JP4121798B2 - 導電性ポリマー組成物、その製造方法、及び該組成物を用いた導電性部材 - Google Patents

導電性ポリマー組成物、その製造方法、及び該組成物を用いた導電性部材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性ポリマー組成物、その製造方法、及び該組成物を用いた導電性部材に関し、詳しくは、複写機、カラープリンタ等における転写ローラ、駆動ローラ、あるいは現像ローラ、帯電ローラ等の導電性ローラや、転写ベルト等の導電性ベルト等の導電性部材に好適に用いられるものであり、配合するイオン導電剤を改良することで、柔軟性、成形性等の良好な物性と低電気抵抗とを実現するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機、カラープリンタ等における転写ローラ、駆動ローラ、あるいは現像ローラ、帯電ローラ等の導電性ローラや、転写ベルト等の導電性ベルト等の導電性部材は、適度の安定した電気抵抗値を有する必要がある。
【0003】
従来、この種の導電性部材に導電性を付与する方法として、ポリマー中に、金属酸化物の粉末やカーボンブラック等の導電性充填剤を配合した電子導電性ポリマー組成物を用いる方法と、ウレタンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エピクロルヒドリンゴム等のイオン導電性ポリマーを用いる方法がある。
【0004】
電子導電性ポリマー組成物を用いた場合、特に半導電の領域では、導電性充填剤の添加量のわずかな変化により電気抵抗が急激に変化する領域があるため、電気抵抗の制御が非常に困難になるという問題がある。その上、ポリマー組成物中で導電性充填剤が均一に分散し難いことから、ローラの周方向や幅方向で電気抵抗値がばらつきを持つという問題もある。さらには、その電気抵抗値が印加電圧に依存し、一定の電気抵抗値を備えていない問題がある。
【0005】
以上の点から、デジタル化、カラー化等の高画質化かつ省エネルギーが要求される最近の複写機、プリンタにおいては、電子導電性ポリマーでなく、イオン導電性ポリマーの方が好んで用いられる傾向にある。このようなイオン導電性ポリマーとして、種々の提案がなされている。
【0006】
例えば、特開平8−34929号では、イオン伝導性と機械的強度を高めるために、低極性高分子相が架橋構造を持ち、該低極性高分子相の高分子成分が2重結合を有し、その2重結合の一部が開裂して生成した分子内あるいは分子間架橋を有する高分子固体電解質が提案されている。
【0007】
また、特開平8−183866号では、リサイクルを可能とし、電気障害を防止するために、永久帯電防止剤を配合したオレフィン系熱可塑性エラストマーを主成分とする熱可塑性エラストマーシート状物及びその製造方法が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平8−34929号では、原材料コストや製造コストが高くなるという問題がある上に、低圧縮ひずみと熱可塑性(リサイクル性)を両立できないという問題もある。
【0009】
また、特開平8−183866号では、永久帯電防止剤を配合することにより、体積固有抵抗値の低減ではなく、表面抵抗値を下げ帯電防止性能を実現するものであり、電気抵抗が高いという問題がある。具体的には、特開平8−183866号の表1中の実施例3の基本配合(圧縮永久ひずみや導電性に影響を与えにくい紫外線吸収剤、HALS、着色剤等は除く)に基づいて、後述する本発明の表2中の比較例4を作製したが、圧縮永久ひずみが大きく、導電性部材として良好な物性値を得られないという問題がある。帯電防止剤として、導電性の可塑剤を用いたものも考えられるが、機械的物性を損ない、圧縮永久ひずみが悪化する上に、感光体を汚染するため、上記のような導電性部材には適用できない。
【0010】
さらに、導電性部材用に実用化されているイオン導電性ポリマーは、加硫ゴム組成物が中心であり、このような加硫ゴム組成物はリサイクルできないという問題がある。加硫ゴム組成物ではなく、塩素系の熱可塑性エラストマーを用いることも考えられるが、圧縮永久ひずみが大きい上に、感光体を汚染するという問題がある。さらに、塩素系であるため、燃焼時に塩化水素等の有害ガスやダイオキシンが発生する恐れもあり、昨今の環境問題への意識への高まりより、その廃棄時の取り扱いに難点がある。
【0011】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、ゴムのような弾性、柔軟性と樹脂のような良好な成形性を併せ持つと共に、低電気抵抗を実現し、かつリサイクル性にも優れた導電性ポリマー組成物及びその製造方法、並びに該組成物を用いた導電性部材を提供することを課題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー及びポリプロピレンを含む樹脂マトリクス中に、架橋可能なゴム成分であるEPDMを動的架橋により分散させた導電性ポリマー組成物であって、
上記樹脂マトリクス中に、少なくともポリエーテルを含むブロック共重合体樹脂と金属塩とを含むイオン導電性樹脂型帯電防止剤を分散させてなり、
上記水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー、上記ポリプロピレン及び上記EPDMは、質量比で(上記水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー及び上記ポリプロピレン:上記EPDM)=(45:55)〜(25:75)、かつ、(上記ポリプロピレン:上記EPDM)=(4:100)〜(35:100)の割合で配合され、
上記動的架橋は、フェノール系樹脂架橋剤及び金属酸化物からなる架橋活性剤を用いてなされており、
JIS K6262に記載の加硫ゴムの永久歪み試験法において、測定温度70℃、測定時間22〜24時間で測定した圧縮永久歪みの大きさが30%以下
JIS K6253に記載のデュロメータタイプAに規定された方法で測定された硬度が20以上65以下であり、かつ、
印加電圧1000Vのもとで測定したJIS K6911に記載の体積固有抵抗値が1011.0[Ω・cm]以下であることを特徴とする導電性ポリマー組成物を提供している。
【0013】
本発明者は、鋭意研究の結果、熱可塑性樹脂あるいは/及び熱可塑性エラストマーである水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー及びポリプロピレンを含む樹脂マトリクス中に、架橋可能なゴム成分であるEPDMを動的架橋させて分散させ、かつ、上記樹脂マトリクス中に、少なくともポリエーテルを含むブロック共重合体樹脂と金属塩とを含むイオン導電性樹脂型帯電防止剤を分散させることにより、ゴムのような耐久性、弾性、柔軟性と樹脂のような成形性を併せ持つと共に、低電気抵抗である導電性ポリマー組成物を得られることを見出した。また、本発明の導電性ポリマー組成物は、熱可塑性を有するためリサイクル性にも優れている。
【0014】
上記少なくともポリエーテルを含むブロック共重合体樹脂と金属塩とを含むイオン導電性樹脂型帯電防止剤は、ポリエーテル構造を有することにより、金属塩等のイオンを安定化し、電気抵抗を効果的に低減することができる。また、ブロック中のポリエーテル以外の他の構造により、基材ポリマーとある程度の相容性を確保することができるため、良好な物性と加工性を得ることができる。このように、上記少なくともポリエーテルを含むブロック共重合体樹脂と金属塩とを含むイオン導電性樹脂型帯電防止剤は、その他の各種帯電防止剤に比べ、電気抵抗を低下させる効果が著しく大きい上に、基材となる導電性ポリマー組成物の良好な物性を保持することができる。
【0015】
JISK6262に記載の加硫ゴムの永久歪み試験法において、測定温度70℃、測定時間22〜24時間で測定した圧縮永久歪みの大きさが30%以下としているのは、上記圧縮永久ひずみの値が30%より大きいと、ローラやベルト等の導電性部材等として使用した時に寸法変化が大きくなりすぎて実用に適さないためである。なお、より好ましくは25%以下であり、小さければ小さいほど良い。
【0016】
印加電圧1000Vのもとで測定したJIS K6911に記載の体積固有抵抗値が1011.0[Ω・cm]以下であるのは、1011.0 [Ωcm]より大きいと、ローラやベルト等の導電性部材とした際に、転写や帯電、トナー供給等の効率が低下し実用に適さなくなるという問題があるためである。また、体積固有抵抗値は、104.0 [Ωcm]以上1011.0 [Ωcm]以下の半導電性であるのが好ましい。
なお、体積固有抵抗値の測定条件は、23℃相対湿度55%の恒温恒湿条件下、印加電圧1000Vであり、JIS K6911に記載の体積固有抵抗値としている。
【0017】
上記少なくともポリエーテルを含むブロック共重合体樹脂と金属塩とを含むイオン導電性樹脂型帯電防止剤を、体積分率で8%以上45%以下の割合で含んでいるのが好ましい。
上記範囲としているのは、8%より少ないと電気抵抗を低減しにくいためである。一方、45%より多いと成形性や圧縮永久ひずみが悪化しやすい上に、これ以上添加しても体積固有抵抗値の低下はほとんど見られず、余分な帯電防止剤によりコストが上昇するためである。
なお、好ましくは10%以上40%以下、より好ましくは15%以上40%以下、さらに好ましくは20%以上40%以下であり、ここで言う体積分率とは、導電性ポリマー組成物中の樹脂マトリクス相中の体積%である。樹脂マトリクス中の体積%は動的架橋により架橋してドメインを形成するゴムや熱可塑性エラストマーを除き、樹脂マトリクスになり得る組成を全体として考えたときの比率である。
【0018】
上記少なくともポリエーテルを含むブロック共重合体樹脂は、ポリエーテルブロックアミド共重合体樹脂、ポリエーテルエステルアミド樹脂の変性物、ポリエーテルブロックポリオレフィン樹脂から選択される少なくとも1種以上の樹脂組成物としている。このような樹脂組成物とすることにより、導電性ポリマー組成物を混練後、射出成形や押し出し成形で導電性部材を成形する際に、ポリプロピレン樹脂等のマトリクス樹脂中に通電に有利な構造(パーコレーション構造)が形成され、電気抵抗値を従来以上に低減することができる。特に、ポリエーテルブロックアミド共重合体樹脂にポリアミドホモポリマーをブレンドしたもの、とりわけ、ポリエーテルブロックアミド共重合体樹脂中のアミドと同一構造のポリアミドホモポリマーをブレンドしたものでは、成形時に高温で融解しているブレンド物が冷却されて相構造を形成していく際に、ポリアミドホモポリマーが先に繊維状に凝固していき、続いてそこにポリエーテルブロックアミド共重合体樹脂がポリアミドホモポリマーとの相容性によって、効果的に配列され、うまくパーコレーション構造を形成することができる。
例えば、本実施例で使用したIrgastat P18中のポリエチレンオキサイドブロックナイロン12樹脂の融点は158℃、ナイロン12のm.p.はそれより少し高い176℃程度である。Irgastat P22中のポリエチレンオキサイドブロックナイロン6樹脂のm.p.は204℃、ナイロン6の融点はそれより少し高い220℃程度であり、どちらもホモポリマーの方が融点が高く、先に凝固する。
また、上記金属塩の金属としては、アルカリ金属、2A族等が好適であり、その他、種々の金属とする
ことができる。
【0019】
上記樹脂組成物としては、ポリエーテルブロックアミド共重合体樹脂が好ましく、中でもポリエーテルブロックナイロン樹脂が好ましい。具体的には、ポリエーテルブロックナイロン11樹脂、ポリエーテルブロックナイロン12樹脂、ポリエーテルブロックナイロン6樹脂が最適である。さらには、上述しているように、ポリエーテルブロックナイロン12共重合体樹脂とナイロン12のブレンド物あるいはポリエーテルブロックナイロン6共重合体樹脂とナイロン6のブレンド物が効果的にパーコレーション構造を形成できるので特に好ましい。
【0020】
上記導電性ポリマー組成物は、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーを主成分とするコンパウンド(A)中に、EPDMからなるゴム成分を含むコンパウンド(B)を動的架橋により分散させた組成物をベースとしている。これにより、低硬度と低圧縮永久ひずみを両立させることができ、さらにはゴムのような弾性、柔軟性と樹脂のような良好な成形性とを実現することができる。
【0021】
上記EPDMからなるゴム成分を含むコンパウンド(B)において、ゴム成分はEPDMを100%としている。EPDMは、主鎖が飽和炭化水素からなり、主鎖に二重結合を含まないため、高濃度オゾン雰囲気、紫外線を含む光照射等の環境下に長時間曝されても、分子主鎖切断が起こりにくい。よって、それ自体耐オゾン性、耐紫外線性及び耐熱性に優れたEPDMの比率を上記のように高めることにより、耐オゾン性、耐紫外線性、耐熱性を向上することができる。
【0023】
上記水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー及びポリプロピレンと、上記ゴム成分であるEPDMとの重量比が、(水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー及びポリプロピレン:EPDM)=(4555)〜(2575としている
上記範囲としているのは、上記範囲よりゴム成分が多いと、良好な成形性を得にくいためであり、一方、ゴム成分が少ないと、圧縮永久ひずみが悪化しやすいためである
【0024】
上記コンパウンド(A)は、上記ゴム成分100重量部に対して、軟化剤を15重量部以上500重量部以下、好ましくは25重量部以上400重量部以下の割合で含むのが良い。これにより、適度な柔軟性と弾性を得ることができる。
上記範囲としているのは、上記範囲より小さいと硬度が高くなりやすいためである。一方、上記範囲より大きいと動的架橋物の表面から軟化剤がブリードしてきたり、あるいは軟化剤がゴムに移行して架橋阻害を起こし、物性が低下しやすいためである。
【0025】
上記コンパウンド(A)は、上記EPDM100重量部に対して、ポリプロピレン樹脂を4重量部以上35重量部以下の割合で含み、(上記ポリプロピレン:上記EPDM)=(4:100)〜(35:100)の割合としている
上記範囲としているのは、上記範囲より小さいとポリプロピレンを添加しても、その量が少なすぎて加工性を向上させる等の効果がはっきりと確認できないためである。一方、上記範囲より大きいとローラの硬度が高くなりやすいためである。
【0026】
上記コンパウンド(B)は、上記EPDM100重量部に対して、軟化剤を15重量部以上600重量部以下、好ましくは25重量部以上400重量部以下の割合で含むのが良い。これにより、適度な柔軟性と弾性を得ることができる。
上記範囲としているのは、上記範囲より小さいと硬度が高くなりやすいためである。一方、上記範囲より大きいと動的架橋物の表面から軟化剤がブリードしてきたり、あるいは軟化剤が架橋阻害を起こして、ゴム分が十分に架橋されず、物性が低下しやすいためである。
【0027】
なお、本出願中、ゴム成分の重量部とは、ゴムが非油展ゴムの場合、非油展ゴムの重量部を表し、ゴムが油展ゴムの場合は、油展ゴムからオイル成分の重量を差し引いたゴム成分のみの重量で重量部を表す。また、ゴムが油展ゴムと非油展ゴムの混合物の場合は、油展ゴムからオイル成分を差し引いたゴム成分のみの重量と非油展ゴムの重量との合計の重量で重量部を表す。
【0028】
上記軟化剤としては、オイル、可塑剤が挙げられる。オイルとしては、例えばパラフィン系、ナフテン系、芳香族系等の鉱物油や炭化水素系オリゴマーからなるそれ自体公知の合成油、またはプロセスオイルを用いることができる。合成油としては、例えば、α−オレフィンとのオリゴマー、ブテンのオリゴマー、エチレンとα−オレフィンとの非晶質オリゴマーが好ましい。可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルセパケート(DOS)、ジオクチルアジペート(DOA)等を用いることができる。
【0029】
また、良好な機械的物性を得るためには、油展ゴムで、分子量が極力大きいものが好ましい。EPDMの油展ゴムの具体的な例としては、住友化学工業株式会社製エスプレン670F、同社エスプレン601F、出光DSM株式会社製KELTAN509×100等が挙げられる。
【0030】
本発明の導電性ポリマー組成物はポリプロピレンを含む。このほか、市販のオレフィン系樹脂を併用でき、ポリエチレンを併用することができる。また、エチレンエチルアクリレート樹脂、エチレンビニルアセテート樹脂、エチレンメタクリル酸樹脂、アイオノマー樹脂、ポリエステル系樹脂、塩素化ポリエチレン等1種または2種以上をブレンドしても良い。また、その他種々の熱可塑性樹脂を含有させることもできる。ただし、以上のうちでもポリプロピレン単独が加工性が良く、強度を向上させることができ、またEPDMとの相容性が良いことから特に好ましい。
【0031】
上記動的架橋は樹脂架橋により行っている。樹脂架橋剤は加熱等によってゴムに架橋反応を起こさせる合成樹脂であり、硫黄と加硫促進剤とを併用する場合に比べ、ブルームが生じにくく圧縮永久ひずみも小さいため、精度維持や耐久性に優れる点で好ましい。特に、フェノール樹脂系の架橋剤で行なっている
【0032】
ェノール樹脂の具体例としては、フェノール、アルキルフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン等のフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類との反応により合成される各種フェノール樹脂が挙げられる。特に、ベンゼンのオルト位又はパラ位にアルキル基が結合したアルキルフェノールと、ホルムアルデヒドとの反応によって得られるアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂が、ゴムとの相溶性に優れるとともに、反応性に富んでいて架橋反応開始時間を比較的早くできるので好ましい。アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂のアルキル基は、通常、炭素数が1から10のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。また、硫化−p−ターシャリーブチルフェノールとアルデヒド類とを付加縮合させた変性アルキルフェノール樹脂や、アルキルフェノール・スルフィド樹脂も樹脂架橋剤として使用可能である。樹脂架橋剤の配合量は、ゴム成分であるEPDM100重量部に対して1重量部以上50重量部以下、好ましくは8重量部以上15重量部以下が良い。
【0033】
本発明の導電性ポリマー組成物は、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーを用いている。水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーは水素添加により二重結合が飽和されており、低硬度で耐久性に優れている。このように、二重結合が無くなっているために、動的架橋に際して架橋剤と反応して架橋されることがないのでゴムの架橋を阻害せず、動的架橋後のエラストマー組成物が所望の熱可塑性を発現することができる。従って、本発明には動的架橋に際して架橋されない程度に水素添加されているスチレン系熱可塑性エラストマーを用いるのが好ましい。また、機械的強度の点から、分子量は8万以上が好ましい。なお、加工性を失わない範囲で、水添されていない熱可塑性エラストマー(SBS、SIS等)を加えて、樹脂とゴムを架橋させ機械的強度を上げることも可能である。
【0034】
上記水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えばスチレン−エチレン−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)が挙げられる。なお、(ポリ)スチレン系以外にも、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系等の種々の熱可塑性エラストマーを併用することができる。
【0035】
本発明の導電性ポリマー組成物のJIS K−6253(試験機デュロメータタイプA)に規定された方法で測定された硬度は20以上65以下としている。好ましくは30以上55以下であるのが良い。これにより、導電性ロール等とした場合のニップ幅を大きくすることができる。
上記範囲としているのは、20未満であると柔らかすぎて圧縮歪みが大きくなりすぎるためである。一方、65を越えると硬すぎて導電性部材等として用いた場合、充分なニップ幅が得られない、あるいは感光体等の他の部材にダメージを与える場合があるためである。
【0036】
本発明における動的架橋は、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素等のハロゲンの存在下に行ってもよい。動的架橋時にハロゲンを存在させるには、ハロゲン化された樹脂架橋剤を用いるか、エラストマー組成物中にハロゲン供与性物質を配合してもよい。ハロゲン化された樹脂架橋剤としては、上記の各付加縮合型樹脂がハロゲン化されたものが挙げられる。なかでも、フェノール樹脂のアルデヒドユニットに少なくとも一個のハロゲン原子が結合したハロゲン化フェノール樹脂、特にはハロゲン化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂が、ゴムとの相溶性に優れるとともに、反応性に富んでいて架橋反応開始時間を比較的早くできるので好ましい。上記のようにハロゲンを含有させても、材料全体の数%程度の架橋剤中に、さらにその架橋剤の数%(5%以下)程度存在するだけであることから、塩化ビニル等のハロゲン元素を分子中に持つポリマーに比べて、環境に優しいものである。
【0037】
またハロゲン供与性物質としては、塩化第二スズ等の塩化スズ、塩化第二鉄、塩化第二銅等が挙げられる。ハロゲン化樹脂としては、例えば塩素化ポリエチレン等が挙げられる。これらのハロゲン供与性物質は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0038】
架橋反応を適切に行うために架橋活性剤を用いている。架橋活性剤としては金属酸化物等使用しており、特に酸化亜鉛、炭酸亜鉛が好ましい。
【0041】
また、上記導電性ポリマー組成物には、機械的強度を向上させる等の目的のために、電気特性や他の物性を損なわない範囲で必要に応じて充填剤を配合することができる。充填剤としては、例えば、シリカ、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム等の粉体を挙げることができる。充填剤を配合する場合、充填剤はゴム100重量部に対し、60重量部以下とするのが好ましい。充填剤の比率が上記範囲を越えると、ゴムの柔軟性が低下してしまうことがあるからである。
【0042】
上記導電性ポリマー組成物には、必要に応じて、さらに老化防止剤、ワックス等を配合することができる。老化防止剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどのイミダゾール類、フェニル−α−ナフチルアミン,N,N´−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N´−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミンなどのアミン類、2,6−Di−tert−butyl−4−methylphenol、スチレン化フェノールなどのフェノール類などが挙げられる。
【0043】
本発明は、また、上記導電性ポリマー組成物の製造方法であって、
押し出し機又は混練機にて、上記架橋可能なゴム成分であるEPDMを、動的架橋により上記水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー及びポリプロピレンを含む樹脂マトリクス中に分散させた後に、
上記動的架橋により得られた組成物を、再度、押し出し機又は混練機にて混練して、上記少なくともポリエーテルを含むブロック共重合体樹脂と金属塩とを含むイオン導電性樹脂型帯電防止剤を混入することにより、導電性ポリマー組成物を得ていることを特徴とする導電性ポリマー組成物の製造方法を提供している。
【0044】
本発明者は、鋭意研究の結果、上記イオン導電性樹脂型帯電防止剤は、動的架橋したゴム相の方には入りにくく、樹脂相の方に選択的に混入されるという特徴を持つことを見出した。このため、上記製法によれば、導電性ポリマー組成物の水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー及びポリプロピレンを含む樹脂マトリクスの方にイオン導電性樹脂型帯電防止剤が選択的に配置されることとなり、イオン導電性樹脂型帯電防止剤を、マトリクスとなる水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー及びポリプロピレン中に偏在させることができる。その結果、イオン導電性樹脂型帯電防止剤の配合による物性の低下(硬度の上昇や圧縮永久ひずみの増大)を抑制することができ、かつ、不必要にイオン導電性樹脂型帯電防止剤の使用量を増やすことがなく、原材料コストを抑えることができる。
【0045】
上記動的架橋時の加熱温度は160℃〜230℃、加熱時間は1〜20分であるのが良い。また、上記イオン導電性樹脂型帯電防止剤混入時の加熱温度は160℃〜260℃、加熱時間は1〜20分であるのが良い。また、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーを主成分とするコンパウンド(A)を作製する際に、ポリプロピレンあるいは/及び水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーは軟化剤中で膨潤させるのが好ましく、上記動的架橋により得られた組成物はペレット状とするのが良い。これにより、良好な成形性を得ることができる。
【0046】
上記押し出し機としては、2軸押出機等、上記混練機としては、バンバリーミキサー、ニーダー等を用いることができる。なお、イオン導電性樹脂型帯電防止剤を含有させた状態で動的架橋することもできる。
【0047】
本発明は、さらに、上記導電性ポリマー組成物を用いて成形されてなることを特徴とする導電性部材を提供している。導電性部材としては、導電性ローラおよび導電性ベルト等が挙げられる。
本発明の導電性ポリマー組成物は、低い体積固有抵抗を有し、かつ圧縮永久ひずみが小さく、低硬度である点で優れているので、これを用いた導電性ローラにおいては、転写ローラや帯電ローラ、トナー供給ローラや現像ローラ、駆動ローラ等に好適に用いられる。
【0048】
上記導電性ロール等は従来公知の方法により作製することができ、具体的には、以下のような方法が挙げられる。
本発明の導電性ポリマー組成物をペレット化し、該ペレットを射出(インジェクション)成形機により射出成形してチューブ状に成形する。この成形品に芯金(シャフト)を挿入した後、チューブ表面を研磨し、所要寸法にカットして導電性ローラとしている。なお、射出成形機のかわりに樹脂用単軸押出機等によってチューブ状に押し出し、それをカットし、シャフトを挿入することによってローラとすることもできる。
また、上記ペレットを押出機にてエンドレスベルト状に成形して導電性ベルトとしたり、あるいはシート状に成形し、このシートをスライスまたは研磨することで、必要な厚みのシートとすることもできる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
本実施形態の導電性ローラ1は、図1に示すように、下記の組成からなる導電性ポリマー組成物より円筒状のローラに成形し、その中空部に軸芯2を圧入するか、あるいは両者を接着剤で接合して固定している。
【0050】
上記導電性ポリマー組成物は、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーを主成分とするコンパウンド(A)中に、EPDMからなるゴム成分を含むコンパウンド(B)を動的架橋により分散させたものである。
【0051】
上記コンパウンド(B)のゴム成分は、油展EPDMとし、ゴムと同量のオイルを含んでいる。また、コンパウンド(A)には、数平均分子量が30万である水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー(SEEPS)とオレフィン系樹脂であるポリプロピレンとを含むと共に、このエラストマー+樹脂の合計量と同量のオイルを含んでいる。
【0052】
また、少なくともポリエーテルを含むブロック共重合体樹脂と金属塩とを含むイオン導電性樹脂型帯電防止剤として、ナイロン12+ポリエーテルブロックナイロン12共重合体のブレンドに過塩素酸ナトリウム1水和物を加えたものからなるイオン導電性樹脂型帯電防止剤を、導電性ポリマー組成物のマトリクス成分に対する体積分率が32%になるように配合し、マトリクス中に分散させている。
【0053】
架橋剤としては、樹脂架橋剤であるフェノール系樹脂架橋剤、架橋活性剤としては酸化亜鉛を用いている。加工性向上、硬度調整等の目的で配合される軟化剤としてはパラフィンオイルを用いている。
【0054】
この導電性ポリマー組成物のJIS K6262に記載の加硫ゴムの永久歪み試験法において、測定温度70℃、測定時間22〜24時間で測定した圧縮永久歪みの大きさが25%であり、印加電圧1000Vのもとで測定したJIS K6911に記載の体積固有抵抗値が108.7[Ω・cm]であり、JIS K−6253(試験機デュロメータタイプA)に規定された方法で測定された硬度が54である。
【0055】
導電性ローラ1は、押し出し機又は混練機にて、上記コンパウンド(A)とコンパウンド(B)及びその他添加剤を配合し、動的架橋によりにゴムを分散させた後に、所要量の上記イオン導電性樹脂型帯電防止剤を混入し、再度、押し出し機又は混練機にて混練することで、導電性ポリマー組成物を得て、さらにそれを押し出し機にてローラ状に成形している。
【0056】
このように、導電性ローラ1は、本発明の導電性ポリマー組成物より成形されているため、ゴムのような耐久性、弾性、柔軟性と樹脂のような成形性を併せ持つと共に、低電気抵抗を実現することができる。また、廃棄時に有害ガスを発生することもないため、環境に優しく、かつ、熱可塑性を有するためリサイクル性にも優れている。
【0057】
また、図2に示すように、上記導電性ポリマー組成物より転写ベルト等の導電性ベルト3を作製しても良い。導電性ベルト3は、2個以上のプーリー4によって張架状態とされ、回転移動する導電性ベルト3の上側の直線状部分5に紙等のシート材6を担持して搬送し、また、感光体上に作られたトナー像をシート材6に転写する等の役割をするものである。
【0058】
以下、本発明の実施例及び比較例について詳述する。
下記の表1〜表3に示すように、実施例および比較例について、各々表1〜3に記載の配合からなる組成物を用いて以下の様にローラ状(円管状)とした後、軸芯にはめ込み、導電性ローラを製造した。
【0059】
【表1】
Figure 0004121798
【0060】
【表2】
Figure 0004121798
【0061】
【表3】
Figure 0004121798
【0062】
表中のマトリクス中の導電剤体積分率より上欄の数値は重量部である。また、略語TPEは熱可塑性エラストマーを表す。
使用した材料は下記の通りである。なお、ゴムについて、100%油展EPDMのオイル分は表中、軟化剤の欄に算入し、ゴムの欄にはゴム成分のみの値が記載されている。即ち、軟化剤100重量部との記載の内、65重量部は油展EPDM中のオイルであり、残りの35重量部はコンパウンド(A)中に含まれるオイルである。
【0063】
・ゴム:住友化学製EPDM、エスプレン670F(パラフィンオイル100%油展)
・水素添加スチレン系TPE: SEEPS (Mn=30万、Mw=34.2万)、クラレ製、セプトン4077
・オレフィン系TPE:三井化学製、ミラストマー8030N
オレフィン系樹脂1:ポリプロピレン、日本ポリケム製ノバテックPP BC6
・オレフィン系樹脂2:三井住友ポリオレフィン製、直鎖状低密度ポリエチレン、ウルトゼックス3520L
・オレフィン系樹脂3:三井住友ポリオレフィン製、ポリプロピレン 三井住友ポリプロB101WAT
・相容化剤:三洋化成工業製、マレイン酸変性ポリプロピレン ユーメックス1010
・イオン導電性熱可塑性エラストマー組成物:フタル酸エステル類含有塩素系熱可塑性エラストマー組成物、東ソー製、エラステージES2520A
・導電剤1:ナイロン12+ポリエーテルブロックナイロン12共重合体樹脂のブレンドに過塩素酸ナトリウム1水和物を加えたもの、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、IRGASTAT P18
・導電剤2:ポリエーテル−ポリオレフィン共重合体に金属塩を加えたもの、三洋化成工業製、ペレスタット300
・導電剤3:ナイロン6+ポリエーテルブロックナイロン6共重合体のブレンドに過塩素酸ナトリウム1水和物を加えたもの、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、IRGASTAT P22
・導電剤4:カーボン、ケッチェンブラックインターナショナル製、ケッチェンブラックEC
・導電剤5:ポリエーテルブロックアミド共重合体、エルフアトケム製、PEBAX MH1657
・軟化剤:パラフィンオイル、出光興産製、ダイアナプロセスオイルPW-380
・架橋剤1:田岡化学製 タッキロール250-III(樹脂架橋剤、ハロゲン化アルキルフェノール樹脂)
・架橋剤2:田岡化学製 タッキロール201(樹脂架橋剤)
・架橋活性剤:酸化亜鉛、三井金属鉱業社製 酸化亜鉛2種
【0064】
実施例1〜5、比較例1〜3については、以下の方法で導電性ポリマー組成物からなるペレットを作製した。
熱可塑性エラストマーを軟化剤中で膨潤させてから、これをオレフィン系樹脂ペレットと共に2軸押出機、ニーダーまたはバンバリー等により160℃〜220℃の温度で、1〜20分間混練して、熱可塑性エラストマー、オレフィン系樹脂、及びこれらと軟化剤の混合物(コンパウンド)を作製し、ペレタイザーでペレットを作製し、しかる後に、このペレットと、油展ゴムペレット、樹脂架橋剤としての反応性フェノール樹脂、亜鉛華等の所要の添加剤を2軸押出機に投入し、160℃〜230℃の温度で加熱しながら1〜20分間混練してゴムを動的架橋した後、押し出した。
次いで、この押し出した混練組成物を冷却しペレット化した。更に、このようにして得られた動的架橋組成物のペレットに各種導電剤を混合して、再度2軸押出機に投入し、160℃〜260℃の温度で加熱しながら1〜20分間混練した。なお、ここでは2軸押出機を用いているが、ニーダー又はバンバリー等で混練してもよい。その後、動的架橋ゴム組成物と各種導電剤との混合物を通例の方法によりペレット化した。比較例1においても、導電剤は配合していないが同様に2軸押し出し機に再度投入してペレット化した。
【0065】
比較例4については、オレフィン系TPEと各種オレフィン系樹脂、相容化剤、導電剤のペレットをドライブレンドした後、上記同様に2軸押出機に投入し、160℃〜260℃の温度で加熱しながら1〜20分間混練し、冷却した後にペレット化した。なお、比較例1〜3等とは異なり、押出機では1度しか混練していなかった。
比較例5については、市販の熱可塑性エラストマー組成物のペレットをそのまま使用した。
【0066】
(試験サンプルの作製)
上記各ペレットを射出成形機により成形して130mm×130mm×2mmのスラブシート、及び後述するJISに記載の試験サンプルを作製した。
【0067】
(ローラの作製)
上記各ペレットを樹脂押し出し機に投入し、チューブ状に押し出してシャフトを挿入接着した後、必要寸法にカット・研磨し、ヒューレットパッカード社製のLaser Jet4050型レーザービームプリンター搭載の転写ローラ用の導電性ローラを作製した。ローラ形状は、内径6mm、外径14mm、長さ218mmのチューブ状とした。
【0068】
(実施例1乃至実施例5)
実施例1乃至実施例5はいずれも、表1に示すように、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとポリプロピレン樹脂、及び所要量の軟化剤を含むコンパウンド(A)に、所要量の軟化剤を含むEPDMを主成分とするコンパウンド(B)を動的架橋させて分散させた導電性ポリマー組成物からなり、いずれも少なくともポリエーテルを含むブロック共重合体樹脂と金属塩とを含むイオン導電性樹脂型帯電防止剤を規定の体積分率で分散させた。
【0069】
(比較例1乃至比較例5)
他方、比較例1〜5は、表2、3に示すように、本発明の範囲外の導電性ポリマー組成物の例であり、比較例1、3は少なくともポリエーテルを含むブロック共重合体樹脂と金属塩とを含むイオン導電性樹脂型帯電防止剤を配合しなかった。また、比較例2は、上記イオン導電性樹脂型帯電防止剤の配合量が好ましい量より少なかった。比較例4は、動的架橋を用いていない熱可塑性エラストマー組成物を用いた。比較例5は市販の塩素系熱可塑性エラストマーを用いた。
【0070】
上記実施例、比較例の導電性ポリマー組成物を用いた測定サンプル、導電性ローラを用いて下記の試験を行った。評価結果を各表中に示す。
【0071】
(体積固有抵抗値の測定)
上記のスラブシート(130mm×130mm×2mm)を作製し、アドバンテストコーポレーション製のデジタル超高抵抗微少電流計R−8340Aを用いて、23℃相対湿度55%の恒温恒湿条件下、印加電圧1000Vとして、JIS K6911に記載の体積抵抗率(体積固有抵抗値)ρV[Ω・cm]を測定した。
なお、表中には、体積固有抵抗値を常用対数値で示している。
【0072】
(硬度測定)
JIS K−6253(試験機デュロメータタイプA)に規定された方法によって硬度を測定した。
【0073】
(圧縮永久ひずみの測定)
JIS K6262「加硫ゴムの永久ひずみ試験方法」の記載に従い、測定温度70℃、測定時間24時間で測定した。
【0074】
(感光体汚染試験)
ヒューレットパッカード社製のLaser Jet4050型レーザービームプリンターのカートリッジ(カートリッジタイプC4127X)にセットされている感光体に、実施例、比較例の各スラブシート片を押し付けた状態で、32.5℃、相対湿度90%の条件下で1週間保管する。その後、感光体から各スラブシート片を除去し、当該感光体を用いて上記プリンターにてハーフトーン印刷を行い、印刷物の汚れの有無を目視にて確認し、以下の三段階の基準にて評価した。
○:印刷物を目で見る限り汚染なし。
△:軽度の汚染(5枚以内の刷り込みにより、目で見て分からない程度にまでとれる使用上問題ない汚染)
×:重度の汚染(5枚以上刷り込んでも、印刷物を目で見て異常が分かる汚染)
【0075】
(成形性)
各実施例、比較例の配合物のペレットを押し出し機で成形したときの成形性について下記の基準で評価した。
○:良好な押し出し肌が得られた。
△:押し出し肌が悪く、押し出し速度を低下し、外径を大きめに押し出して研磨しろを大きくとらないと、ローラが作製できなかった。
×:押し出し成形が不可能であった。
【0076】
(ローラ電気抵抗の周ムラの測定)
図3に示すように、芯金12を通した導電性ローラ11をアルミドラム13上に当接搭載し、電源14の+側に接続した内部抵抗r(100Ω)の導線の先端をアルミドラム13の一端面に接続すると共に電源14の一側に接続した導線の先端を導電性ローラ11の他端面に接続して測定した。
上記電線の内部抵抗rにかかる電圧を検出し、検出電圧Vとした。
この装置において、印加電圧をEとすると、ロール抵抗RはR=r×E/(V−r)となるが、今回−rの項は微少とみなし、R=r×E/Vとした。
芯金12の両端に500gずつの荷重Fをかけ、30rpmで回転させた状態で、印加電圧Eを500Vとした時の検出電圧Vを4秒間で100個測定し、上式によりRを算出した。算出した抵抗値の最大と最小との比(最大抵抗値/最小抵抗値)を周ムラとした。周ムラは1.0以上1.2以下が好ましい。なお、上記測定は、温度23℃、相対湿度55%の恒温恒湿条件下で行った。
【0077】
表1に示すように、実施例1〜5は、上記イオン導電性樹脂型帯電防止剤を規定量配合しているため、体積固有抵抗値が低い上に、圧縮永久ひずみが小さく、かつ適切な硬度を有していることが確認できた。さらに、感光体汚染も生じることがなく、成形性にも優れ、周ムラも適切な値であり良好な電気特性を有していた。また、いずれも熱可塑性を有しているため、リサイクル性に優れる上に、塩素等を配合していないため、環境にも非常に優しい組成物であった。
【0078】
一方、表2、3に示すように、比較例1は導電剤が配合されていないため、抵抗値が高く不適であった。比較例2は上記イオン導電性樹脂型帯電防止剤が規定量より少なく電気抵抗が高いため、導電性部材として不適であった。比較例3は導電剤としてカーボンが配合されており、電気抵抗のばらつき、ここではローラの周ムラが大きかった。また、成形性もあまり良くなかった。比較例4は圧縮永久ひすみが大きく、不適であった。また、硬度、体積固有抵抗もやや高かった。比較例5は、感光体汚染を生じ、圧縮永久ひずみも大きく不適であった。また、塩素やフタル酸エステル等、環境に対して良くない材料を大量に含んでおり、法令上、また、製品メーカー自主規制等により使用に規制が生じることも考えられる。
【0079】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー及びポリプロピレンを含む樹脂マトリクス中に、架橋可能なゴム成分であるEPDMを動的架橋させて分散させているので、ゴムのような耐久性、弾性、柔軟性と樹脂のような成形性を併せ持つことができる。さらに、マトリクス中に、少なくともポリエーテルを含むブロック共重合体樹脂と金属塩とを含むイオン導電性樹脂型帯電防止剤を分散させているため、基材となる熱可塑性エラストマー組成物の良好な物性を保持しながら、電気抵抗を効果的に低減することができる。また、適切な硬度を有する上に、感光体汚染を生じることもなく、電気抵抗のばらつきも低減することができる。
【0080】
従って、本発明の導電性ポリマー組成物は、複写機、カラープリンタ等における転写ローラ、駆動ローラ、あるいは現像ローラ、帯電ローラ等の導電性ローラや、転写ベルト等の導電性ベルト等の導電性部材に極めて有用である。また、本発明の導電性ポリマー組成物は、環境に優しく、かつ熱可塑性を有するためリサイクル性も確保でき、製造コストも低減することができる。
【0081】
さらに、本発明の導電性ポリマー組成物の製造方法によれば、組成物を動的架橋後に、上記イオン導電性樹脂型帯電防止剤を混入しているため、動的架橋された熱可塑性エラストマー組成物のマトリクスの方にイオン導電性樹脂型帯電防止剤が選択的に配置されることとなり、その結果、イオン導電性樹脂型帯電防止剤の配合による物性の低下(硬度の上昇や圧縮永久ひずみの増大)を抑制することができる。また、不必要にイオン導電性樹脂型帯電防止剤の使用量を増やすことがないため、原材料コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の導電性ローラの概略図である。
【図2】 本発明の導電性ベルトの概略図である。
【図3】 導電性ローラのローラ電気抵抗の周ムラの測定方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 導電性ローラ
2 軸芯
3 導電性ベルト

Claims (8)

  1. 水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー及びポリプロピレンを含む樹脂マトリクス中に、架橋可能なゴム成分であるEPDMを動的架橋により分散させた導電性ポリマー組成物であって、
    上記樹脂マトリクス中に、少なくともポリエーテルを含むブロック共重合体樹脂と金属塩とを含むイオン導電性樹脂型帯電防止剤を分散させてなり、
    上記水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー、上記ポリプロピレン及び上記EPDMは、質量比で(上記水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー及び上記ポリプロピレン:上記EPDM)=(45:55)〜(25:75)、かつ、(上記ポリプロピレン:上記EPDM)=(4:100)〜(35:100)の割合で配合され、
    上記動的架橋は、フェノール系樹脂架橋剤及び金属酸化物からなる架橋活性剤を用いてなされており、
    JIS K6262に記載の加硫ゴムの永久歪み試験法において、測定温度70℃、測定時間22〜24時間で測定した圧縮永久歪みの大きさが30%以下
    JIS K6253に記載のデュロメータタイプAに規定された方法で測定された硬度が20以上65以下であり、かつ、
    印加電圧1000Vのもとで測定したJIS K6911に記載の体積固有抵抗値が1011.0[Ω・cm]以下であることを特徴とする導電性ポリマー組成物。
  2. 上記少なくともポリエーテルを含むブロック共重合体樹脂と金属塩とを含むイオン導電性樹脂型帯電防止剤を、体積分率で8%以上45%以下の割合で含んでいる請求項1に記載の導電性ポリマー組成物。
  3. 上記少なくともポリエーテルを含むブロック共重合体樹脂は、ポリエーテルブロックアミド共重合体樹脂、ポリエーテルエステルアミド樹脂の変性物、ポリエーテルブロックポリオレフィン樹脂から選択される少なくとも1種以上の樹脂組成物としている請求項1または請求項2に記載の導電性ポリマー組成物。
  4. 上記ポリエーテルブロックアミド共重合体樹脂とポリアミドホモポリマーとのブレンドに金属塩を含んだ組成物からなるイオン導電性樹脂型帯電防止剤を用いている請求項3に記載の導電性ポリマー組成物。
  5. 上記導電性ポリマー組成物は、上記水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーを主成分とするコンパウンド(A)中に、上記EPDMからなるゴム成分を含むコンパウンド(B)を動的架橋により分散させた組成物をベースとしている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の導電性ポリマー組成物。
  6. 上記コンパウンド(A)は、上記EPDM100重量部に対して、軟化剤を15重量部以上500重量部以下の割合で含むと共に、
    上記コンパウンド(B)は、上記EPDM100重量部に対して、軟化剤を15重量部以上600重量部以下の割合で含んでいる請求項5に記載の導電性ポリマー組成物。
  7. 求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の導電性ポリマー組成物の製造方法であって、
    押し出し機又は混練機にて、上記架橋可能なゴム成分であるEPDMを、動的架橋により上記水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー及びポリプロピレンを含む樹脂マトリクス中に分散させた後に、
    上記動的架橋により得られた組成物を、再度、押し出し機又は混練機にて混練して、上記少なくともポリエーテルを含むブロック共重合体樹脂と金属塩とを含むイオン導電性樹脂型帯電防止剤を混入することにより、導電性ポリマー組成物を得ていることを特徴とする導電性ポリマー組成物の製造方法
  8. 求項乃至請求項のいずれか1項に記載の導電性ポリマー組成物を用いて成形されてなることを特徴とする導電性部材
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