JP3887775B2 - 静電荷像現像用トナー、トナーキットおよび画像形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、マスターバッチ着色剤、フルカラートナーキットおよび画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
静電荷像現像法、静電印刷法による代表的な画像形成工程は、光電導性絶縁層を一様に帯電させ、その絶縁層を露光させた後、露光された部分上の電荷を消散させることによって電気的な潜像を形成し、該潜像に電荷を持った微粉末のトナーを付着させることにより可視化させる現像工程、得られた可視像を転写紙等の転写材に転写させる転写工程、加熱あるいは加圧(通常、熱ローラー使用)により定着させる定着工程からなる。潜像保持面上に形成される静電荷像を現像する為の現像剤として、キャリアとトナーから成る二成分系現像剤および、キャリアを必要としない一成分系現像剤(磁性トナー、非磁性トナー)が知られている。フルカラー画像形成装置としては、感光体上に形成された各色のトナー像を中間転写体に順次転写して一旦保持し、その後一括して用紙上に再度転写する方式がよく知られている。
【0003】
このような静電荷像現像法あるいは静電印刷法に使用されるトナーはバインダー樹脂及び着色剤を主成分とし、これに必要とあれば帯電制御剤、オフセット防止剤等の添加物を含有させたものであり、上記各工程において様々な性能が要求される。例えば、現像工程においては、電気的な潜像にトナーを付着させるために、トナーおよびトナー用バインダー樹脂は温度、湿度等の周囲の環境に影響されることなくコピー機、あるいはプリンターに適した帯電量を保持しなくてはならない。また、熱ローラー定着方式による定着工程においては、通常100〜230℃程度の温度に加熱された熱ローラーに付着しない非オフセット性、紙への定着性が良好でなくてはならない。さらに、コピー機内での保存中にトナーがブロッキングしない耐ブロッキング性も要求される。
【0004】
また、近年、静電荷像現像の分野では、高画質化が様々な角度から検討されており、中でも、トナーの小径化および球形化が極めて有効であるとの認識が高まっている。しかし、トナーの小径化、球形化が進むにつれて、環境帯電安定性等が低下し、現像部から装置内壁等へトナーが飛散付着する現象(トナー飛散)がより顕著となり問題であった。特に高温、高湿環境下においてこの現象が顕著に発生している。
【0005】
このような状況の中、カラー複写機やカラープリンタの分野では、さらに画像形成の高速化が望まれている。高速化のためには「タンデム方式」が有効である(例えば、特開平5−341617号)。「タンデム方式」というのは、画像形成ユニットによって形成された画像を転写ベルトに搬送される単一の転写紙(転写材)上に順次重ね合わせて転写することにより転写紙(転写材)上にフルカラー画像を得る方式である。タンデム方式のカラー画像形成装置は、使用可能な転写紙(転写材)の種類が豊富であり、フルカラー画像の品質も高く、高速度でフルカラー画像を得ることができる。特に、高速度でフルカラー画像を得ることは、他の方式のカラー画像形成装置にはない特有の性質である。
【0006】
一方、球形トナーを用いて高画質化を図りつつ、高速化も達成しようという試みもなされている。しかしながら、上記の方式を採用した装置において高速化を達成しようとすると、トナーが現像部を通過する所要時間を短縮する必要があるため、従来と同様の現像能力を得ようとすると現像剤をより高速に、高トルクで撹拌し帯電現像させる必要があり、その結果、弱帯電トナー、逆帯電トナーが発生しやすくなり、現像部からのトナー飛散が発生し問題であった。
【0007】
一方、トナーの流動特性、帯電特性等を改善する目的でトナー粒子と各種金属酸化物等の無機粉末等を混合して使用する方法が提案されており、これらの無機粉末等は外添剤と呼ばれている。また必要に応じて該無機粉末表面の疎水性、帯電特性等を改質する目的で特定のシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、シリコーンオイル、有機酸等で処理する方法、特定の樹脂を被覆する方法なども提案されている。前記無機粉末としては、例えば、二酸化珪素(シリカ)、二酸化チタン(チタニア)、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化鉄、酸化銅、酸化錫等が知られている。
【0008】
特にシリカや酸化チタン微粒子とジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル等の有機珪素化合物とを反応させることによってシリカ微粒子表面のシラノール基を有機基で置換し疎水化したシリカ微粒子が用いられている。
【0009】
これらのうち十分な疎水性を示し、且つ、トナーに含有された時にその低表面エネルギーから該トナーが優れた転写性を示す疎水化処理剤としては、シリコーンオイルが知られている。特公平7−3600号公報や特第02568244号公報に記載のものではシリコーンオイルで処理されたシリカの疎水化度が規定されている。また特開平7−271087号公報や特開平8−29598号公報に記載のものではシリコーンオイル添加量や添加剤中の炭素含有率が規定されている。
【0010】
外添剤の母剤である無機微粒子を疎水化処理し、高湿度下における現像剤の帯電性の安定性を確保するためには先に挙げた公報におけるシリコーンオイル含有量や疎水化度で満足できた。しかしシリコーンオイルの重要な特異性である低表面エネルギーを利用して現像剤と接触する部材、例えば 接触帯電装置、現像剤担持体(スリーブ)やドクターブレード、キャリア、静電潜像担持体(感光体)、中間転写体などへの付着性を下げるための積極的な試みは行われていなかった。
【0011】
特に、感光体への現像剤の付着力が強い事による地肌汚れや画像における文字部やライン部、ドット部のエッジ部や中央部における転写後のぬけ(現像剤の転写されない部分)はシリコーンオイルの添加量や疎水化度を調節するだけでは改良できなかった。さらに凹凸の激しい転写部材への転写時における凹部へ転写できない事による白抜けも同様に改良できていなかった。特開平11−212299号公報にはシリコーンオイルを液体成分として特定量含有させた無機微粒子が開示されている。しかしこのような量の定義では上述の特性を満足する事はできなかった。
【0012】
また静電荷像現像用トナーには、均一で安定した帯電が要求され、これらが不十分な場合には、地汚れ、濃度ムラなどの発生により画質低下が生じる。また、作像装置の小型化に伴って、現像機構が小型化になってきているために、高画像品質を得るにはトナー帯電立ち上がりは一層重要な項目となってきている。これらを改良するためには、これまでにも様々な提案がなされてきている。
【0013】
このうち静電荷像現像用トナーの添加剤により帯電性の改善が提案されている例を挙げると、特開平3−294864号公報にはシリコーンオイルで処理した無機粉体を含む非磁性一成分現像剤が、特開平4−204665号公報にはトナーに対する添加剤の被覆率が3〜30%の一成分系磁性現像剤が、特開平4−335357号公報にはBET非表面積が5〜100m2/gの微粒子をトナー表面に固定したトナーと該トナーに外添されており、前記トナーに固定された微粒子の1.2倍以上の比表面積を有する粒子を含有する静電荷現像剤が、特開平7−43930号公報には疎水性シリカ微粉末と特定の疎水性酸化チタンを含む非磁性一成分トナーを用いた現像剤が、また特開平8−202071号公報には有機ポリマー骨格とポリシロキサン骨格を含む有機質−無機質複合粒子からなるトナー用添加剤を含有してなる現像剤が、それぞれ開示されている。
【0014】
しかし、上記手法でも十分な帯電の均一性が得られず、またトナー帯電量の立ち上がりも十分でなく、さらにトナー帯電量の環境安定性、特に湿度に対する安定性について、必ずしも十分であるとは言えなかった。特に、上記提案の多くに見られる、一般的な酸化物粒子の表面処理により疎水性を高めた添加剤の使用では、初期的には所望の帯電安定性を示すものの、ランニングなどの経時によって添加剤の組成変化に伴うトナーの劣化が発生してしまうという問題点があった。
【0015】
また、例えば前記特開平8−202071号公報にあるような液相法を用いて合成された複合粒子では、粒子内部に残存する媒液物質の影響により、十分な疎水性が得られず、経時により疎水性が変化してしまう場合があった。
【0016】
一方、バインダー樹脂としてはトナー用として要求される特性、即ち透明性、絶縁性、耐水性、流動性(粉体として)、機械的強度、光沢、熱可塑性、粉砕性等の点からポリスチレン、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が一般に使用され、中でもスチレン系樹脂が粉砕性・耐水性及び流動性に優れている事から、広く使用されている。
【0017】
しかし、スチレン系樹脂含有トナーで得られたコピーを保存するために、塩化ビニル系樹脂シート製書類ホルダー中に入れておくと、コピーの画像面がシートと密着状態で放置されるため、シート、即ち塩化ビニル系樹脂に含まれる可塑剤が定着トナー画像に転移可塑化してこれをシート側に溶着せしめ、その結果、コピーをシートから離すと、コピーからトナー画像が一部または全部剥離し、またシートも汚れてしまうという欠点があつた。この様な欠点はポリエステル樹脂含有トナーにも見られる。
【0018】
以上の様な塩化ビニル系樹脂シートへの転移防止策として特開昭60−263951号公報や特開昭61−24025号公報ではスチレン系樹脂またはポリエステル樹脂に塩化ビニル系樹脂用可塑剤で可塑化されないエポキシ樹脂をブレンドする提案がなされている。
しかし、この様なブレンド樹脂を特にカラートナー用として用いた場合、異種の樹脂間の不相溶性によりオフセット性、定着画像のカール、光沢度(カラートナー画像の場合は光沢がないと貧弱な画像として見える)、着色性、透過性、発色性が問題となってくる。これらの問題は従来のエポキシ樹脂や特開昭61−235852号公報で提案される様なアセチル化変性エポキシ樹脂でも全て解決できるものではない。
【0019】
そこでエポキシ樹脂を単独で用いる事により前記問題点を解決する事が考えられるが、新たな問題点として、エポキシ樹脂のアミンとの反応性が生じてくる。エポキシ樹脂は、一般にはエポキシ基と硬化剤とを反応させて架橋構造を組む事により、機械的強度や耐薬品性の優れた硬化型樹脂として使用されている。硬化剤はアミン系と有機酸無水物系に大別される。もちろん、静電荷像現像用トナーとして用いられるエポキシ樹脂は熱可塑性樹脂として用いるものであるが、トナーとして樹脂と一緒に混練される染顔料、帯電制御剤の中にはアミン系のものがあり、混練時に架橋反応を起こし、トナーとして使用できない場合がある。またこのエポキシ基の化学的活性は生化学的性、即ち皮膚刺激等の毒性が考えられ、その存在には十分注意を要する。またエポキシ基は親水性を示す事から、高温高湿下での吸水が著しく、帯電低下、地汚れ、クリーニング不良等の原因となる。更にエポキシ樹脂における帯電安定性も一つの問題である。
【0020】
一般にトナーはバインダー樹脂、着色剤、帯電制御剤等から構成されている。着色剤としては様々な染顔料が知られており、中には帯電制御性を有するものもあり、着色剤と帯電制御剤との2つの作用を有するものもある。各種樹脂をバインダー樹脂として用い、前記の様な組成でトナー化する事は広く行なわれているが、問題点として染顔料、帯電制御剤等の分散性がある。
【0021】
一般にバインダー樹脂と染顔料、帯電制御剤等の混練は、熱ロールミルで行われ、染顔料、帯電制御剤等をバインダー樹脂中に均一に分散させる必要がある。しかし十分に分散させる事は難しく、着色剤としての染顔料の分散が悪いと発色が悪く着色度も低くなってしまう。また帯電制御剤等の分散が悪いと帯電分布が不均一となり、帯電不良、地汚れ、飛散、ID不足、ぼそつき、クリーニング不良など様々な不良原因となる。また、特開昭61−219051号公報にはε−カプロラクトンでエステル変性したエポキシ樹脂をバインダー樹脂として使用したトナーが開示されているが、耐塩ビ性、流動性等が改良されるものの、変性量が15〜90重量%もあり、軟化点が下がり過ぎ、光沢も出すぎる欠点があつた。
【0022】
また、特開昭52−86334号公報には、脂肪族一級または二級アミンと既製のエポキシ樹脂の末端エポキシ基とを反応させ、正帯電性を有するものが開示されているが、前で述べた様にエポキシ基とアミンとは架橋反応を起こしてしまい、トナーとして使用できない場合が考えられる。更にまた特開昭52−156632号公報には、エポキシ樹脂の末端エポキシ基のどちらか一方または両方をアルコール、フェノール、グリニヤール試薬、有機酸ナトリウムアセチライド、アルキルクロライド等で反応させる事が開示されているが、エポキシ基が残っている場合は前述の通りアミンとの反応性、毒性、親水性等の問題を生じる。また上記反応物の中には親水性のもの、また帯電に影響するもの、またトナー化する際の粉砕性に影響するものがあり、必ずしも本発明に全て有効ではない。
【0023】
また、特開平1−267560号公報にて、エポキシ樹脂の末端エポキシ基の両方を1価の活性水素含有化合物で反応させた後、モノカルボン酸やそれらのエステル誘導体、ラクトン類でエステル化するものが開示されているが、エポキシ樹脂の反応性、毒性、親水性は解決されているが定着においてカールがさほど改善されていない。
【0024】
さらに、一般的にエポキシ樹脂あるいはポリオール樹脂の合成時にキシレン等の溶剤を用いることが多いが(例えば特開平11−189646号公報)、それら溶剤あるいは、ビスフェノールA等の未反応残留モノマー等が、製造後の樹脂中に少なからず存在し、それら樹脂を用いたトナーにおいても残存量は多く、問題であった。
【0025】
一方、特にカラー画像の形成に用いられる静電荷像現像用カラートナーに要求される性能は、黒色画像を得る場合に比べ厳しいものとなる。即ち、トナーとしては、衝撃や湿度等の外的要因に対する機械的電気的安定性に加え、適正な色彩の発現(着色度)や色重ねしたときの色再現性、発色性、色階調性、鮮明性、オーバーヘッドプロジェクター(OHP)に用いたときの光透過性(透明性)、またあらゆる環境における高い耐光性等が必要となる。
【0026】
着色剤として染料を用いるものとしては、例えば、特開昭57−130043号公報、同57−130044号公報に記載のものがある。しかしながら、着色剤に染料を用いた場合、得られる画像は透明性に優れ、発色性が良くて鮮明なカラー画像の形成が可能であるが、反面、耐光性が劣り、直射光下に放置した場合、変色、退色してしまう問題がある。
【0027】
一方、着色剤として顔料を用いるものとしては、特開昭49−46951号公報、特開昭52−17023号公報に記載のものがある。しかしながら、顔料系のカラートナーは耐光性は優れているものの、反面、結着樹脂に対する顔料の分散性が悪いため、着色度(発色性)や透明性が劣るという問題がある。
結着樹脂に対する顔料の分散性を向上する方法としては次にあげるような方法が提案されている。
【0028】
(1)特開昭62−280755号公報;バインダー樹脂としてポリエステル樹脂(樹脂A)を用い、当該樹脂Aよりも高い分子量のポリエステル樹脂(樹脂B)により顔料をあらかじめ被覆し、この被覆された顔料を樹脂A中に分散させてカラートナーを得る技術。
【0029】
(2)特開平2−66561号公報;樹脂と顔料用樹脂とを溶融混練して選られる加工顔料が結着樹脂中に分散含有されてなり、前記顔料用樹脂の重量平均分子量が前記結着樹脂の重量平均分子量よりも小さく、前記結着樹脂の重量平均分子量が10万以上であることを特徴とするカラートナー。
【0030】
(3)特開平9−101632号公報;結着樹脂と顔料の混合物をあらかじめ有機溶剤と共に結着樹脂の溶融温度よりも低い温度で1段目の混練を行い、さらに結着樹脂、帯電制御剤を加えて2段目の加熱溶融混練してカラートナーを得る技術。
【0031】
(4)特開平4−39671号公報;重量平均分子量4万以下の結着樹脂と、該結着樹脂を用いたフラッシング顔料よりなる着色剤とを含むことを特徴とするトナー。
【0032】
(5)特開平4−230770号公報;溶剤と該溶剤に可溶な第1の結着樹脂および該溶剤に不溶な着色剤の粒子を混合し、加圧条件下で温度50〜100℃で、剪断力をかけながら該着色剤の粒子を該結着樹脂に分散した後、該溶剤を除去して該着色剤の粒子が分散されている着色結着樹脂組成物を得て、さらに結着樹脂、帯電制御剤を加えて2段目の加熱溶融混練してトナーを得る技術。
等が提案されている。
【0033】
しかしながら、前記(1)、(2)公報記載の方法でも、いずれも十分な顔料の分散は得られず、着色度、透明性が劣っているのが現状である。
また、前記(3)、(4)、(5)公報記載の方法は顔料の分散は向上するものの、いずれの方法も溶剤を使用するため、いくら除去したとしても製品中あるいはトナー中に極微量ではあるが溶剤が残り、これが高温環境下での使用という特殊な環境においてトナーの帯電量を低下させ、現像部でのトナー飛散といった問題の原因になっていることが最近になって、本発明者らの検討によって明らかになった。トナー飛散は装置のメンテナンス性の低下を引き起こすだけでなく、飛散したトナーが非印字部に付着するといった問題も発生する。
【0034】
また着色剤のトナー中における粒径を規定した例も知られているが(特許第2992924号、特許第3047310号)、これらの粒径分布では着色度は十分であるが、色透明性、発色性、耐光性の点では十分な効果が得られなかった。また特に高温高湿環境下におけるトナー飛散、低温低湿下における地肌汚れに対する改善効果は得られなかった。同様に特開2001−228653号公報でも粒度分布が規定されているが、小粒径側については考慮されておらず、特に耐光性に問題があった。
【0035】
一方、トナーの製造方法としては、特開平1−304467号公報に代表されるように、原料を全て一度に混合して混練機などにより加熱、溶融、分散を行い均一な組成物とした後、これを冷却して、粉砕、分級することにより体積平均粒径6〜10μm程度のトナーを製造する方法が一般的に採用されている。特にカラー画像の形成に用いられる静電荷像現像用カラートナーは、一般に、バインダー樹脂中に各種の有彩色染料または顔料を分散含有させて構成される。この場合、使用するトナーに要求される性能は、黒色画像を得る場合に比べ厳しいものとなる。
【0036】
即ち、トナーとしては、衝撃や湿度等の外的要因に対する機械的電気的安定性に加え、適正な色彩の発現(着色度)やオーバーヘッドプロジェクター(OHP)に用いたときの光透過性(透明性)が必要となる。着色剤として染料を用いるものとしては、例えば、特開昭57−130043号公報、同57−130044号公報に記載のものがある。しかしながら、着色剤に染料を用いた場合、得られる画像は透明性に優れ、発色性が良くて鮮明なカラー画像の形成が可能であるが、反面、耐光性が劣り、直射光下に放置した場合、変色、退色してしまう問題がある。
【0037】
またトナー製造後の保管時、運搬時における高温高湿、低温低湿環境等はトナーにとって過酷な状況にあり、環境保存後においてもトナー同士が凝集せず、帯電特性、流動性、転写性、定着性の劣化のない、あるいは極めて少ない保存性に優れたトナーが要求されているが、これに対する有効な手段はこれまで見つかっていなかった。
【0038】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は次のとおりである。
1.トナーを高温高湿環境に長時間保管後に高温高湿環境下で数万枚印字後においても帯電安定性に優れ帯電性が良好で、弱帯電、逆帯電トナーの少なく、トナー飛散が発生しない、トナー、現像剤、画像形成方法、画像形成装置を提供すること。
2.常温常湿環境だけでなく、低温低湿環境下において数万枚画像を出力した後でも帯電安定性に優れた弱帯電、逆帯電トナーの少なく、地肌汚れ(かぶり)が発生しないトナー、現像剤、画像形成方法、画像形成装置を提供すること。
3.数万枚画像を出力した後でも、十分な着色性、耐光性、透明性、発色性、鮮明性、色再現性、彩度、光沢を有するトナー、現像剤、画像形成方法、画像形成装置を提供すること。
4.画像形成システムとして高耐久、低メンテナンス性を兼ね備えた画像形成装置、画像形成方法を提供すること。
5.高温高湿、低温低湿いずれの環境下でも必要かつ十分な帯電立ち上がり性、保持帯電量を示すトナー、現像剤、画像形成装置、画像形成方法を提供すること。
6.印刷速度が低速から高速領域まで遜色なく、継続的画像出力で画像濃度低下のない、定着性および非オフセット性のバランスに優れた画像形成装置、画像形成方法を提供することにある。
7.小粒径、円形度の高い球形トナーにおいても、帯電安定性に優れ帯電性が良好で、弱帯電、逆帯電トナーの少なく、トナー飛散が発生しない、トナー、現像剤、画像形成方法、画像形成装置を提供すること。
8.定着画像面を塩化ビニル系樹脂シートに密着させても、シートへのトナー画像の転移のない画像形成装置、画像形成方法を提供することである。
9.定着画像が実質上カールする事のない画像形成装置、画像形成方法を提供することである。
【0039】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を達成すべく鋭意検討した結果、少なくともバインダー樹脂と着色剤とを含有するトナーにおいて、該トナーの近赤外吸収スペクトルにおけるバインダー樹脂成分の遊離性成分のピーク強度Fと会合性成分のピーク強度Aの強度比F/A(分散性指標)が1.0〜1.6でかつ、着色剤をトナーに対して2重量%〜15重量%含有することを特徴とする静電荷像現像用トナーを用いることで、トナーを高温高湿環境で長時間保管後に数万枚画像を出力した後においても帯電安定性に優れた弱帯電、逆帯電トナーの少なく、トナー飛散が発生せず、かつ常温常湿環境だけでなく、高温高湿環境および低温低湿環境下において数万枚画像を出力した後でも帯電安定性に優れた弱帯電、逆帯電トナーの少なく、地肌汚れ(かぶり)が発生せず、かつ数万枚画像を出力した後でも、十分な着色性、耐光性、透明性、発色性、鮮明性、色再現性、彩度、光沢に優れた高画質の画像を形成しうることを見いだした。
【0040】
そのメカニズムは現在解明中であるが、いくつかの解析データから以下のことが推測された。近赤外吸収スペクトルは試料の分子構造を反映した分子振動に起因した信号を検出する手法で、特に置換基の状態までも感度良く検出できる手法である。今回樹脂の遊離性成分と会合性成分のピークを検出し、その強度比を制御することで遊離性の樹脂量をコントロールし、着色剤の分散状態が制御できることを見いだした。
【0041】
より具体的には例えばバインダー樹脂にポリオール樹脂を使用する場合、ポリオール樹脂の遊離−OH(水酸基)による−OH伸縮と−OH変角の結合音に帰属されるピークは2165±20nm付近に検出される(ピーク強度F)。一方、会合性−OH(水酸基)による第一倍音(分子内水素結合による)に帰属されるピークは1429±20nm付近に検出される(ピーク強度A)。着色剤の分散が良いと、着色剤が樹脂間に入り込み、樹脂内、樹脂間の分子内水素結合による会合性のピークは減少し、代わりに遊離状態の樹脂が増加し、遊離−OHのピークが増加することになる。その結果それぞれのピークに帰属されるピーク強度比F/A(分散性指標)が変化し、その分散性指標を制御することで着色剤の分散状態を制御できることとなる。分散性指標が大きいと着色剤の分散状態が良好で、値が小さいと分散状態が不良となる。
【0042】
またトナー中の分散性指標は1.0〜1.6、より好ましくは1.1〜1.4が望ましいことがわかった。ここで分散性指標が1.0未満であると着色剤の分散性が悪く、着色剤の凝集体がトナー生成の際に剥離して着色剤スペント等を引き起こしやすくなり、トナーの帯電サイトが減少し帯電性、印字品質安定性に悪影響を与える。またトナー表面に着色剤が露出しやすくなり、トナーの帯電性に効果を発揮するバインダー樹脂、帯電制御剤の表面被覆率が低下し、トータルのトナーの帯電性に悪影響を及ぼし、弱帯電トナー、逆帯電トナーを生成し、特に高温高湿、低温低湿環境下等帯電レベルの変動しやすい環境において、特にその影響は顕著となり、トナー飛散、地肌汚れ等の発生につながり望ましくない。
【0043】
一方、分散性指標が1.6を越えると着色剤の分散性は向上するが、着色剤粒子がトナー中に微分散しすぎて着色度が低下したり、微分散させることで着色剤の結晶性が低下し、特に耐光性が低下し好ましくない。また高分散にしすぎることによりバインダー樹脂の分子鎖が切断され、ホットオフセットの発生等定着性に悪影響を与えることもわかってきた。また粉砕トナーの場合、トナーの粉砕性が低下し、生産性の低下、コスト上昇の要因となり望ましくない。
【0044】
また着色剤粒子がトナーに対して2重量%〜15重量%であることで、トナーに対して十分な着色度とトナー飛散、地肌汚れ等の防止効果を持たせている。つまり着色剤粒子が2重量%未満の場合、トナーの重量あたりの着色度が低下し、画像として同じ着色度を持たせるためにトナー層の厚みをより厚くする必要がある。この場合トナー層が厚くなることで、トナーの現像、転写量が増加し、トナー飛散、転写トナーチリ等がより発生しやすくなる。また厚層になるため色再現正性も低下する。一方、15重量%を越える場合、着色性は十分であるが、トナーの帯電性の点で不具合が発生する。つまり着色剤がトナー表面を覆いトナー表面のバインダー樹脂、帯電制御剤の量が低下し、トナーとしての帯電能力が低下し、前記のようなトナー飛散、地汚れ等の問題が発生する。
【0045】
さらに、少なくともバインダー樹脂と着色剤とを含有するトナー用マスターバッチ着色剤において、該マスターバッチ着色剤の近赤外吸収スペクトルにおける遊離性のピーク強度F(2165±20nm)と会合性のピーク強度A(1429±20nm)の強度比F/A(分散性指標)が1.5〜2.0でかつ、着色剤がバインダー樹脂に対して20重量%〜80重量%含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー用マスターバッチ着色剤を用いることで、前記に示したような高分散着色剤トナーを製造することが可能となることを見いだした。その結果、トナー飛散、地汚れ等の問題を解決でき好ましい。
【0046】
さらに少なくともバインダー樹脂と着色剤とを含有するトナーにおいて、該トナーの近赤外吸収スペクトルにおける2165nmのピーク強度Fと1429nmのピーク強度Aの強度比F/A(分散性指標)が1.0〜1.6でかつ、着色剤粒子をトナーに対して2重量%〜15重量%含有することを特徴とする静電荷像現像用マゼンタトナー、イエロートナー、シアントナーを少なくとも含むフルカラートナーキットを用いることで、フルカラー静電荷像現像システムにおいて色間のトナーが環境帯電性のバランスが良好となり、高画質でかつ、高信頼性の静電荷像現像システムとすることができた。
【0047】
また本発明では、着色剤の樹脂内への分散性制御が重要となるが、該トナーのバインダー樹脂が、少なくともポリオール樹脂を含むことで、着色剤との分散性が極めて良好で、かつ十分な環境帯電性、引張破断強度、環境安定性、安定した定着特性が得られた。さらに該トナーのバインダー樹脂が、少なくとも主鎖にエポキシ樹脂部とポリオキシアルキレン部を有するポリオール樹脂を少なくとも含むことで、さらに安定した着色剤分散性と環境安定性、安定した定着特性、コピー定着画像面の塩化ビニル系樹脂へのシートに密着時のシートへのトナー画像の転移防止を図ることができ、特にカラートナーに使用した場合カラー再現性、安定した光沢、コピー定着画像のカール防止等に効果をもたらすことを見いだした。
【0048】
また該トナーの体積平均粒径が、1〜6μmである小粒径の静電荷像現像用トナーを用いた場合、高画質の点では有利であるが、従来の着色剤分散性では、小粒径のため接触帯電確率の点からトナー各粒子の帯電性が低下し、弱帯電、逆帯電利賀が増加する傾向にあり、トナー飛散、地汚れ等に対して余裕度が小さくより問題であった。この小粒径トナーを使いこなす手段として、前記トナー樹脂の近赤外吸収スペクトルの遊離性のピーク強度Fと会合性のピーク強度Aの強度比F/A(分散性指標)を制御することで、十分な着色度を保持するとともに、トナー飛散、地汚れ等を防止することが可能となることを見いだした。
【0049】
さらに該トナーの円形度SF−1が100〜140、円形度SF−2が100〜130である円形度の高い、より球形に近いトナーを用いた場合、同様に高画質の点で有利であるが、球形のためトナーとキャリア(現像スリーブ)との摩擦抵抗が低下し、トナーがキャリア(現像スリーブ)に保持されにくくなり、トナー飛散や地汚れ等に対して余裕度が小さく問題であった。この高円形度トナーを使いこなす手段として、前記トナー樹脂の近赤外吸収スペクトルの遊離性のピーク強度Fと会合性のピーク強度Aの強度比F/A(分散性指標)を制御することで、十分な着色度を保持するとともに、トナー飛散、地汚れ等を防止することが可能となることを見いだした。
【0050】
また上記トナーと磁性粒子からなるキャリアを少なくとも含むことを特徴とする2成分現像システムを用いることで、該高着色、高分散着色剤トナーを用いた場合でも安定した帯電特性を維持させることができ、キャリアとの付着力のバランスのとれた、現像剤としてストレス変動の少なく十分な嵩密度を持つ、帯電立ち上がり性、環境帯電安定性の優れた現像特性が得られた。さらに嵩密度センサ等によるトナー濃度制御性の優れた現像システムが得られた。
【0051】
また、静電荷像担持体上の多色に分割された静電荷像を複数の多色からなる静電荷像現像用現像剤により現像してトナー像を形成し、静電荷像担持体表面に転写手段を当接させ該トナー像を単一の転写材上に順次重ね合わせて転写することにより前記転写材上にカラー画像を得るタンデム型カラー画像形成装置において、印字速度がA4サイズ相当で20枚/分以上より好ましくは25枚/分以上、さらに好ましくは30枚/分以上の高速印字の場合、トナーが現像部を通過する所要時間を短縮する必要があるため、従来と同様の現像能力を得ようとすると現像剤をより高速に、高トルクで撹拌し帯電現像させる必要があり、その結果、弱帯電トナー、逆帯電トナーがより発生しやすくなり、現像部からのトナー飛散が発生し問題であった。
【0052】
この対策のため、前記トナー樹脂の近赤外吸収スペクトルの遊離性のピーク強度Fと会合性のピーク強度Aの強度比F/A(分散性指標)を制御することで、十分な着色度を保持するとともに、トナー飛散、地汚れ等を防止することが可能となることを見いだした。上記の結果、高速印字に対応してかつ、OHP、厚紙、コート紙等、転写材の材質に影響されにくく、該転写時に転写不良の少ない、画像欠陥の少なく高画質でメンテナンス性に優れた画像形成装置が得られた。
【0053】
かくして本発明によれば、以下(1)〜(14)が提供される。
(1)少なくともバインダー樹脂と着色剤とを含有する静電荷像現像用トナーにおいて、該トナーの近赤外吸収スペクトルにおけるバインダー樹脂成分の遊離性成分のピーク強度Fと会合性成分のピーク強度Aの強度比F/A(分散性指標)が1.0〜1.6でかつ、着色剤をトナーに対して2重量%〜15重量%含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
(2)近赤外吸収スペクトルにおける2165±20nmのピーク強度Fと1429±20nmのピーク強度Aの強度比F/A(分散性指標)が1.0〜1.6であることを特徴とする上記(1)記載の静電荷像現像用トナー。
(3) 少なくともバインダー樹脂と着色剤とを含有する静電荷像現像用トナーにおいて、近赤外吸収スペクトルにおける遊離性のピーク強度Fと会合性のピーク強度Aの強度比F/A(分散性指標)が1.5〜2.0であるトナー用マスターバッチ着色剤(着色剤はバインダー樹脂に対して20重量%〜80重量%含有)を用いてなり、かつ、着色剤をバインダー樹脂に対して2重量%〜15重量%含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
【0054】
(4)近赤外吸収スペクトルにおける2165±20nmのピーク強度Fと1429±20nmのピーク強度Aの強度比F/A(分散性指標)が1.5〜2.0であるトナー用マスターバッチ着色剤を用いてなることを特徴とする上記(3)記載の静電荷像現像用トナー。
(5)前記トナーのバインダー樹脂が、少なくともポリオール樹脂を含むことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
(6)前記トナーのバインダー樹脂が、少なくとも主鎖にエポキシ樹脂部とポリオキシアルキレン部とを有するポリオール樹脂を少なくとも含むことを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
【0055】
(7)前記トナーの体積平均粒径が1〜6μmであることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー
(8)前記トナーの円形度SF−1値が100〜140、円形度SF−2値が100〜130であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー
【0056】
(9)静電荷像現像用トナーがカラートナーであることを特徴とする上記(1)〜(8)記載の静電荷像現像用トナー
(10)少なくとも上記(1)〜(9)のいずれかに記載のトナーと磁性粒子からなるキャリアとを含むことを特徴とする二成分系の現像剤。
(11)上記(1)〜(9)いずれかに記載のトナーを収容したことを特徴とするカラートナーキット。
【0057】
(12)上記(1)〜(9)のいずれかに記載のトナーを用い、印字速度がA4サイズ相当で20枚/分以上であることを特徴とするタンデム方式のカラー画像形成方法。
(13)上記(11)記載のカラートナーキットを使用し、かつ、印字速度がA4サイズ相当で20枚/分以上であることを特徴とするタンデム方式のカラー画像形成方法。
【0058】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。ここで、本発明に用いられる静電荷像現像用トナー、現像剤の製法や材料、および静電荷像現像プロセスに関するシステム全般に関しては条件を満たせば、公知のものが全て使用可能である。
以下では、本発明の静電荷像現像用トナーを構成する成分および該トナーの製造方法および静電荷像現像プロセスに用いる装置等について説明する。
【0059】
<トナー成分について>
まず、本発明の静電荷像現像用トナーを構成する各成分について述べる。
【0060】
(分散性指標)
本発明で用いる分散性指標は、以下に示すようなトナー、マスターバッチ着色剤の近赤外吸収スペクトルを解析することで求めることができる。装置、条件等は同様な結果が得られるのであれば特に手法は制限されない。
装置は、NIR分光分析装置 InfraProverII(BRAN+LUEBBE社製)を用い、波長1000nm〜2300nm(波数9996cm-1〜4008cm-1)の範囲を拡散反射法により測定した。分解能は12cm-1とした。試料はガラスの試料瓶に入れるかあるいは、試料をそのまま拡散反射法で測定した。バインダー樹脂成分の遊離性成分のピーク強度F (例えば2165±20nm)と会合性成分のピーク強度A (例えば1429±20nm)をソフトウエア等で求め、そのピーク強度比F/Aを分散性指標として算出する。その値はトナーの場合で1.0〜1.6であることが望ましい。またマスターバッチ着色剤の場合、1.5〜2.0であることが望ましい。
【0061】
(マスターバッチ着色剤)
本発明では、樹脂と着色剤との親和性を向上させる目的で、あらかじめ樹脂と着色剤を混合、混練りしたマスターバッチ着色剤を用いることもできる。着色剤は顔料、染料等が着色する物質であれば何でも使用できる。樹脂と着色剤の比率は、20:80〜80:20、より好ましくは、30:70〜70:30、さらに好ましくは40:60〜60:40がより好ましい。またここで用いる樹脂は必ずしもトナーのバインダー樹脂そのものでなくても良く、トナーのバインダー樹脂と親和性の良いポリオール樹脂、ポリエステル樹脂等がより好ましく使用できる。それらについては、後述のバインダー樹脂と同様な樹脂が使用できる。さらに、乾燥粉体顔料を用い、樹脂と濡らす方法として水を用いることでより分散性をより向上できる。
【0062】
顔料はそもそも、その1次粒子は0.001〜0.1μmと非常に小さなものであるが、原材料の乾燥粉体の状態では数μm大の大きな凝集体を形成している。理想的な顔料の分散は、この凝集体を解砕し1次粒子にまでバラバラにすることであるが、通常の混練方法で0.001〜0.1μm程度の1次粒子を、それ以下に小さくすることは、このような通常の機械的な繰り返し剪断による混練方法では限界である。すなわち、顔料の分散が悪いということは、この凝集体を解砕できないことに他ならない。凝集体が解砕されるための必要条件は、凝集体内部の空隙にまで、周りの樹脂が入り込み、全ての1次粒子表面を効率よく濡らすことである。したがって、顔料分散のポイントは、凝集体内部の空隙にまで、周りの樹脂が入り込めるかどうかにある。しかし、通常のトナーに用いられる結着樹脂は溶融粘度が高いため、凝集体内部にまで入り込ませるには、大きなエネルギを必要とし、それでも、顔料は目指す1次粒子にはなっていないのが現状である。
【0063】
一般的に着色剤として使用される有機顔料は疎水性であるが、その製造工程においては水洗、乾燥という工程をとっているため、ある程度の力を加えれば顔料凝集体内部にまで水を染み込ませることが可能である。この凝集体内部に水が染み込んだ顔料と樹脂とを混合したものを、開放型の混練機で、100℃以上の設定温度で混練すると、凝集体内部の水は瞬時に沸点に達し、体積膨張するため、凝集体内部から凝集体を解砕しようとする力が加わることになる。
【0064】
この凝集体内部からの力は、外部から加える力に比べ非常に効率良く凝集体を解砕することが可能である。さらにこの時、樹脂は軟化点以上の温度に加熱されているため、粘度が低くなり、凝集体を効率よく濡らすようになるのと同時に、凝集体内部の沸点温度に近い水といわゆるフラッシングに似た効果で置換されることにより、1次粒子に近い状態で顔料が分散したマスターバッチ着色剤を得ることができる。さらに、水が蒸発している過程においては、水の蒸発に伴う気化熱を混練物から奪うため、混練物の温度は100℃以下の比較的低温高粘度に保持されるため、剪断力が有効に顔料凝集体に加えられるという効果も合せもつ。
【0065】
マスターバッチ着色剤製造用の開放型混練機としては通常の2本ロール、3本ロールの他、バンバリーミキサーを開放型として使用する方法や、三井鉱山社製連続式2本ロール混練機等を用いることができる。また着色剤を樹脂中により良好に分散させる手段として、一度練り上がったマスターバッチ着色剤パルペライザーで粗粉砕した後、2度、3度と再度混練する事も有効である。
【0066】
(着色剤)
本発明のトナーの着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用できる。中でも特に親油性の高い有機顔料がより好ましい。例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフト−ルイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、オイルイエロー、ハンザイエロー、(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、ピラゾロンオレンジ,ベンジジンオレンジG,パーマネントレッド4R,ウオッチングレッドカルシウム塩,ブリリアントカーミン38,ファストバイオレッドB,メチルバイオレッドレーキ,インダンスレンブルーBC、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラゲンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイヤーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカレートVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ナフトールカーミン、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレットB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサジンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアンエメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトポン及びそれらの混合物等である。
【0067】
好ましくはポリ縮合アゾ系顔料,不溶性アゾ系顔料,キナクリドン系顔料,カーミン系顔料、ナフトールカーミン系顔料、イソインドリノン系顔料,ペリレン系顔料,アントラキノン系顔料,銅フタロシアニン系顔料等の高耐光性、高樹脂分散性の顔料が好ましい。
【0068】
マゼンタ用着色顔料としてはC.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,39,40,41,48,48:1、49,50,51,52,53,53:1、54,55,57,57:1、58,60,63,64,68,81,83,87,88,89,90,112,114,122,123,163,177、179、202,206,207,209、211;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1,2,10,13,15,23,29,35などが挙げられる。
【0069】
シアン用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー2,3,15,15:1,15:2、15:3、15:4、15:6、16,17、60;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45又フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料、グリーン7、グリーン36などが挙げられる。
【0070】
イエロー用着色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー0−16、1,2,3,4,5,6,7,10,11,12,13,14,15,16,17,23,55,65,73,74、83、97、110、151、154、180;C.I.バットイエロー1,3,20、オレンジ36などが挙げられる。
【0071】
着色剤の含有量はトナーに対して2〜15重量%、より好ましくは3〜10重量%である。また着色剤の樹脂中における分散性を向上させる目的で、各種分散向上剤を含有することもできる。
【0072】
(外添剤)
外添剤は、公知のものすべて使用可能である。例えば、シリカ微粒子、疎水性シリカ、脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど)、金属酸化物(チタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモンなど)、フルオロポリマー等を含有してもよい。
【0073】
特に好適な添加剤としては、疎水化されたシリカ、チタニア、酸化チタン、アルミナ微粒子があげられる。シリカ微粒子としては、HDK H 2000、HDK H 2000/4、HDK H 2050EP、HVK21、HDK H 1303(以上ヘキスト)やR972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(以上日本アエロジル)がある。また、チタニア微粒子としては、P−25(日本アエロジル)やSTT−30、STT−65C−S(以上チタン工業)、TAF−140(富士チタン工業)、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(以上テイカ)などがある。特に疎水化処理された酸化チタン微粒子としては、T−805(日本アエロジル)やSTT−30A、STT−65S−S(以上チタン工業)、TAF−500T、TAF−1500T(以上富士チタン工業)、MT−100S、MT−100T(以上テイカ)、IT−S(石原産業)などがある。
【0074】
疎水化処理された酸化物微粒子、シリカ微粒子及びチタニア微粒子、アルミナ微粒子を得るためには、親水性の微粒子をメチルトリメトキシシランやメチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤で処理して得ることができる。またシリコーンオイルを必要ならば熱を加えて無機微粒子に処理した、シリコーンオイル処理酸化物微粒子、無機微粒子も好適である。
【0075】
シリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル、メタクリル変性シリコーンオイル、αメチルスチレン変性シリコーンオイル等が使用できる。
【0076】
無機微粒子としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。その中でも特にシリカと二酸化チタンが好ましい。
【0077】
添加量はトナーに対し0.1から5重量%、好ましくは0.3から3重量%を用いる事ができる。無機微粒子の一次粒子の平均粒径は、100nm以下、好ましくは3nm以上70nm以下である。この範囲より小さいと、無機微粒子がトナー中に埋没し、その機能が有効に発揮されにくい。またこの範囲より大きいと、感光体表面を不均一に傷つけ好ましくない。
【0078】
外添剤としては、無機微粒子や疎水化処理無機微粒子を併用することができるが、疎水化処理された一次粒子の平均粒径が1〜100nm、より好ましくは5nm〜70nmの無機微粒子を少なくとも2種類以上含むことがより望ましい。さらに疎水化処理された一次粒子の平均粒径が20nm以下の無機微粒子を少なくとも2種類以上含みかつ、30nm以上の無機微粒子を少なくとも1種類以上含むことがより望ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。
【0079】
(表面処理剤)
酸化物微粒子を含む外添剤の表面処理剤としては例えばジアルキルジハロゲン化シラン、トリアルキルハロゲン化シラン、アルキルトリハロゲン化シラン、ヘキサアルキルジシラザンなどのシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワニスなどが挙げられる。より好ましくは有機ケイ素化合物表面処理剤、疎水化処理剤である。
【0080】
(樹脂微粒子)
外添剤として樹脂微粒子も添加することができる。たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。このような樹脂微粒子と併用する事によって現像剤の帯電性が強化でき、逆帯電のトナー粒子を減少させ、地肌汚れを低減することができる。添加量はトナーに対し0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%を用いる事ができる。
【0081】
(円形度)
本発明に用いられる円形度である形状係数SF−1、SF−2は、日立製作所製FE−SEM(S−4200)により測定して得られたトナーのSEM像を300個無作為にサンプリングし、その画像情報をインターフェースを介してニレコ社製画像解析装置(Luzex AP)に導入し解析を行い、下式より算出し得られた値をSF−1、SF−2と定義した。しかし、同様の解析結果が得られるのであれば特に上記FE−SEM装置、画像解析装置に限定されない。
【0082】
SF-1=(L2/A)×(π/4)×100
SF-2=(P2/A)×(1/4π)×100
ここで、
トナーの絶対最大長をL
トナーの投影面積をA
トナーの最大周長をP
とする。真球であればいずれも100となり、100より値が大きくなるにつれて球形から不定形になる。また特にSF−1はトナー全体の形状(楕円や球等)を表し、SF−2は表面の凹凸程度を示す形状係数となる。
【0083】
(軟化点、流出開始温度)
本発明のトナーの軟化点は、軟化点測定装置(メトラー社製、FP90)を使用して、1℃/minの昇温速度で軟化温度、流出開始温度を測定した。
【0084】
(ガラス転移温度(Tg))
本発明のトナーのTgは、下記の示差走査型熱量計を用いて、下記条件で測定した。
Figure 0003887775
【0085】
(分子量)
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)およびピーク分子量Mpの測定は、以下のように行った。試料80mgをTHF10mlに溶解して試料液を調製し、5μmのフィルターで濾過して、この試料液100μlをカラムに注入し、下記の条件で保持時間の測定を行う。また、平均分子量既知のポリスチレンを標準物質として用いて、保持時間を測定して、あらかじめ作成しておいた検量線から試料の数平均分子量をポリスチレン換算で求めた。
【0086】
Figure 0003887775
【0087】
(針入度、耐熱保存性)
トナーを10gずつ計量し、20ccのガラス容器に入れ、50℃にセットした恒温槽に5時間放置した後、針入度計で針入度を測定した。
【0088】
(バインダー樹脂)
本発明のトナーのバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。特に、ポリオール樹脂、ポリエステル樹脂がより好ましい。
またバインダー樹脂のポリオール樹脂末端が不活性であると環境安定性、有害性の少ないトナーとすることができる。
【0089】
本発明に用いられるポリオール樹脂(エポキシ樹脂)は好ましくはビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールとエピクロロヒドリンを結合して得られたものである。エポキシ樹脂は安定した定着特性や光沢を得るために、数平均分子量の相違する少なくとも2種以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂で、低分子量成分の数平均分子量が360〜2000であり、高分子量成分の数平均分子量が3000〜10000であることを好ましい。更に低分子量成分が20〜50wt%、高分子量成分が5〜40wt%であることが好ましい。低分子量成分が多すぎたり分子量が360よりさらに低分子の場合は、光沢が出すぎたり、さらには保存性の悪化の可能性がある。また、高分子量成分が多すぎたり分子量が10000よりさらに高分子の場合は、光沢が不足したり、さらには定着性の悪化の可能性がある。
【0090】
本発明で用いられる樹脂化合物として、2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物としては以下のものが例示される。エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド及びこれらの混合物とビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールとの反応生成物が挙げられる。得られた付加物をエピクロロヒドリンやβ−メチルエピクロロヒドリンでグリシジル化して用いてもよい。特に下記一般式(1)で表わされるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテルが好ましい。
【0091】
【化1】
Figure 0003887775
【0092】
また、2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物もしくはそのグリシジルエーテルが、ポリオール樹脂に対して10〜40wt%含まれていることが好ましい。ここで量が少ないとカールが増すなどの不具合が生じ、またn+mが7以上であったり量が多すぎると光沢が出すぎたり、さらには保存性の悪化の可能性がある。本発明で用いられるエポキシ基と反応する活性水素を分子中に一個有する化合物としては、1価フェノール類、2級アミン類、カルボン酸類がある。1価フェノール類としては、フェノール、クレゾール、イソプロピルフェノール、アミノフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、キシレノール、p−クミルフェノール等が挙げられる。2級アミン類としては、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、N−メチル(エチル)ピペラジン、ピペリジンなどを挙げることができる。また、カルボン酸類としては、プロピオン酸、カプロン酸などが挙げられる。
【0093】
本発明で用いられるエポキシ基と反応する活性水素を分子中に2個以上有する化合物としては、2価フェノール類、多価フェノール類、多価カルボン酸類が挙げられる。2価フェノールとしてはビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールが挙げられる。また、多価フェノール類としてはオルソクレゾールノボラック類、フェノールノボラック類、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1−〔α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼンが例示される。多価カルボン酸類としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸が例示される。
【0094】
また該バインダー樹脂のエポキシ当量を、20000以上に制御することで、樹脂の熱特性を制御できるとともに、反応残留物である低分子のエピクロロヒドリン等の量を低減することができ、安全性、樹脂特性ともに優れたトナーとすることができる。
【0095】
ポリオール樹脂あるいは少なくとも主鎖にエポキシ樹脂部とポリオキシアルキレン部を有するポリオール樹脂を少なくとも含むことで、十分な耐圧縮強度、引張破断強度、環境安定性、安定した定着特性、コピー定着画像面の塩化ビニル系樹脂へのシートに密着時のシートへのトナー画像の転移防止を図ることができ、特にカラートナーに使用した場合カラー再現性、安定した光沢、コピー定着画像のカール防止等に効果をもたらしより好ましい。さらに少なくともポリオール樹脂部とポリエステル樹脂部を含むことで、耐圧縮強度とともに伸縮性と付着性のバランスのとれたトナーとなり、さらに安定した転写性、現像性、定着特性が得られたより好ましい。
【0096】
樹脂としてポリエステル樹脂も好ましく使用することができ、各種のタイプのポリエステル樹脂が使用できるが、特に、下記▲1▼、▲2▼および▲3▼を反応させてなるポリエステル樹脂であることが好ましい。
▲1▼2価のカルボン酸ならびにその低級アルキルエステル及び酸無水物のいずれかから選ばれる少なくとも一種、
▲2▼下記一般式(2)で示されるジオール成分
【0097】
【化2】
Figure 0003887775
【0098】
(式中、R1及びR2は、同一でも異なっていてもよく、炭素数2〜4のアルキレン基であり、またx、yは繰り返し単位の数であり、各々1以上であって、x+y=2〜16である。)
▲3▼3価以上の多価カルボン酸ならびにその低級アルキルエステル及び酸無水物、及び、3価以上の多価アルコールのいずれかから選ばれる少なくとも一種
【0099】
ここで、▲1▼の2価カルボン酸ならびにその低級アルキルエステル及び酸無水物の一例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、イソデシルコハク酸、マレイン酸、フマル酸及びこれらのモノメチル、モノエチル、ジメチル及びジエチルエステル、及び無水フタル酸、無水マレイン酸等があり、特にテレフタル酸、イソフタル酸及びこれらのジメチルエステルが耐ブロッキング性及びコストの点で好ましい。これらの2価カルボン酸ならびにその低級アルキルエステル及び酸無水物はトナーの定着性や耐ブロッキング性に大きく影響する。すなわち、縮合度にもよるが、芳香族系のテレフタル酸、イソフタル酸等を多く用いると耐ブロッキング性は向上するが、定着性が低下する。逆に、セバシン酸、イソデシルコハク酸、マレイン酸、フマル酸等を多く用いると定着性は向上するが、耐ブロッキング性が低下する。従って、他のモノマー組成や比率、縮合度に合わせてこれらの2価カルボン酸類が適宜選定され、単独又は組合わせて使用される。
【0100】
▲2▼の前記一般式(I)で示されるジオール成分の一例としては、ポリオキシプロピレン−(n)−ポリオキシエチレン−(n’)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられるが、特に、2.1≦n≦2.5であるポリオキシプロピレン−(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及び2.0≦n≦2.5であるポリオキシエチレン−(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。このようなジオール成分は、ガラス転移温度を向上させ、反応を制御し易くするという利点がある。
なお、ジオール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−ブタンジオール、1、3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール等の脂肪族ジオールを使用することも可能である。
【0101】
▲3▼の3価以上の多価カルボン酸ならびにその低級アルキルエステル及び酸無水物の一例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフトレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサトリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸及びこれらのモノメチル、モノエチル、ジメチルおよびジエチルエステル等が挙げられる。
【0102】
また、▲3▼の3価以上の多価アルコールの一例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ショ糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
【0103】
ここで、3価以上の多価単量体の配合割合は、単量体組成物全体の1〜30モル%程度が適当である。1モル%以下の時には、トナーの耐オフセット性が低下し、また、耐久性も悪化しやすい。一方、30モル%以上の時には、トナーの定着性が悪化しやすい。
これらの3価以上の多価単量体のうち、特にベンゼントリカルボン酸、これらの酸の無水物又はエステル等のベンゼントリカルボン酸類が好ましい。すなわち、ベンゼントリカルボン酸類を用いることにより、定着性と耐オフセット性の両立を図ることができる。
【0104】
また、これらのポリエステル樹脂やポリオール樹脂は、高い架橋密度を持たせると、透明性や光沢度が得られにくくなるため、好ましくは、非架橋もしくは弱い架橋(THF不溶分が5%以下)であることが好ましい。
また、これらの結着樹脂の製造法は、特に限定されるものではなく、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等のいずれも用いることが出来る。
【0105】
(帯電制御剤)
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩および、サリチル酸誘導体の金属塩等である。
【0106】
具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
【0107】
本発明において帯電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静止電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
【0108】
(キャリア)
また、本発明のトナーを2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。キャリアとしては公知のものが全て使用でき、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。
【0109】
また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等があげられる。またポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂およびスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、およびシリコーン樹脂等が使用できる。
【0110】
またこれら被覆材料の膜厚は0.01〜3μm、より好ましくは0.1〜0.3μmである。0.01μm以下であると膜制御が困難でかつコート膜としての機能が発揮できない。さらに3μm以上であると導電性が得られず、好ましくない。また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
また、本発明のトナーはキャリアを使用しない1成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
【0111】
(磁性材料)
更に、本発明のトナーは、磁性材料を含有させ、磁性トナーとしても使用し得る。磁性トナーとする場合には、トナー粒子に磁性体の微粒子を含有させれば良い。斯かる磁性体としては、フェライト、マグネタイトをはじめとする鉄、ニッケル、コバルトなどの強磁性を示す金属もしくは合金またはこれらの元素を含む化合物、強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金、例えばマンガン銅アルミニウム、マンガン−銅−錫、などのマンガンと銅とを含むホイスラー合金と呼ばれる種頼の合金、二酸化クロム、その他を挙げることができる。
【0112】
磁性体は、平均粒径が0.1〜1μmの微粉末の形態で均一に分散されて含有されることが好ましい。そして磁性体の含有割合は、得られるトナーの100重量部に対して、10〜70重量部であることが好ましく、特に20〜50重量部であることが好ましい。
【0113】
(ワックス)
トナーあるいは現像剤に定着離型性を持たせる為に、トナーあるいは現像剤の中にワックスを含有させることが好ましい。特に画像定着部にオイル塗布を行わない、オイルレス定着機を用いた場合、トナー中にワックスを含むことが好ましい。前記ワックスは、その融点が40〜120℃のものであり、特に50〜110℃のものであることが好ましい。ワックスの融点が過大のときには低温での定着性が不足する場合があり、一方融点が過小のときには耐オフセット性、耐久性が低下する場合がある。
【0114】
なお、ワックスの融点は、示差走査熱量測定法(DSC)によって求めることができる。すなわち、数mgの試料を一定の昇温速度、例えば(10℃/min)で加熟したときの融解ピーク値を融点とする。ワックスの含有量は0〜20重量部が好ましく、特に0〜10重量部であることがより好ましい。
【0115】
本発明に用いることができるワックスとしては、例えば固形のパラフィンワックス、マイクロワックス、ライスワックス、脂肪酸アミド系ワックス、脂肪酸系ワックス、死亡族モノケトン類、脂肪酸金属塩系ワックス、脂肪酸エステル系ワックス、部分ケン化脂肪酸エステル系ワックス、シリコーンワニス、高級アルコール、カルナウバワックスなどを挙げることができる。また低分子量ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンなども用いることができる。
【0116】
特に、環球法による軟化点が60〜150℃のポリオレフィン、エステルが好ましく、さらには当該軟化点が70〜120℃のポリオレフィン、エステルが好ましい。
さらに好ましくは、酸価5以下の脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、モンタン系エステルワックス、酸価10〜30の酸化ライスワックス及びサゾールワックスから選ばれた少なくとも一種のワックス類を含有することが効果的であることが判明した。
【0117】
脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスは、カルナウバワックスを原料にして遊離脂肪酸を脱離したものであり、このため酸価が5%以下となり、且つ従来のカルナウバワックスより微結晶となり、結着樹脂中での分散平均粒径が1μm以下となり、分散性が向上する。モンタン系エステルワックスは鉱物より精製されたものであり、カルナウバワックスと同様に微結晶となり、結着樹脂中での分散平均粒径が1μm以下となり、分散性が向上する。モンタン系エステルワックスの場合、酸価として特に5〜14であることが好ましい。
【0118】
なおワックスの分散径は3μm以下であることが望ましく、より好ましくは2μm以下、さらに好ましくは1μm以下である。3μm以上の分散径になるとワックス流出性、転写材剥離性は向上するが、トナーとしての高温高湿耐久性、帯電安定性等が低下する。
【0119】
また、酸化ライスワックスは、米ぬかワックスを空気酸化したものである。酸価は10〜30であることが好ましく、10未満では定着下限温度が上昇し低温定着性が不十分となり、30より大きいとコールドオフセット温度が上昇しやはり低温定着性が不十分となる。サゾールワックスは、サゾール社製サゾールワックスH1、H2、A1、A2、A3、A4、A6、A7、A14、C1、C2、SPRAY30、SPRAY40等が使用できるが、中でもH1、H2、SPRAY30、SPRAY40が低温定着、保存安定性にすぐれ好ましい。また、上記ワックスは単独で用いても組み合わせて用いても良く、結着樹脂100重量部に対して1〜15重量部、好ましくは2〜10重量部含有させることが好ましい。
【0120】
(クリーニング性向上剤)
感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤をトナー中に含有あるいはトナー表面に添加あるいは、現像剤中に含有あるいは表面に添加することがより好ましい。クリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。クリーニング性向上剤の含有量は0.001〜5重量部が好ましく、特に0.001〜1重量部であることがより好ましい。
【0121】
<静電荷像現像用トナーの製造方法>
次に静電荷像現像用トナーの製造方法について述べる。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、条件があえば公知の製造方法全てが使用でき、少なくともバインダー剤樹脂、主帯電制御剤および顔料を含む現像剤成分を機械的に混合する工程と、溶融混練する工程と、粉砕する工程と、分級する工程とを有するトナーの製造方法が適用できる。また機械的に混合する工程や溶融混練する工程において、粉砕または分級する工程で得られる製品となる粒子以外の粉末を戻して再利用する製造方法も含まれる。
【0122】
ここで言う製品となる粒子以外の粉末(副製品)とは溶融混練する工程後、粉砕工程で得られる所望の粒径の製品となる成分以外の微粒子や粗粒子や引き続いて行われる分級工程で発生する所望の粒径の製品となる成分以外の微粒子や粗粒子を意味する。このような副製品を混合工程や溶融混練する工程で原料と好ましくは副製品1に対しその他原材料99から副製品50に対し、その他原材料50の重量比率で混合するのが好ましい。
【0123】
少なくともバインダー剤樹脂、主帯電制御剤および顔料、副製品を含む現像剤成分を機械的に混合する混合工程は、回転させる羽根による通常の混合機などを用いて通常の条件で行えばよく、特に制限はない。より好ましくはあらかじめ樹脂と着色剤とを混合、混練りしたマスターバッチ着色剤を用いる。
【0124】
以上の混合工程が終了したら、次いで混合物を混練機に仕込んで溶融混練する。溶融混練機としては、一軸、二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイ・シー・ケイ社製2軸押出機、池貝鉄工所社製PCM型2軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。
【0125】
この溶融混練は、バインダー樹脂の分子鎖の切断しないような適正な条件で行うことが重要である。具体的には、溶融混練温度は、バインダー剤樹脂の軟化点を参考に行うべきであり、軟化点より低温過ぎると切断が激しく、高温過ぎると分散が進まない。またトナー中の揮発性成分量を制御する場合、溶融混練温度と時間、雰囲気は、その時の残留揮発性成分量をモニターしながら最適条件を設定することがより好ましい。
【0126】
以上の溶融混練工程が終了したら、次いで混練物を粉砕する。この粉砕工程においては、まず粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際 ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕する衝突式粉砕方式や、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕するローター粉砕方式が好ましく用いられる。
【0127】
衝突式粉砕機としては、ハンマーミル、ボールミル、チューブミル、振動ミル等を挙げることができる。圧縮空気及び衝突板を主構成要素として具備してなるジェット式粉砕機としてIタイプ及びIDSタイプ衝突式粉砕機(日本ニューマチック工業社製)を好ましく使用できる。
【0128】
また、ローター粉砕機としては、ロールミル、ピンミル、流動層式ジェットミル等を例示できるが、特に外壁としての固定容器と該固定容器と中心軸を同一にする回転片とを主構成要素として具備するものが好ましい。この種のローター式粉砕機としてターボミル(ターボ工業社製)、クリプトロン(川崎重工業社製)、ファインミル(日本ニューマチック工業社製)等が使用できる。トナーをより球形化したい場合は、ローター粉砕機を用いることが好ましい。
【0129】
この粉砕工程が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中で分級し、もって所定の粒径例えば体積平均粒径が1〜20μmのトナー(母体粒子)を製造する。トナーの体積平均粒径は1〜6μmであることが、トナー転写定着の転写チリを防止し、かつトナーとしての十分な着色性を発揮させることができる。またトナー飛散、地肌汚れの防止にも有効であった。また画像品質、製造コスト、外添剤との被覆率等からより好ましい。体積平均粒径は例えば、COULTERTA−II(COULTER ELECTRONICS,INC)等を用いて測定できる。
【0130】
また、トナーを調製する際には、トナーの流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、以上のようにして製造されたトナーにさらに先に挙げた本発明の酸化物微粒子、疎水性シリカ微粉末等の無機微粒子を添加混合してもよい。
【0131】
外添剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。外添剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中または漸次外添剤を加えていけばよい。もちろん混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよい。はじめに強い負荷を、次に比較的弱い負荷を与えても良いし、その逆でも良い。
使用できる混合設備の例としては、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。
【0132】
また、その他の製造法として、重合法、カプセル法等を用いることも可能である。これらの製造法の概略を以下に述べる。
【0133】
(重合法)
重合法としては次の工程からなるものを採用することができる。
▲1▼ 重合性モノマー、低分子量ポリマー必要に応じて重合開始剤、着色剤等を水性分散媒中で造粒する。
▲2▼ 造粒されたモノマー組成物粒子を適当な粒子径に分級する。
▲3▼ 上記分級により得た規定内粒径のモノマー組成物粒子を重合させる。
▲4▼ 適当な処理をして分散剤を取り除いた後、上記により得た重合生成物をろ過、水洗、乾燥して母体粒子を得る。
【0134】
(カプセル法)
カプセル法としては次の工程からなるものを採用することができる。
▲1▼ 樹脂、必要に応じて着色剤等を混練機等で混練し、溶融状態のトナー芯材を得る。
▲2▼ トナー芯材を水中に入れて強く撹拌し、微粒子状の芯材を作成する。
▲3▼ シェル材溶液中に上記芯材微粒子を入れ、撹拌しながら、貧溶媒を滴下し、芯材表面をシェル材で覆うことによりカプセル化する。
▲4▼ 上記により得たカプセルをろ過後、乾燥して母体粒子を得る。
【0135】
<画像形成装置について>
以下では、画像形成装置を構成する中間転写体および画像形成装置の動作について述べる。
(中間転写体)
本発明において転写システムに中間転写体を用いることもできる。中間転写体の1実施形態について説明する。図1は本実施形態に係る複写機の概略構成図である。像担持体としての感光体ドラム(以下、感光体という)10の回りには、帯電装置としての帯電ローラ20、露光装置30、クリーニングブレードを有するクリーニング装置60、除電装置としての除電ランプ70、現像装置40、中間転写体としての中間転写体50とが配設されている。該中間転写体50は、複数の懸架ローラ51によって懸架され、図示しないモータ等の駆動手段により矢印方向に無端状に走行するように構成されている。
【0136】
この該懸架ローラ51の一部は、中間転写体へ転写バイアスを供給する転写バイアスローラとしての役目を兼ねており、図示しない電源から所定の転写バイアス電圧が印加される。また、該中間転写体50のクリーニングブレードを有するクリーニング装置90も配設されている。また、該中間転写体50に対向し、最終転写材としての転写紙100に現像像を転写するための転写手段として転写ローラ80が配設され、該転写ローラ80は図示しない電源装置により転写バイアスを供給される。そして、上記中間転写体50の周りには、電荷付与手段としてのコロナ帯電器52が設けられている。
【0137】
上記現像装置40は、現像剤担持体としての現像ベルト41と、該現像ベルト41の回りに併設した黒(以下、Bkという)現像ユニット45K、イエロー(以下、Yという)現像ユニット45Y、マゼンタ(以下、マゼンタという)現像ユニット45M、シアン(以下、Cという)現像ユニット45Cとから構成されている。
【0138】
また、該現像ベルト41は、複数のベルトローラに張り渡され、図示しないモータ等の駆動手段により矢印方向に無端状に走行するように構成され、上記感光体10との接触部では該感光体10とほぼ同速で移動する。
【0139】
各現像ユニットの構成は共通であるので、以下の説明はBk現像ユニット50Bkについてのみ行い、他の現像ユニット50Y、50M、50Cについては、図中でBk現像ユニット50Bkにおけるものと対応する部分に、該ユニットにおけるものに付した番号の後にY、M、Cを付すに止め説明は省略する。
【0140】
現像ユニット50Bkは、トナー粒子とキャリア液成分とを含む、高粘度、高濃度の液体現像剤を収容する現像タンク42Bkと、下部を該現像タンク42Bk内の液体現像剤に浸漬するように配設された汲み上げローラ43Bkと、該汲み上げローラ43Bkから汲み上げられた現像剤を薄層化して現像ベルト41に塗布する塗布ローラ44Bkとから構成されている。該塗布ローラ44Bkは、導電性を有しており、図示しない電源から所定のバイアスが印加される。
【0141】
なお、本実施形態に係る複写機の装置構成としては、図1に示すような装置構成以外にも、図2に示すような、各色の現像ユニット45を感光体10の回りに併設した装置構成であっても良い。
【0142】
次に、本実施形態に係る複写機の動作について説明する。図1において、感光体10を矢印方向に回転駆動しながら帯電ローラ20により一様帯電した後、露光装置30により図示しない光学系で原稿からの反射光を結像投影して該感光体10上に静電潜像を形成する。この静電潜像は、現像装置40により現像され、顕像としてのトナー像が形成される。
【0143】
現像ベルト41上の現像剤薄層は、現像領域において感光体との接触により薄層の状態で該ベルト41から剥離し、感光体10上の潜像の形成されている部分に移行する。この現像装置40により現像されたトナー像は、感光体10と等速移動している中間転写体50との当接部(一次転写領域)にて中間転写体50の表面に転写される(一次転写)。3色あるいは4色を重ね合わせる転写を行う場合は、この行程を各色ごとに繰り返し、中間転写体50にカラー画像を形成する。
【0144】
上記中間転写体上の重ね合せトナー像に電荷を付与するための上記コロナ帯電器52を、該中間転写体50の回転方向において、上記感光体10と該中間転写体50との接触対向部の下流側で、かつ該中間転写体50と転写紙100との接触対向部の上流側の位置に設置する。そして、このコロナ帯電器52が、該トナー像に対して、該トナー像を形成するトナー粒子の帯電極性と同極性の真電荷を付与し、転写紙100へ良好な転写がなされるに十分な電荷をトナー像に与える。
【0145】
上記トナー像は、上記コロナ帯電器52によりに帯電された後、上記転写ローラ80からの転写バイアスにより、図示しない給紙部から矢印方向に搬送された転写紙100上に一括転写される(二次転写)。この後、トナー像が転写された転写紙100は、図示しない分離装置により感光体10から分離され、図示しない定着装置で定着処理がなされた後に装置から排紙される。一方、転写後の感光体10は、クリーニング装置60よって未転写トナーが回収除去され、次の帯電に備えて除電ランプ70により残留電荷が除電される。
【0146】
該中間転写体の静止摩擦係数は、好ましくは0.1〜0.6、より好ましくは0.3〜0.5が良い。該中間転写体の体積抵抗は数Ωcm以上103Ωcm以下であることが好ましい。体積抵抗を数Ωcm以上103Ωcm以下とすることにより、中間転写体自身の帯電を防ぐとともに、電荷付与手段により付与された電荷が該中間転写体上に残留しにくくなるので、二次転写時の転写ムラを防止できる。また、二次転写時の転写バイアス印加を容易にできる。
【0147】
中間転写体の材質は特に制限されず、公知の材料が全て使用できるが、その一例を示すと次のとおりである。
(1)ヤング率(引張弾性率)の高い材料を単層ベルトとして用いたものであり、PC(ポリカーボネイト)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PAT(ポリアルキレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネイト)/PAT(ポリアルキレンテレフタレート)のブレンド材料、ETFE(エチレンテトラフロロエチレン共重合体)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料、カーボンブラック分散の熱硬化性ポリイミドなど。これらヤング率の高い単層ベルトは画像形成時の応力に対する変形量が少なく、特にカラー画像形成時にレジズレを生じにくいとの利点を有している。
【0148】
(2)上記のヤング率の高いベルトを基層とし、その外周上に表面層または中間層を付与した2〜3層構成のベルトであり、これら2〜3層構成のベルトは単層ベルトの硬さに起因し発生するライン画像の中抜けを防止しうる性能を有している。
【0149】
(3)ゴムおよびエラストマーを用いたヤング率の比較的低いベルトであり、これらのベルトは、その柔らかさによりライン画像の中抜けが殆ど生じない利点を有している。また、ベルトの幅を駆動ロールおよび張架ロールより大きくし、ロールより突出したベルト耳部の弾力性を利用して蛇行を防止するので、リブや蛇行防止装置を必要とせず低コストを実現できる。
【0150】
中間転写ベルトは,従来から弗素系樹脂,ポリカーボネート樹脂,ポリイミド樹脂等が使用されてきていたが,近年ベルトの全層や,ベルトの一部を弾性部材にした弾性ベルトが使用されてきている。樹脂ベルトを用いたカラー画像の転写は以下の課題がある。
【0151】
カラー画像は通常4色の着色トナーで形成される。1枚のカラー画像には,1層から4層までのトナー層が形成されている。トナー層は1次転写(感光体から中間転写ベルトへの転写)や,2次転写(中間転写ベルトからシートへの転写)を通過することで圧力を受け,トナー同士の凝集力が高くなる。トナー同士の凝集力が高くなると文字の中抜けやベタ部画像のエッジ抜けの現象が発生しやすくなる。樹脂ベルトは硬度が高くトナー層に応じて変形しないため,トナー層を圧縮させやすく文字の中抜け現象が発生しやすくなる。
【0152】
また,最近はフルカラー画像を様々な用紙,例えば和紙や意図的に凹凸を付けや用紙に画像を形成したいという要求が高くなってきている。しかし,平滑性の悪い用紙は転写時にトナーと空隙が発生しやすく,転写抜けが発生しやすくなる。密着性を高めるために2次転写部の転写圧を高めると,トナー層の凝縮力を高めることになり,上述したような文字の中抜けを発生させることになる。
【0153】
弾性ベルトは次の狙いで使用される。弾性ベルトは,転写部でトナー層,平滑性の悪い用紙に対応して変形する。つまり,局部的な凹凸に追従して弾性ベルトは変形するため,過度にトナー層に対して転写圧を高めることなく,良好な密着性が得られ文字の中抜けの無い,平面性の悪い用紙に対しても均一性の優れた転写画像を得ることが出来る。
【0154】
弾性ベルトの樹脂は、ポリカーボネート,フッ素系樹脂(ETFE,PVDF)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂,塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂,変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではないことは当然である
【0155】
弾性材ゴム、エラストマーとしては、ブチルゴム,フッ素系ゴム,アクリルゴム,EPDM,NBR,アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、リコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム、熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリウレア,ポリエステル系、フッ素樹脂系)等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではないことは当然である
【0156】
抵抗値調節用導電剤に特に制限はないが、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化錫,酸化チタン,酸化アンチモン,酸化インジウム,チタン酸カリウム,酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO),酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物、導電性金属酸化物は、硫酸バリウム,ケイ酸マグネシウム,炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したものでもよい。上記導電剤に限定されるものではないことは当然である
【0157】
表層を構成する材料としては、弾性材料による感光体への汚染防止と,転写ベルト表面への表面摩擦抵抗を低減させてトナーの付着力を小さくしてクリーニング性,2次転写性を高めるものが要求される。たとえばポリウレタン,ポリエステル,エポキシ樹脂等の1種類あるいは2種類以上を使用し表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料,たとえばフッ素樹脂,フッ素化合物,フッ化炭素,二酸化チタン,シリコンカーバイト等の粉体,粒子を1種類あるいは2種類以上または粒径を異ならしたものを分散させ使用することができるまたフッ素系ゴム材料のように熱処理を行うことで表面にフッ素リッチな層を形成させ表面エネルギーを小さくさせたものを使用することもできる
【0158】
ベルトの製造方法は限定されるものではないが、例えば次の方法によって製造することができるが、これらに限定されるものではなく、また、複数の製法を組み合わせてベルトを製造することが一般的である。
▲1▼ 回転する円筒形の型に材料を流し込みベルトを形成する遠心成型法
▲2▼ 液体塗料を噴霧し膜を形成させるスプレイ塗工法
▲3▼ 円筒形の型を材料の溶液の中に浸けて引き上げるディッピング法
▲4▼ 内型,外型の中に注入する注型法
▲5▼ 円筒形の型にコンパウンドを巻き付け,加硫研磨を行う方法
【0159】
弾性ベルトとして伸びを防止する方法として,伸びの少ない芯体樹脂層にゴム層を形成する方法,芯体層に伸びを防止する材料を入れる方法等があるが,特に製法に関わるものではない。
【0160】
伸びを防止する芯体層を構成する材料は、例えば,綿、絹、などの天然繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維,ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアセタール繊維、ポリフロロエチレン繊維、フェノール繊維などの合成繊維、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維などの無機繊維、鉄繊維、銅繊維などの金属繊維からなる群より選ばれる1種あるいは2種以上を用い織布状あるいは糸状のものができる。もちろん上記材料に限定されるものではない。
【0161】
糸は1本または複数のフィラメントを撚ったもの、片撚糸、諸撚糸、双糸等、どのような撚り方であってもよい。また、例えば上記材料群から選択された材質の繊維を混紡してもよい。もちろん糸に適当な導電処理を施して使用することもできる。
一方織布は、メリヤス織り等どのような織り方の織布でも使用可能であり、もちろん交織した織布も使用可能であり当然導電処理を施すこともできる。
【0162】
芯体層を設ける製造方法は特に限定されるものではない、例えば筒状に織った織布を金型等に被せ、その上に被覆層を設ける方法、筒状に織った織布を液状ゴム等に浸漬して芯体層の片面あるいは両面に被覆層を設ける方法、糸を金型等に任意のピッチで螺旋状に巻き付け、その上に被覆層を設ける方法等を挙げることができる。
【0163】
弾性層の厚さは、弾性層の硬度にもよるが、厚すぎると表面の伸縮が大きくなり表層に亀裂の発生しやすくなる。又,伸縮量が大きくなることから画像に伸びちじみが大きくなること等から厚すぎることは好ましくない(およそ1mm以上)
【0164】
(タンデム型カラー画像形成装置)
本発明のタンデム型カラー画像形成装置の実施形態について説明する。タンデム型の静電荷像現像装置には、図3に示すように、各感光体1上の画像を転写装置2により、シート搬送ベルト3で搬送するシートsに順次転写する直接転写方式のものと、図4に示すように、各感光体1上の画像を1次転写装置2によりいったん中間転写体4に順次転写して後、その中間転写体4上の画像を2次転写装置5によりシートsに一括転写する間接転写方式のものとがある。転写装置5は転写搬送ベルトであるが,ローラ形状も方式もある。
【0165】
直接転写方式のものと,間接転写方式のものとを比較すると、前者は、感光体1を並べたタンデム型画像形成装置Tの上流側に給紙装置6を、下流側に定着装置7を配置しなければならず、シート搬送方向に大型化する欠点がある。これに対し、後者は、2次転写位置を比較的自由に設置することができる。給紙装置6,および定着装置7をタンデム型画像形成装置Tと重ねて配置することができ、小型化が可能となる利点がある。
【0166】
また、前者は、シート搬送方向に大型化しないためには,定着装置7をタンデム型画像形成装置Tに接近して配置することとなる。そのため,シートsがたわむことができる十分な余裕をもって定着装置7を配置することができず、シートsの先端が定着装置7に進入するときの衝撃(特に厚いシートで顕著となる)や,定着装置7を通過するときのシート搬送速度と,転写搬送ベルトによるシート搬送速度との速度差により、定着装置7が上流側の画像形成に影響を及ぼしやすい欠点がある。
これに対し、後者は、シートsがたわむことができる十分な余裕をもって定着装置7を配置することができるから、定着装置7がほとんど画像形成に影響を及ぼさないようにすることができる。
【0167】
以上のようなことから、最近は、タンデム型静電荷像現像装置の中の、特に間接転写方式のものが注目されてきている。
そして、この種のカラー静電荷像現像装置では、図4に示すように、1次転写後に感光体1上に残留する転写残トナーを、感光体クリーニング装置8で除去して感光体1表面をクリーニングし、再度の画像形成に備えていた。また、2次転写後に中間転写体4上に残留する転写残トナーを、中間転写体クリーニング装置9で除去して中間転写体4表面をクリーニングし、再度の画像形成に備えていた。
【0168】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態につき説明する。
図5は、この発明の一実施の形態を示すもので、タンデム型間接転写方式の静電荷像現像装置である。図中符号100は複写装置本体、200はそれを載せる給紙テーブル、300は複写装置本体100上に取り付けるスキャナ、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。複写装置本体100には、中央に、無端ベルト状の中間転写体10を設ける。そして、図5に示すとおり、図示例では3つの支持ローラ14・15・16に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能とする。
【0169】
この図示例では、3つのなかで第2の支持ローラ15の左に、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置17を設ける。
また、3つのなかで第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15間に張り渡した中間転写体10上には、その搬送方向に沿って、イエロー,シアン,マゼンタ,ブラックの4つの画像形成手段18を横に並べて配置してタンデム画像形成装置20を構成する。
【0170】
そのタンデム画像形成装置20の上には、図5に示すように、さらに露光装置21を設ける。一方、中間転写体10を挟んでタンデム画像形成装置20と反対の側には、2次転写装置22を備える。2次転写装置22は、図示例では、2つのローラ23間に、無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡して構成し、中間転写体10を介して第3の支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写体10上の画像をシートに転写する。
【0171】
2次転写装置22の横には、シート上の転写画像を定着する定着装置25を設ける。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。
上述した2次転写装置22には、画像転写後のシートをこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えてなる。もちろん、2次転写装置22として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
【0172】
なお、図示例では、このような2次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置28を備える。
【0173】
さて、いまこのカラー静電荷像現像装置を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
【0174】
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第1走行体33および第2走行体34を走行する。そして、第1走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
【0175】
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ14・15・16の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写体10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段18でその感光体40を回転して各感光体40上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写体10の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。
【0176】
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。
または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
【0177】
そして、中間転写体10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写体10と2次転写装置22との間にシートを送り込み、2次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。
【0178】
画像転写後のシートは、2次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
【0179】
一方、画像転写後の中間転写体10は、中間転写体クリーニング装置17で、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
ここで、レジストローラ49は一般的には接地されて使用されることが多いが,シートの紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。
【0180】
さて、上述したタンデム画像形成装置20において、個々の画像形成手段18は、詳しくは、例えば図6に示すように、ドラム状の感光体40のまわりに、帯電装置60、現像装置61、1次転写装置62、感光体クリーニング装置63、除電装置64などを備えてなる。
【0181】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明について具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。また、以下の例おいて、部および%は、特に断りのない限り重量基準である。用いた評価機、および得られた特性および評価結果は表1に示した。実施例において評価は以下のように行った。
また、実施例におけるトナーおよびマスターバッチ着色剤の分散性指標F/A値は、前記したNIR分光分析装置 InfraProverII(BRAN+LUEBBE社製)を用いて、2165±20nmのピーク強度Fと1429±20nmのピーク強度Aとから求めた。
なお、実施例8、13は欠番である。
【0182】
<評価機・評価項目>
評価で用いる画像は以下の評価機A,B,C,D,Eいずれかを用いて評価した。
(評価機A)
4色の非磁性2成分系の現像部と4色用の感光体を有するタンデム方式のリコー社製フルカラーレーザープリンター IPSiO Color 8000の定着ユニットをオイルレス定着ユニットに改良しチューニングした評価機Aを用いて評価した。印字速度は高速印字、フルカラーで20枚〜50枚/min・A4まで変化させて評価した。
【0183】
(評価機B)
4色の非磁性2成分系の現像部と4色用の感光体を有するタンデム方式のリコー社製フルカラーレーザープリンター IPSiO Color 8000を改良して、中間転写体上に一次転写し、該トナー像を転写材に二次転写する、中間転写方式に変更して、かつ定着ユニットをオイルレス定着ユニットに改良しチューニングした評価機Bを用いて評価した。印字速度は高速印字、フルカラーで20枚〜50枚/min・A4まで変化させて評価した。
【0184】
(評価機C)
4色の現像部が2成分系現像剤を1つのドラム状感光体に各色現像し、中間転写体に順次転写し、転写材に4色を一括転写する方式のリコー社製フルカラーレーザー複写機 IMAGIO Color 2800の定着ユニットをオイルレス定着ユニットに改良しチューニングした評価機Cを用いて評価した。印字速度はフルカラーで6枚/min・A4で評価した。
【0185】
(評価機D)
4色の現像部が非磁性一成分系現像剤を1つのベルト感光体に各色順次現像し、中間転写体に順次転写し、転写材に4色を一括転写する方式のリコー社製フルカラーレーザープリンター IPSiO Color 5000の定着ユニットをオイルレス定着ユニットに改良し、オイルレス定着ユニットに改良しチューニングした評価機Dを用いて評価した。印字速度はフルカラーで6枚/min・A4で評価した。
【0186】
(評価機E)
4色の非磁性2成分系の現像部と4色用の感光体を有するタンデム方式のリコー社製フルカラーレーザープリンター IPSiO Color 8000をオイル塗布型定着部のままチューニングした評価機Eを用いて評価した。印字速度は高速印字、20枚〜50枚/min・A4まで変化させて評価した。
【0187】
(評価項目)
1)高温高湿環境下でのトナー飛散性
35℃80%の高温高湿環境下にトナーを12時間調湿保管後、同環境に評価機を設置して、単色モードで80%画像面積の画像チャートを30,000枚ランニング出力した後、現像部から飛散したトナー量を現像ユニットをオープンにして目視で判断した。×、△、○、◎の順にランクが良くなる。
【0188】
2)低温低湿環境下での地肌汚れ
単色モードで7%画像面積の画像チャートを30,000枚ランニング出力した後、白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体上の現像剤をテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差を938スペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)により測定。画像濃度の差が少ない方が地肌汚れは良く、×、△、○、◎の順にランクが良くなる。
【0189】
3)画像濃度(着色度)
単色モードで50%画像面積の画像チャートを200,000枚ランニング出力した後、ベタ画像をリコー社製6000ペーパーに画像出力後、画像濃度をX−Rite(X−Rite社製)により測定。これを4色単独に行い平均を求めた。この値が、1.2未満の場合は×、1.2以上1.4未満の場合は△、1.4以上1.8未満の場合は○、1.8以上2.2未満の場合は◎とした。
【0190】
4)透明性
単色モードで50%画像面積の画像チャートを100,000枚ランニング出力した後、リコー社製タイプDXのOHPシート上に、それぞれ単色で画像濃度;1.0mg/cm2、定着温度;140℃の条件で定着し、スガ試験機社製の直続ヘーズコンピューターHGM−2DP型により測定。透明性の良好な順に◎、○、△、×とした。
【0191】
5)色の鮮やかさ
単色モードで50%画像面積の画像チャートを100,000枚ランニング出力した後、色の鮮やかさをリコー社製6000ペーパーに出力した画像を視覚的に評価した。良好な順に◎、○、△、×とした。
【0192】
6)色再現性
単色モードで50%画像面積の画像チャートを100,000枚ランニング出力した後、色再現性をリコー社製6000ペーパーに出力した画像を視覚的に評価した。良好な順に◎、○、△、×とした。
【0193】
7)光沢
単色モードで50%画像面積の画像チャートを100,000枚ランニング出力した後、リコー社製6000ペーパーに出力した画像を、光沢度計(VG−1D)(日本電色社製)を用い、投光角度、受光角度をそれぞれ60°に合わせ、S、S/10切り替えSWはSに合わせ、0調製および標準板を用いた標準設定の後、測定した。光沢度が良好なものから、◎:13以上、○:5以上13未満、△:2以上〜5未満、×:2未満、とした。
【0194】
8)耐光性
単色モードで50%画像面積の画像チャートを100,000枚ランニング出力した後、リコー社製6000ペーパーに出力した画像を、XENONTESTER XW−150(島津製作所社製)により画像に1万ルックスで15時間照射した後の画像を観察し次の基準により耐光性を評価した。
◎:ほとんど変化しない。
○:わずかに変化する。
△:やや変化する。
×:かなり変化する。
【0195】
9)細線再現性
単色モードで50%画像面積の画像チャートを30,000枚ランニング出力した後、600dpiの細線画像をリコー社製タイプ6000ペーパーに出力させ、細線のにじみ度合いを段階見本と比較した。×、△、○、◎の順にランクが良くなる。これを4色重ねて行った。
【0196】
10)耐熱保存性
各色トナーを10gずつ計量し、20mlのガラス容器に入れ、100回ガラス瓶をタッピングした後、55℃にセットした恒温槽に24時間放置した後、針入度計で針入度を測定した。良好なものから、◎:20mm以上、○:15mm以上20mm未満、△:10mm以上〜15mm未満、×:10mm未満、とした。
【0197】
11)高温高湿環境帯電安定性
温度40℃、湿度90%の環境において、単色モードで7%画像面積の画像チャートを100,000枚ランニング出力する間に、1000枚ごとに現像剤を一部サンプリングしてブローオフ法により帯電量を測定して、帯電安定性を評価した。帯電上昇や帯電低下が少なく安定して良好な順に◎、○、△、×とした。
【0198】
12)低温低湿環境帯電安定性
温度10℃、湿度15%の環境において、単色モードで7%画像面積の画像チャートを100,000枚ランニング出力する間に、1000枚ごとに現像剤を一部サンプリングしてブローオフ法により帯電量を測定して、帯電安定性を評価した。帯電上昇や帯電低下が少なく安定して良好な順に◎、○、△、×とした。
【0199】
13)定着性
トナーの定着下限温度、定着上限温度が定着温度領域内で十分あり、ホットオフセット、コールドオフセットが発生せず、巻き付き、紙づまり、等、搬送トラブルも発生しにくく、定着の良好な順に◎、○、△、×として総合的な定着性を評価した。
【0200】
(2成分現像剤評価)
2成分系現像剤で画像評価する場合は、以下のように、シリコーン樹脂により0.3μmの平均厚さでコーティングされた平均粒径50μmのフェライトキャリアを用い、キャリア100重量部に対し各色トナー5重量部を容器が転動して攪拌される型式のターブラーミキサーを用いて均一混合し帯電させて、現像剤を作成した。
【0201】
<キャリアの製造>
(芯材)
Cu−Znフェライト粒子(重量平均径:35μm) 5000部
(コート材)
トルエン 450部
シリコーン樹脂SR2400 450部
(東レ・ダウコーニング・シリコーン製、不揮発分50%)
アミノシランSH6020 10部
(東レ・ダウコーニング・シリコーン製)
カーボンブラック 10部
上記コート材を10分間スターラーで分散してコート液を調整し、このコート液と芯材を流動床内に回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置に投入して、当該コート液を芯材上に塗布した。得られた塗布物を電気炉で250℃、2時間焼成し上記キャリアを得た。
【0202】
【実施例1】
(ポリオール樹脂1の作製)
撹拌装置、温度計、N2導入口、冷却管付セパラブルフラスコに、低分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約360)378.4g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約2700)86.0g、ビスフェノールA型プロピレンオキサイド付加体のジグリシジル化物〔前記一般式(1)においてn+m:約2.1〕191.0g、ビスフェノールF274.5g、p−クミルフェノール70.1g、キシレン200gを加えた。N2雰囲気下で70〜100℃まで昇温し、塩化リチウムを0.183g加え、更に160℃まで昇温し減圧下で水を加え、水とキシレンをバブリングさせることで水、キシレン、他揮発性成分、極性溶媒可溶成分を除去し、180℃の反応温度で6〜9時間重合させて、Mn;3800、Mw/Mn;3.9、Mp;5000、軟化点109℃、Tg58℃、エポキシ当量20000以上のポリオール樹脂1000gを得た(ポリオール樹脂1)。重合反応ではモノマー成分が残留しないように、反応条件を制御した。主鎖のポリオキシアルキレン部については、NMRにて確認した。
【0203】
(マゼンタトナーの作成)
水 600部
Pigment Red 122 1200部
ポリオール樹脂1 1200部
【0204】
上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度128℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行ない、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、マスターバッチ着色剤を得た。得られたマスターバッチ着色剤の分散性指数F/A値は、1.8であった。
【0205】
ポリオール樹脂1 100部
上記マスターバッチ 14部
帯電制御剤(オリエント化学社製ボントロンE−84) 2部
ワックス 5部
(脂肪酸エステルワックス、融点83℃、粘度280mPa・s(90℃))
【0206】
上記材料をミキサーで混合後、2本ロールミルで3回以上溶融混練し、混練物を圧延冷却した。その後ジェットミルによる衝突板方式の粉砕機(I式ミル;日本ニューマチック工業社製)と旋回流による風力分級(DS分級機;日本ニューマチック工業社製)を行い、体積平均粒径6.5μmのマゼンタ色の着色粒子を得た。さらに、一次粒子径10nmの疎水性シリカ(HDK H2000、クラリアントジャパン)を1.0wt%、一次粒子径15nmの酸化チタン(MT−150A、テイカ)を0.9wt%添加し、ヘンシェルミキサーで混合、目開き50μmの篩を通過させ凝集物を取り除く事によりマゼンタトナーを得た。ワックスのトナー中での分散径は2μmであった。得られたトナーの分散性指数F/A値は、1.2であった。
また、着色剤はトナーに対して6重量%であった。
【0207】
【実施例2】
実施例1において、ブラックトナー、イエロートナー、シアントナーを以下に示すように作成して、マゼンタトナーと合わせてフルカラートナーキットとして、フルカラーモードで評価した。表1に示した物性値等は各色トナーの平均値を示した。なおブラックトナー、ブラックマスターバッチは近赤外吸収スペクトルが感度良く測定できなかったため分散性指数は表示していない。
【0208】
(ブラックトナー)
水 1000部
フタロシアニングリーン含水ケーキ(固形分30%) 200部
カーボンブラック(MA60三菱化学社製) 1000部
ポリオール樹脂1 1000部
【0209】
上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度128℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行ない、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、マスターバッチ着色剤を得た。
【0210】
ポリオール樹脂1 100部
上記マスターバッチ 10部
帯電制御剤(オリエント化学社製ボントロンE-84) 2部
ワックス 5部
(脂肪酸エステルワックス、融点83℃、粘度280mPa・s(90℃))
【0211】
上記材料をミキサーで混合後、2本ロールミルで3回以上溶融混練し、混練物を圧延冷却した。その後ジェットミルによる衝突板方式の粉砕機(I式ミル;日本ニューマチック工業社製)と旋回流による風力分級(DS分級機;日本ニューマチック工業社製)を行い、体積平均粒径5.5μmのブラック色の着色粒子を得た。さらに一次粒子径10nmの疎水性シリカ(HDK H2000、クラリアントジャパン)を1.0wt%、一次粒子径15nmの酸化チタン(MT-150A、テイカ)を0.9wt%添加し、ヘンシェルミキサーで混合、目開き50μmの篩を通過させ凝集物を取り除く事によりブラックトナーを得た。ワックスのトナー中での分散径は2μmであった。
また、着色剤はトナーに対して4重量%であった。
【0212】
(イエロートナー)
水 600部
Pigment Yellow 180 1200部
ポリオール樹脂1 1200部
【0213】
上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度128℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行ない、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、マスターバッチ着色剤を得た。得られたマスターバッチ着色剤の分散性指数F/A値は、2.0であった。
【0214】
ポリオール樹脂1 100部
上記マスターバッチ 10部
帯電制御剤(オリエント化学社製ボントロンE−84) 2部
ワックス 5部
(脂肪酸エステルワックス、融点83℃、粘度280mPa・s(90℃))
【0215】
上記材料をミキサーで混合後、2本ロールミルで3回以上溶融混練し、混練物を圧延冷却した。その後ジェットミルによる衝突板方式の粉砕機(I式ミル;日本ニューマチック工業社製)と旋回流による風力分級(DS分級機;日本ニューマチック工業社製)を行い、体積平均粒径6.5μmのイエロー色の着色粒子を得た。さらに一次粒子径10nmの疎水性シリカ(HDK H2000、クラリアントジャパン)を1.0wt%、一次粒子径15nmの酸化チタン(MT-150A、テイカ)を0.9wt%添加し、ヘンシェルミキサーで混合、目開き50μmの篩を通過させ凝集物を取り除く事によりイエロートナーを得た。ワックスのトナー中での分散径は1μmであった。得られたトナーの分散性指数F/A値は、1.6であった。
また、着色剤はトナーに対して4重量%であった。
【0216】
(シアントナー)
水 600部
Pigment Blue 15:3 1200部
ポリオール樹脂1 1200部
【0217】
上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度128℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行ない、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、マスターバッチ着色剤を得た。得られたマスターバッチ着色剤の分散性指数F/A値は、1.9であった。
【0218】
ポリオール樹脂1 100部
上記マスターバッチ 7部
帯電制御剤(オリエント化学社製ボントロンE−84) 2部
ワックス 5部
(脂肪酸エステルワックス、融点83℃、粘度280mPa・s(90℃))
【0219】
上記材料をミキサーで混合後、2本ロールミルで3回以上溶融混練し、混練物を圧延冷却した。その後ジェットミルによる衝突板方式の粉砕機(I式ミル;日本ニューマチック工業社製)と旋回流による風力分級(DS分級機;日本ニューマチック工業社製)を行い、体積平均粒径6.5μmのシアン色の着色粒子を得た。さらに、一次粒子径10nmの疎水性シリカ(HDK H2000、クラリアントジャパン)を1.0wt%、一次粒子径15nmの酸化チタン(MT-150A、テイカ)を0.9wt%添加し、ヘンシェルミキサーで混合、目開き50μmの篩を通過させ凝集物を取り除く事によりシアントナーを得た。ワックスのトナー中での分散径は1.5μmであった。得られたトナーの分散性指数F/A値は、1.5であった。
また、着色剤はトナーに対して3重量%であった。
【0220】
【実施例3】
実施例1において、マスターバッチ着色剤の処方を着色剤が60重量%になるように着色剤とバインダー樹脂量比を変更した。また混練り条件をロ−ル表面温度125℃、2本ロールにより45分間混練後、パルペライザーで粉砕した後、再度ロ−ル表面温度125℃、2本ロールにより45分間混練してマスターバッチ着色剤を作成した。得られたマスターバッチ着色剤の分散性指数F/A値は、2.0であった。トナーの処方を着色剤が7重量%になるようにマスターバッチの処方量とバインダー樹脂量比を変更した。上記以外は実施例1と同様にしてトナーを作成して評価した。現像剤も同様に作成して評価した。得られたトナーの分散性指数F/A値は、1.4であった。
【0221】
【実施例4】
実施例1において、着色剤をPigment Red 57に変更して、マスターバッチ着色剤の処方量を着色剤が40重量%になるように着色剤とバインダー樹脂量比を変更してマスターバッチ着色剤を作成した。得られたマスターバッチ着色剤の分散性指数F/A値は、1.9であった。トナーの処方を着色剤が4重量%になるようにマスターバッチの処方量とバインダー樹脂量比を変更した。上記以外は実施例1と同様にしてトナーを作成して評価した。現像剤も同様に作成して評価した。得られたトナーの分散性指数F/A値は、1.6であった。
【0222】
【実施例5】
実施例1において、マスターバッチ着色剤の処方を着色剤が70重量%になるように着色剤とバインダー樹脂量比を変更した。また混練り条件をロ−ル表面温度130℃、2本ロールにより70分間混練するように変更してマスターバッチ着色剤を作成した。得られたマスターバッチ着色剤の分散性指数F/A値は、1.6であった。トナーの処方を着色剤が10重量%になるようにマスターバッチの処方量とバインダー樹脂量比を変更した。上記以外は実施例1と同様にしてトナーを作成して評価した。現像剤も同様に作成して評価した。得られたトナーの分散性指数F/A値は、1.5であった。
【0223】
【実施例6】
実施例1において、マスターバッチ着色剤の処方を着色剤が20重量%になるように着色剤とバインダー樹脂量比を変更した。また混練り条件をロ−ル表面温度125℃、2本ロールにより30分間混練するように変更してマスターバッチ着色剤を作成した。得られたマスターバッチ着色剤の分散性指数F/A値は、1.5であった。トナーの処方を着色剤が2重量%になるようにマスターバッチの処方量とバインダー樹脂量比を変更した。上記以外は実施例1と同様にしてトナーを作成して評価した。現像剤も同様に作成して評価した。得られたトナーの分散性指数F/A値は、1.0であった。
【0224】
【実施例7】
実施例1において、マスターバッチ着色剤の処方を着色剤が80重量%になるように着色剤とバインダー樹脂量比を変更した。また混練り条件をロ−ル表面温度120℃、2本ロールにより60分間混練後、パルペライザーで粉砕した後、再度ロ−ル表面温度120℃、2本ロールにより60分間混練してマスターバッチ着色剤を作成した。得られたマスターバッチ着色剤の分散性指数F/A値は、2.0であった。トナーの処方を着色剤が15重量%になるようにマスターバッチの処方量とバインダー樹脂量比を変更した。上記以外は実施例1と同様にしてトナーを作成して評価した。現像剤も同様に作成して評価した。得られたトナーの分散性指数F/A値は、1.6であった。
【0226】
【実施例9】
実施例1において、トナーの体積平均粒径が6.5μmになるように分級してトナーを得た以外は実施例1と同様にしてトナー、現像剤を作成して評価した。
【0227】
【実施例10】
実施例1において、トナーの体積平均粒径が4.5μmになるように分級してトナーを得た以外は実施例1と同様にしてトナー、現像剤を作成して評価した。
【0228】
【実施例11】
実施例1において、トナーの体積平均粒径が2μmになるように分級してトナーを得た以外は実施例1と同様にしてトナー、現像剤を作成して評価した。
【0229】
【実施例12】
実施例1において、トナーをターボミル(ターボ工業社製)で粉砕し、トナー形状を球形化処理した以外は、実施例1と同様にしてトナー、現像剤を作成して評価した。トナーの円形度SF−1は140、SF−2は130であった。
【0235】
【実施例14】
実施例1において、評価機Bを用いた以外は同様にして評価した。
【0236】
【実施例15】
実施例1において、評価機Cを用いた以外は同様にして評価した。
【0237】
【実施例16】
実施例1において、評価機Dを用いた以外は同様にして評価した。
【0238】
【実施例17】
実施例1において、ワックスを加えずにトナーを製造して、かつ評価機Eを用いた以外は実施例1と同様に製造、評価した。
【0239】
【比較例1】
実施例1において、マスターバッチ着色剤の製造条件を変更した以外は実施例1と同様にしてトナー、現像剤を作成して評価した。マスターバッチ着色剤はロ−ル表面温度115℃に設定した2本ロールにより40分間混練して得た。得られたマスターバッチ着色剤の分散性指数F/A値は、1.4であった。得られたトナーの分散性指数F/A値は、0.9であった。
【0240】
【比較例2】
実施例1において、マスターバッチ着色剤の製造条件を変更した以外は実施例1と同様にしてトナー、現像剤を作成して評価した。マスターバッチ着色剤はロ−ル表面温度150℃に設定した3本ロールにより100分間混練して得た。得られたマスターバッチ着色剤の分散性指数F/A値は、2.1であった。得られたトナーの分散性指数F/A値は、1.7であった。
【0241】
【比較例3】
実施例1において、マスターバッチ着色剤の処方量を着色剤が18重量%になるように着色剤とバインダー樹脂量比を変更してマスターバッチ着色剤を作成した。得られたマスターバッチ着色剤の分散性指数F/A値は、1.5であった。トナーの処方を着色剤が1重量%になるようにマスターバッチの処方量とバインダー樹脂量比を変更した。上記以外は実施例1と同様にしてトナーを作成して評価した。現像剤も同様に作成して評価した。得られたトナーの分散性指数F/A値は、1.0であった。
【0242】
【比較例4】
実施例1において、マスターバッチ着色剤の処方量を着色剤が81重量%になるように着色剤とバインダー樹脂量比を変更してロ−ル表面温度140℃に設定した2本ロールにより60分間混練してマスターバッチ着色剤を作成した。得られたマスターバッチ着色剤の分散性指数F/A値は、2.0であった。トナーの処方を着色剤が16重量%になるようにマスターバッチの処方量とバインダー樹脂量比を変更した。上記以外は実施例1と同様にしてトナーを作成して評価した。現像剤も同様に作成して評価した。得られたトナーの分散性指数F/A値は、1.6であった。
【0243】
【表1】
Figure 0003887775
【0244】
【発明の効果】
上記に記載した少なくともバインダー樹脂と着色剤とを含有するトナーにおいて、該トナーの近赤外吸収スペクトルにおけるバインダー樹脂成分の遊離性成分のピーク強度Fと会合性成分のピーク強度Aの強度比F/A(分散性指標)が1.0〜1.6でかつ、着色剤がトナーに対して2重量%〜15重量%含有することを特徴とする静電荷像現像用トナーを用いることで、トナーを高温高湿環境で長時間保管後に高温高湿環境下で数万枚画像を出力した後においても帯電安定性に優れた弱帯電、逆帯電トナーの少なく、トナー飛散が発生しない、トナー、現像剤、画像形成方法、画像形成装置を提供できかつ、常温常湿環境だけでなく、低温低湿環境下において数万枚画像を出力した後でも帯電安定性に優れた弱帯電、逆帯電トナーの少なく、地肌汚れ(かぶり)が発生しないトナー、現像剤、画像形成方法、画像形成装置を提供できかつ、数万枚画像を出力した後でも、十分な着色性、耐光性、透明性、発色性、鮮明性、色再現性、彩度、光沢を有するトナー、現像剤、画像形成方法、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例を示す概略構成図である。
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【符号の説明】
(図1〜図4について)
1 感光体
2 転写装置
3 シート搬送ベルト
4 中間転写体
5 転写装置
6 給紙装置
7 定着装置
8 感光体クリーニング装置
9 中間転写体クリーニング装置
10 感光体
20 帯電ローラ
30 露光装置
40 現像装置
41 現像ベルト
42 現像タンク
43 汲み上げローラ
44 塗布ローラ
45 現像ユニット
50 中間転写体
51 懸架ローラ
52 コロナ帯電器
53 定電流源
60、90 クリーニング装置
70 除電ランプ
80 転写ローラ
100 転写紙
(図5、図6について)
10 中間転写体
14、15、16 支持ローラ
17 中間転写体クリーニング装置
18 画像形成手段
20 タンデム画像形成装置
21 露光装置
22 2次転写装置
23 ローラ
24 2次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 原稿台
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 感光体
42、50 給紙ローラ
43 ペーパーバンク
44 給紙カセット
45、52 分離ローラ
46、48 給紙路
47 搬送ローラ
49 レジストローラ
51 手差しトレイ
53 手差し給紙路
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
60 帯電装置
61 現像装置
62 1次転写装置
63 感光体クリーニング装置
64 除電送値
100 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)

Claims (13)

  1. 少なくともバインダー樹脂と着色剤とを含有する静電荷像現像用トナーにおいて、該トナーの近赤外吸収スペクトルにおけるバインダー樹脂成分の遊離性成分のピーク強度Fと会合性成分のピーク強度Aの強度比F/A(分散性指標)が1.0〜1.6でかつ、着色剤をトナーに対して2重量%〜15重量%含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 近赤外吸収スペクトルにおける2165±20nmのピーク強度Fと1429±20nmのピーク強度Aの強度比F/A(分散性指標)が1.0〜1.6であることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 少なくともバインダー樹脂と着色剤とを含有する静電荷像現像用トナーにおいて、近赤外吸収スペクトルにおける遊離性のピーク強度Fと会合性のピーク強度Aの強度比F/A(分散性指標)が1.5〜2.0であるトナー用マスターバッチ着色剤(着色剤はバインダー樹脂に対して20重量%〜80重量%含有)を用いてなり、かつ、着色剤をバインダー樹脂に対して2重量%〜15重量%含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  4. 近赤外吸収スペクトルにおける2165±20nmのピーク強度Fと1429±20nmのピーク強度Aの強度比F/A(分散性指標)が1.5〜2.0であるトナー用マスターバッチ着色剤を用いてなることを特徴とする請求項3記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 前記トナーのバインダー樹脂が、少なくともポリオール樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 前記トナーのバインダー樹脂が、少なくとも主鎖にエポキシ樹脂部とポリオキシアルキレン部とを有するポリオール樹脂を少なくとも含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 前記トナーの体積平均粒径が1〜6μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 前記トナーの円形度SF−1値が100〜140、円形度SF−2値が100〜130であることを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  9. 静電荷像現像用トナーがカラートナーであることを特徴とする請求項1〜8記載の静電荷像現像用トナー。
  10. 少なくとも請求項1〜9のいずれかに記載のトナーと磁性粒子からなるキャリアとを含むことを特徴とする二成分系の現像剤。
  11. 請求項1〜9いずれかに記載のトナーを収容したことを特徴とするカラートナーキット。
  12. 請求項1〜9のいずれかに記載のトナーを用い、印字速度がA4サイズ相当で20枚/分以上であることを特徴とするタンデム方式のカラー画像形成方法。
  13. 請求項11記載のカラートナーキットを使用し、かつ、印字速度がA4サイズ相当で20枚/分以上であることを特徴とするタンデム方式のカラー画像形成方法。
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