JP2014059429A - クリーニングブレード、画像形成装置およびプロセスカートリッジ - Google Patents

クリーニングブレード、画像形成装置およびプロセスカートリッジ Download PDF

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昇平 合田
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政信 権藤
Yuka Aoyama
由佳 青山
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伸二 納所
Yasuyuki Yamashita
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Abstract

【課題】特許文献1に記載のクリーニングブレードよりもさらなる耐磨耗性の向上を狙いつつ、クリーニング不良を抑制することができるクリーニングブレード、画像形成装置およびプロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】先端稜線部62aがフッ素系アクリルモノマーを含む紫外線硬化樹脂により含浸処理した短冊形状の弾性ブレード622の少なくとも先端稜線付近に弾性ブレード622よりも硬い表面層623で覆ったクリーニングブレードにおいて、弾性ブレード622の被清掃体当接側端面における先端稜線から100[μm]の個所での含浸深さを10[μm]以上100[μm]以下、弾性ブレード622の被清掃部材表面に対向する面における先端稜線から100[μm]の個所での含浸深さを5[μm]以上30[μm]以下、上記表面層厚さを0.2[μm]以上1[μm]以下にした。
【選択図】図4

Description

本発明は、クリーニングブレード、画像形成装置およびプロセスカートリッジに関するものである。
従来、電子写真式の画像形成装置では、感光体などの像担持体について、転写紙や中間転写体へトナー像を転写した後の表面に付着した不必要な転写残トナーはクリーニング手段たるクリーニング装置によって除去している。
このクリーニング装置のクリーニング部材として、一般的に構成を簡単にでき、クリーニング性能も優れていることから、短冊形状のクリーニングブレードを用いたものがよく知られている。このクリーニングブレードは、ポリウレタンゴムなどの弾性体で構成されている。そして、クリーニングブレードの基端を支持部材で支持して先端稜線部を像担持体の周面に押し当て、像担持体上に残留するトナーをせき止めて掻き落とし除去する。
また、近年の高画質化の要求に応えるべく、重合法等により形成された小粒径で球形に近いトナー(以下、重合トナー)を用いた画像形成装置が知られている。この重合トナーは、従来の粉砕トナーに比べて転写効率が高いなどの特徴があり、上記要求に応えることが可能である。しかし、重合トナーは、クリーニングブレードを用いて像担持体表面から除去しようとしても十分に除去することが困難であり、クリーニング不良が発生してしまうという問題を有している。これは、小粒径で且つ球形度に優れた重合トナーが、ブレードと像担持体との間に形成される僅かな隙間をすり抜けるからである。
かかるすり抜けを抑えるには、像担持体とクリーニングブレードとの当接圧力を高めてクリーニング能力を高める必要がある。しかし、特許文献1に記載されるように、次のような不具合を生じることが知られている。
クリーニングブレードの当接圧を高めると、図7(a)に示すように、像担持体123とクリーニングブレード62との摩擦力が高まり、クリーニングブレード62が像担持体123の移動方向に引っ張られて、クリーニングブレード62の先端稜線部62cがめくれてしまう。このめくれたクリーニングブレード62が、そのめくれに抗して原形状態に復元する際に異音が発生することがある。さらに、クリーニングブレード62の先端稜線部62cがめくれた状態でクリーニングをし続けると、図7(b)に示すように、クリーニングブレード62のブレード先端面62aの先端稜線部62cから数[μm]離れた箇所に局所的な摩耗が生じてしまう。このような状態で、さらにクリーニングを続けると、この局所的な摩耗が大きくなり、最終的には、図7(c)に示すように、先端稜線部62cが欠落してしまう。先端稜線部62cが欠落してしまうと、トナーを正常にクリーニングできなくなり、クリーニング不良を生じてしまう。
上記不具合を解決するために、上記特許文献1では、少なくとも先端稜線部をイソシアネート化合物、フッ素化合物、及び、シリコーン化合物から選ばれる少なくとも1種が含浸処理された弾性体ブレードと、この弾性体ブレードの先端稜線部を覆う弾性体ブレードよりも硬い紫外線硬化樹脂からなる表面層とで構成された新規のクリーニングブレードを提案している。
特許文献1で提案された新規のクリーニングブレードは、弾性体ブレードよりも固い表面層を設けて先端稜線部の硬度を高くすることにより、先端稜線部を像担持体の表面移動方向に変形するのを抑制できる。また、弾性体ブレードの先端稜線部を含浸処理することで、弾性ブレードの先端稜線部の摩擦係数を下げることができる。これにより、経時使用で表面層が摩耗して弾性体ブレードの先端稜線部が露出した場合も、弾性体ブレードの含浸部分が像担持体表面に当接することにより、弾性体ブレードの像担持体との当接部分の挙動を適度に抑えることができる。その結果、異常磨耗や異音の発生を経時で抑えることができ、経時におけるクリーニング不良を抑制することができる。
本出願人は、さらなる鋭意研究を重ね、フッ素系アクリルモノマーを含む紫外線硬化樹脂で少なくとも先端稜線部を含浸することで、弾性ブレードの先端稜線部の摩擦低減効果が狙えることを突き止めた。これにより、クリーニングブレードのさらなる耐磨耗性の向上が期待できる。フッ素系アクリルモノマーを含む紫外線硬化樹脂で少なくとも先端稜線部を含浸した弾性体ブレードと、弾性ブレードの先端稜線を覆う弾性体ブレードよりも硬い表面層とで構成されたクリーニングブレードにおいて、含浸処理の範囲や表面層の厚さなどを種々変更して鋭意実験を行ったところ、良好なクリーニング性が得られる範囲が判明した。
本発明は以上の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、特許文献1に記載のクリーニングブレードよりもさらなる耐磨耗性の向上を狙いつつ、クリーニング不良を抑制することができるクリーニングブレード、画像形成装置およびプロセスカートリッジを提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、先端稜線部が含浸処理された短冊形状の弾性ブレードの少なくとも先端稜線付近を弾性ブレードよりも硬い表面層で覆い、該弾性ブレードの先端稜線部を表面移動する被清掃部材の表面に当接して、該被清掃部材表面から粉体を除去するクリーニングブレードにおいて、上記含浸処理を、フッ素系アクリルモノマーを含む紫外線硬化樹脂で行ったものであり、上記弾性ブレードの上記被清掃体当接側端面における先端稜線から100[μm]の個所での含浸深さを10[μm]以上100[μm]以下、上記弾性ブレードの被清掃部材表面に対向する面における先端稜線から100[μm]の個所での含浸深さを5[μm]以上30[μm]以下、上記表面層厚さを0.2[μm]以上1[μm]以下にしたことを特徴とするものである。
本発明によれば、弾性ブレードの上記被清掃体当接側端面における先端稜線から100[μm]の個所での含浸深さを10[μm]以上100[μm]以下、弾性ブレードの被清掃部材表面に対向する面における先端稜線から100[μm]の個所での含浸深さを5[μm]以上30[μm]以下、表面層厚さを0.2[μm]以上1[μm]以下にすることで、後述する検証実験で示すように、経時使用において良好なクリーニング性を得ることができた。
本発明の実施形態に係るプリンタの概略構成図。 (a)及び(b)は、トナーの円形度の測定方法を説明するための説明図。 クリーニングブレードの全体斜視図。 クリーニングブレードの拡大断面図、(a)は、クリーニングブレードが感光体表面に当接している状態の説明図、(b)は、クリーニングブレードの先端稜線部近傍の拡大説明図。 弾性ブレードの含浸深さおよび表面層の厚さの測定箇所を示した模式図。 弾性ブレードの摩耗幅の測定箇所を示した模式図。 (a)は、クリーニングブレード先端稜線部がめくれた状態を示す図、(b)は、クリーニングブレードの先端面の局所的な摩耗について説明する図、(c)は、クリーニングブレードの先端稜線部が欠落した状態を示す図。
以下、本発明を画像形成装置である電子写真プリンタ(以下、単にプリンタという)に適用した実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタの要部を示す概略構成図である。プリンタは、単一色の複写を行うものであり、図示しない画像読み取り部で読み取った画像データに基づいてモノクロ画像形成を行う。
図1に示すように、プリンタは、像担持体としてのドラム状の感光体3を備えている。感光体3はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
感光体3の周囲には帯電手段としての帯電装置4、潜像をトナー像化する現像手段である現像装置5、トナー像を記録媒体としての転写紙に転写する転写手段としての転写装置7、転写後の感光体3上に残留するトナーをクリーニングするクリーニング手段としてのクリーニング装置6、感光体3を除電する除電ランプ(不図示)等が配置されている。また、感光体3上に滑剤を塗布する滑剤塗布手段として潤滑剤塗布装置10が配置されている。
帯電装置4は、感光体3に所定の距離を持って非接触で配置され、感光体3を所定の極性、所定の電位に帯電するものである。帯電装置4によって一様帯電された感光体3は、図示しない潜像形成手段たる露光装置から画像データに基づいて光Lが照射され静電潜像が形成される。
現像装置5は、現像剤担持体としての現像ローラ51を有している。この現像ローラ51には、図示しない電源から現像バイアスが印加されるようになっている。現像装置5のケーシング内には、ケーシング内に収容された現像剤を互いに逆方向に搬送しながら攪拌する供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53が設けられている。また、現像ローラ51に担持された現像剤を規制するためのドクタ54も設けられている。供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53の2本スクリュによって撹拌・搬送された現像剤中のトナーは、所定の極性に帯電される。そして、現像剤は、現像ローラ51に汲み上げられ、汲み上げられた現像剤は、ドクタ54により規制され、感光体3と対向する現像領域でトナーが感光体3上の潜像に付着する。
クリーニング装置6は、ファーブラシ101、クリーニングブレード62などを有している。クリーニングブレード62は、感光体3の表面移動方向に対してカウンタ方向で感光体3に当接している。なお、クリーニングブレード62の詳細については後述する。
潤滑剤塗布装置10は、固形潤滑剤103、潤滑剤加圧スプリング(不図示)等を備え、固形潤滑剤103を感光体3上に塗布する塗布ブラシとしてファーブラシ101を用いている。固形潤滑剤103は、図示しないブラケットに保持され、潤滑剤加圧スプリング(不図示)によりファーブラシ101側に加圧されている。そして、感光体3の回転方向に対して連れまわり方向に回転するファーブラシ101により固形潤滑剤103が削られて感光体3上に潤滑剤が塗布される。感光体への潤滑剤塗布により感光体表面の摩擦係数が非画像形成時に0.2以下に維持される。
帯電装置4には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)を始めとする公知の手段が用いられる。
これらの帯電方式のうち、特に接触帯電方式、あるいは非接触の近接配置方式がより望ましく、帯電効率が高くオゾン発生量が少ない、装置の小型化が可能である等のメリットを有する。
また、図示しない露光装置、除電ランプ等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザーは照射エネルギーが高く、また600〜800[nm]の長波長光を有するため、良好に使用される。
次に、プリンタにおける画像形成動作を説明する。
図示しない操作部などからプリント実行の信号を受信したら、帯電装置4、現像ローラ51にそれぞれ所定の電圧または電流が順次所定のタイミングで印加される。同様に、露光装置及び除電ランプなどにもそれぞれ所定の電圧又は電流が順次所定のタイミングで印加される。また、これと同期して、駆動手段としての感光体駆動モータ(不図示)により感光体3が図中矢印方向に回転駆動される。
感光体3が図中矢印方向に回転すると、まず感光体表面が、帯電装置4によって所定の電位に帯電される。そして、図示しない露光装置から画像信号に対応した光Lが感光体3上に照射され、光Lが照射された部分の感光体3上が除電され静電潜像が形成される。
静電潜像の形成された感光体3は、現像装置5との対向部で現像ローラ51上に形成された現像剤の磁気ブラシで感光体3表面を摺擦される。このとき、現像ローラ51上の負帯電トナーは、現像ローラ51に印加された所定の現像バイアスによって、静電潜像側に移動し、トナー像化(現像)される。このように、本実施形態では、感光体3上に形成された静電潜像は、現像装置5によって、負極性に帯電されたトナーにより反転現像される。本実施形態では、N/P(ネガポジ:電位が低い所にトナーが付着する)の非接触帯電ローラ方式を用いた例について説明したが、これに限るものではない。
感光体3上に形成されたトナー像は、図示しない給紙部から上レジストローラと下レジストローラとの対向部を経て、感光体3と転写装置7との間に形成される転写領域に給紙される転写紙に転写される。このとき、転写紙は上レジストローラと下レジストローラとの対向部で画像先端と同期を取り供給される。また、転写紙への転写時には、所定の転写バイアスが印加される。トナー像が転写された転写紙は感光体3から分離され、図示しない定着手段としての定着装置へ搬送される。そして、定着装置を通過する事により、熱と圧力の作用でトナー像が転写紙上に定着されて、転写紙は機外に排出される。
一方、転写後の感光体3の表面は、クリーニング装置6で転写後の残留トナーが除去され、除電ランプで除電される。
また、本プリンタにおいては、感光体3と、プロセス手段として帯電装置4、現像装置5、クリーニング装置6などが枠体2に収められており、プロセスカートリッジ1として装置本体から一体的に着脱可能となっている。なお、本実施形態では、プロセスカートリッジ1としての感光体3とプロセス手段とを一体的に交換するようになっているが、感光体3、帯電装置4、現像装置5、クリーニング装置6のような単位で新しいものと交換するような構成でもよい。
次に、本プリンタに好適なトナーについて説明する。
本プリンタに用いるトナーとしては、画質向上のために、高円形化、小粒径化がし易い懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法により製造された重合トナーを用いるのが好ましい。特に、円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5[μm]以下の重合トナーを用いるのが好ましい。平均円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5[μm]のものを用いることにより、より高解像度の画像を形成することができる。
ここでいう「円形度」は、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子株式会社製、商品名)により計測した平均円形度である。具体的には、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150[ml]中に、分散剤として界面活性剤好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜0.5[ml]加え、更に測定試料(トナー)を0.1〜0.5[g]程度加える。その後、このトナーが分散した懸濁液を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理し、分散液濃度が3000〜1[万個/μl]となるようにしたものを上述の分析装置にセットして、トナーの形状及び分布を測定する。そして、この測定結果に基づき、図2(a)に示す実際のトナー投影形状の外周長をC1、その投影面積をSとし、この投影面積Sと同じ図2(b)に示す真円の外周長をC2としたときのC2/C1を求め、その平均値を円形度とした。
体積平均粒径については、コールターカウンター法によって求めることが可能である。具体的には、コールターマルチサイザー2e型(コールター社製)によって測定したトナーの個数分布や体積分布のデータを、インターフェイス(日科機社製)を介してパーソナルコンピューターに送って解析するのである。より詳しくは、1級塩化ナトリウムを用いた1%NaCl水溶液を電解液として用意する。そして、この電解水溶液100〜150[ml]中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5[ml]加える。更に、これに被検試料としてのトナーを2〜20[mg]加え、超音波分散器で約1〜3分間分散処理する。そして、別のビーカーに電解水溶液100〜200[ml]を入れ、その中に分散処理後の溶液を所定濃度になるように加えて、上記コールターマルチサイザー2e型にかける。アパーチャーとしては、100[μm]のものを用い、50,000個のトナー粒子の粒径を測定する。チャンネルとしては、2.00〜2.52[μm]未満;2.52〜3.17[μm]未満;3.17〜4.00[μm]未満;4.00〜5.04[μm]未満;5.04〜6.35[μm]未満;6.35〜8.00[μm]未満;8.00〜10.08[μm]未満;10.08〜12.70[μm]未満;12.70〜16.00[μm]未満;16.00〜20.20[μm]未満;20.20〜25.40[μm]未満;25.40〜32.00[μm]未満;32.00〜40.30[μm]未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00[μm]以上32.0[μm]以下のトナー粒子を対象とする。そして、「体積平均粒径=ΣXfV/ΣfV」という関係式に基づいて、体積平均粒径を算出する。但し、Xは各チャンネルにおける代表径、Vは各チャンネルの代表径における相当体積、fは各チャンネルにおける粒子個数である。
このような重合トナーにおいては、上述したように、粉砕トナーを感光体3表面から除去するときと同じようにしてクリーニングブレード62で除去しようとしても、その重合トナーを感光体3表面から十分に除去しきれず、クリーニング不良が発生する。そこで、クリーニングブレード62の感光体3への当接圧を高めて、クリーニング性をアップしようとすると、クリーニングブレード62が早期に摩耗してしまうという問題があった。また、クリーニングブレード62と感光体3との摩擦力が高まって、クリーニングブレード62の感光体3と当接している先端稜線部が感光体3の移動方向に引っ張られて、先端稜線部がめくれてしまう。クリーニングブレード62の先端稜線部がめくれると、異音や振動、先端稜線部の欠落などの様々な問題が生じてしまう。
図3は、クリーニングブレード62の斜視図であり、図4は、クリーニングブレード62の拡大断面図である。図4(a)は、クリーニングブレード62が感光体3の表面に当接している状態の説明図であり、図4(b)は、クリーニングブレード62の先端稜線部62c近傍の拡大説明図である。
クリーニングブレード62は、金属や硬質プラスチックなどの剛性材料からなる短冊形状のホルダー621と、短冊形状の弾性体ブレード622とで構成されている。
弾性ブレード622は、ホルダー621の一端側に接着剤などにより固定されており、ホルダー621の他端側は、クリーニング装置6のケースに片持ち支持されている。
弾性ブレード622としては、感光体3の偏心や感光体表面の微小なうねりなどに追随できるように、高い反発弾性体率を有するものが好ましく、ウレタン基を含むゴムであるウレタンゴムなどが好適である。
また、弾性体ブレード622の硬度としては、25℃における硬度が68〜80度(JIS A)のウレタンゴムが良い。ウレタンゴムの硬度が80度を超えると、柔軟性に乏しくなり、例えば、ホルダー621が微小に傾いて取り付けるなどしたときに、クリーニングブレード62の軸方向一端側と他端側とで当接圧が異なる所謂偏当りしやすくなり、軸方向で均一な当接圧が得にくくなる。その結果、クリーニング性が低下するおそれがある。一方、硬度が68度未満の場合は、重合トナーでもクリーニングできるよう当接圧を高く設定したときに、クリーニングブレード62が反ってしまって、クリーニングブレード62の先端稜線部62cが浮きあがって、クリーニングブレード62のブレード下面62bが感光体3と当接する所謂腹当たり現象が生じてしまう。腹当たり現象が生じると、クリーニングブレード62と感光体表面との当接面積が急激に増大するため、クリーニングブレード62を大きな力で押しつけても逆に当接圧は小さくなり、クリーニング性が低下してしまう。特に本発明のブレード先端面に表面層を有する構成では上記の現象が顕著に生じるため、上記の範囲にあることが必要となる。
弾性体ブレードは、2種の異なる材質を積層した、2層構成のタイプも利用することができる。この場合もウレタンゴムの硬度は上記範囲が好ましいが、当接側と反当接側で適宜適切な材質を選択することができる。
図4に示すように、弾性ブレード622の先端稜線部には、フッ素系アクリルモノマーを含む紫外線硬化樹脂が含浸された含浸部分62dが形成されている。弾性ブレード622の先端稜線部への含浸処理は、スプレー塗工や浸漬塗工によって、フッ素系アクリルモノマーを含む紫外線硬化樹脂を含浸させることで可能である。これにより、当接する弾性ブレード622の先端稜線部62cが感光体3表面移動方向に変形するのを抑制することができる。さらに、経時表面層摩耗によって内部が露出したときも内部への含浸作用により、同様に変形を抑制することができる。
表面層623は、弾性ブレード622にフッ素系アクリルモノマーを含む紫外線硬化樹脂を含浸させて所定時間風乾させた後に、スプレー塗工や浸漬塗工によって、クリーニングブレード62の先端稜線部62cを被覆する。紫外線硬化樹脂モノマーを含浸させた後、または、表面層623による被覆を行った後に、紫外線を照射することで、図1に示す含浸部分62dを形成し、先端稜線部62cの硬度上昇を図る改質効果を生じさせることができる。フッ素アクリルモノマーを弾性ブレード622に含浸させることで、弾性ブレード622の先端稜線部62c近傍の低摩擦化を図ることができる。経時使用で表面層623が摩耗すると、弾性体ブレード622の先端稜線部が露出して、この弾性体ブレード622の先端稜線部の露出部が感光体表面と当接しととき、弾性体ブレード622の先端稜線部と感光体3との摩擦力を弱めることができる。さらに、弾性ブレード622の露出した部分が、感光体表面移動方向に変形するのを抑制することができる。その結果、ビビリ音が生じるのを抑制することができる。また、露出部分のめくれを抑制することができ、めくれた露出部分の欠落を抑制することができる。また、弾性体ブレード622の先端稜線部がフッ素アクリルモノマーの含浸により低摩擦化するので、露出部分が感光体3によって削られにくく、クリーニングブレード62の耐摩耗性を向上させることができる。
フッ素アクリルモノマーうち、特にパーフルオロポリエーテル骨格を持ち、官能基2以上のアクリレートが好ましい。パーフルオロポリエーテル骨格を持ち、官能基2以上のアクリレートとしては、ダイキン社製:OPTOOL DAC-HP、DIC社製:RS−75などが挙げられる。
また、本実施形態では、紫外線硬化樹脂を含浸させて紫外線を照射することで、耐久性の向上を図ることができる。これは以下の理由によるものと考えられる。
まず考えられるのは、ゴム内部に紫外線硬化樹脂の網目鎖が形成されることで、ゴム自体の架橋密度が擬似的に増加し、耐摩耗性が向上している可能性である。この場合、紫外線硬化樹脂とウレタンゴムが化学的にほとんど結合しないであろう点がポイントである。ウレタンゴムと化学的に反応するのを抑制することで、架橋密度が上がりすぎてしまい、ゴムというよりガラスに近い状態となるのを抑制することができる。これにより、先端稜線部62cの動きが抑制されず、耐摩耗性が向上すると考えられる。
表面層623は、スプレー塗工、ディップ塗工によってクリーニングブレード62の先端稜線部62cを皮膜する。表面層623としては、弾性体ブレード622よりも硬度の高い部材を皮膜するのが好ましい。弾性体ブレード622よりも硬度が高い部材とすることで、弾性体ブレード622よりも感光体3によって削られにくくなり、弾性体ブレード622を感光体表面に当接させるものに比べて、クリーニングブレード62の耐摩耗性を向上させることができる。また、表面層623は、硬度が硬く剛直なため、変形し難く、クリーニングブレード62の先端稜線部62cのめくれを抑制することができる。
また、表面層623の材質としては、樹脂が好ましく、紫外線硬化樹脂がより好ましい。紫外線硬化樹脂を用いることで、クリーニングブレード62の先端稜線部62cに付着した樹脂に紫外線を照射させるだけで、所望の硬度を有する表面層623を得ることができ、クリーニングブレード62を安価に製造することができる。
上記紫外線硬化樹脂としては、官能基当量分子量350以下、官能基数3〜6のペンタエリスリトール・トリアクリレートを主要骨格とするモノマーを用いることが好ましい。官能基当量分子量が350を越えるか、またはペンタエリスリトール・トリアクリレート骨格以外の材料を用いると、表面層623は脆弱になり過ぎるおそれがある。表面層623が脆弱になると、クリーニングブレード62の先端稜線部62cがめくれて図6(b)のような先端面摩耗を生じてしまい、長期にわたるクリーニング性を保持できなくなる。また表面層623の材料として、上記ペンタエリスリトール・トリアクリレート骨格材料の他、官能基当量分子量100〜1000、官能基数1乃至2のアクリレート材料を適宜混合することが好ましい。これにより表面層623に可撓性を付与することが可能であり、クリーニングブレード62を搭載するマシンの特性に合わせて表面層623の性質をカスタマイズすることが可能となる。よって、特定環境での異音が発生した時などにブレード挙動を微調整するなど、環境特性等を向上させることも可能となる。
また、表面層623を、フッ素系アクリルモノマーを含む紫外線硬化樹脂とし、表面層623と含浸処理する材料とを同一の材料とするのが好ましい。表面層623の材料と含浸処理する材料とを同一の材料とすることで、同一物質同士による接着性向上が期待でき、表面層623のはがれを抑制することができる。
また、表面層623の層厚は、0.2〜1[μm]が好ましい。層厚が、0.2[μm]未満だと、表面層623の剛性が弱くなり、クリーニングブレード62の先端稜線部62cがめくれやすくなってしまう。また、層厚が1[μm]を超えると、トナーのすり抜けが増大してクリーニング不良が発生しやすくなる。これは、スプレー塗工やディップ塗工のように、液体の材料を付着させて表面層623を形成しているため、先端稜線部62cは表面張力の関係で、被膜が形成されにくい。このため、先端稜線部62cから離れるにつれて表面層623の層厚は、増加する。層厚が1[μm]を超えると、先端稜線部62cの層厚と先端稜線部62cから離れた位置における層厚との差が大きくなり、クリーニングブレード62の先端稜線部62cの角度が鈍角化する。先端稜線部62cの角度が鈍角となると、先端稜線部62cを直角とした場合に比べて、先端面62aと感光体3とがなす当接部の上流側の空隙X(図4参照)が狭くなる。そのため、長期に渡るクリーニング動作によって空隙にトナーが堆積したとき、せき止められた空隙X内のトナーに逃げ場がないので、空隙X内のトナーが徐々に感光体3の下流側に押し出され、クリーニング不良が発生する。
表面層623の材料として紫外線硬化樹脂を用いた場合は、ウレタンゴムからなる弾性ブレード622に対してディップ塗工により紫外線硬化樹脂を含浸させ、さらに表面層623を形成する紫外線硬化樹脂をスプレー塗工した後、紫外線照射により樹脂を硬化させる。表面層623を被覆する前に、弾性ブレード622に含浸させた紫外線硬化樹脂に紫外線を照射してもよい。表面層623を形成する前に弾性ブレード622に含浸させた紫外線硬化樹脂に紫外線を照射することで、ウレタンゴムに対して紫外線硬化樹脂の含浸状態を固定し、後から表面層623を形成する紫外線硬化樹脂を塗布しても、含浸状態が変化しないため、所望の含浸状態の弾性ブレード622を作成できる。
上記含浸処理も表面層623も本来のウレタンゴム基材の弾性を変えてしまう。そのため、含浸処理や表面層623によりウレタンゴムゴムの弾性を大きく変えてしまうと、感光体表面の密着性が低下してしまう。このように感光体表面への密着性が低下すると、感光体に形成される粉体量が非常に多い連続的なベタ画像形成時等のクリーニングに対して厳しい条件では、クリーニング不良を生じてしまうことがある。すなわち、表面層623や含浸部分62dにより弾性体ブレード622の弾性を大きく変えて感光体3への密着性が低下してしまうと、感光体3が偏心していたり、感光体表面に微小なうねりがあったりした場合、感光体表面に当接するクリーニングブレード62の長手方向で当接圧が変動し、クリーニングブレード62の先端稜線部62cの感光体表面への追随性が低下してしまう。連続的なベタ画像形成時など、クリーニングブレード62によって、多くのトナーが堰き止められているとき、堰き止められているトナーによるクリーニングブレード62への押圧力が高くなる。そのため、クリーニングブレード62の感光体3に対する当接圧が低い部分では、クリーニングブレード62が当接する力よりも感光体上のトナーによるクリーニングブレード62への押圧力が勝ると、その部分で当接状態が維持できなくなり、クリーニングブレード62をトナーがすり抜けてしまう。その結果、感光体3に形成される粉体量が非常に多い連続的なベタ画像形成時等の厳しい条件では、クリーニング不良が生じてしまうのである。特に、潤滑剤塗布機構を有する画像形成装置においては、帯電ローラによる帯電装置で感光体上に塗布された滑剤が帯電劣化することにより粘性が生じ、副作用としてクリーニングブレードの先端稜線部の感光体表面への追随性を低下させてしまうことにより、同様にクリーニング不良を生じることがある。
このように、感光体への密着性を確保し、先端稜線部62cのめくれを抑制するには、ブレード下面62bは弾性変形しやすく、先端面62aは硬度が硬く剛直なのが好ましい。すなわち、ブレード下面62bの硬度よりも先端面62aの硬度を大きくするのが好ましいのである。このように構成することで、ブレード下面62bを、先端面62aよりも硬度が低く弾性変形しやすくすることで、感光体3への密着性を確保でき、クリーニングブレード62にせき止められたトナーが、すり抜けてクリーニング不良が生じるのを抑制することができる。また、ブレード下面62bよりも硬度が大きい先端面62aにより、先端稜線部62cが感光体3との摩擦力により感光体3の移動方向に移動するのを抑制することができる。これにより、先端稜線部62cがめくれを防止することができる。また、先端稜線部の微小振動(スティックスリップ)による異音の発生も抑制することができる。
また、理由は定かではないが、含浸処理や表面層623により本来のウレタンゴム基材の弾性を変えてしまう結果、ブレード磨耗を増大させる不具合が発生する場合もある。上記のような不具合(感光体表面への密着性が低下によるクリーニング不良、ブレード磨耗の増大)を生じないようにするためには含浸処理と表面層623とを最適な設定にする必要がある。そこで、本出願人は、後述するように弾性ブレード622の材質、表面層623の材質、含浸処理方法、ブレード下面62bにおける表面層623の形成をそれぞれ変化させ様々な観点から検証実験を行い、含浸処理と表面層623との最適な範囲を見出した。以下に具体的に説明する。
[検証実験1]
弾性ブレード622の材質、表面層623の材質、含浸処理の材質、含浸処理方法などをそれぞれ変化させて、耐久試験を行った。
[弾性ブレード]
弾性ブレード622としては、25[℃]における物性が以下の物性となっている7つのウレタンゴムを用意した。
ウレタンゴム1:硬度72度、反発弾性率31[%](東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム2:硬度69度、反発弾性率50[%](東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム3:硬度68度、反発弾性率30[%](東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム4:硬度75度、反発弾性率45[%](東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム5:硬度76度、反発弾性率32[%](シンジーテック製)
ウレタンゴム6:2層構成、当接面側硬度80度、反当接面側硬度75度
反発弾性率25[%](東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム7:2層構成、当接面側硬度66度、反当接面側硬度75度
反発弾性率30[%](バンドー化学製)
ウレタンゴムの硬度は、高分子計器株式会社製マイクロゴム硬度計MD−1を用い、JIS K6253に準じて測定した。2層構成ブレードについては、各面側から測定を行った。
ウレタンゴムの反発弾性は、東洋精機製作所製No.221レジリエンステスタを用い、JIS K6255に準じて測定した。試料は厚さ4[mm]以上となるように約2[mm]のシートを重ね合わせたものとした。
[含浸、表面層材料]
含浸処理や表面層623の形成処理に用いる硬化材料としては、以下の硬化材料1〜9のものを用いた。
<硬化材料1>
紫外線硬化樹脂No.1:ダイセルサイテック PETIA 6部
紫外線硬化樹脂No.4:ダイセルサイテック ODA-N 4部
紫外線硬化樹脂No.9:ダイキン OPTOOL DAC-HP 0.1部
重合開始剤 :チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 0.5部
溶媒 :シクロヘキサノン 89.4部
<硬化材料2>
紫外線硬化樹脂No.1:ダイセルサイテック PETIA 7部
紫外線硬化樹脂No.5:ダイセルサイテック IBOA 3部
紫外線硬化樹脂No.9:ダイキン OPTOOL DAC-HP 0.1部
重合開始剤 :チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 0.5部
溶媒 :シクロヘキサノン 89.4部
<硬化材料3>
紫外線硬化樹脂No.1:ダイセルサイテック PETIA 6部
紫外線硬化樹脂No.6:ダイセルサイテック EBECRYL11 4部
紫外線硬化樹脂No.9:ダイキン OPTOOL DAC-HP 0.1部
重合開始剤 :チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 0.5部
溶媒 :シクロヘキサノン 89.4部
<硬化材料4>
紫外線硬化樹脂No.1:ダイセルサイテック PETIA 10部
紫外線硬化樹脂No.9:ダイキン OPTOOL DAC-HP 0.1部
重合開始剤 :チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 0.5部
溶媒 :シクロヘキサノン 89.4部
<硬化材料5>
紫外線硬化樹脂No.1:ダイセルサイテック PETIA 5部
紫外線硬化樹脂No.7:ダイセルサイテック HDDA 5部
重合開始剤 :チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 0.5部
溶媒 :シクロヘキサノン 89.5部
<硬化材料6>
紫外線硬化樹脂No.2:ダイセル・サイテック DPHA 10部
重合開始剤 :チバスペシャリティーケミカルズ イルガキュア184 1部
溶媒 :シクロヘキサノン 89部
<硬化材料7>
紫外線硬化樹脂No.1:ダイセルサイテック PETIA 6部
紫外線硬化樹脂No.6:ダイセルサイテック EBECRYL11 4部
紫外線硬化樹脂No.10:DIC RS−75 0.1部
重合開始剤 :チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 0.5部
溶媒 :シクロヘキサノン 89.4部
<硬化材料8>
紫外線硬化樹脂No.3:日本化薬 DPCA−120 7部
紫外線硬化樹脂No.5:ダイセルサイテック IBOA 3部
紫外線硬化樹脂No.10:DIC RS−75 0.1部
重合開始剤 :チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 0.5部
溶媒 :シクロヘキサノン 89.4部
<硬化材料9>
紫外線硬化樹脂No.1:ダイセルサイテック PETIA 5部
紫外線硬化樹脂No.8:根上工業 UN2700 5部
紫外線硬化樹脂No.10:DIC RS−75 0.1部
重合開始剤 :チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 0.5部
溶媒 :シクロヘキサノン 89.4部
上記硬化材料に用いる紫外線硬化樹脂のうち、No.9のダイキン:OPTOOL DAC-HP、No.10のDIC RS−75が、フッ素系アクリルモノマーであり、パーフルオロポリエーテル骨格を持ち、官能基2以上のアクリレートである。すなわち、上記硬化材料1〜4、7〜9が、フッ素系アクリルモノマーを含む紫外線硬化樹脂である。
上記硬化材料に用いるNo.1〜No.8の紫外線硬化樹脂のアクリル材料、主要骨格、官能基数及び官能基当量を表1に示す。
Figure 2014059429
上記表1に示すように、No.1のダイセルサイテック社製:PETIA、No.2のダイセルサイテック社製:DPHA、No.3の日本化薬社製:DPCA−120が、官能基当量分子量350以下、官能基数3〜6のペンタエリスリトール・トリアクリレートを主要骨格として有したアクリレート材料である。また、上記表1に示すように、No.4のダイセルサイテック社製:ODA−N、No.5のダイセルサイテック社製:IBOA、No.6のダイセルサイテック社製:EBECRYL11、No.7のダイセルサイテック社製:HDDA、No.9の根上工業製:UN2700が、官能基当量分子量100〜1000、官能基数1乃至2のアクリレート材料である。官能基当量分子量350以下、官能基数3〜6のペンタエリスリトール・トリアクリレートを主要骨格として有したアクリレート材料と、官能基当量分子量100〜1000、官能基数1乃至2のアクリレート材料とを混合した硬化材料は、上記硬化材料1〜3、5、7〜9である。
次に、検証実験を行った画像形成装置の構成について説明する。
上記ウレタンゴム1〜7のいずれかを用いて厚さ1.8[mm]の短冊形状の弾性体ブレードを作製した。つづいてブレード先端部を上記各硬化材料に浸漬し含浸処理を行った。浸漬において、ブレードの先端稜線部に限定して処理を行う場合には、先端稜線部が下になるようにブレードを斜めに保持して浸漬して処理を行い、限定が無い場合には先端面が下になるように垂直に保持して処理を行い、ブレード下面、先端面で囲まれる領域に限定して処理を行った。このようにして所定時間浸漬し含浸処理を行った後、3分間風乾し、続いてスプレー塗工法により同じく各硬化材料により表面層を形成した。表面層の形成は具体的には、まずスプレー塗工によりブレード先端面から10[mm/s]のスプレーガン移動速度にて所定の層厚になるように先端面に重ね塗りを行い、3分間指触乾燥後、さらにブレード下面に同様に表面層が形成されるように塗工した。その後さらに3分間指触乾燥を行い、紫外線露光(2000[mJ/cm])を行った。なお、このときスプレー塗工により表面層を形成する領域はマスキングテープにより制限して塗工を行った。
表面層の層厚は、キーエンス製マイクロスコープVHX−100を用い、別途同様に塗工した弾性ブレードの断面により測定した。試料は日進EM製SEM試料作製用トリミングカミソリを用い断面を切断したものとした。測定は、図5に示すように、ブレード下面62bの先端稜線部62cから100[μm]の箇所、先端面62aの先端稜線部62cから100[μm]の箇所の層厚を測定した。
含浸深さ(含浸処理領域)の測定は以下のようにして行った。
対象試料のエッジ部分の断面薄片をクライオミクロトーム(EM・FCS、Leica製)により作製し、透過の顕微FT−IR(Continuμm赤外顕微鏡、サーモエレクトロン製)測定を行った。測定は、図5に示すように、ブレード下面62bの先端稜線部62cから100[μm]の箇所、先端面62aの先端稜線部62cから100[μm]の箇所の断面内の変化を測定した。アクリル化合物の含浸については、1710cm−1付近のピーク面積を1415cm−1のピーク面積で割った値を非含浸部の値で規格化したものを指標として含浸深さを測定した。
また、先端面及び、ブレード下面の硬度は、FISCHER製微小硬さ試験機FISCHERSCOPE HM2000を用い、先端稜線部62より100[μm]の箇所において、先端面及び下面の各々の表面から、押込み深さ5μmで、マルテンス硬度として測定した。
表面層623が形成された弾性体ブレード622をリコー製カラー複合機 imagio MP C5000に搭載できる板金ホルダーに接着剤により固定し、試作のクリーニングブレードとした。これを同じくリコー製カラー複合機 imagio MP C5000(図1と同様の構成)に取り付け、実施例1〜実施例7、比較例1〜比較例5の画像形成装置を作製した。なお、クリーニングブレードは、所定の先端食い込み量と取り付け角度により線圧とクリーニング角を設定して取り付けた。
検証実験には、重合法により作製したトナーを用いた。なお、トナーの物性は、以下のとおりである。
トナー母体:円形度0.98、平均粒径4.9[μm]
外添剤 :小粒径シリカ1.5部(クラリアント製H2000)
小粒径酸化チタン0.5部(テイカ製MT−150AI)
大粒径シリカ1.0部(電気化学工業製UFP−30H)
検証実験は、実験室環境:21[℃]・65[%RH]、通紙条件:画像面積率5%チャートを3プリント/ジョブで、100,000枚(A4横)で行った。そして、以下の項目を評価した。
[評価項目]
クリーニング不良発生:有無(目視観察)
評価時画像:縦帯パターン(紙進行方向に対して)43[mm]幅、3本チャート
出力20枚(A4横)
ブレードエッジ先端面摩耗幅:図6に示すようにブレード先端面側からみた摩耗幅
ブレードエッジ下面摩耗幅:図6に示すようにブレード下面側からみた摩耗幅
ブレードエッジ摩耗断面積:図6に示す斜線部の断面積
以下に実施例1〜実施例7、比較例1〜比較例5のクリーニングブレードの検証実験の結果を示す。
(実施例1)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム2
含浸、表面層材料:硬化材料1
先端面含浸領域:1.5[mm]
下面含浸領域:2.0[mm]
先端面含浸厚さ:60[μm]
下面含浸厚さ:20[μm]
先端面表面層厚:0.6[μm]
下面表面層厚:0.6[μm]
先端面マルテンス硬度:1.6[N/mm
下面マルテンス硬度:1.4[N/mm
ブレードエッジ摩耗断面積:30[μm
先端面摩耗幅:6[μm]
下面摩耗幅:9[μm]
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
(実施例2)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム1
含浸、表面層材料:硬化材料3
先端面含浸領域:1.5[mm]
下面含浸領域:2.0[mm]
先端面含浸厚さ:80[μm]
下面含浸厚さ:30[μm]
先端面表面層厚:0.8[μm]
下面表面層厚:0.7[μm]
先端面マルテンス硬度:1.9[N/mm
下面マルテンス硬度:1.6[N/mm
ブレードエッジ摩耗断面積:50[μm
先端面摩耗幅:9[μm]
下面摩耗幅:11[μm]
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
(実施例3)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム4
含浸、表面層材料:硬化材料4
先端面含浸領域:1.5[mm]
下面含浸領域:2.0[mm]
先端面含浸厚さ:40[μm]
下面含浸厚さ:10[μm]
先端面表面層厚:0.5[μm]
下面表面層厚:0.5[μm]
先端面マルテンス硬度:1.4[N/mm
下面マルテンス硬度:1.1[N/mm
ブレードエッジ摩耗断面積:30[μm
先端面摩耗幅:7[μm]
下面摩耗幅:8[μm]
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
(実施例4)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム5
含浸、表面層材料:硬化材料2
先端面含浸領域:1.5[mm]
下面含浸領域:2.0[mm]
先端面含浸厚さ:100[μm]
下面含浸厚さ:30[μm]
先端面表面層厚:1.0[μm]
下面表面層厚:1.0[μm]
先端面マルテンス硬度:1.9[N/mm
下面マルテンス硬度:1.6[N/mm
ブレードエッジ摩耗断面積:60[μm
先端面摩耗幅:9[μm]
下面摩耗幅:13[μm]
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
(実施例5)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム3
含浸、表面層材料:硬化材料8
先端面含浸領域:1.5[mm]
下面含浸領域:2.0[mm]
先端面含浸厚さ:20[μm]
下面含浸厚さ:10[μm]
先端面表面層厚:0.8[μm]
下面表面層厚:0.6[μm]
先端面マルテンス硬度:1.8[N/mm
下面マルテンス硬度:1.6[N/mm
ブレードエッジ摩耗断面積:20[μm
先端面摩耗幅:5[μm]
下面摩耗幅:7[μm]
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
(実施例6)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム6
含浸、表面層材料:硬化材料9
先端面含浸領域:1.5[mm]
下面含浸領域:2.0[mm]
先端面含浸厚さ:60[μm]
下面含浸厚さ:20[μm]
先端面表面層厚:1.0[μm]
下面表面層厚:0.8[μm]
先端面マルテンス硬度:1.5[N/mm
下面マルテンス硬度:1.3[N/mm
ブレードエッジ摩耗断面積:40[μm
先端面摩耗幅:7[μm]
下面摩耗幅:10[μm]
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
(実施例7)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム7
含浸、表面層材料:硬化材料7
先端面含浸領域:1.5[mm]
下面含浸領域:2.0[mm]
先端面含浸厚さ:10[μm]
下面含浸厚さ:5[μm]
先端面表面層厚:1.0[μm]
下面表面層厚:1.0[μm]
先端面マルテンス硬度:1.2[N/mm
下面マルテンス硬度:1.0[N/mm
ブレードエッジ摩耗断面積:90[μm
先端面摩耗幅:13[μm]
下面摩耗幅:13[μm]
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
(比較例1)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム5
含浸、表面層材料:硬化材料5
先端面含浸領域:1.8[mm]
下面含浸領域:5.0[mm]
先端面含浸厚さ:120[μm]
下面含浸厚さ:40[μm]
先端面表面層厚:2.0[μm]
下面表面層厚:2.0[μm]
先端面マルテンス硬度:2.4[N/mm
下面マルテンス硬度:2.1[N/mm
ブレードエッジ摩耗断面積:250[μm
先端面摩耗幅:9[μm]
下面摩耗幅:50[μm]
クリーニング不良発生:帯状クリーニング不良3箇所
異音発生:ビビリ発生
(比較例2)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム2
含浸、表面層材料:硬化材料6
先端面含浸領域:なし
下面含浸領域:なし
先端面含浸厚さ:0[μm]
下面含浸厚さ:0[μm]
先端面表面層厚:2.5[μm]
下面表面層厚:2.0[μm]
先端面マルテンス硬度:2.2[N/mm
下面マルテンス硬度:1.9[N/mm
ブレードエッジ摩耗断面積:210[μm
先端面摩耗幅:11[μm]
下面摩耗幅:40[μm]
クリーニング不良発生:帯状クリーニング不良3箇所
異音発生:ビビリ発生
(比較例3)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム4
含浸、表面層材料:硬化材料4
先端面含浸領域:1.8[mm]
下面含浸領域:5.0[mm]
先端面含浸厚さ:130[μm]
下面含浸厚さ:50[μm]
先端面表面層厚:1.0[μm]
下面表面層厚:0.8[μm]
先端面マルテンス硬度:1.9[N/mm
下面マルテンス硬度:1.9[N/mm
ブレードエッジ摩耗断面積:160[μm
先端面摩耗幅:15[μm]
下面摩耗幅:18[μm]
クリーニング不良発生:すじ状クリーニング不良2箇所
異音発生:なし
(比較例4)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム6
含浸、表面層材料:硬化材料7
先端面含浸領域:1.5[mm]
下面含浸領域:2.0[mm]
先端面含浸厚さ:60[μm]
下面含浸厚さ:30[μm]
先端面表面層厚:3.0[μm]
下面表面層厚:2.0[μm]
先端面マルテンス硬度:2.2[N/mm
下面マルテンス硬度:2.2[N/mm
ブレードエッジ摩耗断面積:180[μm
先端面摩耗幅:16[μm]
下面摩耗幅:22[μm]
クリーニング不良発生:帯状クリーニング不良2箇所
異音発生:なし
(比較例5)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム1
含浸、表面層材料:なし
先端面含浸領域:なし
下面含浸領域:なし
先端面含浸厚さ:0[μm]
下面含浸厚さ:0[μm]
先端面表面層厚:0[μm]
下面表面層厚:0[μm]
先端面マルテンス硬度:1.1[N/mm
下面マルテンス硬度:1.1[N/mm
ブレードエッジ摩耗断面積:120[μm
先端面摩耗幅:14[μm]
下面摩耗幅:16[μm]
クリーニング不良発生:すじ状クリーニング不良3箇所
異音発生:なし
先端面えぐれ摩耗
Figure 2014059429
上記表2は、実施例1〜実施例7、比較例1〜比較例5の検証実験の結果をまとめたものである。
表2に示すように、先端面62aの先端稜線部から100[μm]の個所における含浸深さが100[μm]を超え、ブレード下面62bの先端稜線部から100[μm]の個所における含浸深さが30[μm]を超える比較例1、3のクリーニングブレードでは、10万枚通紙試験後の磨耗量(ブレードエッジ摩耗断面積)が150[μm]を超えており、十分な耐磨耗性が得られず、クリーニング不良も確認された。また、比較例1においては、フッ素系アクリルモノマーを有していない硬化材料を用いたため、弾性ブレード622の先端稜線部の低摩擦化が十分ではなく、磨耗量も多くなり、ビビリ音も生じたと考えられる。
また、比較例4のクリーニングブレードは、実施例1〜7と同レベルの含浸深さであったが、10万枚通紙試験後の磨耗量(ブレードエッジ摩耗断面積)が150[μm]を超えており、十分な耐磨耗性が得られなかった。これは、表面層623が厚すぎたためと考えられる。また、帯状クリーニング不良も確認された。これは、先端面の表面層623が厚すぎたため、先端面62aと感光体3とがなす当接部の上流側の空隙が狭くなったこと、ブレード下面62bの層厚が厚すぎた結果、感光体表面への密着性が低下したことなどの要因によりクリーニングブレード62にせき止められたトナーが、すり抜けて帯状クリーニング不良が生じたと考えられる。
また、比較例2のクリーニングブレードは、含浸処理を施していないため、表面層623が削れ、弾性体ブレード622の先端稜線部が露出したとき、弾性体ブレード622の先端稜線部と感光体3との摩擦力が高い。このため、弾性ブレード622の露出した部分が、感光体表面移動方向に変形し、ビビリ音が生じたと考えられる。また、露出した部分が感光体との摩擦により削られ易いため、10万枚通紙試験後の磨耗量(ブレードエッジ摩耗断面積)が210[μm]と、磨耗量が多くなったと考えられる。
また、比較例5のクリーニングブレードは、含浸処理や表面層を設けていないため、クリーニングブレード62の先端稜線部62cがめくれてしまい、先端面えぐれ磨耗が生じたと考えられる。
一方、硬化材料として、フッ素系アクリルモノマーを含む紫外線硬化樹脂を用い、先端面62aにおける先端稜線から100[μm]の個所での含浸深さ10[μm]以上100[μm]以下、ブレード下面62bにおける先端稜線部から100[μm]の個所での含浸深さ5[μm]以上30[μm]以下、表面層厚さを0.2[μm]以上1[μm]以下を満たす実施例1〜7のクリーニングブレードは、10万枚通紙試験後の磨耗量(ブレードエッジ摩耗断面積)が100[μm]以下に抑えられ、優れた耐磨耗性を有することが確認できた。また、クリーニング不良、異音の発生も確認されなかった。
これは、含浸処理と表面層の組合せを実施例1〜7に示したような組み合わせにすることで、含浸による効果と表面層による効果が各々好適に発揮されるとともにそれらの相乗効果が得られ、使用時において摩耗が抑制されるとともに、動作時の先端稜線部の運動が安定化され、ビビリ音が発生せず、また、良好なクリーニング性を得ることができたと考えられる。
以上の検証実験から、含浸処理と表面層623との最適な設定を見出すことができた。すなわち、硬化材料として、フッ素系アクリルモノマーを含む紫外線硬化樹脂を用い、先端面62aの先端稜線部から100[μm]の個所における含浸深さ10[μm]以上100[μm]以下、ブレード下面62bの先端稜線部から100[μm]の個所における含浸深さ5[μm]以上30[μm]以下、表面層厚さを0.2[μm]以上1[μm]以下にするという設定である。
また、実施例1〜7のクリーニングブレードにおいては、表2に示すように先端面のマルテンス硬度が、ブレード下面のマルテンス硬度よりも大きかった。このことも、良好なクリーニング性や、ビビリ音が生じなかった要因のひとつであると考えられる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、以下の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
先端稜線部62aが含浸処理された短冊形状の弾性ブレード622の少なくとも先端稜線付近に弾性ブレード622よりも硬い表面層623で覆い、弾性ブレード622の先端稜線部62cを表面移動する感光体3などの被清掃部材の表面に当接して、被清掃部材表面からトナーなどの粉体を除去するクリーニングブレード62において、含浸処理を、フッ素系アクリルモノマーを含む紫外線硬化樹脂により行ったものであり、弾性ブレード622の被清掃体当接側端面における先端稜線から100[μm]の個所での含浸深さを10[μm]以上100[μm]以下、弾性ブレード622の被清掃部材表面に対向する面における先端稜線から100[μm]の個所での含浸深さを5[μm]以上30[μm]以下、上記表面層厚さを0.2[μm]以上1[μm]以下にした。
かかる構成を備えることで、検証実験で説明したように、クリーニング不良、ビビリ音が生じず、良好な耐磨耗性を得ることができる。
(態様2)
また、態様1に記載のクリーニングブレード62において、当接側端面のマルテンス硬度を対向する面のマルテンス硬度よりも大きくした。
かかる構成を備えることで、検証実験で説明したように、クリーニング性を不良を抑制し、かつ、ビビリ音の発生を抑制することができる。
(態様3)
また、(態様1)または(態様2)に記載のクリーニングブレード62において、フッ素系アクリルモノマーとして、パーフルオロポリエーテル骨格を持ち、官能基数2以上のアクリレートを用いた。
かかる構成を備えることで、検証実験で説明したように、クリーニング不良、ビビリ音が生じず、良好な耐磨耗性を得ることができる。
(態様4)
また、(態様1)乃至(態様3)いずれかに記載のクリーニングブレード62において、紫外線硬化樹脂として、官能基当量分子量350以下、官能基数3〜6のペンタエリスリトール・トリアクリレートを主要骨格としたアクリレート材料と、官能基当量分子量100〜1000、官能基数1乃至2のアクリレート材料とが混合されたものを用いた。
かかる構成を備えることで、検証実験で説明したように、クリーニング不良、ビビリ音が生じず、良好な耐磨耗性を得る
(態様5)
また、(態様1)乃至(態様4)いずれかに記載のクリーニングブレード62において、表面層623を形成する材料を、先端稜線稜線部62aを含浸処理する材料と同一にした。
かかる構成を備えることで、実施形態で説明したように、表面層623のはがれを抑制することができる。
(態様6)
また、(態様1)乃至(態様5)いずれかに記載のクリーニングブレード62において、弾性ブレード622として、単層からなるウレタン基を含むゴム、あるいはウレタン基を含むゴムであって、2種の異なるゴムを積層したものを用いた。
かかる構成を備えることで、実施形態で説明したように、感光体などの被清掃体に偏心などあっても、柔軟にクリーニングブレード62が変形して、所定の当接圧を維持することができ、良好なクリーニング性を維持することができる。
(態様7)
また、感光体3等の像担持体と、像担持体表面にトナー像を形成するトナー像形成手段と、像担持体表面のトナー像を被転写体に転写する転写手段と、像担持体表面に当接して像担持体表面に付着した残トナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段を備えた画像形成装置において、クリーニングブレードとして上記(態様1)乃至(態様6)いずれかに記載の態様のクリーニングブレードを用いる。これによれば、上記実施形態に説明したように、経時使用における異音及び欠けの発生を抑制しつつ稜線部の像担持体に対する追随性を良好にできると共に、より安定したクリーニング性能を維持できる。よって、良質な画像を得ることができる。
(態様8)
像担持体と、少なくとも該像担持体の表面に付着した残トナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、クリーニングブレードとして上記(態様1)乃至(態様6)いずれかに記載の態様のクリーニングブレードを用いる。これによれば、上記実施形態に説明したように、経時使用における異音及び欠けの発生を抑制しつつ稜線部の像担持体に対する追随性を良好にできると共に、より安定したクリーニング性能を維持できる。また、プロセスカートリッジの形態を取ることで、操作性を向上できる
1:プロセスカートリッジ
2:枠体
3:感光体
4:帯電装置
5:現像装置
6:クリーニング装置
7:転写装置
8:帯電クリーニングローラ
10:潤滑剤塗布装置
14:転写ベルト
51:現像ローラ
52:供給スクリュ
53:攪拌スクリュ
54:ドクタ
62:クリーニングブレード
62a:ブレード先端面
62b:ブレード下面
62c:先端稜線部
62d:含浸部分
101:ファーブラシ
103:固形潤滑剤
262:クリーニングブレード
262a:先端面
262b:ブレード下面
262c:先端稜線部
621:ホルダー
622:弾性ブレード
623:表面層
特開2010−152295号公報

Claims (8)

  1. 先端稜線部が含浸処理された短冊形状の弾性ブレードの少なくとも先端稜線付近を弾性ブレードよりも硬い表面層で覆い、該弾性ブレードの先端稜線部を表面移動する被清掃部材の表面に当接して、該被清掃部材表面から粉体を除去するクリーニングブレードにおいて、
    上記含浸処理を、フッ素系アクリルモノマーを含む紫外線硬化樹脂で行ったものであり、
    上記弾性ブレードの上記被清掃体当接側端面における先端稜線から100[μm]の個所での含浸深さを10[μm]以上100[μm]以下、
    上記弾性ブレードの被清掃部材表面に対向する面における先端稜線から100[μm]の個所での含浸深さを5[μm]以上30[μm]以下、
    上記表面層厚さを0.2[μm]以上1[μm]以下にしたことを特徴とするクリーニングブレード。
  2. 請求項1のクリーニングブレードにおいて、
    上記当接側端面のマルテンス硬度を、上記対向する面のマルテンス硬度よりも大きくしたことを特徴とするクリーニングブレード。
  3. 請求項1または2のクリーニングブレードにおいて、
    上記フッ素系アクリルモノマーとして、パーフルオロポリエーテル骨格を持ち、官能基数2以上のアクリレートを用いたことを特徴とするクリーニングブレード。
  4. 請求項1乃至3いずれかのクリーニングブレードにおいて、
    上記紫外線硬化樹脂として、官能基当量分子量350以下、官能基数3〜6のペンタエリスリトール・トリアクリレートを主要骨格としたアクリレート材料と、官能基当量分子量100〜1000、官能基数1乃至2のアクリレート材料とが混合された紫外線硬化樹脂を用いたことを特徴とするクリーニングブレード。
  5. 請求項1乃至4いずれかのクリーニングブレードにおいて、
    上記表面層を形成する材料を、上記先端稜線稜線部を含浸処理する材料と同一にしたことを特徴とするクリーニングブレード。
  6. 請求項1乃至5いずれかのクリーニングブレードにおいて、
    上記弾性ブレードとして、単層からなるウレタン基を含むゴム、あるいはウレタン基を含むゴムであって、2種の異なるゴムを積層したものを用いたことを特徴とするクリーニングブレード。
  7. 像担持体と、
    該像担持体表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した該像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
    該像担持体表面に形成された該静電潜像を現像してトナー像化する現像手段と、
    該像担持体表面のトナー像を転写体に転写する転写手段と、
    該像担持体表面に当接して、該像担持体表面に付着した転写残トナーをクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段とを備えた画像形成装置において、
    上記クリーニングブレードとして、請求項1乃至6いずれかのクリーニングブレードを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  8. 像担持体と、少なくとも該像担持体の表面に付着した残トナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、
    クリーニングブレードとして請求項1乃至請求項6いずれかのクリーニングブレードを用いたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015230443A (ja) * 2014-06-06 2015-12-21 株式会社リコー クリーニングブレード、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ
JP2016221325A (ja) * 2016-08-23 2016-12-28 株式会社三共 遊技機

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