、正極帯電性を示す無機微粒子及び負極帯電性を示す無機微粒子を外添処理することが記載されているが、このトナーは粉砕式トナーであって、トナー粒子の粒径分布、トナー粒子の球形度の点で難点があるだけでなく、より多くの熱履歴を経ている結果、液中から得られた良質な化学的バージントナーとは異なり、通常二律背反する環境安定性(保存時の耐凝集性や流動性、クリーニング性)と、シャープメルト性(カラー画像の光沢性)との双方を同時に満足し難く、また、耐ホットオフセット性(及び感光体フィルミング発生の防止能)を満足し難い。
特開平9−43909号公報 特許第2537503号公報 特開2000−292973号公報 特開2000−292978公報 特許第3141783号公報 特開平11−133667号公報 特開平9−258474号公報 特開平5−341617号公報 特開平4−212190号公報 特開平11−323396号公報 特開2000−89502号公報 特開2002−214823号公報 特開2003−140382号公報 特開2004−109632号公報 特開2004−326049号公報 特開2002−14488号公報 石山孝雄、外2名「新製法トナーの特徴と将来展望」(第4回 日本画像学会・静電気学会ジョイントシンポジウム(2000. 7.29))
従って、本発明は、前記要望に応え、従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、環境安定性向上、転写性向上、帯電安定性向上、及びクリーニング性向上を図ることができ、感光体フィルミングの発生を防止し、画像むらの変動がなく、また、使用時の現像剤撹拌によって環境安定性、転写性、帯電性、及びクリーニング性が長期にわたり変化の少ない安定性に優れたトナー及びその製造方法、並びに該トナーを用いた現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、及び画像形成方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下のとおりである。即ち、前記課題は、本発明の(1)「水系媒体中で造粒され、少なくとも結着樹脂および着色剤を含むトナー母体粒子に対し少なくとも3段階の乾式混合による処理工程を含む多段階処理工程によって得されたトナーであって、該3段階の処理工程は、1段階目としてレーザー回折粒度測定装置による体積平均粒径が0.1〜3.0μmでありトナー母体粒子100質量部に対し、0.1〜3.0重量部の脂肪酸金属塩化合物を前記トナー母体に添加し混合してトナー表面に脂肪酸金属化合物を被覆する工程、2段階目として該1段階目工程後の母体に帯電制御剤を添加し混合してトナー表面に帯電制御剤を固定化する工程、及び、3段階目として脂肪酸金属化合物および帯電制御剤以外の外添剤を添加し混合してこの外添剤を付着させる工程からなることを特徴とするトナー」、
(2)「前記脂肪酸金属化合物がステアリン酸亜鉛である前記第(1)項に記載のトナー」、
(3)「前記帯電制御剤がサリチル酸金属化合物である前記第(1)項または第(2)項に記載のトナー」、
(4)「前記帯電制御剤の添加量が前記トナー母体粒子100質量部に対し0.05〜2.0重量部である前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載のトナー」、
(5)「前記脂肪酸金属酸化物が微粒子であり、体積平均粒径が0.005μm〜1.0μmである前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載のトナー」、
(6)「前記水系媒体中での造粒工程が、トナー材料有機溶媒液を水系媒体中に乳化乃至分散させてトナーを造粒するものである前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載のトナー」、
(7)「前記トナー材料有機溶媒液が、トナー材料を有機溶媒に溶解乃至分散してなる溶解乃至分散液であり、前記水系媒体中での造粒工程が、造粒時乃至造粒後に該有機溶媒の除去処理を伴なうものであることを特徴とする前記第(6)項に記載のトナー」、
(8)「前記トナー材料が、活性水素基含有化合物と、活性水素基と反応可能な重合体とを少なくとも含み、前記造粒工程が、該活性水素基含有化合物と該活性水素基と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を生成しつつ該接着性基材を少なくとも含む粒子を得るものである前記第(6)または第(7)項に記載のトナー」によって達成される。
また、上記課題は、本発明の(9)「水系媒体中で造粒され少なくとも結着樹脂および着色剤を含むトナー母体粒子に対し少なくとも3段階の乾式混合による処理工程を含む多段階処理工程によってトナーを製造する方法であって、該3段階の処理工程は、1段階目としてレーザー回折粒度測定装置による体積平均粒径が0.1〜3.0μmでありトナー母体粒子100質量部に対し、0.1〜3.0重量部の脂肪酸金属塩化合物を添加し混合してトナー表面に脂肪酸金属化合物を被覆する工程、2段階目として該母体に帯電制御剤を添加し混合してトナー表面に帯電制御剤を固定化する工程、及び、3段階目として脂肪酸金属化合物および帯電制御剤以外の外添剤を添加し混合してこの外添剤を付着させる工程からなることを特徴とするトナー製造方法」、
(10)「前記脂肪酸金属化合物添加工程における混合速度が10m/s以上である前記第(9)項に記載のトナーの製造方法」、
(11)「前記帯電制御剤添加工程における混合速度が10m/s以上である前記第(9)項に記載のトナーの製造方法」によって達成される。
また、上記課題は、本発明の(12)「前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤」によって達成される。
また、上記課題は、本発明の(13)「前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載のトナーが充填されてなることを特徴とするトナー入り容器」によって達成される。
また、上記課題は、本発明の(14)「静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載のトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有することを特徴とするプロセスカートリッジ」によって達成される。
また、上記課題は、本発明の(15)「静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法」によって達成される。
本発明のトナーは、水系媒体中で造粒され、少なくとも結着樹脂および着色剤を含むトナー母体粒子に対し少なくとも3段階の乾式混合による処理工程を含む多段階処理工程によって得されたトナーであって、該3段階の処理工程は、1段階目としてレーザー回折粒度測定装置による体積平均粒径が0.1〜3.0μmでありトナー母体粒子100質量部に対し、0.1〜3.0重量部の脂肪酸金属塩化合物を前記トナー母体に添加し混合してトナー表面に脂肪酸金属化合物を被覆する工程、2段階目として該1段階目工程後の母体に帯電制御剤を添加し混合してトナー表面に帯電制御剤を固定化する工程、及び、3段階目として脂肪酸金属化合物および帯電制御剤以外の外添剤を添加し混合してこの外添剤を付着させる工程からなることを特徴とする結果、本発明は、環境安定性向上、帯電安定性向上、転写性向上、及びクリーニング性向上を図ることができ、感光体フィルミングの発生を防止し、画像むらの変動がなく、また、使用時の現像剤撹拌によって環境安定性、転写性、帯電性、及びクリーニング性が長期にわたり変化の少ない安定性に優れたトナーが得られ、高画質な画像を提供することができるという極めて優れた効果を発揮する。
懸濁重合法、乳化重合法、及び溶解懸濁法によって造粒されるケミカルトナーは一般に表面に界面活性剤が多く存在したり、特に表面の特性を調整したものではないため、トナー母体表面の親水性が高い性質を持つ。このような性質は環境から受ける水分の影響を顕著に受け、トナー母体表面の水分が高い状態を作り出すため、トナーの帯電特性を大きく低下させる。また、帯電制御剤はサリチル酸金属化合物に代表されるように金属塩の構造をもつものが多い。このような構造は水分により、その重要な機能である帯電特性が劣化する。このため、帯電制御剤をトナー母体表面に固定化、あるいは内添して一部露出することにより帯電特性を得ているトナーではトナー母体表面の高い親水性が呼び込んだ水分のために帯電制御剤が劣化し、充分な帯電特性を発揮できなくなる。これを改善するためにはトナー母体表面が高い疎水性を持つことが好ましい。脂肪酸金属化合物は高い疎水性と展性を有しており、物体の表面を被覆することで改質するために用いられているが、トナーのように微小な粒子に均一に被覆することは困難とされていた。本発明ではレーザー回折粒度測定装置による体積平均粒径が0.1〜3.0μmの脂肪酸金属化合物を用いることでトナー母体表面にも脂肪酸金属化合物を被覆することができトナー母体表面を疎水化できることを見出した。
トナー母体表面に脂肪酸金属化合物を被覆したトナーの帯電特性は脂肪酸金属化合物の帯電特性に支配されるようになる(脂肪酸金属化合物の帯電特性は低い)。トナー母体表面に脂肪酸金属化合物を被覆したトナーは、トナー母体表面が疎水化されているため、及び脂肪酸金属化合物の帯電特性が低いため、環境に対する帯電特性の変動は極めて小さいものとなるが、帯電量が低いものとなる。そこで、脂肪酸金属化合物を被覆したトナー母体表面に帯電制御剤を固定化することで高い帯電性を得ることができる。帯電制御剤は脂肪酸金属化合物で疎水化されたトナー母体表面に固定化されることで、空気中の水分により劣化することなく安定して機能することができる。このため、本発明により得られるトナーは高い帯電特性と環境安定性を同時に保有することができる。
トナー母体表面に対し脂肪酸金属化合物と帯電制御剤を同時に添加混合した場合においては脂肪酸金属化合物によって帯電制御剤の一部が被覆されるため、全ての帯電制御剤が機能を発揮することができず、その後脂肪酸金属化合物および帯電制御剤以外の外添剤を添加・付着させても得られたトナーは充分な帯電性を得られなくなる。また、帯電制御剤を脂肪酸金属化合物より先に添加し、固定した後に金属石鹸化合物でトナー母体表面を被覆した場合においては、固定化した帯電制御剤のほとんどが脂肪酸金属化合物によって被覆されるために、帯電制御剤はその機能を発揮できなくなるため、その後脂肪酸金属化合物および帯電制御剤以外の外添剤を添加・付着させて得られたトナーの帯電性は低いものとなり、これらを検討することにより、本発明のトナーであるか否かをおよそ判断することができ、また、後述の走査電子顕微鏡による表面観察等の他の適切な検討を加えることにより、さらに確実に判断することが可能となる。
本発明のトナーの製造方法は、前記のようなトナー母体粒子に対する前記多段階の処理工程を含む。この多段階処理工程のうち、前記乾式混合による3段階の処理工程は、1段階目として前記のような脂肪酸金属塩化合物を前記量比範囲で添加し混合してトナー表面に脂肪酸金属化合物を被覆する工程、2段階目として該母体に帯電制御剤を添加し混合してトナー表面に帯電制御剤を固定化する工程、及び、3段階目として脂肪酸金属化合物および帯電制御剤以外の外添剤を添加し混合してこの外添剤を付着させる工程からなる。前記多段階処理工程には、前記3段階の処理工程のほか、例えば、前記トナー表面に被覆された脂肪酸金属化合物をより固定するための機械的衝撃力を印加する工程や、これら各工程を経た後のトナーから過小粒径のもの、過大粒径のものを除去する風選分級工程を所望により含むことができる。本発明のトナーの製造方法によれば、脂肪酸金属化合物がトナー母体粒子表面に膜状に付着し、脂肪酸金属化合物の被膜を形成し、該被膜上に帯電制御剤が付着し、固定化され、更にその上に脂肪酸金属化合物および帯電制御剤以外の外添剤が付着したトナーを効率よく製造することができる。
本発明の現像剤は、前記本発明のトナーを含む。このため、該現像剤を用いて電子写真法により画像形成を行うと、感光体フィルミングの発生を防止し、画像むらの変動がない、高画質な画像が得られる。
本発明のトナー入り容器は、前記本発明のトナーを容器中に収容してなる。このため、該トナー入り容器に収容されたトナーを用いて電子写真法により画像形成を行うと、その結果、良好な転写性及びクリーニング性を長期にわたり維持することができ、感光体フィルミングの発生を防止し、画像むらの変動がなく、また、使用時の現像剤撹拌によって動性、及び帯電性が長期にわたり変化が少ない、高画質な画像が得られる。
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を前記本発明のトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有する。該プロセスカートリッジは、画像形成装置に着脱可能であり、利便性に優れ、また、前記本発明のトナーを用いるので、その結果、環境安定性に優れ、良好な転写性及びクリーニング性を長期にわたり維持することができ、感光体フィルミングの発生を防止し、画像むらの変動がなく、また、使用時の現像剤撹拌によって流動性、及び帯電性が長期にわたり変化が少ない、高画質な画像が得られる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を前記本発明のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む。該画像形成方法においては、前記静電潜像形成工程において、静電潜像担持体上に静電潜像が形成される。前記転写工程において、前記可視像が記録媒体に転写される。前記定着工程において、前記記録媒体に転写された転写像が定着される。その結果、環境安定性に優れ、良好な転写性及びクリーニング性を長期にわたり維持することができ、感光体フィルミングの発生を防止し、画像むらの変動がなく、また、使用時の現像剤撹拌によって流動性、及び帯電性が長期にわたり変化が少ない、高画質な電子写真画像が形成できる。
以下の詳細かつ具体的説明から明らかなように、本発明により、従来における問題を解決することができ、環境安定性向上、転写性向上、帯電安定性向上、及びクリーニング性の向上を図ることができ、感光体フィルミングの発生を防止し、画像むらの変動がなく、また、使用時の現像剤撹拌によって環境安定性、転写性、帯電性、及びクリーニング性が長期にわたり変化の少ない安定性に優れたトナー及びその製造方法、並びに該トナーを用いた現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、及び画像形成方法を提供することができるという極めて優れた効果を奏するものである。
[トナー]
本発明のトナーは、水系媒体中で造粒され少なくとも結着樹脂および着色剤を含むトナー母体粒子に対し少なくとも3段階の乾式混合による処理工程を含む多段階処理工程によって得されたトナーであって、該3段階の処理工程は、1段階目としてレーザー回折粒度測定装置による体積平均粒径が0.1〜3.0μmでありトナー母体粒子100質量部に対し、0.1〜3.0重量部の脂肪酸金属塩化合物を前記トナー母体に添加し混合してトナー表面に脂肪酸金属化合物を被覆する工程、2段階目として該1段階目工程後の母体に帯電制御剤を添加し混合してトナー表面に帯電制御剤を固定化する工程、及び、3段階目として脂肪酸金属化合物および帯電制御剤以外の外添剤を添加し混合してこの外添剤を付着させる工程からなることを特徴とする。
前記トナー表面に脂肪酸金属化合物を被覆する状態とはトナー母体粒子表面に脂肪酸金属化合物が粒子状で付着しているのではなく、脂肪酸金属化合物がトナー母体粒子表面に被膜を形成していることを意味する。なお、被膜はトナー母体粒子表面を完全に被覆していることが好ましいが、トナー母体粒子の一部が被覆されていない場合であっても構わない。
ここで、前記トナー表面に脂肪酸金属化合物を被覆する形成している状態は、例えば、走査電子顕微鏡(SEM:日立製作所製、S-4200)を用いて任意にトナー粒子を選び出し、そのトナー表面を観察するとトナー表面で被膜を形成している場合、粒子状の脂肪酸金属化合物は観察されず、トナー表面に層状に展ばされていることから観察することが出来る。
前記被覆前の脂肪酸金属化合物単体の体積平均粒径は0.1〜3.0μm以下が好ましく、0.1〜1.0μmがより好ましい。前記体積平均粒径が3.0μmを超えると、脂肪酸金属化合物を十分にトナー母体粒子に付着させることが不可能になる。0.1μm以下では脂肪酸金属化合物単体の製造が困難となる。ここで、前記脂肪酸金属化合物単体の体積平均粒径は、例えば、日機装のレーザー散乱粒度分布測定装置マイクロトラックUPAにより測定することができる。
前記脂肪酸金属化合物の添加量は、トナー母体粒子100質量部に対し0.1〜3.0質量部が好ましく、0.20〜2.0質量部がより好ましい。前記添加量が0.1質量部未満であると、満足な環境安定性、転写性、クリーニング性が得られなくなるとなることがあり、2.0質量部を超えると、トナーの定着性が悪化することがある。
前記脂肪酸金属化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、オレイン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ベヘニン酸亜鉛などが挙げられ、これらの中でも、十分な環境安定性が得られる点でステアリン酸亜鉛が特に好ましい。
前記帯電制御剤はトナーに充分な帯電性を与えるために使用される。トナー母体表面を脂肪酸金属化合物にて被覆されたトナーの帯電特性は被覆した脂肪酸金属化合物の帯電特性に支配されやすくなる。脂肪酸金属化合物の帯電特性は低いため、トナー母体表面を脂肪酸金属化合物にて被覆されたトナーは充分な帯電量を得られなくなる。このため、帯電制御剤を用いてトナーの帯電特性を調整する必要がある。また、サリチル酸金属化合物等に代表される有機金属塩構造は湿度や水分によって劣化する傾向がある。特に水媒体に分散させて造粒されたトナーでは表面の親水性が高く、空気中の水分を呼び込みやすく、トナー表面に存在する帯電制御剤を劣化させやすい。帯電制御剤を添加し固定化する前に、トナー母体を疎水性の高い脂肪酸金属化合物で被覆しているため、帯電制御剤は空気中の水分の影響を受けることなく安定して機能を発揮することができる。
前記帯電制御剤の添加量としては、帯電制御剤の能力により異なり、一概に規定することができないが、例えば、トナー母体粒子100質量部に対し、0.1〜2.0質量部が好ましく、0.2〜1.0質量部がより好ましい。添加量が、0.1質量部未満であると、帯電制御性が得られないことがあり、2.0質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができるが、有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましく、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属化合物、サリチル酸誘導体の金属塩、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。中でもサリチル酸金属化合物を好適に用いることができる。
前記帯電制御剤は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物、等が挙げられる。
前記脂肪酸金属塩および帯電制御剤以外の外添剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、無機微粒子、有機微粒子、などが挙げられるが、無機微粒子が特に好ましい。前記脂肪酸金属化合物以外の外添剤は、少なくとも1種を添加することが好ましく、1〜3種を添加することがより好ましい。
前記無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、これらを疎水化処理したもの、などが挙げられる。これらの中でも、シリカ、酸化チタン、疎水化処理された酸化チタンが特に好ましい。
前記シリカ微粒子としては、例えば、HDK H2000、HDK H2000/4、HDK H2050EP、HVK21、HDK H1303(いずれもヘキスト社製);R972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(いずれも日本アエロジル株式会社製)がある。
前記酸化チタン微粒子としては、例えば、P−25(日本アエロジル株式会社製);STT−30、STT−65C−S(いずれもチタン工業株式会社製);TAF−140(富士チタン工業株式会社製);MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(いずれもテイカ株式会社製)などがある。
前記疎水化処理された酸化チタン微粒子としては、例えば、T−805(日本アエロジル株式会社製);STT−30A、STT−65S−S(いずれもチタン工業株式会社製);TAF−500T、TAF−1500T(いずれも富士チタン工業株式会社製);MT−100S、MT−100T(いずれもテイカ株式会社製);IT−S(石原産業株式会社製)などがある。
前記疎水化処理された無機微粒子は、例えば、シリカ微粒子、チタニア微粒子、及びアルミナ微粒子などを、親水性の微粒子をメチルトリメトキシシランやメチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤で処理して得ることができる。また、シリコーンオイルを必要ならば熱を加えて無機微粒子に処理したシリコーンオイル処理酸化物微粒子、無機微粒子も好適である。
前記シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル、メタクリル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル等が使用できる。
前記無機微粒子の体積平均粒径は、0.005〜1.0μmが好ましく、0.01〜0.5μmがより好ましい。前記体積平均粒径が0.005μm未満であると無機微粒子がトナー母体に容易に埋没してしまい、それにより十分な流動性、帯電性を得られないとなることがあり、1.0μmを超えると十分な流動性を得られなくなるとなることがある。
前記有機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子、などが挙げられる。
[トナーの製造方法]
本発明のトナーの製造方法は、水系媒体中で造粒され少なくとも結着樹脂および着色剤を含むトナー母体粒子に対し脂肪酸金属化合物の粒子を用いる場合に、脂肪酸金属化合物添加工程と、帯電制御剤添加工程と外添剤添加工程とを含んでなり、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
[脂肪酸金属化合物添加工程]
前記脂肪酸金属化合物添加工程は、前記トナー母体粒子に対し脂肪酸金属化合物を添加し、混合してトナー表面に脂肪酸金属化合物を被覆させる工程である。
前記脂肪酸金属化合物の混合は、特に制限はなく、一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。この場合、混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよい。また、はじめに強い負荷を、次に、比較的弱い負荷を与えても良いし、その逆でもよい。使用できる混合設備としては、例えば、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。
前記脂肪酸金属化合物添加工程における混合速度は10m/s以上が好ましく、10〜150m/sがより好ましい。前記混合速度が10m/s未満であるとトナー間での摺擦が弱いため、脂肪酸金属化合物がトナー母体粒子を十分に付着させることができなくなることがある。
[帯電制御剤添加工程]
前記帯電制御剤添加工程は、該脂肪酸金属化合物を被覆したトナー母体粒子に対し帯電制御剤を添加し、混合してトナー表面に脂肪酸金属化合物を固定させる工程である。
この外添剤の混合は、上記脂肪酸化合物と同様にして行うことができる。
[外添剤添加工程]
前記外添剤添加工程は、該脂肪酸金属塩および帯電制御剤以外の外添剤を添加し、混合してトナー表面に外添剤を付着させる工程である。
この外添剤の混合は、上記脂肪酸化合物、帯電制御剤と同様にして行うことができる。
次いで、250メッシュ以上の篩を通過させ、粗大粒子、凝集粒子を除去し、トナーが得られる。
本発明のトナーは、材料などについては、上記条件を満たしていれば、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水系媒体中で油相を乳化、懸濁又は凝集させトナー母体粒子を形成させる、懸濁重合法、乳化重合法、ポリマー懸濁法等がある。
前記懸濁重合法は、油溶性重合開始剤、重合性単量体中に着色剤、離型剤等を分散し、界面活性剤、その他固体分散剤等が含まれる水系媒体中で後に述べる乳化法によって乳化分散する。その後重合反応を行い粒子化した後に、本発明におけるトナー粒子表面に無機微粒子を付着させる湿式処理を行えばよい。その際、余剰にある界面活性剤等を洗浄除去したトナー粒子に処理を施すことが好ましい。
前記重合性単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸又は無水マレイン酸などの酸類、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのアミノ基を有すアクリレート、メタクリレートなどを一部に用いることによってトナー粒子表面に官能基を導入できる。
また、使用する分散剤として酸基や塩基性基を有するものを選ぶことによって粒子表面に分散剤を吸着残存させ、官能基を導入することができる。
前記乳化重合法としては、水溶性重合開始剤、重合性単量体を水中で界面活性剤を用いて乳化し、通常の乳化重合の手法によりラテックスを合成する。別途着色剤、離型剤等を水系媒体中分散した分散体を用意し、混合の後にトナーサイズまで凝集させ、加熱融着させることによりトナーを得る。その後、後述する無機微粒子の湿式処理を行えばよい。ラテックスとして懸濁重合法に使用されうる単量体と同様なものを用いればトナー粒子表面に官能基を導入できる。
本発明においては、これらの中でも、樹脂の選択性が高く、低温定着性が高く、また、造粒性に優れ、粒径、粒度分布、形状の制御が容易であるため、前記トナーとしては、トナー材料有機溶媒液(トナー材料を有機溶媒に溶解乃至分散してなる液)を水系媒体中に乳化乃至分散させてトナーを造粒してなるものが好ましい。このトナー材料有機溶媒液は、トナー材料の溶解液乃至分散液であり、また、有機溶媒は、少なくとも1部が液状モノマー乃至液状オリゴマーであってもよい。
前記トナー材料の溶解液は、前記トナー材料を溶媒中に溶解させてなり、前記トナー材料の分散液は、前記トナー材料を溶媒中に分散させてなる。
前記トナー材料としては、活性水素基含有化合物と、活性水素基と反応可能な重合体(結着樹脂の前駆体(プレポリマー)、及びそれからの反応生成物である接着性基材)と、その余の結着樹脂と、離型剤と、着色剤とを反応させて得られる接着性基材などを少なくとも含み、更に必要に応じて、樹脂微粒子、帯電制御剤などのその他の成分を含む。
[接着性基材]
前記接着性基材は、紙等の記録媒体に対し接着性を示し、前記活性水素基含有化合物及び該活性水素基と反応可能な重合体を前記水系媒体中で反応させてなる接着性ポリマーを少なくとも含み、更に公知の結着樹脂から適宜選択した前記その余の結着樹脂(以下、単に「結着樹脂」ともいう)を含んでいてもよい。
前記接着性基材の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、1,000以上が好ましく、2,000〜10,000,000がより好ましく、3,000〜1,000,000が特に好ましい。
前記重量平均分子量が、1,000未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記接着性基材の貯蔵弾性率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、測定周波数20Hzにおいて10,000dyne/cmとなる温度(TG’)が、通常100℃以上であり、110〜200℃が好ましい。該(TG’)が100℃未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記接着性基材の粘性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、測定周波数20Hzにおいて1,000ポイズとなる温度(Tη)が、通常180℃以下であり、90〜160℃が好ましい。該(Tη)が180℃を超えると、低温定着性が悪化することがある。
したがって、耐ホットオフセット性と低温定着性との両立を図る観点から、前記(TG’)は前記(Tη)よりも高いことが好ましい。即ち、(TG’)と(Tη)との差(TG’−Tη)は0℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましく、20℃以上が更に好ましい。該差は大きければ大きいほどよい。
また、低温定着性と耐熱保存性との両立を図る観点からは、前記(TG’−Tη)は0〜100℃が好ましく、10〜90℃がより好ましく、20〜80℃が更に好ましい。
前記接着性基材の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ポリエステル系樹脂、などが特に好適に挙げられる。
前記ポリエステル系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ウレア変性ポリエステル系樹脂、などが特に好適に挙げられる。
前記ウレア変性ポリエステル系樹脂は、前記活性水素基含有化合物としてのアミン類(B)と、活性水素基と反応可能な重合体としてのイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)とを前記水系媒体中で反応させて得られる。
前記ウレア変性ポリエステル系樹脂は、ウレア結合のほかに、ウレタン結合を含んでいてもよく、この場合、該ウレア結合と該ウレタン結合との含有モル比(ウレア結合/ウレタン結合)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100/0〜10/90が好ましく、80/20〜20/80がより好ましく、60/40〜30/70が特に好ましい。
前記ウレア結合が10未満(10/90未満)であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記ウレア変性ポリエステル樹脂の好ましい具体例としては、以下(1)から(10)、即ち、(1)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物、(2)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(3)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(4)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(5)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーを、ヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(6)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(7)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをエチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(8)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物、(9)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸/ドデセニルコハク酸無水物の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(10)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をトルエンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物、等が好適に挙げられる。
(活性水素基含有化合物)
前記活性水素基含有化合物は、前記トナー材料有機溶媒液を分散した水系媒体中で、前記活性水素基と反応可能な重合体が伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
前記活性水素基含有化合物としては、活性水素基を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記活性水素基と反応可能な重合体が前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)である場合には、該イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)と伸長反応、架橋反応等の反応により高分子量化可能な点で、前記アミン類(B)が好適である。
前記活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基又はフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アミノ基、アルコール性水酸基、が特に好ましい。
前記アミン類(B)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、前記(B1)〜(B5)のアミノ基をブロックしたもの(B6)等、が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジアミン(B1)、ジアミン(B1)と少量の3価以上のポリアミン(B2)との混合物、が特に好ましい。
前記ジアミン(B1)としては、例えば、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、脂肪族ジアミン、等が挙げられる。該芳香族ジアミンとしては、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。該脂環式ジアミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等が挙げられる。該脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
前記3価以上のポリアミン(B2)としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、等が挙げられる。
前記アミノアルコール(B3)としては、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン、等が挙げられる。
前記アミノメルカプタン(B4)としては、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、等が挙げられる。
前記アミノ酸(B5)としては、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸、等が挙げられる。
前記(B1)〜(B5)のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば、前記(B1)〜(B5)のいずれかのアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物、等が挙げられる。
なお、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基と反応可能な重合体との伸長反応、架橋反応等を停止させるには、反応停止剤を用いることができる。該反応停止剤を用いると、前記接着性基材の分子量等を所望の範囲に制御することができる点で好ましい。該反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン等)、又はこれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)、などが挙げられる。
前記アミン類(B)と、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)との混合比率としては、前記イソシアネート基含有プレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、前記アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3〜3/1であるのが好ましく、1/2〜2/1であるのがより好ましく、1/1.5〜1.5/1であるのが特に好ましい。
前記混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3未満であると、低温定着性が低下することがあり、3/1を超えると、前記ウレア変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
(活性水素基と反応可能な重合体)
前記活性水素基と反応可能な重合体(以下「プレポリマー」と称することがある)としては、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を少なくとも有しているものであれば特に制限はなく、公知の樹脂等の中から適宜選択することができ、例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体樹脂、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、溶融時の高流動性、透明性の点で、ポリエステル樹脂が特に好ましい。
前記プレポリマーにおける前記活性水素基と反応可能な部位としては、特に制限はなく、公知の置換基等の中から適宜選択することができるが、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基、等が挙げられる。
これらは、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。これらの中でも、イソシアネート基が特に好ましい。
前記プレポリマーの中でも、高分子成分の分子量を調節し易く、乾式トナーにおけるオイルレス低温定着特性、特に定着用加熱媒体への離型オイル塗布機構のない場合でも良好な離型性及び定着性を確保できる点で、ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)であるのが特に好ましい。
前記ウレア結合生成基としては、例えば、イソシアネート基、等が挙げられる。前記ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)における該ウレア結合生成基が該イソシアネート基である場合、該ポリエステル樹脂(RMPE)としては、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)等が特に好適に挙げられる。
前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物であり、かつ前記活性水素基含有ポリエステル樹脂をポリイソシアネート(PIC)と反応させてなるもの、等が挙げられる。
前記ポリオール(PO)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール(DIO)、3価以上のポリオール(TO)、ジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合物、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記ジオール(DIO)単独、又は前記ジオール(DIO)と少量の前記3価以上のポリオール(TO)との混合物、等が好ましい。
前記ジオール(DIO)としては、例えば、アルキレングリコール、アルキレンエーテルグリコール、脂環式ジオール、脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、等が挙げられる。
前記アルキレングリコールとしては、炭素数2〜12のものが好ましく、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。前記アルキレンエーテルグリコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。前記脂環式ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、前記脂環式ジオールに対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。前記ビスフェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等が挙げられる。前記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、前記ビスフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物と炭素数2〜12のアルキレングリコールとの混合物が特に好ましい。
前記3価以上のポリオール(TO)としては、3〜8価又はそれ以上のものが好ましく、例えば、3価以上の多価脂肪族アルコール、3価以上のポリフェノール類、3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、等が挙げられる。
前記3価以上の多価脂肪族アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。前記3価以上のポリフェノール類としては、例えば、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。前記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、前記3価以上のポリフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。
前記ジオール(DIO)と前記3価以上のポリオール(TO)との混合物における、前記ジオール(DIO)と前記3価以上のポリオール(TO)との混合質量比(DIO:TO)としては、100:0.01〜10が好ましく、100:0.01〜1がより好ましい。
前記ポリカルボン酸(PC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジカルボン酸(DIC)、3価以上のポリカルボン酸(TC)、ジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸との混合物、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジカルボン酸(DIC)単独、又はDICと少量の3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物が好ましい。
前記ジカルボン酸としては、例えば、アルキレンジカルボン酸、アルケニレンジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、等が挙げられる。
前記アルキレンジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。前記アルケニレンジカルボン酸としては、炭素数4〜20のものが好ましく、例えば、マレイン酸、フマール酸等が挙げられる。前記芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8〜20のものが好ましく、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
前記3価以上のポリカルボン酸(TO)としては、3〜8価又はそれ以上のものが好ましく、例えば、芳香族ポリカルボン酸、等が挙げられる。
前記芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜20のものが好ましく、例えば、トリメリット酸、ピメリット酸等が挙げられる。
前記ポリカルボン酸(PC)としては、前記ジカルボン酸(DIC)、前記3価以上のポリカルボン酸(TC)、及び、前記ジカルボン酸(DIC)と前記3価以上のポリカルボン酸との混合物、から選択されるいずれかの酸無水物又は低級アルキルエステル物を用いることもできる。前記低級アルキルエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等が挙げられる。
前記ジカルボン酸(DIC)と前記3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物における前記ジカルボン酸(DIC)と前記3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合質量比(DIC:TC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、100:0.01〜10が好ましく、100:0.01〜1がより好ましい。
前記ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)とを重縮合反応させる際の混合比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記ポリオール(PO)における水酸基[OH]と、前記ポリカルボン酸(PC)におけるカルボキシル基[COOH]との当量比([OH]/[COOH])が、通常、2/1〜1/1であるのが好ましく、1.5/1〜1/1であるのがより好ましく、1.3/1〜1.02/1であるのが特に好ましい。
前記ポリオール(PO)の前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜20質量%が特に好ましい。
前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、トナーの耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記ポリイソシアネート(PIC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアヌレート類、これらのフェノール誘導体、オキシム、カプローラクタム等でブロックしたもの、などが挙げられる。
前記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。前記脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。前記芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ジフェニレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルジフェニル、3−メチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート等が挙げられる。前記芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。前記イソシアヌレート類としては、例えば、トリス−イソシアナトアルキル−イソシアヌレート、トリイソシアナトシクロアルキル−イソシアヌレート等が挙げられる。
これらは、1種単独でも使用することができ、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネート(PIC)と、前記活性水素基含有ポリエステル樹脂(例えば水酸基含有ポリエステル樹脂)とを反応させる際の混合比率としては、該ポリイソシアネート(PIC)におけるイソシアネート基[NCO]と、該水酸基含有ポリエステル樹脂における水酸基[OH]との混合当量比([NCO]/[OH])が、通常、5/1〜1/1であるのが好ましく、4/1〜1.2/1であるのがより好ましく、3/1〜1.5/1であるのが特に好ましい。
前記イソシアネート基[NCO]が、5を超えると、低温定着性が悪化することがあり、1未満であると、耐オフセット性が悪化することがある。
前記ポリイソシアネート(PIC)の前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜20質量%が更に好ましい。
前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)の1分子当たりに含まれるイソシアネート基の平均数としては、1以上が好ましく、1.2〜5がより好ましく、1.5〜4がより好ましい。
前記イソシアネート基の平均数が、1未満であると、前記ウレア結合生成基で変性されているポリエステル樹脂(RMPE)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記活性水素基と反応可能な重合体の重量平均分子量(Mw)としては、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量分布で、1,000〜30,000が好ましく、1,500〜15,000がより好ましい。該重量平均分子量(Mw)が、1,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあり、30,000を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による分子量分布の測定は、例えば、以下のようにして行うことができる。
即ち、まず、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させる。この温度でカラム溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度を0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のテトラヒドロフラン試料溶液を50〜200μl注入して測定する。前記試料における分子量の測定に当たっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。前記検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical Co.又は東洋ソーダ工業株式会社製の分子量が6×102、2.1×102、4×102、1.75×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、及び4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いることが好ましい。なお、前記検出器としてはRI(屈折率)検出器を用いることができる。
(結着樹脂)
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂等が挙げられるが、特に、未変性ポリエステル樹脂(変性されていないポリエステル樹脂)が好ましい。
前記未変性ポリエステル樹脂を前記トナー中に含有させると、低温定着性及び光沢性を向上させることができる。
前記未変性ポリエステル樹脂としては、前記ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂と同様のもの、即ちポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物、等が挙げられる。該未変性ポリエステル樹脂は、その一部が前記ウレア結合生成基含有ポリエステル系樹脂(RMPE)と相溶していること、即ち、互いに相溶可能な類似の構造であるのが、低温定着性、耐ホットオフセット性の点で好ましい。
前記未変性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量分布で、1,000〜30,000が好ましく、1,500〜15,000がより好ましい。前記重量平均分子量(Mw)が、1,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあるので、上述したように前記重量平均分子量(Mw)が1,000未満である成分の含有量は、8〜28質量%であることが必要である。一方、前記重量平均分子量(Mw)が30,000を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記未変性ポリエステル樹脂のガラス転移温度としては、通常30〜70℃であり、35〜70℃がより好ましく、35〜50℃が更に好ましく、35〜45℃が特に好ましい。前記ガラス転移温度が、30℃未満であると、トナーの耐熱保存性が悪化することがあり、70℃を超えると、低温定着性が不十分となることがある。
前記未変性ポリエステル樹脂の水酸基価としては、5mgKOH/gが以上が好ましく、10〜120mgKOH/gがより好ましく、20〜80mgKOH/gが更に好ましい。前記水酸基価が、5mgKOH/g未満であると、耐熱保存性と低温定着性とが両立し難くなることがある。
前記未変性ポリエステル樹脂の酸価としては、1.0〜50.0mgKOH/gが好ましく、1.0〜45.0mgKOH/gがより好ましく、15.0〜45.0mgKOH/gが更に好ましい。一般に前記トナーに酸価をもたせることによって負帯電性となり易くなる。
前記未変性ポリエステル樹脂を前記トナー材料に含有させる場合、活性水素基と反応可能な重合体(例えば、ウレア結合生成基含有ポリエステル系樹脂)と、該未変性ポリエステル樹脂との混合質量比(重合体/未変性ポリエステル樹脂)が、5/95〜80/20が好ましく、10/90〜25/75がより好ましい。
前記未変性ポリエステル樹脂(PE)の混合質量比が、95を超えると、耐ホットオフセット性が悪化し、耐熱保存性と低温定着性とが両立し難くなることがあり、20未満であると、光沢性が悪化することがある。
前記結着樹脂における前記未変性ポリエステル樹脂の含有量としては、例えば、50〜100質量%が好ましく、70〜95質量%がより好ましく、80〜90質量%が更に好ましい。該含有量が50質量%未満であると、低温定着性や画像の光沢性が悪化することがある。
[着色剤]
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトポン、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の前記トナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
前記含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィン、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン、等が挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、等が挙げられる。
前記マスターバッチは、前記マスターバッチ用樹脂と、前記着色剤とを高せん断力をかけて混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。このフラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶剤成分を除去する方法である。前記混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。
[その他の成分]
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、離型剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、等が挙げられる。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ワックス類、等が好適に挙げられる。
前記ワックス類としては、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトン、等が挙げられる。前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート等が挙げられる。前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等が挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミド等が挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミド等が挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトン等が挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワッックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワッックス、サゾールワックス等が挙げられる。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40〜160℃が好ましく、50〜120℃がより好ましく、60〜90℃が特に好ましい。
前記融点が、40℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
前記離型剤の溶融粘度としては、該ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、10〜100cpsがより好ましい。
前記溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
前記離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0〜40質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。
前記含有量が、40質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
[樹脂微粒子]
前記樹脂微粒子としては、水系媒体中で水性分散液を形成しうる樹脂であれば特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂でもよく、例えば、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂、などが挙げられるが、これらの中でも、ビニル系樹脂が特に好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、微細な球状の樹脂粒子の水性分散液が得られ易い点で、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種で形成されているのが好ましい。
なお、前記ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーであり、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、などが挙げられる。
また、前記樹脂微粒子としては、少なくとも2つの不飽和基を有する単量体を含んでなる共重合体を用いることもできる。
前記少なくとも2つの不飽和基を持つ単量体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(「エレミノールRS−30」;三洋化成工業株式会社製)、ジビニルベンゼン、1,6−ヘキサンジオールアクリレートなどが挙げられる。
前記樹脂微粒子は、目的に応じて適宜選択した公知の方法に従って重合させることにより得ることができるが、該樹脂微粒子の水性分散液として得るのが好ましい。該樹脂微粒子の水性分散液の調製方法としては、例えば、(1)前記ビニル樹脂の場合、ビニルモノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法及び分散重合法から選択されるいずれかの重合反応により、直接、樹脂微粒子の水性分散液を製造する方法、(2)前記ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液を適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱、又は硬化剤を添加して硬化させて、樹脂微粒子の水性分散体を製造する方法、(3)前記ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液(液体であることが好ましい。加熱により液状化してもよい)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法、(4)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、(5)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を得た後、該樹脂微粒子を適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、(6)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に貧溶剤を添加するか、又は予め溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、次に溶剤を除去して樹脂粒子を得た後、該樹脂粒子を適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、(7)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱又は減圧等によって溶剤を除去する方法、(8)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法、などが好適に挙げられる。
前記トナーとしては、例えば、公知の懸濁重合法、乳化凝集法、乳化分散法、などにより製造されるトナーが挙げられるが、活性水素基含有化合物と、活性水素基と反応可能な重合体とを含む前記トナー材料を有機溶剤中に含むトナー材料有機溶媒液(前記のように、トナー材料を有機溶媒に溶解乃至分散してなる液)を調製した後、該トナー材料有機溶媒液を水系媒体中に分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られるトナーが好適に挙げられる。
[トナー材料有機溶媒液]
前記トナー材料有機溶媒液の調製は、前記トナー材料を前記有機溶剤に溶解させることにより行う。
[有機溶剤]
前記有機溶剤としては、前記トナー材料を溶解乃至分散可能な溶媒であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除去の容易性の点で沸点が150℃未満の揮発性のものが好ましく、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、等が挙げられる。これらの中でも、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、等が好ましく、酢酸エチルが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶剤の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記トナー材料100質量部に対し、40〜300質量部が好ましく、60〜140質量部がより好ましく、80〜120質量部が更に好ましい。
[分散液]
前記分散液の調製は、前記トナー材料有機溶媒液を水系媒体中に分散させることにより行う。
前記トナー材料有機溶媒液を前記水系媒体中に分散させると、該水系媒体中に、前記トナー材料有機溶媒液を分散してなる分散体(油滴)が形成される。
(水系媒体)
前記水系媒体としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、水、該水と混和可能な溶剤、これらの混合物、などが挙げられるが、これらの中でも、水が特に好ましい。
前記水と混和可能な溶剤としては、前記水と混和可能であれば特に制限はなく、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類、などが挙げられる。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等が挙げられる。前記低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記トナー材料有機溶媒液は、前記水系媒体中で攪拌しながら分散させるのが好ましい。
前記分散の方法としては特に制限はなく、公知の分散機等を用いて適宜選択することができ、該分散機としては、例えば、低速せん断式分散機、高速剪断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機、などが挙げられる。これらの中でも、前記分散体(油滴)の粒径を2〜20μmに制御することができる点で、高速剪断式分散機が好ましい。
前記高速剪断式分散機を用いた場合、回転数、分散時間、分散温度などの条件については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記回転数としては、1,000〜30,000rpmが好ましく、5,000〜20,000rpmがより好ましく、前記分散時間としては、バッチ方式の場合は、0.1〜5分が好ましく、前記分散温度としては、加圧下において0〜150℃が好ましく、40〜98℃がより好ましい。なお、前記分散温度は高温である方が一般に分散が容易である。
前記トナーの製造方法の一例として、前記接着性基材を粒子状に生成させてトナーを得る方法を以下に示す。
前記接着性基材を粒子状に生成させてトナーを造粒する方法においては、例えば、水系媒体相の調製、前記トナー材料有機溶媒液の調製、前記分散液の調製、前記水系媒体の添加、その他(前記活性水素基と反応可能な重合体(プレポリマー)の合成、前記活性水素基含有化合物の合成等)を行う。
前記水系媒体相の調製は、例えば、前記樹脂微粒子を前記水系媒体に分散させることにより行うことができる。該樹脂微粒子の該水系媒体中の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.5〜10質量%が好ましい。
前記トナー材料有機溶媒液の調製は、前記有機溶剤中に、前記活性水素基含有化合物、前記活性水素基と反応可能な重合体、前記着色剤、前記離型剤、前記未変性ポリエステル樹脂等のトナー材料を、溶解乃至分散させることにより行うことができる。また、トナー表面から1μm以内に無機酸化物粒子含有層を形成するため、シリカ、チタニア、アルミナ等の無機酸化物粒子を添加する。
なお、前記トナー材料の中で、前記活性水素基と反応可能な重合体(プレポリマー)以外の成分は、前記水系媒体相調製において、前記樹脂微粒子を前記水系媒体に分散させる際に該水系媒体中に添加混合してもよいし、あるいは、前記トナー材料有機溶媒液を前記水系媒体相に添加する際に、該トナー材料有機溶媒液と共に前記水系媒体相に添加してもよい。
前記分散液の調製は、先に調製した前記トナー材料有機溶媒液を、先に調製した前記水系媒体相中に乳化乃至分散させることにより行うことができる。そして、該乳化乃至分散の際、前記活性水素基含有化合物と前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを伸長反応乃至架橋反応させると、前記接着性基材が生成する。
前記接着性基材(例えば、前記ウレア変性ポリエステル樹脂)は、例えば、(1)前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))を含む前記トナー材料有機溶媒液を、前記活性水素基含有化合物(例えば、前記アミン類(B))と共に、前記水系媒体相中に乳化乃至分散させ、分散体を形成し、該水系媒体相中で両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよく、(2)前記トナー材料有機溶媒液を、予め前記活性水素基含有化合物を添加した前記水系媒体中に乳化乃至分散させ、分散体を形成し、該水系媒体相中で両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよく、あるいは(3)前記トナー材料有機溶媒液を、前記水系媒体中に添加混合させた後で、前記活性水素基含有化合物を添加し、分散体を形成し、該水系媒体相中で粒子界面から両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよい。なお、前記(3)の場合、生成するトナー表面に優先的に変性ポリエステル樹脂が生成され、該トナー粒子において濃度勾配を設けることもできる。
前記乳化乃至分散により、前記接着性基材を生成させるための反応条件としては、特に制限はなく、前記活性水素基と反応可能な重合体と、前記活性水素基含有化合物との組合せに応じて適宜選択することができ、反応時間としては、10分間〜40時間が好ましく、2時間〜24時間がより好ましく、反応温度としては、0〜150℃が好ましく、40〜98℃がより好ましい。
前記水系媒体相中において、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基と反応可能な重合体(例えば、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))を含む前記分散体を安定に形成する方法としては、例えば、前記水系媒体相中に、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基と反応可能な重合体(例えば、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))、前記着色剤、前記離型剤、前記未変性ポリエステル樹脂等の前記トナー材料を前記有機溶剤に溶解乃至分散させて調製した前記トナー材料有機溶媒液を添加し、剪断力により分散させる方法、等が挙げられる。なお、前記分散の方法の詳細は上述した通りである。
前記分散液の調製においては、必要に応じて、前記分散体(前記トナー材料有機溶媒液からなる油滴)を安定化させ、所望の形状を得つつ粒度分布をシャープにする観点から、分散剤を用いることが好ましい。
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
前記界面活性剤としては、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、等が挙げられる。
前記陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられ、フルオロアルキル基を有するものが好適に挙げられる。該フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(炭素数6〜11)オキシ]−1−アルキル(炭素数3〜4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(炭素数6〜8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11〜20)カルボン酸又はその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7〜13)又はその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4〜12)スルホン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6〜16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。該フルオロアルキル基を有する界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子株式会社製);フローラドFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M株式会社製);ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業株式会社製);メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ化学工業株式会社製);エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−100、F150(ネオス社製)等が挙げられる。
前記陽イオン界面活性剤としては、例えば、アミン塩型界面活性剤、四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤等が挙げられる。前記アミン塩型界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等が挙げられる。前記四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。該陽イオン界面活性剤の中でも、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級又は三級アミン酸、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10個)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、などが挙げられる。該カチオン界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−121(旭硝子株式会社製);フローラドFC−135(住友3M株式会社製);ユニダインDS−202(ダイキン工業株式会社製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ化学工業株式会社製);エクトップEF−132(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−300(ネオス社製)等が挙げられる。
前記非イオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等が挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等が挙げられる。
前記難水溶性の無機化合物分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト、等が挙げられる。
前記高分子系保護コロイドとしては、例えば、酸類、水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、アミド化合物又はこれらのメチロール化合物、クローライド類、窒素原子若しくはその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン系、セルロース類、等が挙げられる。
前記酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。前記水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等が挙げられる。前記ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類としては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等が挙げられる。前記ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。前記アミド化合物又はこれらのメチロール化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド酸、又はこれらのメチロール化合物、などが挙げられる。前記クローライド類としては、例えば、アクリル酸クローライド、メタクリル酸クローライド等が挙げられる。前記窒素原子若しくはその複素環を有するもの等ホモポリマー又は共重合体としては、例えば、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等が挙げられる。前記ポリオキシエチレン系としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等が挙げられる。前記セルロース類としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
前記分散液の調製においては、必要に応じて分散安定剤を用いることができる。
該分散安定剤としては、例えば、リン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに溶解可能なもの等が挙げられる。
該分散安定剤を用いた場合は、塩酸等の酸によりリン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する方法、酵素により分解する方法等によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去することができる。
前記分散液の調製においては、前記伸長反応乃至前記架橋反応の触媒を用いることができる。該触媒としては、例えば、ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート、等が挙げられる。
得られた分散液(乳化スラリー)から、有機溶剤を除去する。該有機溶剤の除去は、(1)反応系全体を徐々に昇温させて、前記油滴中の前記有機溶剤を完全に蒸発除去する方法、(2)乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の非水溶性有機溶剤を完全に除去してトナー微粒子を形成し、併せて水系分散剤を蒸発除去する方法、等が挙げられる。
前記有機溶剤の除去が行われると、トナー粒子が形成される。該トナー粒子に対し、洗浄、乾燥等を行うことができ、更にその後、所望により分級等を行うことができる。該分級は、例えば、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができ、乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよい。
こうして、得られたトナー粒子を、前記着色剤、離型剤、等の粒子と共に混合したり、更に機械的衝撃力を印加することにより、該トナー粒子の表面から該離型剤等の粒子が脱離するのを防止することができる。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、例えば、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し加速させて粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法、等が挙げられる。この方法に用いる装置としては、例えば、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業株式会社製)、自動乳鉢、等が挙げられる。
前記トナーは、以下のような、体積平均粒径(Dv)、体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn)、平均円形度、などを有していることが好ましい。
前記トナーの体積平均粒径(Dv)としては、例えば、3〜8μmが好ましく、4〜7がより好ましく、5〜6が更に好ましい。ここで、体積平均粒径は、Dv=〔(Σ(nD3)/Σn)1/3(式中、nは粒子個数、Dは粒子径である)と定義される。
前記体積平均粒径が、3μm未満であると、二成分現像剤では現像器における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、8μmを超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記トナーにおける体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)としては、例えば、1.25以下が好ましく、1.00〜1.20がより好ましく、1.10〜1.20が更に好ましい。
前記体積平均粒径と個数平均粒径との比(Dv/Dn)が、1.25以下であると、前記トナーの粒度分布が比較的シャープであり、定着性が向上するが、1.00未満であると、二成分現像剤では現像器における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させたり、クリーニング性を悪化させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、1.20を超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記体積平均粒径、及び、前記体積平均粒径と個数平均粒子径との比(Dv/Dn)は、例えば、ベックマン・コールター社製の粒度測定器「マルチサイザーII」を用いて測定することができる。
前記平均円形度は、前記トナーの形状と投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値であり、例えば、0.900〜0.98が好ましく、0.940〜0.98がより好ましい。
前記平均円形度が、0.900未満であると、球形から離れた不定形の形状のトナーとなり、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがあり、0.98を超えると、ブレードクリーニングなどを採用している画像形成システムでは、感光体上及び転写ベルトなどのクリーニング不良が発生し、画像上の汚れ、例えば、写真画像等の画像面積率の高い画像形成の場合において、給紙不良等で未転写の画像を形成したトナーが感光体上に転写残トナーとなって蓄積した画像の地汚れが発生してしまうことがあり、あるいは、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまうことがある。
前記平均円形度は、例えば、トナーを含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法などにより計測することができ、例えば、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100(シスメックス社製)等を用いて計測することができる。
前記トナーの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーから選択される少なくとも1種とすることができ、各色のトナーは前記着色剤の種類を適宜選択することにより得ることができるが、カラートナーであるのが好ましい。
[現像剤]
本発明の現像剤は、本発明の前記トナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンター等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
本発明の前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像器の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。また、本発明の前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像器における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
[キャリア]
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の粒径としては、平均粒径(体積平均粒径(D50))で、10〜200μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。
前記平均粒径(体積平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミノ系樹脂としては、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。前記ポリビニル系樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。前記ポリスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂等が挙げられる。前記ハロゲン化オレフィン樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。前記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。
前記樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、該導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、などが挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径としては、1μm以下が好ましい。前記平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、などが挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記樹脂層の前記キャリアにおける量としては、0.01〜5.0質量%が好ましい。
前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記現像剤が前記二成分現像剤である場合、前記キャリアの該二成分現像剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90〜98質量%が好ましく、93〜97質量%がより好ましい。
二成分系現像剤のトナーとキャリアの混合割合は、一般にキャリア100質量部に対しトナー1〜10.0質量部である
本発明の現像剤は、本発明の前記トナーを含有しているので、感光体フィルムミングの発生を防止し、画像むらの変動がなく、優れた鮮明な高画質な画像を安定に形成することができる。
本発明の現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができ、以下の本発明のトナー入り容器、プロセスカートリッジ、及び画像形成方法に特に好適に用いることができる。
[トナー入り容器]
本発明のトナー入り容器は、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を容器中に収容してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー容器本体とキャップとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記トナー容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状などが好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるトナーが排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、などが特に好ましい。
前記トナー容器本体の材質としては、特に制限はなく、寸法精度がよいものが好ましく、例えば、樹脂が好適に挙げられ、その中でも、例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、などが好適に挙げられる。
本発明のトナー入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述する本発明のプロセスカートリッジ、画像形成装置等に、着脱可能に取り付けてトナーの補給に好適に使用することができる。
[プロセスカートリッジ]
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択した、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段などのその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する静電潜像担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
本発明のプロセスカートリッジは、各種電子写真装置、ファクシミリ、プリンターに着脱自在に備えさせることができ、後述する画像形成装置に着脱自在に備えさせるのが好ましい。
ここで、前記プロセスカートリッジは、例えば、図1に示すように、感光体(101)を内蔵し、他に帯電手段(102)、現像手段(104)、クリーニング手段(107)を含み、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。図1のプロセスカートリッジ例では、現像済みの感光体(101)上のトナー像を、受像紙(105)に転写するための転写手段(108)を有している。
前記感光体(101)としては、上述したようなものを用いることができる。
露光手段(103)には、高解像度で書き込みが行うことのできる光源が用いられる。
帯電手段(102)には、任意の帯電部材が用いられる。
[画像形成装置及び画像形成方法]
画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明の画像形成方法は、画像形成装置により好適に実施することができ、前記静電潜像形成工程は前記静電潜像形成手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
[静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段]
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(「光導電性絶縁体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記アモルファスシリコン感光体としては、例えば、支持体を50℃〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法によりa−Siからなる光導電層を有する感光体(以下、「a−Si系感光体」と称することがある)を用いることができる。これらの中でも、プラズマCVD法、即ち、原料ガスを直流又は高周波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa−Si堆積膜を形成する方法が好適である。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記帯電部材の形状としてはローラの他にも、磁気ブラシ、ファーブラシ等、どのような形態をとってもよく、電子写真装置の仕様や形態にあわせて選択可能である。磁気ブラシを用いる場合、磁気ブラシは例えばZn−Cuフェライト等、各種フェライト粒子を帯電部材として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。又はブラシを用いる場合、例えば、ファーブラシの材質としては、カーボン、硫化銅、金属又は金属酸化物により導電処理されたファーを用い、これを金属や他の導電処理された芯金に巻き付けたり張り付けたりすることで帯電器とする。
前記帯電器は、もちろん上記のような接触式の帯電器に限定されるものではないが、帯電器から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られるので、接触式の帯電器を用いることが好ましい。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
[現像工程及び現像手段]
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明の前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられ、本発明の前記トナー入り容器を備えた現像器などがより好ましい。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、本発明の前記トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。該現像剤に含まれるトナーは、本発明の前記トナーである。
[転写工程及び転写手段]
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記中間転写体の静止摩擦係数は、0.1〜0.6が好ましく、0.3〜0.5がより好ましい。中間転写体の体積抵抗は数Ωcm以上10Ωcm以下であることが好ましい。体積抵抗を数Ωcm以上10Ωcm以下とすることにより、中間転写体自身の帯電を防ぐとともに、電荷付与手段により付与された電荷が該中間転写体上に残留しにくくなるので、二次転写時の転写ムラを防止できる。また、二次転写時の転写バイアス印加を容易にできる。
前記中間転写体の材質は、特に制限はなく、公知の材料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(1)ヤング率(引張弾性率)の高い材料を単層ベルトとして用いたものであり、PC(ポリカーボネート)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PAT(ポリアルキレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)/PAT(ポリアルキレンテレフタレート)のブレンド材料、ETFE(エチレンテトラフロロエチレン共重合体)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料、カーボンブラック分散の熱硬化性ポリイミド等が挙げられる。これらヤング率の高い単層ベルトは画像形成時の応力に対する変形量が少なく、特にカラー画像形成時にレジズレを生じにくいとの利点を有している。(2)上記のヤング率の高いベルトを基層とし、その外周上に表面層又は中間層を付与した2〜3層構成のベルトであり、これら2〜3層構成のベルトは単層ベルトの硬さに起因し発生するライン画像の中抜けを防止しうる性能を有している。(3)ゴム及びエラストマーを用いたヤング率の比較的低いベルトであり、これらのベルトは、その柔らかさによりライン画像の中抜けが殆ど生じない利点を有している。また、ベルトの幅を駆動ロール及び張架ロールより大きくし、ロールより突出したベルト耳部の弾力性を利用して蛇行を防止するので、リブや蛇行防止装置を必要とせず低コストを実現できる。
前記中間転写ベルトは、従来から弗素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等が使用されてきていたが、近年ベルトの全層や、ベルトの一部を弾性部材にした弾性ベルトが使用されてきている。樹脂ベルトを用いたカラー画像の転写は以下の課題がある。
カラー画像は通常4色の着色トナーで形成される。1枚のカラー画像には、1層から4層までのトナー層が形成されている。トナー層は1次転写(感光体から中間転写ベルトへの転写)や、2次転写(中間転写ベルトからシートへの転写)を通過することで圧力を受け、トナー同士の凝集力が高くなる。トナー同士の凝集力が高くなると文字の中抜けやベタ部画像のエッジ抜けの現象が発生しやすくなる。樹脂ベルトは硬度が高くトナー層に応じて変形しないため、トナー層を圧縮させやすく文字の中抜け現象が発生しやすくなる。
また、最近はフルカラー画像を様々な用紙、例えば和紙や意図的に凹凸を付けや用紙に画像を形成したいという要求が高くなってきている。しかし、平滑性の悪い用紙は転写時にトナーと空隙が発生しやすく、転写抜けが発生しやすくなる。密着性を高めるために2次転写部の転写圧を高めると、トナー層の凝縮力を高めることになり、上述したような文字の中抜けを発生させることになる。
弾性ベルトは次の目的で使用される。弾性ベルトは、転写部でトナー層、平滑性の悪い用紙に対応して変形する。つまり、局部的な凹凸に追従して弾性ベルトは変形するため、過度にトナー層に対して転写圧を高めることなく、良好な密着性が得られ文字の中抜けのない、平面性の悪い用紙に対しても均一性の優れた転写画像を得ることができる。
前記弾性ベルトの樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、フッ素系樹脂(ETFE,PVDF)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(例えば、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(例えば、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(例えば、シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上の組み合わせを使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではないことは当然である。
前記弾性材ゴム、エラストマーとしては、例えば、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDM、NBR、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、リコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム、熱可塑性エラストマー(例えば、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリウレア,ポリエステル系、フッ素樹脂系)等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上の組み合わせを使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではないことは当然である。
抵抗値調節用導電剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化錫、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物、導電性金属酸化物は、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したものでもよい。上記導電剤に限定されるものではないことは当然である。
表層材料、表層は弾性材料による感光体への汚染防止と、転写ベルト表面への表面摩擦抵抗を低減させてトナーの付着力を小さくしてクリーニング性、2次転写性を高めるものが要求される。例えばポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等の1種類あるいは2種類以上の組み合わせを使用し表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料、例えばフッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、2酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体、粒子を1種類あるいは2種類以上又は粒径が異なるものの組み合わせを分散させ使用することができる。また、フッ素系ゴム材料のように熱処理を行うことで表面にフッ素リッチな層を形成させ表面エネルギーを小さくさせたものを使用することもできる。
ベルトの製造方法は限定されるものではなく、例えば、回転する円筒形の型に材料を流し込みベルトを形成する遠心成型法、液体塗料を噴霧し膜を形成させるスプレイ塗工法、円筒形の型を材料の溶液の中に浸けて引き上げるディッピング法、内型,外型の中に注入する注型法、円筒形の型にコンパウンドを巻き付け,加硫研磨を行う方法等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、複数の製法を組み合わせてベルトを製造することが一般的である。
弾性ベルトとして伸びを防止する方法として、伸びの少ない芯体樹脂層にゴム層を形成する方法、芯体層に伸びを防止する材料を入れる方法等があるが、特定の製法に限定されるものではない。
伸びを防止する芯体層を構成する材料は、例えば、綿、絹、等の天然繊維;ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維,ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアセタール繊維、ポリフロロエチレン繊維、フェノール繊維等の合成繊維;炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維等の無機繊維;鉄繊維、銅繊維等の金属繊維からなる群より選ばれる1種あるいは2種以上の組み合わせ用いて、織布状又は糸状としたものも用いられる。もちろん上記材料に限定されるものではない。
糸は1本又は複数のフィラメントを撚ったもの、片撚糸、諸撚糸、双糸等、どのような撚り方であってもよい。また、例えば上記材料群から選択された材質の繊維を混紡してもよい。もちろん糸に適当な導電処理を施して使用することもできる。一方織布は、メリヤス織り等どのような織り方の織布でも使用可能であり、もちろん交織した織布も使用可能であり当然導電処理を施すこともできる。
芯体層を設ける製造方法は特に限定されるものではない、例えば、筒状に織った織布を金型等に被せ、その上に被覆層を設ける方法、筒状に織った織布を液状ゴム等に浸漬して芯体層の片面あるいは両面に被覆層を設ける方法、糸を金型等に任意のピッチで螺旋状に巻き付け、その上に被覆層を設ける方法等を挙げることができる。
弾性層の厚さは、弾性層の硬度にもよるが、厚すぎると表面の伸縮が大きくなり表層に亀裂の発生しやすくなる。又、伸縮量が大きくなることから画像に伸びちじみが大きくなること等から厚すぎる(およそ1mm以上)ことは好ましくない。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記電子写真用カラートナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
次に、画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の態様について、図2を参照しながら説明する。図2に示す画像形成装置(100)は、前記静電潜像担持体としての感光体ドラム(10)(以下「感光体(10)」という)と、前記帯電手段としての帯電ローラ(20)と、前記露光手段としての露光装置(30)と、前記現像手段としての現像器(40)と、中間転写体(50)と、クリーニングブレードを有する前記クリーニング手段としてのクリーニング装置(60)と、前記除電手段としての除電ランプ(70)とを備える。
中間転写体(50)は、無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3個のローラ(51)によって、矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ(51)の一部は、中間転写体(50)へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体(50)には、その近傍にクリーニングブレードを有するクリーニング装置(90)が配置されており、また、最終記録媒体としての転写紙(95)に現像像(トナー画像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な前記転写手段としての転写ローラ(80)が対向して配置されている。中間転写体(50)の周囲には、中間転写体(50)上のトナー画像に電荷を付与するためのコロナ帯電器(50a)が、該中間転写体(50)の回転方向において、感光体(10)と中間転写体(50)との接触部と、中間転写体(50)と転写紙(95)との接触部との間に配置されている。
現像器(40)は、前記現像剤担持体としての現像ベルト(41)と、現像ベルト(41)の周囲に併設したブラック現像ユニット(45K)、イエロー現像ユニット(45Y)、マゼンタ現像ユニット(45M)及びシアン現像ユニット(45C)とから構成されている。なお、ブラック現像ユニット(45K)は、現像剤収容部(42K)と現像剤供給ローラ(43K)と現像ローラ(44K)とを備えており、イエロー現像ユニット(45Y)は、現像剤収容部(42Y)と現像剤供給ローラ(43Y)と現像ローラ(44Y)とを備えており、マゼンタ現像ユニット(45M)は、現像剤収容部(42M)と現像剤供給ローラ(43M)と現像ローラ(44M)とを備えており、シアン現像ユニット(45C)は、現像剤収容部(42C)と現像剤供給ローラ(43C)と現像ローラ(44C)とを備えている。また、現像ベルト(41)は、無端ベルトであり、複数のベルトローラに回転可能に張架され、一部が感光体(10)と接触している。
図2に示す画像形成装置(100)において、例えば、帯電ローラ(20)が感光体ドラム(10)を一様に帯電させる。露光装置(30)が感光ドラム(10)上に像様に露光を行い、静電潜像を形成する。感光ドラム(10)上に形成された静電潜像を、現像器(40)からトナーを供給して現像してトナー画像を形成する。該トナー画像が、ローラ(51)から印加された電圧により中間転写体(50)上に転写(一次転写)され、更に転写紙(95)上に転写(二次転写)される。その結果、転写紙(95)上には転写像が形成される。なお、感光体(10)上の残存トナーは、クリーニング装置(60)により除去され、感光体(10)における帯電は除電ランプ(70)により一旦、除去される。
画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図3を参照しながら説明する。図3に示す画像形成装置(100)は、図2に示す画像形成装置(100)において、現像ベルト(41)を備えてなく、感光体(10)の周囲に、ブラック現像ユニット(45K)、イエロー現像ユニット(45Y)、マゼンタ現像ユニット(45M)及びシアン現像ユニット(45C)が直接対向して配置されていること以外は、図2に示す画像形成装置(100)と同様の構成を有し、同様の作用効果を示す。なお、図3においては、図2におけるものと同じものは同符号で示した。
画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施するタンデム型の電子写真装置(T)には、図4に示すように、各感光体(1)上の画像を転写装置(2)により、シート搬送ベルト(3)で搬送するシート(s)に順次転写する直接転写方式のものと、図5に示すように、各感光体(1)上の画像を1次転写装置(2)によりいったん中間転写体(4)に順次転写して後、その中間転写体(4)上の画像を2次転写装置(5)によりシート(s)に一括転写する間接転写方式のものとがある。転写装置(5)は転写搬送ベルトであるが,ローラ形状も方式もある。図4、図5中、符号(7)は定着手段(装置)を示す。
直接転写方式のものと、間接転写方式のものとを比較すると、前者は、感光体(1)を並べたタンデム型画像形成装置(T)の上流側に給紙装置(6)を、下流側に定着装置(7)を配置しなければならず、シート搬送方向に大型化する欠点がある。これに対し後者は、2次転写位置を比較的自由に設置することができる。給紙装置(6)、及び定着装置(7)をタンデム型画像形成装置(T)と重ねて配置することができ、小型化が可能となる利点がある。
また、前者は、シート搬送方向に大型化しないためには、定着装置(7)をタンデム型画像形成装置(T)に接近して配置することとなる。そのため、シート(s)がたわむことができる十分な余裕をもって定着装置(7)を配置することができず、シート(s)の先端が定着装置(7)に進入するときの衝撃(特に厚いシートで顕著となる)や、定着装置(7)を通過するときのシート搬送速度と,転写搬送ベルトによるシート搬送速度との速度差により、定着装置(7)が上流側の画像形成に影響を及ぼしやすい欠点がある。これに対し後者は、シート(s)がたわむことができる十分な余裕をもって定着装置(7)を配置することができるから、定着装置(7)がほとんど画像形成に影響を及ぼさないようにすることができる。
以上のようなことから、最近は、タンデム型電子写真装置の中の、特に間接転写方式のものが注目されてきている。
そして、この種のカラー電子写真装置では、図5に示すように、1次転写後に感光体(1)上に残留する転写残トナーを、感光体クリーニング装置(8)で除去して感光体1表面をクリーニングし、再度の画像形成に備えていた。また、2次転写後に中間転写体(4)上に残留する転写残トナーを、中間転写体クリーニング装置(9)で除去して中間転写体(4)表面をクリーニングし、再度の画像形成に備えていた。
図6に示すタンデム画像形成装置(100)は、タンデム型カラー画像形成装置である。タンデム画像形成装置(120)は、複写装置本体(150)と、給紙テーブル(200)と、スキャナ(300)と、原稿自動搬送装置(ADF)(400)とを備えている。
複写装置本体(150)には、無端ベルト状の中間転写体(50)が中央部に設けられている。そして、中間転写体(50)は、支持ローラ(14)、(15)及び(16)に張架され、図6中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ(15)の近傍には、中間転写体(50)上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置(17)が配置されている。支持ローラ(14)と支持ローラ(15)とにより張架された中間転写体(50)には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段(18)が対向して並置されたタンデム型現像器(120)が配置されている。タンデム型現像器(120)の近傍には、露光装置(21)が配置されている。中間転写体(50)における、タンデム型現像器(120)が配置された側とは反対側には、二次転写装置(22)が配置されている。二次転写装置(22)においては、無端ベルトである二次転写ベルト(24)が一対のローラ(23)に張架されており、二次転写ベルト(24)上を搬送される転写紙と中間転写体(50)とは互いに接触可能である。二次転写装置(22)の近傍には定着装置(25)が配置されている。
なお、タンデム画像形成装置(100)においては、二次転写装置(22)及び定着装置(25)の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置(28)が配置されている。
次に、タンデム型現像器(120)を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)(400)の原稿台(130)上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置(400)を開いてスキャナ(300)のコンタクトガラス(32)上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置(400)を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置(400)に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス(32)上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス(32)上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ(300)が駆動し、第1走行体(33)及び第2走行体(34)が走行する。このとき、第1走行体(33)により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体(34)におけるミラーで反射し、結像レンズ(35)を通して読取りセンサ(36)で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像情報は、タンデム型現像器(120)における各画像形成手段(18)(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各トナー画像が形成される。即ち、タンデム型現像器(120)における各画像形成手段(18)(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図7に示すように、それぞれ、感光体(10)(ブラック用感光体(10K)、イエロー用感光体(10Y)、マゼンタ用感光体(10M)及びシアン用感光体(10C))と、該感光体を一様に帯電させる帯電器(20a)と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記感光体を露光(図7中、(L))し、該感光体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光器と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー画像を形成する現像器(61)と、該トナー画像を中間転写体(50)上に転写させるための転写帯電器(62)と、感光体クリーニング装置(63)と、除電器(64)とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、支持ローラ(14)、(15)及び(16)により回転移動される中間転写体(50)上にそれぞれ、ブラック用感光体(10K)上に形成されたブラック画像、イエロー用感光体(10Y)上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用感光体(10M)上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用感光体(10C)上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体(50)上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙テーブル(200)においては、給紙ローラ(142)の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク(143)に多段に備える給紙カセット(144)の1つからシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ(145)で1枚ずつ分離して給紙路(146)に送出し、搬送ローラ(147)で搬送して複写機本体(150)内の給紙路(148)に導き、レジストローラ(49)に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ(150)を回転して手差しトレイ(53a)上のシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ(52)で1枚ずつ分離して手差し給紙路(53)に入れ、同じくレジストローラ(49)に突き当てて止める。なお、レジストローラ(49)は、一般には接地されて使用されるが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。
そして、中間転写体(50)上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ(49)を回転させ、中間転写体(50)と二次転写装置(22)との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置(22)により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体(50)上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置(17)によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成された前記シート(記録紙)は、二次転写装置(22)により搬送されて、定着装置(25)へと送出され、定着装置(25)において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該シート(記録紙)上に定着される。その後、該シート(記録紙)は、切換爪(55)で切り換えて排出ローラ(56)により排出され、排紙トレイ(57)上にスタックされ、あるいは、切換爪(55)で切り換えてシート反転装置(28)により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ(56)により排出され、排紙トレイ(57)上にスタックされる。
本発明の画像形成方法では、感光体フィルムミングの発生を防止し、画像むらの変動がなく、また、使用時の現像剤撹拌によって外添剤の埋没がない、環境安定性、転写性、帯電性、及びクリーニング性が長期にわたり変化の少ない安定性に優れたトナーを用いているので、高画質な画像を効率よく得られる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の例において、「部」及び「%」は、特に断りのない限り質量基準である。
[有機微粒子エマルションの合成]
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器中に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業株式会社製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、3800回転/分で30分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。これを加熱して、系内温度75℃まで昇温し4時間反応させた。更に、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃にて6時間熟成してビニル系樹脂(メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。これを[微粒子分散液1]とする。
得られた[微粒子分散液1]に含まれる微粒子の体積平均粒径を、レーザー光散乱法を用いた粒径分布測定装置(「LA−920」、堀場製作所製)により測定したところ、110nmであった。また、[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のガラス転移温度(Tg)は58℃であり、重量平均分子量(Mw)は13万であった。
[水相の調製]
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
[低分子ポリエステル1の合成]
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部、及びジブチルチンオキサイド2部を仕込み、常圧下、230℃にて7時間反応した。次いで、10〜15mmHgの減圧下で5時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で3時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。
得られた[低分子ポリエステル1]のガラス転移温度(Tg)は43℃、重量平均分子量(Mw)は6700、数平均分子量は2300、酸価は25であった。
[中間体ポリエステル1の合成]
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部、及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下、230℃にて7時間反応した。更に、10〜15mmHgの減圧下で5時間反応し、[中間体ポリエステル1]を得た。
得られた[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2200、重量平均分子量9700、ガラス転移温度(Tg)は54℃、酸価は0.5、水酸基価は52であった。
[プレポリマー1の合成]
次に、冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ、100℃にて5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。
得られた[プレポリマー1]の遊離イソシアネート質量%は、1.53%であった。
[ケチミンの合成]
撹拌棒、及び温度計の付いた反応容器中に、イソホロンジアミン170部、メチルエチルケトン75部を仕込み、50℃にて4時間半反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。
得られた[ケチミン化合物1]のアミン価は417であった。
[マスターバッチ(MB)1の調製]
水1200部、カーボンブラック(Printex35、デグサ社製)540部〔DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5〕、ポリエステル樹脂(三洋化成工業株式会社製、RS801)1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合した。得られた混合物を2本ロールを用いて110℃にて1時間混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕して、カーボンブラックマスターバッチを得た。これを[マスターバッチ1]とする。
[顔料及びワックス分散液1(油相)の調製]
撹拌棒、及び温度計の付いた反応容器中に、[低分子ポリエステル1]378部、カルナバワックス100部、及び酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間かけて30℃まで冷却した。次いで、反応容器に[マスターバッチ1]500部、及び酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合して溶解物を得た。これを[原料溶解液1]とする。
次に、[原料溶解液1]1324部を反応容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度:1kg/hr、ディスク周速度:6m/秒、0.5mmジルコニアビーズ充填量:80体積%、パス数:3回の条件で、カーボンブラック、ワックスの分散を行った。
次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部を加え、上記と同条件のビーズミルを用いてパス数:2回で、分散液を得た。これを[顔料及びワックス分散液1]とする。
得られた[顔料及びワックス分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
[乳化(乳化スラリー1の調製)]
[顔料及びワックス分散液1]749部、[プレポリマー1]115部、及び[ケチミン化合物1]2.9部を反応容器中に入れ、TKホモミキサー(特殊機化社製)を用いて5,000rpmで2分間混合した。その後、反応容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで25分間混合して、水系媒体分散液を得た。これを、[乳化スラリー1]とする。
[分散スラリー1の製造(脱有機溶媒)]
撹拌機、及び温度計の付いた反応容器中に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃にて8時間脱溶剤した後、45℃にて4時間熟成を行い、有機溶媒が留去された分散液を得た。これを[分散スラリー1]とする。
[洗浄及び乾燥(トナー母体粒子1の製造)]
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、以下のようにして、洗浄及び乾燥を行った。
(1)濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12000rpmで10分間)した後濾過した。
(2)(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3)(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12000rpmで10分間)した後濾過した。
(4)(3)の濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、対ケーキ固形分0.1%相当のフッ素系界面活性剤を溶解した水溶液を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12000rpmで10分間)した後濾過した。
(5)(4)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い、濾過ケーキを得た。
この濾過ケーキを循風乾燥機にて45℃にて48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子を得た。これを[トナー母体粒子1]とする。
得られた「トナー母体粒子1」について、以下のようにして、体積平均粒径(Dv)及び粒度分布(Dv/Dn)、平均円形度、及びBET比表面積を測定した。その結果、体積平均粒径(Dv)は5.8μm、粒度分布(Dv/Dn)は1.15、平均円形度は0.950、BET比表面積は2.60m/gであった。
<体積平均粒径(Dv)及び粒度分布(Dv/Dn)>
トナーの体積平均粒径及び粒度分布は、粒度測定器(「コールターカウンターTAII」;コールターエレクトロニクス社製)を用い、アパーチャー径が100μmの条件で測定した。これらの結果から(体積平均粒径/個数平均粒径)を算出した。
<平均円形度>
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(「FPIA−2100」;東亜医用電子株式会社製)を用いて計測した。具体的には、容器中に、予め不純固形物を除去した水100〜150mlに分散剤としての界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩)を0.1〜0.5ml添加し、更に、各トナーを0.1〜0.5g添加して分散させた。得られた分散液を超音波分散器(ホンダエレクトロニクス社製)で約1〜3分間分散処理して、分散液の濃度を3000〜1万個/μlとしてトナーの形状及び分布を測定した。これらの測定結果から平均円形度を算出した。
[脂肪酸金属化合物、帯電制御剤及び外添剤]
以下の実施例および比較例では、下記(1)〜(3)の脂肪酸金属化合物、下記の帯電制御剤及び下記(A)〜(C)のいずれかの外添剤を使用した。
それぞれの体積平均粒子径は日機装のレーザー散乱粒度分布測定装置マイクロトラックUPAにより測定した。また疎水化度は各粒子0.02gをイオン交換水50mlに浮かべ、メタノールを0.5ml/分の滴下速度で添加し、イオン交換水とメタノールが混合することにより極性が変化することで、粒子が沈殿して波長780nmの光線が遮蔽されることにより、光線の透過率が90%となる時のメタノールの体積%で示した。
<脂肪酸金属化合物>
(1)体積平均粒子径0.3μmのステアリン酸亜鉛
(2)体積平均粒子径1.0μmのステアリン酸亜鉛
(3)体積平均粒子径5.0μmのステアリン酸亜鉛
<帯電制御剤>
・体積平均粒子径(凝集状態) 6.5μmのサリチル酸亜鉛
<外添剤>
(A)ヘキサメチルジシラザンで表面処理された疎水化度65%、平均一次粒子径12nmの疎水性シリカ
(B)イソブチルトリメトキシシランにて表面処理された疎水化度65%、平均一次粒子径15nmの疎水性酸化チタン
(C)ヘキサメチルジシラザンで表面処理された疎水化度65%、平均一次粒子径120nmの疎水性シリカ
(実施例1)
[トナーAの作製]
作製した「トナー母体粒子1」100部に対し、前記脂肪酸金属化合物(1)を1.0部添加し、ヘンシェルミキサーにて周速33m/s条件の下、10分間混合した。これに、前記帯電制御剤を0.5部添加し、ヘンシェルミキサーにて周速33m/s条件の下、10分間混合した。これに、前記外添剤(A)を1.5部、前記外添剤(B)を0.5部、及び前記外添剤(C)を1.0部添加し、ヘンシェルミキサーにて周速33m/sの条件の下、5分間混合した。混合後の粉体を目開き100μmのメッシュに通過させ、粗大粉を取り除き、脂肪酸金属化合物、帯電制御剤及び無機微粒子を外添した[トナーA]を作製した。
前記脂肪酸金属化合物(1)を添加し、混合した後のトナー母体粒子について、走査型電子顕微鏡(SEM、日立製作所製、S-4200)を用いて観察したところ、脂肪酸金属化合物の皮膜がトナー母体表面に形成されていることが確認できた。
前記帯電制御剤を添加し、混合した後のトナー母体粒子について、走査型電子顕微鏡(SEM、日立製作所製、S-4200)を用いて観察したところ、トナー母体表面に形成された脂肪酸金属化合物皮膜の上に帯電制御剤が固定化されていることが確認できた。
また、[トナーA]について走査型電子顕微鏡(SEM、日立製作所製、S-4200)を用いて観察したところ、脂肪酸金属化合物で被覆されたトナー母体粒子表面に外添剤(A)および(B)および(C)が粒子状で被覆されていることを確認できた。
(実施例2)
[トナーBの作製]
作製した「トナー母体粒子1」100部に対し、前記脂肪酸金属化合物(2)を1.0部添加し、ヘンシェルミキサーにて周速33m/s条件の下、10分間混合した。これに、前記帯電制御剤を0.5部添加し、ヘンシェルミキサーにて周速33m/s条件の下、10分間混合した。これに、前記外添剤(A)を1.5部、前記外添剤(B)を0.5部、及び前記外添剤(C)を1.0部添加し、ヘンシェルミキサーにて周速33m/sの条件の下、5分間混合した。混合後の粉体を目開き100μmのメッシュに通過させ、粗大粉を取り除き、脂肪酸金属化合物、帯電制御剤及び無機微粒子を外添した[トナーB]を作製した。
前記脂肪酸金属化合物(2)を添加し、混合した後のトナー母体粒子について、走査型電子顕微鏡(SEM、日立製作所製、S-4200)を用いて観察したところ、脂肪酸金属化合物の皮膜がトナー母体表面に形成されていることが確認できた。
前記帯電制御剤を添加し、混合した後のトナー母体粒子について、走査型電子顕微鏡(SEM、日立製作所製、S-4200)を用いて観察したところ、トナー母体表面に形成された脂肪酸金属化合物皮膜の上に帯電制御剤が固定化されていることが確認できた。
また、[トナーB]について走査型電子顕微鏡(SEM、日立製作所製、S-4200)を用いて観察したところ、脂肪酸金属化合物で被覆されたトナー母体粒子表面に外添剤(A)および(B)および(C)が粒子状で被覆されていることを確認できた。
(実施例3)
[トナーCの作製]
作製した「トナー母体粒子1」100部に対し、前記脂肪酸金属化合物(1)を2.0部添加し、ヘンシェルミキサーにて周速33m/s条件の下、10分間混合した。これに、前記帯電制御剤を0.5部添加し、ヘンシェルミキサーにて周速33m/s条件の下、10分間混合した。これに、前記外添剤(A)を1.5部、前記外添剤(B)を0.5部、及び前記外添剤(C)を1.0部添加し、ヘンシェルミキサーにて周速33m/sの条件の下、5分間混合した。混合後の粉体を目開き100μmのメッシュに通過させ、粗大粉を取り除き、脂肪酸金属化合物、帯電制御剤及び無機微粒子を外添した[トナーC]を作製した。
前記脂肪酸金属化合物(1)を添加し、混合した後のトナー母体粒子について、走査型電子顕微鏡(SEM、日立製作所製、S-4200)を用いて観察したところ、脂肪酸金属化合物の皮膜がトナー母体表面に形成されていることが確認できた。
前記帯電制御剤を添加し、混合した後のトナー母体粒子について、走査型電子顕微鏡(SEM、日立製作所製、S-4200)を用いて観察したところ、トナー母体表面に形成された脂肪酸金属化合物皮膜の上に帯電制御剤が固定化されていることが確認できた。
また、[トナーC]について走査型電子顕微鏡[SEM、日立製作所製、S-4200)を用いて観察したところ、脂肪酸金属化合物で被覆されたトナー母体粒子表面に外添剤(A)および(B)および(C)が粒子状で被覆されていることを確認できた。
(比較例1)
[トナーDの作製]
作製した「トナー母体粒子1」100部に対し、前記帯電制御剤を0.5部添加し、ヘンシェルミキサーにて周速33m/s条件の下、10分間混合した。これに、前記外添剤(A)を1.5部、前記外添剤(B)を0.5部、及び前記外添剤(C)を1.0部添加し、ヘンシェルミキサーにて周速33m/sの条件の下、5分間混合した。混合後の粉体を目開き100μmのメッシュに通過させ、粗大粉を取り除き、帯電制御剤及び無機微粒子を外添した[トナーE]を作製した。
前記帯電制御剤を添加し、混合した後のトナー母体粒子について、走査型電子顕微鏡(SEM、日立製作所製、S-4200)を用いて観察したところ、トナー母体表面に帯電制御剤が固定化されていることが確認できた。
また、[トナーD]について走査型電子顕微鏡(SEM、日立製作所製、S-4200)を用いて観察したところ、トナー母体粒子表面に帯電制御剤が固定化され、外添剤(A)および(B)および(C)が粒子状で被覆されていることを確認できた。
(比較例2)
[トナーEの作製]
作製した「トナー母体粒子1」100部に対し、帯電制御剤を0.5部添加し、ヘンシェルミキサーにて周速33m/s条件の下、10分間混合した。これに、前記脂肪酸金属化合物(1)を2.0部添加し、ヘンシェルミキサーにて周速33m/s条件の下、10分間混合した。これに、前記外添剤(A)を1.5部、前記外添剤(B)を0.5部、及び前記外添剤(C)を1.0部添加し、ヘンシェルミキサーにて周速33m/sの条件の下、5分間混合した。混合後の粉体を目開き100μmのメッシュに通過させ、粗大粉を取り除き、脂肪酸金属化合物、帯電制御剤及び無機微粒子を外添した[トナーE]を作製した。
前記帯電制御剤を添加し、混合した後のトナー母体粒子について、走査型電子顕微鏡(SEM、日立製作所製、S-4200)を用いて観察したところ、帯電制御剤がトナー母体表面に固定されていることが確認できた。
前記脂肪酸金属化合物(1)を添加し、混合した後のトナー母体粒子について、走査型電子顕微鏡(SEM、日立製作所製、S-4200)を用いて観察したところ、トナー母体表面に固定された帯電制御剤の上に脂肪酸金属化合物皮膜が形成されていることが確認できた。
また、[トナーE]について走査型電子顕微鏡(SEM、日立製作所製、S-4200)を用いて観察したところ、帯電制御剤が固定化された上に脂肪酸金属化合物で被覆されたトナー母体粒子表面に外添剤(A)および(B)および(C)が粒子状で被覆されていることを確認できた。
(比較例3)
[トナーFの作製]
作製した「トナー母体粒子1」100部に対し、前記脂肪酸金属化合物(1)を1.0部および帯電制御剤を0.5部添加し、ヘンシェルミキサーにて周速33m/s条件の下、10分間混合した。これに、前記外添剤(A)を1.5部、前記外添剤(B)を0.5部、及び前記外添剤(C)を1.0部添加し、ヘンシェルミキサーにて周速33m/sの条件の下、5分間混合した。混合後の粉体を目開き100μmのメッシュに通過させ、粗大粉を取り除き、脂肪酸金属化合物、帯電制御剤及び無機微粒子を外添した[トナーF]を作製した。
前記脂肪酸金属化合物(1)と前記帯電制御剤を添加し、混合した後のトナー母体粒子について、走査型電子顕微鏡(SEM、日立製作所製、S-4200)を用いて観察したところ、帯電制御剤がトナー母体表面に固定され一部が脂肪酸金属化合物で被覆されていることが確認できた。
また、[トナーF]について走査型電子顕微鏡(SEM、日立製作所製、S-4200)を用いて観察したところ、帯電制御剤が固定化された上に脂肪酸金属化合物で被覆されたトナー母体粒子表面に外添剤(A)および(B)および(C)が粒子状で被覆されていることを確認できた。
(比較例4)
[トナーGの作製]
作製した「トナー母体粒子1」100部に対し、前記脂肪酸金属化合物(3)を5.0部添加し、ヘンシェルミキサーにて周速33m/s条件の下、10分間混合した。これに、前記帯電制御剤を0.5部添加し、ヘンシェルミキサーにて周速33m/s条件の下、10分間混合した。これに、前記外添剤(A)を1.5部、前記外添剤(B)を0.5部、及び前記外添剤(C)を1.0部添加し、ヘンシェルミキサーにて周速33m/sの条件の下、5分間混合した。混合後の粉体を目開き100μmのメッシュに通過させ、粗大粉を取り除き、脂肪酸金属化合物、帯電制御剤及び無機微粒子を外添した[トナーG]を作製した。
前記脂肪酸金属化合物(3)を添加し、混合した後のトナー母体粒子について、走査型電子顕微鏡(SEM、日立製作所製、S-4200)を用いて観察したところ、脂肪酸金属化合物がトナー母体表面に粒子状で付着していることが確認できた。
前記帯電制御剤を添加し、混合した後のトナー母体粒子について、走査型電子顕微鏡(SEM、日立製作所製、S-4200)を用いて観察したところ、トナー母体表面に帯電制御剤が固定化され、脂肪酸金属化合物がトナー母体表面に粒子状で付着していることが確認できた。
また、[トナーG]について走査型電子顕微鏡(SEM、日立製作所製、S-4200)を用いて観察したところ、トナー母体粒子表面に帯電制御剤が固定化され、脂肪酸金属化合物および外添剤(A)および(B)および(C)が粒子状で被覆されていることを確認できた。
<疎水化度の測定>
脂肪酸金属化合物を被覆したトナー0.02gをイオン交換水50mlに浮かべ、メタノールを0.5ml/分の滴下速度で添加し、イオン交換水とメタノールが混合することにより極性が変化することで、トナーが沈殿して波長780nmの光線が遮蔽されることにより、光線の透過率が90%となる時のメタノールの体積%で表されるトナーの疎水化度において、トナー母体粒子表面が脂肪酸金属化合物で被覆された直後の疎水化度(H2)と被覆されない場合のトナー母体粒子の疎水化度(H1)をそれぞれ測定し、疎水化度向上(H2-H1)を算出した。結果を表1に示す。
[キャリアの製造]
トルエン200部、シリコーン樹脂(SR2400、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製、不揮発分50%)200部、アミノシラン(SH6020、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)7部、及びカーボンブラック4部を10分間スターラーで分散してコート液を調製した。
得られたコート液、及び芯材としてのMnフェライト粒子(重量平均粒径=35μm)5000部を、流動床内に回転式底板ディスクと撹拌羽根を設けた旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置に投入して、該コート液を前記芯材上に塗布した。得られた塗布物を電気炉内で250℃にて2時間焼成してキャリアを調製した。
[現像剤の調製]
得られた実施例1〜3及び比較例1〜4の各トナー7部と、前記キャリア100部とを容器が転動して攪拌される型式のターブラーミキサーを用いて均一混合し帯電させて、現像剤を作製した。
<帯電量の測定>
得られた現像剤を気温23℃、湿度50%RHの環境下(M/M環境)にてボールミルで5分間攪拌した後に、現像剤1.0gを採取し、ブローオフ帯電量測定装置(京セラケミカル社製TB−200)を用い、1分間窒素ブローした後の測定値を帯電量として用いた。
また、この測定を気温40℃、湿度90%RHの環境下(H/H環境)、気温10℃、湿度30%RHの環境下(L/L環境)、の2つの条件にて各現像剤の帯電量を評価した。下記式より環境変動率を算出した。環境変動率が低いほど帯電性の安定な現像剤であると言うことができる。
これらの結果(トナーの疎水化度向上と帯電量)を表1に示す。
Figure 2007241166
[L/L]・・・L/L環境での帯電量を示す
[H/H]・・・H/H環境での帯電量を示す
Figure 2007241166
上記表1より小粒径の脂肪酸金属化合物を用いた場合では同じ添加部数でも疎水化向上効果が大きいことがわかる。脂肪酸金属化合物を被覆しない場合(比較例1)、帯電量は高いが環境変動が大きい結果となる。また帯電制御剤を脂肪酸金属化合物の先に固定化した場合(比較例2)と帯電制御剤を脂肪酸金属化合物を同時に添加し帯電制御剤の固定化と脂肪酸金属化合物の被覆を同時に行った場合(比較例3)では、脂肪酸金属化合物に帯電制御剤が覆われて帯電制御剤が充分に機能を発揮しなくなるので充分な帯電量が得られない。粒径の大きな脂肪酸金属化合物を用いた場合では脂肪酸金属化合物によりトナー母体表面が被覆されないため、トナー母体表面の疎水性は改善せず、環境安定性も低いものとなる。
次に、得られた各現像剤を、画像形成装置(株式会社リコー製、IPSio Color 8100)に装填し、画像を出力して、以下のようにして諸特性を評価した。結果を表2に示す。
<画像濃度>
普通紙の転写紙(株式会社リコー製、タイプ6200)に低付着量である0.3±0.1mg/cmの付着量におけるベタ画像出力後、画像濃度をX−Rite(X−Rite社製)により測定し、画像濃度1.4以上を○、1.4未満を×とした。
<クリーニング性>
画像面積率95%チャートを1000枚出力後の清掃工程を通過した感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム株式会社製)で白紙に移し、それをマクベス反射濃度計RD514型で測定し、下記基準により評価した。なお、実験条件は温度40℃、湿度90%RHの環境下(H/H環境)と、温度10℃、湿度30%RHの環境下(L/L環境)とで行った。
〔評価基準〕
◎:ブランクとの差が0.005未満である。
○:ブランクとの差が0.005〜0.010である。
△:ブランクとの差が0.011〜0.02である。
×:ブランクとの差が0.02を超える。
<転写性>
画像面積率20%チャートを感光体から紙に転写後、クリーニングの直前における感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム株式会社製)で白紙に移し、それをマクベス反射濃度計RD514型で測定し、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:ブランクとの差が0.005未満である。
○:ブランクとの差が0.005〜0.010である。
△:ブランクとの差が0.011〜0.02である。
×:ブランクとの差が0.02を超える。
<トナー飛散>
温度40℃、湿度90%RHの環境下(H/H環境)、画像形成装置(株式会社リコー製、IPSiO Color8100)をオイルレス定着方式に改造してチューニングした評価機を用いて、各トナーを用いて画像面積率5%チャート連続100000枚出力耐久試験を実施後の複写機内のトナー汚染状態を目視にて、下記基準により評価した。
温度10℃、湿度30%RHの環境下(L/L環境)、画像形成装置(株式会社リコー製、IPSiO Color8100)をオイルレス定着方式に改造してチューニングした評価機を用いて、各トナーを用いて画像面積率5%チャート連続100000枚出力耐久試験を実施後の複写機内のトナー汚染状態を目視にて、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:トナー汚れがまったく観察されず良好な状態である。
○:わずかに汚れが観察される程度であり問題とならない。
△:少し汚れが観察される程度である。
×:許容範囲外で非常に汚れがあり問題となる。
<帯電安定性>
各現像剤を用いて、画像面積率12%の文字画像パターンを用いて、連続10万枚出力耐久試験を実施し、そのときの帯電量の変化を評価した。スリーブ上から現像剤を少量採取し、ブローオフ法により帯電量変化を求め、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
○:帯電量の変化が5μc/g未満である。
△:帯電量の変化が5μc/g以上10μc/g以下である。
×:帯電量の変化が10μc/gを超える。
<フィルミング性>
画像面積率100%、75%、及び50%の帯チャートを1000枚出力後の現像ローラ、及び感光体上のフィルミングを観察し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:まったくフィルミングが発生していない。
○:うっすらとフィルミングの発生を確認できる。
△:スジ状にフィルミングが発生している。
×:全面にフィルミングが発生している。
Figure 2007241166
本発明のトナーは、環境安定性、転写性、帯電性、及びクリーニング性が長期にわたり変化の少ない安定性に優れ、感光体フィルミングの発生を防止し、画像むらの変動がなく、高品質な画像形成に好適に使用される。
本発明のトナーを用いた本発明の現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、及び画像形成方法は、高品質な画像形成に好適に使用される。
本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。 画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1 感光体
2 転写装置
3 シート搬送ベルト
4 中間転写体
5 2次転写装置
6 給紙装置
7 定着装置
8 感光体クリーニング装置
9 中間転写体クリーニング装置
10 感光体(感光体ドラム)
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
20a 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像器
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
50a コロナ帯電器
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
53a 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 現像手段ハウジング
80 回収トナー搬送手段
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
101 感光体
102 帯電手段
103 露光手段
104 現像手段
105 受像紙
107 クリーニング手段
108 転写手段
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
L 露光
s シート
T タンデム型画像形成装置

Claims (15)

  1. 水系媒体中で造粒され、少なくとも結着樹脂および着色剤を含むトナー母体粒子に対し少なくとも3段階の乾式混合による処理工程を含む多段階処理工程によって得されたトナーであって、該3段階の処理工程は、1段階目としてレーザー回折粒度測定装置による体積平均粒径が0.1〜3.0μmでありトナー母体粒子100質量部に対し、0.1〜3.0重量部の脂肪酸金属塩化合物を前記トナー母体に添加し混合してトナー表面に脂肪酸金属化合物を被覆する工程、2段階目として該1段階目工程後の母体に帯電制御剤を添加し混合してトナー表面に帯電制御剤を固定化する工程、及び、3段階目として脂肪酸金属化合物および帯電制御剤以外の外添剤を添加し混合してこの外添剤を付着させる工程からなることを特徴とするトナー。
  2. 前記脂肪酸金属化合物がステアリン酸亜鉛である請求項1に記載のトナー。
  3. 前記帯電制御剤がサリチル酸金属化合物である請求項1または2に記載のトナー。
  4. 前記帯電制御剤の添加量が前記トナー母体粒子100質量部に対し0.05〜2.0重量部である請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
  5. 前記脂肪酸金属酸化物が微粒子であり、体積平均粒径が0.005μm〜1.0μmである請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー。
  6. 前記水系媒体中での造粒工程が、トナー材料有機溶媒液を水系媒体中に乳化乃至分散させてトナーを造粒するものである請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  7. 前記トナー材料有機溶媒液が、トナー材料を有機溶媒に溶解乃至分散してなる溶解乃至分散液であり、前記水系媒体中での造粒工程が、造粒時乃至造粒後に該有機溶媒の除去処理を伴なうものであることを特徴とする請求項6に記載のトナー。
  8. 前記トナー材料が、活性水素基含有化合物と、活性水素基と反応可能な重合体とを少なくとも含み、前記造粒工程が、該活性水素基含有化合物と該活性水素基と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を生成しつつ該接着性基材を少なくとも含む粒子を得るものである請求項6または7に記載のトナー。
  9. 水系媒体中で造粒され少なくとも結着樹脂および着色剤を含むトナー母体粒子に対し少なくとも3段階の乾式混合による処理工程を含む多段階処理工程によってトナーを製造する方法であって、該3段階の処理工程は、1段階目としてレーザー回折粒度測定装置による体積平均粒径が0.1〜3.0μmでありトナー母体粒子100質量部に対し、0.1〜3.0重量部の脂肪酸金属塩化合物を添加し混合してトナー表面に脂肪酸金属化合物を被覆する工程、2段階目として該母体に帯電制御剤を添加し混合してトナー表面に帯電制御剤を固定化する工程、及び、3段階目として脂肪酸金属化合物および帯電制御剤以外の外添剤を添加し混合してこの外添剤を付着させる工程からなることを特徴とするトナー製造方法。
  10. 前記脂肪酸金属化合物添加工程における混合速度が10m/s以上である請求項9に記載のトナーの製造方法。
  11. 前記帯電制御剤添加工程における混合速度が10m/s以上である請求項9に記載のトナーの製造方法。
  12. 請求項1乃至8のいずれかに記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤。
  13. 請求項1乃至8のいずれかに記載のトナーが充填されてなることを特徴とするトナー入り容器。
  14. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を請求項1乃至8のいずれかに記載のトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  15. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を請求項1乃至8のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法。
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