JP6008245B2 - クリーニングブレード、画像形成装置およびプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
このクリーニング装置のクリーニング部材として、一般的に構成を簡単にでき、クリーニング性能も優れていることから、短冊形状のクリーニングブレードを用いたものがよく知られている。このクリーニングブレードは、ポリウレタンゴムなどの弾性体で構成されている。そして、クリーニングブレードの基端を支持部材で支持して先端稜線部を像担持体の周面に押し当て、像担持体上に残留するトナーをせき止めて掻き落とし除去する。
クリーニングブレードの当接圧を高めると、図8(a)に示すように、像担持体123とクリーニングブレード62との摩擦力が高まり、クリーニングブレード62が像担持体123の移動方向に引っ張られて、クリーニングブレード62の先端稜線部62cがめくれてしまう。このめくれたクリーニングブレード62が、そのめくれに抗して原形状態に復元する際に異音が発生することがある。さらに、クリーニングブレード62の先端稜線部62cがめくれた状態でクリーニングをし続けると、図8(b)に示すように、クリーニングブレード62のブレード先端面62aの先端稜線部62cから数[μm]離れた箇所に局所的な摩耗が生じてしまう。このような状態で、さらにクリーニングを続けると、この局所的な摩耗が大きくなり、最終的には、図8(c)に示すように、先端稜線部62cが欠落してしまう。先端稜線部62cが欠落してしまうと、トナーを正常にクリーニングできなくなり、クリーニング不良を生じてしまう。
図2は、プリンタ500を示す概略構成図である。プリンタ500は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記す)用の四つの作像ユニット1Y,C,M,Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY,C,M,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。
また、四つの作像ユニット1の下方に光書込ユニット40が配設されている。潜像形成手段たる光書込ユニット40は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを、各作像ユニット1Y,C,M,Kの感光体3Y,C,M,Kに照射する。これにより、感光体3Y,C,M,K上にY,C,M,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット40は、光源から発したレーザ光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー41によって偏向せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体3Y,C,M,Kに照射するものである。かかる構成のものに代えて、LDEアレイによる光走査を行うものを採用することもできる。
図3に示すように、作像ユニット1は、像担持体としてのドラム状の感光体3を備えている。感光体3はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
感光体3の周囲には、帯電ローラ4、現像装置5、一次転写ローラ7、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10及び不図示の除電ランプ等が配置されている。帯電ローラ4は、帯電手段としての帯電装置が備える帯電部材であり、現像装置5は、感光体3の表面上に形成された潜像をトナー像化する現像手段である。一次転写ローラ7は、感光体3の表面上のトナー像を中間転写ベルト14に転写する一次転写手段としての一次転写装置が備える一次転写部材である。クリーニング装置6は、トナー像を中間転写ベルト14に転写した後の感光体3上に残留するトナーをクリーニングするクリーニング手段である。潤滑剤塗布装置10は、クリーニング装置6がクリーニングした後の感光体3の表面上に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段である。不図示の除電ランプは、クリーニング後の感光体3の表面電位を除電する除電手段である。
現像装置5は、現像剤担持体としての現像ローラ51を有している。この現像ローラ51には、図示しない電源から現像バイアスが印加されるようになっている。現像装置5のケーシング内には、ケーシング内に収容された現像剤を互いに逆方向に搬送しながら攪拌する供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53が設けられている。また、現像ローラ51に担持された現像剤を規制するためのドクタ54も設けられている。供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53の二本スクリュによって撹拌・搬送された現像剤中のトナーは、所定の極性に帯電される。そして、現像剤は、現像ローラ51の表面上に汲み上げられ、汲み上げられた現像剤は、ドクタ54により規制され、感光体3と対向する現像領域でトナーが感光体3上の潜像に付着する。
潤滑剤塗布装置10は、固形潤滑剤103や潤滑剤加圧スプリング103a等を備え、固形潤滑剤103を感光体3上に塗布する塗布ブラシとしてファーブラシ101を用いている。固形潤滑剤103は、ブラケット103bに保持され、潤滑剤加圧スプリング103aによりファーブラシ101側に加圧されている。そして、感光体3の回転方向に対して連れまわり方向に回転するファーブラシ101により固形潤滑剤103が削られて感光体3上に潤滑剤が塗布される。感光体への潤滑剤塗布により感光体3表面の摩擦係数が非画像形成時に0.2以下に維持される。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザは照射エネルギーが高く、また600〜800[nm]の長波長光を有するため、良好に使用される。
図示しない操作部などからプリント実行の信号を受信したら、帯電ローラ4及び現像ローラ51にそれぞれ所定の電圧または電流が順次所定のタイミングで印加される。同様に、光書込ユニット40及び除電ランプなどの光源にもそれぞれ所定の電圧または電流が順次所定のタイミングで印加される。また、これと同期して、駆動手段としての感光体駆動モータ(不図示)により感光体3が図中矢印方向に回転駆動される。
静電潜像の形成された感光体3の表面は、現像装置5との対向部で現像ローラ51上に形成された現像剤の磁気ブラシによって摺擦される。このとき、現像ローラ51上の負帯電トナーは、現像ローラ51に印加された所定の現像バイアスによって、静電潜像側に移動し、トナー像化(現像)される。各作像ユニット1において、同様の作像プロセスが実行され、各作像ユニット1Y,C,M,Kの各感光体3Y,C,M,Kの表面上に各色のトナー像が形成される。
このように、プリンタ500では、感光体3上に形成された静電潜像は、現像装置5によって、負極性に帯電されたトナーにより反転現像される。本実施形態では、N/P(ネガポジ:電位が低い所にトナーが付着する)の非接触帯電ローラ方式を用いた例について説明したが、これに限るものではない。
中間転写ベルト14上に形成された四色トナー像は、第一給紙カセット151または第二給紙カセット152から給紙され、レジストローラ対55のローラ間を経て、二次転写ニップに給紙される転写紙Pに転写される。このとき、転写紙Pはレジストローラ対55に挟まれた状態で一旦停止し、中間転写ベルト14上の画像先端と同期を取って二次転写ニップに供給される。トナー像が転写された転写紙Pは中間転写ベルト14から分離され、定着ユニット80へ搬送される。そして、トナー像が転写された転写紙Pが定着ユニット80を通過することにより、熱と圧力の作用でトナー像が転写紙P上に定着されて、トナー像が定着された転写紙Pはプリンタ500装置外に排出され、スタック部88にスタックされる。
また、一次転写ニップで中間転写ベルト14に各色のトナー像を転写した感光体3の表面は、クリーニング装置6によって転写後の残留トナーが除去され、潤滑剤塗布装置10によって潤滑剤が塗布された後、除電ランプで除電される。
プリンタ500に用いるトナーとしては、画質向上のために、高円形化、小粒径化がし易い懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法により製造された重合トナーを用いるのが好ましい。特に、円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5[μm]以下の重合トナーを用いるのが好ましい。平均円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5[μm]のものを用いることにより、より高解像度の画像を形成することができる。
クリーニングブレード62は、金属や硬質プラスチックなどの剛性材料からなる短冊形状のホルダー621と、短冊形状の弾性ブレード622とで構成されている。弾性ブレード622は先端稜線部62cに詳細は後述する含浸処理がなされている。また、ブレード先端面62aとブレード下面62bには、ブレード長手方向にわたって表面層623が形成されている。
弾性ブレード622は、ホルダー621の一端側に接着剤などにより固定されており、ホルダー621の他端側は、クリーニング装置6のケースに片持ち支持されている。
弾性ブレードに適するウレタンゴムは一般に遠心成型法で製造される。その原材料として、OH価28以上168以下の2または3の水酸基を持つポリオールと、TDI、MDI、IPDI、HDI、NDI、TODIなどのジイソシアネートと、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどのOH価950以上1830以下の短鎖ポリオールが好適である。これらを適宜混合し、100[℃]から200[℃]に加熱した遠心成型金型に注入、所定時間の後に脱型し、30[℃]85[%Rh]などの高温多湿環境に1週間静置して特性を安定させてから、所定の形状に裁断して、弾性ブレード用の短冊とする。
弾性ブレード622の材質、表面層623の材質、含浸処理方法、ブレード下面62bにおける表面層623の形成をそれぞれ変化させて、耐久試験を行った。
弾性ブレード622としては、25[℃]における物性が以下の物性となっている6つのウレタンゴムを用意した。
ウレタンゴム1:硬度72度、反発弾性率31[%](東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム2:硬度69度、反発弾性率50[%](東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム3:硬度68度、反発弾性率30[%](東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム4:硬度75度、反発弾性率45[%](東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム5:2層構成、ブレード下面側:硬度80度、反対面側:硬度75度
反発弾性率25[%](東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム6:2層構成、ブレード下面側硬度66度、反対面側硬度75度
反発弾性率30[%](バンドー化学製)
ウレタンゴムの反発弾性は、東洋精機製作所製No.221レジリエンステスタを用い、JIS K6255に準じて測定した。試料は厚さ4[mm]以上となるように約2[mm]のシートを重ね合わせたものとした。
含浸処理や表面層623の形成処理に用いる硬化材料としては、以下の硬化材料1〜8のものを用いた。
<硬化材料1>
樹脂1:ダイセルサイテック PETIA 8部
樹脂2:ダイセルサイテック ODA-N 2部
樹脂3:ダイキン OPTOOL DAC-HP 0.1部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 0.5部
溶媒:シクロヘキサノン 89.4部
<硬化材料2>
樹脂1:ダイセルサイテック PETIA 7部
樹脂2:ダイセルサイテック HDDA 3部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 0.5部
溶媒:シクロヘキサノン 89.5部
<硬化材料3>
樹脂1:ダイセルサイテック PETIA 10部
樹脂2:ダイキン OPTOOL DAC-HP 0.1部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 0.5部
溶媒:シクロヘキサノン 89.4部
<硬化材料4>
樹脂1:ダイセルサイテック PETIA 8部
樹脂2:ダイセルサイテック IBOA 2部
樹脂3:ダイキン OPTOOL DAC-HP 0.1部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 0.5部
溶媒:シクロヘキサノン 89.4部
<硬化材料5>
樹脂1:ダイセルサイテック PETIA 7部
樹脂2:ダイセルサイテック EBECRYL11 3部
樹脂3:ダイキン OPTOOL DAC-HP 0.1部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 0.5部
溶媒:シクロヘキサノン 89.4部
<硬化材料6>
樹脂1:ダイセル・サイテック社 DPHA 10部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 1部
溶媒:シクロヘキサノン 89部
<硬化材料7>
樹脂1:日本化薬 DPCA−120 8部
樹脂2:ダイセルサイテック IBOA 2部
樹脂3:DIC RS−75 0.1部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 0.5部
溶媒:シクロヘキサノン 89.4部
<硬化材料8>
樹脂1:ダイセルサイテック PETIA 5部
樹脂2:根上工業 UN2700 5部
樹脂3:DIC RS−75 0.1部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 0.5部
溶媒:シクロヘキサノン 89.4部
上記ウレタンゴム1〜6のいずれかを用いて厚さ1.8[mm]の短冊形状の弾性体ブレードを作製し、ブレード先端部を上記各硬化材料に厚さ1.8[mm]と略同じ深さで先端より所定時間浸漬し適宜含浸処理を行った後、3分間風乾する。続いて、スプレー塗工法により同じく各硬化材料により表面層を形成した。表面層の形成は具体的には、まずスプレー塗工によりブレード先端面から10[mm/s]のスプレーガン移動速度にて所定の層厚になるように先端面に重ね塗りを行い、3分間指触乾燥後、さらにブレード下面に同様に表面層が形成されるように塗工した。その後さらに3分間指触乾燥を行い、紫外線露光(140[W/cm]×5[m/min]×5パス)を行った。なお、このときスプレー塗工により表面層を形成する領域はマスキングテープにより制限して塗工を行った。
トナー母体:円形度0.98、平均粒径4.9[μm]
外添剤 :小粒径シリカ1.5部(クラリアント製H2000)
小粒径酸化チタン0.5部(テイカ製MT−150AI)
大粒径シリカ1.0部(電気化学工業製UFP−30H)
クリーニング不良発生:有無(目視観察)
評価時画像:縦帯パターン(紙進行方向に対して)43[mm]幅、3本チャート
出力20枚(A4横)
ブレードエッジ先端面摩耗幅:図7に示すようにブレード先端面側からみた摩耗幅
ブレードエッジ下面摩耗幅:図7に示すようにブレード下面側からみた摩耗幅
ブレードエッジ表面割れ・はがれ:ブレード先端面、下面での表面割れ・はがれをマイクロスコープ観察で確認
(実施例1−1)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム2
含浸、表面層材料:硬化材料1
含浸時間:60[秒]
先端面含浸深さ:80[μm]
ブレード下面含浸深さ:70[μm]
ブレード先端面、下面表面層厚:1.0[μm]
ブレードエッジ摩耗断面積:60[μm2]
先端面摩耗幅/下面摩耗幅:0.30
ブレードエッジ表面層割れ・はがれ:なし
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム1
含浸、表面層材料:硬化材料4
含浸時間:120[秒]
先端面含浸深さ:150[μm]
下面含浸深さ:100[μm]
ブレード先端面、下面表面層厚:0.6[μm]
ブレードエッジ摩耗断面積:90[μm2]
先端面摩耗幅/下面摩耗幅:0.65
ブレードエッジ表面層割れ・はがれ:なし
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム5
含浸、表面層材料:硬化材料7
含浸時間:30[秒]
先端面含浸深さ:60[μm]
下面含浸深さ:40[μm]
ブレード先端面、下面表面層厚:0.8[μm]
ブレードエッジ摩耗断面積:20[μm2]
先端面摩耗幅/下面摩耗幅:0.25
ブレードエッジ表面層割れ・はがれ:なし
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム3
含浸、表面層材料:硬化材料9
含浸時間:90[秒]
先端面含浸深さ:100[μm]
下面含浸深さ:80[μm]
ブレード先端面、下面表面層厚:0.5[μm]
ブレードエッジ摩耗断面積:50[μm2]
先端面摩耗幅/下面摩耗幅:0.35
ブレードエッジ表面層割れ・はがれ:なし
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム6
含浸、表面層材料:硬化材料5
含浸時間:30[秒]
先端面含浸深さ:50[μm]
下面含浸深さ:20[μm]
ブレード先端面、下面表面層厚:0.8[μm]
ブレードエッジ摩耗断面積:40[μm2]
先端面摩耗幅/下面摩耗幅:0.50
ブレードエッジ表面層割れ・はがれ:なし
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム4
含浸材料:硬化材料3(表面層なし)
含浸時間:30[秒]
先端面含浸深さ:50[μm]
下面含浸深さ:30[μm]
ブレード先端面、下面表面層厚:0[μm]
ブレードエッジ摩耗断面積:150[μm2]
先端面摩耗幅/下面摩耗幅:0.75
クリーニング不良発生:帯状クリーニング不良2箇所
異音発生:なし
先端面えぐれ摩耗
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム6
表面層材料:硬化材料6
含浸時間:0[秒]
先端面含浸深さ:0[μm]
下面含浸深さ:0[μm]
ブレード先端面、下面表面層厚:3.0[μm]
ブレードエッジ摩耗断面積:220[μm2]
先端面摩耗幅/下面摩耗幅:0.40
クリーニング不良発生:すじ状クリーニング不良2箇所
ブレードエッジ表面層割れ・はがれ:あり
異音発生:ビビリ発生
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム2
含浸、表面層材料:硬化材料2
含浸時間:30[秒]
先端面含浸深さ:30[μm]
下面含浸深さ:10[μm]
ブレード先端面、下面表面層厚:0.8[μm]
ブレードエッジ摩耗断面積:90[μm2]
先端面摩耗幅/下面摩耗幅:0.80
ブレードエッジ表面層割れ・はがれ:なし
クリーニング不良発生:すじ状クリーニング不良2箇所
異音発生:なし
先端面えぐれ摩耗
表2に示すように、比較例1−1においては、表面層623を形成していないので、先端稜線部62c付近の剛性が十分ではなく、先端面えぐれ磨耗が生じてしまった。また、比較例1−2においては、ビビリ音が発生し、すじ状のクリーニング不良が確認された。これは、弾性ブレード622に含浸処理が施されていないため、経時摩耗によって露出した弾性体ブレード622の部分が、感光体表面移動方向に変形し、ビビリ異音が発生したと考えられる。また、弾性ブレード622に含浸処理が施されていないため、ブレードの耐磨耗性が乏しく、10万枚通紙試験後のブレードエッジ摩耗断面積(表2における10万枚通紙試験後磨耗量)が220[μm2]になってしまった。また、比較例1−3においても、スジ状クリーニング不良が確認され、また、先端面えぐれ磨耗も確認された。これは、比較例1−3においては、ブレード下面含浸深さが10[μm]、先端面含浸深さが30[μm]と、含浸深さが十分でない。その結果、先端稜線部の剛性が十分でなかったと考えられる。また、フッ素系アクリルモノマーを含まない硬化材料2を用いたことにより、弾性ブレードの低摩擦化が十分ではなかったと考えられる。これられの要因で、先端面えぐれ磨耗が生じたと考えられる。
下記に示す検証実験2は、クリーニングブレード62の先端面62aの硬度と、ブレード下面62bの硬度と、クリーニング性、耐磨耗性および異音の発生との関係について調べたものである。
先端面及び、ブレード下面の硬度は、FISCHER製微小硬さ試験機FISCHERSCOPE HM2000を用い、稜線部より100μmの箇所において、先端面及び下面の各々の表面から、押込み深さ20μmで、マルテンス硬度として測定した。
[弾性ブレード]
ウレタンゴム7:硬度76度、反発弾性率32[%](シンジーテック製)
これ以外の条件は、検証実験1と同じである。
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム1
含浸、表面層材料:硬化材料4
含浸時間:90[秒]
先端面含浸深さ:100[μm]
下面含浸深さ:80[μm]
ブレード先端面、下面表面層厚:0.5[μm]
ブレードエッジ摩耗断面積:30[μm2]
ブレードエッジ表面層割れ・はがれ:なし
先端面硬度:1.3[N/mm2]
下面硬度:1.0[N/mm2]
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム3
含浸、表面層材料:硬化材料1
含浸時間:60[秒]
先端面含浸深さ:60[μm]
下面含浸深さ:50[μm]
ブレード先端面、下面表面層厚:0.5[μm]
ブレードエッジ摩耗断面積:20[μm2]
ブレードエッジ表面層割れ・はがれ:なし
先端面硬度:1.3[N/mm2]
下面硬度:0.9[N/mm2]
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム1
含浸、表面層材料:硬化材料5
含浸時間:90[秒]
先端面含浸深さ:80[μm]
下面含浸深さ:70[μm]
ブレード先端面、下面表面層厚:0.8[μm]
ブレードエッジ摩耗断面積:50[μm2]
ブレードエッジ表面層割れ・はがれ:なし
先端面硬度:1.2[N/mm2]
下面硬度:1.0[N/mm2]
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム2
含浸、表面層材料:硬化材料1
含浸時間:120[秒]
先端面含浸深さ:100[μm]
下面含浸深さ:80[μm]
ブレード先端面、下面表面層厚:0.8[μm]
ブレードエッジ摩耗断面積:50[μm2]
ブレードエッジ表面層割れ・はがれ:なし
先端面硬度:1.3[N/mm2]
下面硬度:1.1[N/mm2]
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム7
含浸、表面層材料:硬化材料3
含浸時間:90[秒]
先端面含浸深さ:80[μm]
下面含浸深さ:60[μm]
ブレード先端面、下面表面層厚:0.6[μm]
ブレードエッジ摩耗断面積:60[μm2]
ブレードエッジ表面層割れ・はがれ:なし
先端面硬度:1.2[N/mm2]
下面硬度:0.9[N/mm2]
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム4
含浸、表面層材料:硬化材料5
含浸時間:60[秒]
先端面含浸深さ:60[μm]
下面含浸深さ:40[μm]
ブレード先端面、下面表面層厚:0.8[μm]
ブレードエッジ摩耗断面積:80[μm2]
ブレードエッジ表面層割れ・はがれ:なし
先端面硬度:1.2[N/mm2]
下面硬度:1.0[N/mm2]
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム1
含浸、表面層材料:硬化材料7
含浸時間:60[秒]
先端面含浸深さ:60[μm]
下面含浸深さ:30[μm]
ブレード先端面、下面表面層厚:1.0[μm]
ブレードエッジ摩耗断面積:90[μm2]
ブレードエッジ表面層割れ・はがれ:なし
先端面硬度:1.3[N/mm2]
下面硬度:1.0[N/mm2]
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム2
含浸、表面層材料:硬化材料6
含浸時間:30[秒]
先端面含浸深さ:10[μm]
下面含浸深さ:10[μm]
ブレード先端面、下面表面層厚:0.5[μm]
ブレードエッジ摩耗断面積:120[μm2]
ブレードエッジ表面層割れ・はがれ:なし
先端面硬度:1.0[N/mm2]
下面硬度:1.0[N/mm2]
クリーニング不良発生:スジ状クリーニング不良3箇所
異音発生:なし
先端面えぐれ摩耗
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム1
含浸、表面層材料:硬化材料2
含浸時間:0[秒]
先端面含浸深さ:0[μm]
下面含浸深さ:0[μm]
ブレード先端面、下面表面層厚:0.6[μm]
ブレードエッジ摩耗断面積:180[μm2]
ブレードエッジ表面層割れ・はがれ:あり
先端面硬度:0.9[N/mm2]
下面硬度:1.0[N/mm2]
クリーニング不良発生:帯状クリーニング不良2箇所
異音発生:ビビリ発生
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム3
含浸、表面層材料:硬化材料2
含浸時間:30[秒]
先端面含浸深さ:40[μm]
下面含浸深さ:20[μm]
ブレード先端面、下面表面層厚:0[μm]
ブレードエッジ摩耗断面積:200[μm2]
先端面硬度:0.9[N/mm2]
下面硬度:0.9[N/mm2]
クリーニング不良発生:帯状クリーニング不良3箇所
異音発生:なし
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム4
含浸、表面層材料:硬化材料6
含浸時間:30[秒]
先端面含浸深さ:20[μm]
下面含浸深さ:10[μm]
ブレード先端面、下面表面層厚:2.0[μm]
ブレードエッジ摩耗断面積:180[μm2]
ブレードエッジ表面層割れ・はがれ:あり
先端面硬度:1.0[N/mm2]
下面硬度:1.0[N/mm2]
クリーニング不良発生:帯状クリーニング不良2箇所
異音発生:ビビリ発生
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム7
含浸、表面層なし
ブレードエッジ摩耗断面積:100[μm2]
先端面硬度:0.9[N/mm2]
下面硬度:0.9[N/mm2]
クリーニング不良発生:スジ状クリーニング不良5箇所
異音発生:なし
先端面えぐれ摩耗
下記に示す検証実験3は、ブレード先端面62aからの含浸深さとブレード先端面62aの表面層623の厚さとの積と、クリーニング性、耐磨耗性および異音の発生との関係について調べたものである。
含浸深さと表面層623の厚さとの関係性について、ブレード先端面62aからの含浸深さとブレード先端面62aの表面層623の厚さとの積にした理由については以下のとおり。すなわち、含浸深さと表面層厚さとでは各々で数値的に差が大きい。このため、含浸深さと表面層623の厚さとの関係性を表す指標として、含浸深さと表面層厚さとの足し算にした場合、含浸厚さの数値が支配的になる。その結果、含浸深さと表面層623の厚さとの関係性をうまく表すことができないと考えた。よって、ブレード先端面62aからの含浸深さとブレード先端面62aの表面層623の厚さとの積を算出して調べた。
<硬化材料9>
樹脂1:ダイセルサイテック PETIA 7部
樹脂2:ダイセルサイテック HDDA 3部
樹脂3:DIC RS−75 0.1部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 0.5部
溶媒:シクロヘキサノン 89.4部
<硬化材料10>
樹脂1:ダイセルサイテック PETIA 7部
樹脂2:ダイセルサイテック EBECRYL11 3部
樹脂3:DIC RS−75 0.1部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 0.5部
溶媒:シクロヘキサノン 89.4部
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム1
含浸、表面層材料:硬化材料1
含浸時間:60[秒]
含浸厚さ:60[μm]
ブレード先端面、下面表面層厚:0.5[μm]
含浸厚さ×表面層厚さ:30[μm2]
ブレードエッジ摩耗断面積:20[μm2]
ブレードエッジ表面層割れ・はがれ:なし
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム4
含浸、表面層材料:硬化材料3
含浸時間:60[秒]
含浸厚さ:40[μm]
ブレード先端面、下面表面層厚:0.3[μm]
含浸厚さ×表面層厚さ:12[μm2]
ブレードエッジ摩耗断面積:30[μm2]
ブレードエッジ表面層割れ・はがれ:なし
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム2
含浸、表面層材料:硬化材料4
含浸時間:90[秒]
含浸厚さ:80[μm]
ブレード先端面、下面表面層厚:0.8[μm]
含浸厚さ×表面層厚さ:64[μm2]
ブレードエッジ摩耗断面積:70[μm2]
ブレードエッジ表面層割れ・はがれ:なし
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム1
含浸、表面層材料:硬化材料9
含浸時間:90[秒]
含浸厚さ:100[μm]
ブレード先端面、下面表面層厚:1.0[μm]
含浸厚さ×表面層厚さ:100[μm2]
ブレードエッジ摩耗断面積:60[μm2]
ブレードエッジ表面層割れ・はがれ:なし
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム3
含浸、表面層材料:硬化材料5
含浸時間:60[秒]
含浸厚さ:60[μm]
ブレード先端面、下面表面層厚:0.6[μm]
含浸厚さ×表面層厚さ:36[μm2]
ブレードエッジ摩耗断面積:90[μm2]
ブレードエッジ表面層割れ・はがれ:なし
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム4
含浸、表面層材料:硬化材料1
含浸時間:60[秒]
含浸厚さ:80[μm]
ブレード先端面、下面表面層厚:1.0[μm]
含浸厚さ×表面層厚さ:80[μm2]
ブレードエッジ摩耗断面積:50[μm2]
ブレードエッジ表面層割れ・はがれ:なし
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム2
含浸、表面層材料:硬化材料10
含浸時間:60[秒]
含浸厚さ:60[μm]
ブレード先端面、下面表面層厚:0.8[μm]
含浸厚さ×表面層厚さ:48[μm2]
ブレードエッジ摩耗断面積:40[μm2]
ブレードエッジ表面層割れ・はがれ:なし
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム1
含浸、表面層材料:硬化材料3
含浸時間:30[秒]
含浸厚さ:10[μm]
ブレード先端面、下面表面層厚:0.6[μm]
含浸厚さ×表面層厚さ:6[μm2]
ブレードエッジ摩耗断面積:90[μm2]
ブレードエッジ表面層割れ・はがれ:なし
クリーニング不良発生:帯状クリーニング不良2箇所
異音発生:なし
先端面えぐれ摩耗
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム2
含浸、表面層材料:硬化材料7
含浸時間:0[秒]
含浸厚さ:0[μm]
ブレード先端面、下面表面層厚:0.8[μm]
含浸厚さ×表面層厚さ:0[μm2]
ブレードエッジ摩耗断面積:120[μm2]
ブレードエッジ表面層割れ・はがれ:あり
クリーニング不良発生:スジ状クリーニング不良3箇所
異音発生:ビビリ発生
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム7
含浸、表面層材料:硬化材料1
含浸時間:40[秒]
含浸厚さ:20[μm]
ブレード先端面、下面表面層厚:0[μm]
含浸厚さ×表面層厚さ:0[μm2]
ブレードエッジ摩耗断面積:150[μm2]
クリーニング不良発生:帯状クリーニング不良2箇所
異音発生:なし
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム3
含浸、表面層材料:硬化材料4
含浸時間:90[秒]
含浸厚さ:80[μm]
ブレード先端面、下面表面層厚:1.5[μm]
含浸厚さ×表面層厚さ:120[μm2]
ブレードエッジ摩耗断面積:200[μm2]
ブレードエッジ表面層割れ・はがれ:なし
クリーニング不良発生:帯状クリーニング不良3箇所
異音発生:ビビリ発生
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム4
含浸厚さ×表面層厚さ:0[μm2]
ブレードエッジ摩耗断面積:80[μm2]
クリーニング不良発生:スジ状クリーニング不良3箇所
異音発生:なし
先端面えぐれ摩耗
表4に示すようにブレード先端面62aからの含浸深さと、先端面62aの表面層623の厚さとの積が、10[μm2]未満である比較例3−1においては、先端面えぐれ磨耗が確認された。これは、上記表面層623と含浸処理とによりクリーニングブレードの先端稜線部62cを剛直にできず、先端面えぐれ磨耗が生じてしまった。また、ブレード先端面62aからの含浸深さと、先端面62aの表面層623の厚さとの積が、100[μm2]を超える比較例3−4においては、上記表面層623と含浸処理とによりクリーニングブレードの先端稜線部62c付近が剛直になりすぎ、10万枚通紙試験後摩耗断面積が、200[μm2]となり、磨耗が多くなってしまった。
(1)
短冊形状の弾性体ブレード622で構成され、弾性体ブレード622の先端稜線部を表面移動する感光体3などの被清掃部材の表面に当接して、被清掃部材表面からトナーなどの粉体を除去するクリーニングブレード62において、弾性ブレード622の上記先端稜線部近傍に、フッ素系アクリルモノマーを含む紫外線硬化樹脂を含浸させ、上記先端稜線部を1辺に有し、上記被清掃体と対向するブレード下面62bの少なくとも上記先端稜線部付近と、上記先端稜線部を一辺に有し上記弾性ブレード622の厚み方向に平行な先端面62aの少なくとも先端稜線部付近とにそれぞれ弾性ブレードよりも硬い表面層を設け、上記フッ素系アクリルモノマーを含む紫外線硬化樹脂の上記先端面からの含浸深さを、50[μm]以上150[μm]以下、上記ブレード下面からの含浸深さを20[μm]以上100[μm]以下とした。
かかる構成とすることで、検証実験1で説明したように、クリーニング不良、ビビリ音が生じず、良好な耐磨耗性を得ることができる。
また、短冊形状の弾性体ブレード622で構成され、弾性体ブレード622の先端稜線部を表面移動する感光体3などの被清掃部材の表面に当接して、被清掃部材表面からトナーなどの粉体を除去するクリーニングブレード62において、弾性ブレード622の上記先端稜線部近傍に、フッ素系アクリルモノマーを含む紫外線硬化樹脂を含浸させ、上記先端稜線部を1辺に有し、上記被清掃体と対向するブレード下面62bの少なくとも上記先端稜線部付近と、上記先端稜線部を一辺に有し上記弾性ブレード622の厚み方向に平行な先端面62aの少なくとも先端稜線部付近とにそれぞれ弾性ブレードよりも硬い表面層を設け、上記先端面62aのマルテンス硬度を上記ブレード下面62bのマルテンス硬度よりも大きくした。
かかる構成とすることで、検証実験2で説明したように、クリーニング不良、ビビリ音が生じず、良好な耐磨耗性を得ることができる。
また、短冊形状の弾性体ブレード622で構成され、弾性体ブレード622の先端稜線部を表面移動する感光体3などの被清掃部材の表面に当接して、被清掃部材表面からトナーなどの粉体を除去するクリーニングブレード62において、弾性ブレード622の上記先端稜線部近傍に、フッ素系アクリルモノマーを含む紫外線硬化樹脂を含浸させ、上記先端稜線部を1辺に有し、上記被清掃体と対向するブレード下面62bの少なくとも上記先端稜線部付近と、上記先端稜線部を一辺に有し上記弾性ブレード622の厚み方向に平行な先端面62aの少なくとも先端稜線部付近とにそれぞれ弾性ブレードよりも硬い表面層を設け、上記フッ素系アクリルモノマーを含む紫外線硬化樹脂の上記先端面からの含浸深さと、上記先端面の表面層の厚さの積を、10[μm2]以上100[μm2]以下にした。
かかる構成を備えることで、検証実験3で説明したように、クリーニング不良、ビビリ音が生じず、良好な耐磨耗性を得ることができる。
また、上記(1)または(3)に記載の態様のクリーニングブレード62において、先端面のマルテンス硬度をブレード下面のマルテンス硬度よりも大きくした。
かかる構成を備えることで、クリーニング不良、ビビリ音が生じず、良好な耐磨耗性を得ることができる。
また、上記(1)、(2)または(4)に記載の態様のクリーニングブレード62において、上記フッ素系アクリルモノマーを含む紫外線硬化樹脂の上記先端面からの含浸深さと、上記先端面の表面層の厚さの積を、10[μm2]以上100[μm2]以下にした。
かかる構成を備えることで、クリーニング不良、ビビリ音が生じず、良好な耐磨耗性を得ることができる。
また、上記(1)乃至(5)いずれかに記載の態様のクリーニングブレード62において、上記先端面全体が含浸処理されている。
かかる構成を備えることで、検証実験1〜3に示すように、クリーニング不良、ビビリ音が生じず、良好な耐磨耗性を得ることができる。
また、上記(1)乃至(6)いずれかに記載の態様のクリーニングブレード62において、上記先端面および上記ブレード下面に形成された表面層の厚さを、1[μm]以下にした。
かかる構成を備えることで、実施形態で説明したように、トナーのすり抜けが抑制されクリーニング不良を抑制することができる。
また、上記(1)乃至(7)いずれかに記載の態様のクリーニングブレード62において、上記フッ素系アクリルモノマーが、パーフルオロポリエーテルの骨格を持ち、官能基2以上のアクリルレートである。
かかる構成を備えることで、検証実験1〜3に示したように、クリーニング不良、ビビリ音が生じず、良好な耐磨耗性を得ることができる。
また、上記(1)乃至(8)いずれかに記載の態様のクリーニングブレード62において、上記紫外線硬化樹脂は、官能基当量分子量350以下、官能基数3〜6のペンタエリスリトール・トリアクリレートを主要骨格として有したアクリレート材料と、官能基当量分子量100〜1000、官能基数1乃至2のアクリレート材料とが混合されている。
かかる構成とすることで、検証実験1〜3に示したように、クリーニング不良、ビビリ音が生じず、良好な耐磨耗性を得ることができる。
また、上記(1)乃至(9)いずれかに記載の態様のクリーニングブレード62において、上記表面層623を、含浸処理する樹脂材料と同一の樹脂材料で形成した。
かかる構成を備えることで、実施形態で説明したように、表面層623の割れ、はがれを抑制することができる。
また、上記(1)乃至(10)いずれかのクリーニングブレード62において、上記弾性ブレード622として、ウレタン基を含むゴムを用いた。
かかる構成を備えることで、実施形態で説明したように、感光体などの被清掃体に偏心などあっても、柔軟にクリーニングブレード62が変形して、所定の当接圧を維持することができ、良好なクリーニング性を維持することができる。
また、上記(11)に記載の態様のクリーニングブレード62において、上記弾性ブレードとして、異なる2種類のウレタン基を含むゴムを積層したものを用いた。
かかる構成を備えることで、実施形態で説明したように、当接側と反当接側で適宜適切な材質を選択することができる。
また、上記(1)乃至(12)いずれかに記載の態様のクリーニングブレード62において、所定期間上記被清掃体清掃後の上記ブレード下面の磨耗幅と、上記先端面との磨耗幅との関係が、(先端面磨耗幅/下面磨耗幅)<(2/3)となるように構成した。
かかる構成とすることで、検証実験1に示すように、クリーニング不良、ビビリ音が生じず、良好な耐磨耗性を得ることができる。
また、感光体3等の像担持体と、像担持体表面にトナー像を形成するトナー像形成手段と、像担持体表面のトナー像を被転写体に転写する転写手段と、像担持体表面に当接して像担持体表面に付着した残トナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段を備えた画像形成装置において、クリーニングブレードとして上記(1)乃至(13)いずれかに記載の態様のクリーニングブレードを用いる。これによれば、上記実施形態に説明したように、経時使用における異音及び欠けの発生を抑制しつつ稜線部の像担持体に対する追随性を良好にできると共に、より安定したクリーニング性能を維持できる。よって、良質な画像を得ることができる。
像担持体と、少なくとも該像担持体の表面に付着した残トナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、クリーニングブレードとして上記(1)乃至(13)いずれかに記載の態様のクリーニングブレードを用いる。これによれば、上記実施形態に説明したように、経時使用における異音及び欠けの発生を抑制しつつ稜線部の像担持体に対する追随性を良好にできると共に、より安定したクリーニング性能を維持できる。また、プロセスカートリッジの形態を取ることで、操作性を向上できる。
62:クリーニングブレード
62a:ブレード先端面
62b:ブレード下面
62c:先端稜線部
62d:含浸部分
63:第一ブラケット
64:第二ブラケット
621:ホルダー
622:弾性ブレード
623:表面層
Claims (15)
- 短冊形状の弾性体ブレードで構成され、該弾性体ブレードの先端稜線部を表面移動する被清掃部材の表面に当接して、該被清掃部材表面から粉体を除去するクリーニングブレードにおいて、
上記弾性ブレードの上記先端稜線部近傍に、フッ素系アクリルモノマーを含む紫外線硬化樹脂を含浸させ、
上記先端稜線部を1辺に有し、上記被清掃体と対向するブレード下面の少なくとも上記先端稜線部付近と、上記先端稜線部を一辺に有し上記弾性ブレードの厚み方向に平行な先端面の少なくとも先端稜線部付近とにそれぞれ弾性ブレードよりも硬い表面層を設け、
上記フッ素系アクリルモノマーを含む紫外線硬化樹脂の上記先端面からの含浸深さを、50[μm]以上150[μm]以下、上記ブレード下面からの含浸深さを20[μm]以上100[μm]以下としたことを特徴とするクリーニングブレード。 - 短冊形状の弾性体ブレードで構成され、該弾性体ブレードの先端稜線部を表面移動する被清掃部材の表面に当接して、該被清掃部材表面から粉体を除去するクリーニングブレードにおいて、
上記弾性ブレードの上記先端稜線部近傍に、フッ素系アクリルモノマーを含む紫外線硬化樹脂を含浸させ、
上記先端稜線部を1辺に有し、上記被清掃体と対向するブレード下面の少なくとも上記先端稜線部付近と、上記先端稜線部を一辺に有し上記弾性ブレードの厚み方向に平行な先端面の少なくとも先端稜線部付近とにそれぞれ弾性ブレードよりも硬い表面層を設け、
上記先端面のマルテンス硬度を上記ブレード下面のマルテンス硬度よりも大きくしたことを特徴とするクリーニングブレード。 - 短冊形状の弾性体ブレードで構成され、該弾性体ブレードの先端稜線部を表面移動する被清掃部材の表面に当接して、該被清掃部材表面から粉体を除去するクリーニングブレードにおいて、
上記弾性ブレードの上記先端稜線部近傍に、フッ素系アクリルモノマーを含む紫外線硬化樹脂を含浸させ、
上記先端稜線部を1辺に有し、上記被清掃体と対向するブレード下面の少なくとも上記先端稜線部付近と、上記先端稜線部を一辺に有し上記弾性ブレードの厚み方向に平行な先端面の少なくとも先端稜線部付近とにそれぞれ弾性ブレードよりも硬い表面層を設け、
上記フッ素系アクリルモノマーを含む紫外線硬化樹脂の上記先端面からの含浸深さと、上記先端面の表面層の厚さの積を、10[μm2]以上100[μm2]以下にしたことを特徴とするクリーニングブレード。 - 請求項1または3のクリーニングブレードにおいて、
上記先端面のマルテンス硬度を上記ブレード下面のマルテンス硬度よりも大きくしたことを特徴とするクリーニングブレード。 - 請求項1、2または4のクリーニングブレードにおいて、
上記フッ素系アクリルモノマーを含む紫外線硬化樹脂の上記先端面からの含浸深さと、上記先端面の表面層の厚さの積を、10[μm2]以上100[μm2]以下にしたことを特徴とするクリーニングブレード。 - 請求項1乃至5いずれかのクリーニングブレードにおいて、
上記先端面全体が、含浸処理されていることを特徴とするクリーニングブレード。 - 請求項1乃至6いずれかのクリーニングブレードにおいて、
上記先端面および上記ブレード下面に形成された表面層の厚さを、1[μm]以下にしたことを特徴とするクリーニングブレード。 - 請求項1乃至7いずれかのクリーニングブレードにおいて、
上記フッ素系アクリルモノマーが、パーフルオロポリエーテルの骨格を持ち、官能基2以上のアクリルレートであることを特徴とするクリーニングブレード。 - 請求項1乃至8いずれかのクリーニングブレードにおいて、
上記紫外線硬化樹脂は、官能基当量分子量350以下、官能基数3〜6のペンタエリスリトール・トリアクリレートを主要骨格として有したアクリレート材料と、官能基当量分子量100〜1000、官能基数1乃至2のアクリレート材料とが混合されていることを特徴とするクリーニングブレード。 - 請求項1乃至9いずれかのクリーニングブレードにおいて、
上記表面層を、含浸処理する樹脂材料と同一の樹脂材料で形成したことを特徴とするクリーニングブレード。 - 請求項1乃至10いずれかのクリーニングブレードにおいて、
上記弾性ブレードとして、ウレタン基を含むゴムを用いたことを特徴とするクリーニングブレード。 - 請求項11のクリーニングブレードにおいて、
上記弾性ブレードとして、異なる2種類のウレタン基を含むゴムを積層したものを用いたことを特徴とするクリーニングンブレード。 - 請求項1乃至12いずれかのクリーニングブレードにおいて、
所定期間上記被清掃体清掃後の上記ブレード下面の磨耗幅と、上記先端面との磨耗幅との関係が、(先端面磨耗幅/下面磨耗幅)<(2/3)となるように構成したことを特徴とするクリーニングブレード。 - 像担持体と、
該像担持体表面を帯電する帯電手段と、
帯電した該像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
該像担持体表面に形成された該静電潜像を現像してトナー像化する現像手段と、
該像担持体表面のトナー像を転写体に転写する転写手段と、
該像担持体表面に当接して、該像担持体表面に付着した転写残トナーをクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段とを備えた画像形成装置において、
上記クリーニングブレードとして、請求項1乃至13いずれかのクリーニングブレードを用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 画像形成装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジであって、請求項1乃至13の何れかの画像形成装置に採用される感光体とクリーニングブレードとを一体的に形成したことを特徴とするプロセスカートリッジ。
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