JP3880858B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、潜像担持体上に形成された潜像をトナーで可視像化し、このトナー像を中間転写体に一次転写し、さらに転写材に二次転写する方式の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法、静電記録法、静電印刷法などによる代表的な画像形成工程は、光電導性絶縁層を一様に帯電させ、その絶縁層を露光させた後、露光された部分上の電荷を消散させることによって電気的な潜像を形成し、該潜像に電荷を持った微粉末のトナーを付着させることにより可視化させる現像工程、得られた可視像(トナー像)を転写紙等の転写材に転写させる転写工程、転写材上に転写されたトナー像を加熱あるいは加圧(通常、熱ローラーが使用される)により定着させる定着工程からなる。
【0003】
潜像担持体上に形成される潜像を現像する為の現像剤としては、キャリアとトナーから成る二成分系現像剤および、キャリアを必要としない一成分系現像剤(磁性トナー、非磁性トナー)が知られている。フルカラー画像形成装置としては、潜像担持体上に形成された各色のトナー像を中間転写体に順次転写(一次転写)して一旦保持し、その後一括して転写機上に再度転写(二次転写)する方式がよく知られている。
【0004】
このような画像形成法に使用されるトナーはバインダー樹脂及び着色剤を主成分とし、これに必要とあれば帯電制御剤、オフセット防止剤等の添加物を含有させたものであり、上記各工程において様々な性能が要求される。例えば、現像工程においては、潜像にトナーを付着させるために、トナーおよびトナー用バインダー樹脂は温度、湿度等の周囲の環境に影響されることなくコピー機、あるいはプリンターに適した帯電量を保持しなくてはならない。また、熱ローラー定着方式による定着工程においては、通常100〜230℃程度の温度に加熱された熱ローラーに付着しない非オフセット性、紙への定着性が良好でなくてはならない。さらに、コピー機あるいはプリンター内での保存中にトナーがブロッキングしない耐ブロッキング性も要求される。
【0005】
また近年、電子写真の分野では、高画質化が様々な角度から検討されており、中でも、トナーの小径化および球形化が極めて有効であるとの認識が高まっている。しかし、トナーの小径化が進むにつれて転写性が低下し、貧弱な画像となってしまう傾向が見られる。一方、トナーを球形化することにより転写性が改善されることが知られている(特開平9−258474号公報)。このような状況の中、カラー複写機やカラープリンターの分野では、さらに画像形成の高速化が望まれている。高速化のためには「タンデム方式」が有効である(例えば、特開平5−341617号)。
【0006】
「タンデム方式」というのは、画像形成ユニットによって形成された画像を転写ベルトに搬送される単一の転写紙上に順次重ね合わせて転写することにより転写紙上にフルカラー画像を得る方式である。タンデム方式のカラー画像形成装置は、使用可能な転写紙の種類が豊富であり、フルカラー画像の品質も高く、高速度でフルカラー画像を得ることができる、という優れた特質を備える。特に、高速度でフルカラー画像を得ることができるという特質は、他の方式のカラー画像形成装置にはない特有の性質である。
【0007】
一方、球形トナーを用いて高画質化を図りつつ、高速化も達成しようという試みもなされている。上記の方式を採用した装置において高速化を達成しようとすると、用紙が転写部を通過する所要時間を短縮する必要があるため、従来と同様の転写能力を得ようとすると転写圧を上げる必要がある。しかしながら、転写圧を上げると、転写時にその圧力によってトナーが凝集して良好な転写を行うことができず、形成画像中に中抜けが発生するという問題が生じている。
【0008】
このような問題を解決するため、トナーの円形度、粒径、比重、BET比表面積等を規定し、さらに、1kg/cm2圧縮時の付着応力を6g/cm2以下規定して高画質化を図ることなどが知られている(特開2000−3063号等)。しかし、1kg/cm2圧縮時の付着応力を用いた場合、その圧縮圧力が弱すぎるため、OHPや厚紙、表面コート紙等より転写圧が増加したときの転写性、文字部中抜け等の画質に問題があった。さらに付着応力が小さい場合、転写チリ等の問題があった。
【0009】
またトナーの1粒子付着力を3.0dyne/接点以下に規定して、トナーの排出性を改善させることなども知られている(特開2000−352840号)。しかし、これは圧縮時のトナー付着力を規定したものでなく、排出性は向上するが、転写性や文字部中抜け画像等の画質改善には効果がなかった。
【0010】
また、現像性及びその経時安定性を向上させる目的で、圧縮時の凝集度を規定することなども知られている(特許第3002063号)。
しかしながら圧縮時の凝集度を規定することでは、文字部中抜け等の画質にまだ問題があり、転写性、転写率を十分向上させることは困難であった。
【0011】
さらに、凝集度とゆるみ見掛け密度の積を7以下と規定し、文字部中抜けを改善する試み(特開2000−267422号)も知られているが、トナー圧縮時の物性挙動が反映されておらず、よりトナーにストレスのかかる中間転写システム、強撹拌現像システム等では十分な効果はなかった。
【0012】
また、ゆるみ見掛け密度とかため見掛け密度との比が、ゆるみ見掛け密度/かため見掛け密度=0.5〜1.0であり、かつ凝集度が25%以下に規定する試み(特開2000−352840)も知られているが、ここで用いたかため見掛け密度は50回タッピングした時の嵩密度を測定した値で、流動性を反映した物性に近く、トナーに力学的なストレスを与えたときの嵩密度増加要因を反映できず、同様によりトナーにストレスのかかる中間転写システム、強撹拌現像システム等では十分な効果はなかった。
【0013】
ところで、イオン化ポテンシャル、あるいは仕事関数値は、電子1つを取り出すのに必要な最低エネルギーと定義され、分子のプラスイオンになり易さを示す指標として用いられる。
【0014】
トナーの帯電性はその電子状態と密接な関係があり、特に電子の移動が仕事関数差によるとする考え方も知られている。トナー、キャリアの仕事関数については各種検討がなされていて、例えば、トナーの色間の帯電性を制御する目的で色間の仕事関数値差を規定することが知られているが(特許第2954786号)、トナーの仕事関数値だけでは現像システムとして十分な効果は得られなかった。またキャリアの仕事関数値を規定した例も知られているが(特許第2992916号、特許第2939870号)、キャリアだけではトナーを含めた現像剤としての帯電性は十分制御できず、十分な効果は得られなかった。
【0015】
また電子写真感光体についても、電荷輸送物質等のイオン化ポテンシャルを規定した例は知られているが(特開平10−312070号、特開2000−131860号)、トナーと直接接触する感光体表面、あるいは電荷輸送層全体としてのイオン化ポテンシャルは不明で、さらに感光体とトナーとの関係は不明瞭であった。また目的も感光体の感度向上等であった。
【0016】
また中間転写体のイオン化ポテンシャルも各種検討されているが(特開2000−231273号、特開2001−133999号)、中間転写体単体の値であって、トナーとの関係を考慮したものではなかった。
【0017】
一方、トナーの流動特性、帯電特性等を改善する目的でトナー母体粒子に各種金属酸化物等の無機微粉末等を混合して使用する方法が提案されており、無機微粉末等は外添剤と呼ばれている。また必要に応じて該無機微粉末表面の疎水性、帯電特性等を改質する目的で、該無機微粉末を特定のシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、シリコーンオイル、有機酸等で処理する方法、特定の樹脂で被覆する方法なども提案されている。前記無機微粉末としては、例えば、二酸化珪素(シリカ)、二酸化チタン(チタニア)、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化鉄、酸化銅、酸化錫等が知られている。
特にシリカや酸化チタン微粒子とジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル等の有機珪素化合物(疎水化処理剤)とを反応させシリカ微粒子表面のシラノール基を有機基で置換し疎水化したシリカ微粒子が用いられている。
【0018】
これらのうち十分な疎水性を示し、且つ、トナーに含有された時にその低表面エネルギーから該トナーが優れた転写性を示す疎水化処理剤としては、シリコーンオイルが好ましい。特公平7−3600号や特許第02568244号にはシリコーンオイルで処理されたシリカの疎水化度が規定されている。また特開平7−271087号や特開平8−29598号にはシリコーンオイル添加量や添加剤中の炭素含有率が規定されている。外添剤の母剤である無機微粒子を疎水化処理し、高湿度下における現像剤の帯電性の安定性を確保するためには先に挙げた公報におけるシリコーンオイル含有量や疎水化度で満足できた。
【0019】
しかし、シリコーンオイルの重要な特異性である低表面エネルギーを利用して現像剤と接触する部材、例えば接触帯電装置、現像剤担持体(スリーブ)やドクターブレード、キャリア、静電潜像担持体(感光体)、中間転写体などへの付着性を下げるための積極的な試みは行われていなかった。特に、感光体への現像剤の付着力が強い事による地肌汚れや画像における文字部やライン部、ドット部のエッジ部や中央部における転写後のぬけ(現像剤の転写されない部分)はシリコーンオイルの添加量や疎水化度を調節するだけでは改良できなかった。さらに凹凸の激しい転写材への転写時における凹部へ転写できない事による白抜けも同様に改良できていなかった。特開平11−212299号にはシリコーンオイルを液体成分として特定量含有させた無機微粒子が開示されている。しかしこのような量の定義では上述の特性を満足する事はできなかった。
【0020】
一方、バインダー樹脂としてはトナー用として要求される特性、即ち透明性、絶縁性、耐水性、流動性(粉体として)、機械的強度、光沢、熱可塑性、粉砕性等の点からポリスチレン、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が一般に使用され、中でもスチレン系樹脂が粉砕性・耐水性及び流動性に優れている事から、広く使用されている。しかし、スチレン系樹脂含有トナーで得られたコピーを保存するために、塩化ビニル系樹脂シート製書類ホルダー中に入れておくと、コピーの画像面がシートと密着状態で放置されるため、シート、即ち塩化ビニル系樹脂に含まれる可塑剤が定着トナー画像に転移可塑化してこれをシート側に溶着せしめ、その結果、コピーをシートから離すと、コピーからトナー画像が一部または全部剥離し、またシートも汚れてしまうという欠点があつた。この様な欠点はポリエステル樹脂含有トナーにも見られる。
【0021】
以上の様な塩化ビニル系樹脂シートへの転移防止策として特開昭60−263951号や特開昭61−24025号ではスチレン系樹脂またはポリエステル樹脂に塩化ビニル系樹脂用可塑剤で可塑化されないエポキシ樹脂をブレンドする提案がなされている。
しかし、この様なブレンド樹脂を特にカラートナー用として用いた場合、異種の樹脂間の不相溶性によりオフセット性、定着画像のカール、光沢度(カラートナー画像の場合は光沢がないと貧弱な画像として見える)、着色性、透過性、発色性が問題となってくる。これらの問題は従来のエポキシ樹脂や特開昭61−235852号で提案される様なアセチル化変性エポキシ樹脂でも全て解決できるものではない。
【0022】
そこでエポキシ樹脂を単独で用いる事により前記問題点を解決する事が考えられるが、新たな問題点として、エポキシ樹脂のアミンとの反応性が生じてくる。エポキシ樹脂は、一般にはエポキシ基と硬化剤とを反応させ架橋構造を組む事により、機械的強度や耐薬品性の優れた硬化型樹脂として使用されている。硬化剤はアミン系と有機酸無水物系に大別される。もちろん、静電荷像現像用トナーとして用いられるエポキシ樹脂は熱可塑性樹脂として用いるものであるが、トナーとして樹脂と一緒に混練される染顔料、帯電制御剤の中にはアミン系のものがあり、混練時に架橋反応を起こし、トナーとして使用できない場合がある。またこのエポキシ基の化学的活性は生化学的性、即ち皮膚刺激等の毒性が考えられ、その存在には十分注意を要する。
またエポキシ基は親水性を示す事から、高温高湿下での吸水が著しく、帯電低下、地汚れ、クリーニング不良等の原因となる。更にエポキシ樹脂における帯電安定性も一つの問題である。
【0023】
一般にトナーはバインダー樹脂、着色剤、帯電制御剤等から構成されている。着色剤としては様々な染顔料が知られており、中には帯電制御性を有するものもあり、着色剤と帯電制御剤との2つの作用を有するものもある。エポキシ樹脂をバインダー樹脂として用い、前記の様な組成でトナー化する事は広く行なわれているが、問題点として染顔料、帯電制御剤等の分散性がある。一般にバインダー樹脂と染顔料、帯電制御剤等の混練は、熱ロールミルで行われ、染顔料、帯電制御剤等をバインダー樹脂中に均一に分散させる必要がある。しかし十分に分散させる事は難しく、着色剤としての染顔料の分散が悪いと発色が悪く着色度も低くなってしまう。また帯電制御剤等の分散が悪いと帯電分布が不均一となり、帯電不良、地汚れ、飛散、ID不足、ぼそつき、クリーニング不良など様々な不良原因となる。
【0024】
特開昭61−219051号にはε−カプロラクトンでエステル変性したエポキシ樹脂をバインダー樹脂として使用したトナーが開示されているが、耐塩ビ性、流動性等が改良されるものの、変性量が15〜90重量%もあり、軟化点が下がり過ぎ、光沢も出すぎる欠点があつた。
【0025】
また、特開昭52−86334号には、脂肪族一級または二級アミンと既製のエポキシ樹脂の末端エポキシ基とを反応させ、正帯電性を有するものが開示されているが、前で述べた様にエポキシ基とアミンとは架橋反応を起こしてしまい、トナーとして使用できない場合が考えられる。更にまた特開昭52−156632号には、エポキシ樹脂の末端エポキシ基のどちらか一方または両方をアルコール、フェノール、グリニヤール試薬、有機酸ナトリウムアセチライド、アルキルクロライド等で反応させる事が開示されているが、エポキシ基が残っている場合は前述の通りアミンとの反応性、毒性、親水性等の問題を生じる。また上記反応物の中には親水性のもの、また帯電に影響するもの、またトナー化する際の粉砕性に影響するものがあり、必ずしも本発明に全て有効ではない。
【0026】
また、特開平1−267560号には、エポキシ樹脂の末端エポキシ基の両方を1価の活性水素含有化合物で反応させた後、モノカルボン酸やそれらのエステル誘導体、ラクトン類でエステル化するものが開示されているが、エポキシ樹脂の反応性、毒性、親水性は解決されているが定着においてカールがさほど改善されていない。
【0027】
さらに、一般的にエポキシ樹脂あるいはポリオール樹脂の合成時にキシレン等の溶剤を用いることが多いが(例えば特開平11−189646号)、それら溶剤あるいは、ビスフェノールA等の未反応残留モノマー等が、製造後の樹脂中に少なからず存在し、それら樹脂を用いたトナーにおいても残存量は多く、問題であった。
【0028】
一方、トナーの製造方法としては、特開平1−304467号に代表されるように、原料を全て一度に混合して混練機などにより加熱、溶融、分散を行い均一な組成物とした後、これを冷却して、粉砕、分級することにより体積平均粒径6〜10μm程度のトナーを製造する方法が一般的に採用されている。特にカラー画像の形成に用いられるカラートナーは、一般に、バインダー樹脂中に各種の有彩色染料または顔料を分散含有させて構成される。この場合、使用するカラートナーに要求される性能は、黒色画像を得る場合に比べ厳しいものとなる。即ち、カラートナーとしては、衝撃や湿度等の外的要因に対する機械的電気的安定性に加え、適正な色彩の発現(着色度)やオーバーヘッドプロジェクター(OHP)に用いたときの光透過性(透明性)が必要となる。着色剤として染料を用いるものとしては、例えば、特開昭57−130043号、同57−130044号に記載のものがある。しかしながら、着色剤に染料を用いた場合、得られる画像は透明性に優れ、発色性が良くて鮮明なカラー画像の形成が可能であるが、反面、耐光性が劣り、直射光下に放置した場合、変色、退色してしまう問題がある。
【0029】
さらに、画像形成装置としては、潜像担持体に順次形成した複数の可視の色現像画像を、無端移動する中間転写体上に順次重ね合わせて一次転写し、この中間転体上の一次転写画像(トナー像)を転写材に一括して二次転写する中間転写方式の画像形成装置が知られている。この中間転写方式を用いた画像形成装置は、近年、小型化を図るという点や最終的に顕像が転写される転写材の種類の制約が少ないという点で有利であるため、特にカラー画像形成装置として用いられる傾向にある。
【0030】
ところが、このような画像形成装置では、色現像画像を構成するトナー像の一次転写時及び二次転写時における局部的な転写抜けに起因して、最終的な画像媒体である転写紙などの転写材上の画像中に、局部的に全くトナーが転写されない、いわゆる虫喰い状(文字中抜け)の部分を生じることがある。虫喰い状画像は、ベタ画像の場合にはある程度の面積をもって転写抜けとなる。また、ライン画像の場合にはラインが途切れるように転写抜けを生ずる。このような異常画像は、4色フルカラー画像を形成する場合に発生しやすい。
【0031】
これは、トナー層が厚くなることに加え、一次転写を最大4回繰り返すので、潜像担持体表面とトナー間、中間転写体表面とトナー間にて接触圧力により非クーロン力である機械的な付着力(ファン・デル・ウァールス力等の静電気力以外の力)が強力に発生することによる。すなわち、画像形成プロセスを繰り返し実行する過程において、中間転写体の表面にトナーがフィルム状に付着するフィルミング現象を起こし、中間転写体の表面とトナーとの間の付着力が増加することによると考えられる。
【0032】
そこで、このような虫喰い状画像の発生を避ける技術として、潜像担持体および中間転写体の表面に潤滑剤を塗布してトナーとの付着力を低減したり、トナー自体の付着力を外添剤などにより低減するなどの技術が、すでに市場機にて実用化されている。しかしながら、4色フルカラーもしくは、高速転写の際に発生する転写接触圧力が増加したときのトナー間の付着力、引張破断強度等は考慮されておらず、特に厚紙、表面コート紙、OHPフィルム等に転写する際の画質の安定性に問題があった。
【0033】
また、特開平8−211755号では、潜像担持体のトナー付着力と、中間転写体のトナー付着力の相対的なバランスを調整することにより、転写性向上、虫喰い状の異常画像発生を防止するようにしたものが開示されている。しかしながら、この時のトナーの付着力は粉体状態における遠心力法により求めた値で、転写接触圧力が増加した場合の物性とは異なる結果となり不十分であった。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、数万枚画像を出力した後でも安定して下記1〜10の特性を維持している画像形成装置を提供することである。
1.トナー転写圧縮時や現像機内でのストレス後の凝集性、トナー粒子間の付着力が適正に制御された転写性、現像性、定着性に優れた、転写材の材質に左右されにくい、高画質の画像を形成しうる画像形成装置。
2.高温高湿、低温低湿環境における帯電性に優れた弱帯電、逆帯電トナーの少なく、地肌汚れ(かぶり)の少ない画像を形成しかつ、トナーの機内中への飛散が少ない画像形成装置。
3.画像形成システムとして高耐久、低メンテナンス性を兼ね備えた画像形成装置。
4.トナー圧縮時の転写性と同時に、非圧縮時の流動性が十分ある補給性、帯電立ち上がり性の優れた画像形成装置。
5.トナー、現像剤としての環境帯電安定性に優れ、印刷速度が低速から高速領域まで遜色なく、継続的画像出力で画像濃度低下のない、定着性および非オフセット性のバランスに優れた画像形成装置。
6.トナーの転写状況が良好で、色再現性、色鮮明性、色透明性が優れ、かつ光沢が安定したムラのない画像形成装置。
7.環境安定性、環境保存性に優れた画像形成装置。
8.定着画像面を塩化ビニル系樹脂シートに密着させても、シートへのトナー画像の転移のない画像形成装置。
9.定着画像が実質上カールする事のない画像形成装置。
10.潜像担持体上に形成されるトナー像を中間転写体上に一次転写し、該トナー像を転写材に二次転写する方式の画像形成装置または、かつ、タンデム方式による高速出力可能な画像形成装置において、虫喰い状画像、画像チリ、細線再現性不良等の異常画像の発生を防止することができる画像形成装置。
【0035】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を達成すべく鋭意検討した結果、少なくともトナーと、潜像担持体を含み、潜像担持体上に形成されるトナー像を中間転写体上に一次転写し、該トナー像を転写材に二次転写する方式の画像形成装置において、該トナーの10kg/cm2圧縮時の引張破断強度が10〜1400(N/m2)であり、該トナーと潜像担持体とのイオン化ポテンシャル(IP)差が0〜1.0eV以下であり、かつ該トナーと中間転写体とのIP差が0〜1.0eV以下であることを特徴とする画像形成装置を用いることで、トナー転写圧縮時の凝集性、現像器内でのストレス後のトナー粒子間の付着力が適正に制御された転写性、現像性に優れた高画質の画像を形成しうることを見いだした。
【0036】
そのメカニズムは現在解明中であるが、いくつかの解析データから以下のことが推測された。二次転写する画像形成方式では、トナーの転写が2回行われることになり、転写時のトナーに与えるストレスによる各種悪影響、転写効率の低下、転写後のトナーの保持、剥離率の低下等各種問題があったが、10kg/cm2圧縮時の引張破断強度が10〜1400(N/m2)、より好ましくは100〜1200(N/m2)に制御することにより、転写圧縮凝集時におけるトナー間の引き離し易さを制御できた。
【0037】
引張破断強度を1400N/m2以下にすることにより、凝集時のトナーがトナー間で剥離され、潜像担持体や中間転写体に残存することが少なく、文字部中抜け画像や、転写不良による地肌汚れ(かぶり)を防ぐことができる。さらに転写効率が上がることにより、クリーニング時に発生する廃トナー量を減少させ、少量トナーを転写させることでトナー消費量を少なくできる。一方、引張破断強度が10(N/m2)未満の場合、トナー間の圧縮時の付着力が小さすぎて、転写時にトナーの転写チリを引き起こす。その結果、細線の再現性が低下したり、十分な画像濃度が達成できなくなる。
【0038】
ここでは10kg/cm2圧縮時での嵩密度を評価したが、10kg/cm2という値は最も特性との相関が良かったためである。十分で適切な圧縮力、例えば5kg/cm2、20kg/cm2、等の圧力で同様な評価を行い、それより得られた値を用いて評価することも場合により可能である。
【0039】
またトナーと潜像担持体およびトナーと中間転写体とのIP差を0〜1.0eVにすることで、トナーと潜像担持体およびトナーと中間転写体の帯電レベルが最適な範囲となり、トナーの保持、転写および、剥離がより容易とする。具体的には、IP差を1.0eVより以上にするとトナーとの帯電レベルが離れすぎて、十分なトナー保持とトナー剥離ができなくなり、トナーの転写残が発生して、虫食い画像になったり、電気的な反発による転写チリが発生したり、トナーの転写率の低下から引き起こされるトナー消費量の増加、地汚れ等の不具合が発生する。
【0040】
以上により、OHP、厚紙等、特に転写材の材質にも影響されにくく、該転写時に転写不良の少ない、画像欠陥の少ない高画質で、画像形成装置が得られた。
【0041】
さらに、本発明者らは上記画像形成装置で使用されるトナーについても検討した。その結果、体積平均粒径が2〜8μmのトナーにおいて、上記の転写圧縮凝集時におけるトナー間の引張破断強度を確保するため、疎水化処理された一次粒子の平均粒径が1〜100nmの無機微粒子を少なくとも2種類以上含む(外添させる)ことにより、転写性、流動性と同時に環境帯電安定性を向上させることができより好ましいことがわかった。疎水化処理することで環境安定性を向上させ、一次粒子の平均粒径を1〜100nm、より好ましくは5nm〜70nmに規定することで、十分な流動性とトナーに対するスペーサ効果、被覆効果を発揮できる。平均粒径が1nm未満の場合、トナーのスペーサとしての効果が十分発揮されない。また平均粒径が100nmを超える場合、トナーとの被覆効果が十分でなく、環境安定性、環境帯電安定性が低下したり、流動性が低下するため好ましくない。
【0042】
また、これら無機微粒子が2種類以上含むことにより、例えばシリカと酸化チタンとの組み合わせあるいは、粒径や表面処理剤の異なる2種類のシリカの組み合わせ等のように互いに帯電性の異なる無機微粒子をバランスさせることができ、帯電環境安定性、帯電立ち上がり性をより向上できる。
【0043】
トナーの体積平均粒径は2〜8μm、より好ましくは5〜7μmが望ましい。トナーの体積平均粒径が2μm未満の場合、トナーの製造性、生産性が著しく低下するとともに、トナーが人体に吸収され健康上好ましくない。また8μmを超える場合、画質の粒状度が低下して好ましくない。
【0044】
さらに、一次粒子の平均粒径が20nm以下の無機微粒子を少なくとも2種類以上含みかつ、30nm以上の無機微粒子を少なくとも1種類以上含むことで、より良好な流動性が確保されると共にトナー劣化時の無機微粒子の埋め込みを防ぐことができる。すなわち、20nm以下の無機微粒子で流動性、環境安定性、帯電性を確保すると共に、30nm以上の無機微粒子により、トナー収支が少ない場合に発生しやすいトナー劣化時の無機微粒子のトナーへの埋め込みを防ぐことができ、トナースペントを防止したり、トナーのより良好な流動性が維持できるようになる。
さらに、トナーの転写性、流動性を向上させると、トナーの熱物性も当然変化するが、該トナーの軟化点を70〜160℃、より好ましくは90〜120℃とし、かつ、ガラス転移温度(Tg)を40〜70℃より好ましくは50〜70℃に制御することで、定着性、色再現性、鮮明性、色透明性、転写性が優れたトナーを得ることができた。
【0045】
さらに該トナーの数平均分子量(Mn)を2000〜8000、かつ重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)を1.5〜20、かつ、少なくとも1つのピーク分子量(Mp)を3000〜7000に制御することで、10kg/cm2圧縮時の嵩密度が0.50〜0.80(g/cm3)の範囲に入り、かつストレス流動特性値D≦7.0を確保できるため、低温定着可能で、かつ定着性、色再現性、鮮明性、色透明性、転写性が優れたトナーを得ることができた。
【0046】
また該トナーのバインダー樹脂が、少なくともポリオール樹脂を少なくとも含むことで、十分な耐圧縮強度、引張破断強度、環境安定性、安定した定着特性が得られ、さらに該トナーのバインダー樹脂は、少なくとも主鎖にエポキシ樹脂部とポリオキシアルキレン部を有するポリオール樹脂を少なくとも含むことで、環境安定性、安定した定着特性、コピー定着画像面の塩化ビニル系樹脂へのシートに密着時のシートへのトナー画像の転移防止を図ることができ、特にカラートナーに使用した場合カラー再現性、安定した光沢、コピー定着画像のカール防止等に効果をもたらす。
【0047】
また該トナーのバインダー樹脂が少なくともポリエステル樹脂部を含むことで、耐圧縮強度とともに伸縮性と付着性のバランスのとれたトナーとなり、さらに安定した転写性、現像性、定着特性が得られた。
【0048】
また該トナーバインダー樹脂のポリオール樹脂末端が不活性であると環境安定性、有害性の少ないトナーとすることができる。
本発明に用いられるエポキシ樹脂は好ましくはビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールとエピクロロヒドリンを結合して得られたものである。エポキシ樹脂は安定した定着特性や光沢を得るために、数平均分子量の相違する少なくとも2種以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂で、低分子量成分の数平均分子量が360〜2000であり、高分子量成分の数平均分子量が3000〜10000であることを好ましい。更に低分子量成分が20〜50wt%、高分子量成分が5〜40wt%であることが好ましい。低分子量成分が多すぎたり分子量360よりさらに低分子の場合は、光沢が出すぎたり、さらには保存性の悪化の可能性がある。また、高分子量成分が多すぎたり分子量10000よりさらに高分子の場合は、光沢が不足したり、さらには定着性の悪化の可能性がある。
【0049】
本発明で用いられる化合物として、2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物としては以下のものが例示される。エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド及びこれらの混合物とビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールとの反応生成物が挙げられる。得られた付加物をエピクロロヒドリンやβ−メチルエピクロロヒドリンでグリシジル化して用いてもよい。特に下記一般式(1)で表わされるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテルが好ましい。
【化1】
Figure 0003880858
【0050】
また、2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物もしくはそのグリシジルエーテルが、ポリオール樹脂に対して10〜40wt%含まれていることが好ましい。ここで量が少ないとカールが増すなどの不具合が生じ、またn+mが7以上であったり量が多すぎると光沢が出すぎたり、さらには保存性の悪化の可能性がある。本発明で用いられるエポキシ基と反応する活性水素を分子中に一個有する化合物としては、1価フェノール類、2級アミン類、カルボン酸類がある。1価フェノール類としては以下のものが例示される。フェノール、クレゾール、イソプロピルフェノール、アミノフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、キシレノール、p−クミルフェノール等が挙げられる。2級アミン類としては、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、N−メチル(エチル)ピペラジン、ピペリジンなどが挙げられる。また、カルボン酸類としては、プロピオン酸、カプロン酸などが挙げられる。
【0051】
本発明の主鎖にエポキシ樹脂部とアルキレンオキサイド部を有するポリオール樹脂を得るためには、種々の原材料組合せが可能ではある。例えば、両末端グリシジル基のエポキシ樹脂と両末端グリシジル基の2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物をジハライドやジイソシアネート、ジアミン、ジチオール、多価フェノール、ジカルボン酸と反応させることにより得ることができる。このうち、2価のフェノールを反応させるのが反応安定性の点で最も好ましい。また、ゲル化しない範囲で多価フェノール類や多価カルボン酸類を2価フェノールと併用するのも好ましい。ここで、多価フェノール類、多価カルボン酸類の量は全量に対し15%以下、好ましくは10%以下である。
【0052】
本発明で用いられるエポキシ基と反応する活性水素を分子中に2個以上有する化合物としては、2価フェノール類、多価フェノール類、多価カルボン酸類が挙げられる。2価フェノールとしてはビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールが挙げられる。また、多価フェノール類としてはオルソクレゾールノボラック類、フェノールノボラック類、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1−〔α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼンが例示される。多価カルボン酸類としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸が例示される。
【0053】
また本発明に用いる樹脂中の主鎖にエポキシ樹脂部とポリオキシアルキレン部およびポリエステル部を有するポリオール樹脂とすることで、特に該ポリエステル成分により樹脂の粘弾性、硬性が変化し、よりソフトな樹脂物性となり画像のカール発生を押さえることができより好ましい。
【0054】
また該バインダー樹脂のエポキシ当量を、10000以上、好ましくは30000以上、より好ましくは50000以上に制御することで、樹脂の熱特性を制御できるとともに、反応残留物である低分子のエピクロロヒドリン等の量を低減することができ、安全性、樹脂特性ともに優れたトナーとすることができる。
【0055】
また該トナー中に少なくともワックスを含有し、離型剤として用いる場合、該ワックスのトナー中での分散平均粒径が3μm以下、具体的には0.001〜3μmであることにより、トナー定着時に離型剤としてワックスが熱によるしみ出しホットオフセットを防止するとともに、トナー間の付着力を低減でき、転写性、転写率を向上でき、文字部中抜け画像等を防止できる。分散平均粒径が0.001未満ではワックスの分散径が小さすぎて、ワックスがトナー中からしみ出しにくくなり、本来のワックスの目的であるトナー定着性向上に支障が出て、トナー定着性が悪化し好ましくない。
【0056】
また上記トナーと磁性粒子からなるキャリアを少なくとも含むことを特徴とする2成分現像システムを用いることで、キャリアとの付着力のバランスのとれた、現像剤としてストレス変動の少なく十分な嵩密度を持つ、帯電立ち上がり性、環境帯電安定性の優れた現像特性が得られた。さらに嵩密度センサ等によるトナー濃度制御性の優れた現像システムが得られた。
【0057】
また、該潜像担持体が、少なくとも導電性基板、電荷発生層、電荷移動層、フィラー補強電荷輸送層を含有する機能分離型感光体であることを特徴とする画像形成装置とすることで、感光体表面の電荷の移動がスムーズとなり、トナーの転写、保持、剥離がより容易となる。さらにフィラー補強電荷輸送層を設けることで、数万枚印字後でも感光体表面の磨耗量が少なく、印字後の感光体表面性が良好で、転写時に転写不良の少ない、画像欠陥の少ない高画質な画像形成装置が得られた。
【0058】
さらに、該潜像担持体の電荷移動層が少なくとも電荷移動物質(CTM)と粘度平均分子量が3万以上6万以下のポリカーボネート樹脂(R)を含有し、その組成比(CTM/R比)が重量比で5/10以上10/10以下である電子写真感光体であることにより十分な強度、硬性をもちかつ高速な電荷移動性を発揮できる。
本発明における電荷移動層(CTL)のバインダー樹脂であるポリカーボネート樹脂は高い耐摩耗性をもっている。したがって、電荷移動物質に対して、より多くのポリカーボネート樹脂の組成比を持った電荷移動層では高い耐摩耗性が得られる。しかし、そのようなCTLでは必要な電気的特性、CGLからの電荷注入性、CTL内での電荷移動性つまり高速応答性が得られず、また、残留電位の上昇も著しい。また、大量の電荷移動物質(CTM)を含有させると電荷注入性及び高速応答性は得られるが、耐摩耗性が低下する。従って、電荷移動物質(CTM)とポリカーボネート樹脂(R)の組成比(CTM/R比)を5/10以上10/10以下が適当である。
【0059】
電荷移動層(CTL)は厚膜にすると削れによる帯電性低下を低減することができるが、しかし、それによって高速応答性が低下する。また、粘度平均分子量の大きいポリカーボネート樹脂を用いてCTLを厚膜塗工すると均一な膜は得られず、厚膜塗工をするためには、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量を小さくして、塗工液の固形分濃度を上げる必要があるが、それによって耐摩耗性は低下する。したがってCTM/R比が5/10〜10/10で、かつ、Rの分子量が3万以上6万以下の時、削れによる帯電性低下の少ない厚膜のCTLを塗工できる。分子量が3万未満の場合、十分な膜強度が得られず、6万を超える場合は、塗工性が低下して十分な均一膜を形成できず、潜像担持体表面のトナー帯電保持が不均一となり、色再現性の優れた画像にならない。
【0060】
また、該中間転写体が硬度10°≦HS≦65°(JIS−A)である弾性中間ベルトである事を特徴とする画像形成装置であることにより、虫食い画像のない転写性の優れた、細線再現性の良い高画質な画像を形成することができる。ベルトの層厚によって最適硬度の調整は必要となる。また、中間転写体の硬度は、中間転写体(ポリマー等)の材質や、分子構造、あるいは架橋状態、架橋程度等を制御することにより調整可能である。硬度10°(JIS−A)より以下のものは寸法精度良く成形する事が非常に困難である。これは成型時に収縮・膨張を受け易い事に起因する。また柔らかくする場合には基材へオイル成分を含有させる事が一般的な方法であるが、加圧状態で連続作動させるとオイル成分が滲みだして来るという欠点を有している。これにより中間転写体表面に接触する感光体を汚染し横帯状ムラを発生させる事が分かった。一般的に離型性向上のために表層を設けているが、完全に浸みだし防止効果を与えるためには表層は耐久品質等要求品質の高いものになり、材料の選定、特性等の確保が困難になってくる。これに対して硬度65°(JIS−A)より以上のものは硬度が上がった分精度良く成形できるのと、オイル含有量を含まない、または少なく抑えることが可能となるので、感光体に対する汚染性は低減可能であるが、文字の中抜け等転写性改善の効果が得られなくなり、ローラへの張架が困難となる。
【0061】
また、該中間転写体の静止摩擦係数が0.1〜0.6、より好ましくは0.3〜0.5であることを特徴とする画像形成装置を用いることにより、トナーと中間転写体とのすべり具合がスムーズとなり、転写性を向上させ、地肌汚れが少なく、廃トナー量が少なく、トナー消費量の少ない画像形成装置が得られた。
【0062】
また、上記画像形成装置として、潜像担持体上の多色に分割された静電荷像を複数の多色からなる静電荷像現像用現像剤により現像してトナー像を形成し、潜像担持体表面に転写材を介し転写手段を当接させ該トナー像を該転写材に多数回もしくは一括して静電転写する画像形成装置とすることで、該転写時に転写不良の少ない、特にカラー色の再現性に関わる画像欠陥の少ない高画質な画像形成装置が得られた。
また、現像ロールおよび該現像ロール上に供給する現像剤の層厚を均一に規制する現像ブレードを備えた複数の多色現像装置によって、潜像担持体上に形成された多色に分割された静電潜像をそれぞれの色に対応する現像剤により、それぞれの色に対応した複数の潜像担持体上に現像し、潜像担持体表面に転写材を介し転写手段を当接させ該トナー像を該転写材に順次静電転写するようにした画像形成装置において、前記トナーからなる一成分系の現像剤を用いて該転写時に転写不良の少ない、特にカラー色の再現性に関わる画像欠陥の少ない高画質でしかもコンパクトな画像形成装置が得られた。
【0063】
また、上記画像形成装置として、現像ロールおよび該現像ロール上に供給する現像剤の層厚を均一に規制する現像ブレードを備えた複数の多色現像装置によって、潜像担持体上に形成された多色に分割された静電潜像をそれぞれの色に対応する現像剤により、それぞれの色に対応した複数の潜像担持体上に現像し、潜像担持体表面に転写材を介し転写手段を当接させ該トナー像を該転写材に順次静電転写する方式の画像形成装置とすることで、色再現性の優れた、転写時に転写不良の少なく画像欠陥の少ない高画質な画像形成装置が得られた。
【0064】
また、上記画像形成装置において、ベルト駆動ローラとベルト従動ローラとの間に掛け渡された転写ベルトに沿って複数個配置された画像形成ユニットによって形成された画像を前記転写ベルトに搬送される単一の転写材上に順次重ね合わせて転写することにより前記転写材上にカラー画像を得るタンデム型カラー画像形成装置にすることで、高速印字に対応してかつ、OHP、厚紙、コート紙等、転写材の材質に影響されにくく、該転写時に転写不良の少ない、画像欠陥の少なく高画質な画像形成装置が得られた。
【0065】
かくして本発明によれば、以下(1)〜(9)が提供される。
(1)潜像担持体上に潜像を形成し、これをトナーで現像した後、このトナー像を中間転写体上に一次転写し、さらに該トナー像を転写機に二次転写して画像を得る方式の画像形成装置であって、該トナーの10kg/cm2圧縮時の引張破断強度が10〜1400(N/m2)であり、該トナーと潜像担持体とのイオン化ポテンシャル(IP)差が0〜1.0eVであり、かつ該トナーと中間転写体とのIP差が0〜1.0eV以下であることを特徴とする画像形成装置。
【0066】
(2)前記(1)において、疎水化処理された一次粒子の平均粒径が1〜100nmの無機微粒子を少なくとも2種類以上含みかつ、トナーの体積平均粒径が2μm〜8μmであることを特徴とするトナーを用いる画像形成装置。
ここで、疎水化処理された一次粒子の平均粒径が20nm以下の無機微粒子を少なくとも2種類以上含みかつ、30nm以上の無機微粒子を少なくとも1種類以上含むことを特徴とするトナーの使用が有利である。
【0067】
(3)前記(1)〜(2)いずれかにおいて、該トナーは軟化点が60〜150℃、流出開始温度が70℃〜130℃、かつ、ガラス転移温度(Tg)が40〜70℃であることを特徴とするトナーを用いる画像形成装置。
【0068】
(4)前記(1)〜(3)のいずれかにおいて、該トナーの数平均分子量(Mn)が2000〜8000、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が1.5〜20、かつ、少なくとも1つのピーク分子量(Mp)が3000〜7000であることを特徴とするトナーを用いる画像形成装置。
【0069】
(5)前記(1)〜(4)いずれかにおいて、該トナーのバインダー樹脂が、少なくとも主鎖にエポキシ樹脂部とポリオキシアルキレン部を有するポリオール樹脂を少なくとも含むことを特徴とするトナーを用いる画像形成装置。
ここで、該トナーのバインダー樹脂は、少なくともポリエステル樹脂を含むことが好ましい。
【0070】
(6)前記(1)〜(5)のいずれかにおいて、該トナー中に少なくともワックスを含有し、該ワックスのトナー中での分散平均粒径が0.001〜3μmであることを特徴とするトナーを用いる画像形成装置。
【0071】
(7)前記(1)〜(6)のいずれかにおいて、該潜像担持体が少なくとも導電性基体、電荷発生層、電荷移動層、フィラー補強電荷輸送層からなる機能分離型感光体であり、該電荷移動層が少なくとも電荷移動物質(CTM)と粘度平均分子量が3万以上6万以下のポリカーボネート樹脂(R)を含有し、その組成比(CTM/R比)が重量比で5/10以上10/10以下である電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
【0072】
(8)前記(1)〜(7)いずれかにおいて、該中間転写体が硬度10°≦HS≦65°(JIS−A)である弾性中間ベルトであることを特徴とする画像形成装置。
【0073】
(9)前記(1)〜(8)いずれかにおいて、該中間転写体の静止摩擦係数が0.1〜0.6であることを特徴とする画像形成装置。
【0074】
この他に、本発明はその実施形態として、下記(10)〜(12)を包含するものである。
(10)前記(1)〜(9)のいずれかにおいて、潜像担持体上の多色に分割された静電荷像を複数の多色からなる静電荷像現像用現像剤により現像してトナー像を形成し、潜像担持体表面に転写材を介し転写手段を当接させ該トナー像を該転写材に多数回もしくは一括して静電転写することを特徴とする画像形成装置。
(11)前記(1)〜(10)のいずれかにおいて、現像ロールおよび該現像ロール上に供給する現像剤の層厚を均一に規制する現像ブレードを備えた複数の多色現像装置によって、潜像担持体上に形成された多色に分割された静電潜像をそれぞれの色に対応する現像剤により、それぞれの色に対応した複数の潜像担持体上に現像し、潜像担持体表面に転写材を介し転写手段を当接させ該トナー像を該転写材に順次静電転写することを特徴とする画像形成装置。
(12)前記(1)〜(11)いずれかにおいて、ベルト駆動ローラとベルト従動ローラとの間に掛け渡された転写ベルトに沿って複数個配置された画像形成ユニットによって形成された画像を前記転写ベルトに搬送される単一の転写材上に順次重ね合わせて転写することにより前記転写材上にカラー画像を得ることを特徴とするタンデム型カラー画像形成装置。
【0075】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。ここで、本発明に用いられるトナー、現像剤の製法や材料、および潜像担持体、中間転写体、転写ベルト等を含む画像形成プロセスに関するシステム全般に関しては条件を満たせば、公知のものが全て使用可能である。
【0076】
(引張破断強度)
本発明の10kg/cm2圧縮時の引張破断強度測定は、例えば以下で示す粉体層の圧縮・引張特性計測装置(アグロボット:ホソカワミクロン製)を用い、下記条件下で上下2分割の円筒セル内に一定量の粉体を充填し、粉体を10kg/cm2の圧力下で保持した後、上部セルを持ち上げ、粉体層が破断されたときの最大引張破断強度(N/m2)をいう。なお、引張破断強度測定は、上記と同様の原理法則によって求められるのであれば、特に上記装置、条件で測定されたものでなくても良い。
【0077】
測定条件:
サンプル量:8g
環境温度:23℃
湿度:50%
セル内径:25mm
セル温度:25℃
バネ線径:1.0mm
圧縮速度:0.1mm/sec
圧縮応力:10kg/cm2
圧縮保持時間:60秒
引張速度:0.4mm/sec
【0078】
引張破断強度はトナーに加える流動化剤の種類や流動化剤に用いる表面処理剤の種類、添加量やトナーへの混合付着条件等の製造条件によって調整することができる。引張破断強度を低下させるには、比表面積の小さい流動化剤を使用する、流動化剤の添加量を増加させる、混合条件を弱くする、混合後の風篩過程で超音波振動篩等を用い、流動化剤の減少を防ぐと共に流動化剤、トナー同士の凝集も防ぐ手法等が有効であり、これらの手法を組み合わせて前述した引張破断強度が得られるように調節する。
【0079】
(イオン化ポテンシャル)
本発明のイオン化ポテンシャルは、大気中で光電子放出測定装置を用いて求めた。測定条件は以下に示す。
(1)装置;理研計器製AC−1
(2)UV光源;1000nWのキセノンランプ光源
(3)入射光のエネルギー範囲;3.4eV〜6.2eV
(4)べき乗;1乗則
(5)トナーは、粉体約20mgを約10mm×10mmのアルミ板上のせ、平らにならした後、装置にセットして測定した。潜像担持体、中間転写体は、装置にセットできる大きさ(10mm×10mm程度)に切り出し、必要な場合、適度な導電性を持たせる程度に薄膜にして測定した。
(6)仕事関数は装置付属のソフトウエアにより算出した。
上記と同様の原理法則によって求められるのであれば、特に上記装置、条件で測定されたものでなくても良い。
【0080】
(軟化点、流出開始温度)
本発明のトナーの軟化点は、軟化点測定装置(メトラー製、FP90)を使用して、1℃/minの昇温速度で軟化温度、流出開始温度を測定した。
【0081】
(ガラス転移温度(Tg))
本発明のトナーのTgは、下記の示差走査型熱量計を用いて、下記条件で測定した。
Figure 0003880858
【0082】
(分子量)
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)およびMpの測定は、以下のように行った。試料80mgをTHF10mlに溶解して試料液を調製し、5μmのフィルターで濾過して、この試料液100μlをカラムに注入し、下記の条件で保持時間の測定を行う。また、平均分子量既知のポリスチレンを標準物質として用いて、保持時間を測定して、予め作成しておいた検量線から試料の数平均分子量をポリスチレン換算で求めた。
Figure 0003880858
【0083】
(針入度、耐熱保存性)
トナーを10gずつ計量し、20ccのガラス容器に入れ、50℃にセットした恒温槽に5時間放置した後、針入度計で針入度を測定した。
【0084】
(静止摩擦係数)
本発明の中間転写体の静止擦係数は、以下のようにして求めることができる。本実施形態においては、ポータブル靜摩擦計(新東科学製HEIDON トライボギヤ ミューズ TYPE94i200)を使用した。靜摩擦計は、感光体ベルト及び中間転写体と靜摩擦計の平面圧子との接触を均一にするために、圧版をベルト内周側に挟みこんで使用される。ここで、感光体ベルト及び中間転写体に代えて、それぞれドラム状のものを使用することもできる。この場合、接触面積が多少減り、データのばらつきが若干増加するが、平均化などで問題とはならない。
【0085】
静止摩擦係数は、静止摩擦計の下部に設けられた平面圧子とベルトの間に働く最大摩擦力を計測し、垂直方向に方向に互いに押し合う力との比により得ることができる。また、この平面圧子は、Φ40の金属製プローブで約40gfと軽く、ベルト表面へ傷がつくなどの不具合を避けるものである。さらに、平面圧子とベルトの間に緩衝材を付けて測定する。本実施形態においては、この緩衝材に薄地の布を用いたが、綿・麻などの天然繊維、レーヨン・ポリプロピレンなどの合成樹脂繊、金属繊維、不織布なども用いることができる。また、適当な硬度の発泡体、適度な凹凸を持つ薄膜フィルムなども用いられる。
【0086】
平面圧子とベルトとの間にこのような緩衝材をつける理由は、中間転写体(又は感光体ベルト)は表面粗さと素材自体の柔らかさによる変形がある。また、トナーは粉体であるため、ベルト表面の凹凸に倣い、凹部の下の方にも密着するものである。よって、実際のベルトとトナーとの付着力として表わされるベルト表面の静止摩擦係数は、このような凹凸面の凹部も含んだ測定値である必要がある。そこで、凹凸面に対してもなじむことができ、かつ、相手部材を痛めない程度の柔軟でほぐれやすい材質の緩衝材を用いて測定するようにする。これにより、ベルトに平均的な押圧をかけることができるので、精度の良い静止摩擦係数を得ることができる。本実施形態にて用いた布の繊維束は、0.5mm程度の太さであり、さらにその繊維は5〜30μm程度となっているため、これを平面圧子とベルトの間につけて押圧すれば、繊維が適度に変形し、時には少しずつほぐれてベルトに平均的な押圧をかけることができる。なお、緩衝材に何を使うかは、対象表面の表面粗さや柔らかさに応じて選択すればよい。
【0087】
ところで、上記静止摩擦計による測定以外にも、特開平8−211757号で記載されているような、勾配をかけて圧子の滑り落ち始める時の角度θを求めてμ=tanθから求める方法もある。同公報では、新東科学製HEIDON−14DRのASTM D−1894で規定された平面圧子にポリエチレンテレフタレート(PET)シートを巻き付け、測定対象物と上記平面圧子間に200gfの垂直荷重をかけ水平方向に100mm/minの速度でサンプルシートを移動させたときのPETシートとサンプルシートのすべり抵抗を測定している。しかし、圧子に使われるPETなどの伸展樹脂材は、上述したようにトナーが中間転写体10の凹凸に倣って変形しつつ付着するような状態を再現できず、表面凸部のみで摩擦力を見るものである。また、このような計測器では、対象片を切り出してサンプルシートを作成するため、半ば破壊検査となり、ランニング中に随時測定するようなリアルタイムの評価ができない。よって、ポータブル静止摩擦計が望ましい。しかし、上記装置に限定されず、同様な原理に基づいて測定できる装置であれば特に上記装置、条件で測定されたものでなくても良い。
【0088】
(ワックスの分散平均粒径)
本発明に関わるワックスの分散平均粒径は、トナーの超薄切片をTEM(透過型電子顕微鏡)で観察することにより解析できる。必要によりTEM像をコンピュータに取り込み画像処理ソフトウエアにより分散平均粒子径を求める。
【0089】
(バインダー樹脂)
本発明のトナーのバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。特に、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂がより好ましい。
【0090】
より好ましくは、課題を解決するための手段で述べたように、ポリオール樹脂あるいは少なくとも主鎖にエポキシ樹脂部とポリオキシアルキレン部を有するポリオール樹脂を少なくとも含むことで、十分な耐圧縮強度、引張破断強度、環境安定性、安定した定着特性、コピー定着画像面の塩化ビニル系樹脂へのシートに密着時のシートへのトナー画像の転移防止を図ることができ、特にカラートナーに使用した場合カラー再現性、安定した光沢、コピー定着画像のカール防止等に効果をもたらしより好ましい。さらに少なくともポリオール樹脂部とポリエステル樹脂部を含むことで、耐圧縮強度とともに伸縮性と付着性のバランスのとれたトナーとなり、さらに安定した転写性、現像性、定着特性が得られたより好ましい。
【0091】
ここで、ポリエステル樹脂としては、各種のタイプのものが使用できるが、特に、
▲1▼2価のカルボン酸ならびにその低級アルキルエステル及び酸無水物のいずれかから選ばれる少なくとも一種と、
▲2▼下記一般式(2)で示されるジオール成分と、
【化2】
Figure 0003880858
(式中、R1及びR2は、同一でも異なっていてもよく、炭素数2〜4のアルキレン基であり、またx、yは繰り返し単位の数であり、各々1以上であって、x+y=2〜16である。)
▲3▼3価以上の多価カルボン酸ならびにその低級アルキルエステル及び酸無水物、及び、3価以上の多価アルコールのいずれかから選ばれる少なくとも一種、
とを反応させてなるポリエステル樹脂であることが好ましい。
【0092】
ここで、▲1▼の2価カルボン酸ならびにその低級アルキルエステル及び酸無水物の一例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、イソデシルコハク酸、マレイン酸、フマル酸及びこれらのモノメチル、モノエチル、ジメチル及びジエチルエステル、及び無水フタル酸、無水マレイン酸等があり、特にテレフタル酸、イソフタル酸及びこれらのジメチルエステルが耐ブロッキング性及びコストの点で好ましい。これらの2価カルボン酸ならびにその低級アルキルエステル及び酸無水物はトナーの定着性や耐ブロッキング性に大きく影響する。すなわち、縮合度にもよるが、芳香族系のテレフタル酸、イソフタル酸等を多く用いると耐ブロッキング性は向上するが、定着性が低下する。逆に、セバシン酸、イソデシルコハク酸、マレイン酸、フマル酸等を多く用いると定着性は向上するが、耐ブロッキング性が低下する。従って、他のモノマー組成や比率、縮合度に合わせてこれらの2価カルボン酸類が適宜選定され、単独又は組合わせて使用される。
【0093】
▲2▼の前記一般式(I)で示されるジオール成分の一例としては、ポリオキシプロピレン−(n)−ポリオキシエチレン−(n′)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられるが、特に、2.1≦n≦2.5であるポリオキシプロピレン−(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及び2.0≦n≦2.5であるポリオキシエチレン−(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。このようなジオール成分は、ガラス転移温度を向上させ、反応を制御し易くするという利点がある。なお、ジオール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール等の脂肪族ジオールを使用することも可能である。
【0094】
▲3▼の3価以上の多価カルボン酸ならびにその低級アルキルエステル及び酸無水物の一例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフトレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサトリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸及びこれらのモノメチル、モノエチル、ジメチルおよびジエチルエステル等が挙げられる。
また、▲3▼の3価以上の多価アルコールの一例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ショ糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
【0095】
ここで、3価以上の多価単量体の配合割合は、単量体組成物全体の1〜30モル%程度が適当である。1モル%未満のときには、トナーの耐オフセット性が低下し、また、耐久性も悪化しやすい。一方、30モル%を超えるときには、トナーの定着性が悪化しやすい。
これらの3価以上の多価単量体のうち、特にベンゼントリカルボン酸、これらの酸の無水物又はエステル等のベンゼントリカルボン酸類が好ましい。すなわち、ベンゼントリカルボン酸類を用いることにより、定着性と耐オフセット性の両立を図ることができる。
【0096】
また、これらのポリエステル樹脂やポリオール樹脂は、高い架橋密度を持たせると、透明性や光沢度が得られにくくなるため、好ましくは、非架橋もしくは弱い架橋(THF不溶分が5%以下)であることが好ましい。
【0097】
これらの結着樹脂の製造法は、特に限定されるものではなく、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等のいずれも用いることが出来る。
【0098】
(外添剤)
本発明のトナーは、必要に応じて外添剤を含有してもよい。外添剤としては無機微粒子や疎水化処理無機微粒子が使用できるが、前述したように疎水化処理された一次粒子の平均粒径が1〜100nm、より好ましくは5nm〜70nmの無機微粒子を少なくとも2種類以上含むことがより望ましい。この範囲より小さいと、無機微粒子がトナー中に埋没し、その機能が有効に発揮されにくい。またこの範囲より大きいと、感光体表面を不均一に傷つけ好ましくない。またここでの平均粒径は、数平均の粒子径である。さらに疎水化処理された一次粒子の平均粒径が1〜20nmの無機微粒子を少なくとも2種類以上含みかつ、30〜100nmの無機微粒子を少なくとも1種類以上含むことがより望ましい。
それらは、条件を満たせば公知のものすべて使用可能である。例えば、シリカ微粒子、疎水性シリカ、脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど)、金属酸化物(チタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモンなど)、フルオロポリマー等を含有してもよい。
【0099】
特に好適な添加剤としては、疎水化されたシリカ、チタニア、酸化チタン、アルミナ微粒子があげられる。シリカ微粒子としては、HDK H 2000、HDK H 2000/4、HDK H 2050EP、HVK21(以上、ヘキスト製)やR972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(以上、日本アエロジル製)がある。また、チタニア微粒子としては、P−25(日本アエロジル製)やSTT−30、STT−65C−S(以上、チタン工業製)、TAF−140(富士チタン工業製)、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(以上、テイカ製)などがある。特に疎水化処理された酸化チタン微粒子としては、T−805(日本アエロジル製)やSTT−30A、STT−65S−S(以上、チタン工業製)、TAF−500T、TAF−1500T(以上、富士チタン工業製)、MT−100S、MT−100T(以上、テイカ製)、IT−S(石原産業製)などがある。
【0100】
疎水化処理されたシリカ微粒子及びチタニア微粒子、アルミナ微粒子を得るためには、親水性の微粒子をメチルトリメトキシシランやメチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤で処理して得ることができる。
【0101】
またシリコーンオイルを必要ならば熱を加えて無機微粒子に処理した、シリコーンオイル処理無機微粒子も好適である。シリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル、メタクリル変性シリコーンオイル、αメチルスチレン変性シリコーンオイル等が使用できる。無機微粒子としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。その中でも特にシリカと二酸化チタンが好ましい。
【0102】
外添剤の添加量はトナーに対し0.1から5重量%、好ましくは0.3から3重量%を用いる事ができる。
【0103】
本発明に使用される無機微粒子の粒子径は、動的光散乱を利用する粒径分布測定装置、例えば大塚電子製のDLS−700やコールターエレクトロニクス社製のコールターN4により測定可能である。しかし疎水化処理後の粒子の二次凝集を解離する事は困難であるため、走査型電子顕微鏡もしくは透過型電子顕微鏡により得られる写真より直接粒径を求めることが好ましい。この場合少なくとも100個以上の無機微粒子を観察しその長径の平均値を求める。
【0104】
(着色剤)
本発明のトナーの着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフト−ルイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、オイルイエロー、ハンザイエロー、(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラゲンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイヤーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカレートVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレットB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサジンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアンエメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトポン及びそれらの混合物等である。
使用量は一般にバインダー樹脂100重量部に対し0.1〜50重量部である。
【0105】
(マスターバッチ顔料)
本発明では、樹脂と顔料との親和性を向上させる目的で、あらかじめ樹脂と顔料を1:1程度で混合、混練りしたマスターバッチ顔料を用いることもできる。より好ましくは低極性溶媒可溶成分量の樹脂と顔料を有機溶剤を用いずに加熱混練して製造することで、環境帯電安定性の優れたマスターバッチ顔料とすることができる。さらに、乾燥粉体顔料を用い、樹脂と濡らす方法として水を用いることでより分散性をより向上できる。
【0106】
一般的に着色剤として使用される有機顔料は疎水性であるが、その製造工程においては水洗、乾燥という工程をとっているため、ある程度の力を加えれば顔料凝集体内部にまで水を染み込ませることが可能である。この凝集体内部に水が染み込んだ顔料と樹脂を混合したものを、開放型の混練機で、100℃以上の設定温度で混練すると、凝集体内部の水は瞬時に沸点に達し、体積膨張するため、凝集体内部から凝集体を解砕しようとする力が加わることになる。この凝集体内部からの力は、外部から加える力に比べ非常に効率良く凝集体を解砕することが可能である。さらにこの時、樹脂は軟化点以上の温度に加熱されているため、粘度が低くなり、凝集体を効率よく濡らすようになるのと同時に、凝集体内部の沸点温度近い水といわゆるフラッシングに似た効果で置換されることにより、1次粒子に近い状態で顔料が分散したマスターバッチ顔料を得ることができる。さらに、水が蒸発している過程においては、水の蒸発に伴う気化熱を混練物から奪うため、混練物の温度は100℃以下の比較的低温高粘度に保持されるため、剪断力が有効に顔料凝集体に加えられるという効果も合せもつ。
本発明で用いるマスターバッチ顔料製造用の開放型混練機としては通常の2本ロール、3本ロールの他、バンバリーミキサーを開放型として使用する方法や、三井鉱山社製連続式2本ロール混練機等を用いることができる。
【0107】
(帯電制御剤)
本発明の画像形成装置で用いられるトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩および、サリチル酸誘導体の金属塩等である。
【0108】
具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
【0109】
本発明において帯電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静止電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
【0110】
(キャリア)
また、本発明のトナーを2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。
【0111】
また、キャリアの被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等があげられる。またポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂およびスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、およびシリコーン樹脂等が使用できる。また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
【0112】
また、本発明のトナーはキャリアを使用しない1成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
【0113】
(磁性材料)
更に、本発明のトナーは、磁性材料を含有させ、磁性トナーとしても使用し得る。磁性トナーとする場合には、トナー粒子に磁性体の微粒子を含有させれば良い。斯かる磁性体としては、フェライト、マグネタイトをはじめとする鉄、ニッケル、コバルトなどの強磁性を示す金属もしくは合金またはこれらの元素を含む化合物、強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金、例えばマンガン銅アルミニウム、マンガン−銅−錫、などのマンガンと銅とを含むホイスラー合金と呼ばれる種頼の合金、二酸化クロム、その他を挙げることができる。磁性体は、平均粒径が0.1〜1μmの微粉末の形態で均一に分散されて含有されることが好ましい。そして磁性体の含有割合は、得られるトナーの100重量部に対して、10〜70重量部であることが好ましく、特に20〜50重量部であることが好ましい。
【0114】
(ワックス)
トナーあるいは現像剤に定着離型性を持たせる為に、トナーあるいは現像剤の中にワックスを含有させることが好ましい。前記ワツクスは、その融点が40〜120℃のものであり、特に50〜110℃のものであることが好ましい。ワックスの融点が過大のときには低温での定着性が不足する場合があり、一方融点が過小のときには耐オフセツト性、耐久性が低下する場合がある。なお、ワックスの融点は、示差走査熱量測定法(DSC)によって求めることができる。すなわち、数mgの試料を一定の昇温速度、例えば(10℃/min)で加熟したときの融解ピーク値を融点とする。
【0115】
本発明に用いることができるワックスとしては、例えば固形のパラフィンワックス、マイクロワックス、ライスワックス、脂肪酸アミド系ワックス、脂肪酸系ワックス、死亡族モノケトン類、脂肪酸金属塩系ワックス、脂肪酸エステル系ワックス、部分ケン化脂肪酸エステル系ワックス、シリコーンワニス、高級アルコール、カルナウバワックスなどを挙げることができる。また低分子量ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンなども用いることができる。特に、環球法による軟化点が70〜150℃のポリオレフィン、エステルが好ましく、さらには当該軟化点が120〜150℃のポリオレフィン、エステルが好ましい。
【0116】
さらに好ましくは、酸価5以下の脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、モンタン系エステルワックス、酸価10〜30の酸化ライスワックス及びサゾールワックスから選ばれた少なくとも一種のワックス類を含有することが効果的であることが判明した。
【0117】
脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスは、カルナウバワックスを原料にして遊離脂肪酸を脱離したものであり、このため酸価が5以下となり、且つ従来のカルナウバワックスより微結晶となり、結着樹脂中での分散平均粒径が1μm以下となり、分散性が向上する。
【0118】
モンタン系エステルワックスは鉱物より精製されたものであり、カルナウバワックスと同様に微結晶となり、結着樹脂中での分散平均粒径が1μm以下となり、分散性が向上する。モンタン系エステルワックスの場合、酸価として特に5〜14であることが好ましい。
【0119】
また、酸化ラスイスワックスは、米ぬかワックスを空気酸化したものである。酸価は10〜30であることが好ましく、10未満では定着下限温度が上昇し低温定着性が不十分となり、30より大きいとコールドオフセット温度が上昇しやはり低温定着性が不十分となる。
【0120】
サゾールワックスは、サゾール製サゾールワックスH1、H2、A1、A2、A3、A4、A6、A7、A14、C1、C2、SPRAY30、SPRAY40等が使用できるが、中でもH1、H2、SPRAY30、SPRAY40が低温定着、保存安定性にすぐれ好ましい。
【0121】
また、上記ワックスは単独で用いても組み合わせて用いても良く、結着樹脂100重量部に対して0〜20重量部、好ましくは0〜10重量部含有させることで、前記に示した良好な結果が得られる。
【0122】
(クリーニング性向上剤)
感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤をトナー中に含有あるいはトナー表面に添加あるいは、現像剤中に含有あるいは表面に添加することがより好ましい。クリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。クリーニング性向上剤の含有量は結着樹脂100重量部に対して0〜5重量部が好ましく、特に0〜1重量部であることがより好ましい。
【0123】
(トナー製造方法)
本発明の製造方法は、少なくともバインダー樹脂、帯電制御剤および顔料を含むトナー成分を機械的に混合する工程と、溶融混練する工程と、粉砕する工程と、分級する工程とを有するトナーの製造方法が適用できる。また機械的に混合する工程や溶融混練する工程において、粉砕または分級する工程で得られる製品となる粒子以外の粉末を戻して再利用する製造方法も含まれる。
【0124】
ここで言う製品となる粒子以外の粉末(副製品)とは溶融混練する工程後、粉砕工程で得られる所望の粒径の製品となる成分以外の微粒子や粗粒子や引き続いて行われる分級工程で発生する所望の粒径の製品となる成分以外の微粒子や粗粒子を意味する。このような副製品を混合工程や溶融混練する工程で原料と好ましくは副製品1に対しその他原材料99から副製品50に対し、その他原材料50の重量比率で混合するのが好ましい。
【0125】
少なくともバインダー樹脂、帯電制御剤および顔料、副製品を含む現像剤成分を機械的に混合する混合工程は、回転させる羽による通常の混合機などを用いて通常の条件で行えばよく、特に制限はない。
【0126】
以上の混合工程が終了したら、次いで混合物を混練機に仕込んで溶融混練する。溶融混練機としては、一軸、二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所製のKTK型2軸押出機、東芝機械製のTEM型押出機、ケイ・シー・ケイ製の2軸押出機、池貝鉄工所製のPCM型2軸押出機、ブス製コニーダー等が好適に用いられる。
【0127】
この溶融混練は、バインダー樹脂の分子鎖の切断しないような適正な条件で行うことが重要である。具体的には、溶融混練温度は、バインダー剤樹脂の軟化点を参考に行うべきであり、軟化点より低温過ぎると切断が激しく、高温過ぎると分散が進まない。またトナー中の揮発性成分量を制御する場合、溶融混練温度と時間、雰囲気は、その時の残留揮発性成分量をモニターしながら最適条件を設定することがより好ましい。
【0128】
以上の溶融混練工程が終了したら、次いで混練物を粉砕する。この粉砕工程においては、まず粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
【0129】
この粉砕工程が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中で分級し、もって所定の粒径例えば体積平均粒径が5〜20μmのトナー(母体粒子)を製造する。トナーの体積平均粒径は2〜8μmであることが、画像品質、製造コスト、外添剤との被覆率等からより好ましい。体積平均粒径は例えば、COULTERTA−II(COULTER ELECTRONICS,INC製)等を用いて測定できる。
【0130】
また、トナーを調製する際には、トナーの流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、以上のようにして製造されたトナーにさらに先に挙げた疎水性シリカ微粉末等の無機微粒子を添加混合してもよい。外添剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。外添剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中または漸次外添剤を加えていけばよい。もちろん混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよい。はじめに強い負荷を、次に比較的弱い負荷を与えても良いし、その逆でも良い。
使用できる混合設備の例としては、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。
また、その他の製造法として、重合法、カプセル法等を用いることも可能である。これらの製造法の概略を以下に述べる。
【0131】
(重合法)
▲1▼ 重合性モノマー、必要に応じて重合開始剤、着色剤等を水性分散媒中で造粒する。
▲2▼ 造粒されたモノマー組成物粒子を適当な粒子径に分級する。
▲3▼ 上記分級により得た規定内粒径のモノマー組成物粒子を重合させる。
▲4▼ 適当な処理をして分散剤を取り除いた後、上記により得た重合生成物をろ過、水洗、乾燥して母体粒子を得る。
(カプセル法)
▲1▼ 樹脂、必要に応じて着色剤等を混練機等で混練し、溶融状態のトナー芯材を得る。
▲2▼ トナー芯材を水中に入れて強く撹拌し、微粒子状の芯材を作成する。
▲3▼ シェル材溶液中に上記芯材微粒子を入れ、撹拌しながら、貧溶媒を滴下し、芯材表面をシェル材で覆うことによりカプセル化する。
▲4▼ 上記により得たカプセルをろ過後、乾燥して母体粒子を得る。
【0132】
(潜像担持体)
本発明の画像形成装置に搭載される潜像担持体(感光体)の導電性支持体としては、特に限定されない。体積抵抗が1010Ωcm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、チタン、ニッケル、クロム、ニクロム、ハステロイ、パラジウム、マグネシウム、亜鉛、銅、金、白金などの金属、及び合金、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモンなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングまたは樹脂バインダー中に分散して塗工することにより、フィルム上もしくは円筒状のプラスチック、紙などに被覆したもの、前記の金属または金属酸化物または導電性カーボンをフィルム状もしくは円筒状のプラスチック中に分散含有させたもの或はアルミニウム、アルミニウム合金、鉄、ニッケル合金、ステンレス合金、チタン合金等の板、及びそれらをD.I.、I.I.、押出し、引き抜き等の工法で素管化後、切削、超仕上げ、研磨等で表面処理した管等を使用することができる。
【0133】
電荷発生層は、電荷発生物質のみか、電荷発生物質を分散ないし相溶した樹脂層よりなる。
【0134】
電荷発生物質としては、特に限定されない。例えば、シーアイピグメントブルー25〔カラーインデックス(CI)21180〕、シーアイピグメントレッド41(CI21200)、シーアイアシッドレッド52(CI45100)、シーアイベーシックレッド3(CI45210)、さらに、ポリフィリン骨格を有するフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクアリック塩顔料、アンスアンサンスロン系顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−95033号公報に記載)、スチルベン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−138229号公報に記載)、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−132547号公報に記載)、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−21728号公報に記載)、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−12742号公報に記載)、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−22834号公報に記載)、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−17733号公報に記載)、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−2129号公報に記載)、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−17734号公報に記載)、カルバゾール骨格を有するトリアゾ顔料(特開昭57−195767号公報、同57−195768号公報に記載)等、さらに、シーアイピグメントブルー16(CI74100)等のフタロシアニン系顔料、シーアイバットブラウン5(CI73410)、シーアイバットダイ(CI73030)等のインジゴ系顔料、アルゴスカーレットB(バイオレット社製)、インダスレンスカーレットR(バイエル社製)等のペリレン系顔料等の有機顔料を使用することができる。
【0135】
好ましくは金属または無金属フタロシアニン化合物(更に好ましくはチタニルフタロシアニン、ヒドロキシカリウムフタロシアニンであり、Cu−Kα線に対するブラッグ角2θの27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニンが最も好ましい)、またはアンスアンスロン化合物等を用いるのが好ましい。またこれらは必要に応じて二種以上混合して用いてもよい。
【0136】
電荷発生層の膜厚は、0.05〜2μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜1μmである。
【0137】
電荷発生層は溶剤に樹脂バインダーと共に、電荷発生物質を分散ないし相溶し、これを基体上にもしくは下引き層上に、塗布・乾燥することによって形成される。
【0138】
このような樹脂バインダーとしては、ポリスチン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリルニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリアリレート、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリレート、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルホルマール、フェノキシ樹脂、ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコン樹脂、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂等の、熱可塑性または熱硬化性樹脂、また高分子有機半導体、例えばポリ−N−ビニルカルバゾール等が挙げられが、これらに限定されない。これらのバインダー樹脂は単独または混合して用いられる。電荷発生物質とバインダー材料の使用割合は、重量比で100:0〜100:50が好ましい。
【0139】
溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、ジクロルベンゼン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼン、エチルアルコール、メチルアルコール、ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどがあげられるが、これらに限定されない。これら溶剤も単独または混合して用いることができる。
【0140】
また本発明においては、電荷ブロッキング性を向上させるために感光層と基板の間に下引き層を設けることが好ましい。このような下引き層は、一般には樹脂を主成分とする。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂やシランカップリング剤や有機キレート化合物等よりなるセラミック系などが挙げられが、これらに限定されない。
【0141】
下引き層の上には感光層が設けられる。感光層は、単層構造でも積層構造でもよいが、好ましくは電荷発生層と電荷移動層とを持つ、いわゆる機能分離型の積層構造を有するものがより好ましい。
【0142】
電荷移動層は、電荷移動物質(CTM)とバインダー樹脂あるいは、電荷輸送機能をもつバインダー樹脂で構成される。バインダー成分として用いることのできる高分子化合物としては、例えば、ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの高分子化合物は単独または2種以上の混合物として、また、電荷輸送物質と共重合化して用いることができる。
【0143】
電荷移動層は、電荷移動物質(CTM)と粘度平均分子量が3万以上6万以下のポリカーボネート樹脂(R)で構成され、かつその組成比(CTM/R比)が重量比で5/10以上10/10以下であることが特に好ましい。ポリカーボネート樹脂は各種骨格を含むものが知られているが、それら公知のポリカーボネート樹脂すべてを使用できる。例えば、下記(化3)の一般式(1)、一般式(2)、一般式(3)及び一般式(4)で示される構造単位を主要繰返し単位として有する重合体又は共重合体から選ばれる少なくとも一種を含有するポリカーボネート樹脂
【化3】
Figure 0003880858
〔(一般式(1)のR1〜R8はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基又はアリール基を、R9、R10は水素原子、低級アルキル基、又はアリール基を表わす。但しR1〜R8のうち少なくとも1つがハロゲン原子、低級アルキル基又はアリール基であるか、もしくは、R9、R10のうち少なくとも1つが炭素数3以上の低級アルキル基又はアリール基である。)、更に一般式(2)、一般式(3)及び一般式(4)の中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子又は低級アルキル基、R9、R10、R11及びR12は、水素原子、低級アルキル基又はアリール基を表す。Zは炭素環又は複素環を形成するに必要な原子群、A1は−C(R13)(R14)−、−Si(R15)(R16)−、−S−、−SO2−、−CO−、−O−又は−(CH2)n−(但し、nは2以上の整数、R13及びR14は互いに結合して炭素環又は複素環を形成し、R15及びR16はそれぞれ置換、無置換のアルキル基又はアリール基、l及びmはl(l+m)=0.1〜0.9を表す。)〕
等が挙げられるがこれらに限定されない。
【0144】
CTMとしては、例えばカルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセン等が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。
【0145】
これらは単独でも、二種以上の混合で用いてもよい。電荷移動層の膜厚は、10〜35μmであることが好ましい。
【0146】
また、電荷輸送物質としてはヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化合物、トリフェニルメタン化合物、オキサジアゾール化合物、カルバゾール化合物、スチルベン化合物、エナミン化合物、オキサゾール化合物、トリフェニルアミン化合物、テトラフェニルベンジジン化合物、アジン化合物等の様々な化合物であって、電荷輸送物質自体のイオン化ポテンシャルが、高いものを選択することが好ましい。しかし、ブタジエン系化合物あるいはピラゾリン系化合物が相対的に低いイオン化ポテンシャルを有する傾向にあるが、イオン化ポテンシャルは、置換基にも影響を受けるので、置換基の種類も考慮に入れて、電荷輸送物質を選択する必要がある。置換基としては、ニトロ基またはハロゲン原子等の電子受容性基が、イオン化ポテンシャルを大きくする傾向にある。
【0147】
また繰り返し使用した際の疲労劣化を少なくするために、あるいは耐久性を向上させるために、感光体の各層いずれにでも、従来公知のヒンダードアミンやヒンダードフェノール類に代表される酸化防止剤、紫外線吸収剤、電子受容性物質、表面改質剤、可塑剤等、環境依存性低減剤などを、必要に応じて適正量添加して用いることができる。特に電荷輸送層に添加する添加剤としては、酸化防止剤の添加がイオン化ポテンシャルの調整に有効であり、酸化防止剤を添加することにより、イオン化ポテシャルを高くすることが可能となる。
【0148】
また、必要に応じて感光層以外に保護層等を設けてもよい。電荷輸送層はその上に後述のフィラー補強電荷輸送層を設けない場合、電荷輸送層の表面部位には、耐摩耗性を向上する目的でフィラー材料を添加することが好ましい。
有機性フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコ−ン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げられ、無機性フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などの無機材料が挙げられる。
【0149】
これらのフィラーの中で、フィラーの硬度の点から無機材料を用いることが耐摩耗性の向上に対し有利である。特に、シリカ、酸化チタン、アルミナが有効に使用できる。また、これらのフィラー材料は単独もしくは2種類以上を混合して用いられる。これらのフィラーは塗工液および塗工膜中の分散性向上を目的として、表面処理剤によるフィラー表面の改質が施されてもよい。
【0150】
これらのフィラー材料は、電荷輸送物質や結着樹脂、溶媒等とともに適当な分散機を用いることにより分散できる。また、フィラーの一次粒径の平均は、0.01〜0.8μmであることが電荷輸送層の透過率や耐摩耗性の点から好ましい。
また、これらのフィラーを電荷輸送層全体に含有させることも可能であるが、露光部電位が高くなるような場合があるため、電荷輸送層の最表面側が最もフィラー濃度が高く、支持体側が低くなるようにフィラー濃度傾斜を設けたり、電荷輸送層を複数層にして、支持体側から表面側に向かい、フィラー濃度を順次高くしたりするような構成にすることが好ましい。
電荷輸送層の表面側に含有される無機フィラー層の膜厚(表面からの深さ)は0.5μm以上であることが好ましく、より好ましくは2μm以上が好ましい。
【0151】
フィラー補強電荷輸送層を電荷輸送層の表面に設ける場合、電荷輸送層は、電荷輸送成分とバインダ−成分を主成分とする混合物ないし共重合体を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成出来る。電荷輸送層の膜厚は、10〜100μm程度が適当であり、解像力が要求される場合、10〜30μm程度が適当である。
この場合の電荷輸送層に用いることのできるバインダー成分は、例えば、前述の熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの高分子化合物は単独または2種以上の混合物として、また、電荷輸送物質と共重合化して用いることができる。
【0152】
層形成には塗布方法が最も一般的であり、塗布液の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、ブレードコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、カーテンコーティング法及び円型量規制型コーティング法等を用いることができる。
【0153】
次に、フィラー補強電荷輸送層について説明する。
本発明におけるフィラー補強電荷輸送層とは、少なくとも電荷輸送成分とバインダー樹脂成分とフィラーが含まれ、電荷輸送性と機械的耐性を併せ持つ機能層を指す。フィラー補強電荷輸送層は、従来型の電荷輸送層に匹敵する高い電荷移動度を示す特徴を有し、これは表面保護層と区別される。また、フィラー補強電荷輸送層は、積層型感光体における電荷輸送層を2層以上に機能分離した表面層として用いられる。すなわち、この層はフィラーの含まれない電荷輸送層との積層で用いられ、単独で用いられる事が無い。このため、フィラーが添加剤として電荷輸送層中に分散された場合の電荷輸送層の単一層と区別される。
【0154】
フィラー補強電荷輸送層に用いられるフィラー材料としては、電荷輸送層の説明に挙げたように、無機材料、特にシリカ、酸化チタン、アルミナが有効に使用できる。また、これらのフィラー材料は単独もしくは2種類以上を混合して用いられる。
これらのフィラーは塗工液および塗工膜中の分散性向上を目的として、前述と同様、表面処理剤によるフィラー表面の改質が施されてもよい。
これらのフィラー材料は、電荷輸送物質や結着樹脂、溶媒等とともに適当な分散機を用いることにより分散できる。また、フィラーの一次粒径の平均は、0.01〜0.8μmであることが電荷輸送層の透過率や耐摩耗性の点から好ましい。
塗工方法としては浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等が採用される。
フィラー補強電荷輸送層の膜厚は0.5μm以上であることが好まく、より好ましくは2μm以上が好ましい。
【0155】
(中間転写体)
本発明における転写システムの中間転写体の1実施形態について説明する。図1は本実施形態に係る複写機の概略構成図である。潜像担持体としての感光体ドラム(以下、感光体という)40の回りには、帯電装置としての帯電ローラ60、露光装置21、クリーニングブレードを有するクリーニング装置19、除電装置としての除電ランプ64、現像装置1、一次転写手段としての中間転写体10とが配設されている。該中間転写体10は、複数の支持体ローラ14、15、16によって懸架され、図示しないモータ等の駆動手段により矢印方向に無端状に走行するように構成されている。この支持体ローラの一部は、中間転写体10へ転写バイアスを供給する転写バイアスローラとしての役目を兼ねており、図示しない電源から所定の転写バイアス電圧が印加される。また、中間転写体10のクリーニングブレードを有するクリーニング装置17も配設されている。また、中間転写体10に対向し、最終転写材としての転写紙sにトナー像を転写するための二次転写手段として転写ローラ22が配設され、転写ローラ22は図示しない電源装置により転写バイアスを供給される。そして、上記中間転写体10の周りには、電荷付与手段としてのコロナ帯電器2が設けられている。
【0156】
現像装置1は、現像剤担持体としての現像ベルト3と、現像ベルト3の回りに併設した黒(以下、Bkという)現像ユニット4K、イエロー(以下、Yという)現像ユニット4Y、マゼンタ(以下、マゼンタという)現像ユニット4M、シアン(以下、Cという)現像ユニット4Cとから構成されている。また、該現像ベルト3は、複数のベルトローラに張り渡され、図示しないモータ等の駆動手段により矢印方向に無端状に走行するように構成され、上記感光体40との接触部では感光体40とほぼ同速で移動する。
【0157】
各現像ユニットの構成は共通であるので、以下の説明はBk現像ユニット4Bkについてのみ行ない、他の現像ユニット4Y、4M、4Cについては、図中でBk現像ユニット4Bkにおけるものと対応する部分に、該ユニットにおけるものに付した番号の後にY、M、Cを付すに止め説明は省略する。
現像ユニット4Bkは、現像剤を収容する現像タンク5Bkと、下部を該現像タンク5Bk内の現像剤に一部が埋まるように配設された汲み上げローラ6Bkと、汲み上げローラ6Bkから汲み上げられた現像剤を薄層化して現像ベルト3に塗布する塗布ローラ7Bkとから構成されている。塗布ローラ7Bkは、導電性を有しており、図示しない電源から所定のバイアスが印加される。
【0158】
なお、本実施形態に係る複写機の装置構成としては、図1に示すような装置構成以外にも、図2に示すような、各色の現像ユニット4を感光体40の回りに併設した装置構成であっても良い。
【0159】
次に、本実施形態に係る複写機の動作について説明する。図1において、感光体40を矢印方向に回転駆動しながら帯電ローラ60により一様帯電した後、露光装置21により図示しない光学系で原稿からの反射光を結像投影して感光体40上に静電潜像を形成する。この静電潜像は、現像装置1により現像され、顕像としてのトナー像が形成される。現像ベルト3上の現像剤薄層は、現像領域において感光体40との接触により薄層の状態で該ベルト3から剥離し、感光体40上の潜像の形成されている部分に移行する。この現像装置1により現像されたトナー像は、感光体40と等速移動している中間転写体10との当接部(一次転写領域)にて中間転写体10の表面に転写される(一次転写)。3色あるいは4色を重ね合わせる転写を行う場合は、この行程を各色ごとに繰り返し、中間転写体10にカラー画像を形成する。
【0160】
上記中間転写体上の重ね合せトナー像に電荷を付与するためのコロナ帯電器2を、中間転写体10の回転方向において、感光体40と中間転写体10との接触対向部の下流側で、かつ中間転写体10と転写紙sとの接触対向部の上流側の位置に設置する。そして、このコロナ帯電器2が、該トナー像に対して、該トナー像を形成するトナー粒子の帯電極性と同極性の電荷を付与し、転写紙sへ良好な転写がなされるに十分な電荷をトナー像に与える。上記トナー像は、コロナ帯電器2によりに帯電された後、転写ローラ22からの転写バイアスにより、図示しない給紙部から矢印方向に搬送された転写紙s上に一括転写される(二次転写)。この後、トナー像が転写された転写紙sは、図示しない分離装置により中間転写体10から分離され、図示しない定着装置で定着処理がなされた後に装置から排紙される。一方、転写後の感光体40は、クリーニング装置19によって未転写トナーが回収除去され、次の帯電に備えて除電ランプ64により残留電荷が除電される。
【0161】
該中間転写体の静止摩擦係数は前述したように、好ましくは0.1〜0.6、より好ましくは0.3〜0.5である。該中間転写体の体積抵抗は数Ωcm以上103Ωcm以下であることが好ましい。体積抵抗を数Ωcm以上103Ωcm以下とすることにより、中間転写体自身の帯電を防ぐとともに、電荷付与手段により付与された電荷が該中間転写体上に残留しにくくなるので、二次転写時の転写ムラを防止できる。また、二次転写時の転写バイアス印加を容易にできる。
【0162】
中間転写体の材質は特に制限されず、公知の材料が全て使用できる。その一例を以下に示す。(1)ヤング率(引張弾性率)の高い材料を単層ベルトとして用いたものであり、PC(ポリカーボネイト)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PAT(ポリアルキレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネイト)/PAT(ポリアルキレンテレフタレート)のブレンド材料、ETFE(エチレンテトラフロロエチレン共重合体)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料、カーボンブラック分散の熱硬化性ポリイミドなど。これらヤング率の高い単層ベルトは画像形成時の応力に対する変形量が少なく、特にカラー画像形成時にレジズレを生じにくいとの利点を有している。(2)上記のヤング率の高いベルトを基層とし、その外周上に表面層または中間層を付与した2〜3層構成のベルトであり、これら2〜3層構成のベルトは単層ベルトの硬さに起因し発生するライン画像の中抜けを防止しうる性能を有している。(3)ゴムおよびエラストマーを用いたヤング率の比較的低いベルトであり、これらのベルトは、その柔らかさによりライン画像の中抜けが殆ど生じない利点を有している。また、ベルトの幅を駆動ロールおよび張架ロールより大きくし、ロールより突出したベルト耳部の弾力性を利用して蛇行を防止するので、リブや蛇行防止装置を必要とせず低コストを実現できる。
【0163】
中間転写ベルトは、従来から弗素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等が使用されてきていたが、近年ベルトの全層や、ベルトの一部を弾性部材にした弾性ベルトが使用されてきている。樹脂ベルトを用いたカラー画像の転写は以下の課題がある。
【0164】
カラー画像は通常4色の着色トナーで形成される。1枚のカラー画像には、1層から4層までのトナー層が形成されている。トナー層は1次転写(感光体から中間転写ベルトへの転写)や、2次転写(中間転写ベルトから紙等の転写材への転写)を通過することで圧力を受け、トナー同士の凝集力が高くなる。トナー同士の凝集力が高くなると文字の中抜けやベタ部画像のエッジ抜けの現象が発生しやすくなる。樹脂ベルトは硬度が高くトナー層に応じて変形しないため、トナー層を圧縮させやすく文字の中抜け現象が発生しやすくなる。
【0165】
また、最近はフルカラー画像を様々な用紙、例えば和紙や意図的に凹凸を付けや用紙に画像を形成したいという要求が高くなってきている。しかし、平滑性の悪い用紙は転写時にトナーと空隙が発生しやすく、転写抜けが発生しやすくなる。密着性を高めるために2次転写部の転写圧を高めると、トナー層の凝縮力を高めることになり、上述したような文字の中抜けを発生させることになる。
【0166】
弾性ベルトは次の狙いで使用される。弾性ベルトは、転写部でトナー層、平滑性の悪い用紙に対応して変形する。つまり、局部的な凹凸に追従して弾性ベルトは変形するため、過度にトナー層に対して転写圧を高めることなく、良好な密着性が得られ文字の中抜けの無い、平面性の悪い用紙に対しても均一性の優れた転写画像を得ることが出来る。
【0167】
弾性ベルトの樹脂は、ポリカーボネート、フッ素系樹脂(ETFE、PVDF)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではないことは当然である。
【0168】
弾性材ゴム、エラストマーとしては、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDM、NBR、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム、熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリウレア、ポリエステル系、フッ素樹脂系)等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではないことは当然である。
【0169】
抵抗値調節用導電剤に特に制限はないが、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化錫、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物、導電性金属酸化物は、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したものでもよい。上記導電剤に限定されるものではないことは当然である。
【0170】
表層材料、表層は弾性材料による感光体への汚染防止と、転写ベルト表面への表面摩擦抵抗を低減させてトナーの付着力を小さくしてクリーニング性、2次転写性を高めるものが要求される。たとえばポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等の1種類あるいは2種類以上を使用し表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料、たとえばフッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、2酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体、粒子を1種類あるいは2種類以上または粒径を異ならしたものを分散させ使用することができるまたフッ素系ゴム材料のように熱処理を行うことで表面にフッ素リッチな層を形成させ表面エネルギーを小さくさせたものを使用することもできる。
【0171】
中間転写ベルトの製造方法は限定されるものではなく、例えば
回転する円筒形の型に材料を流し込みベルトを形成する遠心成型法、
液体塗料を噴霧し膜を形成させるスプレイ塗工法、
円筒形の型を材料の溶液の中に浸けて引き上げるディッピング法、
内型、外型の中に注入する注型法、
円筒形の型にコンパウンドを巻き付け、加硫研磨を行う方法、
等があるが、これに限定されるものではなく、複数の製法を組み合わせてベルトを製造することが一般的である。
【0172】
弾性ベルトトして伸びを防止する方法として、伸びの少ない芯体樹脂層にゴム層を形成する方法、芯体層に伸びを防止する材料を入れる方法等があるが、特に製法に関わるものではない。
伸びを防止する芯体層を構成する材料は、例えば、綿、絹、などの天然繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアセタール繊維、ポリフロロエチレン繊維、フェノール繊維などの合成繊維、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維などの無機繊維、鉄繊維、銅繊維などの金属繊維からなる群より選ばれる1種あるいは2種以上を用い織布状あるいは糸状のものができる。もちろん上記材料に限定されるものではない。
【0173】
糸は1本または複数のフィラメントを撚ったもの、片撚糸、諸撚糸、双糸等、どのような撚り方であってもよい。また、例えば上記材料群から選択された材質の繊維を混紡してもよい。もちろん糸に適当な導電処理を施して使用することもできる。
一方織布は、メリヤス織り等どのような織り方の織布でも使用可能であり、もちろん交織した織布も使用可能であり当然導電処理を施すこともできる。
【0174】
芯体層を設ける製造方法は特に限定されるものではない、例えば筒状に織った織布を金型等に被せ、その上に被覆層を設ける方法、筒状に織った織布を液状ゴム等に浸漬して芯体層の片面あるいは両面に被覆層を設ける方法、糸を金型等に任意のピッチで螺旋状に巻き付け、その上に被覆層を設ける方法等を挙げることができる。
弾性層の厚さは、弾性層の硬度にもよるが、厚すぎると表面の伸縮が大きくなり表層に亀裂の発生しやすくなる。また、伸縮量が大きくなることから画像に伸びちじみが大きくなること等から厚すぎることは好ましくない(およそ0.05〜1mm)。
【0175】
弾性層の硬度の適正範囲は10≦HS≦65゜(JIS−A)である。ベルトの層厚によって最適硬度の調整は必要となる。硬度10゜(JIS−A)より下のものは寸法精度良く成形する事が非常に困難である。これは成型時に収縮・膨張を受け易い事に起因する。また柔らかくする場合には基材へオイル成分を含有させる事が一般的な方法であるが、加圧状態で連続作動させるとオイル成分が滲みだして来るという欠点を有している。これにより中間転写体表面に接触する感光体を汚染し横帯状ムラを発生させる事が分かった。
【0176】
一般的に離型性向上のために表層を設けているが、完全に浸みだし防止効果を与えるためには表層は耐久品質等要求品質の高いものになり、材料の選定、特性等の確保が困難になってくる。これに対して硬度65゜(JIS−A)以上のものは硬度が上がった分精度良く成形できるのと、オイル含有量を含まない、または少なく抑えることが可能となるので、感光体に対する汚染性は低減可能であるが、文字の中抜け等転写性改善の効果が得られなくなり、ローラへの張架が困難となる。
【0177】
中間転写体のイオン化ポテンシャルはそのメイン樹脂に依存するところも大きいが、感光体の場合と同様、ヒンダードアミンやヒンダードフェノール類に代表される酸化防止剤の添加がイオン化ポテンシャルの調整に有効であり、酸化防止剤を添加することにより、イオン化ポテシャルを高くすることも可能となる。
【0178】
(タンデム型カラー画像形成装置)
本発明のタンデム型カラー画像形成装置の実施形態について説明する。タンデム型の電子写真装置には、図3に示すように、各感光体40上の画像を転写装置62により、シート搬送ベルト11で搬送するシートsに順次転写する直接転写方式のものと、図4に示すように、各感光体40上の画像を1次転写装置62によりいったん中間転写体10に順次転写して後、その中間転写体10上の画像を2次転写装置22によりシートsに一括転写する間接転写方式のものとがある。転写装置5は転写搬送ベルトであるが、ローラ形状も方式もある。
【0179】
直接転写方式のものと、間接転写方式のものとを比較すると、前者は、感光体40を並べたタンデム型画像形成装置Tの上流側に給紙装置47を、下流側に定着装置7を配置しなければならず、シート搬送方向に大型化する欠点がある。これに対し、後者は、2次転写位置を比較的自由に設置することができる。また、給紙装置47、および定着装置25をタンデム型画像形成装置Tと重ねて配置することができ、小型化が可能となる利点がある。
【0180】
また、前者は、シート搬送方向に大型化しないためには、定着装置25をタンデム型画像形成装置Tに接近して配置することとなる。そのため、シートsがたわむことができる十分な余裕をもって定着装置25を配置することができず、シートsの先端が定着装置25に進入するときの衝撃(特に厚いシートで顕著となる)や、定着装置25を通過するときのシート搬送速度と、転写搬送ベルトによるシート搬送速度との速度差により、定着装置25が上流側の画像形成に影響を及ぼしやすい欠点がある。これに対し、後者は、シートsがたわむことができる十分な余裕をもって定着装置25を配置することができるから、定着装置25がほとんど画像形成に影響を及ぼさないようにすることができる。
【0181】
以上のようなことから、最近は、タンデム型電子写真装置の中の、特に間接転写方式のものが注目されてきている。
そして、この種のカラー電子写真装置では、図4に示すように、1次転写後に感光体40上に残留する転写残トナーを、感光体クリーニング装置19で除去して感光体40表面をクリーニングし、再度の画像形成に備えていた。また、2次転写後に中間転写体10上に残留する転写残トナーを、中間転写体クリーニング装置17で除去して中間転写体10表面をクリーニングし、再度の画像形成に備えていた。
【0182】
さらに、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態につき説明する。
図5は、この発明の一実施の形態を示すもので、タンデム型間接転写方式の電子写真装置である。図中符号100は複写装置本体、200はそれを載せる給紙テーブル、300は複写装置本体100上に取り付けるスキャナ、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。複写装置本体100には、中央に、無端ベルト状の中間転写体10を設ける。
そして、図5に示すとおり、図示例では3つの支持ローラ14・15・16に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能とする。
この図示例では、3つのなかで第2の支持ローラ15の左に、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置17を設ける。
また、3つのなかで第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15間に張り渡した中間転写体10上には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18を横に並べて配置してタンデム画像形成装置20を構成する。
【0183】
そのタンデム画像形成装置20の上には、図5に示すように、さらに露光装置21を設ける。一方、中間転写体10を挟んでタンデム画像形成装置20と反対の側には、2次転写装置22を備える。2次転写装置22は、図示例では、2つのローラ23間に、無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡して構成し、中間転写体10を介して第3の支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写体10上の画像をシートに転写する。
2次転写装置22の横には、シート上の転写画像を定着する定着装置25を設ける。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。
【0184】
上述した2次転写装置22には、画像転写後のシートをこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えてなる。もちろん、2次転写装置22として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
なお、図示例では、このような2次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置28を備える。
【0185】
さて、いまこのカラー電子写真装置を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第1走行体33および第2走行体34を走行する。そして、第1走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
【0186】
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ14・15・16の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写体10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段18でその感光体40を回転して各感光体40上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写体10の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。
【0187】
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
【0188】
そして、中間転写体10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写体10と2次転写装置22との間にシートを送り込み、2次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。
【0189】
画像転写後のシートは、2次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
【0190】
一方、画像転写後の中間転写体10は、中間転写体クリーニング装置17で、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
ここで、レジストローラ49は一般的には接地されて使用されることが多いが、シートの紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。
【0191】
さて、上述したタンデム画像形成装置20において、個々の画像形成手段18は、詳しくは、例えば図6に示すように、ドラム状の感光体40のまわりに、帯電装置60、現像装置61、1次転写装置62、感光体クリーニング装置63、除電装置64などを備えてなる。
【0192】
図示を省略するが、少なくとも感光体40を設け、画像形成手段18を構成する部分の全部または一部でプロセスカートリッジを形成し、複写機本体100に対して一括して着脱自在としてメンテナンス性を向上するようにしてもよい。
【0193】
画像形成手段18を構成する部分のうち、帯電装置60は、図示例ではローラ状につくり、感光体40に接触して電圧を印加することによりその感光体40の帯電を行う。勿論、非接触のスコロトロンチャージャで帯電を行うことも出来る。
【0194】
現像装置61は、一成分現像剤を使用してもよいが、図示例では、磁性キャリアと非磁性トナーとよりなる二成分現像剤を使用する。そして、その二成分現像剤を攪拌しながら搬送して現像スリーブ65に二成分現像剤を供給付着させる攪拌部66と、その現像スリーブ65に付着した二成分現像剤のうちのトナーを感光体40に転移する現像部67とで構成し、その現像部67より攪拌部66を低い位置とする。
【0195】
攪拌部66には、平行な2本のスクリュ68を設ける。2本のスクリュ68の間は、両端部を除いて仕切り板69で仕切る(図13参照)。また、現像ケース70にトナー濃度センサ71を取り付ける。
【0196】
一方、現像部67には、現像ケース70の開口を通して感光体40と対向して現像スリーブ65を設けるとともに、その現像スリーブ65内にマグネット72を固定して設ける。また、その現像スリーブ65に先端を接近してドクタブレード73を設ける。
【0197】
そして、2成分現像剤を2本のスクリュ68で攪拌しながら搬送循環し、現像スリーブ65に供給する。現像スリーブ65に供給された現像剤は、マグネット72により汲み上げて保持され、現像スリーブ65上に磁気ブラシを形成する。磁気ブラシは、現像スリーブ65の回転とともに、ドクタブレード73によって適正な量に穂切りされる。切り落とされた現像剤は、攪拌部66に戻される。
【0198】
他方、現像スリーブ65上の現像剤のうちトナーは、現像スリーブ65に印加する現像バイアス電圧により感光体40に転移してその感光体40上の静電潜像を可視像化する。可視像化後、現像スリーブ65上に残った現像剤は、マグネット72の磁力がないところで現像スリーブ65から離れて攪拌部66に戻る。この繰り返しにより、攪拌部66内のトナー濃度が薄くなると、それをトナー濃度センサ71で検知して攪拌部66にトナーが補給される。
【0199】
次に、1次転写装置62は、ローラ状とし、中間転写体10を挟んで感光体40に押し当てて設ける。別に、ローラ状に限らず、導電性のブラシ形状、非接触のコロナチャージャなどであってもよい。
【0200】
感光体クリーニング装置63は、先端を感光体40に押し当てて、例えばポリウレタンゴム製のクリーニングブレード75を備える。クリーニング性を高めるために外周を感光体40に接触ブラシを併用する。本説明図では外周を感光体40に接触導電性のファーブラシ76を矢印方向に回転自在に備える。また、ファーブラシ76にバイアスを印加する金属製電界ローラ77を矢示方向に回転自在に備え、その電界ローラ77にスクレーパ78の先端を押し当てる。さらに、除去したトナーを回収する回収スクリュ79を設ける。
【0201】
そして、感光体40に対してカウンタ方向に回転するファーブラシ76で、感光体40上の残留トナーを除去する。ファーブラシ76に付着したトナーは、ファーブラシ76に対してカウンタ方向に接触して回転するバイアスを印加された電界ローラ77に取り除かれる。電界ローラ77に付着されたトナーは、スクレーパ78でクリーニングされる。感光体クリーニング装置63で回収したトナーは、回収スクリュ79で感光体クリーニング装置63の片側に寄せ、詳しくは後述するトナーリサイクル装置80で現像装置61へと戻して再利用する。
【0202】
除電装置64は、例えばランプであり、光を照射して感光体40の表面電位を初期化する。
そして、感光体40の回転とともに、まず帯電装置60で感光体40の表面を一様に帯電し、次いでスキャナ300の読取り内容に応じて上述した露光装置21からレーザやLED等による書込み光Lを照射して感光体40上に静電潜像を形成する。
その後、現像装置61によりトナーが付着され静電潜像を可視像化し、その可視像を1次転写装置62で中間転写体10上に転写する。画像転写後の感光体40の表面は、感光体クリーニング装置63で残留トナーを除去して清掃し、除電装置64で除電して再度の画像形成に備える。
【0203】
図4は、図5に示すカラー複写機の要部拡大図である。同図においては、タンデム画像形成装置20の各画像形成手段18、その画像形成手段18の各感光体40、各現像装置61、各感光体クリーニング装置63、および各画像形成手段18の感光体40にそれぞれ対向して設ける各1次転写装置62の各符号の後に、それぞれブラックの場合はBKを、イエローの場合はYを、マゼンタの場合はMを、シアンの場合はCを付して示す。
【0204】
なお、図4中符号74は、図5および図6では図示省略するが、各1次転写装置62間において、中間転写体10のベース層側に接触して設ける導電性ローラである。この導電性ローラ74は、転写時に各1次転写装置62により印加するバイアスが、中抵抗のベース層を介して隣接する各画像形成手段18に流れ込むことを阻止するものである。
【0205】
現像スリーブ65は、非磁性の回転可能なスリーブ状の形状を持ち、内部には複数のマグネット72を配設している。マグネット72は、固定されているために現像剤が所定の場所を通過するときに磁力を作用させられるようになっている。図示例では、現像スリーブ65の直径をφ18とし、表面はサンドブラストまたは1〜数mmの深さを有する複数の溝を形成する処理を行いRZが10〜30μmの範囲に入るように形成されている。
マグネット72は、例えば、ドクタブレード73の箇所から現像スリーブ65の回転方向にN1、S1、N2、S2、S3の5磁極を有する。
現像剤は、マグネット72により磁気ブラシを形成され、現像スリーブ65上に担持される。現像スリーブ65は、現像剤の磁気ブラシを形成した、マグネット72のS1側の領域に、感光体40に対向して配設されている。
【0206】
ところで、図示例では、図4に示すように、クリーニング装置17に、クリーニング部材として2つのファーブラシ90・91を設ける。それぞれのファーブラシ90・91には、不図示の電源から各々異なる極性のバイアスを印加する。
そのようなファーブラシ90・91には、それぞれ金属ローラ92・93を接触して順または逆方向に回転するように設ける。そして、この例では、中間転写体10の回転方向上流側の金属ローラ92に電源94から(−)電圧を印加し、下流側の金属ローラ93に電源95から(+)電圧を印加する。それらの金属ローラ92・93には、それぞれブレード96・97の先端を押し当てる。
【0207】
そして、中間転写体10の矢示方向への回転とともに、はじめ上流側のファーブラシ90を用いて例えば(−)のバイアスを印加して中間転写体10表面のクリーニングを行う。仮に、金属ローラ92に−700V印加すると、ファーブラシ90は−400Vとなり、中間転写体10上の(+)トナーをファーブラシ90側に転移する。除去したトナーをさらに電位差によりファーブラシ90から金属ローラ92に転移し、ブレード96により掻き落とす。
【0208】
さて、ファーブラシ90で中間転写体10上のトナーを除去するが、中間転写体10上にはまだ多くのトナーが残っている。それらのトナーは、ファーブラシ90に印加される(−)のバイアスにより、(−)に帯電される。これは、電荷注入または放電により帯電されるものと考えられる。
しかし、次いで下流側のファーブラシ91を用いて今度は(+)のバイアスを印加してクリーニングを行うことにより、それらのトナーを除去することができる。除去したトナーは、電位差によりファーブラシ91から金属ローラ93に転移し、ブレード97により掻き落とす。
ブレード96・97で掻き落としたトナーは、不図示のタンクに回収する。
【0209】
画像を形成する色の順番は、限定されるものではなく、画像形成装置の持つ狙いや特性によって異なってくる。
【0210】
上記のような画像形成装置は、複写機、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例として、図7に示すものが挙げられる。感光体941は、導電性支持体上に本発明にて製造された電子写真感光体を有してなるものである。
以上に示す本発明による画像形成装置を用いることで、良好な画像を提供できる。
【0211】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明について具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。また、以下の例おいて、部および%は、特に断りのない限り重量基準である。用いた潜像担持体、中間転写体、評価機、および得られた特性および評価結果は表1に示した。実施例において評価は以下のように行った。
【0212】
(評価機)
評価で用いる画像は以下の評価機A、B、Cいずれかを用いて評価した。
【0213】
(評価機A)
4色の非磁性2成分系の現像部と4色用の感光体を有するタンデム方式のリコー社製フルカラーレーザープリンター IPSiO Color 8000を改良して、中間転写体上に一次転写し、該トナー像を転写材に二次転写する、中間転写方式に変更した評価機Aを用いて評価した。印字速度は高速印字(20枚〜50枚/min/A4まで変化)で評価した。
【0214】
(評価機B)
4色の現像部が2成分系現像剤を1つのドラム状感光体に各色現像し、中間転写体に順次転写し、転写材に4色を一括転写する方式のリコー社製フルカラーレーザー複写機 IMAGIO Color 2800を改造した評価機Bを用いて評価した。
【0215】
(評価機C)
4色の現像部が非磁性一成分系現像剤を1つのベルト感光体に各色順次現像し、中間転写体に順次転写し、転写材に4色を一括転写する方式のリコー社製フルカラーレーザープリンター IPSiO Color 5000を改造した評価機Cを用いて評価した。
【0216】
(評価項目)
1)引張破断強度
10kg/cm2圧縮時の引張破断強度を示した。4色トナーの場合その平均値を示した。
【0217】
2)イオン化ポテンシャル
前記記載の条件で測定したイオン化ポテンシャルを評価した。4色トナーの場合その平均値を示した。
【0218】
3)トナー飛散性
単色モードで50%画像面積の画像チャートを20,000枚ランニング出力した後、現像部から飛散したトナー量を現像ユニットをオープンにして目視で判断した。×、△、○、◎の順にランクが良くなる。
【0219】
4)文字画像内部の中抜け
単色モードで50%画像面積の画像チャートを20,000枚ランニング出力した後、文字部画像をリコー社製タイプDXのOHPシートに4色重ねて出力させ、文字部の線画像内部が抜けるトナー未転写頻度を段階見本と比較した。×、△、○、◎の順にランクが良くなる。
【0220】
5)トナー転写率
単色モードで7%画像面積の画像チャートを100,000枚ランニング出力した後、投入したトナー量と廃トナー量の関係から転写率を算出した。
転写率(%)=100×(投入トナー量−廃トナー量)/(投入トナー量)
転写率90%以上を◎、90%未満75%以上を○、75%未満60%以上を△、60%未満を×とした。
【0221】
6)トナー補給性
90%画像面積の画像チャートと5%画像チャートを5000枚ごとに交互に出力して、その時のトナーの補給性を調べた。×、△、○、◎の順にトナー補給性が良くなる。
【0222】
7)転写チリ
単色モードで50%画像面積の画像チャートを20,000枚ランニング出力した後、10mm×10mmのベタ画像を4色重ねてリコー社製タイプ6000ペーパーに出力させ、転写チリ度合いを段階見本と比較した。×、△、○、◎の順にランクが良くなる。
【0223】
8)細線再現性
単色モードで50%画像面積の画像チャートを20,000枚ランニング出力した後、600dpiの細線画像をリコー社製タイプ6000ペーパーに出力させ、細線のにじみ度合いを段階見本と比較した。×、△、○、◎の順にランクが良くなる。これを4色重ねて行った。
【0224】
9)地肌汚れ
単色モードで50%画像面積の画像チャートを20,000枚ランニング出力した後、白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体上の現像剤をテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差を938スペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)により測定。画像濃度の差が少ない方が地肌汚れは良く、×、△、○、◎の順にランクが良くなる。
【0225】
10)画像濃度
ベタ画像をリコー社製6000ペーパーに画像出力後、画像濃度をX−Rite(X−Rite社製)により測定。これを4色単独に行い平均を求めた。この値が、1.2未満の場合は×、1.2以上1.4未満の場合は△、1.4以上1.8未満の場合は○、1.8以上2.2未満の場合は◎とした。
【0226】
11)耐熱保存性
各色トナーを10gずつ計量し、20ccのガラス容器に入れ、100回程度ガラス瓶をタッピングした後、50℃にセットした恒温槽に24時間放置した後、針入度計で針入度を測定した。良好なものから、◎:20mm以上、○:15mm以上20mm未満、△:10mm以上〜15mm未満、×:10mm未満、とした。
【0227】
12)透明性
リコー社製タイプDXのOHPシート上に、それぞれ単色で画像濃度;1.0mg/cm2、定着温度;150℃の条件で定着し、スガ試験機社製の直続ヘーズコンピューターHGM−2DP型により測定。透明性の良好な順に◎、○、△、×とした。
【0228】
13)色の鮮やかさ、色再現性
色の鮮やかさ、色再現性は、リコー社製6000ペーパーに出力した画像を視覚的に評価した。良好な順に◎、○、△、×とした。
【0229】
14)光沢
リコー社製6000ペーパーに出力した画像を、光沢度計(VG−1D)(日本電色社製)を用い、投光角度、受光角度をそれぞれ60°に合わせ、S、S/10切り替えSWはSに合わせ、0調製および標準板を用いた標準設定の後、測定した。光沢度が良好なものから、◎:15以上、○:6以上15未満、△:3以上〜6未満、×:3未満、とした。
【0230】
15)高温高湿環境帯電安定性
温度40℃、湿度90%の環境において、単色モードで7%画像面積の画像チャートを50,000枚ランニング出力する間に、1000枚ごとに現像剤を一部サンプリングしてブローオフ法により帯電量を測定して、帯電安定性を評価した。帯電低下が少なく良好な順に◎、○、△、×とした。
【0231】
16)低温低湿環境帯電安定性
温度10℃、湿度15%の環境において、単色モードで7%画像面積の画像チャートを50,000枚ランニング出力する間に、1000枚ごとに現像剤を一部サンプリングしてブローオフ法により帯電量を測定して、帯電安定性を評価した。帯電低下が少なく良好な順に◎、○、△、×とした。
【0232】
17)定着性
トナーの定着下限温度、定着上限温度が定着温度領域内で十分あり、ホットオフセット、コールドオフセットが発生せず、紙づまり等、搬送トラブルも発生しにくい、定着の良好な順に◎、○、△、×として総合的な定着性を評価した。Wax入りトナーについてはオイルレス定着機で、Waxを含まないトナーについてはオイル塗布した定着機で試験した。
【0233】
(2成分現像剤評価)
2成分系現像剤で画像評価する場合は、以下のように、シリコーン樹脂により0.3μmの平均厚さでコーティングされた平均粒径50μmのフェライトキャリアを用い、キャリア100重量部に対し各色トナー5重量部を容器が転動して攪拌される型式のターブラーミキサーを用いて均一混合し帯電させて、現像剤を作成した。
【0234】
Figure 0003880858
上記コート材を10分間スターラーで分散してコート液を調整し、このコート液と芯材を流動床内に回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置に投入して、当該コート液を芯材上に塗布した。得られた塗布物を電気炉で250℃、2時間焼成し上記キャリアを得た。
【0235】
(潜像担持体Aの製造)
φ30mmアルミニウムドラム上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、28μmの電荷輸送層を形成した。その上に下記の無機フィラー塗工液をジルコニアビーズを用いてペイントシェーカーで2時間粉砕(塊砕)して塗工液とした。この液をスプレーで塗工して1.5μmのフィラー補強電荷輸送層を設け本発明の潜像担持体を得た。
【0236】
Figure 0003880858
【0237】
Figure 0003880858
【0238】
Figure 0003880858
【化4】
Figure 0003880858
Figure 0003880858
【0239】
Figure 0003880858
【化5】
Figure 0003880858
Figure 0003880858
潜像担持体のイオン化ポテンシャルは、表1に示す値になるように、特に電荷輸送層、およびフィラー補強電荷輸送層の製造条件(塗工条件、乾燥条件)は調整した。
【0240】
(潜像担持体Bの製造)
上記潜像担持体Aにおいて、フィラー補強電荷輸送層を設けない潜像担持体Bを製造した。
【0241】
(潜像担持体Cの製造)
上記潜像担持体Aにおいて、電荷輸送層およびフィラー補強電荷輸送層に用いるポリカーボネート樹脂の分子量を7万にした以外は潜像担持体Aと同様にして潜像担持体を製造した。
【0242】
(潜像担持体Dの製造)
上記潜像担持体Aにおいて、電荷輸送層およびフィラー補強電荷輸送層に用いるポリカーボネート樹脂の分子量を2万にした以外は潜像担持体Aと同様にして潜像担持体を製造した。
【0243】
(潜像担持体Eの製造)
上記潜像担持体Aにおいて、電荷移動物質(CTM)とポリカーボネート樹脂(R)の組成比(CTM/R比)を重量比で4/10にした以外は潜像担持体Aと同様にして潜像担持体を製造した。
【0244】
(潜像担持体Fの製造)
上記潜像担持体Aにおいて、電荷移動物質(CTM)とポリカーボネート樹脂(R)の組成比(CTM/R比)を重量比で11/10した以外は潜像担持体Aと同様にして潜像担持体を製造した。
【0245】
(中間転写体Aの製造)
PVDF100重量部に対してカーボンブラック18重量部分散剤3重量部トルエン400重量部を均一に分散させた分散液に円筒形の型を浸け10mm/secで静かに引き上げ室温にて乾燥をさせ75μmのPVDFの均一な膜を形成した.75μmの膜が形成されている型を繰り返し上記条件で溶液に円筒形の型を浸け10mm/secで静かに引き上げ室温乾燥させ150μmのPVDFベルトを形成した。これに、ポリウレタンプレポリマー100重量部、硬化剤(イソシアネート)3重量部、カーボンブラック20重量部、分散剤3重量部、MEK500重量部を均一分散させた分散液に上記150μmPVDFが形成されている円筒形型を浸け30mm/secで引き上げを行い自然乾燥を行った。乾燥後繰り返しを行い狙いの150μmのウレタンポリマー層を形成させた。
さらに表層用にポリウレタンプレポリマー100重量部、硬化剤(イソシアネート)3重量部、PTFE微粉末粉体50重量部、分散剤4重量部、MEK500重量部を均一分散させた。
上記150μmのウレタンプレポリマーが形成されている円筒形型を浸け30mm/secで引き上げを行い自然乾燥を行った。乾燥後繰り返しを行い5μmのPTFEが均一に分散されたウレタンポリマーの表層を形成させた。室温で乾燥後130℃、2時間の架橋を行い樹脂層;150μm、弾性層;150μm、表層;5μmの3層構成転写ベルトを得た。該中間転写体は硬度40°(JIS−A)、静止摩擦係数0.3であった。
【0246】
(中間転写体Bの製造)
中間転写体Aにおいて表層の架橋温度を110℃、2時間架橋を行った以外は、中間転写体Aと同様にして中間転写体Bを製造した。該中間転写体は硬度9°(JIS−A)、静止摩擦係数0.7であった。
【0247】
(中間転写体Cの製造)
中間転写体Aにおいて、弾性層の膜厚を50μm、表層の架橋温度を140℃、3時間架橋を行った以外は、中間転写体Aと同様にして中間転写体を製造した。該中間転写体は硬度68°(JIS−A)、静止摩擦係数0.08であった。
【0248】
(実施例1)
(ポリオール樹脂1)
撹拌装置、温度計、N2導入口、冷却管付セパラブルフラスコに、低分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約360)378.4g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約2700)86.0g、ビスフェノールA型プロピレンオキサイド付加体のジグリシジル化物〔前記一般式(1)においてn+m:約2.1〕191.0g、ビスフェノールF274.5g、p−クミルフェノール70.1g、キシレン200gを加えた。N2雰囲気下で70〜100℃まで昇温し、塩化リチウムを0.183g加え、更に160℃まで昇温し減圧下で水を加え、水とキシレンをバブリングさせることで水、キシレン、他揮発性成分、極性溶媒可溶成分を除去し、180℃の反応温度で6〜9時間重合させて、Mn;3800、Mw/Mn;3.9、Mp;5000、軟化点109℃、Tg58℃、エポキシ当量30000以上のポリオール樹脂1000gを得た(以下ポリオール樹脂1という)。重合反応ではモノマー成分が残留しないように、反応条件を制御した。主鎖のポリオキシアルキレン部については、NMRにて確認した。
【0249】
(トナーの製造)
ブラックトナー:
水 1000重量部
フタロシアニングリーン含水ケーキ(固形分30%) 200重量部
カーボンブラック(MA60 三菱化学社製) 540重量部
ポリオール樹脂1 1200重量部
上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行ない、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、マスターバッチ顔料を得た。
ポリオール樹脂1 100重量部
上記マスターバッチ 8重量部
帯電制御剤(オリエント化学社製 ボントロンE−84) 2重量部
上記材料をミキサーで混合後、2本ロールミルで3回以上溶融混練し、混練物を圧延冷却した。その後ジェットミルによる衝突板方式の粉砕機(I式ミル;日本ニューマチック工業社製)と旋回流による風力分級(DS分級機;日本ニューマチック工業社製)を行い、体積平均粒径6.5μmのブラック色の着色粒子を得た。さらに、一次粒子径10nmの疎水性シリカ(HDK H2000、クラリアントジャパン)を1.0wt%、一次粒子径15nmの酸化チタン(MT−150A、テイカ)を0.5wt%添加し、ヘンシェルミキサーで混合、目開き50μmの篩を通過させ凝集物を取り除く事によりブラックトナー1を得た。外添剤混合条件(回転数、混合時間、混合回数、混合時の温度、回転羽根の形状)を最適化することで、表1に示す引張破断強度を得ることができた。イオン化ポテンシャルは、樹脂、帯電制御剤、顔料の種類、量にも依存するが、混練条件にも依存するため、表1に示す値になるように混練条件(混錬時間、回数、温度等)は調整した。
【0250】
イエロートナー:
水 600重量部
Pigment Yellow 17 含水ケーキ(固形分50%) 1200重量部
ポリオール樹脂1 1200重量部
上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行ない、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、マスターバッチ顔料を得た。
ポリオール樹脂1 100重量部
上記マスターバッチ 8重量部
帯電制御剤(オリエント化学社製 ボントロンE−84) 2重量部
上記材料をミキサーで混合後、2本ロールミルで3回以上溶融混練し、混練物を圧延冷却した。その後、ブラック色の着色粒子製造例と同様に粉砕分級を行い、体積平均粒径6.5μmのイエロー色の着色粒子を得た。さらに、一次粒子径10nmの疎水性シリカ(HDK H2000、クラリアントジャパン)を1.0wt%、一次粒子径15nmの酸化チタン(MT−150A、テイカ)を0.5wt%添加し、ヘンシェルミキサーで混合、目開き50μmの篩を通過させ凝集物を取り除く事によりイエロートナー1を得た。外添剤混合条件(回転数、混合時間、混合回数、混合時の温度、回転羽根の形状)を最適化することで、表1に示す引張破断強度を得ることができた。イオン化ポテンシャルは、樹脂、帯電制御剤、顔料の種類、量にも依存するが、混練条件にも依存するため、表1に示す値になるように混練条件(混錬時間、回数、温度等)は調整した。
【0251】
マゼンタトナー:
水 600重量部
Pigment Red 57 含水ケーキ(固形分50%) 1200重量部
ポリオール樹脂1 1200重量部
上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行ない、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、マスターバッチ顔料を得た。
ポリオール樹脂1 100重量部
上記マスターバッチ 8重量部
帯電制御剤(オリエント化学社製 ボントロンE−84) 2重量部
上記材料をミキサーで混合後、2本ロールミルで3回以上溶融混練し、混練物を圧延冷却した。その後、ブラック色の着色粒子製造例と同様に粉砕分級を行い、体積平均粒径6.5μmのマゼンタ色の着色粒子を得た。さらに、一次粒子径10nmの疎水性シリカ(HDK H2000、クラリアントジャパン)を1.0wt%、一次粒子径15nmの酸化チタン(MT−150A、テイカ)を0.5wt%添加し、ヘンシェルミキサーで混合、目開き50μmの篩を通過させ凝集物を取り除く事によりマゼンタトナー1を得た。外添剤混合条件(回転数、混合時間、混合回数、混合時の温度、回転羽根の形状)を最適化することで、表1に示す引張破断強度を得ることができた。イオン化ポテンシャルは、樹脂、帯電制御剤、顔料の種類、量にも依存するが、混練条件にも依存するため、表1に示す値になるように混練条件(混錬時間、回数、温度等)は調整した。
【0252】
シアントナー:
水 600重量部
Pigment Blue 15:3 含水ケーキ(固形分50%) 1200重量部
ポリオール樹脂1 1200重量部
上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行ない、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、マスターバッチ顔料を得た。
ポリオール樹脂1 100重量部
上記マスターバッチ 8重量部
帯電制御剤(オリエント化学社製 ボントロンE−84) 2重量部
上記材料をミキサーで混合後、2本ロールミルで3回以上溶融混練し、混練物を圧延冷却した。その後、ブラック色の着色粒子製造例と同様に粉砕分級を行い、体積平均粒径6.5μmのシアン色の着色粒子を得た。さらに、一次粒子径10nmの疎水性シリカ(HDK H2000、クラリアントジャパン)を1.0wt%、一次粒子径15nmの酸化チタン(MT−150A、テイカ)を0.5wt%添加し、ヘンシェルミキサーで混合、目開き50μmの篩を通過させ凝集物を取り除く事によりシアントナー1を得た。外添剤混合条件(回転数、混合時間、混合回数、混合時の温度、回転羽根の形状)を最適化することで、表1に示す引張破断強度を得ることができた。イオン化ポテンシャルは、樹脂、帯電制御剤、顔料の種類、量にも依存するが、混練条件にも依存するため、表1に示す値になるように混練条件(混錬時間、回数、温度等)は調整した。
【0253】
(実施例2〜5)
実施例1において、表3に示す原材料、添加量、物性等で同様に合成、製造した樹脂2〜5を使用すること以外は同様にしてトナー、現像剤を作成して評価した。
【0254】
(実施例6)
実施例1において、疎水性シリカ(HDK H2000、クラリアントジャパン)を2.0wt%、酸化チタン(MT−150A、テイカ)を1.0wt%添加して、外添剤混合条件をより弱く(回転数を下げ、混合時間を短く、混合回数を少なく)して表1に示す引張破断強度に制御した以外は、実施例1と同様にして評価した。
【0255】
(実施例7)
実施例1において、疎水性シリカ(HDK H2000、クラリアントジャパン)を0.2wt%、酸化チタン(MT−150A、テイカ)を0.2wt%添加して、外添剤混合条件をより強く(回転数を上げ、混合時間を長く、混合回数を多く)して表1に示す引張破断強度に制御した以外は、実施例1と同様にして評価した。
【0256】
(実施例8)
実施例1において、一次粒径40nmのシリカ(OX−50、日本アエロジル)にジメチルシリコーンオイル(粘度300mm2/s)を遊離シリコーンオイル成分が50%になるように過熱処理した疎水性シリカ0.5wt%を外添剤混合時に新たに加えた以外は実施例1と同様にして評価した。外添剤混合条件(回転数、混合時間、混合回数、混合時の温度、回転羽根の形状)を最適化することで、表1に示す引張破断強度に制御した以外は、実施例1と同様にして評価した。
【0257】
(実施例9)
実施例1において、一次粒径40nmのシリカ(OX−50、日本アエロジル)にジメチルシリコーンオイル(粘度300mm2/s)を遊離シリコーンオイル成分が50%になるように過熱処理した疎水性シリカ0.5wt%、ステアリン酸亜鉛(SZ−2000、堺化学)を0.2wt%を外添剤混合時に新たに加えた以外は実施例1と同様にして評価した。外添剤混合条件(回転数、混合時間、混合回数、混合時の温度、回転羽根の形状)を最適化することで、表1に示す引張破断強度に制御した。
【0258】
(実施例10)
実施例1において、各色トナーの体積平均粒径を11μmに制御して粉砕した以外は実施例1と同様にして評価した。
【0259】
(実施例11)
実施例1において、該トナーの軟化点が、110℃かつ、ガラス転移温度(Tg)が61℃、流出開始温度が110℃になるように、トナーの混練条件をより強い混練条件(3本ロールミルで、6回練り、ローラ温度を130℃)に変更した以外は実施例1と同様にして評価した。
【0260】
(実施例12)
実施例1において、該トナーの軟化点が、130℃かつ、ガラス転移温度(Tg)が92℃、流出開始温度が129℃になるように、トナーの混練条件をより弱い混練条件(ブス社製コニーダー、フィード弱混練条件)に変更した以外は実施例1と同様にして評価した。
【0261】
(実施例13)
実施例1において、該トナーの数平均分子量(Mn)が、4300、かつ重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が3.9かつ、少なくとも1つのピーク分子量(Mp)が、4900となるようにトナーの混練条件をより弱い混練条件(ブス社製コニーダー、フィード弱混練条件)に変更した以外は同様にして評価した。
【0262】
(実施例14)
実施例1において、該トナーの数平均分子量(Mn)が、3500、かつ重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が2.8かつ、少なくとも1つのピーク分子量(Mp)が、4200となるようにトナーの混練条件をより強い混練条件(3本ロールミルで、7回練り、ローラ温度を120℃)に変更した以外は同様にして評価した。
【0263】
(実施例15)
実施例1において、樹脂をポリエステル樹脂(テレフタル酸、フマル酸、ポリオキシプロピレン−(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、トリメリット酸から合成された樹脂、酸価;3、水酸基価;25、Mn;44300、Mw/Mn;3.8、Tg;59℃、軟化点106℃)に変更した以外は実施例1と同様にして評価した。
【0264】
(実施例16)
実施例1において、モンタン系エステルワックス5重量部を新たに混合混練時に追加して混練した以外は実施例1と同様にして評価した。トナー中のワックスの分散平均粒径は1.2μmであった。
【0265】
(実施例17)
実施例1において、脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス(酸価4)4重量部を新たに混合混練時に追加して混練した以外は実施例1と同様にして評価した。トナー中のワックスの分散平均粒径は0.8μmであった。
【0266】
(実施例18)
実施例1において、潜像担持体Bを使用して評価した以外は実施例1と同様にして評価した。
【0267】
(実施例19)
実施例1において、潜像担持体Cを使用して評価した以外は実施例1と同様にして評価した。
【0268】
(実施例20)
実施例1において、潜像担持体Dを使用して評価した以外は実施例1と同様にして評価した。
【0269】
(実施例21)
実施例1において、潜像担持体Eを使用して評価した以外は実施例1と同様にして評価した。
【0270】
(実施例22)
実施例1において、潜像担持体Fを使用して評価した以外は実施例1と同様にして評価した。
【0271】
(実施例23)
実施例1において、中間転写体Bを使用して評価した以外は実施例1と同様にして評価した。
【0272】
(実施例24)
実施例1において、中間転写体Cを使用して評価した以外は実施例1と同様にして評価した。
【0273】
(実施例25)
実施例1において、評価機Bを用いた以外は同様にして評価した。
【0274】
(実施例26)
実施例1において、評価機Cを用いた以外は同様にして評価した。
【0275】
(比較例1)
実施例1において、疎水性シリカ(HDK H2000、クラリアントジャパン)を2.0wt%、酸化チタン(MT−150A、テイカ)を1.0wt%添加して、外添剤混合条件をより弱く(回転数を下げ、混合時間を短く、混合回数を少なく)して、表1に示す引張破断強度に制御した以外は、以外は実施例1と同様に評価した。
【0276】
(比較例2)
実施例1において、疎水性シリカ(HDK H2000、クラリアントジャパン)を0.3wt%、酸化チタン(MT−150A、テイカ)を0.3wt%添加して、外添剤混合条件をより強く(回転数を上げ、混合時間を長く、混合回数を多く)して、表1に示す引張破断強度に制御した以外は、以外は実施例1と同様に評価した。
【0277】
(比較例3)
実施例1において、トナー樹脂をポリエステル樹脂(ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物テレフタル酸、コハク酸誘導体から合成されたポリエステル、酸価;4、Mn;45000、Mw/Mn;4.0、Tg;62℃、軟化点106℃)に変更して、外添剤添加を一次粒子径15nmの酸化チタン(MT−150A、テイカ)を2.0wt%添加に変更し、表1に示す引張破断強度に制御した。また潜像担持体Eを用いて評価した以外は実施例1と同様にして評価した。
【0278】
(比較例4)
実施例1において、トナー樹脂をポリエステル樹脂(ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物テレフタル酸、コハク酸誘導体から合成されたポリエステル、酸価;4、Mn;45000、Mw/Mn;4.0、Tg;62℃、軟化点106℃)に変更して、外添剤添加を一次粒子径15nmの酸化チタン(MT−150A、テイカ)を2.0wt%添加に変更し、表1に示す引張破断強度に制御した。また中間転写体Cを用いて評価した以外は実施例1と同様にして評価した。
【0279】
(比較例5)
実施例1において、トナー樹脂をポリエステル樹脂(ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物テレフタル酸、コハク酸誘導体から合成されたポリエステル、酸価;4、Mn;45000、Mw/Mn;4.0、Tg;62℃、軟化点106℃)に変更して、外添剤添加を一次粒子径15nmの酸化チタン(MT−150A、テイカ)を2.0wt%添加に変更し、表1に示す引張破断強度に制御した。また潜像担持体Eと中間転写体Cを用いて評価した以外は実施例1と同様にして評価した。
【0280】
【表1】
Figure 0003880858
【0281】
【表2】
Figure 0003880858
【0282】
【表3】
Figure 0003880858
【0283】
【発明の効果】
本発明によれば、潜像担持体上に形成されるトナー像を中間転写体上に一次転写し、該トナー像を転写材に二次転写する方式の画像形成装置において、該トナーの10kg/cm2圧縮時の引張破断強度が10〜1400(N/m2)であり、かつ該トナーと潜像担持体のイオン化ポテンシャル(IP)差が1.0eV以下であり、かつ該トナーと中間転写体とのIP差が、1.0eV以下であることを特徴とする画像形成装置を用いることで、トナーの転写性を改善し、文字部中抜け等の異常画像の防止、トナー転写率の向上による廃トナー量の低減、トナー消費量の低減、トナー補給性の向上によるベタ画像の均一性、転写チリ等の減少、細線再現性の向上、高温高湿、低温低湿における帯電環境安定性の向上による地肌汚れの低減、トナー飛散の防止を達成できた。さらに耐熱保存性に優れ、色再現性、色の鮮やかさ、光沢、透明性、定着性に優れた印刷物を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態の一例を示す概略構成図である。
【図3】本発明の実施形態の一例を示す概略構成図である。
【図4】本発明の実施形態の一例を示す概略構成図である。
【図5】本発明の実施形態の一例を示す概略構成図である。
【図6】本発明の実施形態の一例を示す概略構成図である。
【図7】本発明のプロセスカートリッジを例示する図である。
【符号の説明】
1 現像装置
2 コロナ帯電器
3 現像ベルト
4 現像ユニット
5 現像タンク
6 汲み上げローラ
7 塗布ローラ
11 シート搬送ベルト
14、15、16 支持体ローラ
17 中間転写体クリーニング装置
18 画像形成手段
19 感光体クリーニング装置
20 タンデム画像形成装置
21 露光装置
22 2次転写装置
23 ローラ
24 2次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反射装置
30 原稿台
32 コンタイトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 感光体
42 給紙ローラ
43 ペーパーバンク
44 給紙カセット
45 分離ローラ
46 給紙路
47 搬送ローラ
48 給紙路
49 レジストローラ
50 給紙ローラ
51 手差しトレイ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
60 帯電装置
61 画像装置
62 1次転写装置
63 感光体クリーニング装置
64 除電装置
65 現像スリープ
66 攪拌部
67 現像部
68 スクリュ
69 仕切り板
70 現像ケース
71 センサ
72 マグネット
73 ドクタブレード
74 導電性ローラ
75 クリーニングブレード
76 ファーブラシ
77 金属製電界ローラ
78 スクレーパ
79 回収スクリュ
80 トナーリサイクル装置
81 ピン
82 ローラ部
83 回収トナー搬送部材
84 長孔
85 羽根
86 回転軸
87 ローラ部
88 搬送路ケース
89 カートリッジケース
90 ファーブラシ
91 ファーブラシ
92 金属ローラ
93 金属ローラ
94 電源
95 電源
96 ブレード
97 ブレード
100 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置

Claims (9)

  1. 潜像担持体上に潜像を形成し、これをトナーで現像した後、このトナー像を中間転写体上
    に一次転写し、さらに該トナー像を転写材に二次転写して画像を得る方式の画像形成装置
    であって、該トナーは10kg/cm2圧縮時の引張破断強度が10〜1400(N/m2
    )であり、該トナーと該潜像担持体とのイオン化ポテンシャル(IP)差が0〜1.0e
    Vであり、かつ該トナーと該中間転写体とのIP差が0〜1.0eV以下であることを特
    徴とする画像形成装置。
  2. 該トナーは疎水化処理された一次粒子の平均粒径が1〜100nmの無機微粒子を少なくとも2種類以上含み、かつ、トナーの体積平均粒径が2μm〜8μmであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 該トナーは軟化点が60〜150℃、流出開始温度が70℃〜130℃、かつ、ガラス転移温度(Tg)が40〜70℃であることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
  4. 該トナーは数平均分子量(Mn)が2000〜8000、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が1.5〜20、かつ、少なくとも1つのピーク分子量(Mp)が3000〜7000であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 該トナーはそのバインダー樹脂が、少なくとも主鎖にエポキシ樹脂部とポリオキシアルキレン部を有するポリオール樹脂を少なくとも含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 該トナーは少なくともワックスを含有し、該ワックスのトナー中での分散平均粒径が0.001〜3μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 該潜像担持体は、少なくとも導電性基体、電荷発生層、電荷輸送層、フィラー補強電荷輸送層の構成からなり、電荷輸送層が少なくとも電荷輸送物質(CTM)と粘度平均分子量が3万以上6万以下のポリカーボネート樹脂(R)を含有し、その組成比(CTM/R比)が重量比で5/10以上10/10以下である機能分離型電子写真感光体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 該中間転写体は硬度10°≦HS≦65°(JIS−A)の弾性ベルトであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 該中間転写体は静止摩擦係数が0.1〜0.6であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の画像形成装置。
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