JP2016126224A - クリーニングブレード、並びに、それを備えたプロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

クリーニングブレード、並びに、それを備えたプロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】当接部の捲れを抑制し、長期にわたって弾性部材の局所摩耗の発生を低減させるとともに、良好なクリーニング性及び耐フィルミング性を得ることができるクリーニングブレードの提供。【解決手段】平板状弾性部材のいずれかの端部に硬化性組成物の硬化物を含み、前記平板状弾性部材の板面上であって、前記端部の先端から、前記先端と対向する端部に向かう方向に20μmの測定位置で、マルテンス硬さが2N/mm2〜10N/mm2であり、かつ弾性仕事率が60%〜85%であるクリーニングブレード。【選択図】図4

Description

本発明は、クリーニングブレード、並びに、それを備えたプロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
従来より、電子写真方式の画像形成装置においては、像担持体(以下、「感光体」、「電子写真感光体」、「静電潜像担持体」と称することがある)が記録媒体や中間転写体等にトナー像を転写した後、クリーニング手段が、被清掃部材としての前記像担持体の表面に残存する不必要なトナー等(残留物)を除去している。
前記クリーニング手段としては、簡易な構成で優れたクリーニング性能を得ることができる点から、ポリウレタンゴム等からなる平板状の弾性部材と、前記弾性部材の一部を固定する支持部材とを備えたクリーニングブレードがよく用いられている。このような構成とした前記クリーニングブレードは、前記弾性部材の自由端側を前記像担持体の表面に当接させ、前記残留物を掻き落として除去するようにしている。
しかし、近年の高画質化の要求に応えるべく、従来の粉砕トナーに比べて転写効率が高いなどの特徴を有し、重合法等により形成された小粒径で球形に近いトナー(重合トナー)を用いた場合、前記弾性部材と前記像担持体との間に形成される僅かな間隙を前記重合トナーがすり抜けるため、クリーニング不良が発生する場合がある。
このため、前記クリーニング不良を抑制する目的で、前記弾性部材の自由端側が前記像担持体と当接する部分である当接部における、前記像担持体に対する当接圧を高くすると、前記当接部と前記像担持体との摩擦が大きくなるため、前記当接部が捲れ、前記自由端側の端面に局所的な欠損(局所摩耗)が発生しやすくなるという問題があった。また、前記像担持体と前記当接部との間に前記重合トナーなどが入り込み、前記像担持体の表面に付着するフィルミングが発生しやすくなる問題もあった。
そこで、これらの問題を解消するために、前記当接部を高硬度化することが提案されている。例えば、ウレタンゴムからなる弾性部材の前記当接部に硬化性組成物を含浸させて硬化し、更にスプレー塗布することにより表面層を設けたクリーニングブレードが提案されている(特許文献1参照)。
しかし、この場合、前記当接部を高硬度化することにより捲れ、局所摩耗及びフィルミングなどの問題を解消できる反面、前記当接部の弾性が低下し、例えば、前記像担持体の表面に微小なうねりがある場合には前記当接圧が変動しやすくなる。その結果、前記当接部の前記像担持体に対する追従性が低下しやすくなり、良好なクリーニング性及び耐フィルミング性が得られないという問題がある。さらに、前記硬化性組成物の硬化収縮が大きいため、前記当接圧による応力が加わると、前記当接部の表面に生じる割れや剥がれに起因する局所摩耗が発生しやすいという問題がある。
したがって、前記当接部を高硬度かつ高弾性とすることにより、前記当接部の捲れを抑制し、前記弾性部材における局所摩耗の発生を低減させるとともに、前記追従性を維持して良好なクリーニング性及び耐フィルミング性が得られるクリーニングブレードが望まれている。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、当接部の捲れを抑制し、長期にわたって弾性部材の局所摩耗の発生を低減させるとともに、良好なクリーニング性及び耐フィルミング性を得ることができるクリーニングブレードを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、本発明のクリーニングブレードは、
平板状弾性部材のいずれかの端部に硬化性組成物の硬化物を含み、
前記平板状弾性部材の板面上であって、前記端部の先端から、前記先端と対向する端部に向かう方向に20μmの測定位置で、
マルテンス硬さが2N/mm〜10N/mmであり、かつ弾性仕事率が60%〜85%である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、当接部の捲れを抑制し、長期にわたって弾性部材の局所摩耗の発生を低減させるとともに、良好なクリーニング性及び耐フィルミング性を得ることができるクリーニングブレードを提供することができる。
図1は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略断面図である。 図2は、本発明の画像形成装置の一例における作像ユニットを示す概略断面図である。 図3は、本発明のクリーニングブレードが像担持体の表面に当接している状態を示す説明図である。 図4は、本発明のクリーニングブレードの一例を示す斜視図である。 図5Aは、弾性部材の当接部が捲れた状態を示す説明図である。 図5Bは、弾性部材に局所摩耗が生じた状態を示す説明図である。 図5Cは、弾性部材が欠損した状態を示す説明図である。 図6は、本発明のクリーニングブレードの当接部近傍の説明図である。 図7Aは、トナーの平均円形度の測定方法を説明するための図である。 図7Bは、トナーの平均円形度の測定方法を説明するための図である。 図8は、弾性仕事率の説明図である。
(クリーニングブレード)
本発明のクリーニングブレードは、被清掃部材の表面に当接して、前記被清掃部材の表面に付着した残留物を除去する弾性部材を有してなり、支持部材、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
前記クリーニングブレードとしては、その形状、構造などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記支持部材と、前記支持部材に一部が固定されて自由端を有する弾性部材とからなることが好ましい。
前記クリーニングブレードは、前記自由端の端面における長辺のいずれか1辺を前記被清掃部材の表面に当接させて、前記被清掃部材の表面に残留するトナー等を掻き落として除去する。
ここで、前記自由端の端面における長辺のいずれか1辺を当接辺という。また、前記当接辺が前記被清掃部材の表面に当接すると変形及び摩耗することにより、前記当接辺のみではなく、前記当接辺を含む板面と、前記自由端の端面とが前記被清掃部材の表面に当接するため、前記当接辺の近傍における前記当接辺を含む板面及び前記自由端の端面を当接部という。
<弾性部材>
前記弾性部材としては、その形状、大きさ、材質、構造などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記弾性部材の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記弾性部材の厚み方向において対向する一対の板面と、前記板面と直交し、前記板面の面内方向において対向する二対の端面からなる形状が挙げられ、平板状、短冊状、シート状などが好ましい。
前記弾性部材の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0mm以上3.0mm以下が好ましい。
前記平均厚みの測定方法としては、例えば、前記弾性部材に対して任意の複数の点を選択し、前記複数の点の厚みの平均を算出することにより求める方法などが挙げられる。前記平均としては、5点の厚みの平均が好ましく、10点の厚みの平均がより好ましく、20点の厚みの平均が特に好ましい。なお、他の層の平均厚みについても同様に算出することができる。
前記平均厚みの測定機器としては、例えば、マイクロメータなどが挙げられる。
前記弾性部材の大きさとしては、特に制限はなく、前記被清掃部材の大きさに応じて適宜選択することができる。
前記弾性部材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高弾性が得られやすい点から、ゴム、エラストマーなどが好ましい。
前記ゴムとしては、例えば、ポリウレタンゴムなどが挙げられる。前記エラストマーとしては、例えば、ポリウレタンエラストマーなどが挙げられる。これらの中でも、前記ポリウレタンゴムがより好ましい。
前記ポリウレタンゴムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを用いてポリウレタンプレポリマーを調製し、前記ポリウレタンプレポリマーに硬化剤、架橋剤、鎖延長剤及び必要に応じて硬化触媒を加えて、所定の型内にて架橋し、炉内にて後架橋させたものを遠心成形によりシート状に成形後、常温放置し、熟成したものを所定の寸法にて、平板状に裁断することにより、製造されるものが挙げられる。
前記ポリオール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高分子量ポリオール、低分子量ポリオール、などが挙げられる。
前記高分子量ポリオールとしては、例えば、ポリエステル系ポリオール、ポリカプロラクトン系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、などが挙げられる。
前記ポリエステル系ポリオールは、アルキレングリコールと脂肪族二塩基酸との縮合体であり、前記アルキレングリコールとしては、例えば、エチレンアジペートエステルポリオール、ブチレンアジペートエステルポリオール、ヘキシレンアジペートエステルポリオール、エチレンプロピレンアジペートエステルポリオール、エチレンブチレンアジペートエステルポリオール、エチレンネオペンチレンアジペートエステルポリオール、などが挙げられ、前記脂肪族二塩基酸としては、例えば、アジピン酸などが挙げられる。
前記ポリカプロラクトン系ポリオールとしては、例えば、カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトンエステルポリオール、ポリカプロラクトンエステルジオールなどが挙げられる。
前記ポリエーテル系ポリオールとしては、例えば、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記低分子量ポリオールとしては、例えば、2価アルコール、3価又はそれ以上の多価アルコール、などが挙げられる。
前記2価アルコールとしては、例えば、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキノン−ビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフエニルメタン、4,4’−ジアミノジフエニルメタン、などが挙げられる。
前記3価又はそれ以上の多価アルコールとしては、例えば、1,1,1−トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、1,1,1−トリス(ヒドロキシエトキシメチル)プロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI(p−MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフチレン1,5−ジイソシアネート(NDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメチロールプロパン、などが挙げられる。
前記鎖延長剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,4−ブタンジオール、などが挙げられる。
前記硬化触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、などが挙げられる。
前記硬化触媒の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜0.5質量%が好ましく、0.05質量%〜0.3質量%がより好ましい。
前記弾性部材のJIS−A硬度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60度以上が好ましく、65度〜80度がより好ましい。前記JIS−A硬度が60度以上であると、前記弾性部材自体が硬いことにより、前記像担持体との当接面積が拡大しにくいため、前記当接部に加わる当接圧(線圧)が大きくなり、所定の先端食い込み量が得られやすいことから、良好なクリーニング性を得やすくなる。
なお、前記線圧とは、前記像担持体に対する前記当接部の力を、前記当接部が前記像担持体に当接する長さで除算したものである。
また、前記弾性部材は、例えば、前記JIS−A硬度が1種類の弾性体により形成されてもよく、耐摩耗性と追従性を両立可能な点で、前記JIS−A硬度が異なる2種類以上の前記弾性体を一体成形した積層物としてもよい。
前記JIS−A硬度は、JIS K6253規格に従い、例えば、マイクロゴム硬度計(商品名:MD−1、高分子計器株式会社製)などを用いて測定することができる。
前記弾性部材の反発弾性率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、タック性の点で、23℃で、75%以下が好ましい。
前記弾性部材の反発弾性係数は、JIS K6255規格に従い、例えば、測定環境を23℃とし、トリプソ式反発弾性試験機(商品名:レジリエンステスタ、株式会社東洋精機製作所製)を用いて測定することができる。
前記弾性部材の構造としては、平板状の前記弾性部材のいずれかの端部に後述する硬化性組成物の硬化物を含有し、前記端部のいずれかの長辺を前記当接辺として用いることができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記弾性部材の前記端部に前記硬化性組成物の硬化物を含有させるためには、例えば、まず、前記硬化性組成物に含まれる後述する溶媒により前記端部を膨潤させるとともに、前記硬化性組成物を染み込ませて含浸させる。次に、前記端部に含浸させた前記硬化性組成物を紫外線照射、加熱などの処理で硬化させるとともに前記端部を膨潤させた前記溶媒を気化させることにより、前記弾性部材の架橋構造と前記硬化性組成物の硬化物とが絡まり合う構造となるため、前記硬化性組成物の硬化物を前記弾性部材から剥離しにくい状態で前記弾性部材に含有させることができる。
<<硬化性組成物>>
前記硬化性組成物は、前記端部に含浸させる硬化性組成物であり、(メタ)アクリレート化合物を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記(メタ)アクリレート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物、又は分子量が100〜1,500の(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
−分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物−
前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数が6〜12が好ましく、8〜10がより好ましい。前記炭素数が6未満であると、前記当接部の硬度が低くなることがあり、前記炭素数が12を超えると、前記硬化物に立体障害が起きる可能性がある。よって、前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の炭素数が6〜12であると、前記当接圧による応力が前記当接部に加わることにより生じる前記当接部の表面の割れや剥がれを抑制し、これらに起因する局所摩耗の発生を低減することができる。
前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物は、分子内に嵩高い特殊な脂環構造を有していることにより、官能基数が少なく、かつ分子量が小さい(メタ)アクリレート化合物であるため、前記弾性部材に含浸しやすく、効率よく前記当接部の高硬度化が可能となる。
前記官能基数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2〜6が好ましく、2〜4がより好ましい。前記官能基数が2〜6であると、前記当接部の硬度が弱くなることが少なくなるとともに、立体障害が起きる可能性を低減できる。
前記分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、500以下であることが好ましい。前記分子量が500以下であると、分子サイズが大きくならずに前記弾性部材への含浸が容易となり、前記当接部を高硬度化しやすい。
前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物が有する構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、官能基数が少なくても特殊な環状構造により架橋点の不足を補うことができる点から、トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物、及びアダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物から選択される少なくとも1種が好ましい。
前記トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、などが挙げられる。
前記トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、などが挙げられ、適宜合成したものを使用してもよく、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、商品名:A−DCP(新中村化学工業株式会社製)、などが挙げられる。
前記アダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、1,3−アダマンタンジメタノールジアクリレート、1,3−アダマンタンジメタノールジメタクリレート、1,3,5−アダマンタントリメタノールトリアクリレート、1,3,5−アダマンタントリメタノールトリメタクリレート、などが挙げられ、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、商品名:X−DA(出光興産株式会社製)、商品名:X−A−201(出光興産株式会社製)、商品名:ADTM(三菱ガス化学株式会社製)、などが挙げられる。
前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記硬化性組成物に対して、20質量%〜100質量%が好ましく、50質量%〜100質量%がより好ましい。前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の含有量が20質量%以上であると、特殊な環状構造による高硬度化が可能となる。
前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物、特にトリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物又はアダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物が、前記弾性部材の前記当接部に含まれているか否かは、例えば、赤外顕微鏡又は液体クロマトグラフィーにより分析することができる。
−分子量が100〜1,500の(メタ)アクリレート化合物−
前記硬化性組成物は、前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の代わりに、分子量が100〜1,500の(メタ)アクリレート化合物を含有することができる。
前記分子量が100〜1,500の(メタ)アクリレート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクレリート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,11−ウンデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,18−オクタデカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、PEG600ジ(メタ)アクリレート、PEG400ジ(メタ)アクリレート、PEG200ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール・ヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート、オクチル/デシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、官能基数が3〜6のペンタエリスリトールトリアクリレート構造を有する化合物が好ましい。
前記官能基数が3〜6のペンタエリスリトールトリアクリレート構造を有する化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、などが挙げられる。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、重合開始剤、重合禁止剤、溶媒(希釈剤)、などが挙げられる。
−重合開始剤−
前記重合開始剤としては、光又は熱などにより重合を開始させるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、光のエネルギーによりラジカルやカチオンなどの活性種を生成して重合を開始させる光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤、などが好ましく、光ラジカル重合開始剤がより好ましい。
前記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アルキルアミン化合物、などが挙げられる。
具体的な化合物としては、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、べンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光ラジカル重合開始剤としては、市販品を用いることができる。前記市販品としては、例えば、イルガキュア(登録商標、以下同じ) 651、イルガキュア 184、DAROCUR(登録商標) 1173、イルガキュア 2959、イルガキュア 127、イルガキュア 907、イルガキュア 369、イルガキュア 379、DAROCUR(登録商標) TPO、イルガキュア 819、イルガキュア 784、イルガキュア OXE 01、イルガキュア OXE 02、イルガキュア 754、Lucirin(登録商標) TPO、LR8893、LR8970(以上、BASFジャパン株式会社製);Speedcure(登録商標) TPO(Lambson社製);KAYACURE(登録商標) DETX−S(日本化薬株式会社製);ユベクリルP36(UCB社製)、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光ラジカル重合開始剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記光ラジカル重合開始剤の含有量が多い程、前記弾性仕事率は小さくなる傾向にあり、高弾性である前記当接部を得るためには前記光ラジカル重合開始剤の含有量を少なくする必要がある点から、前記硬化性組成物の全質量に対して、1質量%〜10質量%が好ましい。前記光ラジカル重合開始剤の含有量が1質量%〜10質量%であると、前記硬化性組成物の硬化不良が発生しにくく、前記弾性部材の捲れを抑制しやすくなるとともに、分子サイズが大きくならずに前記弾性部材への含浸が容易となり、前記当接部を高硬度化しやすい。
−重合禁止剤−
前記重合禁止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェノール化合物、キノン化合物、アミン化合物、ニトロ化合物、オキシム化合物、硫黄化合物、などが挙げられる。
前記フェノール化合物としては、例えば、p−メトキシフェノール、クレゾール、t−ブチルカテコール、ジ−t−ブチルパラクレゾール、ヒドロキノンモノメチルエーテル、α−ナフトール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、などが挙げられる。
前記キノン化合物としては、例えば、p−ベンゾキノン、アントラキノン、ナフトキノン、フェナンスラキノン、p−キシロキノン、p−トルキノン、2,6−ジクロロキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジアセトキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジカプロキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジアシロキシ−p−ベンゾキノン、ヒドロキノン、2,5−ジ−ブチルヒドロキノン、モノ−t−ブチルヒドロキノン、モノメチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、などが挙げられる。
前記アミン化合物としては、例えば、フェニル−β−ナフチルアミン、p−ベンジルアミノフェノール、ジ−β−ナフチルパラフェニレンジアミン、ジベンジルヒドロキシルアミン、フェニルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、などが挙げられる。
前記ニトロ化合物としては、例えば、ジニトロベンゼン、トリニトロトルエン、ピクリン酸、などが挙げられる。
前記オキシム化合物としては、例えば、キノンジオキシム、シクロヘキサノンオキシム、などが挙げられる。
前記硫黄化合物としては、例えば、フェノチアジンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−溶媒(希釈剤)−
前記溶媒としては、前記分子内に脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を溶解するとともに前記弾性部材を膨潤させることができるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭化水素系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、などが挙げられる。
前記炭化水素系溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、などが挙げられる。
前記エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、などが挙げられる。
前記ケトン系溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、などが挙げられる。
前記エーテル系溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、などが挙げられる。
前記アルコール系溶媒としては、例えば、エタノール、プロパノール、1−ブタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの溶媒の中でも、シクロヘキサノンが特に好ましい。
前記溶媒の濃度としては、前記(メタ)アクリレート化合物を溶解するとともに前記弾性部材を膨潤させることができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜変更することができる。
<<クリーニングブレードの端面に硬化性組成物の硬化物を含有させる方法>>
前記弾性部材の前記端部に、前記硬化性組成物を含浸させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記弾性部材の端部に、前記硬化性組成物をハケ塗り、ディップ塗工等で含浸させた後、硬化させる方法、などが挙げられる。
前記硬化性組成物を前記端部に含浸させる際の環境温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10℃〜40℃が好ましい。
<<クリーニングブレードの端面に含浸させた硬化性組成物を硬化させる方法>>
前記端部に含浸させた前記硬化性組成物を硬化させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紫外線の照射、加熱などによる処理などが挙げられる。これらの中でも、紫外線の照射による処理が好ましい。
紫外線を照射する装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記装置の内部に紫外線の光源が設けられ、コンベア等の搬送手段により被硬化物を搬送しながら紫外線を照射する装置などが挙げられる。
前記紫外線の光源としては、前記重合開始剤に対応するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ランプ、紫外線発光半導体素子、などが挙げられる。
前記ランプとしては、例えば、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、などが挙げられ、市販品を使用することができる。前記市販品としては、例えば、ヘレウス株式会社製のHバルブ、Dバルブ、Vバルブ、などが挙げられる。
前記紫外線発光半導体素子としては、紫外線発光ダイオードや紫外線発光半導体レーザ、などが挙げられる。
前記紫外線の種類としては、前記硬化性組成物に含有させる後述する重合開始剤に対応するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、400nm〜200nmの紫外線、遠紫外線、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線又はイオンビーム、などが挙げられる。
前記硬化性組成物を硬化するために使用する紫外線の照射条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、積算光量が500mJ/cm〜25,000mJ/cmが好ましい。
より具体的には、前記硬化性組成物に、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートと、前記重合開始剤として市販品のBASFジャパン株式会社製のイルガキュア(登録商標)184とが含まれる場合、被照射物を搬送して、内部に配置されている前記光源を通過させながら紫外線照射するベルトコンベア型紫外線照射装置(商品名:ECS−1511U、アイグラフィックス社製)を用いて、前記光源の出力を176W/cmとし、かつコンベアスピードを0.8m/minとした照射条件では、前記ベルトコンベア型紫外線照射装置を通過させる回数を1パス(1回通過)以上5パス(5回通過)以下が好ましい。
マルテンス硬さは、例えば、微小硬度計(商品名:HM−2000、株式会社フィッシャー・インストルメンツ製)を用いて、ビッカース圧子を最大荷重が1.0mNとなるように10秒間で押し込み、5秒間保持し、1.0mNの力を10秒間で抜くことで測定することができる。
前記マルテンス硬さは、前記弾性部材の板面上であって、前記端部の先端から、前記先端と対向する端部に向かう方向に20μmの測定位置で、2N/mm〜10N/mmが好ましく、3N/mm〜8N/mmがより好ましい。
前記マルテンス硬さが2N/mm未満であると、前記弾性部材の捲れが生じやすくなる。一方、前記マルテンス硬さが10N/mmを超えると、前記被清掃部材に対する追従性が低下し、クリーニング不良が発生しやすくなる。
前記弾性仕事率は、例えば、微小硬度計(商品名:HM−2000、株式会社フィッシャー・インストルメンツ製)を用いて、ビッカース圧子を被測定物に押し込むときの積算応力をWplast、試験荷重除荷時の積算応力をWelastとすると、Welast/Wplast×100%の式で定義される特性値である(図8参照)。このため、前記弾性仕事率が高いと、ヒステリシスロス(塑性変形)が少ない、即ち、弾性が高いことを示しており、前記弾性仕事率が低いと、前記被測定物がゴムというよりガラスに近い状態、即ち、弾性が低いことを示す。
前記弾性仕事率は、前記弾性部材の板面上であって、前記端部の先端から、前記先端と対向する端部に向かう方向に20μmの測定位置で、60%〜85%が好ましく、64%〜84%がより好ましい。前記弾性仕事率が60%未満であると、前記当接部の弾性が低下して前記被清掃部材に対する追従性が低下し、クリーニング不良が発生しやすくなる。一方、前記弾性仕事率が85%を超えると、前記当接部の弾性が高くなることにより前記当接部に捲れが生じやすくなり、更にはトナーが前記当接部と前記被清掃部材との間をすり抜ける場合があるため、クリーニング不良が発生しやすくなる。
また、これまでの知見では、後述する弾性仕事率は、マルテンス硬さによって左右されてしまい、前記弾性部材に前記硬化性組成物の硬化物を含有させた領域の前記マルテンス硬さを高くすると、前記弾性仕事率は低くなるというトレードオフの関係が存在すると考えられていた。しかしながら、前記重合開始剤の含有量を1質量%〜10質量%に調整することで、前記マルテンス硬さと前記弾性仕事率をある程度切り離して設計することが可能となり、高硬度かつ高弾性とした前記当接部を得ることが可能となった。
よって、本発明のクリーニングブレードにおいては、前記弾性部材のいずれかの端部に前記硬化性組成物の硬化物を含ませ、前記弾性部材の板面上であって、前記端部の先端から、前記先端と対向する端部に向かう方向に20μmの測定位置におけるマルテンス硬さを2N/mm〜10N/mmとして、前記当接部を高硬度化させることにより、前記当接部を変形しにくくさせたため、前記弾性部材の前記当接部の捲れを抑制し、前記当接部を含む端面の局所的な欠損(局所摩耗)の発生を低減することが可能となるとともに、前記弾性仕事率を60%〜85%として、前記当接部を高弾性化させることにより、前記線圧が変動しにくくなるため、前記被清掃部材に対する追従性を得ることが可能となり、良好なクリーニング性を得ることができる。
<支持部材>
前記支持部材としては、その形状、大きさ、材質などについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記支持部材の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平板状、短冊状、シート状、などが挙げられる。
前記支持部材の大きさとしては、特に制限はなく、前記被清掃部材の大きさに応じて適宜選択することができる。
前記支持部材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、プラスチック、セラミック、などが挙げられる。これらの中でも、強度の点から金属板が好ましく、ステンレススチール等の鋼板、アルミニウム板、リン青銅板が特に好ましい。
<被清掃部材>
前記被清掃部材としては、その形状、構造、大きさ、材質などについて特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、像担持体などが挙げられる。
前記被清掃部材の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドラム状、ベルト状、平板状、シート状、などが挙げられる。
前記被清掃部材の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記被清掃部材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、金属、プラスチック、セラミック、などが挙げられる。
<残留物>
前記残留物としては、前記被清掃部材表面に付着しており、前記クリーニングブレードの除去対象となるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トナー、潤滑剤、無機微粒子、有機微粒子、ゴミ、埃又はこれらの混合物、などが挙げられる。
本発明のクリーニングブレードは、以上説明した特性を備えており、各種分野に幅広く用いることができるが、以下に説明する本発明の画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジに特に好適に用いられる。
(画像形成装置及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、像担持体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段と、クリーニング手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。なお、前記帯電手段と前記露光手段とを合わせて静電潜像形成手段と称することもある。
本発明で用いられる画像形成方法は、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程と、クリーニング工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程を含んでなる。なお、前記帯電工程と前記露光工程を合わせて静電潜像形成工程と称することもある。
本発明で用いられる画像形成方法は、本発明の前記画像形成装置により好適に実施することができ、前記帯電工程は前記帯電手段により行うことができ、前記露光工程は前記露光手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記クリーニング工程は前記クリーニング手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
<像担持体>
前記像担持体(以下、「電子写真感光体」、「感光体」と称することがある)としては、その形状、構造、大きさ、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記像担持体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドラム状、ベルト状、などが挙げられる。
前記像担持体の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、などが挙げられる。
なお、前記像担持体は、線速600mm/sec以上の高速で回転させて、高速で画像形成が可能な構成としている。
<帯電工程及び帯電手段>
前記帯電工程は、電子写真感光体表面を帯電させる工程であり、前記露光手段により行われる。
前記帯電手段としては、前記電子写真感光体の表面に電圧を印加して一様に帯電させることができるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、(1)電子写真感光体と接触して帯電させる接触方式の帯電手段と、(2)電子写真感光体と非接触で帯電させる非接触方式の帯電手段とに大別される。
前記(1)の接触方式の帯電手段としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、磁気ブラシ、ファーブラシ、フィルム、ゴムブレードなどが挙げられる。これらの中でも、前記帯電ローラは、コロナ放電に比べてオゾンの発生量を大幅に低減することが可能であり、電子写真感光体の繰り返し使用時における安定性に優れ、画質劣化防止に有効である。
前記磁気ブラシは、例えば、Zn−Cuフェライト等の各種フェライト粒子を支持する非磁性の導電スリーブと、前記スリーブに内包されるマグネットロールとから構成される。前記ファーブラシは、例えば、カーボン、硫化銅、金属又は金属酸化物等により導電処理されたファーを金属又は導電処理された芯金に巻き付けたり、張り付けたりして形成される。
前記(2)の非接触の帯電手段としては、例えば、コロナ放電を利用した非接触帯電器や針電極デバイス、固体放電素子;電子写真感光体に対して微小な間隙をもって配置された導電性又は半導電性の帯電ローラなどが挙げられる。
これらの中でも、前記帯電手段としては、電子写真感光体に接触して配置したローラ状帯電部材と、前記ローラ状帯電部材に直流電圧を印加する電圧印加部材とを有することが好ましい。これにより、ローラ状帯電部材に印加する帯電電圧の電源コストを低減することができる。
<露光工程及び露光手段>
前記露光工程は、帯電された前記像担持体の表面を露光する工程であり、前記露光手段により行われる。前記露光は、例えば、前記露光手段を用いて前記像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光における光学系は、アナログ光学系とデジタル光学系とに大別される。前記アナログ光学系は、原稿を光学系により前記像担持体の表面に直接投影する光学系であり、前記デジタル光学系は、画像情報が電気信号として与えられ、前記電気信号を光信号に変換して電子写真感光体を露光し作像する光学系である。
前記露光手段としては、前記帯電手段により帯電された前記像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系、などの各種露光器が挙げられる。なお、本発明においては、前記像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記露光手段の光源としては、発光するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などが挙げられる。これらの光源のうち、照射エネルギーが高く、波長域が600nm〜800nmの光を発する点で、発光ダイオード及び半導体レーザが好ましい。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
なお、これらの光源は除電ランプ等にも用いることが可能である。
<現像工程及び現像手段>
前記現像工程は、前記静電潜像を前記トナー像に現像する工程であり、前記現像手段により行われる。
前記現像手段としては、トナーを用いて現像することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記トナーを収容し、前記静電潜像に前記トナーを接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像器は、乾式現像方式又は湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器又は多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナーを摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるものなどが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと、必要に応じてキャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により前記トナーが帯電し、回転する前記マグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。前記マグネットローラは、前記像担持体の近傍に配置されているため、前記マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、前記静電潜像の電気的な吸引力によって前記像担持体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が前記トナーにより現像されて前記像担持体の表面に前記トナー像が形成される。
前記現像器に収容させる前記トナーは、前記トナーを含む現像剤であってもよく、前記現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、2成分現像剤であってもよい。
また、前記トナーとしては、2色以上が好ましく、フルカラートナーがより好ましい。
<転写工程及び転写手段>
前記転写工程は、前記トナー像を記録媒体に転写する工程であり、前記転写手段により行われる。
前記転写工程としては、例えば、中間転写体を用い、前記トナー像を前記中間転写体の表面に転写して複合転写像を形成する1次転写工程と、前記複合転写像を記録媒体に転写する2次転写工程とを含む態様が好ましい。
前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、転写ベルトなどが挙げられる。転写は、転写手段により行うことができ、例えば、転写ローラを帯電することにより行うことができる。
前記転写手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記トナー像を中間転写体の表面に転写して複合転写像を形成する1次転写手段と、前記複合転写像を記録媒体に転写する2次転写手段とを有する態様が好ましい。
前記1次転写手段及び前記2次転写手段としては、例えば、前記像担持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体に剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。
前記転写器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。前記転写器は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。
なお、前記記録媒体としては、現像後の未定着の前記トナー像を転写可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、代表的には普通紙であるが、例えば、OHP用のPETベース等も用いることができる。
<定着工程及び定着手段>
前記定着工程は、前記記録媒体に転写された前記トナー像を定着させる工程であり、前記定着手段により行われる。なお、2色以上のトナーを用いる場合は、各色のトナーが記録媒体に転写される毎に定着させてもよいし、全色のトナーが記録媒体に転写されて積層された状態で定着させてもよい。
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知の加熱加圧手段を用いた熱定着方式を採用することができる。
前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラを組合せたもの、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトを組合せたもの、などが挙げられる。加熱温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80℃〜200℃が好ましい。なお、必要に応じて、前記定着手段とともに、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
<クリーニング工程及びクリーニング手段>
前記クリーニング工程は、前記像担持体の表面に残留する前記トナーを除去する工程であり、前記クリーニング手段により行われる。
前記クリーニング手段としては、本発明の前記クリーニングブレードが用いられる。
前記弾性部材が前記像担持体の表面に加える前記線圧としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10N/m〜100N/mが好ましく、10N/m〜50N/mがより好ましい。前記線圧が10N/m〜100N/mであると、前記トナーが前記当接部と前記被清掃部材との間のすり抜けるクリーニング不良が発生しにくくなるとともに、前記弾性部材の捲れを抑制しやすくすることができる。
なお、前記線圧は、例えば、共和電業株式会社製の小型圧縮型ロードセルを組み込んだ測定装置を用いて測定することができる。
前記弾性部材の前記当接部が当接する位置における前記被清掃部材の接線と、前記弾性部材における前記自由端の端面とがなす角度(以下、「クリーニング角度θ」という)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、65°〜85°であることが好ましい。
前記クリーニング角度θが65°〜85°であると、前記弾性部材の捲れの発生を抑制しやすくなるとともに、クリーニング不良の発生を低減しやすくすることができる。
<その他の工程及びその他の手段>
前記その他の工程としては、例えば、潤滑剤供給工程、除電工程、リサイクル工程、制御工程、などが挙げられる。
前記その他の手段としては、例えば、潤滑剤供給手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段、などが挙げられる。
−潤滑剤塗布工程及び潤滑剤供給手段−
前記潤滑剤塗布工程は、前記像担持体の表面に潤滑剤を塗布する工程であり、前記潤滑剤供給手段により行われる。
−除電工程及び除電手段−
前記除電工程は、前記像担持体に対し除電バイアス電圧を印加して除電を行う工程であり、前記除電手段により行われる。
前記除電手段としては、前記像担持体に対し除電バイアス電圧を印加することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
−リサイクル工程及びリサイクル手段−
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、前記リサイクル手段により行われる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知の搬送手段等が挙げられる。
−制御工程及び制御手段−
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により行われる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
−トナー−
前記トナーは、トナー母体粒子と、外添剤とを含み、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記トナーは、モノクロトナー及びカラートナーのいずれであってもよい。
前記トナー母体粒子は、少なくとも結着樹脂、及び着色剤を含み、必要に応じて、離型剤、帯電制御剤等のその他の成分を含んでなる。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、前記画像形成装置に着脱可能に備えられる装置(ユニット)である。本発明の前記クリーニング手段は、前記画像形成装置に固定されて備えられているのではなく、前記プロセスカートリッジに備えられている態様としてもよい。この場合、前記プロセスカートリッジは、前記像担持体と、前記帯電手段、前記露光手段、前記現像手段、及び前記転写手段の少なくともいずれかの手段と、前記クリーニング手段とを有してなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
ここで、本発明の画像形成装置の一例について図面を参照して説明する。
なお、下記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
図1は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略断面図である。
図1に示すように、画像形成装置500は、少なくとも光書込ユニット40、作像ユニット1、転写ユニット60、第1給紙カセット151及び第2給紙カセット152、定着ユニット80、トナーカートリッジ100を有してなり、さらに必要に応じて、その他の構成を有してなる。
前記潜像形成手段としての光書込ユニット40は、少なくともポリゴンミラー41を有し、さらに必要に応じて、その他の構成を有してなる。この光書込ユニット40は、画像形成装置500の中央付近に配置されており、画像情報に基づいてレーザ光Lを発する。
このレーザ光Lは、モータにより回転駆動するポリゴンミラー41を用いて偏光され、複数の光学レンズやミラーを介してイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記載することがある。)用の各作像ユニット1Y,1C,1M,1Kの感光体3Y,3C,3M,3Kに照射される。これにより、感光体3Y,3C,3M,3Kの表面に、Y,C,M,K用の静電潜像が形成される。
なお、前述のように前記光書込ユニットが前記レーザ光を前記作像ユニットに照射する構成のものに代えて、LEDアレイが前記作像ユニットに光走査を行う構成としてもよい。
作像ユニット1は、少なくとも4つの作像ユニット1Y,1C,1M,1Kを有し、さらに必要に応じて、その他の構成を有してなる。
この作像ユニット1Y,1C,1M,1Kは、光書込ユニット40の上方に配置され、少なくとも感光体3Y,3C,3M,3Kを有し、さらに必要に応じて、その他の構成を有してなり、光書込ユニット40により感光体3Y,3C,3M,3Kの表面にそれぞれ形成された静電潜像を各色のトナー像に現像する。
なお、4つの作像ユニット1Y,1C,1M,1Kは、前記静電潜像を前記トナー像に現像する画像形成物質として、互いに異なる色のY,C,M,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。
転写手段としての転写ユニット60は、少なくとも中間転写ベルト14、4つの1次転写ローラ7Y,7C,7M,7K、2次転写バックアップローラ66、駆動ローラ67、補助ローラ68、テンションローラ69、ベルトクリーニングユニット162、第1ブラケット63、第2ブラケット64を有し、さらに必要に応じて、その他の構成を有してなる。この転写ユニット60は、作像ユニット1の上方に配置され、感光体3Y,3C,3M,3Kの表面に形成された各色のトナー像を、無端状の中間転写ベルト14の表面に重ね合わせて転写し、4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像と称することがある。)を形成する。また、転写ユニット60は、感光体3Kのみを用いてモノクロのトナー像を形成することもできる。
中間転写ベルト14は、4つの1次転写ローラ7Y,7C,7M,7K、2次転写バックアップローラ66、駆動ローラ67、補助ローラ68、テンションローラ69の8つのローラ部材に張架されながら、駆動ローラ67の駆動により図1中反時計回りに回転(無端移動)する。また、中間転写ベルト14には、トナーの極性(例えば、正極性)とは逆の極性(例えば、負極性)の転写バイアス電圧が裏面(ループ内側)に印加されている。
4つの1次転写ローラ7Y,7C,7M,7Kは、感光体3Y,3C,3M,3Kと無端移動する中間転写ベルト14を挟持することにより、それぞれ1次転写ニップを形成している。
中間転写ベルト14の無端移動に伴い、Y,C,M,K用の前記1次転写ニップを順次通過していく過程において、中間転写ベルト14には、静電気力によりそのおもて面(ループ外側)に、感光体3Y,3C,3M,3Kの表面のY,C,M,Kトナー像が重ね合わされて1次転写される。これにより、中間転写ベルト14の表面に前記4色トナー像が形成される。
前記4色トナー像は、転写ユニット60により第1給紙カセット151又は第2給紙カセット152から供給された記録媒体Pに転写される。
2次転写バックアップローラ66は、無端状の中間転写ベルト14が形成するループ外側に配置された2次転写ローラ70との間に中間転写ベルト14を挟み込んで2次転写ニップを形成している。
前述したレジストローラ対55は、ローラ間に挟み込んだ記録媒体Pを、無端移動する中間転写ベルト14に1次転写された前記4色トナー像に同期させ得るタイミングで、前記2次転写ニップに向けて搬送する。
中間転写ベルト14の表面の前記4色トナー像は、2次転写バイアス電圧を印加された2次転写ローラ70と2次転写バックアップローラ66との間に形成される2次転写電界や、ニップ圧の影響により、前記2次転写ニップで記録媒体Pに一括して2次転写される。すると、前記4色トナー像は、記録媒体Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。
ベルトクリーニングユニット162は、ベルトクリーニングブレード162aを有している。このベルトクリーニングユニット162は、駆動ローラ67の近傍に配置されており、ベルトクリーニングブレード162aを中間転写ベルト14のおもて面に当接させ、中間転写ベルト14の表面の前記転写残トナーを掻き取って除去するものである。
第1ブラケット63は、モノクロ画像を形成する場合に用いられ、1次転写ローラ7Y,7C,7Mの水平方向に位置するように配置されている。この第1ブラケット63は、図示しないソレノイドの駆動のオンオフに伴って、補助ローラ68の回転軸を中心にして所定の回転角度で回動するようになっている。
画像形成装置500は、モノクロ画像を形成して出力する場合には、前記ソレノイドの駆動により第1ブラケット63を図1中反時計回りに少しだけ回動させる。すると、補助ローラ68の回転軸を中心にしてY,C,M用の1次転写ローラ7Y,7C,7Mが図1中反時計回りに同時に回動することにより、中間転写ベルト14をY,C,M用の感光体3Y,3C,3Mから離間させることができる。これにより、モノクロ画像形成時にY,C,M用の作像ユニット1を無駄に駆動させることによる作像ユニット1を構成する各部材の消耗を回避することができる。
そして、4つの作像ユニット1Y,1C,1M,1Kのうち、K用の作像ユニット1Kだけを駆動して、モノクロ画像を形成する。
第1給紙カセット151及び第2給紙カセット152は、光書込ユニット40の下方に鉛直方向に重なるように配置され、少なくとも第1給紙ローラ151a、第2給紙ローラ152a、給紙路153、搬送ローラ対154、レジストローラ対55を有し、さらに必要に応じて、その他の構成を有してなる。
これらの給紙カセット内には、それぞれ、記録媒体Pが複数枚重ねられた紙束の状態で収容されており、一番上の記録媒体Pには、第1給紙ローラ151a、第2給紙ローラ152aがそれぞれ当接している。第1給紙ローラ151aが図示しない駆動手段により図1中反時計回りに回転駆動すると、第1給紙カセット151内の一番上の記録媒体Pが、第1給紙カセット151の図1中右側方向において鉛直方向に延在するように配置された給紙路153に向けて排出される。また、第2給紙ローラ152aが図示しない駆動手段により図1中反時計回りに回転駆動すると、第2給紙カセット152内の一番上の記録媒体Pが、給紙路153に向けて排出される。
給紙路153内には、複数の搬送ローラ対154が配置されている。複数の搬送ローラ対154は、給紙路153に搬送された記録媒体Pを給紙路153に沿って図1中鉛直方向に搬送する。
レジストローラ対55は、給紙路153の搬送方向における搬送ローラ対154の下流側に配置されており、搬送ローラ対154により搬送されてきた記録媒体Pをローラ間に挟み込むと同時に両ローラの回転を一旦停止させる。一旦停止させた後、レジストローラ対55は、記録媒体Pを適切なタイミングで、2次転写バックアップローラ66と、中間転写ベルト14のループ外側に配置された2次転写ローラ70との間に中間転写ベルト14を挟み込んで形成している2次転写ニップに搬送する。
前記2次転写ニップに搬送された記録媒体Pは、中間転写ベルト14に形成された前記4色トナー像を転写ユニット60により転写され、定着ユニット80に搬送される。
定着ユニット80は、前記2次転写ニップの上方に配置され、少なくとも加熱ローラ83、テンションローラ85、駆動ローラ86、定着部材たる定着ベルト84、加圧加熱ローラ81、図示しない温度センサ及び定着電源回路等を有し、さらに必要に応じて、その他の構成を有してなる。この定着ユニット80は、記録媒体Pに転写された前記4色トナー像を加熱及び加圧により定着させる。
加熱ローラ83、テンションローラ85及び駆動ローラ86は、無端状の定着ベルト84を張架し、図1中反時計回り方向に無端移動させる。この無端移動の過程で、定着ベルト84は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加熱ローラ83により裏面側から加熱される。
加圧加熱ローラ81は、定着ベルト84の加熱ローラ83への掛け回し箇所で定着ベルト84を介して加熱ローラ83と当接し、図1中時計回り方向に回転駆動する。これにより、加圧加熱ローラ81と定着ベルト84とが当接する定着ニップが形成されている。なお、この加圧加熱ローラ81は、加熱ローラ83と同様に、発熱源を内包している。
図示しない温度センサは、無端状の定着ベルト84のループ外側であって、定着ベルト84のおもて面と所定の間隙を介して対向するように配置されており、前記定着ニップに進入する直前の定着ベルト84の表面温度を検知する。この検知結果は、図示しない定着電源回路に送信される。前記定着電源回路は、前記温度センサによる検知結果に基づいて、加熱ローラ83に内包される発熱源、及び加圧加熱ローラ81に内包される発熱源に対する電源の供給をオンオフ制御する。
このように構成された定着ユニット80内に、前記2次転写ニップを通過した記録媒体Pが中間転写ベルト14から分離した後に搬送される。定着ユニット80は、前記定着ニップで挟持して図1中鉛直方向に搬送する過程で、搬送された記録媒体Pに、加熱及び加圧することによりフルカラートナー像を定着させる。
フルカラートナー像の定着処理が行われた記録媒体Pは、排紙ローラ対87により搬送された後、画像形成装置500本体の筺体の上面に形成されたスタック部88へと排出される。このスタック部88には、排出された記録媒体Pが順次スタックされる。
トナーカートリッジ100は、少なくともトナーカートリッジ100Y,100C,100M,100Kを有し、さらに必要に応じて、その他の構成を有してなる。このトナーカートリッジ100は、転写ユニット60の上方に配置されている。また、トナーカートリッジ100Y,100C,100M,100Kには、Y,C,M,Kトナーを収容されている。これらのY,C,M,Kトナーは、作像ユニット1Y,1C,1M,1Kの現像装置5Y,5C,5M,5Kに適宜供給される。
なお、これらのトナーカートリッジ100Y,100C,100M,100Kは、作像ユニット1Y,1C,1M,1Kとは独立しており、画像形成装置500に着脱可能に配置されている。
図2は、本発明の画像形成装置の一例における作像ユニットを示す概略断面図である。
図2に示すように、作像ユニット1は、少なくとも感光体3、帯電ローラ4、現像装置5、1次転写ローラ7、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10、及び不図示の除電ランプ等を有し、さらに必要に応じて、その他の構成を有してなる。
像担持体としての感光体3の周囲には、帯電ローラ4、現像装置5、1次転写ローラ7、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10、及び不図示の除電ランプ等が配置されている。
なお、図2では感光体3をドラム状の形状としたが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。
帯電ローラ4は、感光体3に所定の距離を持って非接触で配置され、帯電手段としての帯電装置が備える帯電部材である。この帯電ローラ4は、感光体3を所定の極性、所定の電位に帯電するものである。帯電ローラ4によって一様帯電された感光体3の表面には、図1で示した光書込ユニット40から画像情報に基づいてレーザ光Lが照射され静電潜像が形成される。
前記帯電装置としては、帯電ローラ4を感光体3に近接させた非接触の近接配置方式であるが、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)を始めとする公知の構成を用いることができる。これらの帯電方式のうち、特に接触帯電方式、あるいは非接触の近接配置方式がより望ましく、帯電効率が高くオゾン発生量が少ない、装置の小型化が可能である等のメリットを有する。
現像装置5は、感光体3の表面に形成された静電潜像をトナー像に現像する現像手段である。この現像装置5は、現像剤担持体としての現像ローラ51を有している。
現像ローラ51には、図示しない電源から現像バイアス電圧が印加されるようになっている。現像装置5のケーシング内には、現像剤が収容されており、前記現像剤を互いに逆方向に搬送しながら攪拌する供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53が設けられている。また、現像ローラ51に担持された前記現像剤を規制するためのドクタ54が設けられている。供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53の2本のスクリュによって撹拌及び搬送された前記現像剤中のトナーは、所定の極性に帯電される。そして、前記現像剤は、現像ローラ51の表面に汲み上げられた後、ドクタ54により規制され、感光体3と対向する現像領域でトナーが感光体3の表面に形成された静電潜像に付着し、前記静電潜像をトナー像に現像する。
1次転写ローラ7は、感光体3の表面の前記トナー像を中間転写ベルト14に転写する1次転写手段としての1次転写装置が備える1次転写部材である。
クリーニング装置6は、前記トナー像を中間転写ベルト14に転写した後の感光体3の表面に残留する前記トナー等の残留物をクリーニングするクリーニング手段である。このクリーニング装置6は、クリーニングブレード62を有し、さらに必要に応じて、その他の構成を有してなる。
クリーニングブレード62は、図3に示すように、感光体3の回転方向に対してカウンタ方向で感光体3に当接している。クリーニングブレード62は、金属や硬質プラスチック等の剛性材料からなる平板状の支持部材621と、平板状の弾性部材622とで構成されている。支持部材621の一端側は、接着剤などにより弾性部材622が固定されており、支持部材621の他端側は、クリーニング装置6のケースに片持ち支持されている。なお、クリーニングブレード62の詳細については後述する。
潤滑剤塗布装置10は、クリーニング装置6がクリーニングした後の感光体3の表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段である。
潤滑剤塗布装置10は、ファーブラシ101、固形潤滑剤103、潤滑剤加圧スプリング103a、ブラケット103bを有している。
固形潤滑剤103は、ブラケット103bに保持されながら、潤滑剤加圧スプリング103aによりファーブラシ101に向かう方向に付勢されている。
ファーブラシ101は、固形潤滑剤103を感光体3の表面に塗布する塗布ブラシであり、感光体3の回転方向に対して連れまわり方向に回転することにより固形潤滑剤103が削られ、感光体3の表面に潤滑剤を塗布する。ファーブラシ101が感光体3に潤滑剤を塗布することにより、感光体3の表面における摩擦係数は、非画像形成時に0.2以下に維持される。
不図示の除電ランプは、クリーニング後の感光体3の表面を除電する除電手段である。
前記画像形成装置500に用いるトナーとしては、画質向上の点から、高円形化、小粒径化がし易い懸濁重合法、乳化重合法、又は分散重合法により製造された重合トナーを用いることが好ましい。これらの中でも、高解像度の画像を形成する点から、平均円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5μm以下の重合トナーを用いることが好ましい。
次に、画像形成装置500における画像形成動作について図1及び図2を参照して説明する。
まず、図示しない操作部などからプリント実行の信号を受信すると、帯電ローラ4及び現像ローラ51にそれぞれ所定の電圧又は電流が順次所定のタイミングで印加される。同様に、光書込ユニット40及び除電ランプなどの光源にもそれぞれ所定の電圧又は電流が順次所定のタイミングで印加される。また、これと同期して、駆動手段としての感光体駆動モータ(不図示)により感光体3が図2中矢印方向に回転駆動される。
感光体3が図2中矢印Rで示す回転方向に駆動すると、まず、帯電ローラ4は、感光体3の表面を所定の電位に一様帯電する。そして、光書込ユニット40から画像情報に対応したレーザ光Lが感光体3の表面に照射され、感光体3の表面のレーザ光Lが照射された部分が除電されて静電潜像が形成される。
前記静電潜像が形成された感光体3の表面は、現像装置5との対向部で現像ローラ51の表面に形成された現像剤の磁気ブラシによって摺擦される。このとき、現像ローラ51に印加された所定の現像バイアス電圧により、現像ローラ51の表面の負帯電トナーが前記静電潜像側に移動するため、前記静電潜像はトナー像に現像される。
各作像ユニット1において、同様の作像プロセスが実行され、各作像ユニット1Y,1C,1M,1Kの各感光体3Y,3C,3M,3Kの表面に各色の前記トナー像が形成される。
このように、画像形成装置500では、感光体3の表面に形成された前記静電潜像は、現像装置5によって、負極性に帯電されたトナーにより反転現像される。本実施形態では、N/P(ネガポジ:電位が低い所にトナーが付着する)の非接触帯電ローラ方式を用いた例について説明したが、これに限るものではない。
各感光体3Y,3C,3M,3Kの表面に形成された各色の前記トナー像は、中間転写ベルト14の表面で重なるように、順次1次転写される。これにより、中間転写ベルト14の表面に前記4色トナー像が形成される。
中間転写ベルト14に形成された前記4色トナー像は、第1給紙カセット151又は第2給紙カセット152から給紙され、レジストローラ対55のローラ間を経て、前記2次転写ニップに給紙される記録媒体Pに転写される。このとき、記録媒体Pは、レジストローラ対55に挟まれた状態で一旦停止し、前記4色トナー像が形成されている中間転写ベルト14と同期しながら2次転写ニップに供給される。前記4色トナー像が転写された記録媒体Pは中間転写ベルト14から分離され、定着ユニット80へ搬送される。記録媒体Pを搬送された定着ユニット80は、熱と圧力の作用で前記4色トナー像を記録媒体Pに定着させる。前記4色トナー像が定着された記録媒体Pは、画像形成装置500の上面に設けられたスタック部88に排出され、載置される。
一方、2次転写ニップで記録媒体Pにトナー像を転写した中間転写ベルト14の表面は、ベルトクリーニングユニット162によって表面の転写残トナーが除去される。
また、前記1次転写ニップで中間転写ベルト14に各色のトナー像を転写した感光体3の表面は、クリーニング装置6によって転写後の残留トナーが除去され、潤滑剤塗布装置10によって潤滑剤が塗布された後、図示しない除電ランプで除電される。
画像形成装置500の作像ユニット1は、図2に示すように感光体3、プロセス手段として帯電ローラ4、現像装置5、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10などが枠体2に収められている。そして、作像ユニット1は、プロセスカートリッジとして画像形成装置500本体から着脱可能となっている。
なお、画像形成装置500では、作像ユニット1がプロセスカートリッジとしての感光体3とプロセス手段とを一体とする構成としているが、それに限られることなく、感光体3と、帯電ローラ4と、現像装置5と、クリーニング装置6と、潤滑剤塗布装置10とを一体とする構成としてもよい。
次に、本発明のクリーニングブレードの一例について図面を参照して説明する。
図4は、本発明のクリーニングブレードの一例を示す斜視図である。
図4に示すように、クリーニングブレード62は、支持部材621と、前記支持部材に一端が連結され、他端に所定長さの自由端部を有する平板状の弾性部材622とからなり、弾性部材622の自由端側の一端である当接部62cが感光体3の表面に長手方向に沿って当接するように配置されている。
弾性部材622としては、感光体3の偏心や感光体3の表面の微小なうねりなどに追従できるように、高い反発弾性率を有するものが好ましく、ポリウレタンゴムなどが好適である。前記弾性部材のJIS−A硬度は65度〜80度が好ましい。また、前記弾性部材のJIS K6255規格に準拠した反発弾性率は、23℃で75%以下が好ましい。
弾性部材622の像担持体表面に当接する当接部62cは、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する硬化性組成物の硬化物を含んでいる。前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の中でも、トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物又はアダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
高画質化を目的として球形トナーを用いる場合、従来のゴムのみからなるクリーニングブレードを用いると、クリーニングブレードと像担持体である感光体ドラムとの僅かな隙間に入り込んで、やがてその隙間をすり抜けてクリーニング不良が生じることがある。
前記トナーのすり抜けを抑えるには、前記感光体ドラムと前記クリーニングブレードとの当接圧を高めてクリーニング能力を高める必要がある。
しかし、前記クリーニングブレードの前記感光体ドラムに対する当接圧(線圧)を高めると、前記感光体ドラムと前記クリーニングブレードとの摩擦力が高まることにより、図5Aに示すように、クリーニングブレード62が感光体ドラム21の回転方向に引っ張られて、クリーニングブレード62の当接部62cが捲れてしまう。この捲れたクリーニングブレード62が、その捲れに抗して原形状態に復元する際に異音が発生することがある。
さらに、クリーニングブレード62の当接部62cが捲れた状態でクリーニングをし続けると、図5Bに示すように、クリーニングブレード62の先端面62aに局所摩耗が生じてしまう。
このような状態で、更にクリーニングを続けると、前記局所的な摩耗が大きくなり、最終的には、図5Cに示すように、当接部62cが欠損してしまう。当接部62cが欠損してしまうと、トナーを正常にクリーニングできなくなり、クリーニング不良を生じてしまうという問題があった。本発明のクリーニングブレードは、このような問題を解消するものである。
図6は、本発明のクリーニングブレードの当接部近傍の拡大図である。
図6に示すように、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する硬化性組成物を弾性部材622の当接部62cに含浸させた後、紫外線を照射することにより、含浸部分62bに前記硬化性組成物の硬化物を含む構造となる。このため、当接部62cの硬度が高くなり、耐久性の向上が図れるとともに、弾性部材622が感光体3の回転方向に変形する捲れを抑制することができる。また、弾性部材622の当接部62cが経時により摩耗した場合であっても、当接部62cが含浸部分62bに前記硬化性組成物の硬化物を含む構造であるため、弾性部材622の変形を抑制することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
<弾性部材のJIS−A硬度>
弾性部材のJIS−A硬度は、JIS K6253に従い、高分子計器株式会社製マイクロゴム硬度計MD−1を用いて測定した。なお、2層構造の弾性部材については、各層の表面からそれぞれ測定を行った。
<弾性部材の反発弾性率>
弾性部材の反発弾性率は、JIS K6255に従い、株式会社東洋精機製作所製レジリエンステスタ(No.221)を用いて測定した。測定試料は、厚みが少なくとも4mm以上となるように平均厚み1.8mmのシートを重ね合わせたものとした。
<弾性部材のマルテンス硬さ及び弾性仕事率>
前記弾性部材の前記マルテンス硬さ及び前記弾性仕事率は、株式会社フィッシャー・インストルメンツ製微小硬度計HM−2000を用い、ビッカース圧子を最大荷重が1.0mNとなるように10秒間で押し込み、5秒間保持し、1.0mNの力を10秒間で抜き、測定を行った。測定試料は、後述により作製した弾性部材であり、前記弾性部材の板面が水平になる治具を用いて測定した。測定位置については、前記弾性部材の板面上であって、前記端部の先端から、前記先端と対向する端部に向かう方向に20μmの位置とした。
<トナーの平均円形度>
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(商品名:FPIA−2000、シスメックス株式会社製)により計測した。具体的には、容器中の予め不純固形物を除去した水100mL〜150mL中に、分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1mL〜0.5mL加え、更に測定試料(トナー)を0.1g〜0.5g程度加えた。その後、このトナーが分散した懸濁液を、超音波分散器で1分間〜3分間分散処理し、分散液の濃度が3,000個/μL〜10,000個/μLとなるようにしたものを前記分析装置にセットして、トナーの形状及び分布を測定した。そして、この測定結果に基づき、図7Aに示す実際のトナー投影形状の外周長をC1、その投影面積をSとし、この投影面積Sと同じ図7Bに示す真円の外周長をC2としたときのC2/C1を求め、その平均値を平均円形度とした。
<トナーの体積平均粒径>
トナーの体積平均粒径は、コールターカウンター法によって求めた。具体的には、コールターマルチサイザー2e型(ベックマン・コールター社製)によって測定したトナーの個数分布や体積分布のデータを、インターフェイス(日科機社製)を介してパーソナルコンピューターに送って解析した。より詳しくは、1級塩化ナトリウムを用いた1質量%NaCl水溶液を電解液として用意した。そして、この電解水溶液100mL〜150mL中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1mL〜5mL加えた。更に、これに被検試料としてのトナーを2mg〜20mg加え、超音波分散器で1分間〜3分間分散処理した。そして、別のビーカーに電解水溶液100mL〜200mLを入れ、その中に分散処理後の溶液を所定濃度になるように加えて、前記コールターマルチサイザー2e型にかけた。
アパーチャーとしては、100μmのものを用い、50,000個のトナー粒子の粒径を測定する。チャンネルとしては、2.00μm以上2.52μm未満;2.52μm以上3.17μm未満;3.17μm以上4.00μm未満;4.00μm以上5.04μm未満;5.04μm以上6.35μm未満;6.35μm以上8.00μm未満;8.00μm以上10.08μm未満;10.08μm以上12.70μm未満;12.70μm以上16.00μm未満;16.00μm以上20.20μm未満;20.20μm以上25.40μm未満;25.40μm以上32.00μm未満;32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上32.0μm以下のトナー粒子を対象とした。
そして、「体積平均粒径=ΣXfV/ΣfV」という関係式に基づいて、体積平均粒径を算出した。ただし、「X」は各チャンネルにおける代表径、「V」は各チャンネルの代表径における相当体積、「f」は各チャンネルにおける粒子個数である。
(製造例1)
−弾性部材1の作製−
特開2011−141449号公報の参考例として記載の、単層のクリーニングブレードの作製方法を参照して、寸法が11.5mm×32.6mmの平板状であって、表1に示す物性値を有する単層構造の弾性部材1を得た。
得られた弾性部材1は、JIS−A硬度が78度であり、反発弾性率が54%であった。
(製造例2)
−弾性部材2の作製−
特開2011−141449号公報の実施例1に記載のクリーニングブレードの作製方法を参照して、寸法が11.5mm×32.6mmの平板状であって、表1に示す物性値を有する2層構造の弾性部材2を得た。
得られた弾性部材2は、JIS−A硬度が第1層側は87度、第2層側は72度であり、反発弾性率が25%であった。
(調製例1)
−硬化性組成物1の調製−
下記の組成から、常法により硬化性組成物1を調製した。
・下記構造式で表されるトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(商品名:A−DCP、新中村化学工業株式会社製、官能基数2、分子量304)・・・80質量部
・重合開始剤(商品名:イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)・・・0.08質量部
・溶媒(シクロヘキサノン)・・・20質量部
(調製例2)
−硬化性組成物2の調製−
下記の組成から、常法により硬化性組成物2を調製した。
・上記構造式で表されるトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(商品名:A−DCP、新中村化学工業株式会社製、官能基数2、分子量304)・・・80質量部
・重合開始剤(商品名:イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)・・・0.8質量部
・溶媒(シクロヘキサノン)・・・20質量部
(調製例3)
−硬化性組成物3の調製−
下記の組成から、常法により硬化性組成物3を調製した。
・上記構造式で表されるトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(商品名:A−DCP、新中村化学工業株式会社製、官能基数2、分子量304)・・・80質量部
・重合開始剤(商品名:イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)・・・1.6質量部
・溶媒(シクロヘキサノン)・・・20質量部
(調製例4)
−硬化性組成物4の調製−
下記の組成から、常法により硬化性組成物4を調製した。
・上記構造式で表されるトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(商品名:A−DCP、新中村化学工業株式会社製、官能基数2、分子量304)・・・80質量部
・重合開始剤(商品名:イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)・・・2.4質量部
・溶媒(シクロヘキサノン)・・・20質量部
(調製例5)
−硬化性組成物5の調製−
下記の組成から、常法により硬化性組成物5を調製した。
・上記構造式で表されるトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(商品名:A−DCP、新中村化学工業株式会社製、官能基数2、分子量304)・・・80質量部
・重合開始剤(商品名:イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)・・・4質量部
・溶媒(シクロヘキサノン)・・・20質量部
(調製例6)
−硬化性組成物6の調製−
下記の組成から、常法により硬化性組成物6を調製した。
・上記構造式で表されるトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(商品名:A−DCP、新中村化学工業株式会社製、官能基数2、分子量304)・・・80質量部
・重合開始剤(商品名:イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)・・・8質量部
・溶媒(シクロヘキサノン)・・・20質量部
(調製例7)
−硬化性組成物7の調製−
下記の組成から、常法により硬化性組成物7を調製した。
・下記構造式で表されるペンタエリスリトールトリアクリレート(ダイセルサイテック社製、PETIA、官能基数3、分子量298)・・・50質量部
・重合開始剤(商品名:イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)・・・1.5質量部
・溶媒(シクロヘキサノン)・・・50質量部
(調製例8)
−硬化性組成物8の調製−
下記の組成から、常法により硬化性組成物8を調製した。
・下記構造式で表される1,3−アダマンタンジメタノールジアクリレート(商品名:X−A−201、出光興産株式会社製、官能基数2、分子量304)・・・80質量部
・重合開始剤(商品名:イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)・・・1.6質量部
・溶媒(シクロヘキサノン)・・・20質量部
<トナーの製造例>
重合法により、平均円形度が0.98、体積平均粒径が4.9μmのトナー母体粒子を作製した。得られたトナー母体粒子100質量部に対し、小粒径のシリカ微粒子(商品名:H2000、クラリアント株式会社製)1.5質量部、小粒径の酸化チタン微粒子(商品名:MT−150AIテイカ株式会社製)0.5質量部、及び大粒径のシリカ微粒子(商品名:UFP−30H、電気化学工業株式会社製)をヘンシェルミキサーで撹拌混合し、トナーを作製した。
(実施例1)
<クリーニングブレード1の作製>
弾性部材1の板面における長辺の端部であって、前記端部の端面から2mmの部分を、硬化性組成物1の固形分濃度が50質量%となるように溶媒(シクロヘキサノン)で希釈した液中に30分間含浸させた後、3分間風乾した。風乾後、内部に配置されている光源を通過させながら紫外線照射するベルトコンベア型紫外線照射装置(商品名:ECS−1511U、アイグラフィックス社製)を用いて、前記光源の出力を176W/cm、かつコンベアスピードを0.8m/minとし、前記ベルトコンベア型紫外線照射装置を通過させる回数を5パス(5回通過)させた。次に、熱乾燥機を用いて機内温度100℃で15分間乾燥を行った。
硬化処理後の弾性部材1を、前記支持部材としての板金ホルダーに接着剤により固定し、クリーニングブレード1を作製した。
次に、前記作製したクリーニングブレード1を、カラー複合機(商品名:imagio MP C5001、株式会社リコー製)に、所定の前記線圧及び前記クリーニング角度θで取り付けた。なお、前記線圧及び前記クリーニング角度θは、クリーニングブレードのサンプル種によって異なる。
前記カラー複合機(商品名:imagio MP C5001、株式会社リコー製)に、前記トナーを搭載して、21℃で65%RHの環境下、画像面積率5%のチャート(A4サイズ横)を3プリント/ジョブで、10,000枚の出力を行った後、以下のようにして、前記当接部の捲れ量、局所摩耗、クリーニング性、及びフィルミングを評価した。結果を表3に示した。
<当接部の捲れ量>
前記当接部の捲れ量の測定方法は、以下のように行った。
まず、前記像担持体の表面層に用いられる、ポリカーボネートを含む硬化性組成物を、ガラス板(寸法:150mm×110mm、平均厚み:4mm、表面処理:ITO膜処理)の板面に塗布して硬化する。前記ガラス板に対して、クリーニングブレード1を前述した所定の前記線圧及び前記クリーニング角度θで固定した。
次に、前記カラー複写機における前記像担持体の回転方向の線速と同等の線速で前記ガラス板を摺動させ、前記当接部の当接状態を前記ガラス板の裏面からCCDカメラ(商品名:CM−5、株式会社ニコン製)により観察し、その画像を出力した。出力した前記画像に基づいて、前記ガラス板に接触している前記当接部の摺動方向における長さを捲れ量として測定した。
<局所磨耗>
前記10,000枚の出力を行った後、前記当接部を含む前記端面の局所磨耗の有無を、株式会社キーエンス製マイクロスコープVHX−100を用いて観察し、以下の基準で評価した。
〔評価基準〕
○ :局所磨耗なし
△ :局所磨耗が存在するが、最大径が1μm以下と小さいもの
× :局所磨耗が存在し、最大径が1μm以上と大きいもの
<クリーニング性>
前記10,000枚の出力を行った後、縦帯パターン(紙進行方向に対して)43mm幅、3本チャートの評価時画像(A4サイズ横)を20枚出力した後の出力画像を目視観察し、以下の基準でクリーニング性を評価した。なお、異常画像とは、印刷画像にスジ又は帯状に現れる画像や白ポチ画像であり、異常画像がないことはクリーニング性が良好であることを意味する。
〔評価基準〕
○:異常画像なし
×:異常画像あり
<耐フィルミング性>
前記10,000枚の出力を行った後、前記像担持体の表面におけるフィルミングの有無を目視観察し、以下の基準で評価した。
〔評価基準〕
○ :フィルミングなし
△ :一部に軽度のフィルミングあり
× :全面にフィルミングあり
(実施例2)
−クリーニングブレード2の作製−
実施例1において、表2に示すように硬化性組成物の重合開始剤の量を変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2のクリーニングブレード2を作製した。
得られたクリーニングブレード2について、実施例1と同様にして、前記当接部の捲れ量、局所摩耗、クリーニング性、及び耐フィルミング性を評価した。結果を表3に示した。
(実施例3)
−クリーニングブレード3の作製−
実施例2において、表2に示すように前記硬化性組成物の含浸時間を変えた以外は、実施例2と同様にして、実施例3のクリーニングブレード3を作製した。
得られたクリーニングブレード3について、実施例1と同様にして、前記当接部の捲れ量、局所摩耗、クリーニング性、及び耐フィルミング性を評価した。結果を表3に示した。
(実施例4)
−クリーニングブレード4の作製−
実施例1において、表2に示すように硬化性組成物の重合開始剤の量と、前記硬化性組成物の含浸時間とを変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例4のクリーニングブレード4を作製した。
得られたクリーニングブレード4について、実施例1と同様にして、前記当接部の捲れ量、局所摩耗、クリーニング性、及び耐フィルミング性を評価した。結果を表3に示した。
(実施例5)
−クリーニングブレード5の作製−
実施例1において、表2に示すように硬化性組成物の重合開始剤の量を変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例5のクリーニングブレード5を作製した。
得られたクリーニングブレード5について、実施例1と同様にして、前記当接部の捲れ量、局所摩耗、クリーニング性、及び耐フィルミング性を評価した。結果を表3に示した。
(実施例6)
−クリーニングブレード6の作製−
実施例1において、表2に示すように硬化性組成物の重合開始剤の量と、前記硬化性組成物の含浸時間とを変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例6のクリーニングブレード6を作製した。
得られたクリーニングブレード6について、実施例1と同様にして、前記当接部の捲れ量、局所摩耗、クリーニング性、及び耐フィルミング性を評価した。結果を表3に示した。
(実施例7)
−クリーニングブレード7の作製−
実施例1において、表2に示すように硬化性組成物No.7に代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例7のクリーニングブレード7を作製した。
得られたクリーニングブレード7について、実施例1と同様にして、前記当接部の捲れ量、局所摩耗、クリーニング性、及び耐フィルミング性を評価した。結果を表3に示した。
(実施例8)
−クリーニングブレード8の作製−
実施例1において、表2に示すように硬化性組成物No.8に代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例8のクリーニングブレード8を作製した。
得られたクリーニングブレード8について、実施例1と同様にして、前記当接部の捲れ量、局所摩耗、クリーニング性、及び耐フィルミング性を評価した。結果を表3に示した。
(実施例9)
−クリーニングブレード9の作製−
実施例1において、表2に示すように弾性部材2に代え、硬化性組成物の重合開始剤の量を変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例9のクリーニングブレード9を作製した。なお、2層構造の弾性部材2は、前述したように物性の異なる第1層及び第2層の2種の弾性体を一体成形したものであり、高硬度である第1層側に前記当接部が位置するようにした。
得られたクリーニングブレード9について、実施例1と同様にして、前記当接部の捲れ量、局所摩耗、クリーニング性、及び耐フィルミング性を評価した。結果を表3に示した。
(比較例1)
−クリーニングブレード10の作製−
実施例1において、表2に示すように前記硬化性組成物を含浸させずに弾性部材1のまま使用した以外は、実施例1と同様にして、比較例1のクリーニングブレード10を作製した。
得られたクリーニングブレード10について、実施例1と同様にして、前記当接部の捲れ量、局所摩耗、クリーニング性、及び耐フィルミング性を評価した。結果を表3に示した。
(比較例2)
−クリーニングブレード11の作製−
実施例1において、表2に示すように硬化性組成物の重合開始剤の量と、前記硬化性組成物の含浸時間とを変えた以外は、実施例1と同様にして、比較例2のクリーニングブレード11を作製した。
得られたクリーニングブレード11について、実施例1と同様にして、前記当接部の捲れ量、局所摩耗、クリーニング性、及び耐フィルミング性を評価した。結果を表3に示した。
(比較例3)
−クリーニングブレード12の作製−
比較例2において、表2に示すように前記硬化性組成物の含浸時間を変えた以外は、比較例2と同様にして、比較例3のクリーニングブレード12を作製した。
得られたクリーニングブレード12について、比較例2と同様にして、前記当接部の捲れ量、局所摩耗、クリーニング性、及び耐フィルミング性を評価した。結果を表3に示した。
(比較例4)
−クリーニングブレード13の作製−
実施例1において、表2に示すように硬化性組成物の重合開始剤の量と、前記硬化性組成物の含浸時間とを変えた以外は、実施例1と同様にして、比較例4のクリーニングブレード13を作製した。
得られたクリーニングブレード13について、実施例1と同様にして、前記当接部の捲れ量、局所摩耗、クリーニング性、及び耐フィルミング性を評価した。結果を表3に示した。
(比較例5)
−クリーニングブレード14の作製−
比較例4において、表2に示すように前記硬化性組成物の含浸時間を変えた以外は、比較例4と同様にして、比較例5のクリーニングブレード14を作製した。
得られたクリーニングブレード14について、比較例4と同様にして、前記当接部の捲れ量、局所摩耗、クリーニング性、及び耐フィルミング性を評価した。結果を表3に示した。
表3の結果から、実施例1〜9は、前記弾性部材の前記当接部が、前記硬化性組成物の硬化物を含み、前記弾性部材の板面上であって、前記端部の先端から、前記先端と対向する端部に向かう方向に20μmの測定位置のマルテンス硬さが2N/mm〜10N/mmであり、かつ弾性仕事率が60%〜85%であることにより、前記当接部の捲れが抑制され、長期にわたって弾性部材の局所摩耗の発生を低減させるとともに、良好なクリーニング性及び耐フィルミング性を得ることができることがわかった。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 平板状弾性部材のいずれかの端部に硬化性組成物の硬化物を含み、
前記平板状弾性部材の板面上であって、前記端部の先端から、前記先端と対向する端部に向かう方向に20μmの測定位置で、
マルテンス硬さが2N/mm〜10N/mmであり、かつ弾性仕事率が60%〜85%であることを特徴とするクリーニングブレードである。
<2> 前記硬化性組成物が、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する前記<1>に記載のクリーニングブレードである。
<3> 前記硬化性組成物が、トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物、及びアダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物から選択される少なくとも1種を含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載のクリーニングブレードである。
<4> 前記平板状弾性部材が、JIS−A硬度の異なる2種類以上の平板状弾性体を一体成形してなる積層物である前記<1>から<3>のいずれかに記載のクリーニングブレードである。
<5> 像担持体と、前記像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記像担持体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナー像に現像する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された前記トナー像を定着させる定着手段と、前記像担持体と当接し、前記像担持体の表面に残留するトナーを除去するクリーニングブレードとを有し、
前記クリーニングブレードが、前記<1>から<4>のいずれかに記載のクリーニングブレードであることを特徴とする画像形成装置である。
<6> 像担持体と、前記像担持体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記像担持体の表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナー像に現像する現像手段、及び前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段の少なくともいずれかの手段と、前記像担持体と当接し、前記像担持体の表面に残留するトナーを除去するクリーニングブレードとを有し、
前記クリーニングブレードが、前記<1>から<4>のいずれかに記載のクリーニングブレードであることを特徴とするプロセスカートリッジである。
1 作像ユニット
3 感光体
4 帯電ローラ
5 現像装置
6 クリーニング装置
7 1次転写ローラ
14 中間転写ベルト
60 転写ユニット
62 クリーニングブレード
62a 先端面
62b 含浸部分
62c 当接部
500 画像形成装置
621 支持部材
622 弾性部材
P 記録媒体
特開2010−152295号公報

Claims (6)

  1. 平板状弾性部材のいずれかの端部に硬化性組成物の硬化物を含み、
    前記平板状弾性部材の板面上であって、前記端部の先端から、前記先端と対向する端部に向かう方向に20μmの測定位置で、
    マルテンス硬さが2N/mm〜10N/mmであり、かつ弾性仕事率が60%〜85%であることを特徴とするクリーニングブレード。
  2. 前記硬化性組成物が、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する請求項1に記載のクリーニングブレード。
  3. 前記硬化性組成物が、トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物、及びアダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物から選択される少なくとも1種を含有する請求項1から2のいずれかに記載のクリーニングブレード。
  4. 前記平板状弾性部材が、JIS−A硬度の異なる2種類以上の平板状弾性体を一体成形してなる積層物である請求項1から3のいずれかに記載のクリーニングブレード。
  5. 像担持体と、前記像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記像担持体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナー像に現像する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された前記トナー像を定着させる定着手段と、前記像担持体と当接し、前記像担持体の表面に残留するトナーを除去するクリーニングブレードとを有し、
    前記クリーニングブレードが、請求項1から4のいずれかに記載のクリーニングブレードであることを特徴とする画像形成装置。
  6. 像担持体と、前記像担持体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記像担持体の表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナー像に現像する現像手段、及び前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段の少なくともいずれかの手段と、前記像担持体と当接し、前記像担持体の表面に残留するトナーを除去するクリーニングブレードとを有し、
    前記クリーニングブレードが、請求項1から4のいずれかに記載のクリーニングブレードであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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