JP6152684B2 - 画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Description

本発明は高耐久クリーニングブレードを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
電子写真プロセスを用いた画像形成装置では、像担持体(典型的には感光体)に対して帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程を施すことにより画像形成が行われる。帯電工程で生成し感光体表面に残る放電生成物および転写工程後に感光体表面に残る残トナーまたはトナー成分はクリーニングプロセスを経て除去される。
画像形成装置の信頼性向上の観点から、感光体には、アモルファスシリコンのような無機系材料を用いたり、有機感光体の表面にアクリレート系材料や無機微粒子を分散させた表面層を有する高耐久感光体が用いられるようになってきた。これらの感光体は、クリーニングブレードに対する耐摩耗性に優れるため、従来よりも遥かに長い寿命を実現することができ、メンテナンスの回数を大幅に減らし、感光体の交換を少なくでき、コスト的にも、環境的にも非常に好ましいものであった。
しかし、感光体の長寿命化が図れても、クリーニングブレードの寿命も長くできなければ、メンテナンスの回数を減らすことはできない。また、最近の電子写真装置においては、メンテナンスを容易にするため、感光体とクリーニングブレード等の部材を一体にした、所謂プロセスカートリッジが用いられることが多くなってきた。そのため、感光体は十分に使用可能であるにもかかわらず、クリーニングブレードの寿命が律速となってしまい、プロセスカートリッジを交換しないといけなくなっていた。
クリーニングブレードは、一般的には、ポリウレタンゴムなどの短冊形状の弾性体であり、クリーニングブレードの基端を支持部材で支持して先端稜線部を感光体の周面に押し当て、感光体上に残留するトナーをせき止めて掻き落とし除去する。
近年の高画質化の要求に応えるべく、重合法等により形成された小粒径で球形に近いトナー粒子を用いたトナー(以下、重合トナー)を用いた画像形成装置が知られている。この重合トナーは、従来の粉砕トナーに比べて転写効率が高いなどの特徴があり、上記要求に応えることが可能である。しかし、重合トナーは、クリーニングブレードを用いて感光体表面から除去しようとしても十分に除去することが困難であり、クリーニング不良が発生してしまうという問題を有している。これは、小粒径で且つ球形度に優れた重合トナーが、ブレードと感光体との間に形成される僅かな隙間をすり抜けるからである。
かかるすり抜けを抑えるには、感光体とクリーニングブレードとの当接圧力を高めてクリーニング能力を高める必要がある。しかし、クリーニングブレードの当接圧を高めると、図6(a)に示すように、感光体23とクリーニングブレード262との摩擦力が高まり、クリーニングブレード262が感光体23の移動方向に引っ張られて、クリーニングブレード262の先端稜線部262cがめくれてしまう。このめくれたクリーニングブレード262の先端稜線部262cがめくれた状態でクリーニングをし続けると、図6(b)に示すように、クリーニングブレード262の先端面262bの先端稜線部262cから数[μm]離れた場所に局所的な摩耗が生じてしまう。このような状態で、さらにクリーニングを続けると、この局所的な摩耗が大きくなり、最終的には、図6(c)に示すように、先端稜線部262cが欠落してしまう。先端稜線部262cが欠落してしまうと、トナーを正常にクリーニングできなくなり、クリーニング不良を生じてしまい、クリーニングブレードの寿命となる。
クリーニングブレードの高寿命化に対し、例えば特許文献1の特開2004−233818号公報には、ウレタンゴムの弾性ブレードの感光体との当接面に、表面層から内部に向かってシリコン含有量が小さくなるシリコン層を形成したクリーニングブレードが記載されているが、離型性に優れるストレートシリコンは軟質で変形し易く、かつブレード材料との混和性に難点があり、また、耐熱性および耐候性の点でも問題があって劣化し易い。
そこで、特許文献2の特開2010−152295号公報には、ブレードの感光体との当接面にシリコン系材料を含浸させたクリーニングブレードの、感光体と当接する先端稜線部に、前記シリコンを含浸部を覆うように硬い表面層を設けることが開示されている。
特許文献3(特開2005−107376号公報)には、ポリウレタンエラストマーからなるブレード材料の感光体との当接部に、イソシアネートを0.1mm積層したクリーニングブレードが開示されている。
しかしながら、このクリーニングブレードは、アモルファスシリコンの無機系の感光体に対しては、優れた性能を示すものの、無機微粒子を表面層に用いた有機感光体においては、感光体と接する先端が、早期に欠けてしまい、クリーニング不良を発生することが多かった。
特許文献4(特許第3602898号公報)には、ポリウレタンエラストマーからなるクリーニングブレードの少なくとも感光体との当接部に、アクリルウレタンモノマーを含浸させ、UV光を照射して硬化させたクリーニングブレードが開示されている。このクリーニングブレードは、画像形成を行う初期においてはクリーニング性に問題はないものの、画像形成を繰り返していくと、感光体と接する先端が欠け、クリーニング不良を引き起こすことが多かった。
特許文献4のアクリルウレタンモノマーの硬度は、ポリウレタンエラストマー中に含浸した状態では測定できないので、アクリルウレタンモノマーをガラス板上に塗布し、UV光を照射して硬化させた膜は、十分な硬度を有していることが確認できたが、アクリルウレタンモノマーを含浸させ、UV光を照射したウレタンエラストマーの硬度は、予想されるよりも遥かに小さく、何も処理していないウレタンエラストマーの硬度とほとんど変化がなかったり、逆に柔らかくなっていることもあった。
また、特許文献4のクリーニングブレードにおいては、アクリルウレタンモノマーを含浸させることにより、クリーニングブレードの硬度が上がることにより、クリーニングブレード端部の変形が起こらなくなるため、端部に係る実質的な圧力は非常に強くなる。アクリルウレタンが重合したものは、摩擦抵抗が高いため、感光体と接する先端が欠けやすいことが分かった。
また、特許文献5(特開2000−66555号公報)には、クリーニングブレードに低摩耗化処理層を設けることにより、感光体とクリーニングブレードの摩擦力を低減させた画像形成装置が開示されている。このクリーニングブレードは、画像形成をそれほど行っていない初期の場合には、非常に優れたクリーニング性を有している。しかしながら、画像形成を繰り返していると、低摩耗処理層の最表面の低摩耗処理物質が脱落してしまい、感光体とクリーニングブレードの摩擦力が高くなり、クリーニングブレードの欠けが部分的に起きてしまい、クリーニング不良が発生してしまっていた。
近年、ビニル基あるいはアクリロイル基含有のフッ素化合物モノマー(例えば、特許文献6の特開2005−15753号公報)をアクリル塗料に混合した塗料が、ハードコート塗料として注目されている。ビニル基あるいはアクリロイル基含有のフッ素化合物モノマーは、アクリル塗料に混合され、塗布すると、アクリル塗料中に、均一に存在するのではなく、気液界面に存在する性質を持つため、塗布後、UV照射を行うことにより、ビニル基あるいはアクリロイル基含有のフッ素化合物モノマーは、最表面にいる状態で、アクリル塗料のアクリルモノマーと、化学結合を行い、物質表面の摩擦抵抗を極めて小さくすることができる。
本発明者らは、クリーニングブレードを、このビニル基あるいはアクリロイル基含有のフッ素化合物モノマーを混合させたアクリル含浸液に浸漬し、UV照射を行いクリーニングブレードを改質してみたところ、クリーニングブレード表面の摩擦抵抗を小さくできる場合が多いものの、バラツキが激しく、摩擦抵抗の小さなものであっても、使用していくうちに、直ぐに摩擦抵抗は上がってしまい、クリーニング性能が悪くなってしまっていた。
また、直ぐに摩擦抵抗が上がっていくものは、クリーニングブレードの欠けが発生しやすいことが分かった。
本発明者らは、詳細に調査した結果、直ぐに摩耗抵抗が上がっていくものは、クリーニングブレード上の塗膜の厚みが厚く、基材の変形に、硬いアクリル樹脂が耐え切れず、微細な割れが生じてしまい、その微細な割れから、欠けに至ってしまうことが分かった。
また、摩擦抵抗が下がらなかったクリーニングブレードは、クリーニングブレードの最表面にフッ素系物質がほとんど存在していないことが分かった。
本発明者らは次に、クリーニングブレード上に、ビニル基あるいはアクリロイル基含有のフッ素化合物モノマーを混合させたアクリル塗工液をスプレー塗工により塗布し、UV光を照射して、クリーニングブレード表面の改質を行ったところ、塗工した液の量が多ければ、クリーニングブレード表面の摩擦抵抗を下げることは可能であった。しかし、クリーニングブレードを使用していくと、摩擦抵抗はすぐに上がってしまい、クリーニング性能が悪くなってしまっていた。摩擦抵抗が高くなるのは、アクリル塗料を含浸させた時よりも、早かった。
本発明者らが詳細に調べたところ、クリーニングブレード端部に圧力をかけて擦ると、アクリル樹脂層が、クリーニングブレードから剥がれたり、微細な割れが、簡単に生じてしまうことが分かった。アクリルモノマーは、基材のウレタンとは、化学的な結合は生じないため、クリーニングブレード表面にアクリル層を積層しただけでは、ウレタンゴムの変形についていけず、剥がれたり、微細な割れが簡単に生じてしまうことが分かった。
本発明の目的は、上記従来技術の現状に鑑み、従来からの諸問題を解決し、高耐久性と優れたクリーニング性を併せ持つブレードを用いることにより、長期にわたって高品質の画像形成が可能な画像形成装置を供給することにある。
本発明者らは、クリーニングブレード表面の硬度を上げながら、摩擦抵抗を下げるためには、どうすればよいか、鋭意検討を行った。
クリーニングブレード表面の摩擦抵抗を下げるためには、フッ素化合物を用いることは必須であるが、フッ素化合物は再表面にしか存在せず、アクリルモノマーと反応することによりアクリル塗膜上に固定される。問題はアクリル塗膜が厚いと、アクリル塗膜自体が割れ易くなる。一方、アクリル塗膜が薄く、クリーニングブレード表面を覆わなければ、フッ素化合物による摩擦抵抗の減少は期待できない。それに対して、予め、クリーニングブレードにアクリルモノマーを含浸させておき、その後、ビニル基あるいはアクリロイル基含有のフッ素化合物モノマーを混合させたアクリル塗工液を少量塗布して重合させれば、クリーニングブレードに含浸したアクリル化合物の重合体は、基材のウレタンゴムと一体になっているため、ウレタンゴムから剥がれることはなく、かつ、ビニル基あるいはアクリロイル基含有のフッ素化合物モノマーとは、クリーニングブレードの表面で化学的に結合し、かつ、アクリル塗膜層が非常に薄いので、アクリル層自体の割れは起こらず、表面のアクリル層は、含浸しているアクリル重合体と化学的に結合するため、剥がれることがないことを見出し、本発明に至った。
即ち本発明は、(1)像担持体上の転写残物質をクリーニングブレードにより除去する手段を備えた画像形成装置において、該クリーニングブレードの前記像担持体と当接するカット面に、フッ素化合物が設けられており、該クリーニングブレードの前記カット面をXPSにより測定した際のF原子の含有割合が、20atomic%以上である画像形成装置である。
また、本発明は、以下の(2)〜(5)に記載の画像形成装置を包含する。
(2)「前記像担持体と同形状のアルミドラムを前記像担持体の代わりに搭載し、アルミドラムを1分間摺擦した後、前記クリーニングブレードの前記カット面をXPSにより測定した際のF原子の割合が、20atomic%以上であることを特徴とする前記(1)に記載の画像形成装置。」
(3)「前記クリーニングブレードの前記カット面をXPSにより測定した際のCF2の割合と、CF3の割合の合計が、12atomic%以上であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の画像形成装置。」
(4)「前記クリーニングブレードの内部に、アクリル系樹脂材料が含浸していることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の画像形成装置。」
(5)「前記クリーニングブレードの少なくとも前記カット面に、前記フッ素化合物を含む表面層が形成されており、該表面層の厚みが、0.01〜1.00μmであることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の画像形成装置。」
以下の詳細かつ具体的な説明から理解されるように、本発明によれば、アクリル樹脂層が、クリーニングブレードから剥がれたり、微細な割れが、簡単に生じてしまうことなく、高耐久性と優れたクリーニング性を併せ持つブレードを用いることにより、長期にわたって高品質の画像形成が可能な画像形成装置を供給することができるという非常に優れた効果が発揮される。
すなわち、本発明においては、クリーニングブレードカット面にF原子が20atomic%以上存在しているため、感光体とクリーニングブレードの摩擦力が小さくすることができ、クリーニングブレードの耐久性が大幅に向上し、長期にわたって高画質の画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。
また、前記像担持体と同形状のアルミドラムを前記像担持体の代わりに搭載し、アルミドラムを1分間摺擦した後、前記クリーニングブレードの前記カット面をXPSにより測定した際のF原子の割合が、20atomic%以上であることにより、アルミドラムと摺擦しても、クリーニングブレードカット面にFが20atomic%以上存在しているため、感光体とクリーニングブレードの摩擦力が小さくすることができ、クリーニングブレードの耐久性が大幅に向上し、長期にわたって高画質の画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。
さらに、前記クリーニングブレードの前記カット面をXPSにより測定した際のCF2の割合と、CF3の割合の合計が、12atomic%以上である場合には、感光体とクリーニングブレードの摩擦力が小さくすることができ、クリーニングブレードの耐久性が大幅に向上し、長期にわたって高画質の画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。
さらにまた、前記クリーニングブレードの内部に、アクリル系樹脂材料が含浸している場合には、クリーニングブレードの機械的強度を補強するとともに、表面のF成分を確実に固定することができるため、感光体とクリーニングブレードの摩擦力が小さくすることができ、クリーニングブレードの耐久性が大幅に向上し、長期にわたって高画質の画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。
さらにまた、前記クリーニングブレードの少なくとも前記カット面に形成された前記フッ素化合物を含む表面層の厚みが、0.01〜1.00μmである場合には、クリーニングブレードの変形に対して、表面層にひびや剥がれが生じないため、感光体とクリーニングブレードの摩擦力が小さくすることができ、クリーニングブレードの耐久性が大幅に向上し、長期にわたって高画質の画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。
本発明に係る画像形成装置の1例の要部を示す概略構成図である。 本発明におけるトナー粒子の円形度の測定法を説明する図である。 本発明におけるクリーニングブレードの1例(62)の斜視図である。 同クリーニングブレード(62)の拡大断面図である。 ブレードエッジ摩耗幅、摩耗形態例を説明する概要図である。 従来のクリーニングブレードにおける劣化の態様を説明する概要図である。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。
本発明の画像形成装置の用いるクリーニングブレードの母体に使用される弾性体ブレードは、一般的従来公知の組成、工法で製造することができる。図3は、本発明におけるクリーニングブレードの1例としてのブレード62の斜視図であり、図4は、同クリーニングブレード62の拡大断面図である。
クリーニングブレード62は、金属や硬質プラスチックなどの剛性材料からなる短冊形状のホルダー621と、短冊形状の弾性体ブレード622とで構成されている。弾性体ブレード622は、ホルダー621の一端側に接着剤などにより固定されており、ホルダー621の他端側は、クリーニング装置6のケースに片持ち支持されている。弾性体ブレード622としては、感光体3の偏心や感光体表面の微小なうねりなどに追随できるように、高い反発弾性体率を有するものが好ましく、ウレタン基を含むゴムであるウレタンゴムなどが好適である。
ポリウレタンエラストマーは、通常、ポリオール成分としてポリエチレンアジペートエステルやポリカプロラクトンエステルを用い、ポリイソシアネート成分として4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを用いてプレポリマーを調製し、これに硬化剤及び必要に応じて触媒を加えて、所定の型内にて架橋し、炉内にて後架橋させた後、常温で放置熟成することによって製造されている。
高分子量ポリオールとしては、例えば、アルキレングリコールと脂肪族二塩基酸との縮合体であるポリエステルポリオール、例えば、エチレンアジペートエステルポリオール、ブチレンアジペートエステルポリオール、ヘキシレンアジペートエステルポリオール、エチレンプロピレンアジペートエステルポリオール、エチレンブチレンアジペートエステルポリオール、エチレンネオペンチレンアジペートエステルポリオールのようなアルキレングリコールとアジピン酸とのポリエステルポリオール等のポリエステル系ポリオール、カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトンエステルポリオール等のポリカプロラクトン系ポリオール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール等のポリエーテル系ポリオール等が用いられる。
他に低分子量ポリオールとしては、例えば、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキノン−ビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフエニルメタン、4,4’−ジアミノジフエニルメタン等の二価アルコールや、1,1,1−トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、1,1,1−トリス(ヒドロキシエトキシメチル)プロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール等の三価及びそれ以上の多価アルコールを挙げることができる。
硬化触媒の具体例として、例えば、2−メチルイミダゾールや1,2−ジメチルイミダゾールを挙げることができるが、特に、1,2−ジメチルイミダゾールが好ましく用いられる。このような触媒は、通常、主剤100重量部に対して、0.01〜0.5重量部、好ましくは0.05〜0.3重量部の範囲で用いられる。
本発明の画像形成装置に用いるクリーニングブレードの前記カット面(62a)表面をXPSにより測定されるF原子の割合が、20atomic%以上、好ましくは、21atomic%以上、さらに好ましくは、22〜50atomic%である。クリーニングブレードの該カット面(62a)は、像担持体と接する際、クリーニング端部の姿勢制御に非常に重要であり、カット面(62a)のF原子の割合が20atomic%以上であれば、クリーニングブレードと像担持体が接する際の摩擦抵抗を大幅に低下することができ、優れたクリーニング性能を維持しながら、クリーニングブレードの耐久性を大幅に向上させることができる。
XPSによる元素分析では、再表面から5nmの範囲の元素しか測定されない。従って、F原子の割合が20atomic%以上と言うことは、フッ素化合物が確実にクリーニングブレード表面に存在していることを表している。
本発明の画像形成装置に用いるクリーニングブレード表面のフッ素成分は、摺擦しても、容易に取れることはない。本発明の画像形成装置に用いるクリーニングブレードは、本発明の画像形成装置に、感光体と同形状のアルミドラムを感光体の代わりに搭載し、アルミドラムを1分間摺擦した後、クリーニングブレードカット面をXPSにより測定した際のF原子の割合は、20atomic%以上、好ましくは、21atomic%以上、さらに好ましくは、22〜50atomic%であることが望ましい。
基本的には、画像形成装置に搭載する前と変わらないが、摺擦することにより、フッ素成分は表面の水平方向に並びやすくなるため、若干高めの値となる傾向になる。
クリーニングブレードを摺擦し、XPSを測定する際に、感光体ではなく、アルミドラムを用いたのは、感光体表面に存在するシリコンオイルや、有機物成分がクリーニングブレード表面に静電引力等で付着した場合でも、XPSでは表面敏感であり、クリーニングブレード表面のフッ素成分の上に付着物の成分を検出し、付着物の下のフッ素成分を検出できないためである。これらの弱く付着した成分は、使用中は排除、付着を繰り返し、クリーニングブレードの性能を左右するものではないが、XPSによる測定誤差として大きいためである。一方、アルミドラムであれば、摺擦を行っても、アルミドラムから汚染する成分は出てこないため、摺擦後のクリーニングブレード表面のフッ素成分のみを、正確に測定することができる。また、クリーニングブレードの機械的な変形等は、実際の使用条件と同じなため、クリーニングブレード表面のフッ素成分の変化を、正確に測定することが可能となる。
本発明の画像形成装置に用いるクリーニングブレードをXPSで測定した際、−CF2と−CF3の合計の割合は、12atomic%以上、好ましくは13atomic%以上であることが望ましい。−CF2と−CF3は、クリーニングブレード表面の摩擦抵抗減少に、効果がある基であり、特に、−CF3が多いほど、摩擦抵抗減少の効果が大きく、−CF3は、−CF2に比べて、2〜3倍にすることが摩擦抵抗減少の効果が高く、ビニル基あるいはアクリロイル基含有のフッ素化合物モノマーを製造が容易であり、かつ、アクリルモノマーへの溶解性もよく、好ましい。
本発明の画像形成装置に用いるクリーニングブレードは、カット面のクリーニングブレード表面から、5μm〜100μm、好ましくは8μm〜80μm、さらに好ましくは10μm〜70μmの深さまで、アクリレート重合体が含浸している。このアクリレート重合体は、クリーニングブレードの機械的強度を高めるとともに、表面のフッ素成分を化学的に固定するために、不可欠である。
アクリレート重合体がクリーニングブレードに含浸している深さが5μmより小さいと、アクリレート重合体を含浸していないブレードの耐久性が低下するとともに、カット面表面のフッ素成分を固定することができず、何も改質していないクリーニングブレードよりもむしろ性能が低下してしまう。また、アクリレート重合体がクリーニングブレードに含浸している深さが100μmよりも深いと、アクリレート重合体の含浸している深さをクリーニングブレードの長手方向全体にわたって均一にはできないため、クリーニングブレードの機械的特性にばらつきが生じてしまい。機械的特性の弱い場所からクリーニングブレードが欠けやすくなっているため好ましくない。
クリーニングブレードへの、アクリレート重合体を含浸させ方としては、アクリレートモノマーを含む溶液に、クリーニングブレードを一定時間含浸させる。その際、クリーニングブレードの乾燥は十分に行っていることが重要である。また、アクリレートモノマーを含む溶液にクリーニングブレードを含浸させる際には、減圧下でアクリレートモノマーを含む溶液にクリーニングブレードを浸漬した後、常圧に戻したり、さらに加圧することにより、アクリレートモノマーは、高濃度でクリーニングブレード内に含浸することができる。
クリーニングブレードへアクリレートモノマーを含む溶液を含浸させた後、クリーニングブレード表面に付着している溶液は不要であるため、ウエス等による拭き取り、あるいはエアナイフ等により除去することが好ましい。
クリーニングブレード内部にアクリレートモノマーを含浸させる際には、溶液中にビニル基あるいはアクリロイル基含有のフッ素化合物モノマーは必要ない。これは、アクリロイル基含有のフッ素化合物モノマーは、気液界面に存在しやすい性質のため、クリーニングブレード内部には、侵入しにくいことと、フッ素成分は、クリーニングブレード表面にあってこそ、摩擦抵抗を減少させるものであり、クリーニングブレード内部にあっても効果はほとんどない。
クリーニングブレード内部にアクリレートモノマーを十分含浸させた後、クリーニングブレード表面にアクリロイル基含有のフッ素化合物モノマーを含有したアクリレートモノマー溶液を塗布する。その際、塗布する溶液は、フッ素化合物モノマーを表面に一定量以上存在させることができれば、できるだけ少ない方が良い。前述のように、フッ素化合物モノマーは、気液界面に存在しやすい性質があるため、塗工した溶液が、クリーニングブレード内部に過剰に染みこんでいかなければ、クリーニングブレード表面に存在し、クリーニングブレード内部に含浸したアクリレートモノマーと化学的に反応、あるいは、塗布したアクリルモノマーを介して、クリーニングブレード内部に含浸したアクリレートモノマーと化学的に結合させることができる。
その後、UV光、電子線等のエネルギー線を照射することで、アクリレートモノマー及びアクリロイル基含有のフッ素化合物モノマーを含有したアクリレートモノマーを重合させることができる。
エネルギー線を照射する際のクリーニングブレード付近の酸素濃度は、2%以下、好ましくは1%であることが好ましい。クリーニングブレード付近の酸素濃度が2%より高くなると、クリーニングブレード内部のアクリレートモノマーは、未反応あるいはオリゴマーにしかならないので、内部でのクリーニングブレードの強度を低下させてしまい、クリーニングブレードの欠けが生じやすく、好ましくない。
アクリレートモノマーや、必要によりアクリレートモノマーの粘度を下げる溶剤には、溶存酸素を通常含んでいるため、ヘリウムやアルゴン、窒素等の不活性ガスをバブリングしたり、減圧脱気を行うことにより、溶存酸素を除去していることが好ましい。
[表面層]
表面層623は、基本的に最表面にフッ素成分を有するアクリル重合体である。このアクリル重合体は、前述のようにクリーニングブレード内部のアクリル重合体と化学的に結合し、固定される。
表面層623の層厚は基本的には薄いほどよいが、0.01〜1.00μm、好ましくは、0.02〜0.6μmにすることが好ましい。層厚が0.01μmより小さいと、表面層を均一に形成することが難しく、表面層のない箇所が生じやすく、好ましくない。層厚が1.00μmより大きいと、クリーニングブレードの変形に、表面層が耐えられなくなり、微細な割れが発生しやすく、このましくない。
[画像形成装置]
次に本発明を画像形成装置例としての電子写真プリンタ(以下、単にプリンタという)に適用した実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタの要部を示す概略構成図である。このプリンタは、単一色の複写を行うものであり、図示しない画像読み取り部で読み取った画像データに基づいてモノクロ画像形成を行う。
図1に示すように、当該プリンタは、像担持体としてのドラム状の感光体3を備えている。感光体3はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
感光体3の周囲には帯電手段としての帯電装置4、潜像をトナー像化する現像手段である現像装置5、トナー像を記録媒体としての転写紙に転写する転写手段としての転写装置7、転写後の感光体3上に残留するトナーをクリーニングするクリーニング手段としてのクリーニング装置6、感光体3上に滑剤を塗布する滑剤塗布手段としての潤滑剤塗布装置10、感光体3を除電する除電ランプ(不図示)等が配置されている。
帯電装置4は、感光体3に所定の距離を持って非接触で配置され、感光体3を所定の極性、所定の電位に帯電するものである。帯電装置4によって一様帯電された感光体3は、図示しない潜像形成手段たる露光装置から画像データに基づいて光Lが照射され静電潜像が形成される。
現像装置5は、現像剤担持体としての現像ローラ51を有している。この現像ローラ51には、図示しない電源から現像バイアスが印加されるようになっている。現像装置5のケーシング内には、ケーシング内に収容された現像剤を互いに逆方向に搬送しながら攪拌する供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53が設けられている。また、現像ローラ51に担持された現像剤を規制するためのドクタ54も設けられている。供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53の2本スクリュによって撹拌・搬送された現像剤中のトナーは、所定の極性に帯電される。そして、現像剤は、現像ローラ51に汲み上げられ、汲み上げられた現像剤は、ドクタ54により規制され、感光体3と対向する現像領域でトナーが感光体3上の潜像に付着する。
クリーニング装置6は、ファーブラシ101、クリーニングブレード62などを有している。クリーニングブレード62は、感光体3の表面移動方向に対してカウンタ方向で感光体3に当接している。なお、クリーニングブレード62の詳細については後述する。
潤滑剤塗布装置10は、固形潤滑剤103、潤滑剤加圧スプリング(不図示)等を備え、固形潤滑剤103を感光体3上に塗布する塗布ブラシとしてファーブラシ101を用いている。固形潤滑剤103は、図示しないブラケットに保持され、潤滑剤加圧スプリング(不図示)によりファーブラシ101側に加圧されている。そして、感光体3の回転方向に対して連れまわり方向に回転するファーブラシ101により固形潤滑剤103が削られて感光体3上に潤滑剤が塗布される。感光体への潤滑剤塗布により感光体表面の摩擦係数が非画像形成時に0.2以下に維持される。
帯電装置4には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)を始めとする公知の手段が用いられる。
これらの帯電方式のうち、特に接触帯電方式、あるいは非接触の近接配置方式がより望ましく、帯電効率が高くオゾン発生量が少ない、装置の小型化が可能である等のメリットを有する。
また、図示しない露光装置、除電ランプ等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザーは照射エネルギーが高く、また600〜800[nm]の長波長光を有するため、良好に使用される。
次に、プリンタにおける画像形成動作を説明する。
図示しない操作部などからプリント実行の信号を受信したら、帯電装置4、現像ローラ51にそれぞれ所定の電圧または電流が順次所定のタイミングで印加される。同様に、露光装置及び除電ランプなどにもそれぞれ所定の電圧又は電流が順次所定のタイミングで印加される。また、これと同期して、駆動手段としての感光体駆動モータ(不図示)により感光体3が図中矢印方向に回転駆動される。
感光体3が図中矢印方向に回転すると、まず感光体表面が、帯電装置4によって所定の電位に帯電される。そして、図示しない露光装置から画像信号に対応した光Lが感光体3上に照射され、光Lが照射された部分の感光体3上が除電され静電潜像が形成される。
静電潜像の形成された感光体3は、現像装置5との対向部で現像ローラ51上に形成された現像剤の磁気ブラシで感光体3表面を摺擦される。このとき、現像ローラ51上の負帯電トナーは、現像ローラ51に印加された所定の現像バイアスによって、静電潜像側に移動し、トナー像化(現像)される。このように、本実施形態では、感光体3上に形成された静電潜像は、現像装置5によって、負極性に帯電されたトナーにより反転現像される。
本実施形態では、N/P(ネガポジ:電位が低い所にトナーが付着する)の非接触帯電ローラ方式を用いた例について説明したが、これに限るものではない。
感光体3上に形成されたトナー像は、図示しない給紙部から上レジストローラと下レジストローラとの対向部を経て、感光体3と転写装置7との間に形成される転写領域に給紙される転写紙に転写される。このとき、転写紙は上レジストローラと下レジストローラとの対向部で画像先端と同期を取り供給される。また、転写紙への転写時には、所定の転写バイアスが印加される。トナー像が転写された転写紙は感光体3から分離され、図示しない定着手段としての定着装置へ搬送される。そして、定着装置を通過する事により、熱と圧力の作用でトナー像が転写紙上に定着されて、転写紙は機外に排出される。
一方、転写後の感光体3の表面は、クリーニング装置6で転写後の残留トナーが除去され、潤滑剤塗布装置10によって潤滑剤が塗布された後、除電ランプで除電される。
また、本プリンタにおいては、感光体3と、プロセス手段として帯電装置4、現像装置5、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10などが枠体2に収められており、プロセスカートリッジ1として装置本体から一体的に着脱可能となっている。なお、本実施形態では、プロセスカートリッジ1としての感光体3とプロセス手段とを一体的に交換するようになっているが、感光体3、帯電装置4、現像装置5、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10のような単位で新しいものと交換するような構成でもよい。
図1では、単色のプリンタについて記載を行ったが、中間転写体を用いた所謂、タンデム型カラー画像形成装置であっても良い。本発明のクリーニングブレードは、タンデム型カラー画像形成装置での、少なくとも一色用の感光体のクリーニングに用いることができる。また、中間転写体の二次転写残トナーのクリーニングにも、本発明のクリーニングブレードは、好適に用いることができる。
次に、本プリンタに好適なトナーについて説明する。
本プリンタに用いるトナーとしては、画質向上のために、高円形化、小粒径化がし易い懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法により製造された重合トナーを用いるのが好ましい。
特に、円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5[μm]以下の重合トナーを用いるのが好ましい。平均円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5[μm]のものを用いることにより、より高解像度の画像を形成することができる。
ここでいう「円形度」は、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子株式会社製、商品名)により計測した平均円形度である。具体的には、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150[ml]中に、分散剤として界面活性剤好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜0.5[ml]加え、更に測定試料(トナー)を0.1〜0.5[g]程度加える。その後、このトナーが分散した懸濁液を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理し、分散液濃度が3000〜1[万個/μl]となるようにしたものを上述の分析装置にセットして、トナーの形状及び分布を測定する。そして、この測定結果に基づき、図2(a)に示す実際のトナー投影形状の外周長をC1、その投影面積をSとし、この投影面積Sと同じ図2(b)に示す真円の外周長をC2としたときのC2/C1を求め、その平均値を円形度とした。
体積平均粒径については、コールターカウンター法によって求めることが可能である。
具体的には、コールターマルチサイザー2e型(コールター社製)によって測定したトナーの個数分布や体積分布のデータを、インターフェイス(日科機社製)を介してパーソナルコンピューターに送って解析するのである。より詳しくは、1級塩化ナトリウムを用いた1%NaCl水溶液を電解液として用意する。そして、この電解水溶液100〜150[ml]中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5[ml]加える。更に、これに被検試料としてのトナーを2〜20[mg]加え、超音波分散器で約1〜3分間分散処理する。そして、別のビーカーに電解水溶液100〜200[ml]を入れ、その中に分散処理後の溶液を所定濃度になるように加えて、上記コールターマルチサイザー2e型にかける。アパーチャーとしては、100[μm]のものを用い、50,000個のトナー粒子の粒径を測定する。チャンネルとしては、2.00〜2.52[μm]未満;2.52〜3.17[μm]未満;3.17〜4.00[μm]未満;4.00〜5.04[μm]未満;5.04〜6.35[μm]未満;6.35〜8.00[μm]未満;8.00〜10.08[μm]未満;10.08〜12.70[μm]未満;12.70〜16.00[μm]未満;16.00〜20.20[μm]未満;20.20〜25.40[μm]未満;25.40〜32.00[μm]未満;32.00〜40.30[μm]未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00[μm]以上32.0[μm]以下のトナー粒子を対象とする。そして、「体積平均粒径=ΣXfV/ΣfV」という関係式に基づいて、体積平均粒径を算出する。但し、Xは各チャンネルにおける代表径、Vは各チャンネルの代表径における相当体積、fは各チャンネルにおける粒子個数である。
以下、本発明を実施例および比較例により更に具体的に説明する。
初めに、全般手事項つまり、各例で用いた母体の弾性体ブレード、母体の弾性体ブレード中へのアクリレート材料の含浸法、表面層の形成法などの各例に共通する事項、各例に共通する使用材料、表面層膜厚の測定法等の共通する評価法について説明する。
[母体の弾性体ブレード]
弾性体ブレード622としては、リコー製IMAGIO MP C5000で用いられているポリウレタン製のクリーニングブレードを使用した。
[母体の弾性体ブレード中へのアクリレート材料の含浸]
弾性体ブレード622の先端部を、塗工液に5分間浸漬した。弾性体ブレード622を塗工液から引き上げ、弾性体ブレード622表面に付着した、余剰の塗工液滴を、吸水性スポンジローラで拭きとった。
[表面層]
スプレー塗工により当接先端部に表面層を形成した。スプレー装置は、オリンポス社製PC−308WIDEを用い、当接先端部から40[mm]離れたところから、0.5[MPa]の圧力で7[mm/s]の速度でスプレーガンを移動させながら所定の層厚となるように吐出量を調整して塗工した。その後、5分間放置後、30℃で10分間真空乾燥を行った後、紫外線照射(1000mJ/cm)を行った。
スプレー塗工液に用いた薬品は、全て凍結真空脱気を行い、酸素を除去したものを用いた。スプレー塗工、乾燥は、酸素濃度が100ppm以下の環境で行った。
(アクリレート材料1)
ペンタエリストール・トリアクリレート:80部
ジペンタエリストール・トリアクリレート:20部
チバケミカル製I−184:5部
2−ブタノール:60部
(アクリレート材料2)
ペンタエリストール・トリアクリレート:80部
ジペンタエリストール・トリアクリレート:20部
チバケミカル製I−184:5部
ダイキンOPTOOL DAC−HP:1部
2−ブタノール:89部
(アクリレート材料3)
ペンタエリストール・トリアクリレート:70部
トリメチロールプロパントリアクリレート:30部
チバケミカル製I−184:5部
2−ブタノール:60部
(アクリレート材料4)
ペンタエリストール・トリアクリレート:70部
トリメチロールプロパントリアクリレート:30部
ダイキンOPTOOL DAC−HP:7部
チバケミカル製I−184:5部
2−ブタノール:60部
作製されたクリーニングブレードを、感光体と同一形状のアルミドラムを組み込んだリコー製IMAGIO MP C5000に組み込み、1分間摺擦した。
製造したクリーニングブレードと摺擦したクリーニングブレードのカット面を、XPSにより測定し、F元素の存在比を測定した。
また、作製したクリーニングブレードを、一本の長手方向中央をクライオミクロトームで厚さ1000nmの切片を作製し、シリコンウエハー上に切片を載せ、光学顕微鏡及びSEMにより表面層の膜厚を測定した。また、クリーニングブレードの端部より内側に向かって、顕微FT−IR装置によりIR測定を行い、アクリレート重合体の含浸の深さを測定した。アクリレート重合体の含浸の深さは、アクリレート重合体のIRピークである1162cm−1付近のピークの存在で評価した。
表面層の厚みは、TEMにより評価した。
[実施例1]
母体の弾性体ブレード中へのアクリレート材料の含浸に、アクリレート材料1を用い、表面層の塗工液にアクリレート材料2を用い、クリーニングブレードを作製した。
表面層の厚み:0.06μm
アクリレート重合体の含浸深さ:50μm
[実施例2]
母体の弾性体ブレード中へのアクリレート材料の含浸に、アクリレート材料3を用い、表面層の塗工液にアクリレート材料4を用い、クリーニングブレードを作製した。
表面層の厚み:0.07μm
アクリレート重合体の含浸深さ:40μm
[実施例3]
実施例2において、表面層の塗工を、2回行う以外は、実施例2と同様にして、実施例3のクリーニングブレードを作製した。
表面層の厚み:0.12μm
アクリレート重合体の含浸深さ:40μm
[実施例4]
実施例2において、表面層の塗工を、5回行う以外は、実施例2と同様にして、実施例4のクリーニングブレードを作製した。
表面層の厚み:0.30μm
アクリレート重合体の含浸深さ:41μm
[実施例5]
実施例2において、表面層の塗工を、10回行う以外は、実施例2と同様にして、実施例5のクリーニングブレードを作製した。
表面層の厚み:0.95μm
アクリレート重合体の含浸深さ:39μm
[実施例6]
実施例2において、母体の弾性ブレードを入れたガラス製容器内を10mmHgまで減圧し、容器内を減圧した状態で、アクリレート材料3を容器内に注入し、30秒間、その状態を保持して、容器内を常圧にし、アクリレート材料を母体の弾性ブレードに含浸させる以外は実施例2と同様にして、クリーニングブレードを作製した。
表面層の厚み:0.08μm
アクリレート重合体の含浸深さ:70μm
[実施例7]
実施例6表面層のアクリレート材料4のダイキンOPTOOL DAC−HPを3部とする以外は実施例6と同様にクリーニングブレードを作製した。
表面層の厚み:0.08μm
アクリレート重合体の含浸深さ:70μm
[比較例1]
実施例3において、表面層のアクリレート材料4のダイキンOPTOOL DAC−HPを用いず、表面層の塗工を12回行う以外は実施例3と同様にして、クリーニングブレードを作製した。
表面層の厚み:1.3μm
アクリレート重合体の含浸深さ:40μm
[比較例2]
比較例1において、表面層のアクリレート材料3のダイキンOPTOOL DAC−HPを0.3部とする以外は比較例1と同様にしてクリーニングブレードを作製した。
表面層の厚み:1.3μm
アクリレート重合体の含浸深さ:40μm
次に、検証実験を行った画像形成装置の構成について説明する。
上記のクリーニングブレードをリコー製カラー複合機IMAGIO MP C5000に取り付け、実施例1〜実施例4、比較例1〜比較例2の画像形成装置を作製した。また、トナーは重合法により作製したトナーを用いた。なお、トナーの物性は、以下のとおりである。
トナー母体:円形度0.98、平均粒径4.7[μm]
外添剤 :小粒径シリカ1.5部(クラリアント製H2000)
小粒径酸化チタン0.5部(テイカ製MT−150AI)
大粒径シリカ1.0部(電気化学工業製UFP−30H)
検証実験は、実験室環境:21[℃]・65[%RH]、通紙条件:画像面積率5%チャートを3プリント/ジョブで、100,000枚(A4横)で行った。そして、以下の項目を評価した。
[評価項目]
クリーニング不良発生:有無(目視観察)
評価時画像:縦帯パターン(紙進行方向に対して)43[mm]幅、3本チャート出力20枚(A4横)
ブレードエッジ摩耗幅、摩耗形態:図5に示すようにブレード下面側からみた摩耗幅、摩耗形態
以下にクリーニングブレードの検証実験の結果を示す。なお、表面層の層厚は、キーエンス製マイクロスコープVHX−100を用い、別途同様に塗工した弾性体ブレードの断面により測定した。試料は日進EM製SEM試料作製用トリミングカミソリを用い断面を切断したものとした。
Figure 0006152684
1 プロセスカートリッジ
2 枠体
3 感光体
4 帯電装置
5 現像装置
6 クリーニング装置
7 転写装置
10 潤滑剤塗布装置
14 転写ベルト
51 現像ローラ
52 供給スクリュ
53 攪拌スクリュ
54 ドクタ
62 クリーニングブレード
62a 先端面
62b ブレード下面
62c 先端稜線部
101 ファーブラシ
103 固形潤滑剤
262 クリーニングブレード
262a 先端面
262b ブレード下面
262c 先端稜線部
621 ホルダー
622 弾性体ブレード
623 表面層
特開2004−233818号公報 特開2010−152295号公報 特開2005−107376号公報 特許第3602898号公報 特開2000−66555号公報 特開2005−15753号公報

Claims (4)

  1. 像担持体上の転写残物質をクリーニングブレードにより除去する手段を備えた画像形成装置において、
    前記クリーニングブレードの前記像担持体と当接するカット面が、ビニル基あるいはアクリロイル基を有するフッ素化合物モノマーとアクリルモノマーとの重合体からなり、
    前記カット面をXPSにより測定した際のF原子の含有割合が、20atomic%以上であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記クリーニングブレードの前記カット面をXPSにより測定した際のCF の割合と、CF の割合の合計が、12atomic%以上である請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記クリーニングブレードの内部に、アクリル系樹脂材料が含浸している請求項1から2のいずれかに記載の画像形成装置。
  4. 前記カット面に形成されているフッ素化合物を含む表面層の厚みが、0.01〜1.00μmである請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
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