JP6052612B2 - クリーニングブレード、画像形成装置およびプロセスカートリッジ - Google Patents

クリーニングブレード、画像形成装置およびプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、クリーニングブレード、並びにこれを用いた電子写真方式の画像形成装置、及びその画像形成装置に対して着脱可能に装着されるプロセスカートリッジに関するものである。
従来、電子写真方式の画像形成装置では、被清掃部材たる感光体などの像担持体について、転写紙や中間転写体へトナー像を転写した後の表面に付着した不要な転写残トナーはクリーニング手段たるクリーニング装置によって除去している。このクリーニング装置のクリーニング部材として、一般的に構成を簡単にでき、クリーニング性能も優れていることから、短冊形状のクリーニングブレードを用いたものがよく知られている。このクリーニングブレードは、ポリウレタンゴムなどの短冊形状の弾性ブレードで構成されている。クリーニングブレードは、弾性ブレードの基端を支持部材で支持して先端稜線部を像担持体の周面に押し当て、像担持体上に残留するトナーをせき止めて掻き落とし除去する。
また、特許文献1には、弾性ブレードの先端稜線部付近を、弾性ブレードよりも硬い表面層で被覆したクリーニングブレードが記載されている。
上記ポリウレタンなどの弾性ブレードを像担持体に接触させてクリーニングを行う場合、像担持体とクリーニングブレードとの摩擦力により、ブレードの先端が像担持体の移動方向に引っ張られて、所謂スティック・スリップ運動を生じる。この状態でクリーニングをすると、トナーは弾性ブレードと像担持体の間をすり抜けてしまい、クリーニング不良が発生する場合があった。また、トナーやトナーの外添剤を像担持体に擦りつけて、像担持体上に固着物を生成させてしまっていた。
上記特許文献1に記載の弾性ブレードの先端稜線部付近を、弾性ブレードよりも硬い表面層で被覆したクリーニングブレードを用いることで、先端稜線部を高硬度化でき、スティック・スリップ運動を抑制できると考えられる。
しかしながら、上記特許文献1に記載のクリーニングブレードにおいては、表層層の材料である液体の樹脂を、スプレー塗工やディップ塗工により弾性ブレード先端稜線部付近に塗布して表面層を形成している。このように、液体材料を弾性ブレードに付着させて表面層を形成しているため、先端稜線部は表面張力の関係で、被膜が形成されにくい。このため、先端稜線部近傍の塗膜厚が十分に確保されず、先端稜線部を十分に高硬度化できず、微小なスティック・スリップ運動を抑制できなかった。
本発明は以上の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、スティック・スリップ運動を抑制して、クリーニング不良、像担持体上に固着物が生成されるのを抑制することができるクリーニングブレード、画像形成装置およびプロセスカートリッジを提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、短冊形状の弾性体ブレードで構成され、該弾性体ブレードの先端稜線部を1辺に有し、被清掃体と対向するブレード下面の少なくとも上記先端稜線部付近と、上記先端稜線部を一辺に有し上記弾性ブレードの厚み方向に平行な先端面の少なくとも先端稜線部付近とにそれぞれ弾性ブレードよりも硬い表面層を形成し、前記弾性ブレードの先端稜線部を表面移動する被清掃部材の表面に当接して、該被清掃部材表面から粉体を除去するクリーニングブレードにおいて、前記表面層は、マルテンス硬度が50[N/mm]以上600[N/mm]以下の樹脂材からなり、前記ブレード下面の前記先端稜線部から20[μm]離れた位置での表面から測定したマルテンス硬度、および、前記ブレード先端面の前記先端稜線部から20[μm]離れた位置での表面から測定したマルテンス硬度が、1.8[N/mm]以上12[N/mm]以下であることを特徴とするものである。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、表面層を形成する樹脂材として、マルテンス硬度が50以上、600[N/mm]以下の樹脂材を用いるのが良いことがわかった。マルテンス硬度が、50[N/mm]未満だと、柔らかすぎ表面層により硬度を上げることができず、逆に600[N/mm]を超えると、表面層が硬すぎ、表面層に割れなどが生じてしまう。マルテンス硬度が上記範囲の樹脂材を設けることで、表面層により、弾性ブレードの硬度を高めることができる。しかしながら、上述したように、先端稜線部は表面張力の関係で、被膜が形成されにくいため、先端稜線部近傍の塗膜厚が十分に確保されず、先端稜線部を十分に高硬度化できない。しかし、本発明者らは、さらなる鋭意研究を重ねた結果、スティック・スリップ運動は、ブレード下面、ブレード先端面それぞれの先端稜線部から100μm以内の硬さの影響が大きい事がわかった。特に、ブレード下面、ブレード先端面それぞれの先端稜線部から20μm以内の硬さの影響が大きい事がわかった。すなわち、本発明者らの鋭意研究により、先端稜線部の塗膜が不十分であっても、ブレード下面、ブレード先端面それぞれの先端稜線部から20μm以内での硬さが十分であれば、スティック・スリップ運動が生じないことを見出したのである。そして、後述する鋭意実験の結果、ブレード下面の先端稜線部から20[μm]離れた位置でのマルテンス硬度、および、ブレード先端面の先端稜線部から20[μm]離れた位置でのマルテンス硬度が、いずれも1.8[N/mm]以上12[N/mm]以下のとき、スティック・スリップ運動を抑制することができ、良好なクリーニング性を得ることができることがわかった。
本発明によれば、スティック・スリップ運動を抑制し、クリーニング不良、被清掃体上に固着物が生成させるのを抑制することができる。
本発明の実施形態に係るプリンタの概略構成図。 本発明の実施形態に係るの作像ユニットの概略構成図。 本実施形態に係るクリーニングブレードの斜視図。 本実施形態に係るクリーニングブレードの断面図。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタ500という)の一実施形態について説明する。まず、本実施形態に係るプリンタ500の基本的な構成について説明する。
図1は、プリンタ500を示す概略構成図である。プリンタ500は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記す)用の四つの作像ユニット1Y,C,M,Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY,C,M,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。
四つの作像ユニット1の上方には、中間転写体としての中間転写ベルト14を備える転写ユニット60が配置されている。詳細は後述する各作像ユニット1Y,C,M,Kが備える感光体3Y,C,M,Kの表面上に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト14の表面上に重ね合わせて転写される構成である。
また、四つの作像ユニット1の下方に光書込ユニット40が配設されている。潜像形成手段たる光書込ユニット40は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを、各作像ユニット1Y,C,M,Kの感光体3Y,C,M,Kに照射する。これにより、感光体3Y,C,M,K上にY,C,M,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット40は、光源から発したレーザ光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー41によって偏向せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体3Y,C,M,Kに照射するものである。かかる構成のものに代えて、LDEアレイによる光走査を行うものを採用することもできる。
光書込ユニット40の下方には、第一給紙カセット151、第二給紙カセット152が鉛直方向に重なるように配設されている。これら給紙カセット内には、それぞれ、記録媒体である転写紙Pが複数枚重ねられた紙束の状態で収容されており、一番上の転写紙Pには、第一給紙ローラ151a、第二給紙ローラ152aがそれぞれ当接している。第一給紙ローラ151aが図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動せしめられると、第一給紙カセット151内の一番上の転写紙Pが、カセットの図中右側方において鉛直方向に延在するように配設された給紙路153に向けて排出される。また、第二給紙ローラ152aが図示しない駆動手段によって図1中反時計回りに回転駆動せしめられると、第二給紙カセット152内の一番上の転写紙Pが、給紙路153に向けて排出される。
給紙路153内には、複数の搬送ローラ対154が配設されている。給紙路153に送り込まれた転写紙Pは、これら搬送ローラ対154のローラ間に挟み込まれながら、給紙路153内を図1中下側から上側に向けて搬送される。
給紙路153の搬送方向下流側端部には、レジストローラ対55が配設されている。レジストローラ対55は、転写紙Pを搬送ローラ対154から送られてくる転写紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、転写紙Pを適切なタイミングで後述の二次転写ニップに向けて送り出す。
図2は、四つの作像ユニット1のうちの一つの概略構成を示す構成図である。
図2に示すように、作像ユニット1は、像担持体としてのドラム状の感光体3を備えている。感光体3はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
感光体3の周囲には、帯電ローラ4、現像装置5、一次転写ローラ7、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10及び不図示の除電ランプ等が配置されている。帯電ローラ4は、帯電手段としての帯電装置が備える帯電部材であり、現像装置5は、感光体3の表面上に形成された潜像をトナー像化する現像手段である。一次転写ローラ7は、感光体3の表面上のトナー像を中間転写ベルト14に転写する一次転写手段としての一次転写装置が備える一次転写部材である。クリーニング装置6は、トナー像を中間転写ベルト14に転写した後の感光体3上に残留するトナーをクリーニングするクリーニング手段である。潤滑剤塗布装置10は、クリーニング装置6がクリーニングした後の感光体3の表面上に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段である。不図示の除電ランプは、クリーニング後の感光体3の表面電位を除電する除電手段である。
帯電ローラ4は、感光体3に所定の距離を持って非接触で配置され、感光体3を所定の極性、所定の電位に帯電するものである。帯電ローラ4によって一様帯電された感光体3の表面は、潜像形成手段である光書込ユニット40から画像情報に基づいてレーザ光Lが照射され静電潜像が形成される。
現像装置5は、現像剤担持体としての現像ローラ51を有している。この現像ローラ51には、図示しない電源から現像バイアスが印加されるようになっている。現像装置5のケーシング内には、ケーシング内に収容された現像剤を互いに逆方向に搬送しながら攪拌する供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53が設けられている。また、現像ローラ51に担持された現像剤を規制するためのドクタ54も設けられている。供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53の二本スクリュによって撹拌・搬送された現像剤中のトナーは、所定の極性に帯電される。そして、現像剤は、現像ローラ51の表面上に汲み上げられ、汲み上げられた現像剤は、ドクタ54により規制され、感光体3と対向する現像領域でトナーが感光体3上の潜像に付着する。
クリーニング装置6は、ファーブラシ101、クリーニングブレード62などを有している。クリーニングブレード62は、感光体3の表面移動方向に対してカウンタ方向で感光体3に当接している。なお、クリーニングブレード62の詳細については後述する。
潤滑剤塗布装置10は、固形潤滑剤103や潤滑剤加圧スプリング103a等を備え、固形潤滑剤103を感光体3上に塗布する塗布ブラシとしてファーブラシ101を用いている。固形潤滑剤103は、ブラケット103bに保持され、潤滑剤加圧スプリング103aによりファーブラシ101側に加圧されている。そして、感光体3の回転方向に対して連れまわり方向に回転するファーブラシ101により固形潤滑剤103が削られて感光体3上に潤滑剤が塗布される。感光体への潤滑剤塗布により感光体3表面の摩擦係数が非画像形成時に0.2以下に維持される。なお、潤滑剤塗布装置10は、無くてもよい。
本実施形態の帯電装置は、帯電ローラ4を感光体3に近接させた非接触の近接配置方式であるが、帯電装置としては、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)を始めとする公知の構成を用いることができる。これらの帯電方式のうち、特に接触帯電方式、あるいは非接触の近接配置方式がより望ましく、帯電効率が高くオゾン発生量が少ない、装置の小型化が可能である等のメリットを有する。
光書込ユニット40のレーザ光Lの光源や除電ランプ等の光源には、発光物全般を用いることができる。具体的には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などを用いることができる。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザは照射エネルギーが高く、また600〜800[nm]の長波長光を有するため、良好に使用される。
転写手段たる転写ユニット60は、中間転写ベルト14の他、ベルトクリーニングユニット162、第一ブラケット63、第二ブラケット64などを備えている。また、四つの一次転写ローラ7Y,C,M,K、二次転写バックアップローラ66、駆動ローラ67、補助ローラ68、テンションローラ69なども備えている。中間転写ベルト14は、これら8つのローラ部材に張架されながら、駆動ローラ67の回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。四つの一次転写ローラ7Y,C,M,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト14を感光体3Y,C,M,Kとの間に挟み込んでそれぞれ一次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト14の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する。中間転写ベルト14は、その無端移動に伴ってY,C,M,K用の一次転写ニップを順次通過していく過程で、そのおもて面に感光体3Y,C,M,K上のY,C,M,Kトナー像が重ね合わせて一次転写される。これにより、中間転写ベルト14上に四色重ね合わせトナー像(以下、四色トナー像という)が形成される。
二次転写バックアップローラ66は、中間転写ベルト14のループ外側に配設された二次転写ローラ70との間に中間転写ベルト14を挟み込んで二次転写ニップを形成している。先に説明したレジストローラ対55は、ローラ間に挟み込んだ転写紙Pを、中間転写ベルト14上の四色トナー像に同期させ得るタイミングで、二次転写ニップに向けて送り出す。中間転写ベルト14上の四色トナー像は、二次転写バイアスが印加される二次転写ローラ70と二次転写バックアップローラ66との間に形成される二次転写電界や、ニップ圧の影響により、二次転写ニップ内で転写紙Pに一括二次転写される。そして、転写紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。
二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト14には、転写紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、ベルトクリーニングユニット162によってクリーニングされる。なお、ベルトクリーニングユニット162は、ベルトクリーニングブレード162aを中間転写ベルト14のおもて面に当接させており、これによって中間転写ベルト14上の転写残トナーを掻き取って除去するものである。
転写ユニット60の第一ブラケット63は、図示しないソレノイドの駆動のオンオフに伴って、補助ローラ68の回転軸線を中心にして所定の回転角度で揺動するようになっている。プリンタ500は、モノクロ画像を形成する場合には、前述のソレノイドの駆動によって第一ブラケット63を図中反時計回りに少しだけ回転させる。この回転により、補助ローラ68の回転軸線を中心にしてY,C,M用の一次転写ローラ7Y,C,Mを図中反時計回りに公転させることで、中間転写ベルト14をY,C,M用の感光体3Y,C,Mから離間させる。そして、四つの作像ユニット1Y,C,M,Kのうち、K用の作像ユニット1Kだけを駆動して、モノクロ画像を形成する。これにより、モノクロ画像形成時にY,C,M用の作像ユニット1を無駄に駆動させることによる作像ユニット1を構成する各部材の消耗を回避することができる。
二次転写ニップの図中上方には、定着ユニット80が配設されている。この定着ユニット80は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加圧加熱ローラ81と、定着ベルトユニット82とを備えている。定着ベルトユニット82は、定着部材たる定着ベルト84、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加熱ローラ83、テンションローラ85、駆動ローラ86、図示しない温度センサ等を有している。そして、無端状の定着ベルト84を加熱ローラ83、テンションローラ85及び駆動ローラ86によって張架しながら、図中反時計回り方向に無端移動せしめる。この無端移動の過程で、定着ベルト84は加熱ローラ83によって裏面側から加熱される。このようにして加熱される定着ベルト84の加熱ローラ83への掛け回し箇所には、図中時計回り方向に回転駆動される加圧加熱ローラ81がおもて面側から当接している。これにより、加圧加熱ローラ81と定着ベルト84とが当接する定着ニップが形成されている。
定着ベルト84のループ外側には、図示しない温度センサが定着ベルト84のおもて面と所定の間隙を介して対向するように配設されており、定着ニップに進入する直前の定着ベルト84の表面温度を検知する。この検知結果は、図示しない定着電源回路に送られる。定着電源回路は、温度センサによる検知結果に基づいて、加熱ローラ83に内包される発熱源や、加圧加熱ローラ81に内包される発熱源に対する電源の供給をオンオフ制御する。
上述した二次転写ニップを通過した転写紙Pは、中間転写ベルト14から分離した後、定着ユニット80内に送られる。そして、定着ユニット80内の定着ニップに挟まれながら図中下側から上側に向けて搬送される過程で、定着ベルト84によって加熱され、押圧されることによりフルカラートナー像が転写紙Pに定着される。
このようにして定着処理が施された転写紙Pは、排紙ローラ対87のローラ間を経た後、機外へと排出される。プリンタ500本体の筺体の上面には、スタック部88が形成されており、排紙ローラ対87によって機外に排出された転写紙Pは、このスタック部88に順次スタックされる。
転写ユニット60の上方には、Y,C,M,Kトナーを収容する四つのトナーカートリッジ100Y,C,M,Kが配設されている。トナーカートリッジ100Y,C,M,K内のY,C,M,Kトナーは、作像ユニット1Y,C,M,Kの現像装置5Y,C,M,Kに適宜供給される。これらトナーカートリッジ100Y,C,M,Kは、作像ユニット1Y,C,M,Kとは独立してプリンタ本体に脱着可能である。
次に、プリンタ500における画像形成動作を説明する。
図示しない操作部などからプリント実行の信号を受信したら、帯電ローラ4及び現像ローラ51にそれぞれ所定の電圧または電流が順次所定のタイミングで印加される。同様に、光書込ユニット40及び除電ランプなどの光源にもそれぞれ所定の電圧または電流が順次所定のタイミングで印加される。また、これと同期して、駆動手段としての感光体駆動モータ(不図示)により感光体3が図中矢印方向に回転駆動される。
感光体3が図中矢印方向に回転すると、まず感光体3表面が、帯電ローラ4によって所定の電位に一様帯電される。そして、光書込ユニット40から画像情報に対応したレーザ光Lが感光体3上に照射され、感光体3表面上のレーザ光Lが照射された部分が除電され静電潜像が形成される。
静電潜像の形成された感光体3の表面は、現像装置5との対向部で現像ローラ51上に形成された現像剤の磁気ブラシによって摺擦される。このとき、現像ローラ51上の負帯電トナーは、現像ローラ51に印加された所定の現像バイアスによって、静電潜像側に移動し、トナー像化(現像)される。各作像ユニット1において、同様の作像プロセスが実行され、各作像ユニット1Y,C,M,Kの各感光体3Y,C,M,Kの表面上に各色のトナー像が形成される。
このように、プリンタ500では、感光体3上に形成された静電潜像は、現像装置5によって、負極性に帯電されたトナーにより反転現像される。本実施形態では、N/P(ネガポジ:電位が低い所にトナーが付着する)の非接触帯電ローラ方式を用いた例について説明したが、これに限るものではない。
各感光体3Y,C,M,Kの表面上に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト14の表面上で重なるように、順次一次転写される。これにより、中間転写ベルト14上に四色トナー像が形成される。
中間転写ベルト14上に形成された四色トナー像は、第一給紙カセット151または第二給紙カセット152から給紙され、レジストローラ対55のローラ間を経て、二次転写ニップに給紙される転写紙Pに転写される。このとき、転写紙Pはレジストローラ対55に挟まれた状態で一旦停止し、中間転写ベルト14上の画像先端と同期を取って二次転写ニップに供給される。トナー像が転写された転写紙Pは中間転写ベルト14から分離され、定着ユニット80へ搬送される。そして、トナー像が転写された転写紙Pが定着ユニット80を通過することにより、熱と圧力の作用でトナー像が転写紙P上に定着されて、トナー像が定着された転写紙Pはプリンタ500装置外に排出され、スタック部88にスタックされる。
一方、二次転写ニップで転写紙Pにトナー像を転写した中間転写ベルト14の表面は、ベルトクリーニングユニット162によって表面上の転写残トナーが除去される。
また、一次転写ニップで中間転写ベルト14に各色のトナー像を転写した感光体3の表面は、クリーニング装置6によって転写後の残留トナーが除去され、潤滑剤塗布装置10によって潤滑剤が塗布された後、除電ランプで除電される。
プリンタ500の作像ユニット1は、図2に示すように感光体3と、プロセス手段として帯電ローラ4、現像装置5、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10などとが枠体2に収められている。そして、作像ユニット1は、プロセスカートリッジとしてプリンタ500本体から一体的に着脱可能となっている。プリンタ500では、作像ユニット1がプロセスカートリッジとしての感光体3とプロセス手段とを一体的に交換するようになっている。しかし、感光体3、帯電ローラ4、現像装置5、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10のような単位で新しいものと交換するような構成でもよい。
また、本プリンタは、単一色の画像形成が可能となっている。また、図示しない画像読取部で読み取った画像データに基づいて、複写も行うことができるようになっている。
図2は、クリーニングブレード62の斜視図である。
クリーニングブレード62は、金属や硬質プラスチックなどの剛性材料からなる短冊形状のホルダー621と、短冊形状の弾性ブレード622とで構成されている。また、ブレード先端面62aとブレード下面62bには、ブレード長手方向にわたって弾性ブレード622よりも硬い樹脂からなる表面層623が形成されている。
弾性ブレード622は、ホルダー621の一端側に接着剤などにより固定されており、ホルダー621の他端側は、クリーニング装置6のケースに片持ち支持されている。
弾性ブレード622としては、感光体3の偏心や感光体3の表面の微小なうねりなどに追随できるように、高い反発弾性体率を有するものが好ましく、ウレタンゴムなどが好適である。
弾性ブレード622は、感光体8との追従性を確保するため、マルテンス硬度が0.6〜1.5[N/mm]のウレタンゴムが望ましい。ウレタンゴムのマルテンス硬度が1.5[N/mm]を超えると、柔軟性に乏しくなる。従って、例えば、ホルダー621が微小に傾いて取り付けるなどしたときに、クリーニングブレード62の軸方向一端側と他端側とで当接圧が異なる所謂偏当りしやすくなる。よって、軸方向で均一な当接圧が得にくくなり、クリーニング性が低下するおそれがある。一方、マルテンス硬度が0.6[N/mm]未満の場合は、重合トナーでもクリーニングできるよう当接圧を高く設定したときに、クリーニングブレード62が反ってしまう。その結果、クリーニングブレード62の先端稜線部62cが浮きあがって、クリーニングブレード62のブレード下面62bが感光体3と当接する所謂腹当たり現象が生じてしまう。腹当たり現象が生じると、クリーニングブレード62と感光体表面との当接面積が急激に増大する。その結果、クリーニングブレード62を大きな力で押しつけても逆に当接圧は小さくなり、クリーニング性が低下してしまう。特に先端面に表面層を有する構成では上記の現象が顕著に生じるため、上記の範囲にあることが必要となる。
弾性体ブレードは、2種の異なる材質を積層した、2層構成のタイプも利用することができる。この場合もウレタンゴムのマルテンス硬度は上記範囲が好ましいが、当接側と反当接側で適宜適切な材質を選択することができる。
表面層623は、スプレー塗工、ディップ塗工によって、クリーニングブレード62の先端稜線部62cを被覆する。表面層623としては、弾性体ブレード622よりも硬度の高い部材を皮膜するのが好ましい。表面層623を設けることで、弾性ブレード622の先端稜線部近傍での硬度を上げることができ、スティック・スリップを抑制することが可能となる。
表面層623の樹脂材としては、マルテンス硬度が50〜600[N/mm]、さらに望ましくは300〜600[N/mm]の樹脂材が好ましい。マルテンス硬度が、50[N/mm]未満の樹脂を用いた場合、柔らかすぎて、表面層623により硬度を上げることができない。逆に600[N/mm]を超える樹脂を用いた場合、表面層623が硬すぎ、表面層623に割れなどが生じてしまう。マルテンス硬度が、50〜600[N/mm]の樹脂材を用いることにより、先端稜線部62c付近を、表面層623により適度な硬度にすることができ、先端稜線部62cのスティック・スリップ運動が生じるのを抑制することができる。
また、表面層623の樹脂材としては、紫外線硬化樹脂がより好ましい。紫外線硬化樹脂を用いることで、先端稜線部62c付近に付着した樹脂に紫外線を照射させるだけで、所望の硬度を有する表面層623を得ることができ、クリーニングブレード62を安価に製造することができる。
上記紫外線硬化樹脂としては、官能基当量分子量350以下、官能基数3〜6のペンタエリスリトール・トリアクリレートを主要骨格とするモノマーを用いることが好ましい。官能基当量分子量が350を越えるか、またはペンタエリスリトール・トリアクリレート骨格以外の材料を用いると、表面層623は脆弱になり過ぎるおそれがある。表面層623が脆弱になると、クリーニングブレード62の先端稜線部62cがめくれてしまい、長期にわたるクリーニング性を保持できなくなる。
また、表面層623のブレード下面62bの先端稜線部62cから20[μm]離れた位置での層厚と、ブレード先端面62aの先端稜線部62cから20[μm]離れた位置での層厚とが、0.4〜5.5[μm]が好適である。0.4μmよりも小さいとどんなに硬い樹脂でもスティック・スリップ抑制効果がなくなる。5.5[μm]よりも大きいと表面層623に割れが生じてしまうおそれがある。
また、表面層623を塗工する際は、先端稜線部近傍の膜厚を確保するために低沸点の溶媒を用いてスプレー塗工することが好適であり、沸点は75℃以下が好ましく、より好ましくは66℃以下である。これにより樹脂溶液が弾性ブレード622に塗工された際、溶媒が揮発し、先端稜線部近傍から平面部に寄らない。よって、先端稜線部62c近傍の塗膜厚が十分に確保でき、先端稜線部62cの高硬度化が可能となる。
また、弾性ブレード622の先端稜線部62cに含浸処理を施してもよい。弾性ブレード622の先端稜線部62cへの含浸処理は、スプレー塗工や浸漬塗工によって、フッ素系アクリルモノマーを含む紫外線硬化樹脂などを含浸させることで可能である。これにより、当接する弾性ブレード622の先端稜線部62cが感光体3表面移動方向に変形するのを抑制することができる。さらに、経時表面層摩耗によって内部が露出したときも内部への含浸作用により、同様に変形(めくれやスティック・スリップ運動)を抑制することができる。
スプレー塗工やディップ塗工のように、液体の材料を付着させて表面層623を形成しているため、先端稜線部62cは表面張力の関係で、図4に示すように、被膜が形成されにくい。このため、先端稜線部62cには、十分な膜厚の表面層623を形成できない。しかし、先端稜線部の挙動(スティック・スリップ運動)は、先端稜線部62cから100[μm]以内のブレード下面62bとブレード先端面62aとの硬さの影響が大きい事がわかった。特に、先端稜線部から20[μm]以内のブレード下面62bとブレード先端面62aとの硬さの影響が大きい事がわかった。
また、ISO14577−1に記載されているマルテンス硬度を、先端稜線部から20[μm]以内の硬さの指標として用いるのが好ましい。マルテンス硬度は試験荷重に対する押し込み深さの曲線から得られる値であり、試験深さを非常に小さくした場合、ブレードと感光体3の摩擦力に対する先端稜線部62cの変形量と対応する。従って、マルテンス硬度を先端稜線部から20[μm]以内の硬さの指標として用いることで先端稜線部62cのめくれ度合を評価でき、先端稜線部62cがスティック・スリップ運動するか否かの評価に用いることができる。そこで、本発明らは、検証実験を行なって、スティック・スリップ運動が抑制される最適な先端稜線部から20[μm]のマルテンス硬度について、調べた。以下、この検証実験について、説明する。
[検証実験]
検証実験は、弾性ブレード622の材質、表面層623の材質などをそれぞれ変化させて、耐久試験を行った。
[弾性ブレード]
弾性ブレード622としては、25[℃]における物性が以下の物性となっている2つのウレタンゴムを用意した。
ウレタンゴム1:マルテンス硬度0.8[N/mm](東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム2:2層構成、当接面側マルテンス硬度1.5[N/mm]、反当接面側マルテンス硬度0.6[N/mm](東洋ゴム工業製)
ウレタンゴムのマルテンス硬度は、押し込み荷重1[mN]、押し込み時間10[s]で測定を行った。
[表面層材料]
表面層623の形成処理に用いる硬化材料としては、以下の硬化材料1〜5のものを用いた。
<硬化材料1>
紫外線硬化樹脂:ダイセルサイテック PETIA 20部
マルテンス硬度:388[N/mm
重合開始剤 :チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 2部
溶媒 :テトラヒドラフラン 78部 沸点66℃
<硬化材料2>
紫外線硬化樹脂:ダイセルサイテック DPHA 20部
マルテンス硬度:463[N/mm
重合開始剤 :チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 2部
溶媒 :テトラヒドラフラン 78部 沸点66℃
<硬化材料3>
紫外線硬化樹脂:ダイセルサイテック PETIA 20部
マルテンス硬度:388[N/mm
重合開始剤 :チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 2部
溶媒 :シクロヘキサノン 78部 沸点156℃
<硬化材料4>
紫外線硬化樹脂:ダイセルサイテック DPHA 20部
マルテンス硬度:463[N/mm
重合開始剤 :チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 2部
溶媒 :シクロヘキサノン 78部 沸点156℃
<硬化材料5>
紫外線硬化樹脂:ダイセルサイテック PETIA 20部
マルテンス硬度:388[N/mm
重合開始剤 :チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 2部
溶媒 :2−ブタノン 78部 沸点80℃
<硬化材料6>
紫外線硬化樹脂:ダイセルサイテック DPHA 20部
マルテンス硬度:463[N/mm
重合開始剤 :チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 2部
溶媒 :2−ブタノン 78部 沸点80℃
紫外線硬化樹脂としてペンタエリスリトール・トリアクリレート(ダイセルサイテック社製;PETIA)の構造式を下記の化1に示す。
Figure 0006052612
紫外線効果樹脂としてジペンタエリスリトール・トリアクリレート(ダイセルサイテック社製;DPHA)の構造式を下記の化2に示す。
Figure 0006052612
このように、検証実験では、表面層を形成する硬化材料として、官能基当量分子量350以下、官能基数3〜6のペンタエリスリトール・トリアクリレートを主要骨格として有したアクリレート材料であるPETIA、DPHAを用いた。
次に、検証実験を行った画像形成装置の構成について説明する。
上記ウレタンゴム1〜2のいずれかを用いて厚さ1.8[mm]の短冊形状の弾性体ブレードを作製し、スプレー塗工法により各硬化樹脂材料材料の表面層を形成した。表面層の形成は具体的には、まずスプレー塗工によりブレード下面に10[mm/s]のスプレーガン移動速度にて所定の層厚になるように塗工を行った。ブレード先端面にも同様に塗工を行った。その後3分間指触乾燥を行い、紫外線露光(140[W/cm]×5[m/min]×5パス)を行った。なお、このときスプレー塗工により表面層を形成する領域はマスキングテープにより制限して塗工を行った。
表面層の層厚は、キーエンス製マイクロスコープVHX−100を用い、別途同様に塗工した弾性ブレードの断面により測定した。試料は日進EM製SEM試料作製用トリミングカミソリを用い断面を切断したものとした。
また、ブレード下面およびブレード先端面の先端稜線部から20[μm]の位置のマルテンス硬度は、FISCHER製微小硬さ試験機FISCHERSCOPE HM2000を用いて、押し込み荷重:2mN、押し込み時間:10sで測定を行った。また、測定には、ビッカース四角錘圧子を用いた。
表面層が形成された弾性ブレードをリコー製カラー複合機 imagio MP C5001(図1と同様の構成)に搭載できる板金ホルダーに接着剤により固定し、実施例1〜4、比較例1〜5のクリーニングブレードとした。これを20mmの長さに切り取り、平板状の像担持体と摺擦させ、そのときのスティック・スリップの発生状態を高速度カメラで確認した。測定条件は以下の通りである。
食い込み量:0.8mm
当接角度:20°
像担持体移動速度:0.1mm/s
次に、実施例1〜4、比較例1〜5のクリーニングブレードをリコー製カラー複合機 imagio MP C5001に搭載し、これらクリーニングブレードを用いて、実験室環境:21[℃]・65[%RH]、通紙条件:画像面積率5%チャートを3プリント/ジョブで、2,500枚(A4横)行い、像担持体上の付着物の有無で評価した。
像担持体上の付着物の有無で評価には、重合法により作製したトナーを用いた。なお、トナーの物性は、以下のとおりである。
トナー母体:円形度0.98、平均粒径4.9[μm]
外添剤 :小粒径シリカ1.5部(クラリアント製H2000)
小粒径酸化チタン0.5部(テイカ製MT−150AI)
大粒径シリカ1.0部(電気化学工業製UFP−30H)
実施例、比較例の検証実験の結果を表1に示す。
Figure 0006052612
表1に示すように、ブレード下面の先端稜線部から20[μm]の箇所のマルテンス硬度、および、ブレード先端面の先端稜線部から20[μm]の箇所のマルテンス硬度が、いずれも1.8[N/mm]〜12[N/mm]を満たす実施例1〜4は、スティック・スリップ運動が確認されず、像担持体表面に付着物も確認されなかった。一方、ブレード下面およびブレード先端面のいずれかのマルテンス硬度が、1.8[N/mm]を下回る比較例1〜5においては、いずれも、スティック・スリップ運動が確認された。また、像担持体表面に付着物の発生も確認された。また、実施例1〜実施例4のクリーニングブレードにおいては、クリーニング不良も確認されなかった。
ブレード下面の先端稜線部から20[μm]の箇所のマルテンス硬度、および、ブレード先端面の先端稜線部から20[μm]の箇所のマルテンス硬度が大きすぎると、先端稜線部62cが硬くなりすぎる。その結果、感光体3が偏心していたり、感光体表面に微小なうねりがあったりした場合、クリーニングブレードの先端稜線部62cの像担持体表面への追随性が低下してしまうと考えられる。その結果、感光体表面に当接するクリーニングブレード62の長手方向で当接圧が変動し、クリーニング性が低下する。しかし、実施例2においては、クリーニング不良は、確認できなかった。従って、少なくとも、ブレード下面およびブレード先端面のマルテンス硬度が12[N/mm]以下であれば、像担持体表面への追随性が低下することなく、良好にクリーニングできることが確認された。
また、表面層の膜厚が厚くなりすぎると、割れが発生するおそれがある。しかしながら、検証実験後の実施例2のクリーニングブレードを観察したが、割れが発生していなかった。このことから、少なくとも、表面層の膜厚を5.5[μm]以下にすれば、表面層の割れが発生しないことが確認された。
また、実施例1〜4では、沸点が66℃の溶剤を用いた硬化樹脂1または2を用いたことで、先端稜線部近傍の塗膜厚を十分に確保でき、先端稜線部から20[μm]の箇所の膜厚を、0.4[μm]以上にすることができた。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、以下の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
短冊形状の弾性体ブレード622で構成され、弾性体ブレード622の先端稜線部62aを1辺に有し、感光体3などの被清掃体と対向するブレード下面62bの少なくとも先端稜線部付近と、先端稜線部62cを一辺に有し弾性ブレード622の厚み方向に平行な先端面62aの少なくとも先端稜線部付近とにそれぞれ弾性ブレード622よりも硬い表面層623を有し、弾性ブレード622の先端稜線部62cを表面移動する被清掃部材の表面に当接して、被清掃部材表面から粉体を除去するクリーニングブレード62において、表面層623は、マルテンス硬度が50[N/mm]以上600[N/mm]以下の樹脂材からなり、ブレード下面62bの先端稜線部62cから20[μm]離れた位置での表面から測定したマルテンス硬度、および、ブレード先端面62aの先端稜線部62cから20[μm]離れた位置での表面から測定したマルテンス硬度が、1.8[N/mm]以上12[N/mm]以下である。
かかる構成を備えることで、検証実験で説明したように、スティック・スリップ運動を抑制することができる。
(態様2)
また、(態様1)において、表面層622は、沸点75℃以下の溶剤が含有された塗料を弾性ブレード622にスプレー塗工することで形成される。
かかる構成を有することで、実施形態で説明したように、先端稜線部62c近傍の塗膜厚を十分に確保でき、先端稜線部62c高硬度化が可能となる。
(態様3)
また、(態様1)または(態様2)において、表面層623は少なくとも紫外線硬化樹脂を含む。
かかる構成を備えることで、実施形態で説明したように、先端稜線部62c付近に付着した樹脂に紫外線を照射させるだけで、所望の硬度を有する表面層623を得ることができ、クリーニングブレード62を安価に製造することができる。
(態様4)
また、(態様1)乃至(態様3)いずれかにおいて、ブレード下面62bの先端稜線部62cから20[μm]離れた位置での表面層厚さ、および、ブレード先端面62aの先端稜線部62cから20[μm]離れた位置での表面層厚さが、0.4[μm]以上、5.5[μm]以下である。
かかる構成を備えることで、検証実験で説明したように、スティック・スリップ抑制効果を得ることができ、かつ、表面層623に割れの発生を抑制することができる。
(態様5)
(態様1)乃至(態様4)のいずれかにおいて、弾性ブレード622として、マルテンス硬度が0.6[N/mm]以上1.5[N/mm]以下のウレタンゴムを用いた。
かかる構成を備えることで、実施形態で説明したように、感光体などの被清掃体に偏心などあっても、柔軟にクリーニングブレード62が変形して、所定の当接圧を維持することができ、良好なクリーニング性を維持することができる。
(態様6)
また、(態様1)乃至(態様5)のいずれかにおいて、弾性ブレードとして、異なる2種類のウレタン基を含むゴムを積層したものを用いた。
かかる構成を備えることで、実施形態で説明したように、当接側と反当接側で適宜適切な材質を選択することができる。
(態様7)
また、感光体3等の像担持体と、像担持体表面にトナー像を形成するトナー像形成手段と、像担持体表面のトナー像を被転写体に転写する転写手段と、像担持体表面に当接して像担持体表面に付着した残トナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段を備えた画像形成装置において、クリーニングブレードとして上記(態様1)乃至(態様6)いずれかに記載の態様のクリーニングブレードを用いる。これによれば、上記実施形態に説明したように、良好なクリーニング性能を得ることができ、また、感光体3への付着物の発生を抑制できる。これにより、良質な画像を得ることができる。
(態様8)
像担持体と、少なくとも該像担持体の表面に付着した残トナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、クリーニングブレードとして上記(態様1)乃至(態様6)いずれかに記載の態様のクリーニングブレードを用いる。
これによれば、上記実施形態に説明したように、感光体の付着物の発生を抑制でき、かつ、良好なクリーニング性を得ることができる。また、プロセスカートリッジの形態を取ることで、操作性を向上できる。
1 プロセスカートリッジ
3 感光体
4 帯電装置
5 現像装置
6 クリーニング装置
7 転写装置
10 潤滑剤塗布装置
14 転写ベルト
51 現像ローラ
52 供給スクリュ
53 攪拌スクリュ
54 ドクタ
60 転写ユニット
62 クリーニングブレード
62a ブレード先端面
62b ブレード下面
62c 稜線部(直角)
62d 稜線部(鈍角、下面側)
62e 稜線部(鈍角、先端面側)
80 定着ユニット
101 ファーブラシ
103 固形潤滑剤
123 像担持体
621 ホルダー
622 弾性体ブレード
623 表面層
特開2012−083729号公報

Claims (8)

  1. 短冊形状の弾性体ブレードで構成され、該弾性体ブレードの先端稜線部を1辺に有し、被清掃体と対向するブレード下面の少なくとも上記先端稜線部付近と、上記先端稜線部を一辺に有し上記弾性ブレードの厚み方向に平行な先端面の少なくとも先端稜線部付近とにそれぞれ弾性ブレードよりも硬い表面層を形成し、前記弾性ブレードの先端稜線部を表面移動する被清掃部材の表面に当接して、該被清掃部材表面から粉体を除去するクリーニングブレードにおいて、
    前記表面層は、マルテンス硬度が50[N/mm]以上600[N/mm]以下の樹脂材からなり、
    前記ブレード下面の前記先端稜線部から20[μm]離れた位置での表面から測定したマルテンス硬度、および、前記ブレード先端面の前記先端稜線部から20[μm]離れた位置での表面から測定したマルテンス硬度が、1.8[N/mm]以上12[N/mm]以下であることを特徴とするクリーニングブレード。
  2. 請求項1に記載のクリーニングブレードにおいて、
    前記表面層は、沸点75℃以下の溶剤が含有された塗料を前記弾性ブレードにスプレー塗工することで形成されることを特徴とするクリーニングブレード。
  3. 請求項1または2に記載のクリーニングブレードにおいて、
    前記表面層は少なくとも紫外線硬化樹脂を含むことを特徴とするクリーニングブレード。
  4. 請求項1乃至3いずれかに記載のクリーニングブレードにおいて、
    前記ブレード下面の前記先端稜線部から20[μm]離れた位置での表面層厚さ、および、前記ブレード先端面の前記先端稜線部から20[μm]離れた位置での表面層厚さが、0.4[μm]以上、5.5[μm]以下であることを特徴とするクリーニングブレード。
  5. 請求項1乃至4いずれかに記載のクリーニングブレードにおいて、
    前記弾性ブレードとして、マルテンス硬度が0.6[N/mm]以上1.5[N/mm]以下のウレタンゴムを用いたことを特徴とするクリーニングブレード。
  6. 請求項1乃至5いずれかに記載のクリーニングブレードにおいて、
    前記弾性ブレードとして、異なる2種類のウレタン基を含むゴムを積層したものを用いたことを特徴とするクリーニングンブレード。
  7. 表面移動部材である像担持体上に形成した画像を最終的に記録媒体に転移させる画像形成装置において、
    上記像担持体の表面に接触し、その表面上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング部材として、請求項1乃至6いずれかに記載のクリーニングブレードを用いることを特徴とする画像形成装置。
  8. 像担持体と、少なくとも該像担持体の表面に付着した残トナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、
    上記クリーニングブレードとして、請求項1乃至6いずれかに記載のクリーニングブレードを用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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