JP6051931B2 - クリーニングブレード、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

クリーニングブレード、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、クリーニングブレード、画像形成装置、及びプロセスカートリッジに関する。
従来技術
電子写真プロセスを用いた画像形成装置では、電子写真感光体(以下、単に「感光体」とも称する)に対して帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程を施すことにより画像形成が行われる。帯電工程で生成し感光体表面に残る放電生成物及び転写工程後に感光体表面に残る(転写)残トナー又はトナー成分はクリーニングプロセスを経て除去される。
画像形成装置の信頼性向上の観点から、感光体には、アモルファスシリコンのような無機系材料を用いたり、有機感光体の表面にアクリレート系材料や無機微粒子を分散させた表面層を有する高耐久感光体が用いられたりするようになってきた。これらの感光体は、クリーニングブレードに対する耐摩耗性に優れるため、従来よりも遥かに長い寿命を実現することができ、メンテナンスの回数を大幅に減らし、感光体の交換を少なくでき、コスト的にも、環境的にも非常に好ましいものであった。
しかし、感光体の長寿命化が図れても、クリーニングブレードの寿命も長くできなければ、メンテナンスの回数を減らすことはできない。また、最近の電子写真装置においては、メンテナンスを容易にするため、感光体とクリーニングブレードなどの部材を一体にした、いわゆるプロセスカートリッジが用いられることが多くなってきた。そのため、感光体は十分に使用可能であるにもかかわらず、クリーニングブレードの寿命により、プロセスカートリッジを交換しなければならなくなっていた。
クリーニングブレードは、一般的には、ポリウレタンゴムなどの短冊形状の弾性体であり、クリーニングブレードの基端を支持部材で支持して先端稜線部を感光体の周面に押し当て、感光体上に残留するトナーをせき止めて掻き落とし除去する。
近年の高画質化の要求に応えるべく、重合法等により形成された小粒径で球形に近いトナー(以下、「重合トナー」と称する。)を用いた画像形成装置が知られている。前記重合トナーは、従来の粉砕トナーに比べて転写効率が高いなどの特徴があり、高画質化の要求に応えることが可能である。しかし、重合トナーは、クリーニングブレードを用いて感光体表面から除去しようとしても十分に除去することが困難であり、クリーニング不良が発生してしまうという問題を有している。これは、小粒径で且つ球形度に優れた重合トナーが、クリーニングブレードと感光体との間に形成される僅かな隙間をすり抜けるからである。
このようなすり抜けを抑えるには、感光体とクリーニングブレードとの当接圧力を高めてクリーニング能力を高める必要がある。しかし、クリーニングブレードの当接圧力を高めると、図1に示すように、感光体23とクリーニングブレード262との摩擦力が高まり、クリーニングブレード262が感光体23の移動方向に引っ張られて、クリーニングブレード262の先端稜線部262cがめくれてしまう。このクリーニングブレード262の先端稜線部262cがめくれた状態でクリーニングを続けると、図2に示すように、クリーニングブレード262の先端面262bの先端稜線部262cから数μm離れた場所に局所的な摩耗が生じてしまう。このような状態で、さらにクリーニングを続けると、この局所的な摩耗が大きくなり、最終的には、図3に示すように、先端稜線部262cが欠落してしまう。先端稜線部262cが欠落してしまうと、トナーを正常にクリーニングできなくなり、クリーニング不良を生じてしまい、クリーニングブレードの寿命となる。特にこの局所的な磨耗は、低温環境のクリーニングブレードの機械的強度によって生じやすい。
クリーニングブレードの高寿命化に対し、ポリウレタンエラストマーからなるブレード材料の感光体との当接部に、イソシアネートを0.1mm積層したクリーニングブレードが知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、前記クリーニングブレードは、アモルファスシリコンのように、表面が平滑な感光体に対しては優れた性能を示すものの、クリーニング性あるいは感光体の耐摩耗性を向上させた、無機微粒子を表面層に用いた有機感光体等の表面を荒らした感光体においては、感光体と接する先端が早期に欠けてしまい、クリーニング不良を発生することが多かった。
また、クリーニングブレードに低摩耗化処理層を設けることにより、感光体とクリーニングブレードの摩擦力を低減させた画像形成装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。前記クリーニングブレードは、画像形成をそれほど行っていない初期の場合には、非常に優れたクリーニング性を有している。しかしながら、画像形成を繰り返していると、低摩耗処理層の最表面の低摩耗処理物質が脱落して、感光体とクリーニングブレードの摩擦力が高くなり、クリーニングブレードの欠けが部分的に起きてしまい、クリーニング不良が発生していた。
ポリウレタンエラストマーからなるクリーニングブレードの少なくとも当接部に、アクリルウレタンモノマーを含浸させ、UV光を照射して硬化させたクリーニングブレードが知られている(例えば、特許文献3参照)。このクリーニングブレードは、画像形成を行う初期においてはクリーニング性に問題はないものの、画像形成を繰り返していくと、感光体と接する先端が欠け、クリーニング不良を引き起こすことが多かった。
前記ポリウレタンエラストマーからなるクリーニングブレードのアクリルウレタンモノマーの硬度は、ポリウレタンエラストマー中に含浸した状態では測定できない。アクリルウレタンモノマーをガラス板上に塗布し、UV光を照射して硬化させた膜が、十分な硬度を有していることが確認できるが、アクリルウレタンモノマーを含浸させ、UV光を照射したウレタンエラストマーの硬度は、予想されるよりも遥かに小さく、何も処理していないウレタンエラストマーの硬度とほとんど変化がない、若しくは、逆に柔らかくなっていることがあった。
重合性アクリレート化合物をクリーニングブレードに含浸させた後、低酸素雰囲気で重合反応を行ったクリーニングブレードが知られている(例えば、引用文献4参照)。前記クリーニングブレードは高耐久であるが、製造時に、酸素が重合阻害物質となるため、雰囲気の酸素濃度を低く制御する必要があり、人が立ち入ることができず、製品の出し入れに時間がかかるとともに、製造設備が大掛かりなものとなりコストがかかっていた。
したがって、酸素を除去しない環境下で製造可能な、高耐久性と優れたクリーニング性を併せもつクリーニングブレードの更なる開発が強く求められているのが現状である。
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、酸素を除去しない環境下で製造可能な、高耐久性と優れたクリーニング性を併せもつクリーニングブレードを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下のとおりである。即ち、
電子写真感光体表面に残留したトナーを除去するクリーニングブレードであって、弾性体ブレードを含んでなり、前記弾性体ブレードは、その表面から5μm以上150μm以下の深さまでポリエン/ポリチオール重合体を含浸していることを特徴とするクリーニングブレードである。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決でき、酸素を除去しない環境下で製造可能な、高耐久性と優れたクリーニング性を併せもつクリーニングブレードを提供することができる。
図1は、従来のクリーニングブレードの構成を示す説明図である。 図2は、従来のクリーニングブレードの構成を示す説明図である。 図3は、従来のクリーニングブレードの構成を示す説明図である。 図4は、本発明のクリーニングブレードの一例を示す概略斜視図である。 図5は、図4の本発明のクリーニングブレードの一例における、電子写真感光体表面への当接状態を示す概略図である。 図6は、本発明の画像形成装置の一例におけるプリンタの要部及びその中に収められたプロセスカートリッジを示す概略図である。 図7は、図5において、弾性体ブレード部分を180°回転させた、弾性体ブレードにおける電子写真感光体表面への当接部分の摩耗状態の説明図である。
(クリーニングブレード)
本発明のクリーニングブレードは、電子写真感光体表面に残留したトナーを除去するクリーニングブレードであって、弾性体ブレードを含んでなり、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
<弾性体ブレード>
前記弾性体ブレード(以下、「母体」とも称する)としては、その表面から5μm以上150μm以下の深さまでポリエン/ポリチオール重合体が含浸しているものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記深さは、8μm以上100μm以下が好ましく、10μm以上60μm以下がより好ましい。前記深さが5μmより小さいと、前記電子写真感光体表面に前記クリーニングブレードが当接する当接面、及び前記クリーニングブレード部材長手方向に対して垂直な面であるカット面の表面並びに近傍の硬度を適度に上げることができないため、クリーニングブレードの引き込まれを予防できず、ポリエン/ポリチオール重合体を表面に含有していないクリーニングブレードよりもむしろ耐久性、クリーニング性を悪化させてしまう。また、前記深さが5μmより小さいと、ポリエン/ポリチオール重合体を含有している深さをクリーニングブレードの長手方向全体にわたって均一にすることは難しいため、クリーニングブレードの機械的特性にばらつきが生じてしまい、機械的特性の弱い場所からクリーニングブレードが欠けやすくなる。前記深さが150μmより大きいと、クリーニングブレード全体の柔軟性が低下するため、クリーニング性が低下するとともに、クリーニングブレードの欠けも生じやすくなる。
前記弾性体ブレードは、その表面に表面層を有する構成であってもよい。
前記弾性体ブレードの材料としては、特に制限はなく、目的に応じて一般に公知の材料を適宜選択することができ、例えば、ゴムなどが挙げられる。
<<ゴム>>
前記ゴムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタンゴム、ヒドリンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、感光体の偏心や感光体表面の微小なうねりなどに追随できることから、ウレタン基を含むゴムであるウレタンゴム(ポリウレタンエラストマー)が好ましい。
−ウレタンゴム−
前記ウレタンゴムとしては、ポリオールとポリイソシアネートの架橋によるウレタン重合体であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−ポリオール−−
前記ポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高分子ポリオール、低分子ポリオール、低分子ポリアミンなどが挙げられる。
前記高分子量ポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキレングリコールと脂肪族二塩基酸との縮合体であるポリエステルポリオール、アルキレングリコールとアジピン酸とのポリエステルポリオール等のポリエステル系ポリオール、カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトンエステルポリオール等のポリカプロラクトン系ポリオール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール等のポリエーテル系ポリオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アルキレングリコールとアジピン酸とのポリエステルポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンアジペートエステルポリオール、ブチレンアジペートエステルポリオール、ヘキシレンアジペートエステルポリオール、エチレンプロピレンアジペートエステルポリオール、エチレンブチレンアジペートエステルポリオール、エチレンネオペンチレンアジペートエステルポリオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記低分子量ポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキノン−ビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、3,3'−ジクロロ−4,4'−ジアミノジフエニルメタン、4,4'−ジアミノジフエニルメタン等の二価アルコール、1,1,1−トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、1,1,1−トリス(ヒドロキシエトキシメチル)プロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール等の三価以上の多価アルコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−−ポリイソシアネート−−
前記ポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアヌレート類、これらをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記脂肪族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトカプロン酸メチル、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記脂環式ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記芳香族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリレンジイソシアネート、ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトジフェニル、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルジフェニル、4,4’−ジイソシアナト−3−メチルジフェニルメタン、4,4’−ジイソシアナト−ジフェニルエーテルなどが挙げられる。
前記芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記イソシアヌレート類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリス(イソシアナトアルキル)イソシアヌレート、トリス(イソシアナトシクロアルキル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
前記ウレタンゴムにおける前記ポリオールと前記ポリイソシアネートの配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、OH価及びNCO価に基づき適量を配合することが好ましい。
前記ウレタンゴムとしては、市販品を使用してもよく、適宜合成したものを使用してもよい。前記合成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを混合し、加熱、光照射等のエネルギーを付与して架橋することにより合成する方法が好ましい。前記架橋の際には、必要に応じて硬化剤、更に必要に応じて硬化促進剤を用いてもよい。
前記ウレタンゴムの中でも、ポリオール成分としてポリエチレンアジペートエステル及びポリカプロラクトンエステルの少なくともいずれか、ポリイソシアネート成分として4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを用いたプレポリマーを調製し、これに硬化剤、更に必要に応じて硬化触媒を加えて、所定の型内にて架橋し、炉内にて後架橋させた後、常温で放置熟成することによって合成されたものが好ましい。
前記硬化触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2−メチルイミダゾールや1,2−ジメチルイミダゾールなどが挙げられる。これらの中でも、1,2−ジメチルイミダゾールが好ましい。前記硬化触媒は、主剤100質量部に対して、0.01質量部〜0.5質量部を用いるのが好ましく、0.05質量部〜0.3質量部を用いるのがより好ましい。
<<ポリエン/ポリチオール重合体>>
前記ポリエン/ポリチオール重合体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ポリエン/ポリチオール重合体を形成する重合反応には、ポリエンのモノマーとポリチオールのモノマー(以下、「ポリエン/ポリチオールモノマー」と称する)を少なくとも使用し、更に必要に応じて重合開始剤及びその他の成分を使用する。
−重合反応−
前記重合反応は、酸素による重合阻害を起こしにくい。そのため、通常の酸素濃度環境であっても、効率よく重合反応を起こすことができる。
ポリエン/ポリチオールモノマーの重合反応は低湿環境で行うことが好ましい。重合反応を円滑に進める上で、前記低湿環境としては、相対湿度40%以下が好ましく、相対湿度30%以下がより好ましい。
ポリエン/ポリチオールモノマーの重合反応の際の雰囲気温度は25℃以下が好ましく、20℃以下がより好ましく、5℃〜18℃が更に好ましい。前記雰囲気温度が25℃より高いと、ポリエン/ポリチオール混合物の重合反応においては、紫外線等の活性光線を吸収して、反応温度が高くなり、ラジカルの発生する数が飛躍的に増加してしまう。結果的に、重合反応が至る所で起きてしまうため、低分子量の重合化合物が生じる。
−ポリエン−
前記ポリエンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアリルエーテル化合物、ポリアリルエステル化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリアリルエーテル化合物と、ポリカルボン酸の反応生成物であるポリアリルエステル化合物が好ましい。
−−ポリアリルエーテル化合物−−
前記ポリアリルエーテル化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、置換、未置換のアリルアルコールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、エピハロヒドリン、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ化合物を付加した化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−−ポリアリルエステル化合物−−
前記ポリアリルエステル化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アリルアルコール又は前記ポリアリルエーテル化合物とカルボン酸との反応生成物が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記カルボン酸の例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族、脂環式及び芳香族系のモノカルボン酸及びポリカルボン酸などが挙げられる。
前記モノカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、オクタン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、安息香酸などのモノカルボン酸(炭素数1〜20)が挙げられる。
前記ポリカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アジピン酸、フタル酸等のジカルボン酸などが挙げられる。
−ポリチオール−
前記ポリチオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、液状ポリサルファイド;脂肪族、脂環式及び芳香族系のポリチオール化合物;メルカプトカルボン酸エステルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、液状ポリサルファイド、メルカプトカルボン酸エステルが好ましい。
−−液状ポリサルファイド−−
前記液状ポリサルファイドとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チオコールLP(登録商標)シリーズ(東レ・ファインケミカル株式会社製)などが挙げられる。これらの中でも、平均分子量が400以下のものが好ましい。
−−脂肪族、脂環式及び芳香族系のポリチオール化合物−−
前記脂肪族、脂環式及び芳香族系のポリチオール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタン(ジ)チオール、エタン(ジ)チオールなどが挙げられる。
−−メルカプトカルボン酸エステル−−
前記メルカプトカルボン酸エステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステル化反応、又はメルカプトカルボン酸アルキルエステルと多価アルコールとのエステル交換反応により得られる化合物などが挙げられる。
前記メルカプトカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2−メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸などが挙げられる。
前記メルカプトカルボン酸アルキルエステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2−メルカプト酢酸エチルエステル、3−メルカプトプロピオン酸メチルエステルなどが挙げられる。
前記多価アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ショ糖、及びこれらのアルキレンオキサイド付加物(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド付加物、ブチレンオキサイド付加物等)などが挙げられる。これらの中でも、3価以上の多価アルコールでアルキレンオキサイド付加物を含まないものが好ましい。
−重合開始剤−
前記重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光重合開始剤、熱重合開始剤、ジメチルアニリン、ナフテン酸コバルト、スルフィン酸、メルカプタン等のその他の重合開始剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記重合開始剤の使用量としては、全不飽和カルボン酸エステルに対し、0.1質量%〜10質量%が好ましく、0.5質量%〜7質量%がより好ましい。前記使用量が全不飽和カルボン酸エステルに対し、0.1質量%未満、又は10質量%より多いと、適度な反応性が得られないことがある。
−−光重合開始剤−−
前記光重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボニル化合物、硫黄化合物、多縮合環系炭化水素のハロゲン化物、色素類、金属塩類、オニウム塩類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル化合物、硫黄化合物、オニウム塩類が好ましい。
前記カルボニル化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、α−メチルベンゾイン、α−フェニルベンゾイン等のベンゾイン類;アントラキノン、メチルアントラキノン、クロルアントラキノン等のアントラキノン類;ベンジル、ジアセチル、アセトフェノン、ベンゾフェノン、メチルベンゾイルフォーメートなどが挙げられる。
前記硫黄化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジフェニルスルフィド、ジチオカーバメートなどが挙げられる。
前記多縮合環系炭化水素のハロゲン化物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、α−クロルメチルナフタリンなどが挙げられる。
前記色素類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリルフラビン、フルオレセンなどが挙げられる。
前記金属塩類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩化鉄、塩化銀などが挙げられる。
前記オニウム塩類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、P−メトキシベンゼンジアゾニウム、ヘキサフルオロフォスフェート、ジフェニルアイオドニウム、トリフェニルスルフォニウムなどが挙げられる。
−−熱重合開始剤−−
前記熱重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、エチルメチルケトンペルオキシドなどが挙げられる。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、増感剤、貯蔵安定剤などが挙げられる。
−−増感剤−−
前記増感剤としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、「UV・EB硬化技術、総合技術センター出版事業部、1982年」の第158頁〜159頁に記載の増感剤などが挙げられる。これらの中でも、尿素、N,N−ジ置換−P−アミノベンゾニトリル等のニトリル化合物、トリ−n−ブチルホスフィン等の燐化合物が好ましい。前記増感剤の使用量としては、前記ポリチオール100質量部に対し、0.1質量部〜5質量部が好ましい。
−−貯蔵安定剤−−
前記貯蔵安定剤としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、「UV・EB硬化技術、総合技術センター出版事業部、1982年」の第158頁〜159頁に記載の貯蔵安定剤などが挙げられる。これらの中でも、第4級アンモニウムクロライド、ベンゾチアゾール、ハイドロキノンが好ましい。前記貯蔵安定剤の使用量としては、前記ポリエン/ポリチオールモノマー100質量部に対し、0.1質量部〜5質量部が好ましい。
<<表面層>>
前記表面層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエン/ポリチオール重合体、アクリル樹脂、ラクトン変性アクリルウレタン、アクリルシリコーン、熱可塑性ウレタン、フェノール樹脂等の樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、表面層の接着性を高め、クリーニングブレードの耐久性を向上させる上で、母体に含浸させたポリエン/ポリチオール重合体と同一の材質であることが好ましい。
前記表面層の厚さは、5μm以下が好ましく、0.05μm以上3μm以下がより好ましい。前記厚さが5μmより大きいと、ポリエン/ポリチオール重合体を含む表面層と母体との伸縮性が圧倒的に違うため、表面層の割れや剥離が生じやすく、クリーニングブレードの耐久性が短くなってしまうことがある。
<<弾性体ブレードへのポリエン/ポリチオール重合体の含浸、及び表面層の形成方法>>
前記弾性体ブレード(母体)表面にポリエン/ポリチオール重合体を含浸させる方法、及び表面層を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエン/ポリチオールモノマーの溶液を前記母体にスプレー、ディッピングなどの方法により塗布し、しかる後にUV光、電子線などのエネルギー線を照射することで、前記母体の表面に表面層を形成(積層)すると共に、前記母体中にポリエン/ポリチオール重合体を含浸させる方法などが挙げられる。
なお、前記「ポリエン/ポリチオール重合体を含浸させる」とは、ポリエン/ポリチオールモノマーを母体の表面に浸み込ませるだけでなく、それに続く、ポリエン/ポリチオールの重合までを含めている。
前記母体に、ポリエン/ポリチオールモノマーを含浸させる際、単にポリエン/ポリチオールモノマーの溶液に前記母体を浸漬させるだけでは、ポリエン/ポリチオールモノマーはあまり含浸しない。適切な深さまでポリエン/ポリチオールモノマーを含浸させるためには、前記母体を減圧下にし、ポリエン/ポリチオールモノマーの溶液に前記母体を浸漬して全体を常圧にすることにより、ポリエン/ポリチオールモノマーを含浸させる方法、あるいは、前記母体をポリエン/ポリチオールモノマーの溶液に浸漬し、ポリエン/ポリチオールモノマーを含む溶液を加圧することによりポリエン/ポリチオールモノマーを含浸させる方法、及びこれらの方法を順次行う方法により、効率的にポリエン/ポリチオールモノマーを前記母体に含浸させることができる。
なお、前記「ポリエン/ポリチオールモノマーを含浸させる」とは、ポリエン/ポリチオールモノマーを母体に浸み込ませることを意味している。
−ポリエン/ポリチオールモノマーの溶液−
前記ポリエン/ポリチオールモノマーの溶液は、粘度を下げるために溶媒を含んでいてもよい。前記ポリエン/ポリチオールモノマーの溶液は溶存酸素を通常含んでいるため、使用に際して、ヘリウムやアルゴン、窒素等の不活性ガスをバブリングする、又は減圧脱気を行うことにより、溶存酸素を除去していることが好ましい。
−−溶媒−−
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2−ブタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリエン/ポリチオール重合体が前記クリーニングブレードの表面から5μm以上150μm以下の深さまで含浸している面は、少なくとも前記クリーニングブレードが感光体と当接する面(以下当接面と称する)とクリーニングブレード部材長手方向に対して垂直な断面(以下カット面と称する)である。感光体とクリーニングブレードは、通常カウンター方式で接しているが、カット面の感光体側は、感光体が回転することで引き込まれて変形することが知られており、変形が大きいクリーニングブレードは、感光体との摩擦により、欠落しやすくなる。一方、カット面にポリエン/ポリチオール重合体を含浸させることで、クリーニングブレードの引き込まれはほとんどなくなり、高耐久性のクリーニングブレードを実現することができる。ポリエン/ポリチオール重合体は、カット面の他、当接面にも含浸していることが、クリーニングブレードの引き込まれを防止する効果を高めることができる点で好ましい。
<<弾性体ブレードにおけるポリエン/ポリチオール重合体の含浸深さ、及び表面層の厚さの測定>>
ポリエン/ポリチオール重合体がクリーニングブレードに含浸している深さ、及び表面層の厚さは、クリーニングブレードをクライオミクロトーム(例えば、EM FCS、ライカ社製)により厚さ200μm〜1,500μm、好ましくは500μm〜1,200μmに切片化し、電子顕微鏡により確認することができる。
クライオミクロトームによる切片化では、通常、ダイヤモンド刃が用いられるが、ポリエン/ポリチオール重合体のクリーニングブレードに含浸している深さを測定する際は、ガラス刃が好ましい。ガラス刃は、ダイヤモンド刃に比べて切れ味が悪い。したがって、ポリエン/ポリチオール重合体とクリーニングブレードのポリウレタンとは、圧倒的な硬さの差があるため、ガラス刃で切片化すると、ポリエン/ポリチオール重合体が含浸している領域を電子顕微鏡により容易に確認することができる。
<その他の部材>
前記その他の部材としては、ホルダーやケースなどが挙げられる。
[クリーニングブレードの実施形態]
図4は、クリーニングブレード62の斜視図であり、図5は、クリーニングブレード62の拡大断面図である。
クリーニングブレード62は、金属や硬質プラスチックなどの剛性材料からなる短冊形状のホルダー621と、短冊形状の弾性体ブレード622とで構成されている。弾性体ブレード622は、ホルダー621の一端側に接着剤などにより固定されており、ホルダー621の他端側は、図6のクリーニング装置6のケースに片持ち支持されている。
(画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像してトナー像を形成する現像手段、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段、及び前記電子写真感光体表面の残留トナーをクリーニングブレードによりクリーニングするクリーニング手段を少なくとも含有してなり、更に必要に応じて、その他の手段を含有してなる。本発明の画像形成装置において使用するクリーニングブレードが、上述の本発明のクリーニングブレードである。なお、帯電手段と、露光手段とを合わせて静電潜像形成手段と称することもある。
<電子写真感光体>
前記電子写真感光体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性支持体と、前記導電性支持体上に、表面層、感光層、中間層及び下引き層がこの順に積層されてなる電子写真感光体などが挙げられる。
<帯電手段>
前記帯電手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器(電子写真感光体表面と帯電器との間に100μm以下の空隙を有する近接方式の非接触帯電器を含む)などが挙げられる。
前記帯電手段は、電子写真感光体表面と接触又は近接して設けられた帯電部材を有し、直流成分に交流成分を重畳した電圧を前記帯電部材へ印加して、前記帯電部材と前記電子写真感光体表面にコロナ放電を形成し、前記電子写真感光体表面を帯電する帯電手段であることが好ましい。
<露光手段>
前記露光手段としては、前記帯電手段により帯電された前記電子写真感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系などの各種露光器が挙げられ、前記露光器における光源としては、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの高輝度が確保できる光源などが挙げられる。なお、本発明においては、前記電子写真感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
<現像手段>
前記現像手段としては、前記トナー乃至前記トナーを含む現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記現像剤を収容し、前記静電潜像に該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好ましい。前記現像器としては、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有するものなどが挙げられる。前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記電子写真感光体近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該電子写真感光体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該電子写真感光体の表面に該トナーによる可視像が形成される。
<転写手段>
前記転写手段は、前記可視像を記録媒体に転写する手段である。前記転写手段を用いる転写方法としては、前記電子写真感光体表面から記録媒体に可視像を直接転写する方法と、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する方法がある。いずれの態様も良好に使用することができるが、高画質化に際して転写による悪影響が大きいような場合には、転写回数が少ない前者(直接転写)の方法が好ましい。前記転写は、例えば、前記可視像を、転写帯電器を用いて前記電子写真感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。
<クリーニング手段>
前記クリーニング手段は、本発明のクリーニングブレードを有してなり、更に必要に応じて、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等のその他の公知のクリーナなどを有してなる。
<その他の手段>
前記その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、定着手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段などが挙げられる。
−定着手段−
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好ましく、前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせなどが挙げられ、前記加熱加圧手段における加熱としては、通常80℃〜200℃が好ましい。定着は、例えば、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
−除電手段−
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプなどが好適に挙げられる。
−リサイクル手段−
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段などが挙げられる。
−制御手段−
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御できれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータなどの機器が挙げられる。
[画像形成装置の実施形態]
以下では、本発明の画像形成装置の実施形態について説明する。
図6は、本実施形態に係る画像形成装置(以下「プリンタ」とも称する)の要部を示す概略構成図である。前記プリンタは、単一色の複写を行うものであり、図示しない画像読み取り部で読み取った画像データに基づいてモノクロ画像形成を行う。
図6に示すように、前記プリンタは、像担持体としてのドラム状の感光体3を備えている。感光体3はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
感光体3の周囲には帯電手段としての帯電装置4、潜像をトナー像化する現像手段である現像装置5、トナー像を記録媒体としての転写紙(転写体)に転写する転写手段としての転写装置7、転写後の感光体3上に残留するトナーをクリーニングするクリーニング手段としてのクリーニング装置6、感光体3上に滑剤を塗布する滑剤塗布手段としての潤滑剤塗布装置10、感光体3を除電する除電ランプ(不図示)等が配置されている。
帯電装置4は、感光体3に所定の距離を持って非接触で配置され、感光体3を所定の極性、所定の電位に帯電するものである。帯電装置4によって一様帯電された感光体3は、図示しない潜像形成手段たる露光装置から画像データに基づいて光が照射され静電潜像が形成される。
現像装置5は、現像剤担持体としての現像ローラ51を有している。この現像ローラ51には、図示しない電源から現像バイアスが印加されるようになっている。現像装置5のケーシング内には、ケーシング内に収容された現像剤を互いに逆方向に搬送しながら攪拌する供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53が設けられている。また、現像ローラ51に担持された現像剤を規制するためのドクタ54も設けられている。供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53の2本スクリュによって撹拌、搬送された現像剤中のトナーは、所定の極性に帯電される。そして、現像剤は、現像ローラ51に汲み上げられ、汲み上げられた現像剤は、ドクタ54により規制され、感光体3と対向する現像領域でトナーが感光体3上の潜像に付着する。
クリーニング装置6は、クリーニングブレード62を有しているがファーブラシをさらに有する構成としてもよい。クリーニングブレード62は、感光体3の表面移動方向に対してカウンター方式で感光体3に当接している。なお、クリーニングブレード62の詳細については前述したとおりである。
潤滑剤塗布装置10は、固形潤滑剤103、潤滑剤加圧スプリング(不図示)、ファーブラシ101等を備え、固形潤滑剤103を感光体3上に塗布する塗布ブラシとしてファーブラシ101を用いている。固形潤滑剤103は、図示しないブラケットに保持され、潤滑剤加圧スプリング(不図示)によりファーブラシ101側に加圧されている。そして、感光体3の回転方向に対して連れまわり方向に回転するファーブラシ101により固形潤滑剤103が削られて感光体3上に潤滑剤が塗布される。感光体への潤滑剤塗布により感光体表面の摩擦係数が非画像形成時に0.2以下に維持される。
帯電装置4には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)を始めとする公知の手段が用いられる。
帯電装置4の帯電方式としては、接触帯電方式、非接触の近接配置方式が好ましく、帯電効率が高くオゾン発生量が少ない、装置の小型化が可能である等のメリットを有する。接触帯電方式又は非接触の近接配置方式の場合、感光体3からトナーなどが帯電装置4に移行し汚染されるため、帯電装置4にはクリーニング機構8を設けることが好ましい。
また、図示しない露光装置、除電ランプ等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザーは照射エネルギーが高く、また600nm〜800nm長の波長光を有するため、良好に使用される。
次に、プリンタにおける画像形成動作を説明する。
図示しない操作部などからプリント実行の信号を受信したら、帯電装置4、現像ローラ51にそれぞれ所定の電圧又は電流が順次所定のタイミングで印加される。同様に、露光装置及び除電ランプなどにもそれぞれ所定の電圧又は電流が順次所定のタイミングで印加される。また、これと同期して、駆動手段としての感光体駆動モータ(不図示)により感光体3が時計回りの方向に回転駆動される。
感光体3が時計回りの方向に回転すると、まず感光体表面が、帯電装置4によって所定の電位に帯電される。そして、図示しない露光装置から画像信号に対応した光Lが感光体3上に照射され、光が照射された部分の感光体3上が除電され静電潜像が形成される。
静電潜像の形成された感光体3は、現像装置5との対向部で現像ローラ51上に形成された現像剤の磁気ブラシで感光体3表面を摺擦される。このとき、現像ローラ51上の負帯電トナーは、現像ローラ51に印加された所定の現像バイアスによって、静電潜像側に移動し、トナー像化(現像)される。このように、本実施形態では、感光体3上に形成された静電潜像は、現像装置5によって、負極性に帯電されたトナーにより反転現像される。本実施形態では、N/P(ネガポジ:電位が低い所にトナーが付着する)の非接触帯電ローラ方式を用いた例について説明したが、これに限るものではない。
感光体3上に形成されたトナー像は、図示しない給紙部から上レジストローラと下レジストローラとの対向部を経て、感光体3と転写装置7との間に形成される転写領域に給紙される転写紙に転写される。このとき、転写紙は上レジストローラと下レジストローラとの対向部で画像先端と同期を取り転写ベルト14上に供給される。また、転写紙への転写時には、所定の転写バイアスが印加される。トナー像が転写された転写紙は感光体3から分離され、図示しない定着手段としての定着装置へ搬送される。そして、定着装置を通過する事により、熱と圧力の作用でトナー像が転写紙上に定着されて、転写紙は機外に排出される。
一方、転写後の感光体3の表面は、クリーニング装置6で転写後の残留トナーが除去され、潤滑剤塗布装置10によって潤滑剤が塗布された後、除電ランプで除電される。
なお、以上説明した例は感光体3から転写体としての転写紙にトナー像を直接転写される方式を採用した実施形態であるが、本発明はこれに何ら限定されるものではない。即ち、感光体3から中間転写体としての中間転写ベルトにトナー像を1次転写し、この中間転写ベルト上のトナー像を転写紙に2次転写する、いわゆる中間転写方式を採用しても良い。
この他、各色に対応した複数の現像装置5を有しカラー画像を形成する、周知慣用のカラー画像形成方式を採用したカラー画像形成装置としてもよい。
また、本プリンタにおいては、感光体3と、プロセス手段として帯電装置4、現像装置5、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10などが枠体2に収められており、プロセスカートリッジ1として装置本体から一体的に着脱可能となっている。なお、本実施形態では、プロセスカートリッジ1としての感光体3とプロセス手段とを一体的に交換するようになっているが、感光体3、帯電装置4、現像装置5、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10のような単位で新しいものと交換するような構成でもよい。
<トナー>
前記画像形成装置に用いる前記トナーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、画質向上のために、高円形化、小粒径化がし易い懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法により製造された重合トナーが好ましく、円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5μm以下の重合トナーがより好ましい。平均円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5μmのトナーを用いることにより、より高解像度の画像を形成することができる。
前記トナーの円形度は、フロー式粒子像分析装置(FPIA−2000、東亜医用電子株式会社製)により計測することができる。
具体的には、容器中の予め不純固形物を除去した水100mL〜150mL中に、分散剤として界面活性剤、アルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1mL〜0.5mL加え、更に測定試料(トナー)を0.1g〜0.5g加える。
このトナーが分散した懸濁液を、超音波分散器で1分間〜3分間分散処理し、分散液濃度が3,000個/μL〜1万個/μLとなるようにしたものを上述の分析装置にセットして、トナーの形状及び分布を測定する。そして、この測定結果に基づきトナー投影形状の外周長をC1、その投影面積をSとし、この投影面積Sと同じ真円の外周長をC2としたときのC2/C1を求め、その平均値を円形度とする。
体積平均粒径については、コールターカウンター法によって求めることが可能である。
具体的には、コールターマルチサイザー2e型(コールター社製)によって測定したトナーの個数分布や体積分布のデータを、インターフェイス(日科機バイオス株式会社製)を介してパーソナルコンピューターに送って解析する。より詳しくは、1級塩化ナトリウムを用いた1%NaCl水溶液を電解液として用意する。そして、この電解水溶液100mL〜150mL中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1mL〜5mL加える。更に、これに被検試料としてのトナーを2mg〜20mg加え、超音波分散器で約1分間〜3分間分散処理する。そして、別のビーカーに電解水溶液100mL〜200mLを入れ、その中に分散処理後の溶液を所定濃度になるように加えて、上記コールターマルチサイザー2e型(コールター社製)にかける。アパーチャーとしては、100μmのものを用い、50,000個のトナー粒子の粒径を測定する。チャンネルとしては、2.00μm以上2.52μm未満;2.52μm以上3.17μm未満;3.17μm以上4.00μm未満;4.00μm以上5.04μm未満;5.04μm以上6.35μm未満;6.35μm以上8.00μm未満;8.00μm以上10.08μm未満;10.08μm以上12.70μm未満;12.70μm以上16.00μm未満;16.00μm以上20.20μm未満;20.20μm以上25.40μm未満;25.40μm以上32.00μm未満;32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上32.0μm以下のトナー粒子を対象とする。そして、「体積平均粒径=ΣXfV/ΣfV」という関係式に基づいて、体積平均粒径を算出する。ただし、前記関係式において、Xは各チャンネルにおける代表径、Vは各チャンネルの代表径における相当体積、fは各チャンネルにおける粒子個数を示す。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像してトナー像を形成する現像手段、及び前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段の少なくともいずれかの手段と、転写残のトナー像をクリーニングブレードによりクリーニングするクリーニング手段とを有してなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。本発明のプロセスカートリッジにおいて使用するクリーニングブレードが、上述した本発明のクリーニングブレードである。
[プロセスカートリッジの実施形態]
本発明のプロセスカートリッジの実施形態について説明する。
図6に示されるプロセスカートリッジ1は、感光体3と、プロセス手段として帯電装置4、現像装置5、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10などが枠体2に収められて、画像記録装置から一体的に着脱可能である。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、実施例中において使用する「部」は全て「質量部」を、「%」は全て「質量%」を表す。
(クリーニングブレードの製造)
(実施例1)
母体となる弾性体ブレードをガラス製容器に入れ、感光体と当接する面と対向する側の面をアルミ製金属板に貼り付け、感光体と当接する先端面とその面と垂直なブレード下面(カット面)との頂点(先端稜線部)から1cm以上の領域をマスキングした。この弾性体ブレードを下記ポリエン/ポリチオール溶液1に3分間浸漬した。
母体となる弾性体ブレードとしては、株式会社リコー製imagio Neo C4500で用いられているクリーニングブレードの弾性体ブレードを使用した。
弾性体ブレードをポリエン/ポリチオール溶液1から引き上げ、表面をマイクロワイプ(BEMCOT(登録商標)S−2、小津産業株式会社製)で拭き、10分間真空乾燥を行った。その後、紫外線(UV)照射(1,000mJ/cm)を行った後、ホルダーに固定し、実施例1のクリーニングブレードを作製した。
以上の操作は、全て通常大気と同じ酸素濃度、18℃、相対湿度18%で行った。
〔ポリエン/ポリチオール溶液1〕
・ ポリエン ・・・ 12.8部
(分子量372のポリオキシエチレングリコール372部にアリルグリシジルエーテル228部を反応させたもの)
・ ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート ・・・ 7.2部
・ 光重合開始剤(メチルベンゾイルフォーメート) ・・・ 1.0部
・ シリコン−アルキレンオキサイド付加物 ・・・ 0.5部
(三洋化成工業株式会社製)
・ 2−ブタノール ・・・ 80部
(実施例2)
母体となる弾性体ブレードをガラス製容器に入れ、感光体と当接する面と対向する側の面をアルミ製金属板に貼り付け、感光体と当接する先端面とその面と垂直なブレード下面(カット面)との頂点(先端稜線部)から1cm以上の領域をマスキングした。ガラス容器を10Torrまで減圧した状態で、弾性体ブレードをポリエン/ポリチオール溶液1に5秒間浸漬した。ガラス容器内を常圧に戻し、10秒間放置後、ポリエン/ポリチオール溶液1から引き上げる以外は実施例1と同様にして、実施例2のクリーニングブレードを作製した。
(実施例3)
実施例2において、10Torrまで減圧した状態で、弾性体ブレードをポリエン/ポリチオール溶液1に浸漬している時間を30秒間とする以外は、実施施例2と同様にして、実施例3のクリーニングブレードを作製した。
(実施例4)
母体となる弾性体ブレードをガラス製容器に入れ、感光体と当接する面と対向する側の面をアルミ製金属板に貼り付け、感光体と当接する先端面とその面と垂直なブレード下面(カット面)との頂点(先端稜線部)から1cm以上の領域をマスキングした。ガラス容器を10Torrまで減圧した状態で、弾性体ブレードをポリエン/ポリチオール溶液1に浸漬した後、ガラス容器内を1,560Torrまで気圧を上げ、5秒間放置後、ポリエン/ポリチオール溶液1から引き上げる以外は実施例1と同様にして、実施例4のクリーニングブレードを作製した。
(実施例5)
実施例1において、ポリエン/ポリチオール溶液1の代わりに、下記ポリエン/ポリチオール溶液2を用いる以外は実施例1と同様にして、実施例5のクリーニングブレードを作製した。
〔ポリエン/ポリチオール溶液2〕
・ ポリエン ・・・ 15.8部
(分子量240のポリオキシエチレングリコール240部にアリルグリシジルエーテル228部を反応させたもの)
・ ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート ・・・ 7.2部
・ 光重合開始剤(メチルベンゾイルフォーメート) ・・・ 1.0部
・ シリコン−アルキレンオキサイド付加物 ・・・ 0.5部
(三洋化成工業株式会社製)
・ 2−ブタノール ・・・ 77部
(実施例6)
実施例2において、ポリエン/ポリチオール溶液1の代わりに、ポリエン/ポリチオール溶液2を用いる以外は実施例2と同様にして、実施例6のクリーニングブレードを作製した。
(実施例7)
実施例2において、弾性体ブレードをポリエン/ポリチオール溶液1から引き上げ、表面をマイクロワイプで拭いた後、紫外線(UV)照射前に下記ポリエン/ポリチオール溶液3をスプレー塗工する以外は実施例2と同様にして、実施例7のクリーニングブレードを作製した。
スプレー装置は、PC−308WIDE(オリンポス社製)を用い、当接先端部から40mm離れたところから、0.5MPaの圧力、7mm/sの速度で1回塗工した。
〔ポリエン/ポリチオール溶液3〕
・ ポリエン ・・・ 12.8部
(分子量372のポリオキシエチレングリコール372部にアリルグリシジルエーテル228部を反応させたもの)
・ ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート ・・・ 7.2部
・ 光重合開始剤(メチルベンゾイルフォーメート) ・・・ 1.0部
・ シリコン−アルキレンオキサイド付加物 ・・・ 0.5部
(三洋化成工業株式会社製)
・ 2−ブタノール ・・・ 160部
(実施例8)
ポリエン/ポリチオール溶液3の代わりに、ポリエン/ポリチオール溶液1をスプレー塗工する以外は実施例7と同様にして、実施例8のクリーニングブレードを作製した。
(実施例9)
実施例7において、ポリエンとしてジアリリデンペンタエリスリットを用いる以外は、実施例7と同様にして、実施例9のクリーニングブレードを作製した。
(比較例1)
実施例4において、弾性体ブレードをポリエン/ポリチオール溶液1に浸漬した後、ガラス容器内を2,280Torrまで気圧を上げる以外は実施例4と同様にして、比較例1のクリーニングブレードを作製した。
(比較例2)
実施例1において、弾性体ブレードをポリエン/ポリチオール溶液1に浸漬している時間を5秒とする以外は実施例1と同様にして比較例2のクリーニングブレードを作製した。
(比較例3)
実施例1において、ポリエン/ポリチオール溶液1の代わりに、以下のアクリレート溶液を用いる以外は実施例1と同様にして比較例3のクリーニングブレードを作製した。
〔アクリレート溶液〕
・ カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート ・・・ 15部
(KAYARAD DPCA−120、日本化薬株式会社製)
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 1部
(イルガキュア(登録商標)184,チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
・ 2―ブタノール ・・・ 74部
(比較例4)
母体の弾性体ブレードに関して、一切含浸処理を行わなかった。ホルダーに固定して、比較例4のクリーニングブレードとした。
実施例1〜9及び比較例1〜4のそれぞれについて、同一条件で作製したクリーニングブレードをそれぞれ2本準備した。
(表面層の厚み及び含浸深さの測定)
実施例1〜9、比較例1〜4の、準備したうちの1本のクリーニングブレードについて、長手方向中央をクライオミクロトーム(EM FCS、ライカ社製)で、ガラス刃を用いて厚さ1μmの切片を作製した。シリコンウェハ上に切片を載せ、電子顕微鏡観察を行い、カット面におけるポリエン/ポリチオールの含浸深さと表面層の厚みを測定した。その際、顕微IR(透過法)に用いるIR装置として、本体はFT/IR−6100、赤外顕微鏡はIRT−5000(いずれも、日本分光株式会社製)を用いた。結果を表1に示す。
(クリーニング性能の測定)
実施例1〜9、比較例1〜4の、準備したうちの残り1本のクリーニングブレードを、カラー複合機imagio Neo C4500(株式会社リコー製)に装着した。トナーは重合法により作製した下記の物性のトナーを用いた。21℃、65%RHの環境にて、画像面積率5%チャートを3プリント(A4横)/ジョブで、50,000枚の実機通紙試験を行った。
トナー母体:円形度0.98、平均粒径4.9μm
外添剤 :小粒径シリカ1.5部(H2000、クラリアント製)
小粒径酸化チタン0.5部(MT−150AI、テイカ株式会社製)
大粒径シリカ1.0部(UFP−30H、電気化学工業株式会社製)
トナー母体の円形度は、フロー式粒子像分析装置(FPIA−2000、東亜医用電子株式会社製)により計測した。
トナー母体の平均粒径は、コールターマルチサイザー2e型(コールター社製)を用いたコールターカウンター法によって求めた。
以下の項目について評価を行った。
<クリーニング不良>
各評価環境下における通紙評価終了後のクリーニング不良の発生の有無を目視で観察した。良好なものから順に◎、○、△、×で評価し、◎及び○を合格とした。結果を表1に示す。
◎: 全くクリーニング不良が生じていない
○: 目視ではほとんど分からず、拡大鏡で観察してわずかにクリーニング不良が確認される。
△: 目視で凝視すると、画像がやや不自然であり、拡大鏡で観察すると明らかにクリーニング不良が確認される。
×: 目視で明らかにすり抜けが確認される。
<ブレードエッジの摩耗幅、摩耗形態>
通紙評価終了後のクリーニングブレードについて、図7に示すように、クリーニングブレード下面側からみたブレードエッジの摩耗幅、及び摩耗形態を、形状測定レーザーマイクロスコープ(VK−X100、株式会社キーエンス製)を用いて形状測定することで、観察、測定した。結果を表1に示す。
表1の結果から、実施例1〜9では、5万枚通紙後もブレードエッジの摩耗量が少なく、良好なクリーニング性が達成できた。
これに対して、比較例1、2では、弾性体ブレードの表面に含浸したポリエン/ポリチオール重合体の深さが過剰又は不十分(比較例1は158μm、比較例2は3μm)であるため、クリーニングブレードの機械特性が好適でなく、ブレードエッジ摩耗量がやや多くなっている。ブレードエッジの摩耗量が多いためにクリーニング不良となっている。
また、比較例3は、ポリエン/ポリチオールモノマーの代わりに、アクリレートモノマーを弾性体ブレードの表面に含浸した後、紫外線照射した例であるが、通常大気と同じ酸素濃度で紫外線照射したため、アクリレートの重合が十分には進まず、その結果、ブレードエッジ摩耗量が多くなっている。また、ブレードエッジの摩耗量が多いためにクリーニング不良となっている。
比較例4は、弾性体ブレードに関して、一切含浸処理を行わなかったため、クリーニングブレードの機械特性が不十分であり、ブレードエッジ摩耗量がやや多くなっている。またブレードエッジの摩耗量が多いためにクリーニング不良となっている。更に、ブレードエッジにえぐれを生じている。
本発明の態様としては、以下のとおりである。
<1> 電子写真感光体表面に残留したトナーを除去するクリーニングブレードであって、弾性体ブレードを含んでなり、前記弾性体ブレードは、その表面から5μm以上150μm以下の深さまでポリエン/ポリチオール重合体を含浸していることを特徴とするクリーニングブレードである。
<2> 弾性体ブレードの表面に積層されてなる表面層を有し、前記表面層は、ポリエン/ポリチオール重合体を含有してなり、前記表面層の厚みが0.05μm以上3μm以下である前記<1>に記載のクリーニングブレードである。
<3> 弾性体ブレードをポリエン/ポリチオールモノマーに含浸させる工程と、エネルギー線を照射することにより前記ポリエン/ポリチオールモノマーを重合させる工程を少なくとも含む製造方法によって製造される前記<1>から<2>のいずれかに記載のクリーニングブレードである。
<4> 電子写真感光体、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像してトナー像を形成する現像手段、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段、及び前記電子写真感光体表面の残留トナーをクリーニングブレードによりクリーニングするクリーニング手段を有する画像形成装置であって、
前記クリーニングブレードは、前記<1>から<3>のいずれかに記載のクリーニングブレードであることを特徴とする画像形成装置である。
<5> 電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像してトナー像を形成する現像手段、及び前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段の少なくともいずれかの手段と、転写残のトナー像をクリーニングブレードによりクリーニングするクリーニング手段とを有するプロセスカートリッジであって、
前記クリーニングブレードは、前記<1>から<3>のいずれかに記載のクリーニングブレードであることを特徴とするプロセスカートリッジである。
1 プロセスカートリッジ
2 枠体
3 感光体
4 帯電装置
5 現像装置
6 クリーニング装置
7 転写装置
10 潤滑剤塗布装置
14 転写ベルト
51 現像ローラ
52 供給スクリュ
53 攪拌スクリュ
54 ドクタ
62 クリーニングブレード
62a 先端面
62b ブレード下面
62c 先端稜線部
101 ファーブラシ
103 固形潤滑剤
262 クリーニングブレード
262a 先端面
262b ブレード下面
262c 先端稜線部
621 ホルダー
622 弾性体ブレード
623 表面層
特開2005−107376号公報 特開2000−66555号公報 特許第3602898号公報 特開2011−138110号公報

Claims (5)

  1. 電子写真感光体表面に残留したトナーを除去するクリーニングブレードであって、弾性体ブレードを含んでなり、前記弾性体ブレードは、その表面から5μm以上150μm以下の深さまでポリエン/ポリチオール重合体を含浸していることを特徴とするクリーニングブレード。
  2. 弾性体ブレードの表面に積層されてなる表面層を有し、前記表面層は、ポリエン/ポリチオール重合体を含有してなり、前記表面層の厚みが0.05μm以上3μm以下である請求項1に記載のクリーニングブレード。
  3. 弾性体ブレードをポリエン/ポリチオールモノマーに含浸させる工程と、エネルギー線を照射することにより前記ポリエン/ポリチオールモノマーを重合させる工程を少なくとも含む製造方法によって製造される請求項1から2のいずれかに記載のクリーニングブレード。
  4. 電子写真感光体、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像してトナー像を形成する現像手段、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段、及び前記電子写真感光体表面の残留トナーをクリーニングブレードによりクリーニングするクリーニング手段を有する画像形成装置であって、
    前記クリーニングブレードは、請求項1から3のいずれかに記載のクリーニングブレードであることを特徴とする画像形成装置。
  5. 電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像してトナー像を形成する現像手段、及び前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段の少なくともいずれかの手段と、転写残のトナー像をクリーニングブレードによりクリーニングするクリーニング手段とを有するプロセスカートリッジであって、
    前記クリーニングブレードは、請求項1から3のいずれかに記載のクリーニングブレードであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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