JP6089729B2 - シームレスベルト、画像形成装置、シームレスベルトの製造方法 - Google Patents
シームレスベルト、画像形成装置、シームレスベルトの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6089729B2 JP6089729B2 JP2013015310A JP2013015310A JP6089729B2 JP 6089729 B2 JP6089729 B2 JP 6089729B2 JP 2013015310 A JP2013015310 A JP 2013015310A JP 2013015310 A JP2013015310 A JP 2013015310A JP 6089729 B2 JP6089729 B2 JP 6089729B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- image
- resin
- toner
- seamless belt
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
しかし、イオン導電性材料で表層の抵抗を調整する場合、添加量が少ないと十分な導電性が得られないし、添加量が多いと表層にブリードアウトし、中間転写ベルトに残る転写残トナーのクリーニング性を著しく低下させたり、感光体を汚染して帯電不良を引き起こしたりする。更に、多層成形で重要となる基材樹脂との溶融粘度の差が大きくなり、安定した多層ベルトを成形できないという問題がある。
この技術は、表層にイオン導電性樹脂を添加する点で本発明と類似するが、表層に添加されるイオン導電性ポリマーの添加量が10〜45重量%と多く、ブリード、感光体の汚染、成形時の不安定性という問題は解消できていない。
1) 少なくとも基材層と表層を有し、該表層が、少なくともポリプロピレン樹脂と、ポリエーテルユニットを有しDSC曲線で20℃〜70℃の間に吸熱ピークを有する導電性樹脂で構成され、表層中のポリプロピレン樹脂に対する導電性樹脂の割合が1〜10重量%であることを特徴とするシームレスベルト。
2) 前記導電性樹脂が、式(1)で示されるポリエーテルユニットを有するポリマーであることを特徴とする1)記載のシームレスベルト。
3) 前記表層が、更に表層材料全体の5重量%以下の有機微粒子及び無機微粒子から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする1)又は2)に記載のシームレスベルト。
4) 少なくとも、像担持体上に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いてトナー像とする現像手段と、像担持体上のトナー像を中間転写ベルト上に転写する一次転写手段と、中間転写ベルト上のトナー像を記録媒体上に転写する二次転写手段と、記録媒体上のトナー像を定着する定着手段とを備えた画像形成装置であって、前記中間転写ベルトが、1)〜3)のいずれかに記載のシームレスベルトであることを特徴とする画像形成装置。
5) 少なくとも、像担持体上に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、像担持体上に形成された静電潜像にトナーを用いてトナー像とする現像手段と、像担持体上のトナー像を記録媒体上に転写するために該記録媒体を搬送する転写ベルトと、像担持体上のトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、記録媒体上のトナー像を定着する定着手段とを備えた画像形成装置であって、前記転写ベルトが、1)〜3)のいずれかに記載のシームレスベルトであることを特徴とする画像形成装置。
6) 少なくとも基材層用樹脂と表層用樹脂の2種の樹脂を共押出するシームレスベルトの製造方法であって、表層用樹脂として、少なくともポリプロピレン樹脂と、ポリエーテルユニットを有しDSC曲線で20℃〜70℃の間に吸熱ピークを有する導電性樹脂と架橋剤で構成され、ポリプロピレン樹脂に対する導電性樹脂の割合が1〜10重量%である樹脂組成物を用いることを特徴とするシームレスベルトの製造方法。
7) 前記架橋剤が、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレート及びジアリルモノグリシジルイソシアヌレートから選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする6)記載のシームレスベルトの製造方法。
図1は比較例で用いた導電性樹脂のDSC曲線(2ndスキャン)であるが、20℃〜70℃の間にポリエーテルユニットの明確な吸熱ピークは見られない。一方、図2は実施例で用いた導電性樹脂のDSC曲線であるが、これらの2ndスキャンの曲線をみると、20℃又は40℃付近に明確な吸熱ピークを有する。この違いを生じる理由は明確になっていないが、ポリエーテルユニットが高分子鎖中にランダム又は交互に配置されているか(従来の導電性樹脂)、ブロック状に配置されているか(本発明で用いる導電性樹脂)の違いによると考えられる。ポリエーテルユニットがブロック状に配置されることによりミクロドメインを形成するため、20〜70℃に明確な吸熱ピークを示すようになると考えている。
また、本発明で用いる導電性樹脂は、ポリエーテルユニットの繰り返し数を5〜20とすることにより、少量での抵抗調整が可能になるので、ブリードや感光体汚染がないシームレスベルトを得ることが出来る。
図1のように融点が150℃〜200℃付近にある樹脂に、融点が200℃の導電性樹脂を添加した系を想定すると、べルト成形時、導電性樹脂を含有する溶融樹脂が押出成形機から環状に押し出され、直ちに外気で冷却される。このとき、該溶融樹脂は押出成形機で溶融混練された状態で固化してベルトが成形されるが、導電性樹脂は、均一に微分散された状態で固化するものと考えられる。
一方、図2のように、低温側にも融点がある場合は、溶融樹脂が固化する温度と、導電性樹脂が固化する温度が異なるため、ベルト状に成形された後も、導電性樹脂のドメインが成長していると考えられる。そして、このドメインのサイズが大きければ、十分な導電パスを形成できるため、少量の添加で導電性が付与できると考えられる。
導電性樹脂の添加量を大幅に低減できると、次のような効果が得られる。
(a)ベルト表面への導電性樹脂のブリードを抑制できる。
(b)平滑性が高く良好な表面性の成形物が得られる。
(c)多層同時押出し時の基材樹脂層との溶融粘度(特性)の差が小さくなり、安定した成形物が得られる。
[シームレスベルトの組成、外観、形状]
本発明のシームレスベルトは、少なくとも基材層と表層を有し、表層は少なくともポリプロピレン樹脂と、ポリエーテルユニットを有しDSC曲線で20℃〜70℃の間に吸熱ピークを有する導電性樹脂から成る。表層中のポリプロピレン樹脂に対する導電性樹脂の割合は、1〜10重量%とする。1重量%未満では抵抗を下げる効果が発現しないし、10重量%よりも多いと、ブリードが発生し、転写ベルトとして使用したときのクリーニング性が悪く、感光体表面の汚染を引き起こす。
表層の厚みは、シームレスベルトの厚みに対して、1〜30%となるように成形することが好ましい。
また、シームレスベルトの厚みは、50〜300μmの範囲にあることが好ましい。
本発明のシームレスベルトを中間転写ベルト用材料として用いる場合には、引張弾性率1000〜3000Mpa、引張破断伸度10〜300%であることが好ましい。弾性率が1000Mpa未満では、装置装着時に中間転写ベルトに十分な張力を発生させることができないし、3000Mpaを超えると耐折性試験の結果が著しく低下する。また、引張破断伸度が10%未満では画像形成中にベルトが破損するといった問題が発生する。
本発明のシームレスベルトを中間転写ベルト用材料として用いる場合には、中間転写ベルトの電気特性の一つである体積抵抗率を制御する必要がある。中間転写ベルトの体積抵抗率は106〜1010(Ω・cm)が好ましく、より好ましくは、106〜108(Ω・cm)範囲である。このとき表面抵抗率は108〜1012(Ω/□)の範囲にあることが好ましい。また、表面抵抗率>体積抵抗率の関係にあることが好ましい。
表面抵抗率及び体積抵抗率が前記下限値未満では、トナーとの静電的な付着力が上昇し、2次転写効率が低下する。また、前記上限値を超えると、印加した転写バイアスによりベルトに誘起された電荷が除電されず、画像メモリなど画像品質に影響を与える。
更に体積抵抗率≧表面抵抗率の関係になると、画像ドットが飛散したり、エッジが滲んだようになり、シャープな画質が得られない。
前記表面抵抗率や体積抵抗率は、例えばダイヤインスツルメンツ社製の測定装置「ハイレスタ」などにより測定することができる。
表面光沢は、60°光沢値で30〜100の範囲にあることが好ましい。光沢値の測定は日本電飾社製の光沢度計で行うことができる。光沢値が30より低いとトナー濃度センサーの正反射光が十分に検知できない。また、光沢値が100を超えると散乱光が十分に検知できなくなる。
本発明のシームレスベルトを用いた転写ベルト上でトナー付着量を読み取るため、転写ベルトにはトナー濃度検知性能が求められる。トナー濃度検知は、例えば赤外光を入射した際の正反射光及び拡散反射光成分を測定し、ベルト上にどの程度トナーが付着しているかを読み取ることにより行われる。このとき、ベルトの表面光沢が低いとベルト表面からの反射光とベルト上に付着したトナー表面からの反射光に十分な差がなく濃度検知がエラーとなる。目安となるベルトの表面光沢は、測定角度60°で50以上であることが好ましい。後述する比較例5に示したようなカーボンブラックだけで抵抗調整した場合は、光沢度の値が50以下となりマシーンに搭載した際、トナー濃度が検出不能となる。
紙に画像を転写した後、本発明のシームレスベルトを用いた転写ベルト上に残るトナーは、クリーニング部材で掻き取られて除去される。このとき、転写ベルト表面に低分子量成分が存在すると、トナーが完全に除去されずクリーニング不良となる。
本発明では、抵抗調整のために導電性樹脂を添加しているが、導電性樹脂のような分子量の比較的小さな成分を添加すると、クリーニングには不利になる。故に、樹脂の分子量、添加量には注意が必要である。本発明では導電性樹脂の添加量が10重量%以上になると、クリーニング不良が発生する。
このような表面の低分子量成分を結合させ、高分子量化させるために、少量の架橋剤を加えてもよい。導電性樹脂の添加量が10重量%程度でも架橋剤を加えればクリーニング不良が発生を防止することができる。
本発明では、ポリエーテルユニットを有する導電性樹脂を用いるが、耐屈曲性を考慮すると結晶性高分子が好ましい。該導電性樹脂の具体例としては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドなどのポリアルキレンオキサイド(PAO)、ポリエーテルアミド(PEA)、ポリエーテルエステルアミド(PEEA)等が挙げられ、市販品では例えばPAOとしてアクアコーク(住友精化社製)、ポリエーテルエステルアミドとしてペレスタット、ポリエーテルとポリオレフィンのブロック共重合体であるペレクトロン(三洋化成工業社製)等が入手可能である。
これらの中でも、ポリエーテルアミド成分、ポリエーテルエステルアミド成分又はポリエステル−エーテルブロック共重合体成分を含有する高分子イオン導電剤が好適であり、更に、これに加えて低分子イオン導電剤成分を含有することが好ましい。
また、上記ポリエーテルアミド成分及びポリエーテルエステルアミド成分としては、ポリエーテル成分が(−CH2−CH2−O−)を含有し、ポリアミド成分がポリアミド12又はポリアミド6を含有するものが特に好ましい。
前記ポリオレフィンとしては、ポリマーの両末端にカルボキシル基、水酸基、アミノ基等の官能基を有するポリオレフィンが挙げられ、特に、ポリプロピレン及びポリエチレンが好適である。
前記親水性ポリマーとしては、水酸基を有するポリオキシアルキレン等のポリエーテルジオール、両末端カルボキシル基のポリアミドとポリエーテルジオールとから構成されるポリエーテルエステルアミド、ポリアミドイミドとポリエーテルジオールとから構成されるポリエーテルアミドイミド、ポリエステルとポリエーテルジオールとから構成されるポリエーテルエステル、ポリアミドとポリエーテルジアミンとから構成されるポリエーテルアミド等が使用でき、中でも、水酸基を有するポリオキシアルキレンが好ましい。
具体例としては、両末端が水酸基のポリオキシエチレン(ポリエチレングリコール)、ポリオキシプロピレン(ポリプロピレングリコール)等が挙げられる。
無機塩又は有機塩の例としては、無機又は低分子量有機プロトン酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛又はアンモニウム塩が挙げられ、例えば、LiClO4、LiCF3SO3、NaClO4、LiBF4、NaBF4、KBF4、NaCF3SO3、KClO4、KPF6、KCF3SO3、KC4F9SO3、Ca(ClO4)2、Ca(PF6)2、Mg(ClO4)2、Mg(CF3SO3)2、Zn(ClO4)2、Zn(PF6)2又はCa(CF3SO3)2等が挙げられる。
導電性樹脂の体積抵抗率は、102〜1010(Ω・cm)の範囲にあることが好ましく、104〜108(Ω・cm)の範囲にあることが更に好ましい。
導電性樹脂の添加量はシームレスベルト材料全体の1〜10重量%が好ましい。1重量%以上であれば抵抗を下げる効果が得られる。また、10重量%以下であれば、シームレスベルトの引裂き性や割れ性、あるいはフィルミンングのようなシームレスベルトの汚染性に問題を生じるようなことはない。
表層に添加する前記有機微粒子や無機微粒子の形状としては、球状、針状、円盤状などがある。これらの微粒子の材料としては電子導電剤やイオン導電剤が挙げられるが、有機フィラーや無機フィラーが好ましい。
前記微粒子の1次粒子径は5〜500nmとする。5nm未満では分散が困難になるし、500nmを超えると表面の平滑性に悪影響を及ぼすことがある。
本発明のシームレスベルトの製造方法は、基材層用樹脂と表層用樹脂を共押出して同時成形する方法及び基材層と表層を順に成形する方法が挙げられるが、共押出が好ましい。共押出によると所望の高い表面光沢度が得られるし、2層の界面の接着性も良好となる。
共押出とは、例えば基材層と表層の2層の場合、各層の材料を押出す2台の押出機と、一つの2層用環状ダイスを用い、溶融させた各層の材料を同時に環状ダイスに送り込み、ダイス中で積層して押出す方法であり、一工程で短時間に積層シームレスベルトが得られる。3層以上の場合は、層数に応じた押出機とダイスを用いればよい。
架橋剤としては、架橋反応を起こし得るものであれば特に制限されないが、アリル系多官能モノマーが好適である。その具体例としては、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート(DA−MGIC)などが挙げられるが、中でもDA−MGICは、少量で架橋効果が発現するため好適である。
これらは1種を単独で使用しても、いずれか2種以上の混合物として使用してもよい。
架橋剤の配合量は、樹脂成分100重量部に対し0.5〜15重量部程度が好ましく、2〜10重量部程度がより好ましい。配合量が多すぎると、外観不良や強度低下に繋がるため好ましくない。
図3は、本発明の画像形成装置の一例の構成を示す概略断面図である。これは電子写真方式の画像形成装置に適用した例である。
この画像形成装置は、イエロー(以下、「Y」と記す)、シアン(以下、「C」と記す)、マゼンタ(以下、「M」と記す)、ブラック(以下、「K」と記す)の4色のトナーからカラー画像を形成するものである。
まず、複数の潜像担持体を備え、この複数の潜像担持体を表面移動部材の移動方向に並列させる画像形成装置(「タンデム型画像形成装置」)の基本構成について説明する。
この画像形成装置は、潜像担持体として4つの感光体1Y、1C、1M、1Kを備えている。なお、ここではドラム状の感光体を例に挙げているが、ベルト状の感光体を採用することもできる。各感光体1Y、1C、1M、1Kは、それぞれ表面移動部材である中間転写ベルト10に接触しながら、図中矢印の方向に回転駆動する。各感光体1Y、1C、1M、1Kは、それぞれ中間転写ベルト10に接触しながら、図中矢印の方向に回転駆動する。各感光体1Y、1C、1M、1Kは、比較的薄い円筒状の導電性基体上に感光層を形成し、更にその感光層の上に保護層を形成したものであり、また、感光層と保護層との間に中間層を設けてもよい。
即ち、この帯電装置3は、帯電ローラを感光体1の表面に接触又は近接させ、その帯電ローラに負極性バイアスを印加することにより、感光体1の表面を帯電する。感光体1の表面電位が−500Vとなるような直流の帯電バイアスを帯電ローラに印加している。なお、帯電バイアスとして、直流バイアスに交流バイアスを重畳させたものを利用することもできる。また、帯電装置3には、帯電ローラの表面をクリーニングするクリーニングブラシを設けてもよい。なお、帯電装置3として、帯電ローラの周面上の軸方向両端部分に薄いフィルムを巻き付け、これを感光体1の表面に当接するように設置してもよい。この構成の場合には、帯電ローラの表面と感光体1の表面との間は、フィルムの厚さ分だけ離間した極めて近接した状態となる。したがって、帯電ローラに印加される帯電バイアスによって、帯電ローラ3aの表面と感光体1の表面との間に放電が発生し、その放電によって感光体1の表面が帯電される。このようにして帯電した感光体1の表面には、露光装置4によって露光されて各色に対応した静電荷像が形成される。この露光装置4は、各色に対応した画像情報に基づき、感光体1に対して各色に対応した静電荷像を書き込む。なお、この露光装置4はレーザ方式であるが、LEDアレイと結像手段とからなる他の方式を採用することもできる。
現像装置5は、そのケーシングの開口から現像剤担持体としての現像ローラ5aが部分的に露出している。また、ここでは、キャリアを含まない一成分現像剤を使用している。
現像装置5は、図3に示したトナーボトル31Y、31C、31M、31Kから、対応する色のトナーの補給を受けてこれを内部に収容している。このトナーボトル31Y、31C、31M、31Kは、それぞれが単体で交換できるように、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されている。このような構成とすることにより、トナーエンド時にはトナーボトル31Y、31C、31M、31Kだけを交換すれば済む。したがって、トナーエンド時にまだ寿命に達していない他の構成部材はそのまま利用でき、ユーザーの出費を抑えることができる。
現像剤収納器中の現像剤(トナー)は、現像剤供給部材としての供給ローラ5bで攪拌されながら、感光体1に供給する前記現像剤を表面に担持する現像剤担持体としての現像ローラ5aのニップ部分に運ばれる。このとき供給ローラ5bと現像ローラ5aは、ニップ部で逆方向(カウンタ回転)に回転している。更に、現像ローラ5aに当接するように設けられた現像剤層規制部材としての規制ブレード5cで、現像ローラ5a上のトナー量が規制され、現像ローラ5a上にトナー薄層が形成される。また、トナーは、供給ローラ5bと現像ローラ5aのニップ部と規制ブレード5cと現像ローラ5aの間で摺擦され、適正な帯電量に制御される。
本発明においては、静電潜像担持体、静電潜像帯電手段、現像手段、電潜像担持体等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。図6に示したプロセスカートリッジは静電潜像担持体、静電潜像帯電手段、図5で説明した現像手段を備えている。
図7は、中間転写ベルトの一例の構成を示す外観図である。中間転写ベルト1は略円筒形状の無端状ベルトであるが、可撓性を有しており、自在に変形可能である。図7は、2本のロールに架け渡してベルト外周面の全体形状が長円形となった状態を示している。
中間転写ベルト1の寸法は、円筒形状としたときの外径が100〜300mm、幅Wが100〜350mmである。また、厚みtは、50〜300μmである。
また、中間転写ベルト1の材料であるベルト成形物の引張弾性率は800〜4000Mpa、表面抵抗率は1.0×106〜1.0×1012Ω/□である。ここで、引張弾性率及び体積抵抗率の測定方法は、例えば次のとおりである。
<導電性樹脂(1)>
[無水マレイン酸変性ポリプロピレンの合成]
ガラス容器中に、800部のポリプロピレン、320部の無水マレイン酸及び80部のキシレンを仕込み、120℃で均一な溶液とした後、少量のキシレンに溶かした40部の過酸化ベンゾイルを滴下し、120℃で6時間反応させた。反応終了後、アセトン中でポリマーを析出させ、ろ過乾燥して無水マレイン酸変性ポリプロピレンの粉末を得た。
[導電性樹脂(1)の合成]
ステンレス製オートクレーブに、上記無水マレイン酸変性ポリプロピレン60部、ポリエチレングリコール(アルドリッチ社製202444、Mn:3350)33部、及び、酢酸ジルコニル0.5部を入れ、230℃、1mmHg以下の条件で4時間重合させて、ブロックポリマーの導電性樹脂(1)を得た。Mnは、27000であった。
導電性樹脂(1)の示差走査熱量測定(DSC)を実施したところ、2回目の昇温操作において、少なくとも65℃付近に吸熱ピークを確認できた。
上記導電性樹脂(1)における無水マレイン酸変性ポリプロピレン66部と、12−アミノアウリン酸(東京化成工業社製)34部を、窒素ガス雰囲気下、200℃で溶融し、200℃で3時間、10mmHg以下の減圧下で反応させて、12−アミノラウリン酸で変性したポリプロピレンを得た。
次いで、この変性ポリプロピレン60部、ポリエチレングリコール(アルドリッチ社製202444、Mn:3350)33部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム7部、酸化防止剤(チバジャパン社製イルガノックス1010)0.3部、酢酸ジルコニル0.5部を加え、230℃、1mmHg以下の条件で4時間重合させて、導電性樹脂(2)を得た。Mnは、27900であった。導電性樹脂(2)の示差走査熱量測定(DSC)を実施したところ、2回目の昇温操作において、少なくとも20℃付近に吸熱ピークを確認できた。
導電性樹脂(3)として市販の導電性樹脂ペレクトロンPVH(三洋化成社製)を用いた。この導電性樹脂(3)の示差走査熱量測定(DSC)を実施したところ、2回目の昇温操作において、少なくとも40℃付近に吸熱ピークを確認できた。
(基材層用の樹脂ペレットの作製)
下記のポリプロピレン樹脂とカーボンブラックを重量比92:8で使用し、200℃で2軸押出混練機により混練して、基材層用の樹脂ペレットを作製した。
・ポリプロピレン樹脂:日本ポリプロ社製、ノバテックEG7FTB
・カーボンブラック:電気化学工業社製、デンカブラック
(表層用の樹脂ペレットの作製)
表1に示す組成の表層用材料を、200℃で2軸押出混練機により混練して、表層用の樹脂ペレットを作製した。なお、表1中の数値は重量%である。
・ノバテックEG7FTB:日本ポリプロ社製のポリプロピレン樹脂
・カーボンブラック:電気化学工業社製、デンカブラック
・二酸化チタン:日本アエロジル社製、二酸化チタンP25
・架橋剤:日本化成社製 TAIC(トリアリルイソシアヌレート)
2層を同時に押出成形できる環状のダイス(φ210mm)を装着した押出成形機を使用し、上記基材用樹脂ペレットと表層用樹脂ペレットを、それぞれホッパーから投入し、押出成形して実施例1〜9の2層シームレスベルトを作製した。
上記シームレスベルトの厚み、表層の厚み、表層の表面光沢度、表面抵抗率、体積抵抗率を測定した。光沢度及び抵抗率の測定は次のようにして行った。結果を表2に示す。
表面光沢度は、光沢度計(PG−IIM:日本電色工業社製)を用いて測定角度60°で測定した。
抵抗率は、ハイレスタUP MCP−HT450型(ダイアインスツルメンツ社製)を用いて測定した。表面抵抗率は、10V及び500V、10秒印加後の値を測定し、体積抵抗率は、250V、10秒印加後の値を測定し複数の測定地点の平均を測定値とした。また、表面抵抗率の10V印加時の値と500V印加時の値の比を算出することにより、表面抵抗率の電圧依存性の指標とした。
高品質な画像を得るために、この値は、1よりも大きく、3よりも小さい値であることが好ましい。
[画像品質]
シームレスベルトを市販のプリンタ(リコー社製IPSiO SP C320)に装着して画像出力を行い、次の基準で評価した。出力画像は、5mm間隔で平行に並ぶ複数のラインと200dpi相当のドットを含む画像とし、A4普通紙に印刷した。
〔評価基準〕
○:ライン画像やドット画像にムラや文字の滲みが見られない。
△:ライン画像やドット画像にムラや文字の滲みが僅かに認められる。
×:ムラや文字の滲み(ドットチリ)が見られる。
1万枚出力後のトナー濃度検知性を、日本電色工業社製の光沢度計(PG−11M)で測定した光沢度により、次の基準で評価した。
〔評価基準〕
○:光沢度が50以上
×:光沢度が50未満
1万枚出力後のベルト表面を目視で観察し、次の基準で評価した。
〔評価基準〕
○:ベルト表面がトナーで汚染されておらず、画像への影響もない場合
△:ベルト表面がトナーで汚染されているが、画像への影響はない場合
×:ベルト表面がトナーで汚染されていて紙出力した際、画像を乱している場合
(表層用の樹脂ペレットの作製)
表4に示す組成の表層用材料を、200℃で2軸押出混練機により混練して、表層用の樹脂ペレットを作製した。なお、表4中の数値は重量%である。また、ペレスタットNC6321以外の材料は、表1と同じである。
実施例における表層用の樹脂ペレットを、上記比較例の表層用の樹脂ペレットに代えた点以外は、実施例と同様にして2層シームレスベルトを作製し、実施例と同様にして、シームレスベルトの厚み、表層の厚み、表層の表面光沢度、表面抵抗率、体積抵抗率を測定した。結果を表5に示す。
1Y イエロー感光体
1C シアン感光体
1M マゼンタ感光体
1K ブラック感光体
2 作像部
2Y イエロー作像部
2C シアン作像部
2M マゼンタ作像部
2K ブラック作像部
3 帯電装置(帯電ローラ)
3a 帯電ローラ
4 露光装置
5 現像装置
5a 現像ローラ
5b 現像剤供給ローラ
5c 規制ブレード
6 転写装置
7 クリーニング装置
10 中間転写ベルト
11 支持ローラ
12 支持ローラ
13 支持ローラ
14 一次転写ローラ
14Y イエロー一次転写ローラ
14C シアン一次転写ローラ
14M マゼンタ一次転写ローラ
14K ブラック一次転写ローラ
15 ベルトクリーニング装置
16 二次転写ローラ
20 給紙カセット
21 給紙ローラ
22 レジストローラ対
23 加熱定着装置
23a 加熱ローラ
23b 加圧ローラ
24 排紙ローラ
31Y イエロートナーボトル
31C シアントナーボトル
31M マゼンタトナーボトル
31K ブラックトナーボトル
T トナー(現像剤)
Claims (7)
- 少なくとも基材層と表層を有し、該表層が、少なくともポリプロピレン樹脂と、ポリエーテルユニットを有しDSC曲線で20℃〜70℃の間に吸熱ピークを有する導電性樹脂で構成され、表層中のポリプロピレン樹脂に対する導電性樹脂の割合が1〜10重量%であることを特徴とするシームレスベルト。
- 前記導電性樹脂が、式(1)で示されるポリエーテルユニットを有するポリマーであることを特徴とする請求項1記載のシームレスベルト。
- 前記表層が、更に表層材料全体の5重量%以下の有機微粒子及び無機微粒子から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のシームレスベルト。
- 少なくとも、像担持体上に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いてトナー像とする現像手段と、像担持体上のトナー像を中間転写ベルト上に転写する一次転写手段と、中間転写ベルト上のトナー像を記録媒体上に転写する二次転写手段と、記録媒体上のトナー像を定着する定着手段とを備えた画像形成装置であって、前記中間転写ベルトが、請求項1〜3のいずれかに記載のシームレスベルトであることを特徴とする画像形成装置。
- 少なくとも、像担持体上に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、像担持体上に形成された静電潜像にトナーを用いてトナー像とする現像手段と、像担持体上のトナー像を記録媒体上に転写するために該記録媒体を搬送する転写ベルトと、像担持体上のトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、記録媒体上のトナー像を定着する定着手段とを備えた画像形成装置であって、前記転写ベルトが、請求項1〜3のいずれかに記載のシームレスベルトであることを特徴とする画像形成装置。
- 少なくとも基材層用樹脂と表層用樹脂の2種の樹脂を共押出するシームレスベルトの製造方法であって、表層用樹脂として、少なくともポリプロピレン樹脂と、ポリエーテルユニットを有しDSC曲線で20℃〜70℃の間に吸熱ピークを有する導電性樹脂と架橋剤で構成され、ポリプロピレン樹脂に対する導電性樹脂の割合が1〜10重量%である樹脂組成物を用いることを特徴とするシームレスベルトの製造方法。
- 前記架橋剤が、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレート及びジアリルモノグリシジルイソシアヌレートから選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項6記載のシームレスベルトの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013015310A JP6089729B2 (ja) | 2013-01-30 | 2013-01-30 | シームレスベルト、画像形成装置、シームレスベルトの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013015310A JP6089729B2 (ja) | 2013-01-30 | 2013-01-30 | シームレスベルト、画像形成装置、シームレスベルトの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014145963A JP2014145963A (ja) | 2014-08-14 |
JP6089729B2 true JP6089729B2 (ja) | 2017-03-08 |
Family
ID=51426255
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013015310A Active JP6089729B2 (ja) | 2013-01-30 | 2013-01-30 | シームレスベルト、画像形成装置、シームレスベルトの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6089729B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6319320B2 (ja) * | 2013-11-22 | 2018-05-09 | 株式会社ニコン | ズームレンズおよび光学機器 |
JP2016128541A (ja) * | 2015-01-09 | 2016-07-14 | 株式会社リコー | 半導電性樹脂組成物、電子写真用部材及び画像形成装置 |
JP6497118B2 (ja) * | 2015-02-24 | 2019-04-10 | 株式会社リコー | 導電性樹脂組成物及びこれを用いた電子写真用部材 |
JP6488802B2 (ja) * | 2015-03-20 | 2019-03-27 | 株式会社リコー | 画像形成装置 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4121798B2 (ja) * | 2002-07-22 | 2008-07-23 | 住友ゴム工業株式会社 | 導電性ポリマー組成物、その製造方法、及び該組成物を用いた導電性部材 |
JP4606029B2 (ja) * | 2003-10-27 | 2011-01-05 | 三井・デュポンポリケミカル株式会社 | アイオノマー樹脂組成物 |
JP4391844B2 (ja) * | 2004-02-06 | 2009-12-24 | 住友ゴム工業株式会社 | 導電性ベルト、導電性ベルトの製造方法、該導電性ベルトを備えた画像形成装置 |
JP4863739B2 (ja) * | 2005-11-01 | 2012-01-25 | 株式会社ブリヂストン | 導電性エンドレスベルト |
JP2007192996A (ja) * | 2006-01-18 | 2007-08-02 | Bridgestone Corp | 導電性エンドレスベルトおよびそれを用いた画像形成装置 |
JP2007286433A (ja) * | 2006-04-18 | 2007-11-01 | Bridgestone Corp | 導電性エンドレスベルトおよびそれを用いた画像形成装置 |
-
2013
- 2013-01-30 JP JP2013015310A patent/JP6089729B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014145963A (ja) | 2014-08-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2007328165A (ja) | 導電性エンドレスベルト | |
JP2015014744A (ja) | 中間転写体及び画像形成装置 | |
JP4845944B2 (ja) | 導電性エンドレスベルト | |
JP6089729B2 (ja) | シームレスベルト、画像形成装置、シームレスベルトの製造方法 | |
JP5182915B2 (ja) | 導電性エンドレスベルト | |
JP2016161903A (ja) | 中間転写ベルト及びそれを用いた画像形成装置 | |
JP2015055863A (ja) | 中間転写体、画像形成装置 | |
JP2007065587A (ja) | 導電性エンドレスベルト | |
JP5013766B2 (ja) | 導電性エンドレスベルトおよびそれを用いた画像形成装置 | |
JP5121272B2 (ja) | 導電性エンドレスベルト | |
JP5137181B2 (ja) | 導電性エンドレスベルト | |
JP5164314B2 (ja) | 導電性エンドレスベルトおよびそれを用いた画像形成装置 | |
JP4942119B2 (ja) | 導電性エンドレスベルト | |
JP2008089981A (ja) | 導電性エンドレスベルト | |
JP2007171478A (ja) | 導電性エンドレスベルトおよびそれを用いた画像形成装置 | |
JP6800096B2 (ja) | 導電性エンドレスベルト | |
JP2008268910A (ja) | 導電性エンドレスベルト | |
JP2008292842A (ja) | 導電性エンドレスベルト | |
JP2016133763A (ja) | 中間転写ベルト、中間転写ベルトの製造方法、及び該中間転写ベルトを用いた画像形成装置 | |
JP4793940B2 (ja) | 導電性エンドレスベルト | |
JP4807837B2 (ja) | 導電性エンドレスベルト | |
JP2007025131A (ja) | 導電性エンドレスベルト | |
JP2007286433A (ja) | 導電性エンドレスベルトおよびそれを用いた画像形成装置 | |
JP2010145630A (ja) | 導電性エンドレスベルト | |
JP4473614B2 (ja) | 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160108 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160930 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20161004 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20161202 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170110 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170123 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6089729 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |