JP6488802B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に関する。
従来より、電子写真式の画像形成装置においては、画像形成工程により、記録媒体へトナー像を転写した後の中間転写体に付着した残留トナーは、中間転写体のクリーニング手段によって除去されている。
前記中間転写体の1つである中間転写ベルトは、画像形成装置を構成する部品の中でも高価格な部品であり、低コスト化が強く要求されている。中間転写ベルトの低コスト化を図るために、例えば、熱可塑性樹脂組成物を加熱混練した後に押出成形することにより、中間転写ベルトを作製する方法が提案されている(特許文献1参照)。
前記中間転写ベルトとして、例えば、主成分であるポリエステル系熱可塑性エラストマーに、メラミンシアヌレート、及び特定の陰イオンを含む塩を混合した熱可塑性組成物を押出機で溶融混練して形成された難燃性シームレス中間転写ベルトが提案されている(特許文献2参照)。
前記中間転写体のクリーニング手段としては、構成が簡単であり、クリーニング性も優れていることから、中間転写体クリーニングブレードが用いられている。前記中間転写体クリーニングブレードは、通常、ポリウレタンゴム等からなる弾性部材と、支持部材とから構成されている。そして、前記弾性部材の基端を支持部材で支持して、前記弾性部材の当接部(先端稜線部)を中間転写体表面に押し当て、中間転写体表面に残留するトナーを堰き止め、掻き落として除去している。
前記中間転写体の被清掃部材のクリーニング手段として、クリーニングブレードに、スプレー塗工、ディップ塗工等によって、イソシアネート化合物、フッ素化合物、シリコーン化合物から選ばれる少なくとも1種を含浸させることが提案されている(特許文献3参照)。
しかしながら、前記特許文献1においては、前記熱可塑性樹脂組成物を加熱混練する際に、分散性を上げるために混練を強くすると樹脂の分解が進みやすくなり、作製された前記中間転写ベルト表面にオリゴマーが出てきやくなる。前記オリゴマーが出てきた結果、所定回数転写及びクリーニングを繰り返した後に、前記中間転写ベルトのクリーニング不良が発生し、該中間転写ベルトの寿命が短くなるという問題がある。
また、前記特許文献2においても、前記熱可塑性組成物の加熱混練を強くすると、前記難燃性シームレス中間転写ベルト表面にオリゴマーが出てきてしまい、所定回数転写及びクリーニングを繰り返した後に、前記難燃性シームレス中間転写ベルトのクリーニング不良が発生するという問題がある。
さらに、前記被清掃部材の表面にオリゴマーが出てきた結果、所定回数転写及びクリーニングを繰り返した後に、前記被清掃部材のクリーニング不良が発生する問題は、前記特許文献3においても解決できていない。
そこで、本発明は、最適化した中間転写体クリーニングブレードを用い、クリーニング性に優れた画像形成装置を提供することで上記の問題を解決することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の画像形成装置は、
像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、
帯電された前記像担持体を露光して前記像担持体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、
トナーを用いて前記静電潜像を現像して前記像担持体の表面に可視像を形成する現像手段と、
前記可視像を中間転写体の表面に転写する第1転写手段と、
前記中間転写体の表面に転写された前記可視像を記録媒体に転写する第2転写手段と、
前記中間転写体の表面に残留するトナーを除去する中間転写体クリーニング手段と、
を有する画像形成装置であって、
前記中間転写体が、熱可塑性樹脂と、導電性フィラーと、ポリエーテル共重合体とを含有し、
前記中間転写体が、前記中間転写体におけるテトラヒドロフラン可溶分のうち分子量2,000以上の成分を10質量%以下含有し、
前記中間転写体クリーニング手段が、マルテンス硬度4.5以上20.0以下の中間転写体クリーニングブレードであることを特徴とする。
本発明によると、最適化した中間転写体クリーニングブレードを用い、クリーニング性に優れた画像形成装置を提供することができる。
図1は、クリーニングブレードの弾性部材が本発明の中間転写ベルト表面に当接する状態の一例を示す模式図である。 図2は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 図3は、本発明の画像形成装置の一例における作像ユニットの概略構成図である。 図4は、本発明の画像形成装置で用いられるクリーニングブレードの一例を示す斜視図である。 図5Aは、本発明の画像形成装置で用いられるクリーニングブレードが中間転写体表面に当接している状態を示す拡大断面図である。 図5Bは、本発明の画像形成装置で用いられるクリーニングブレードの当接部近傍の拡大図である。 図6Aは、実施例1のGPC測定結果を示すグラフである。 図6Bは、比較例1のGPC測定結果を示すグラフである。
(画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、像担持体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、第1転写手段と、第2転写手段と、像担持体クリーニング手段と、中間転写体クリーニング手段とを有し、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。なお、前記帯電手段と前記露光手段を合わせて静電潜像形成手段と称することもある。
<像担持体>
前記像担持体(以下、「電子写真感光体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。前記像担持体の形状としては、例えば、ドラム状、ベルト状等が挙げられる。前記像担持体の材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)等が挙げられる。
<帯電手段>
前記帯電手段は、前記像担持体の表面を帯電させる手段である。前記帯電手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器等が挙げられる。
前記帯電手段の形状としては、例えば、ローラ、磁気ブラシ、ファーブラシ等のどのような形態をとってもよく、電子写真方式の画像形成装置の仕様及び形態にあわせて選択可能である。磁気ブラシを用いる場合、磁気ブラシは、例えば、Zn−Cuフェライト等、各種フェライト粒子を帯電手段として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。又はブラシを用いる場合、例えば、ファーブラシの材質としては、カーボン、硫化銅、金属又は金属酸化物により導電処理されたファーを用い、これを金属又は他の導電処理された芯金に巻き付けたり、張り付けたりすることで帯電器とする。
前記帯電器は、前記のような接触式の帯電器に限定されるものではないが、帯電器から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られる利点がある。
前記帯電器が像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって像担持体表面を帯電するものが好ましい。
また、帯電器が、像担持体にギャップテープを有し非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって像担持体表面を帯電するものも好ましい。
<露光手段>
前記露光手段は、帯電された前記像担持体を露光して静電潜像を形成する手段である。
前記露光における光学系は、アナログ光学系とデジタル光学系とに大別される。前記アナログ光学系は、原稿を光学系により直接像担持体上に投影する光学系であり、前記デジタル光学系は、画像情報が電気信号として与えられ、これを光信号に変換して電子写真感光体を露光し静電潜像を形成する光学系である。
前記露光手段としては、前記帯電手段により帯電された前記像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系等の各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
<現像手段>
前記現像手段は、トナーを用いて前記静電潜像を現像して前記像担持体の表面に可視像を形成する手段である。
前記現像手段は、例えば、前記トナーを用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、前記トナーを収容し、前記静電潜像に該トナーを接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよい。例えば、前記トナーを摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの等が好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと、必要に応じてキャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記像担持体近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該像担持体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該像担持体の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させるトナーは、前記トナーを含む現像剤であってもよく、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
<第1転写手段及び第2転写手段>
前記第1転写手段は、前記可視像を前記中間転写体の表面に転写する手段である。前記第2転写手段は、前記中間転写体の表面に転写された前記可視像を記録媒体に転写する手段である。
前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、前記第1転写手段が、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する態様がより好ましく、前記第2転写手段が、該複合転写像を記録媒体上に転写する態様がより好ましい。
なお、前記記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
前記第1転写手段は、前記像担持体上に形成された前記可視像を、剥離帯電により前記中間転写体の表面に転写するのが好ましい。前記第2転写手段は、前記中間転写体の表面に転写された前記可視像を、剥離帯電により記録媒体に転写するのが好ましい。
<<中間転写体>>
本発明の中間転写体は、熱可塑性樹脂と、導電性フィラーと、ポリエーテル共重合体とを含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
<<<熱可塑性樹脂>>>
前記熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の熱可塑性樹脂の中から適宜選択することができる。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、熱可塑性ポリアミド(PA)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、熱可塑性ポリアセタール(POM)、熱可塑性ポリアリレート(PAR)、熱可塑性ポリカーボネート(PC)、熱可塑性ウレタン、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリブチレンナフタレート(PBN)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、グリコール変性PET(PETG)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂等のポリアルキレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、その他のフッ素樹脂等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記熱可塑性樹脂としては市販品を用いることができ、前記市販品としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)として、kynar720(アルケマ株式会社製)等が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、65質量%〜85質量%が好ましく、70質量%〜80質量%がより好ましい。
<<<導電性フィラー>>>
前記導電性フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、金属酸化物、イオン導電剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記カーボンブラックが好ましい。
前記カーボンブラックとしては、例えば、チャンネルブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ガスブラック、黒鉛などが挙げられる。また、様々な用途向けに酸化処理をされたものでもよく、官能基を有するカップリング剤などの化合物を付与して表面処理を行い、塩基性又は酸性としたものでもよい。これらの中でも、前記アセチレンブラックが、分散性向上の点で、好ましい。前記導電性フィラーとしては市販品を用いることができ、前記アセチレンブラックとしては、例えば、デンカブラック(電気化学工業株式会社製)等が挙げられる。
前記金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、又はこれらの表面処理物等が挙げられる。
前記イオン導電剤としては、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエステル、アルキルベタイン、過塩素酸リチウム等が挙げられる。
前記導電性フィラーの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記熱可塑性樹脂100質量部に対して、15質量部〜35質量部が好ましく、20質量部〜30質量部がより好ましい。前記導電性フィラーの含有量が、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記熱可塑性樹脂100質量部に対して、15質量部〜35質量部であると、抵抗値調整及び強度向上の点において好ましい。
<<<ポリエーテル共重合体>>>
前記ポリエーテル共重合体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のポリエーテル共重合体の中から適宜選択することができる。
これらの中でも、ポリエーテルアミドユニット、及びポリエーテルエステルアミドユニットを含むポリエステル−エーテルブロック共重合体が好適である。
前記ポリエーテルアミドユニット及びポリエーテルエステルアミドユニットとしては、例えば、ポリエーテルユニットが(−CH−CH−O−)を含有し、ポリアミドユニットがポリアミド12(PA12)又はポリアミド6(PA6)を含有するものが特に好ましい。
前記ポリエーテル共重合体は、下記一般式(a)、(b)、及び(c)で表される骨格を有するものであるのがより好ましい。
(上式中、Rは、置換又は無置換の2価の有機基、Rは置換又は無置換の2価の鎖状
有機基、Rは置換又は無置換の2価の鎖状炭化水素基を表し、nは20以上の自然数
を表し、p、q、及びrは、該共重合体の重量平均分子量を10,000以上50,000以下の範囲とする1以上の自然数を表し、p:q:rはモル比で100:10〜100:1〜80である。)
前記ポリエーテル共重合体の市販品としては、例えば、ポリエーテルとポリオレフィンのブロック共重合体であるペレクトロンPVH(三洋化成工業株式会社製)等が挙げられる。前記ポリエーテル共重合体は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリエーテル共重合体の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記熱可塑性樹脂100質量部に対して、5質量部〜20質量部が好ましく、10質量部〜15質量部がより好ましい。前記ポリエーテル共重合体の含有量が5質量部〜20質量部であると、抵抗値調整がしやすく、電圧依存性が少なくなる点において好ましい。
<<<テトラヒドロフラン可溶分>>>
前記中間転写体におけるテトラヒドロフラン可溶分とは、前記中間転写体のテトラヒドロフラン(THF)溶媒に可溶である低分子量成分をいう。より具体的には、テトラヒドロフラン可溶分とは、前記中間転写体を15mm×50mmの短冊に切り出し、テトラヒドロフラン5mlに3日間、23℃で浸漬させて溶出された低分子量成分をいう。前記中間転写体は、テトラヒドロフラン可溶分のうち分子量2,000以上の成分が10質量%以下であり、7質量%以下が好ましい。
前記テトラヒドロフラン可溶分のうち、分子量が2,000未満の成分は、クリーニングの際にダム層を形成し、クリーニング性の向上に寄与するが、分子量が2,000以上の成分はクリーニング不良の原因になることを知見した。
そこで、本発明は、上記知見に基づき、テトラヒドロフラン可溶分のうち、分子量が2,000以上の成分に着目し、その含有割合を10質量%以下に規定することによって、クリーニング性に優れた中間転写体を提供するものである。
本発明において、前記テトラヒドロフラン可溶分のうち、分子量が2,000以上の成分の割合を10質量%以下とするためには、成型後の樹脂組成物の表層を研磨してもよい。研磨に代えて、熱分解させない温度で樹脂組成物を成型してもよく、或いは、せん断力をかけすぎないように樹脂組成物を成型してもよい。
前記テトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)は、1.45以下であることが好ましく、1.20以下であることがより好ましい。前記重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.45以下であると、クリーニング性が向上するので好ましい。
前記テトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量(Mw)は、800以下であるのが好ましく、500以下であることがより好ましい。前記重量平均分子量(Mw)が800以下であると、クリーニング性が向上するので好ましい。
<<<平均除去厚み>>>
前記中間転写体の平均除去厚みは、0.5μmより大きく2.5μm未満であるのが好ましく、1.5μmより大きく2.5μm未満であるのがより好ましい。前記平均除去厚みが0.5μm以下であると、中間転写体の表層に配向する分子量の大きい成分を十分に除去することができない。平均除去厚みが2.5μm以上であると、研磨の手間がかかり、中間転写体の製造コストが上がってしまう。
前記平均除去厚みとは、研磨する手段等により中間転写体の表面を除去した厚みの平均値をいう。前記平均値は、前記表面の30点において測定した、除去した厚みの平均値を採用する。前記除去した厚みは、例えば電子マイクロメーター(KG3001A指示器、アンリツ株式会社製)を用いて測定できる。研磨する手段は、特に制限はなく、目的に応じて公知の研磨手段の中から適宜選択することができ、例えばバフによる研磨が挙げられる。
<<その他の成分>>
前記その他の成分は、特に制限はなく、目的に応じて公知の成分の中から適宜選択することができ、例えば、熱安定剤、補強剤、滑剤、相容化剤、着色剤、改質剤などの各種添加剤が挙げられる。
<<中間転写体の製造方法>>
本発明の中間転写体の製造方法は、ペレット形成工程と、膜状形成物形成工程と、研磨工程とを有し、必要に応じてその他の工程を有してなる。
前記ペレット形成工程は、前記熱可塑性樹脂と、前記導電性フィラーと、前記ポリエーテル共重合体と必要に応じてその他の成分を混練してペレットを形成する工程である。前記混練する手段は、特に制限はなく、目的に応じて公知の混練する手段の中から適宜選択することができ、例えば、二軸溶融混練機による混練が挙げられる。
前記膜状形成物形成工程は、前記ペレットを押出形成して膜状形成物を押出形成する工程である。前記押出形成する手段は、特に制限はなく、目的に応じて公知の前記膜状形成物を押出形成する手段の中から適宜選択することができる。前記押出形成する手段としては、例えば、前記ペレットを一軸混練機で押出し、スパイラル円筒ダイに流し込み、次いで引き取ることにより膜状形成物を形成する手段が挙げられる。
前記研磨工程は、前記膜状形成物の表面を研磨する工程である。前記研磨する手段は、特に制限はなく、目的に応じて公知の研磨する手段の中から適宜選択することができ、例えば、バフによる研磨が挙げられる。
前記中間転写体の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の中間転写体の態様から適宜選択することができ、例えば、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器の態様が挙げられる。
<中間転写体クリーニング手段>
前記中間転写体クリーニング手段は、前記中間転写体上に残留する前記トナーを除去する手段である。前記トナー以外の残留物を併せて除去してもよい。
<<マルテンス硬度>>
前記中間転写体クリーニング手段としては、マルテンス硬度4.5以上20.0以下のクリーニングブレードが用いられる。
前記クリーニングブレードのマルテンス硬度は、7.5以上であるのがさらに好ましい。マルテンス硬度が7.5以上であると、クリーニング性がさらに向上する。
本発明において、マルテンス硬度は次のように計測する。クリーニングブレードの先端稜線部から弾性部材の厚み方向に20[μm]離れた位置を、微小硬度計を用いて、ビッカース圧子5.0[mN]の力で10秒間押し込み、5秒間保持し、5.0[mN]の力で10秒かけて抜き、マルテンス硬度を計測する。前記微小硬度計としては、HM−2000(フィッシャーインストルメンツ社製)を用いた。
<像担持体クリーニング手段>
前記像担持体クリーニング手段は、前記像担持体上に残留する前記トナーを除去する手段である。前記トナー以外の残留物を併せて除去してもよい。前記像担持体クリーニング手段は、前記中間転写体と同様の構成を有してもよい。
<その他の手段>
前記その他の手段としては、例えば、定着手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段等が挙げられる。
<<定着手段>>
前記定着手段は、記録媒体に転写されたトナー像を定着させる手段である。なお、2色以上のトナーを用いる場合は、各色のトナーが記録媒体に転写される毎に定着させてもよいし、全色のトナーが記録媒体に転写されて積層された状態で定着させてもよい。定着手段としては、特に限定されず、公知の加熱加圧手段を用いた熱定着方式を採用することができる。加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラを組合せたもの、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトを組合せたもの等が挙げられる。このとき、加熱温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80℃〜200℃が好ましい。なお、必要に応じて、定着手段と共に、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
<<除電手段>>
前記除電手段は、前記像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う手段である。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
<<リサイクル手段>>
前記リサイクル手段は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる手段である。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
<<制御手段>>
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
<クリーニングブレード>
本発明の画像形成装置において用いられるクリーニングブレードは、被清掃部材である本発明の中間転写体の表面に当接して、該被清掃部材表面に付着した残留物を除去する弾性部材を有してなり、支持部材、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
前記クリーニングブレードは、支持部材と、該支持部材に一端が連結され、他端に所定長さの自由端部を有する平板状の弾性部材とからなることが好ましい。前記クリーニングブレードは、前記弾性部材の自由端側の一端である当接部が前記被清掃部材表面に長手方向に沿って当接するように配置されている。
<残留物>
前記残留物としては、被清掃部材表面に付着しており、前記クリーニングブレードの除去対象となるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、トナー、潤滑剤、無機微粒子、有機微粒子、ゴミ、埃又はこれらの混合物等が挙げられる。
<<支持部材>>
前記支持部材としては、その形状、大きさ、及び材質等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記支持部材の形状としては、例えば、平板状、短冊状、シート状等が挙げられる。前記支持部材の大きさとしては、特に制限はなく、前記被清掃部材の大きさに応じて適宜選択することができる。
前記支持部材の材質としては、例えば、金属、プラスチック、セラミック等が挙げられる。これらの中でも、強度の点から金属板が好ましく、ステンレススチール等の鋼板、アルミニウム板、リン青銅板が特に好ましい。
<<弾性部材>>
前記弾性部材は、その形状、材質、大きさ、構造等について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記中間転写体表面に対して、10N/m〜100N/mの押圧力で当接することが好ましい。前記押圧力が、10N/m以上であると、クリーニングブレードの弾性部材が中間転写体表面に当接する当接部位のトナー通過によるクリーニング不良の発生を抑制し易くなる。また、100N/m以下であると、当接部位の摩擦力の増加によりクリーニングブレードが捲れ上がるのを抑制できる。前記押圧力は、10N/m〜50N/mがより好ましい。
前記押圧力は、例えば、共和電業社製 小型圧縮型ロードセルを組み込んだ測定装置を用いて測定することができる。
前記弾性部材の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、平板状、短冊状、シート状等が挙げられる。前記弾性部材の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記中間転写ベルトの大きさに応じて適宜選択することができる。前記弾性部材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高弾性が得られやすい点から、ポリウレタンゴム、ポリウレタンエラストマー等が好適である。
前記弾性部材の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを用いてポリウレタンプレポリマーを調製する。次いで、該ポリウレタンプレポリマーに硬化剤、及び必要に応じて硬化触媒を加えて、所定の型内にて架橋し、炉内にて後架橋させたものを遠心成型によりシート状に成型する。その後、シート状に成型されたものを、常温放置、熟成したものを所定の寸法にて、平板状に裁断することにより、製造される。
前記ポリオール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高分子量ポリオール、低分子量ポリオール等が挙げられる。
前記高分子量ポリオールとしては、例えば、アルキレングリコールと脂肪族二塩基酸との縮合体であるポリエステルポリオール;エチレンアジペートエステルポリオール、ブチレンアジペートエステルポリオール、ヘキシレンアジペートエステルポリオール、エチレンプロピレンアジペートエステルポリオール、エチレンブチレンアジペートエステルポリオール、エチレンネオペンチレンアジペートエステルポリオール等のアルキレングリコールとアジピン酸とのポリエステルポリオール等のポリエステル系ポリオール;カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトンエステルポリオール等のポリカプロラクトン系ポリオール;ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール等のポリエーテル系ポリオール等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記低分子量ポリオールとしては、例えば、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキノン−ビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフエニルメタン、4,4’−ジアミノジフエニルメタン等の二価アルコール;1,1,1−トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、1,1,1−トリス(ヒドロキシエトキシメチル)プロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール等の三価又はそれ以上の多価アルコール等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフチレン1,5−ジイソシアネート(NDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記硬化触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール等が挙げられる。
前記硬化触媒の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量部〜0.5質量部が好ましく、0.05質量部〜0.3質量部がより好ましい。
前記弾性部材のJIS−A硬度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60度以上が好ましく、65度〜80度がより好ましい。前記JIS−A硬度が、60度未満であると、ブレード線圧が得られにくく、中間転写体との当接部面積が拡大し易いため、クリーニング不良が発生することがある。
前記弾性部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、JIS−A硬度の異なる2種類以上のゴムを一体成型した積層物を用いることが、耐摩耗性と追随性を両立できる点で好ましい。
ここで、前記弾性部材のJIS−A硬度は、例えば、マイクロゴム硬度計 MD−1(高分子計器株式会社製)等を用いて測定することができる。
前記弾性部材のJIS K6255規格に準拠した反発弾性率は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すうことができるが、23℃で、35%以下が好ましく、20%〜30%がより好ましい。前記反発弾性係数が35%以下であると、クリーニングブレードの弾性部材にタック性が生じることによるクリーニング不良の発生を抑制できる。
ここで、前記弾性部材の反発弾性係数は、例えば、JIS K6255規格に準拠し、23℃において、No.221レジリエンステスタ(株式会社東洋精機製作所製)を用いて測定することができる。
前記弾性部材の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0mm〜3.0mmが好ましい。
中間転写体の表面に当接する弾性部材は、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する紫外線硬化性組成物の硬化物を含むのが好ましい。
紫外線硬化性組成物の硬化物は、前記弾性部材の表面だけでなく内部に含まれてもよく、前記弾性部材に表面層を形成した場合には、前記弾性部材の内部に含まれており、かつ弾性部材に表面層を形成している場合等も含まれる。
また、前記弾性部材の少なくとも当接部に紫外線硬化性組成物の硬化物が含まれていれば、前記弾性部材の当接部以外の部位にも紫外線硬化性組成物の硬化物が含まれていてもかまわない。
<<紫外線硬化性組成物>>
前記紫外線硬化性組成物は、(メタ)アクリレート化合物を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−(メタ)アクリレート化合物−
前記紫外線硬化性組成物は、(メタ)アクリレート化合物を含有しており、メタクリル基またはアクリレート基を有する化合物であれば特に制限はなく選択できる。分子量が小さいと前記当接部に含浸されやすいため、効率よく改質することができ、特に、分子量が100〜1,500の(メタ)アクリレート化合物が好ましく、500以下がさらに好ましい。分子量500以上だと分子サイズが大きくなるためクリーニングブレードに含浸しにくく高硬度化が困難である。
前記分子量が100〜1,500の(メタ)アクリレート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクレリート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,11−ウンデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,18−オクタデカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、PEG600ジ(メタ)アクリレート、PEG400ジ(メタ)アクリレート、PEG200ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール・ヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート、オクチル/デシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、官能基数が3〜6のペンタエリスリトールトリアクリレート構造を有する化合物が好ましい。
前記官能基数が3〜6のペンタエリスリトールトリアクリレート構造を有する化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
−分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物−
前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物は、分子内に嵩高い特殊な脂環構造を有しているので、官能基数が少なく、かつ分子量が小さい(メタ)アクリレート化合物を用いることができる。このため、前記弾性部材の当接部に含浸されやすく、前記当接部の硬度を効率よく向上させることができる。また、当接部に表面層を設けた場合には表面層の割れや剥がれを防止できる。
前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の脂環構造の炭素数は、6〜12が好ましく、8〜10がより好ましい。前記炭素数が、6以上であることにより当接部の硬度が十分に高く、12以下であることにより、立体障害が起きる可能性が少なくなる。
前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の官能基数は、2〜6が好ましく、2〜4がより好ましい。前記官能基数が、2以上であることにより、当接部の硬度が十分に高くなり、6以下であることにより、立体障害が起きる可能性が少なくなる。
前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の分子量は、500以下であることが好ましい。前記分子量が500以下であることにより、分子サイズが大きくなることがなく、弾性部材に含浸し易くなり、高硬度化が容易となる。
前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物及びアダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物から選択される少なくとも1種が好ましい。こうすると、官能基が少なくても特殊な環状構造により架橋点の不足を補うことができる。
前記トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート等が挙げられる。
前記トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、商品名:A−DCP(新中村化学工業株式会社製)等が挙げられる。
前記アダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,3−アダマンタンジメタノールジアクリレート、1,3−アダマンタンジメタノールジメタクリレート、1,3,5−アダマンタントリメタノールトリアクリレート、1,3,5−アダマンタントリメタノールトリメタクリレート等が挙げられる。
前記アダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、商品名:X−DA(出光興産株式会社製)、商品名:X−A−201(出光興産株式会社製)、商品名:ADTM(三菱ガス化学株式会社製)等が挙げられる。
前記(メタ)アクリレート化合物は、特に、トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物又はアダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記含有量は、前記紫外線硬化性組成物100質量部に対して、20質量部〜100質量部が好ましく、50質量部〜100質量部がより好ましい。前記含有量が、20質量部以上であることにより、特殊な環状構造による高硬度化が損なわれることがない。
前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物が、前記弾性部材の前記被清掃部材の表面に当接する当接部に含まれていることは、例えば、赤外顕微鏡、又は液体クロマトグラフィーにより分析することができる。
<<その他の成分>>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光重合開始剤、重合禁止剤、希釈剤等が挙げられる。
−光重合開始剤−
前記光重合開始剤としては、光のエネルギーによって、ラジカルやカチオン等の活性種を生成し、重合を開始させるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤等が挙げられる。これらの中でも、光ラジカル重合開始剤が特に好ましい。
前記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物等)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アルキルアミン化合物等が挙げられる。
前記光ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、べンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光ラジカル重合開始剤としては、市販品を用いることができ、前記市販品としては、例えば、イルガキュア 651、イルガキュア 184、DAROCUR 1173、イルガキュア 2959、イルガキュア 127、イルガキュア 907、イルガキュア 369、イルガキュア 379、DAROCUR TPO、イルガキュア 819、イルガキュア 784、イルガキュア OXE 01、イルガキュア OXE 02、イルガキュア 754(以上、チバ・スペシャリティケミカルズ株式会社製);Speedcure TPO(Lambson社製);KAYACURE DETX−S(日本化薬株式会社製);Lucirin TPO、LR8893、LR8970(以上、BASF社製);ユベクリルP36(UCB社製)等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記紫外線硬化性組成物100質量部に対して、1質量部〜20質量部が好ましい。
−重合禁止剤−
前記重合禁止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、p−メトキシフェノール、クレゾール、t−ブチルカテコール、ジ−t−ブチルパラクレゾール、ヒドロキノンモノメチルエーテル、α−ナフトール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール化合物;p−ベンゾキノン、アントラキノン、ナフトキノン、フェナンスラキノン、p−キシロキノン、p−トルキノン、2,6−ジクロロキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジアセトキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジカプロキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジアシロキシ−p−ベンゾキノン、ヒドロキノン、2,5−ジ−ブチルヒドロキノン、モノ−t−ブチルヒドロキノン、モノメチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン等のキノン化合物;フェニル−β−ナフチルアミン、p−ベンジルアミノフェノール、ジ−β−ナフチルパラフェニレンジアミン、ジベンジルヒドロキシルアミン、フェニルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等のアミン化合物;ジニトロベンゼン、トリニトロトルエン、ピクリン酸等のニトロ化合物;キノンジオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム化合物;フェノチアジン等の硫黄化合物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−希釈剤−
前記希釈剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等のケトン系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒;エタノール、プロパノール、1−ブタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール系溶媒等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記弾性部材の当接部に、(メタ)アクリレート化合物を含有する紫外線硬化性組成物の改質層を構成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば以下に記載する方法を挙げることができる
(1)前記弾性部材の当接部に、前記紫外線硬化性組成物をハケ塗り、ディップ塗工等で含浸させた後、紫外線を照射して硬化させる方法
(2)前記弾性部材の当接部に紫外線硬化性組成物をハケ塗り、ディップ塗工等で含浸させた後、当接部に紫外線硬化性組成物をスプレー塗工して表面層を形成し、紫外線を照射し硬化させる方法
(3)前記弾性部材の当接部に紫外線硬化性組成物をハケ塗り、ディップ塗工等で含浸させた後、紫外線を照射し硬化させ、その後、当接部に紫外線硬化性組成物をスプレー塗工して表面層を形成する方法
これらの中でも、前記(1)の方法が好ましい。
前記紫外線の照射条件については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、積算光量が500mJ/cm〜5,000mJ/cmが好ましい。
以下において、図面を用いて本発明を説明する。図1〜図6Bにおいて、中間転写体の一例として中間転写ベルトを、中間転写体クリーニングブレードの一例としてクリーニングブレードを用いて本発明を説明する。本発明の中間転写体及び中間転写体クリーニングブレードは中間転写ベルト及びクリーニングブレードに限られない。
図1は、クリーニングブレードの弾性部材が本発明の中間転写ベルト表面に当接する状態の一例を示す模式図である。図1においては、像担持体とクリーニングブレードの間に設けられる第2転写手段は、説明を簡潔にするために省略されている。前記クリーニングブレードの弾性部材の当接部(先端稜線部)を中間転写ベルト表面に押し当てることにより、中間転写ベルト表面に残留するトナー(図示しない)が堰き止められ、掻き落とすことにより除去される。
前記クリーニングブレードの弾性部材が前記中間転写ベルト表面に当接する部位における接線とクリーニングブレードの端面とのなす角度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、65°以上85°以下であることが好ましい。
前記なす角度が、65°以上であると、クリーニングブレードの捲れ上りを防止することができ、85°以下であると、クリーニング不良の発生を抑制できる。
図1において、中間転写ベルト表面に、分子量2,000未満の低分子量成分及び分子量2,000以上の低分子量成分が存在している。上記で説明したように、本発明において、当該低分子量成分は、分子量が2,000未満の成分が90%以上存在し、当該成分はクリーニングの際にダム層を形成し、クリーニング性の向上に寄与している。マルテンス硬度4.5以上の硬いクリーニングブレードと組み合わせることにより、クリーニング性はさらに向上する。
図2は、本発明の画像形成装置500の一例を示す概略構成図である。画像形成装置500は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記載することがある)用の4つの作像ユニット1Y,1C,1M,1Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY,C,M,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。
4つの作像ユニット1の上方には、中間転写体としての中間転写ベルト14を備える転写ユニット60が配置されている。詳細は後述する各作像ユニット1Y,1C,1M,1Kが備える感光体3Y,3C,3M,3Kの表面上に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト14の表面上に重ね合わせて転写される構成である。
また、4つの作像ユニット1の下方に光書込ユニット40が配設されている。潜像形成手段たる光書込ユニット40は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを、各作像ユニット1Y,1C,1M,1Kの感光体3Y,3C,3M,3Kに照射する。これにより、感光体3Y,3C,3M,3K上にY,C,M,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット40は、光源から発したレーザ光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー41によって偏光させながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体3Y,3C,3M,3Kに照射するものである。前記構成のものに代えて、LEDアレイによる光走査を行うものを採用することもできる。
光書込ユニット40の下方には、第一給紙カセット151、第二給紙カセット152が鉛直方向に重なるように配設されている。これら給紙カセット内には、それぞれ、記録媒体Pが複数枚重ねられた紙束の状態で収容されており、一番上の記録媒体Pには、第一給紙ローラ151a、第二給紙ローラ152aがそれぞれ当接している。第一給紙ローラ151aが図示しない駆動手段によって図2において反時計回りに回転駆動すると、第一給紙カセット151内の一番上の記録媒体Pが、図2におけるカセットの右側方において鉛直方向に延在するように配設された給紙路153に向けて排出される。また、第二給紙ローラ152aが図示しない駆動手段によって図2において反時計回りに回転駆動すると、第二給紙カセット152内の一番上の記録媒体Pが、給紙路153に向けて排出される。
給紙路153内には、複数の搬送ローラ対154が配設されている。給紙路153に送り込まれた記録媒体Pは、これら搬送ローラ対154のローラ間に挟み込まれながら、給紙路153内を図2において下側から上側に向けて搬送される。
給紙路153の搬送方向下流側端部には、レジストローラ対55が配設されている。レジストローラ対55は、記録媒体Pを搬送ローラ対154から送られてくる記録媒体Pをローラ間に挟み込むとすぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、記録媒体Pを適切なタイミングで後述の二次転写ニップに向けて送り出す。
図3は、本発明の画像形成装置の一例における作像ユニットの概略構成図である。
図3に示すように、作像ユニット1は、像担持体としてのドラム状の感光体3を備えている。感光体3はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。
感光体3の周囲には、帯電ローラ4、現像装置5、一次転写ローラ7、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10、及び図示しない除電ランプ等が配置されている。帯電ローラ4は、帯電手段としての帯電装置が備える帯電部材であり、現像装置5は、感光体3の表面上に形成された潜像をトナー像化する現像手段である。一次転写ローラ7は、感光体3の表面上のトナー像を中間転写ベルト14に転写する一次転写手段としての一次転写装置が備える一次転写部材である。クリーニング装置6は、トナー像を中間転写ベルト14に転写した後の感光体3上に残留するトナーをクリーニングする感光体クリーニング手段である。潤滑剤塗布装置10は、クリーニング装置6がクリーニングした後の感光体3の表面上に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段である。図示しない除電ランプは、クリーニング後の感光体3の表面電位を除電する除電手段である。
帯電ローラ4は、感光体3に所定の距離を持って非接触で配置され、感光体3を所定の極性、所定の電位に帯電するものである。帯電ローラ4によって一様帯電された感光体3の表面は、潜像形成手段である光書込ユニット40から画像情報に基づいてレーザ光Lが照射され静電潜像が形成される。
現像装置5は、現像剤担持体としての現像ローラ51を有している。この現像ローラ51には、図示しない電源から現像バイアスが印加されるようになっている。現像装置5のケーシング内には、ケーシング内に収容された現像剤を互いに逆方向に搬送しながら攪拌する供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53が設けられている。また、現像ローラ51に担持された現像剤を規制するためのドクタ54も設けられている。供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53の二本スクリュによって撹拌及び搬送された現像剤中のトナーは、所定の極性に帯電される。そして、現像剤は、現像ローラ51の表面上に汲み上げられ、汲み上げられた現像剤は、ドクタ54により規制され、感光体3と対向する現像領域でトナーが感光体3上の潜像に付着する。
クリーニング装置6はファーブラシ101、感光体クリーニングブレード62等を有している。感光体クリーニングブレード62は、感光体3の表面移動方向に対してカウンタ方向で感光体3に当接している。
潤滑剤塗布装置10は、固形潤滑剤103や潤滑剤加圧スプリング103a等を備え、固形潤滑剤103を感光体3上に塗布する塗布ブラシとしてファーブラシ101を用いている。固形潤滑剤103は、ブラケット103bに保持され、潤滑剤加圧スプリング103aによりファーブラシ101側に加圧されている。そして、感光体3の回転方向に対して連れまわり方向に回転するファーブラシ101により固形潤滑剤103が削られて感光体3上に潤滑剤が塗布される。感光体への潤滑剤塗布により感光体3表面の摩擦係数が非画像形成時に0.2以下に維持される。
帯電装置は、帯電ローラ4を感光体3に近接させた非接触の近接配置方式であるが、帯電装置としては、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)を始めとする公知の構成を用いることができる。これらの帯電方式のうち、特に接触帯電方式、あるいは非接触の近接配置方式がより望ましく、帯電効率が高くオゾン発生量が少ない、装置の小型化が可能である等のメリットを有する。
光書込ユニット40のレーザ光Lの光源には、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)等の発光物全般を用いることができる。
光書込ユニット40の除電ランプ等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等の発光物全般を用いることができる。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルター等の各種フィルターを用いることもできる。
これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザは照射エネルギーが高く、また600nm〜800nmの長波長光を有するため、良好に使用される。
図2に示す転写手段としての転写ユニット60は、中間転写ベルト14の他、ベルトクリーニングユニット160、第一ブラケット63、第二ブラケット64等を備えている。また、4つの一次転写ローラ7Y,7C,7M,7K、二次転写バックアップローラ66、駆動ローラ67、補助ローラ68、テンションローラ69等も備えている。中間転写ベルト14は、これら8つのローラ部材に張架されながら、駆動ローラ67の回転駆動によって図2において反時計回りに無端移動させられる。4つの一次転写ローラ7Y,7C,7M,7Kは、このように無端移動させられる中間転写ベルト14を感光体3Y,3C,3M,3Kとの間に挟み込んでそれぞれ一次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト14の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えば、プラス)の転写バイアスを印加する。中間転写ベルト14は、その無端移動に伴ってY,C,M,K用の一次転写ニップを順次通過していく過程で、そのおもて面に感光体3Y,3C,3M,3K上のY,C,M,Kトナー像が重ね合わせて一次転写される。これにより、中間転写ベルト14上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像と称することがある。)が形成される。
二次転写バックアップローラ66は、中間転写ベルト14のループ外側に配設された二次転写ローラ70との間に中間転写ベルト14を挟み込んで二次転写ニップを形成している。先に説明したレジストローラ対55は、ローラ間に挟み込んだ記録媒体Pを、中間転写ベルト14上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで、二次転写ニップに向けて送り出す。中間転写ベルト14上の4色トナー像は、二次転写バイアスが印加される二次転写ローラ70と二次転写バックアップローラ66との間に形成される二次転写電界や、ニップ圧の影響により、二次転写ニップ内で記録媒体Pに一括二次転写される。そして、記録媒体Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。
二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト14には、記録媒体Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、ベルトクリーニングユニット160によってクリーニングされる。なお、ベルトクリーニングユニット160は、クリーニングブレード162を中間転写ベルト14のおもて面に当接させており、これによって中間転写ベルト14上の転写残トナーを掻き取って除去するものである。
転写ユニット60の第一ブラケット63は、図示しないソレノイドの駆動のオンオフに伴って、補助ローラ68の回転軸線を中心にして所定の回転角度で揺動するようになっている。画像形成装置500は、モノクロ画像を形成する場合には、前述のソレノイドの駆動によって第一ブラケット63を図2において反時計回りに少しだけ回転させる。この回転により、補助ローラ68の回転軸線を中心にしてY,C,M用の一次転写ローラ7Y,7C,7Mを図2において反時計回りに公転させることで、中間転写ベルト14をY,C,M用の感光体3Y,3C,3Mから離間させる。そして、4つの作像ユニット1Y,1C,1M,1Kのうち、K用の作像ユニット1Kだけを駆動して、モノクロ画像を形成する。これにより、モノクロ画像形成時にY,C,M用の作像ユニット1を無駄に駆動させることによる作像ユニット1を構成する各部材の消耗を回避することができる。
図2において、二次転写ニップの上方には、定着ユニット80が配設されている。この定着ユニット80は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加圧加熱ローラ81と、定着ベルトユニット82とを備えている。定着ベルトユニット82は、定着部材たる定着ベルト84、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加熱ローラ83、テンションローラ85、駆動ローラ86、図示しない温度センサ等を有している。そして、無端状の定着ベルト84を加熱ローラ83、テンションローラ85及び駆動ローラ86によって張架しながら、図2において反時計回り方向に無端移動させる。この無端移動の過程で、定着ベルト84は加熱ローラ83によって裏面側から加熱される。このようにして加熱される定着ベルト84の加熱ローラ83への掛け回し箇所には、図2において時計回り方向に回転駆動される加圧加熱ローラ81がおもて面側から当接している。これにより、加圧加熱ローラ81と定着ベルト84とが当接する定着ニップが形成されている。
定着ベルト84のループ外側には、図示しない温度センサが定着ベルト84のおもて面と所定の間隙を介して対向するように配設されており、定着ニップに進入する直前の定着ベルト84の表面温度を検知する。この検知結果は、図示しない定着電源回路に送られる。定着電源回路は、温度センサによる検知結果に基づいて、加熱ローラ83に内包される発熱源や、加圧加熱ローラ81に内包される発熱源に対する電源の供給をオンオフ制御する。
上述した二次転写ニップを通過した記録媒体Pは、中間転写ベルト14から分離した後、定着ユニット80内に送られる。そして、定着ユニット80内の定着ニップに挟まれながら図2において下側から上側に向けて搬送される過程で、定着ベルト84によって加熱され、押圧されることによりフルカラートナー像が記録媒体Pに定着される。
このようにして定着処理が施された記録媒体Pは、排紙ローラ対87のローラ間を経た後、機外へと排出される。画像形成装置500本体の筺体の上面には、スタック部88が形成されており、排紙ローラ対87によって機外に排出された記録媒体Pは、このスタック部88に順次スタックされる。
転写ユニット60の上方には、Y,C,M,Kトナーを収容する4つのトナーカートリッジ100Y,100C,100M,100Kが配設されている。トナーカートリッジ100Y,100C,100M,100K内のY,C,M,Kトナーは、作像ユニット1Y,1C,1M,1Kの現像装置5Y,5C,5M,5Kに適宜供給される。これらトナーカートリッジ100Y,100C,100M,100Kは、作像ユニット1Y,1C,1M,1Kとは独立して画像形成装置本体に脱着可能である。
次に、図2に示した画像形成装置500における画像形成動作について説明する。
まず、図示しない操作部等からプリント実行の信号を受信すると、帯電ローラ4及び現像ローラ51にそれぞれ所定の電圧又は電流が順次所定のタイミングで印加される。同様に、光書込ユニット40及び除電ランプ等の光源にもそれぞれ所定の電圧又は電流が順次所定のタイミングで印加される。また、これと同期して、駆動手段としての感光体駆動モータ(図示しない)により感光体3が図2において矢印方向に回転駆動される。
感光体3が図2において矢印方向に回転すると、まず、感光体3表面が、帯電ローラ4によって所定の電位に一様帯電される。そして、光書込ユニット40から画像情報に対応したレーザ光Lが感光体3上に照射され、感光体3表面上のレーザ光Lが照射された部分が除電され静電潜像が形成される。
静電潜像の形成された感光体3の表面は、現像装置5との対向部で現像ローラ51上に形成された現像剤の磁気ブラシによって摺擦される。このとき、現像ローラ51上の負帯電トナーは、現像ローラ51に印加された所定の現像バイアスによって、静電潜像側に移動し、トナー像化(現像)される。各作像ユニット1において、同様の作像プロセスが実行され、各作像ユニット1Y,1C,1M,1Kの各感光体3Y,3C,3M,3Kの表面上に各色のトナー像が形成される。
このように、画像形成装置500では、感光体3上に形成された静電潜像は、現像装置5によって、負極性に帯電されたトナーにより反転現像される。本実施形態では、N/P(ネガポジ:電位が低い所にトナーが付着する)の非接触帯電ローラ方式を用いた例について説明したが、これに限るものではない。
各感光体3Y,3C,3M,3Kの表面上に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト14の表面上で重なるように、順次一次転写される。これにより、中間転写ベルト14上に4色トナー像が形成される。
中間転写ベルト14上に形成された4色トナー像は、第一給紙カセット151又は第二給紙カセット152から給紙され、レジストローラ対55のローラ間を経て、二次転写ニップに給紙される記録媒体Pに転写される。このとき、記録媒体Pはレジストローラ対55に挟まれた状態で一旦停止し、中間転写ベルト14上の画像先端と同期を取って二次転写ニップに供給される。トナー像が転写された記録媒体Pは中間転写ベルト14から分離され、定着ユニット80へ搬送される。そして、トナー像が転写された記録媒体Pが定着ユニット80を通過することにより、熱と圧力の作用でトナー像が記録媒体P上に定着されて、トナー像が定着された記録媒体Pは画像形成装置500の外に排出され、スタック部88にスタックされる。
一方、二次転写ニップで記録媒体Pにトナー像を転写した中間転写ベルト14の表面は、ベルトクリーニングユニット160によって表面上の転写残トナーが除去される。
また、一次転写ニップで中間転写ベルト14に各色のトナー像を転写した感光体3の表面は、クリーニング装置6によって転写後の残留トナーが除去され、潤滑剤塗布装置10によって潤滑剤が塗布された後、除電ランプで除電される。
画像形成装置500の作像ユニット1は、図2に示すように感光体3と、プロセス手段として帯電ローラ4、現像装置5、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10等とが枠体2に収められている。そして、作像ユニット1は、プロセスカートリッジとして画像形成装置500本体から一体的に着脱可能となっている。画像形成装置500では、作像ユニット1がプロセスカートリッジとしての感光体3とプロセス手段とを一体的に交換するようになっている。これに代えて、画像形成装置500は、感光体3、帯電ローラ4、現像装置5、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10のような単位で新しいものと交換するような構成を有してもよい。
前記画像形成装置500に用いるトナーとしては、画質向上の点から、高円形化、小粒径化がし易い懸濁重合法、乳化重合法、又は分散重合法により製造された重合トナーを用いることが好ましい。これらの中でも、高解像度の画像を形成する点から、平均円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5μm以下の重合トナーを用いることが好ましい。
図4は、クリーニングブレード162の斜視図であり、図5A及び図5Bは、クリーニングブレード162の拡大断面図である。図5Aは、クリーニングブレード162が中間転写ベルト14の表面に当接している状態の説明図であり、図5Bは、クリーニングブレード162の当接部(先端稜線部)162c近傍の拡大説明図である。
図4に示すように、クリーニングブレード162は、金属や硬質プラスチック等の剛性材料からなる平板状の支持部材1621と、平板状の弾性部材1622とで構成されている。弾性部材1622は、支持部材1621の一端側に接着剤等により固定されており、支持部材1621の他端側は、図2に記載のベルトクリーニングユニット160のケースに片持ち支持されている。
図5Aに示すように、クリーニングブレード162は、支持部材1621と、該支持部材に一端が連結され、他端に所定長さの自由端部を有する平板状の弾性部材1622とからなる。前記弾性部材1622の自由端側の一端である当接部162cが中間転写ベルト14表面に長手方向に沿って当接するように配置されている。
弾性部材1622としては、中間転写ベルト14の表面の微小なうねり等に追随できるように、高い反発弾性体率を有するものが好ましく、ポリウレタンゴム等が好適である。前記弾性部材のJIS−A硬度は60度以上が好ましい。また、前記弾性部材のJIS K6255規格に準拠した反発弾性率は、23℃で35%以下が好ましい。前記弾性部材1622の像担持体表面に当接する当接部162cは、(メタ)アクリレート化合物(特に、トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物又はアダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましい)を含有する紫外線硬化性組成物の硬化物を含んでいる。
(メタ)アクリレート化合物を含有する紫外線硬化性組成物を弾性部材の当接部に含浸させた後、紫外線を照射することで、図5Bに示す含浸部分162dが形成される。その結果、当接部162cの硬度が上昇し、耐久性の向上が図れ、弾性部材が中間転写ベルト14の表面移動方向に変形するのを抑制することができる。更に、経時により表面層の摩耗によって内部が露出したときにも含浸部分162dにより、同様に変形を抑制することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
ポリフッ化ビニリデン91.5質量部、ポリエーテルエステルオレフィン1質量部、及びカーボンブラック7.5質量部を計量し、ヘンシェルミキサーでドライブレンドを行った。
前記ポリフッ化ビニリデンとしては、kynar720(アルケマ株式会社製)を使用した。前記ポリエーテルエステルオレフィンとしては、ペレクトロンPVH(三洋化成工業株式会社製)を使用した。前記カーボンブラックとしては、デンカブラック(電気化学工業株式会社製)を使用した。
その後、二軸溶融混練機にて溶融混錬しペレタイズしてペレットを得た。得られたペレットを一軸混練機で押出し、シームレス中間転写ベルト製作用の直径306mmスパイラル円筒ダイに流し込み、リップ間隔は0.5mmで引き取り速度、温度等を適宜調整しながら厚み100μmのシームレス中間転写ベルトを得た。
次いで、前記シームレス中間転写ベルトをバフで研磨して、研磨済みのシームレス中間転写ベルトを得た。前記平均除去厚みは、電子マイクロメーター(KG3001A指示器、アンリツ株式会社製)を用いて測定した。該平均除去厚みは1.0μm(30点平均値)であった。研磨済みの前記シームレス中間転写ベルトを2本作製し、1本は下記のテトラヒドロフラン可溶分溶出条件の下で、下記のとおりGPC測定した。
−テトラヒドロフラン可溶分溶出条件−
前記シームレス中間転写ベルトを15mm×50mmの短冊に切り出し、TFH(テトラヒドロフラン)溶媒5mlに3日間、23℃で浸漬させた。得られたテトラヒドロフラン可溶分について、以下のようにしてGPC測定を行った。
−GPC測定−
分子量は、通常のGPC(gel permeation chromatography)によって以下の条件で測定した。
・装置:HLC−8220GPC(東ソー株式会社製)
・カラム:TSKgel SuperHZM−M x 3
・温度:40℃
・溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
・流速:0.35mL/分
以上の条件で測定した分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作製した分子量校正曲線を使用して質量平均分子量Mwを算出した。単分散ポリスチレン標準試料としては、5.8×10〜7.5×10の範囲のものを10点使用した。
図6Aは、実施例1のGPC測定結果を示すグラフであり、図6Bは、比較例1のGPC測定結果を示すグラフである。いずれも横軸に分子量の対数、縦軸に強度をとっている。これらのグラフから、実施例1は比較例1と比較して、テトラヒドロフラン可溶分のうちの分子量2,000以下の成分の割合が大きいことが判る。
−クリーニングブレード1の作製−
前記クリーニングブレード1を、次のように作製した。
−−弾性部材1の作製−−
特開2011−141449号公報の実施例1に記載のクリーニングブレードの作製方
法を参照して、平均厚み1.8mmであり、縦13.5mm及び横33.5cmである平板状の弾性部材1を作製した。
−−紫外線硬化性組成物1の調製−−
下記の組成から、常法により紫外線硬化性組成物1を調製した。
・下記構造式で表されるトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(商品名:A−DCP、新中村化学工業株式会社製、官能基数2、分子量304) 80質量部
・光重合開始剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8質量部
(イルガキュア184、チバ・スペシャリティケミカルズ株式会社製)
・希釈剤(シクロヘキサノン)・・・・・・・・・・・・・・・・20質量部
調整した紫外線硬化性組成物1の液中に、前記弾性部材1の像担持体と当接する側の先端から2mmの部分を30分浸漬した後、洗浄用溶剤に浸漬させて洗浄した。洗浄後は表面に残った溶剤をスポンジで拭き取った。拭取り後、紫外線照射装置(UVC−2534/1MNLC3、ウシオ電機株式会社製)を用いて紫外線照射(140W/cm×5m/min×5回)を行った。次いで、熱乾燥機を用いて機内温度100℃で15分間乾燥を行った。
次に、表面硬化処理後の弾性部材1を支持部材としての板金ホルダーに接着剤により固定し、クリーニングブレード1を作製した。
−マルテンス硬度の測定−
作製したクリーニングブレード1のマルテンス硬度を次のように測定した。微小硬度計を用いて、クリーニングブレードの先端稜線部から弾性部材の厚み方向に20[μm]離れた位置をビッカース圧子5.0[mN]の力で10秒間押し込み、5秒間保持し、5.0[mN]の力で10秒かけて抜き、マルテンス硬度を計測した。前記微小硬度計としては、HM−2000(フィッシャーインストルメンツ社製)を用いた。
作製された前記シームレス中間転写ベルトの他の1本を、クリーニングブレード1を用いて下記のクリーニング性評価を行った。結果を表1に示した。
前記弾性部材1の像担持体と当接する側の先端から2mmの部分を前記紫外線硬化性組成物1の液中に浸漬する時間がより長いほど前記マルテンス硬度がより高くなり、浸漬する時間がより短いほど前記マルテンス硬度がより低くなる。
実施例1以外の実施例及び比較例においては、前記弾性部材1の像担持体と当接する側の先端から2mmの部分を前記紫外線硬化性組成物1の液中に浸漬する時間を調整することにより、表1に記載のマルテンス硬度を持つクリーニングブレードを作製した。
−表面抵抗率−
得られたシームレス中間転写ベルトの表面抵抗率は500V印加で1.0×1011.3(Ω/□)であった。前記表面抵抗率は、JIS K6911−2006「熱硬化性プラスチック一般試験法」に基づいて、リング電極法による表面抵抗率を測定した。
−体積抵抗率−
得られたシームレス中間転写ベルトの体積抵抗率は100Vで1.0×1011(Ω・cm)であった。前記体積抵抗率は、次のとおり測定した。すなわち、JIS K6911−2006「熱硬化性プラスチック一般試験法」に基づいて、リング電極法による体積抵抗率を測定した。体積抵抗率ρvは、抵抗率計(ハイレスタUP、三菱化学株式会社製)を用いて測定した。測定は、リング状プローブと測定ステージ(レジテーブルFL、三菱化学株式会社製)との間に試料を挟み、約30Nの荷重で押さえつつ、プローブの内側電極と測定ステージとの間に100Vの電圧を10秒間印加することにより行った。前記リング状プローブとしては、URSプローブ(三菱化学株式会社製;内側電極の直径5.9mm、外側電極の内径11.0mm、外側電極の外径17.8mm)を用いた。プローブの内側の電極と測定ステージの表面に、各々の電極サイズと同じサイズの導電性ゴム(REP−2、株式会社コクゴ製、厚み1mm、体積抵抗率0.87Ω・cm)を導電性粘着シート(T−9181、応研商事株式会社製、厚み0.13mm)で貼り付けてある。体積抵抗率の値を測定すべき試料のA4サイズ当たり任意に選んだ21点を測定し、その平均値を高温高湿(HH)(27℃/80%Rh)、低温低湿(LL)(10℃/15%Rh)の2環境でそれぞれ求めた。
−クリーニング性評価−
作製したシームレス中間転写ベルトを中間転写ベルトを用いて、複写機のMPC2503(株式会社リコー製)に設置し、1ページ/ジョブで0.5%dutyの4色画像を1,000枚印字した。使用した紙はHigh White(株式会社大塚商会製)を使用した。100枚ごとに二次転写電流をoffにして50%dutyのチェックパターンを印字した。クリーニングブレード通過後のシームレス中間転写ベルト上を、テープ(プリンタック C、日東電工株式会社製)にテープ転写して残留物の有無を観察し、以下の評価基準でクリーニング性を評価した。
〔評価基準〕
残留物のテープ転写が全く認められなかったものを◎とし、残留物のテープ転写が僅かに認められたものを○とし、明らかにすり抜けが認められた、即ち残留物のテープ転写が明らかに認められたものを×とした。
<実施例2>
実施例1において、前記ポリフッ化ビニリデン、前記ポリエーテルエステルオレフィン、及び前記カーボンブラックの組成を、それぞれ85.5質量部、7質量部、7.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、シームレス中間転写ベルトを得た。
前記シームレス中間転写ベルトを2本作製し、実施例1と同様にして平均除去厚みを測定し、1本は上記のとおりテトラヒドロフラン可溶分をGPC測定し、1本はマルテンス硬度4.5のクリーニングブレードを用いて上記クリーニング性評価を行った。結果を表1に示した。
<実施例3>
実施例1において、前記ポリフッ化ビニリデン、前記ポリエーテルエステルオレフィン、及び前記カーボンブラックの組成を、それぞれ82.5質量部、10質量部、7.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、シームレス中間転写ベルトを得た。
前記シームレス中間転写ベルトを2本作製し、実施例1と同様にして平均除去厚みを測定し、1本は上記のとおりテトラヒドロフラン可溶分をGPC測定し、1本はマルテンス硬度4.5のクリーニングブレードを用いて上記クリーニング性評価を行った。結果を表1に示した。
<実施例4>
実施例2において、平均除去厚みを1.5μm(30点平均値)に変更した以外は、実施例2と同様にして、シームレス中間転写ベルトを得た。
前記シームレス中間転写ベルトを2本作製し、実施例1と同様にして平均除去厚みを測定し、1本は上記のとおりテトラヒドロフラン可溶分をGPC測定し、1本はマルテンス硬度4.5のクリーニングブレードを用いて上記クリーニング性評価を行った。結果を表1に示した。
<実施例5>
実施例2において、前記クリーニングブレードをマルテンス硬度7.5のクリーニングブレードに変更した以外は、実施例2と同様にしてクリーニング性評価を行った。結果を表1に示した。
<実施例6>
実施例1において、前記クリーニングブレードをマルテンス硬度6.0のクリーニングブレードに変更した以外は、実施例1と同様にしてクリーニング性評価を行った。結果を表1に示した。
<実施例7>
実施例2において、前記クリーニングブレードをマルテンス硬度9.0のクリーニングブレードに変更した以外は、実施例2と同様にしてクリーニング性評価を行った。結果を表1に示した。
<実施例8>
実施例2において、前記クリーニングブレードをマルテンス硬度12.0のクリーニングブレードに変更した以外は、実施例2と同様にしてクリーニング性評価を行った。結果を表1に示した。
<実施例9>
実施例2において、前記クリーニングブレードをマルテンス硬度15.0のクリーニングブレードに変更した以外は、実施例2と同様にしてクリーニング性評価を行った。結果を表1に示した。
<比較例1>
実施例4において、平均除去厚みを0.5μm(30点平均値)に変更した以外は、実施例4と同様にして、シームレス中間転写ベルトを得た。
前記シームレス中間転写ベルトを2本作製し、実施例1と同様にして平均除去厚みを測定し、1本は上記のとおりテトラヒドロフラン可溶分をGPC測定し、1本はマルテンス硬度4.5のクリーニングブレードを用いてクリーニング性評価を行った。結果を表1に示した。
<比較例2>
実施例2において、前記クリーニングブレードをマルテンス硬度2.5のクリーニングブレードに変更した以外は、実施例2と同様にして、クリーニング性評価を行った。結果を表1に示した。
実施例1〜9のシームレス中間転写ベルトは、熱可塑性樹脂と、導電性フィラーと、ポリエーテル共重合体とを含有し、THF可溶分のうち分子量2,000以上の成分が10質量%以下であるという本発明の構成要件を全て満たす。
さらに、実施例1〜9のクリーニングブレードは、本発明の、マルテンス硬度が4.5以上20.0以下であるという構成要件も満たす。
表1の結果から、実施例1〜9においては、経時使用後においても、シームレス中間転写ベルトの良好なクリーニング性を維持できることがわかる。
本発明においては、樹脂組成物に添加する添加剤や成型加工時におけるオリゴマー化による低分子量成分が引き起こす中間転写ベルトの問題に対して、テトラヒドロフラン可溶分の量を規定し、併せて硬いクリーニングブレードを使用している。これにより、前記中間転写ベルト表面のクリーニング性を高めている。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、
帯電された前記像担持体を露光して前記像担持体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、
トナーを用いて前記静電潜像を現像して前記像担持体の表面に可視像を形成する現像手段と、
前記可視像を中間転写体の表面に転写する第1転写手段と、
前記中間転写体の表面に転写された前記可視像を記録媒体に転写する第2転写手段と、
前記中間転写体の表面に残留するトナーを除去する中間転写体クリーニング手段と、
を有する画像形成装置であって、
前記中間転写体が、熱可塑性樹脂と、導電性フィラーと、ポリエーテル共重合体とを含有し、
前記中間転写体が、前記中間転写体におけるテトラヒドロフラン可溶分のうち分子量2,000以上の成分を10質量%以下含有し、
前記中間転写体クリーニング手段が、マルテンス硬度4.5以上20.0以下の中間転写体クリーニングブレードであることを特徴とする画像形成装置である。
<2> テトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.45以下である前記<1>に記載の画像形成装置である。
<3> テトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量(Mw)が800以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<4> 中間転写体の平均除去厚みが0.5μmより大きく2.5μm未満である前記<1>から<3>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<5> ポリエーテル共重合体がポリエーテルエステルアミドであり、前記ポリエーテルエステルアミドのアミドがポリアミド12(PA12)である前記<1>から<4>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<6> ポリエーテル共重合体が、下記一般式(a)、(b)、及び(c)で表される骨格を有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の画像形成装置である。
(上式中、Rは、置換又は無置換の2価の有機基、Rは置換又は無置換の2価の鎖状
有機基、Rは置換又は無置換の2価の鎖状炭化水素基を表し、nは20以上の自然数
を表し、p、q、及びrは、該共重合体の重量平均分子量を10,000以上50,000以下の範囲とする1以上の自然数を表し、p:q:rはモル比で100:10〜100:1〜80である。)
<7> 中間転写体が転写ベルトである前記<1>から<6>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<8> 中間転写体クリーニングブレードが、中間転写体の表面に当接する弾性部材を有し、
前記弾性部材が、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する紫外線硬化性組成物の硬化物を含む前記<1>から<7>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<9> (メタ)アクリレート化合物の官能基数が2以上6以下である前記<8>に記載の画像形成装置である。
<10> 前記中間転写体クリーニング手段が、マルテンス硬度7.5以上20.0以下の中間転写体クリーニングブレードである前記<1>から<9>のいずれかに記載の画像形成装置である。
1 作像ユニット
3 感光体
4 帯電ローラ
5 現像装置
6 感光体クリーニング装置
7 一次転写ローラ
14 中間転写ベルト
40 光書込ユニット
51 現像ローラ
60 転写ユニット
62 感光体クリーニングブレード
160 ベルトクリーニングユニット
162 クリーニングブレード
162c 当接部(先端稜線部)
162d 含浸部分
500 画像形成装置
621 支持部材
622 弾性部材
L レーザ光
P 記録媒体
特開2014−002410号公報 特開2004−211026号公報 特開2004−233818号公報

Claims (7)

  1. 像担持体と、
    前記像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、
    帯電された前記像担持体を露光して前記像担持体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、
    トナーを用いて前記静電潜像を現像して前記像担持体の表面に可視像を形成する現像手段と、
    前記可視像を中間転写体の表面に転写する第1転写手段と、
    前記中間転写体の表面に転写された前記可視像を記録媒体に転写する第2転写手段と、
    前記中間転写体の表面に残留するトナーを除去する中間転写体クリーニング手段と、
    を有する画像形成装置であって、
    前記中間転写体が、熱可塑性樹脂と、導電性フィラーと、ポリエーテル共重合体とを含有し、
    前記中間転写体が、前記中間転写体におけるテトラヒドロフラン可溶分のうち分子量2,000以上の成分を10質量%以下含有し、
    前記中間転写体クリーニング手段が、マルテンス硬度4.5以上20.0以下の中間転写体クリーニングブレードであることを特徴とする画像形成装置。
  2. テトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.45以下である請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 中間転写体の平均除去厚みが0.5μmより大きく2.5μm未満である請求項1から2のいずれかに記載の画像形成装置。
  4. 中間転写体が転写ベルトである請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 中間転写体クリーニングブレードが、中間転写体の表面に当接する弾性部材を有し、
    前記弾性部材が、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有する紫外線硬化性組成物の硬化物を含む請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. (メタ)アクリレート化合物の官能基数が2以上6以下である請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記中間転写体クリーニング手段が、マルテンス硬度7.5以上20.0以下の中間転写体クリーニングブレードである請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置。
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