JP2010197431A - 画像形成装置用クリーニングブレード及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明の目的は、経時の使用で弾性ブレードの先端稜線部が露出しても、ビビリ音を抑制し、良好なクリーニング性を維持することのできるクリーニングブレード、画像形成装置およびプロセスカートリッジを提供することである。
【解決手段】 被清掃部材の表面に当接して、該被清掃部材表面から粉体をクリーニングするクリーニングブレードにおいて、表面が低摩擦処理された弾性体ブレードと、前記弾性体ブレードの先端カット面側に層厚3〜15(μm)の前記弾性体ブレードよりも硬い紫外線硬化樹脂からなる表面層を具備し、かつエアー面側に層厚0〜1(μm)の、前記弾性体ブレードよりも硬い紫外線硬化樹脂からなる表面層を具備していることを特徴とするクリーニングブレード。
【選択図】 図3
【解決手段】 被清掃部材の表面に当接して、該被清掃部材表面から粉体をクリーニングするクリーニングブレードにおいて、表面が低摩擦処理された弾性体ブレードと、前記弾性体ブレードの先端カット面側に層厚3〜15(μm)の前記弾性体ブレードよりも硬い紫外線硬化樹脂からなる表面層を具備し、かつエアー面側に層厚0〜1(μm)の、前記弾性体ブレードよりも硬い紫外線硬化樹脂からなる表面層を具備していることを特徴とするクリーニングブレード。
【選択図】 図3
Description
本発明は、ビビリ振動や異音の発生、及び、クリーニングブレード先端面の局所的な磨耗を抑制することができる画像形成装置用クリーニングブレード及びプロセスカートリッジに関する。
従来、電子写真式の画像形成装置では、被清掃部材たる感光体などの像担持体について、転写紙や中間転写体へトナー像を転写した後の表面に付着した不必要な転写残トナーはクリーニング手段たるクリーニング装置によって除去している。
このクリーニング装置のクリーニング部材として、一般的に構成を簡単にでき、クリーニング性能も優れていることから、短冊形状のクリーニングブレードを用いたものがよく知られている。このクリーニングブレードは、ポリウレタンゴムなどの短冊形状の弾性体で構成されている。そして、クリーニングブレードの基端を支持部材で支持して先端稜線部を像担持体の周面に押し当て、像担持体上に残留するトナーをせき止めて掻き落とし除去する。
また、近年の高画質化の要求に応えるべく、重合法等により形成された小粒径で球形に近いトナー(以下、重合トナー)を用いた画像形成装置が知られている。この重合トナーは、従来の粉砕トナーに比べて転写効率が高いなどの特徴があり、上記要求に応えることが可能である。しかし、重合トナーは、クリーニングブレードを用いて像担持体表面から除去しようとしても十分に除去することが困難であり、クリーニング不良が発生してしまうという問題を有している。これは、小粒径でかつ球形度に優れた重合トナーが、ブレードと像担持体との間に形成される僅かな隙間をすり抜けるからである。
かかるすり抜けを抑えるには、像担持体とクリーニングブレードとの当接圧力を高めてクリーニング能力を高める必要がある。しかし、クリーニングブレードの当接圧を高めると、図6(a)に示すように、像担持体(3)とクリーニングブレード(62)との摩擦力が高まり、クリーニングブレード(62)が像担持体(3)の移動方向に引っ張られて、クリーニングブレード(62)の先端稜線部(62c)がめくれてしまう。このめくれたクリーニングブレード(62)が、そのめくれに抗して原形状態に復元する際に異音が発生することがある。さらに、クリーニングブレード(62)の先端稜線部(62c)がめくれた状態でクリーニングをし続けると、図6(b)に示すように、クリーニングブレード(62)の先端面(62b)の先端稜線部(62c)から数μm離れた場所に局所的な摩耗が生じてしまう。このような状態で、さらにクリーニングを続けると、この局所的な摩耗が大きくなり、最終的には、図6(c)に示すように、先端稜線部(62c)が欠落してしまう。先端稜線部(62c)が欠落してしまうと、トナーを正常にクリーニングできなくなり、クリーニング不良を生じてしまう。
特許文献1の特許第3602898号公報には、ポリウレタンエラストマーからなるクリーニングブレードの少なくとも当接部に、鉛筆硬度B〜6Hの皮膜硬度を有する樹脂からなる表面層又は基材中に含浸させた含浸層を設けたものが記載されている。ゴム部材よりも硬い鉛筆硬度B〜6Hの皮膜硬度を有する表面層を設けることで、クリーニングブレード当接部の摩擦係数を下げることができ、クリーニングブレードの耐摩耗性を高めることができる。また、像担持体とクリーニングブレードとの摩擦力を低減させることができ、クリーニングブレードの先端稜線部のめくれを良好に抑制することができる。さらに、鉛筆硬度B〜6Hの鉛筆硬度の表面層は、硬くて変形しにくいので、クリーニングブレードの先端稜線部のめくれをより一層抑制することができる。
また、特許文献2の特開2004−233818号公報には、シリコン含有紫外線硬化材料を弾性ブレードに含浸させて膨潤させた後、紫外線照射処理して表面に硬化層を形成したクリーニングブレードが記載されている。このように、紫外線硬化材料からなり、弾性ブレードよりも高硬度の硬化層を設けることでも、耐摩耗性を向上でき、クリーニングブレードの先端稜線部のめくれを抑制することができる。
しかしながら、経時の使用で表面層が磨耗していくと、弾性ブレードの先端稜線部が露出し、この露出したブレード基材部分が像担持体と当接する。このとき、弾性ブレードの先端稜線部の摩擦係数が大きいため、露出した基材部分と像担持体との摩擦力が大きく、この露出した基材部分が像担持体の移動方向に引っ張られて露出した基材部分が感光体移動方向に変形する。このときの露出した基材部分の露出面積は非常に小さいため、この露出した基材部分の変形は微小である。そして、露出した基材部分が感光体移動方向に微小変形したのち、露出した基材部分がもとの形状に復元する。このような動作が繰り返し起こり、その結果、露出した基材部分が微小振動する。この微小振動が、不快なビビリ音となって発生してしまうという不具合があった。また、この露出した基材部分が像担持体の移動方向に引っ張られてめくれて欠けてしまう場合もあり、このような欠けが生じると、クリーニング不良となってしまう。
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、経時の使用で弾性ブレードの先端稜線部が露出しても、ビビリ音を抑制し、良好なクリーニング性を維持することのできるクリーニングブレード、画像形成装置およびプロセスカートリッジを提供することにある。
本発明は、下記(1)〜(5)によって解決される。
(1) 「被清掃部材の表面に当接して、該被清掃部材表面から粉体をクリーニングするクリーニングブレードにおいて、表面が低摩擦処理された弾性体ブレードと、前記弾性体ブレードの先端カット面側に層厚3〜15(μm)の前記弾性体ブレードよりも硬い紫外線硬化樹脂からなる表面層を具備し、かつエアー面側に層厚0〜1(μm)の、前記弾性体ブレードよりも硬い紫外線硬化樹脂からなる表面層を具備していることを特徴とするクリーニングブレード」;
(2) 「前記低摩擦処理が、前記弾性体ブレードの先端稜線部に、イソシアネート材料、フッ素含有材料、シリコーン材料から選ばれる少なくとも1種を含浸させる処理であることを特徴とする前記第(1)項に記載のクリーニングブレード」;
(3) 「前記弾性体クリーニングブレードは、ウレタン基を含むゴムであることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載のクリーニングブレード」;
(4) 「像担持体と、前記像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記像担持体表面に形成された前記静電潜像を現像してトナー像化する現像手段と、前記像担持体表面のトナー像を転写体に転写する転写手段と、前記像担持体表面に当接して、前記像担持体表面に付着した転写残トナーをクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段とを備えた画像形成装置において、前記クリーニングブレードとして、前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載のクリーニングブレードを用いたことを特徴とする画像形成装置」;
(5) 「像担持体と少なくとも前記像担持体表面に付着した転写残トナーをクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、前記クリーニングブレードとして、前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載のクリーニングブレードを用いたことを特徴とするプロセスカートリッジ」。
(1) 「被清掃部材の表面に当接して、該被清掃部材表面から粉体をクリーニングするクリーニングブレードにおいて、表面が低摩擦処理された弾性体ブレードと、前記弾性体ブレードの先端カット面側に層厚3〜15(μm)の前記弾性体ブレードよりも硬い紫外線硬化樹脂からなる表面層を具備し、かつエアー面側に層厚0〜1(μm)の、前記弾性体ブレードよりも硬い紫外線硬化樹脂からなる表面層を具備していることを特徴とするクリーニングブレード」;
(2) 「前記低摩擦処理が、前記弾性体ブレードの先端稜線部に、イソシアネート材料、フッ素含有材料、シリコーン材料から選ばれる少なくとも1種を含浸させる処理であることを特徴とする前記第(1)項に記載のクリーニングブレード」;
(3) 「前記弾性体クリーニングブレードは、ウレタン基を含むゴムであることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載のクリーニングブレード」;
(4) 「像担持体と、前記像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記像担持体表面に形成された前記静電潜像を現像してトナー像化する現像手段と、前記像担持体表面のトナー像を転写体に転写する転写手段と、前記像担持体表面に当接して、前記像担持体表面に付着した転写残トナーをクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段とを備えた画像形成装置において、前記クリーニングブレードとして、前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載のクリーニングブレードを用いたことを特徴とする画像形成装置」;
(5) 「像担持体と少なくとも前記像担持体表面に付着した転写残トナーをクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、前記クリーニングブレードとして、前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載のクリーニングブレードを用いたことを特徴とするプロセスカートリッジ」。
本発明においては、後述する検証実験の結果のとおり、クリーニングブレードの先端稜線部(62c)を弾性体ブレード(622)よりも硬い表面層(623a)+(623b)又は厚い表面層(623a)単独で覆うことで、先端稜線部(62c)が表面層で覆われておらず、弾性体ブレードのみからなるクリーニングブレードに比べて、クリーニングブレードの耐摩耗性を向上させることができる。よって、クリーニングブレードの寿命を延ばすことができる。また、クリーニングブレードの先端稜線部(62c)の変形が抑制され、先端稜線部(62c)のめくれを抑制することができる。よって、ビビリ振動や異音の発生を抑制することができるとともに、クリーニングブレード先端面(62a)の局所的な磨耗を抑制することができる。
また、後述する検証実験の結果のとおり、弾性体ブレードの先端カット面(62a)側に層厚3〜15μmの表面層(623a)、エアー面(62b)側に層厚0〜1μmの表面層(623b)を設けることで、高硬度の表面層を設けても、エアー面(62b)側の表面層(623b)厚は薄いため、ブレードの振動は高硬度の表面層に抑制されるものではなくなる。よって、ビビリ音が生じにくくなる。また、先端カット面(62a)には高硬度な表面層は存在しているので、ブレードが引き込まれても、ブレード先端の表面層の耐摩耗性を良好にでき、かつ、感光体の偏心などの変動に対する追随性の低下を抑制し、良好なクリーニング性能を経時で維持することができる。
また、紫外線硬化樹脂で表面層(623a)(623b)を形成するので、弾性体ブレードの先端稜線部(62c)に塗布した樹脂に紫外線を照射するだけで、弾性体ブレードよりも高硬度の表面層を形成することができ、クリーニングブレードを安価に製造することができる。
以下、本発明を画像形成装置である電子写真プリンタ(以下、単にプリンタという)に適用した実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタの要部を示す概略構成図である。プリンタは、単一色の複写を行なうものであり、図示しない画像読み取り部で読み取った画像データに基づいてモノクロ画像形成を行なう。図1に示すように、プリンタは、像担持体としてのドラム状の感光体(3)を備えている。感光体(3)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。
感光体(3)の周囲には帯電手段としての帯電チャージャ(4)、潜像をトナー像化する現像手段である現像装置(5)、トナー像を記録媒体としての転写紙に転写する転写手段としての転写装置(7)、転写紙を感光体(3)から分離するための分離爪(8)、転写後の感光体(3)上に残留するトナーの帯電極性を揃えるためのクリーニング前チャージャ(9)、転写後の感光体(3)上に残留するトナーをクリーニングするクリーニング装置(6)、潤滑剤塗布装置(10)、感光体(3)を除電する除電ランプ(11)等が配置されている。
帯電チャージャ(4)は、感光体(3)に所定の距離を持って非接触で配置され、感光体(3)を所定の極性、所定の電位に帯電するものである。帯電チャージャ(4)によって一様帯電された感光体(3)は、図示しない潜像形成手段たる露光装置から画像データに基づいて光(L)が照射され静電潜像が形成される。
現像装置(5)は、現像剤担持体としての現像ローラ(51)を有している。この現像ローラ(51)には、図示しない電源から現像バイアスが印加されるようになっている。現像装置(5)のケーシング内には、ケーシング内に収容された現像剤を互いに逆方向に搬送しながら攪拌する供給スクリュ(52)及び攪拌スクリュ(53)が設けられている。また、現像ローラ(51)に担持された現像剤を規制するためのドクタ(54)も設けられている。供給スクリュ(52)及び攪拌スクリュ(53)の2本スクリュによって撹拌・搬送された現像剤中のトナーは、所定の極性に帯電される。そして、現像剤は、現像ローラ(51)に汲み上げられ、汲み上げられた現像剤は、ドクタ(54)により規制され、感光体(3)と対向する現像領域でトナーが感光体(3)上の潜像に付着する。
転写装置(7)は、転写前チャージャ(71)、転写チャージャ(72)、分離チャージャ(73)を備えている。転写前チャージャ(71)で負のコロナ放電を行なって、トナーの極性を揃えた後、転写チャージャ(72)によるコロナ放電下で転写紙にトナー像を転写する。この転写紙を分離チャージャ(73)のコロナ放電と分離爪(8)とによって感光体(3)表面から分離する。
潤滑剤塗布装置(10)は、塗布ブラシ(101)、固形潤滑剤(103)、潤滑剤加圧スプリング(104)などを備えている。固形潤滑剤(103)は、不図示のブラケットに保持され、潤滑剤加圧スプリング(104)により塗布ブラシ(101)側に加圧されている。そして、感光体(3)の回転方向に対して連れまわり方向に回転する塗布ブラシ(101)により固形潤滑剤(103)が削られて感光体(3)上に潤滑剤が塗布される。感光体(3)に潤滑剤を塗布することで、クリーニングブレード(62)との摩擦係数を効率的に低下させている。
また、塗布ブラシ(101)は、感光体(3)上の転写残トナーを掻き乱すとともに、ブラシに付着させて感光体上の転写残トナーの一部を除去する。
クリーニング装置(6)は、クリーニングブレード(62)などを有している。クリーニングブレード(62)は、感光体(3)の表面移動方向に対してカウンタ方向で感光体(3)に当接している。クリーニングブレード(62)は、塗布ブラシ(101)により掻き乱されて除去しやすくなった感光体上の転写残トナーを除去する。なお、クリーニングブレード(62)の詳細については後述する。
転写前チャージャ(71)、分離爪(8)、クリーニング前チャージャ(9)は、必要に応じて配置されるものである。
帯電チャージャ(4)、転写前チャージャ(71)、転写チャージャ(72)、分離チャージャ(73)、クリーニング前チャージャ(9)には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)を始めとする公知の手段が用いられる。
これらの帯電方式のうち、特に接触帯電方式、あるいは非接触の近接配置方式がより望ましく、帯電効率が高くオゾン発生量が少ない、装置の小型化が可能である等のメリットを有する。
また、不図示の露光装置、除電ランプ(11)等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザーは照射エネルギーが高く、また600〜800nmの長波長光を有するため、良好に使用される。
次に、プリンタにおける画像形成動作を説明する。図示しない操作部などからプリント実行の信号を受信したら、帯電チャージャ(4)、現像ローラ(51)、転写前チャージャ(71)、転写チャージャ(72)、分離チャージャ(73)、クリーニング前チャージャ(9)にそれぞれ所定の電圧または電流が順次所定のタイミングで印加される。同様に、露光装置及び除電ランプ(11)などにもそれぞれ所定の電圧又は電流が順次所定のタイミングで印加される。また、これと同期して、駆動手段としての感光体駆動モータ(不図示)により感光体(3)が図中矢印方向に回転駆動される。
感光体(3)が図中矢印方向に回転すると、まず感光体表面が、帯電チャージャ(4)によって所定の電位に帯電される。そして、図示しない露光装置から画像信号に対応した光(L)が感光体(3)上に照射され、光(L)が照射された部分の感光体(3)上が除電され静電潜像が形成される。
静電潜像の形成された感光体(3)は、現像装置(5)との対向部で現像ローラ(51)上に形成された現像剤の磁気ブラシで感光体(3)表面を摺擦される。このとき、現像ローラ(51)上の負帯電トナーは、現像ローラ(51)に印加された所定の現像バイアスによって、静電潜像側に移動し、トナー像化(現像)される。このように、本実施形態では、感光体(3)上に形成された静電潜像は、現像装置(5)によって、負極性に帯電されたトナーにより反転現像される。本実施形態では、N/P(ネガポジ:電位が低い所にトナーが付着する)の非接触帯電ローラ方式を用いた例について説明したが、これに限るものではない。
感光体(3)上に形成されたトナー像は、図示しない給紙部から上レジストローラ(12)と下レジストローラ(13)との対向部を経て、感光体(1)と転写チャージャとの間に形成される転写領域に給紙される転写紙に転写される。このとき、転写紙は上レジストローラ(12)と下レジストローラ(13)との対向部で画像先端と同期をとり供給される。また、転写紙への転写時には、所定の転写バイアスが印加される。トナー像が転写された転写紙は、分離爪(8)と分離チャージャ(73)によって感光体(3)から分離され、図示しない定着手段としての定着装置へ搬送される。そして、定着装置を通過することにより、熱と圧力の作用でトナー像が転写紙上に定着されて、転写紙は機外に排出される。
一方、転写後の感光体(3)の表面は、潤滑剤塗布装置(10)によって潤滑剤が塗布され、クリーニング装置(6)で転写後の残留トナーが除去された後、除電ランプ(11)で除電される。
また、本プリンタにおいては、感光体(3)と、プロセス手段として帯電チャージャ(4)、現像装置(5)、クリーニング装置(6)、潤滑剤塗布装置(10)などが枠体(2)に収められており、プロセスカートリッジ(1)として装置本体から一体的に着脱可能となっている。なお、本実施形態では、プロセスカートリッジ(1)としての感光体3とプロセス手段とを一体的に交換するようになっているが、感光体(3)、帯電チャージャ(4)、現像装置(5)、クリーニング装置(6)、潤滑剤塗布装置(10)のような単位で新しいものと交換するような構成でもよい。
次に、本プリンタに好適なトナーについて説明する。本プリンタに用いるトナーとしては、画質向上のために、高円形化、小粒径化がし易い懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法により製造された重合トナーを用いるのが好ましい。
特に、円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5μm以下の重合トナーを用いるのが好ましい。平均円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5μmのものを用いることにより、より高解像度の画像を形成することができる。
ここでいう「円形度」は、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子株式会社製、商品名)により計測した平均円形度である。具体的には、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に、分散剤として界面活性剤好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、さらに測定試料(トナー)を0.1〜0.5[g]程度加える。その後、このトナーが分散した懸濁液を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理し、分散液濃度が3000〜1[万個/μl]となるようにしたものを上述の分析装置にセットして、トナーの形状及び分布を測定する。そして、この測定結果に基づき、図2(a)に示す実際のトナー投影形状の外周長をC1、その投影面積をSとし、この投影面積Sと同じ図2(b)に示す真円の外周長をC2としたときのC2/C1を求め、その平均値を円形度とした。
体積平均粒径については、コールターカウンター法によって求めることが可能である。
具体的には、コールターマルチサイザー2e型(コールター社製)によって測定したトナーの個数分布や体積分布のデータを、インターフェイス(日科機社製)を介してパーソナルコンピューターに送って解析するのである。より詳しくは、1級塩化ナトリウムを用いた1%NaCl水溶液を電解液として用意する。そして、この電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加える。さらに、これに被検試料としてのトナーを2〜20mg加え、超音波分散器で約1〜3分間分散処理する。そして、別のビーカーに電解水溶液100〜200mlを入れ、その中に分散処理後の溶液を所定濃度になるように加えて、上記コールターマルチサイザー2e型にかける。アパーチャーとしては、100μmのものを用い、50,000個のトナー粒子の粒径を測定する。チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上32.0μm以下のトナー粒子を対象とする。そして、「体積平均粒径=ΣXfV/ΣfV」という関係式に基づいて、体積平均粒径を算出する。但し、Xは各チャンネルにおける代表径、Vは各チャンネルの代表径における相当体積、fは各チャンネルにおける粒子個数である。
具体的には、コールターマルチサイザー2e型(コールター社製)によって測定したトナーの個数分布や体積分布のデータを、インターフェイス(日科機社製)を介してパーソナルコンピューターに送って解析するのである。より詳しくは、1級塩化ナトリウムを用いた1%NaCl水溶液を電解液として用意する。そして、この電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加える。さらに、これに被検試料としてのトナーを2〜20mg加え、超音波分散器で約1〜3分間分散処理する。そして、別のビーカーに電解水溶液100〜200mlを入れ、その中に分散処理後の溶液を所定濃度になるように加えて、上記コールターマルチサイザー2e型にかける。アパーチャーとしては、100μmのものを用い、50,000個のトナー粒子の粒径を測定する。チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上32.0μm以下のトナー粒子を対象とする。そして、「体積平均粒径=ΣXfV/ΣfV」という関係式に基づいて、体積平均粒径を算出する。但し、Xは各チャンネルにおける代表径、Vは各チャンネルの代表径における相当体積、fは各チャンネルにおける粒子個数である。
このような重合トナーにおいては、上述したように、粉砕トナーを感光体(3)表面から除去するときと同じようにしてクリーニングブレード(62)で除去しようとしても、その重合トナーを感光体(3)表面から十分に除去しきれず、クリーニング不良が発生する。そこで、クリーニングブレード(62)の感光体(3)への当接圧を高めて、クリーニング性をアップしようとすると、クリーニングブレード(62)が早期に摩耗してしまうという問題があった。また、クリーニングブレード(62)と感光体(3)との摩擦力が高まって、クリーニングブレード(62)の感光体(3)と当接している先端稜線部が感光体(3)の移動方向に引っ張られて、先端稜線部がめくれてしまう。クリーニングブレード(62)の先端稜線部がめくれると、異音や振動、先端稜線部の欠落などの様々な問題が生じてしまう。
そこで、本実施形態においては、クリーニングブレード(62)に、表面層(623a)(623b)を設けている。
図3は、クリーニングブレード(62)の斜視図であり、図4は、クリーニングブレード(62)の拡大構成図である。
クリーニングブレード(62)は、金属や硬質プラスチックなどの剛性材料からなる短冊形状のホルダー(621)と、これに固定された短冊形状の弾性体ブレード(622)とで構成されており、クリーニングブレード(62)の先端カット面(62a)全体および下面(エアー面)(62b)の先端稜線部(62c)近傍に先端稜線部(62c)を覆うように表面層(623a)又は[(623a)+(623b)]が形成されている。但し、先端面(62a)と下面(62b)の層厚は、それぞれ異なっていても構わないし、下面(62b)には、表面層(623b)を設けなくても構わない。
弾性体ブレード(622)は、ホルダー(621)の一端側に接着剤などにより固定されており、ホルダー(621)の他端側は、クリーニング装置(6)のケースに片持ち支持されている。
弾性体ブレード(622)としては、感光体(3)の偏心や感光体表面の微小なうねりなどに追随できるように、高反発性の弾性体が好ましく、ウレタン基を含むゴムが好適である。特に、25℃における硬度が65〜80度(JIS A)、反発弾性率が15〜85[%]のウレタンゴムが好ましい。ウレタンゴムの硬度が80度を超えると、柔軟性に乏しくなり、例えば、ホルダー(621)が微小に傾いて取り付けるなどしたときに、クリーニングブレード(62)の軸方向一端側と他端側とで当接圧が異なる所謂偏当りしやすくなり、軸方向で均一な当接圧が得にくくなる。その結果、クリーニング性が低下するおそれがある。一方、硬度が65度未満の場合は、重合トナーでもクリーニングできるよう当接圧を高く設定したときに、クリーニングブレード(62)が反ってしまって、クリーニングブレード(62)の先端稜線部(62c)が浮きあがって、クリーニングブレード(62)のブレード下面(62b)が感光体(3)と当接する所謂腹当たり現象が生じてしまう。腹当たり現象が生じると、クリーニングブレード(62)と感光体表面との当接面積が急激に増大するため、クリーニングブレード(62)を大きな力で押しつけても逆に当接圧は小さくなり、クリーニング性が低下してしまう。
弾性体ブレード(622)としては、感光体(3)の偏心や感光体表面の微小なうねりなどに追随できるように、高反発性の弾性体が好ましく、ウレタン基を含むゴムが好適である。特に、25℃における硬度が65〜80度(JIS A)、反発弾性率が15〜85[%]のウレタンゴムが好ましい。ウレタンゴムの硬度が80度を超えると、柔軟性に乏しくなり、例えば、ホルダー(621)が微小に傾いて取り付けるなどしたときに、クリーニングブレード(62)の軸方向一端側と他端側とで当接圧が異なる所謂偏当りしやすくなり、軸方向で均一な当接圧が得にくくなる。その結果、クリーニング性が低下するおそれがある。一方、硬度が65度未満の場合は、重合トナーでもクリーニングできるよう当接圧を高く設定したときに、クリーニングブレード(62)が反ってしまって、クリーニングブレード(62)の先端稜線部(62c)が浮きあがって、クリーニングブレード(62)のブレード下面(62b)が感光体(3)と当接する所謂腹当たり現象が生じてしまう。腹当たり現象が生じると、クリーニングブレード(62)と感光体表面との当接面積が急激に増大するため、クリーニングブレード(62)を大きな力で押しつけても逆に当接圧は小さくなり、クリーニング性が低下してしまう。
また、反発弾性率が85[%]を超えるようなウレタンゴムはほとんど存在しないのが実情であり、汎用品でないので、コスト高につながるおそれがある。また、反発弾性率が85〔%]を超えると、クリーニングブレード(62)にめくれが発生したときに、高音のブレード鳴きという異音が発生しやすくなる。一方、反発弾性率が15[%]未満であると、感光体(3)の偏心や感光体表面の微小なうねりなどに対する追随性が悪くなり、クリーニング性が低下するおそれがある。
このように、ウレタン基を含むゴムとして、25℃における硬度が65〜85度(JIS A)、反発弾性率が15〜85[%]のゴムを用いることによって、良好なクリーニング性を得ることができる。
表面層(623a)(623b)は、スプレー塗工、ディップ塗工によってクリーニングブレード(62)の先端稜線部(62c)を皮膜する。表面層(623a)(623b)としては、弾性体ブレード(622)よりも硬度の高い部材を皮膜するのが好ましい。弾性体ブレード(622)よりも硬度が高い部材とすることで、弾性体ブレード(622)よりも感光体(3)によって削られにくくなり、弾性体ブレード(622)を感光体表面に当接させるものに比べて、クリーニングブレード(62)の耐摩耗性を向上させることができる。また、表面層(623a)(623b)は、硬度が硬く剛直なため、変形し難く、クリーニングブレード(62)の先端稜線部(62c)のめくれを抑制することができる。
表面層(623a)(623b)は、スプレー塗工、ディップ塗工によってクリーニングブレード(62)の先端稜線部(62c)を皮膜する。表面層(623a)(623b)としては、弾性体ブレード(622)よりも硬度の高い部材を皮膜するのが好ましい。弾性体ブレード(622)よりも硬度が高い部材とすることで、弾性体ブレード(622)よりも感光体(3)によって削られにくくなり、弾性体ブレード(622)を感光体表面に当接させるものに比べて、クリーニングブレード(62)の耐摩耗性を向上させることができる。また、表面層(623a)(623b)は、硬度が硬く剛直なため、変形し難く、クリーニングブレード(62)の先端稜線部(62c)のめくれを抑制することができる。
また、表面層(623a)(623b)の材質としては、樹脂が好ましく、紫外線硬化樹脂がより好ましい。紫外線硬化樹脂を用いることで、クリーニングブレード(62)の先端稜線部(62c)に付着した樹脂に紫外線を照射させるだけで、所望の硬度を有する表面層(623a)(623b)を得ることができ、クリーニングブレード(62)を安価に製造することができる。
一方、紫外線硬化樹脂としては、一官能基あたり分子量300〜1500のモノマーを用いることによって、クリーニングブレードの先端稜線部がめくれない程度に感光体移動方向に先端稜線部を変形させることのできる硬度の表面層を得ることができる。その結果、ビビリ音の発生がなく、耐摩耗性が良好で、先端面のえぐれ摩耗を抑制することのできるクリーニングブレードを得ることができる。また、感光体の偏心などの変動に対して良好に追随させることができる。
なお、上記紫外線硬化樹脂モノマーは、一官能基あたりの数平均分子量が300〜1500となるよう2種類以上のモノマーを混合して用いることもできる。また、上記紫外線硬化樹脂には、感光体(3)との摩擦係数を下げる目的で、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などの低摩擦係数化成分を添加することもできる。また、ゴム部材からなる弾性体ブレード(622)との接着性向上のため、イソシアネート化合物を添加することもできる。
また、感光体(3)と当接する可能性のある先端稜線部(62c)から少なくとも50μm離れた位置まで、先端面(62a)とブレード下面(62b)とに表面層(623a)(623b)を形成するのが好ましい。これにより、先端稜線部(62c)の表面が削れ、弾性体ブレード(622)と感光体(3)とが直接接触し、先端稜線部(62c)がめくれて先端面(62a)の先端稜線部(62c)から数μm離れた場所が感光体(3)と当接しても、そこにも表面層(623a)(623b)が形成してあるので、先端面(62a)の局所的な摩耗が抑制される。よって、先端面(62a)の局所的な摩耗によってクリーニングブレード(62)の先端稜線部(62c)の欠落を抑制することができる。また、感光体(3)の取り付け誤差やクリーニングブレード(62)の取り付け誤差などによって、クリーニングブレード(62)の当接圧が必要以上に高くなり、クリーニングブレード(62)が必要以上に撓んで、ブレード下面(62b)の先端稜線部(62c)から数μm離れた箇所が感光体(3)に接触しても、そこにも、表面層(623a)(623b)が形成してあるので、ブレード下面の局所的な摩耗を抑制することができる。
また、表面層(623a)(623b)の層厚は、先端カット面(62a)側の層厚が3〜15μm、エアー面(62b)側の層厚が0〜1μmであることが好ましい。ここで、先端カット面(62a)とは、短冊状ブレードの厚み面側で感光体(像担持体)(3)の当接面に対して、垂直な面であり、エアー面(62b)とは、面積側で像担持体の当接面に対して、水平な面である。ここでいう表面層(623a)(623b)の層厚は、先端稜線部(62c)から50μm離れた位置までの平均層厚である。先端カット面(62a)の層厚が、3μm以下だと、表面層(623a)の剛性が弱くなり、クリーニングブレード(62)の先端稜線部(62c)がめくれやすくなってしまう。また、エアー面(62b)の層厚が15μmを超えると、トナーのすり抜けが増大してクリーニング不良が発生しやすくなる。これは、スプレー塗工やディップ塗工のように、液体の材料を付着させて表面層(623a)(623b)を形成しているため、先端稜線部(62c)は表面張力の関係で、皮膜が形成されにくい。このため、先端稜線部(62c)から離れるにつれて表面層(623a)(623b)の層厚は、増加する。層厚が15μmを超えると、先端稜線部(62c)の層厚と先端稜線部(62c)から離れた位置における層厚との差が大きくなり、クリーニングブレード(62)の先端稜線部(62c)の角度が鈍角となってしまう。先端稜線部(62c)の角度が鈍角となると、先端稜線部(62c)を直角とした場合に比べて、ブレード先端面(62a)と感光体(3)とがなす当接部の上流側の空隙(X)(図4参照)が狭くなる。そのため、長期に渡るクリーニング動作によって空隙にトナーが堆積したとき、塞き止められた空隙(X)内のトナーに逃げ場がないので、空隙(X)内のトナーが徐々に感光体(3)の下流側に押し出され、クリーニング不良が発生する。
また、15μmを超えると、クリーニングブレードが剛直となりすぎ、上述したように、ビビリ音が発生しやすくなったり、耐摩耗性が低下したり、追随性が低下したりしてしまう。また、経時使用で表面層(623a)が摩耗すると、弾性体ブレード(622)の先端稜線部(62c)が露出して、この弾性体ブレード(622)の先端稜線部(62c)の露出部が感光体表面と当接してしまう。しかも、上述したように、スプレー塗工やディップ塗工のように、液体の材料を付着させて表面層(623a)(623b)を形成しているので、先端稜線部(62c)は表面張力の関係で、皮膜が形成されにくく、先端稜線部における表面層(623a)(623b)の層厚が他の部分に比べて薄くなる。このため、弾性体ブレード(622)の先端稜線部は、早期に露出してしまう。
そこで、エアー面には、表面層(623b)を設けないもしくは、1μmまでの層厚が好ましい。これにより、先端稜線部(62c)が露出したとしても、エアー面(62b)側の表面層(623b)によって先端稜線部(62c)の運動が阻害されることはなく、ビビリの発生が抑制できる。
そこで、エアー面には、表面層(623b)を設けないもしくは、1μmまでの層厚が好ましい。これにより、先端稜線部(62c)が露出したとしても、エアー面(62b)側の表面層(623b)によって先端稜線部(62c)の運動が阻害されることはなく、ビビリの発生が抑制できる。
また、弾性体ブレード(622)の先端稜線部(62c)は、スプレー塗工、ディップ塗工などによって、イソシアネート材料、フッ素材料、シリコーン材料から選ばれる少なくとも1種を含浸させる低摩擦処理を施す方が望ましい。経時摩耗によって露出した弾性体ブレード(622)の先端稜線部(62c)と感光体(3)との摩擦力を弱めることができ、露出した部分が、感光体表面移動方向に変形するのを抑制することができる。その結果、ビビリ音が生じるのを抑制することができる。また、露出部分のめくれを抑制することができ、めくれた露出部分の欠落を抑制することができる。また、さらに表面層(623a)(623b)の摩耗が進んで、弾性体ブレード(622)の先端稜線部(62c)の大部分が露出すると、弾性体ブレード(622)は柔軟であるため、先端稜線部(62c)が感光体移動方向に変形しやすく、先端稜線部(62c)がめくれやすい。しかし、先端稜線部(62c)の摩擦係数が低いので、弾性体ブレード(622)の先端稜線部(62c)が感光体移動方向に変形するのを抑制することができる。さらに、弾性体ブレード(622)の先端稜線部(62c)よりも感光体移動方向下流側のまだ摩耗によって消失していない剛直な表面層(623b)が、先端稜線部が感光体移動方向に変形するのを抑制する。このように、経時にわたりクリーニング性能を維持することができる。
次に、本発明者らが行なった検証実験について説明する。
弾性体ブレード(622)の材質、含浸剤の組成、表面層(623a)(623b)の材質をそれぞれ変化させて、耐久試験を行なった。
弾性体ブレード(622)の材質、含浸剤の組成、表面層(623a)(623b)の材質をそれぞれ変化させて、耐久試験を行なった。
[弾性体ブレード]
弾性体ブレード(622)としては、25℃における物性が以下の物性となっている5つのウレタンゴムを用意した。
弾性体ブレード(622)としては、25℃における物性が以下の物性となっている5つのウレタンゴムを用意した。
ウレタンゴム1:硬度70度、反発弾性50%(東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム2:硬度72度、反発弾性31%(東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム3:硬度71度、反発弾性18%(東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム4:硬度77度、反発弾性27%(シンジーテック製)
ウレタンゴム5:硬度70度、反発弾性68%(シンジーテック製)
ウレタンゴム2:硬度72度、反発弾性31%(東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム3:硬度71度、反発弾性18%(東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム4:硬度77度、反発弾性27%(シンジーテック製)
ウレタンゴム5:硬度70度、反発弾性68%(シンジーテック製)
ウレタンゴムの硬度は、島津製作所製デュロメーターを用い、JIS K6253に準じて測定した。試料は厚さ6mm以上となるように約2mmのシートを重ね合わせたものとした。
ウレタンゴムの反発弾性は、東洋精機製作所製No.221レジリエンステスタを用い、JIS K6255に準じて測定した。試料は厚さ4mm以上となるように約2mmのシートを重ね合わせたものとした。
[含浸剤]
含浸剤としては、以下のものを用いた。
含浸剤としては、以下のものを用いた。
(含浸剤1)
・イソシアネート化合物:日本ポリウレタン ミリオネートMT 5部
・2−ブタノン 95部
・イソシアネート化合物:日本ポリウレタン ミリオネートMT 5部
・2−ブタノン 95部
(含浸剤2)
・イソシアネート化合物:日本ポリウレタン MR−100 10部
・フッ素樹脂:日油 モディパーF−600 2部
・2−ブタノン 88部
・イソシアネート化合物:日本ポリウレタン MR−100 10部
・フッ素樹脂:日油 モディパーF−600 2部
・2−ブタノン 88部
(含浸剤3)
・イソシアネート化合物:日本ポリウレタン コロネートL 10部
・シリコーン樹脂:日油 モディパーFS−700 2部
・2−ブタノン 88部
・イソシアネート化合物:日本ポリウレタン コロネートL 10部
・シリコーン樹脂:日油 モディパーFS−700 2部
・2−ブタノン 88部
(含浸剤4)
・イソシアネート化合物:日本ポリウレタン ミリオネートMT 5部
・フッ素樹脂:日油 モディパーF−600 1部
・シリコーン樹脂:日油 モディパーFS−700 1部
・2−ブタノン 93部
・イソシアネート化合物:日本ポリウレタン ミリオネートMT 5部
・フッ素樹脂:日油 モディパーF−600 1部
・シリコーン樹脂:日油 モディパーFS−700 1部
・2−ブタノン 93部
(含浸剤5)
・シリコーン樹脂:日油 モディパーFS−700
・シリコーン樹脂:日油 モディパーFS−700
(含浸剤6)
・イソシアネート化合物:日本ポリウレタン ミリオネートMT 5部
・アクリルシリコーン樹脂:チッソ石油化学 共重合体A1 2部
・2−ブタノン 93部
・イソシアネート化合物:日本ポリウレタン ミリオネートMT 5部
・アクリルシリコーン樹脂:チッソ石油化学 共重合体A1 2部
・2−ブタノン 93部
[表面層]
表面層としては、以下のものを用いた。
表面層としては、以下のものを用いた。
(表面層1)
・アクリレートモノマー:根上工業 UN−904 20部
・重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 1部
・溶媒:2−ブタノン 79部
・モノマーの1官能基あたり分子量:490
・アクリレートモノマー:根上工業 UN−904 20部
・重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 1部
・溶媒:2−ブタノン 79部
・モノマーの1官能基あたり分子量:490
(表面層2)
・アクリレートモノマー:根上工業 UN−904 20部
・重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 1部
・低摩擦係数添加剤:DIC フッ素化合物
(ディフェンサ Exp.TF−3026) 0.5部
・溶媒:2−ブタノン 8.5部
・モノマーの1官能基あたり分子量:490
・アクリレートモノマー:根上工業 UN−904 20部
・重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 1部
・低摩擦係数添加剤:DIC フッ素化合物
(ディフェンサ Exp.TF−3026) 0.5部
・溶媒:2−ブタノン 8.5部
・モノマーの1官能基あたり分子量:490
(表面層3)
・ウレタンアクリレートオリゴマー1:根上工業 UN−904 10部
・ウレタンアクリレートオリゴマー2:根上工業 UN−2700 10部
・重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 1部
・溶媒:2−ブタノン 79部
・モノマーの1官能基あたり分子量:745
・ウレタンアクリレートオリゴマー1:根上工業 UN−904 10部
・ウレタンアクリレートオリゴマー2:根上工業 UN−2700 10部
・重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 1部
・溶媒:2−ブタノン 79部
・モノマーの1官能基あたり分子量:745
(表面層4)
・ウレタンアクリレートオリゴマー1:根上工業 UN−904 2部
・ウレタンアクリレートオリゴマー2:根上工業 UN−2700 18部
・重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 1部
・低摩擦化係数添加剤:日油 モディパーFS−700 1部
・溶媒:2−ブタノン 78部
・モノマーの1官能基あたり分子量:949
・ウレタンアクリレートオリゴマー1:根上工業 UN−904 2部
・ウレタンアクリレートオリゴマー2:根上工業 UN−2700 18部
・重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 1部
・低摩擦化係数添加剤:日油 モディパーFS−700 1部
・溶媒:2−ブタノン 78部
・モノマーの1官能基あたり分子量:949
(表面層5)
・ウレタンアクリレートオリゴマー1:根上工業 UN−904 2部
・ウレタンアクリレートオリゴマー2:根上工業 UN−2600 18部
・重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 1部
・低摩擦化係数添加剤:チッソ石油化学 共重合体A1 2部
・溶媒:2−ブタノン 78部
・モノマーの1官能基あたり分子量:1174
・ウレタンアクリレートオリゴマー1:根上工業 UN−904 2部
・ウレタンアクリレートオリゴマー2:根上工業 UN−2600 18部
・重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 1部
・低摩擦化係数添加剤:チッソ石油化学 共重合体A1 2部
・溶媒:2−ブタノン 78部
・モノマーの1官能基あたり分子量:1174
なお、表面層5の低摩擦化係数添加剤として添加する共重合体A1とは、下記の化1に示す化合物(a−1)及び下記の化1に示す化合物(a−2)が共重合してなり、かつ側鎖にアクリロイル基(下記の化1に示すa−3)を有する共重合体である。 GPC(ゲルパ−ミエーションクロマトグラフィー法)分析より求めた共重合体(A1)の重量平均分子量は37,000(ポリスチレン換算)、分子量分布指数(Mw/Mn)は1.9であった。また、1H−NMR測定により求めた共重合体(A1)中の化合物(a−1)、化合物(a−2)の含有量比(重量比)は、化合物(a−1):化合物(a−2)=1:1.73であった。
次に、検証実験を行なった画像形成装置の構成について説明する。
上記ウレタンゴム1〜5のいずれかを用いて厚さ2mmの短冊形状の弾性体ブレードを作成し、この弾性体ブレードを含浸剤1〜6のいずれかに30秒間浸漬したのち、3分間風乾し、さらにスプレー塗工を行なって上記1〜5いずれかの表面層を形成する。具体的には、各々のウレタンゴムからなる弾性体ブレードに対し、カット面及びエアー面の2方向から塗工を行ない、各面の層厚を制御した。次に3分間指触乾燥後紫外線露光(140[W/cm]×5[m/min]×5パス)を行なった。ただし、ブレード下面はマスキングテープにより先端3mm幅に表面層が形成されるように規制した。
この表面層が形成された弾性体ブレードをリコー製カラー複合機 imagio Neo C455に搭載できる板金ホルダーに接着剤により固定し、試作のクリーニングブレードを作成する。この作成した試作クリーニングブレードをリコー製カラー複合機 imagio Neo C455(図1と同様の構成)に取り付け、実施例1〜12、比較例1〜5の画像形成装置を作成した。なお、クリーニングブレードは、線圧:20g/cm、クリーニング角:79度となるように取り付けた。
検証実験には、重合法により作製したトナーを用いた。なお、トナーの物性は、以下のとおりである。
トナー母体:円形度0.98、平均粒径4.9μm
外添剤 :小粒径シリカ1.5部(クラリアント製H2000)
小粒径酸化チタン0.5部(テイカ製MT−150AI)
大粒径シリカ1.0部(電気化学工業製UFP−30H)
外添剤 :小粒径シリカ1.5部(クラリアント製H2000)
小粒径酸化チタン0.5部(テイカ製MT−150AI)
大粒径シリカ1.0部(電気化学工業製UFP−30H)
検証実験は、評価環境:20℃・65%RH、通紙条件:画像面積率5%チャートを連続通紙で、100,000枚(A4横)で行なった。そして、以下の項目を評価した。
[評価項目]
クリーニング不良発生:有無(画像面積比率5%チャート出力目視観察)
ブレードエッジ摩耗幅:ブレード下面側からみた摩耗幅
クリーニング不良発生:有無(画像面積比率5%チャート出力目視観察)
ブレードエッジ摩耗幅:ブレード下面側からみた摩耗幅
以下に実施例1〜16、比較例1〜5のクリーニングブレードの検証実験の結果を示す。
なお、表面層の層厚は、キーエンス製マイクロスコープVHX−100を用い、別途同様に塗工した弾性体ブレードの断面により測定した。試料は日進EM製SEM試料作製用トリミングカミソリを用い断面を切断したものとした。
なお、表面層の層厚は、キーエンス製マイクロスコープVHX−100を用い、別途同様に塗工した弾性体ブレードの断面により測定した。試料は日進EM製SEM試料作製用トリミングカミソリを用い断面を切断したものとした。
上記表1は、実施例1〜16、比較例1〜5の検証実験の結果をまとめたものである。先端稜線部に、低摩擦化処理も硬質表面層も設けていない比較例1においてはカット面のえぐれ、スジ状クリーニング不良発生が確認された。また、先端稜線部に低摩擦化処理を施しても硬質表面層は設けない比較例2においては、カット面のえぐれ、スジ状クリーニング不良発生が確認された。また、硬質表面層を設けても先端稜線部に低摩擦化処理を施していない比較例3においては、帯状クリーニング不良が発生しており、また不快なビビリ音が確認された。また、クリーニングブレードの先端稜線部を観察したところ、欠けが確認された。これは、経時使用で表面層が磨耗してなくなり、弾性ブレードの先端稜線部が露出したとき、この露出した部分の摩擦係数が1.2と高いため、この露出した部分が感光体移動方向に微小変形して、微小振動した結果、不快なビビリ音が生じたと考えられる。また、弾性ブレードの露出部分がめくれ、このめくれた露出部分が欠落してしまい、クリーニングブレードの先端稜線部に欠けが確認されたと考えられる。このような欠けが生じたため帯状のクリーニング不良が生じたと考えられる。
一方、実施例1〜16においては、検証実験終了後のクリーニングブレードを確認したところ、先端稜線部の表面層が磨耗でなくなり、弾性ブレードの先端稜線部が露出していた。このように、実施例1〜16においても、弾性ブレードの低摩擦化処理した先端稜線部が感光体と当接していたにもかかわらず、先端面のえぐれ摩耗や帯状・すじ状のクリーニング不良が確認されなかった。これは、実施例1〜16においては、弾性体ブレードの先端稜線部の露出部より感光体移動方向下流側の表面層が、露出した弾性体ブレードの先端稜線部が感光体移動方向に変形するのを抑制しているため、クリーニングブレードの先端面にえぐれ磨耗が生じなかったと考えられる。
また、比較例1に示すように、低摩擦化処理した先端稜線部を70μmより厚い表面層で被覆すると、摩耗幅が大きくなるばかりでなく、不快なビビリ音が生じてしまった。この理由は、表面層を70μmより厚くすると、弾性ブレードよりも表面層の影響が強くなり、クリーニングブレードが剛直になってしまう。その結果、先端稜線部がほとんど変形しなくなり、先端稜線部が微小振動して不快なビビリ音を出す原因となったと考えられる。また、先端稜線部がほとんど変形しなくなった結果、クリーニングブレードが絶えず感光体と摺擦し、磨耗幅が異常に多くなったと考えられる。
一方、実施例1〜16においては、不快なビビリ音の発生がなく、先端面のえぐれ磨耗も生じず、経時にわたり良好なクリーニング性を維持することができた。
また、実施例1〜16について、検証実験後のクリーニングブレードの表面層を観察したところ、細かい割れが発生していたが、クリーニング不良などの異常画像発生につながる事象は、確認されなかった。この理由については定かではないが、本検証実験を行なった。画像形成装置には、潤滑剤塗布装置を備えており、潤滑剤塗布装置で感光体表面に潤滑剤を塗布していることが影響していると思われる。
本実施形態においては、いわゆるモノクロの画像形成装置の例であるが、カラーの画像形成装置であってもよい。以下、カラー画像形成装置に本実施形態の特徴点を適用した場合の具体例を説明する。
図5は、いわゆるタンデム型のフルカラー画像形成装置であるプリンタに本発明を適用した例を示す図である。図5において、符号(3C、3M、3Y、3K)はドラム状の感光体であり、この感光体(3C、3M、3Y、3K)は図中の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯電装置(4C、4M、4Y、4K)、現像装置(5C、5M、5Y、5K)、クリーニング装置(6C、6M、6Y、6K)が配置されている。
この帯電装置(4C、4M、4Y、4K)と現像装置(5C、5M、5Y、5K)の間の感光体裏面側より、図示しない露光装置からのレーザー光(LC、LM、LY、LK)が照射され、感光体(3C、3M、3Y、3K)に静電潜像が形成されるようになっている。そして、このような感光体(3C、3M、3Y、3K)を中心とした4つのプロセスカートリッジ(1C、1M、1Y、1K)が、転写材搬送手段である転写搬送ベルト(14)に沿って並置されている。
転写搬送ベルト(14)は各プロセスカートリッジ(1C、1M、1Y、1K)の現像装置(5C、5M、5Y、5K)とクリーニング装置(6C、6M、6Y、6K)の間で感光体(3C、3M、3Y、3K)に当接しており、転写搬送ベルト(14)の感光体側の裏側に当たる面(裏面)には転写バイアスを印加するための転写ブラシ(7C、7M、7Y、7K)が配置されている。
各プロセスカートリッジ(1C、1M、1Y、1K)は現像装置内部のトナーの色が異なることであり、その他は全て同様の構成となっている。
各プロセスカートリッジ(1C、1M、1Y、1K)は現像装置内部のトナーの色が異なることであり、その他は全て同様の構成となっている。
図5に示す構成のカラー電子写真画像形成装置において、画像形成動作は次のようにして行なわれる。まず、各プロセスカートリッジ(1C、1M、1Y、1K)において、感光体(3C、3M、3Y、3K)が矢印方向(感光体と連れ周り方向)に回転する帯電装置(4C、4M、4Y、4K)により帯電され、次に感光体の内側に配置された露光装置(図示しない)でレーザー光(LC、LM、LY、LK)により、作成する各色の画像に対応した静電潜像が形成される。
次に現像装置(5C、5M、5Y、5K)により潜像を現像してトナー像が形成される。現像装置(5C、5M、5Y、5K)は、それぞれC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のトナーで現像を行なう現像装置で、4つの感光体(3C、3M、3Y、3K)上で作られた各色のトナー像は転写紙上で重ねられる。
転写紙(P)は、給紙コロ(15)によりトレイから送り出され、上レジストローラ(12)と下レジストローラ(13)で一旦停止し、上記感光体上への画像形成とタイミングを合わせて転写搬送ベルト(14)に送られる。転写搬送ベルト(14)上に保持された転写紙(P)は搬送されて、各感光体(3C、3M、3Y、3K)との当接位置(転写部)で各色トナー像の転写が行なわれる。
感光体上のトナー像は、転写ブラシ(7C、7M、7Y、7K)に印加された転写バイアスと感光体(3C、3M、3Y、3K)との電位差から形成される電界により、転写紙(P)上に転写される。そして4つの転写部を通過して4色のトナー像が重ねられた記録紙(P)は定着装置(16)に搬送され、トナーが定着されて、図示しない排紙部に排紙される。また、転写部で転写されずに各感光体(3C、3M、3Y、3K)上に残った残留トナーは、クリーニング装置(6C、6M、6Y、6K)で回収される。なお、図5の例では画像形成要素は、転写紙搬送方向上流側から下流側に向けて、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の色の順で並んでいるが、この順番に限るものではなく、色順は任意に設定されるものである。
また、図5において帯電装置は感光体と当接しているが、両者の間に適当なギャップ(10〜200μm程度)を設けることにより、両者の摩耗量が低減できると共に、帯電部材へのトナーフィルミングが、少なくて済み良好に使用できる。
また、各プロセスカートリッジ(1C、1M、1Y、1K)のクリーニング装置(6C、6M、6Y、6K)は、表面が低摩擦処理された弾性体ブレードと、弾性体ブレードのカット面側に層厚3〜15μm、エアー面側に層厚0〜1μmの弾性体ブレードよりも硬い紫外線硬化樹脂からなる表面層で、構成されたクリーニングブレードを備えている。
このカラー電子写真画像形成装置は、上述のようなクリーニングブレード有しているので、重合トナーをクリーニングできるようクリーニングブレードの線圧を上げても、クリーニングブレードの先端稜線部にめくれが生じることがなく、良好なクリーニング性を経時にわたり維持することができる。
1:プロセスカートリッジ
2:枠体
3:感光体
4:帯電チャージャ
5:現像装置
6:クリーニング装置
7:転写装置
8:分離爪
9:クリーニング前チャージャ
10:潤滑剤塗布装置
11:除電ランプ
12:上レジストローラ
13:下レジストローラ
14:転写搬送ベルト
15:給紙コロ
16:定着装置
51:現像ローラ
52:供給スクリュ
53:攪拌スクリュ
54:ドクタ
62:クリーニングブレード
62a:先端面
62b:下面
62c:先端稜線部
71:転写前チャージャ
72:転写チャージャ
73:分離チャージャ
101:塗布ブラシ
103:固形潤滑剤
104:潤滑剤加圧スプリング
621:ホルダー
622:弾性体ブレード
623a、623b:表面層
1C、1M、1Y、1K:感光体(3C、3M、3Y、3K)を中心とした4つのプロセスカートリッジ
3C、3M、3Y、3K:ドラム状の感光体
4C、4M、4Y、4K:帯電装置
5C、5M、5Y、5K:現像装置
6C、6M、6Y、6K:クリーニング装置
7C、7M、7Y、7K:転写ブラシ
LC、LM、LY、LK:レーザー光
L:光
P:転写紙・記録紙
X:空隙
2:枠体
3:感光体
4:帯電チャージャ
5:現像装置
6:クリーニング装置
7:転写装置
8:分離爪
9:クリーニング前チャージャ
10:潤滑剤塗布装置
11:除電ランプ
12:上レジストローラ
13:下レジストローラ
14:転写搬送ベルト
15:給紙コロ
16:定着装置
51:現像ローラ
52:供給スクリュ
53:攪拌スクリュ
54:ドクタ
62:クリーニングブレード
62a:先端面
62b:下面
62c:先端稜線部
71:転写前チャージャ
72:転写チャージャ
73:分離チャージャ
101:塗布ブラシ
103:固形潤滑剤
104:潤滑剤加圧スプリング
621:ホルダー
622:弾性体ブレード
623a、623b:表面層
1C、1M、1Y、1K:感光体(3C、3M、3Y、3K)を中心とした4つのプロセスカートリッジ
3C、3M、3Y、3K:ドラム状の感光体
4C、4M、4Y、4K:帯電装置
5C、5M、5Y、5K:現像装置
6C、6M、6Y、6K:クリーニング装置
7C、7M、7Y、7K:転写ブラシ
LC、LM、LY、LK:レーザー光
L:光
P:転写紙・記録紙
X:空隙
Claims (5)
- 被清掃部材の表面に当接して、該被清掃部材表面から粉体をクリーニングするクリーニングブレードにおいて、表面が低摩擦処理された弾性体ブレードと、前記弾性体ブレードの先端カット面側に層厚3〜15(μm)の前記弾性体ブレードよりも硬い紫外線硬化樹脂からなる表面層を具備し、かつエアー面側に層厚0〜1(μm)の、前記弾性体ブレードよりも硬い紫外線硬化樹脂からなる表面層を具備していることを特徴とするクリーニングブレード。
- 前記低摩擦処理が、前記弾性体ブレードの先端稜線部に、イソシアネート材料、フッ素含有材料、シリコーン材料から選ばれる少なくとも1種を含浸させる処理であることを特徴とする請求項1に記載のクリーニングブレード。
- 前記弾性体クリーニングブレードは、ウレタン基を含むゴムであることを特徴とする請求項1又は2に記載のクリーニングブレード。
- 像担持体と、前記像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記像担持体表面に形成された前記静電潜像を現像してトナー像化する現像手段と、前記像担持体表面のトナー像を転写体に転写する転写手段と、前記像担持体表面に当接して、前記像担持体表面に付着した転写残トナーをクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段とを備えた画像形成装置において、前記クリーニングブレードとして、請求項1乃至3のいずれかに記載のクリーニングブレードを用いたことを特徴とする画像形成装置。
- 像担持体と少なくとも前記像担持体表面に付着した転写残トナーをクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、前記クリーニングブレードとして、請求項1乃至3のいずれかに記載のクリーニングブレードを用いたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009038906A JP2010197431A (ja) | 2009-02-23 | 2009-02-23 | 画像形成装置用クリーニングブレード及びプロセスカートリッジ |
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JP2009038906A JP2010197431A (ja) | 2009-02-23 | 2009-02-23 | 画像形成装置用クリーニングブレード及びプロセスカートリッジ |
Publications (1)
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JP2010197431A true JP2010197431A (ja) | 2010-09-09 |
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ID=42822243
Family Applications (1)
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JP2009038906A Pending JP2010197431A (ja) | 2009-02-23 | 2009-02-23 | 画像形成装置用クリーニングブレード及びプロセスカートリッジ |
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JP (1) | JP2010197431A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012047961A (ja) * | 2010-08-26 | 2012-03-08 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置、その製造方法及びプロセスカートリッジ |
JP2014178440A (ja) * | 2013-03-14 | 2014-09-25 | Ricoh Co Ltd | クリーニングブレード、画像形成装置及びプロセスカートリッジ |
-
2009
- 2009-02-23 JP JP2009038906A patent/JP2010197431A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012047961A (ja) * | 2010-08-26 | 2012-03-08 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置、その製造方法及びプロセスカートリッジ |
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