JP7133141B2 - ブレード部材の選定方法 - Google Patents
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R35≦-1.56×H35+132・・・(A)
図1は、本実施形態に係る画像形成装置1の概略構成図である。図1を用いて画像形成装置1の概略について説明する。この画像形成装置1は、その本体上部から、自動原稿搬送装置3、原稿読取部4を備えている。原稿読取部4の下方には、画像形成済みの記録媒体としての記録紙Pを積載するスタック部5を備えている。スタック部5の下方には、原稿読取部4によって読み取った原稿画像に基づいて画像を形成する画像形成部2と、画像形成部2に記録紙Pを給紙する給紙部6とを備えている。
各作像ユニット10では、各色トナー像の形成がおこなわれる。各感光体11の回転とともに、まず帯電装置で感光体11の表面を一様に帯電する。次いで、光書込ユニット19から、原稿読取部4によって読み取った原稿の画像データを色毎に分解した画像情報データに基づくレーザ光を各感光体11上に照射し、静電潜像を形成する。その後、各現像装置13によりトナーを静電潜像に付着させ可視像化することで各感光体11上に各色トナー像を形成する。
4つの作像ユニット10Y、10C、10M、10Kは、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外はほぼ同一構造であるので、プロセスカートリッジ及び現像装置及びトナー補給部における符号のアルファベット(Y、M、C、K)は省略する。
加圧機構160は、固形潤滑剤16bを保持する保持部材16cと、保持部材16cに回動可能に支持された一対の回転部材16gと、一対の回転部材16gに連結された引張スプリング16h(付勢部材)と、軸受16jと、で構成されている。
このように、本実施の形態において、加圧機構160は、固形潤滑剤16bに対して回転軸方向両端部(図2の紙面垂直方向の両端部である。)にそれぞれ加圧力が付与されるように構成されていることになる。
図4は、クリーニングブレード15aの概略構成図である。クリーニングブレード15aは、感光体11に当接するエッジ部を含むエッジ層151aとバックアップ層151bとからなる二層構造のブレード部材15a1と、ブレード部材15a1を保持するL字形状の金属製のブレードホルダー15a2とを有している。
上記の摩耗量と摩耗形態はスティックスリップの発生しやすさによって左右される。
よって、本実施形態では、実際の使用時の機内温度である35℃の反発弾性率を規定した。
評価試験は、図4に示したエッジ層とバックアップ層とを有する二層構造のブレード部材を備えた実施例1~10、比較例1~10のクリーニングブレードを用意して、評価試験を行なった。各クリーニングブレードのブレード部材は、L字形状の金属製のブレードホルダー15a2に接着固定し、エッジ層は0.5mm、バックアップ層は1.5mmの層厚にした。また、エッジ層とバックアップ層は異なる材料、硬度となっており、実施例1~10および比較例1~10のクリーニングブレード15aのエッジ層の特性値を表1に示す。
図6に示すように、感光体11に対する当接圧Fが20[N/m]、食込み量tが1[mm]となるよう、各材質のゴムの自由長lを調整して実施例1~10、比較例1~10のクリーニングブレードを作成した。
以下の条件で摩耗ランニング実施し、クリーニングブレードの摩耗評価1、2を実施した。
・画像形成装置 :リコー製 MPC5100S
・ランニングチャート:画像面積率:5[%] A4ヨコ
・ランニング枚数 :400000枚
評価1は、KEYENCE製 レーザー顕微鏡 VK-9500にてランニング評価試験後のクリーニングブレード先端の立体像を観察し、摩耗面積S[μm2]を求めた。摩耗面積Sは、図7に示す斜線部であり、使用初期に対する喪失部分の断面積である。
摩耗評価試験2は、KEYENCE製 レーザー顕微鏡 VK-100にてランニング評価試験後のクリーニングブレードを図8に示す方向から摩耗状態を観察し、摩耗形態を評価した。レンズ倍率は100倍とした。図9(a)に示すように、摩耗面に激しい凹凸が観察されたときは、「疲労摩耗」と評価、図9(b)に示すように、摩耗面に凹凸が観察されず、滑らかな摩耗面が観察されたときは、「鏡面摩耗」と評価し、図9(c)に示すように、「鏡面摩耗」と「疲労摩耗」の中間的な摩耗面のときは、中間摩耗と評価した。
以下の条件でランニング後、低温評価を実施した。
・評価環境 :10℃15%RH
・画像形成装置 :リコー製 MPC5100S
・クリーニングブレード:上記摩耗ランニング(40万枚ラン)後のブレード
・ランニングチャート :縦帯ベタ A4ヨコ
・ランニング枚数 :1000枚
図10に示すように、ランニングチャートは、K、C、M、Yの縦帯ベタ画像が、所定の間隔で並んだものである。
以下の条件でランニング後、トナーすり抜け評価試験を実施した。
・画像形成装置 :リコー製 MPC5100S
・クリーニングブレード:上記摩耗ランニング(40万枚ラン)後のブレード
・ランニングチャート :縦帯ベタ A4ヨコ(図10参照)
・ランニング枚数 :1000枚
(態様1)
弾性材料からなるブレード部材15a1で構成され、ブレード先端部を感光体11などの被清掃部材の表面に当接させ、表面移動する被清掃部材の表面から付着物を除去するクリーニングブレード15aにおいて、ブレード部材の前記ブレード先端部を構成する材料の35℃におけるJISアスカーA硬度H35と、35℃における反発弾性率R35とが、R35≦-1.56×H35+132の関係を満たしている。
特許文献1に記載のクリーニングブレードにおいては、1万枚の耐久試験の試験結果に基づいて、クリーニングブレードの物性を規定しているが、40万枚の耐久寿命が要求される昨今の要求には、十分応えられないおそれがあった。
これに対し、態様1では、上述した評価試験から明らかなように、ブレード先端部を構成する材料の35℃におけるJISアスカーA硬度H35と、35℃における反発弾性率R35との関係が、R35≦-1.56×H35+132を満たすことで、40万枚耐久試験においても、トナーすり抜けが抑制され、良好なクリーニング性を得ることができる。
態様1において、エッジ層151aなどのブレード先端部を構成する材料の35℃におけるアスカー硬度H35が、64度以上、76度以下である。
これによれば、表1~表3からわかるように、エッジ層151aなどのブレード先端部を構成する材料の35℃におけるアスカー硬度H35が、64度以上、76度以下の範囲で、40万枚後においても、トナーすり抜けが抑制され、良好なクリーニング性を得ることができる。
態様1または2において、エッジ層151aなどのブレード先端部を構成する材料の10℃における反発弾性率が7[%]以上である。
これによれば、上述した評価試験で示したように、40万枚後においても、低温クリーニング性を良好に維持することができる。
態様1乃至3において、ブレード先端部を構成する材料が、ゴム材料である。
これによれば、弾性材料からなるブレード部材を得ることができる。
態様1乃至4において、ブレード部材15a1は、2種類以上の異なる材料が積層された積層構造である。
積層構造とすることで、材料選択の自由度を高めることができ、よりシステムにあったクリーニングブレードを構成することができる。
クリーニングブレード15aを備える感光体クリーニング装置15などのクリーニング装置において、クリーニングブレードとして、態様1乃至5のいずれかのクリーニングブレードを用いた。
これによれば、実施形態で説明したように、長期にわたり良好なクリーニング性を維持できるクリーニング装置を提供することができる。
感光体11などの像担持体と、像担持体の表面に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニングブレード15aとを備え、像担持体上に形成した画像を最終的に記録紙Pなどの記録媒体に転移させる画像形成装置において、クリーニングブレード15aとして、態様1乃至5のいずれかのクリーニングブレードを用いる。
これによれば、実施形態で説明したように、経時にわたり、ムラ画像・スジ状の異常画像が抑制された良好な画像を得ることができる。
態様7において、感光体11などの像担持体とクリーニングブレード15aとの摩擦係数が0.2以下である。
これによれば、クリーニングブレード15aのスティックスリップや、摩耗の進行を抑制することができ、長期に亘り良好なクリーニング性を維持することができる。
態様8において、少なくとも脂肪酸金属塩と無機潤滑剤とを含有する潤滑剤を感光体11などの像担持体表面に塗布または付着させる潤滑剤供給装置16などの潤滑剤供給手段を備える。
これによれば、像担持体表面に潤滑剤を塗布または付着させることで、像担持体とクリーニングブレードとの間の摩擦係数を下げることができ、クリーニングブレードの磨耗を低減することができる。また。像担持体表面を潤滑剤で保護することができる。
態様9において、脂肪酸金属塩がステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、及びラウリン酸亜鉛から選択される少なくとも一種である。
これによれば、実施形態で説明したように、感光体11などの像担持体表面上での伸展性が向上するとともに、湿度が変化しても潤滑性が損なわれにくくすることができる。
態様9または10において、無機潤滑剤がマイカ、タルク、窒化ホウ素から選択される少なくとも一種である。
これによれば、良好な潤滑性を得ることができる。
態様9乃至11いずれかにおいて、潤滑剤供給装置16などの潤滑剤供給手段は、固形潤滑剤16bなどの潤滑剤を保持し、潤滑剤を感光体11などの像担持体側へ加圧する加圧機構160を備え、加圧機構160は、潤滑剤を保持する保持部材16cと、一対の回転部材16gと、一対の回転部材16gを付勢する引張スプリング16hなどの付勢手段とを備え、付勢手段の付勢力を受けて回転部材が回転することで潤滑剤を加圧する。
これによれば、実施形態で説明したように、固形潤滑剤16bなどの潤滑剤が消費されても、固形潤滑剤16bの加圧力をほぼ一定に維持することが可能となる。
感光体11などの像担持体と、像担持体の表面に接触し、その表面上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニングブレード15aとを備え、画像形成装置に対して着脱自在に構成されたプロセスカートリッジにおいて、クリーニングブレードとして、態様1~5のクリーニングブレードを用いる。
これによれば、長期に亘り良好なクリーニング性を維持することができるプロセスカートリッジを提供することができる。
態様13において、少なくとも脂肪酸金属塩と無機潤滑剤とを含有する潤滑剤を感光体11などの像担持体表面に塗布または付着させる潤滑剤供給装置16などの潤滑剤供給手段を備える。
これによれば、実施形態で説明したように、感光体11などの像担持体とクリーニングブレード15aとの間の摩擦係数を下げることができ、クリーニングブレード15aの磨耗を低減することができる。また。像担持体表面を潤滑剤で保護することができる。
態様14において、脂肪酸金属塩がステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、及びラウリン酸亜鉛から選択される少なくとも一種である。
これによれば、実施形態で説明したように、感光体11などの像担持体表面上での伸展性が向上するとともに、湿度が変化しても潤滑性が損なわれにくくすることができる。
態様14または15に記載のプロセスカートリッジにおいて、無機潤滑剤がマイカ、タルク、窒化ホウ素から選択される少なくとも一種である。
これによれば、良好な潤滑性を得ることができる。
態様14乃至16いずれか一項において、潤滑剤供給装置16などの潤滑剤供給手段は、潤滑剤を保持し、潤滑剤を感光体11などの像担持体側へ加圧する加圧機構160を備え、加圧機構160は、潤滑剤を保持する保持部材16cと、一対の回転部材16gと、一対の回転部材16gを付勢する引張スプリング16hなどの付勢手段とを備え、付勢手段の付勢力を受けて回転部材16gが回転することで潤滑剤を加圧する。
これによれば、実施形態で説明したように、固形潤滑剤16bなどの潤滑剤が消費されても、固形潤滑剤16bの加圧力をほぼ一定に維持することが可能となる。
2 :画像形成部
10 :作像ユニット
11 :感光体
12a :帯電ローラ
15 :感光体クリーニング装置
15a :クリーニングブレード
15a1 :ブレード部材
15a2 :ブレードホルダー
15b :搬送コイル
16 :潤滑剤供給装置
16a :潤滑剤供給ローラ
16b :固形潤滑剤
16c :保持部材
16g :回転部材
16h :引張スプリング
151a :エッジ層
151b :バックアップ層
160 :加圧機構
Claims (5)
- 弾性材料からなるブレード部材で構成され、ブレード先端部を被清掃部材の表面に当接させ、表面移動する被清掃部材の表面から付着物を除去するクリーニングブレードのブレード部材の選定方法であって、
前記ブレード部材の前記ブレード先端部を構成する材料が、35℃におけるJISアスカーA硬度H35と、35℃における反発弾性率R35とが、以下の関係式(A)を満たす材料であるか否かに基づいて、前記ブレード部材を選定することを特徴とするブレード部材の選定方法。
R35≦-1.56×H35+132・・・(A) - 請求項1に記載のブレード部材の選定方法において、
前記ブレード先端部を構成する材料の35℃におけるアスカーA硬度H35が、64度以上、76度以下のブレード部材を選定することを特徴とするブレード部材の選定方法。 - 請求項1または2に記載のブレード部材の選定方法において、
前記ブレード先端部を構成する材料の10℃における反発弾性率が7[%]以上であるブレード部材を選定することを特徴とするブレード部材の選定方法。 - 請求項1乃至3いずれか一項に記載のブレード部材の選定方法において、
前記ブレード先端部を構成する材料が、ゴム材料であるブレード部材を選定することを特徴とするブレード部材の選定方法。 - 請求項1乃至4いずれか一項に記載のブレード部材の選定方法において、
2種類以上の異なる材料が積層された積層構造のブレード部材を選定することを特徴とするブレード部材の選定方法。
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