JP2003202696A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

Info

Publication number
JP2003202696A
JP2003202696A JP2002002785A JP2002002785A JP2003202696A JP 2003202696 A JP2003202696 A JP 2003202696A JP 2002002785 A JP2002002785 A JP 2002002785A JP 2002002785 A JP2002002785 A JP 2002002785A JP 2003202696 A JP2003202696 A JP 2003202696A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
image
resin
image forming
forming apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002002785A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3880858B2 (ja
Inventor
Hideki Sugiura
英樹 杉浦
Masaru Mochizuki
賢 望月
Yasutaka Iwamoto
康敬 岩本
Yasuo Asahina
安雄 朝比奈
Minoru Masuda
増田  稔
Kazuhiko Umemura
和彦 梅村
Tomomi Tamura
智美 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2002002785A priority Critical patent/JP3880858B2/ja
Priority to US10/212,736 priority patent/US20030152857A1/en
Publication of JP2003202696A publication Critical patent/JP2003202696A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3880858B2 publication Critical patent/JP3880858B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多数枚の良質画像が出力できる画像形成装置
を提供する。 【解決手段】 潜像担持体上に潜像を形成し、これをト
ナーで現像した後、このトナー像を中間転写体上に一次
転写し、さらに該トナー像を転写材に二次転写して画像
を得る方式の画像形成装置であって、該トナーは10k
g/cm2圧縮時の引張破断強度が10〜1400(N
/m2)であり、該トナーと該潜像担持体のイオン化ポ
テンシャル(IP)差が0〜1.0eVであり、かつ該
トナーと該中間転写体とのIP差が0〜1.0eV以下
であることを特徴とする画像形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潜像担持体上に形
成された潜像をトナーで可視像化し、このトナー像を中
間転写体に一次転写し、さらに転写材に二次転写する方
式の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法、静電記録法、静電印刷法な
どによる代表的な画像形成工程は、光電導性絶縁層を一
様に帯電させ、その絶縁層を露光させた後、露光された
部分上の電荷を消散させることによって電気的な潜像を
形成し、該潜像に電荷を持った微粉末のトナーを付着さ
せることにより可視化させる現像工程、得られた可視像
(トナー像)を転写紙等の転写材に転写させる転写工
程、転写材上に転写されたトナー像を加熱あるいは加圧
(通常、熱ローラーが使用される)により定着させる定
着工程からなる。
【0003】潜像担持体上に形成される潜像を現像する
為の現像剤としては、キャリアとトナーから成る二成分
系現像剤および、キャリアを必要としない一成分系現像
剤(磁性トナー、非磁性トナー)が知られている。フル
カラー画像形成装置としては、潜像担持体上に形成され
た各色のトナー像を中間転写体に順次転写(一次転写)
して一旦保持し、その後一括して転写機上に再度転写
(二次転写)する方式がよく知られている。
【0004】このような画像形成法に使用されるトナー
はバインダー樹脂及び着色剤を主成分とし、これに必要
とあれば帯電制御剤、オフセット防止剤等の添加物を含
有させたものであり、上記各工程において様々な性能が
要求される。例えば、現像工程においては、潜像にトナ
ーを付着させるために、トナーおよびトナー用バインダ
ー樹脂は温度、湿度等の周囲の環境に影響されることな
くコピー機、あるいはプリンターに適した帯電量を保持
しなくてはならない。また、熱ローラー定着方式による
定着工程においては、通常100〜230℃程度の温度
に加熱された熱ローラーに付着しない非オフセット性、
紙への定着性が良好でなくてはならない。さらに、コピ
ー機あるいはプリンター内での保存中にトナーがブロッ
キングしない耐ブロッキング性も要求される。
【0005】また近年、電子写真の分野では、高画質化
が様々な角度から検討されており、中でも、トナーの小
径化および球形化が極めて有効であるとの認識が高まっ
ている。しかし、トナーの小径化が進むにつれて転写性
が低下し、貧弱な画像となってしまう傾向が見られる。
一方、トナーを球形化することにより転写性が改善され
ることが知られている(特開平9−258474号公
報)。このような状況の中、カラー複写機やカラープリ
ンターの分野では、さらに画像形成の高速化が望まれて
いる。高速化のためには「タンデム方式」が有効である
(例えば、特開平5−341617号)。
【0006】「タンデム方式」というのは、画像形成ユ
ニットによって形成された画像を転写ベルトに搬送され
る単一の転写紙上に順次重ね合わせて転写することによ
り転写紙上にフルカラー画像を得る方式である。タンデ
ム方式のカラー画像形成装置は、使用可能な転写紙の種
類が豊富であり、フルカラー画像の品質も高く、高速度
でフルカラー画像を得ることができる、という優れた特
質を備える。特に、高速度でフルカラー画像を得ること
ができるという特質は、他の方式のカラー画像形成装置
にはない特有の性質である。
【0007】一方、球形トナーを用いて高画質化を図り
つつ、高速化も達成しようという試みもなされている。
上記の方式を採用した装置において高速化を達成しよう
とすると、用紙が転写部を通過する所要時間を短縮する
必要があるため、従来と同様の転写能力を得ようとする
と転写圧を上げる必要がある。しかしながら、転写圧を
上げると、転写時にその圧力によってトナーが凝集して
良好な転写を行うことができず、形成画像中に中抜けが
発生するという問題が生じている。
【0008】このような問題を解決するため、トナーの
円形度、粒径、比重、BET比表面積等を規定し、さら
に、1kg/cm2圧縮時の付着応力を6g/cm2以下
規定して高画質化を図ることなどが知られている(特開
2000−3063号等)。しかし、1kg/cm2
縮時の付着応力を用いた場合、その圧縮圧力が弱すぎる
ため、OHPや厚紙、表面コート紙等より転写圧が増加
したときの転写性、文字部中抜け等の画質に問題があっ
た。さらに付着応力が小さい場合、転写チリ等の問題が
あった。
【0009】またトナーの1粒子付着力を3.0dyn
e/接点以下に規定して、トナーの排出性を改善させる
ことなども知られている(特開2000−352840
号)。しかし、これは圧縮時のトナー付着力を規定した
ものでなく、排出性は向上するが、転写性や文字部中抜
け画像等の画質改善には効果がなかった。
【0010】また、現像性及びその経時安定性を向上さ
せる目的で、圧縮時の凝集度を規定することなども知ら
れている(特許第3002063号)。しかしながら圧
縮時の凝集度を規定することでは、文字部中抜け等の画
質にまだ問題があり、転写性、転写率を十分向上させる
ことは困難であった。
【0011】さらに、凝集度とゆるみ見掛け密度の積を
7以下と規定し、文字部中抜けを改善する試み(特開2
000−267422号)も知られているが、トナー圧
縮時の物性挙動が反映されておらず、よりトナーにスト
レスのかかる中間転写システム、強撹拌現像システム等
では十分な効果はなかった。
【0012】また、ゆるみ見掛け密度とかため見掛け密
度との比が、ゆるみ見掛け密度/かため見掛け密度=
0.5〜1.0であり、かつ凝集度が25%以下に規定
する試み(特開2000−352840)も知られてい
るが、ここで用いたかため見掛け密度は50回タッピン
グした時の嵩密度を測定した値で、流動性を反映した物
性に近く、トナーに力学的なストレスを与えたときの嵩
密度増加要因を反映できず、同様によりトナーにストレ
スのかかる中間転写システム、強撹拌現像システム等で
は十分な効果はなかった。
【0013】ところで、イオン化ポテンシャル、あるい
は仕事関数値は、電子1つを取り出すのに必要な最低エ
ネルギーと定義され、分子のプラスイオンになり易さを
示す指標として用いられる。
【0014】トナーの帯電性はその電子状態と密接な関
係があり、特に電子の移動が仕事関数差によるとする考
え方も知られている。トナー、キャリアの仕事関数につ
いては各種検討がなされていて、例えば、トナーの色間
の帯電性を制御する目的で色間の仕事関数値差を規定す
ることが知られているが(特許第2954786号)、
トナーの仕事関数値だけでは現像システムとして十分な
効果は得られなかった。またキャリアの仕事関数値を規
定した例も知られているが(特許第2992916号、
特許第2939870号)、キャリアだけではトナーを
含めた現像剤としての帯電性は十分制御できず、十分な
効果は得られなかった。
【0015】また電子写真感光体についても、電荷輸送
物質等のイオン化ポテンシャルを規定した例は知られて
いるが(特開平10−312070号、特開2000−
131860号)、トナーと直接接触する感光体表面、
あるいは電荷輸送層全体としてのイオン化ポテンシャル
は不明で、さらに感光体とトナーとの関係は不明瞭であ
った。また目的も感光体の感度向上等であった。
【0016】また中間転写体のイオン化ポテンシャルも
各種検討されているが(特開2000−231273
号、特開2001−133999号)、中間転写体単体
の値であって、トナーとの関係を考慮したものではなか
った。
【0017】一方、トナーの流動特性、帯電特性等を改
善する目的でトナー母体粒子に各種金属酸化物等の無機
微粉末等を混合して使用する方法が提案されており、無
機微粉末等は外添剤と呼ばれている。また必要に応じて
該無機微粉末表面の疎水性、帯電特性等を改質する目的
で、該無機微粉末を特定のシランカップリング剤、チタ
ネートカップリング剤、シリコーンオイル、有機酸等で
処理する方法、特定の樹脂で被覆する方法なども提案さ
れている。前記無機微粉末としては、例えば、二酸化珪
素(シリカ)、二酸化チタン(チタニア)、酸化アルミ
ニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化セリウム、
酸化鉄、酸化銅、酸化錫等が知られている。特にシリカ
や酸化チタン微粒子とジメチルジクロロシラン、ヘキサ
メチルジシラザン、シリコーンオイル等の有機珪素化合
物(疎水化処理剤)とを反応させシリカ微粒子表面のシ
ラノール基を有機基で置換し疎水化したシリカ微粒子が
用いられている。
【0018】これらのうち十分な疎水性を示し、且つ、
トナーに含有された時にその低表面エネルギーから該ト
ナーが優れた転写性を示す疎水化処理剤としては、シリ
コーンオイルが好ましい。特公平7−3600号や特許
第02568244号にはシリコーンオイルで処理され
たシリカの疎水化度が規定されている。また特開平7−
271087号や特開平8−29598号にはシリコー
ンオイル添加量や添加剤中の炭素含有率が規定されてい
る。外添剤の母剤である無機微粒子を疎水化処理し、高
湿度下における現像剤の帯電性の安定性を確保するため
には先に挙げた公報におけるシリコーンオイル含有量や
疎水化度で満足できた。
【0019】しかし、シリコーンオイルの重要な特異性
である低表面エネルギーを利用して現像剤と接触する部
材、例えば接触帯電装置、現像剤担持体(スリーブ)や
ドクターブレード、キャリア、静電潜像担持体(感光
体)、中間転写体などへの付着性を下げるための積極的
な試みは行われていなかった。特に、感光体への現像剤
の付着力が強い事による地肌汚れや画像における文字部
やライン部、ドット部のエッジ部や中央部における転写
後のぬけ(現像剤の転写されない部分)はシリコーンオ
イルの添加量や疎水化度を調節するだけでは改良できな
かった。さらに凹凸の激しい転写材への転写時における
凹部へ転写できない事による白抜けも同様に改良できて
いなかった。特開平11−212299号にはシリコー
ンオイルを液体成分として特定量含有させた無機微粒子
が開示されている。しかしこのような量の定義では上述
の特性を満足する事はできなかった。
【0020】一方、バインダー樹脂としてはトナー用と
して要求される特性、即ち透明性、絶縁性、耐水性、流
動性(粉体として)、機械的強度、光沢、熱可塑性、粉
砕性等の点からポリスチレン、スチレン−アクリル系共
重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が一般に使
用され、中でもスチレン系樹脂が粉砕性・耐水性及び流
動性に優れている事から、広く使用されている。しか
し、スチレン系樹脂含有トナーで得られたコピーを保存
するために、塩化ビニル系樹脂シート製書類ホルダー中
に入れておくと、コピーの画像面がシートと密着状態で
放置されるため、シート、即ち塩化ビニル系樹脂に含ま
れる可塑剤が定着トナー画像に転移可塑化してこれをシ
ート側に溶着せしめ、その結果、コピーをシートから離
すと、コピーからトナー画像が一部または全部剥離し、
またシートも汚れてしまうという欠点があつた。この様
な欠点はポリエステル樹脂含有トナーにも見られる。
【0021】以上の様な塩化ビニル系樹脂シートへの転
移防止策として特開昭60−263951号や特開昭6
1−24025号ではスチレン系樹脂またはポリエステ
ル樹脂に塩化ビニル系樹脂用可塑剤で可塑化されないエ
ポキシ樹脂をブレンドする提案がなされている。しか
し、この様なブレンド樹脂を特にカラートナー用として
用いた場合、異種の樹脂間の不相溶性によりオフセット
性、定着画像のカール、光沢度(カラートナー画像の場
合は光沢がないと貧弱な画像として見える)、着色性、
透過性、発色性が問題となってくる。これらの問題は従
来のエポキシ樹脂や特開昭61−235852号で提案
される様なアセチル化変性エポキシ樹脂でも全て解決で
きるものではない。
【0022】そこでエポキシ樹脂を単独で用いる事によ
り前記問題点を解決する事が考えられるが、新たな問題
点として、エポキシ樹脂のアミンとの反応性が生じてく
る。エポキシ樹脂は、一般にはエポキシ基と硬化剤とを
反応させ架橋構造を組む事により、機械的強度や耐薬品
性の優れた硬化型樹脂として使用されている。硬化剤は
アミン系と有機酸無水物系に大別される。もちろん、静
電荷像現像用トナーとして用いられるエポキシ樹脂は熱
可塑性樹脂として用いるものであるが、トナーとして樹
脂と一緒に混練される染顔料、帯電制御剤の中にはアミ
ン系のものがあり、混練時に架橋反応を起こし、トナー
として使用できない場合がある。またこのエポキシ基の
化学的活性は生化学的性、即ち皮膚刺激等の毒性が考え
られ、その存在には十分注意を要する。またエポキシ基
は親水性を示す事から、高温高湿下での吸水が著しく、
帯電低下、地汚れ、クリーニング不良等の原因となる。
更にエポキシ樹脂における帯電安定性も一つの問題であ
る。
【0023】一般にトナーはバインダー樹脂、着色剤、
帯電制御剤等から構成されている。着色剤としては様々
な染顔料が知られており、中には帯電制御性を有するも
のもあり、着色剤と帯電制御剤との2つの作用を有する
ものもある。エポキシ樹脂をバインダー樹脂として用
い、前記の様な組成でトナー化する事は広く行なわれて
いるが、問題点として染顔料、帯電制御剤等の分散性が
ある。一般にバインダー樹脂と染顔料、帯電制御剤等の
混練は、熱ロールミルで行われ、染顔料、帯電制御剤等
をバインダー樹脂中に均一に分散させる必要がある。し
かし十分に分散させる事は難しく、着色剤としての染顔
料の分散が悪いと発色が悪く着色度も低くなってしま
う。また帯電制御剤等の分散が悪いと帯電分布が不均一
となり、帯電不良、地汚れ、飛散、ID不足、ぼそつ
き、クリーニング不良など様々な不良原因となる。
【0024】特開昭61−219051号にはε−カプ
ロラクトンでエステル変性したエポキシ樹脂をバインダ
ー樹脂として使用したトナーが開示されているが、耐塩
ビ性、流動性等が改良されるものの、変性量が15〜9
0重量%もあり、軟化点が下がり過ぎ、光沢も出すぎる
欠点があつた。
【0025】また、特開昭52−86334号には、脂
肪族一級または二級アミンと既製のエポキシ樹脂の末端
エポキシ基とを反応させ、正帯電性を有するものが開示
されているが、前で述べた様にエポキシ基とアミンとは
架橋反応を起こしてしまい、トナーとして使用できない
場合が考えられる。更にまた特開昭52−156632
号には、エポキシ樹脂の末端エポキシ基のどちらか一方
または両方をアルコール、フェノール、グリニヤール試
薬、有機酸ナトリウムアセチライド、アルキルクロライ
ド等で反応させる事が開示されているが、エポキシ基が
残っている場合は前述の通りアミンとの反応性、毒性、
親水性等の問題を生じる。また上記反応物の中には親水
性のもの、また帯電に影響するもの、またトナー化する
際の粉砕性に影響するものがあり、必ずしも本発明に全
て有効ではない。
【0026】また、特開平1−267560号には、エ
ポキシ樹脂の末端エポキシ基の両方を1価の活性水素含
有化合物で反応させた後、モノカルボン酸やそれらのエ
ステル誘導体、ラクトン類でエステル化するものが開示
されているが、エポキシ樹脂の反応性、毒性、親水性は
解決されているが定着においてカールがさほど改善され
ていない。
【0027】さらに、一般的にエポキシ樹脂あるいはポ
リオール樹脂の合成時にキシレン等の溶剤を用いること
が多いが(例えば特開平11−189646号)、それ
ら溶剤あるいは、ビスフェノールA等の未反応残留モノ
マー等が、製造後の樹脂中に少なからず存在し、それら
樹脂を用いたトナーにおいても残存量は多く、問題であ
った。
【0028】一方、トナーの製造方法としては、特開平
1−304467号に代表されるように、原料を全て一
度に混合して混練機などにより加熱、溶融、分散を行い
均一な組成物とした後、これを冷却して、粉砕、分級す
ることにより体積平均粒径6〜10μm程度のトナーを
製造する方法が一般的に採用されている。特にカラー画
像の形成に用いられるカラートナーは、一般に、バイン
ダー樹脂中に各種の有彩色染料または顔料を分散含有さ
せて構成される。この場合、使用するカラートナーに要
求される性能は、黒色画像を得る場合に比べ厳しいもの
となる。即ち、カラートナーとしては、衝撃や湿度等の
外的要因に対する機械的電気的安定性に加え、適正な色
彩の発現(着色度)やオーバーヘッドプロジェクター
(OHP)に用いたときの光透過性(透明性)が必要と
なる。着色剤として染料を用いるものとしては、例え
ば、特開昭57−130043号、同57−13004
4号に記載のものがある。しかしながら、着色剤に染料
を用いた場合、得られる画像は透明性に優れ、発色性が
良くて鮮明なカラー画像の形成が可能であるが、反面、
耐光性が劣り、直射光下に放置した場合、変色、退色し
てしまう問題がある。
【0029】さらに、画像形成装置としては、潜像担持
体に順次形成した複数の可視の色現像画像を、無端移動
する中間転写体上に順次重ね合わせて一次転写し、この
中間転体上の一次転写画像(トナー像)を転写材に一括
して二次転写する中間転写方式の画像形成装置が知られ
ている。この中間転写方式を用いた画像形成装置は、近
年、小型化を図るという点や最終的に顕像が転写される
転写材の種類の制約が少ないという点で有利であるた
め、特にカラー画像形成装置として用いられる傾向にあ
る。
【0030】ところが、このような画像形成装置では、
色現像画像を構成するトナー像の一次転写時及び二次転
写時における局部的な転写抜けに起因して、最終的な画
像媒体である転写紙などの転写材上の画像中に、局部的
に全くトナーが転写されない、いわゆる虫喰い状(文字
中抜け)の部分を生じることがある。虫喰い状画像は、
ベタ画像の場合にはある程度の面積をもって転写抜けと
なる。また、ライン画像の場合にはラインが途切れるよ
うに転写抜けを生ずる。このような異常画像は、4色フ
ルカラー画像を形成する場合に発生しやすい。
【0031】これは、トナー層が厚くなることに加え、
一次転写を最大4回繰り返すので、潜像担持体表面とト
ナー間、中間転写体表面とトナー間にて接触圧力により
非クーロン力である機械的な付着力(ファン・デル・ウ
ァールス力等の静電気力以外の力)が強力に発生するこ
とによる。すなわち、画像形成プロセスを繰り返し実行
する過程において、中間転写体の表面にトナーがフィル
ム状に付着するフィルミング現象を起こし、中間転写体
の表面とトナーとの間の付着力が増加することによると
考えられる。
【0032】そこで、このような虫喰い状画像の発生を
避ける技術として、潜像担持体および中間転写体の表面
に潤滑剤を塗布してトナーとの付着力を低減したり、ト
ナー自体の付着力を外添剤などにより低減するなどの技
術が、すでに市場機にて実用化されている。しかしなが
ら、4色フルカラーもしくは、高速転写の際に発生する
転写接触圧力が増加したときのトナー間の付着力、引張
破断強度等は考慮されておらず、特に厚紙、表面コート
紙、OHPフィルム等に転写する際の画質の安定性に問
題があった。
【0033】また、特開平8−211755号では、潜
像担持体のトナー付着力と、中間転写体のトナー付着力
の相対的なバランスを調整することにより、転写性向
上、虫喰い状の異常画像発生を防止するようにしたもの
が開示されている。しかしながら、この時のトナーの付
着力は粉体状態における遠心力法により求めた値で、転
写接触圧力が増加した場合の物性とは異なる結果となり
不十分であった。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、数万
枚画像を出力した後でも安定して下記1〜10の特性を
維持している画像形成装置を提供することである。 1.トナー転写圧縮時や現像機内でのストレス後の凝集
性、トナー粒子間の付着力が適正に制御された転写性、
現像性、定着性に優れた、転写材の材質に左右されにく
い、高画質の画像を形成しうる画像形成装置。 2.高温高湿、低温低湿環境における帯電性に優れた弱
帯電、逆帯電トナーの少なく、地肌汚れ(かぶり)の少
ない画像を形成しかつ、トナーの機内中への飛散が少な
い画像形成装置。 3.画像形成システムとして高耐久、低メンテナンス性
を兼ね備えた画像形成装置。 4.トナー圧縮時の転写性と同時に、非圧縮時の流動性
が十分ある補給性、帯電立ち上がり性の優れた画像形成
装置。 5.トナー、現像剤としての環境帯電安定性に優れ、印
刷速度が低速から高速領域まで遜色なく、継続的画像出
力で画像濃度低下のない、定着性および非オフセット性
のバランスに優れた画像形成装置。 6.トナーの転写状況が良好で、色再現性、色鮮明性、
色透明性が優れ、かつ光沢が安定したムラのない画像形
成装置。 7.環境安定性、環境保存性に優れた画像形成装置。 8.定着画像面を塩化ビニル系樹脂シートに密着させて
も、シートへのトナー画像の転移のない画像形成装置。 9.定着画像が実質上カールする事のない画像形成装
置。 10.潜像担持体上に形成されるトナー像を中間転写体
上に一次転写し、該トナー像を転写材に二次転写する方
式の画像形成装置または、かつ、タンデム方式による高
速出力可能な画像形成装置において、虫喰い状画像、画
像チリ、細線再現性不良等の異常画像の発生を防止する
ことができる画像形成装置。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
達成すべく鋭意検討した結果、少なくともトナーと、潜
像担持体を含み、潜像担持体上に形成されるトナー像を
中間転写体上に一次転写し、該トナー像を転写材に二次
転写する方式の画像形成装置において、該トナーの10
kg/cm2圧縮時の引張破断強度が10〜1400
(N/m2)であり、該トナーと潜像担持体とのイオン
化ポテンシャル(IP)差が0〜1.0eV以下であ
り、かつ該トナーと中間転写体とのIP差が0〜1.0
eV以下であることを特徴とする画像形成装置を用いる
ことで、トナー転写圧縮時の凝集性、現像器内でのスト
レス後のトナー粒子間の付着力が適正に制御された転写
性、現像性に優れた高画質の画像を形成しうることを見
いだした。
【0036】そのメカニズムは現在解明中であるが、い
くつかの解析データから以下のことが推測された。二次
転写する画像形成方式では、トナーの転写が2回行われ
ることになり、転写時のトナーに与えるストレスによる
各種悪影響、転写効率の低下、転写後のトナーの保持、
剥離率の低下等各種問題があったが、10kg/cm 2
圧縮時の引張破断強度が10〜1400(N/m2)、
より好ましくは100〜1200(N/m2)に制御す
ることにより、転写圧縮凝集時におけるトナー間の引き
離し易さを制御できた。
【0037】引張破断強度を1400N/m2以下にす
ることにより、凝集時のトナーがトナー間で剥離され、
潜像担持体や中間転写体に残存することが少なく、文字
部中抜け画像や、転写不良による地肌汚れ(かぶり)を
防ぐことができる。さらに転写効率が上がることによ
り、クリーニング時に発生する廃トナー量を減少させ、
少量トナーを転写させることでトナー消費量を少なくで
きる。一方、引張破断強度が10(N/m2)未満の場
合、トナー間の圧縮時の付着力が小さすぎて、転写時に
トナーの転写チリを引き起こす。その結果、細線の再現
性が低下したり、十分な画像濃度が達成できなくなる。
【0038】ここでは10kg/cm2圧縮時での嵩密
度を評価したが、10kg/cm2という値は最も特性
との相関が良かったためである。十分で適切な圧縮力、
例えば5kg/cm2、20kg/cm2、等の圧力で同
様な評価を行い、それより得られた値を用いて評価する
ことも場合により可能である。
【0039】またトナーと潜像担持体およびトナーと中
間転写体とのIP差を0〜1.0eVにすることで、ト
ナーと潜像担持体およびトナーと中間転写体の帯電レベ
ルが最適な範囲となり、トナーの保持、転写および、剥
離がより容易とする。具体的には、IP差を1.0eV
より以上にするとトナーとの帯電レベルが離れすぎて、
十分なトナー保持とトナー剥離ができなくなり、トナー
の転写残が発生して、虫食い画像になったり、電気的な
反発による転写チリが発生したり、トナーの転写率の低
下から引き起こされるトナー消費量の増加、地汚れ等の
不具合が発生する。
【0040】以上により、OHP、厚紙等、特に転写材
の材質にも影響されにくく、該転写時に転写不良の少な
い、画像欠陥の少ない高画質で、画像形成装置が得られ
た。
【0041】さらに、本発明者らは上記画像形成装置で
使用されるトナーについても検討した。その結果、体積
平均粒径が2〜8μmのトナーにおいて、上記の転写圧
縮凝集時におけるトナー間の引張破断強度を確保するた
め、疎水化処理された一次粒子の平均粒径が1〜100
nmの無機微粒子を少なくとも2種類以上含む(外添さ
せる)ことにより、転写性、流動性と同時に環境帯電安
定性を向上させることができより好ましいことがわかっ
た。疎水化処理することで環境安定性を向上させ、一次
粒子の平均粒径を1〜100nm、より好ましくは5n
m〜70nmに規定することで、十分な流動性とトナー
に対するスペーサ効果、被覆効果を発揮できる。平均粒
径が1nm未満の場合、トナーのスペーサとしての効果
が十分発揮されない。また平均粒径が100nmを超え
る場合、トナーとの被覆効果が十分でなく、環境安定
性、環境帯電安定性が低下したり、流動性が低下するた
め好ましくない。
【0042】また、これら無機微粒子が2種類以上含む
ことにより、例えばシリカと酸化チタンとの組み合わせ
あるいは、粒径や表面処理剤の異なる2種類のシリカの
組み合わせ等のように互いに帯電性の異なる無機微粒子
をバランスさせることができ、帯電環境安定性、帯電立
ち上がり性をより向上できる。
【0043】トナーの体積平均粒径は2〜8μm、より
好ましくは5〜7μmが望ましい。トナーの体積平均粒
径が2μm未満の場合、トナーの製造性、生産性が著し
く低下するとともに、トナーが人体に吸収され健康上好
ましくない。また8μmを超える場合、画質の粒状度が
低下して好ましくない。
【0044】さらに、一次粒子の平均粒径が20nm以
下の無機微粒子を少なくとも2種類以上含みかつ、30
nm以上の無機微粒子を少なくとも1種類以上含むこと
で、より良好な流動性が確保されると共にトナー劣化時
の無機微粒子の埋め込みを防ぐことができる。すなわ
ち、20nm以下の無機微粒子で流動性、環境安定性、
帯電性を確保すると共に、30nm以上の無機微粒子に
より、トナー収支が少ない場合に発生しやすいトナー劣
化時の無機微粒子のトナーへの埋め込みを防ぐことがで
き、トナースペントを防止したり、トナーのより良好な
流動性が維持できるようになる。さらに、トナーの転写
性、流動性を向上させると、トナーの熱物性も当然変化
するが、該トナーの軟化点を70〜160℃、より好ま
しくは90〜120℃とし、かつ、ガラス転移温度(T
g)を40〜70℃より好ましくは50〜70℃に制御
することで、定着性、色再現性、鮮明性、色透明性、転
写性が優れたトナーを得ることができた。
【0045】さらに該トナーの数平均分子量(Mn)を
2000〜8000、かつ重量平均分子量/数平均分子
量(Mw/Mn)を1.5〜20、かつ、少なくとも1
つのピーク分子量(Mp)を3000〜7000に制御
することで、10kg/cm 2圧縮時の嵩密度が0.5
0〜0.80(g/cm3)の範囲に入り、かつストレ
ス流動特性値D≦7.0を確保できるため、低温定着可
能で、かつ定着性、色再現性、鮮明性、色透明性、転写
性が優れたトナーを得ることができた。
【0046】また該トナーのバインダー樹脂が、少なく
ともポリオール樹脂を少なくとも含むことで、十分な耐
圧縮強度、引張破断強度、環境安定性、安定した定着特
性が得られ、さらに該トナーのバインダー樹脂は、少な
くとも主鎖にエポキシ樹脂部とポリオキシアルキレン部
を有するポリオール樹脂を少なくとも含むことで、環境
安定性、安定した定着特性、コピー定着画像面の塩化ビ
ニル系樹脂へのシートに密着時のシートへのトナー画像
の転移防止を図ることができ、特にカラートナーに使用
した場合カラー再現性、安定した光沢、コピー定着画像
のカール防止等に効果をもたらす。
【0047】また該トナーのバインダー樹脂が少なくと
もポリエステル樹脂部を含むことで、耐圧縮強度ととも
に伸縮性と付着性のバランスのとれたトナーとなり、さ
らに安定した転写性、現像性、定着特性が得られた。
【0048】また該トナーバインダー樹脂のポリオール
樹脂末端が不活性であると環境安定性、有害性の少ない
トナーとすることができる。本発明に用いられるエポキ
シ樹脂は好ましくはビスフェノールAやビスフェノール
F等のビスフェノールとエピクロロヒドリンを結合して
得られたものである。エポキシ樹脂は安定した定着特性
や光沢を得るために、数平均分子量の相違する少なくと
も2種以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂で、低分
子量成分の数平均分子量が360〜2000であり、高
分子量成分の数平均分子量が3000〜10000であ
ることを好ましい。更に低分子量成分が20〜50wt
%、高分子量成分が5〜40wt%であることが好まし
い。低分子量成分が多すぎたり分子量360よりさらに
低分子の場合は、光沢が出すぎたり、さらには保存性の
悪化の可能性がある。また、高分子量成分が多すぎたり
分子量10000よりさらに高分子の場合は、光沢が不
足したり、さらには定着性の悪化の可能性がある。
【0049】本発明で用いられる化合物として、2価フ
ェノールのアルキレンオキサイド付加物としては以下の
ものが例示される。エチレンオキサイド、プロピレンオ
キサイド、ブチレンオキサイド及びこれらの混合物とビ
スフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノール
との反応生成物が挙げられる。得られた付加物をエピク
ロロヒドリンやβ−メチルエピクロロヒドリンでグリシ
ジル化して用いてもよい。特に下記一般式(1)で表わ
されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物
のジグリシジルエーテルが好ましい。
【化1】
【0050】また、2価フェノールのアルキレンオキサ
イド付加物もしくはそのグリシジルエーテルが、ポリオ
ール樹脂に対して10〜40wt%含まれていることが
好ましい。ここで量が少ないとカールが増すなどの不具
合が生じ、またn+mが7以上であったり量が多すぎる
と光沢が出すぎたり、さらには保存性の悪化の可能性が
ある。本発明で用いられるエポキシ基と反応する活性水
素を分子中に一個有する化合物としては、1価フェノー
ル類、2級アミン類、カルボン酸類がある。1価フェノ
ール類としては以下のものが例示される。フェノール、
クレゾール、イソプロピルフェノール、アミノフェノー
ル、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、キシレノ
ール、p−クミルフェノール等が挙げられる。2級アミ
ン類としては、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ
ブチルアミン、N−メチル(エチル)ピペラジン、ピペ
リジンなどが挙げられる。また、カルボン酸類として
は、プロピオン酸、カプロン酸などが挙げられる。
【0051】本発明の主鎖にエポキシ樹脂部とアルキレ
ンオキサイド部を有するポリオール樹脂を得るために
は、種々の原材料組合せが可能ではある。例えば、両末
端グリシジル基のエポキシ樹脂と両末端グリシジル基の
2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物をジハラ
イドやジイソシアネート、ジアミン、ジチオール、多価
フェノール、ジカルボン酸と反応させることにより得る
ことができる。このうち、2価のフェノールを反応させ
るのが反応安定性の点で最も好ましい。また、ゲル化し
ない範囲で多価フェノール類や多価カルボン酸類を2価
フェノールと併用するのも好ましい。ここで、多価フェ
ノール類、多価カルボン酸類の量は全量に対し15%以
下、好ましくは10%以下である。
【0052】本発明で用いられるエポキシ基と反応する
活性水素を分子中に2個以上有する化合物としては、2
価フェノール類、多価フェノール類、多価カルボン酸類
が挙げられる。2価フェノールとしてはビスフェノール
AやビスフェノールF等のビスフェノールが挙げられ
る。また、多価フェノール類としてはオルソクレゾール
ノボラック類、フェノールノボラック類、トリス(4−
ヒドロキシフェニル)メタン、1−〔α−メチル−α−
(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼンが例示さ
れる。多価カルボン酸類としては、マロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、
フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、無水トリメ
リット酸が例示される。
【0053】また本発明に用いる樹脂中の主鎖にエポキ
シ樹脂部とポリオキシアルキレン部およびポリエステル
部を有するポリオール樹脂とすることで、特に該ポリエ
ステル成分により樹脂の粘弾性、硬性が変化し、よりソ
フトな樹脂物性となり画像のカール発生を押さえること
ができより好ましい。
【0054】また該バインダー樹脂のエポキシ当量を、
10000以上、好ましくは30000以上、より好ま
しくは50000以上に制御することで、樹脂の熱特性
を制御できるとともに、反応残留物である低分子のエピ
クロロヒドリン等の量を低減することができ、安全性、
樹脂特性ともに優れたトナーとすることができる。
【0055】また該トナー中に少なくともワックスを含
有し、離型剤として用いる場合、該ワックスのトナー中
での分散平均粒径が3μm以下、具体的には0.001
〜3μmであることにより、トナー定着時に離型剤とし
てワックスが熱によるしみ出しホットオフセットを防止
するとともに、トナー間の付着力を低減でき、転写性、
転写率を向上でき、文字部中抜け画像等を防止できる。
分散平均粒径が0.001未満ではワックスの分散径が
小さすぎて、ワックスがトナー中からしみ出しにくくな
り、本来のワックスの目的であるトナー定着性向上に支
障が出て、トナー定着性が悪化し好ましくない。
【0056】また上記トナーと磁性粒子からなるキャリ
アを少なくとも含むことを特徴とする2成分現像システ
ムを用いることで、キャリアとの付着力のバランスのと
れた、現像剤としてストレス変動の少なく十分な嵩密度
を持つ、帯電立ち上がり性、環境帯電安定性の優れた現
像特性が得られた。さらに嵩密度センサ等によるトナー
濃度制御性の優れた現像システムが得られた。
【0057】また、該潜像担持体が、少なくとも導電性
基板、電荷発生層、電荷移動層、フィラー補強電荷輸送
層を含有する機能分離型感光体であることを特徴とする
画像形成装置とすることで、感光体表面の電荷の移動が
スムーズとなり、トナーの転写、保持、剥離がより容易
となる。さらにフィラー補強電荷輸送層を設けること
で、数万枚印字後でも感光体表面の磨耗量が少なく、印
字後の感光体表面性が良好で、転写時に転写不良の少な
い、画像欠陥の少ない高画質な画像形成装置が得られ
た。
【0058】さらに、該潜像担持体の電荷移動層が少な
くとも電荷移動物質(CTM)と粘度平均分子量が3万
以上6万以下のポリカーボネート樹脂(R)を含有し、
その組成比(CTM/R比)が重量比で5/10以上1
0/10以下である電子写真感光体であることにより十
分な強度、硬性をもちかつ高速な電荷移動性を発揮でき
る。本発明における電荷移動層(CTL)のバインダー
樹脂であるポリカーボネート樹脂は高い耐摩耗性をもっ
ている。したがって、電荷移動物質に対して、より多く
のポリカーボネート樹脂の組成比を持った電荷移動層で
は高い耐摩耗性が得られる。しかし、そのようなCTL
では必要な電気的特性、CGLからの電荷注入性、CT
L内での電荷移動性つまり高速応答性が得られず、ま
た、残留電位の上昇も著しい。また、大量の電荷移動物
質(CTM)を含有させると電荷注入性及び高速応答性
は得られるが、耐摩耗性が低下する。従って、電荷移動
物質(CTM)とポリカーボネート樹脂(R)の組成比
(CTM/R比)を5/10以上10/10以下が適当
である。
【0059】電荷移動層(CTL)は厚膜にすると削れ
による帯電性低下を低減することができるが、しかし、
それによって高速応答性が低下する。また、粘度平均分
子量の大きいポリカーボネート樹脂を用いてCTLを厚
膜塗工すると均一な膜は得られず、厚膜塗工をするため
には、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量を小さく
して、塗工液の固形分濃度を上げる必要があるが、それ
によって耐摩耗性は低下する。したがってCTM/R比
が5/10〜10/10で、かつ、Rの分子量が3万以
上6万以下の時、削れによる帯電性低下の少ない厚膜の
CTLを塗工できる。分子量が3万未満の場合、十分な
膜強度が得られず、6万を超える場合は、塗工性が低下
して十分な均一膜を形成できず、潜像担持体表面のトナ
ー帯電保持が不均一となり、色再現性の優れた画像にな
らない。
【0060】また、該中間転写体が硬度10°≦HS≦
65°(JIS−A)である弾性中間ベルトである事を
特徴とする画像形成装置であることにより、虫食い画像
のない転写性の優れた、細線再現性の良い高画質な画像
を形成することができる。ベルトの層厚によって最適硬
度の調整は必要となる。また、中間転写体の硬度は、中
間転写体(ポリマー等)の材質や、分子構造、あるいは
架橋状態、架橋程度等を制御することにより調整可能で
ある。硬度10°(JIS−A)より以下のものは寸法
精度良く成形する事が非常に困難である。これは成型時
に収縮・膨張を受け易い事に起因する。また柔らかくす
る場合には基材へオイル成分を含有させる事が一般的な
方法であるが、加圧状態で連続作動させるとオイル成分
が滲みだして来るという欠点を有している。これにより
中間転写体表面に接触する感光体を汚染し横帯状ムラを
発生させる事が分かった。一般的に離型性向上のために
表層を設けているが、完全に浸みだし防止効果を与える
ためには表層は耐久品質等要求品質の高いものになり、
材料の選定、特性等の確保が困難になってくる。これに
対して硬度65°(JIS−A)より以上のものは硬度
が上がった分精度良く成形できるのと、オイル含有量を
含まない、または少なく抑えることが可能となるので、
感光体に対する汚染性は低減可能であるが、文字の中抜
け等転写性改善の効果が得られなくなり、ローラへの張
架が困難となる。
【0061】また、該中間転写体の静止摩擦係数が0.
1〜0.6、より好ましくは0.3〜0.5であること
を特徴とする画像形成装置を用いることにより、トナー
と中間転写体とのすべり具合がスムーズとなり、転写性
を向上させ、地肌汚れが少なく、廃トナー量が少なく、
トナー消費量の少ない画像形成装置が得られた。
【0062】また、上記画像形成装置として、潜像担持
体上の多色に分割された静電荷像を複数の多色からなる
静電荷像現像用現像剤により現像してトナー像を形成
し、潜像担持体表面に転写材を介し転写手段を当接させ
該トナー像を該転写材に多数回もしくは一括して静電転
写する画像形成装置とすることで、該転写時に転写不良
の少ない、特にカラー色の再現性に関わる画像欠陥の少
ない高画質な画像形成装置が得られた。また、現像ロー
ルおよび該現像ロール上に供給する現像剤の層厚を均一
に規制する現像ブレードを備えた複数の多色現像装置に
よって、潜像担持体上に形成された多色に分割された静
電潜像をそれぞれの色に対応する現像剤により、それぞ
れの色に対応した複数の潜像担持体上に現像し、潜像担
持体表面に転写材を介し転写手段を当接させ該トナー像
を該転写材に順次静電転写するようにした画像形成装置
において、前記トナーからなる一成分系の現像剤を用い
て該転写時に転写不良の少ない、特にカラー色の再現性
に関わる画像欠陥の少ない高画質でしかもコンパクトな
画像形成装置が得られた。
【0063】また、上記画像形成装置として、現像ロー
ルおよび該現像ロール上に供給する現像剤の層厚を均一
に規制する現像ブレードを備えた複数の多色現像装置に
よって、潜像担持体上に形成された多色に分割された静
電潜像をそれぞれの色に対応する現像剤により、それぞ
れの色に対応した複数の潜像担持体上に現像し、潜像担
持体表面に転写材を介し転写手段を当接させ該トナー像
を該転写材に順次静電転写する方式の画像形成装置とす
ることで、色再現性の優れた、転写時に転写不良の少な
く画像欠陥の少ない高画質な画像形成装置が得られた。
【0064】また、上記画像形成装置において、ベルト
駆動ローラとベルト従動ローラとの間に掛け渡された転
写ベルトに沿って複数個配置された画像形成ユニットに
よって形成された画像を前記転写ベルトに搬送される単
一の転写材上に順次重ね合わせて転写することにより前
記転写材上にカラー画像を得るタンデム型カラー画像形
成装置にすることで、高速印字に対応してかつ、OH
P、厚紙、コート紙等、転写材の材質に影響されにく
く、該転写時に転写不良の少ない、画像欠陥の少なく高
画質な画像形成装置が得られた。
【0065】かくして本発明によれば、以下(1)〜
(9)が提供される。 (1)潜像担持体上に潜像を形成し、これをトナーで現
像した後、このトナー像を中間転写体上に一次転写し、
さらに該トナー像を転写機に二次転写して画像を得る方
式の画像形成装置であって、該トナーの10kg/cm
2圧縮時の引張破断強度が10〜1400(N/m2)で
あり、該トナーと潜像担持体とのイオン化ポテンシャル
(IP)差が0〜1.0eVであり、かつ該トナーと中
間転写体とのIP差が0〜1.0eV以下であることを
特徴とする画像形成装置。
【0066】(2)前記(1)において、疎水化処理さ
れた一次粒子の平均粒径が1〜100nmの無機微粒子
を少なくとも2種類以上含みかつ、トナーの体積平均粒
径が2μm〜8μmであることを特徴とするトナーを用
いる画像形成装置。ここで、疎水化処理された一次粒子
の平均粒径が20nm以下の無機微粒子を少なくとも2
種類以上含みかつ、30nm以上の無機微粒子を少なく
とも1種類以上含むことを特徴とするトナーの使用が有
利である。
【0067】(3)前記(1)〜(2)いずれかにおい
て、該トナーは軟化点が60〜150℃、流出開始温度
が70℃〜130℃、かつ、ガラス転移温度(Tg)が
40〜70℃であることを特徴とするトナーを用いる画
像形成装置。
【0068】(4)前記(1)〜(3)のいずれかにお
いて、該トナーの数平均分子量(Mn)が2000〜8
000、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)
が1.5〜20、かつ、少なくとも1つのピーク分子量
(Mp)が3000〜7000であることを特徴とする
トナーを用いる画像形成装置。
【0069】(5)前記(1)〜(4)いずれかにおい
て、該トナーのバインダー樹脂が、少なくとも主鎖にエ
ポキシ樹脂部とポリオキシアルキレン部を有するポリオ
ール樹脂を少なくとも含むことを特徴とするトナーを用
いる画像形成装置。ここで、該トナーのバインダー樹脂
は、少なくともポリエステル樹脂を含むことが好まし
い。
【0070】(6)前記(1)〜(5)のいずれかにお
いて、該トナー中に少なくともワックスを含有し、該ワ
ックスのトナー中での分散平均粒径が0.001〜3μ
mであることを特徴とするトナーを用いる画像形成装
置。
【0071】(7)前記(1)〜(6)のいずれかにお
いて、該潜像担持体が少なくとも導電性基体、電荷発生
層、電荷移動層、フィラー補強電荷輸送層からなる機能
分離型感光体であり、該電荷移動層が少なくとも電荷移
動物質(CTM)と粘度平均分子量が3万以上6万以下
のポリカーボネート樹脂(R)を含有し、その組成比
(CTM/R比)が重量比で5/10以上10/10以
下である電子写真感光体であることを特徴とする画像形
成装置。
【0072】(8)前記(1)〜(7)いずれかにおい
て、該中間転写体が硬度10°≦HS≦65°(JIS
−A)である弾性中間ベルトであることを特徴とする画
像形成装置。
【0073】(9)前記(1)〜(8)いずれかにおい
て、該中間転写体の静止摩擦係数が0.1〜0.6であ
ることを特徴とする画像形成装置。
【0074】この他に、本発明はその実施形態として、
下記(10)〜(12)を包含するものである。 (10)前記(1)〜(9)のいずれかにおいて、潜像
担持体上の多色に分割された静電荷像を複数の多色から
なる静電荷像現像用現像剤により現像してトナー像を形
成し、潜像担持体表面に転写材を介し転写手段を当接さ
せ該トナー像を該転写材に多数回もしくは一括して静電
転写することを特徴とする画像形成装置。 (11)前記(1)〜(10)のいずれかにおいて、現
像ロールおよび該現像ロール上に供給する現像剤の層厚
を均一に規制する現像ブレードを備えた複数の多色現像
装置によって、潜像担持体上に形成された多色に分割さ
れた静電潜像をそれぞれの色に対応する現像剤により、
それぞれの色に対応した複数の潜像担持体上に現像し、
潜像担持体表面に転写材を介し転写手段を当接させ該ト
ナー像を該転写材に順次静電転写することを特徴とする
画像形成装置。 (12)前記(1)〜(11)いずれかにおいて、ベル
ト駆動ローラとベルト従動ローラとの間に掛け渡された
転写ベルトに沿って複数個配置された画像形成ユニット
によって形成された画像を前記転写ベルトに搬送される
単一の転写材上に順次重ね合わせて転写することにより
前記転写材上にカラー画像を得ることを特徴とするタン
デム型カラー画像形成装置。
【0075】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
ここで、本発明に用いられるトナー、現像剤の製法や材
料、および潜像担持体、中間転写体、転写ベルト等を含
む画像形成プロセスに関するシステム全般に関しては条
件を満たせば、公知のものが全て使用可能である。
【0076】(引張破断強度)本発明の10kg/cm
2圧縮時の引張破断強度測定は、例えば以下で示す粉体
層の圧縮・引張特性計測装置(アグロボット:ホソカワ
ミクロン製)を用い、下記条件下で上下2分割の円筒セ
ル内に一定量の粉体を充填し、粉体を10kg/cm2
の圧力下で保持した後、上部セルを持ち上げ、粉体層が
破断されたときの最大引張破断強度(N/m2)をい
う。なお、引張破断強度測定は、上記と同様の原理法則
によって求められるのであれば、特に上記装置、条件で
測定されたものでなくても良い。
【0077】測定条件: サンプル量:8g 環境温度:23℃ 湿度:50% セル内径:25mm セル温度:25℃ バネ線径:1.0mm 圧縮速度:0.1mm/sec 圧縮応力:10kg/cm2 圧縮保持時間:60秒 引張速度:0.4mm/sec
【0078】引張破断強度はトナーに加える流動化剤の
種類や流動化剤に用いる表面処理剤の種類、添加量やト
ナーへの混合付着条件等の製造条件によって調整するこ
とができる。引張破断強度を低下させるには、比表面積
の小さい流動化剤を使用する、流動化剤の添加量を増加
させる、混合条件を弱くする、混合後の風篩過程で超音
波振動篩等を用い、流動化剤の減少を防ぐと共に流動化
剤、トナー同士の凝集も防ぐ手法等が有効であり、これ
らの手法を組み合わせて前述した引張破断強度が得られ
るように調節する。
【0079】(イオン化ポテンシャル)本発明のイオン
化ポテンシャルは、大気中で光電子放出測定装置を用い
て求めた。測定条件は以下に示す。 (1)装置;理研計器製AC−1 (2)UV光源;1000nWのキセノンランプ光源 (3)入射光のエネルギー範囲;3.4eV〜6.2e
V (4)べき乗;1乗則 (5)トナーは、粉体約20mgを約10mm×10m
mのアルミ板上のせ、平らにならした後、装置にセット
して測定した。潜像担持体、中間転写体は、装置にセッ
トできる大きさ(10mm×10mm程度)に切り出
し、必要な場合、適度な導電性を持たせる程度に薄膜に
して測定した。 (6)仕事関数は装置付属のソフトウエアにより算出し
た。 上記と同様の原理法則によって求められるのであれば、
特に上記装置、条件で測定されたものでなくても良い。
【0080】(軟化点、流出開始温度)本発明のトナー
の軟化点は、軟化点測定装置(メトラー製、FP90)
を使用して、1℃/minの昇温速度で軟化温度、流出
開始温度を測定した。
【0081】(ガラス転移温度(Tg))本発明のトナ
ーのTgは、下記の示差走査型熱量計を用いて、下記条
件で測定した。 ・示差走査熱量計:SEIKO1DSC100 SEIKO1SSC5040(Disk Statio
n) ・測定条件: 温度範囲 : 25〜150℃ 昇温速度 : 10℃/min サンプリング時間: 0.5sec サンプル量 : 10mg
【0082】(分子量)GPC(ゲルパーミエーション
クロマトグラフィー)による数平均分子量(Mn)、重
量平均分子量(Mw)およびMpの測定は、以下のよう
に行った。試料80mgをTHF10mlに溶解して試
料液を調製し、5μmのフィルターで濾過して、この試
料液100μlをカラムに注入し、下記の条件で保持時
間の測定を行う。また、平均分子量既知のポリスチレン
を標準物質として用いて、保持時間を測定して、予め作
成しておいた検量線から試料の数平均分子量をポリスチ
レン換算で求めた。 ・カラム:ガードカラム+GLR400M+GLR40
0M+GLR400(全て日立製作所(株)製) ・カラム温度 : :40℃ ・移動相(流量): THF(1ml/min) ピーク検出法 : UV(254nm)
【0083】(針入度、耐熱保存性)トナーを10gず
つ計量し、20ccのガラス容器に入れ、50℃にセッ
トした恒温槽に5時間放置した後、針入度計で針入度を
測定した。
【0084】(静止摩擦係数)本発明の中間転写体の静
止擦係数は、以下のようにして求めることができる。本
実施形態においては、ポータブル靜摩擦計(新東科学製
HEIDON トライボギヤ ミューズ TYPE94
i200)を使用した。靜摩擦計は、感光体ベルト及び
中間転写体と靜摩擦計の平面圧子との接触を均一にする
ために、圧版をベルト内周側に挟みこんで使用される。
ここで、感光体ベルト及び中間転写体に代えて、それぞ
れドラム状のものを使用することもできる。この場合、
接触面積が多少減り、データのばらつきが若干増加する
が、平均化などで問題とはならない。
【0085】静止摩擦係数は、静止摩擦計の下部に設け
られた平面圧子とベルトの間に働く最大摩擦力を計測
し、垂直方向に方向に互いに押し合う力との比により得
ることができる。また、この平面圧子は、Φ40の金属
製プローブで約40gfと軽く、ベルト表面へ傷がつく
などの不具合を避けるものである。さらに、平面圧子と
ベルトの間に緩衝材を付けて測定する。本実施形態にお
いては、この緩衝材に薄地の布を用いたが、綿・麻など
の天然繊維、レーヨン・ポリプロピレンなどの合成樹脂
繊、金属繊維、不織布なども用いることができる。ま
た、適当な硬度の発泡体、適度な凹凸を持つ薄膜フィル
ムなども用いられる。
【0086】平面圧子とベルトとの間にこのような緩衝
材をつける理由は、中間転写体(又は感光体ベルト)は
表面粗さと素材自体の柔らかさによる変形がある。ま
た、トナーは粉体であるため、ベルト表面の凹凸に倣
い、凹部の下の方にも密着するものである。よって、実
際のベルトとトナーとの付着力として表わされるベルト
表面の静止摩擦係数は、このような凹凸面の凹部も含ん
だ測定値である必要がある。そこで、凹凸面に対しても
なじむことができ、かつ、相手部材を痛めない程度の柔
軟でほぐれやすい材質の緩衝材を用いて測定するように
する。これにより、ベルトに平均的な押圧をかけること
ができるので、精度の良い静止摩擦係数を得ることがで
きる。本実施形態にて用いた布の繊維束は、0.5mm
程度の太さであり、さらにその繊維は5〜30μm程度
となっているため、これを平面圧子とベルトの間につけ
て押圧すれば、繊維が適度に変形し、時には少しずつほ
ぐれてベルトに平均的な押圧をかけることができる。な
お、緩衝材に何を使うかは、対象表面の表面粗さや柔ら
かさに応じて選択すればよい。
【0087】ところで、上記静止摩擦計による測定以外
にも、特開平8−211757号で記載されているよう
な、勾配をかけて圧子の滑り落ち始める時の角度θを求
めてμ=tanθから求める方法もある。同公報では、
新東科学製HEIDON−14DRのASTM D−1
894で規定された平面圧子にポリエチレンテレフタレ
ート(PET)シートを巻き付け、測定対象物と上記平
面圧子間に200gfの垂直荷重をかけ水平方向に10
0mm/minの速度でサンプルシートを移動させたと
きのPETシートとサンプルシートのすべり抵抗を測定
している。しかし、圧子に使われるPETなどの伸展樹
脂材は、上述したようにトナーが中間転写体10の凹凸
に倣って変形しつつ付着するような状態を再現できず、
表面凸部のみで摩擦力を見るものである。また、このよ
うな計測器では、対象片を切り出してサンプルシートを
作成するため、半ば破壊検査となり、ランニング中に随
時測定するようなリアルタイムの評価ができない。よっ
て、ポータブル静止摩擦計が望ましい。しかし、上記装
置に限定されず、同様な原理に基づいて測定できる装置
であれば特に上記装置、条件で測定されたものでなくて
も良い。
【0088】(ワックスの分散平均粒径)本発明に関わ
るワックスの分散平均粒径は、トナーの超薄切片をTE
M(透過型電子顕微鏡)で観察することにより解析でき
る。必要によりTEM像をコンピュータに取り込み画像
処理ソフトウエアにより分散平均粒子径を求める。
【0089】(バインダー樹脂)本発明のトナーのバイ
ンダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリp−クロロス
チレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその
置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合
体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニル
トルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合
体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−
アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチ
ル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、
スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メ
タクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブ
チル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチ
ル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ス
チレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチ
レン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン
−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル
共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタク
リレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリオール樹脂、ポリウ
レタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアク
リル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪
族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化
パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独
あるいは混合して使用できる。特に、ポリエステル樹
脂、ポリオール樹脂がより好ましい。
【0090】より好ましくは、課題を解決するための手
段で述べたように、ポリオール樹脂あるいは少なくとも
主鎖にエポキシ樹脂部とポリオキシアルキレン部を有す
るポリオール樹脂を少なくとも含むことで、十分な耐圧
縮強度、引張破断強度、環境安定性、安定した定着特
性、コピー定着画像面の塩化ビニル系樹脂へのシートに
密着時のシートへのトナー画像の転移防止を図ることが
でき、特にカラートナーに使用した場合カラー再現性、
安定した光沢、コピー定着画像のカール防止等に効果を
もたらしより好ましい。さらに少なくともポリオール樹
脂部とポリエステル樹脂部を含むことで、耐圧縮強度と
ともに伸縮性と付着性のバランスのとれたトナーとな
り、さらに安定した転写性、現像性、定着特性が得られ
たより好ましい。
【0091】ここで、ポリエステル樹脂としては、各種
のタイプのものが使用できるが、特に、 2価のカルボン酸ならびにその低級アルキルエステル
及び酸無水物のいずれかから選ばれる少なくとも一種
と、 下記一般式(2)で示されるジオール成分と、
【化2】 (式中、R1及びR2は、同一でも異なっていてもよく、
炭素数2〜4のアルキレン基であり、またx、yは繰り
返し単位の数であり、各々1以上であって、x+y=2
〜16である。) 3価以上の多価カルボン酸ならびにその低級アルキル
エステル及び酸無水物、及び、3価以上の多価アルコー
ルのいずれかから選ばれる少なくとも一種、とを反応さ
せてなるポリエステル樹脂であることが好ましい。
【0092】ここで、の2価カルボン酸ならびにその
低級アルキルエステル及び酸無水物の一例としては、テ
レフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、イソデシルコ
ハク酸、マレイン酸、フマル酸及びこれらのモノメチ
ル、モノエチル、ジメチル及びジエチルエステル、及び
無水フタル酸、無水マレイン酸等があり、特にテレフタ
ル酸、イソフタル酸及びこれらのジメチルエステルが耐
ブロッキング性及びコストの点で好ましい。これらの2
価カルボン酸ならびにその低級アルキルエステル及び酸
無水物はトナーの定着性や耐ブロッキング性に大きく影
響する。すなわち、縮合度にもよるが、芳香族系のテレ
フタル酸、イソフタル酸等を多く用いると耐ブロッキン
グ性は向上するが、定着性が低下する。逆に、セバシン
酸、イソデシルコハク酸、マレイン酸、フマル酸等を多
く用いると定着性は向上するが、耐ブロッキング性が低
下する。従って、他のモノマー組成や比率、縮合度に合
わせてこれらの2価カルボン酸類が適宜選定され、単独
又は組合わせて使用される。
【0093】の前記一般式(I)で示されるジオール
成分の一例としては、ポリオキシプロピレン−(n)−
ポリオキシエチレン−(n′)−2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−
(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、ポリオキシエチレン−(n)−2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられるが、特
に、2.1≦n≦2.5であるポリオキシプロピレン−
(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン及び2.0≦n≦2.5であるポリオキシエチレン
−(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパンが好ましい。このようなジオール成分は、ガラス
転移温度を向上させ、反応を制御し易くするという利点
がある。なお、ジオール成分として、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、1,2−ブタンジオール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネ
オペンチルグリコール、プロピレングリコール等の脂肪
族ジオールを使用することも可能である。
【0094】の3価以上の多価カルボン酸ならびにそ
の低級アルキルエステル及び酸無水物の一例としては、
1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット
酸)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,
4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフ
トレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカ
ルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,
2,5−ヘキサトリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ
ル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テ
トラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−
オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸及びこ
れらのモノメチル、モノエチル、ジメチルおよびジエチ
ルエステル等が挙げられる。また、の3価以上の多価
アルコールの一例としては、ソルビトール、1,2,
3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペ
ンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペ
ンタエリスリトール、ショ糖、1,2,4−ブタントリ
オール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロー
ル、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、
2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチ
ロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−
トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
【0095】ここで、3価以上の多価単量体の配合割合
は、単量体組成物全体の1〜30モル%程度が適当であ
る。1モル%未満のときには、トナーの耐オフセット性
が低下し、また、耐久性も悪化しやすい。一方、30モ
ル%を超えるときには、トナーの定着性が悪化しやす
い。これらの3価以上の多価単量体のうち、特にベンゼ
ントリカルボン酸、これらの酸の無水物又はエステル等
のベンゼントリカルボン酸類が好ましい。すなわち、ベ
ンゼントリカルボン酸類を用いることにより、定着性と
耐オフセット性の両立を図ることができる。
【0096】また、これらのポリエステル樹脂やポリオ
ール樹脂は、高い架橋密度を持たせると、透明性や光沢
度が得られにくくなるため、好ましくは、非架橋もしく
は弱い架橋(THF不溶分が5%以下)であることが好
ましい。
【0097】これらの結着樹脂の製造法は、特に限定さ
れるものではなく、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸
濁重合等のいずれも用いることが出来る。
【0098】(外添剤)本発明のトナーは、必要に応じ
て外添剤を含有してもよい。外添剤としては無機微粒子
や疎水化処理無機微粒子が使用できるが、前述したよう
に疎水化処理された一次粒子の平均粒径が1〜100n
m、より好ましくは5nm〜70nmの無機微粒子を少
なくとも2種類以上含むことがより望ましい。この範囲
より小さいと、無機微粒子がトナー中に埋没し、その機
能が有効に発揮されにくい。またこの範囲より大きい
と、感光体表面を不均一に傷つけ好ましくない。またこ
こでの平均粒径は、数平均の粒子径である。さらに疎水
化処理された一次粒子の平均粒径が1〜20nmの無機
微粒子を少なくとも2種類以上含みかつ、30〜100
nmの無機微粒子を少なくとも1種類以上含むことがよ
り望ましい。それらは、条件を満たせば公知のものすべ
て使用可能である。例えば、シリカ微粒子、疎水性シリ
カ、脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ア
ルミニウムなど)、金属酸化物(チタニア、アルミナ、
酸化錫、酸化アンチモンなど)、フルオロポリマー等を
含有してもよい。
【0099】特に好適な添加剤としては、疎水化された
シリカ、チタニア、酸化チタン、アルミナ微粒子があげ
られる。シリカ微粒子としては、HDK H 200
0、HDK H 2000/4、HDK H 2050
EP、HVK21(以上、ヘキスト製)やR972、R
974、RX200、RY200、R202、R80
5、R812(以上、日本アエロジル製)がある。ま
た、チタニア微粒子としては、P−25(日本アエロジ
ル製)やSTT−30、STT−65C−S(以上、チ
タン工業製)、TAF−140(富士チタン工業製)、
MT−150W、MT−500B、MT−600B、M
T−150A(以上、テイカ製)などがある。特に疎水
化処理された酸化チタン微粒子としては、T−805
(日本アエロジル製)やSTT−30A、STT−65
S−S(以上、チタン工業製)、TAF−500T、T
AF−1500T(以上、富士チタン工業製)、MT−
100S、MT−100T(以上、テイカ製)、IT−
S(石原産業製)などがある。
【0100】疎水化処理されたシリカ微粒子及びチタニ
ア微粒子、アルミナ微粒子を得るためには、親水性の微
粒子をメチルトリメトキシシランやメチルトリエトキシ
シラン、オクチルトリメトキシシランなどのシランカッ
プリング剤で処理して得ることができる。
【0101】またシリコーンオイルを必要ならば熱を加
えて無機微粒子に処理した、シリコーンオイル処理無機
微粒子も好適である。シリコーンオイルとしては、例え
ばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコー
ンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハ
イドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコー
ンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル
変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイ
ル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコ
ーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオ
イル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル
変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイ
ル、アクリル、メタクリル変性シリコーンオイル、αメ
チルスチレン変性シリコーンオイル等が使用できる。無
機微粒子としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタ
ン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン
酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化
銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ
灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガ
ラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコ
ニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができ
る。その中でも特にシリカと二酸化チタンが好ましい。
【0102】外添剤の添加量はトナーに対し0.1から
5重量%、好ましくは0.3から3重量%を用いる事が
できる。
【0103】本発明に使用される無機微粒子の粒子径
は、動的光散乱を利用する粒径分布測定装置、例えば大
塚電子製のDLS−700やコールターエレクトロニク
ス社製のコールターN4により測定可能である。しかし
疎水化処理後の粒子の二次凝集を解離する事は困難であ
るため、走査型電子顕微鏡もしくは透過型電子顕微鏡に
より得られる写真より直接粒径を求めることが好まし
い。この場合少なくとも100個以上の無機微粒子を観
察しその長径の平均値を求める。
【0104】(着色剤)本発明のトナーの着色剤として
は公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボ
ンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフト−ルイエロ
ーS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュ
ウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、オ
イルイエロー、ハンザイエロー、(GR、A、RN、
R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー
(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バル
カンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレー
キ、キノリンイエローレーキ、アンスラゲンイエローB
GL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛
朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッ
ド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッ
ド、ファイヤーレッド、パラクロルオルトニトロアニリ
ンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリア
ントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンB
S、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、F
RLL、F4RH)、ファストスカレートVD、ベルカ
ンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リ
ソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリ
アントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボ
ルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルド
ーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボン
マルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレー
キ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザ
リンレーキ、チオインジゴレットB、チオインジゴマル
ーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロン
レッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、
ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、
セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコック
ブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロ
シアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカ
イブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、イン
ジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバ
イオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト
紫、マンガン紫、ジオキサジンバイオレット、アントラ
キノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリー
ン、酸化クロム、ピリジアンエメラルドグリーン、ピグ
メントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴ
ールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーン
レーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリ
ーン、酸化チタン、亜鉛華、リトポン及びそれらの混合
物等である。使用量は一般にバインダー樹脂100重量
部に対し0.1〜50重量部である。
【0105】(マスターバッチ顔料)本発明では、樹脂
と顔料との親和性を向上させる目的で、あらかじめ樹脂
と顔料を1:1程度で混合、混練りしたマスターバッチ
顔料を用いることもできる。より好ましくは低極性溶媒
可溶成分量の樹脂と顔料を有機溶剤を用いずに加熱混練
して製造することで、環境帯電安定性の優れたマスター
バッチ顔料とすることができる。さらに、乾燥粉体顔料
を用い、樹脂と濡らす方法として水を用いることでより
分散性をより向上できる。
【0106】一般的に着色剤として使用される有機顔料
は疎水性であるが、その製造工程においては水洗、乾燥
という工程をとっているため、ある程度の力を加えれば
顔料凝集体内部にまで水を染み込ませることが可能であ
る。この凝集体内部に水が染み込んだ顔料と樹脂を混合
したものを、開放型の混練機で、100℃以上の設定温
度で混練すると、凝集体内部の水は瞬時に沸点に達し、
体積膨張するため、凝集体内部から凝集体を解砕しよう
とする力が加わることになる。この凝集体内部からの力
は、外部から加える力に比べ非常に効率良く凝集体を解
砕することが可能である。さらにこの時、樹脂は軟化点
以上の温度に加熱されているため、粘度が低くなり、凝
集体を効率よく濡らすようになるのと同時に、凝集体内
部の沸点温度近い水といわゆるフラッシングに似た効果
で置換されることにより、1次粒子に近い状態で顔料が
分散したマスターバッチ顔料を得ることができる。さら
に、水が蒸発している過程においては、水の蒸発に伴う
気化熱を混練物から奪うため、混練物の温度は100℃
以下の比較的低温高粘度に保持されるため、剪断力が有
効に顔料凝集体に加えられるという効果も合せもつ。本
発明で用いるマスターバッチ顔料製造用の開放型混練機
としては通常の2本ロール、3本ロールの他、バンバリ
ーミキサーを開放型として使用する方法や、三井鉱山社
製連続式2本ロール混練機等を用いることができる。
【0107】(帯電制御剤)本発明の画像形成装置で用
いられるトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有して
もよい。帯電制御剤としては公知のものが全て使用で
き、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染
料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔
料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アン
モニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、
アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステン
の単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属
塩および、サリチル酸誘導体の金属塩等である。
【0108】具体的にはニグロシン系染料のボントロン
03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含
金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸
系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−8
4、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント
化学工業製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体の
TP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業
製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY
VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブル
ーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NE
G VP2036、コピーチャージ NX VP434
(以上、ヘキスト製)、LRA−901、ホウ素錯体で
あるLR−147(日本カーリット製)、銅フタロシア
ニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他ス
ルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の
官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
【0109】本発明において帯電制御剤の使用量は、バ
インダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の
有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定さ
れるもので、一義的に限定されるものではないが、好ま
しくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜
10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、2〜5重
量部の範囲がよい。10重量部を越える場合にはトナー
の帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、
現像ローラとの静止電的吸引力が増大し、現像剤の流動
性低下や、画像濃度の低下を招く。
【0110】(キャリア)また、本発明のトナーを2成
分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して
用いれば良く、現像剤中のキャリアとトナーの含有比
は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量
部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜2
00μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、
磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用でき
る。
【0111】また、キャリアの被覆材料としては、アミ
ノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミ
ン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミ
ド樹脂、エポキシ樹脂等があげられる。またポリビニル
およびポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポ
リメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹
脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、
ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂およびス
チレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポ
リ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチ
レンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレ
ート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系
樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗
化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポ
リヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとア
クリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニ
ルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリ
デンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロター
ポリマー、およびシリコーン樹脂等が使用できる。また
必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよ
い。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化
チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導
電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均
粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が
困難になる。
【0112】また、本発明のトナーはキャリアを使用し
ない1成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとして
も用いることができる。
【0113】(磁性材料)更に、本発明のトナーは、磁
性材料を含有させ、磁性トナーとしても使用し得る。磁
性トナーとする場合には、トナー粒子に磁性体の微粒子
を含有させれば良い。斯かる磁性体としては、フェライ
ト、マグネタイトをはじめとする鉄、ニッケル、コバル
トなどの強磁性を示す金属もしくは合金またはこれらの
元素を含む化合物、強磁性元素を含まないが適当な熱処
理を施すことによって強磁性を示すようになる合金、例
えばマンガン銅アルミニウム、マンガン−銅−錫、など
のマンガンと銅とを含むホイスラー合金と呼ばれる種頼
の合金、二酸化クロム、その他を挙げることができる。
磁性体は、平均粒径が0.1〜1μmの微粉末の形態で
均一に分散されて含有されることが好ましい。そして磁
性体の含有割合は、得られるトナーの100重量部に対
して、10〜70重量部であることが好ましく、特に2
0〜50重量部であることが好ましい。
【0114】(ワックス)トナーあるいは現像剤に定着
離型性を持たせる為に、トナーあるいは現像剤の中にワ
ックスを含有させることが好ましい。前記ワツクスは、
その融点が40〜120℃のものであり、特に50〜1
10℃のものであることが好ましい。ワックスの融点が
過大のときには低温での定着性が不足する場合があり、
一方融点が過小のときには耐オフセツト性、耐久性が低
下する場合がある。なお、ワックスの融点は、示差走査
熱量測定法(DSC)によって求めることができる。す
なわち、数mgの試料を一定の昇温速度、例えば(10
℃/min)で加熟したときの融解ピーク値を融点とす
る。
【0115】本発明に用いることができるワックスとし
ては、例えば固形のパラフィンワックス、マイクロワッ
クス、ライスワックス、脂肪酸アミド系ワックス、脂肪
酸系ワックス、死亡族モノケトン類、脂肪酸金属塩系ワ
ックス、脂肪酸エステル系ワックス、部分ケン化脂肪酸
エステル系ワックス、シリコーンワニス、高級アルコー
ル、カルナウバワックスなどを挙げることができる。ま
た低分子量ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレ
フィンなども用いることができる。特に、環球法による
軟化点が70〜150℃のポリオレフィン、エステルが
好ましく、さらには当該軟化点が120〜150℃のポ
リオレフィン、エステルが好ましい。
【0116】さらに好ましくは、酸価5以下の脱遊離脂
肪酸型カルナウバワックス、モンタン系エステルワック
ス、酸価10〜30の酸化ライスワックス及びサゾール
ワックスから選ばれた少なくとも一種のワックス類を含
有することが効果的であることが判明した。
【0117】脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスは、カ
ルナウバワックスを原料にして遊離脂肪酸を脱離したも
のであり、このため酸価が5以下となり、且つ従来のカ
ルナウバワックスより微結晶となり、結着樹脂中での分
散平均粒径が1μm以下となり、分散性が向上する。
【0118】モンタン系エステルワックスは鉱物より精
製されたものであり、カルナウバワックスと同様に微結
晶となり、結着樹脂中での分散平均粒径が1μm以下と
なり、分散性が向上する。モンタン系エステルワックス
の場合、酸価として特に5〜14であることが好まし
い。
【0119】また、酸化ラスイスワックスは、米ぬかワ
ックスを空気酸化したものである。酸価は10〜30で
あることが好ましく、10未満では定着下限温度が上昇
し低温定着性が不十分となり、30より大きいとコール
ドオフセット温度が上昇しやはり低温定着性が不十分と
なる。
【0120】サゾールワックスは、サゾール製サゾール
ワックスH1、H2、A1、A2、A3、A4、A6、
A7、A14、C1、C2、SPRAY30、SPRA
Y40等が使用できるが、中でもH1、H2、SPRA
Y30、SPRAY40が低温定着、保存安定性にすぐ
れ好ましい。
【0121】また、上記ワックスは単独で用いても組み
合わせて用いても良く、結着樹脂100重量部に対して
0〜20重量部、好ましくは0〜10重量部含有させる
ことで、前記に示した良好な結果が得られる。
【0122】(クリーニング性向上剤)感光体や一次転
写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリ
ーニング性向上剤をトナー中に含有あるいはトナー表面
に添加あるいは、現像剤中に含有あるいは表面に添加す
ることがより好ましい。クリーニング性向上剤として
は、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチル
メタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソー
プフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微
粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較
的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μm
のものが好ましい。クリーニング性向上剤の含有量は結
着樹脂100重量部に対して0〜5重量部が好ましく、
特に0〜1重量部であることがより好ましい。
【0123】(トナー製造方法)本発明の製造方法は、
少なくともバインダー樹脂、帯電制御剤および顔料を含
むトナー成分を機械的に混合する工程と、溶融混練する
工程と、粉砕する工程と、分級する工程とを有するトナ
ーの製造方法が適用できる。また機械的に混合する工程
や溶融混練する工程において、粉砕または分級する工程
で得られる製品となる粒子以外の粉末を戻して再利用す
る製造方法も含まれる。
【0124】ここで言う製品となる粒子以外の粉末(副
製品)とは溶融混練する工程後、粉砕工程で得られる所
望の粒径の製品となる成分以外の微粒子や粗粒子や引き
続いて行われる分級工程で発生する所望の粒径の製品と
なる成分以外の微粒子や粗粒子を意味する。このような
副製品を混合工程や溶融混練する工程で原料と好ましく
は副製品1に対しその他原材料99から副製品50に対
し、その他原材料50の重量比率で混合するのが好まし
い。
【0125】少なくともバインダー樹脂、帯電制御剤お
よび顔料、副製品を含む現像剤成分を機械的に混合する
混合工程は、回転させる羽による通常の混合機などを用
いて通常の条件で行えばよく、特に制限はない。
【0126】以上の混合工程が終了したら、次いで混合
物を混練機に仕込んで溶融混練する。溶融混練機として
は、一軸、二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッ
チ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所
製のKTK型2軸押出機、東芝機械製のTEM型押出
機、ケイ・シー・ケイ製の2軸押出機、池貝鉄工所製の
PCM型2軸押出機、ブス製コニーダー等が好適に用い
られる。
【0127】この溶融混練は、バインダー樹脂の分子鎖
の切断しないような適正な条件で行うことが重要であ
る。具体的には、溶融混練温度は、バインダー剤樹脂の
軟化点を参考に行うべきであり、軟化点より低温過ぎる
と切断が激しく、高温過ぎると分散が進まない。またト
ナー中の揮発性成分量を制御する場合、溶融混練温度と
時間、雰囲気は、その時の残留揮発性成分量をモニター
しながら最適条件を設定することがより好ましい。
【0128】以上の溶融混練工程が終了したら、次いで
混練物を粉砕する。この粉砕工程においては、まず粗粉
砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェッ
ト気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、機械的に回
転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する
方式が好ましく用いられる。
【0129】この粉砕工程が終了した後に、粉砕物を遠
心力などで気流中で分級し、もって所定の粒径例えば体
積平均粒径が5〜20μmのトナー(母体粒子)を製造
する。トナーの体積平均粒径は2〜8μmであること
が、画像品質、製造コスト、外添剤との被覆率等からよ
り好ましい。体積平均粒径は例えば、COULTERT
A−II(COULTER ELECTRONICS,I
NC製)等を用いて測定できる。
【0130】また、トナーを調製する際には、トナーの
流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、以上
のようにして製造されたトナーにさらに先に挙げた疎水
性シリカ微粉末等の無機微粒子を添加混合してもよい。
外添剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャ
ケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ま
しい。外添剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中ま
たは漸次外添剤を加えていけばよい。もちろん混合機の
回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよ
い。はじめに強い負荷を、次に比較的弱い負荷を与えて
も良いし、その逆でも良い。使用できる混合設備の例と
しては、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲ
ミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなど
が挙げられる。また、その他の製造法として、重合法、
カプセル法等を用いることも可能である。これらの製造
法の概略を以下に述べる。
【0131】(重合法) 重合性モノマー、必要に応じて重合開始剤、着色剤
等を水性分散媒中で造粒する。 造粒されたモノマー組成物粒子を適当な粒子径に分
級する。 上記分級により得た規定内粒径のモノマー組成物粒
子を重合させる。 適当な処理をして分散剤を取り除いた後、上記によ
り得た重合生成物をろ過、水洗、乾燥して母体粒子を得
る。 (カプセル法) 樹脂、必要に応じて着色剤等を混練機等で混練し、
溶融状態のトナー芯材を得る。 トナー芯材を水中に入れて強く撹拌し、微粒子状の
芯材を作成する。 シェル材溶液中に上記芯材微粒子を入れ、撹拌しな
がら、貧溶媒を滴下し、芯材表面をシェル材で覆うこと
によりカプセル化する。 上記により得たカプセルをろ過後、乾燥して母体粒
子を得る。
【0132】(潜像担持体)本発明の画像形成装置に搭
載される潜像担持体(感光体)の導電性支持体として
は、特に限定されない。体積抵抗が1010Ωcm以下の
導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、チタン、ニ
ッケル、クロム、ニクロム、ハステロイ、パラジウム、
マグネシウム、亜鉛、銅、金、白金などの金属、及び合
金、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモンなどの金
属酸化物を、蒸着またはスパッタリングまたは樹脂バイ
ンダー中に分散して塗工することにより、フィルム上も
しくは円筒状のプラスチック、紙などに被覆したもの、
前記の金属または金属酸化物または導電性カーボンをフ
ィルム状もしくは円筒状のプラスチック中に分散含有さ
せたもの或はアルミニウム、アルミニウム合金、鉄、ニ
ッケル合金、ステンレス合金、チタン合金等の板、及び
それらをD.I.、I.I.、押出し、引き抜き等の工
法で素管化後、切削、超仕上げ、研磨等で表面処理した
管等を使用することができる。
【0133】電荷発生層は、電荷発生物質のみか、電荷
発生物質を分散ないし相溶した樹脂層よりなる。
【0134】電荷発生物質としては、特に限定されな
い。例えば、シーアイピグメントブルー25〔カラーイ
ンデックス(CI)21180〕、シーアイピグメント
レッド41(CI21200)、シーアイアシッドレッ
ド52(CI45100)、シーアイベーシックレッド
3(CI45210)、さらに、ポリフィリン骨格を有
するフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スク
アリック塩顔料、アンスアンサンスロン系顔料、カルバ
ゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−95033
号公報に記載)、スチルベン骨格を有するアゾ顔料(特
開昭53−138229号公報に記載)、トリフェニル
アミン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−13254
7号公報に記載)、ジベンゾチオフェン骨格を有するア
ゾ顔料(特開昭54−21728号公報に記載)、オキ
サジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−12
742号公報に記載)、フルオレノン骨格を有するアゾ
顔料(特開昭54−22834号公報に記載)、ビスス
チルベン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−1773
3号公報に記載)、ジスチリルオキサジアゾール骨格を
有するアゾ顔料(特開昭54−2129号公報に記
載)、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料
(特開昭54−17734号公報に記載)、カルバゾー
ル骨格を有するトリアゾ顔料(特開昭57−19576
7号公報、同57−195768号公報に記載)等、さ
らに、シーアイピグメントブルー16(CI7410
0)等のフタロシアニン系顔料、シーアイバットブラウ
ン5(CI73410)、シーアイバットダイ(CI7
3030)等のインジゴ系顔料、アルゴスカーレットB
(バイオレット社製)、インダスレンスカーレットR
(バイエル社製)等のペリレン系顔料等の有機顔料を使
用することができる。
【0135】好ましくは金属または無金属フタロシアニ
ン化合物(更に好ましくはチタニルフタロシアニン、ヒ
ドロキシカリウムフタロシアニンであり、Cu−Kα線
に対するブラッグ角2θの27.2°に最大ピークを有
するチタニルフタロシアニンが最も好ましい)、または
アンスアンスロン化合物等を用いるのが好ましい。また
これらは必要に応じて二種以上混合して用いてもよい。
【0136】電荷発生層の膜厚は、0.05〜2μm程
度が適当であり、好ましくは0.1〜1μmである。
【0137】電荷発生層は溶剤に樹脂バインダーと共
に、電荷発生物質を分散ないし相溶し、これを基体上に
もしくは下引き層上に、塗布・乾燥することによって形
成される。
【0138】このような樹脂バインダーとしては、ポリ
スチン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ア
クリルニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共
重合体、ポリエステル、ポリアリレート、ポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリレート、ポリカー
ボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹
脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポ
リビニルホルマール、フェノキシ樹脂、ポリビニルピリ
ジン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、
シリコン樹脂、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブタ
ジエンゴム、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹
脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂等の、熱可塑性また
は熱硬化性樹脂、また高分子有機半導体、例えばポリ−
N−ビニルカルバゾール等が挙げられが、これらに限定
されない。これらのバインダー樹脂は単独または混合し
て用いられる。電荷発生物質とバインダー材料の使用割
合は、重量比で100:0〜100:50が好ましい。
【0139】溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、塩化メチレン、ジクロルベンゼン、モノクロルベ
ンゼン、ジクロルベンゼン、エチルアルコール、メチル
アルコール、ブチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、ジ
オキサン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、メチ
ルセロソルブ、エチルセロソルブなどがあげられるが、
これらに限定されない。これら溶剤も単独または混合し
て用いることができる。
【0140】また本発明においては、電荷ブロッキング
性を向上させるために感光層と基板の間に下引き層を設
けることが好ましい。このような下引き層は、一般には
樹脂を主成分とする。このような樹脂としては、ポリビ
ニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム
等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナ
イロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラ
ミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網
目構造を形成する硬化型樹脂やシランカップリング剤や
有機キレート化合物等よりなるセラミック系などが挙げ
られが、これらに限定されない。
【0141】下引き層の上には感光層が設けられる。感
光層は、単層構造でも積層構造でもよいが、好ましくは
電荷発生層と電荷移動層とを持つ、いわゆる機能分離型
の積層構造を有するものがより好ましい。
【0142】電荷移動層は、電荷移動物質(CTM)と
バインダー樹脂あるいは、電荷輸送機能をもつバインダ
ー樹脂で構成される。バインダー成分として用いること
のできる高分子化合物としては、例えば、ポリスチレ
ン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/
ブタジエン共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合
体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸
ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート、酢酸セル
ロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラ
ール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ア
クリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹
脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ア
ルキド樹脂などの熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。これらの高分
子化合物は単独または2種以上の混合物として、また、
電荷輸送物質と共重合化して用いることができる。
【0143】電荷移動層は、電荷移動物質(CTM)と
粘度平均分子量が3万以上6万以下のポリカーボネート
樹脂(R)で構成され、かつその組成比(CTM/R
比)が重量比で5/10以上10/10以下であること
が特に好ましい。ポリカーボネート樹脂は各種骨格を含
むものが知られているが、それら公知のポリカーボネー
ト樹脂すべてを使用できる。例えば、下記(化3)の一
般式(1)、一般式(2)、一般式(3)及び一般式
(4)で示される構造単位を主要繰返し単位として有す
る重合体又は共重合体から選ばれる少なくとも一種を含
有するポリカーボネート樹脂
【化3】 〔(一般式(1)のR1〜R8はそれぞれ水素原子、ハロ
ゲン原子、低級アルキル基又はアリール基を、R9、R
10は水素原子、低級アルキル基、又はアリール基を表わ
す。但しR1〜R8のうち少なくとも1つがハロゲン原
子、低級アルキル基又はアリール基であるか、もしく
は、R9、R10のうち少なくとも1つが炭素数3以上の
低級アルキル基又はアリール基である。)、更に一般式
(2)、一般式(3)及び一般式(4)の中のR1
2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ水
素原子、ハロゲン原子又は低級アルキル基、R9
10、R11及びR1 2は、水素原子、低級アルキル基又は
アリール基を表す。Zは炭素環又は複素環を形成するに
必要な原子群、A1は−C(R13)(R14)−、−Si
(R15)(R16)−、−S−、−SO2−、−CO−、
−O−又は−(CH2)n−(但し、nは2以上の整
数、R13及びR14は互いに結合して炭素環又は複素環を
形成し、R15及びR16はそれぞれ置換、無置換のアルキ
ル基又はアリール基、l及びmはl(l+m)=0.1
〜0.9を表す。)〕等が挙げられるがこれらに限定さ
れない。
【0144】CTMとしては、例えばカルバゾール誘導
体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チ
アゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール
誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イ
ミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチ
リル化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン誘導体、オ
キサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾ
リン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、
フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリ
ールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチル
ベン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリ−N−ビニルカル
バゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニル
アントラセン等が挙げられるがこれらに限定されるわけ
ではない。
【0145】これらは単独でも、二種以上の混合で用い
てもよい。電荷移動層の膜厚は、10〜35μmである
ことが好ましい。
【0146】また、電荷輸送物質としてはヒドラゾン化
合物、ピラゾリン化合物、スチリル化合物、トリフェニ
ルメタン化合物、オキサジアゾール化合物、カルバゾー
ル化合物、スチルベン化合物、エナミン化合物、オキサ
ゾール化合物、トリフェニルアミン化合物、テトラフェ
ニルベンジジン化合物、アジン化合物等の様々な化合物
であって、電荷輸送物質自体のイオン化ポテンシャル
が、高いものを選択することが好ましい。しかし、ブタ
ジエン系化合物あるいはピラゾリン系化合物が相対的に
低いイオン化ポテンシャルを有する傾向にあるが、イオ
ン化ポテンシャルは、置換基にも影響を受けるので、置
換基の種類も考慮に入れて、電荷輸送物質を選択する必
要がある。置換基としては、ニトロ基またはハロゲン原
子等の電子受容性基が、イオン化ポテンシャルを大きく
する傾向にある。
【0147】また繰り返し使用した際の疲労劣化を少な
くするために、あるいは耐久性を向上させるために、感
光体の各層いずれにでも、従来公知のヒンダードアミン
やヒンダードフェノール類に代表される酸化防止剤、紫
外線吸収剤、電子受容性物質、表面改質剤、可塑剤等、
環境依存性低減剤などを、必要に応じて適正量添加して
用いることができる。特に電荷輸送層に添加する添加剤
としては、酸化防止剤の添加がイオン化ポテンシャルの
調整に有効であり、酸化防止剤を添加することにより、
イオン化ポテシャルを高くすることが可能となる。
【0148】また、必要に応じて感光層以外に保護層等
を設けてもよい。電荷輸送層はその上に後述のフィラー
補強電荷輸送層を設けない場合、電荷輸送層の表面部位
には、耐摩耗性を向上する目的でフィラー材料を添加す
ることが好ましい。有機性フィラー材料としては、ポリ
テトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリ
コ−ン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げられ、無機
性フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、イ
ンジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、
酸化チタン、アルミナ、酸化インジウム、酸化アンチモ
ン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドー
プした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属
酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニ
ウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素な
どの無機材料が挙げられる。
【0149】これらのフィラーの中で、フィラーの硬度
の点から無機材料を用いることが耐摩耗性の向上に対し
有利である。特に、シリカ、酸化チタン、アルミナが有
効に使用できる。また、これらのフィラー材料は単独も
しくは2種類以上を混合して用いられる。これらのフィ
ラーは塗工液および塗工膜中の分散性向上を目的とし
て、表面処理剤によるフィラー表面の改質が施されても
よい。
【0150】これらのフィラー材料は、電荷輸送物質や
結着樹脂、溶媒等とともに適当な分散機を用いることに
より分散できる。また、フィラーの一次粒径の平均は、
0.01〜0.8μmであることが電荷輸送層の透過率
や耐摩耗性の点から好ましい。また、これらのフィラー
を電荷輸送層全体に含有させることも可能であるが、露
光部電位が高くなるような場合があるため、電荷輸送層
の最表面側が最もフィラー濃度が高く、支持体側が低く
なるようにフィラー濃度傾斜を設けたり、電荷輸送層を
複数層にして、支持体側から表面側に向かい、フィラー
濃度を順次高くしたりするような構成にすることが好ま
しい。電荷輸送層の表面側に含有される無機フィラー層
の膜厚(表面からの深さ)は0.5μm以上であること
が好ましく、より好ましくは2μm以上が好ましい。
【0151】フィラー補強電荷輸送層を電荷輸送層の表
面に設ける場合、電荷輸送層は、電荷輸送成分とバイン
ダ−成分を主成分とする混合物ないし共重合体を適当な
溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することに
より形成出来る。電荷輸送層の膜厚は、10〜100μ
m程度が適当であり、解像力が要求される場合、10〜
30μm程度が適当である。この場合の電荷輸送層に用
いることのできるバインダー成分は、例えば、前述の熱
可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの高分子
化合物は単独または2種以上の混合物として、また、電
荷輸送物質と共重合化して用いることができる。
【0152】層形成には塗布方法が最も一般的であり、
塗布液の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプ
レーコーティング法、ブレードコーティング法、スピン
ナーコーティング法、ビードコーティング法、カーテン
コーティング法及び円型量規制型コーティング法等を用
いることができる。
【0153】次に、フィラー補強電荷輸送層について説
明する。本発明におけるフィラー補強電荷輸送層とは、
少なくとも電荷輸送成分とバインダー樹脂成分とフィラ
ーが含まれ、電荷輸送性と機械的耐性を併せ持つ機能層
を指す。フィラー補強電荷輸送層は、従来型の電荷輸送
層に匹敵する高い電荷移動度を示す特徴を有し、これは
表面保護層と区別される。また、フィラー補強電荷輸送
層は、積層型感光体における電荷輸送層を2層以上に機
能分離した表面層として用いられる。すなわち、この層
はフィラーの含まれない電荷輸送層との積層で用いら
れ、単独で用いられる事が無い。このため、フィラーが
添加剤として電荷輸送層中に分散された場合の電荷輸送
層の単一層と区別される。
【0154】フィラー補強電荷輸送層に用いられるフィ
ラー材料としては、電荷輸送層の説明に挙げたように、
無機材料、特にシリカ、酸化チタン、アルミナが有効に
使用できる。また、これらのフィラー材料は単独もしく
は2種類以上を混合して用いられる。これらのフィラー
は塗工液および塗工膜中の分散性向上を目的として、前
述と同様、表面処理剤によるフィラー表面の改質が施さ
れてもよい。これらのフィラー材料は、電荷輸送物質や
結着樹脂、溶媒等とともに適当な分散機を用いることに
より分散できる。また、フィラーの一次粒径の平均は、
0.01〜0.8μmであることが電荷輸送層の透過率
や耐摩耗性の点から好ましい。塗工方法としては浸漬
法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ
法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷
法等が採用される。フィラー補強電荷輸送層の膜厚は
0.5μm以上であることが好まく、より好ましくは2
μm以上が好ましい。
【0155】(中間転写体)本発明における転写システ
ムの中間転写体の1実施形態について説明する。図1は
本実施形態に係る複写機の概略構成図である。潜像担持
体としての感光体ドラム(以下、感光体という)40の
回りには、帯電装置としての帯電ローラ60、露光装置
21、クリーニングブレードを有するクリーニング装置
19、除電装置としての除電ランプ64、現像装置1、
一次転写手段としての中間転写体10とが配設されてい
る。該中間転写体10は、複数の支持体ローラ14、1
5、16によって懸架され、図示しないモータ等の駆動
手段により矢印方向に無端状に走行するように構成され
ている。この支持体ローラの一部は、中間転写体10へ
転写バイアスを供給する転写バイアスローラとしての役
目を兼ねており、図示しない電源から所定の転写バイア
ス電圧が印加される。また、中間転写体10のクリーニ
ングブレードを有するクリーニング装置17も配設され
ている。また、中間転写体10に対向し、最終転写材と
しての転写紙sにトナー像を転写するための二次転写手
段として転写ローラ22が配設され、転写ローラ22は
図示しない電源装置により転写バイアスを供給される。
そして、上記中間転写体10の周りには、電荷付与手段
としてのコロナ帯電器2が設けられている。
【0156】現像装置1は、現像剤担持体としての現像
ベルト3と、現像ベルト3の回りに併設した黒(以下、
Bkという)現像ユニット4K、イエロー(以下、Yと
いう)現像ユニット4Y、マゼンタ(以下、マゼンタと
いう)現像ユニット4M、シアン(以下、Cという)現
像ユニット4Cとから構成されている。また、該現像ベ
ルト3は、複数のベルトローラに張り渡され、図示しな
いモータ等の駆動手段により矢印方向に無端状に走行す
るように構成され、上記感光体40との接触部では感光
体40とほぼ同速で移動する。
【0157】各現像ユニットの構成は共通であるので、
以下の説明はBk現像ユニット4Bkについてのみ行な
い、他の現像ユニット4Y、4M、4Cについては、図
中でBk現像ユニット4Bkにおけるものと対応する部
分に、該ユニットにおけるものに付した番号の後にY、
M、Cを付すに止め説明は省略する。現像ユニット4B
kは、現像剤を収容する現像タンク5Bkと、下部を該
現像タンク5Bk内の現像剤に一部が埋まるように配設
された汲み上げローラ6Bkと、汲み上げローラ6Bk
から汲み上げられた現像剤を薄層化して現像ベルト3に
塗布する塗布ローラ7Bkとから構成されている。塗布
ローラ7Bkは、導電性を有しており、図示しない電源
から所定のバイアスが印加される。
【0158】なお、本実施形態に係る複写機の装置構成
としては、図1に示すような装置構成以外にも、図2に
示すような、各色の現像ユニット4を感光体40の回り
に併設した装置構成であっても良い。
【0159】次に、本実施形態に係る複写機の動作につ
いて説明する。図1において、感光体40を矢印方向に
回転駆動しながら帯電ローラ60により一様帯電した
後、露光装置21により図示しない光学系で原稿からの
反射光を結像投影して感光体40上に静電潜像を形成す
る。この静電潜像は、現像装置1により現像され、顕像
としてのトナー像が形成される。現像ベルト3上の現像
剤薄層は、現像領域において感光体40との接触により
薄層の状態で該ベルト3から剥離し、感光体40上の潜
像の形成されている部分に移行する。この現像装置1に
より現像されたトナー像は、感光体40と等速移動して
いる中間転写体10との当接部(一次転写領域)にて中
間転写体10の表面に転写される(一次転写)。3色あ
るいは4色を重ね合わせる転写を行う場合は、この行程
を各色ごとに繰り返し、中間転写体10にカラー画像を
形成する。
【0160】上記中間転写体上の重ね合せトナー像に電
荷を付与するためのコロナ帯電器2を、中間転写体10
の回転方向において、感光体40と中間転写体10との
接触対向部の下流側で、かつ中間転写体10と転写紙s
との接触対向部の上流側の位置に設置する。そして、こ
のコロナ帯電器2が、該トナー像に対して、該トナー像
を形成するトナー粒子の帯電極性と同極性の電荷を付与
し、転写紙sへ良好な転写がなされるに十分な電荷をト
ナー像に与える。上記トナー像は、コロナ帯電器2によ
りに帯電された後、転写ローラ22からの転写バイアス
により、図示しない給紙部から矢印方向に搬送された転
写紙s上に一括転写される(二次転写)。この後、トナ
ー像が転写された転写紙sは、図示しない分離装置によ
り中間転写体10から分離され、図示しない定着装置で
定着処理がなされた後に装置から排紙される。一方、転
写後の感光体40は、クリーニング装置19によって未
転写トナーが回収除去され、次の帯電に備えて除電ラン
プ64により残留電荷が除電される。
【0161】該中間転写体の静止摩擦係数は前述したよ
うに、好ましくは0.1〜0.6、より好ましくは0.
3〜0.5である。該中間転写体の体積抵抗は数Ωcm
以上103Ωcm以下であることが好ましい。体積抵抗
を数Ωcm以上103Ωcm以下とすることにより、中
間転写体自身の帯電を防ぐとともに、電荷付与手段によ
り付与された電荷が該中間転写体上に残留しにくくなる
ので、二次転写時の転写ムラを防止できる。また、二次
転写時の転写バイアス印加を容易にできる。
【0162】中間転写体の材質は特に制限されず、公知
の材料が全て使用できる。その一例を以下に示す。
(1)ヤング率(引張弾性率)の高い材料を単層ベルト
として用いたものであり、PC(ポリカーボネイト)、
PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PAT(ポリアル
キレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネイト)/
PAT(ポリアルキレンテレフタレート)のブレンド材
料、ETFE(エチレンテトラフロロエチレン共重合
体)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレン
ド材料、カーボンブラック分散の熱硬化性ポリイミドな
ど。これらヤング率の高い単層ベルトは画像形成時の応
力に対する変形量が少なく、特にカラー画像形成時にレ
ジズレを生じにくいとの利点を有している。(2)上記
のヤング率の高いベルトを基層とし、その外周上に表面
層または中間層を付与した2〜3層構成のベルトであ
り、これら2〜3層構成のベルトは単層ベルトの硬さに
起因し発生するライン画像の中抜けを防止しうる性能を
有している。(3)ゴムおよびエラストマーを用いたヤ
ング率の比較的低いベルトであり、これらのベルトは、
その柔らかさによりライン画像の中抜けが殆ど生じない
利点を有している。また、ベルトの幅を駆動ロールおよ
び張架ロールより大きくし、ロールより突出したベルト
耳部の弾力性を利用して蛇行を防止するので、リブや蛇
行防止装置を必要とせず低コストを実現できる。
【0163】中間転写ベルトは、従来から弗素系樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等が使用されて
きていたが、近年ベルトの全層や、ベルトの一部を弾性
部材にした弾性ベルトが使用されてきている。樹脂ベル
トを用いたカラー画像の転写は以下の課題がある。
【0164】カラー画像は通常4色の着色トナーで形成
される。1枚のカラー画像には、1層から4層までのト
ナー層が形成されている。トナー層は1次転写(感光体
から中間転写ベルトへの転写)や、2次転写(中間転写
ベルトから紙等の転写材への転写)を通過することで圧
力を受け、トナー同士の凝集力が高くなる。トナー同士
の凝集力が高くなると文字の中抜けやベタ部画像のエッ
ジ抜けの現象が発生しやすくなる。樹脂ベルトは硬度が
高くトナー層に応じて変形しないため、トナー層を圧縮
させやすく文字の中抜け現象が発生しやすくなる。
【0165】また、最近はフルカラー画像を様々な用
紙、例えば和紙や意図的に凹凸を付けや用紙に画像を形
成したいという要求が高くなってきている。しかし、平
滑性の悪い用紙は転写時にトナーと空隙が発生しやす
く、転写抜けが発生しやすくなる。密着性を高めるため
に2次転写部の転写圧を高めると、トナー層の凝縮力を
高めることになり、上述したような文字の中抜けを発生
させることになる。
【0166】弾性ベルトは次の狙いで使用される。弾性
ベルトは、転写部でトナー層、平滑性の悪い用紙に対応
して変形する。つまり、局部的な凹凸に追従して弾性ベ
ルトは変形するため、過度にトナー層に対して転写圧を
高めることなく、良好な密着性が得られ文字の中抜けの
無い、平面性の悪い用紙に対しても均一性の優れた転写
画像を得ることが出来る。
【0167】弾性ベルトの樹脂は、ポリカーボネート、
フッ素系樹脂(ETFE、PVDF)、ポリスチレン、
クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチ
レン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重
合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレ
イン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合
体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−
アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチ
ル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及
びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレ
ン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタク
リル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル
共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体
等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル
共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン
置換体を含む単重合体または共重合体)、メタクリル酸
メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチ
ル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シ
リコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリ
ル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹
脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステ
ルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹
脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、
エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂
及びポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、変性
ポリフェニレンオキサイド樹脂等からなる群より選ばれ
る1種類あるいは2種類以上を使用することができる。
ただし、上記材料に限定されるものではないことは当然
である。
【0168】弾性材ゴム、エラストマーとしては、ブチ
ルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDM、NB
R、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム天然
ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブ
タジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−
プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロス
ルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタン
ゴム、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エ
ピクロロヒドリン系ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴ
ム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリ
ルゴム、熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン
系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタ
ン系、ポリアミド系、ポリウレア、ポリエステル系、フ
ッ素樹脂系)等からなる群より選ばれる1種類あるいは
2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料
に限定されるものではないことは当然である。
【0169】抵抗値調節用導電剤に特に制限はないが、
例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウ
ムやニッケル等の金属粉末、酸化錫、酸化チタン、酸化
アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化
アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)、酸化インジ
ウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化
物、導電性金属酸化物は、硫酸バリウム、ケイ酸マグネ
シウム、炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したも
のでもよい。上記導電剤に限定されるものではないこと
は当然である。
【0170】表層材料、表層は弾性材料による感光体へ
の汚染防止と、転写ベルト表面への表面摩擦抵抗を低減
させてトナーの付着力を小さくしてクリーニング性、2
次転写性を高めるものが要求される。たとえばポリウレ
タン、ポリエステル、エポキシ樹脂等の1種類あるいは
2種類以上を使用し表面エネルギーを小さくし潤滑性を
高める材料、たとえばフッ素樹脂、フッ素化合物、フッ
化炭素、2酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体、
粒子を1種類あるいは2種類以上または粒径を異ならし
たものを分散させ使用することができるまたフッ素系ゴ
ム材料のように熱処理を行うことで表面にフッ素リッチ
な層を形成させ表面エネルギーを小さくさせたものを使
用することもできる。
【0171】中間転写ベルトの製造方法は限定されるも
のではなく、例えば回転する円筒形の型に材料を流し込
みベルトを形成する遠心成型法、液体塗料を噴霧し膜を
形成させるスプレイ塗工法、円筒形の型を材料の溶液の
中に浸けて引き上げるディッピング法、内型、外型の中
に注入する注型法、円筒形の型にコンパウンドを巻き付
け、加硫研磨を行う方法、等があるが、これに限定され
るものではなく、複数の製法を組み合わせてベルトを製
造することが一般的である。
【0172】弾性ベルトトして伸びを防止する方法とし
て、伸びの少ない芯体樹脂層にゴム層を形成する方法、
芯体層に伸びを防止する材料を入れる方法等があるが、
特に製法に関わるものではない。伸びを防止する芯体層
を構成する材料は、例えば、綿、絹、などの天然繊維、
ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリ
オレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化
ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊
維、ポリアセタール繊維、ポリフロロエチレン繊維、フ
ェノール繊維などの合成繊維、炭素繊維、ガラス繊維、
ボロン繊維などの無機繊維、鉄繊維、銅繊維などの金属
繊維からなる群より選ばれる1種あるいは2種以上を用
い織布状あるいは糸状のものができる。もちろん上記材
料に限定されるものではない。
【0173】糸は1本または複数のフィラメントを撚っ
たもの、片撚糸、諸撚糸、双糸等、どのような撚り方で
あってもよい。また、例えば上記材料群から選択された
材質の繊維を混紡してもよい。もちろん糸に適当な導電
処理を施して使用することもできる。一方織布は、メリ
ヤス織り等どのような織り方の織布でも使用可能であ
り、もちろん交織した織布も使用可能であり当然導電処
理を施すこともできる。
【0174】芯体層を設ける製造方法は特に限定される
ものではない、例えば筒状に織った織布を金型等に被
せ、その上に被覆層を設ける方法、筒状に織った織布を
液状ゴム等に浸漬して芯体層の片面あるいは両面に被覆
層を設ける方法、糸を金型等に任意のピッチで螺旋状に
巻き付け、その上に被覆層を設ける方法等を挙げること
ができる。弾性層の厚さは、弾性層の硬度にもよるが、
厚すぎると表面の伸縮が大きくなり表層に亀裂の発生し
やすくなる。また、伸縮量が大きくなることから画像に
伸びちじみが大きくなること等から厚すぎることは好ま
しくない(およそ0.05〜1mm)。
【0175】弾性層の硬度の適正範囲は10≦HS≦6
5゜(JIS−A)である。ベルトの層厚によって最適
硬度の調整は必要となる。硬度10゜(JIS−A)よ
り下のものは寸法精度良く成形する事が非常に困難であ
る。これは成型時に収縮・膨張を受け易い事に起因す
る。また柔らかくする場合には基材へオイル成分を含有
させる事が一般的な方法であるが、加圧状態で連続作動
させるとオイル成分が滲みだして来るという欠点を有し
ている。これにより中間転写体表面に接触する感光体を
汚染し横帯状ムラを発生させる事が分かった。
【0176】一般的に離型性向上のために表層を設けて
いるが、完全に浸みだし防止効果を与えるためには表層
は耐久品質等要求品質の高いものになり、材料の選定、
特性等の確保が困難になってくる。これに対して硬度6
5゜(JIS−A)以上のものは硬度が上がった分精度
良く成形できるのと、オイル含有量を含まない、または
少なく抑えることが可能となるので、感光体に対する汚
染性は低減可能であるが、文字の中抜け等転写性改善の
効果が得られなくなり、ローラへの張架が困難となる。
【0177】中間転写体のイオン化ポテンシャルはその
メイン樹脂に依存するところも大きいが、感光体の場合
と同様、ヒンダードアミンやヒンダードフェノール類に
代表される酸化防止剤の添加がイオン化ポテンシャルの
調整に有効であり、酸化防止剤を添加することにより、
イオン化ポテシャルを高くすることも可能となる。
【0178】(タンデム型カラー画像形成装置)本発明
のタンデム型カラー画像形成装置の実施形態について説
明する。タンデム型の電子写真装置には、図3に示すよ
うに、各感光体40上の画像を転写装置62により、シ
ート搬送ベルト11で搬送するシートsに順次転写する
直接転写方式のものと、図4に示すように、各感光体4
0上の画像を1次転写装置62によりいったん中間転写
体10に順次転写して後、その中間転写体10上の画像
を2次転写装置22によりシートsに一括転写する間接
転写方式のものとがある。転写装置5は転写搬送ベルト
であるが、ローラ形状も方式もある。
【0179】直接転写方式のものと、間接転写方式のも
のとを比較すると、前者は、感光体40を並べたタンデ
ム型画像形成装置Tの上流側に給紙装置47を、下流側
に定着装置7を配置しなければならず、シート搬送方向
に大型化する欠点がある。これに対し、後者は、2次転
写位置を比較的自由に設置することができる。また、給
紙装置47、および定着装置25をタンデム型画像形成
装置Tと重ねて配置することができ、小型化が可能とな
る利点がある。
【0180】また、前者は、シート搬送方向に大型化し
ないためには、定着装置25をタンデム型画像形成装置
Tに接近して配置することとなる。そのため、シートs
がたわむことができる十分な余裕をもって定着装置25
を配置することができず、シートsの先端が定着装置2
5に進入するときの衝撃(特に厚いシートで顕著とな
る)や、定着装置25を通過するときのシート搬送速度
と、転写搬送ベルトによるシート搬送速度との速度差に
より、定着装置25が上流側の画像形成に影響を及ぼし
やすい欠点がある。これに対し、後者は、シートsがた
わむことができる十分な余裕をもって定着装置25を配
置することができるから、定着装置25がほとんど画像
形成に影響を及ぼさないようにすることができる。
【0181】以上のようなことから、最近は、タンデム
型電子写真装置の中の、特に間接転写方式のものが注目
されてきている。そして、この種のカラー電子写真装置
では、図4に示すように、1次転写後に感光体40上に
残留する転写残トナーを、感光体クリーニング装置19
で除去して感光体40表面をクリーニングし、再度の画
像形成に備えていた。また、2次転写後に中間転写体1
0上に残留する転写残トナーを、中間転写体クリーニン
グ装置17で除去して中間転写体10表面をクリーニン
グし、再度の画像形成に備えていた。
【0182】さらに、図面を参照しつつ、この発明の実
施の形態につき説明する。図5は、この発明の一実施の
形態を示すもので、タンデム型間接転写方式の電子写真
装置である。図中符号100は複写装置本体、200は
それを載せる給紙テーブル、300は複写装置本体10
0上に取り付けるスキャナ、400はさらにその上に取
り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。複写装置
本体100には、中央に、無端ベルト状の中間転写体1
0を設ける。そして、図5に示すとおり、図示例では3
つの支持ローラ14・15・16に掛け回して図中時計
回りに回転搬送可能とする。この図示例では、3つのな
かで第2の支持ローラ15の左に、画像転写後に中間転
写体10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体
クリーニング装置17を設ける。また、3つのなかで第
1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15間に張り渡
した中間転写体10上には、その搬送方向に沿って、イ
エロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成
手段18を横に並べて配置してタンデム画像形成装置2
0を構成する。
【0183】そのタンデム画像形成装置20の上には、
図5に示すように、さらに露光装置21を設ける。一
方、中間転写体10を挟んでタンデム画像形成装置20
と反対の側には、2次転写装置22を備える。2次転写
装置22は、図示例では、2つのローラ23間に、無端
ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡して構成し、
中間転写体10を介して第3の支持ローラ16に押し当
てて配置し、中間転写体10上の画像をシートに転写す
る。2次転写装置22の横には、シート上の転写画像を
定着する定着装置25を設ける。定着装置25は、無端
ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当
てて構成する。
【0184】上述した2次転写装置22には、画像転写
後のシートをこの定着装置25へと搬送するシート搬送
機能も備えてなる。もちろん、2次転写装置22とし
て、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよ
く、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備
えることは難しくなる。なお、図示例では、このような
2次転写装置22および定着装置25の下に、上述した
タンデム画像形成装置20と平行に、シートの両面に画
像を記録すべくシートを反転するシート反転装置28を
備える。
【0185】さて、いまこのカラー電子写真装置を用い
てコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原稿
台30上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装
置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス3
2上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じ
てそれで押さえる。そして、不図示のスタートスイッチ
を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした
ときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移
動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセット
したときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第1走行
体33および第2走行体34を走行する。そして、第1
走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面から
の反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2
走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して
読取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
【0186】また、不図示のスタートスイッチを押す
と、不図示の駆動モータで支持ローラ14・15・16
の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転
し、中間転写体10を回転搬送する。同時に、個々の画
像形成手段18でその感光体40を回転して各感光体4
0上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シア
ンの単色画像を形成する。そして、中間転写体10の搬
送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写
体10上に合成カラー画像を形成する。
【0187】一方、不図示のスタートスイッチを押す
と、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択
回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセッ
ト44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で
1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で
搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジ
ストローラ49に突き当てて止める。または、給紙ロー
ラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出
し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路5
3に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止め
る。
【0188】そして、中間転写体10上の合成カラー画
像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転
し、中間転写体10と2次転写装置22との間にシート
を送り込み、2次転写装置22で転写してシート上にカ
ラー画像を記録する。
【0189】画像転写後のシートは、2次転写装置22
で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で
熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪55
で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57
上にスタックする。または、切換爪55で切り換えてシ
ート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置
へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56
で排紙トレイ57上に排出する。
【0190】一方、画像転写後の中間転写体10は、中
間転写体クリーニング装置17で、画像転写後に中間転
写体10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画
像形成装置20による再度の画像形成に備える。ここ
で、レジストローラ49は一般的には接地されて使用さ
れることが多いが、シートの紙粉除去のためにバイアス
を印加することも可能である。
【0191】さて、上述したタンデム画像形成装置20
において、個々の画像形成手段18は、詳しくは、例え
ば図6に示すように、ドラム状の感光体40のまわり
に、帯電装置60、現像装置61、1次転写装置62、
感光体クリーニング装置63、除電装置64などを備え
てなる。
【0192】図示を省略するが、少なくとも感光体40
を設け、画像形成手段18を構成する部分の全部または
一部でプロセスカートリッジを形成し、複写機本体10
0に対して一括して着脱自在としてメンテナンス性を向
上するようにしてもよい。
【0193】画像形成手段18を構成する部分のうち、
帯電装置60は、図示例ではローラ状につくり、感光体
40に接触して電圧を印加することによりその感光体4
0の帯電を行う。勿論、非接触のスコロトロンチャージ
ャで帯電を行うことも出来る。
【0194】現像装置61は、一成分現像剤を使用して
もよいが、図示例では、磁性キャリアと非磁性トナーと
よりなる二成分現像剤を使用する。そして、その二成分
現像剤を攪拌しながら搬送して現像スリーブ65に二成
分現像剤を供給付着させる攪拌部66と、その現像スリ
ーブ65に付着した二成分現像剤のうちのトナーを感光
体40に転移する現像部67とで構成し、その現像部6
7より攪拌部66を低い位置とする。
【0195】攪拌部66には、平行な2本のスクリュ6
8を設ける。2本のスクリュ68の間は、両端部を除い
て仕切り板69で仕切る(図13参照)。また、現像ケ
ース70にトナー濃度センサ71を取り付ける。
【0196】一方、現像部67には、現像ケース70の
開口を通して感光体40と対向して現像スリーブ65を
設けるとともに、その現像スリーブ65内にマグネット
72を固定して設ける。また、その現像スリーブ65に
先端を接近してドクタブレード73を設ける。
【0197】そして、2成分現像剤を2本のスクリュ6
8で攪拌しながら搬送循環し、現像スリーブ65に供給
する。現像スリーブ65に供給された現像剤は、マグネ
ット72により汲み上げて保持され、現像スリーブ65
上に磁気ブラシを形成する。磁気ブラシは、現像スリー
ブ65の回転とともに、ドクタブレード73によって適
正な量に穂切りされる。切り落とされた現像剤は、攪拌
部66に戻される。
【0198】他方、現像スリーブ65上の現像剤のうち
トナーは、現像スリーブ65に印加する現像バイアス電
圧により感光体40に転移してその感光体40上の静電
潜像を可視像化する。可視像化後、現像スリーブ65上
に残った現像剤は、マグネット72の磁力がないところ
で現像スリーブ65から離れて攪拌部66に戻る。この
繰り返しにより、攪拌部66内のトナー濃度が薄くなる
と、それをトナー濃度センサ71で検知して攪拌部66
にトナーが補給される。
【0199】次に、1次転写装置62は、ローラ状と
し、中間転写体10を挟んで感光体40に押し当てて設
ける。別に、ローラ状に限らず、導電性のブラシ形状、
非接触のコロナチャージャなどであってもよい。
【0200】感光体クリーニング装置63は、先端を感
光体40に押し当てて、例えばポリウレタンゴム製のク
リーニングブレード75を備える。クリーニング性を高
めるために外周を感光体40に接触ブラシを併用する。
本説明図では外周を感光体40に接触導電性のファーブ
ラシ76を矢印方向に回転自在に備える。また、ファー
ブラシ76にバイアスを印加する金属製電界ローラ77
を矢示方向に回転自在に備え、その電界ローラ77にス
クレーパ78の先端を押し当てる。さらに、除去したト
ナーを回収する回収スクリュ79を設ける。
【0201】そして、感光体40に対してカウンタ方向
に回転するファーブラシ76で、感光体40上の残留ト
ナーを除去する。ファーブラシ76に付着したトナー
は、ファーブラシ76に対してカウンタ方向に接触して
回転するバイアスを印加された電界ローラ77に取り除
かれる。電界ローラ77に付着されたトナーは、スクレ
ーパ78でクリーニングされる。感光体クリーニング装
置63で回収したトナーは、回収スクリュ79で感光体
クリーニング装置63の片側に寄せ、詳しくは後述する
トナーリサイクル装置80で現像装置61へと戻して再
利用する。
【0202】除電装置64は、例えばランプであり、光
を照射して感光体40の表面電位を初期化する。そし
て、感光体40の回転とともに、まず帯電装置60で感
光体40の表面を一様に帯電し、次いでスキャナ300
の読取り内容に応じて上述した露光装置21からレーザ
やLED等による書込み光Lを照射して感光体40上に
静電潜像を形成する。その後、現像装置61によりトナ
ーが付着され静電潜像を可視像化し、その可視像を1次
転写装置62で中間転写体10上に転写する。画像転写
後の感光体40の表面は、感光体クリーニング装置63
で残留トナーを除去して清掃し、除電装置64で除電し
て再度の画像形成に備える。
【0203】図4は、図5に示すカラー複写機の要部拡
大図である。同図においては、タンデム画像形成装置2
0の各画像形成手段18、その画像形成手段18の各感
光体40、各現像装置61、各感光体クリーニング装置
63、および各画像形成手段18の感光体40にそれぞ
れ対向して設ける各1次転写装置62の各符号の後に、
それぞれブラックの場合はBKを、イエローの場合はY
を、マゼンタの場合はMを、シアンの場合はCを付して
示す。
【0204】なお、図4中符号74は、図5および図6
では図示省略するが、各1次転写装置62間において、
中間転写体10のベース層側に接触して設ける導電性ロ
ーラである。この導電性ローラ74は、転写時に各1次
転写装置62により印加するバイアスが、中抵抗のベー
ス層を介して隣接する各画像形成手段18に流れ込むこ
とを阻止するものである。
【0205】現像スリーブ65は、非磁性の回転可能な
スリーブ状の形状を持ち、内部には複数のマグネット7
2を配設している。マグネット72は、固定されている
ために現像剤が所定の場所を通過するときに磁力を作用
させられるようになっている。図示例では、現像スリー
ブ65の直径をφ18とし、表面はサンドブラストまた
は1〜数mmの深さを有する複数の溝を形成する処理を
行いRZが10〜30μmの範囲に入るように形成され
ている。マグネット72は、例えば、ドクタブレード7
3の箇所から現像スリーブ65の回転方向にN1、S1
2、S2、S3の5磁極を有する。現像剤は、マグネッ
ト72により磁気ブラシを形成され、現像スリーブ65
上に担持される。現像スリーブ65は、現像剤の磁気ブ
ラシを形成した、マグネット72のS1側の領域に、感
光体40に対向して配設されている。
【0206】ところで、図示例では、図4に示すよう
に、クリーニング装置17に、クリーニング部材として
2つのファーブラシ90・91を設ける。それぞれのフ
ァーブラシ90・91には、不図示の電源から各々異な
る極性のバイアスを印加する。そのようなファーブラシ
90・91には、それぞれ金属ローラ92・93を接触
して順または逆方向に回転するように設ける。そして、
この例では、中間転写体10の回転方向上流側の金属ロ
ーラ92に電源94から(−)電圧を印加し、下流側の
金属ローラ93に電源95から(+)電圧を印加する。
それらの金属ローラ92・93には、それぞれブレード
96・97の先端を押し当てる。
【0207】そして、中間転写体10の矢示方向への回
転とともに、はじめ上流側のファーブラシ90を用いて
例えば(−)のバイアスを印加して中間転写体10表面
のクリーニングを行う。仮に、金属ローラ92に−70
0V印加すると、ファーブラシ90は−400Vとな
り、中間転写体10上の(+)トナーをファーブラシ9
0側に転移する。除去したトナーをさらに電位差により
ファーブラシ90から金属ローラ92に転移し、ブレー
ド96により掻き落とす。
【0208】さて、ファーブラシ90で中間転写体10
上のトナーを除去するが、中間転写体10上にはまだ多
くのトナーが残っている。それらのトナーは、ファーブ
ラシ90に印加される(−)のバイアスにより、(−)
に帯電される。これは、電荷注入または放電により帯電
されるものと考えられる。しかし、次いで下流側のファ
ーブラシ91を用いて今度は(+)のバイアスを印加し
てクリーニングを行うことにより、それらのトナーを除
去することができる。除去したトナーは、電位差により
ファーブラシ91から金属ローラ93に転移し、ブレー
ド97により掻き落とす。ブレード96・97で掻き落
としたトナーは、不図示のタンクに回収する。
【0209】画像を形成する色の順番は、限定されるも
のではなく、画像形成装置の持つ狙いや特性によって異
なってくる。
【0210】上記のような画像形成装置は、複写機、フ
ァクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていて
もよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に
組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光
体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写
手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1つの装置
(部品)である。プロセスカートリッジの形状等は多く
挙げられるが、一般的な例として、図7に示すものが挙
げられる。感光体941は、導電性支持体上に本発明に
て製造された電子写真感光体を有してなるものである。
以上に示す本発明による画像形成装置を用いることで、
良好な画像を提供できる。
【0211】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明に
ついて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例
のみに限定されるものではない。また、以下の例おい
て、部および%は、特に断りのない限り重量基準であ
る。用いた潜像担持体、中間転写体、評価機、および得
られた特性および評価結果は表1に示した。実施例にお
いて評価は以下のように行った。
【0212】(評価機)評価で用いる画像は以下の評価
機A、B、Cいずれかを用いて評価した。
【0213】(評価機A)4色の非磁性2成分系の現像
部と4色用の感光体を有するタンデム方式のリコー社製
フルカラーレーザープリンター IPSiO Colo
r 8000を改良して、中間転写体上に一次転写し、
該トナー像を転写材に二次転写する、中間転写方式に変
更した評価機Aを用いて評価した。印字速度は高速印字
(20枚〜50枚/min/A4まで変化)で評価し
た。
【0214】(評価機B)4色の現像部が2成分系現像
剤を1つのドラム状感光体に各色現像し、中間転写体に
順次転写し、転写材に4色を一括転写する方式のリコー
社製フルカラーレーザー複写機 IMAGIO Col
or 2800を改造した評価機Bを用いて評価した。
【0215】(評価機C)4色の現像部が非磁性一成分
系現像剤を1つのベルト感光体に各色順次現像し、中間
転写体に順次転写し、転写材に4色を一括転写する方式
のリコー社製フルカラーレーザープリンター IPSi
O Color 5000を改造した評価機Cを用いて
評価した。
【0216】(評価項目) 1)引張破断強度 10kg/cm2圧縮時の引張破断強度を示した。4色
トナーの場合その平均値を示した。
【0217】2)イオン化ポテンシャル 前記記載の条件で測定したイオン化ポテンシャルを評価
した。4色トナーの場合その平均値を示した。
【0218】3)トナー飛散性 単色モードで50%画像面積の画像チャートを20,0
00枚ランニング出力した後、現像部から飛散したトナ
ー量を現像ユニットをオープンにして目視で判断した。
×、△、○、◎の順にランクが良くなる。
【0219】4)文字画像内部の中抜け 単色モードで50%画像面積の画像チャートを20,0
00枚ランニング出力した後、文字部画像をリコー社製
タイプDXのOHPシートに4色重ねて出力させ、文字
部の線画像内部が抜けるトナー未転写頻度を段階見本と
比較した。×、△、○、◎の順にランクが良くなる。
【0220】5)トナー転写率 単色モードで7%画像面積の画像チャートを100,0
00枚ランニング出力した後、投入したトナー量と廃ト
ナー量の関係から転写率を算出した。 転写率(%)=100×(投入トナー量−廃トナー量)
/(投入トナー量) 転写率90%以上を◎、90%未満75%以上を○、7
5%未満60%以上を△、60%未満を×とした。
【0221】6)トナー補給性 90%画像面積の画像チャートと5%画像チャートを5
000枚ごとに交互に出力して、その時のトナーの補給
性を調べた。×、△、○、◎の順にトナー補給性が良く
なる。
【0222】7)転写チリ 単色モードで50%画像面積の画像チャートを20,0
00枚ランニング出力した後、10mm×10mmのベ
タ画像を4色重ねてリコー社製タイプ6000ペーパー
に出力させ、転写チリ度合いを段階見本と比較した。
×、△、○、◎の順にランクが良くなる。
【0223】8)細線再現性 単色モードで50%画像面積の画像チャートを20,0
00枚ランニング出力した後、600dpiの細線画像
をリコー社製タイプ6000ペーパーに出力させ、細線
のにじみ度合いを段階見本と比較した。×、△、○、◎
の順にランクが良くなる。これを4色重ねて行った。
【0224】9)地肌汚れ 単色モードで50%画像面積の画像チャートを20,0
00枚ランニング出力した後、白紙画像を現像中に停止
させ、現像後の感光体上の現像剤をテープ転写し、未転
写のテープの画像濃度との差を938スペクトロデンシ
トメーター(X−Rite社製)により測定。画像濃度
の差が少ない方が地肌汚れは良く、×、△、○、◎の順
にランクが良くなる。
【0225】10)画像濃度 ベタ画像をリコー社製6000ペーパーに画像出力後、
画像濃度をX−Rite(X−Rite社製)により測
定。これを4色単独に行い平均を求めた。この値が、
1.2未満の場合は×、1.2以上1.4未満の場合は
△、1.4以上1.8未満の場合は○、1.8以上2.
2未満の場合は◎とした。
【0226】11)耐熱保存性 各色トナーを10gずつ計量し、20ccのガラス容器
に入れ、100回程度ガラス瓶をタッピングした後、5
0℃にセットした恒温槽に24時間放置した後、針入度
計で針入度を測定した。良好なものから、◎:20mm
以上、○:15mm以上20mm未満、△:10mm以
上〜15mm未満、×:10mm未満、とした。
【0227】12)透明性 リコー社製タイプDXのOHPシート上に、それぞれ単
色で画像濃度;1.0mg/cm2、定着温度;150
℃の条件で定着し、スガ試験機社製の直続ヘーズコンピ
ューターHGM−2DP型により測定。透明性の良好な
順に◎、○、△、×とした。
【0228】13)色の鮮やかさ、色再現性 色の鮮やかさ、色再現性は、リコー社製6000ペーパ
ーに出力した画像を視覚的に評価した。良好な順に◎、
○、△、×とした。
【0229】14)光沢 リコー社製6000ペーパーに出力した画像を、光沢度
計(VG−1D)(日本電色社製)を用い、投光角度、
受光角度をそれぞれ60°に合わせ、S、S/10切り
替えSWはSに合わせ、0調製および標準板を用いた標
準設定の後、測定した。光沢度が良好なものから、◎:
15以上、○:6以上15未満、△:3以上〜6未満、
×:3未満、とした。
【0230】15)高温高湿環境帯電安定性 温度40℃、湿度90%の環境において、単色モードで
7%画像面積の画像チャートを50,000枚ランニン
グ出力する間に、1000枚ごとに現像剤を一部サンプ
リングしてブローオフ法により帯電量を測定して、帯電
安定性を評価した。帯電低下が少なく良好な順に◎、
○、△、×とした。
【0231】16)低温低湿環境帯電安定性 温度10℃、湿度15%の環境において、単色モードで
7%画像面積の画像チャートを50,000枚ランニン
グ出力する間に、1000枚ごとに現像剤を一部サンプ
リングしてブローオフ法により帯電量を測定して、帯電
安定性を評価した。帯電低下が少なく良好な順に◎、
○、△、×とした。
【0232】17)定着性 トナーの定着下限温度、定着上限温度が定着温度領域内
で十分あり、ホットオフセット、コールドオフセットが
発生せず、紙づまり等、搬送トラブルも発生しにくい、
定着の良好な順に◎、○、△、×として総合的な定着性
を評価した。Wax入りトナーについてはオイルレス定
着機で、Waxを含まないトナーについてはオイル塗布
した定着機で試験した。
【0233】(2成分現像剤評価)2成分系現像剤で画
像評価する場合は、以下のように、シリコーン樹脂によ
り0.3μmの平均厚さでコーティングされた平均粒径
50μmのフェライトキャリアを用い、キャリア100
重量部に対し各色トナー5重量部を容器が転動して攪拌
される型式のターブラーミキサーを用いて均一混合し帯
電させて、現像剤を作成した。
【0234】 (キャリアの製造) ・芯材 Cu−Znフェライト粒子(重量平均径:45μm) 5000重量部 ・コート材 トルエン 450重量部 シリコーン樹脂SR2400(東レ・ダウコーニング・シリコーン製、 不揮発分50%) 450重量部 アミノシランSH6020 (東レ・ダウコーニング・シリコーン製) 10重量部 カーボンブラック 10重量部 上記コート材を10分間スターラーで分散してコート液
を調整し、このコート液と芯材を流動床内に回転式底板
ディスクと攪拌羽根を設けた旋回流を形成させながらコ
ートを行うコーティング装置に投入して、当該コート液
を芯材上に塗布した。得られた塗布物を電気炉で250
℃、2時間焼成し上記キャリアを得た。
【0235】(潜像担持体Aの製造)φ30mmアルミ
ニウムドラム上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷
発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布乾燥
することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの
電荷発生層、28μmの電荷輸送層を形成した。その上
に下記の無機フィラー塗工液をジルコニアビーズを用い
てペイントシェーカーで2時間粉砕(塊砕)して塗工液
とした。この液をスプレーで塗工して1.5μmのフィ
ラー補強電荷輸送層を設け本発明の潜像担持体を得た。
【0236】 〔下引き層用塗工液〕 アルキッド樹脂(ベッコゾール 1307−60−EL、 大日本インキ化学工業製) 6重量部 メラミン樹脂(スーパーベッカミン G−821−60、 大日本インキ化学工業製) 4重量部 酸化チタン(CR−EL 石原産業社製) 40重量部 メチルエチルケトン 200重量部
【0237】 〔電荷発生層用塗工液〕 オキソチタニウムフタロシアニン顔料 2重量部 ポリビニルブチラール(UCC:XYHL) 0.2重量部 テトラヒドロフラン 50重量部
【0238】 〔電荷輸送層用塗工液〕 ポリカーボネート樹脂(Zポリカ、粘度平均分子量;5万、 帝人化成社製) 12重量部 下記構造の低分子電荷輸送物質 10重量部
【化4】 テトラヒドロフラン 100重量部 1%シリコーンオイル(KF50−100CS 信越化学工業社製)テトラヒドロフラン溶液 1重量部
【0239】 〔フィラー補強電荷輸送層用塗工液〕 ポリカーボネート樹脂(Zポリカ、粘度平均分子量;5万、 帝人化成社製) 4重量部 下記構造の低分子電荷輸送物質 3重量部
【化5】 α−アルミナ(スミコランダムAA−03、 住友化学工業社製) 0.7重量部 シクロヘキサノン 280重量部 テトラヒドロフラン 80重量部 潜像担持体のイオン化ポテンシャルは、表1に示す値に
なるように、特に電荷輸送層、およびフィラー補強電荷
輸送層の製造条件(塗工条件、乾燥条件)は調整した。
【0240】(潜像担持体Bの製造)上記潜像担持体A
において、フィラー補強電荷輸送層を設けない潜像担持
体Bを製造した。
【0241】(潜像担持体Cの製造)上記潜像担持体A
において、電荷輸送層およびフィラー補強電荷輸送層に
用いるポリカーボネート樹脂の分子量を7万にした以外
は潜像担持体Aと同様にして潜像担持体Bを製造した。
【0242】(潜像担持体Dの製造)上記潜像担持体A
において、電荷輸送層およびフィラー補強電荷輸送層に
用いるポリカーボネート樹脂の分子量を2万にした以外
は潜像担持体Aと同様にして潜像担持体Bを製造した。
【0243】(潜像担持体Eの製造)上記潜像担持体A
において、電荷移動物質(CTM)とポリカーボネート
樹脂(R)の組成比(CTM/R比)を重量比で4/1
0にした以外は潜像担持体Aと同様にして潜像担持体B
を製造した。
【0244】(潜像担持体Fの製造)上記潜像担持体A
において、電荷移動物質(CTM)とポリカーボネート
樹脂(R)の組成比(CTM/R比)を重量比で11/
10した以外は潜像担持体Aと同様にして潜像担持体B
を製造した。
【0245】(中間転写体Aの製造)PVDF100重
量部に対してカーボンブラック18重量部分散剤3重量
部トルエン400重量部を均一に分散させた分散液に円
筒形の型を浸け10mm/secで静かに引き上げ室温
にて乾燥をさせ75μmのPVDFの均一な膜を形成し
た.75μmの膜が形成されている型を繰り返し上記条
件で溶液に円筒形の型を浸け10mm/secで静かに
引き上げ室温乾燥させ150μmのPVDFベルトを形
成した。これに、ポリウレタンプレポリマー100重量
部、硬化剤(イソシアネート)3重量部、カーボンブラ
ック20重量部、分散剤3重量部、MEK500重量部
を均一分散させた分散液に上記150μmPVDFが形
成されている円筒形型を浸け30mm/secで引き上
げを行い自然乾燥を行った。乾燥後繰り返しを行い狙い
の150μmのウレタンポリマー層を形成させた。さら
に表層用にポリウレタンプレポリマー100重量部、硬
化剤(イソシアネート)3重量部、PTFE微粉末粉体
50重量部、分散剤4重量部、MEK500重量部を均
一分散させた。上記150μmのウレタンプレポリマー
が形成されている円筒形型を浸け30mm/secで引
き上げを行い自然乾燥を行った。乾燥後繰り返しを行い
5μmのPTFEが均一に分散されたウレタンポリマー
の表層を形成させた。室温で乾燥後130℃、2時間の
架橋を行い樹脂層;150μm、弾性層;150μm、
表層;5μmの3層構成転写ベルトを得た。該中間転写
体は硬度40°(JIS−A)、静止摩擦係数0.3で
あった。
【0246】(中間転写体Bの製造)中間転写体Aにお
いて表層の架橋温度を110℃、2時間架橋を行った以
外は、中間転写体Aと同様にして中間転写体Bを製造し
た。該中間転写体は硬度9°(JIS−A)、静止摩擦
係数0.7であった。
【0247】(中間転写体Cの製造)中間転写体Aにお
いて、弾性層の膜厚を50μm、表層の架橋温度を14
0℃、3時間架橋を行った以外は、中間転写体Aと同様
にして中間転写体Bを製造した。該中間転写体は硬度6
8°(JIS−A)、静止摩擦係数0.08であった。
【0248】(実施例1) (ポリオール樹脂1)撹拌装置、温度計、N2導入口、
冷却管付セパラブルフラスコに、低分子ビスフェノール
A型エポキシ樹脂(数平均分子量:約360)378.
4g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均
分子量:約2700)86.0g、ビスフェノールA型
プロピレンオキサイド付加体のジグリシジル化物〔前記
一般式(1)においてn+m:約2.1〕191.0
g、ビスフェノールF274.5g、p−クミルフェノ
ール70.1g、キシレン200gを加えた。N2雰囲
気下で70〜100℃まで昇温し、塩化リチウムを0.
183g加え、更に160℃まで昇温し減圧下で水を加
え、水とキシレンをバブリングさせることで水、キシレ
ン、他揮発性成分、極性溶媒可溶成分を除去し、180
℃の反応温度で6〜9時間重合させて、Mn;380
0、Mw/Mn;3.9、Mp;5000、軟化点10
9℃、Tg58℃、エポキシ当量30000以上のポリ
オール樹脂1000gを得た(以下ポリオール樹脂1と
いう)。重合反応ではモノマー成分が残留しないよう
に、反応条件を制御した。主鎖のポリオキシアルキレン
部については、NMRにて確認した。
【0249】 (トナーの製造) ブラックトナー: 水 1000重量部 フタロシアニングリーン含水ケーキ(固形分30%) 200重量部 カーボンブラック(MA60 三菱化学社製) 540重量部 ポリオール樹脂1 1200重量部 上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集
体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面
温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練
を行ない、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、マスター
バッチ顔料を得た。 ポリオール樹脂1 100重量部 上記マスターバッチ 8重量部 帯電制御剤(オリエント化学社製 ボントロンE−84) 2重量部 上記材料をミキサーで混合後、2本ロールミルで3回以
上溶融混練し、混練物を圧延冷却した。その後ジェット
ミルによる衝突板方式の粉砕機(I式ミル;日本ニュー
マチック工業社製)と旋回流による風力分級(DS分級
機;日本ニューマチック工業社製)を行い、体積平均粒
径6.5μmのブラック色の着色粒子を得た。さらに、
一次粒子径10nmの疎水性シリカ(HDK H200
0、クラリアントジャパン)を1.0wt%、一次粒子
径15nmの酸化チタン(MT−150A、テイカ)を
0.5wt%添加し、ヘンシェルミキサーで混合、目開
き50μmの篩を通過させ凝集物を取り除く事によりブ
ラックトナー1を得た。外添剤混合条件(回転数、混合
時間、混合回数、混合時の温度、回転羽根の形状)を最
適化することで、表1に示す引張破断強度を得ることが
できた。イオン化ポテンシャルは、樹脂、帯電制御剤、
顔料の種類、量にも依存するが、混練条件にも依存する
ため、表1に示す値になるように混練条件(混錬時間、
回数、温度等)は調整した。
【0250】 イエロートナー: 水 600重量部 Pigment Yellow 17 含水ケーキ(固形分50%) 1200重量部 ポリオール樹脂1 1200重量部 上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集
体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面
温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練
を行ない、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、マスター
バッチ顔料を得た。 ポリオール樹脂1 100重量部 上記マスターバッチ 8重量部 帯電制御剤(オリエント化学社製 ボントロンE−84) 2重量部 上記材料をミキサーで混合後、2本ロールミルで3回以
上溶融混練し、混練物を圧延冷却した。その後、ブラッ
ク色の着色粒子製造例と同様に粉砕分級を行い、体積平
均粒径6.5μmのイエロー色の着色粒子を得た。さら
に、一次粒子径10nmの疎水性シリカ(HDK H2
000、クラリアントジャパン)を1.0wt%、一次
粒子径15nmの酸化チタン(MT−150A、テイ
カ)を0.5wt%添加し、ヘンシェルミキサーで混
合、目開き50μmの篩を通過させ凝集物を取り除く事
によりイエロートナー1を得た。外添剤混合条件(回転
数、混合時間、混合回数、混合時の温度、回転羽根の形
状)を最適化することで、表1に示す引張破断強度を得
ることができた。イオン化ポテンシャルは、樹脂、帯電
制御剤、顔料の種類、量にも依存するが、混練条件にも
依存するため、表1に示す値になるように混練条件(混
錬時間、回数、温度等)は調整した。
【0251】 マゼンタトナー: 水 600重量部 Pigment Red 57 含水ケーキ(固形分50%) 1200重量部 ポリオール樹脂1 1200重量部 上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集
体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面
温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練
を行ない、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、マスター
バッチ顔料を得た。 ポリオール樹脂1 100重量部 上記マスターバッチ 8重量部 帯電制御剤(オリエント化学社製 ボントロンE−84) 2重量部 上記材料をミキサーで混合後、2本ロールミルで3回以
上溶融混練し、混練物を圧延冷却した。その後、ブラッ
ク色の着色粒子製造例と同様に粉砕分級を行い、体積平
均粒径6.5μmのマゼンタ色の着色粒子を得た。さら
に、一次粒子径10nmの疎水性シリカ(HDK H2
000、クラリアントジャパン)を1.0wt%、一次
粒子径15nmの酸化チタン(MT−150A、テイ
カ)を0.5wt%添加し、ヘンシェルミキサーで混
合、目開き50μmの篩を通過させ凝集物を取り除く事
によりマゼンタトナー1を得た。外添剤混合条件(回転
数、混合時間、混合回数、混合時の温度、回転羽根の形
状)を最適化することで、表1に示す引張破断強度を得
ることができた。イオン化ポテンシャルは、樹脂、帯電
制御剤、顔料の種類、量にも依存するが、混練条件にも
依存するため、表1に示す値になるように混練条件(混
錬時間、回数、温度等)は調整した。
【0252】 シアントナー: 水 600重量部 Pigment Blue 15:3 含水ケーキ(固形分50%) 1200重量部 ポリオール樹脂1 1200重量部 上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集
体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面
温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練
を行ない、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、マスター
バッチ顔料を得た。 ポリオール樹脂1 100重量部 上記マスターバッチ 8重量部 帯電制御剤(オリエント化学社製 ボントロンE−84) 2重量部 上記材料をミキサーで混合後、2本ロールミルで3回以
上溶融混練し、混練物を圧延冷却した。その後、ブラッ
ク色の着色粒子製造例と同様に粉砕分級を行い、体積平
均粒径6.5μmのシアン色の着色粒子を得た。さら
に、一次粒子径10nmの疎水性シリカ(HDK H2
000、クラリアントジャパン)を1.0wt%、一次
粒子径15nmの酸化チタン(MT−150A、テイ
カ)を0.5wt%添加し、ヘンシェルミキサーで混
合、目開き50μmの篩を通過させ凝集物を取り除く事
によりシアントナー1を得た。外添剤混合条件(回転
数、混合時間、混合回数、混合時の温度、回転羽根の形
状)を最適化することで、表1に示す引張破断強度を得
ることができた。イオン化ポテンシャルは、樹脂、帯電
制御剤、顔料の種類、量にも依存するが、混練条件にも
依存するため、表1に示す値になるように混練条件(混
錬時間、回数、温度等)は調整した。
【0253】(実施例2〜5)実施例1において、表3
に示す原材料、添加量、物性等で同様に合成、製造した
樹脂2〜5を使用すること以外は同様にしてトナー、現
像剤を作成して評価した。
【0254】(実施例6)実施例1において、疎水性シ
リカ(HDK H2000、クラリアントジャパン)を
2.0wt%、酸化チタン(MT−150A、テイカ)
を1.0wt%添加して、外添剤混合条件をより弱く
(回転数を下げ、混合時間を短く、混合回数を少なく)
して表1に示す引張破断強度に制御した以外は、実施例
1と同様にして評価した。
【0255】(実施例7)実施例1において、疎水性シ
リカ(HDK H2000、クラリアントジャパン)を
0.2wt%、酸化チタン(MT−150A、テイカ)
を0.2wt%添加して、外添剤混合条件をより強く
(回転数を上げ、混合時間を長く、混合回数を多く)し
て表1に示す引張破断強度に制御した以外は、実施例1
と同様にして評価した。
【0256】(実施例8)実施例1において、一次粒径
40nmのシリカ(OX−50、日本アエロジル)にジ
メチルシリコーンオイル(粘度300mm2/s)を遊
離シリコーンオイル成分が50%になるように過熱処理
した疎水性シリカ0.5wt%を外添剤混合時に新たに
加えた以外は実施例1と同様にして評価した。外添剤混
合条件(回転数、混合時間、混合回数、混合時の温度、
回転羽根の形状)を最適化することで、表1に示す引張
破断強度に制御した以外は、実施例1と同様にして評価
した。
【0257】(実施例9)実施例1において、一次粒径
40nmのシリカ(OX−50、日本アエロジル)にジ
メチルシリコーンオイル(粘度300mm2/s)を遊
離シリコーンオイル成分が50%になるように過熱処理
した疎水性シリカ0.5wt%、ステアリン酸亜鉛(S
Z−2000、堺化学)を0.2wt%を外添剤混合時
に新たに加えた以外は実施例1と同様にして評価した。
外添剤混合条件(回転数、混合時間、混合回数、混合時
の温度、回転羽根の形状)を最適化することで、表1に
示す引張破断強度に制御した。
【0258】(実施例10)実施例1において、各色ト
ナーの体積平均粒径を11μmに制御して粉砕した以外
は実施例1と同様にして評価した。
【0259】(実施例11)実施例1において、該トナ
ーの軟化点が、110℃かつ、ガラス転移温度(Tg)
が61℃、流出開始温度が110℃になるように、トナ
ーの混練条件をより強い混練条件(3本ロールミルで、
6回練り、ローラ温度を130℃)に変更した以外は実
施例1と同様にして評価した。
【0260】(実施例12)実施例1において、該トナ
ーの軟化点が、130℃かつ、ガラス転移温度(Tg)
が92℃、流出開始温度が129℃になるように、トナ
ーの混練条件をより弱い混練条件(ブス社製コニーダ
ー、フィード弱混練条件)に変更した以外は実施例1と
同様にして評価した。
【0261】(実施例13)実施例1において、該トナ
ーの数平均分子量(Mn)が、4300、かつ重量平均
分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が3.9かつ、少
なくとも1つのピーク分子量(Mp)が、4900とな
るようにトナーの混練条件をより弱い混練条件(ブス社
製コニーダー、フィード弱混練条件)に変更した以外は
同様にして評価した。
【0262】(実施例14)実施例1において、該トナ
ーの数平均分子量(Mn)が、3500、かつ重量平均
分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が2.8かつ、少
なくとも1つのピーク分子量(Mp)が、4200とな
るようにトナーの混練条件をより強い混練条件(3本ロ
ールミルで、7回練り、ローラ温度を120℃)に変更
した以外は同様にして評価した。
【0263】(実施例15)実施例1において、樹脂を
ポリエステル樹脂(テレフタル酸、フマル酸、ポリオキ
シプロピレン−(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、トリメリット酸から合成され
た樹脂、酸価;3、水酸基価;25、Mn;4430
0、Mw/Mn;3.8、Tg;59℃、軟化点106
℃)に変更した以外は実施例1と同様にして評価した。
【0264】(実施例16)実施例1において、モンタ
ン系エステルワックス5重量部を新たに混合混練時に追
加して混練した以外は実施例1と同様にして評価した。
トナー中のワックスの分散平均粒径は1.2μmであっ
た。
【0265】(実施例17)実施例1において、脱遊離
脂肪酸型カルナウバワックス(酸価4)4重量部を新た
に混合混練時に追加して混練した以外は実施例1と同様
にして評価した。トナー中のワックスの分散平均粒径は
0.8μmであった。
【0266】(実施例18)実施例1において、潜像担
持体Bを使用して評価した以外は実施例1と同様にして
評価した。
【0267】(実施例19)実施例1において、潜像担
持体Cを使用して評価した以外は実施例1と同様にして
評価した。
【0268】(実施例20)実施例1において、潜像担
持体Dを使用して評価した以外は実施例1と同様にして
評価した。
【0269】(実施例21)実施例1において、潜像担
持体Eを使用して評価した以外は実施例1と同様にして
評価した。
【0270】(実施例22)実施例1において、潜像担
持体Fを使用して評価した以外は実施例1と同様にして
評価した。
【0271】(実施例23)実施例1において、中間転
写体Bを使用して評価した以外は実施例1と同様にして
評価した。
【0272】(実施例24)実施例1において、中間転
写体Cを使用して評価した以外は実施例1と同様にして
評価した。
【0273】(実施例25)実施例1において、評価機
Bを用いた以外は同様にして評価した。
【0274】(実施例26)実施例1において、評価機
Cを用いた以外は同様にして評価した。
【0275】(比較例1)実施例1において、疎水性シ
リカ(HDK H2000、クラリアントジャパン)を
2.0wt%、酸化チタン(MT−150A、テイカ)
を1.0wt%添加して、外添剤混合条件をより弱く
(回転数を下げ、混合時間を短く、混合回数を少なく)
して、表1に示す引張破断強度に制御した以外は、以外
は実施例1と同様に評価した。
【0276】(比較例2)実施例1において、疎水性シ
リカ(HDK H2000、クラリアントジャパン)を
0.3wt%、酸化チタン(MT−150A、テイカ)
を0.3wt%添加して、外添剤混合条件をより強く
(回転数を上げ、混合時間を長く、混合回数を多く)し
て、表1に示す引張破断強度に制御した以外は、以外は
実施例1と同様に評価した。
【0277】(比較例3)実施例1において、トナー樹
脂をポリエステル樹脂(ビスフェノールAのプロピレン
オキサイド付加物テレフタル酸、コハク酸誘導体から合
成されたポリエステル、酸価;4、Mn;45000、
Mw/Mn;4.0、Tg;62℃、軟化点106℃)
に変更して、外添剤添加を一次粒子径15nmの酸化チ
タン(MT−150A、テイカ)を2.0wt%添加に
変更し、表1に示す引張破断強度に制御した。また潜像
担持体Eを用いて評価した以外は実施例1と同様にして
評価した。
【0278】(比較例4)実施例1において、トナー樹
脂をポリエステル樹脂(ビスフェノールAのプロピレン
オキサイド付加物テレフタル酸、コハク酸誘導体から合
成されたポリエステル、酸価;4、Mn;45000、
Mw/Mn;4.0、Tg;62℃、軟化点106℃)
に変更して、外添剤添加を一次粒子径15nmの酸化チ
タン(MT−150A、テイカ)を2.0wt%添加に
変更し、表1に示す引張破断強度に制御した。また中間
転写体Cを用いて評価した以外は実施例1と同様にして
評価した。
【0279】(比較例5)実施例1において、トナー樹
脂をポリエステル樹脂(ビスフェノールAのプロピレン
オキサイド付加物テレフタル酸、コハク酸誘導体から合
成されたポリエステル、酸価;4、Mn;45000、
Mw/Mn;4.0、Tg;62℃、軟化点106℃)
に変更して、外添剤添加を一次粒子径15nmの酸化チ
タン(MT−150A、テイカ)を2.0wt%添加に
変更し、表1に示す引張破断強度に制御した。また潜像
担持体Eと中間転写体Cを用いて評価した以外は実施例
1と同様にして評価した。
【0280】
【表1】
【0281】
【表2】
【0282】
【表3】
【0283】
【発明の効果】本発明によれば、潜像担持体上に形成さ
れるトナー像を中間転写体上に一次転写し、該トナー像
を転写材に二次転写する方式の画像形成装置において、
該トナーの10kg/cm2圧縮時の引張破断強度が1
0〜1400(N/m2)であり、かつ該トナーと潜像
担持体のイオン化ポテンシャル(IP)差が1.0eV
以下であり、かつ該トナーと中間転写体とのIP差が、
1.0eV以下であることを特徴とする画像形成装置を
用いることで、トナーの転写性を改善し、文字部中抜け
等の異常画像の防止、トナー転写率の向上による廃トナ
ー量の低減、トナー消費量の低減、トナー補給性の向上
によるベタ画像の均一性、転写チリ等の減少、細線再現
性の向上、高温高湿、低温低湿における帯電環境安定性
の向上による地肌汚れの低減、トナー飛散の防止を達成
できた。さらに耐熱保存性に優れ、色再現性、色の鮮や
かさ、光沢、透明性、定着性に優れた印刷物を得ること
ができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例を示す概略構成図であ
る。
【図2】本発明の実施形態の一例を示す概略構成図であ
る。
【図3】本発明の実施形態の一例を示す概略構成図であ
る。
【図4】本発明の実施形態の一例を示す概略構成図であ
る。
【図5】本発明の実施形態の一例を示す概略構成図であ
る。
【図6】本発明の実施形態の一例を示す概略構成図であ
る。
【図7】本発明のプロセスカートリッジを例示する図で
ある。
【符号の説明】
1 現像装置 2 コロナ帯電器 3 現像ベルト 4 現像ユニット 5 現像タンク 6 汲み上げローラ 7 塗布ローラ 11 シート搬送ベルト 14、15、16 支持体ローラ 17 中間転写体クリーニング装置 18 画像形成手段 19 感光体クリーニング装置 20 タンデム画像形成装置 21 露光装置 22 2次転写装置 23 ローラ 24 2次転写ベルト 25 定着装置 26 定着ベルト 27 加圧ローラ 28 シート反射装置 30 原稿台 32 コンタイトガラス 33 第1走行体 34 第2走行体 35 結像レンズ 36 読取りセンサ 40 感光体 42 給紙ローラ 43 ペーパーバンク 44 給紙カセット 45 分離ローラ 46 給紙路 47 搬送ローラ 48 給紙路 49 レジストローラ 50 給紙ローラ 51 手差しトレイ 52 分離ローラ 53 手差し給紙路 55 切換爪 56 排出ローラ 57 排紙トレイ 60 帯電装置 61 画像装置 62 1次転写装置 63 感光体クリーニング装置 64 除電装置 65 現像スリープ 66 攪拌部 67 現像部 68 スクリュ 69 仕切り板 70 現像ケース 71 センサ 72 マグネット 73 ドクタブレード 74 導電性ローラ 75 クリーニングブレード 76 ファーブラシ 77 金属製電界ローラ 78 スクレーパ 79 回収スクリュ 80 トナーリサイクル装置 81 ピン 82 ローラ部 83 回収トナー搬送部材 84 長孔 85 羽根 86 回転軸 87 ローラ部 88 搬送路ケース 89 カートリッジケース 90 ファーブラシ 91 ファーブラシ 92 金属ローラ 93 金属ローラ 94 電源 95 電源 96 ブレード 97 ブレード 100 複写装置本体 200 給紙テーブル 300 スキャナ 400 原稿自動搬送装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 5/147 504 G03G 5/147 504 9/087 15/16 15/16 9/08 333 331 (72)発明者 岩本 康敬 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 朝比奈 安雄 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 増田 稔 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 梅村 和彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 田村 智美 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA08 CA07 CA08 CA14 CB07 CB13 EA03 EA05 EA10 2H068 AA04 AA13 BA13 BB25 BB52 CA33 2H200 FA01 GA12 GA16 GA23 GA34 GA43 GA44 GA47 GA50 GB12 GB25 HA02 HB12 JA02 JB10 JC04 JC09 JC12 JC13 JC15 JC16 JC17 MA03 MA04 MA12 MA14 MA20 MB04 MC01 MC03 MC05 MC18

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潜像担持体上に潜像を形成し、これをト
    ナーで現像した後、このトナー像を中間転写体上に一次
    転写し、さらに該トナー像を転写材に二次転写して画像
    を得る方式の画像形成装置であって、該トナーは10k
    g/cm2圧縮時の引張破断強度が10〜1400(N
    /m2)であり、該トナーと該潜像担持体とイオン化ポ
    テンシャル(IP)差が0〜1.0eVであり、かつ該
    トナーと該中間転写体とのIP差が0〜1.0eV以下
    であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 該トナーは疎水化処理された一次粒子の
    平均粒径が1〜100nmの無機微粒子を少なくとも2
    種類以上含み、かつ、トナーの体積平均粒径が2μm〜
    8μmであることを特徴とする請求項1記載の画像形成
    装置。
  3. 【請求項3】 該トナーは軟化点が60〜150℃、流
    出開始温度が70℃〜130℃、かつ、ガラス転移温度
    (Tg)が40〜70℃であることを特徴とする請求項
    1又は2記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 該トナーは数平均分子量(Mn)が20
    00〜8000、重量平均分子量/数平均分子量(Mw
    /Mn)が1.5〜20、かつ、少なくとも1つのピー
    ク分子量(Mp)が3000〜7000であることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装
    置。
  5. 【請求項5】 該トナーはそのバインダー樹脂が、少な
    くとも主鎖にエポキシ樹脂部とポリオキシアルキレン部
    を有するポリオール樹脂を少なくとも含むことを特徴と
    する請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 該トナーは少なくともワックスを含有
    し、該ワックスのトナー中での分散平均粒径が0.00
    1〜3μmであることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れかに記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 該潜像担持体は、少なくとも導電性基
    体、電荷発生層、電荷輸送層、フィラー補強電荷輸送層
    の構成からなり、電荷輸送層が少なくとも電荷輸送物質
    (CTM)と粘度平均分子量が3万以上6万以下のポリ
    カーボネート樹脂(R)を含有し、その組成比(CTM
    /R比)が重量比で5/10以上10/10以下である
    機能分離型電子写真感光体であることを特徴とする請求
    項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 該中間転写体は硬度10°≦HS≦65
    °(JIS−A)の弾性ベルトであることを特徴とする
    請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 該中間転写体は静止摩擦係数が0.1〜
    0.6であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか
    に記載の画像形成装置。
JP2002002785A 2001-08-07 2002-01-09 画像形成装置 Expired - Lifetime JP3880858B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002002785A JP3880858B2 (ja) 2002-01-09 2002-01-09 画像形成装置
US10/212,736 US20030152857A1 (en) 2001-08-07 2002-08-07 Toner, developer, image-forming method and image-forming device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002002785A JP3880858B2 (ja) 2002-01-09 2002-01-09 画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003202696A true JP2003202696A (ja) 2003-07-18
JP3880858B2 JP3880858B2 (ja) 2007-02-14

Family

ID=27642546

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002002785A Expired - Lifetime JP3880858B2 (ja) 2001-08-07 2002-01-09 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3880858B2 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006215532A (ja) * 2005-01-07 2006-08-17 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2006259670A (ja) * 2005-03-17 2006-09-28 Toshiba Corp 画像形成装置
JP2007171662A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Kyocera Mita Corp 電子写真感光体
US7390604B2 (en) 2005-01-21 2008-06-24 Seiko Epson Corporation Negatively chargeable spherical toner, color image forming apparatus, and process for producing negatively chargeable spherical toner
JP2010008674A (ja) * 2008-06-26 2010-01-14 Sharp Corp 電子写真用キャリア及びその用途
US7745084B2 (en) 2004-07-30 2010-06-29 Ricoh Company Limited Toner, developer including the toner, and image forming method, image forming apparatus and process cartridge using the toner
JP2011022268A (ja) * 2009-07-14 2011-02-03 Fuji Xerox Co Ltd プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
US8043779B2 (en) 2006-03-10 2011-10-25 Ricoh Company, Ltd. Pulverized toner
JP2016075882A (ja) * 2014-03-17 2016-05-12 株式会社リコー 粉体収容容器及び画像形成装置
JP2017142391A (ja) * 2016-02-10 2017-08-17 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法
JP2017167508A (ja) * 2016-03-14 2017-09-21 株式会社リコー 画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
US10845738B2 (en) 2016-10-21 2020-11-24 Ricoh Company, Ltd. Image forming method, image forming apparatus, and process cartridge

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7745084B2 (en) 2004-07-30 2010-06-29 Ricoh Company Limited Toner, developer including the toner, and image forming method, image forming apparatus and process cartridge using the toner
JP2006215532A (ja) * 2005-01-07 2006-08-17 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
US7390604B2 (en) 2005-01-21 2008-06-24 Seiko Epson Corporation Negatively chargeable spherical toner, color image forming apparatus, and process for producing negatively chargeable spherical toner
JP2006259670A (ja) * 2005-03-17 2006-09-28 Toshiba Corp 画像形成装置
JP4694961B2 (ja) * 2005-12-22 2011-06-08 京セラミタ株式会社 電子写真感光体
JP2007171662A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Kyocera Mita Corp 電子写真感光体
US8043779B2 (en) 2006-03-10 2011-10-25 Ricoh Company, Ltd. Pulverized toner
JP4516991B2 (ja) * 2008-06-26 2010-08-04 シャープ株式会社 電子写真用キャリア及びその用途
JP2010008674A (ja) * 2008-06-26 2010-01-14 Sharp Corp 電子写真用キャリア及びその用途
CN101614975B (zh) * 2008-06-26 2012-01-04 夏普株式会社 电子照相用载体及其用途
JP2011022268A (ja) * 2009-07-14 2011-02-03 Fuji Xerox Co Ltd プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP2016075882A (ja) * 2014-03-17 2016-05-12 株式会社リコー 粉体収容容器及び画像形成装置
JP2017142391A (ja) * 2016-02-10 2017-08-17 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法
JP2017167508A (ja) * 2016-03-14 2017-09-21 株式会社リコー 画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
US10845738B2 (en) 2016-10-21 2020-11-24 Ricoh Company, Ltd. Image forming method, image forming apparatus, and process cartridge

Also Published As

Publication number Publication date
JP3880858B2 (ja) 2007-02-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20030152857A1 (en) Toner, developer, image-forming method and image-forming device
JP3883430B2 (ja) 電子写真トナー用外添剤、電子写真用トナー、電子写真用現像剤、画像形成方法及び画像形成装置
US7169522B2 (en) Toner for developing a latent electrostatic image, developer using the same, full-color toner kit using the same, image-forming apparatus using the same, image-forming process cartridge using the same and image-forming process using the same
JP4194930B2 (ja) 画像形成装置、画像形成方法、画像形成装置用プロセスカートリッジ
JP2004045668A (ja) 静電荷像現像用現像剤、画像形成装置及び画像形成方法
JP3909839B2 (ja) トナー、現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置
JP3880858B2 (ja) 画像形成装置
JP2003215889A (ja) 帯電装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2006058359A (ja) 非磁性一成分負帯電球形トナー及びそれを用いたフルカラー画像形成装置
JP4543938B2 (ja) 非磁性一成分負帯電球形トナー及びカラー画像形成装置
JP2003098708A (ja) 画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2010026349A (ja) 画像形成装置および画像形成方法
JP4132747B2 (ja) トナー、現像剤、画像形成方法及び画像形成装置
JP3731072B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、画像形成方法及び画像形成装置
JP2007078858A (ja) 静電荷像現像用トナー、現像剤、トナー容器、画像形成方法および画像形成装置
JP2005091760A (ja) 画像形成装置、画像形成方法、画像形成装置用プロセスカートリッジ
JP2004252147A (ja) 静電荷像現像用トナー用無機微粒子、静電荷像現像用トナー、現像剤、画像形成装置および画像形成方法
JP2002258523A (ja) トナー組成物、電子写真感光体、およびこれらを用いた画像形成方法
JP3938890B2 (ja) 静電荷像現像用マゼンタトナー、マゼンタ現像剤および画像形成方法
JP2002258522A (ja) 画像形成方法、それに用いられるトナー及び感光体
JP2003271035A (ja) 画像形成装置
JP2002244314A (ja) 画像形成方法、該画像形成方法に用いられるトナー及び感光体
JP3652121B2 (ja) 乾式トナー及び画像形成方法
JP2013195514A (ja) 画像形成装置
JP3720631B2 (ja) 乾式トナー、乾式トナーの製造方法及び画像形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20020320

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040616

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20050608

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050722

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050812

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051011

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20051013

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051011

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20060227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061108

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3880858

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101117

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111117

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111117

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121117

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131117

Year of fee payment: 7

EXPY Cancellation because of completion of term