JP2010008674A - 電子写真用キャリア及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】(特にベタ画像の現像時の)画像濃度が優れ、カブリやキャリア付着が起こり難いキャリア及びそれを用いた画像形成装置及び画像形成方法を提供することを課題とする。
【解決手段】コア粒子と、該コア粒子を被覆し電荷発生材料を含む第1樹脂層と、該第1樹脂層を被覆しホール輸送材料を含む第2樹脂層とを有することを特徴とする被覆キャリアにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真用キャリア及びそれを用いた画像形成装置に関し、更に詳しくは、コア粒子とそれを被覆する樹脂層とを備えた電子写真用キャリア、及びそれを用いた、複写機、プリンタ及びファクシミリ機などの電子写真方式の画像形成装置に関する。
電子写真方式を利用した画像形成装置は、一般に、帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電、及び定着の各工程を経て画像を形成する。具体的には、例えば、回転駆動される感光体ドラムの表面が帯電装置により均一に帯電され、帯電した感光体ドラム表面に露光装置により画像情報に応じたレーザ光が照射されて静電潜像が形成される。続いて、感光体ドラム上の静電潜像が現像装置により現像されて感光体ドラム表面上にトナー像が形成される。感光体ドラム上のトナー像は転写装置により転写材上に転写され、転写材上のトナー像は定着装置により加熱されて固定される。感光体ドラム表面上に残った転写残留トナーは、クリーニング装置により除去され所定の回収部に回収される。クリーニングされた後の感光体ドラム表面は、次の画像形成に備えるために、除電装置により残留電荷が除去される。
感光体ドラム上の静電潜像を現像する現像剤としては、トナーのみからなる一成分現像剤やトナーとキャリアとからなる二成分現像剤が一般に用いられる。
一成分現像剤はキャリアを使用しないことから、トナーとキャリアを均一に混合するための攪拌機構などを必要としない。そのため、現像装置がシンプルになるといった利点を有する。しかし、トナーの帯電量が安定し難いなどの欠点がある。
二成分現像剤は、トナーとキャリアを均一に混合するための攪拌機構などを必要とすることから、現像装置が複雑になるという欠点を有する。しかし、帯電安定性や高速機への適合性に優れている。そのため、高速画像形成装置やカラー画像形成装置によく使用されている。
二成分現像剤に使用されるキャリアとしては、一般に、粒子径が20〜100μmのフェライトなどからなる磁性粒子が使用される。この磁性粒子は、湿度依存性やトナー成分の融着を防止するために、磁性粒子をコア粒子として、その表面にアクリル系樹脂又はシリコーン系樹脂からなる被覆層を備えたキャリア(被覆キャリア)が知られている。
しかし、被覆キャリアは電気抵抗が高く、トナーと逆極性の電荷(カウンターチャージ)がキャリア表面に残り易いため、ベタ画像の現像時に画像濃度の低下が起こるといった問題があった。
この問題の解決のために、被覆層に光導電性物質を添加した被覆キャリアが提案されている(特許文献1)。この被覆キャリアは、光を照射することにより被覆層の電気抵抗(キャリア抵抗)が低減するので、キャリア表面に残るカウンターチャージを低減でき、したがって、ベタ画像の現像時の画像濃度の低下を防止できるというものである。
特開平2−309365号公報
しかしながら、被覆層に光導電性物質を添加したキャリアには、キャリア抵抗の低減に伴い、ベタ画像の現像性が高まる一方で、感光体ドラム表面の電荷がキャリアに流れ込み易くなり、感光体ドラム表面の静電潜像が消失し、及び/又は感光体ドラム表面へのキャリア付着が起こり易くなる結果、画像にかすれやカブリがでるという課題があった。
本発明は、前記課題を解決し、(特にベタ画像の現像時の)画像濃度が優れ、カブリやキャリア付着が起こり難いキャリア及びそれを用いた画像形成装置及び画像形成方法を提供する。
本発明によれば、コア粒子と、該コア粒子を被覆し電荷発生材料を含む第1樹脂層と、該第1樹脂層を被覆しホール輸送材料を含む第2樹脂層とを有することを特徴とする電子写真用キャリアが提供される。
本発明はまた、上記キャリアと負帯電性トナーとを含む二成分現像剤を提供する。
本発明はまた、感光体ドラムと、該感光体ドラムを帯電させる帯電器と、該感光体ドラムに静電潜像を書き込む露光器と、上記二成分現像剤を収容し、該感光体ドラムの表面の静電潜像に該二成分現像剤中のトナーを供給してトナー像を形成する現像装置と、該二成分現像剤に光を照射する現像剤露光装置とを備えることを特徴とする電子写真方式の画像形成装置を提供する。
本発明は更に、現像剤として上記二成分現像剤を用い、該二成分現像剤中のトナーが静電潜像に供給される前に該二成分現像剤に光を照射することを特徴とする電子写真方式の画像形成方法を提供する。
本発明により、画像濃度が優れ、カブリの少ない高画質画像が得られる。
<キャリア>
本発明の電子写真用キャリアは、該コア粒子を被覆し電荷発生材料を含む第1樹脂層と、該第1樹脂層を被覆しホール輸送材料を含む第2樹脂層とを有することを特徴とする。
最外層である第2樹脂層がホール輸送材料を含み、したがってホール移動度が高いことにより、キャリア表面のカウンターチャージ(正電荷)が拡散し易い。また、第2樹脂層の下層である第1樹脂層が電荷発生材料を含み、したがって露光に際して電子を発生し得ることから、第2樹脂層中のホールを露光によって発生した電子により中和することができる。よって、本発明のキャリアでは、キャリア表面でのカウンターチャージの蓄積が防止される。その結果、本発明のキャリアの使用により、(特にベタ印刷時の)画像濃度の低下が抑えられる。
更に、第2被覆層は電子移動度が低いので、感光体ドラム表面からキャリアへの電子の流れ込みが防止される。よって、本発明のキャリアは、感光体ドラムへの付着が抑えられる。その結果、本発明のキャリアの使用により、カブリの少ない高画質画像が得られる。
1つの実施形態において、電荷発生材料はフタロシアニン化合物である。この実施形態によれば、感度特性、繰返し特性に更に優れたキャリアが得られる。
別の1つの実施形態において、ホール輸送材料はトリフェニルアミン誘導体である。この実施形態によれば、感度特性、繰返し特性に更に優れ、高湿時における帯電安定性に更に優れたキャリアが得られる。
別の1つの実施形態において、第1樹脂層及び第2樹脂層を構成する樹脂は熱硬化性シリコーン樹脂層である。この実施形態によれば、耐汚染性や耐摩耗性が更に優れたキャリアが得られる。
別の1つの実施形態において、本発明のキャリアは、コア粒子の表面に第1樹脂層を塗布し硬化させた後に、第2樹脂層を塗布し硬化させることにより得られる。第1樹脂層と第2樹脂層の混和が低減され、感度特性、繰返し特性に更に優れ、高湿時における帯電安定性に更に優れたキャリアが得られる。
本発明のキャリアについて図を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明のキャリアにおける樹脂層(第1樹脂層及び第2樹脂層)によるコア粒子の被覆状態を示す概念図である。一般に表面凹凸に有するコア粒子40の表面が、電荷発生材料を含む第1樹脂層41と、ホール輸送材料を含む第2樹脂層42とで被覆されている。
[コア粒子]
コア粒子には公知の磁性粒子が使用できるが、フェライト成分を含む粒子(フェライト系粒子)が好ましい。フェライト系粒子は、飽和磁化が高く、密度の小さいキャリアを得ることができるので、その使用により、感光体ドラムへのキャリア付着が起こり難く、ソフトな穂立形成によるドット再現の高い画像が得られる。
フェライト系粒子としては公知のものを使用でき、例えば、亜鉛系フェライト、ニッケル系フェライト、銅系フェライト、ニッケル−亜鉛系フェライト、マンガン−マグネシウム系フェライト、銅−マグネシウム系フェライト、マンガン−亜鉛系フェライト、マンガン−銅−亜鉛系フェライトなどの粒子が挙げられる。
コア粒子の体積平均粒子径は、20〜100μmが好ましく、30〜60μmがより好ましい。コア粒子の体積平均粒子径の定義は以下に記載する。
コア粒子は、ブリッジ法で測定した時、1×106〜1×1011Ω・cmの体積抵抗率を有することが好ましい。この範囲の体積抵抗率を有するフェライト系粒子は、安価であるため一般に使用されている。体積抵抗率が低くなると電気絶縁性不良によりトナー画像にカブリを生じることがある。一方、体積抵抗率が高くなるとキャリア表面に残るカウンターチャージにより、ベタ画像において、周辺部のエッジ効果や画像濃度低下が起こり易くなる。体積抵抗率は、1×108〜5×1010Ω・cmの範囲がより好ましい。体積抵抗率の定義は以下に記載する。
フェライト系粒子は、公知の方法で作製できる。例えば、Fe23やMg(OH)2などのフェライト原料を混合し、この混合粉を加熱炉で加熱して仮焼する。得られた仮焼品を冷却後、振動ミルでほぼ1μm程度の粒子となるように粉砕し、粉砕粉に分散剤と水を加えてスラリーを作製する。このスラリーを湿式ボールミルで湿式粉砕し、得られる懸濁液をスプレードライヤーで造粒乾燥することによって、フェライト系粒子が得られる。
[第1樹脂層]
第1樹脂層は、コア粒子を被覆する樹脂層であり、電荷発生材料を含む。第1樹脂層はホール輸送材料を更に含んでもよいが、含まない方が照射光に対する量子効率が高まるので好ましい。
第1樹脂層の膜厚は、特に限定されず、例えば0.1〜10μm、好ましくは1〜5μmであり得る。
(電荷発生材料)
電荷発生材料としては、光を吸収してフリー電荷を発生するものであれば、公知の無機及び有機の光導電性化合物のいずれをも用いることができる。
無機光導電性化合物としては、例えば、セレン及びその合金、ヒ素−セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、アモルファスシリコンなどの無機顔料を挙げることができる。
有機光導電性化合物としては、例えば、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料などのアゾ系顔料、インジゴ又はチオインジゴなどのインジゴ系顔料、ペリレンイミド又はペリレン酸無水物などのペリレン系顔料、アントラキノン又はピレンキノンなどの多環キノン系顔料、金属フタロシアニン又は無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルー、ビクトリアブルーなどに代表されるトリフェニルメタン系色素、エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、アクリジンオレンジ、フラペオシンなどに代表されるアクリジン系色素、メチレンブルー、メチレングリーンなどに代表されるチアジン系色素、カプリブルー又はメルドラブルーなどに代表されるオキサジン系色素、スクアリリウム色素、ピリリウム塩類及びチオピリリウム塩類、チオインジゴ系色素、ビスベンゾイミダゾール系色素、キナクリドン系色素、キノリン系色素、レーキ系色素、アゾレーキ系色素、ジオキサジン系色素、アズレニウム系色素、トリアリルメタン系色素、キサンテン系色素、シアニン系色素などの種々の有機顔料及び染料を挙げることができる。
これらの電荷発生物質は、1種が単独で使用されてもよく、又は2種以上が組合わされて使用されてもよい。
好ましくは、電荷発生材料として有機光導電性化合物を用いる。中でもフタロシアニン系化合物は、感度特性、繰返し特性に優れるのでより好ましく、メタルフリーフタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニルフタロシアンが更に好ましい。
第1樹脂層において、電荷発生材料と後述する被覆樹脂との配合比(電荷発生材料:樹脂;重量比)は、例えば1:8〜2:1の範囲である。耐摩耗性と光感度の観点から1:3〜1:1の範囲が好適である。電荷発生材料の配合比が2:1より大きい場合(樹脂の配合比が低い場合)、光感度特性は良好であるが、機械的強度が低下し、剥がれ易くなることがある。一方、電荷発生材料の配合比が1:8より小さい場合(樹脂の配合比が高い場合)、光感度特性が低下し、現像時に発生するカウンターチャージの中和が不十分になる。
(増感剤)
第1樹脂層は、電荷発生材料と共に、化学増感剤及び/又は光学増感剤を含んでもよい。増感剤を含むことにより、照射光に対する量子効率が高まるので好ましい。
化学増感剤/光学増感剤としては、使用する電荷発生材料との組合せを考慮して公知のものから適切に選択できる。
化学増感剤としては、電子受容性材料、例えば、テトラシアノエチレン及び7,7,8,8−テトラシアノキノジメタンなどのシアノ化合物、アントラキノン及びp−ベンゾキノンなどのキノン類、並びに、2,4,7−トリニトロフルオレノン及び2,4,5,7−テトラニトロフルオレノンなどのニトロ化合物が挙げられる。
光学増感剤としては、キサンテン系色素、チアジン色素及びトリフェニルメタン系色素などの色素が挙げられる。
増感剤は、電荷発生物質100重量部に対して、0.1〜2重量部の割合で使用することが好ましく、0.5〜1重量部の割合で使用することがより好ましい。
(樹脂)
第1樹脂層を構成する樹脂としては、特に限定されず、公知のシリコーン樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂が使用できるが、熱硬化性シリコーン樹脂がキャリア表面への耐汚染性や耐摩耗性が優れる点で好ましい。
熱硬化性シリコーン樹脂としては、例えば、シリコーンワニス(東芝(株)製:TSR115、TSR114、TSR102、TSR103、YR3061、TSR110、TSR116、TSR117、TSR108、TSR109、TSR180、TSR181、TSR187、TSR144、TSR165;信越化学工業(株)製:KR271、KR272、KR275、KR280、KR282、KR267、KR269、KR211、KR212)、アルキッド変性シリコーンワニス(東芝(株)製:TSR184、TSR185)、エポキシ変性シリコーンワニス(東芝(株)製:TSR194、YS54)、ポリエステル変性シリコーンワニス(東芝(株)製:TSR187)、アクリル変性シリコーンワニス(東芝(株)製:TSR170、TSR171)、ウレタン変性シリコーンワニス(東芝(株)製:TSR175)、反応性シリコーン樹脂(信越化学工業(株)製:KA1008、KBE1003、KBC1003、KBM303、KBM403、KBM503、KBM602、KBM603)などが挙げられる。
特に、ストレートシリコーン樹脂(アルキル置換シリコーン樹脂)の層を備えたキャリアは、その表面にトナー成分(バインダー樹脂)が付着(フィルミング)し難く、長期に渡ってトナーの帯電付与能力を維持できるので好ましい。
熱硬化性シリコーン樹脂は、下記に示すように、Si原子に結合する水酸基同士又は水酸基と基−OXとが加熱脱水反応、常温硬化反応などによって架橋して硬化するシリコーン樹脂である。
Figure 2010008674
〔式中、複数のRは同一又は異なって一価の有機基を示す。基−OXはアセトキシ基、アミノキシ基、アルコキシ基、オキシム基などである。〕
熱硬化性シリコーン樹脂を架橋させるには、該樹脂を200〜250℃程度に加熱すればよい。
熱硬化性シリコーン樹脂の中でも、Rで示される一価の有機基がメチル基であるものが好ましい。Rがメチル基である熱硬化性シリコーン樹脂は架橋構造が緻密であることから、該熱硬化性シリコーン樹脂を用いてキャリアの樹脂被覆層を形成すると、耐久性や耐湿性などの良好なキャリアが得られる。ただし、架橋構造が緻密になりすぎると、被覆層が脆くなる傾向があるので、熱硬化性シリコーン樹脂の分子量の選択が重要である。
熱硬化性シリコーン樹脂中の珪素と炭素の質量比(Si/C)は0.3〜2.2であることが好ましい。Si/Cが0.3未満では、被覆層の硬度が低下し、キャリア寿命などが低下するおそれがある。Si/Cが2.2を超えると、キャリアのトナーに対する電荷付与性が温度変化による影響を受け易くなり、被覆層が脆化するおそれがある。
[第2樹脂層]
第2樹脂層は、第1樹脂層を被覆する樹脂層であり、ホール輸送材料を含む。第2樹脂層は電荷発生材料を含まないことが好ましい。
第2樹脂層の膜厚は、特に限定されず、例えば0.1〜10μm、好ましくは1〜5μmであり得る。
(ホール輸送材料)
ホール輸送材料としては、例えば、カルバゾール誘導体、ピレン誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、多環芳香族化合物、インドール誘導体、ピラゾリン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、トリアリールメタン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、エナミン誘導体、ベンジジン誘導体等を挙げることができる。また、これらの化合物から生じる基を主鎖又は側鎖に有するポリマーとしては、例えばポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリ-1-ビニルピレン、エチルカルバゾール-ホルムアルデヒド樹脂、トリフェニルメタンポリマー、ポリ-9-ビニルアントラセン等、又はポリシラン等が挙げられる。
より具体的には、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、ピラゾリン誘導体、フェニルヒドラゾン類、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルアミン系化合物、テトラフェニルジアミン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、スチルベン系化合物及び3−メチル−2−ベンゾチアゾリン環を有するアジン化合物などが挙げられる。
これらの中でもトリフェニルアミン系化合物は、感度特性、繰返し特性及び高湿時の帯電安定性が優れる点で好適である。トリフェニルアミン系化合物の具体例を下記に示す。
Figure 2010008674
Figure 2010008674
Figure 2010008674
Figure 2010008674
Figure 2010008674
Figure 2010008674
第2樹脂層において、ホール輸送材料と被覆樹脂との配合比(ホール輸送材料:樹脂;重量比)は、例えば1:8〜2:1の範囲である。耐摩耗性と光感度の観点から1:4〜1:1の範囲が好適である。ホール輸送材料の配合比が2:1より大きい場合(樹脂の配合比が低い場合)、光感度特性は良好であるが、機械的強度が低下し、剥がれ易くなることがある。一方、ホール輸送材料の配合比が1:8より小さい場合(樹脂の配合比が高い場合)、光感度特性が低下し、現像時に発生するカウンターチャージの中和が不十分になる。
なお、第2樹脂層を構成する樹脂としては、特に限定されず、第1樹脂層を構成する樹脂として例示したものを同様に使用できる。第2樹脂層を構成する樹脂と第1樹脂層を構成する樹脂とは同じであってもよいし、異なってもよいが、共に熱硬化性シリコーン樹脂であることが好ましい。
(帯電向上剤)
第2樹脂層には、帯電向上剤が含まれていてもよい。
帯電向上剤としては、公知の帯電向上剤のいずれをも使用できる。
帯電向上剤は、樹脂に対して、好ましくは1〜15重量%の範囲、より好ましくは2〜10重量%の範囲で添加できる。樹脂層における帯電向上剤の含有量が高くなりすぎると、樹脂中での分散性及び被覆樹脂層の強度が低下することがある。
[樹脂層の被覆形成方法]
樹脂層の被覆方法には、公知の方法が採用できる。例えば、樹脂層の原料を溶媒に溶解し又は分散させて被覆用塗液を調製し、該被覆用塗液をコア粒子表面に塗布し、乾燥、硬化させることによって形成することができる。
溶媒としては、使用する樹脂(例えば、シリコーン樹脂)を溶解できるものであれば特に限定されず、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、高級アルコール類のような有機溶媒が挙げられる。溶媒は、1種を用いても、2種以上の混合溶媒として用いてもよい。
被覆用塗液中の樹脂は、塗液1000重量部に対して、例えば30〜200重量部の範囲、好ましくは50〜150重量部の範囲であり得るが、塗布工程の作業性などを考慮して適切に決定すればよい。樹脂量が低すぎると、コア粒子表面の樹脂層の形成に時間がかかり、一方多すぎると、樹脂及び帯電向上剤の分散性が悪くなる。
被覆用塗液のコア粒子表面への塗布方法としては、例えば、コア粒子を被覆用塗液に浸漬させる浸漬法、コア粒子に被覆用塗液を噴霧するスプレー法、コア粒子を流動気流中に浮遊させた状態で被覆用塗液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でコア粒子と被覆用塗液とを混合し、溶媒を除去するニーダーコーター法などが挙げられる。これらの中でも、膜形成を容易にできることから、浸漬法が好ましい。
塗布層の乾燥には、乾燥促進剤を用いてもよい。乾燥促進剤としては公知のものを使用でき、例えば、ナフチル酸、オクチル酸などの鉛、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛塩などの金属石鹸、エタノールアミンなどの有機アミン類などが挙げられる。乾燥促進剤は1種を単独で使用でき又は2種以上を併用できる。
塗布層の硬化を加熱により行う場合には、乾燥は加熱により行ってもよい。
塗布層の硬化は、樹脂の種類に応じて適切な手順を選択することができる。熱硬化性樹脂の場合、種類に応じて、例えば200〜250℃程度で加熱する。常温硬化性樹脂である場合は、必ずしも加熱を要しないが、形成される被覆樹脂層の機械的強度を向上させること、硬化時間を短縮することなどを目的として、例えば150〜280℃程度で加熱してもよい。
本発明において、樹脂層は、第1樹脂層用塗液をコア粒子に塗布し、必要に応じて乾燥させた後に、第2樹脂層用塗液をその上に塗布し、必要に応じて乾燥させ、両者を同時に硬化させて形成してもよいし、又は第1樹脂層用塗液をコア粒子に塗布し、必要に応じて乾燥させ、硬化させた後に、第2樹脂層用塗液をその上に塗布し、必要に応じて乾燥させ、硬化させることにより形成してもよい。
コア粒子の表面に第1樹脂層を塗布し硬化させた後に、第2樹脂層を塗布して硬化させる場合には、得られるキャリアでは両層の界面での混和が低減又は防止され、両層の機能が分離されるので好ましい。
<キャリアの他の構成>
次に、本発明のキャリアの他の構成について説明する。
キャリアの体積平均粒径は、特に制限されないが、20〜100μmが好ましく、30〜60μmが更に好ましい。体積平均粒径が小さすぎると、現像時にキャリアが現像ローラから感光体ドラムに移動し易くなり、得られる画像に白抜けが発生することがある。一方、大きすぎるとドット再現性が悪くなり、画像が粗くなることがある。ここで、キャリアの体積平均粒径は、コア粒子と該コア粒子を被覆する第1及び第2被覆層との合計の粒径を意味し、具体的な体積平均粒径の定義は以下に記載する。
キャリアの飽和磁化は、低いほど感光体ドラムと接する磁気ブラシが柔らかくなるので、静電潜像に忠実な画像が得られる。しかし、飽和磁化が低すぎると、感光体ドラム表面にキャリアが付着し、白抜け現象が発生し易くなる。一方、飽和磁化が高すぎると、磁気ブラシの剛直化により、静電潜像に忠実な画像が得られ難くなる。したがって、キャリアの飽和磁化は、30〜100emu/gの範囲内が好ましく、50〜80emu/gの範囲内がより好ましい。飽和磁化の定義は以下に記載する。
被覆層を備えた本発明のキャリアは、体積抵抗率が低くなると感光体ドラムへの付着が生じることがあり、体積抵抗率が高くなるとトナー帯電量の上昇が起こり易くなる。そのため、キャリアの体積抵抗率は、1×108〜5×1012Ω・cmの範囲が好ましく、1×109〜5×1011Ω・cmの範囲がより好ましい。体積抵抗率の定義は以下に記載する。
<二成分現像剤>
本発明の現像剤は、負帯電性トナーとキャリアとを含む二成分現像剤であり、キャリアには上記で説明した本発明のキャリアが使用される。本発明の二成分現像剤の使用により、画像濃度の低下が抑えられ、かぶりの少ない高画質の画像が得られる。
キャリアとトナーとの混合割合は、一般に、キャリア100重量部に対してトナー3〜15重量部の割合である。キャリアとトナーの混合方法は、ナウターミキサのような混合機で攪拌する方法が挙げられる。
<トナー>
トナーは、負帯電性であること以外は特に限定されず、公知のものをいずれも使用できる。例えば、以下で説明するトナーが使用できる。
トナーは、着色樹脂粒子(トナー粒子)と、必要に応じて着色樹脂粒子の表面に付着する外添剤とを備えている。外添剤は、トナーの凝集を防ぐことで、感光体ドラムから記録媒体へ転写する際の転写効率の低下を防ぐ観点から、トナーに含まれていることが好ましい。
着色樹脂粒子の体積平均粒径は、4〜7μmの範囲内のものが好ましい。この範囲内であれば、ドット再現性に優れ、カブリやトナー飛散の少ない、高画質画像が得られる。体積平均粒径の定義は以下に記載する。
着色樹脂粒子のBET比表面積は、1.5〜1.9m2/gであることが好ましい。BET比表面積が1.9m2/g以下であることにより、外添剤が凹部に入り込み過ぎることなく、外添剤をより均一に表面に付着させることが容易にできる。その結果、外添剤のもつコロ効果(流動性を良くする効果)やスペーサ効果(電荷のリークを防ぐ)が十分に発揮され、カブリやトナー飛散が更に発生し難くなる。一方、1.5m2/g以上であることにより、着色樹脂粒子表面が平滑になり過ぎず、クリーニング不良の発生がより少なくなり、その結果カブリの発生も更に少なくなる。
BET比表面積の制御方法として、公知の方法が使用できる。例えば、高速で着色樹脂粒子を円筒状の配管の中を回転させて角をとる方法や、熱気流中で瞬間的にトナーを溶融させるサフュージョンシステムなどの方法がある。BET比表面積の定義は以下に記載する。
着色樹脂粒子は、混練粉砕法や重合法などの公知の方法によって作製できる。一例として、混練粉砕法においては、バインダー樹脂及び着色剤(下記で説明)、任意に、帯電制御剤や離型剤その他の添加剤(下記で説明)を、ヘンシェルミキサ、スーパーミキサ、メカノミル、Q型ミキサなどの混合機により混合する。得られた原料混合物を二軸混練機、一軸混練機などの混練機により、100〜180℃程度の温度で溶融混練する。得られた混練物を冷却固化し、固化物をジェットミルなどのエア式粉砕機により粉砕する。得られた粉砕物を、必要に応じて分級などの粒度調整を行うことにより着色樹脂粒子を作製できる。
バインダー樹脂としては、公知の各種スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂などが使用できる。特に線形又は非線形のポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂は、機械的強度(微粉が発生し難い)、定着性(定着後に紙から剥離し難い)、及び耐ホットオフセット性を同時に充足できる点で優れている。
ポリエステル樹脂は、2価以上の多価アルコールと多塩基酸からなるモノマー組成物を重合することにより得られる。
ポリエステル樹脂の重合に用いられる2価のアルコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのジオール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAなどのビスフェノールAアルキレンオキシド付加物、その他を挙げることができる。
2価の多塩基酸としては、例えばマレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、これらの酸の無水物や低級アルキルエステル、又はn−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸などのアルケニルコハク酸類若しくはアルキルコハク酸類を挙げることができる。
必要に応じて、モノマー組成物中に3価以上の多価アルコール及び/又は多塩基酸を添加してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、蔗糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、その他を挙げることができる。
3価以上の多塩基酸としては、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、及びこれらの無水物などを挙げることができる。
着色剤としては、トナーに一般に用いられている公知の顔料や染料を使用できる。
具体的には、黒トナー用として、カーボンブラックやマグネタイトなどが例示できる。
イエロートナー用としては、C.I.ピグメント・イエロー1、同3、同74、同97、同98などのアセト酢酸アリールアミド系モノアゾ黄色顔料、C.I.ピグメント・イエロー12、同13、同14、同17などのアセト酢酸アリールアミド系ジスアゾ黄色顔料、C.I.ピグメント・イエロー93、同155などの縮合モノアゾ系黄色顔料;C.I.ピグメント・イエロー180、同150、同185などのその他黄色顔料、C.I.ソルベント・イエロー19、同77、同79、C.I.ディスパース・イエロー164などの黄色染料などが例示できる。
マゼンタトナー用としては、C.I.ピグメント・レッド48、同49:1、同53:1、同57、同57:1、同81、同122、同5、同146、同184、同238;C.I.ピグメント・バイオレット19などの赤色又は紅色顔料;C.I.ソルベント・レッド49、同52、同58、同8などの赤色系染料などが例示できる。
シアントナー用としては、C.I.ピグメント・ブルー15:3、同15:4などの銅フタロシアニン及びその誘導体の青色系染顔料;C.I.ピグメント・グリーン7、同36(フタロシアニン・グリーン)などの緑色顔料などが例示できる。
着色剤の含有量としては、バインダー樹脂100重量部に対して1〜15重量部程度であることが好ましく、より好適には2〜10重量部の範囲である。
トナーには、トナーをより安定に帯電させるために帯電制御剤を添加してもよい。トナーに使用できる帯電制御剤としては、公知の帯電制御剤が使用できる。
負帯電性を付与する帯電制御剤としては、例えば、クロムアゾ錯体染料、鉄アゾ錯体染料、コバルトアゾ錯体染料、サリチル酸又はその誘導体のクロム/亜鉛/アルミニウム/ホウ素錯体又は塩化合物、ナフトール酸又はその誘導体のクロム/亜鉛/アルミニウム/ホウ素錯体又は塩化合物、ベンジル酸又はその誘導体のクロム/亜鉛/アルミニウム/ホウ素錯体又は塩化合物、長鎖アルキル カルボン酸塩、長鎖アルキル スルフォン酸塩などを挙げることができる。(上記で、「クロム/亜鉛/アルミニウム/ホウ素錯体又は塩化合物」は、クロム錯体又はクロム塩化合物、亜鉛錯体又は亜鉛塩化合物、アルミニウム錯体又はアルミニウム塩化合物、又はホウ素錯体又はホウ素塩化合物を意味する。)
正帯電性を付与する帯電制御剤としては、例えば、ニグロシン染料又はその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、四級アンモニウム塩、四級ホスフォニウム塩、四級ピリジニウム塩、グアニジン塩、アミジン塩などの誘導体などを挙げることができる。
トナーにおける帯電制御剤の含有量としては、バインダー樹脂100重量部に対して0.1重量部〜20重量部の範囲内が好ましく、0.5重量部〜10重量部の範囲内がより好ましい。
トナーには、定着ローラ又は定着ベルトに対する離型性を高め、定着時の高温・低温オフセットを防止するために、離型剤を添加してもよい。トナーに使用できる離型剤としては、当該分野でトナー用離型剤として一般に使用されているいずれのものも使用できる。
トナーに使用できる離型剤としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの合成ワックスやパラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体などの石油系ワックス及びその変成ワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックスなどの植物系ワックスなどを挙げることができる。
離型剤の添加量は特に制限されないが、一般的には、バインダー樹脂100重量部に対して1〜5重量部である。
外添剤としては、個数平均粒径が7nm〜100nmのシリカ、酸化チタン、アルミナなどからなる無機粒子が使用できる。また、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルで表面処理することによって疎水性が付与された無機粒子であってもよい。疎水性を付与した無機粒子は、高湿下において電気抵抗や帯電量の低下が少なくなるので好ましい。特に、シランカップリング剤としてヘキサメチルジシラザン(以下、HMDSと呼ぶこともある)を用いて、表面にトリメチルシリル基を導入したシリカ粒子は、疎水性や絶縁性に優れている。このシリカ粒子を外添したトナーは、高湿環境下においても、優れた帯電性を提供できる。
具体的な外添剤には、日本アエロジル(株)製のアエロジル50(個数平均粒径:約30nm)、アエロジル90(個数平均粒径:約30nm)、アエロジル130(個数平均粒径:約16nm)、アエロジル200(個数平均粒径:約12nm)、アエロジル300(個数平均粒径:約7nm)、アエロジル380(個数平均粒径:約7nm)(以上、いずれもシリカ)、デグサ社(ドイツ)製のアルミナムオキサイドC(アルミナ;個数平均粒径:約13nm)、チタニウムオキサイドP−25(酸化チタン;個数平均粒径:約21nm)、MOX170(シリカ・アルミナ混合物;個数平均粒径:約15nm)、石原産業(株)製TTO−51(個数平均粒径:約20nm)、TTO−55(個数平均粒径:約40nm)(共に酸化チタン)などがある。個数平均粒径の定義は以下に記載する。
外添剤の添加量は、0.2〜3質量%が好ましい。この範囲の量で外添剤を添加することにより、定着性を過度に低下させることなく、トナーに十分な流動性を与えることができる。
外添剤は、着色樹脂粒子と、例えばヘンシェルミキサのような気流混合機を用いて混合することにより、着色樹脂粒子に外添される。
<画像形成方法>
本発明の画像形成方法は、現像剤として上記で説明した本発明に係る二成分現像剤を用い、該二成分現像剤中のトナーが静電潜像に供給される前に該二成分現像剤に光を照射する限り特定の方法に限定されず、二成分現像剤を用いる電子写真方式の画像形成方法をいずれも採用できる。
本発明の画像形成方法によれば、濃度の低下、カブリ及びキャリア付着が抑えられた画像が形成される。
例えば、本発明の画像形成方法は、感光体ドラムの表面を均一に帯電させ;帯電した感光体ドラム表面を画像情報に従って露光して該画像情報に対応する静電潜像を形成し;摩擦帯電した本発明に係る二成分現像剤を露光し;露光された二成分現像剤中のトナーで、感光体ドラム表面に形成された静電潜像を現像することを含んでなる単色画像又は多色画像の形成方法であり得る。
現像剤への光照射は、薄層の磁気ブラシを形成した状態の現像剤に対して行うことが好ましい。
画像形成方法は、現像された像(トナー像)を転写材に転写し;転写材上でトナー像を定着させ(固定し);感光体表面に残留するトナーを除去・回収し;感光体表面に残留する電荷を除去することを更に含んでなってもよい。
本発明の画像形成方法は、例えば、下記で説明する画形成装置を用いて実施できる。
<画像形成装置>
次に、本発明の画像形成装置について説明する。
本発明の画像形成装置は、現像剤として前述の本発明に係る二成分現像剤を用い、摩擦帯電後の該二成分現像剤に対して、該二成分現像剤中のトナーが静電潜像に供給される前に光を照射する現像剤露光装置を備える限り、他の構成について特定のものに限定されず、二成分現像剤を用いる電子写真方式の画像形成装置の構成として公知のものをいずれも採用できる。
本発明の画像形成装置によれば、濃度の低下、カブリ及びキャリア付着が抑えられた画像が得られる。
1つの実施形態では、画像形成装置は、例えば、表面に静電潜像が形成され得る感光体ドラムと、該感光体ドラムを帯電させる帯電器と、該感光体ドラムに静電潜像を書き込む露光器と、前述の本発明に係る二成分現像剤を収容し且つ該感光体ドラムの表面の静電潜像に該二成分現像剤中のトナーを供給してトナー像を形成する現像装置と、該二成分現像剤に光を照射する現像剤露光装置とを備えて構成される。
画像形成装置は、感光体表面のトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、感光体表面を清浄化するクリーニング装置と、トナー像を記録媒体に定着させる定着装置とを更に含んで構成されてもよい。
より具体的な実施形態において、現像装置は現像ローラを有し、現像ローラが二成分現像剤を担持してトナーを静電潜像に供給し、現像剤露光装置は該現像ローラに担持される該二成分現像剤に光を照射する。
本実施形態によれば、現像ローラに担持され、薄層の磁気ブラシを形成した状態の二成分現像剤に光照射するので、二成分現像剤中のキャリアに確実に光を照射することができ、よって該キャリアにおいてカウンターチャージの消去が十分に生じ、その結果として、濃度の低下、カブリ及びキャリア付着が更に抑えられた画像が得られる。
本発明の画像形成装置は、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複合機であり得る。
以下、本発明の画像形成装置について図を参照しながら具体的に説明する。
図2は、本発明に係る画像形成装置の一形態の構成を示す説明図である。例示されている画像形成装置は、4つの画像形成ユニット1〜4を備えるタンデム方式のカラー画像形成装置である。このうち、参照符号1にて示すのが、黒トナー画像を形成するための第1画像形成ユニットであり、参照符号2にて示すのが、シアントナー画像を形成するための第2画像形成ユニット、参照符号3にて示すのが、マゼンタトナー画像を形成するための第3画像形成ユニット、参照符号4にて示すのが、イエロートナー画像を形成するための第4画像形成ユニットである。
これら4つの画像形成ユニット1〜4の上方には、中間転写ベルト(無端ベルト)5が配設されている。中間転写ベルト5は、2つの支持ロール6に架け渡され、矢印Rにて示す方向に回転するようになっている。以降、中間転写ベルト5の回転方向Rに対し、二次転写ローラ8が配置されている二次転写位置(記録媒体への画像の転写位置)を基準として、上流及び下流を表現する。中間転写ベルト5の材料としては、ポリイミド又はポリアミドなどの樹脂に電子伝導性導電材を適当量含有させたものが使用できる。
4つの画像形成ユニット1〜4は、上流側から、第1画像形成ユニット1(ブラック)、第2画像形成ユニット2(シアン)、第3画像形成ユニット3(マゼンタ)、第4画像形成ユニット4(イエロー)の順に配置されている。
中間転写ベルト5の内側には、各画像形成ユニット1〜4で形成された単色トナー画像を中間転写ベルト5上に転写する一次転写ローラ7が、画像形成ユニット1〜4のそれぞれの感光体ドラムに対向するように設けられている。各画像形成ユニット1〜4で形成された単色トナー画像は、中間転写ベルト5上に重なり合うように転写され、1つのカラー画像を形成する。
中間転写ベルト5の回転方向Rの第4画像形成ユニット4(イエロー)より下流側には、中間転写ベルト5上に形成されたカラー画像を用紙(記録媒体)に転写する二次転写ローラ8が配設されている。
中間転写ベルト5の回転方向Rの二次転写ローラ8より下流側であって第1画像形成ユニット1より上流側には、中間転写ベルト5の表面をクリーニングするためのベルトクリーニングユニット10が設けられている。ベルトクリーニングユニット10は、中間転写ベルト5に接触配置されるベルトクリーニングブラシ11と、ベルトクリーニングブレード12とを有している。ベルトクリーニングブレード12は、ベルトクリーニングブラシ11の下流側に配置される。
画像形成ユニット1〜4の下方には、用紙を収容するトレー14が配設されている。トナー14内の用紙は、複数の給紙ローラ13にて、二次転写ローラ8が中間転写ベルト5と対向する二次転写位置まで搬送される。矢印Pにて、用紙の搬送方向を示す。
用紙搬送方向Pの二次転写ローラ8より下流側には、用紙に転写されたカラー画像を用紙上に定着するための定着ユニット15が設けられている。定着ユニット15の更に下流側には、カラー画像が定着された用紙を画像形成装置から排出する排紙ローラ13aが設けられている。
上記のような構成において、画像形成ユニット1〜4で形成されたそれぞれの単色トナー画像は、中間転写ベルト5上へ順次転写されて、中間転写ベルト5上に1つのカラー画像が形成される。中間転写ベルト5上のカラー画像は、二次転写位置において、給紙ローラ13にて搬送される用紙へと二次転写され、その後、定着ユニット15にて用紙に定着される。カラー画像が定着された用紙は、排紙ローラ13aにて画像形成装置から排出される。一方、二次転写後、用紙に転写さないまま中間転写ベルト5上に残ったトナーは、ベルトクリーニングユニット10にて取り除かれる。
図3は、図2に示す第1画像形成ユニット1を示している。なお、第2画像形成ユニット2、第3画像形成ユニット3、及び第4画像形成ユニット4の構成は、実質的に同じ構成である。したがって、第2画像形成ユニット2、第3画像形成ユニット3、及び第4画像形成ユニット4の構成の詳細な説明は省略する。
図3に示すように、感光体ドラム16の周囲には、感光体ドラム16を帯電させる帯電器17、感光体ドラム16上に静電潜像を書き込む露光器18、本発明に係る二成分現像剤を用いて感光体ドラム16表面の静電潜像を可視化する現像装置19、一次転写後に感光体ドラム16上に残留するトナーを含む残留物を除去する感光体ドラムクリーナ20が配置され、現像装置19の近傍には、現像ローラ上の二成分現像剤に光を照射する現像剤露光装置31が配置される。
帯電器17は、例えばスコロトロン帯電器からなり、感光体ドラム16に対しコロナ放電を行って感光体ドラム16を所定の電位に帯電させる。なお、コロトロン帯電器や、帯電ローラや帯電ブラシを用いた接触型帯電器から構成されることも可能である。
露光器18は、例えばレーザ露光器からなり、画像信号に応じたレーザ走査による露光を行い、帯電器17によって帯電された感光体ドラム16の表面電位を変化させることで、画像情報に応じた静電潜像を形成する。露光器としては、LEDアレイ装置なども用いることができる。
現像装置19は、現像槽内部に本発明に係る二成分現像剤を収容し、現像剤に含まれるトナーにて、感光体ドラム16表面の静電潜像を現像する。
感光体ドラムクリーナ20は、クリーニングブレード21と、クリーナハウジング22と、シール23とを備えている。
クリーニングブレード21は、感光体ドラム16の回転方向Rdに対してカウンタ方向に圧接配置され、感光体ドラム16表面の残留物を掻き取るものである。クリーナハウジング22は、掻き取られた残留物を収容するもので、クリーニングブレード21はクリーナハウジング22に取り付けられている。シール23は、クリーナハウジング22内部をシールするもので、感光体ドラム16の回転方向Rdのクリーニングブレード21より上流側において、一端がクリーナハウジング22に固定されると共に、他端が感光体ドラム16に接触配置されている。
図4は、図3に示した現像装置19の構成をより詳細に説明する図である。
現像装置19は、本発明に係る二成分現像剤DVが収容される現像槽27を備えており、現像槽27には、感光体ドラム16の外周面に臨む位置に開放部30が設けられている。
現像槽27内部であって、開放部30に臨む位置には、外周面に二成分現像剤を担持して搬送することで感光体ドラム16に二成分現像剤を供給し、静電潜像を現像するための現像ローラ24が設けられている。現像ローラ24は、感光体ドラム16の外周面と所定の間隙を設けて配置されている。
現像ローラ24は、複数の周方向位置に断面形状が長方形の永久磁石からなる磁極N1、N2、N3及び磁極S1、S2が離隔して放射状に配置された多極着磁の多極着磁部材25と、多極着磁部材25に回転自在に外嵌された非磁性のスリーブ26とを備えている。
多極着磁部材25は両端部が現像槽27の両側壁に非回転に支持されており、磁極N1(ピーク値110mT)は感光体ドラム16の回転中心に向かう位置に、磁極S1(ピーク値=−78mT)は磁極N1から上流側、例えば59°の位置に、磁極N2(ピーク値=56mT)は磁極N1から上流側、例えば117°の位置に、磁極N3(ピーク値=42mT)は磁極N1から上流側、例えば224°の位置に、磁極S2(ピーク値=−80mT)は磁極N1から上流側、例えば282°の位置にそれぞれ配置されている。
スリーブ26の感光体ドラム16外周面との最近接位置より現像剤搬送方向(スリーブ回転方向)上流側には、スリーブ26に担持される現像剤層の厚みを規制して、現像剤の静電潜像への搬送量を規制する規制部材28が設けられている。規制部材28は、スリーブ26表面に対して所定の間隔を隔てて配置されている。
現像槽27内部であって、現像ローラ24に臨む位置には、現像槽27内部の二成分現像剤DVを撹拌すると共に現像ローラ24へと供給する攪拌部材29が、回転自在に設けられている。
スリーブ回転方向の規制部材28より下流側でかつ現像領域(二成分現像剤が感光体ドラム16と接触する領域)より上流側で、スリーブ26上に担持される二成分現像剤に対して光を照射できるように現像剤露光装置31が配置されている。
現像剤露光装置31は、現像剤中の本発明に係るキャリアの第1樹脂層に含まれる電荷発生材料が吸収して電荷を発生する波長を含む光を照射できる限り、任意の形態の露光装置であり得る。現像剤露光装置としては、除電ランプとして使用されているものを使用でき、例えば、ハロゲンランプ、タングステンランプ、キセノンランプ、蛍光灯、発光ダイオード(LED)が挙げられるが、ハロゲンランプが好ましい。
現像剤露光装置は、光を感光体ドラムに供給される二成分現像剤に対して照射可能であるが、感光体ドラム表面に対しては照射できないように配置されるか又は構成されていればよい。配置位置は、現像装置19の内側であっても外側であってもよい。現像剤露光装置は、好ましくは、現像領域の直前で二成分現像剤に光を照射可能であるように配置される。
現像剤露光装置は、現像領域に供給される現像剤に対して、所定の位置又は領域で確実に光を照射するために、常時又は現像領域に現像剤が供給されている間は、照射状態であり得る。
<定義>
以下に、本発明に関して使用する用語「体積平均粒径」、「飽和磁化」、「体積抵抗率」、「BET比表面積」、「個数平均粒径」の定義を記載する。
キャリア及びコア粒子に関する「体積平均粒径」
本明細書において、キャリア及びコア粒子に関して「体積平均粒径」は、レーザ回折式粒度分布測定装置HELOS(SYMPATEC社製)に乾式分散装置RODOS(SYMPATEC社製)を用いて、分散圧3.0barの条件下で測定した値を意味する。
着色樹脂粒子及びトナーに関する「体積平均粒径」
本明細書において、着色樹脂粒子及びトナーに関して「体積平均粒径」は、コールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)で100μmのアパチャを用いて測定した値を意味する。電解液は一級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。
測定法は次のとおりである:電解液水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加え、超音波分散機で約1〜3分間分散処理して測定用懸濁液を調製する。この測定用懸濁液中のトナーの体積及び個数を、前記測定装置で100μmアパチャを用いて測定し、体積分布と個数分布を得る。体積分布より体積平均粒径を求める。
「飽和磁化」
本明細書において、「飽和磁化」は、東英工業(株)製のVSMP−1によって測定された値をいう。
「体積抵抗率」
本明細書において、コア粒子に関する「体積抵抗率」は下記の手順に従って測定した値を意味する。まず、気温20℃、湿度65%の環境条件において、6.5mmの間隙を設けて設置される幅30mm、高さ10mmの2枚の銅板電極間に0.2gのコア粒子を充填する。次いで、N極とS極が対向するように各銅板電極の外側に配置される2つの磁石(100mT)の磁力線によって、コア粒子によるブリッジを形成させる。この状態で、500Vの電圧印加の15秒後に測定する。この測定値を体積抵抗率とする。
「BET比表面積」
本明細書において、BET比表面積は、BET比表面積測定装置ジェミニ2360(島津製作所社製)を用いた3点測定法で得られた測定値を意味する。
「個数平均粒径」
本明細書において、外添剤の個数平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて外添剤を撮影し、得られた画像から任意に100個の外添剤の粒径を測定し、得られた粒径の平均値を意味する。
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
<キャリア>
実施例及び比較例のキャリアは、次に示す方法により作製した。
フェライト原料(KDK社製)をボールミルにて混合した後、ロータリーキルンにて900℃で仮焼し、得られた仮焼粉を、湿式粉砕機(粉砕媒体としてスチールボール使用)により平均粒径1μm以下まで微粉砕した。得られたフェライト粉末をスプレードライ方式により造粒し、造粒物を1300℃で焼成した。焼成後、クラッシャを用いて解砕することで、体積平均粒径が43μm、体積抵抗率が1×109Ω・cmのフェライト成分からなるコア粒子を得た。
コア粒子を被覆する電荷発生材料を含む第1被覆層を形成するための被覆用塗液として、ジメチルシリコーン樹脂(東芝シリコーン(株)製)100重量部と、メタルフリーフタロシアニン(保土ヶ谷化学(株)製)50重量部とを、トルエン850重量部に溶解及び分散して被覆用塗液S1を調製した。浸漬法被覆装置において、この被覆用塗液S1 30重量部に対して前記コア粒子100重量部を混合し、トルエンを完全に蒸発除去させて、コア粒子に第1被覆層を形成し第1被覆層キャリアを作製した。
次に、ホール輸送材料を含む第2被覆層を形成するための被覆用塗液として、ジメチルシリコーン樹脂(東芝シリコーン(株)製)100重量部と、式(1)に示すトリフェニルアミン(保土ヶ谷化学(株)製)25重量部とを、トルエン850重量部に溶解して被覆用塗液S2を調製した。浸漬法被覆装置において、この被覆用塗液S2 30重量部に対して前記第1被覆層キャリア100重量部を混合し、トルエンを完全に蒸発除去させた後に、230℃で30分間キュアリングを行い、前記第1被覆層キャリアに第2被覆層を形成した。
このようにして作製した第1被覆層及び第2被覆層を有するキャリアC1は、体積平均粒径が45μm、被覆率100%、飽和磁化65emu/gであった。
表1に示すように、電荷発生材料及び/又はホール輸送材料を変えて、キャリアC1と同様の方法で、キャリアC2〜C8を作製した。
また、表1に示すように、電荷発生材料及び/又はホール輸送材料を用いないか、或いは第1被覆層及び/又は第2被覆層を形成しないこと以外はキャリアC1と同様の方法で、キャリアC9〜C12を作製した。
Figure 2010008674
<トナー>
トナーを、以下に示す方法で作製した。
トナー材料を下記する。
・バインダー樹脂(ビスフェノールAプロピレンオキサイド、テレフタル酸又は無水トリメリット酸を単量体として重縮合して得られるポリエステル樹脂:ガラス転移温度62℃、軟化温度110℃:藤倉化成工業(株)製) 100重量部
・着色剤(カーボンブラック;MA−100:三菱化学(株)製) 5重量部
・帯電制御剤(ホウ素化合物;LR−147:日本カーリット(株)製) 2重量部
・離型剤(マイクロクリスタリンワックス;HNP−9:日本精蝋(株)製) 3重量部
上記トナー材料をヘンシェルミキサにて10分間混合した後、混練分散処理装置(ニーディックスMOS140−800:三井鉱山(株)製)で溶融混練分散処理した。その混練物をカッティングミルで粗粉砕した後、ジェット式粉砕機(IDS−2型:日本ニューマチック工業(株)製)によって微粉砕した。微粉砕物を、風力分級機(MP−250型:日本ニューマチック工業(株)製)を用いて分級することによって、体積平均粒径が6.5±0.1μm、BET比表面積が1.8±0.1m2/gである着色樹脂粒子を得た。
得られた着色樹脂粒子100重量部に、個数平均粒径が12nmのヘキサメチルジシラザンで表面を処理したシリカ粒子(AEROSIL R 8200:日本アエロジル社製)1重量部を加えて、攪拌羽根の先端速度を15m/秒に設定した気流混合機(ヘンシェルミキサ:三井鉱山(株)製)で2分間攪拌することによって負帯電性のトナーT1を作製した。
<二成分現像剤>
キャリアC1〜C12をトナーT1と混合することによって、実施例及び比較例の二成分現像剤を作製した。二成分現像剤は、トナー6重量部とキャリア94重量部とをナウターミキサ(商品名:VL−0;ホソカワミクロン(株)製)に投入し、20分間攪拌混合することによって作製した。
<画像評価>
作製した二成分現像剤について、図2に示したような試験用画像形成装置を用いてプリントテストを行った。なお、プリントテストには、画像形成装置の4つの画像形成ユニットのうち画像形成ユニット1のみを用いた。画像形成装置の現像条件として、感光体ドラムの周速を200mm/秒、現像ローラの周速280mm/秒、感光体ドラムと現像ローラのギャップを0.4mm、現像ローラと規制ブレードのギャップを0.5mmに設定し、温度20℃、湿度65%環境下にて行った。また、現像剤露光装置としてハロゲンランプを用い、磁気ブラシが形成された状態の現像剤に光を照射した。更に、試験紙として、A4サイズの電子写真用紙(マルチレシーバー:シャープドキュメントシステム(株)製)を使用した。
初期印刷時(1枚目)のトナー帯電量、画像濃度、カブリ濃度を測定した。これらの測定法を下記する。
<トナー帯電量>
トナー帯電量は、吸引式小型帯電量測定装置(210HS−2A;トレックジャパン(株)製)を用いて測定した。
<画像濃度>
画像濃度については、一辺が3cmのベタ画像(100%濃度)をプリントし、プリント部分の画像濃度を反射濃度計(RD918;マクベス社製)を用いて測定した。画像濃度が1.4以上(紙の繊維がトナーで完全に覆われ光沢のある状態)を良好とし、1.3以上1.4未満(紙の繊維がトナーで完全に覆われているが光沢ムラのある状態)をやや不良、1.3未満(紙の繊維の白地が見える状態)を不良とした。
<カブリ濃度>
カブリ濃度については、非画像部(0%濃度)の濃度を次の手順により算出した。
白度計(Z−Σ90 COLOR MEASURING SYSTEM;日本電色工業(株)製)を用いて、プリント前の紙の白色度及びプリント後の紙の非画像部における白色度を測定し、両者の白色度の差をカブリ濃度として求めた。
カブリ濃度が0.5未満(肉眼ではカブリが見えない状態)を良好、0.5以上0.8未満(肉眼ではカブリがかすかに見える状態)をやや不良、0.8以上(肉眼ではカブリが見える状態)を不良とした。
<結果>
プリントテスト結果を表2に示す。
Figure 2010008674
実施例1〜8に示されるように、電荷発生材料を含む第1被覆層と、該第1被覆層を被覆するホール輸送材料を含む第2被覆層とを有する被覆キャリアC1〜C8のキャリアを含んでなる現像剤を用いたプリントテストにおいては、画像濃度が高く、カブリ濃度の低い画像が得られた。
一方、比較例1〜4に示されるようにC9〜C10キャリアを含んでなる現像剤を用いたプリントテストでは、画像濃度の低い画像やカブリ濃度の高い画像が得られた。
本発明のキャリアの概略図である。 本発明の画像形成装置の一実施形態を説明する概略図である。 本発明の画像形成装置における画像形成ユニットの一形態を示す概略拡大断面図である。 本発明の画像形成装置における現像装置の一形態を示す概略拡大断面図である。
符号の説明
N1、N2、N3、S1、S2 磁極、P 搬送方向、R、Rd 回転方向
1〜4 第1〜第4画像形成ユニット
5 中間転写ベルト
6 支持ロール
7 一次転写ローラ
8 二次転写ローラ
10 ベルトクリーニングユニット
11 ベルトクリーニングブラシ
12 ベルトクリーニングブレード
13 給紙ローラ
13a 排紙ローラ
14 トレー
15 定着ユニット
16 感光体ドラム
17 帯電器
18 露光器
19 現像装置
20 感光体ドラムクリーナ
21 クリーニングブレード
22 クリーナハウジング
23 シール
24 現像ローラ
25 多極着磁部材
26 スリーブ
27 現像槽
28 規制部材
29 攪拌部材
30 開放部
31 現像剤露光装置
DV 二成分現像剤
40 コア粒子
41 電荷発生材料を含む第1被覆層
42 ホール輸送材料を含む第2被覆層

Claims (9)

  1. コア粒子と、該コア粒子を被覆し電荷発生材料を含む第1樹脂層と、該第1樹脂層を被覆しホール輸送材料を含む第2樹脂層とを有することを特徴とする電子写真用キャリア。
  2. 前記電荷発生材料がフタロシアニン化合物である請求項1に記載のキャリア。
  3. 前記ホール輸送材料がトリフェニルアミン誘導体である請求項1又は2に記載のキャリア。
  4. 前記第1樹脂層及び第2樹脂層を構成する樹脂が熱硬化性シリコーン樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載のキャリア。
  5. 前記コア粒子の表面に前記第1樹脂層を塗布し硬化させた後に、前記第2樹脂層を塗布し硬化させることにより得られる請求項1〜4のいずれか1項に記載のキャリア。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のキャリアと負帯電性トナーとを含む二成分現像剤。
  7. 感光体ドラムと、該感光体ドラムを帯電させる帯電器と、該感光体ドラムに静電潜像を書き込む露光器と、請求項6に記載の二成分現像剤を収容し、該感光体ドラムの表面の静電潜像に該二成分現像剤中のトナーを供給してトナー像を形成する現像装置と、該二成分現像剤に光を照射する現像剤露光装置とを備えることを特徴とする電子写真方式の画像形成装置。
  8. 前記現像装置が現像ローラを有し、該現像ローラが前記二成分現像剤を担持してトナーを静電潜像に供給し、前記現像剤露光装置が該現像ローラに担持される該二成分現像剤に光を照射する請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 現像剤として請求項6に記載の二成分現像剤を用い、該二成分現像剤中のトナーが静電潜像に供給される前に該二成分現像剤に光を照射することを特徴とする電子写真方式の画像形成方法。
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