JP5549920B2 - クリーニングブレード、画像形成装置、及び、プロセスカートリッジ - Google Patents

クリーニングブレード、画像形成装置、及び、プロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、クリーニングブレード、画像形成装置、及び、プロセスカートリッジに関するものである。
従来、電子写真式の画像形成装置では、被清掃部材たる感光体などの像担持体について、転写紙や中間転写体へトナー像を転写した後の表面に付着した不必要な転写残トナーはクリーニング手段たるクリーニング装置によって除去している。
このクリーニング装置のクリーニング部材として、一般的に構成を簡単にでき、クリーニング性能も優れていることから、短冊形状のクリーニングブレードを用いたものがよく知られている。このクリーニングブレードは、ポリウレタンゴムなどの短冊形状の弾性体で構成されている。そして、クリーニングブレードの基端を支持部材で支持して先端稜線部を像担持体の周面に押し当て、像担持体上に残留するトナーをせき止めて掻き落とし除去する。
また、近年の高画質化の要求に応えるべく、重合法等により形成された小粒径で球形に近いトナー(以下、重合トナー)を用いた画像形成装置が知られている。この重合トナーは、従来の粉砕トナーに比べて転写効率が高いなどの特徴があり、上記要求に応えることが可能である。しかし、重合トナーは、クリーニングブレードを用いて像担持体表面から除去しようとしても十分に除去することが困難であり、クリーニング不良が発生してしまうという問題を有している。これは、小粒径で且つ球形度に優れた重合トナーが、ブレードと像担持体との間に形成される僅かな隙間をすり抜けるからである。
かかるすり抜けを抑えるには、像担持体とクリーニングブレードとの当接圧力を高めてクリーニング能力を高める必要がある。しかし、クリーニングブレードの当接圧を高めると、図8(a)に示すように、像担持体23とクリーニングブレード262との摩擦力が高まり、クリーニングブレード262が像担持体23の移動方向に引っ張られて、クリーニングブレード262の先端稜線部262cがめくれてしまう。このめくれたクリーニングブレード262が、そのめくれに抗して原形状態に復元する際に異音が発生することがある。さらに、クリーニングブレード262の先端稜線部262cがめくれた状態でクリーニングをし続けると、図8(b)に示すように、クリーニングブレード262の先端面262bの先端稜線部262cから数[μm]離れた場所に局所的な摩耗が生じてしまう。このような状態で、さらにクリーニングを続けると、この局所的な摩耗が大きくなり、最終的には、図8(c)に示すように、先端稜線部262cが欠落してしまう。先端稜線部262cが欠落してしまうと、トナーを正常にクリーニングできなくなり、クリーニング不良を生じてしまう。
特許文献1には、ポリウレタンエラストマーからなるクリーニングブレードの少なくとも先端稜線部に、鉛筆硬度B〜6Hの皮膜硬度を有する樹脂からなる表面層を設けたものが記載されている。ゴム部材よりも硬い鉛筆硬度B〜6Hの皮膜硬度を有する表面層を設けることで、クリーニングブレード当接部の摩擦係数を下げることができ、クリーニングブレードの耐摩耗性を高めることができる。また、像担持体とクリーニングブレードとの摩擦力を低減させることができ、クリーニングブレードの先端稜線部のめくれを良好に抑制することができる。さらに、鉛筆硬度B〜6Hの鉛筆硬度の表面層は、硬くて変形しにくいので、クリーニングブレードの先端稜線部のめくれをより一層抑制することができる。
また、特許文献2には、シリコン含有紫外線硬化材料を弾性ブレードに含浸させて膨潤させた後、紫外線照射処理して表面に硬化層を形成したクリーニングブレードが記載されている。このように、紫外線硬化材料からなる弾性ブレードよりも高硬度の硬化層を設けることでも、耐摩耗性を向上でき、クリーニングブレードの先端稜線部のめくれを抑制することができる。
しかしながら、表面層や硬化層を設けたクリーニングブレードでも、像担持体に形成される粉体量が非常に多い連続的なベタ画像形成時等の厳しい条件では、クリーニング不良を生じてしまう。これは、以下の理由によるものと考えられる。
先端稜線部に形成した弾性ブレードより硬い表面層や硬化層の影響によりゴム部材の弾性が阻害され、クリーニングブレードの先端稜線部の像担持体表面への追随性が低下してしまう。よって、像担持体が偏心していたり、像担持体表面に微小なうねりがあったりした場合、当接圧が変動してしまう。連続的なベタ画像形成時など、クリーニングブレードによって、多くのトナーが堰き止められているとき、堰き止められているトナーによるクリーニングブレードへの押圧力が高い。そのため、クリーニングブレードの像担持体との当接圧が変動して当接圧が低下したとき、当接圧よりもトナーによる押圧力が勝り、クリーニングブレードをトナーがすり抜けてしまう。その結果、像担持体に形成される粉体量が非常に多い連続的なベタ画像形成時等の厳しい条件では、クリーニング不良が生じてしまったと考えられる。
そこで、本発明者らは、ブレード下面の弾性ブレードより硬い表面層や硬化層を先端稜線部から離して形成すれば、先端稜線部が弾性変形して、先端稜線部の像担持体に対する追随性を良好にできるのではないかと考えた。しかし、ブレード下面の表面層や硬化層を先端稜線部から離して形成した場合、先端稜線部と像担持体表面との摩擦力により、先端稜線部が、めくれやすくなってしまうと考えられる。そこで、本発明者らは、滑剤塗布手段により像担持体表面に滑剤を塗布して、像担持体表面の摩擦係数を下げることで、ブレード下面の表面層や硬化層を先端稜線部から離して形成することによって先端稜線部を弾性変形しやくしても、めくれが抑制できるのではないかと考えた。
このような考えに基づいて、本発明者らは、滑剤塗布手段により像担持体表面に滑剤を塗布した画像形成装置において、ブレード下面の表面層形成開始位置が互いに異なる複数のクリーニングブレードを作成し、検証実験を行なった。その結果、先端稜線部から20[μm]以上50[μm]以下の間隔を開けて、弾性ブレードよりも硬い表面層を形成したクリーニングブレードは、表面層により阻害されることなく先端稜線部が弾性変形して、先端稜線部の像担持体に対する追随性を良好にでき、かつ、先端稜線部のめくれを抑制することができることがわかった。そして、この検証実験に基づき、本発明者らは、特願2009−263165号において、ブレード下面に、先端稜線部から20[μm]以上50[μm]以下の間隔を開けて、弾性ブレードよりも硬い表面層を形成したクリーニングブレードを用い、かつ、滑剤塗布手段により像担持体表面に滑剤を塗布した画像形成装置を提案した。
特願2009−263165号を出願した後、本発明者らは、更なる鋭意研究を重ねた結果、次のことが判明した。上記の検証実験においては、滑剤塗布手段により像担持体表面に滑剤を塗布することが、先端稜線部のめくれを抑制するうえで、必須の構成要件であると考え、像担持体表面に滑剤を塗布していた。しかし、特願2009−263165号を出願した後、本発明者らが、像担持体表面に滑剤を塗布しないで、検証実験を行なったところ、像担持体の表面へ滑剤を塗布しなくても、先端稜線部のめくれを抑制できることが判明した。また、帯電装置により像担持体表面に塗布された滑剤が帯電劣化し粘性が生じ、この粘性により先端稜線部を像担持体移動方向へ引っ張り、先端稜線部のめくれを生じさせるおそれが高まる場合があることも判明した。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、クリーニングブレードの先端稜線部のめくれを抑制し、かつ、先端稜線部の被清掃体に対する追随性を良好にでき当接圧を維持することのできる画像形成装置、及び、プロセスカートリッジを提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、像担持体と、該像担持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、該像担持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー像化する現像手段と、該像担持体表面のトナー像を転写体に転写する転写手段と、短冊形状の弾性ブレードで構成され、該弾性ブレードの先端稜線部を該像担持体の表面に当接して、該像担持体表面から粉体を除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段とを備えた画像形成装置において、上記クリーニングブレードは、上記先端稜線部を1辺に有し、前記先端稜線部よりも下流側で上記像担持体と対向するブレード下面に、先端稜線部から20[μm]以上50[μm]以下の間隔を開けて、該弾性ブレードよりも硬い表面層を形成するとともに先端稜線部を1辺に有し、上記弾性ブレードの厚み方向に平行な面である先端面の先端稜線部から上記弾性ブレードよりも硬い表面層を設けたものであり、上記像担持体表面に滑剤が塗布されない構成としたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記クリーニングブレードの表面層のブレードは、紫外線硬化樹脂からなり該表面層のブレード下面における層厚が1[μm]以上5[μm]以下であることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の画像形成装置において上記クリーニングブレードの上記表面層は紫外線硬化樹脂からなり該表面層のブレード先端面における層厚が1[μm]以上5[μm]以下であることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1乃至いずれかの画像形成装置において、上記クリーニングブレードの上記弾性体ブレードとして、ウレタン基を含むゴムを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1乃至いずれの画像形成装置において、イソシアネート化合物、フッ素化合物、シリコーン化合物から選ばれる少なくとも1種により、上記クリーニングブレードの先端稜線部の摩擦係数を0.5以下にする含浸改質処理が、上記クリーニングブレードの先端稜線部に対して、施されていることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、像担持体と、少なくとも該像担持体の表面に付着した残トナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、上記クリーニングブレードは、上記先端稜線部を1辺に有し、前記先端稜線部よりも下流側で上記像担持体と対向するブレード下面に、先端稜線部から20[μm]以上50[μm]以下の間隔を開けて、該弾性ブレードよりも硬い表面層を形成するとともに先端稜線部を1辺に有し、上記弾性ブレードの厚み方向に平行な面である先端面の先端稜線部から上記弾性ブレードよりも硬い表面層を設けたものであり、上記像担持体表面は、潤滑剤非塗布面であることを特徴とするものである。
後述するように、ブレード下面の表面層形成開始位置が互いに異なる複数のクリーニングブレードを作成し、像担持体表面に滑剤を塗布しない構成の画像形成装置を用いて、検証実験を行った結果、次の結果が得られた。表面層の形成開始位置が20[μm]以上、50[μm]以下の範囲、すなわち、先端稜線部から20[μm]以上50[μm]以下の間隔を開けて、表面層が形成されたクリーニングブレードは、いずれも良好なクリーニング性能が得られ、えぐれ摩耗も生じていなかった。
一方、表面層形成開始位置が、20[μm]未満、すなわち、先端稜線部から20[μm]未満の間隔を開けて、表面層が形成されたクリーニングブレードだと、ブレード下面の先端稜線部からの表面層非形成領域幅が短く、先端稜線部にまで表面層が形成されたクリーニングブレードと同様、先端稜線部の弾性変形が表面層により阻害され、良好なクリーニング性能が得られない結果となった。また、表面層形成開始位置が、50[μm]を越える、すなわち、先端稜線部から50[μm]を越える間隔を開けて、表面層が形成されたクリーニングブレードだと、ブレード下面の先端稜線部からの表面層非形成領域幅が長くなり、表面層によって、先端稜線部のめくれを抑制することができず、表面層を設けない場合と同様に、先端面にえぐれ摩耗が発生した。
このように、先端稜線部から20[μm]以上50[μm]以下の間隔を開けて、表面層が形成されたクリーニングブレードを用いることで、像担持体表面を滑剤が塗布されない滑剤非塗布面としても、先端のえぐれ摩耗を抑制し、かつ、先端稜線部の被清掃体に対する追随性を良好にでき、良好なクリーニング性を得ることができることがわかった。
本発明によれば、ブレード下面に、先端稜線部から20[μm]以上50[μm]以下の間隔を開けて、弾性ブレードよりも硬い表面層を形成することで、像担持体表面に滑剤を塗布しない構成の画像形成装置においても、先端のえぐれ摩耗を抑制し、かつ、先端稜線部の被清掃体に対する追随性を良好にでき、良好なクリーニング性を得ることができる。
また、像担持体表面に滑剤が塗布されないので、像担持体表面に塗布された滑剤の帯電劣化による粘性の増加で、先端稜線部のめくれが生じさせるおそれがない。また、滑剤塗布手段を無くすことができるので、装置の小型化、コスト削減を図ることができる。
本発明の実施形態に係るプリンタの概略構成図。 (a)及び(b)は、トナーの円形度の測定方法を説明するための説明図。 本実施形態に係るクリーニングブレードの斜視図。 本実施形態に係るクリーニングブレードの拡大断面図。 本実施形態におけるクリーニングブレードの先端稜線部の当接状態を説明する図。 (a)は、比較例1〜3の画像形成装置の概略構成図であり、(b)は、実施例1〜5の画像形成装置の概略構成図である。 本実施形態における弾性体ブレードの摩耗幅の測定箇所を示した模式図。 (a)クリーニングブレード先端稜線部がめくれた状態を示す図。(b)クリーニングブレードの先端面の局所的な摩耗について説明する図。(c)クリーニングブレードの先端稜線部が欠落した状態を示す図。
以下、本発明を画像形成装置である電子写真プリンタ(以下、単にプリンタという)に適用した実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタの要部を示す概略構成図である。プリンタは、単一色の複写を行うものであり、図示しない画像読み取り部で読み取った画像データに基づいてモノクロ画像形成を行う。
図1に示すように、プリンタは、像担持体としてのドラム状の感光体3を備えている。感光体3はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
感光体3の周囲には帯電手段としての帯電装置4、潜像をトナー像化する現像手段である現像装置5、トナー像を記録媒体としての転写紙に転写する転写手段としての転写装置7、転写後の感光体3上に残留するトナーをクリーニングするクリーニング手段としてのクリーニング装置6、感光体3を除電する除電ランプ(不図示)等が配置されている。
帯電装置4は、感光体3に所定の距離を持って非接触で配置され、感光体3を所定の極性、所定の電位に帯電するものである。帯電装置4によって一様帯電された感光体3は、図示しない潜像形成手段たる露光装置から画像データに基づいて光Lが照射され静電潜像が形成される。
現像装置5は、現像剤担持体としての現像ローラ51を有している。この現像ローラ51には、図示しない電源から現像バイアスが印加されるようになっている。現像装置5のケーシング内には、ケーシング内に収容された現像剤を互いに逆方向に搬送しながら攪拌する供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53が設けられている。また、現像ローラ51に担持された現像剤を規制するためのドクタ54も設けられている。供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53の2本スクリュによって撹拌・搬送された現像剤中のトナーは、所定の極性に帯電される。そして、現像剤は、現像ローラ51に汲み上げられ、汲み上げられた現像剤は、ドクタ54により規制され、感光体3と対向する現像領域でトナーが感光体3上の潜像に付着する。
クリーニング装置6は、クリーニングブレード62などを有している。クリーニングブレード62は、感光体3の表面移動方向に対してカウンタ方向で感光体3に当接している。なお、クリーニングブレード62の詳細については後述する。
帯電装置4には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)を始めとする公知の手段が用いられる。
これらの帯電方式のうち、特に接触帯電方式、あるいは非接触の近接配置方式がより望ましく、帯電効率が高くオゾン発生量が少ない、装置の小型化が可能である等のメリットを有する。
また、図示しない露光装置、除電ランプ等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザーは照射エネルギーが高く、また600〜800[nm]の長波長光を有するため、良好に使用される。
次に、プリンタにおける画像形成動作を説明する。
図示しない操作部などからプリント実行の信号を受信したら、帯電装置4、現像ローラ51にそれぞれ所定の電圧または電流が順次所定のタイミングで印加される。同様に、露光装置及び除電ランプなどにもそれぞれ所定の電圧又は電流が順次所定のタイミングで印加される。また、これと同期して、駆動手段としての感光体駆動モータ(不図示)により感光体3が図中矢印方向に回転駆動される。
感光体3が図中矢印方向に回転すると、まず感光体表面が、帯電装置4によって所定の電位に帯電される。そして、図示しない露光装置から画像信号に対応した光Lが感光体3上に照射され、光Lが照射された部分の感光体3上が除電され静電潜像が形成される。
静電潜像の形成された感光体3は、現像装置5との対向部で現像ローラ51上に形成された現像剤の磁気ブラシで感光体3表面を摺擦される。このとき、現像ローラ51上の負帯電トナーは、現像ローラ51に印加された所定の現像バイアスによって、静電潜像側に移動し、トナー像化(現像)される。このように、本実施形態では、感光体3上に形成された静電潜像は、現像装置5によって、負極性に帯電されたトナーにより反転現像される。本実施形態では、N/P(ネガポジ:電位が低い所にトナーが付着する)の非接触帯電ローラ方式を用いた例について説明したが、これに限るものではない。
感光体3上に形成されたトナー像は、図示しない給紙部から不図示のレジストローラ対のニップ部を経て、感光体3と転写装置7との間に形成される転写領域に給紙される転写紙に転写される。このとき、転写紙は不図示のレジストローラ対のニップ部で画像先端と同期を取り供給される。また、転写紙への転写時には、所定の転写バイアスが印加される。トナー像が転写された転写紙は感光体3から分離され、図示しない定着手段としての定着装置へ搬送される。そして、定着装置を通過する事により、熱と圧力の作用でトナー像が転写紙上に定着されて、転写紙は機外に排出される。
一方、転写後の感光体3の表面は、クリーニング装置6で転写後の残留トナーが除去された後、除電ランプで除電される。
また、本プリンタにおいては、感光体3と、プロセス手段として帯電装置4、現像装置5、クリーニング装置6などが枠体2に収められており、プロセスカートリッジ1として装置本体から一体的に着脱可能となっている。なお、本実施形態では、プロセスカートリッジ1としての感光体3とプロセス手段とを一体的に交換するようになっているが、感光体3、帯電装置4、現像装置5、クリーニング装置6のような単位で新しいものと交換するような構成でもよい。
次に、本プリンタに好適なトナーについて説明する。
本プリンタに用いるトナーとしては、画質向上のために、高円形化、小粒径化がし易い懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法により製造された重合トナーを用いるのが好ましい。特に、円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5[μm]以下の重合トナーを用いるのが好ましい。平均円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5[μm]のものを用いることにより、より高解像度の画像を形成することができる。
ここでいう「円形度」は、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子株式会社製、商品名)により計測した平均円形度である。具体的には、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150[ml]中に、分散剤として界面活性剤好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜0.5[ml]加え、更に測定試料(トナー)を0.1〜0.5[g]程度加える。その後、このトナーが分散した懸濁液を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理し、分散液濃度が3000〜1[万個/μl]となるようにしたものを上述の分析装置にセットして、トナーの形状及び分布を測定する。そして、この測定結果に基づき、図2(a)に示す実際のトナー投影形状の外周長をC1、その投影面積をSとし、この投影面積Sと同じ図2(b)に示す真円の外周長をC2としたときのC2/C1を求め、その平均値を円形度とした。
体積平均粒径については、コールターカウンター法によって求めることが可能である。具体的には、コールターマルチサイザー2e型(コールター社製)によって測定したトナーの個数分布や体積分布のデータを、インターフェイス(日科機社製)を介してパーソナルコンピューターに送って解析するのである。より詳しくは、1級塩化ナトリウムを用いた1%NaCl水溶液を電解液として用意する。そして、この電解水溶液100〜150[ml]中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5[ml]加える。更に、これに被検試料としてのトナーを2〜20[mg]加え、超音波分散器で約1〜3分間分散処理する。そして、別のビーカーに電解水溶液100〜200[ml]を入れ、その中に分散処理後の溶液を所定濃度になるように加えて、上記コールターマルチサイザー2e型にかける。アパーチャーとしては、100[μm]のものを用い、50,000個のトナー粒子の粒径を測定する。チャンネルとしては、2.00〜2.52[μm]未満;2.52〜3.17[μm]未満;3.17〜4.00[μm]未満;4.00〜5.04[μm]未満;5.04〜6.35[μm]未満;6.35〜8.00[μm]未満;8.00〜10.08[μm]未満;10.08〜12.70[μm]未満;12.70〜16.00[μm]未満;16.00〜20.20[μm]未満;20.20〜25.40[μm]未満;25.40〜32.00[μm]未満;32.00〜40.30[μm]未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00[μm]以上32.0[μm]以下のトナー粒子を対象とする。そして、「体積平均粒径=ΣXfV/ΣfV」という関係式に基づいて、体積平均粒径を算出する。但し、Xは各チャンネルにおける代表径、Vは各チャンネルの代表径における相当体積、fは各チャンネルにおける粒子個数である。
このような重合トナーにおいては、上述したように、粉砕トナーを感光体3表面から除去するときと同じようにしてクリーニングブレード62で除去しようとしても、その重合トナーを感光体3表面から十分に除去しきれず、クリーニング不良が発生する。そこで、クリーニングブレード62の感光体3への当接圧を高めて、クリーニング性をアップしようとすると、クリーニングブレード62が早期に摩耗してしまうという問題があった。また、クリーニングブレード62と感光体3との摩擦力が高まって、クリーニングブレード62の感光体3と当接している先端稜線部が感光体3の移動方向に引っ張られて、先端稜線部がめくれてしまう。クリーニングブレード62の先端稜線部がめくれると、異音や振動、先端稜線部の欠落などの様々な問題が生じてしまう。
そこで、本実施形態においては、クリーニングブレード62の先端稜線部に、イソシアネート化合物、フッ素化合物、シリコーン化合物から選ばれる少なくとも1種を含浸させて低摩擦化と先端内部の硬度上昇とを図る改質処理を行い、また、クリーニングブレード62よりも硬度の高い表面層を設けている。
図3は、クリーニングブレード62の斜視図であり、図4は、クリーニングブレード62の拡大断面図である。
クリーニングブレード62は、金属や硬質プラスチックなどの剛性材料からなる短冊形状のホルダー621と、短冊形状の弾性体ブレード622とで構成されている。弾性体ブレード622は先端稜線部62cに含浸処理がなされている。また、先端面62aとブレード下面62bには、ブレード長手方向にわたって表面層623が形成されている。なお、ブレード下面62bにおいては、表面層623は先端稜線部から20[μm]以上50[μm]以下の間隔を開けて形成されており、図3に示すように、ブレード下面62bには、先端稜線部62cから20〜50[μm]幅の表面層非形成領域624が形成されている。
このように、ブレード下面62bの表面層について、先端稜線部から20[μm]以上50[μm]以下の間隔を開けて形成することで、クリーニングブレードの先端稜線部62Cを感光体に当接させたとき、弾性ブレードの先端稜線部が、適度に弾性変形する。これにより、像担持体が偏心していたり、像担持体表面に微小なうねりがあったりしても、感光体3への当接圧の変動が抑制される。また、表面層によって、先端稜線部が感光体移動方向へ変形するのを規制することができ、先端稜線部がめくれるのを抑制できる。
弾性体ブレード622は、ホルダー621の一端側に接着剤などにより固定されており、ホルダー621の他端側は、クリーニング装置6のケースに片持ち支持されている。
弾性体ブレード622としては、感光体3の偏心や感光体表面の微小なうねりなどに追随できるように、高い反発弾性体率を有するものが好ましく、ウレタン基を含むゴムであるウレタンゴムなどが好適である。
また、弾性体ブレード622の硬度としては、25℃における硬度が70〜75度(JIS A)のウレタンゴムが好ましい。ウレタンゴムの硬度が75度を超えると、柔軟性に乏しくなり、例えば、ホルダー621が微小に傾いて取り付けるなどしたときに、クリーニングブレード62の軸方向一端側と他端側とで当接圧が異なる所謂偏当りしやすくなり、軸方向で均一な当接圧が得にくくなる。その結果、クリーニング性が低下するおそれがある。一方、硬度が70度未満の場合は、重合トナーでもクリーニングできるよう当接圧を高く設定したときに、クリーニングブレード62が反ってしまって、クリーニングブレード62の先端稜線部62cが浮きあがって、クリーニングブレード62のブレード下面62bが感光体3と当接する所謂腹当たり現象が生じてしまう。腹当たり現象が生じると、クリーニングブレード62と感光体表面との当接面積が急激に増大するため、クリーニングブレード62を大きな力で押しつけても逆に当接圧は小さくなり、クリーニング性が低下してしまう。
なお、弾性ブレード622の硬さは含浸処理によるウレタンゴムそのものの改質で変化し、さらに表面層623の形成によっても影響を受けるので、各々の効果を調整することが必要である。
弾性体ブレード622の先端稜線部62cへの含浸処理は、スプレー塗工、ディップ塗工などによって、イソシアネート化合物、フッ素化合物、シリコーン化合物から選ばれる少なくとも1種を含浸させることで可能である。これは結果として先端稜線部62cの低摩擦化と先端内部の硬度上昇とを図る改質効果を生じさせることができる。先端稜線部62cの摩擦係数が0.5以下となるように低摩擦化処理を行うのが良い。これにより、当接する弾性体ブレード622の先端稜線部と感光体3との摩擦力を弱めることができ、当接した部分が、感光体表面移動方向に変形するのを抑制することができる。さらに、経時摩耗によって内部が露出したときも内部への含浸作用により、同様に変形を抑制することができる。
表面層623は、スプレー塗工、ディップ塗工、あるいはスクリーン印刷等によって弾性ブレード622に形成する。表面層623としては、弾性体ブレード622よりも硬度の高い部材で形成するのが好ましい。また、表面層623は、弾性体ブレード622よりも硬度が高い部材とすることで、剛直なため、変形し難く、クリーニングブレード62の先端稜線部62cのめくれを抑制することができる。
上述したように、本実施形態においては、弾性ブレード622の先端稜線部62cを含浸処理により硬度上昇させているため、弾性ブレード622の先端稜線部62cが変形し難くなっている。このため、弾性ブレード622のブレード下面62bの全面に弾性ブレード622よりも硬度が高い表面層623を形成すると、ブレード下面62bに形成した表面層623が、弾性ブレード622の先端稜線部62cの感光体表面への弾性変形を阻害してしまい、先端稜線部62cにおいて感光体表面への当接圧を高める向きに働く弾性変形に対する復元力がほとんど得られなくなってしまう。その結果、先端稜線部62cが感光体3の偏心や微小なうねりに対して追随できなくなってしまう。従って、感光体3に対する当接圧が変動してしまい、連続的なベタ画像形成時等、先端稜線部62cによって堰きとめられるトナー量が多く、トナーから大きな押圧力を受けるなどの厳しい条件において、当接圧が低下したときに、トナーがクリーニングブレード62からすり抜けてクリーニング不良を生じるおそれがある。このため、弾性ブレード622のブレード下面62bに表面層623を形成しないことも考えられる。ブレード下面62bに表面層623を形成しなかった場合は、弾性ブレード622の先端稜線部62cが感光体表面移動方向へ大きく弾性変形して、先端稜線部62cがめくれてしまい、めくれ摩耗が生じるおそれがある。
そこで、本実施形態においては、先の図3に示したように、ブレード下面62bに先端稜線部から20[μm]以上50[mm]以上の間隔を開けて表面層623を形成した。ブレード下面62bの表面層623をこのように形成することによって、表面層623が、弾性ブレード622の先端稜線部の弾性変形を阻害するのを抑制し、図5に示すように、先端稜線部62cが適度に弾性変形する。これにより、感光体3に偏心などがあった場合でも、弾性ブレード622の先端稜線部62cの弾性変形に対する復元力により、先端稜線部62cを感光体3の表面に対して追随させることができ、良好なクリーニング性を維持することができる。また、ブレード下面62bに先端稜線部62cから20[μm]以上50[mm]以下の間隔を開けて形成した表面層623によって、先端稜線部62cが、感光体3との摩擦力によって、感光体表面移動方向に大きく弾性変形するのを抑制し、先端稜線部62cがめくれるのを抑制することができる。
また、ブレード下面62bに先端稜線部62cから20[μm]以上50[mm]以下の間隔を開けて表面層623を形成することによって、ブレード下面62bの先端稜線部付近には、弾性ブレード622が露出した表面層非形成領域624が形成され、この表面層非形成領域624の一部が、感光体表面と当接することになる。しかし、上述したように、弾性ブレード622の先端稜線部62cは、含浸処理を施して、低摩擦化と先端内部の硬度上昇とを図っている。そのため、ブレード下面62bの表面層非形成領域624が早期に磨耗するのを抑制することができる。また、弾性ブレード622の先端稜線部62cが低摩擦化されているので、感光体3との摩擦力が低減され、先端稜線部62cがめくれるのを抑制することができる。
また、後述する検証実験が示すように、ブレード下面62bの表面層非形成領域624の幅が20[μm]未満だと、弾性ブレード622の先端稜線部62cが感光体表面への追従性維持に対して不十分となり、良好なクリーニング性が得られない。また、ブレード下面62bの表面層非形成領域624の幅が50[μm]を越えると、ブレード下面62bの表面層による先端稜線部62cのめくれ抑制効果が十分得られず、ブレード下面62bに表面層を設けない場合と同じ状況になり、先端面62aのえぐれ摩耗を発生させる結果となった。
また、ブレード先端面62aに表面層を設けるのが好ましい。ブレード先端面62aにも表面層623を設けることで、先端稜線部62cのめくれ抑制効果をさらに高めることができる。先端面62aに形成する表面層623は、先端稜線部62cから形成するのが好ましい。
また、表面層623の材質としては、樹脂が好ましく、紫外線硬化樹脂がより好ましい。紫外線硬化樹脂を用いることで、クリーニングブレード62の先端稜線部62cに付着した樹脂に紫外線を照射させるだけで、所望の硬度を有する表面層623を得ることができ、クリーニングブレード62を安価に製造することができる。
上記紫外線硬化樹脂としては、一官能基あたり分子量300〜1500のモノマーを用いることが好ましい。上記分子量が1500を越えると、表面層623は脆弱になり過ぎ、クリーニングブレード62の先端稜線部62cがめくれて図6(b)のような先端面摩耗を生じてしまい、長期に渡るクリーニング性を保持できなくなる。逆に分子量300を下回ると、表面層623が剛直となり過ぎてしまう。表面層623が剛直となりすぎると、表面層623が、先端稜線部の感光体移動方向の弾性変形を阻害して、耐摩耗性能の低下や、ビビリ音が発生しやすくなってしまう。
また、表面層623の層厚は、1〜5[μm]が好ましい。ブレード下面62の表面層の層厚が、1[μm]未満だと、表面層623の剛性が弱くなり、クリーニングブレード62の先端稜線部62cがめくれやすくなってしまう。また、層厚が5[μm]を超えると、先端稜線部62cの弾性変形が、表面層623により阻害されトナーのすり抜けが増大してクリーニング不良が発生しやすくなる。
また、先端面に形成する表面層の層厚も、5[μm]以下が好ましい。これは、スプレー塗工やディップ塗工のように、液体の材料を付着させて表面層623を形成しているため、先端稜線部62cは表面張力の関係で、被膜が形成されにくい。このため、先端稜線部62cから離れるにつれて先端面62cの表面層623の層厚は、増加する。層厚が5[μm]を超えると、先端稜線部62cの層厚と先端稜線部62cから離れた位置における層厚との差が大きくなり、クリーニングブレード62の先端稜線部62cの角度が鈍角化する。先端稜線部62cの角度が鈍角となると、先端稜線部62cを直角とした場合に比べて、先端面62aと感光体3とがなす当接部の上流側の空隙X(図4参照)が狭くなる。そのため、長期に渡るクリーニング動作によって空隙にトナーが堆積したとき、せき止められた空隙X内のトナーに逃げ場がないので、空隙X内のトナーが徐々に感光体3の下流側に押し出され、クリーニング不良が発生する。
次に、本出願人らが行った検証実験について説明する。
弾性体ブレード622の材質、表面層623の材質、含浸処理方法、ブレード下面62bにおける表面層623の形成をそれぞれ変化させて、耐久試験を行った。
[弾性体ブレード]
弾性体ブレード622としては、25[℃]における物性が以下の物性となっている5つのウレタンゴムを用意した。
ウレタンゴム1:硬度74度、反発弾性率49[%](東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム2:硬度69度、反発弾性率50[%](東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム3:硬度72度、反発弾性率31[%](東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム4:硬度71度、反発弾性率18[%](東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム5:硬度72度、反発弾性率23[%](シンジーテック製)
ウレタンゴムの硬度は、島津製作所製デュロメーターを用い、JIS K6253に準じて測定した。試料は厚さ6[mm]以上となるように約2[mm]のシートを重ね合わせたものとした。
ウレタンゴムの反発弾性は、東洋精機製作所製No.221レジリエンステスタを用い、JIS K6255に準じて測定した。試料は厚さ4[mm]以上となるように約2[mm]のシートを重ね合わせたものとした。
[含浸剤]
含浸剤としては、以下のものを用いた。
(含浸剤1)
イソシアネート化合物:日本ポリウレタン MR−100 10部
2−ブタノン 90部
(含浸剤2)
イソシアネート化合物:日本ポリウレタン MR−100 10部
シリコーン樹脂:日油 モディパーFS−700 2部
2−ブタノン 88部
(含浸剤3)
イソシアネート化合物:関東化学 MDI 5部
2−ブタノン 95部
(含浸剤4)
イソシアネート化合物:関東化学 MDI 5部
シリコーン樹脂:日油 モディパーFS−700 2部
2−ブタノン 93部
[表面層]
表面層としては、以下のものを用いた。
(表面層1)
ウレタンアクリレートオリゴマー1:根上工業 UN−904 0.5部
ウレタンアクリレートオリゴマー2:根上工業 UN−2700 19.5部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 1部
溶媒:2−ブタノン 79部
塗膜硬度:鉛筆硬度2H
摩擦係数:0.6
(表面層2)
ウレタンアクリレートオリゴマー1:根上工業 UN−904 5部
ウレタンアクリレートオリゴマー2:根上工業 UN−2700 15部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 1部
溶媒:2−ブタノン 79部
塗膜硬度:鉛筆硬度3H
摩擦係数:0.5
(表面層3)
ウレタンアクリレートオリゴマー1:根上工業 UN−904 8部
ウレタンアクリレートオリゴマー2:根上工業 UN−2700 12部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 1部
溶媒:2−ブタノン 79部
塗膜硬度:鉛筆硬度6H
摩擦係数:0.45
(表面層4)
ウレタンアクリレートオリゴマー1:根上工業 UN−3320HA 5部
ウレタンアクリレートオリゴマー2:根上工業 UN−2700 15部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 1部
溶媒:2−ブタノン 79部
塗膜硬度:鉛筆硬度2H
摩擦係数:0.5
(表面層5)
ウレタンアクリレートオリゴマー1:根上工業 UN−904 20部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 1部
溶媒:2−ブタノン 79部
塗膜硬度:鉛筆硬度9H
摩擦係数:0.4
表面層623の鉛筆硬度は、コーテック株式会社製鉛筆引っかき試験機KTVF−2380を用い、JIS K5600−5−4に準じて測定した。試料は、50[mm]×50[mm]のガラス板上に表面層623の材料を約5[μm]スプレー塗工したものとした。
表面層623の摩擦係数は、新東科学製トライボギアミューズ94iを用い、最大静止摩擦係数を測定した。試料は、50[mm]×50[mm]のガラス板上にコーティング材料を約5[μm]スプレー塗工したものとした。
ウレタンアクリレート(根上工業 UN−904)のマルテンス硬度は、単品(100%)で約300[N/mm]で、これに対し、硬度70度のウレタンゴムのマルテンス硬度は、1[N/mm]以下であるので、ウレタンアクリレートオリゴマーを主成分とする表面層1〜5は、弾性ブレード1〜5よりも、十分に硬度が高いものである。
次に、検証実験を行った画像形成装置の構成について説明する。
上記ウレタンゴム1〜5のいずれかを用いて厚さ1.8[mm]の短冊形状の弾性体ブレードを作成し、この弾性体ブレードを含浸剤1〜4のいずれかに所定時間浸漬したのち、3分間風乾し、さらにスプレー塗工法とスクリーン印刷法により上記表面層1〜表面層5いずれかの表面層を形成した。具体的には、適宜含浸処理を行った各々のウレタンゴムからなる弾性体ブレードに対し、まずスプレー塗工によりブレード先端面から10[mm/s]のスプレーガン移動速度にて所定の層厚になるように先端面全面に重ね塗りを行った。3分間指触乾燥後、ブレード下面にスクリーン印刷によりブレード稜線部から所定の非形成領域をはさんで先端約3[mm]幅に表面層が形成されるように塗工した。ブレード下面へのパターン塗工は、太陽精機製シルクスクリーン230メッシュを用い、UV露光により非形成領域を規制する所定のパターンを形成したのち、上記表面層材料を溶媒量により粘度調節して塗工した。その後さらに3分間指触乾燥を行い、紫外線露光(140[W/cm]×5[m/min]×5パス)を行った。
表面層が形成された弾性体ブレードをリコー製カラー複合機 imagio MP C4500に搭載できる板金ホルダーに接着剤により固定し、試作のクリーニングブレードとした。これを同じくリコー製カラー複合機 imagio MP C4500に取り付け、実施例1〜実施例5、比較例1〜比較例3の画像形成装置を作製した。なお、クリーニングブレードは、線圧:20[g/cm]、クリーニング角:79[°]となるように取り付けた。
比較例1〜3は、図6(a)に示すように、潤滑剤塗布装置10を備えた画像形成装置である。潤滑剤塗布装置10は、固形潤滑剤103、潤滑剤加圧スプリング(不図示)、固形潤滑剤103を感光体3上に塗布する塗布ブラシとしてファーブラシ101などを備えている。固形潤滑剤103を、図示しないブラケットに保持し、潤滑剤加圧スプリング(不図示)によりファーブラシ101側に固形潤滑剤103を加圧している。そして、感光体3の回転方向に対して連れまわり方向に回転するファーブラシ101により固形潤滑剤103が削られて感光体3上に潤滑剤を塗布する。感光体3上に塗布された潤滑剤は、ファーブラシ101よりも感光体移動方向下流側に配置された均しブレード102により均される。感光体への潤滑剤塗布により感光体表面の摩擦係数を非画像形成時に0.2以下に維持している。なお、感光体表面の静止摩擦係数の測定方法については、オイラーベルトの方法で、例えば、特開平9−166919号公報の段落番号0046に記載されている。
一方、実施例1〜5の画像形成装置は、図6(b)に示すように、固形潤滑剤103、均しブレード102が取り外されており、感光体表面には、潤滑剤が塗布されないよう構成されている。
検証実験には、重合法により作製したトナーを用いた。なお、トナーの物性は、以下のとおりである。
トナー母体:円形度0.98、平均粒径4.9[μm]
外添剤 :小粒径シリカ1.5部(クラリアント製H2000)
小粒径酸化チタン0.5部(テイカ製MT−150AI)
大粒径シリカ1.0部(電気化学工業製UFP−30H)
検証実験は、実験室環境:21[℃]・65[%RH]、通紙条件:画像面積率5%チャートを3プリント/ジョブで、50,000枚(A4横)で行った。そして、以下の項目を評価した。
[評価項目]
クリーニング不良発生:有無(目視観察)
評価時画像:縦帯パターン(紙進行方向に対して)43[mm]幅、3本チャート
出力20枚(A4横)
ブレードエッジ摩耗幅:図7に示すようにブレード下面側からみた摩耗幅
以下に実施例1〜実施例5、比較例1〜比較例3のクリーニングブレードの検証実験の結果を示す。なお、表面層の層厚は、キーエンス製マイクロスコープVHX−100を用い、別途同様に塗工した弾性体ブレードの断面により測定した。試料は日進EM製SEM試料作製用トリミングカミソリを用い断面を切断したものとした。
また、クリーニングブレードの先端稜線部の摩擦係数は、新東科学株式会社製・摩擦摩耗試験機(ブレードホルダー装着)を使い測定した。具体的には、ガラス板上に感光体表面層と同成分の被膜が形成された「擬似感光体」に、クリーニングブレードを上述と同じ接触条件(角度:79°、線圧:20[g/cm])になるよう取り付け、ガラス板を動かしてその時の動摩擦係数を測定した。
(実施例1)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム3
含浸剤:含浸剤1
含浸時間:90秒
表面層:表面層5
ブレード下面先端非形成幅:40[μm]
エッジ部より50[μm]での表面層厚:ブレード下面1[μm]
:先端面1[μm]
潤滑剤塗布:なし
先端摩擦係数:0.5
ブレードエッジ摩耗幅:5[μm]
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
(実施例2)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム4
含浸剤:含浸剤4
含浸時間:120秒
表面層:表面層3
ブレード下面先端非形成幅:30[μm]
エッジ部より50[μm]での表面層厚:ブレード下面2[μm]
:先端面3[μm]
潤滑剤塗布:なし
先端摩擦係数:0.3
ブレードエッジ摩耗幅:6[μm]
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
(実施例3)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム2
含浸剤:含浸剤2
含浸時間:120秒
表面層:表面層5
ブレード下面先端非形成幅:50[μm]
エッジ部より50[μm]での表面層厚:ブレード下面2[μm]
:先端面2[μm]
潤滑剤塗布:なし
先端摩擦係数:0.3
ブレードエッジ摩耗幅:8[μm]
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
(実施例4)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム1
含浸剤:含浸剤3
含浸時間:150秒
表面層:表面層2
ブレード下面先端非形成幅:30[μm]
エッジ部より50[μm]での表面層厚:ブレード下面5[μm]
:先端面5[μm]
潤滑剤塗布:なし
先端摩擦係数:0.5
ブレードエッジ摩耗幅:8[μm]
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
(実施例5)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム5
含浸剤:含浸剤1
含浸時間:120秒
表面層:表面層4
ブレード下面先端非形成幅:20[μm]
エッジ部より50[μm]での表面層厚:ブレード下面5[μm]
:先端面5[μm]
潤滑剤塗布:なし
先端摩擦係数:0.5
ブレードエッジ摩耗幅:12[μm]
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
(比較例1)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム2
含浸処理:無
表面層:表面層1
ブレード下面先端非形成幅:10[μm]
エッジ部より50[μm]での表面層厚:ブレード下面10[μm]
:先端面20[μm]
潤滑剤塗布:あり
先端摩擦係数:0.6
ブレードエッジ摩耗幅:20[μm]
クリーニング不良発生:スジ状クリーニング不良3ヶ所
異音発生:ビビリ発生
(比較例2)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム3
含浸剤:無
表面層:表面層2
ブレード下面先端非形成幅:0[μm](全面形成)
エッジ部より50[μm]での表面層厚:ブレード下面7[μm]
:先端面10[μm]
潤滑剤塗布:あり
先端摩擦係数:0.5
ブレードエッジ摩耗幅:40[μm]
クリーニング不良発生:帯状クリーニング不良2ヶ所
異音発生:ビビリ発生
(比較例3)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム5
含浸剤:含浸剤3
含浸時間:60秒
表面層:表面層4(ブレード下面のみ形成)
ブレード下面先端非形成幅:70[μm]
エッジ部より50[μm]での表面層厚:ブレード下面30[μm]
:先端面0[μm]
潤滑剤塗布:あり
先端摩擦係数:0.4
ブレードエッジ摩耗幅:30[μm]
クリーニング不良発生:スジ状クリーニング不良2ヶ所
異音発生:なし
先端面えぐれ摩耗発生
Figure 0005549920
上記表1は、実施例1〜実施例5、比較例1〜比較例3の検証実験の結果をまとめたものである。
実施例1〜実施例5においては、いずれも、50,000枚の経時の連続的な帯ベタ画像に対するクリーニング評価においてもクリーニング不良を抑制することができた。これは、実施例1〜実施例5においては、ブレード下面の表面層を、先端稜線部から20[μm]以上50[μm]以下の間隔を開けて形成したので、先端稜線部が適度な弾性変形性を有する。このため、先端稜線部が、感光体と当接したとき、先端稜線部が適度に弾性変形する。これにより、弾性体ブレード622の先端稜線部62cの感光体3の微小な変形などに対する追随性が安定して維持される。その結果、クリーニング不良が発生しなかったと考えられる。また、経時の使用で、クリーニングブレードの先端稜線部が摩耗して、当接幅が広がり、単位面積当りの当接圧が減少した状態で、経時の縦帯パターンの連続という厳しい条件でも、追随性が安定して維持され、良好なクリーニング性を維持することができたと考えられる。また、感光体の表面に潤滑剤を塗布しない構成で、感光体表面の摩擦係数が高くても、クリーニングブレードの先端のめくれが生じず、良好なクリーニング性が得られた。
また、実施例1〜5においては、ビビリ音も確認されなかった。これは、ブレード下面の表面層を、先端稜線部から20[μm]以上50[μm]以下の間隔を開けて形成し、適度な弾性変形性を持たせたので、感光体との摩擦力により、先端稜線部が、感光体移動方向に適度に移動し、その後、摩擦力よりも復元力が大きくなると、先端稜線部が感光体表面移動方向と逆方向へ移動するような適度な往復運動をすることができたため、ビビリ音が抑制されたと考えられる。また、実施例1乃至5においては、弾性ブレードの先端稜線部が、含浸処理により動摩擦係数を0.5以下に制御されている。これも、経時的な異音発生を抑制できた一要因と考えられる。また、ブレード下面、および先端面の表面層の層厚も5[μm]以下であるので、先端稜線部の適度な弾性にでき、表面層が感光体移動方向の往復運動を阻害せず、適度な往復運動をすることができたと考えられる。
また、先願(特願2009−263165号)においては、潤滑剤塗布装置による潤滑剤塗布により感光体表面の摩擦係数が非画像形成時に0.2以下に維持されていることも、経時的な異音発生を抑制できた一要因と考えられていたが、今回の検証実験で、感光体表面に潤滑剤を塗布して、摩擦係数を下げなくても、異音を抑制できることが確認された。
また、実施例1乃至5においては、5万枚通紙試験後の磨耗幅も12[μm]以下と抑制できている。これは、次の理由により、抑制されたと考えられる。1つは、ブレード下面の非形成領域を20[μm]以上にしているため、先端稜線部が、感光体表面移動方向に感光体とともにある程度移動でき、先端稜線部が常に感光体と摺擦しないためと考えられる。また、含浸処理により、弾性ブレードの先端稜線部の摩擦係数0.5以下に制御され、また、硬度上昇も図られているため、磨耗を抑制できたと考えられる。また、ブレード下面、および先端面の表面層の層厚も5[μm]以下であるので、先端稜線部の適度な弾性にでき、感光体移動方向の往復運動を阻害せず、磨耗を抑制できたと考えられる。
また、実施例1乃至5においては、先端面えぐれ磨耗も確認できなかった。これは、ブレード下面の表面層が、先端稜線部のめくれを規制するような効果を有し、めくれが生じなかったためと考えられる。また、先端面に形成した表面層も、先端稜線部のめくれを規制するような効果を有し、めくれが生じなかったと考えられる。さらには、先端稜線部の含浸処理により、先端稜線部の摩擦係数を0.5以下にしていることも、感光体と先端稜線部の摩擦力を低減し、先端稜線部のめくれを抑制したと考えられる。
また、本検証実験には、トナー母体の円形度が0.98、平均粒径が4.9[μm]の球形かつ粒径の小さい重合トナーを用いたが、実施例1〜5では、良好なクリーニング性を得ることができた。これは、先端稜線部から20[μm]以上50[μm]以下の間隔を開けて形成して、先端稜線部に適度な弾性変形性を持たせたので、先端稜線部の当接圧や姿勢を安定させることができたため、球形かつ粒径の小さい重合トナーでも、良好なクリーニング性を得られたと考えられる。また、弾性ブレードの先端稜線部を含浸処理して、先端稜線部の摩擦係数0.5以下に制御し、硬度上昇を図って、先端稜線部の磨耗を抑制したので、先端稜線部の形状変化を抑えることができたことも、球形かつ粒径の小さい重合トナーでも、経時にわたり良好なクリーニング性を得られた一要因と考えられる。
実施例1〜5のように、ブレード下面に先端稜線部より20[μm]以上50[μm]以下の範囲で非形成領域をはさんで表面層を形成することにより、クリーニング性の維持にきわめて有効となることが確認された。また、ブレード下面に先端稜線部より20[μm]以上50[μm]以下の範囲で非形成領域をはさんで表面層を形成することにより、感光体表面に潤滑剤を塗布しなくても、クリーニング性を維持できることが確認された。
一方、比較例1においては、クリーニング評価において、スジ状クリーニング不良が発生した。これは、ブレード下面の表面層が先端稜線部から間隔を設けて形成されているものの、その非形成領域幅が、10[μm]と十分でないこと、表面層の層厚が厚いことにより、表面層が、先端稜線部の弾性変形を阻害したためと考えられる。また、先端面の表面層の層厚が厚いため、先端面と感光体とがなす当接部の上流側の空隙が狭い。このため、せき止められた空隙内のトナーに逃げ場がないので、空隙内のトナーが徐々に感光体3の下流側に押し出されて、クリーニング不良が発生したとも考えられる。また、表面層が厚いため、先端稜線部の感光体移動方向に適度な往復運動できず、ビビリ異音が発生したと考えられる。さらに、比較例1においては、経時使用で、クリーニング性が悪化した。これは、先端稜線部への含浸処理が行われていないことにより、感光体表面との摩擦力増加の影響で、クリーニングブレードの先端稜線部が大きく摩耗した結果、適度な当接圧維持ができなくなり、クリーニングブレードをトナーがすり抜けて、クリーニング不良がひどくなったと考えられる。
また、比較例2においては、ブレード下面の全面に表面層が形成されているため、比較例1と同様な理由により、ビビリ音の発生やクリーニング不良が生じたと考えられる。
また、比較例3においては、逆にその非形成領域幅が、70[μm]と大きすぎることから、ブレード下面の表面層によるめくれ規制効果が十分得られず、めくれが発生し、えぐれ摩耗が発生したと考えられる。
また、比較例1〜3において、検証実験終了後、感光体表面を触ったところ、べとつきが確認された。これは、感光体表面に供給された潤滑剤の帯電装置の放電による劣化により、感光体表面の潤滑剤の粘性が増したためと考えられる。このような感光体表面の潤滑剤の粘性が生じたことも、比較例3において、めくれが発生した一要因だと考えられる。
また、上述では、像担持体としての感光体表面のトナーをクリーニングするクリーニング装置に本発明を適用する例について、説明したが、これに限られない。例えば、感光体に形成したトナー像を像担持体たる中間転写ベルトに一次転写し、中間転写ベルトに一次転写されたトナー像を転写紙に二次転写する画像形成装置における中間転写ベルト表面の転写残トナーをクリーニングする中間転写ベルトクリーニング装置に本発明を適用することができる。
以上、本実施形態によれば、弾性ブレードで構成され、像担持体たる感光体の表面に先端稜線部を当接させて、感光体表面からトナーを除去するクリーニングブレードにおいて、先端稜線部を1辺に有し、感光体と対向するブレード下面に、先端稜線部から20[μm]以上50[μm]以下の間隔を開けて弾性ブレードよりも硬い表面層を設けた。表面層を上記のようにすることによって、上述した検証実験で明らかなように、感光体表面を滑剤を塗布しない非滑剤塗布面としても、良好なクリーニング性を維持することができ、かつ、先端稜線部がめくれるのを、抑制することができる。また、感光体表面に滑剤を塗布することによる副作用である滑剤の帯電装置の放電による劣化で、粘性が生じて、先端稜線部のめくれが発生するおそれが高まるのを抑制することができる。また、感光体表面に潤滑剤を塗布しなくて済むので、潤滑剤塗布装置を設ける必要がなくなり、装置のコンパクト化、部品点数の削減を図ることができる。
また、ブレード下面の表面層は紫外線硬化樹脂からなり表面層の層厚が1[μm]以上5[μm]以下であることが好ましい。すなわち、上述したように、層厚がその範囲内に無い場合、異音(ビビリ)の発生を生じたり、めくれを生じたりする。1[μm]未満だと、表面層623の剛性が弱くなり、クリーニングブレード62の先端稜線部62cがめくれやすくなる。また、層厚が5[μm]を超えると、先端稜線部の弾性変形を阻害して、感光体表面の微小変動に対する追随性が低下し、トナーのすり抜けが増大してクリーニング不良が発生しやすくなる。また、先端稜線部の感光体移動方向の変形も阻害され、異音の発生を生じやすくなる。また、表面層623が紫外線硬化樹脂からなることで、クリーニングブレード62の先端稜線部62cに付着した樹脂に紫外線を照射させるだけで、所望の硬度を有する表面層623を得ることができ、クリーニングブレード62を安価に製造することができる。
また、先端稜線部を1辺に有し、上記弾性ブレードの厚み方向に平行な面である先端面の先端稜線部から上記弾性ブレードよりも硬い表面層を設けることで、より一層めくれを抑制することができる。
また、先端面の表面層も紫外線硬化樹脂からなり表面層の層厚を1[μm]以上5[μm]以下とするのが好ましい。上述したように、層厚がその範囲内に無い場合、1[μm]未満だと、表面層623の剛性が弱くなり、クリーニングブレード62の先端稜線部62cがめくれやすくなる。また、層厚が5[μm]を超えると、先端稜線部の弾性変形を阻害して、感光体表面の微小変動に対する追随性が低下し、トナーのすり抜けが増大してクリーニング不良が発生しやすくなる。また、層厚が5[μm]を超えると、先端面62aと感光体3とがなす当接部の上流側の空隙が狭くなり、長期に渡るクリーニング動作によって空隙にトナーが堆積したとき、クリーニング不良が発生してしまう。さらには、先端稜線部の感光体移動方向の変形も阻害され、異音の発生が生じやすくなる。また、表面層623が紫外線硬化樹脂からなることで、クリーニングブレード62の先端稜線部62cに付着した樹脂に紫外線を照射させるだけで、所望の硬度を有する表面層623を得ることができ、クリーニングブレード62を安価に製造することができる。
また、本実施形態によれば、弾性体ブレード622として、ウレタン基を含むゴムを用いたことで、感光体3に偏心などあっても、柔軟に弾性体ブレード622が変形して、所定の当接圧を維持することができ、良好なクリーニング性を維持することができる。
また、本実施形態によれば、弾性体ブレード622は先端稜線部62cに、イソシアネート化合物、フッ素化合物、シリコーン化合物から選ばれる少なくとも1種を含浸させる低摩擦処理がなされ、先端稜線部62cの摩擦係数が0.5以下である。これにより、感光体3の表面と先端稜線部62cとの間で生じる摩擦力を低減することができ、先端稜線部のめくれを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、プロセスカートリッジ1として上述のクリーニングブレード62を一体に構成することで、クリーニング性が良好なプロセスカートリッジを提供することができる。
1 プロセスカートリッジ
2 枠体
3 感光体
4 帯電装置
5 現像装置
6 クリーニング装置
7 転写装置
10 潤滑剤塗布装置
14 転写ベルト
51 現像ローラ
52 供給スクリュ
53 攪拌スクリュ
54 ドクタ
62 クリーニングブレード
62a 先端面
62b ブレード下面
62c 先端稜線部
101 ファーブラシ
103 固形潤滑剤
262 クリーニングブレード
262a 先端面
262b ブレード下面
262c 先端稜線部
621 ホルダー
622 弾性体ブレード
623 表面層
624 ブレード下面表面層非形成領域
特許第3602898号公報 特開2004−233818号公報

Claims (6)

  1. 像担持体と、
    該像担持体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
    該像担持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー像化する現像手段と、
    該像担持体表面のトナー像を転写体に転写する転写手段と、
    短冊形状の弾性ブレードで構成され、該弾性ブレードの先端稜線部を該像担持体の表面に当接して、該像担持体表面から粉体を除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段とを備えた画像形成装置において、
    上記クリーニングブレードは、上記先端稜線部を1辺に有し、前記先端稜線部よりも下流側で上記像担持体と対向するブレード下面に、先端稜線部から20[μm]以上50[μm]以下の間隔を開けて、該弾性ブレードよりも硬い表面層を形成するとともに先端稜線部を1辺に有し、上記弾性ブレードの厚み方向に平行な面である先端面の先端稜線部から上記弾性ブレードよりも硬い表面層を設けたものであり、
    上記像担持体表面に滑剤が塗布されない構成としたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    上記クリーニングブレードの表面層のブレードは、紫外線硬化樹脂からなり該表面層のブレード下面における層厚が1[μm]以上5[μm]以下であることを特徴とする画像形成装置
  3. 求項1または2の画像形成装置において、
    上記クリーニングブレードの上記表面層は紫外線硬化樹脂からなり該表面層のブレード先端面における層厚が1[μm]以上5[μm]以下であることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至いずれかの画像形成装置において、
    上記クリーニングブレードの上記弾性体ブレードとして、ウレタン基を含むゴムを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至いずれの画像形成装置において、
    イソシアネート化合物、フッ素化合物、シリコーン化合物から選ばれる少なくとも1種により、上記クリーニングブレードの先端稜線部の摩擦係数を0.5以下にする含浸改質処理が、上記クリーニングブレードの先端稜線部に対して、施されていることを特徴とする画像形成装置。
  6. 像担持体と、少なくとも該像担持体の表面に付着した残トナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、
    上記クリーニングブレードは、上記先端稜線部を1辺に有し、前記先端稜線部よりも下流側で上記像担持体と対向するブレード下面に、先端稜線部から20[μm]以上50[μm]以下の間隔を開けて、該弾性ブレードよりも硬い表面層を形成するとともに先端稜線部を1辺に有し、上記弾性ブレードの厚み方向に平行な面である先端面の先端稜線部から上記弾性ブレードよりも硬い表面層を設けたものであり、
    上記像担持体表面は、潤滑剤非塗布面であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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