JP2010191378A - 画像形成装置およびプロセスカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】クリーニングブレードの耐摩耗性向上や、先端稜線部のめくれ及び像担持体の早期摩耗を抑えることなどができる画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】像担持体3と、像担持体表面を帯電する帯電手段4と、像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、静電潜像を現像してトナー像化する現像手段5と、前記トナー像を転写体に転写する転写手段7と、像担持体表面に当接して像担持体表面に付着した転写残トナーを除去するクリーニングブレード62を有するクリーニング手段6とを備えた画像形成装置において、クリーニングブレードは、表面が低摩擦処理された短冊形状の弾性体ブレード622と、弾性体ブレードの先端稜線部62cを覆い層厚が1〜50[μm]以下であり弾性体ブレードよりも硬い紫外線硬化樹脂からなる表面層623とで構成されており、像担持体3として架橋型電荷輸送材料を使用した有機感光体を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機などの画像形成装置、及び、その画像形成装置に対して着脱自在なプロセスカートリッジに関するものである。
従来、電子写真式の画像形成装置では、感光体などの像担持体について、転写紙や中間転写体へトナー像を転写した後の表面に付着した不必要な転写残トナーはクリーニング手段たるクリーニング装置によって除去している。このクリーニング装置のクリーニング部材として、一般的に構成を簡単にでき、クリーニング性能も優れていることから、短冊形状のクリーニングブレードを用いたものがよく知られている。このクリーニングブレードは、ポリウレタンゴムなどの弾性体で構成されている。そして、クリーニングブレードの基端を支持部材で支持して先端稜線部を像担持体の周面に押し当て、像担持体上に残留するトナーをせき止めて掻き落とし除去する。
また、近年の高画質化の要求に応えるべく、重合法等により形成された小粒径で球形に近いトナー(以下、重合トナー)を用いた画像形成装置が知られている。この重合トナーは、従来の粉砕トナーに比べて転写効率が高いなどの特徴があり、上記要求に応えることが可能である。しかし、重合トナーは、クリーニングブレードを用いて像担持体表面から除去しようとしても十分に除去することが困難であり、クリーニング不良が発生してしまうという不具合を有している。これは、小粒径で且つ球形度に優れた重合トナーが、ブレードと像担持体との間に形成される僅かな隙間をすり抜けるからである。
かかるすり抜けを抑えるには、像担持体とクリーニングブレードとの当接圧を高めてクリーニング能力を高める必要がある。しかし、クリーニングブレードの当接圧を高めると、図6(a)に示すように、感光体3とクリーニングブレード62との摩擦力が高まり、クリーニングブレード62が感光体3の移動方向に引っ張られて、クリーニングブレード62の先端稜線部62cがめくれてしまう。このめくれたクリーニングブレード62が、そのめくれに抗して原形状態に復元する際に異音が発生することがある。また、このめくれと復元とを繰り返すことでビビリ振動が生じてしまう。さらに、クリーニングブレード62の先端稜線部62cがめくれた状態でクリーニングをし続けると、図6(b)に示すように、クリーニングブレード62の先端面62aの先端稜線部62cから数[μm]離れた場所に局所的な摩耗が生じてしまう。このような状態で、さらにクリーニングを続けると、この局所的な摩耗が大きくなり、最終的には、図6(c)に示すように、先端稜線部62cが欠落してしまう。先端稜線部62cが欠落してしまうと、トナーを正常にクリーニングできなくなり、クリーニング不良を生じてしまう。
特許文献1には、紫外線硬化材料を弾性ブレードに含浸させて膨潤させた後、紫外線照射処理を施してクリーニングブレードの少なくと像担持体と当接する当接部に弾性ブレードよりも硬い表面層を形成したクリーニングブレードが記載されている。弾性ブレードよりも硬い紫外線硬化材料からなる表面層をクリーニングブレードの上記当接部に設けることで、そのような表面層をクリーニングブレードの上記当接部に設けない場合よりもクリーニングブレードの耐摩耗性を高めることができる。さらに、上記表面層は硬くて変形しにくいので、クリーニングブレードの先端稜線部のめくれを抑制することができる。[i1]
しかしながら、経時の使用で表面層が摩耗していくと、弾性ブレードの先端稜線部が露出し、この露出した部分が像担持体と当接する。このとき、弾性ブレードの先端稜線部の摩擦係数が大きいため露出した部分と像担持体との間で生じる摩擦力が大きく、この露出した部分が像担持体の移動方向に引っ張られて露出した部分が感光体移動方向に変形する。このときの露出した部分の露出面積は非常に小さいため、この露出した部分の変形は微小である。そして、露出した部分が感光体移動方向に微小変形したのち、露出した部分がもとの形状に復元する。このような動作が繰り返し起こり、その結果、露出した部分が微小振動する。この微小振動が、不快なビビリ音となって発生してしまう。また、この露出した部分が像担持体の移動方向に引っ張られてめくれて欠けてしまう場合もあり、このような欠けが生じると、クリーニング不良となってしまう。
さらに、特許文献1のクリーニングブレードを用いた場合、弾性体ブレードよりも硬い表面層が高い当接圧で像担持体表面に当接するので、像担持体表面に弾性体ブレードを当接させた場合に比べて像担持体表面が早期に摩耗してしまう。そのため、像担持体の機能が低下し、地肌汚れなどの画質の低下が早期に起こるといった問題が生じる。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、クリーニングブレードの耐摩耗性の向上や、クリーニングブレードの先端稜線部のめくれ及び像担持体の早期摩耗を抑えることなどができる画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、像担持体と、像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電した該像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、該像担持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー像化する現像手段と、該像担持体表面のトナー像を転写体に転写する転写手段と、該像担持体表面に当接して、該像担持体表面に付着した転写残トナーをクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段とを備えた画像形成装置において、前記クリーニングブレードは、表面が低摩擦処理された短冊形状の弾性体ブレードと、該弾性体ブレードの先端稜線部を覆い、層厚が1[μm]以上50[μm]以下であり、該弾性体ブレードよりも硬い紫外線硬化樹脂からなる表面層とで構成されており、前記像担持体として架橋型電荷輸送材料を使用した有機感光体を用いることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記低摩擦処理が、上記弾性体ブレードの先端稜線部に、イソシアネート化合物、フッ素化合物、及び、シリコーン化合物から選ばれる少なくとも1種を含浸させる処理であることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の画像形成装置において、上記弾性体ブレードとして、ウレタン基を含むゴムを用いることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3の画像形成装置において、前記像担持体と、少なくとも前記クリーニング手段とを一体に支持し、装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジとしたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、像担持体と少なくとも前記像担持体表面に付着した転写残トナーをクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、前記クリーニングブレードは、表面が低摩擦処理された短冊形状の弾性体ブレードと、該弾性体ブレードの先端稜線部を覆い、該先端稜線部の層厚が1[μm]以上50[μm]以下であり、該弾性体ブレードよりも硬い紫外線硬化樹脂からなる表面層とで構成されており、前記像担持体として架橋型電荷輸送材料を使用した有機感光体を用いることを特徴とするものである。
本発明においては、後述する実験結果に示すように、クリーニングブレードの先端稜線部を層厚が1[μm]以上50[μm]以下であり弾性体ブレードよりも硬い紫外線硬化樹脂からなる表面層で覆うことで、先端稜線部が上記表面層で覆われておらず、弾性体ブレードのみからなるクリーニングブレードに比べて、クリーニングブレードの耐摩耗性を向上させることができる。よって、クリーニングブレードの寿命を延ばすことができる。また、クリーニングブレードの先端稜線部の変形が抑制され、先端稜線部のめくれを抑制することができる。よって、ビビリ振動や異音の発生を抑制することができるとともに、クリーニングブレード先端面の局所的な摩耗を抑制することができる。
また、後述する検証実験の結果のとおり、弾性体ブレードの先端稜線部を低摩擦係数化することで、経時使用で上記表面層が摩耗して、弾性体ブレードの先端稜線部が露出しても、この露出した部分と像担持体表面との間で生じる摩擦力が低減され、像担持体の移動方向に露出した部分が引っ張られて変形するのを抑制することができる。その結果、露出した部分が微小変動するのを抑制することができ、ビビリ音の発生を抑制することができる。また、露出した部分がめくれるのを抑制することができ、露出した部分が欠けるのを抑制することができる。その結果、長期にわたり良好なクリーニング性を維持することができる。
また、像担持体として架橋型電荷輸送材料を使用した有機感光体を用いることで、像担持体表面に3次元の網目状の架橋構造が形成され像担持体表面を削れにくくすることができる。よって、弾性体ブレードよりも硬い上記表面層が像担持体表面に高い当接圧で当接しても、像担持体表面の摩耗を抑えることができ、経時にわたり良好な画像を形成することができる。
以上、本発明によれば、クリーニングブレードの耐摩耗性の向上や、クリーニングブレードの先端稜線部のめくれ及び像担持体の早期摩耗を抑えることなどができるという優れた効果がある。
本発明の実施形態に係るプリンタの概略構成図。 (a)及び(b)は、円形度の測定方法を説明するための説明図。 クリーニングブレードの斜視図。 クリーニングブレードの拡大構成図。 タンデム型フルカラー画像形成装置の要部構成図。 (a)クリーニングブレード先端稜線部がめくれた状態を示す図。(b)クリーニングブレードの先端面の局所的な摩耗について説明する図。(c)クリーニングブレードの先端稜線部が欠落した状態を示す図。
以下、本発明を画像形成装置である電子写真プリンタ(以下、単にプリンタという)に適用した実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタの要部を示す概略構成図である。プリンタは、単一色の複写を行うものであり、図示しない画像読み取り部で読み取った画像データに基づいてモノクロ画像形成を行う。
図1に示すように、プリンタは、像担持体としてのドラム状の感光体3を備えている。
感光体3はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
感光体3の周囲には帯電手段としての帯電装置4、潜像をトナー像化する現像手段である現像装置5、トナー像を記録媒体としての転写紙に転写する転写手段としての転写装置7、転写紙を感光体3から分離するための分離爪8、転写後の感光体3上に残留するトナーの帯電極性を揃えるためのクリーニング前チャージャ9、転写後の感光体3上に残留するトナーをクリーニングするクリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10、感光体3を除電する除電ランプ11等が配置されている。
帯電装置4は、感光体3に所定の距離を持って非接触で配置され、感光体3を所定の極性、所定の電位に帯電するものである。帯電装置4によって一様帯電された感光体3は、図示しない潜像形成手段たる露光装置から画像データに基づいて光Lが照射され静電潜像が形成される。
現像装置5は、現像剤担持体としての現像ローラ51を有している。この現像ローラ51には、図示しない電源から現像バイアスが印加されるようになっている。現像装置5のケーシング内には、ケーシング内に収容された現像剤を互いに逆方向に搬送しながら攪拌する供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53が設けられている。また、現像ローラ51に担持された現像剤を規制するためのドクタ54も設けられている。供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53の2本スクリュによって撹拌・搬送された現像剤中のトナーは、所定の極性に帯電される。そして、現像剤は、現像ローラ51に汲み上げられ、汲み上げられた現像剤は、ドクタ54により規制され、感光体3と対向する現像領域でトナーが感光体3上の潜像に付着する。
転写装置7は、転写前チャージャ71、転写チャージャ72、分離チャージャ73を備えている。転写前チャージャ71で負のコロナ放電を行って、トナーの極性を揃えた後、転写チャージャ72によるコロナ放電下で転写紙にトナー像を転写する。この転写紙を分離チャージャ73のコロナ放電と分離爪8とによって感光体3表面から分離する。
潤滑剤塗布装置10は、塗布ブラシ101、固形潤滑剤103、潤滑剤加圧スプリング104などを備えている。固形潤滑剤103は、不図示のブラケットに保持され、潤滑剤加圧スプリング104により塗布ブラシ101側に加圧されている。そして、感光体3の回転方向に対して連れまわり方向に回転する塗布ブラシ101により固形潤滑剤103が削られて感光体3上に潤滑剤が塗布される。感光体3に潤滑剤を塗布することで、クリーニングブレード62との摩擦係数を効率的に低下させている。また、塗布ブラシ101は、感光体3上の転写残トナーを掻き乱すとともに、ブラシに付着させて感光体上の転写残トナーの一部を除去する。
クリーニング装置6は、クリーニングブレード62などを有している。クリーニングブレード62は、感光体3の表面移動方向に対してカウンタ方向で感光体3に当接している。クリーニングブレード62は、塗布ブラシ101により掻き乱されて除去しやすくなった感光体上の転写残トナーを除去する。なお、クリーニングブレード62の詳細については後述する。
転写前チャージャ71、分離爪8、クリーニング前チャージャ9は、必要に応じて配置されるものである。
帯電装置4、転写前チャージャ71、転写チャージャ72、分離チャージャ73、クリーニング前チャージャ9には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)を始めとする公知の手段が用いられる。これらの帯電方式のうち、特に接触帯電方式、あるいは非接触の近接配置方式がより望ましく、帯電効率が高くオゾン発生量が少ない、装置の小型化が可能である等のメリットを有する。
また、不図示の露光装置、除電ランプ11等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザーは照射エネルギーが高く、また600[nm]〜800[nm]の長波長光を有するため、良好に使用される。
次に、プリンタにおける画像形成動作を説明する。
図示しない操作部などからプリント実行の信号を受信したら、帯電装置4、現像ローラ51、転写前チャージャ71、転写チャージャ72、分離チャージャ73、クリーニング前チャージャ9にそれぞれ所定の電圧または電流が順次所定のタイミングで印加される。同様に、露光装置及び除電ランプ11などにもそれぞれ所定の電圧又は電流が順次所定のタイミングで印加される。また、これと同期して、駆動手段としての感光体駆動モータ(不図示)により感光体3が図中矢印方向に回転駆動される。
感光体3が図中矢印方向に回転すると、まず感光体表面が、帯電装置4によって所定の電位に帯電される。そして、図示しない露光装置から画像信号に対応した光Lが感光体3上に照射され、光Lが照射された部分の感光体3上が除電され静電潜像が形成される。
静電潜像の形成された感光体3は、現像装置5との対向部で現像ローラ51上に形成された現像剤の磁気ブラシで感光体3表面を摺擦される。このとき、現像ローラ51上の負帯電トナーは、現像ローラ51に印加された所定の現像バイアスによって、静電潜像側に移動し、トナー像化(現像)される。このように、本実施形態では、感光体3上に形成された静電潜像は、現像装置5によって、負極性に帯電されたトナーにより反転現像される。本実施形態では、N/P(ネガポジ:電位が低い所にトナーが付着する)の非接触帯電ローラ方式を用いた例について説明したが、これに限るものではない。
感光体3上に形成されたトナー像は、図示しない給紙部から上レジストローラ12と下レジストローラ13との対向部を経て、感光体3と転写チャージャとの間に形成される転写領域に給紙される転写紙に転写される。このとき、転写紙は上レジストローラ12と下レジストローラ13との対向部で画像先端と同期を取り供給される。
また、転写紙への転写時には、所定の転写バイアスが印加される。トナー像が転写された転写紙は、分離爪8と分離チャージャ73によって感光体3から分離され、図示しない定着手段としての定着装置へ搬送される。そして、定着装置を通過する事により、熱と圧力の作用でトナー像が転写紙上に定着されて、転写紙は機外に排出される。
一方、転写後の感光体3の表面は、潤滑剤塗布装置10によって潤滑剤が塗布され、クリーニング装置6で転写後の残留トナーが除去された後、除電ランプ11で除電される。
また、本プリンタにおいては、感光体3と、プロセス手段として帯電装置4、現像装置5、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10などが枠体2に収められており、プロセスカートリッジ1として装置本体から一体的に着脱可能となっている。なお、本実施形態では、プロセスカートリッジ1としての感光体3とプロセス手段とを一体的に交換するようになっているが、感光体3、帯電装置4、現像装置5、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10のような単位で新しいものと交換するような構成でもよい。
次に、本プリンタに好適なトナーについて説明する。
本プリンタに用いるトナーとしては、画質向上のために、高円形化、小粒径化がし易い懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法により製造された重合トナーを用いるのが好ましい。特に、円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5[μm]以下の重合トナーを用いるのが好ましい。平均円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5[μm]のものを用いることにより、より高解像度の画像を形成することができる。
ここでいう「円形度」は、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子株式会社製、商品名)により計測した平均円形度である。具体的には、容器中の予め不純固形物を除去した水100[ml]〜150[ml]中に、分散剤として界面活性剤好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1[ml]〜0.5[ml]加え、更に測定試料(トナー)を0.1[g]〜0.5[g]程度加える。その後、このトナーが分散した懸濁液を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理し、分散液濃度が3000[個/μl]〜10000[個/μl]となるようにしたものを上述の分析装置にセットして、トナーの形状及び分布を測定する。そして、この測定結果に基づき、図2(a)に示す実際のトナー投影形状の外周長をC1、その投影面積をSとし、この投影面積Sと同じ図2(b)に示す真円の外周長をC2としたときのC2/C1を求め、その平均値を円形度とした。
体積平均粒径については、コールターカウンター法によって求めることが可能である。具体的には、コールターマルチサイザー2e型(コールター社製)によって測定したトナーの個数分布や体積分布のデータを、インターフェイス(日科機社製)を介してパーソナルコンピューターに送って解析するのである。より詳しくは、1級塩化ナトリウムを用いた1[%]NaCl水溶液を電解液として用意する。そして、この電解水溶液100[ml]〜150[ml]中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5[ml]加える。更に、これに被検試料としてのトナーを2[mg]〜20[mg]加え、超音波分散器で約1〜3分間分散処理する。そして、別のビーカーに電解水溶液100[ml]〜200[ml]を入れ、その中に分散処理後の溶液を所定濃度になるように加えて、上記コールターマルチサイザー2e型にかける。アパーチャーとしては、100[μm]のものを用い、50,000個のトナー粒子の粒径を測定する。チャンネルとしては、2.00[μm]〜2.52[μm]未満;2.52[μm]〜3.17[μm]未満;3.17[μm]〜4.00[μm]未満;4.00[μm]〜5.04[μm]未満;5.04[μm]〜6.35[μm]未満;6.35[μm]〜8.00[μm]未満;8.00[μm]〜10.08[μm]未満;10.08[μm]〜12.70[μm]未満;12.70[μm]〜16.00[μm]未満;16.00[μm]〜20.20[μm]未満;20.20[μm]〜25.40[μm]未満;25.40[μm]〜32.00[μm]未満;32.00[μm]〜40.30[μm]未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00[μm]以上32.0[μm]以下のトナー粒子を対象とする。そして、「体積平均粒径=ΣXfV/ΣfV」という関係式に基づいて、体積平均粒径を算出する。但し、Xは各チャンネルにおける代表径、Vは各チャンネルの代表径における相当体積、fは各チャンネルにおける粒子個数である。
このような重合トナーにおいては、上述したように、粉砕トナーを感光体3表面から除去するときと同じようにしてクリーニングブレード62で除去しようとしても、その重合トナーを感光体3表面から十分に除去しきれず、クリーニング不良が発生する。そこで、クリーニングブレード62の感光体3への当接圧を高めて、クリーニング性をアップしようとすると、クリーニングブレード62が早期に摩耗してしまうという問題があった。また、クリーニングブレード62と感光体3との摩擦力が高まって、クリーニングブレード62の感光体3と当接している先端稜線部62cが感光体3の移動方向に引っ張られて、先端稜線部62cがめくれてしまう。クリーニングブレード62の先端稜線部62cがめくれると、異音や振動、先端稜線部62cの欠落などの様々な問題が生じてしまう。
そこで、本実施形態においては、クリーニングブレード62を、表面が低摩擦処理された短冊形状の弾性体ブレードと、その弾性体ブレードの先端稜線部を覆い、層厚が1[μm]以上50[μm]以下であり、弾性体ブレードよりも硬い紫外線硬化樹脂からなる表面層とで構成している。
図3は、クリーニングブレード62の斜視図であり、図4は、クリーニングブレード62の拡大構成図である。
クリーニングブレード62は、金属や硬質プラスチックなどの剛性材料からなる短冊形状のホルダー621と、短冊形状の弾性体ブレード622とで構成されており、クリーニングブレード62の先端面62a全体および下面62bの先端稜線部62c近傍に先端稜線部62cを覆うように表面層623が形成されている。
弾性体ブレード622は、ホルダー621の一端側に接着剤などにより固定されており、ホルダー621の他端側は、クリーニング装置6のケースに方持ち支持されている。
弾性体ブレード622としては、感光体3の偏心や感光体表面の微小なうねりなどに追随できるように、高反発性の弾性体が好ましく、ウレタン基を含むゴムであるウレタンゴムなどが好適である。特に、25[℃]における硬度が65度〜80度(JIS A)、反発弾性率が15[%]〜85[%]のウレタンゴムが好ましい。ウレタンゴムの硬度が80度を超えると、柔軟性に乏しくなり、例えば、ホルダー621が微小に傾いて取り付けるなどしたときに、クリーニングブレード62の軸方向一端側と他端側とで当接圧が異なる所謂偏当りしやすくなり、軸方向で均一な当接圧が得にくくなる。その結果、クリーニング性が低下するおそれがある。一方、硬度が70度未満の場合は、重合トナーでもクリーニングできるよう当接圧を高く設定したときに、クリーニングブレード62が反ってしまって、クリーニングブレード62の先端稜線部62cが浮きあがって、クリーニングブレード62の下面62bが感光体3と当接する所謂腹当たり現象が生じてしまう。腹当たり現象が生じると、クリーニングブレード62と感光体表面との当接面積が急激に増大するため、クリーニングブレード62を大きな力で押しつけても逆に当接圧は小さくなり、クリーニング性が低下してしまう。
また、反発弾性率が85[%]を超えるようなウレタンゴムはほとんど存在しないのが実情であり、汎用品でないので、コスト高につながるおそれがある。また、反発弾性率が85[%]を超えると、クリーニングブレード62にめくれが発生したときに、高音のブレード鳴きという異音が発生しやすくなる。一方、反発弾性率が15[%]未満であると、感光体3の偏心や感光体表面の微小なうねりなどに対する追随性が悪くなり、クリーニング性が低下するおそれがある。
このように、ウレタンゴムとして、25[℃]における硬度が65度〜85度(JIS A)、反発弾性率が15[%]〜85[%]のウレタンゴムを用いることによって、良好なクリーニング性を得ることができる。
表面層623は、スプレー塗工、ディップ塗工によってクリーニングブレード62の先端稜線部62cを皮膜する。表面層623としては、弾性体ブレード622よりも硬度の高い部材を皮膜するのが好ましい。弾性体ブレード622よりも硬度が高い部材とすることで、弾性体ブレード622よりも感光体3によって削られにくくなり、弾性体ブレード622を感光体表面に当接させるものに比べて、クリーニングブレード62の耐摩耗性を向上させることができる。
また、感光体3と当接する可能性のある先端稜線部62cから50[μm]離れた位置まで、先端面62aと下面62bとに表面層を形成するのが好ましい。これにより、先端稜線部62cの表面が削れ、弾性体ブレード622と感光体3とが直接接触し、先端稜線部62cがめくれて先端面62aの先端稜線部62cから数[μm]離れた場所が感光体3と当接しても、そこにも表面層623が形成してあるので、先端面62aの局所的な摩耗が抑制される。よって、先端面62aの局所的な摩耗によってクリーニングブレード62の先端稜線部62cの欠落を抑制することができる。
また、感光体3の取り付け誤差やクリーニングブレードの取り付け誤差などによって、クリーニングブレード62の当接圧が必要以上に高くなり、クリーニングブレード62が必要以上に撓んで、下面62bの先端稜線部62cから数[μm]離れた箇所が感光体3に接触しても、そこにも、表面層623が形成してあるので、ブレード下面の局所的な摩耗を抑制することができる。
また、表面層623の層厚は、1[μm]〜50[μm]が好ましい。層厚が、1[μm]以下だと、表面層の剛性が弱くなり、クリーニングブレード62の先端稜線部62cがめくれやすくなってしまう。また、層厚が50[μm]を超えると、トナーのすり抜けが増大してクリーニング不良が発生しやすくなる。これは、スプレー塗工やディップ塗工のように、液体の材料を付着させて表面層623を形成しているため、先端稜線部62cは表面張力の関係で、皮膜が形成されにくい。このため、先端稜線部62cから離れるにつれて表面層623の層厚は、増加する。層厚が20[μm]を超えると、先端稜線部62cの層厚と先端稜線部62cから離れた位置における層厚との差が大きくなり、クリーニングブレード62の先端稜線部62cの角度が鈍角となってしまう。先端稜線部62cの角度が鈍角となると、先端稜線部62cを直角とした場合に比べて、先端面62aと感光体3とがなす当接部の上流側の空隙X(図4参照)が狭くなる。そのため、長期に渡るクリーニング動作によって空隙にトナーが堆積したとき、塞き止められた空隙X内のトナーに逃げ場がないので、空隙X内のトナーが徐々に感光体3の下流側に押し出され、クリーニング不良が発生する。
表面層623の材質としては、樹脂が好ましく、紫外線硬化樹脂がより好ましい。紫外線硬化樹脂を用いることで、クリーニングブレード62の先端稜線部62cに付着した樹脂に紫外線を照射させるだけで、所望の硬度を有する表面層623を得ることができ、クリーニングブレード62を安価に製造することができる。
また、経時使用で表面層623が摩耗すると、弾性体ブレード622の先端稜線部62cが露出して、この弾性体ブレード622の先端稜線部62cの露出部が感光体表面と当接してしまう。しかも、上述したように、スプレー塗工やディップ塗工のように、液体の材料を付着させて表面層623を形成しているので、先端稜線部62cは表面張力の関係で、皮膜が形成されにくく、先端稜線部62cにおける表面層623の層厚が他の部分に比べて薄くなる。このため、弾性体ブレード622の先端稜線部62cは、早期に露出してしまう。
このとき、弾性体ブレード622の先端稜線部62cに低摩擦化処理がなされていない場合は、露出した部分の摩擦係数が高く、この露出した部分と感光体3との摩擦力が大きいため、露出した部分が感光体移動方向へ引っ張られてしまう。このときの露出した部分の面積は非常に小さいので、露出した部分の変形は微小である。その結果、露出した部分が微小変形し、ビビリ音が生じてしまう。さらに、この露出部分がめくれてしまう場合もある。露出部分がめくれてしまうと、弾性体ブレード622のめくれた露出部分と表面層623との境界部分に強い応力が働き、めくれた露出部分が欠落してしまい、クリーニング不良となってしまう不具合がある。
そこで、弾性体ブレード622の先端稜線部62cは、スプレー塗工、ディップ塗工などによって、イソシアネート化合物、フッ素化合物、シリコーン化合物から選ばれる少なくとも1種を含浸させる低摩擦処理を施している。これにより、経時摩耗によって露出した弾性体ブレード622の先端稜線部62cと感光体3との摩擦力を弱めることができ、露出した部分が、感光体表面移動方向に変形するのを抑制することができる。その結果、ビビリ音が生じるのを抑制することができる。また、露出部分のめくれを抑制することができ、めくれた露出部分の欠落を抑制することができる。
また、さらに表面層623の摩耗が進んで、弾性体ブレード622の先端稜線部62cの大部分が露出すると、弾性体ブレード622は柔軟であるため、先端稜線部62cが感光体移動方向に変形しやすく、先端稜線部62cがめくれやすい。しかし、先端稜線部62cの摩擦係数が低いので、弾性体ブレード622の先端稜線部62cが感光体移動方向に変形するのを抑制することができる。さらに、弾性体ブレード622の先端稜線部62cよりも感光体移動方向下流側のまだ摩耗によって消失していない剛直な表面層623が、先端稜線部62cが感光体移動方向に変形するのを抑制する。
このように、先端稜線部62cが低摩擦係数化された構成と、感光体移動方向下流側の表面層623との相乗効果によって、先端稜線部62cのめくれを抑制することができ、先端面の局所的な摩耗を抑制できる。その結果、先端稜線部62cが欠落するのを抑制することができ、経時にわたりクリーニング性能を維持することができる。
しかしながら、クリーニングブレード62に高硬度の表面層623を設けることで、表面層623によって感光体3が削られて、早期に感光体3の寿命がきてしまうという不具合が生じる。そこで、本実施形態においては、架橋型電荷輸送材料を使用した有機感光体を用いている。
以下に、架橋型電荷輸送材料を使用した有機感光体について、具体的に説明する。
架橋型電荷輸送材料を使用した有機感光体における保護層は公知の画像形成装置に用いられる最表層に電荷輸送層をとる電子写真感光体に対して好適に形成することができるが、ここではこの最表層に電荷輸送層をとる電子写真感光体に限らない。
保護層のバインダー構成として、架橋構造からなる保護層も有効に使用される。架橋構造の形成に関しては、1分子内に複数個の架橋性官能基を有する反応性モノマーを使用し、光や熱エネルギーを用いて架橋反応を起こさせ、3次元の網目構造を形成するものである。この網目構造がバインダー樹脂として機能し、高い耐摩耗性を発現するものである。
電気的な安定性、耐刷性、寿命の観点から、上記反応性モノマーとして、全部もしくは一部に電荷輸送能を有するモノマーを使用することは非常に有効な手段である。このようなモノマーを使用することにより、網目構造中に電荷輸送部位が形成され、保護層としての機能を十分に発現することが可能となる。
電荷輸送能を有する反応性モノマーとしては、同一分子中に電荷輸送性成分と加水分解性の置換基を有する珪素原子とを少なくとも1つずつ以上含有する化合物、同一分子中に電荷輸送性成分とヒドロキシル基とを含有する化合物、同一分子中に電荷輸送性成分とカルボキシル基とを含有する化合物、同一分子中に電荷輸送性成分とエポキシ基とを含有する化合物、同一分子中に電荷輸送性成分とイソシアネート基とを含有する化合物等が挙げられる。これら反応性基を有する電荷輸送性材料は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
さらに好ましくは、電荷輸送能を有するモノマーとして、電気的・化学的安定性が高いこと、キャリアの移動度が速いこと等から、トリアリールアミン構造を有する反応性モノマーが有効に使用される。
これ以外に塗工時の粘度調整、架橋型電荷輸送層の応力緩和、低表面エネルギー化や摩擦係数低減などの機能付与の目的で1官能及び2官能の重合性モノマー及び重合性オリゴマーを併用することができる。これらの重合性モノマー、オリゴマーとしては、公知のものが利用できる。
また本発明においては、熱または光を用いて正孔輸送性化合物の重合または架橋を行うが、熱により重合反応を行う際には、熱エネルギーのみで重合反応が進行する場合と重合開始剤が必要となる場合があるが、より低い温度で効率よく反応を進行させるためには、開始剤を添加することが好ましい。
光により重合させる場合は、光として紫外線を用いることが好ましいが、光エネルギーのみで反応が進行することはごく稀であり、一般には光重合開始剤が併用される。
この場合の重合開始剤とは、主には波長400[nm]以下の紫外線を吸収してラジカルやイオン等の活性種を生成し、重合を開始させるものである。なお、本発明においては、上述した熱及び光重合開始剤を併用することも可能である。
このように形成した網目構造を有する電荷輸送層は、耐摩耗性が高い反面、架橋反応時に体積収縮が大きく、あまり厚膜化するとクラックなどを生じる場合がある。このような場合には、保護層を積層構造として、下層(感光層側)には低分子分散ポリマーの保護層を使用し、上層(表面側)に架橋構造を有する保護層を形成しても良い。
次に、本願発明者らが行った検証実験について説明する。
弾性体ブレード622の材質、含浸剤の組成、表面層623の材質をそれぞれ変化させて、耐久試験を行った。
経時使用で表面層623が摩耗すると、弾性体ブレード622の先端稜線部62cが露出して、この弾性体ブレード622の先端稜線部62cの露出部が感光体表面と当接してしまう。しかも、上述したように、スプレー塗工やディップ塗工のように、液体の材料を付着させて表面層623を形成しているので、先端稜線部62cは表面張力の関係で、皮膜が形成されにくく、先端稜線部62cにおける表面層623の層厚が他の部分に比べて薄くなる。このため、弾性体ブレード622の先端稜線部62cは、早期に露出してしまう。
このとき、弾性体ブレード622の先端稜線部62cに低摩擦化処理がなされていない場合は、露出した部分の摩擦係数が高く、この露出した部分と感光体3との摩擦力が大きいため、露出した部分が感光体移動方向へ引っ張られてしまう。このときの露出した部分の面積は非常に小さいので、露出した部分の変形は微小である。その結果、露出した部分が微小変形し、ビビリ音が生じてしまう。さらに、この露出部分がめくれてしまう場合もある。露出部分がめくれてしまうと、弾性体ブレード622のめくれた露出部分と表面層623との境界部分に強い応力が働き、めくれた露出部分が欠落してしまい、クリーニング不良となってしまう不具合がある。
そこで、弾性体ブレード622の先端稜線部62cは、スプレー塗工、ディップ塗工などによって、イソシアネート化合物、フッ素化合物、シリコーン化合物から選ばれる少なくとも1種を含浸させる低摩擦処理を施して、低摩擦係数化している。これにより、経時摩耗によって露出した弾性体ブレード622の先端稜線部62cと感光体3との摩擦力を弱めることができ、露出した部分が、感光体表面移動方向に変形するのを抑制することができる。その結果、ビビリ音が生じるのを抑制することができる。また、露出部分のめくれを抑制することができ、めくれた露出部分の欠落を抑制することができる。さらに、弾性体ブレード622の先端稜線部62cを低摩擦係数化しているので、露出部分が感光体3によって削られにくく、クリーニングブレード62の耐摩耗性を向上させることができる。
また、さらに表面層623の摩耗が進んで、弾性体ブレード622の先端稜線部62cの大部分が露出すると、弾性体ブレード622は柔軟であるため、先端稜線部62cが感光体移動方向に変形しやすく、先端稜線部62cがめくれやすい。しかし、先端稜線部62cの摩擦係数が低いので、弾性体ブレード622の先端稜線部62cが感光体移動方向に変形するのを抑制することができる。さらに、弾性体ブレード622の先端稜線部62cよりも感光体移動方向下流側のまだ摩耗によって消失していない剛直な表面層623が、先端稜線部62cが感光体移動方向に変形するのを抑制する。このように、先端稜線部62cを低摩擦係数化した構成と、感光体移動方向下流側の表面層623との相乗効果によって、先端稜線部62cのめくれを抑制することができ、先端面の局所的な摩耗を抑制できる。その結果、先端稜線部62cが欠落するのを抑制することができ、経時にわたりクリーニング性能を維持することができる。
[弾性体ブレード]
弾性体ブレード622としては、25[℃]における物性が以下の物性となっている5つのウレタンゴムを用意した。
ウレタンゴム1:硬度70度、反発弾性50[%](東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム2:硬度72度、反発弾性31[%](東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム3:硬度71度、反発弾性18[%](東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム4:硬度77度、反発弾性27[%](シンジーテック製)
ウレタンゴム5:硬度70度、反発弾性68[%](シンジーテック製)
ウレタンゴムの硬度は、島津製作所製デュロメーターを用い、JIS K6253に準じて測定した。試料は厚さ6[mm]以上となるように約2[mm]のシートを重ね合わせたものとした。
ウレタンゴムの反発弾性は、東洋精機製作所製No.221レジリエンステスタを用い、JIS K6255に準じて測定した。試料は厚さ4[mm]以上となるように約2[mm]のシートを重ね合わせたものとした。
[含浸剤]
含浸剤としては、以下のものを用いた。
(含浸剤1)
イソシアネート化合物:日本ポリウレタン ミリオネートMT 5部
2−ブタノン 95部
(含浸剤2)
イソシアネート化合物:日本ポリウレタン MR−100 10部
フッ素樹脂:日油 モディパーF−600 2部
2−ブタノン 88部
(含浸剤3)
イソシアネート化合物:日本ポリウレタン コロネートL 10部
シリコーン樹脂:日油 モディパーFS−700 2部
2−ブタノン 88部
(含浸剤4)
イソシアネート化合物:日本ポリウレタン ミリオネートMT 5部
フッ素樹脂:日油 モディパーF−600 1部
シリコーン樹脂:日油 モディパーFS−700 1部
2−ブタノン 93部
(含浸剤5)
シリコーン樹脂:日油 モディパーFS−700
(含浸剤6)
イソシアネート化合物:日本ポリウレタン ミリオネートMT 5部
アクリルシリコーン樹脂:チッソ石油化学 共重合体A1 2部
2−ブタノン 93部
[表面層]
表面層としては、以下のものを用いた。
(表面層1)
アクリレートモノマー:根上工業 UN−904 20部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 1部
溶媒:2−ブタノン 79部
(表面層2)
アクリレートモノマー:根上工業 UN−904 20部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 1部
低摩擦係数添加剤:DIC フッ素化合物
(ディフェンサ Exp.TF−3026) 0.5部
溶媒:2−ブタノン 78.5部
(表面層3)
ウレタンアクリレートオリゴマー1:根上工業 UN−904 10部
ウレタンアクリレートオリゴマー2:根上工業 UN−2700 10部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 1部
溶媒:2−ブタノン 79部
(表面層4)
ウレタンアクリレートオリゴマー1:根上工業 UN−904 2部
ウレタンアクリレートオリゴマー2:根上工業 UN−2700 18部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 1部
低摩擦化係数添加剤:日油 モディパーFS−700 1部
溶媒:2−ブタノン 78部
(表面層5)
ウレタンアクリレートオリゴマー1:根上工業 UN−904 2部
ウレタンアクリレートオリゴマー2:根上工業 UN−2600 18部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 1部
低摩擦化係数添加剤:チッソ石油化学 共重合体A1 2部
溶媒:2−ブタノン 78部
なお、表面層5の低摩擦化係数添加剤として添加する共重合体A1とは、下記化1に示す化合物(a−1)及び下記化2に示す化合物(a−2)が共重合してなり、かつ側鎖にアクリロイル基(下記化3に示すアクリロイル基(a−3))を有する共重合体である。
Figure 2010191378
Figure 2010191378
Figure 2010191378
GPC(ゲルパ−ミエーションクロマトグラフィー法)分析より求めた共重合体(A1)の重量平均分子量は37,000(ポリスチレン換算)、分子量分布指数(Mw/Mn)は1.9であった。また、H−NMR測定により求めた共重合体(A1)中の化合物(a−1)、化合物(a−2)の含有量比(重量比)は、化合物(a−1):化合物(a−2)=1:1.73であった。
表面層の鉛筆硬度は、コーテック株式会社製鉛筆引っかき試験機KTVF−2380を用い、JIS K5600−5−4に準じて測定した。試料は、50[mm]×50[mm]のガラス板上に表面層の材料を約10[μm]スプレー塗工したものとした。
[感光体]
感光体としては、以下の電子写真感光体Aと電子写真感光体Bとを用いた。
<電子写真感光体A>
正孔輸送性化合物(下記化4に示す)を30部、アクリルモノマー(下記化5に示す)及び光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)0.6部を、モノクロロベンゼン50部/ジクロロメタン50部の混合溶媒中に溶解し、表面保護層用塗料を調製した。この塗料をスプレーコーティング法により電荷輸送層上に塗布し、メタルハライドランプを用いて500[mW/cm]の光強度で30秒間硬化させることによって、膜厚5[μm]の表面保護層を形成した。
Figure 2010191378
Figure 2010191378
<電子写真感光体B>
メチルトリメトキシシラン182部、ジヒドロキシメチルトリフェニルアミン40部、2−プロパノール225部、2[%]酢酸106部、アルミニウムトリスアセチルアセトナート1部を混合し、保護層用の塗布液を調製した。この塗布液を電荷輸送層の上に塗布・乾燥し、110[℃]、1時間の加熱硬化を行い、膜厚5[μm]の保護層を形成した。
次に、検証実験を行った画像形成装置の構成について説明する。
ウレタンゴム1〜ウレタンゴム5のいずれかを用いて厚さ2[mm]の短冊形状の弾性体ブレードを作成し、この弾性体ブレードを含浸剤1〜含浸剤6のいずれかに30秒間浸漬したのち、3分間風乾し、さらにスプレー塗工を行って上記1〜5いずれかの表面層を形成する。具体的には、各々のウレタンゴムからなる弾性体ブレードに対し、ブレード面及び先端面の2方向から10[mm/s]のスプレーガン移動速度にて2度塗りを行い、3分間指触乾燥後紫外線露光(140[W/cm]×5[m/min]×5パス)を行った。ただし、ブレード下面はマスキングテープにより先端3[mm]幅に表面層が形成されるように規制した。
この表面層が形成された弾性体ブレードをリコー製カラー複合機 imagio Neo C455に搭載できる板金ホルダーに接着剤により固定し、試作のクリーニングブレードを作成する。この作成した試作クリーニングブレードをリコー製カラー複合機 imagio Neo C455(図1と同様の構成)に取り付け、実施例1〜実施例12、比較例1〜比較例6の画像形成装置を作成した。なお、クリーニングブレードは、線圧:20[g/cm]、クリーニング角:79度となるように取り付けた。
検証実験には、重合法により作製したトナーを用いた。なお、トナーの物性は、以下のとおりである。
トナー母体:円形度0.98、平均粒径4.9[μm]
外添剤 :小粒径シリカ1.5部(クラリアント製H2000)
小粒径酸化チタン0.5部(テイカ製MT−150AI)
大粒径シリカ1.0部(電気化学工業製UFP−30H)
検証実験は、評価環境:20[℃]・65[%RH]、通紙条件:画像面積率5[%]
チャートを連続通紙で、100,000枚(A4横)で行った。そして、以下の項目を評価した。
[評価項目]
クリーニング不良発生:有無(画像面積比率5%チャート出力目視観察)
ブレードエッジ摩耗幅:ブレード下面側からみた摩耗幅
感光体摩耗量:摩耗量の大きさ
感光体摩耗量は、渦電流式膜厚計フィッシャースコープMMS(フィッシャー製)を用いて、検証実験前と検証実験後の感光体膜厚を測定し、その差分を算出することで求めた。
以下に実施例1〜実施例12、比較例1〜比較例6で用いたウレタンゴムの材質、表面層の材質、感光体の材質、検証実験の結果を示す。なお、表面層の層厚は、キーエンス製マイクロスコープVHX−100を用い、別途同様に塗工した弾性体ブレードの断面により測定した。試料は日進EM製SEM試料作製用トリミングカミソリを用い断面を切断したものとした。
表1は、実施例1〜実施例12、比較例1〜比較例6は検証実験の結果をまとめたものである。
Figure 2010191378
表1に示すように、実施例1〜実施例12は、クリーニング不良などが発生せず、経時にわたり良好な画像を得ることができた。一方、比較例1〜比較例5では、クリーニング不良が発生していた。
また、比較例6においては、検証実験終了後の感光体の摩耗量を測定したところ、6[μm]も摩耗しており、電子写真感光体Aを用いた実施例1〜実施例12、比較例1〜比較例5に比べて大幅に摩耗していた。これは、比較例6で用いた電子写真感光体が架橋型電荷輸送材料を使用した有機感光体ではないため、クリーニングブレードの高硬度の表面層によって削られ、摩耗したためと考えられる。
一方、実施例1〜実施例12においては、用いた電子写真感光体が架橋型電荷輸送材料を使用した有機感光体であるので、クリーニングブレードの表面層が高硬度であっても削られず、長期に亘って良好な画像を維持することができた。
また、実施例1〜実施例12について、検証実験後のクリーニングブレードの表面層を観察したところ、細かい割れが発生していたが、クリーニング不良などの異常画像発生につながる事象は、確認されなかった。この理由については定かではないが、本検証実験を行った画像形成装置には、潤滑剤塗布装置を備えており、潤滑剤塗布装置で感光体表面に潤滑剤を塗布していることが影響していると思われる。
本実施形態においては、いわゆるモノクロの画像形成装置の例であるが、カラーの画像形成装置であってもよい。以下、カラー画像形成装置に本実施形態の特徴点を適用した場合の具体例を説明する。
図5は、いわゆるタンデム型のフルカラー画像形成装置であるプリンタに本発明を適用した例を示す図である。図5において、符号(3C,3M,3Y,3K)はドラム状の感光体であり、この感光体3C,3M,3Y,3Kは図中の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯電装置4C,4M,4Y,4K、現像装置5C,5M,5Y,5K、クリーニング装置6C,6M,6Y,6Kが配置されている。
この帯電装置4C,4M,4Y,4Kと現像装置5C,5M,5Y,5Kの間の感光体裏面側より、図示しない露光装置からのレーザー光LC,LM,LY,LKが照射され、感光体3C,3M,3Y,3Kに静電潜像が形成されるようになっている。そして、このような感光体3C,3M,3Y,3Kを中心とした4つのプロセスカートリッジ1C,1M,1Y,1Kが、転写材搬送手段である転写搬送ベルト14に沿って並置されている。
転写搬送ベルト14は各プロセスカートリッジ1C,1M,1Y,1Kの現像装置5C,5M,5Y,5Kとクリーニング装置6C,6M,6Y,6Kの間で感光体3C,3M,3Y,3Kに当接しており、転写搬送ベルト14の感光体側の裏側に当たる面(裏面)には転写バイアスを印加するための転写装置7C,7M,7Y,7Kが配置されている。
各プロセスカートリッジ1C,1M,1Y,1Kは現像装置内部のトナーの色が異なることであり、その他は全て同様の構成となっている。
図5に示す構成のカラー電子写真画像形成装置において、画像形成動作は次のようにして行なわれる。まず、各プロセスカートリッジ1C,1M,1Y,1Kにおいて、感光体3C,3M,3Y,3Kが矢印方向(感光体と連れ周り方向)に回転する帯電装置4C,4M,4Y,4Kにより帯電され、次に感光体3の内側に配置された露光装置(図示しない)でレーザー光LC,LM,LY,LKにより、作成する各色の画像に対応した静電潜像が形成される。
次に現像装置5C,5M,5Y,5Kにより潜像を現像してトナー像が形成される。現像装置5C,5M,5Y,5Kは、それぞれC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(ブラック)のトナーで現像を行なう現像装置で、4つの感光体3C,3M,3Y,3K上で作られた各色のトナー像は転写紙上で重ねられる。
記録紙Pは給紙コロ15によりトレイから送り出され、上レジストローラ12と下レジストローラ13で一旦停止し、上記感光体3上への画像形成とタイミングを合わせて転写搬送ベルト14に送られる。転写搬送ベルト14上に保持された記録紙Pは搬送されて、各感光体3C,3M,3Y,3Kとの当接位置(転写部)で各色トナー像の転写が行なわれる。
感光体3上のトナー像は、転写装置7C,7M,7Y,7Kに印加された転写バイアスと感光体3C,3M,3Y,3Kとの電位差から形成される電界により、記録紙P上に転写される。そして4つの転写部を通過して4色のトナー像が重ねられた記録紙Pは定着装置16に搬送され、トナーが定着されて、図示しない排紙部に排紙される。また、転写部で転写されずに各感光体3C,3M,3Y,3K上に残った残留トナーは、クリーニング装置6C,6M,6Y,6Kで回収される。なお、図5の例では画像形成要素は、転写紙搬送方向上流側から下流側に向けて、C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(ブラック)の色の順で並んでいるが、この順番に限るものではなく、色順は任意に設定されるものである。
また、図5において帯電装置4は感光体3と当接しているが、両者の間に適当なギャップ(10[μm]〜200[μm]程度)を設けることにより、両者の摩耗量が低減できると共に、帯電部材へのトナーフィルミングが少なくて済み良好に使用できる。
このカラー電子写真画像形成装置においても、各プロセスカートリッジ1C,1M,1Y,1Kの感光体3C,3M,3Y,3Kとして、架橋型電荷輸送材料を使用した有機感光体を用いている。また、各プロセスカートリッジ1C,1M,1Y,1Kのクリーニング装置6C,6M,6Y,6Kは、クリーニングブレード62C,62M,62Y,62Kを備えており、クリーニングブレード62C,62M,62Y,62Kの先端稜線部は、上述したような紫外線硬化樹脂からなる表面層で覆われている。
このカラー電子写真画像形成装置は、上述のような構成を備えているので、重合トナーをクリーニングできるようクリーニングブレード62の線圧を上げても、クリーニングブレード62の先端稜線部にめくれが生じることがなく、良好なクリーニング性を経時にわたり維持することができる。また、感光体3の摩耗の進行が抑制され、長期にわたりに良好な画像を維持することができる。
以上、本実施形態によれば、像担持体である感光体3と、感光体表面を帯電する帯電手段である帯電装置4と、帯電した感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、感光体表面に形成された静電潜像を現像してトナー像化する現像手段である現像装置5と、感光体表面のトナー像を転写体に転写する転写手段である転写装置7と、感光体表面に当接して、感光体表面に付着した転写残トナーをクリーニングするクリーニングブレード62を有するクリーニング手段であるクリーニング装置6とを備えた画像形成装置において、クリーニングブレード62は、表面が低摩擦処理された短冊形状の弾性体ブレード622と、弾性体ブレード622の先端稜線部62cを覆い、層厚が1[μm]以上50[μm]以下であり、弾性体ブレード622よりも硬い紫外線硬化樹脂からなる表面層623とで構成されており、感光体3として架橋型電荷輸送材料を使用した有機感光体を用いる。本実施形態においては、上述した実験結果に示すように、クリーニングブレード62の先端稜線部62cを層厚が1[μm]以上50[μm]以下であり弾性体ブレード622よりも硬い紫外線硬化樹脂からなる表面層623で覆うことで、先端稜線部62cが表面層623で覆われておらず、弾性体ブレード622のみからなるクリーニングブレード62に比べて、クリーニングブレード62の耐摩耗性を向上させることができる。よって、クリーニングブレード62の寿命を延ばすことができる。また、クリーニングブレード62の先端稜線部62cの変形が抑制され、先端稜線部62cのめくれを抑制することができる。よって、ビビリ振動や異音の発生を抑制することができるとともに、クリーニングブレードの先端面62aの局所的な摩耗を抑制することができる。
また、後述する検証実験の結果のとおり、弾性体ブレード622の先端稜線部62cを低摩擦係数化することで、経時使用で表面層623が摩耗して、弾性体ブレード622の先端稜線部62cが露出しても、この露出した部分と感光体表面との間で生じる摩擦力が低減され、感光体3の表面移動方向に露出した部分が引っ張られて変形するのを抑制することができる。その結果、露出した部分が微小変動するのを抑制することができ、ビビリ音の発生を抑制することができる。また、露出した部分がめくれるのを抑制することができ、露出した部分が欠けるのを抑制することができる。その結果、長期にわたり良好なクリーニング性を維持することができる。
さらに、感光体として架橋型電荷輸送材料を使用した有機感光体を用いることで、感光体表面に3次元の網目状の架橋構造が形成され感光体表面を削れにくくすることができる。よって、弾性体ブレード622よりも硬い表面層623が感光体表面に高い当接圧で当接しても、感光体表面の摩耗を抑えることができ、経時にわたり良好な画像を形成することができる。
また、本実施形態によれば、上記低摩擦処理が、弾性体ブレード622の先端稜線部62cに、イソシアネート化合物、フッ素化合物、及び、シリコーン化合物から選ばれる少なくとも1種を含浸させる処理で行うのが望ましい。
また、本実施形態によれば、弾性体ブレード622として、ウレタン基を含むゴムを用いることで、感光体3に偏心などあっても、柔軟に弾性体ブレード622が変形して、所定の当接圧を維持することができ、良好なクリーニング性を維持することができる。
また、本実施形態によれば、感光体3と、少なくともクリーニング装置6とを一体に支持し、画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジ1としたことで、感光体3及びクリーニング装置6の交換を容易に行うことができ、感光体3やクリーニング装置6のメンテナンス性を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、感光体3と少なくとも感光体表面に付着した転写残トナーをクリーニングするクリーニングブレード62を有するクリーニング装置6とを一体に支持し、画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジ1において、クリーニングブレード62は、表面が低摩擦処理された短冊形状の弾性体ブレード622と、弾性体ブレード622の先端稜線部62cを覆い、層厚が1[μm]以上50[μm]以下であり、弾性体ブレード622よりも硬い紫外線硬化樹脂からなる表面層623とで構成されており、感光体3として架橋型電荷輸送材料を使用した有機感光体を用いる。本実施形態においては、上述した実験結果に示したように、クリーニングブレード62の先端稜線部62cを層厚が1[μm]以上50[μm]以下であり弾性体ブレード622よりも硬い紫外線硬化樹脂からなる表面層623で覆うことで、先端稜線部62cが表面層623で覆われておらず、弾性体ブレード622のみからなるクリーニングブレード62に比べて、クリーニングブレード62の耐摩耗性を向上させることができる。よって、クリーニングブレード62の寿命を延ばすことができる。また、クリーニングブレード62の先端稜線部62cの変形が抑制され、先端稜線部62cのめくれを抑制することができる。よって、ビビリ振動や異音の発生を抑制することができるとともに、クリーニングブレードの先端面62aの局所的な摩耗を抑制することができる。
また、上述した実験結果で示した通り、弾性体ブレード622の先端稜線部62cを低摩擦係数化することで、経時使用で表面層623が摩耗して、弾性体ブレード622の先端稜線部62cが露出しても、この露出した部分と感光体表面との間で生じる摩擦力が低減され、感光体3の表面移動方向に露出した部分が引っ張られて変形するのを抑制することができる。その結果、露出した部分が微小変動するのを抑制することができ、ビビリ音の発生を抑制することができる。また、露出した部分がめくれるのを抑制することができ、露出した部分が欠けるのを抑制することができる。その結果、長期にわたり良好なクリーニング性を維持することができる。
さらに、感光体3として架橋型電荷輸送材料を使用した有機感光体を用いることで、感光体表面に3次元の網目状の架橋構造が形成され感光体表面を削れにくくすることができる。よって、弾性体ブレード622よりも硬い表面層623が感光体表面に高い当接圧で当接しても、感光体表面の摩耗を抑えることができ、経時にわたり良好な画像を形成することができる。
1 プロセスカートリッジ
2 枠体
3 感光体
4 帯電装置
5 現像装置
6 クリーニング装置
7 転写装置
8 分離爪
9 クリーニング前チャージャ
10 潤滑剤塗布装置
11 除電ランプ
12 上レジストローラ
13 下レジストローラ
14 転写搬送ベルト
15 給紙コロ
16 定着装置
51 現像ローラ
52 供給スクリュ
53 攪拌スクリュ
54 ドクタ
62 クリーニングブレード
62a 先端面
62b 下面
62c 先端稜線部
62 弾性体ブレード
71 転写前チャージャ
72 転写チャージャ
73 分離チャージャ
101 塗布ブラシ
103 固形潤滑剤
104 潤滑剤加圧スプリング
621 ホルダー
622 弾性体ブレード
623 表面層
特開2004−233818号公報

Claims (5)

  1. 像担持体と、
    像担持体表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した該像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
    該像担持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー像化する現像手段と、
    該像担持体表面のトナー像を転写体に転写する転写手段と、
    該像担持体表面に当接して、該像担持体表面に付着した転写残トナーをクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段とを備えた画像形成装置において、
    前記クリーニングブレードは、表面が低摩擦処理された短冊形状の弾性体ブレードと、該弾性体ブレードの先端稜線部を覆い、層厚が1[μm]以上50[μm]以下であり、該弾性体ブレードよりも硬い紫外線硬化樹脂からなる表面層とで構成されており、
    前記像担持体として架橋型電荷輸送材料を使用した有機感光体を用いることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    上記低摩擦処理が、上記弾性体ブレードの先端稜線部に、イソシアネート化合物、フッ素化合物、及び、シリコーン化合物から選ばれる少なくとも1種を含浸させる処理であることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または2の画像形成装置において、
    上記弾性体ブレードとして、ウレタン基を含むゴムを用いることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1、2または3の画像形成装置において、
    前記像担持体と、少なくとも前記クリーニング手段とを一体に支持し、装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジとしたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 像担持体と少なくとも前記像担持体表面に付着した転写残トナーをクリーニングするク
    リーニングブレードを有するクリーニング手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に対
    して着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、
    前記クリーニングブレードは、表面が低摩擦処理された短冊形状の弾性体ブレードと、該弾性体ブレードの先端稜線部を覆い、該先端稜線部の層厚が1[μm]以上50[μm]以下であり、該弾性体ブレードよりも硬い紫外線硬化樹脂からなる表面層とで構成されており、
    前記像担持体として架橋型電荷輸送材料を使用した有機感光体を用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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