JP2019008276A - プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 - Google Patents

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水沢 浩
Hiroshi Mizusawa
浩 水沢
菊地 尚志
Hisashi Kikuchi
尚志 菊地
中井 洋志
Hiroshi Nakai
洋志 中井
渡辺 一彦
Kazuhiko Watanabe
一彦 渡辺
翔 穐山
Sho Akiyama
翔 穐山
健司 込戸
Kenji Komito
健司 込戸
大介 切金
Taisuke Kirigane
大介 切金
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Abstract

【課題】経時において、像担持体の表面に供給される潤滑剤の量が多くなり過ぎてしまう不具合や、像担持体の表面に潤滑剤の供給ムラが生じてしまう不具合、を生じにくくする。【解決手段】感光体ドラム11(像担持体)の表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置16や、先端部が感光体ドラム11の表面に当接するクリーニングブレード15a(ブレード状部材)が設けられている。そして、クリーニングブレード15aは、先端部の弾性仕事率が65〜93%の範囲内になるように形成されている。【選択図】図4

Description

この発明は、画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるプロセスカートリッジと、それを備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置と、に関するものである。
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、感光体ドラムや中間転写ベルト等の像担持体に当接するクリーニングブレード(ブレード状部材)の磨耗・欠損や像担持体の劣化を低減するとともに、経時におけるクリーニング不良や像担持体の表面へのフィルミングの発生を抑止することを目的として、像担持体の表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置を設置する技術が広く知られている(例えば、特許文献1参照。)。
詳しくは、潤滑剤供給装置は、像担持体に摺接する潤滑剤供給ローラ、潤滑剤供給ローラに摺接する固形潤滑剤、固形潤滑剤を潤滑剤供給ローラに向けて付勢する加圧機構(付勢部材)、等で構成される。そして、所定方向に回転する潤滑剤供給ローラによって固形潤滑剤から潤滑剤が徐々に削り取られて、潤滑剤供給ローラによって削り取られた潤滑剤が像担持体の表面に塗布(供給)される。
一方、特許文献2には、主として潤滑剤供給装置が設置されていない画像形成装置において、クリーニングブレードのめくれや、摩耗、異音やクリーニング不良を防止することを目的として、クリーニングブレードの先端稜線部の弾性仕事率を50〜80%の範囲内に設定する技術が開示されている。
また、特許文献2には、潤滑剤供給装置が設置されていない画像形成装置において、経時におけるクリーニングブレードのへたれを防止することを目的として、クリーニングブレードのエッジ層の弾性仕事率を40%以上に設定する技術が開示されている。
従来の画像形成装置は、経時において、像担持体の表面に供給(塗布)される潤滑剤の量(消費量)が多くなり過ぎてしまったり、像担持体の表面に潤滑剤の供給ムラ(塗布ムラ)が生じてしまったりしてしまうことがあった。そして、そのような不具合が生じると、潤滑剤供給装置の寿命が短くなったり、異常画像が生じたりしてしまっていた。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、経時において、像担持体の表面に供給される潤滑剤の量が多くなり過ぎてしまう不具合や、像担持体の表面に潤滑剤の供給ムラが生じてしまう不具合、が生じにくい、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置、を提供することにある。
この発明におけるプロセスカートリッジは、トナー像が担持される像担持体と、前記像担持体の表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置と、弾性材料で形成されて、先端部が前記像担持体の表面に当接するブレード状部材と、を備え、前記ブレード状部材は、前記先端部の弾性仕事率が65〜93%の範囲内になるように形成されたものである。
本発明によれば、経時において、像担持体の表面に供給される潤滑剤の量が多くなり過ぎてしまう不具合や、像担持体の表面に潤滑剤の供給ムラが生じてしまう不具合、が生じにくい、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置、を提供することができる。
この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。 作像部を示す構成図である。 潤滑剤供給装置の要部を示す斜視図である。 クリーニングブレードが感光体ドラムに当接した状態を示す拡大図である。 クリーニングブレードの弾性仕事率を測定している状態を示す図である。 実施例1〜7、比較例1〜3のブレード特性と実験結果とを示す表図である。 実施例1〜7、比較例1〜3について、感光体ドラムの走行距離と、潤滑剤の消費率と、の関係を示すグラフである。 実施例1〜7、比較例1〜3について、潤滑剤の塗布ムラのランクを示すグラフである。 実施例1〜7、比較例1〜3について、クリーニングブレードの先端部の摩耗面積を示すグラフである。 クリーニングブレードの先端部が摩耗した状態を示す概略図である。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
まず、図1にて、画像形成装置における全体の構成・動作について説明する。
本実施の形態における画像形成装置1は、複数の作像部としてのプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKが中間転写ベルト17に対向するように並設されたタンデム型のカラー画像形成装置である。
図1において、1は画像形成装置としてのカラー複写機、3は原稿を原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿の画像情報を読み込む原稿読込部、6は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部(露光部)、7は転写紙等のシートPが収納される給紙部、を示す。
また、10Y、10M、10C、10BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部としてのプロセスカートリッジ、17は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、18は中間転写ベルト17上に形成されたトナー像をシートPに転写する2次転写ローラ、を示す。
また、20はシートP上の未定着画像を定着する定着装置、28は各プロセスカートリッジ(作像部)10Y、10M、10C、10BKの現像装置に各色のトナーを補給するためのトナー容器、を示す。
ここで、各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BK(作像部)は、それぞれ、像担持体としての感光体ドラム11、帯電装置としての帯電ローラ12、現像装置13、クリーニング装置15、潤滑剤供給装置16が一体化されたものである(図2を参照できる。)。そして、各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKは、寿命に達したときに装置本体1に対して交換される。
各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKにおける感光体ドラム11(像担持体)上では、それぞれ、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される。
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿は、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像情報が光学的に読み取られる。
詳しくは、原稿読込部4は、コンタクトガラス上の原稿の画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿にて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿のカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部(不図示である。)で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部6に送信される。そして、書込み部6からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光(露光光)が、それぞれ、対応するプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKの感光体ドラム11上に向けて照射される。
一方、4つの感光体ドラム11は、それぞれ、図の時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム11の表面は、帯電ローラ12(帯電装置)との対向位置で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム11上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム11の表面は、それぞれのレーザ光の照射位置に達する。
書込み部6において、光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応して射出される。図示は省略するが、レーザ光は、ポリゴンミラーに入射して反射した後に、複数のレンズを透過する。複数のレンズを透過した後のレーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目のプロセスカートリッジ10Yの感光体ドラム11の表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラー(不図示である。)により、感光体ドラム11の回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電ローラ12にて帯電された後の感光体ドラム11上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、シアン成分のレーザ光は、紙面左から2番目のプロセスカートリッジ10Cの感光体ドラム11の表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から3番目のプロセスカートリッジ10Mの感光体ドラム11の表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目(中間転写ベルト17の走行方向に対して最も下流側である。)のプロセスカートリッジ10BKの感光体ドラム11の表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム11の表面は、それぞれ、現像装置13(現像ローラ13a)との対向位置に達する。そして、各現像装置13から感光体ドラム11上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム11上の潜像が現像される(現像工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11の表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向位置に達する。ここで、それぞれの対向位置には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように1次転写ローラ14が設置されている。そして、1次転写ローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
そして、1次転写工程後の感光体ドラム11の表面は、それぞれ、クリーニング装置15との対向位置に達する。そして、クリーニング装置15で、感光体ドラム11上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程である。)。
その後、感光体ドラム11の表面は、潤滑剤供給装置16、除電部の位置を順次通過して、感光体ドラム11における一連の作像プロセスが終了する。
他方、感光体ドラム11上の各色の画像が重ねて転写された中間転写ベルト17の表面は、図中の矢印方向に走行して、2次転写ローラ18の位置に達する。そして、2次転写ローラ18の位置で、シートP上に中間転写ベルト17上のフルカラーの画像が2次転写される(2次転写工程である。)。
その後、中間転写ベルト17の表面は、中間転写ベルトクリーニング装置(不図示である。)の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上の未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング装置に回収されて、中間転写ベルト17上の一連の転写プロセスが完了する。
ここで、2次転写ローラ18の位置に搬送されるシートPは、給紙部7から搬送ガイド、レジストローラ19等を経由して搬送されるものである。
詳しくは、シートPを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送された転写紙Pが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ19に導かれる。レジストローラ19に達したシートPは、中間転写ベルト17上のトナー像とタイミングを合わせて、2次転写ローラ18の位置に向けて搬送される。
その後、フルカラー画像が転写されたシートPは、定着装置20に導かれる。定着装置20では、定着ローラと加圧ローラとのニップにて、カラー画像がシートP上に定着される。
そして、定着工程後のシートPは、排紙ローラ29によって装置本体1外に出力画像として排出された後に、排紙部5上にスタックされて、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、図2にて、画像形成装置の作像部について詳述する。
なお、図2は黒色用のプロセスカートリッジ10BKを示す構成図である。黒色用のプロセスカートリッジ10BKと、カラー用のプロセスカートリッジ10Y、10M、10Cと、は、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる点を除き、ほぼ同じ構成部材によって構成されているため、カラー用のプロセスカートリッジ10Y、10M、10Cの図示と説明は適宜省略する。
図2に示すように、プロセスカートリッジ10BKには、像担持体としての感光体ドラム11と、感光体ドラム11を帯電する帯電ローラ12(帯電装置)と、感光体ドラム11上に形成される静電潜像を現像する現像装置13と、感光体ドラム11上の未転写トナーを回収するクリーニング装置15と、感光体ドラム11上に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置16と、が、ケースに一体的に収納されている。
ここで、像担持体としての感光体ドラム11は、負帯電性の有機感光体であって、ドラム状導電性支持体上に感光層等を設けたものである。
感光体ドラム11は、基層としての導電性支持体上に、絶縁層である下引き層、感光層としての電荷発生層及び電荷輸送層、保護層(表面層)が順次積層されている。
帯電装置としての帯電ローラ12は、導電性芯金の外周に中抵抗の弾性層を被覆してなるローラ部材であって、潤滑剤供給装置16に対して感光体ドラム11の回転方向下流側に配設されている。本実施の形態において、帯電ローラ12は、感光体ドラム11に対して接触するように配設されている。
そして、帯電ローラ12には電源部から所定の電圧が印加されて、これにより対向する感光体ドラム11の表面を一様に帯電する。
現像装置13は、主として、感光体ドラム11に対向する現像ローラ13aと、現像ローラ13aに対向する第1搬送スクリュ13b1と、仕切部材を介して第1搬送スクリュ13b1に対向する第2搬送スクリュ13b2と、現像ローラ13aに対向するドクターブレード13cと、で構成される。現像ローラ13aは、内部に固設されてローラ周面に磁極を形成するマグネットと、マグネットの周囲を回転するスリーブと、で構成される。マグネットによって現像ローラ13a(スリーブ)上に複数の磁極が形成されて、現像ローラ13a上に現像剤が担持されることになる。
現像装置13内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤が収容されている。
クリーニング装置15は、潤滑剤供給装置16に対して感光体ドラム11の回転方向上流側に配設されている。クリーニング装置15には、感光体ドラム11に当接するクリーニングブレード15a(ブレード状部材)、クリーニング装置15内に回収されたトナーを廃トナーとして廃トナー回収容器に向けて搬送する搬送コイル15b、等が設置されている。
ブレード状部材としてのクリーニングブレード15aは、ウレタンゴム等のゴム材料からなり、感光体ドラム11表面に所定角度かつ所定圧力で当接している。これにより、感光体ドラム11上に付着するトナー(未転写トナー)等の付着物が機械的に掻き取られてクリーニング装置15内に回収されることになる。ここで、感光体ドラム11上に付着する付着物としては、トナーの他に、シートP(用紙)から生じる紙粉、帯電ローラ12による放電時に感光体ドラム11上に生じる放電生成物、トナーに添加されている添加剤、等がある。
なお、クリーニングブレード15a(ブレード状部材)については、後で図4等を用いてさらに詳しく説明する。
潤滑剤供給装置16は、潤滑剤供給ローラ16a(潤滑剤供給回転体)、固形潤滑剤16b、回動部材16g及び引張スプリング16h(加圧機構)、薄層化ブレード16d、などで構成されている。なお、薄層化ブレード16dは、潤滑剤供給ローラ16aに対して感光体ドラム11の回転方向下流側の位置で感光体ドラム11に対してカウンタ方向に当接するように構成されている。
そして、潤滑剤供給装置16によって、感光体ドラム11の表面に薄層化された潤滑剤が供給(塗布)される。なお、潤滑剤供給装置16の構成・動作については、後で詳しく説明する。
図2にて、先に述べた作像プロセスをさらに詳しく説明する。
現像ローラ13aは、図2中の矢印方向(反時計方向)に回転している。現像装置13内の現像剤は、間に仕切部材を介在するように配設された第1搬送スクリュ13b1及び第2搬送スクリュ13b2の回転によって、トナー補給装置によってトナー容器28から補給されたトナーとともに撹拌混合されながら長手方向に循環する(図2の紙面垂直方向である。)。
そして、摩擦帯電してキャリアに吸着したトナーは、キャリアとともに現像ローラ13a上に担持される。現像ローラ13a上に担持された現像剤は、その後にドクターブレード13cの位置に達する。そして、現像ローラ13a上の現像剤は、ドクターブレード13cの位置で適量に調整された後に、感光体ドラム11との対向位置(現像領域である。)に達する。
その後、現像領域において、現像剤中のトナーが、感光体ドラム11の表面に形成された静電潜像に付着する。詳しくは、レーザ光Lが照射された画像部の潜像電位(露光電位)と、現像ローラ13aに印加された現像バイアスとの、電位差(現像ポテンシャル)によって形成される電界によって、トナーが潜像に付着する(トナー像が形成される)。
その後、現像工程にて感光体ドラム11に付着したトナーは、そのほとんどが中間転写ベルト17上に転写される。そして、感光体ドラム11上に残存した未転写のトナーが、クリーニングブレード15aによってクリーニング装置15内に回収される。
なお、トナー容器28内の新品トナーは、現像装置13内のトナー(既設のトナーである。)の消費にともない、トナー補給口から現像装置13内に適宜に補給されるものである。現像装置13内のトナーの消費は、現像装置13の第2搬送スクリュ13b2の下方に設置された磁気センサによって検知される。
以下、本実施の形態における、潤滑剤供給装置16(潤滑剤供給部)の構成・動作について詳しく説明する。
図2に示すように、潤滑剤供給装置16は、固形潤滑剤16b、感光体ドラム11と固形潤滑剤16bとに摺接する発泡体層が周設された潤滑剤供給ローラ16a、固形潤滑剤16bを保持する保持部材16c、保持部材16cを固形潤滑剤16bとともに収納するケース16f、保持部材16cとともに固形潤滑剤16bを潤滑剤供給ローラ16aに向けて付勢する回動部材16g及び引張スプリング16h(加圧機構)、潤滑剤供給ローラ16aによって感光体ドラム11上に供給された潤滑剤を薄層化する薄層化ブレード16d、等で構成される。
ケース16fは、固形潤滑剤16bが潤滑剤供給ローラ16aに圧接する方向に移動できるように(移動を妨げないように)、保持部材16cを固形潤滑剤16bとともに収納する略箱状部材であって、潤滑剤供給装置16(プロセスカートリッジ10BK)に保持されている。ケース16fは、固形潤滑剤16bや保持部材16cの圧接方向(固形潤滑剤16bが潤滑剤供給ローラ16aを圧接する方向である。)の移動を妨げない範囲で、それらの部材16b、16cとの隙間が比較的小さく設定されていて、潤滑剤供給ローラ16aに対して固形潤滑剤16bが傾いて圧接するのをある程度防止する。
潤滑剤供給ローラ16aは、芯金上に発泡弾性層(例えば、発泡ポリウレタン等で形成されている。)が形成されたスポンジ状ローラである。
発泡弾性層は、連続気泡型のものであって、複数の気泡(セル)が形成されている。連続気泡型の発泡弾性層を用いることで、圧縮残留ひずみが小さく長期の使用においてもほとんど変形することがなく、少量の潤滑剤をムラなく感光体ドラム11の表面に塗布することができる。本実施の形態では、発泡弾性層の平均セル径を400〜850μm程度に設定している。平均セル径が、400μm以上であると潤滑剤を研削しやすくなり、850μm以下であると感光体ドラム11上に均一に潤滑剤を供給することができる。
潤滑剤供給ローラ16aは、図2の時計方向に回転する感光体ドラム11に対してカウンタ方向で接触するように、駆動モータによって回転駆動される(図2の時計方向の回転である。)。また、潤滑剤供給ローラ16aは、固形潤滑剤16bと感光体ドラム11とに摺接するように配置されていて、潤滑剤供給ローラ16aが回転することによって固形潤滑剤16bから潤滑剤を掻き取り、その掻き取った潤滑剤を感光体ドラム11との摺接位置まで搬送した後に、その潤滑剤を感光体ドラム11上に塗布(供給)する。
固形潤滑剤16bの後方部には,潤滑剤供給ローラ16aと固形潤滑剤16bとの接触ムラをなくすために加圧機構16c、16g、16h、16jが配置されていて、保持部材16cに保持(貼着)された状態の固形潤滑剤16bを潤滑剤供給ローラ16aに向けて加圧(付勢)している。
図3を参照して、加圧機構(押圧装置)は、保持部材16cと、保持部材16cに回動可能に支持された1対の回動部材16gと、1対の回動部材16gに連結された引張スプリング16h(付勢部材)と、軸受16jと、で構成されている。固形潤滑剤16bは、保持部材16cに貼着され保持されている。保持部材16cには、幅方向(図2の紙面垂直方向である。)の離れた位置に、1対の回動部材16gがそれぞれ回動可能に支持されている。この1対の回動部材16gは、引張スプリング16hによる付勢力によってそれぞれ回動して保持部材16cを介して固形潤滑剤16bを間接的に押圧して、固形潤滑剤16bを潤滑剤供給ローラ16aに圧接させるものである。
ここで、固形潤滑剤16bは、脂肪酸金属亜鉛に無機潤滑剤とアルミナとを含有させて形成したものである。また、脂肪酸金属亜鉛としては、少なくともステアリン酸亜鉛を含んだものが好ましい。また、無機潤滑剤としては、タルク、マイカ、窒化ホウ素のうち少なくとも1つを用いることができて、これにより潤滑性が向上することになる。
特に、窒化ホウ素は放電による特性変化がほとんどないため、窒化ホウ素を配合した固形潤滑剤16bを用いることで、感光体ドラム11上で帯電工程や転写工程がおこなわれた後にも放電による劣化が生じにくくなる。また、窒化ホウ素を配合した固形潤滑剤16bを用いることで、感光体ドラム11が放電により酸化、蒸発してしまうことを防止することもできる。
また、窒化ホウ素だけからなる潤滑剤を用いてしまうと、感光体ドラム11の表面に供給された潤滑剤がドラム表面全体にいきわたらずに、ドラム表面全体に均一な潤滑剤の皮膜が形成されなくなるおそれがある。そのため、固形潤滑剤16bに窒化ホウ素の他に脂肪酸金属塩を配合している。これにより、感光体ドラム11表面の全体にわたって潤滑剤の皮膜を効率よく形成することができて、長期にわたって高い潤滑性を維持することができる。脂肪酸金属塩としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、フッ素系樹脂、等のラメラ結晶構造を持つ脂肪酸金属塩や、ラウロイルリジン、モノセチルリン酸エステルナトリウム亜鉛塩、ラウロイルタウリンカルシウム等の物質を使用することができる。特に、脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、のうち少なくとも1つを用いた場合には、上述した効果が顕著に発揮される。さらに、脂肪酸金属塩としてステアリン酸亜鉛を用いた場合には、感光体ドラム11上での伸展性が向上して、吸湿性が低くて湿度が変化しても潤滑性が損なわれにくくなる。
また、固形潤滑剤16bに配合する材料としては、脂肪酸金属塩や窒化ホウ素の他に、シリコーンオイル、フッ素系オイル、天然ワックス等の液状材料やガス状材料を外添剤として用いることもできる。
このように構成された固形潤滑剤16bは、粉体状の潤滑剤を型に入れて型内で圧力をかけて固形のバー状に形成することもできるし、紛体状の潤滑剤を加熱溶融したものを型の中に流し込んだ後に冷却して潤滑剤のブロックを形成することもできる。また、潤滑剤の構成材料をバー状に固める際に、必要に応じて、その構成材料中にバインダーを添加して成形することもできる。
固形潤滑剤16bを潤滑剤供給ローラ16aを介して感光体ドラム11の表面に塗布すると、感光体ドラム11の表面には粉体状の潤滑剤が塗布されるが、この状態のままでは潤滑性は充分に発揮されないため、薄層化ブレード16dが潤滑剤を均一化する部材として機能することになる。薄層化ブレード16dにより、感光体ドラム11上での潤滑剤の皮膜化がおこなわれて、潤滑剤はその潤滑性を充分に発揮することになる。
このとき、潤滑剤供給ローラ16aにより塗布する粉体状の潤滑剤は微粉であるほど、薄層化ブレード16dにより感光体ドラム11上に分子膜レベルで薄膜化される。
以下、本実施の形態における画像形成装置1(プロセスカートリッジ10BK)において、特徴的な構成・動作について詳述する。
先に図2等を用いて説明したように、画像形成装置1(プロセスカートリッジ10BK)には、ブレード状部材としてのクリーニングブレード15aが設置されている。
図3をも参照して、クリーニングブレード15aは、弾性材料(ゴム材料)で形成されていて、その先端部(先端稜線部であって、図3にて破線で囲んだ部分である。)が感光体ドラム11の表面に当接する略矩形板状のブレード状部材である。クリーニングブレード15aは、金属材料からなるホルダ15a3に片持ち支持されていて、感光体ドラム11に対してカウンタ方向に当接している。このように構成されたクリーニングブレード15aによって、感光体ドラム11(像担持体)の表面に付着したトナーなどの付着物が除去されることになる。
また、本実施の形態において、クリーニングブレード15aは、材質や硬度が異なるゴム材料からなる複数の層が積層されたものである。
詳しくは、クリーニングブレード15aは、感光体ドラム11に当接するエッジ部を含むエッジ層15a1と、エッジ層15a1を介して感光体ドラム11に対向する位置に形成されたバックアップ層15a2と、からなる2層構造のブレード状部材である。エッジ層15a1の層厚は0.5mmに設定され、バックアップ層15a2の層厚は1.5mmに設定されている。エッジ層15a1とバックアップ層15a2と、は異なる材料、硬度となっている。このような2層構造のクリーニングブレード15aは、遠心成型によって各層を順次重ね合わせることで作成することができる。
ここで、本実施の形態において、クリーニングブレード15a(ブレード状部材)は、先端部(感光体ドラム11に当接する部分(その近傍を含む。)である。)の弾性仕事率が65〜93%の範囲内になるように形成されている。
「弾性仕事率」とは、部材に応力を掛けたときに生じる変位から、応力と変位との関係を取り弾性仕事量を算出して、その弾性仕事量を全仕事量(弾性仕事+塑性仕事)で除した値である。
具体的に、「弾性仕事率」は、図5に示す測定器100の固定治具110にクリーニングブレード15aをセットして、ビッカース圧子120を押し込むときの積算応力をW1と、試験荷重除荷時の積算応力をW0と、を計測して、それらの計測値をW0/W1×100%なる式に代入して求めることができる。弾性仕事率が高いほど、弾性仕事の割合が多く、ヒステリシスロス(塑性変形)が少なくなる(ゴム性が高くなる)。弾性仕事率が低いほど、塑性仕事の割合が多く弾性変形が少なくなり、ゴムというよりガラスに近い状態となる。
図5に示す測定器100は「微小硬度計HM2000(フィシャー・インストルメンツ社製)」であって、弾性仕事率の測定は、23℃50%の環境において、押し込み荷重1N、押し込み時間10秒、クリープ時間5秒でおこなっている。測定時においてビッカース圧子120をクリーニングブレード15aに押し込むときには、ビッカース圧子120をクリーニングブレード15aに5〜10μm程度食い込ませている。クリーニングブレード15aは、そのエッジ層15a1が上面で水平になるように固定治具110にセットされて、エッジ層15a1の先端稜線部から20μmの位置にビッカース圧子120を押し込んで測定している。ビッカース圧子120をの食込み量はエッジ層15a1の厚さ(0.5mm)と比較して充分に小さいため、バックアップ層15a2の影響を受けることなく、クリーニング性や摩耗と相関のあるエッジ層の先端稜線部近傍の特性を測定することができる。
このようにして求められる「弾性仕事率」は、一般的にゴムの特性値として用いられる硬度や反発弾性などとは異なり、ブレード状部材の局所的な応答性を示すものであるため、クリーニングブレード15aの先端部(感光体ドラム11に当接する部分である。)の挙動などに影響を表す特性値として有効である。
そして、本実施の形態では、クリーニングブレード15aの先端部(当接部)の弾性仕事率を最適化しているために、経時において、感光体ドラム11の表面に供給される潤滑剤の量が多くなり過ぎてしまう不具合や、感光体ドラム11の表面に潤滑剤の供給ムラ(塗布ムラ)が生じてしまう不具合、が生じにくくなる。したがって、潤滑剤供給装置16(固形潤滑剤16b)の寿命が短くなる不具合や、供給ムラによる縦スジ状の異常画像が生じる不具合も、発生しにくくなる。
詳しくは、クリーニングブレード15aの先端部の弾性仕事率を93%以下に設定することで、クリーニングブレード15aの先端部のゴム性が高くなり過ぎてしまうことなく、感光体ドラム11とクリーニングブレード15aとの摩擦でおこるブレード先端の弾性体の伸縮の繰り返し(スティックスリップ)を抑制することができる。そのため、クリーニングブレード15aによって感光体ドラム11上の潤滑剤が過度に除去されて、それを補完するように潤滑剤供給装置16から感光体ドラム11の表面に供給される潤滑剤の量が多くなり過ぎてしまう不具合が軽減される。すなわち、経時においても、感光体ドラム11上に供給(塗布)される潤滑剤の供給量が安定化することになる。
また、クリーニングブレード15aの先端部の弾性仕事率を65%以上に設定することで、クリーニングブレード15aの先端部のゴム性が低くなり過ぎてしまうことなく、ブレード先端部に局所的な磨耗や欠けが生じにくくなる。そのため、経時においても、感光体ドラム11とクリーニングブレード15aの先端部との密着性が良好に確保されて、感光体ドラム11上の潤滑剤がクリーニングブレード15aの位置で不均一にすり抜けてしまう不具合が軽減される。すなわち、感光体ドラム11の表面に潤滑剤の供給ムラ(塗布ムラ)が生じてしまう不具合が軽減されることになる。
なお、本実施の形態において感光体ドラム11上に供給される潤滑剤に含有された脂肪酸金属塩は、帯電工程において放電の影響によって潤滑剤の潤滑性を失いやすくしてしまう性質がある。そのため、本実施の形態では、潤滑剤に窒化ホウ素などの無機潤滑剤を含有させて、そのような潤滑性の低下を生じにくくしている。そのため、クリーニングブレード15aと感光体ドラム11との摺動抵抗も減ぜられることになる。
以下、このような本発明の効果を確認するために、本願発明者がおこなった実験について説明する。
実験は、先端部の弾性仕事率が異なる10種類(実施例1〜7、比較例1〜3)のクリーニングブレード15aを用意して、それぞれのクリーニングブレード15aについて、実機にて通紙耐久テストをおこなって、「潤滑剤の消費率」と「潤滑剤の塗布ムラ(供給ムラ)」と「先端部の摩耗面積」とを評価したものである。
図6は、実施例1〜7、比較例1〜3のクリーニングブレード15aの特性と実験結果とをまとめて示す表図である。また、図7は、実施例1〜7、比較例1〜3について、感光体ドラム11の走行距離と、潤滑剤の消費率と、の関係を示すグラフである。また、図8は、実施例1〜7、比較例1〜3について、潤滑剤の塗布ムラのランクを示すグラフである。また、図9は、実施例1〜7、比較例1〜3について、クリーニングブレード15aの先端部の摩耗面積を示すグラフである。
実験(実施例1〜7、比較例1〜3)において、クリーニングブレード15aのバックアップ層15a2はすべて同じ材質・層厚にしており、エッジ層15a1(層厚は同じである。)の材質を変えることで、クリーニングブレード15aの弾性仕事率を図6に示すように変えている。
通紙耐久テストは、画像面積が5%の画像を1ジョブ当り4枚(4P/J)の通紙で、14〜16万枚の通紙をおこなったものである。図7は、テスト開始から感光体ドラム11の走行距離が7.5kmに達するまでの潤滑剤の消費率が約200mg/kmになるように調整して、それを基準としてその後の変化(倍数)を「潤滑剤の消費率の変化(倍)」としてプロットしたものである。
潤滑剤の消費率が低くなりすぎると、潤滑性が低下して、クリーニングブレード15aの鳴きや感光体ドラム11へのフィルミングが発生しやすくなる。これに対して、潤滑剤の消費率が高くなりすぎると、帯電ローラ12の汚れが発生したり、潤滑剤の容量が足りなくなるなどの問題がある。このため、潤滑剤の消費率は150〜400mg/km程度の範囲に収めるのが望ましい。したがって、初期の標準的な消費率を200mg/kmとすると、消費率の変化(倍)としては2倍以内が望ましいことになる。
図7(A)に示すように、比較例1、2は、経時で潤滑剤の消費率が上昇して、ドラム走行距離が50kmの時点では2倍を超えている。すなわち、ブレード先端部の弾性仕事率が93%を超えると、上述した消費率の範囲の上限400mg/kmを超えてしまうことになる。
これに対して、図7(B)に示すように、実施例1〜7では、ブレード先端部の弾性仕事率が93%以下となり、初期から潤滑剤の消費率はあまり変化せずに安定している。消費率の変化は1.1〜1.8倍程度なので、経時でも潤滑剤の消費率は150〜400mg/kmの範囲内となる。特に、ブレード先端部の弾性仕事率が90%未満となる、実施例3〜7では、消費率の変化は1.1〜1.3倍程度になり、極めて安定することがわかった。
また、通紙耐久テストでは、ドラム走行距離が75kmに達した時点で、「潤滑剤の塗布ムラ」の評価をおこなった。評価は、薄層化ブレード16dの下流側における感光体ドラム11の表面を、マイクロスコープVHX−100(対物レンズ200倍)で撮像して画像を取り込んでおこなった。塗布ムラが生じると、感光体ドラム11の回転方向に沿うように縦スジ状のムラが形成される。そして、この縦スジ状のムラを、画像の輝度のムラとして、輝度の分散値から数値化してランク付けしたものが、図8の結果となる。
潤滑剤の塗布ムラは、ランク4を下回るとハーフトーン画像における縦スジとして認識される場合があり、ランク3.5を下回ると許容外となる。図8に示すように、比較例1、2、実施例1〜7は、塗布ムラのランクが3.5以上となっているが、比較例3は塗布ムラのランクが3.5を下回り3.2となっている。すなわち、ブレード先端部の弾性仕事率が65%に達していないと、感光体ドラム11の表面に、許容できない潤滑剤の塗布ムラ(供給ムラ)が生じてしまうことになる。
図6にまとめた実験結果をみてもわかるように、クリーニングブレード15aの先端部の弾性仕事率が93%以下になるように形成することで、経時においても潤滑剤消費率を安定させることができる。また、クリーニングブレード15aの先端部の弾性仕事率が65%以上になるように形成することで、経時においても潤滑剤の塗布ムラ(供給ムラ)を低減できることがわかる。すなわち、クリーニングブレード15aの先端部の弾性仕事率が65〜93%の範囲内になるように形成することで、長期にわたって安定して感光体ドラム11に潤滑剤を供給(塗布)することが可能になる。
また、通紙耐久テストでは、ドラム走行距離が75kmに達した時点で、クリーニングブレード15aの先端部(ブレード先端部)の「摩耗面積」の評価(測定)をおこなった。評価は、図10を参照して、ブレード先端部の立体像を、「レーザ顕微鏡 VK−9500」(キーエンス社製)で観察して、ブレード先端部の摩耗面積Sを求めた。そして、それぞれの摩耗面積Sをグラフ化したものが、図9の結果となる。
図9に示すように、潤滑剤消費率が良好で塗布ムラの少ない実施例1〜7のうち、実施例1〜4は、ブレード先端部の摩耗も少ないことがわかる。
なお、比較例1は、弾性仕事率が高くて劣化潤滑剤による摩擦力によりブレード先端部(エッジ)のスティックスリップが起きやすいため、ブレード先端部の摩耗面積が増大している。
また、比較例3は、弾性仕事率が低くて劣化潤滑剤によるブレード先端部(エッジ)の引っ掻きで局所的な磨耗・欠けが発生しやすく、ブレードの幅方向の位置によって摩耗量にムラが生じている。そして、そのような状態でクリーニングブレードを使用し続けることで、これらの局所的に摩耗したものが集合して大きな塊となり、その塊によりブレードの摩耗がさらに全体的に助長されることになる。
このような結果からも、ブレード先端部の摩耗速度を低く抑えるためには、弾性仕事率を一定の範囲内に収める必要があることがわかる。
具体的に、図6にまとめた実験結果をみてもわかるように、クリーニングブレード15aの先端部の弾性仕事率が83〜93%の範囲内になるように形成することで、長期にわたって安定して感光体ドラム11に潤滑剤を供給することが可能になるとともに、クリーニングブレード15aの先端部の摩耗の進行を遅らせてクリーニングブレード15aを長寿命化することができる。
以上説明したように、本実施の形態におけるプロセスカートリッジ10BK(画像形成装置1)は、感光体ドラム11(像担持体)の表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置16や、先端部が感光体ドラム11の表面に当接するクリーニングブレード15a(ブレード状部材)が設けられている。そして、クリーニングブレード15aは、先端部の弾性仕事率が65〜93%の範囲内になるように形成されている。
これにより、経時において、感光体ドラム11の表面に供給される潤滑剤の量が多くなり過ぎてしまう不具合や、感光体ドラム11の表面に潤滑剤の供給ムラが生じてしまう不具合、を生じにくくすることができる。
なお、本実施の形態では、作像部における各部(感光体ドラム11、帯電ローラ12、現像装置13、クリーニング装置15、潤滑剤供給装置16である。)を一体化してプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKを構成して、作像部のコンパクト化とメンテナンス作業性の向上とを図っている。
これに対して、作像部における各部11、12、13、15、16をプロセスカートリッジの構成部材とせずに、それぞれ単体で装置本体1に交換可能に設置されるように構成することもできる。このような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
なお、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電装置と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置と、像担持体上をクリーニングするクリーニング装置とのうち、少なくとも1つと、像担持体とが、一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるユニットと定義する。
また、本実施の形態では、中間転写ベルト17を用いたタンデム型のカラー画像形成装置に対して本発明を適用した。これに対して、転写搬送ベルトを用いたタンデム型のカラー画像形成装置(転写搬送ベルトに対向するように並設された複数の感光体ドラム上のトナー像を、転写搬送ベルトによって搬送されるシート上に重ねて転写する装置である。)や、モノクロ画像形成装置等、その他の画像形成装置に対しても、本発明を適用することができる。そして、このような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、像担持体としての感光体ドラム11に当接するクリーニングブレード15aに対して本発明を適用したが、感光体ドラム11以外の像担持体(例えば、中間転写ベルト17である。)に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置が設置されて、その像担持体に当接するブレード状部材に対しても当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、固形潤滑剤16bを潤滑剤供給ローラ16aに向けて加圧する加圧機構として、1対の回動部材16gや引張スプリング16hなどで構成されたものを用いたが、加圧機構はこれに限定されることなく、例えば、回転軸方向両端部に設置された圧縮スプリングなどで構成された加圧機構を用いることもできる。
また、本実施の形態では、潤滑剤供給ローラ16aとして、芯金上に発泡弾性層が形成されたスポンジ状ローラを用いた。これに対して、潤滑剤供給ローラとして芯金上にブラシ毛が周設されたブラシ状ローラを用いることもできる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
1 画像形成装置(画像形成装置本体)、
11 感光体ドラム(像担持体)、
15 クリーニング装置、
15a クリーニングブレード(ブレード状部材)、
15a1 エッジ層、
15a2 バックアップ層、
15a3 ホルダ、
16 潤滑剤供給装置、
16a 潤滑剤供給ローラ(潤滑剤供給回転体)、
16b 固形潤滑剤。
特許第5640676号公報 特開2016−9092号公報 特開2016−81026号公報

Claims (7)

  1. 画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるプロセスカートリッジであって、
    トナー像が担持される像担持体と、
    前記像担持体の表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置と、
    弾性材料で形成されて、先端部が前記像担持体の表面に当接するブレード状部材と、
    を備え、
    前記ブレード状部材は、前記先端部の弾性仕事率が65〜93%の範囲内になるように形成されたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  2. 前記ブレード状部材は、前記先端部の弾性仕事率が83〜93%の範囲内になるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
  3. 前記潤滑剤は、脂肪酸金属塩と無機潤滑剤とを含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプロセスカートリッジ。
  4. 前記脂肪酸金属塩は、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛のうち少なくとも1つであって、
    前記無機潤滑剤は、マイカ、タルク、窒化ホウ素のうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項3に記載のプロセスカートリッジ。
  5. 前記ブレード状部材は、前記像担持体の表面に付着した付着物を除去する略矩形板状のクリーニングブレードであって、金属材料からなるホルダに片持ち支持されて、前記像担持体に対してカウンタ方向に当接することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  6. 前記クリーニングブレードは、材質又は/及び硬度が異なるゴム材料からなる複数の層が積層されたものであることを特徴とする請求項5に記載のプロセスカートリッジ。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載のプロセスカートリッジを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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