JP2018155955A - クリーニングブレード、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

クリーニングブレード、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】捲れ及び摩耗を防止でき、クリーニング性が良好なクリーニングブレードの提供。
【解決手段】 被清掃部材の表面に当接して、前記被清掃部材に付着した残留物を除去する弾性部材を有するクリーニングブレードであって、
前記クリーニングブレードの下記測定条件による原子間力顕微鏡(AFM)による測定結果が、特定の条件を満たすクリーニングブレードである。
測定条件:AFMのタッピングモードを用いた粘弾性分布から得られた位相像を、構成成分の硬さに基づき2値化し、硬い部分の割合を算出する。2値化においては、256階調の輝度の位相像に対して輝度が100の部分を閾値とする。
【選択図】図9

Description

本発明は、クリーニングブレード、画像形成装置、及びプロセスカートリッジに関する。
従来、電子写真式の画像形成装置では、画像形成工程により、記録媒体(転写紙)又は中間転写体へトナー像を転写した後の感光体などの像担持体表面に付着した不必要な転写残トナーは、クリーニング手段によって除去されている。
前記クリーニング手段として、一般的に、構成を簡単にでき、クリーニング性能も優れていることから、短冊形状のクリーニングブレードを用いたものがよく知られている。このクリーニングブレードは、ポリウレタンゴムなどの弾性体で構成されている。そして、クリーニングブレードの基端を支持部材で支持して先端稜線部を像担持体の周面に押し当て、像担持体上に残留するトナーをせき止めて掻き落として除去している。
また、近年の高画質化の要求に応えるべく、重合法等により形成された小粒径で球形に近いトナー(以下、重合トナー)を用いた画像形成装置が知られている。この重合トナーは、従来の粉砕トナーに比べて転写効率が高いなどの特徴があり、この要求に応えることが可能である。
しかし、ポリウレタンゴムなど単一のゴム材料から成るクリーニングブレードは、像担持体との摺擦により当接部が比較的簡単に摩耗してしまい、その摩耗が進むと、当接部がめくれ、変形し、その部分からトナーがすり抜け結果的にクリーニング不良が発生することがある。
そこで、弾性部材の当接部に紫外線硬化性樹脂を含む表面層を設けて、当接部の硬度を高めて、当接部の捲れや変形を防止することが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
しかし、画像形成装置を使用する際には、装置内は高温になることから、クリーニング不良が発生する場合もあり、さらなる耐摩耗性の向上、クリーニング不良の抑制が望まれている。
本発明は、捲れ及び摩耗を防止でき、クリーニング性が良好なクリーニングブレードを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
本発明のクリーニングブレードは、
被清掃部材の表面に当接して、前記被清掃部材に付着した残留物を除去する弾性部材を有するクリーニングブレードであって、
前記クリーニングブレードの下記測定条件による原子間力顕微鏡(AFM)による測定結果が、下記条件1及び2を満たすことを特徴とする。
測定条件:AFMのタッピングモードを用いた粘弾性分布から得られた位相像を、構成成分の硬さに基づき2値化し、硬い部分の割合を算出する。2値化において、256階調の輝度の位相像に対して輝度が100の部分を閾値とする。
条件1:前記被清掃部材の表面に当接する当接辺から前記当接辺の厚み方向に2μm内側の面において、硬い部分の割合が、前記面全体に対して、55%〜80%である。
条件2:前記被清掃部材の表面に当接する当接辺から前記当接辺の厚み方向に10μm内側の面において、硬い部分の割合が、前記面全体に対して、10%〜32%である。
本発明によると、捲れ及び摩耗を防止でき、クリーニング性が良好なクリーニングブレードを提供することができる。
図1Aは、クリーニングブレードの当接部がめくれた状態を示す概略断面図である。 図1Bは、クリーニングブレードの先端面に局所的な摩耗を生じた状態を示す概略断面図である。 図1Cは、クリーニングブレードの当接部が欠落した状態を示す概略断面図である。 図2は、本発明のクリーニングブレードが像担持体の表面に当接している状態を示す概略断面図である。 図3は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略断面図である。 図4は、図3の画像形成装置における作像ユニットを示す概略断面図である。 図5は、実施例において作製したクリーニングブレードの概略図である。 図6は、実施例1の当接辺の厚み方向に2μm内側の面における、AFMの位相像である。 図7は、実施例1の当接辺の厚み方向に10μm内側の面における、AFMの位相像である。 図8は、実施例1の当接辺の厚み方向に30μm内側の面における、AFMの位相像である。 図9は、実施例1の当接辺の厚み方向に2μm、10μm、及び30μm内側の面における、AFMの位相像を2値化したときの、硬い部分の割合を比較したグラフである。
(クリーニングブレード)
本発明のクリーニングブレードは、被清掃部材の表面に当接して、前記被清掃部材に付着した残留物を除去する弾性部材を有する。被清掃部材の表面に当接する部分のことを、当接部(先端稜線部)とも称する。また、前記被清掃部材とクリーニングブレードが線の状態で当接する場合、当接する部分のことを、「当接辺」とも称する。
ここで、前記当接部が前記被清掃部材の表面に当接すると、前記当接部のみではなく、前記当接部を含む面(板面)と、前記当接部を含む端面とが前記被清掃部材の表面に当接するため、前記当接部の近傍における前記当接部を含む板面及び前記当接部を含む端面をあわせて「当接部」と称することもある。また、前記当接部を含む端面を「先端面」と称することもある。
従来のポリウレタンゴム製のクリーニングブレード62(図1A)は、像担持体123とクリーニングブレード62との摩擦力が高まり、クリーニングブレード62が像担持体123の移動方向に引っ張られて、クリーニングブレード62の当接部(先端稜線部)62cが捲れてしまう。更に、クリーニングブレード62の当接部62cが捲れた状態でクリーニングをし続けると、図1Bに示すように、クリーニングブレード62の先端面62aの当接部62cから数μm離れた箇所に局所的な摩耗Xが生じてしまう。
このような状態で、更にクリーニングを続けると、前記局所的な摩耗Xが大きくなり、最終的には、図1Cに示すように、当接部62cが欠落してしまう。このように当接部62cが欠落してしまうと、さらに摩擦力が高まりクリーニング不良が発生するという問題があった。
なお、図1A〜図1C中62bは、クリーニングブレードの下面(B面)である。
特開2010−152295号公報には、低摩擦処理された弾性ブレードに、この弾性ブレードよりも硬い紫外線硬化樹脂により弾性ブレードの当接部が覆われた構成のクリーニングブレードが記載されている。前記低摩擦処理された弾性ブレードとは、ウレタンゴムなどの弾性部材に対し、イソシアネート化合物、フッ素化合物、及びシリコーン化合物から選ばれる少なくとも1種を含浸処理したものである。
また、特開2013−218277号公報には、弾性ブレードの当接部近傍に紫外線硬化樹脂を含浸させ、以下の2箇所にそれぞれ弾性ブレードよりも硬い表面層を設けたクリーニングブレードが記載されている。
・当接部を一辺に有し、被清掃部材と対向するブレード下面の少なくとも当接部付近
・当接部を一辺に有し、弾性ブレードの厚み方向に平行な当接面の少なくとも当接部付近
このクリーニングブレードは、弾性ブレード先端部を先端面の幅と同じ深さで紫外線硬化樹脂に浸漬させ、先端面と、ブレート下面と、ブレード上面(ブレード下面と向かい合った面)とに紫外線硬化樹脂を含浸させている。
これらのクリーニングブレードは、弾性ブレードよりも固い表面層を設けることで当接部の硬度を高くすることにより、当接部を像担持体の表面移動方向に変形するのを抑制できる。また、経時使用で表面層が摩耗して弾性ブレードの当接部が露出した場合も、弾性ブレードの含浸部分が像担持体表面に当接することにより、弾性ブレードと像担持体との間で生じる摩擦力が低減され、露出した部分が変形するのを抑制できる。これにより、当接部のめくれを抑制するとともに、クリーニングブレードの耐摩耗性を高めて、経時におけるクリーニング不良を抑制することができるとされている。
しかし、これらのクリーニングブレードは、当接部だけではなく、当接部より内部まで硬度が高かったため、クリーニングブレードが変形せず、局所摩耗及び欠けが発生しやすいという問題があった。
そこで、本発明者らは、紫外線硬化型アクリルモノマーをウレタンゴムなどの弾性ブレードに含浸させたクリーニングブレードの含浸条件を中心とした製造条件を改良することを検討した。その結果、当接辺(先端部)全体に紫外線硬化型アクリルモノマーを完全に含浸させ、内部にいくにつれて含浸度合いを急激に減少させて、クリーニングブレード先端部分の弾性率を、内部の弾性率よりも極端に高くすることにより、局所摩耗を抑え、クリーニング性を向上できることを見出した。
この改良されたクリーニングブレードにおいては、外部(当接辺周辺部、先端部)の特性としては、例えば、以下のことが挙げられる。
外部の特徴
・先端が均一に硬い。
・従来よりも先端だけが硬くなっている状態になっている。
・先端のみ低摩擦になっている。
上記の特徴を有していることから、異音を抑制でき、摩耗の発生度合いも少なく、トナーのすり抜けや欠けを防止できる。
また、内部の特性としては、例えば、以下のことが挙げられる。
・ウレタンゴム由来の柔らかい特性を維持できている。
・従来と同様の柔軟性を保ったままクリーニングを行うことができる。
本発明のクリーニングブレードは、上記の特徴を両方有していることから、クリーニング不良を従来よりも抑制する事ができる。
クリーニングブレードの先端部分の弾性率と、内部の弾性率との違いは、原子間力顕微鏡(以下、「AFM」とも称する)により検証する事ができる。
本発明のクリーニングブレードは、原子間力顕微鏡(AFM)のタッピングモードを測定し、測定面の固さに基づき、位相像を2値化した際に、以下の条件1及び2を満たす。
測定条件:AFMのタッピングモードを用いた粘弾性分布から得られた位相像を、構成成分の硬さに基づき2値化し、硬い部分の割合を算出する。2値化において、256階調の輝度の位相像に対して輝度が100の部分を閾値とする。
条件1:前記被清掃部材の表面に当接する当接辺から前記当接辺の厚み方向に2μm内側の面において、硬い部分の割合が、前記面全体に対して、55%〜80%である。
条件2:前記被清掃部材の表面に当接する当接辺から前記当接辺の厚み方向に10μm内側の面において、硬い部分の割合が、前記面全体に対して、10%〜32%である。
原子間力顕微鏡におけるタッピングモードとは、Surface Science Letter,290,668(1993)に記載されている方法である。
位相像とは、例えば、Polymer,35,5778(1994)、Macromolecules,28,6773(1995)などに以下のような説明が記載されている。測定の際に、カンチレバーを振動させながら、試料表面の形状を測定する。このとき、試料表面の粘弾性的性質により、カンチレバーを振動元であるドライブと、実際の振動との間に位相差が生じる。この位相差をマッピングしたものが位相像である。
位相像のコントラストの条件は、装置の種類によって異なる。そこで、本発明において、位相像のコントラストはBruker社製のDimension Iconを用いて取得することとする。この装置を用いて測定した場合、位相像において、明るいコントラストほどその成分が硬い、又は吸着が小さいというように解釈できる。
原子間力顕微鏡により得られた位相像に対して、画像処理ソフトImageJを用いてコントラストの2値化(明るい部分と暗い部分とを行う事により、測定した部分における、硬い部分の割合(硬い位相成分のカバー率)を定量的に算出することができる。上記の位相像を取得する装置においては、明るい像ほど、硬いまたは吸着が少ないことを意味するため、解析した画像では、測定部位における硬い成分の量を求めることができる。
本発明において、位相像をBruker社製のAFMにより取得しているため、画像解析(2値化)は、Bruker社製のNanoscopeAnalysysを用いて、この解析ソフトにおいて表示されたコントラストのオートスケールのデフォルトのコントラストにて、画像処理を行った結果とする。なお、位相像において、硬い成分ほど輝度が高くなるというAFM位相像の性質から、AFM画像において特定の輝度を閾値に設定して2値化処理を行う。今回、輝度を256階調で測定した場合に、輝度が100になる部分を閾値として設定して、画像処理ソフトImageJを用いて明暗部を分ける2値化処理を行った。
<条件1について>
本発明者らが検討した結果、前記条件1を満たせば、摩耗及び捲れを抑えつつ、クリーニング性が良好になることを見出した。
前記当接辺から、前記当接辺の厚み方向に2μm内側の面における硬い部分の割合としては、55%〜80%であり、55%〜70%が好ましい。前記割合が、55%未満であると、捲れ及び摩耗を抑制できないこと、及びクリーニング性の悪化という不具合が発生することがあり、前記割合が、80%より大きいと、摩耗を抑制できないこと、及びクリーニング性の悪化という不具合が発生することがある。
前記条件1を満たすための方法としては、例えば、含浸時間を長くする方法などが挙げられる。
<条件2について>
本発明者らが検討した結果、前記条件2を満たせば、摩耗及び捲れを抑えつつ、クリーニング性が良好になることを見出した。
前記当接辺から前記当接辺の厚み方向に10μm内側の面における硬い部分の割合としては、10%〜32%であり、15%〜25%が好ましい。前記割合が、10%未満であると、捲れ及び摩耗を抑制できないこと、及びクリーニング性の悪化という不具合が発生することがあり、前記割合が、32%より大きいと、摩耗を抑制できないこと、及びクリーニング性の悪化という不具合が発生することがある。
前記条件2を満たすための方法としては、例えば、内部まで含浸しにくいアクリル樹脂を使用して含浸する方法などが挙げられる。
<AFMフォースカーブ法により測定した弾性率>
前記クリーニングブレードは、前記当接辺から前記当接辺の厚み方向に2μm内側の面における、AFMのフォースカーブ法で測定した場合の弾性率としては、600MPa〜900MPaが好ましく、700MPa〜800MPaがより好ましい。前記弾性率が、700MPa〜800MPaであると、捲れ及び摩耗をより防止することができる。
AFMのフォースカーブ測定は、プローブをサンプル表面に近づけて接触した際に、プローブにかかるしなりを測定する事により、弾性率を定量的に求める計測方法である。実際には、サンプルにプローブが数nm押し込まれ、プローブのしなりに伴う検出用のレーザーの検出中心からのズレを測定する事により、弾性率を定量化する。また、Bruker社製のDimension Iconを使用すれば、このフォースカーブ測定を2kHzの高速で連続に測定しながら弾性率のマッピングを得る事ができる。本発明においては、このマッピングデータから、ヒストグラムを算出し、ピークトップの値を弾性率として評価に用いる事にする。弾性率の値は標準試料の測定およびバネ定数、レバー感度、チップ先端径のキャリブレーションにより校正する事ができる。
本発明のクリーニングブレードは、上述した特徴を有しており、前記弾性部材を有し、更に必要に応じてその他の部材を有する。
<弾性部材>
前記弾性部材としては、その形状、材質、大きさ、構造などについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記弾性部材の形状としては、例えば、平板状、短冊状、シート状などが挙げられる。前記弾性部材の大きさとしては、特に制限はなく、前記被清掃部材の大きさに応じて適宜選択することができる。
前記弾性部材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高弾性が得られやすい点から、ポリウレタンゴム、ポリウレタンエラストマーなどが好適である。
前記弾性部材は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを用いてポリウレタンプレポリマーを調製し、該ポリウレタンプレポリマーに硬化剤、及び必要に応じて硬化触媒を加えて、所定の型内にて架橋し、炉内にて後架橋させたものを遠心成型によりシート状に成型後、常温放置、熟成したものを所定の寸法にて、平板状に裁断することにより製造される。
前記ポリオール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高分子量ポリオール、低分子量ポリオールなどが挙げられる。
前記高分子量ポリオールとしては、例えば、アルキレングリコールと脂肪族二塩基酸との縮合体であるポリエステルポリオール;エチレンアジペートエステルポリオール、ブチレンアジペートエステルポリオール、ヘキシレンアジペートエステルポリオール、エチレンプロピレンアジペートエステルポリオール、エチレンブチレンアジペートエステルポリオール、エチレンネオペンチレンアジペートエステルポリオール等のアルキレングリコールとアジピン酸とのポリエステルポリオール等のポリエステル系ポリオール;カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトンエステルポリオール等のポリカプロラクトン系ポリオール;ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール等のポリエーテル系ポリオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記低分子量ポリオールとしては、例えば、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキノン−ビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフエニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等の二価アルコール;1,1,1−トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、1,1,1−トリス(ヒドロキシエトキシメチル)プロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール等の三価又はそれ以上の多価アルコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフチレン1,5−ジイソシアネート(NDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記硬化触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾールなどが挙げられる。
前記硬化触媒の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜0.5質量%が好ましく、0.05質量%〜0.3質量%がより好ましい。
前記弾性部材のJIS−A硬度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、65度〜83度がより好ましい。前記JIS−A硬度が、好ましい範囲内であると、以下の不具合を防止できる。
・ブレード線圧が得られにくく、像担持体との当接部の面積が拡大しやすくなり、クリーニング不良が発生する不具合。
・硬くなりすぎて欠けが生じやすくなる不具合。
前記弾性部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、JIS−A硬度の異なる2種類以上のゴムを一体成型した積層物を用いることが、耐摩耗性と追随性を両立できる点で好ましい。
ここで、前記弾性部材のJIS−A硬度は、例えば、高分子計器株式会社製 マイクロゴム硬度計 MD−1などを用いて測定することができる。
前記弾性部材のJIS K6255規格に準拠した反発弾性率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、23℃で36%〜73%が好ましく、52%〜73%がより好ましい。前記反発弾性係数が、好ましい範囲内であると、以下の不具合を防止できる。
・弾性部材全体の柔軟性がなくなり、像担持体の振れや粗さに追従できなくなって、クリーニング不良が生じる不具合。
・反発が強くなりすぎてブレード鳴きが生じてしまう不具合。
ここで、前記弾性部材の反発弾性係数は、例えば、JIS K6255規格に準拠し、23℃において、株式会社東洋精機製作所製No.221レジリエンステスタを用いて測定することができる。
前記弾性部材の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0mm〜3.0mmが好ましい。
前記弾性部材は、当接辺を含む面(板面)に、硬化性化合物の硬化物を含有することが好ましい。
前記硬化性化合物としては、例えば、紫外線硬化性化合物、熱硬化性化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<紫外線硬化性化合物>>
前記紫外線硬化性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
前記(メタ)アクリレート化合物の中でも、分子内に脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物、及び官能基当量分子量350以下、官能基数3〜6の(メタ)アクリレート化合物が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記分子内に脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物は、分子内に嵩高い特殊な脂環構造を有しているので、官能基数が少なく、かつ分子量が小さい(メタ)アクリレート化合物を用いることができるので、前記弾性部材の当接部に含浸されやすく、前記当接部の硬度を効率よく向上させることができる。
前記分子内に脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の脂環構造の炭素数としては、6以上が好ましく、6〜12がより好ましく、8〜10が更に好ましい。前記炭素数が、好ましい範囲内であると、以下の不具合を防止できる。
・当接部の硬度が弱くなる不具合
・立体障害が起きる不具合
前記分子内に脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の官能基数は、2以上が好ましく、2以上6以下がより好ましく、2以上4以下が好ましい。前記官能基数が、好ましい範囲内であると、以下の不具合を防止できる。
・当接部の硬度が弱くなる不具合
・立体障害が起きる不具合
前記分子内に脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の分子量は、450以下であることが好ましい。前記分子量が450以下であると、分子サイズが大きくなるため弾性部材に含浸しにくくなり、高硬度化が困難となる不具合を防止できる。
前記分子内に脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、官能基が少なくても特殊な環状構造により架橋点の不足を補うことができる点から、トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物、及びアダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
前記トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレートなどが挙げられる。
前記トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、商品名:A−DCP(新中村化学工業株式会社製)などが挙げられる。
前記アダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,3−アダマンタンジメタノールジアクリレート、1,3−アダマンタンジメタノールジメタクリレートなどが挙げられる。
官能基当量分子量350以下、官能基数3〜6の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ペンタエリスリトール・トリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどが挙げられる。
なお、官能基数とは、分子内の官能基数を意味し、官能基当量分子量とは、官能基あたりの分子量を意味する。
前記紫外線硬化性化合物には、これらに加えて、前記第一の領域及び前記第二の領域の平均厚みを薄くし、トナー付着を抑制するできること、及び製膜性を向上させることができる点から、フッ素系(メタ)アクリレート化合物を更に含有することが好ましい。
前記フッ素系(メタ)アクリレート化合物としては、パーフルオロポリエーテル骨格を有するものが好ましく、パーフルオロポリエーテル骨格を有し、官能基数が2以上であるものがより好ましい。
前記フッ素系(メタ)アクリレート化合物としては、市販品を使用することができ、前記市販品としては、例えば、OPTOOL DAC−HP(ダイキン工業株式会社製)、メガファックRS−75(DIC株式会社製)、ビスコートV−3F(大阪有機化学工業株式会社)などが挙げられる。
<<熱硬化性化合物>>
前記熱硬化性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記弾性部材と同じ化合物である点から、イソシアネート化合物が好ましい。
前記イソシアネート化合物としては、例えば、分子中に2個のイソシアネート基を有する化合物、分子中に3個以上のイソシアネート基を有する化合物、及びこれらの誘導体、変性体、多量体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、分子中に2個のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物が好ましい。
分子中に2個のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、m−フェニレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4',4''−トリフェニルメタントリイソシアネート、2,4',4''−ビフェニルトリイソシアネート、2,4,4''−ジフェニルメタントリイソシアネートなどが挙げられる。
<<その他の成分>>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光重合開始剤、重合禁止剤、希釈剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−光重合開始剤−
前記光重合開始剤としては、光のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、重合を開始させるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤などが挙げられる。これらの中でも、光ラジカル重合開始剤が特に好ましい。
前記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アルキルアミン化合物などが挙げられる。
前記光ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、べンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光ラジカル重合開始剤としては、市販品を用いることができ、前記市販品としては、例えば、イルガキュア 651、イルガキュア 184、DAROCUR 1173、イルガキュア 2959、イルガキュア 127、イルガキュア 907、イルガキュア 369、イルガキュア 379、DAROCUR TPO、イルガキュア 819、イルガキュア 784、イルガキュア OXE 01、イルガキュア OXE 02、イルガキュア 754(以上、BASFジャパン社製);Speedcure TPO(Lambson社製);KAYACURE DETX−S(日本化薬株式会社製);Lucirin TPO、LR8893、LR8970(以上、BASF社製);ユベクリルP36(UCB社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記紫外線硬化性化合物の全量に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましい。
−重合禁止剤−
前記重合禁止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、p−メトキシフェノール、クレゾール、t−ブチルカテコール、ジ−t−ブチルパラクレゾール、ヒドロキノンモノメチルエーテル、α−ナフトール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール化合物;p−ベンゾキノン、アントラキノン、ナフトキノン、フェナンスラキノン、p−キシロキノン、p−トルキノン、2,6−ジクロロキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジアセトキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジカプロキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジアシロキシ−p−ベンゾキノン、ヒドロキノン、2,5−ジ−ブチルヒドロキノン、モノ−t−ブチルヒドロキノン、モノメチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン等のキノン化合物;フェニル−β−ナフチルアミン、p−ベンジルアミノフェノール、ジ−β−ナフチルパラフェニレンジアミン、ジベンジルヒドロキシルアミン、フェニルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等のアミン化合物;ジニトロベンゼン、トリニトロトルエン、ピクリン酸等のニトロ化合物;キノンジオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム化合物;フェノチアジン等の硫黄化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−希釈剤−
前記希釈剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等のケトン系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒;エタノール、プロパノール、1−ブタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール系溶媒などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<被清掃部材>
前記被清掃部材としては、その材質、形状、構造、大きさ等について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記被清掃部材の形状としては、例えば、ドラム状、ベルト状、平板状、シート状などが挙げられる。前記被清掃部材の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常用いられる程度の大きさが好ましい。
前記被清掃部材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、金属、プラスチック、セラミックなどが挙げられる。
前記被清掃部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記クリーニングブレードを画像形成装置に適用した場合には、例えば、像担持体(以下、「感光体」とも称する)などが挙げられる。
<残留物>
前記残留物としては、被清掃部材表面に付着しており、前記クリーニングブレードの除去対象となるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トナー、潤滑剤、無機微粒子、有機微粒子、ゴミ、埃又はこれらの混合物などが挙げられる。
<その他の部材>
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、支持部材などが挙げられる。
<<支持部材>>
前記支持部材としては、その形状、大きさ、及び材質等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記支持部材の形状としては、例えば、平板状、短冊状、シート状などが挙げられる。前記支持部材の大きさとしては、特に制限はなく、前記被清掃部材の大きさに応じて適宜選択することができる。
前記支持部材の材質としては、例えば、金属、プラスチック、セラミックなどが挙げられる。これらの中でも、強度の点から金属板が好ましく、ステンレススチール等の鋼板、アルミニウム板、リン青銅板が特に好ましい。
<クリーニングブレードの製造方法>
本発明のクリーニングブレードの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記弾性部材に前記硬化性化合物を含浸させ、硬化処理を行うことにより製造できる。含浸させる際に、含浸する時間を調節する、硬化性化合物を溶解できる溶剤で一度含浸した前記硬化性化合物を除去するなどして含浸された量を調節するなどして、前記条件1及び2を満たすように製造する。
前記硬化処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紫外線の照射、加熱などによる処理などが挙げられる。これらの中でも、紫外線の照射による処理が好ましい。
紫外線を照射する装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記装置の内部に紫外線の光源が設けられ、コンベア等の搬送手段により被硬化物を搬送しながら紫外線を照射する装置などが挙げられる。
前記紫外線の光源としては、前記重合開始剤に対応するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ランプ、紫外線発光半導体素子などが挙げられる。
前記ランプとしては、例えば、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプなどが挙げられ、市販品を使用することができる。前記市販品としては、例えば、ヘレウス株式会社製のHバルブ、Dバルブ、Vバルブなどが挙げられる。
前記紫外線発光半導体素子としては、紫外線発光ダイオードや紫外線発光半導体レーザなどが挙げられる。
前記紫外線の種類としては、前記第1の硬化性組成物に含有させる後述する重合開始剤に対応するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、200nm〜400nmの紫外線、遠紫外線、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線又はイオンビームなどが挙げられる。
前記硬化性組成物を硬化するために使用する紫外線の照射条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、積算光量が500mJ/cm以上25,000mJ/cm以下が好ましい。
より具体的には、前記硬化性組成物が、前記(メタ)アクリレート化合物と、前記重合開始剤として市販品のBASF社製のイルガキュア(登録商標)184とを含有する場合、被照射物を搬送して、内部に配置されている前記光源を通過させながら紫外線照射するベルトコンベア型紫外線照射装置(ECS−1511U、アイグラフィックス社製)を用いて、前記光源の出力を176W/cmとし、かつコンベアスピードを0.8m/minとした照射条件では、前記ベルトコンベア型紫外線照射装置を通過させる回数を1パス(1回通過)以上5パス(5回通過)以下が好ましい。
ここで、本発明におけるクリーニングブレードの一例について図面を参照して説明する。
なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。また、下記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好ましい数、位置、形状等にすることができる。
図2は、本発明のクリーニングブレードが感光体3の表面に当接している状態を示す概略断面図である。
図2に示すように、クリーニングブレード62は、金属や硬質プラスチック等の剛性材料からなる平板状の支持部材621と、平板状の弾性部材622とで構成されている。弾性部材622は、支持部材621の一端側に接着剤などにより固定されており、支持部材621の他端側は、クリーニング装置のケースに片持ち支持されている。
尚、本発明において、「被清掃部材に当接する当接辺を含む面」(以下、「被清掃部材に当接する当接辺を含む板面」、「ブレード下面」と称することがある)とは、図2において、被清掃部材の進行方向下流側Bと対向する面(当接辺を含む板面62b)を言い、「当接辺を含む先端面」(以下、「ブレード先端面」と称することがある)とは、図2において、62aで示される、被清掃部材の進行方向上流側Aと対向する面を言う。「当接辺を含む先端部」とは、当接辺62c、当接辺62c近傍の板面、及び先端面62aを含む領域をいう。
(画像形成装置及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、像担持体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段と、クリーニング手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有する。なお、前記帯電手段と前記露光手段とを合わせて静電潜像形成手段と称することもある。
本発明で用いられる画像形成方法は、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程と、クリーニング工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程を含む。なお、前記帯電工程と前記露光工程を合わせて静電潜像形成工程と称することもある。
本発明で用いられる画像形成方法は、本発明の前記画像形成装置により好適に実施することができ、前記帯電工程は前記帯電手段により行うことができ、前記露光工程は前記露光手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記クリーニング工程は前記クリーニング手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
<像担持体>
前記像担持体(以下、「電子写真感光体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。前記像担持体の形状としては、例えば、ドラム状、ベルト状などが挙げられる。前記像担持体の材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)などが挙げられる。
<帯電工程及び帯電手段>
前記帯電工程は、前記像担持体の表面を帯電させる工程であり、前記帯電手段により行われる。
前記帯電手段としては、前記像担持体の表面を帯電させることができるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器などが挙げられる。
前記帯電手段の形状としては、例えば、ローラ、磁気ブラシ、ファーブラシ等のどのような形態をとってもよく、電子写真方式の画像形成装置の仕様及び形態にあわせて選択可能である。磁気ブラシを用いる場合、磁気ブラシは、例えば、Zn−Cuフェライト等、各種フェライト粒子を帯電手段として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。又はブラシを用いる場合、例えば、ファーブラシの材質としては、カーボン、硫化銅、金属又は金属酸化物により導電処理されたファーを用い、これを金属又は他の導電処理された芯金に巻き付けたり、張り付けたりすることで帯電器とする。
前記帯電器は、前記のような接触式の帯電器に限定されるものではないが、帯電器から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られる利点がある。
前記帯電器が像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって像担持体表面を帯電するものが好ましい。
また、帯電器が、像担持体にギャップテープを有し非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって像担持体表面を帯電するものも好ましい。
<露光工程及び露光手段>
前記露光工程は、帯電された前記像担持体の表面を露光する工程であり、前記露光手段により行われる。前記露光は、例えば、前記露光手段を用いて前記像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光における光学系は、アナログ光学系とデジタル光学系とに大別される。前記アナログ光学系は、原稿を光学系により前記像担持体の表面に直接投影する光学系であり、前記デジタル光学系は、画像情報が電気信号として与えられ、前記電気信号を光信号に変換して像担持体を露光し作像する光学系である。
前記露光手段としては、帯電された前記像担持体を露光して静電潜像を形成することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
<現像工程及び現像手段>
前記現像工程は、前記静電潜像を前記トナー像に現像する工程であり、前記現像手段により行われる。
前記現像手段としては、前記静電潜像をトナー像に現像することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記トナーを収容し、前記静電潜像に前記トナーを接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像器は、乾式現像方式又は湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器又は多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナーを摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるものなどが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと、必要に応じてキャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により前記トナーが帯電し、回転する前記マグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。前記マグネットローラは、前記像担持体の近傍に配置されているため、前記マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、前記静電潜像の電気的な吸引力によって前記像担持体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が前記トナーにより現像されて前記像担持体の表面に前記トナー像が形成される。
前記現像器に収容させるトナーは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<転写工程及び転写手段>
前記転写工程は、前記トナー像を記録媒体に転写する工程であり、前記転写手段により行われる。
前記転写工程としては、例えば、中間転写体を用い、前記トナー像を前記中間転写体の表面に転写して複合転写像を形成する1次転写工程と、前記複合転写像を記録媒体に転写する2次転写工程とを含む態様が好ましい。
前記転写手段としては、前記トナー像を記録媒体に転写できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記トナー像を前記中間転写体の表面に転写して複合転写像を形成する1次転写手段と、前記複合転写像を記録媒体に転写する2次転写手段とを有する態様が好ましい。
前記1次転写手段及び前記2次転写手段としては、例えば、前記像担持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体に剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。
前記転写器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器などが挙げられる。前記転写器は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。
なお、前記記録媒体としては、現像後の未定着の前記トナー像を転写可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、代表的には普通紙であるが、例えば、OHP用のPETベース等も用いることができる。
<定着工程及び定着手段>
前記定着工程は、前記記録媒体に転写された前記トナー像を定着させる工程であり、前記定着手段により行われる。なお、2色以上のトナーを用いる場合は、各色のトナーが記録媒体に転写される毎に定着させてもよいし、全色のトナーが記録媒体に転写されて積層された状態で定着させてもよい。
前記定着手段としては、前記記録媒体に転写された前記トナー像を定着させることができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知の加熱加圧手段を用いた熱定着方式を採用することができる。
前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラを組合せたもの、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトを組合せたものなどが挙げられる。加熱温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80℃〜200℃が好ましい。なお、必要に応じて、前記定着手段とともに、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
<クリーニング工程及びクリーニング手段>
前記クリーニング工程は、前記像担持体の表面に残留する前記トナーを除去する工程であり、前記クリーニング手段により行われる。
前記クリーニング手段としては、本発明のクリーニングブレードが支持部材に固定されたものが用いられる。
前記弾性部材が前記像担持体の表面に加える前記線圧としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10N/m以上100N/m以下が好ましく、10N/m以上50N/m以下がより好ましい。前記線圧が10N/m以上100N/m以下であると、前記トナーが前記当接部と前記被清掃部材との間のすり抜けるクリーニング不良が発生しにくくなるとともに、前記弾性体の捲れを抑制しやすくすることができる。
なお、前記線圧は、例えば、共和電業株式会社製の小型圧縮型ロードセルを組み込んだ測定装置を用いて測定することができる。
前記弾性部材の前記当接部が当接する位置における前記被清掃部材の接線と前記弾性部材における自由端の先端面とがなす角(以下、「クリーニング角度」という)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、65°以上85°以下であることが好ましい。
前記クリーニング角度が65°以上85°以下であると、前記弾性部材のめくれの発生
を抑制しやすくなるとともに、クリーニング不良の発生を低減しやすくすることができる。
<その他の工程及びその他の手段>
前記その他の工程としては、例えば、除電工程、リサイクル工程、制御工程などが挙げられる。
前記その他の手段としては、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段などが挙げられる。
−除電工程及び除電手段−
前記除電工程は、前記像担持体に対し除電バイアス電圧を印加して除電を行う工程であり、前記除電手段により行われる。
前記除電手段としては、前記像担持体に対し除電バイアス電圧を印加することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除電ランプなどが挙げられる。
−リサイクル工程及びリサイクル手段−
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、前記リサイクル手段により行われる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知の搬送手段などが挙げられる。
−制御工程及び制御手段−
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により行われる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器などが挙げられる。
ここで、本発明の画像形成装置の一例について図面を参照して説明する。
図3は、本発明の画像形成装置500の一例を示す概略構成図である。この画像形成装置500は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記載することがある。)用の4つの作像ユニット1Y、1C、1M、1Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY、C、M、Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。
4つの作像ユニット1の上方には、中間転写体としての中間転写ベルト14を備える転写ユニット60が配置されている。詳細は後述する各作像ユニット1Y、1C、1M、1Kが備える感光体3Y、3C、3M、3Kの表面上に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト14の表面上に重ね合わせて転写される構成である。
また、4つの作像ユニット1の下方に光書込ユニット40が配設されている。潜像形成手段たる光書込ユニット40は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを、各作像ユニット1Y、1C、1M、1Kの感光体3Y、3C、3M、3Kに照射する。これにより、感光体3Y、3C、3M、3K上にY、C、M、K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット40は、光源から発したレーザ光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー41によって偏光させながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体3Y、3C、3M、3Kに照射するものである。前記構成のものに代えて、LEDアレイによる光走査を行うものを採用することもできる。
光書込ユニット40の下方には、第1給紙カセット151、第2給紙カセット152が鉛直方向に重なるように配設されている。これら給紙カセット内には、それぞれ、記録媒体Pが複数枚重ねられた紙束の状態で収容されており、一番上の記録媒体Pには、第1給紙ローラ151a、第2給紙ローラ152aがそれぞれ当接している。第1給紙ローラ151aが図示しない駆動手段によって図3中反時計回りに回転駆動すると、第1給紙カセット151内の一番上の記録媒体Pが、カセットの図3中右側方において鉛直方向に延在するように配設された給紙路153に向けて排出される。また、第2給紙ローラ152aが図示しない駆動手段によって図3中反時計回りに回転駆動すると、第2給紙カセット152内の一番上の記録媒体Pが、給紙路153に向けて排出される。
給紙路153内には、複数の搬送ローラ対154が配設されている。給紙路153に送り込まれた記録媒体Pは、これら搬送ローラ対154のローラ間に挟み込まれながら、給紙路153内を図3中下側から上側に向けて搬送される。
給紙路153の搬送方向下流側端部には、レジストローラ対55が配設されている。レジストローラ対55は、記録媒体Pを搬送ローラ対154から送られてくる記録媒体Pをローラ間に挟み込むとすぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、記録媒体Pを適切なタイミングで後述の二次転写ニップに向けて送り出す。
図4は、4つの作像ユニット1のうちの一つの構成を示す概略図である。
図4に示すように、作像ユニット1は、像担持体としてのドラム状の感光体3を備えている。感光体3はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。
感光体3の周囲には、帯電ローラ4、現像装置5、一次転写ローラ7、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10、及び不図示の除電ランプ等が配置されている。帯電ローラ4は、帯電手段としての帯電装置が備える帯電部材であり、現像装置5は、感光体3の表面上に形成された潜像をトナー像化する現像手段である。一次転写ローラ7は、感光体3の表面上のトナー像を中間転写ベルト14に転写する一次転写手段としての一次転写装置が備える一次転写部材である。クリーニング装置6は、トナー像を中間転写ベルト14に転写した後の感光体3上に残留するトナーをクリーニングするクリーニング手段である。潤滑剤塗布装置10は、クリーニング装置6がクリーニングした後の感光体3の表面上に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段である。不図示の除電ランプは、クリーニング後の感光体3の表面電位を除電する除電手段である。
帯電ローラ4は、感光体3に所定の距離を持って非接触で配置され、感光体3を所定の極性、所定の電位に帯電するものである。帯電ローラ4によって一様帯電された感光体3の表面は、潜像形成手段である光書込ユニット40から画像情報に基づいてレーザ光Lが照射され静電潜像が形成される。
現像装置5は、現像剤担持体としての現像ローラ51を有している。この現像ローラ51には、図示しない電源から現像バイアスが印加されるようになっている。現像装置5のケーシング内には、ケーシング内に収容された現像剤を互いに逆方向に搬送しながら攪拌する供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53が設けられている。また、現像ローラ51に担持された現像剤を規制するためのドクタ54も設けられている。供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53の二本スクリュによって撹拌及び搬送された現像剤中のトナーは、所定の極性に帯電される。そして、現像剤は、現像ローラ51の表面上に汲み上げられ、汲み上げられた現像剤は、ドクタ54により規制され、感光体3と対向する現像領域でトナーが感光体3上の潜像に付着する。
クリーニング装置6は、ファーブラシ101、クリーニングブレード62などを有している。クリーニングブレード62は、感光体3の表面移動方向に対してカウンタ方向で感光体3に当接している。なお、クリーニングブレード62の詳細については前述のとおりである。
潤滑剤塗布装置10は、固形潤滑剤103や潤滑剤加圧スプリング103a等を備え、固形潤滑剤103を感光体3上に塗布する塗布ブラシとしてファーブラシ101を用いている。固形潤滑剤103は、ブラケット103bに保持され、潤滑剤加圧スプリング103aによりファーブラシ101側に加圧されている。そして、感光体3の回転方向に対して連れまわり方向に回転するファーブラシ101により固形潤滑剤103が削られて感光体3上に潤滑剤が塗布される。感光体への潤滑剤塗布により感光体3の表面の摩擦係数が非画像形成時に0.2以下に維持される。
帯電装置は、帯電ローラ4を感光体3に近接させた非接触の近接配置方式であるが、帯電装置としては、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)を始めとする公知の構成を用いることができる。これらの帯電方式のうち、特に接触帯電方式、あるいは非接触の近接配置方式がより望ましく、帯電効率が高くオゾン発生量が少ない、装置の小型化が可能である等のメリットを有する。
光書込ユニット40のレーザ光Lの光源や除電ランプ等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザは照射エネルギーが高く、また600nm以上800nm以下の長波長光を有するため、良好に使用される。
図3に示す転写手段としての転写ユニット60は、中間転写ベルト14の他、ベルトクリーニングユニット162、第1ブラケット63、第2ブラケット64などを備えている。また、4つの一次転写ローラ7Y、7C、7M、7K、二次転写バックアップローラ66、駆動ローラ67、補助ローラ68、テンションローラ69なども備えている。中間転写ベルト14は、これら8つのローラ部材に張架されながら、駆動ローラ67の回転駆動によって図3中反時計回りに無端移動させられる。4つの一次転写ローラ7Y、7C、7M、7Kは、このように無端移動させられる中間転写ベルト14を感光体3Y、3C、3M、3Kとの間に挟み込んでそれぞれ一次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト14の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えば、プラス)の転写バイアスを印加する。中間転写ベルト14は、その無端移動に伴ってY、C、M、K用の一次転写ニップを順次通過していく過程で、そのおもて面に感光体3Y、3C、3M、3K上のY、C、M、Kトナー像が重ね合わせて一次転写される。これにより、中間転写ベルト14上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像と称することがある。)が形成される。
二次転写バックアップローラ66は、中間転写ベルト14のループ外側に配設された二次転写ローラ70との間に中間転写ベルト14を挟み込んで二次転写ニップを形成している。先に説明したレジストローラ対55は、ローラ間に挟み込んだ記録媒体Pを、中間転写ベルト14上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで、二次転写ニップに向けて送り出す。中間転写ベルト14上の4色トナー像は、二次転写バイアスが印加される二次転写ローラ70と二次転写バックアップローラ66との間に形成される二次転写電界や、ニップ圧の影響により、二次転写ニップ内で記録媒体Pに一括二次転写される。そして、記録媒体Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。
二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト14には、記録媒体Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、ベルトクリーニングユニット162によってクリーニングされる。なお、ベルトクリーニングユニット162は、ベルトクリーニングブレード162aを中間転写ベルト14のおもて面に当接させており、これによって中間転写ベルト14上の転写残トナーを掻き取って除去するものである。
転写ユニット60の第1ブラケット63は、図示しないソレノイドの駆動のオンオフに伴って、補助ローラ68の回転軸線を中心にして所定の回転角度で揺動するようになっている。画像形成装置500は、モノクロ画像を形成する場合には、前述のソレノイドの駆動によって第1ブラケット63を図3中反時計回りに少しだけ回転させる。この回転により、補助ローラ68の回転軸線を中心にしてY、C、M用の一次転写ローラ7Y、7C、7Mを図3中反時計回りに公転させることで、中間転写ベルト14をY、C、M用の感光体3Y、3C、3Mから離間させる。そして、4つの作像ユニット1Y、1C、1M、1Kのうち、K用の作像ユニット1Kだけを駆動して、モノクロ画像を形成する。これにより、モノクロ画像形成時にY、C、M用の作像ユニット1を無駄に駆動させることによる作像ユニット1を構成する各部材の消耗を回避することができる。
二次転写ニップの図3中上方には、定着ユニット80が配設されている。この定着ユニット80は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加圧加熱ローラ81と、定着ベルトユニット82とを備えている。定着ベルトユニット82は、定着部材たる定着ベルト84、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加熱ローラ83、テンションローラ85、駆動ローラ86、図示しない温度センサ等を有している。そして、無端状の定着ベルト84を加熱ローラ83、テンションローラ85及び駆動ローラ86によって張架しながら、図3中反時計回り方向に無端移動させる。この無端移動の過程で、定着ベルト84は加熱ローラ83によって裏面側から加熱される。このようにして加熱される定着ベルト84の加熱ローラ83への掛け回し箇所には、図3中時計回り方向に回転駆動される加圧加熱ローラ81がおもて面側から当接している。これにより、加圧加熱ローラ81と定着ベルト84とが当接する定着ニップが形成されている。
定着ベルト84のループ外側には、図示しない温度センサが定着ベルト84のおもて面と所定の間隙を介して対向するように配設されており、定着ニップに進入する直前の定着ベルト84の表面温度を検知する。この検知結果は、図示しない定着電源回路に送られる。定着電源回路は、温度センサによる検知結果に基づいて、加熱ローラ83に内包される発熱源や、加圧加熱ローラ81に内包される発熱源に対する電源の供給をオンオフ制御する。
上述した二次転写ニップを通過した記録媒体Pは、中間転写ベルト14から分離した後、定着ユニット80内に送られる。そして、定着ユニット80内の定着ニップに挟まれながら図3下側から上側に向けて搬送される過程で、定着ベルト84によって加熱され、押圧されることによりフルカラートナー像が記録媒体Pに定着される。
このようにして定着処理が施された記録媒体Pは、排紙ローラ対87のローラ間を経た後、画像形成装置外へと排出される。画像形成装置500本体の筺体の上面には、スタック部88が形成されており、排紙ローラ対87によって画像形成装置外に排出された記録媒体Pは、このスタック部88に順次スタックされる。
転写ユニット60の上方には、Y、C、M、Kトナーを収容する4つのトナーカートリッジ100Y、100C、100M、100Kが配設されている。トナーカートリッジ100Y、100C、100M、100K内のY、C、M、Kトナーは、作像ユニット1Y、1C、1M、1Kの現像装置5Y、5C、5M、5Kに適宜供給される。これらトナーカートリッジ100Y、100C、100M、100Kは、作像ユニット1Y、1C、1M、1Kとは独立して画像形成装置本体に脱着可能である。
次に、画像形成装置500における画像形成動作について説明する。
まず、図示しない操作部などからプリント実行の信号を受信すると、帯電ローラ4及び現像ローラ51にそれぞれ所定の電圧又は電流が順次所定のタイミングで印加される。同様に、光書込ユニット40及び除電ランプなどの光源にもそれぞれ所定の電圧又は電流が順次所定のタイミングで印加される。また、これと同期して、駆動手段としての感光体駆動モータ(不図示)により感光体3が図3中矢印方向に回転駆動される。
感光体3が図3中矢印方向に回転すると、まず、感光体3表面が、帯電ローラ4によって所定の電位に一様帯電される。そして、光書込ユニット40から画像情報に対応したレーザ光Lが感光体3上に照射され、感光体3表面上のレーザ光Lが照射された部分が除電され静電潜像が形成される。
静電潜像の形成された感光体3の表面は、現像装置5との対向部で現像ローラ51上に形成された現像剤の磁気ブラシによって摺擦される。このとき、現像ローラ51上の負帯電トナーは、現像ローラ51に印加された所定の現像バイアスによって、静電潜像側に移動し、トナー像化(現像)される。各作像ユニット1において、同様の作像プロセスが実行され、各作像ユニット1Y、1C、1M、1Kの各感光体3Y、3C、3M、3Kの表面上に各色のトナー像が形成される。
このように、画像形成装置500では、感光体3上に形成された静電潜像は、現像装置5によって、負極性に帯電されたトナーにより反転現像される。本実施形態では、N/P(ネガポジ:電位が低い所にトナーが付着する)の非接触帯電ローラ方式を用いた例について説明したが、これに限るものではない。
各感光体3Y、3C、3M、3Kの表面上に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト14の表面上で重なるように、順次一次転写される。これにより、中間転写ベルト14上に4色トナー像が形成される。
中間転写ベルト14上に形成された4色トナー像は、第1給紙カセット151又は第2給紙カセット152から給紙され、レジストローラ対55のローラ間を経て、二次転写ニップに給紙される記録媒体Pに転写される。このとき、記録媒体Pはレジストローラ対55に挟まれた状態で一旦停止し、中間転写ベルト14上の画像先端と同期を取って二次転写ニップに供給される。トナー像が転写された記録媒体Pは中間転写ベルト14から分離され、定着ユニット80へ搬送される。そして、トナー像が転写された記録媒体Pが定着ユニット80を通過することにより、熱と圧力の作用でトナー像が記録媒体P上に定着されて、トナー像が定着された記録媒体Pは画像形成装置500の外に排出され、スタック部88にスタックされる。
一方、二次転写ニップで記録媒体Pにトナー像を転写した中間転写ベルト14の表面は、ベルトクリーニングユニット162によって表面上の転写残トナーが除去される。
また、一次転写ニップで中間転写ベルト14に各色のトナー像を転写した感光体3の表面は、クリーニング装置6によって転写後の残留トナーが除去され、潤滑剤塗布装置10によって潤滑剤が塗布された後、除電ランプで除電される。
画像形成装置500の作像ユニット1は、図3に示すように感光体3と、プロセス手段として帯電ローラ4、現像装置5、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10などとが枠体2に収められている。そして、作像ユニット1は、プロセスカートリッジとして画像形成装置500本体から一体的に着脱可能となっている。画像形成装置500では、作像ユニット1がプロセスカートリッジとしての感光体3とプロセス手段とを一体的に交換するようになっているが、感光体3、帯電ローラ4、現像装置5、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10のような単位で新しいものと交換するような構成でもよい。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、像担持体と、前記像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
前記クリーニング手段としては、本発明の前記クリーニングブレードが用いられる。
前記プロセスカートリッジは、像担持体と、本発明の前記クリーニングブレードとを内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、及び除電手段の少なくとも1つの手段を具備し、画像形成装置に着脱可能とした装置(部品)である。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
<弾性部材の作製>
弾性部材としては、23[℃]における下記物性を示す平板状のポリウレタンゴム(東洋ゴム化工品株式会社製)を用いた。なお、下記の「硬度」とは、JIS−A硬度を指す。
・平均厚み 1.8mm
・サイズ 11.5mm×32.6mm
・硬度 76
・反発弾性率 36[%]
<弾性部材のJIS−A硬度>
なお、弾性部材のJIS−A硬度は、高分子計器株式会社製マイクロゴム硬度計MD−1を用い、JIS K6253に準じて測定した。
<弾性部材の反発弾性率>
弾性部材の反発弾性率は、株式会社東洋精機製作所製No.221レジリエンステスタを用い、JIS K6255に準じて測定した。測定試料は、厚みが4mm以上となるように厚み約2mmのシートを重ね合わせたものとした。なお、測定時は改質部以外の部分を測定した。
<硬化性組成物1の調製>
下記の組成の硬化性組成物1を、常法により調製した。
・下記構造式で表されるトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:A−DCP)・・50質量部
・重合開始剤(BASFジャパン社製、イルガキュア184)・・・2質量部
・溶剤 シクロヘキサノン・・・50質量部
(実施例1)
<クリーニングブレード1の作製>
感光体の表面に当接する弾性部材の先端面(図5の62aの面)を含むように、当接辺に対して垂直方向に3mmまでの部分を、硬化性組成物1が入った浸漬層に15分間浸漬した。この後、弾性部材の当接辺の片側の端部を0.5mm/秒の引き上げ速度で引き上げ、片側の端部が完全に硬化性組成物1の液面から出た後、引き上げていない方の弾性部材の当接辺の片側の端部を0.5mm/秒の引き上げ速度で引き上げた。次に、前記先端面を含むように、前記当接辺から4mmまでの部分を、シクロヘキサンが入った洗浄層に、1分間浸漬し、当接辺全体を洗浄槽から引き上げて1分間以内にスポンジでシクロヘキサンの拭き取りを行った。
次に、紫外線照射装置(アイグラフィックス株式会社製、ECS−1511U)を用いて紫外線照射(365nm波長で7,000mJ/cm)を行った。次いで、熱乾燥機を用いて機内温度100℃で15分間乾燥を行い、クリーニングブレード1を得た。
(実施例2)
実施例1において、硬化性組成物1を下記組成の硬化性組成物2に変更した以外は、実施例1と同様にして、クリーニングブレード2を作製した。
−硬化性組成物2の調製−
・2官能ウレタンアクリレート
(株式会社トクシキ製、商品名:AUP−819 分子量450)・・50質量部
・重合開始剤(BASFジャパン社製、イルガキュア184)・・・2質量部
・溶剤 シクロヘキサノン・・・50質量部
(実施例3)
実施例2において、硬化性組成物2の浸漬時間を30分間にした以外は、実施例2と同様にして、クリーニングブレード3を作製した。
(実施例4)
実施例1において、硬化性組成物1を下記硬化性組成物3に変更した以外は、実施例1と同様にして、クリーニングブレード4を作製した。
―硬化性組成物3の調製―
・下記構造式で表されるトリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:A−9300)・・50質量部
・重合開始剤(BASFジャパン社製、イルガキュア184)・・・2質量部
・溶剤 シクロヘキサノン・・・50質量部
(実施例5)
実施例1において、硬化性組成物1を下記硬化性組成物4に変更した以外は、実施例1と同様にして、クリーニングブレード5を作製した。
―硬化性組成物4の調製―
・下記構造式で表されるエトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:A―BPE−10)・・50質量部
・重合開始剤(BASFジャパン社製、イルガキュア184)・・・2質量部
・溶剤 シクロヘキサノン・・・50質量部
(実施例6)
実施例3において、硬化性組成物2を下記組成の硬化性組成物5に変更した以外は、実施例3と同様にして、クリーニングブレード6を作製した。
―硬化性組成物5の調製―
・下記構造式で表されるジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(ダイセル・オルネクス株式会社製、商品名:DPHA)・・50質量部
・重合開始剤(BASFジャパン社製、イルガキュア184)・・・2質量部
・溶剤 シクロヘキサノン・・・50質量部
(比較例1)
実施例1において、硬化性組成物による浸漬を全くしなかったこと以外は、実施例1と同様にして、クリーニングブレード7を作製した。
(比較例2)
実施例1において、硬化性組成物1から、弾性部材を引き上げる際に、引上げ方法を両端同時に引上げ速度10mm/sで引上げること、及びシクロヘキサン浸漬後のスポンジでの拭き取りを、シクロヘキサンから引き上げて5分間放置後に実施した以外は、実施例1と同様にして、クリーニングブレード8を作製した。
(比較例3)
比較例2において、硬化性組成物1への浸漬時間を30分間に変更した以外は、比較例2と同様にして、クリーニングブレード9を作製した。
(比較例4)
比較例2において、硬化性組成物1への浸漬時間を120分間に変更した以外は、比較例2と同様にして、クリーニングブレード10を作製した。
<クリーニングブレードの物性評価>
得られたクリーニングブレード1〜10について、下記の方法により、クリーニングブレードの物性評価を行い、評価結果を表1に示した。
クリーニングブレードを液体窒素により凍結し、図2に示すブレードの図において、紙面に対して平行の向きにカミソリを用いてブレードの長手方向中央付近に粗く断面を出し、その断面をミクロトームで割断した。
AFMで測定する箇所は、図5に示すように、ブレードの当接している角の部分(当接部)から斜め45度の方向に2μm、及び10μm移動した場所を測定した。
<原子間力顕微鏡を用いた位相像の測定>
得られたクリーニングブレードのそれぞれの切片の原子間力顕微鏡の位相像を、以下の測定条件により得た。
実施例の、含浸処理されたクリーニングブレードにおいては、ポリウレタンのハードセグメント部分とアクリル樹脂部分とが硬い部分であり、ポリウレタンのソフトセグメント部分が柔らかい部分であることから、位相像の粘弾性分布を解析し、各成分のマッピングを得た。図6に実施例1における当接辺の厚み方向に2μm内側の面の位相像、図7に実施例1における当接辺の厚み方向に10μm内側の面の位相像、図8に実施例1における当接辺の厚み方向に30μm内側の面の位相像を示した。
−測定条件−
・装置:Bruker Dimension Icon
・プローブ:OMCL−AC240TS−C3
・Scan Size:1μm
・Scan Rate:1Hz
・Integral Gain:1
・Proportional Gain:5
<画像処理ソフトを用いた2値化>
得られた位相像を、以下の画像処理条件により硬い部分の領域(硬い位相)と柔らかい部分の領域(柔らかい位相)とに2値化した。図9に、当接辺から、2μm、10μm、及び30μm内側の面における、硬い部分の割合を示した。輝度を256階調で評価し、輝度が100になる部分を閾値として設定して、明暗部を分ける2値化処理を行った。
・解析ソフト:ImageJ
・コントラストの付け方:ソフトNanoscope Analysisのオートスケール
・解析するブレードの場所:図5に示すように、ブレードの当接している角の部分(当接部)から斜め45度の方向に2μmと10μm移動した場所(ただし、実施例1のみ30μm移動した位置についても測定した)
<原子間力顕微鏡を用いた弾性率の定量測定>
得られたクリーニングブレードの、当接辺から2μmの部分の弾性率を、下記の条件に基づき測定した。
−測定条件−
・装置:Bruker Dimension Icon
・測定モード:Peak Force QNM
・プローブ:OMCL−AC240TS−C3
・Scan Size:1μm
・Scan Rate:1Hz
・Feedback Gain:10
・Peak Force SetPoint:10nN
・レバー感度の測定:サファイアサンプル
・チップ先端径の校正:PSフィルム
<トナーの製造>
重合法により、平均円形度が0.98、体積平均粒径が4.9μmのトナー母体粒子を作製した。トナー母体粒子の平均円形度及び体積平均粒径は、下記のように得られたトナー母体粒子100質量部に対し、小粒径のシリカ微粒子(クラリアント株式会社製、H2000)1.5質量部、小粒径の酸化チタン微粒子(テイカ株式会社製、MT−150AI)0.5質量部、及び大粒径のシリカ微粒子(電気化学工業株式会社製、UFP−30H)をヘンシェルミキサーで撹拌混合し、トナーを作製した。
次に、作製したクリーニングブレードを、カラー複合機(imagio MP C306、株式会社リコー製)に、所定の先端食い込み量(線圧:20N/m)と取り付け角度(約79°)にて取り付けた。
また、潤滑剤塗布装置は取り除いた。
前記カラー複合機(imagio MP C306、株式会社リコー製)に、作製したトナーを搭載して、23℃で55%RHの環境下、縦帯部分を設けた画像面積率0.5%のチャート(A4サイズ縦)を2プリント/ジョブで、10,000枚の出力を行った後、以下のようにして、当接状態観察、捲れ量、摩耗量、及びクリーニング性を評価した。
<捲れ量>
クリーニングブレードを感光体表面層に用いられる材料を塗布したガラス板上に、上記所定の端食い込み量(線圧)と取り付け角度で摺擦させたときの、クリーニングブレードの当接状態をガラス板裏から観察し、クリーニングブレードの弾性部材の当接部の捲れ量をCCDカメラ(Nikon CM−5、ニコン社製)で観察した。
<クリーニングブレードの摩耗量測定>
10,000枚の出力後のクリーニングブレードの当接部について、レーザー顕微鏡(島津製作所社製、LEXT OLS4100)により観察し、摩耗量を算出した。
<クリーニング性>
10,000枚出力後、縦帯パターン(紙進行方向に対して)43mm幅、3本チャートの評価時画像(A4サイズ横)を20枚出力した後の出力画像を目視観察し、以下の評価基準に基づき、クリーニング性を評価した。なお、異常画像とは、印刷画像にスジ又は帯状に現れる画像や白ポチ画像を意味する。
〔評価基準〕
◎:異常画像なし
○:少しのスジやポチが見られるが、許容できる
×:明確な異常画像あり
それぞれのクリーニングブレードの特性値と評価結果を下記表1に示す。
実施例において、クリーニングブレードが、当接辺を含む板面に対して垂直方向に切断した切断面に対し、AFMのタッピングモードで測定し、得られた位相像を2値化する事で算出した、含浸されているアクリル樹脂の割合が、以下のことを満たすと、捲れ及び摩耗が防止でき、良好なクリーニング性を示すことがわかった。
・当接辺から当接辺の厚み方向に2μm内側の面において、硬い部分の割合が55%〜80%
・当接辺から当接辺の厚み方向に10μm内側の面において、硬い部分の割合が10%〜32%
また、クリーニングブレードが、当接辺を含む板面に対して垂直方向に2μmの部分を切断した切断面に対し、AFMのフォースカーブ法で測定し、当接辺(先端近傍)の弾性率は700MPa〜800MPaであると、捲れ及び摩耗がより防止できることがわかった。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 被清掃部材の表面に当接して、前記被清掃部材に付着した残留物を除去する弾性部材を有するクリーニングブレードであって、
前記クリーニングブレードの下記測定条件による原子間力顕微鏡(AFM)による測定結果が、下記条件1及び2を満たすことを特徴とするクリーニングブレードである。
測定条件:AFMのタッピングモードを用いた粘弾性分布から得られた位相像を、構成成分の硬さに基づき2値化し、硬い部分の割合を算出する。2値化において、256階調の輝度の位相像に対して輝度が100の部分を閾値とする。
条件1:前記被清掃部材の表面に当接する当接辺から前記当接辺の厚み方向に2μm内側の面において、硬い部分の割合が、前記面全体に対して、55%〜80%である。
条件2:前記被清掃部材の表面に当接する当接辺から前記当接辺の厚み方向に10μm内側の面において、硬い部分の割合が、前記面全体に対して、10%〜32%である。
<2> 前記当接辺から前記当接辺の厚み方向に2μm内側の面において、AFMのフォースカーブ法により測定した際の弾性率が、700MPa〜800MPaである前記<1>に記載のクリーニングブレードである。
<3> 前記当接辺を含む板面が、硬化性化合物の硬化物を有する前記<1>から<2>のいずれかに記載のクリーニングブレードである。
<4> 前記当接辺を含む端面全体が、硬化性化合物の硬化物を含有する前記<1>から<3>に記載のクリーニングブレードである。
<5> 前記硬化性化合物が、(メタ)アクリレート化合物である前記<4>に記載のクリーニングブレードである。
<6> 前記(メタ)アクリレート化合物が、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する化合物である前記<5>に記載のクリーニングブレードである。
<7> 前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する化合物の官能基数が、2である前記<6>に記載のクリーニングブレードである。
<8> 前記弾性部材が、ポリウレタンゴムを含む前記<1>から<7>に記載のクリーニングブレードである。
<9> 像担持体と、前記像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記像担持体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナー像に現像する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された前記トナー像を定着させる定着手段と、前記像担持体の表面に当接して、前記像担持体の表面の残留物を除去するクリーニングブレードとを有し、
前記クリーニングブレードが、前記<1>から<8>のいずれかに記載のクリーニングブレードであることを特徴とする画像形成装置である。
<10> 像担持体と、前記像担持体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記像担持体の表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナー像に現像する現像手段、及び前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段の少なくともいずれかの手段と、前記像担持体の表面に当接して、前記像担持体の表面の残留物を除去するクリーニングブレードとを有し、
前記クリーニングブレードが、前記<1>から<8>のいずれかに記載のクリーニングブレードであることを特徴とするプロセスカートリッジである。
前記<1>から<8>のいずれかに記載のクリーニングブレード、前記<9>に記載の画像形成装置、及び前記<10>に記載のプロセスカートリッジは、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
3 感光体
14 中間転写ベルト
60 転写ユニット
62 クリーニングブレード
62a ブレード先端面
62b ブレード下面
62c 当接辺
62d 第一の領域
62e 第二の領域
80 定着ユニット
500 プリンター
621 支持部材
622 弾性部材
特開2010−152295号公報 特開2013−218277号公報

Claims (8)

  1. 被清掃部材の表面に当接して、前記被清掃部材に付着した残留物を除去する弾性部材を有するクリーニングブレードであって、
    前記クリーニングブレードの下記測定条件による原子間力顕微鏡(AFM)による測定結果が、下記条件1及び2を満たすことを特徴とするクリーニングブレード。
    測定条件:AFMのタッピングモードを用いた粘弾性分布から得られた位相像を、構成成分の硬さに基づき2値化し、硬い部分の割合を算出する。2値化において、256階調の輝度の位相像に対して輝度が100の部分を閾値とする。
    条件1:前記被清掃部材の表面に当接する当接辺から前記当接辺の厚み方向に2μm内側の面において、硬い部分の割合が、前記面全体に対して、55%〜80%である。
    条件2:前記被清掃部材の表面に当接する当接辺から前記当接辺の厚み方向に10μm内側の面において、硬い部分の割合が、前記面全体に対して、10%〜32%である。
  2. 前記当接辺から前記当接辺の厚み方向に2μm内側の面において、AFMのフォースカーブ法により測定した際の弾性率が、700MPa〜800MPaである請求項1に記載のクリーニングブレード。
  3. 前記当接辺を含む面が、硬化性化合物の硬化物を有する請求項1から2のいずれかに記載のクリーニングブレード。
  4. 前記硬化性化合物が、(メタ)アクリレート化合物である請求項3に記載のクリーニングブレード。
  5. 前記(メタ)アクリレート化合物が、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する化合物である請求項4に記載のクリーニングブレード。
  6. 前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する化合物の官能基数が、2である請求項5に記載のクリーニングブレード。
  7. 像担持体と、前記像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記像担持体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナー像に現像する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された前記トナー像を定着させる定着手段と、前記像担持体の表面に当接して、前記像担持体の表面の残留物を除去するクリーニングブレードとを有し、
    前記クリーニングブレードが、請求項1から6のいずれかに記載のクリーニングブレードであることを特徴とする画像形成装置。
  8. 像担持体と、前記像担持体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記像担持体の表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナー像に現像する現像手段、及び前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段の少なくともいずれかの手段と、前記像担持体の表面に当接して、前記像担持体の表面の残留物を除去するクリーニングブレードとを有し、
    前記クリーニングブレードが、請求項1から6のいずれかに記載のクリーニングブレードであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022097526A1 (ja) * 2020-11-09 2022-05-12 キヤノン株式会社 電子写真用クリーニングブレード、プロセスカートリッジ、及び電子写真画像形成装置

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