JP2014052400A - 潤滑剤供給装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】交換される前後の固形潤滑剤の交換サイクルを同等に設定した場合であっても、交換用部品として装置に設置されて使用された固形潤滑剤がムダなく効率的に消費される、潤滑剤供給装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供する。
【解決手段】固形潤滑剤16bは、所定の交換サイクルにて交換される交換用部品となるように装置に対して着脱可能に構成されている。そして、新品の装置において所定の交換サイクルにて使用された後の固形潤滑剤16bの残量と、その後に交換用部品として装置に設置されて所定の交換サイクルにて使用された後の固形潤滑剤16b´の残量と、が同等になるように形成されている。
【選択図】図5
【解決手段】固形潤滑剤16bは、所定の交換サイクルにて交換される交換用部品となるように装置に対して着脱可能に構成されている。そして、新品の装置において所定の交換サイクルにて使用された後の固形潤滑剤16bの残量と、その後に交換用部品として装置に設置されて所定の交換サイクルにて使用された後の固形潤滑剤16b´の残量と、が同等になるように形成されている。
【選択図】図5
Description
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置と、そこに設置される潤滑剤供給装置と、プロセスカートリッジと、に関するものである。
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、感光体ドラムや中間転写ベルト等の像担持体に当接するクリーニングブレードの磨耗・欠損や像担持体の劣化を低減するとともに、経時におけるクリーニング不良や像担持体の表面へのフィルミングの発生を抑止することを目的として、像担持体上に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置を設置する技術が広く知られている(例えば、特許文献1、2等参照。)。
一方、特許文献1には、他の構成部材に比べて交換サイクルが比較的短い固形潤滑剤を潤滑剤供給装置から容易に取り出して交換できるように、潤滑剤供給装置のケースに、固形潤滑剤を取出・収容するための開口部と、その開口部を開閉する蓋部材と、を設ける技術が開示されている。
このように固形潤滑剤を交換可能に構成した場合には、装置の制御を複雑化することを避けるため、固形潤滑剤の交換サイクルを新品時のものと交換時のものとで同等に設定することが多い。
このように固形潤滑剤を交換可能に構成した場合には、装置の制御を複雑化することを避けるため、固形潤滑剤の交換サイクルを新品時のものと交換時のものとで同等に設定することが多い。
他方、特許文献2等には、固形潤滑剤の寿命における初期から末期にわたって像担持体への潤滑剤供給量を均一化するように、潤滑剤供給ローラ(ブラシローラ)に対して固形潤滑剤を加圧する加圧機構(押圧機構)による加圧力を初期から末期にわたって可変できるように構成する技術が開示されている。
上述した特許文献1等の潤滑剤供給装置は、潤滑剤供給ローラを交換することなく、固形潤滑剤のみを容易に交換できるように構成されているものの、交換される前後の固形潤滑剤をそれぞれ同じ形態のものとして、それらの交換サイクルが同等に設定されている場合に、新品の装置において使用された後の固形潤滑剤の残量に比べて、その後に交換用部品として装置に設置されて使用された後の固形潤滑剤の残量が著しく多くなってしまって、交換後の固形潤滑剤の消費にムダが多く生じていた。
本願発明者は、このような問題を解決するために研究を重ねた結果、新品状態の潤滑剤供給ローラによって固形潤滑剤から削り取られる潤滑剤量が初期的に多くなり経時に安定化することを知るに至った。そのため、新品の装置において新品状態の潤滑剤供給ローラとの組み合わせで使用される固形潤滑剤に比べて、充分に使用された状態の潤滑剤供給ローラとの組み合わせで使用される交換後の固形潤滑剤は、交換サイクルに達したときの残量が多くなってしまう。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、交換される前後の固形潤滑剤の交換サイクルを同等に設定した場合であっても、交換用部品として装置に設置されて使用された固形潤滑剤がムダなく効率的に消費される、潤滑剤供給装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することにある。
この発明の請求項1記載の発明にかかる潤滑剤供給装置は、トナー像が担持される像担持体上に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置であって、所定方向に回転するとともに、前記像担持体に摺接する潤滑剤供給ローラと、前記潤滑剤供給ローラに摺接する固形潤滑剤と、前記固形潤滑剤を前記潤滑剤供給ローラに向けて加圧する加圧機構と、を備え、前記固形潤滑剤が所定の交換サイクルにて交換される交換用部品となるように装置に対して着脱可能に構成され、新品の装置において前記所定の交換サイクルにて使用された後の前記固形潤滑剤の残量と、その後に交換用部品として装置に設置されて前記所定の交換サイクルにて使用された後の固形潤滑剤の残量と、が同等になるように形成されたものである。
本発明は、交換される前後の固形潤滑剤の交換サイクルを同等に設定した場合であっても、新品の装置において使用された後の固形潤滑剤の残量と、その後に交換用部品として装置に設置されて使用された後の固形潤滑剤の残量と、が同等になるように形成しているため、交換用部品として装置に設置されて使用された固形潤滑剤がムダなく効率的に消費される、潤滑剤供給装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することができる。
実施の形態.
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
本実施の形態における画像形成装置1は、複数の作像部としてのプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKが中間転写ベルト17に対向するように並設されたタンデム型のカラー画像形成装置である。
本実施の形態における画像形成装置1は、複数の作像部としてのプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKが中間転写ベルト17に対向するように並設されたタンデム型のカラー画像形成装置である。
図1において、1は画像形成装置としてのカラー複写機の装置本体、3は原稿を原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿の画像情報を読み込む原稿読込部、6は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部(露光部)、7は転写紙等の記録媒体Pが収納される給紙部、10Y、10M、10C、10BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部としてのプロセスカートリッジ、17は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、18は中間転写ベルト17上に形成されたトナー像を記録媒体Pに転写する2次転写ローラ、20は記録媒体P上の未定着画像を定着する定着部、28は各プロセスカートリッジ(作像部)10Y、10M、10C、10BKの現像部に各色のトナーを補給するためのトナー容器、を示す。
ここで、各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BK(作像部)は、それぞれ、像担持体としての感光体ドラム11、帯電部12、現像部13(現像装置)、クリーニング部15(クリーニング装置)、潤滑剤供給装置16(潤滑剤供給部)が一体化されたものである(図2を参照できる。)。そして、各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKは、寿命に達したときに装置本体1に対して交換される。
各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKにおける感光体ドラム11(像担持体)上では、それぞれ、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される。
各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKにおける感光体ドラム11(像担持体)上では、それぞれ、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される。
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿は、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像情報が光学的に読み取られる。
詳しくは、原稿読込部4は、コンタクトガラス上の原稿の画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿にて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿のカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部(不図示である。)で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
まず、原稿は、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像情報が光学的に読み取られる。
詳しくは、原稿読込部4は、コンタクトガラス上の原稿の画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿にて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿のカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部(不図示である。)で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部6に送信される。そして、書込み部6からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光(露光光)が、それぞれ、対応するプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKの感光体ドラム11上に向けて照射される。
一方、4つの感光体ドラム11は、それぞれ、図の時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム11の表面は、帯電ローラ12a(帯電部12)との対向位置で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム11上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム11表面は、それぞれのレーザ光の照射位置に達する。
書込み部6において、光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応して射出される。図示は省略するが、レーザ光は、ポリゴンミラーに入射して反射した後に、複数のレンズを透過する。複数のレンズを透過した後のレーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
書込み部6において、光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応して射出される。図示は省略するが、レーザ光は、ポリゴンミラーに入射して反射した後に、複数のレンズを透過する。複数のレンズを透過した後のレーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目のプロセスカートリッジ10Yの感光体ドラム11表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラー(不図示である。)により、感光体ドラム11の回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電ローラ12aにて帯電された後の感光体ドラム11上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、シアン成分のレーザ光は、紙面左から2番目のプロセスカートリッジ10Cの感光体ドラム11表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から3番目のプロセスカートリッジ10Mの感光体ドラム11表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目(中間転写ベルト17の走行方向に対して最も下流側である。)のプロセスカートリッジ10BK(黒色用作像部)の感光体ドラム11表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム11表面は、それぞれ、現像部13との対向位置に達する。そして、各現像部13から感光体ドラム11上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム11上の潜像が現像される(現像工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向位置に達する。ここで、それぞれの対向位置には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように1次転写ローラ14が設置されている。そして、1次転写ローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(第1転写工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向位置に達する。ここで、それぞれの対向位置には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように1次転写ローラ14が設置されている。そして、1次転写ローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(第1転写工程である。)。
そして、第1転写工程後の感光体ドラム11表面は、それぞれ、クリーニング部15との対向位置に達する。そして、クリーニング部15で、感光体ドラム11上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程である。)。
その後、感光体ドラム11表面は、潤滑剤供給装置16の位置と除電部(不図示である。)の位置とを順次通過して、感光体ドラム11における一連の作像プロセスが終了する。
その後、感光体ドラム11表面は、潤滑剤供給装置16の位置と除電部(不図示である。)の位置とを順次通過して、感光体ドラム11における一連の作像プロセスが終了する。
他方、感光体ドラム11上の各色の画像が重ねて転写された中間転写ベルト17表面は、図中の矢印方向に走行して、2次転写ローラ18の位置に達する。そして、2次転写ローラ18の位置で、記録媒体P上に中間転写ベルト17上のフルカラーの画像が2次転写される(第2転写工程である。)。
その後、中間転写ベルト17表面は、中間転写ベルトクリーニング部(不図示である。)の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上の未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部に回収されて、中間転写ベルト17上の一連の転写プロセスが完了する。
その後、中間転写ベルト17表面は、中間転写ベルトクリーニング部(不図示である。)の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上の未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部に回収されて、中間転写ベルト17上の一連の転写プロセスが完了する。
ここで、2次転写ローラ18位置の記録媒体Pは、給紙部7から搬送ガイド、レジストローラ19等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送された転写紙Pが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ19に導かれる。レジストローラ19に達した記録媒体Pは、中間転写ベルト17上のトナー像とタイミングを合わせて、2次転写ローラ18の位置に向けて搬送される。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送された転写紙Pが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ19に導かれる。レジストローラ19に達した記録媒体Pは、中間転写ベルト17上のトナー像とタイミングを合わせて、2次転写ローラ18の位置に向けて搬送される。
その後、フルカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着部20に導かれる。定着部20では、定着ローラと加圧ローラとのニップにて、カラー画像が記録媒体P上に定着される。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、排紙ローラ29によって装置本体1外に出力画像として排出された後に、排紙部5上にスタックされて、一連の画像形成プロセスが完了する。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、排紙ローラ29によって装置本体1外に出力画像として排出された後に、排紙部5上にスタックされて、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、図2にて、画像形成装置の作像部について詳述する。
なお、図2は黒色用作像部としてのプロセスカートリッジ10BK(モノクロ用のプロセスカートリッジ)を示す構成図である。モノクロ用のプロセスカートリッジ10BKと、カラー用のプロセスカートリッジ10Y、10M、10Cと、は、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる点を除き、ほぼ同じ構成部材によって構成されているため、カラー用のプロセスカートリッジ10Y、10M、10Cの図示と説明は適宜省略する。
なお、図2は黒色用作像部としてのプロセスカートリッジ10BK(モノクロ用のプロセスカートリッジ)を示す構成図である。モノクロ用のプロセスカートリッジ10BKと、カラー用のプロセスカートリッジ10Y、10M、10Cと、は、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる点を除き、ほぼ同じ構成部材によって構成されているため、カラー用のプロセスカートリッジ10Y、10M、10Cの図示と説明は適宜省略する。
図2に示すように、プロセスカートリッジ10BKには、像担持体としての感光体ドラム11と、感光体ドラム11を帯電する帯電部12(帯電ローラ)と、感光体ドラム11上に形成される静電潜像を現像する現像部13と、感光体ドラム11上の未転写トナーを回収するクリーニング部15と、感光体ドラム11上に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置16と、が、ケースに一体的に収納されている。
ここで、像担持体としての感光体ドラム11は、負帯電性の有機感光体であって、ドラム状導電性支持体上に感光層等を設けたものである。
図示は省略するが、感光体ドラム11は、基層としての導電性支持体上に、絶縁層である下引き層、感光層としての電荷発生層及び電荷輸送層、保護層(表面層)が順次積層されている。
感光体ドラム11の導電性支持体(基層)としては、体積抵抗が1010Ωcm以下の導電性材料を用いることができる。
図示は省略するが、感光体ドラム11は、基層としての導電性支持体上に、絶縁層である下引き層、感光層としての電荷発生層及び電荷輸送層、保護層(表面層)が順次積層されている。
感光体ドラム11の導電性支持体(基層)としては、体積抵抗が1010Ωcm以下の導電性材料を用いることができる。
帯電部12(帯電ローラ)は、導電性芯金の外周に中抵抗の弾性層を被覆してなるローラ部材であって、潤滑剤供給装置16に対して感光体ドラム11の回転方向下流側に配設されている。また、帯電部12(帯電ローラ)は、潤滑剤供給装置16によって感光体ドラム11上に供給された潤滑剤が付着しないように、感光体ドラム11に対して非接触で対向するように配設されている。
そして、帯電部12には不図示の電源部から所定の電圧が印加されて、これにより対向する感光体ドラム11の表面を一様に帯電する。
そして、帯電部12には不図示の電源部から所定の電圧が印加されて、これにより対向する感光体ドラム11の表面を一様に帯電する。
現像部(現像装置)13は、主として、感光体ドラム11に対向する現像ローラ13aと、現像ローラ13aに対向する第1搬送スクリュ13b1と、仕切部材を介して第1搬送スクリュ13b1に対向する第2搬送スクリュ13b2と、現像ローラ13aに対向するドクターブレード13cと、で構成される。現像ローラ13aは、内部に固設されてローラ周面に磁極を形成するマグネットと、マグネットの周囲を回転するスリーブと、で構成される。マグネットによって現像ローラ13a(スリーブ)上に複数の磁極が形成されて、現像ローラ13a上に現像剤が担持されることになる。
現像部13内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤が収容されている。
トナーは、画質向上のために、円形度が0.98以上の球形トナーを使用している。「円形度」は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−2000」(東亜医用電子社製)により計測した平均円形度である。具体的には、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に、分散剤として界面活性剤(好ましくは、アルキルベンゼンスルホン酸塩である。)を0.1〜0.5ml加えて、さらに測定試料(トナー)を0.1〜0.5g程度加える。その後、このトナーが分散した懸濁液を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理して、分散液濃度が3000〜10000個/μlとなるようにしたものを上述の分析装置にセットして、トナーの形状及び分布を測定する。
トナーは、画質向上のために、円形度が0.98以上の球形トナーを使用している。「円形度」は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−2000」(東亜医用電子社製)により計測した平均円形度である。具体的には、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に、分散剤として界面活性剤(好ましくは、アルキルベンゼンスルホン酸塩である。)を0.1〜0.5ml加えて、さらに測定試料(トナー)を0.1〜0.5g程度加える。その後、このトナーが分散した懸濁液を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理して、分散液濃度が3000〜10000個/μlとなるようにしたものを上述の分析装置にセットして、トナーの形状及び分布を測定する。
球形トナーとしては、従来から広く用いられている粉砕法によって形状が歪な異形のトナー(粉砕トナー)を加熱処理等して球形化したものや、重合法により製造されたもの等を用いることができる。
このような球形トナーを用いる場合、従来は、クリーニングブレード15aと感光体ドラム11との僅かな隙間に入り込んでやがてその隙間をすり抜けてクリーニング不良が生じることがあった。しかし、本実施の形態では、潤滑剤供給装置16によって潤滑剤を感光体ドラム11表面に塗布して、感光体ドラム11上におけるトナー剥離性(除去性)を向上させるために、クリーニング不良の発生が抑止される。
このような球形トナーを用いる場合、従来は、クリーニングブレード15aと感光体ドラム11との僅かな隙間に入り込んでやがてその隙間をすり抜けてクリーニング不良が生じることがあった。しかし、本実施の形態では、潤滑剤供給装置16によって潤滑剤を感光体ドラム11表面に塗布して、感光体ドラム11上におけるトナー剥離性(除去性)を向上させるために、クリーニング不良の発生が抑止される。
クリーニング部15は、潤滑剤供給装置16に対して感光体ドラム11の回転方向上流側に配設されている。クリーニング部15には、感光体ドラム11に当接するクリーニングブレード15a、クリーニング部15内に回収されたトナーを廃トナーとして廃トナー回収容器(不図示である。)に向けて搬送する搬送コイル15b、等が設置されている。クリーニングブレード15aは、ウレタンゴム等のゴム材料からなり、感光体ドラム11表面に所定角度かつ所定圧力で当接している。これにより、感光体ドラム11上に付着する未転写トナー等の付着物が機械的に掻き取られてクリーニング部15内に回収されることになる。ここで、感光体ドラム11上に付着する付着物としては、未転写トナーの他に、記録媒体P(用紙)から生じる紙粉、帯電ローラ12aによる放電時に感光体ドラム11上に生じる放電生成物、トナーに添加されている添加剤、等がある。
潤滑剤供給装置16は、固形潤滑剤16b、感光体ドラム11と固形潤滑剤16bとに摺接する潤滑剤供給ローラ16a(ブラシ状ローラ)、固形潤滑剤16bを保持する保持部材16c、保持部材16cを固形潤滑剤16bとともに収納するケース16f、保持部材16cとともに固形潤滑剤16bを潤滑剤供給ローラ16aに向けて付勢する回動部材16g及び引張スプリング16h(加圧機構)、潤滑剤供給ローラ16aによって感光体ドラム11上に供給された潤滑剤を薄層化するブレード状部材16d、潤滑剤供給装置16に対して固形潤滑剤16bを加圧機構16c、16g、16h、16jとともに着脱するための開口部に設置された蓋部材16m、等で構成される。なお、ブレード状部材16dは、潤滑剤供給ローラ16aに対して感光体ドラム11の回転方向下流側の位置で感光体ドラム11に対してカウンタ方向に当接するように構成されている。
このように構成された潤滑剤供給装置16によって、感光体ドラム11上に薄層化された潤滑剤が供給される。なお、潤滑剤供給装置16の構成・動作については、後で詳しく説明する。
このように構成された潤滑剤供給装置16によって、感光体ドラム11上に薄層化された潤滑剤が供給される。なお、潤滑剤供給装置16の構成・動作については、後で詳しく説明する。
図2にて、先に述べた作像プロセスをさらに詳しく説明する。
現像ローラ13aは、図2中の矢印方向(反時計方向)に回転している。現像部13内の現像剤は、間に仕切部材を介在するように配設された第1搬送スクリュ13b1及び第2搬送スクリュ13b2の回転によって、不図示のトナー補給部によってトナー容器28から補給されたトナーとともに撹拌混合されながら長手方向に循環する(図2の紙面垂直方向である。)。
現像ローラ13aは、図2中の矢印方向(反時計方向)に回転している。現像部13内の現像剤は、間に仕切部材を介在するように配設された第1搬送スクリュ13b1及び第2搬送スクリュ13b2の回転によって、不図示のトナー補給部によってトナー容器28から補給されたトナーとともに撹拌混合されながら長手方向に循環する(図2の紙面垂直方向である。)。
そして、摩擦帯電してキャリアに吸着したトナーは、キャリアとともに現像ローラ13a上に担持される。現像ローラ13a上に担持された現像剤は、その後にドクターブレード13cの位置に達する。そして、現像ローラ13a上の現像剤は、ドクターブレード13cの位置で適量に調整された後に、感光体ドラム11との対向位置(現像領域である。)に達する。
その後、現像領域において、現像剤中のトナーが、感光体ドラム11表面に形成された静電潜像に付着する。詳しくは、レーザ光Lが照射された画像部の潜像電位(露光電位)と、現像ローラ13aに印加された現像バイアスとの、電位差(現像ポテンシャル)によって形成される電界によって、トナーが潜像に付着する(トナー像が形成される)。
その後、現像工程にて感光体ドラム11に付着したトナーは、そのほとんどが中間転写ベルト17上に転写される。そして、感光体ドラム11上に残存した未転写のトナーが、クリーニングブレード15aによってクリーニング部15内に回収される。
ここで、図示は省略するが、装置本体1に設けられたトナー補給部は、交換自在に構成されたボトル状のトナー容器28と、トナー容器28を保持・回転駆動するとともに現像部13に新品トナーを補給するトナーホッパ部と、で構成されている。また、トナー容器28内には、新品のトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのいずれかである。)が収容されている。また、トナー容器28(トナーボトル)の内周面には、螺旋状の突起が形成されている。
なお、トナー容器28内の新品トナーは、現像部13内のトナー(既設のトナーである。)の消費にともない、トナー補給口から現像部13内に適宜に補給されるものである。図示は省略するが、現像部13内のトナーの消費は、感光体ドラム11に対向する反射型フォトセンサと、現像部13の第2搬送スクリュ23b2の下方に設置された磁気センサと、によって間接的又は直接的に検知される。
以下、本実施の形態における、潤滑剤供給装置16(潤滑剤供給部)の構成・動作について詳しく説明する。
図2に示すように、潤滑剤供給装置16は、固形潤滑剤16b、感光体ドラム11と固形潤滑剤16bとに摺接するブラシ毛が周設された潤滑剤供給ローラ16a(ブラシ状ローラ)、固形潤滑剤16bを保持する保持部材16c、保持部材16cを固形潤滑剤16bとともに収納するケース16f、保持部材16cとともに固形潤滑剤16bを潤滑剤供給ローラ16aに向けて付勢する回動部材16g及び引張スプリング16h(加圧機構)、潤滑剤供給ローラ16aによって感光体ドラム11上に供給された潤滑剤を薄層化するブレード状部材16d(薄層化ブレード)、潤滑剤供給装置16に対して固形潤滑剤16bを加圧機構16c、16g、16h、16jとともに着脱するための開口部に設置された蓋部材16m、等で構成される。
図2に示すように、潤滑剤供給装置16は、固形潤滑剤16b、感光体ドラム11と固形潤滑剤16bとに摺接するブラシ毛が周設された潤滑剤供給ローラ16a(ブラシ状ローラ)、固形潤滑剤16bを保持する保持部材16c、保持部材16cを固形潤滑剤16bとともに収納するケース16f、保持部材16cとともに固形潤滑剤16bを潤滑剤供給ローラ16aに向けて付勢する回動部材16g及び引張スプリング16h(加圧機構)、潤滑剤供給ローラ16aによって感光体ドラム11上に供給された潤滑剤を薄層化するブレード状部材16d(薄層化ブレード)、潤滑剤供給装置16に対して固形潤滑剤16bを加圧機構16c、16g、16h、16jとともに着脱するための開口部に設置された蓋部材16m、等で構成される。
ケース16fは、固形潤滑剤16bが潤滑剤供給ローラ16aに圧接する方向に移動できるように(移動を妨げないように)、保持部材16cを固形潤滑剤16bとともに収納する略箱状部材であって、潤滑剤供給装置16(プロセスカートリッジ10BK)に保持されている。ケース16fは、固形潤滑剤16bや保持部材16cの圧接方向(固形潤滑剤16bが潤滑剤供給ローラ16aを圧接する方向である。)の移動を妨げない範囲で、それらの部材16b、16cとの隙間が比較的小さく設定されていて、潤滑剤供給ローラ16aに対して固形潤滑剤16bが傾いて圧接するのをある程度防止する。
潤滑剤供給ローラ16a(ブラシ状ローラ)は、長さ(毛足)が0.2〜20mm(好ましくは、0.5〜10mm)の範囲のブラシ毛が基布上に植毛されたものを芯金上にスパイラル状に巻き付けたものである。
ブラシ毛の長さが20mmを超えると、経時における感光体ドラム11との繰り返し摺擦によって、ブラシ毛が所定方向に倒毛して、固形潤滑剤16bの掻取性や感光体ドラム11からのトナー除去性が低下してしまう。これに対して、ブラシ毛の長さが0.2mm未満であると、固形潤滑剤16bや感光体ドラム11に対する当接量が不足してしまう。したがって、ブラシ毛の長さは上述の範囲であることが好ましい。
ブラシ毛の長さが20mmを超えると、経時における感光体ドラム11との繰り返し摺擦によって、ブラシ毛が所定方向に倒毛して、固形潤滑剤16bの掻取性や感光体ドラム11からのトナー除去性が低下してしまう。これに対して、ブラシ毛の長さが0.2mm未満であると、固形潤滑剤16bや感光体ドラム11に対する当接量が不足してしまう。したがって、ブラシ毛の長さは上述の範囲であることが好ましい。
潤滑剤供給ローラ16aは、図2の時計方向に回転する感光体ドラム11に対してカウンタ方向で接触するように、不図示の駆動モータによって回転駆動される(図2の時計方向の回転である。)。また、潤滑剤供給ローラ16a(ブラシ毛)は、固形潤滑剤16bと感光体ドラム11とに摺接するように配置されていて、潤滑剤供給ローラ16aが回転することによって固形潤滑剤16bから潤滑剤を掻き取り、その掻き取った潤滑剤を感光体ドラム11との摺接位置まで搬送した後に、その潤滑剤を感光体ドラム11上に塗布(供給)する。
固形潤滑剤16bの後方部には,潤滑剤供給ローラ16aと固形潤滑剤16bとの接触ムラをなくすために加圧機構16c、16g、16h、16jが配置されていて、保持部材16cに保持(貼着)された状態の固形潤滑剤16bを潤滑剤供給ローラ16aに向けて加圧(付勢)している。ここで、加圧機構(押圧装置)は、保持部材16cと、保持部材16cに回動可能に支持された1対の回動部材16gと、1対の回動部材16gに連結された引張スプリング16h(付勢部材)と、軸受16jと、で構成されている。
ここで、固形潤滑剤16bは、脂肪酸金属亜鉛に無機潤滑剤を含有させて形成したものである。また、脂肪酸金属亜鉛としては、少なくともステアリン酸亜鉛を含んだものが好ましい。また、無機潤滑剤としては、タルク、マイカ、窒化ホウ素のうち少なくとも1つを用いることができ、特に、窒化ホウ素が好ましい。
窒化ホウ素は放電による特性変化がほとんどないため、窒化ホウ素を配合した固形潤滑剤16bを用いることで、感光体ドラム11上で帯電工程や転写工程がおこなわれた後にも放電による劣化が生じにくくなる。また、窒化ホウ素を配合した固形潤滑剤16bを用いることで、感光体ドラム11が放電により酸化、蒸発してしまうことを防止することもできる。
また、窒化ホウ素だけからなる潤滑剤を用いてしまうと、感光体ドラム11の表面に供給された潤滑剤がドラム表面全体にいきわたらずに、ドラム表面全体に均一な潤滑剤の皮膜が形成されなくなるおそれがある。そのため、固形潤滑剤16bに窒化ホウ素の他に脂肪酸金属塩を配合している。これにより、感光体ドラム11表面の全体にわたって潤滑剤の皮膜を効率よく形成することができて、長期にわたって高い潤滑性を維持することができる。脂肪酸金属塩としては、例えば、フッ素系樹脂、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム等のラメラ結晶構造を持つ脂肪酸金属塩や、ラウロイルリジン、モノセチルリン酸エステルナトリウム亜鉛塩、ラウロイルタウリンカルシウム等の物質を使用することができる。特に、脂肪酸金属塩としてステアリン酸亜鉛を用いた場合には、感光体ドラム11上での伸展性が向上して、吸湿性が低くて湿度が変化しても潤滑性が損なわれにくくなる。
また、固形潤滑剤16bに配合する材料としては、脂肪酸金属塩や窒化ホウ素の他に、シリコーンオイル、フッ素系オイル、天然ワックス等の液状材料やガス状材料を外添剤として用いることもできる。
このように構成された固形潤滑剤16bは、粉体状の潤滑剤を型に入れて型内で圧力をかけて固形のバー状に形成することもできるし、紛体状の潤滑剤を加熱溶融したものを型の中に流し込んだ後に冷却して潤滑剤のブロックを形成することもできる。また、潤滑剤の構成材料をバー状に固める際に、必要に応じて、その構成材料中にバインダーを添加して成形することもできる。
なお、本実施の形態では、固形潤滑剤16bとして、脂肪酸金属亜鉛に無機潤滑剤を含有したものを用いたが、固形潤滑剤16bとして、無機潤滑剤を含有させずに脂肪酸金属亜鉛のみで形成されたものを用いることもできる。
窒化ホウ素は放電による特性変化がほとんどないため、窒化ホウ素を配合した固形潤滑剤16bを用いることで、感光体ドラム11上で帯電工程や転写工程がおこなわれた後にも放電による劣化が生じにくくなる。また、窒化ホウ素を配合した固形潤滑剤16bを用いることで、感光体ドラム11が放電により酸化、蒸発してしまうことを防止することもできる。
また、窒化ホウ素だけからなる潤滑剤を用いてしまうと、感光体ドラム11の表面に供給された潤滑剤がドラム表面全体にいきわたらずに、ドラム表面全体に均一な潤滑剤の皮膜が形成されなくなるおそれがある。そのため、固形潤滑剤16bに窒化ホウ素の他に脂肪酸金属塩を配合している。これにより、感光体ドラム11表面の全体にわたって潤滑剤の皮膜を効率よく形成することができて、長期にわたって高い潤滑性を維持することができる。脂肪酸金属塩としては、例えば、フッ素系樹脂、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム等のラメラ結晶構造を持つ脂肪酸金属塩や、ラウロイルリジン、モノセチルリン酸エステルナトリウム亜鉛塩、ラウロイルタウリンカルシウム等の物質を使用することができる。特に、脂肪酸金属塩としてステアリン酸亜鉛を用いた場合には、感光体ドラム11上での伸展性が向上して、吸湿性が低くて湿度が変化しても潤滑性が損なわれにくくなる。
また、固形潤滑剤16bに配合する材料としては、脂肪酸金属塩や窒化ホウ素の他に、シリコーンオイル、フッ素系オイル、天然ワックス等の液状材料やガス状材料を外添剤として用いることもできる。
このように構成された固形潤滑剤16bは、粉体状の潤滑剤を型に入れて型内で圧力をかけて固形のバー状に形成することもできるし、紛体状の潤滑剤を加熱溶融したものを型の中に流し込んだ後に冷却して潤滑剤のブロックを形成することもできる。また、潤滑剤の構成材料をバー状に固める際に、必要に応じて、その構成材料中にバインダーを添加して成形することもできる。
なお、本実施の形態では、固形潤滑剤16bとして、脂肪酸金属亜鉛に無機潤滑剤を含有したものを用いたが、固形潤滑剤16bとして、無機潤滑剤を含有させずに脂肪酸金属亜鉛のみで形成されたものを用いることもできる。
固形潤滑剤16bを潤滑剤供給ローラ16aを介して感光体ドラム11表面に塗布すると、感光体ドラム11表面には粉体状の潤滑剤が塗布されるが、この状態のままでは潤滑性は充分に発揮されないため、ブレード状部材16d(薄層化ブレード)が潤滑剤を均一化する部材として機能することになる。ブレード状部材16dにより、感光体ドラム11上での潤滑剤の皮膜化がおこなわれて、潤滑剤はその潤滑性を充分に発揮することになる。
このとき、潤滑剤供給ローラ16aにより塗布する粉体状の潤滑剤は微粉であるほど、ブレード状部材16dにより感光体ドラム11上に分子膜レベルで薄膜化される。
このとき、潤滑剤供給ローラ16aにより塗布する粉体状の潤滑剤は微粉であるほど、ブレード状部材16dにより感光体ドラム11上に分子膜レベルで薄膜化される。
図3は、潤滑剤ユニットを示す斜視図である。図3に示すように、潤滑剤ユニットは、保持部材16c、1対の回動部材16g、引張スプリング16h(付勢部材)、軸受16j等で構成された加圧機構(押圧装置)に、固形潤滑剤16bが設置されたものである。
この潤滑剤ユニットは、潤滑剤供給装置16(プロセスカートリッジ10BK)に対して着脱可能(交換可能)に構成されている。すなわち、固形潤滑剤16bとともに加圧機構16c、16g、16h、16jが交換用部品となるように潤滑剤供給装置16に対して着脱可能に構成されている。詳しくは、潤滑剤供給装置16(プロセスカートリッジ10BK)の外装カバーに対して着脱可能に設置された蓋部材16mを取り外すことで、その部分に形成された開口部を介して潤滑剤ユニットが露呈して、潤滑剤ユニットの着脱が可能になる。これによって、潤滑剤供給装置16(プロセスカートリッジ10BK)における固形潤滑剤の交換作業が容易化されることになる。
この潤滑剤ユニットは、潤滑剤供給装置16(プロセスカートリッジ10BK)に対して着脱可能(交換可能)に構成されている。すなわち、固形潤滑剤16bとともに加圧機構16c、16g、16h、16jが交換用部品となるように潤滑剤供給装置16に対して着脱可能に構成されている。詳しくは、潤滑剤供給装置16(プロセスカートリッジ10BK)の外装カバーに対して着脱可能に設置された蓋部材16mを取り外すことで、その部分に形成された開口部を介して潤滑剤ユニットが露呈して、潤滑剤ユニットの着脱が可能になる。これによって、潤滑剤供給装置16(プロセスカートリッジ10BK)における固形潤滑剤の交換作業が容易化されることになる。
図3を参照して、固形潤滑剤16bは、保持部材16cに貼着され保持されている。具体的に、保持部材16cと固形潤滑剤16bとの間に両面テープや接着剤等が介在されて、保持部材16cは固形潤滑剤16bを貼着して保持することになる。ここで、保持部材16cは、コの字状に曲げ加工された板金であって、その両側面に軸受16jを介して回動部材16gを保持するための複数の穴部16c2が形成されている。
ここで、保持部材16cには、幅方向(図2の紙面垂直方向である。)の離れた位置に、1対の回動部材16g(押圧部材)がそれぞれ回動可能に支持されている(図4をも参照できる。)。この1対の回動部材16gは、引張スプリング16hによる付勢力によってそれぞれ所定方向に回動して保持部材16cを介して固形潤滑剤16bを間接的に押圧して、固形潤滑剤16bを潤滑剤供給ローラ16aに圧接させるものである。
詳しくは、回動部材16gの両側面には、回動中心となる支軸16g1(軸部)が形成されている。そして、この回動部材16gの支軸16g1が、軸受16jの内径部に挿着された状態で保持部材16cの穴部16c2に嵌合して、回動部材16gが保持部材16cに回動可能に保持されることになる。なお、2つの回動部材16cは、それぞれ、幅方向において左右対称になるように保持部材16cに設置される。
詳しくは、回動部材16gの両側面には、回動中心となる支軸16g1(軸部)が形成されている。そして、この回動部材16gの支軸16g1が、軸受16jの内径部に挿着された状態で保持部材16cの穴部16c2に嵌合して、回動部材16gが保持部材16cに回動可能に保持されることになる。なお、2つの回動部材16cは、それぞれ、幅方向において左右対称になるように保持部材16cに設置される。
また、1対の回動部材16gは、引張スプリング16hで連結されている。詳しくは、図4を参照して、引張スプリング16hの両端のフック部が、それぞれ、回動部材16gの穴部16g4に接続されている。
そして、この引張スプリング16hは、ケース16fに圧接するように1対の回動部材16gを互いに異なる方向に回動させて保持部材16cを潤滑剤供給ローラ16aに近づく方向に付勢する付勢部材として機能することになる。具体的に、2つの回動部材16gは、ケース16fの内壁面に当接するカム形状部16g2が互いに近づく方向のスプリング力(付勢力)を引張スプリング16hから受ける。これにより、図3の左方の回動部材16gは、支軸16g1を回動中心として、反時計方向に回動するように付勢される。これに対して、図3の右方の回動部材16gは、支軸16g1を回動中心として、時計方向に回動するように付勢される。
なお、本実施の形態において、回転部材16gのカム形状部16g2は、経時において固形潤滑剤16bが消費されて小さくなっても(加圧方向の高さが短くなっても)、潤滑剤供給ローラ16aに対する固形潤滑剤16bの加圧力がほぼ一定になって、潤滑剤供給ローラ16aによって固形潤滑剤16bから削り取られる潤滑剤量が一定になるように、そのカム形状が形成されている。
そして、この引張スプリング16hは、ケース16fに圧接するように1対の回動部材16gを互いに異なる方向に回動させて保持部材16cを潤滑剤供給ローラ16aに近づく方向に付勢する付勢部材として機能することになる。具体的に、2つの回動部材16gは、ケース16fの内壁面に当接するカム形状部16g2が互いに近づく方向のスプリング力(付勢力)を引張スプリング16hから受ける。これにより、図3の左方の回動部材16gは、支軸16g1を回動中心として、反時計方向に回動するように付勢される。これに対して、図3の右方の回動部材16gは、支軸16g1を回動中心として、時計方向に回動するように付勢される。
なお、本実施の形態において、回転部材16gのカム形状部16g2は、経時において固形潤滑剤16bが消費されて小さくなっても(加圧方向の高さが短くなっても)、潤滑剤供給ローラ16aに対する固形潤滑剤16bの加圧力がほぼ一定になって、潤滑剤供給ローラ16aによって固形潤滑剤16bから削り取られる潤滑剤量が一定になるように、そのカム形状が形成されている。
以下、本実施の形態において特徴的な、潤滑剤供給装置16の構成・動作について詳述する。
先に図2等を用いて説明したように、本実施の形態における潤滑剤供給装置16(プロセスカートリッジ10BK)は、固形潤滑剤16b(潤滑剤ユニット)が所定の交換サイクルにて交換される交換用部品となるように、潤滑剤供給装置16(プロセスカートリッジ10BK)に対して着脱可能に構成されている。
具体的に、本実施の形態では、装置本体1に設置されたカウンタ(不図示である。)によってカウントされた記録媒体Pの累積通紙枚数(例えば、A4サイズ相当に換算されたものである。)が所定値(例えば、5千枚)に達するごとに(又は、感光体ドラム11を駆動するモータの累積駆動時間が所定時間に達するごとに)、装置本体1の表示パネル(不図示である。)に固形潤滑剤16b(潤滑剤ユニット)が寿命に達して交換が必要である旨の警告表示をおこなう。これにより、ユーザー又はサービスマンは、装置本体1からプロセスカートリッジ10BKを取り出して、そのプロセスカートリッジ10BKの蓋部材16mを取り外して潤滑剤ユニットの交換をおこなった後に、再び蓋部材16mを取り付けた状態のプロセスカートリッジ10BK(潤滑剤ユニットが交換されたものである。)を装置本体1に装着する作業をおこなうことになる。
先に図2等を用いて説明したように、本実施の形態における潤滑剤供給装置16(プロセスカートリッジ10BK)は、固形潤滑剤16b(潤滑剤ユニット)が所定の交換サイクルにて交換される交換用部品となるように、潤滑剤供給装置16(プロセスカートリッジ10BK)に対して着脱可能に構成されている。
具体的に、本実施の形態では、装置本体1に設置されたカウンタ(不図示である。)によってカウントされた記録媒体Pの累積通紙枚数(例えば、A4サイズ相当に換算されたものである。)が所定値(例えば、5千枚)に達するごとに(又は、感光体ドラム11を駆動するモータの累積駆動時間が所定時間に達するごとに)、装置本体1の表示パネル(不図示である。)に固形潤滑剤16b(潤滑剤ユニット)が寿命に達して交換が必要である旨の警告表示をおこなう。これにより、ユーザー又はサービスマンは、装置本体1からプロセスカートリッジ10BKを取り出して、そのプロセスカートリッジ10BKの蓋部材16mを取り外して潤滑剤ユニットの交換をおこなった後に、再び蓋部材16mを取り付けた状態のプロセスカートリッジ10BK(潤滑剤ユニットが交換されたものである。)を装置本体1に装着する作業をおこなうことになる。
ここで、本実施の形態では、新品の潤滑剤供給装置16において所定の交換サイクルにて使用された後の固形潤滑剤16b(製造工場で新品の装置に組み付けられたものであって、最初の交換メンテナンスがされる前のものである。)の残量と、その後に交換用部品として装置に設置されて所定の交換サイクルにて使用された後の固形潤滑剤16b´(その後に複数回、交換メンテナンスがされる場合には、それらのすべてである。)の残量と、が同等になるように形成されている。
詳しくは、図5を参照して、新品の装置16に設置される潤滑剤ユニットにおける固形潤滑剤16bの容量が、その後に交換用部品として装置16に設置される固形潤滑剤16b´の容量よりも大きくなるように形成されている。具体的に、新品装置用の固形潤滑剤16bも、交換用部品としての固形潤滑剤16b´も、加圧方向(図5の上方向である。)に直交する面の面積は同等であるが、加圧方向の長さ(高さ)が前者のものに対して後者のものが小さく設定されている(H0>H1)。
詳しくは、図5を参照して、新品の装置16に設置される潤滑剤ユニットにおける固形潤滑剤16bの容量が、その後に交換用部品として装置16に設置される固形潤滑剤16b´の容量よりも大きくなるように形成されている。具体的に、新品装置用の固形潤滑剤16bも、交換用部品としての固形潤滑剤16b´も、加圧方向(図5の上方向である。)に直交する面の面積は同等であるが、加圧方向の長さ(高さ)が前者のものに対して後者のものが小さく設定されている(H0>H1)。
このように構成したのは、新品状態の潤滑剤供給ローラ16a(新品の装置16に設置された状態のものである。)は、初期にはそのブラシ毛が固形潤滑剤16bとそれほど多く摺接を繰り返しておらずコシが強い状態であるため、経時に比べて、固形潤滑剤16bから削り取る潤滑剤量が多くなってしまうことによるものである。すなわち、新品状態の装置16では、潤滑剤供給ローラ16aによって固形潤滑剤16bから削り取られる潤滑剤量が初期的に多くなり、経時(ブラシ毛が固形潤滑剤16bと充分に摺接を繰り返した後)にブラシ毛のコシの強さがある程度弱まった状態で安定化して、固形潤滑剤16bから削り取られる潤滑剤量も安定化することになる。
そのため、新品装置用の固形潤滑剤16bの容量と、交換用部品としての固形潤滑剤16b´の容量と、をまったく同等に設定した場合には、新品状態の潤滑剤供給ローラ16aとの組み合わせで使用される前者の固形潤滑剤16bに比べて、充分に使用された状態の潤滑剤供給ローラ16aとの組み合わせで使用される後者の固形潤滑剤16b´は、交換サイクルに達したときの残量が多くなってしまう。
これに対して、本実施の形態では、交換用部品としての固形潤滑剤16b´の容量を、新品装置用の固形潤滑剤16bの容量よりも、小さく設定しているため、そのような問題が生じないことになる。すなわち、交換される前後の固形潤滑剤の交換サイクルを同等に設定した場合であっても、交換用部品として装置に設置されて使用された固形潤滑剤16b´がムダなく効率的に消費されることになる。なお、上述した所定の交換サイクルは、新品装置用の固形潤滑剤16bと、交換用部品としての固形潤滑剤16b´と、が僅かな残量にてほぼ消費されるように設定されている。
そのため、新品装置用の固形潤滑剤16bの容量と、交換用部品としての固形潤滑剤16b´の容量と、をまったく同等に設定した場合には、新品状態の潤滑剤供給ローラ16aとの組み合わせで使用される前者の固形潤滑剤16bに比べて、充分に使用された状態の潤滑剤供給ローラ16aとの組み合わせで使用される後者の固形潤滑剤16b´は、交換サイクルに達したときの残量が多くなってしまう。
これに対して、本実施の形態では、交換用部品としての固形潤滑剤16b´の容量を、新品装置用の固形潤滑剤16bの容量よりも、小さく設定しているため、そのような問題が生じないことになる。すなわち、交換される前後の固形潤滑剤の交換サイクルを同等に設定した場合であっても、交換用部品として装置に設置されて使用された固形潤滑剤16b´がムダなく効率的に消費されることになる。なお、上述した所定の交換サイクルは、新品装置用の固形潤滑剤16bと、交換用部品としての固形潤滑剤16b´と、が僅かな残量にてほぼ消費されるように設定されている。
ここで、本実施の形態にて、新品状態の装置16において潤滑剤供給ローラ16aによって固形潤滑剤16bから削り取られる潤滑剤量が初期的に多くなる不具合を防止するために、固形潤滑剤16bが消費されていない初期における潤滑剤供給ローラ16aに対する固形潤滑剤16bの加圧力を可変できるように、加圧機構16c、16g、16h、16jを形成することもできる。そして、そのように加圧機構16c、16g、16h、16jを構成した場合には、図6に示すように、新品の装置16に設置される加圧機構16c、16g、16h、16jにおける初期の加圧力が、その後に交換用部品として装置16に設置される加圧機構16c、16g´、16h、16jにおける初期の加圧力よりも小さくなるように形成することが好ましい。
具体的に、図6(A)に示すように、新品装置用の加圧機構における回転部材16gのカム形状部16g2は、初期(潤滑剤供給ローラ16aによる削り量が多くなってしまうときである。)には、経時に比べて、潤滑剤供給ローラ16aに対する固形潤滑剤16bの加圧力が小さくなって、潤滑剤供給ローラ16aによって固形潤滑剤16bから削り取られる潤滑剤量が初期から経時にいたるまで一定になるように、そのカム形状が形成されている。これにより、初期的に感光体ドラム11上に潤滑剤が過供給されてしまう不具合が防止されることになる。
これに対して、図6(B)に示すように、交換部品用としての加圧機構(潤滑剤ユニット)における回転部材16g´のカム形状部16g2´は、初期から経時にわたって、潤滑剤供給ローラ16aに対する固形潤滑剤16bの加圧力が一定になって、潤滑剤供給ローラ16aによって固形潤滑剤16bから削り取られる潤滑剤量が一定になるように、そのカム形状が形成されている。詳しくは、図6(B)に示す回転部材16g´のカム形状部16g2´は、その先端部(初期にケース16fに当接する部分である。)が、図6(A)に示す回転部材16gのカム形状部16g2(図6(B)において、その輪郭を破線で示す。)に比べて、支軸16g1からの距離が長くなるように形成されている。これにより、充分に使用された状態の潤滑剤供給ローラ16aとの組み合わせで使用される交換後の固形潤滑剤16b´が、初期から経時にわたって潤滑剤供給ローラ16aによって安定的に削り取られることになる(感光体ドラム11への潤滑剤供給量が初期から経時にわたって安定することになる)。すなわち、充分に使用された状態の潤滑剤供給ローラ16aとの組み合わせで使用される交換後の固形潤滑剤16b´を、図6(A)に示す新品装置用の加圧機構で加圧してしまうと、初期における加圧力が小さくなってしまい、初期に潤滑剤供給ローラ16aによって削り取られる潤滑剤量が不足してしまうことになる(感光体ドラム11への潤滑剤供給量が初期に不足することになる)。
これに対して、図6(B)に示すように、交換部品用としての加圧機構(潤滑剤ユニット)における回転部材16g´のカム形状部16g2´は、初期から経時にわたって、潤滑剤供給ローラ16aに対する固形潤滑剤16bの加圧力が一定になって、潤滑剤供給ローラ16aによって固形潤滑剤16bから削り取られる潤滑剤量が一定になるように、そのカム形状が形成されている。詳しくは、図6(B)に示す回転部材16g´のカム形状部16g2´は、その先端部(初期にケース16fに当接する部分である。)が、図6(A)に示す回転部材16gのカム形状部16g2(図6(B)において、その輪郭を破線で示す。)に比べて、支軸16g1からの距離が長くなるように形成されている。これにより、充分に使用された状態の潤滑剤供給ローラ16aとの組み合わせで使用される交換後の固形潤滑剤16b´が、初期から経時にわたって潤滑剤供給ローラ16aによって安定的に削り取られることになる(感光体ドラム11への潤滑剤供給量が初期から経時にわたって安定することになる)。すなわち、充分に使用された状態の潤滑剤供給ローラ16aとの組み合わせで使用される交換後の固形潤滑剤16b´を、図6(A)に示す新品装置用の加圧機構で加圧してしまうと、初期における加圧力が小さくなってしまい、初期に潤滑剤供給ローラ16aによって削り取られる潤滑剤量が不足してしまうことになる(感光体ドラム11への潤滑剤供給量が初期に不足することになる)。
なお、本実施の形態では、加圧機構を、保持部材16c、1対の回動部材16g、引張スプリング16h、軸受16j等で構成した。
これに対して、図7に示すように、加圧機構を、固形潤滑剤16bとともに交換用部品となるように装置16に対して着脱可能に構成された圧縮スプリング16n(付勢手段)とすることもできる。詳しくは、圧縮スプリング16nは、固形潤滑剤16bが貼着された保持部材16cを、ケース16f(プロセスカートリッジ10BKに固定されている。)との間で付勢するように設置されている。これにより、圧縮スプリング16nによって、固形潤滑剤16bが潤滑剤供給ローラ16aに加圧されることになる。また、潤滑剤供給装置16(プロセスカートリッジ10BK)の外装カバーに対して着脱可能に設置された蓋部材16mを取り外すことで、その部分に形成された開口部を介して潤滑剤供給装置16の一部が露呈して、ケース16fの着脱とともに固形潤滑剤16bと圧縮スプリング16nとの着脱が可能になる。
このような圧縮スプリング16nを用いた加圧機構は、固形潤滑剤16bの消費にともない(加圧方向の高さの減少にともない)、スプリング使用長が長くなるために、潤滑剤供給ローラ16aに対する固形潤滑剤16bの加圧力が小さくなるが、そのような加圧力の変動による潤滑剤供給量(潤滑剤削り量)の変動が許容範囲である場合(例えば、もともとの固形潤滑剤16bの高さがそれ程大きく設定されていない場合などである。)には有用になる。そして、圧縮スプリング16nを用いた加圧機構は、機構が簡易であるため、装置を低コスト化、小型化することができる。
これに対して、図7に示すように、加圧機構を、固形潤滑剤16bとともに交換用部品となるように装置16に対して着脱可能に構成された圧縮スプリング16n(付勢手段)とすることもできる。詳しくは、圧縮スプリング16nは、固形潤滑剤16bが貼着された保持部材16cを、ケース16f(プロセスカートリッジ10BKに固定されている。)との間で付勢するように設置されている。これにより、圧縮スプリング16nによって、固形潤滑剤16bが潤滑剤供給ローラ16aに加圧されることになる。また、潤滑剤供給装置16(プロセスカートリッジ10BK)の外装カバーに対して着脱可能に設置された蓋部材16mを取り外すことで、その部分に形成された開口部を介して潤滑剤供給装置16の一部が露呈して、ケース16fの着脱とともに固形潤滑剤16bと圧縮スプリング16nとの着脱が可能になる。
このような圧縮スプリング16nを用いた加圧機構は、固形潤滑剤16bの消費にともない(加圧方向の高さの減少にともない)、スプリング使用長が長くなるために、潤滑剤供給ローラ16aに対する固形潤滑剤16bの加圧力が小さくなるが、そのような加圧力の変動による潤滑剤供給量(潤滑剤削り量)の変動が許容範囲である場合(例えば、もともとの固形潤滑剤16bの高さがそれ程大きく設定されていない場合などである。)には有用になる。そして、圧縮スプリング16nを用いた加圧機構は、機構が簡易であるため、装置を低コスト化、小型化することができる。
そして、このように圧縮スプリング16nによる加圧機構を用いた場合に、新品の装置16に設置される圧縮スプリング16n(加圧機構)におけるスプリング力が、その後に交換用部品として装置16に設置される圧縮スプリング16n(加圧機構)におけるスプリング力よりも小さくなるように形成することが好ましい。
具体的に、新品装置用の圧縮スプリング16n(加圧機構)は、初期(潤滑剤供給ローラ16aによる削り量が多くなってしまうときである。)に経時に比べて潤滑剤供給量が過多にならないように、潤滑剤供給ローラ16aによって固形潤滑剤16bから削り取られる潤滑剤量が初期から経時にいたるまで許容範囲内になるように、そのスプリング力を比較的弱めに設定する(例えば、5Nである)。
これに対して、交換部品用としての圧縮スプリング16n(加圧機構)は、初期に経時に比べて潤滑剤供給量が過多になるような現象が生じないため、新品装置用の圧縮スプリング16nに比べて、そのスプリング力を強めに設定する(例えば、7Nである)。これにより、充分に使用された状態の潤滑剤供給ローラ16aとの組み合わせで使用される交換後の固形潤滑剤16b´が、初期から経時にわたって潤滑剤供給ローラ16aによって安定的に削り取られることになる(感光体ドラム11への潤滑剤供給量が初期から経時にわたって安定することになる)。すなわち、充分に使用された状態の潤滑剤供給ローラ16aとの組み合わせで使用される交換後の固形潤滑剤16b´を、スプリング力の弱い新品装置用の圧縮スプリング16nで加圧してしまうと、初期から経時にわたって全体的に加圧力が小さくなってしまい、潤滑剤供給ローラ16aによって削り取られる潤滑剤量が不足しやすくなってしまう(感光体ドラム11への潤滑剤供給量が不足しやすくなってしまう)。
具体的に、新品装置用の圧縮スプリング16n(加圧機構)は、初期(潤滑剤供給ローラ16aによる削り量が多くなってしまうときである。)に経時に比べて潤滑剤供給量が過多にならないように、潤滑剤供給ローラ16aによって固形潤滑剤16bから削り取られる潤滑剤量が初期から経時にいたるまで許容範囲内になるように、そのスプリング力を比較的弱めに設定する(例えば、5Nである)。
これに対して、交換部品用としての圧縮スプリング16n(加圧機構)は、初期に経時に比べて潤滑剤供給量が過多になるような現象が生じないため、新品装置用の圧縮スプリング16nに比べて、そのスプリング力を強めに設定する(例えば、7Nである)。これにより、充分に使用された状態の潤滑剤供給ローラ16aとの組み合わせで使用される交換後の固形潤滑剤16b´が、初期から経時にわたって潤滑剤供給ローラ16aによって安定的に削り取られることになる(感光体ドラム11への潤滑剤供給量が初期から経時にわたって安定することになる)。すなわち、充分に使用された状態の潤滑剤供給ローラ16aとの組み合わせで使用される交換後の固形潤滑剤16b´を、スプリング力の弱い新品装置用の圧縮スプリング16nで加圧してしまうと、初期から経時にわたって全体的に加圧力が小さくなってしまい、潤滑剤供給ローラ16aによって削り取られる潤滑剤量が不足しやすくなってしまう(感光体ドラム11への潤滑剤供給量が不足しやすくなってしまう)。
以上説明したように、本実施の形態によれば、交換される前後の固形潤滑剤16b、16b´の交換サイクルを同等に設定した場合であっても、新品の潤滑剤供給装置16(プロセスカートリッジ10BK)において使用された後の固形潤滑剤16bの残量と、その後に交換用部品として潤滑剤供給装置16(プロセスカートリッジ10BK)に設置されて使用された後の固形潤滑剤16b´の残量と、が同等になるように形成しているため、交換用部品として潤滑剤供給装置16(プロセスカートリッジ10BK)に設置されて使用された固形潤滑剤16b´をムダなく効率的に消費することができる。
なお、本実施の形態では、作像部における各部(感光体ドラム11、帯電部12、現像部13、クリーニング部15、潤滑剤供給装置16である。)を一体化してプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKを構成して、作像部のコンパクト化とメンテナンス作業性の向上とを図っている。
これに対して、作像部における各部11、12、13、15、16をプロセスカートリッジの構成部材とせずに、それぞれ単体で装置本体1に交換自在に設置されるように構成することもできる。このような場合にも、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、2成分現像剤を用いる2成分現像方式の現像部13が搭載された画像形成装置に対して本発明を適用したが、1成分現像剤を用いる1成分現像方式の現像部13が搭載された画像形成装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
これに対して、作像部における各部11、12、13、15、16をプロセスカートリッジの構成部材とせずに、それぞれ単体で装置本体1に交換自在に設置されるように構成することもできる。このような場合にも、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、2成分現像剤を用いる2成分現像方式の現像部13が搭載された画像形成装置に対して本発明を適用したが、1成分現像剤を用いる1成分現像方式の現像部13が搭載された画像形成装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、中間転写ベルト17を用いたタンデム型のカラー画像形成装置に対して本発明を適用した。これに対して、転写搬送ベルトを用いたタンデム型のカラー画像形成装置(転写搬送ベルトに対向するように並設された複数の感光体ドラム上のトナー像を、転写搬送ベルトによって搬送される記録媒体上に重ねて転写する装置である。)や、モノクロ画像形成装置等、その他の画像形成装置に対しても、本発明を適用することができる。そして、このような場合であっても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、像担持体としての感光体ドラム11上に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置16に対して本発明を適用したが、感光体ドラム11以外の像担持体に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置(例えば、中間転写ベルト17に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置である。)に対しても当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、クリーニングブレード15a(クリーニング部15)の下流側に設置された潤滑剤供給装置16に対して本発明を適用したが、クリーニングブレード15aの上流側に潤滑剤供給装置を設置した場合であっても、その潤滑剤供給装置に対して本発明を適用することができる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、クリーニングブレード15a(クリーニング部15)の下流側に設置された潤滑剤供給装置16に対して本発明を適用したが、クリーニングブレード15aの上流側に潤滑剤供給装置を設置した場合であっても、その潤滑剤供給装置に対して本発明を適用することができる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、潤滑剤供給ローラ16aとしてブラシ毛が周設されたブラシ状ローラを用いたが、潤滑剤供給ローラ16aとしてスポンジ状部材が周設されたスポンジ状ローラ(芯金上に、発泡ポリウレタン等からなる発泡弾性層が形成されたローラ部材である。)を用いることもできる。そして、このような場合であっても、新品状態のスポンジ状ローラによる初期的な潤滑剤の削り量過多が生じるため、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
なお、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電部と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像部(現像装置)と、像担持体上をクリーニングするクリーニング部とのうち、少なくとも1つと、像担持体とが、一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるユニットと定義する。
1 画像形成装置本体(装置本体)、
11 感光体ドラム(像担持体)、
15 クリーニング部、
16 潤滑剤供給装置(潤滑剤供給部)、
16a 潤滑剤供給ローラ(ブラシ状ローラ)、
16b、16b´ 固形潤滑剤、
16c 保持部材(加圧機構)、
16g、16g´ 回動部材(加圧機構)、
16h 引張スプリング(加圧機構)、
16m 蓋部材、
16n 圧縮スプリング(加圧機構)。
11 感光体ドラム(像担持体)、
15 クリーニング部、
16 潤滑剤供給装置(潤滑剤供給部)、
16a 潤滑剤供給ローラ(ブラシ状ローラ)、
16b、16b´ 固形潤滑剤、
16c 保持部材(加圧機構)、
16g、16g´ 回動部材(加圧機構)、
16h 引張スプリング(加圧機構)、
16m 蓋部材、
16n 圧縮スプリング(加圧機構)。
Claims (6)
- トナー像が担持される像担持体上に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置であって、
所定方向に回転するとともに、前記像担持体に摺接する潤滑剤供給ローラと、
前記潤滑剤供給ローラに摺接する固形潤滑剤と、
前記固形潤滑剤を前記潤滑剤供給ローラに向けて加圧する加圧機構と、
を備え、
前記固形潤滑剤が所定の交換サイクルにて交換される交換用部品となるように装置に対して着脱可能に構成され、
新品の装置において前記所定の交換サイクルにて使用された後の前記固形潤滑剤の残量と、その後に交換用部品として装置に設置されて前記所定の交換サイクルにて使用された後の固形潤滑剤の残量と、が同等になるように形成されたことを特徴とする潤滑剤供給装置。 - 新品の装置に設置される前記固形潤滑剤の容量が、その後に交換用部品として装置に設置される固形潤滑剤の容量よりも大きくなるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の潤滑剤供給装置。
- 前記加圧機構は、前記固形潤滑剤が消費されていない初期における前記潤滑剤供給ローラに対する前記固形潤滑剤の加圧力を可変できるように形成されるとともに、前記固形潤滑剤とともに交換用部品となるように装置に対して着脱可能に構成され、
新品の装置に設置される前記加圧機構における初期の加圧力が、その後に交換用部品として装置に設置される加圧機構における初期の加圧力よりも小さくなるように形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の潤滑剤供給装置。 - 前記加圧機構は、前記固形潤滑剤とともに交換用部品となるように装置に対して着脱可能に構成された圧縮スプリングであって、
新品の装置に設置される前記加圧機構におけるスプリング力が、その後に交換用部品として装置に設置される加圧機構におけるスプリング力よりも小さくなるように形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の潤滑剤供給装置。 - 画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるプロセスカートリッジであって、
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の潤滑剤供給装置と前記像担持体とを備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の潤滑剤供給装置と前記像担持体とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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