JP6179810B2 - 画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置、及び、この画像形成装置に採用されるプロセスカートリッジに関するものである。
この種の画像形成装置は、一般に、帯電手段によって、感光体等の潜像担持体表面上を所望の一様な電位に帯電させ、帯電させた表面に光を照射して静電潜像を形成した後、その静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する。そして、このように形成された潜像担持体上のトナー像を、中間転写体を介して記録材上に転写し、または、記録材上に直接転写して、記録材上にトナー像による画像を形成する。トナー像を転写した後の潜像担持体の表面上に残留するトナーは、クリーニング手段によって除去される。
特許文献1には、ドラム状の潜像担持体を備え、帯電手段として、潜像担持体の表面に接触して表面移動する帯電ローラを用いる構成が記載されており、さらに、クリーニング手段として、クリーニングブレードを当接させる構成が記載されている。帯電手段として、潜像担持体の表面に接触する帯電ローラを用いる構成では、非接触型の帯電部材を用いる構成に比べて、帯電時の放電に起因する潜像担持体の表面劣化が生じ難く、潜像担持体の長寿命化に有利である。また、クリーニング手段として、クリーニングブレードを当接させる構成は、簡易な構成で効率的に潜像担持体の表面上のトナーをクリーニングすることができる。
本発明者らは、画像形成装置の小型化を図るために潜像担持体の小径化、及び、潜像担持体の軽量化を図るためにドラム形状を形成する円筒状の基材の薄肉化を検討している。さらに、A3サイズ(297[mm]×420[mm])よりも一回り大きなA3ノビサイズ(329[mm]×483[mm]程度)の用紙への画像形成を可能とするために、軸方向に長い潜像担持体を用いることを検討している。
本発明者らは、小径で、基材の肉厚が薄く、A3ノビサイズの用紙に対応可能な軸方向の長さの潜像担持体を用いて、中間転写方式の画像形成を行った。この画像形成では、潜像担持体の軸方向端部にトナーの外添剤であるシリカが付着し、装置寿命の前にフィルミングが発生した。潜像担持体の表面上にフィルミングが発生すると、現像時において潜像担持体上の単位面積当たりのトナー量が不安定になり、濃度ムラの発生の原因となる。
潜像担持体の小径化、薄肉化及び長尺化は、いずれも潜像担持体を撓み易くするものである。上述した帯電手段に帯電ローラを用いる構成では、潜像担持体に当接する帯電ローラが潜像担持体を軸方向に直交する方向に加圧する。また、クリーニングブレードを当接させる構成では、クリーニングブレードが潜像担持体を軸方向に直交する方向に加圧する。さらに、潜像担持体が表面移動するときに、クリーニングブレードとの接触部に作用する摩擦力によって、接触部における潜像担持体の表面移動方向とは反対方向の力が潜像担持体に作用する。この表面移動方向とは反対方向の力も潜像担持体の軸方向に直交する方向に作用する力である。
このように潜像担持体の軸方向に直交する力が作用すると、潜像担持体は軸方向に直交する方向に撓むように変形するが、上記画像形成で用いた潜像担持体よりも撓み難い従来の潜像担持体では撓みに起因する不具合はあまり顕在化しなかった。
一方、上記画像形成で用いた潜像担持体は、従来よりも撓み易くなっているため、その撓みに起因する不具合が顕在化したものと考えられる。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、従来よりも撓み易い潜像担持体を使用した構成で、潜像担持体の軸方向端部にフィルミングが発生することを抑制できる画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、表面移動する潜像担持体と、表面移動する表面を該潜像担持体の表面に接触して帯電ニップを形成し、該潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電部材と、一様帯電された該潜像担持体の表面に静電潜像を形成する潜像書き込み手段と、該潜像担持体上の静電潜像にトナーを付着させ現像する現像手段と、該潜像担持体上に付着したトナーによって形成されるトナー像を被転写材に転写する転写手段と、トナー像を被転写材に転写した該潜像担持体上に残留する転写残トナーを除去するクリーニング手段とを有する画像形成装置において、上記潜像担持体として、断面二次モーメントを長さの三乗で割った値が、0.000058[mm]以上、0.000145[mm]以下の範囲となるものを用いるとともに、上記帯電部材の表面に付着した異物を除去する帯電クリーニング手段を設け、該潜像担持体の表面移動方向における上記帯電ニップの長さである帯電ニップ幅を、該潜像担持体の軸方向の中央部の中央部帯電ニップ幅よりも軸方向の端部の端部帯電ニップ幅の方が広くなるようにし、該端部帯電ニップ幅と中央部帯電ニップ幅との差を、駆動時の該潜像担持体の中央部の撓み量よりも大きくなるようにしたことを特徴とするものである。
本発明によれば、従来よりも撓み易い潜像担持体を使用した構成で、潜像担持体の軸方向端部にフィルミングが発生することを抑制できるという優れた効果がある。
本実施形態に係る作像装置のうちの一つの概略説明図。 本実施形態に係る複写機の概略説明図。 実施例1の感光体クリーニング装置が備えるクリーニングブレードの長手方向端部近傍の拡大斜視説明図。 実施例1の感光体クリーニング装置のクリーニングブレード及び搬送コイルと、感光体との位置関係を示す斜視説明図。 図3に示す斜視図に、感光体クリーニング装置のケースを破線で追記した説明図。 ホルダ部材の曲げ部の長手方向端部の短手方向の長さを0[mm]としたクリーニングブレードの長手方向端部近傍の拡大斜視説明図。 実施例2の感光体クリーニング装置が備えるクリーニングブレードの拡大斜視説明図。 図7に示すクリーニングブレードの長手方向における一方の端部を示す部分拡大斜視図。 実施例2のクリーニングブレードの製造方法を示す説明図。 図9とは別の製造方法を示す説明図。 クリーニングブレードの概略説明図。 帯電部12の正面説明図、(a)は、感光体、帯電ローラ及び帯電クリーニングローラの正面図、(b)は、帯電クリーニングローラの一方の長手方向端部における軸受部の拡大断面図。 感光体、帯電ローラ及び帯電クリーニングローラの概略構成を示す斜視図。 感光体、帯電ローラ、帯電クリーニングローラの軸受部を拡大した斜視図。 帯電ローラ軸受部材、帯電ローラ加圧スプリング、帯電クリーニングローラ軸受部材及びクリーニングローラ加圧スプリングの拡大説明図。 感光体の説明図、(a)は正面図、(b)は断面図。 感光体が撓んだ状態の説明図。 駆動時の感光体に作用する力を示した模式図。 感光体が撓んだ状態での一次転写ニップの説明図。 本実施形態の帯電ニップの説明図。 感光体の撓み量の測定方法の概念説明図。 停止時の帯電ニップ幅の差と、駆動時の帯電ニップ幅の差との関係の一例を示すグラフ。
以下、本発明を適用可能な画像形成装置の実施形態について説明する。
図2は、本実施形態の画像形成装置である複写機100の概略説明図である。
複写機100は、複数の作像部として作像装置10(Y,M,C,BK)が中間転写ベルト17に対向するように並設されたタンデム型のカラー画像形成装置である。
図2において、「1」は、画像形成装置としてのカラー複写機である装置本体、「4」は原稿の画像情報を読み込む原稿読込部、「3」は原稿を原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、「6」は入力画像情報に基づいたレーザー光を発する書込み部(露光部)である。「7」はは記録媒体である転写紙Pが収納される給紙部、「10(Y,M,C,BK)」は、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部としての作像装置、「17」は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト(中間転写体)である。「18」は中間転写ベルト17上に形成されたトナー像を転写紙Pに転写する二次転写ローラ、「20」は転写紙P上の未定着画像を定着する定着部である。「28」は四つの作像装置10(Y,M,C,BK)のそれぞれの現像装置に各色のトナーを補給するためのトナー容器、を示す。
図1は、四つの作像装置10(Y,M,C,BK)のうちの一つの概略説明図である。四つの作像装置10(Y,M,C,BK)は、使用するトナーの色が異なる点以外は、同様の構成を備えているため、使用するトナーの色を示す添え字(Y,M,C,BK)は適宜省略して説明する。
図1に示すように、四つの作像装置10は、それぞれ、像担持体としてのドラム状の感光体11、帯電部12、現像装置13(現像部)、感光体クリーニング装置15(クリーニング部)、が一体化され、プロセスカートリッジを構成する。
四つの作像装置10(Y,M,C,BK)は、それぞれプロセスカートリッジとして複写機100本体から着脱自在となっており、寿命に達したときに、新品のものに交換される。
各作像装置10(Y,M,C,BK)における感光体11上では、それぞれ、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される。
以下、複写機100における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿は、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像情報が光学的に読み取られる。詳しくは、原稿読込部4は、コンタクトガラス上の原稿の画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿にて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。
原稿のカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして不図示の画像処理部で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部6に送信される。そして、書込み部6からは、各色の画像情報に基づいたレーザー光(露光光)が、それぞれ、対応する作像装置10(Y,M,C,BK)の感光体11上に向けて照射される。
一方、四つの感光体11は、それぞれ、図1及び図2中の時計方向に回転している。そして、まず、感光体11の表面は、帯電部12の帯電ローラ12aとの対向位置で、一様に帯電される(帯電工程である。)。帯電ローラ12aは、感光体11の表面に圧接されており、感光体11の回転により従動回転する。作像時には、帯電ローラ12aには図示しない高圧電源により所定のバイアスが印加され、感光体11の表面を帯電する。こうして、感光体11上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体11表面は、それぞれのレーザー光の照射位置に達する。
書込み部6において、光源から画像信号に対応したレーザー光が各色に対応して射出される。図示は省略するが、レーザー光は、ポリゴンミラーに入射して反射した後に、複数のレンズを透過する。複数のレンズを透過した後のレーザー光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
イエロー成分に対応したレーザー光は、図2中の左側から一番目のイエロー作像装置10Yの感光体11表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザー光は、高速回転する不図示のポリゴンミラーにより、感光体11の回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電ローラ12aにて帯電された後の感光体11上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、シアン成分のレーザー光は、図2中の左側から二番目のシアン作像装置10Cの感光体11表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。マゼンタ成分に対応したレーザー光は、図2中の左側から三番目のマゼンタ作像装置10Mの感光体11表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザー光は、図2中の左側から四番目の(中間転写ベルト17の走行方向に対して最も下流側である。)のブラック用作像部10BKの感光体11表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
その後、各色の静電潜像が形成された感光体11表面は、それぞれ、現像装置13(図1を参照できる。)との対向位置に達する。そして、それぞれの現像装置13から感光体11上に各色のトナーが供給されて、感光体11上の潜像が現像される(現像工程である。)。その後、現像工程後の感光体11表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向位置に達する。ここで、それぞれの対向位置には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように一次転写ローラ14が設置されている。そして、一次転写ローラ14と対向する一次転写位置で、中間転写ベルト17上に、感光体11上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(一次転写工程である。)。
一次転写工程後の感光体11表面は、それぞれ、図1に示すクリーニングブレード15aが設置された感光体クリーニング装置15との対向位置に達する。そして、感光体クリーニング装置15で、感光体11上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程である。)。その後、感光体11表面は、不図示の除電部の位置を通過して、感光体11における一連の作像プロセスが終了する。
他方、感光体11上の各色の画像が重ねて転写された中間転写ベルト17表面は、図中の矢印方向に走行して、二次転写ローラ18の位置に達する。そして、二次転写ローラ18の位置で、転写紙P上に中間転写ベルト17上のフルカラーの画像が二次転写される(二次転写工程である。)。
その後、中間転写ベルト17表面は、中間転写ベルトクリーニング装置9の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上の未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング装置9に回収されて、中間転写ベルト17上の一連の転写プロセスが完了する。
ここで、二次転写ローラ18位置の転写紙Pは、給紙部7から搬送ガイド、レジストローラ19等を経由して搬送されたものである。詳しくは、転写紙Pを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送された転写紙Pが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ19に導かれる。
レジストローラ19に達した転写紙Pは、中間転写ベルト17上のトナー像とタイミングを合わせて、二次転写ローラ18の位置に向けて搬送される。
その後、フルカラー画像が転写された転写紙Pは、定着部20に導かれる。定着部20では、定着ローラと加圧ローラとのニップにて、カラー画像が転写紙P上に定着される。そして、定着工程後の転写紙Pは、排紙ローラ29によって装置本体1外に出力画像として排出された後に、排紙部5上にスタックされて、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、図1を用いて作像装置10について詳述する。
示すように、作像装置10には、感光体11と、感光体11を帯電する帯電部12と、感光体11上に形成される静電潜像を現像する現像装置13と、感光体11上の未転写トナーを回収する感光体クリーニング装置15と、がケースに一体的に収納されている。
感光体11は、負帯電性の有機感光体であって、ドラム状導電性支持体上に感光層等を設けたものである。図示は省略するが、感光体11は、基層としての導電性支持体上に、絶縁層である下引き層、感光層としての電荷発生層及び電荷輸送層、保護層(表面層)が順次積層されている。
感光体11の導電性支持体(基層)としては、体積抵抗が1.0×1010[Ωcm]以下の導電性材料を用いることができる。
帯電部12は、帯電ローラ12a、帯電クリーニングローラ12b等で構成されている。帯電ローラ12aは、導電性芯金の外周に中抵抗の弾性層を被覆してなるローラ部材である。帯電クリーニングローラ12bは、帯電ローラ12a上の汚れを除去するためのもので、帯電ローラ12aに接触するように配設されている。そして、このように構成された帯電部12において、帯電ローラ12aには不図示の電源部から所定の電圧が印加されて、これにより対向する感光体11の表面を一様に帯電する。
現像装置13は、主として、現像ローラ13aと、第一搬送スクリュ13b1と、第二搬送スクリュ13b2と、ドクターブレード13cと、で構成される。現像ローラ13aは、感光体11に対向する位置に配置され、第一搬送スクリュ13b1は、現像ローラ13aに対向する位置に配置されている。また、第二搬送スクリュ13b2は、仕切部材を介して第一搬送スクリュ13b1に対向し、ドクターブレード13cは、第一搬送スクリュ13b1と感光体11との間の現像ローラ13aに対向する位置に配置されている。
現像ローラ13aは、内部に固設されてローラ周面に磁極を形成するマグネットと、マグネットの周囲を回転するスリーブと、で構成される。マグネットによって現像ローラ13a(スリーブ)上に複数の磁極が形成されて、現像ローラ13a上に現像剤が担持されることになる。現像装置13内には、キャリアとトナーとからなる二成分現像剤が収容されている。
感光体クリーニング装置15には、クリーニングブレード15a、搬送コイル15b、ケース15c等が設置されている。クリーニングブレード15aは、感光体11に当接するクリーニング部材である。搬送コイル15bは、感光体クリーニング装置15内に回収されたトナー(未転写トナー)を廃トナーとして感光体クリーニング装置15の外部の廃トナー回収容器(不図示である。)に向けて長手方向に搬送する搬送部材である。ケース15cは、感光体クリーニング装置15の周りを覆うケーシング部材である。
クリーニングブレード15aは、主として、ウレタンゴム等のゴム材料からなり略板状に形成されたブレード状部材15a1(ブレード本体)と、板金で形成されてブレード状部材15a1を保持するホルダ部材15a2(ブレードホルダ)と、で構成されている。そして、クリーニングブレード15aのブレード状部材15a1は、感光体11表面に所定角度かつ所定圧力で当接している。
これにより、感光体11上に付着する未転写トナー等の付着物がクリーニングブレード15aによって機械的に掻き取られて感光体クリーニング装置15内に回収されることになる。ここで、感光体11上に付着する付着物としては、未転写トナーの他に、転写紙P(用紙)から生じる紙粉、帯電ローラ12aによる放電時に感光体11上に生じる放電生成物、トナーに添加されている添加剤、等がある。この感光体クリーニング装置15については、後でさらに詳しく説明する。
図1にて、先に述べた作像プロセスをさらに詳しく説明する。
現像ローラ13aは、図1中の矢印方向(反時計方向)に回転している。現像装置13内の現像剤は、間に仕切部材を介在するように配設された第一搬送スクリュ13b1及び第二搬送スクリュ13b2の回転によって、長手方向(図1中の紙面に直交する方向である。)に搬送され、現像装置13内を循環する。このとき、現像装置13内の現像剤は、不図示のトナー補給部によってトナー容器28から補給されたトナーとともに撹拌混合されながら搬送される。
現像剤が攪拌混合されることで摩擦帯電し、キャリアに吸着したトナーは、キャリアとともに現像ローラ13a上に担持される。現像ローラ13a上に担持された現像剤は、その後にドクターブレード13cが現像ローラ13aに対向する位置である規制位置に達する。そして、現像ローラ13a上の現像剤は、規制位置で適量に調整された後に、感光体11との対向位置である現像領域に達する。
その後、現像領域において、現像剤中のトナーが、感光体11表面に形成された静電潜像に付着する。詳しくは、レーザー光Lが照射された画像部の潜像電位(露光電位)と、現像ローラ13aに印加された現像バイアスとの電位差(現像ポテンシャル)により形成される電界によって、トナーが感光体11上の潜像に付着する(トナー像が形成される)。
感光体11に付着したトナーは、そのほとんどが中間転写ベルト17上に転写される。そして、感光体11上に残存した未転写トナーが、クリーニングブレード15aによってクリーニングされ、感光体クリーニング装置15内に回収される。
ここで、図示は省略するが、複写機100の装置本体1に設けられたトナー補給部は、交換自在に構成されたボトル状のトナー容器28と、トナー容器28を保持・回転駆動するとともに現像装置13に新品トナーを補給するトナーホッパ部と、で構成されている。また、トナー容器28内には、新品のトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのいずれかである。)が収容されている。また、トナー容器28は、ボトル状の内周面には、螺旋状の突起が形成されている。
トナー容器28内の新品トナーは、現像装置13内のトナー(既設のトナーである。)の消費にともない、トナー補給口から現像装置13内に適宜に補給されるものである。図示は省略するが、現像装置13内のトナーの消費は、感光体11に対向する反射型フォトセンサと、現像装置13の第二搬送スクリュ13b2の下方に設置された磁気センサと、によって間接的または直接的に検知される。
以下、本実施形態の複写機100の感光体クリーニング装置15について詳述する。
図1に示すように、感光体クリーニング装置15には、クリーニングブレード15aが設置されている。クリーニングブレード15aは、主として、ゴム材料からなるブレード状部材15a1(ブレード本体)と、ブレード状部材15a1を保持するホルダ部材15a2(ブレードホルダ)と、で構成されている。
ここで、ブレード状部材15a1は、その先端部が感光体11に対して長手方向(図1の紙面に直交する方向である。)にわたって当接するとともに、その根元部がホルダ部材15a2に固定・保持されている。
〔実施例1〕
以下、感光体クリーニング装置15の一つ目の実施例(以下、「実施例1」とよぶ)について説明する。
図3は、実施例1の感光体クリーニング装置15が備えるクリーニングブレード15aの長手方向端部近傍の拡大斜視説明図である。
図1及び図3に示すように、ホルダ部材15a2は、長手方向に直交する短手方向の断面形状が略L字状に形成されている。
また、図3に示すように、ホルダ部材15a2には、支持部15a21と曲げ部15a22とが形成されている。ホルダ部材15a2の支持部15a21(固定部)は、ブレード状部材15a1の先端部が感光体11に向けて突き出すように、その面上にブレード状部材15a1を片持ち支持するものである。
具体的には、ブレード状部材15a1は、両面テープまたは接着剤を介して、支持部15a21の面上に貼着されている。ホルダ部材15a2の曲げ部15a22は、支持部15a21に直交して支持部15a21とともに上述したL字状の断面形状を形成する。
そして、曲げ部15a22は、少なくとも一方の長手方向端部における短手方向の長さH2が長手方向中央部における短手方向の長さH1に比べて短くなるように形成されている(H1>H2である。)。換言すると、ホルダ部材15a2の曲げ部15a22は、長手方向端部に、切欠(図3において、破線で囲んだ部分である。)が形成されている。
このような構成により、ホルダ部材15a2の長手方向端部における剛性が長手方向中央部に比べて低くなる。このため、ブレード状部材15a1への未転写トナー入力量が少ない長手方向端部において感光体11に当接するブレード状部材15a1の当接圧が、ブレード状部材15a1への未転写トナー入力量が多い長手方向中央部に比べて低くなる。すなわち、ブレード状部材15a1への未転写トナー入力量が少なくてブレード状部材15a1の捲れや振動音が生じやすい長手方向端部において、ブレード状部材15a1を保持する力(剛性)が小さくなるようにホルダ部材15a2を構成している。これにより、ブレード状部材15a1の当接圧を小さくしている。
ブレード状部材15a1の捲れや振動音はブレード状部材15a1の当接圧の大きさと相関があるため、長手方向端部におけるブレード状部材15a1の捲れや振動音の発生を確実に軽減することができる。なお、長手方向端部においては、もともとブレード状部材15a1への未転写トナー入力量が少ないため、ブレード状部材15a1の当接圧を小さくすることによるクリーニング不良の発生はほとんど生じない。
また、実施例1では、ホルダ部材15a2の長手方向端部における剛性を長手方向中央部に比べて低くするために、支持部15a21に切欠を形成するのではなく、曲げ部15a22に切欠を形成している。すなわち、支持部15a21の面上は、長手方向にわたって、切欠が形成されることなく、矩形状に形成されている。そのため、支持部15a21の面上において、ブレード状部材15a1を貼着するための貼着面(貼り付け代)を長手方向にわたって均一に広く確保することができる。したがって、支持部15a21の面上においてブレード状部材15a1の貼り付け強度が不足して、ブレード状部材15a1が支持部15a21から剥離する不具合を防止することができる。
図4は、実施例1の感光体クリーニング装置15のクリーニングブレード15a及び搬送コイル15bと、感光体11との位置関係を示す斜視説明図である。
図4に示すように、実施例1では、ホルダ部材15a2の曲げ部15a22の長手方向両端部のうち、一方の長手方向端部のみに、短手方向の長さH2が短くなる切欠を設けている。具体的に、ホルダ部材15a2の曲げ部15a22は、搬送コイル15bの搬送方向上流側に対応する長手方向端部における短手方向の長さが長手方向のその他の部分における短手方向の長さに比べて短くなるように形成されている。すなわち、ホルダ部材15a2の曲げ部15a22は、搬送コイル15bによって搬送されるトナー(未転写トナー)の搬送方向(図4中の白矢印方向である。)の上流側に対応する長手方向端部に切欠(図4中、破線で囲んだ部分である。)が形成されている。一方、曲げ部15a22の搬送方向下流側に対応する長手方向端部には切欠が形成されていない。
搬送コイル15bの搬送方向上流側に対応する位置(長手方向端部)では、ブレード状部材15a1によって感光体11上から掻き取られたトナー(もともと少量のトナーである。)が、搬送コイル15bによって即座に下流側に向けて搬送されてしまう。このため、ブレード状部材15a1の先端部にはほとんどトナーが介在されないことになる。
これに対して、搬送コイル15bの搬送方向下流側に対応する位置(長手方向端部)では、ブレード状部材15a1によって感光体11上から直接的に掻き取られるトナーは少量である。しかし、搬送コイル15bによって上流側から搬送されてきたトナーが比較的多量に存在するために、ブレード状部材15a1の先端部にはある程度のトナーが介在され易くなる。したがって、搬送コイル15bの搬送方向下流側に対応する位置(長手方向端部)では、曲げ部15a22に切欠を形成しなくても、ブレード状部材15a1の捲れや振動音が生じにくくなる。
搬送コイル15b等の搬送部材が設置されていない感光体クリーニング装置や、搬送コイル15b等の搬送部材がブレード状部材15a1の下方に大きく離れて配置されている感光体クリーニング装置等が考えられる。このような感光体クリーニング装置においては、上述した搬送コイル15bによって搬送されるトナーによってブレード状部材15a1の先端部にトナーを介在させる効果が期待できない。このため、ホルダ部材15a2の曲げ部15a22における双方の長手方向端部(長手方向両端部)に切欠を設けることが好ましい。
図5は、図3に示すクリーニングブレード15aの斜視図に、感光体クリーニング装置15のケース15cを破線で追記した説明図である。
図5に示すように、クリーニングブレード15aとともに感光体クリーニング装置15全体を覆うケース15c(装置カバー)が、ホルダ部材15a2の形状に沿うように形成されている。具体的に、ケース15cには、ホルダ部材15a2の曲げ部15a22に形成された切欠の形状に合わせて凹部が形成されている。このような構成によって、感光体クリーニング装置15の全体の大きさを必要最小限に小さくすることができ、作像装置10または複写機100本体との干渉を低減することができる。さらに、作像装置10または複写機100本体において省スペース化された凹部を有効活用することができる。
図6は、ホルダ部材15a2の曲げ部15a22の長手方向端部の短手方向の長さH2を0[mm]としたクリーニングブレード15aの長手方向端部近傍の拡大斜視説明図である。
実施例1では、図3に示すように、ホルダ部材15a2の曲げ部15a22において、長手方向端部の短手方向の長さH2を数ミリ程度に設定した。これに対して、図6に示すように、ホルダ部材15a2の曲げ部15a22において、長手方向端部の短手方向の長さを0ミリに設定することもできる。すなわち、ホルダ部材15a2の長手方向端部において、実質的に曲げ部15a22が存在しないように形成することもできる。このような場合であっても、上述した図3に示す構成と同様の効果を得ることができる。
図3乃至6のように、実施例1のクリーニングブレード15aは、ホルダ部材15a2の曲げ部15a22を、一方の長手方向端部における短手方向の長さH2が長手方向中央部における短手方向の長さH1に比べて短くなるように形成している。これにより、クリーニング不良等の副作用が生じることなく、ブレード状部材15a1(クリーニングブレード15a)の捲れや振動音の発生を軽減することができる。
〔実施例2〕
以下、感光体クリーニング装置15の二つ目の実施例(以下、「実施例2」とよぶ)について説明する。
図7は、実施例2の感光体クリーニング装置15が備えるクリーニングブレード15aの拡大斜視説明図である。図8は、図7に示すクリーニングブレード15aの長手方向における一方の端部を示す部分拡大斜視図である。また、図9は、実施例2のクリーニングブレード15aの製造方法を示す説明図であって、図10は別の製造方法を示す説明図である。図9及び図10では、クリーニングブレード15aの細部について図示を簡略化している。
実施例2のクリーニングブレード15aは、主として、支持部15a21の長手方向全域にわたってブレード状部材15a1が設置されていない点が、上述した実施例1のクリーニングブレード15aと異なる。実施例1のクリーニングブレード15aは、支持部15a21の長手方向全域にわたってブレード状部材15a1が設置されている。
実施例2の感光体クリーニング装置15は、実施例1の感光体クリーニング装置15と同様に、感光体11に当接するクリーニングブレード15aが設置されている。クリーニングブレード15aは、主として、ウレタンゴム等のゴム材料からなり略板状に形成されたブレード状部材15a1(ブレード本体)と、板金で形成されてブレード状部材15a1を保持するホルダ部材15a2(ブレードホルダ)と、で構成されている。さらに、実施例2のクリーニングブレード15aも、ホルダ部材15a2の曲げ部15a22における長手方向端部に、切欠(図8において、破線Aで囲んだ部分である。)が形成されている。
実施例2のクリーニングブレード15aは、ホルダ部材15a2に、クリーニングブレード15aを感光体クリーニング装置15に対して位置決めするための主基準部15a31(穴部)と従基準部15a32(長穴部)とを備えている。そして、主基準部15a31と従基準部15a32とが長手方向に離れるように、ホルダ部材15a2の長手方向両端部にそれぞれ形成されている。詳しくは、ホルダ部材15a2の支持部15a21において、一方の長手方向端部には感光体クリーニング装置15の不図示の筐体に対する位置決め主基準となる主基準部15a31(穴部)が形成されている。そして、他方の長手方向端部には感光体クリーニング装置15の筐体に対する位置決め従基準となる従基準部15a32(長穴部)が形成されている。
これらの主基準部15a31(穴部)と従基準部15a32(長穴部)とに、感光体クリーニング装置15の不図示の筐体上に起立する二つボス部15dがそれぞれ係合する。この係合によって、感光体クリーニング装置15に対するクリーニングブレード15a(ホルダ部材15a2)の位置が定められることになる。実施例2において、主基準部15a31は直径が3[mm]の穴部であって、従基準部15a32は直径4[mm]×長さ7[mm]の長穴部である。
さらに、ホルダ部材15a2には、クリーニングブレード15aを感光体クリーニング装置15に対して固定するためのネジ締結用穴部15a41とネジ締結用長穴部15a42とが長手方向に離れるように長手方向両端部にそれぞれ形成されている。詳しくは、ホルダ部材15a2の支持部15a21において、一方の長手方向端部には感光体クリーニング装置15の筐体に対してネジ締結するためのネジ締結用穴部15a41が形成されている。また、他方の長手方向端部には感光体クリーニング装置15の筐体に対してネジ締結するためのネジ締結用長穴部15a42が形成されている。
上述した主基準部15a31(穴部)と従基準部15a32(長穴部)とにそれぞれボス部15dを係合させて位置決めをする。そして、位置決めした状態で、ネジ締結用穴部15a41とネジ締結用長穴部15a42とを介して筐体に形成された二つの雌ネジ部にそれぞれネジ41(M4ネジである。)を螺合させる。これにより、感光体クリーニング装置15に対してクリーニングブレード15a(ホルダ部材15a2)が固定(ネジ締結)されることになる。
実施例2では、ネジ締結用穴部15a41は直径が4[mm]の穴部であり、ネジ締結用長穴部15a42は直径5[mm]×長さ9[mm]の長穴部である。また、ネジ41として、M4ネジを用いている。
実施例2では、ホルダ部材15a2の曲げ部15a22は、主基準部15a31が設けられた一方の長手方向端部における短手方向の長さが長手方向のその他の部分における短手方向の長さH1に比べて短くなるように形成されている。具体的には、図6で説明したものと同様に0[mm]に設定している。すなわち、ホルダ部材15a2の曲げ部15a22は、主基準部15a31(穴部)が設けられた一方の長手方向端部に切欠(図7、図8中、破線Aで囲んだ部分である。)が形成されている。これに対して、従基準部15a32(長穴部)が設けられた他方の長手方向端部には切欠が形成されていない。
主基準部15a31が設けられた位置(長手方向端部)では、従基準部15a32が設けられた位置に比べて、感光体クリーニング装置15の筐体に対してホルダ部材15a2が強固に固定(位置決め)されている。このため、同じ衝撃を受けたときに振動を逃がしにくいため、ホルダ部材15a2からブレード状部材15a1に振動が伝達されて主基準部15a31が設けられた側でブレード状部材15a1の捲れや振動音が生じやすくなる。よって、実施例2では、ブレード状部材15a1の捲れや振動音が生じやすい一方の長手方向端部(主基準部15a31が設けられた側である。)にのみ、曲げ部15a22に切欠Aを設けている。これにより、切欠Aを設けた位置における剛性を低下させることで、衝撃を受けたときの振動を逃がしやすくしている。
さらに、実施例2では、長手方向両端部のうち、感光体11を駆動する駆動部50(駆動モータ)が設置された側に対応する一方の長手方向端部のホルダ部材15a2の曲げ部15a22の短手方向の長さが短くなるように形成されている。詳しくは、ホルダ部材15a2の曲げ部15a22は、駆動部50が設置された側となる一方の長手方向端部における短手方向の長さが、他方の長手方向端部における短手方向の長さH1に比べて短くなるように形成されている。すなわち、ホルダ部材15a2の曲げ部15a22は、駆動部50が設置された一方の長手方向端部に切欠(図7、図8中、破線Aで囲んだ部分である。)が形成されている。そして、駆動部50が設置されていない他方の長手方向端部には切欠が形成されていない。
駆動部50が設けられた側(駆動側)では、駆動部50が設けられていない側(従動側)に比べて、駆動部50の振動が感光体クリーニング装置15のブレード状部材15a1に伝達されやすい。このため、駆動側でブレード状部材15a1の捲れや振動音が生じやすくなる。そのため、実施例2では、ブレード状部材15a1の捲れや振動音が生じやすい一方の長手方向端部(駆動部50が設けられた側である。)にのみ、曲げ部15a22に切欠Aを設けている。これにより、切欠Aを設けた位置における剛性を低下させることで、衝撃を受けたときの振動を逃がしやすくしている。
駆動部50は、不図示のギア列を介して、感光体クリーニング装置15における駆動部材(搬送コイル15b等である。)に駆動力を伝達している。
実施例2では、主基準部15a31が設けられた一方の長手方向端部と、駆動部50が設置された側に対応する一方の長手方向端部と、上記実施例1で説明した搬送コイル15bの搬送方向上流側に対応する一方の長手方向端部と、が一致する。実施例2では、このように、感光体クリーニング装置15及び複写機100本体を設計しているため、ブレード状部材15a1の捲れや振動音を抑止する効果を発揮することができる。
実施例2におけるクリーニングブレード15aは、図7を参照して、ブレード状部材15a1の長手方向長さN1が342[mm]に設定されている。
また、図8に示す切欠Aの長手方向長さM2が3[mm]に設定され、ホルダ部材15a2の端部からブレード状部材15a1の端部までの距離M4が9[mm]に設定されている。さらに、ホルダ部材15a2の端部から主基準部15a31(穴部)の中心までの距離M3が13[mm]に設定され、ホルダ部材15a2の端部からネジ締結用穴部15a41の中心までの距離M3が9[mm]に設定されている。
実施例2では、切欠Aの長手方向長さM2が、ホルダ部材15a2の端部からブレード状部材15a1の端部までの距離M4よりも小さくなるように形成されている(M2<M4)。このため、ブレード状部材15a1を支持する支持部15a21(貼着面)の剛性が低くなり過ぎる不具合を抑止することができる。
また、切欠Aの長手方向長さM2が、ホルダ部材15a2の端部から主基準部15a31(穴部)の中心までの距離M3よりも小さくなるように形成されている(M2<M3)。このため、ホルダ部材15a2の剛性が低くなり過ぎてクリーニングブレード15aの位置決め精度が低くなる不具合を抑止することができる。
さらに、実施例2では、切欠Aの長手方向長さM2が、ホルダ部材15a2の長手方向長さM1(全長)に対して1[%]以下になるように設定している。これにより、ブレード状部材15a1の捲れや振動音を抑止する効果が好適に発揮されることになる。
実施例2において、クリーニングブレード15aのブレード状部材15a1は、ビビリ音(異常音)の発生を軽減するために、23[℃]における反発弾性率が50[%]以下になる材料で形成されている。そして、ブレード状部材15a1を、23[℃]における反発弾性率が21[%]になる材料で形成している。
また、ブレード状部材15a1(クリーニングブレード15a)は、感光体11に当接する当接圧(当接部分の線圧である。)が、0.10〜0.50[N/cm]の範囲になるように設定されている。これは、当接圧が0.50[N/cm]より大きいとビビリ音(異常音)が発生しやすくなり、当接圧が0.10[N/cm]より小さいと感光体11の表面の微細な凹凸への追従性が低下してクリーニング不良が生じやすくなるためである。そして、実施例2では、ブレード状部材15a1の当接圧を、0.23[N/cm]に設定している。
さらに、ブレード状部材15a1は、その硬度(25[℃]におけるJIS−A硬度である。)が、60〜80の範囲になる材料で形成されている。これは、硬度が80より大きいとブレード状部材15a1が感光体11に偏当たりしやすくなり、硬度が60より小さいとブレード状部材15a1が感光体11に腹当りしやすくなってしまうためである。そして、実施例2では、ブレード状部材15a1を、硬度が75になる材料によって形成している。
実施例2におけるクリーニングブレード15aは、図7及び図8に示すように、上述したブレード状部材15a1の捲れや振動音を抑止するための切欠Aを備える。そして、この切欠Aとは別に、第二の切欠(図中の破線Bで囲んだ部分である。)が、ホルダ部材15a2の支持部15a21における長手方向両端部にそれぞれ形成されている。この第二の切欠Bは、クリーニングブレード15aに近接する部材(装置のフレーム等である。)との干渉を避けるためのものである。第二の切欠Bは、クリーニングブレード15a(ホルダ部材15a2)の強度や、クリーニングブレード15a(ブレード状部材15a1)によるクリーニング性能、等に影響しない範囲で形成されている。
具体的に、実施例2では、第二の切欠Bは、長手方向の長さが3[mm]、短手方向の長さが4.5[mm]になるように形成されている。
以下、図9及び図10を用いて、クリーニングブレード15aの種々の製造方法について簡単に説明する。
まず、図9(A)に示すような平板状の板金(15a2)を用意して、その板金(15a2)に対して図9(B)に示すような打ち抜き加工を施す。このとき、板金(15a2)には、切欠A、主基準部15a31、従基準部15a32等が形成されることになる。その後、図9(C)に示すように、曲げ加工が施されて、L字状のホルダ部材15a2が形成されることになる。そして、図9(D)に示すように、ホルダ部材15a2の支持部15a21に、ブレード状部材15a1が貼着されて、最終的にクリーニングブレード15aの製造が終了する。
上述した製造工程において、図9(B)にて説明した打ち抜き工程と、図9(C)にて説明した曲げ加工工程と、を同時に行うこともできる。
次に、図10を用いて別の製造方法を説明する。
まず、図10(A)に示すような平板状の板金(15a2)を用意して、その板金(15a2)に対して図10(B)に示すような打ち抜き加工を施す。このとき、図9で説明した製造方法とは異なり、板金(15a2)には、打ち抜き加工によって切欠Aを形成しない。その後、図10(C)に示すように、曲げ加工が施されて、L字状の板金(15a2)が形成されることになる。
その後、図10(D)に示すように、L字状の板金(15a2)に対して、切削加工や溶解加工等が施されて切欠Aが形成されて、ホルダ部材15a2の製造が終了する。そして、図10(E)に示すように、ホルダ部材15a2の支持部15a21に、ブレード状部材15a1が貼着されて、最終的にクリーニングブレード15aの製造が終了する。
上述した製造工程において、図10(B)にて説明した打ち抜き工程と、図10(C)にて説明した曲げ加工工程と、を同時に行うこともできる。
さらに、図10(D)にて説明した切欠Aを形成する工程を、図10(E)にて説明したブレード状部材15a1の貼着工程後に行うこともできる。このことは、既に感光体クリーニング装置15に設置されているクリーニングブレード15a(切欠Aが形成されていないものである。)に対して、ブレード状部材15a1の捲れや振動音を抑止するために、事後的に切欠Aを形成することができることを意味する。
実施例2の構成は、上記実施例1と同様に、ホルダ部材15a2の曲げ部15a22を、一方の長手方向端部における短手方向の長さが長手方向中央部における短手方向の長さH1に比べて短くなるように形成している。これにより、クリーニング不良等の副作用が生じることなく、ブレード状部材15a1(クリーニングブレード15a)の捲れや振動音の発生を軽減することができる。
複写機100では、上述した実施例1または実施例2の感光体クリーニング装置15を備える作像装置10における各部(感光体11、帯電部12、現像装置13、感光体クリーニング装置15、である。)を一体化してプロセスカートリッジを構成している。これにより、作像部のコンパクト化とメンテナンス作業性の向上とを図っている。
これに対して、感光体クリーニング装置15をプロセスカートリッジの構成部材とせずに、単体で複写機100歩運体に対して交換自在に設置されるように構成することもできる。そして、このような場合にも、上述した各実施例と同様の効果を得ることができる。
また、各実施例では、ゴム材料で形成されたブレード状部材15a1が設置された感光体クリーニング装置15に対して本発明を適用した。これに対して、ゴム材料以外の材料(例えば、板バネ材料等である。)で形成されたブレード状部材15a1が設置された感光体クリーニング装置15としてもよい。
次に、本実施形態の複写機100で用いるクリーニングブレード15aについてより詳しく説明する。
図11は、クリーニングブレード15aの概略説明図である。図11に示すように、クリーニングブレード15aのブレード本体であるブレード状部材15a1は複数の層から構成されている。
ブレード状部材15a1は、感光体11と直接接触するエッジ層15a11と、エッジ層15a11に積層され、感光体11とは接触しないバックアップ層15a12との二層から構成される積層ブレードである。
エッジ層15a11は、バックアップ層15a12に比べて強度が高いウレタンゴム材料を使用している。エッジ層15a11の100%モジュラス値がバックアップ層15a12に比べて大きい組合せとなっている。これにより、クリーニングブレード15aが感光体11に接触するエッジが安定し、クリーニング性能を向上させることができる。
さらに、バックアップ層15a12がエッジ層15a11に比べて低強度であるため、長期使用によるヘタリや、当接圧低下を防止することができ、長期にわたって良好なクリーニング性能を得ることができる。
エッジ層15a11とバックアップ層15a12との組合せの一例としては、以下のものを挙げることができる。
すなわち、エッジ層15a11に、100%モジュラス値(23[℃])が6〜7[MPa]のウレタンゴム材料を用い、バックアップ層15a12に、100%モジュラス値(23[℃])が2〜3[MPa]のウレタンゴム材料を組合せる。
或いは、ゴム硬度では、エッジ層15a11に、ゴム硬度が80[度](JIS A)のウレタンゴムを用い、バックアップ層15a12に、ゴム硬度が65[度](JIS A)のウレタンゴムを用いる。エッジ層15a11の厚さは0.5[mm]、バックアップ層15a12の厚さは1.3[mm]としている。
また、本実施形態では、ブレード状部材15a1を保持するホルダ部材15a2の端部からブレード状部材15a1の自由端までの長さを11.5[mm]としている。さらに、当接位置における感光体11の接線に対する設置角度を79.2[°]、食い込み量を0.88[mm]としている。
次に、本実施形態の作像装置10が備える帯電部12について説明する。
図12は、帯電部12の正面説明図である。図12(a)は、感光体11、帯電ローラ12a及び帯電クリーニングローラ12bの正面図であり、図12(b)は、帯電クリーニングローラ12bの一方の長手方向端部における軸受部の拡大断面図である。
図13は、感光体11、帯電ローラ12a及び帯電クリーニングローラ12bの概略構成を示す斜視図である。図14は、感光体11、帯電ローラ12a、帯電クリーニングローラ12bの軸受部を拡大した斜視図である。また、図15は、帯電ローラ軸受部材214、帯電ローラ加圧スプリング213、帯電クリーニングローラ軸受部材215及び帯電クリーニングローラ加圧スプリング216の拡大説明図である。
図12〜図15中の「213」は帯電ローラ加圧スプリング、「214」は帯電ローラ軸受部材、「215」は帯電クリーニングローラ軸受部材、「215a」は、帯電クリーニングローラ軸受部材ガイドリブである。また、「216」は、帯電クリーニングローラ加圧スプリング、「12a」は帯電ローラ、「12a1」は帯電ローラ回転軸、「12b」帯電クリーニングローラ、「12b1」は帯電クリーニングローラ回転軸、「11」は感光体である。
帯電ローラ12aの下方には帯電ローラ12aの表面に当接して連れ回り、表面をクリーニングする帯電クリーニングローラ12bを備えている。帯電クリーニングローラ12bの材質は、発泡性のウレタンである。また、感光体11は、直径が30[mm]のアルミニウムの筒状部材の表面上に有機感光層を塗工したものである。
次に、帯電ローラ12a及び帯電クリーニングローラ12bの加圧機構について説明する。
帯電ローラ12aの帯電ローラ軸受部材214は、帯電ローラ回転軸12a1を回転可能に支持している。また、帯電ローラ軸受部材214は図示しないフレームのガイドによってガイドされ、帯電ローラ加圧スプリング213によって加圧され上下方向に自在に摺動する構成となっている。このような帯電ローラ軸受部材214と帯電ローラ加圧スプリング213とを長手方向両端に備えることにより、帯電ローラ12aを感光体11に圧接させている。帯電ローラ12aが感光体11を加圧する加圧力は片側5〜6[N]である。
帯電ローラ軸受部材214により帯電ローラ回転軸12a1が回転可能に支持されている帯電ローラ12aは、感光体11に接触しており、感光体11が表面移動することで連れ回り、感光体11と等速に表面移動する構成である。
また、帯電クリーニングローラ回転軸12b1は、帯電クリーニングローラ軸受部材215により回転可能に支持されている。
さらに、帯電ローラ軸受部材214は、帯電ローラ回転軸12a1を支持する位置よりも鉛直方向下方に延在する形状であり、帯電クリーニングローラ軸受部材215を支持する帯電クリーニングローラ軸受部材保持部としての機能を有している。言い換えれば、帯電ローラ軸受部材214と、帯電クリーニングローラ軸受部材215を支持する帯電クリーニングローラ軸受部材保持部材とは一体的に形成されている。
図15に示すように、帯電クリーニングローラ軸受部材215は、帯電ローラ軸受部材214に対し、二カ所の帯電クリーニングローラ軸受部材ガイドリブ215a突出させた入れ子になって保持されている。そして、帯電クリーニングローラ軸受部材215と帯電ローラ軸受部材214との間には弾性部材としての帯電クリーニングローラ加圧スプリング216が介在している。そこで、帯電クリーニングローラ軸受部材215は帯電ローラ軸受部材214に対して上下方向に摺動可能となっている。
また、帯電ローラ軸受部材214に固定された帯電クリーニングローラ加圧スプリング216が帯電クリーニングローラ軸受部材215を押圧する。これにより、長手方向両端を帯電クリーニングローラ軸受部材215によってそれぞれ支持された帯電クリーニングローラ12bが、帯電ローラ12aに圧接する。帯電クリーニングローラ12bの帯電ローラ12aに対する加圧力は片側1.5〜2.5[N]である。
ここで、従来の画像形成装置の課題について説明する。
従来、作像装置10のようなプロセスカートリッジに滑剤塗布機構を入れ、感光体の長寿命化を図るものが知られている(特許文献2等)。しかし、滑剤塗布機構は高価であるため、本発明者らは、滑剤塗布機構を備えない構成で感光体の長寿命化を図ることができる構成を検討している。感光体の寿命を大きく左右するのは感光体の磨耗であるため、非接触型の帯電手段よりも感光体へのハザードが小さく、磨耗を抑制できる接触型の帯電手段を用いる構成を検討している。
一方、市場の要求としては、A3サイズ(297[mm]×420[mm])よりも一回り大きなA3ノビサイズ(329[mm]×483[mm]程度)の用紙への対応があり、感光体の軸方向の長さを従来よりも伸ばすことを検討している。また、プロセスカートリッジの小型、軽量化を達成するために、感光体の小径化及び薄肉化も併せて検討している。
図16は、本実施形態の感光体11の寸法を示す模式図であり、図16(a)は正面図、図16(b)は断面図である。
感光体11の長手方向の長さ「L1」は374[mm]、感光体11の円筒状の基材の直径「D」は30[mm]、基材の厚み「T」は0.75[mm]とした。また、本実施形態の感光体11では、その軸受である感光体軸受部材11aをその長手方向の両端部よりも内側の円筒状の内部に配置し、感光体軸受間距離「L2」は342[mm]とした。
本発明者らは、図16に示すように、小径で、基材の肉厚が薄く、A3ノビサイズの用紙に対応可能な軸方向の長さの感光体11を用いて、図1に示す構成と同様の作像装置10を用いて中間転写方式の画像形成を行った。
このとき、帯電ローラ12aとしては、長手方向の端部よりも中央部の方が径が大きい、いわゆるクラウン形状のものを用いた。帯電ローラ12aは、感光体11に対して下方に配置しており、長手方向両端を支持して感光体11に向けて押圧すると、自重や押圧による反力で帯電ローラ12aの長手方向中央部が感光体11から離れる方向に撓む。このような撓みに起因する長手方向端部と長手方向中央部とでの帯電ニップ12nの偏差が生じることを抑制するために、帯電ローラ12aとしてクラウン形状となっているものを用いた。具体的には、端部の直径が12[mm]で中央部の直径がさらに100[μm]大きいもの、すなわち、中央部の直径が12.1[mm]のものを用いた。
このようなクラウン形状の帯電ローラ12aを感光体11に当接させて停止時のニップ幅を測定したところ、長手方向端部の方が長手方向中央部よりも僅かに大きい程度(数μm)であった。
また、感光体クリーニング装置15としては、上記実施例2に記載のものを用いた。
この画像形成では、図17に示すように、中間転写ベルト17に向けて長手方向中央部が近付くように感光体11が撓んでいることを確認した。図17中の「δ」が感光体11の中央部の撓み量を示す。
図18は、駆動時の感光体11に作用する力を示した模式図である。感光体11に加圧接触する帯電ローラ12aによって図18中の矢印F1で示す力が上方に向けて作用する。また、感光体11に加圧接触するクリーニングブレード15aによって図18中の矢印F2で示す力が図18中の左上に向けて作用する。さらに、感光体11が図中矢印で示す方向に回転し、表面移動することにより、感光体11を摺擦するクリーニングブレード15aと感光体11との接触部における摩擦力が図18中の矢印F3で示すように図18中の上方に作用する。
図18中の矢印F1〜F3に示す力は、感光体11の軸方向(図18の紙面に直交する方向)に対して直交する方向で、鉛直上方の成分を含む方向に作用しており、感光体11を上方に撓ませるように作用する。感光体11は自重のみでは長手方向中央部が下方に下がる撓みが生じるが、自重によって作用する力よりも図18中の矢印F1〜F3に示す力が十分に大きい。このため、感光体11は、中間転写ベルト17に向けて長手方向中央部が近付くように撓んだものと考えられる。
図19は、一次転写部における感光体11と中間転写ベルト17との接触部である一次転写ニップ14nの説明図である。
上述した画像形成より、一次転写ニップ14nのニップ幅が、長手方向中央部と長手方向端部とで異なり、その差が従来よりも大きくなることが分かった。具体的には、図19に示すように、一次転写ニップ14nにおける長手方向中央部のニップ幅である中央部転写ニップ幅W2よりも長手方向端部のニップ幅である端部転写ニップ幅W1が小さくなることが分かった。これは、感光体11が長手方向中央部ほど中間転写ベルト17に近付くように撓むためと考えられる。
また、この画像形成では、感光体11の長手方向端部にトナーの外添剤であるシリカが付着し、装置寿命の前にフィルミングが発生した。
一次転写ニップ14nのニップ幅に長手方向中央部と長手方向端部とで偏差が生じると、ニップ幅が狭くなる長手方向端部で転写率が低下することが考えられる。しかし、上述した画像形成では長手方向端部で転写率が低下することはなく、転写性は安定しているような状態であった。このため、一次転写ニップ14nのニップ幅の偏差に対して、シリカのフィルミングよりも転写率の変動の方が余裕があると考えられる。
上記画像形成で用いたトナーには外添剤としてシリカが用いられており、現像装置13から感光体11にトナーが移動する際に、シリカが感光体11に付着する。また、シリカはマイナス極性に帯電し易い。
一次転写部では、転写部材である一次転写ローラ14はバイアスが印加されているため、シリカは一次転写ローラ14に引き寄せられて中間転写ベルト17に付着する。しかし、感光体11の長手方向端部では中央部よりも一次転写ニップのニップ幅が狭いため、一次転写部で感光体11から引き剥がされるシリカの量は、長手方向中央部に比べて長手方向端部では少なくなる。これにより、一次転写部を通過した後の感光体11の長手方向両端部により多くのシリカが付着したままとなる。
一次転写部を通過した感光体11の表面は、クリーニングブレード15aが接触する位置で付着物が除去されるため、感光体11に付着したままとなったシリカもここで除去される。しかし、付着したシリカの量が多いと、クリーニングブレード15aでは除去しきれず、クリーニングブレード15aが接触する位置を通過する。この接触位置を通過する際に、クリーニングブレード15aがシリカを感光体11の表面に擦り付けてしまうため、感光体11の長手方向端部に多くのシリカが付着したままとなると、感光体11の長手方向端部にフィルミングとよばれる異物の固着が生じ易くなる。
また、クリーニングブレード15aとの接触部をすり抜けたシリカが再度クリーニングブレード15aとの接触部に突入することで、シリカ等の異物の付着が更に増加し易くなる。
感光体11の長手方向端部における異物の固着を防ぐためにクリーニングブレード15aの感光体11に対する当接圧を上げることで、一次転写部を通過したシリカが接触位置を通過することを防止することが考えられる。しかし、この当接圧を上げると、クリーニングブレード15aのブレードエッジ部で感光体11に非常に大きな力が掛かってしまうため、感光体11の磨耗が促進されてしまい、感光体寿命が短くなってしまう。
このため、滑剤塗布機構がない状態で、小径且つ軽量、低コスト、長手方向に長尺な感光体11を用いても、感光体11の磨耗を促進させることなく、感光体11の長手方向端部における異物の付着を抑制することが求められる。
特許文献1には、像担持体に当接して像担持体を帯電させる帯電部材であって、像担持体に当接する表面部が、導電性材料から成る導電性研磨剤および非導電性材料から成る非導電性研磨剤を含む混合研磨剤を含有する材料から成る帯電部材が記載されている。これは、帯電部材に研磨材料を有する構成であり、発生したフィルミングを研磨することが可能であるが、帯電ローラ表面層の性質を局所的に変えること、帯電ローラを制御する機構が必要なことから、高コストである。また、研磨部材で感光体を削るため、感光体磨耗が進行してしまい、高寿命な感光体を得ることができない。
本発明者らが鋭意検討を重ねたところ、接触方式の帯電ローラ12aを用いる構成では、感光体11の表面上のシリカ等の付着物が帯電ローラ12aによって除去されることがわかった。本実施形態の帯電ローラ12aは、感光体11表面をマイナス極性に一様帯電させるものであるため、マイナス極性に帯電したシリカ等の付着物は、静電的には帯電ローラ12aに付着し難い。しかし、帯電ローラ12aが感光体11と接触して機械的に掻き取ることで帯電ローラ12aが感光体11の表面上の付着物を除去しているものと考えられる。
帯電ローラ12aによって付着物を除去する機能は、帯電ローラ12aと感光体11との接触部である帯電ニップのニップ幅が広いほど向上する傾向にある。しかし、感光体11に対する帯電ローラ12aの加圧力を大きく長手方向全域で帯電ニップの幅を広げようとすると、感光体11の撓みがさらに大きくなる。
そこで、本発明者らは、長手方向中央部よりも長手方向端部の帯電ニップ幅の方を広くして、帯電ローラ12aによるシリカの回収を促すことを検討した。
図20は、本発明を適用した作像装置10における、帯電ローラ12aと感光体11との接触部である帯電ニップ12nの説明図である。
図20に示すように、帯電ニップ12nにおける長手方向中央部のニップ幅である中央部帯電ニップ幅Wbよりも長手方向端部のニップ幅である端部帯電ニップ幅Waが広くなるように設定した。ここで、長手方向端部とは、感光体11の表面上におけるトナー像が形成される画像形成領域の長手方向の端部である。
さらに、中央部帯電ニップ幅Wbに対して端部帯電ニップ幅Waを広くする程度として、本発明では、感光体11の撓み量δよりも大きくする設定とした。すなわち、「Wa−Wb>δ」の関係を満たすように設定する。
これは、以下の理由による。
(1)本発明者らは、感光体11の撓みに起因する中央部転写ニップ幅W2と端部転写ニップ幅W1との差分だけ、幅方向端部ではシリカが取られ難くなり、この差分は、感光体11の中央部の撓み量δと略同じ値だと推定した。
(2)一次転写ニップ14nのニップ幅の平均値と、帯電ニップ12nのニップ幅の平均値とが近いと推定し、この推定に基づいて、計測して確認したところ、どちらも約1.0[mm]で、ほぼ同じ値であった。
(3)ニップ幅の単位長さ当りの、一次転写ニップ14nにおける中間転写ベルト17による感光体11からのシリカの回収性能と、帯電ニップ12nにおける帯電ローラ12aによる感光体11からのシリカの回収性能とは、同程度であると推定した。
(4)中間転写ベルト17及び帯電ローラ12aはともに、感光体11と接触するニップ(一次転写ニップ14n及び帯電ニップ12n)のニップ幅が増加すると、シリカの回収性能が向上すると推定した。この推定に対しては、一次転写ニップ14n及び帯電ニップ12nについてニップ幅を増減させて確認したところ、ニップ幅が増加するほど、感光体11からのシリカの回収性能が向上した。
一次転写ニップ14nでのニップ幅は、撓み量δが大きくなる程、中央部転写ニップ幅W2が増大し、それだけ中間転写ベルト17による感光体11からのシリカの回収性能が向上する。このとき、端部転写ニップ幅W1が減少し、感光体11の長手方向端部にシリカが残留し易くなる。
上記(3)の推定が事実であると仮定すると、中央部転写ニップ幅W2と端部転写ニップ幅W1との差分以上に中央部帯電ニップ幅Wbに対して端部帯電ニップ幅Waを広くすると、感光体11の長手方向端部のシリカの残留を抑制できることになる。すなわち、「W2−W1≦Wa−Wb」の関係を満たすことで、感光体11の長手方向端部のシリカの残留を抑制できることになる。
また、上記(1)の推定が事実であると仮定すると、「W2−W1=δ」となる。このとき、端部帯電ニップ幅Waと中央部帯電ニップ幅Wbとの差を撓み量δ以上となるようにに設定すると、「δ≦Wa−Wb」の関係が成り立つ。すなわち、端部帯電ニップ幅Waと中央部帯電ニップ幅Wbとの差分を中央部転写ニップ幅W2と端部転写ニップ幅W1との差分以上に設定することができる。
よって、上記(1)及び上記(3)の推定が事実であると仮定すると、端部帯電ニップ幅Waを中央部帯電ニップ幅Wbに対して撓み量「δ」に相当する幅以上広くすることで、感光体11の長手方向端部のシリカの残留を抑制できることになる。
よって、本発明者らは、中央部帯電ニップ幅Wbに対して端部帯電ニップ幅Waを感光体11の撓み量δよりも大きくする設定とした。
以下、撓み易い感光体11を用いて、中央部帯電ニップ幅Wbに対して端部帯電ニップ幅Waを感光体11の撓み量δよりも大きくする設定とした構成で、感光体11の長手方向端部のシリカの残留を抑制できることを確認した実験について説明する。
まず、実験を行う前に検討した内容について説明する。
本発明者らは、感光体11の撓み難さを示す指標として、感光体11の断面二次モーメントに対する長さの三乗の商というパラメータに着目した。
これは、以下の理由による。
ドラム状の感光体11は、アルミニウム製の円筒状の基材の表面上に感光層を設けたものである。感光層を形成する材質はアルミニウムに比較して剛性が十分に低く、感光体11の撓み難さに寄与するのは、基材の剛性である。
帯電ローラ12aやクリーニングブレード15aによって感光体11に力が作用している状態を、感光体11を両端支持梁とし、長手方向中央部に集中荷重が作用するモデルに簡略化して考えると、長手方向中央部の撓み量δは以下の式(A)で表される。
Figure 0006179810
上記(A)式において、「W」は集中荷重の値、「L」は軸方向の長さ、「E」はヤング率、「I」は断面二次モーメントを示す。
また、感光体11に力が作用している状態を、感光体11を両端支持梁とし、長手方向の全域に分布荷重が作用するモデルに簡略化して考えると、長手方向中央部の撓み量δは以下の式(B)で表される。
Figure 0006179810
上記(B)式において、「w」は分布荷重の値、「L」は軸方向の長さ、「E」はヤング率、「I」は断面二次モーメントを示す。
上記(A)式の集中荷重Wの値は、クリーニングブレード15aや帯電ローラ12aから感光体11に作用する力の総和であり、上記(B)式の分布荷重wと長さLとの積(w・L)も、感光体11に作用する力の総和である。
また、ヤング率Eは、感光体11の基材の材料によって決まる。
よって、上記(A)式及び(B)式の何れのモデルについて考えても、「L/I」の値が大きいほど、撓み量δの値が大きくなる。そして、その逆数である「I/L」が大きければ大きいほど撓み難くなるため、「I/L」で示される断面二次モーメントに対する長さの三乗の商は、同一材料を用いた物体の撓み難さを表すパラメータである。
なお、本実施形態では、感光体11の円筒状の素管の材料として、アルミニウム合金(A1000系、A2000系、A5000系、A6000系)を用いており、ヤング率は、6.0〜8.0×1010[N/m]である。
円筒状の部材の断面二次モーメント「I」は、以下の式(C)で表される。
Figure 0006179810
上記(2)式において、「π」は円周率、「D」は円筒の外径、「d」は円筒の内径を示す。内径「d」は、外径「D」から厚み「T」の二倍を引いた値である。
よって、感光体11の撓み難さを示すパラメータ「I/L」は、感光体11の長手方向の長さ「L」を長くするほど、円筒状の素管の直径「D」を小さくすればするほど、さらに、厚み「T」が薄くなればなるほど値が小さくなる。すなわち、感光体の長尺化、小径化及び薄肉化は何れも、感光体11を撓み易くする変更点であり、このような感光体11は、感光体11以外の構成が同一の構成に組み付けたときの感光体の撓み量δが従来の感光体11を用いた場合よりも大きくなる。
実験で用いた感光体11は、上述した、長さ「L1」が374[mm]、直径「D」が30[mm]、基材の厚み「T」が0.75[mm]となる感光体11を標準感光体とした。
この標準感光体のパラメータ「I/L」の値は、約0.000145[mm]となった。
なお、従来の感光体では、径が大きい、厚みが厚い、または、軸方向の長さが短い等により、パラメータ「I/L」の値が、本実験で用いた標準感光体ほど小さい値となるものはなかった。
このような標準感光体に対して厚み「T」を変更することで、「I/L」の値を変化させて、標準感光体以外に七つの感光体11を用意して、八つの感光体11について以下の考察及び実験を行った。
また、以下の考察及び実験における帯電ローラ12aとしては、長手方向の端部よりも中央部の方が径が大きい、いわゆるクラウン形状のものを用いた。具体的には、端部の直径が12[mm]で中央部の直径が大きくすることでクラウン形状となるものを用いた。さらに、帯電ローラ12aとしては、表面粗さがRz6〜18[μm]の範囲内となる12[μm]のものを用いた。
〔考察1〕
感光体の省スペース化(小径)、低コスト化及び軽量化(薄肉)、長尺(A3ノビ紙対応)を両立させる範囲を考察した結果を表1に示す。
Figure 0006179810
本考察では、「I/L」の値が標準感光体よりも大きい値は不可「×」とした。
これは、以下の理由による。
すなわち、本発明者らが検討しているものが、標準感光体そのもの、または、標準感光体よりも直径が小さい感光体を検討しており、さらに、標準感光体そのもの、または、標準感光体よりも軽い感光体を検討している。しかし、「I/L」の値が標準感光体よりも大きい値となるもので、A3ノビ紙対応のものを作成しようとすると、標準感光体よりも直径を大きくする、または、スリーブの厚みを厚くする、必要がある。
直径を大きくすると、感光体の大型化に繋がる。また、小径の感光体でA3ノビ紙対応のもので、「I/L」の値が標準感光体よりも大きいものを用いようとすると、感光体の重量の増加に繋がる。感光体の重量が増加すると、駆動時の負荷の増加、物流コストの増加等に繋がる。
よって、本考察では、「I/L」の値が標準感光体よりも大きい値は不可「×」とした。
表中の「*」の値は、「*=(Wa−Wb)−δ」で得られる値である。
「*」の値を変化させるために、各感光体11に対して当接させる帯電ローラ12aのクラウン量を変化させ、端部帯電ニップ幅Waと中央部帯電ニップ幅Wbとを変化させて、端部帯電ニップ幅Waと中央部帯電ニップ幅Wbとの差を測定した。
端部帯電ニップ幅Waと中央部帯電ニップ幅Wbとの測定方法は、以下のとおりである。
まず、感光体11にトナーをつけた状態で、実験装置に感光体11と帯電ローラ12aとを組み付けて、帯電ローラ12aを所定の当接圧で感光体11に当接させる。その後、帯電ローラ12aの当接を解除して、装置から帯電ローラ12aを取り外す。これにより、図20で示すような帯電ニップ12nとなっていた帯電ローラ12a側における部分にトナーが付着する。このトナーが付着した部分の表面移動方向の長さを幅方向端部と幅方向中央部とで測定し、「端部帯電ニップ幅Wa」と「中央部帯電ニップ幅Wb」とを求め、その差から「Wb−Wa」の値を算出した。
このとき、算出される「Wb−Wa」は、感光体11が停止しているときの値である。感光体11が駆動すると、クリーニングブレード15aと感光体11との接触部における摩擦力が作用し始める。このため、感光体11が停止しているときよりも感光体11が駆動しているときの方が、「Wb−Wa」の値は大きくなると考えられるが、本実験では、感光体11が停止しているときの「Wb−Wa」の値を求めた。
また、「δ」は、駆動時の感光体11の撓み量を実際に測定した。
図21は、感光体11の撓み量の測定方法の概念説明図である。図21中の矢印Lsは、感光体11の幅方向中央部の下端部の位置を測定する測定用のレーザーの照射方向を示している。図21に示す感光体11への当接部材(クリーニングブレード15a、帯電ローラ12a)を取り外した状態で感光体11を駆動させたときの下端部の位置と、当接部材を当接させた状態で感光体11を駆動させたときの下端部の位置との高さの差を求めた。ここで求めた高さの差が感光体11の駆動時の撓み量「δ」となる。
これらの算出方法によって、「Wb−Wa」及び「δ」を算出することができ、「*=(Wa−Wb)−δ」の値を求めることができる。「*」の値は、「δ」ではなく、「Wb−Wa」の値を変化させることで値を振っている。すなわち、感光体11に作用させる力は一定(帯電ローラ12aの当接圧、クリーニングブレード15aの当接条件)は一定で、帯電ローラ12aのクラウン形状を変化させることで「Wb−Wa」の値を変化させ、「*」の値を振っている。
帯電ローラ12aは、端部の径が12[mm]のローラに対して、端部よりも径が大きな中央部の径を増減させることで、クラウン形状を変化させた。このようにクラウン形状を異ならせることで、各感光体11の条件に対して「*」の値が、表中の値(「−0.05」、「0」、「0.05」、「0.1」、「0.15」)の値になるように設定した。
〔考察2〕
次に、考察2として、帯電ローラニップ偏差による帯電性を考察した結果を表2に示す。
Figure 0006179810
「I/L」の値は、同一材料を用いた場合の物体の撓み難さを表すパラメータであるが、値が小さすぎると感光体11が撓み易くなり、撓み量δが大きくなるため「Wa−Wb>δ」の関係を満たすためには、「Wa−Wb」の値を大きく設定する必要がある。「Wa−Wb」の値を大きくしすぎると、「長手方向端部の感光体表面電位の絶対値」から「長手方向中央部の感光体表面電位の絶対値」を引いた値、すなわち、一様帯電時の帯電電位の偏差が大きくなる。一様帯電時の帯電電位の偏差が大きくなると、長手方向端部と中央部とで画像濃度ムラが生じる。この観点から「OK/NG」の範囲を検証したものが表2である。表2中の「○」は、一様帯電時の感光体11の帯電電位の長手方向の偏差(FCR差)が画像に顕在化しない、「×」は帯電電位の長手方向の偏差(FCR差)が画像に顕在化する。
本実験装置の帯電ニップ12nのニップ幅の平均である約1.0[mm]に対して、「Wa−Wb」の値が0.2[mm]より大きくなると、帯電電位の長手方向の偏差(FCR差)が画像に顕在化した。よって、「Wa−Wb」の値の上限値を0.2[mm]とした。
従来は、帯電ニップ12nのニップ幅に偏差があると帯電ムラに起因する画像不良が生じると考え、ニップ幅の偏差をできるだけ少なくするために、帯電ローラ12aのクラウン量を調整し、「Wa−Wb」の値が「0」に近い値となるように設定していた。しかし、本発明者らが鋭意検討を重ねたところ、本実験装置の帯電ニップ12nのニップ幅の平均が約1.0[mm]であるのに対して、「Wa−Wb」の値が0.2[mm]以下であれば、帯電ムラに起因する画像不良は問題のないレベルであることが分かった。従来の帯電ローラ12aは、帯電ニップ12nの偏差が無くなるほどにクラウン量があったため、帯電ムラに起因する画像不良を抑制するという点では、クラウン量が過剰であったと考えられる。
また、上述した標準感光体は、パラメータ「I/L」の値は、約0.000145[mm]で感光体11の撓み量「δ」は0.13[μm]であった。
これに対して、パラメータ「I/L」の値が、表中の左端のように0.000029[mm]となると、パラメータ「I/L」の値は標準感光体の1/5となる。撓み難さを示すパラメータである「I/L」が1/5となると、同じ装置に組み込んだときは荷重(W)や材料(ヤング率:E)が同じであるため、撓み量「δ」は5倍となる。このため、パラメータ「I/L」の値が0.000029[mm]の場合は、撓み量「δ」は65[μm]となる。
このとき「*」の値が「0.1」であれば「*=(Wa−Wb)−δ」の関係式より、「Wa−Wb」は「0.165[mm]」となり、上述した「Wa−Wb」の値の上限値である0.2[mm]を下回る。一方、「*」の値が「0.15」では「*=(Wa−Wb)−δ」の関係式より、「Wa−Wb」は「0.215[mm]」となる。これにより、上述した「Wa−Wb」の値の上限値である0.2[mm]を上回ってしまい帯電電位の長手方向の偏差(FCR差)が画像に顕在化する。よって、表2に示す評価では、パラメータ「I/L」の値が0.000029[mm]で「*」の値が「0.15」となる条件では評価を「×」とした。
〔実験1〕
感光体11に対するシリカの残留量を評価する前に、感光体11に当接させるクリーニングブレード15aの当接圧を検討する実験1を行った。
感光体11のシリカの残留量は、感光体クリーニング装置15のクリーニングブレード15aの当接圧によって変化する。クリーニングブレード15aの当接圧が高いほど、クリーニングブレード15aによるシリカの回収性能が向上する。しかし、クリーニングブレード15aの当接圧が高すぎると、感光体11の表面の感光層の磨耗が進み、装置寿命に到達する前にキャリア付着が許容範囲を超えてしまう。また、クリーニングブレード15aの当接圧が低いとシリカの回収性能が低下するだけでなく、使用開始したのち、早い段階でのクリーニング不良に起因する不良画像が生じる。
そこで、クリーニングブレード15aの当接圧を決める実験を行った。
実験装置としては、市販の画像形成装置(RICOH MP C 3503)の感光体駆動と帯電用の高圧電源をDC帯電システムに改造し、感光体11としては、上述した実施形態のものを用いた。
このような実験装置で、クリーニングブレード15aの感光体11に対する当接圧が異なる条件で、感光体磨耗による経時キャリア付着評価とクリーニング性評価とを行った。
評価結果を表3に示す。
Figure 0006179810
本実験では、クリーニングブレード15aの当接圧として、その中心圧が線圧で10[g/cm]、25[g/cm]、40[g/cm]のものについて検討した。
ここで、中心圧とは、作像装置10にクリーニングブレード15aを組み付けるときの目標となる線圧である。クリーニングブレード15aの当接圧は同じ機種の装置であれば同じ値に設定することが望ましい。しかし、量産の都合上、クリーニングブレード15aには、いろいろ公差があり、ブレードの厚みや突き出し量、組み付け位置など、このような公差を許容しようとすると当接圧は同じ機種の装置であっても一つ一つの装置ごとにバラツキが生じてしまう。
そして、中心圧とは、各公差のない理想的な条件でクリーニングブレード15aを組み付けたとしたときのクリーニングブレード15aの当接圧である。
また、公差があるとしても、上下限を設定する必要があり、中心圧が25[g/cm]の設定である場合はその線圧公差を±10[g/cm]としている。すなわち、中心圧が25[g/cm]の設定では、当接圧は、下限値が15[g/cm]となり、上限値が35[g/cm]となる。
中心圧が10[g/cm]の場合は線圧公差の範囲はこれよりも狭く、中心圧が40[g/cm]の場合は線圧公差の範囲はこれよりも広くなる。
そして、キャリア付着は、当接圧が高いほど厳しい条件となるため、各中心圧の線圧公差の上限値の当接圧となる条件で評価を行った。このため、中心圧25[g/cm]の設定の場合は、上限値となる35[g/cm]で評価を行った。
また、クリーニング性は当接圧が低いほど厳しい条件となるため、各中心圧の線圧公差の上限値の当接圧となる条件で評価を行った。このため、中心圧25[g/cm]の設定の場合は、下限値となる15[g/cm]で評価を行った。
また、感光体11としては上述した標準感光体を用いた。
キャリア付着は、経時の感光体11の磨耗に起因する不具合である。
プロセスカートリッジである作像装置10の装置寿命に相当する枚数分、感光体11を回転させた場合のキャリア付着を評価するために、次のような評価を行った。
まず、感光体11を磨耗させる前の感光体11の表面の感光層の層厚を測定した。
次に、感光体11を実験装置に組み付けて、中心圧が10[g/cm]、25[g/cm]及び40[g/cm]となる線圧公差の上限値となる条件でクリーニングブレード15aを感光体11に当接させた。そして、印字率5[%]で感光体11の表面上にトナー像を形成し、一万枚分の感光体11の駆動を行って感光体11の感光層を磨耗させた。そして、実験装置から感光体11を取り出して再び感光体11の感光層の層厚を測定した。
磨耗させる前後で感光体11の感光層の層厚を比較し、中心圧が10[g/cm]、25[g/cm]及び40[g/cm]のそれぞれの当接条件について、一万枚出力時の感光層の減少量を算出する。
そして、この減少量に基づいて、装置寿命に相当する枚数、六万枚分の感光層の減少量をそれぞれの当接条件について算出し、六万枚の出力を行ったときの感光層の層厚の予想値を算出する。
算出された予想値の層厚の感光層を基準感光体に用いたものと同じ基材の表面上に形成する。これにより、中心圧が10[g/cm]、25[g/cm]及び40[g/cm]のそれぞれの当接条件について、六万枚分の出力を行ったときの感光層の予想値の層厚を備えた、感光体11を再現できる。
層厚が減少した状態を再現した感光体11をそれぞれ実験装置に組み込み、再度、画像形成を行ったときのキャリア付着の発生を確認した。その確認結果が、表3であり、表3中の「○」は、キャリア付着がその後の画像形成に問題のない程度であったことを示しており、「×」は、その後の画像形成に使用できない程度のキャリア付着が生じたことを示している。
表3におけるクリーニング性は、次のような評価を行った。
新しい感光体11を実験装置に組み付けて、中心圧が10[g/cm]、25[g/cm]及び40[g/cm]となる線圧公差の下限値となる条件でクリーニングブレード15aを感光体11に当接させた。そして、ベタ画像のトナー像を一万枚分、感光体11上に形成し、それを感光体クリーニング装置15でクリーニングを行ったときにクリーニング性が保たれているか否かの評価を行った。
クリーニング性は、保たれているか否かはスジ画像の発生の有無で評価を行った。
これは、以下の理由による。すなわち、クリーニング不良が起こると、クリーニングブレード15aの接触位置であるクリーニングニップを通過したトナーが、クリーニングニップに対して下流側に位置する帯電ローラ12aとの接触位置である帯電ニップ12nに到達する。そして、帯電ニップ12nで帯電ローラ12aにトナーが付着すると、帯電ローラ12aの表面汚れに起因するスジ画像が発生する。
このような理由により、ベタ画像のトナー像を一万枚分、感光体11上に形成したあとに、スジ画像が発生していたら「×」とし、スジ画像が発生しなかったら「○」とした。
表3に結果を示す実験より、クリーニングブレード15aの中心圧を25[g/cm]とすることで、感光体磨耗による経時キャリア付着余裕度の確保とクリーニング性の確保とを両立することができた。
以下に説明する感光体11に対するシリカの残留量を評価する実験では、クリーニングブレード15aの中心圧を25[g/cm]として実験を行った。
また、図21を用いて説明した感光体11の撓み量を測定するときも、クリーニングブレード15aの中心圧を25[g/cm]として測定を行った。
〔実験2〕
次に、感光体削れと、感光体11の長手方向端部のシリカ付着との両立を評価した実験2について説明する。
感光体11に対するクリーニングブレード15aの当接圧の中心圧は25[g/cm]とした。この当接条件で、標準環境において画像面積率を5[%]として作像を行った場合に、感光体11の駆動距離10[km]の駆動後に、感光体11上の付着物の状態と画像状態とを観察した結果を表4に示す。
また、実験2においては、市販の画像形成装置(RICOH MP C 3503)を実験条件に合わせて設定を変更して作像を行った。
Figure 0006179810
表4中では、駆動距離10[km]の駆動後の感光体11について次のような評価基準で評価を行った。
「○」:感光体11の表面上の長手方向端部にシリカ付着が目視で全く確認できなかった。
「△」:感光体11の表面上の長手方向端部にシリカ付着が目視で確認できたが、画像に影響は無かった。
「×」:感光体11の表面上の長手方向端部にシリカ付着が目視で確認でき、画像にも影響が生じた。
〔実験3〕
次に、感光体削れと、感光体11の長手方向中央部のシリカ付着との両立を評価した実験3について説明する。
感光体11に対するクリーニングブレード15aの当接圧の中心圧は25[g/cm]とした。この当接条件で、標準環境において画像面積率を5[%]として作像を行った場合に、感光体11の駆動距離10[km]の駆動後に、感光体11上の付着物の状態と画像状態とを観察した結果を表5に示す。
また、実験3においても、市販の画像形成装置(RICOH MP C 3503)を実験条件に合わせて設定を変更して作像を行った。
Figure 0006179810
表5中では、駆動距離10[km]の駆動後の感光体11について次のような評価基準で評価を行った。
「○」:感光体11の表面上の長手方向中央部にシリカ付着が目視で全く確認できなかった。
「△」:感光体11の表面上の長手方向中央部にシリカ付着が目視で確認できたが、画像に影響は無かった。
「×」:感光体11の表面上の長手方向中央部にシリカ付着が目視で確認でき、画像にも影響が生じた。
上述したように、感光体11の長手方向中央部ほど中間転写ベルト17に近付くように撓むことで、感光体11の長手方向中央部のシリカは中間転写ベルト17に回収され易くなると考えられる。しかし、表5に示すように「*」の値が、「0.15」となると長手方向中央部のシリカ付着が悪化する傾向が見られた。これは以下の理由によるものと考えられる。
すなわち、中間転写ベルト17は、マイナス極性に帯電したシリカを静電的に回収していると考えられる。一方、帯電ローラ12aは、機械的に掻き取ることで感光体11の表面上の付着物を回収していると考えられる。このため、マイナス極性の帯電量が小さい低帯電のシリカは、中間転写ベルト17では回収され難く、帯電ローラ12aで回収する必要がある。感光体11の表面上に付着するシリカのうち大部分を占めるマイナス極性に帯電したシリカは、長手方向中央部では中間転写ベルト17に回収され、少量の低帯電のシリカは、帯電ローラ12aによる回収能力が低くなっても、ある程度は問題なく回収される。
しかし、少量であっても低帯電のシリカは帯電ローラ12aによって回収される必要がある。このため、「*」の値が、「0.15」となると中央部帯電ニップ幅Wbが狭くなり、長手方向中央部での帯電ローラ12aによるシリカの回収能力が不十分となり、シリカ付着が悪化する傾向が生じたと考えられる。
表4では、「*」の値が「0」以下となると評価が「×」となったが、表5では「*」の値が評価した範囲の最大値である「0.15」であっても評価は「△」であった。よって、評価した「*」の範囲(−0.05〜0.15)では、長手方向中央部のほうがシリカ付着の余裕度が高い結果となった。
表1、表2、表4及び表5の結果を一つの表にまとめたものを表6に示す。
Figure 0006179810
表6より、パラメータ「I/L」が、0.000058[mm]以上、0.000145[mm]以下の範囲で、「*」の値が、0[mm]よりも大きい範囲であれば、長手方向端部のシリカ付着起因の異常画像を防ぐことが可能となる。さらに、「*」の値が、0.15[mm]以下の範囲であれば、長手方向端部及び長手方向中央部のシリカ付着起因の異常画像を防ぐことが可能となる。
これにより、パラメータ「I/L」の値が、0.000145[mm]以下という感光体の省スペース(小径)、低コスト(薄肉)、長尺(A3ノビ紙対応)を両立することができる感光体で、シリカの付着に起因する異常画像の発生を防ぐことが可能となる。
また、「Wa−Wb」を、「δ」よりも大きく、且つ、0.2[mm]以下に設定することで、長手方向端部のシリカ付着起因の異常画像を防ぐとともに、帯電ムラに起因する画像不良の発生を防ぐことができる。
なお、従来の画像形成装置であっても、「*」の値が0[mm]より大きくなる装置は存在していた。しかし、従来の画像形成装置で用いられていた感光体は、径が大きかったり、長さが短かったりという理由で本発明で用いる感光体よりも十分に撓み難い、すなわち、パラメータ「I/L」の値が十分に大きい感光体であった。パラメータ「I/L」の値が十分に大きいと撓み難く、撓み量「δ」の値が小さい。このため、従来の画像形成装置では、端部帯電ニップ幅Waが中央部帯電ニップ幅Wbよりも少しでも広ければ、「*=(Wa−Wb)−δ」で算出される「*」の値は、0[mm]よりも大きい値となる。
しかし、これは、撓みに起因する長手方向端部のシリカ付着が生じないような十分に撓み難い感光体を用いた画像形成装置だからこそ、「*」の値が正となっていたものである。そして、このような従来の画像形成装置は、撓み易い感光体を用いた構成で、長手方向方向端部のシリカ付着を防止するために、「*」の値を正とした本発明に係る画像形成装置と異なるものである。
停止している状態では、帯電ローラ12aの当接圧と、クリーニングブレード15aの当接圧とによって感光体11は撓むが、感光体11を駆動させるとクリーニングブレード15aとの摩擦力が加わるため、感光体11の撓み量は大きくなる。
感光体11の撓み量が大きくなると、感光体11の長手方向中央部は帯電ローラ12aから離れる方向に変位するため、中央部帯電ニップ幅Wbは小さくなる。中央部帯電ニップ幅Wbが狭くなると、帯電ニップ12nにおける長手方向中央部での線圧が小さくなるが、帯電ローラ12aが感光体11に作用させる荷重の大きさは変わらないため、帯電ニップ12nにおける長手方向端部での線圧が大きくなる。この線圧が大きくなると、端部帯電ニップ幅Waが大きくなる。このように、停止している状態から感光体11を駆動させると、中央部帯電ニップ幅Wbは小さくなり、端部帯電ニップ幅Waは大きくなるため、「Wa−Wb」の値は大きくなる。
上記表5に示した実験結果では、端部帯電ニップ幅Waが広くなることに起因する不具合である長手方向中央部のシリカ付着は評価した範囲の「*」の最大値である「0.15」でも評価が「△」となっている。このことから、シリカ付着に関しては、端部帯電ニップ幅Waが広くなり、「*」の値が大きくなるという条件の変化には余裕があることが分かる。
一方、上記表4に示した実験結果を見ると、端部帯電ニップ幅Waが狭くなることに起因する不具合である長手方向端部のシリカ付着は「*」の値が、「0」以下で評価が「×」となっている。このことから、シリカ付着に関しては、端部帯電ニップ幅Waが狭くなり、「*」の値が小さくなるという条件の変化には余裕がないことが分かる。
図22は、本発明者らが推定する停止時の帯電ニップ幅の差(「Wa−Wb」の値)と、駆動時の帯電ニップ幅の差(「Wa−Wb」の値)との関係の一例を示すグラフである。
図22に示すグラフでは、縦軸の0.01にグラフの切片があり、傾きが「1」となる直線のグラフであり、本発明者らは、停止時の「Wa−Wb」の値と、駆動時の「Wa−Wb」の値との間には、図22に示すような相関関係があると推定する。
上述した各実験では、それぞれの感光体11に対して、帯電ローラ12aのクラウン量を変化させることで、「Wa−Wb」の値を変化させている。このため、「Wa−Wb」の値が異なる条件であっても、感光体11に作用する「荷重W」の総量は変化しない。そして、停止させた状態の感光体11を駆動させることで、クリーニングブレード15aとの摩擦力が加わることによる「荷重W」の増加量は、帯電ローラ12aのクラウン量が異なる条件であっても同じとなる。
また、上述した実験では、厚みの異なる感光体11を変更しなければ「I/L」の値は一定であり、「荷重W」も一定であるため、撓み量も一定である。そして、停止した状態から駆動させたときの「荷重W」の増加量が一定もあるため、停止した状態から駆動させたときの感光体11の撓みの増加量も一定となる。
さらに、上述したように、感光体11の撓み量が大きくなると、「Wa−Wb」の値は大きくなるが、感光体11の撓み量の増加量が一定であれば、「Wa−Wb」の値の増加量も一定となる。
よって、帯電ローラ12aのクラウン量を異ならせることで、停止時の「Wa−Wb」の値を変化させたとしても、停止した状態から駆動させたときの「Wa−Wb」の増加量は一定になると推定する。この関係を示したグラフが図22である。
図22では、停止時の「Wa−Wb」の値が「0」のとき、すなわち、端部帯電ニップ幅Waと中央部帯電ニップ幅Wbとが同じであっても、駆動させることで、端部帯電ニップ幅Waの値が大きくなり、0.01[mm]となっている。
また、停止時の「Wa−Wb」の値を「0.05[mm]」とした場合には、図22に示すグラフでは、駆動時の「Wa−Wb」の値は「0.06[mm]」となっている。停止状態から駆動したときの「Wa−Wb」の値の増加量は停止時の「Wa−Wb」の値が「0[mm]」のときと同様に、「0.01[mm]」となっている。
同様に、停止時の「Wa−Wb」の値が「0.1[mm]」のときは駆動時の「Wa−Wb」の値が「0.11[mm]」で、停止時の「Wa−Wb」の値が「0.15[mm]」のときは駆動時の「Wa−Wb」の値が「0.16[mm]」となっている。
このように、停止時の「Wa−Wb」の値が異なっていても停止状態から駆動したときの「Wa−Wb」の値の増加量は「0.01[mm]」となっている。
図22では、一例として、「Wa−Wb」の値の増加量が「0.01[mm]」で一定となる場合について説明したが、「Wa−Wb」の値の増加量は各種条件の設定によって異なる。
表6に示す「*」は、停止時の「Wa−Wb」の値と、駆動時の感光体11の撓み量「δ」との差である。そして、駆動時の「Wa−Wb」の値は停止時の「Wa−Wb」の値よりも大きくなるため、駆動時の「Wa−Wb」の値と、駆動時の感光体11の撓み量「δ」との差は、表6に示す「*」の値よりも大きくなる。
上述したように、実験した範囲では、「*」の値が小さくなるという条件の変化には余裕はないが、「*」の値が大きくなるという条件の変化に余裕があるため、停止時に比べて駆動時の方が「*」の値が大きくなっても不具合は生じないと考えられる。
そして、少なくとも停止時の「Wa−Wb」の値と、駆動時の感光体11の撓み量「δ」との差である「*」の値が、「0」よりも大きい値であれば、感光体11の長手方向端部におけるシリカ付着の発生を抑制することができる。
クリーニングブレード15aや帯電ローラ12aが当接することによって作用する力によって、感光体11が撓むと、一次転写ニップ14nでは、中央部転写ニップ幅W2が大きくなり、端部転写ニップ幅W1が小さくなる。そのため、一次転写ニップ14nを通過後に感光体11の表面に残るシリカの量は、長手方向端部の方がより多くなる。そして、クリーニングニップに突入、あるいは、或いはクリーニングニップ通過後に再度クリーニングニップに突入するシリカの量が長手方向端部で多くなる。このため、感光体11の表面上における長手方向端部で異物の付着が発生し易くなる。
一方、感光体11に接触する帯電ローラ12aの感光体11との接触部である帯電ニップ12nのニップ幅を増大させると、感光体11から帯電ローラ12aが掻き取るシリカの量が増加する。さらに、帯電クリーニングローラ12b等の帯電ローラクリーニング部材を帯電ローラ12aに当接させることで帯電ローラ12aのシリカ掻き取り力を維持可能である。
本実施形態では、感光体11が撓んだ量以上に、中央部帯電ニップ幅Wbより端部帯電ニップ幅Waを広くすることで、クリーニングニップに再突入するシリカを減少させることができ、感光体11の長手方向端部における異物の付着を抑制することが可能である。
また、感光体11からシリカを掻き取る帯電ローラ12aに帯電クリーニング部材を当接させることで、帯電ローラ12aによるシリカの掻き取り性能を維持することができる。
上述した実施形態では、帯電部材としてローラ形状の帯電ローラ12aを用いている。接触型の帯電部材としてはこれに限るものではなく、感光体11と当接して、帯電ニップを形成するものであればよい。しかし、帯電ローラ12aのように表面移動するものでないと、定期的に帯電ニップを形成する表面に付着したシリカ等の異物を除去するために、帯電部材を感光体11から離間させ、異物を除去する機構が必要となり装置が複雑化、高コスト化するおそれがある。一方、本実施形態の複写機100は、表面移動可能なローラ部材である帯電ローラ12aを用いるため、常にクリーニング後のフレッシュな面で感光体11に当接可能であり、シリカの掻き取り性を維持することができる。また、異物を除去するために感光体11から離間させる機構が不要であるため、安価な構成で、経時に渡ってシリカの掻き取り性を維持することができる。
帯電ローラ12aとしては、表面粗さが十点表面粗さRzで、5[μm]以上とすることで、経時で帯電ローラ12aにおけるシリカを掻き取る部分にシリカが付着したままとなりにくく、シリカの掻き取り性が落ちにくくなる。これは以下の理由による。
すなわち、帯電ローラ12aの表面上で、感光体11の表面上のシリカを掻き取る部分は、帯電ローラ12a表面上の微小な凹凸の凸部である。凹部には凸部で掻き取られたシリカが溜まっていくが、凸部に付着したシリカは帯電クリーニングローラ12bによって除去される。帯電ローラ12aによるシリカの掻き取り性は、その表面上の凸部にどれだけシリカが付着したままとなっているか、ということが影響する。そして、Rzの値が大きほど、すなわち、凸部が高い表面形状であるほど、帯電クリーニングローラ12bによって凸部に付着したシリカが除去され易くなり、凸部にシリカが溜まり難くなるため、シリカの掻き取り性が落ちにくくなる。帯電ローラ12a表面上の凸部によって感光体11の表面から掻き取られたトナーの一部は、帯電ローラ12a上の凹部に移動するが、凹部にシリカが付着したままとなっても、凸部によるシリカの掻き取り性への影響は小さい。
図1に示すように、本実施形態の複写機100では、帯電ローラ12aが感光体11の回転軸よりも下方で、この回転軸の鉛直下方から感光体11を押圧するように配置されている。帯電ローラ12aは自重により長手方向中央部が下がるように撓みが生じるが、上方にある感光体11に向けて帯電ローラ12aが下方から押圧する構成では、自重によって撓んだ長手方向中央部の押圧力は低下し、長手方向端部の押圧力を高くすることができる。これにより、長手方向端部のシリカ掻き取り性の向上を安価な構成で実現することができる。
複写機100では、帯電ローラ12aは、両端加圧である。両端加圧の構成により、長手方向端部の圧力を安定的に高くすることが可能となり、帯電ローラ12aの長手方向端部でのシリカ掻き取り性を安定的に維持することが可能となる。
複写機100の帯電クリーニング手段は、帯電ローラ12aの表面に接触して異物を除去する帯電クリーニング部材としての帯電クリーニングローラ12bを備え、この帯電クリーニングローラ12bは、材質として発泡性のウレタンを含有する。発泡性のウレタンは、セル径が大きいため、帯電ローラ12aに付着したシリカを取り易くなり、帯電ローラ12aのシリカ掻き取り性を安定的に維持することが可能となる。
帯電クリーニングローラ12bは、ローラ形状である。帯電クリーニング部材がローラ形状であることにより、ブレード形状のものに比べて、帯電ローラ12aに当接させることができる面積を増やすことが可能となる。これにより、経時で帯電ローラ12aのシリカ掻き取り性能を安価な構成で維持することが可能となる。
帯電クリーニング部材である帯電クリーニングローラ12bは、長手方向両端が支持され帯電ローラ12aに加圧されている。両端加圧であるため、長手方向端部の圧力を安定的に高くすることが可能となり、帯電ローラ12aの長手方向端部のシリカの掻き取り性を安価な構成で安定的に向上させることが可能となる。
帯電ローラ12aによって一様帯電された感光体11の表面電位としては、その絶対値が、接地電位よりも140[V]以上高いことが望ましい。感光体11の表面電位のマイナス極性側の帯電電位を大きくすることで、一様帯電時の電位で現像領域に到達する非画像部では、マイナス帯電のシリカが現像ローラ13aから感光体11に供給されにくくなる。これにより、感光体11に付着するシリカの量を抑制する可能となる。一方、一様帯電された感光体11の表面電位の絶対値と、接地電位との電位差が140[V]未満であると、感光体11へのシリカの付着を抑制する性能が低下するとともに、地肌汚れが顕在化するおそれがある。
クリーニング手段である感光体クリーニング装置15は、感光体11の表面に接触して転写残トナーを除去するクリーニングブレード15aのブレード本体であるブレード状部材15a1を備える。さらに、このブレード状部材15a1を感光体クリーニング装置15装置本体に対して固定するブレードホルダであるホルダ部材15a2を備え、このホルダ部材15a2は、軸方向である長手方向両端固定としている。長手方向の端部のみブレード圧を高いレベルで安定させることができるため、感光体11の表面上の長手方向端部での異物の付着を抑制することが可能となる。これにより、感光体11の表面上の長手方向端部でクリーニング不良に起因する異物の付着を抑制することができ、シリカが付着することに起因するフィルミングの発生を抑制することができる。
感光体11としては、感光層に絶縁性のフィラーを含有させない構成であることが望ましい。感光層にフィラーが含有していない方が、感光体11の表面の円滑性が高まり、感光体11の表面の円滑性が高い方が現像領域でシリカが付着することを抑制でき、さらに、帯電ニップ12nで帯電ローラ12aがシリカを掻き取り易くなる。これにより、感光体11の表面上にシリカが付着したままとなることを抑制でき、シリカのフィルミングが発生することを防止できる。
また、一次転写ローラ14等の転写手段は、紙間に対応したタイミングであっても作像時と同等の電流値(アンペア)の転写電流を印加することが望ましい。紙間等の感光体11上に画像形成がされない白紙部に作像部同等の転写電流を印加することで、白紙部においてもシリカを除去することが可能となる。これにより、感光体11にシリカが付着したままとなることを抑制でき、シリカのフィルミングが発生することを抑制することが可能となる。
また、本実施形態の作像装置10は、少なくとも感光体11と、帯電部12と、感光体クリーニング装置15とを一体的に構成し、複写機100の本体に着脱可能に構成したプロセスカートリッジである。このような構成により、撓み易い感光体11を用いた構成で、感光体11にシリカのフィルミングの発生することができる構成の作像装置10を構成する消耗部品の交換性が向上する。
上述した実施形態では、現像装置13として、二成分現像剤を用いる二成分現像方式の現像装置13が搭載された画像形成装置に対して本発明を適用した。現像装置13として、一成分現像剤を用いる一成分現像方式の現像装置13が搭載された画像形成装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
表面移動する感光体11等の潜像担持体と、表面移動する表面を潜像担持体の表面に接触して帯電ニップ12n等の帯電ニップを形成し、潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電ローラ12a等の帯電部材と、一様帯電された潜像担持体の表面に静電潜像を形成する書込み部6等の潜像書き込み手段と、潜像担持体上の静電潜像にトナーを付着させ現像する現像装置13等の現像手段と、潜像担持体上に付着したトナーによって形成されるトナー像を中間転写ベルト17等の被転写材に転写する一次転写ローラ14等の転写手段と、トナー像を被転写材に転写した潜像担持体上に残留する転写残トナーを除去する感光体クリーニング装置15等のクリーニング手段とを有する複写機100等の画像形成装置において、潜像担持体として、断面二次モーメントを長さの三乗で割った値が、0.000058[mm]以上、0.000145[mm]以下の範囲となるものを用いるとともに、帯電部材の表面に付着した異物を除去する帯電クリーニングローラ12b等の帯電クリーニング手段を設け、潜像担持体の表面移動方向の帯電ニップの長さである帯電ニップ幅を、潜像担持体の軸方向の中央部の中央部帯電ニップ幅Wb等の中央部帯電ニップ幅よりも軸方向の端部の端部帯電ニップ幅Wa等の端部帯電ニップ幅の方が広くなるようにし、端部帯電ニップ幅と中央部帯電ニップ幅との差が、駆動時の潜像担持体の中央部の撓み量よりも大きくなるようにした。
これによれば、上記実施形態について説明したように、撓み易い潜像担持体を使用した構成で、フィルミングが発生することを抑制できる。これは以下の理由による。
すなわち、断面二次モーメントを長さの三乗で割った値が、0.000145[mm]以下の範囲となる潜像担持体は、従来の潜像担持体よりも撓み易い。
潜像担持体の表面に接触して帯電ニップを形成する帯電部材の押圧力の少なくとも一部は、潜像担持体上のトナー像を被転写材に転写する転写ニップに向けて潜像担持体を押圧するように作用する。また、潜像担持体とクリーニングブレードとの接触部に作用する摩擦力やクリーニングブレードの押圧力の少なくとも一部は、転写ニップに向けて潜像担持体を押圧するように作用する。このように転写ニップに向けて潜像担持体を押圧する力が作用すると、上述した撓み易い潜像担持体を用いた場合、潜像担持体は軸方向中央部が転写ニップに近付くように撓み、転写ニップの軸方向中央部のニップ幅が大きくなる。被転写材に対する潜像担持体の押圧力に変化がなければ、転写ニップ全体のニップ幅の平均値はほとんど変化しないため、転写ニップの軸方向中央部のニップ幅が大きくなると、転写ニップの軸方向端部のニップ幅が狭くなる。
転写ニップでは、潜像担持体上のトナーだけでなく異物も被転写材に移動するが、異物は転写ニップのニップ幅が狭くなると、移動量が減少する。このため、潜像担持体の軸方向中央部が転写ニップに近付く撓み量が大きくなるほど、転写ニップの軸方向端部のニップ幅が狭くなり、転写ニップで被転写材への異物の移動量が減少し、異物が付着したままとなり潜像担持体にフィルミングが生じ易くなる。
このように潜像担持体の軸方向中央部の撓み量が大きくなるほどフィルミングが発生し易いため、上述した撓み易い潜像担持体を用いた場合は、従来の潜像担持体を用いる構成に比べて潜像担持体の軸方向端部にフィルミングが発生し易くなる。
潜像担持体に接触する帯電部材は潜像担持体上の異物を回収することができ、その回収性能は帯電ニップ幅が広いほど向上する傾向がある。そして、本態様Aのように、中央部帯電ニップ幅よりも端部帯電ニップ幅の方を広くすることで、軸方向端部における帯電部材による異物の回収を促すことができる。
さらに、本態様Aでは、端部帯電ニップ幅と中央部帯電ニップ幅との差が、駆動時の潜像担持体の中央部の撓み量よりも大きくなるように、端部帯電ニップ幅を広く設定する。上記表6等を用いて説明した実験結果より、端部帯電ニップ幅が中央部帯電ニップ幅よりも大きくても、その差が駆動時の潜像担持体の中央部の撓み量以下であると、潜像担持体の軸方向端部の異物付着を十分に抑制することができなかった。一方、端部帯電ニップ幅を中央部帯電ニップ幅よりも大きくし、その差が駆動時の潜像担持体の中央部の撓み量よりも大きくなるように設定すると、潜像担持体の軸方向端部の異物付着を十分に抑制することできることを確認した。これにより、潜像担持体の軸方向端部に異物が付着したままとなることに起因してフィルミングが発生することを抑制できる。
なお、潜像担持体の断面二次モーメントを長さの三乗で割った値が、0.000058[mm]未満であると、撓み易す過ぎて、潜像担持体の撓み量が大きくなり、次のような問題が生じる。すなわち、端部帯電ニップ幅と中央部帯電ニップ幅との差が、駆動時の潜像担持体の中央部の撓み量よりも大きくなるように設定しようとすると、撓み量が大きくなる分、端部帯電ニップ幅と中央部帯電ニップ幅との差を大きくする必要がある。しかし、この差を大きくし過ぎると、潜像担持体の軸方向における帯電ムラが生じ、帯電ムラに起因する画像不良の発生するおそれがある。よって、本態様Aでは、潜像担持体として、断面二次モーメントを長さの三乗で割った値が、0.000058[mm]以上のものを用いている。
(態様B)
態様Aにおいて、端部帯電ニップ幅Wa等の端部帯電ニップ幅と中央部帯電ニップ幅との差は、上記帯電ニップ幅の平均値(約1.0[mm]等)の2/10(0.2[mm]等)未満である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、帯電ムラに起因する画像不良の発生を防ぐことができる。
(態様C)
態様AまたはBの何れかの態様において、帯電ローラ12a等の帯電部材がローラ形状である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、表面移動可能なローラ部材を用いるため、常にクリーニング後のフレッシュな面で帯電部材を潜像担持体に当接することが可能となり、シリカ等の異物の掻き取り性を維持することができる。また、異物を除去するために帯電部材を潜像担持体から離間させる機構が不要であるため、安価な構成で、経時に渡って異物の掻き取り性を維持することができる。
(態様D)
態様A乃至Cの何れかの態様において、帯電ローラ12a等の帯電部材の表面粗さRzが5[μm]以上である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、経時で帯電部材におけるシリカ等の異物を掻き取る部分に異物が付着したままとなりにくく、異物の掻き取り性が落ちにくくなる。このため、感光体11等の潜像担持体に対する帯電部材による異物の掻き取り性能を経時に渡って維持することが可能となる。
(態様E)
態様A乃至Dの何れかの態様において、帯電ローラ12a等の帯電部材は、感光体11等の潜像担持体の回転軸よりも下方で該潜像担持体の表面に接触する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、帯電部材が自重によって撓んだ長手方向中央部の押圧力は低下し、長手方向端部の押圧力を高くすることができる。これにより、長手方向端部のシリカ等の異物を掻き取る性能の向上を安価な構成で実現することができる。
(態様F)
態様A乃至Eの何れかの態様において、帯電ローラ12a等の帯電部材は、両端加圧である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、帯電ニップにおける長手方向端部の圧力を安定的に高くすることが可能となり、帯電部材の長手方向端部でのシリカ掻き取り性を安定的に維持することが可能となる。
(態様G)
態様A乃至Fの何れかの態様において、帯電ローラ12a等の帯電部材によって一様帯電された感光体11等の潜像担持体の表面電位の絶対値が、接地電位よりも140[V]以上高い。
これによれば、上記実施形態について説明したように、非画像部では、シリカ等の異物が現像ローラ13a等を備えた現像手段から潜像担持体に供給されにくくなり、潜像担持体に付着するシリカの量を抑制する可能となる。
(態様H)
態様A乃至Gの何れかの態様において、感光体クリーニング装置15等のクリーニング手段は、感光体11等の潜像担持体の表面に接触して転写残トナーを除去するブレード状部材15a1等のクリーニングブレードを備え、クリーニングブレードを装置本体に対して固定するホルダ部材15a2等のブレードホルダを軸方向両端固定とする。
これによれば、上記実施形態について説明したように、潜像担持体の表面上の軸方向端部でクリーニング不良に起因する異物の付着を抑制することができ、シリカ等の異物が付着することに起因するフィルミングの発生を抑制することができる。
(態様I)
態様A乃至Hの何れかの態様において、感光体11等の潜像担持体の感光層に絶縁性のフィラーを含有させない。
これによれば、上記実施形態について説明したように、潜像担持体の表面の円滑性が高まり、シリカ等の異物が付着することを抑制でき、さらに、潜像担持体に付着した異物を帯電ローラ12a等の帯電部材が掻き取り易くなる。これにより、潜像担持体の表面上に異物が付着したままとなることを抑制でき、異物のフィルミングが発生することを防止できる。
(態様J)
少なくとも感光体11等の潜像担持体と、帯電部12等の帯電手段と、感光体クリーニング装置15等のクリーニング手段とを一体的に構成し、複写機100等の画像形成装置の本体に着脱可能に構成した作像装置10等のプロセスカートリッジにおいて、態様A乃至Iの態様の画像形成装置の帯電手段、クリーニング手段及び潜像担持体を用いる。
これによれば、上記実施形態について説明したように、撓み易い潜像担持体を用いた構成で、潜像担持体にシリカ等の異物のフィルミングの発生することができる構成の消耗部品の交換性が向上する。
1 装置本体
3 原稿搬送部
4 原稿読込部
5 排紙部
6 書込み部
7 給紙部
8 給紙ローラ
9 中間転写ベルトクリーニング装置
10Y イエロー作像装置
10C シアン作像装置
10BK ブラック用作像部
10M マゼンタ作像装置
10 作像装置
11 感光体
11a 感光体軸受部材
12 帯電部
12a 帯電ローラ
12a1 帯電ローラ回転軸
12b 帯電クリーニングローラ
12b1 帯電クリーニングローラ回転軸
12n 帯電ニップ
13c ドクターブレード
13 現像装置
13a 現像ローラ
13b1 第一搬送スクリュ
13b2 第二搬送スクリュ
14 一次転写ローラ
14n 一次転写ニップ
15 感光体クリーニング装置
15a クリーニングブレード
15a1 ブレード状部材
15a11 エッジ層
15a12 バックアップ層
15a2 ホルダ部材
15a21 支持部
15a22 曲げ部
15a31 主基準部
15a32 従基準部
15a41 ネジ締結用穴部
15a42 ネジ締結用長穴部
15b 搬送コイル
15c ケース
15d ボス部
17 中間転写ベルト
18 二次転写ローラ
19 レジストローラ
20 定着部
28 トナー容器
29 排紙ローラ
41 ネジ
50 駆動部
100 複写機
213 帯電ローラ加圧スプリング
214 帯電ローラ軸受部材
215 帯電クリーニングローラ軸受部材
215a 帯電クリーニングローラ軸受部材ガイドリブ
216 帯電クリーニングローラ加圧スプリング
L レーザー光
P 転写紙
W1 端部転写ニップ幅
W2 中央部転写ニップ幅
Wa 端部帯電ニップ幅
Wb 中央部帯電ニップ幅
特開2007‐086531号公報 特開2005‐301216号公報

Claims (10)

  1. 表面移動する潜像担持体と、
    表面移動する表面を該潜像担持体の表面に接触して帯電ニップを形成し、該潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電部材と、
    一様帯電された該潜像担持体の表面に静電潜像を形成する潜像書き込み手段と、
    該潜像担持体上の静電潜像にトナーを付着させ現像する現像手段と、
    該潜像担持体上に付着したトナーによって形成されるトナー像を被転写材に転写する転写手段と、
    トナー像を被転写材に転写した該潜像担持体上に残留する転写残トナーを除去するクリーニング手段とを有する画像形成装置において、
    上記潜像担持体として、断面二次モーメントを長さの三乗で割った値が、0.000058[mm]以上、0.000145[mm]以下の範囲となるものを用いるとともに、
    上記帯電部材の表面に付着した異物を除去する帯電クリーニング手段を設け、
    該潜像担持体の表面移動方向における上記帯電ニップの長さである帯電ニップ幅を、該潜像担持体の軸方向の中央部の中央部帯電ニップ幅よりも軸方向の端部の端部帯電ニップ幅の方が広くなるようにし、
    該端部帯電ニップ幅と中央部帯電ニップ幅との差が、駆動時の該潜像担持体の中央部の撓み量よりも大きくなるようにしたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    上記端部帯電ニップ幅と上記中央部帯電ニップ幅との差は、上記帯電ニップ幅の平均値の2/10未満であることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または2の何れかに記載の画像形成装置において、
    上記帯電部材がローラ形状であることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の画像形成装置において、
    上記帯電部材の表面粗さRzが5[μm]以上であることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の画像形成装置において、
    上記帯電部材は、上記潜像担持体の回転軸よりも下方で該潜像担持体の表面に接触することを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の画像形成装置において、
    上記帯電部材は、両端加圧であることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1乃至6の何れかに記載の画像形成装置において、
    上記帯電部材によって一様帯電された上記潜像担持体の表面電位の絶対値が、接地電位よりも140[V]以上高いことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1乃至7の何れかに記載の画像形成装置において、
    上記クリーニング手段は、上記潜像担持体の表面に接触して転写残トナーを除去するクリーニングブレードを備え、
    該クリーニングブレードを装置本体に対して固定するブレードホルダを軸方向両端固定とすることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1乃至8の何れかに記載の画像形成装置において、
    上記潜像担持体の感光層に絶縁性のフィラーを含有させないことを特徴とする画像形成装置。
  10. 少なくとも潜像担持体と、帯電手段と、クリーニング手段とを一体的に構成し、画像形成装置の本体に着脱可能に構成したプロセスカートリッジにおいて
    求項1乃至9の何れかに記載の画像形成装置の帯電手段、クリーニング手段及び潜像担持体を用いたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
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