JP2014178441A - クリーニングブレード、画像形成装置およびプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】弾性体ブレード622のブレード下面62bの少なくとも先端稜線部付近と、先端面62aの少なくとも先端稜線部付近とにそれぞれマルテンス硬度が50[N/mm2]以上600[N/mm2]以下の樹脂材からなる表面層を形成し、ブレード下面62bの先端稜線部62cから20[μm]離れた位置での表面から測定したマルテンス硬度、および、ブレード先端面62aの先端稜線部62cから20[μm]離れた位置での表面から測定したマルテンス硬度を、1.8[N/mm2]以上12[N/mm2]以下にした。
【選択図】図3
Description
図1は、プリンタ500を示す概略構成図である。プリンタ500は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記す)用の四つの作像ユニット1Y,C,M,Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY,C,M,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。
また、四つの作像ユニット1の下方に光書込ユニット40が配設されている。潜像形成手段たる光書込ユニット40は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを、各作像ユニット1Y,C,M,Kの感光体3Y,C,M,Kに照射する。これにより、感光体3Y,C,M,K上にY,C,M,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット40は、光源から発したレーザ光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー41によって偏向せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体3Y,C,M,Kに照射するものである。かかる構成のものに代えて、LDEアレイによる光走査を行うものを採用することもできる。
図2に示すように、作像ユニット1は、像担持体としてのドラム状の感光体3を備えている。感光体3はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
感光体3の周囲には、帯電ローラ4、現像装置5、一次転写ローラ7、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10及び不図示の除電ランプ等が配置されている。帯電ローラ4は、帯電手段としての帯電装置が備える帯電部材であり、現像装置5は、感光体3の表面上に形成された潜像をトナー像化する現像手段である。一次転写ローラ7は、感光体3の表面上のトナー像を中間転写ベルト14に転写する一次転写手段としての一次転写装置が備える一次転写部材である。クリーニング装置6は、トナー像を中間転写ベルト14に転写した後の感光体3上に残留するトナーをクリーニングするクリーニング手段である。潤滑剤塗布装置10は、クリーニング装置6がクリーニングした後の感光体3の表面上に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段である。不図示の除電ランプは、クリーニング後の感光体3の表面電位を除電する除電手段である。
現像装置5は、現像剤担持体としての現像ローラ51を有している。この現像ローラ51には、図示しない電源から現像バイアスが印加されるようになっている。現像装置5のケーシング内には、ケーシング内に収容された現像剤を互いに逆方向に搬送しながら攪拌する供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53が設けられている。また、現像ローラ51に担持された現像剤を規制するためのドクタ54も設けられている。供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53の二本スクリュによって撹拌・搬送された現像剤中のトナーは、所定の極性に帯電される。そして、現像剤は、現像ローラ51の表面上に汲み上げられ、汲み上げられた現像剤は、ドクタ54により規制され、感光体3と対向する現像領域でトナーが感光体3上の潜像に付着する。
潤滑剤塗布装置10は、固形潤滑剤103や潤滑剤加圧スプリング103a等を備え、固形潤滑剤103を感光体3上に塗布する塗布ブラシとしてファーブラシ101を用いている。固形潤滑剤103は、ブラケット103bに保持され、潤滑剤加圧スプリング103aによりファーブラシ101側に加圧されている。そして、感光体3の回転方向に対して連れまわり方向に回転するファーブラシ101により固形潤滑剤103が削られて感光体3上に潤滑剤が塗布される。感光体への潤滑剤塗布により感光体3表面の摩擦係数が非画像形成時に0.2以下に維持される。なお、潤滑剤塗布装置10は、無くてもよい。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザは照射エネルギーが高く、また600〜800[nm]の長波長光を有するため、良好に使用される。
図示しない操作部などからプリント実行の信号を受信したら、帯電ローラ4及び現像ローラ51にそれぞれ所定の電圧または電流が順次所定のタイミングで印加される。同様に、光書込ユニット40及び除電ランプなどの光源にもそれぞれ所定の電圧または電流が順次所定のタイミングで印加される。また、これと同期して、駆動手段としての感光体駆動モータ(不図示)により感光体3が図中矢印方向に回転駆動される。
静電潜像の形成された感光体3の表面は、現像装置5との対向部で現像ローラ51上に形成された現像剤の磁気ブラシによって摺擦される。このとき、現像ローラ51上の負帯電トナーは、現像ローラ51に印加された所定の現像バイアスによって、静電潜像側に移動し、トナー像化(現像)される。各作像ユニット1において、同様の作像プロセスが実行され、各作像ユニット1Y,C,M,Kの各感光体3Y,C,M,Kの表面上に各色のトナー像が形成される。
このように、プリンタ500では、感光体3上に形成された静電潜像は、現像装置5によって、負極性に帯電されたトナーにより反転現像される。本実施形態では、N/P(ネガポジ:電位が低い所にトナーが付着する)の非接触帯電ローラ方式を用いた例について説明したが、これに限るものではない。
中間転写ベルト14上に形成された四色トナー像は、第一給紙カセット151または第二給紙カセット152から給紙され、レジストローラ対55のローラ間を経て、二次転写ニップに給紙される転写紙Pに転写される。このとき、転写紙Pはレジストローラ対55に挟まれた状態で一旦停止し、中間転写ベルト14上の画像先端と同期を取って二次転写ニップに供給される。トナー像が転写された転写紙Pは中間転写ベルト14から分離され、定着ユニット80へ搬送される。そして、トナー像が転写された転写紙Pが定着ユニット80を通過することにより、熱と圧力の作用でトナー像が転写紙P上に定着されて、トナー像が定着された転写紙Pはプリンタ500装置外に排出され、スタック部88にスタックされる。
また、一次転写ニップで中間転写ベルト14に各色のトナー像を転写した感光体3の表面は、クリーニング装置6によって転写後の残留トナーが除去され、潤滑剤塗布装置10によって潤滑剤が塗布された後、除電ランプで除電される。
クリーニングブレード62は、金属や硬質プラスチックなどの剛性材料からなる短冊形状のホルダー621と、短冊形状の弾性ブレード622とで構成されている。また、ブレード先端面62aとブレード下面62bには、ブレード長手方向にわたって弾性ブレード622よりも硬い樹脂からなる表面層623が形成されている。
弾性ブレード622は、ホルダー621の一端側に接着剤などにより固定されており、ホルダー621の他端側は、クリーニング装置6のケースに片持ち支持されている。
検証実験は、弾性ブレード622の材質、表面層623の材質などをそれぞれ変化させて、耐久試験を行った。
弾性ブレード622としては、25[℃]における物性が以下の物性となっている2つのウレタンゴムを用意した。
ウレタンゴム1:マルテンス硬度0.8[N/mm2](東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム2:2層構成、当接面側マルテンス硬度1.5[N/mm2]、反当接面側マルテンス硬度0.6[N/mm2](東洋ゴム工業製)
表面層623の形成処理に用いる硬化材料としては、以下の硬化材料1〜5のものを用いた。
<硬化材料1>
紫外線硬化樹脂:ダイセルサイテック PETIA 20部
マルテンス硬度:388[N/mm2]
重合開始剤 :チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 2部
溶媒 :テトラヒドラフラン 78部 沸点66℃
<硬化材料2>
紫外線硬化樹脂:ダイセルサイテック DPHA 20部
マルテンス硬度:463[N/mm2]
重合開始剤 :チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 2部
溶媒 :テトラヒドラフラン 78部 沸点66℃
<硬化材料3>
紫外線硬化樹脂:ダイセルサイテック PETIA 20部
マルテンス硬度:388[N/mm2]
重合開始剤 :チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 2部
溶媒 :シクロヘキサノン 78部 沸点156℃
<硬化材料4>
紫外線硬化樹脂:ダイセルサイテック DPHA 20部
マルテンス硬度:463[N/mm2]
重合開始剤 :チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 2部
溶媒 :シクロヘキサノン 78部 沸点156℃
<硬化材料5>
紫外線硬化樹脂:ダイセルサイテック PETIA 20部
マルテンス硬度:388[N/mm2]
重合開始剤 :チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 2部
溶媒 :2−ブタノン 78部 沸点80℃
<硬化材料6>
紫外線硬化樹脂:ダイセルサイテック DPHA 20部
マルテンス硬度:463[N/mm2]
重合開始剤 :チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 2部
溶媒 :2−ブタノン 78部 沸点80℃
上記ウレタンゴム1〜2のいずれかを用いて厚さ1.8[mm]の短冊形状の弾性体ブレードを作製し、スプレー塗工法により各硬化樹脂材料材料の表面層を形成した。表面層の形成は具体的には、まずスプレー塗工によりブレード下面に10[mm/s]のスプレーガン移動速度にて所定の層厚になるように塗工を行った。ブレード先端面にも同様に塗工を行った。その後3分間指触乾燥を行い、紫外線露光(140[W/cm]×5[m/min]×5パス)を行った。なお、このときスプレー塗工により表面層を形成する領域はマスキングテープにより制限して塗工を行った。
食い込み量:0.8mm
当接角度:20°
像担持体移動速度:0.1mm/s
トナー母体:円形度0.98、平均粒径4.9[μm]
外添剤 :小粒径シリカ1.5部(クラリアント製H2000)
小粒径酸化チタン0.5部(テイカ製MT−150AI)
大粒径シリカ1.0部(電気化学工業製UFP−30H)
(態様1)
短冊形状の弾性体ブレード622で構成され、弾性体ブレード622の先端稜線部62aを1辺に有し、感光体3などの被清掃体と対向するブレード下面62bの少なくとも先端稜線部付近と、先端稜線部62cを一辺に有し弾性ブレード622の厚み方向に平行な先端面62aの少なくとも先端稜線部付近とにそれぞれ弾性ブレード622よりも硬い表面層623を有し、弾性ブレード622の先端稜線部62cを表面移動する被清掃部材の表面に当接して、被清掃部材表面から粉体を除去するクリーニングブレード62において、表面層623は、マルテンス硬度が50[N/mm2]以上600[N/mm2]以下の樹脂材からなり、ブレード下面62bの先端稜線部62cから20[μm]離れた位置での表面から測定したマルテンス硬度、および、ブレード先端面62aの先端稜線部62cから20[μm]離れた位置での表面から測定したマルテンス硬度が、1.8[N/mm2]以上12[N/mm2]以下である。
かかる構成を備えることで、検証実験で説明したように、スティック・スリップ運動を抑制することができる。
また、(態様1)において、表面層622は、沸点75℃以下の溶剤が含有された塗料を弾性ブレード622にスプレー塗工することで形成される。
かかる構成を有することで、実施形態で説明したように、先端稜線部62c近傍の塗膜厚を十分に確保でき、先端稜線部62c高硬度化が可能となる。
また、(態様1)または(態様2)において、表面層623は少なくとも紫外線硬化樹脂を含む。
かかる構成を備えることで、実施形態で説明したように、先端稜線部62c付近に付着した樹脂に紫外線を照射させるだけで、所望の硬度を有する表面層623を得ることができ、クリーニングブレード62を安価に製造することができる。
また、(態様1)乃至(態様3)いずれかにおいて、ブレード下面62bの先端稜線部62cから20[μm]離れた位置での表面層厚さ、および、ブレード先端面62aの先端稜線部62cから20[μm]離れた位置での表面層厚さが、0.4[μm]以上、5.5[μm]以下である。
かかる構成を備えることで、検証実験で説明したように、スティック・スリップ抑制効果を得ることができ、かつ、表面層623に割れの発生を抑制することができる。
(態様1)乃至(態様4)のいずれかにおいて、弾性ブレード622として、マルテンス硬度が0.6[N/mm2]以上1.5[N/mm2]以下のウレタンゴムを用いた。
かかる構成を備えることで、実施形態で説明したように、感光体などの被清掃体に偏心などあっても、柔軟にクリーニングブレード62が変形して、所定の当接圧を維持することができ、良好なクリーニング性を維持することができる。
また、(態様1)乃至(態様5)のいずれかにおいて、弾性ブレードとして、異なる2種類のウレタン基を含むゴムを積層したものを用いた。
かかる構成を備えることで、実施形態で説明したように、当接側と反当接側で適宜適切な材質を選択することができる。
また、感光体3等の像担持体と、像担持体表面にトナー像を形成するトナー像形成手段と、像担持体表面のトナー像を被転写体に転写する転写手段と、像担持体表面に当接して像担持体表面に付着した残トナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段を備えた画像形成装置において、クリーニングブレードとして上記(態様1)乃至(態様6)いずれかに記載の態様のクリーニングブレードを用いる。これによれば、上記実施形態に説明したように、良好なクリーニング性能を得ることができ、また、感光体3への付着物の発生を抑制できる。これにより、良質な画像を得ることができる。
像担持体と、少なくとも該像担持体の表面に付着した残トナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、クリーニングブレードとして上記(態様1)乃至(態様6)いずれかに記載の態様のクリーニングブレードを用いる。
これによれば、上記実施形態に説明したように、感光体の付着物の発生を抑制でき、かつ、良好なクリーニング性を得ることができる。また、プロセスカートリッジの形態を取ることで、操作性を向上できる。
3 感光体
4 帯電装置
5 現像装置
6 クリーニング装置
7 転写装置
10 潤滑剤塗布装置
14 転写ベルト
51 現像ローラ
52 供給スクリュ
53 攪拌スクリュ
54 ドクタ
60 転写ユニット
62 クリーニングブレード
62a ブレード先端面
62b ブレード下面
62c 稜線部(直角)
62d 稜線部(鈍角、下面側)
62e 稜線部(鈍角、先端面側)
80 定着ユニット
101 ファーブラシ
103 固形潤滑剤
123 像担持体
621 ホルダー
622 弾性体ブレード
623 表面層
Claims (8)
- 短冊形状の弾性体ブレードで構成され、該弾性体ブレードの先端稜線部を1辺に有し、被清掃体と対向するブレード下面の少なくとも上記先端稜線部付近と、上記先端稜線部を一辺に有し上記弾性ブレードの厚み方向に平行な先端面の少なくとも先端稜線部付近とにそれぞれ弾性ブレードよりも硬い表面層を形成し、前記弾性ブレードの先端稜線部を表面移動する被清掃部材の表面に当接して、該被清掃部材表面から粉体を除去するクリーニングブレードにおいて、
前記表面層は、マルテンス硬度が50[N/mm2]以上600[N/mm2]以下の樹脂材からなり、
前記ブレード下面の前記先端稜線部から20[μm]離れた位置での表面から測定したマルテンス硬度、および、前記ブレード先端面の前記先端稜線部から20[μm]離れた位置での表面から測定したマルテンス硬度が、1.8[N/mm2]以上12[N/mm2]以下であることを特徴とするクリーニングブレード。 - 請求項1に記載のクリーニングブレードにおいて、
前記表面層は、沸点75℃以下の溶剤が含有された塗料を前記弾性ブレードにスプレー塗工することで形成されることを特徴とするクリーニングブレード。 - 請求項1または2に記載のクリーニングブレードにおいて、
前記表面層は少なくとも紫外線硬化樹脂を含むことを特徴とするクリーニングブレード。 - 請求項1乃至3いずれかに記載のクリーニングブレードにおいて、
前記ブレード下面の前記先端稜線部から20[μm]離れた位置での表面層厚さ、および、前記ブレード先端面の前記先端稜線部から20[μm]離れた位置での表面層厚さが、0.4[μm]以上、5.5[μm]以下であることを特徴とするクリーニングブレード。 - 請求項1乃至4いずれかに記載のクリーニングブレードにおいて、
前記弾性ブレードとして、マルテンス硬度が0.6[N/mm2]以上1.5[N/mm2]以下のウレタンゴムを用いたことを特徴とするクリーニングブレード。 - 請求項1乃至5いずれかに記載のクリーニングブレードにおいて、
前記弾性ブレードとして、異なる2種類のウレタン基を含むゴムを積層したものを用いたことを特徴とするクリーニングンブレード。 - 表面移動部材である像担持体上に形成した画像を最終的に記録媒体に転移させる画像形成装置において、
上記像担持体の表面に接触し、その表面上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング部材として、請求項1乃至6いずれかに記載のクリーニングブレードを用いることを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体と、少なくとも該像担持体の表面に付着した残トナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、
上記クリーニングブレードとして、請求項1乃至6いずれかに記載のクリーニングブレードを用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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