JP4140856B2 - 導電性ローラ - Google Patents

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Description

本発明は、導電性ローラに関し、詳しくは、インクジェットプリンター、レーザープリンター、静電複写機、ファクシミリ装置等のOA機器や、自動預金支払機(ATM)等の画像形成装置において、特に、転写ローラとして好適に用いられる導電性ローラに関する。
画像形成装置における転写ローラ、駆動ローラ、現像ローラまたは帯電ローラ等の導電性ローラは、適度の安定した電気抵抗値を有する必要がある。
従来、この種の導電性ローラに導電性を付与する方法としては、ポリマー中に金属酸化物の粉末やカーボンブラック等の導電性充填剤を配合した電子導電性ポリマー組成物を用いる方法と、ウレタンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴム等のイオン導電性ポリマー組成物を用いる方法がある。
電子導電性ポリマー組成物を導電性ローラに用いた場合、導電性充填剤の添加量のわずかな変化により電気抵抗が急激に変化する領域があるため、電気抵抗の制御が非常に困難になるという問題がある。その上、ポリマー中で導電性充填剤が均一に分散し難いことから、導電性ローラの周方向や幅方向で電気抵抗値がばらつきを持つという問題もある。
また、電子導電性ポリマー組成物を用いた導電性ローラの電気抵抗値は印加電圧に依存する問題がある。特に導電性充填剤としてカーボンブラックを用いた場合この傾向が顕著に現れる。
さらに、カーボンブラック等の導電性充填剤を配合しすぎると成形加工も行いにくくなる。
電子導電性ポリマー組成物を用いた導電性ローラは前記問題を有していることから、デジタル化・カラー化等の高画質化技術の進歩がめざましい最近においては、電子導電性ポリマー組成物ではなく、イオン導電性ポリマー組成物の方が特に好んで用いられる傾向にある。
イオン導電性ポリマー組成物で導電性ローラ用に実用化されているものは加硫ゴム組成物がほとんどであるが、加硫ゴム組成物は熱可塑性がなくリサイクルできないという欠点がある。
また、従来のイオン導電剤を用いる場合には効率的に電気抵抗を下げられないという問題があった。そのためイオン導電剤を多量に入れると、今度はブリードが起こったり、圧縮永久ひずみや硬度等の力学的物性が悪化したりするなどの問題が出てくる。
そこで、本出願人は、ゴムのような耐久性、弾性、柔軟性と樹脂のような成形性を併せ持つと共にリサイクル性にも優れ、低電気抵抗である導電性ポリマー組成物を開発した。
具体的には、特開2004−51829号公報(特許文献1)および特開2004−269854号公報(特許文献2)において、熱可塑性樹脂あるいは/および熱可塑性エラストマー中に架橋可能なゴムあるいは/および熱可塑性エラストマーを動的架橋させて分散させているエラストマー組成物に、エーテルやエステル構造を有するポリマーとフルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩とを配合することで導電化した動的架橋熱可塑性エラストマー組成物、および当該組成物を用いた導電性ローラを提供している。
上記導電性ローラは常温付近で使用するには何の問題もない優れたものである。しかしながら、低温環境で使用した場合はローラの硬度が若干高いことに起因して、例えば、転写ローラとして使用した場合、紙への密着性が低下してトナーがきちんと転写されず画像不良を起こす恐れがある。この点から、低温環境下で低硬度に保つことができるようにする点で改善の余地がある。
特開2004−51829号公報 特開2004−269854号公報
前記問題に鑑みて、本発明は、低温環境下でも低硬度を保つことができ、良好な成形性とリサイクル性を併せ持つと共に、少量の塩の添加でも十分に低い電気抵抗を実現でき、それゆえに塩の配合量が多いことに起因する移行汚染や物性低下を防ぐことができる導電性ローラを提供することを課題としている。
前記課題を解決するために、本発明は、
ジエン系ゴムまたはエチレン−プロピレン−ジエンゴムの少なくとも1種を含むゴム成分と、熱可塑性エラストマーおよび熱可塑性樹脂との混合物とからなり、該混合物中に前記ゴム成分が動的架橋されて分散されているエラストマー組成物と、
前記エラストマー組成物に配合して導電化した動的架橋熱可塑性エラストマー組成物とする、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体とフルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩と、
前記導電化した動的架橋熱可塑性エラストマー組成物に混合される、アクリル基を有するポリマーを外殻とするマイクロカプセルと、
を含む組成物から成形され、
23℃におけるJIS K6253のショアA硬度が40以下であることを特徴とする導電性ローラを提供している。
本発明者らは、特許文献1および特許文献2に記載の発明について、低温環境下での硬度を下げるために熱可塑性樹脂の種類を変えるなど鋭意実験を重ねた。その結果、硬度を下げることができても、今度は加工性が悪化する傾向が見られた。そのため、加工性を悪化させないで低温環境下での硬度を下げるよう更に検討を加えて、本発明に至った。
本発明の導電性ローラは、23℃におけるJIS K6253に記載のショアA硬度が40以下としている。このように40以下としているのは、ショアA硬度が40を越えると、15℃以下の低温で使用する場合に硬度が高くなり、画像不良を引き起こす可能性があることによる。ショアA硬度の下限値は特に限定されないが、通常は15以上が好ましい。ショアA硬度が15未満であると柔らかすぎて圧縮歪みが大きくなりすぎるためである。
前記低温環境下においても低硬度に保持できる本発明の導電性ローラを構成する組成物について以下に述べる。
前記したように、エラストマー組成物は、ジエン系ゴムまたはエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDMゴム)の少なくとも1種を含むゴム成分を含んでいる。
前記ジエン系ゴムとしては、例えば天然ゴム(NR)、ブチルゴム(IIR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)または1,2−ポリブタジエンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
EPDMゴムにはゴム成分のみからなる非油展タイプのEPDMゴムとゴム成分とともに親展油を含む油展タイプのEPDMゴムとが存在するが、本発明ではいずれのタイプのものも使用可能である。EPDMゴムにおけるジエンモノマーの例としては、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエンまたはシクロオクタジエンなどが挙げられる。
ゴム成分としてジエン系ゴムまたはEPDMゴム以外の他のゴムを含んでいてもよい。前記「他のゴム」としては、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴムまたはクロロスルフォン化ポリエチレン等が挙げられる。
前記エラストマー組成物においては、ゴム成分としてEPDMゴムを必ず含むことが好ましい。全ゴム成分に占めるEPDMゴムの比率は50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、95〜100質量%であることがさらに好ましい。この理由は、EPDMゴムは主鎖が飽和炭化水素からなり、主鎖に二重結合を含まないため、高濃度オゾン雰囲気または光線照射等の環境下に長時間曝されても、分子主鎖切断が起こりにくく、従って本発明の導電性ローラの耐候性を高めることができるためである。
前記エラストマー組成物は熱可塑性エラストマーおよび熱可塑性樹脂の混合物を含んでいる。熱可塑性エラストマーと熱可塑性樹脂の混合物は、混合後もエラストマーであることが望ましい。その理由は、ゴム成分を分散させて最終的に得られるエラストマー組成物の硬度がより低くなるからである。
前記混合物において熱可塑性エラストマーと熱可塑性樹脂との混合割合は、使用するエラストマーおよび樹脂の種類に応じて適切な混合割合を決定できるが、熱可塑性エラストマー100質量部に対して熱可塑性樹脂が1質量部以上100質量部以下であることが好ましい。熱可塑性樹脂の混合量が1質量部未満であると熱可塑性樹脂を混合した効果が見られないからであり、熱可塑性樹脂の混合量が100質量部より多いと混合物がエラストマーでなくなるからである。熱可塑性樹脂の混合量は、熱可塑性エラストマー100質量部に対して20〜80質量部であることがより好ましい。
前記熱可塑性エラストマーとしては公知の熱可塑性エラストマーを使用できる。
具体的には、例えば、スチレン系エラストマー、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマー等が挙げられる。
前記熱可塑性エラストマーのうち、スチレン系エラストマーを用いることが好ましい。
スチレン系エラストマーとしては、スチレン系モノマーを主体とする重合体ブロック(A)と共役ジエン化合物を主体とするブロック(B)のブロック共重合体および該ブロック共重合体の共役ジエン重合単位を水素添加したものを例示することができる。前記スチレン系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンまたはt−ブチルスチレンなどを例示することができる。これらモノマーは1種類のみを使用しても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。スチレン系モノマーとしては、なかでもスチレンが好ましい。また前記共役ジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、2,3−ジメチルブタジエンなどを例示することができる。これらは1種類のみを使用しても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
スチレン系エラストマーとして、具体的には、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)またはスチレン−エチレン−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)等が挙げられる。
スチレン系エラストマーのなかでも、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーを用いることがより好ましく、スチレン−エチレン−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)を用いることが特に好ましい。
前記熱可塑性樹脂としては公知のものを使用できる。例えば、オレフィン系樹脂、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ナイロン等が挙げられる。なかでもオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。オレフィン系樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンエチルアクリレート樹脂、エチレンビニルアセテート樹脂、エチレン−メタクリル酸樹脂またはアイオノマー樹脂等が挙げられるが、ポリプロピレンまたはポリエチレン用いることが好ましく、ポリプロピレンを用いることがより好ましい。
前記エラストマー組成物は、熱可塑性エラストマーと熱可塑性樹脂の混合物を、ゴム成分100質量部に対し2〜150質量部の割合で含んでいることが好ましい。
前記混合物の配合量が2質量部未満であると、ゴム成分を樹脂マトリックス中に分散できず加工がしにくくなると共に、本発明の導電性ローラの強度および耐摩耗性が低下する。一方、前記混合物の配合量が150質量部を超えると硬度が高くなり、転写不良や搬送不良などの問題が生じる可能性があることに因る。
前記ゴム成分を動的架橋するには通常架橋剤を用いる。架橋剤としては、例えば樹脂架橋剤または過酸化物など公知の架橋剤を用いることができる。なかでも、樹脂架橋剤を用いることが好ましい。
樹脂架橋剤は加熱等によってゴム成分に架橋反応を起こさせる合成樹脂であり、硫黄と加硫促進剤とを併用する場合に比べ、ブルームが生じにくく圧縮永久ひずみも小さく、物性低下も小さく、精度維持や耐久性に優れる点で好ましい。さらに、硫黄架橋系に比べ架橋時間が短いため、押出機内に滞留している短い時間内に動的架橋を進行させることができる。
樹脂架橋剤としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、トリアジン・ホルムアルデヒド縮合物、ヘキサメトキシメチル・メラミン樹脂等が挙げられる。なかでもフェノール樹脂を用いることが好ましい。
フェノール樹脂の具体例としては、フェノール、アルキルフェノール、クレゾール、キシレノールもしくはレゾルシン等のフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドもしくはフルフラール等のアルデヒド類との反応により合成される各種フェノール樹脂が挙げられる。フェノール樹脂のアルデヒドユニットに少なくとも一個のハロゲン原子が結合したハロゲン化フェノール樹脂を用いることもできる。
特に、ベンゼンのオルト位またはパラ位にアルキル基が結合したアルキルフェノールと、ホルムアルデヒドとの反応によって得られるアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂が、ゴムとの相溶性に優れるとともに反応性に富んでいて架橋反応開始時間を比較的早くできるので好ましい。アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂のアルキル基は、通常、炭素数が1から10のアルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等が挙げられる。また、このアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂のハロゲン化物も好適に用いられる。
さらに、硫化−p−第三ブチルフェノールとアルデヒド類とを付加縮合させた変性アルキルフェノール樹脂や、アルキルフェノール・スルフィド樹脂も樹脂架橋剤として使用可能である。
前記樹脂架橋剤の配合量は、前記ゴム成分100質量部に対して2〜20質量部であることが好ましい。これは、樹脂架橋剤の配合量が2質量部未満では架橋が不十分となるため耐摩耗性等が劣ることとなる一方、樹脂架橋剤の配合量が20質量部を越えると本発明の導電性ローラの硬度が高くなりすぎる場合があるからである。前記配合量は5〜15質量部であることがより好ましい。
動的架橋反応を適切に行うために架橋助剤を用いてもよい。架橋助剤としては金属酸化物が使用され、特に酸化亜鉛、炭酸亜鉛が好ましい。
架橋助剤の配合量は、前記ゴム成分100質量部に対して0.5〜10質量部であることが好ましく、さらには0.5〜5質量部であることがより好ましい。
過酸化物としては、ゴム成分を架橋できる化合物であれば特に限定されないが、例えばベンゾイルパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ(tert−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、1,4−ビス[(tert−ブチル)パーオキシイソプロピル]ベンゼン、ジ(tert−ブチルパーオキシ)ベンゾエート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキシド、tert−ブチルクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジtert−ブチルパーオキシドまたは2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)−3−ヘキセン等が挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記過酸化物の配合量はゴム成分100質量部に対し0.2〜3.0質量部であることが好ましい。これは、過酸化物の配合量が0.2質量部未満ではゴム成分の架橋が不十分となるため耐摩耗性等が劣ることとなる一方、過酸化物の配合量が3.0質量部を越えると分子切断による物性低下が起ってしまううえに分散不良などが発生して加工も困難となることによる。
過酸化物の配合量に関し、下限はゴム成分100質量部に対し0.5質量部以上であることがより好ましく、1.0質量部以上であることが特に好ましい。また、上限はゴム成分100質量部に対し2.5質量部以下が好ましく、2.0質量部以下が特に好ましい。
前記過酸化物とともに共架橋剤を配合してもよい。共架橋剤とはそれ自身も架橋するとともにゴム分子とも反応して架橋し全体を高分子化する働きをするものである。この共架橋剤を用いて共架橋することにより架橋分子の分子量が増大し、耐摩耗性等を向上させることができる。
前記共架橋剤としては、例えば多官能性モノマー、メタクリル酸あるいはアクリル酸の金属塩、メタクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、複素環ビニル化合物、アリル化合物、1,2−ポリブタジエンの官能基を利用した多官能ポリマー類、ジオキシム類等が挙げられる。
過酸化物とともに共架橋剤を配合する場合、当該共架橋剤の配合量は共架橋剤の種類または用いる他の成分との関係で適宜選択することができるが、ゴム成分100質量部に対して好ましくは5質量部以上20質量部以下、より好ましくは10質量部以上15質量部以下とする。
以上述べてきたエラストマー組成物に、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体(以下「EO−PO−AGE共重合体」という)とフルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩を配合することで導電化した動的架橋熱可塑性エラストマー組成物としている。
前記塩とともにEO−PO−AGE共重合体を配合することにより、当該共重合体が塩由来のイオンを安定化してくれ、電気抵抗値の低減のために著しい効果が得られるという利点がある。
EO−PO−AGE共重合体中、エチレンオキサイド比率は55モル%以上95モル%以下であることが好ましく、65モル%以上95モル%以下であることがより好ましい。
塩由来の陽イオンはエチレンオキサイドユニットやプロピレンオキサイドユニットで安定化され、一般にはエチレンオキサイドユニットの方がプロピレンオキサイドユニットよりも前記の安定化能は高い。よって、エチレンオキサイドユニットの比率が高い方が多くのイオンを安定化できる。一方、エチレンオキサイドユニットの比率が95モル%を超えると、エチレンオキサイドユニットが結晶化してしまう。
EO−PO−AGE共重合体中、アリルグリシジルエーテルの共重合比率は1モル%以上10モル%以下とすることが好ましい。1モル%未満ではブリードや感光体汚染の発生が起こり易くなる一方、10モル%を超えると引張強さや疲労特性、耐屈曲性等が悪化しやすい。
EO−PO−AGE共重合体の数平均分子量は1万以上が好ましく、3万以上がより好ましい。この理由はブリードブルームや感光体汚染を防止するためである。
前記EO−PO−AGE共重合体は動的架橋されていてもよい。前記エラストマー組成物においてゴム成分を動的架橋する際にEO−PO−AGE共重合体が同時に架橋されてもよいし、エラストマー組成物におけるゴム成分の動的架橋とは別個にEO−PO−AGE共重合体を架橋してもよい。
用いる架橋剤としては例えば樹脂架橋剤または過酸化物など公知の架橋剤が挙げられるが、過酸化物を用いることが好ましい。
EO−PO−AGE共重合体の配合量はゴム成分100質量部に対して1〜30質量部が好ましい。EO−PO−AGE共重合体の配合量が1質量部未満では十分な導電性能が得られないためであり、一方EO−PO−AGE共重合体の配合量が30質量部を越えると加工性が悪化する可能性があるとともにコスト的にも利点が無くなるからである。
フルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩としては、下記の化学式1、2、3から選択される少なくとも1種の陰イオンを備えた塩が好ましい。
Figure 0004140856
(式中、XおよびXは、同一であっても異なってもよく、炭素原子、フッ素原子およびスルホニル基(−SO−)を含む炭素数が1〜8の官能基を表す。)
Figure 0004140856
(式中、Xは炭素原子、フッ素原子およびスルホニル基(−SO−)を含む炭素数が1〜8の官能基を表す。)
Figure 0004140856
(式中、X、XおよびXは、同一であっても異なってもよく、炭素原子、フッ素原子およびスルホニル基(−SO−)を含む炭素数が1〜8の官能基を表す。)
前記陰イオンを備えた塩は、フルオロ基(−F)およびスルホニル基(−SO2−)による強い電子吸引効果によって電荷が非局在化するために陰イオンが安定化され、組成物中で高い解離度を示し、高いイオン導電性を実現できる。このため、これらの陰イオンを備えた塩は、少量の添加で非常に大きく電気抵抗値を下げることができると共に、その場合の各種物性値の低下も少ない。さらに、カーボンブラック等と異なり、配合しても黒色等となることがないため、透明性や着色が必要な用途にも使用することができる。
前記化学式1、化学式2、化学式3中のX〜Xで示される官能基の炭素数は1〜8であるが、より高い解離度を得る観点から1〜4であることが好ましく、1〜2であることがさらに好ましい。
官能X1〜Xとしては、R−SO2−(式中、Rはフッ素原子で置換されている炭素数1〜8の炭化水素基を表す。)で示される基等が挙げられる。
ここで炭素数1〜8の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、1,1−ジメチルプロピル基等のアルキル基;例えば、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、もしくは2−ペンテニル基等のアルケニル基;例えば、エチニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基もしくは2−ブチニル基等のアルキニル基等が挙げられる。置換基としてのフッ素原子の数および置換位置は化学的に許容される範囲であれば特に限定されない。
なかでも、官能X〜Xとしては、安定性、コスト、取扱い性の点からC(2n−m+1)−SO−(nは1以上8以下の整数を表し、mは0以上16以下の整数を表す。)であることが好ましい。
前記フルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンと対になり塩を構成する陽イオンは、アルカリ金属、2A族、遷移金属または両性金属のいずれかの陽イオンであることが好ましい。中でもアルカリ金属はイオン化エネルギーが小さく、安定な陽イオンを形成しやすいためより好ましい。さらに、アルカリ金属中でも導電度の高いリチウムイオンが特に好ましい。
その他、金属の陽イオン以外にも下記の化学式4、化学式5で示されるような陽イオンを用いることもできる。
Figure 0004140856
(式中、R11〜R14は置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基を表し、同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 0004140856
(式中、R15およびR16は置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基を表し、同一であっても異なっていてもよい。)
11〜R16で表される「置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基」における炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−デシル等が挙げられる。
置換基としては、例えばハロゲン(好ましくは、フッ素、塩素、臭素)、オキソ基、アルキレンオキシド基、アルカノイル基(好ましくはC1〜8)、アルカノイルオキシ基(好ましくはC1〜8)、アルカノイルアミノ基(好ましくはC1〜8)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(好ましくはC2〜8)、ハロアルキルカルボニル基(好ましくはC2〜8)、アルコキシ基(好ましくはC1〜8)、ハロアルコキシ基(好ましくはC1〜8)、アミノ基、アルキルアミノ基(好ましくはC1〜8)、ジアルキルアミノ基(好ましくはC2〜16)、環状アミノ基、アルキルアミノカルボニル基(好ましくはC2〜8)、カルバモイル基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくはC1〜8)、アルキルスルホニルオキシ基(好ましくはC1〜8)、アルキルスルホニルアミノ基(好ましくはC1〜8)またはフェニル基等が挙げられる。
前記化学式4で示されるような陽イオンとしては、中でもR11〜R14の内の3つがメチル基であり、その他の1つが置換基を有していてもよい炭素数4〜20のアルキル基からなるトリメチルタイプの第4級アンモニウム陽イオンが特に好ましい。かかるトリメチルタイプの第4級アンモニウム陽イオンは電子供与性の強い3つのメチル基により窒素原子上の正電荷を安定化でき、他の置換基を有していてもよい炭素数4〜20のアルキル基により他の成分との相溶性を向上できるためである。
また化学式5で示される陽イオンにおいては、R15あるいはR16がより強い電子供与性を有する方が窒素原子上の正電荷を安定化させることにより陽イオンとしての安定度を高め、より解離度が高くなり、その結果として導電付与性能に優れた塩にすることができる。従って、R15あるいはR16は電子供与性基が好ましく、メチル基またはエチル基であることがより好ましい。
前記フルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩としては、中でも、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム((CF3SO22NLi)またはビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドカリウム((CF3SO22NK)または、トリフルオロスルホン酸リチウム(CF3SO3Li)等が好ましい。これらの塩は、非常に高温に渡っても安定なため従来からイオン導電剤として用いられている過塩素酸塩等と異なり防爆仕様にする等の処置が不要であると共に、特に他の物性を悪化させにくく、低温低湿下での抵抗上昇の低減にも優れている。これらの点から、製造コストを減じたり、安全性を確保したりして、イオン導電剤としての性能をより一層向上させることができる。
その他、フルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩としては、(CSONLi、(CSO)(CFSO)NLi、(FSO)(CFSO)NLi、(C17SO)(CFSO)NLi、(CFCHOSONLi、(CFCFCHOSONLi、(HCFCFCHOSONLi、((CFCHOSONLi、(CFSOCLi、(CFCHOSOCLi、CSOLi、(CSONK、(CSO)(CFSO)NK、(FSO)(CFSO)NK、(C17SO)(CFSO)NK、(CFCHOSONK、(CFCFCHOSONK、(HCFCFCHOSONK、((CFCHOSONK、(CFSOCK、(CFCHOSOCK,CSOK等も好適な例として挙げられる。
なお、本発明において前記フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩として、前記例示したような化合物1種類を単独で用いてもよいし、複数種を併用しても良い。
フルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩は、EO−PO−AGE共重合体100質量部に対し0.5〜20質量部の割合で配合されていることが好ましい。塩の配合量が0.5質量部より少ないと十分な導電性が得られないためである。一方、塩はあるレベル以上添加しても導電性はほとんど変化しなくなるため、塩の配合量が20質量部より多いと、導電性向上の効果に比べてコストが増加するデメリットの方が大きくなるためである。
本発明では、添加する塩から生じるイオンの一部を、陰イオン吸着剤等を用いてシングルイオン化し、導電性の安定や、少量添加時の導電性向上をはかることができる。
陰イオン吸着剤としては、MgとAlを主成分とする合成ハイドロタルサイト、Mg−Al系,Sb系,Ca系等の無機イオン交換体やアニオンを連鎖中に固定するイオン席を有する(共)重合体等の公知の化合物が有用である。
具体的には、合成ハイドロタルサイト(協和化学工業(株)製「キョーワード−2000」、「キョーワード−1000」)、アニオン交換性イオン交換樹脂(日本錬水(株)製「ダイアノンDCA11」)等が挙げられる。
以上述べてきた導電化した動的架橋熱可塑性エラストマー組成物に、アクリル基を有するポリマーを外殻とするマイクロカプセルを混合している。マイクロカプセルを配合することにより、低温環境においても硬度を低く保つことができるとともに、前記塩の配合量が少なくても導電性を大きく低下させることができる。
マイクロカプセルは、導電化した動的架橋熱可塑性エラストマー組成物100質量部に対し0.5〜15質量部の割合で配合している。
マイクロカプセルの配合量が0.5質量部未満である場合には、低温環境における低硬度化に対する寄与がほとんどなくなるだけでなく、前記塩と併用した場合における導電性低下効果も非常に小さくなる。一方、マイクロカプセルの配合量が15質量部をこえる場合には、本発明の導電性ローラを構成する組成物に占めるマイクロカプセルの体積が大きくなるため、加工性が悪化することや強度が低下すること等の問題が起こる可能性がある。
マイクロカプセルの配合量は導電化した動的架橋熱可塑性エラストマー組成物100質量部に対し1〜7質量部であることがより好ましい。
本発明で用いるマイクロカプセルは、アクリル基を有するポリマーを外殻としている。
マイクロカプセルに含まれるアクリル基の量は特に限定されないが、通常は外殻を形成するポリマー100質量部にアクリル基を生成するために必要なモノマーが5質量部以上含まれていることが好ましく、10質量部以上含まれていることがより好ましい。
アクリル基を生成するために必要なカルボキシル基を有するモノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸もしくはケイ皮酸等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸もしくはクロロマレイン酸等の不飽和ジカルボン酸;またはマレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチルもしくはイタコン酸モノブチル等の不飽和ジカルボン酸のモノエステルやその誘導体が挙げられ、なかでもアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、スチレンスルホン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸が好ましい。これらは塩の形で用いてもよい。また、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明で用いるマイクロカプセルはアクリル基を有するポリマーを外殻としていれば特に限定されず、公知のものを用いてよい。
例えば、ニトリル系モノマー、カルボキシル基を有するモノマー、アミド基を有するモノマー、側鎖に環状構造物を有するモノマー、および所望により2以上の重合性二重結合を有するモノマー(架橋剤)から構成されるポリマーを外殻とするマイクロカプセルが挙げられる。
前記ポリマーにおける各モノマーの構成比としては、ニトリル系モノマーが15〜75質量%、更に好ましくは25〜65質量%であり、カルボキシル基を有するモノマーが10〜65質量%、更に好ましくは20〜55質量%であり、アミド基を有するモノマーが0.1〜20質量%、更に好ましくは1〜10質量%であり、側鎖に環状構造物を有するモノマーが0.1〜20質量%、更に好ましくは1〜10質量%であり、2以上の重合性二重結合を有するモノマー(架橋剤)が0〜3質量%であることが好ましい。
前記態様のマイクロカプセルにおいては、外殻ポリマーに無機物が含有されていてもよい。該無機物の含有量は1〜25質量%であることが好ましい。
前記ニトリル系モノマーとしてはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、フマロニトリルまたはこれらの任意の混合物等が例示されるが、アクリロニトリルおよび/またはメタクリロニトリルが特に好ましい。
前記アミド基を有するモノマーとしては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミドなどが挙げられる。
前記側鎖に環状構造物を有するモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメタクリレートなどが挙げられる。また、主鎖において環状構造を有し、更に側鎖に環状構造物を有するモノマーである、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなども、側鎖に環状構造物を有するモノマーとして挙げることができる。
前記2以上の重合性二重結合を有するモノマー(架橋剤)としては、例えばジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、PEG#200ジ(メタ)アクリレート、PEG#400ジ(メタ)アクリレート、PEG#600ジ(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、メタクリル酸アリル、ジメタクリル酸1,3−ブチルグリコール、トリアリルイソシアネート等が挙げられる。
また、ニトリル系モノマー、分子中に不飽和二重結合とカルボキシル基を有するモノマー、2以上の重合性二重結合を有するモノマー、および所望により膨張特性を調整するために前記モノマーと共重合可能なモノマーから構成されるポリマーを外殻とするマイクロカプセルが挙げられる。
前記ポリマーにおける各モノマーの構成比としては、ニトリル系モノマーが40〜95質量%、更に好ましくは50〜90質量%であり、分子中に不飽和二重結合とカルボキシル基を有するモノマーが7〜60質量%、更に好ましくは10〜50質量%であり、2以上の重合性二重結合を有するモノマーが0.05〜5質量%、更に好ましくは0.2〜3質量%であり、膨張特性を調整するために共重合可能なモノマーは0〜20質量%、更に好ましくは0〜15質量%であることが好ましい。
前記ニトリル系モノマー、分子中に不飽和二重結合とカルボキシル基を有するモノマー、2以上の重合性二重結合を有するモノマーとしては、前記例示の化合物が挙げられる。
前記膨張特性を調整するために共重合可能なモノマーとしては、例えば、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、β―カルボキシエチルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、スチレンスルホン酸またはそのナトリウム塩、α−メチルスチレン、クロロスチレンなどスチレン系モノマー、アクリルアミド、置換アクリルアミド、メタクリルアミド、置換メタクリルアミドなどのラジカル開始剤により重合反応が進行するモノマー、およびそれらの混合物である。ただし、カルボキシル基と反応する官能基を持つ単量体、例えばN−メチロールアクリルアマイドなどを実質的に含有しないことが好ましい。
また、アクリロニトリル、カルボキシル基を含有するモノマー、該モノマーのカルボキシル基と反応する基を持つモノマー、および所望により2以上の重合性二重結合を有するモノマーまたは/および軟化温度を調整する成分である高いTgを有するモノマーを外殻とするマイクロカプセルが挙げられる。
前記ポリマーにおける各モノマーの構成比は、アクリロニトリルが20〜80モル%、更に好ましくは30〜70モル%であり、カルボキシル基を含有するモノマーが5〜40モル%、更に好ましくは10〜30モル%であり、カルボキシル基と反応する基を持つモノマーが1〜30モル%、更に好ましくは2〜20モル%であり、2以上の重合性二重結合を有するモノマーは0〜5モル%、更に好ましくは0〜3モル%であり、高いTgを有するモノマーは0〜50モル%、更に好ましくは10〜40モル%であることが好ましい。
前記カルボキシル基を含有するモノマー、2以上の重合性二重結合を有するモノマーとしては、前記例示の化合物が挙げられる。
前記カルボキシル基と反応する基を持つモノマーとしては、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、マグネシウムモノアクリレート、ジンクモノアクリレートなどが挙げられる。
前記高いTgを有するモノマーとしては、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、メチルメタアクリレート、t−ブチルメタアクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメタアクリレート、ベンジルメタアクリレート、N−ビニルピロリドン、スチレンなどホモポリマーのTgが80℃以上であるモノマーが挙げられる。
また、ニトリル系モノマーとカルボキシル基を含有するモノマーとの共重合ポリマー、および該共重合ポリマーをイオン架橋している1〜3価の金属カチオンを含む外殻を有するマイクロカプセルが挙げられる。
前記ポリマーにおける各モノマーの構成比としては、ニトリル系モノマーが全モノマーに対して80質量%未満であることが好ましく、カルボキシル基を含有するモノマーが全モノマーに対して5〜50質量%であるのが好ましく、前記金属カチオンがカルボキシル基を含有するモノマー100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましい。
ニトリル系モノマーとカルボキシル基を含有するモノマーしては、前記例示の化合物が挙げられる。いずれのモノマーもラジカル重合性不飽和モノマーであることが好ましい。
前記「1〜3価の金属カチオン」としては、例えばカリウムカチオン、ナトリウムカチオン、セシウムカチオン、リチウムカチオン、マグネシウムカチオン、カルシウムカチオン、バリウムカチオン、鉄カチオン、ニッケルカチオン、銅カチオン、亜鉛カチオン、スズカチオン、クロムカチオン、鉛カチオン、ストロンチウムカチオン、アルミニウムカチオンなどが挙げられる。
この「1〜3価の金属カチオン」は、通常下記のような金属カチオン供給体の形で配合されている。金属カチオン供給体としては、例えば前記した「1〜3価の金属カチオン」の水酸化物、リン酸塩、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、亜硝酸塩、亜硫酸塩やオクチル酸、ステアリン酸等の各有機酸の塩等が挙げられ、より具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化亜鉛、水酸化ニッケル、水酸化鉄、水酸化銅、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウムもしくは水酸化バリウムなどの水酸化物;塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化亜鉛もしくは塩化アルミニウムなどの塩化物;リン酸ナトリウム、リン酸リチウム、リン酸カルシウム、リン酸亜鉛もしくはリン酸アルミニウムなどのリン酸化物;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カルシウムもしくは炭酸亜鉛などの炭酸化物が挙げられる。なかでも水酸化亜鉛、水酸化ニッケル、水酸化鉄、水酸化銅などの遷移金属水酸化物が好ましく、2価の遷移金属の水酸化物がより好ましい。
マイクロカプセルには熱膨張性と既膨張のものがあるが、本発明ではいずれを使用してもよい。
熱膨張性マイクロカプセルは、上述した外殻に低沸点物質(熱膨張剤)が内包されている。該熱膨張性マイクロカプセルは加熱されると、外殻のポリマーが軟化し、低沸点物質の気化に伴って膨張してマイクロバルーン(中空球状粒子)になる。
外殻に内包される低沸点物質としては、外殻を構成する熱可塑性樹脂の軟化点以下でガス状になる物質が好ましい。かかる低沸点物質としては、例えばプロパン、プロピレン、ブテン、ノルマルブタン、イソブタン、イソペンタン、ネオペンタン、ノルマルペンタン、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル、メタンのハロゲン化物、テトラアルキルシランのごとき低沸点液体および加熱により熱分解してガス状になるAIBNのごとき化合物が挙げられる。これらのうち、好適にはイソブタン、ノルマルブタン、ノルマルペンタンまたはイソペンタンのごとき低沸点の液状炭化水素が用いられる。これらは1種類を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
熱膨張性マイクロカプセルの膨張率としては2倍以上であることが好ましく、2〜20倍であることがより好ましい。
熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度は100℃以上であることが好ましく、130℃以上であることがより好ましい。また、最大膨張温度が130℃以上であることが好ましく、160℃以上であることがより好ましく、170℃以上であることがさらに好ましい。最大膨張温度の上限値は特に限定されないが、通常は250℃程度である。
マイクロカプセルの粒子径は30〜300μmであることが好ましい。粒子径が30μm未満である場合には、低温環境における低硬度化に対する寄与がほとんどなくなるだけでなく、前記塩と併用した場合における導電性低下効果も非常に小さくなる。一方、粒子径が200μmを超える場合には、本発明の導電性ローラを構成する組成物に占めるマイクロカプセルの体積が大きくなるため、加工性が悪化することや強度が低下すること等の問題が起こる可能性がある。
なお、熱膨張性マイクロカプセルについて「粒子径」とは膨張後の粒子径をさす。
本発明で用いるマイクロカプセルは負荷に対する形状保持性が高いことが好ましい。具体的には、例えば荷重15MPaを負荷したとき、荷重付与後の体積保持率が50%以上であるのが好ましく、さらに好ましくは70%以上であり、特に好ましくは80%以上である。なお、熱膨張性マイクロカプセルにおいては加熱膨張させた膨張体について測定する。
本発明で用いるマイクロカプセルは自体公知の方法により製造することができる。また、商業的にも入手可能であって、例えば「エクスパンセル」(ケマノーベル社製)、「マツモトマイクロスフェアー」(松本油脂製薬(株)製)等の市販品の中から、適宜に選択して用いることができる。
導電化した動的架橋熱可塑性エラストマー組成物中に、エチレン−アクリル酸エステル−グリシジルメタクリレート共重合体またはエチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体を配合することが好ましい。これら共重合体を配合することにより、導電化した動的架橋熱可塑性エラストマー組成物中の各成分、特に塩の分散性が向上するとともに、当該動的架橋熱可塑性エラストマー組成物とマイクロカプセルとの相溶性も向上する。
エチレン−アクリル酸エステル−グリシジルメタクリレート共重合体またはエチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体におけるアクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸とアルコールとのエステル化物を挙げることができ、この中でもアクリル酸メチル、アクリル酸エチルが好ましい。
アクリル酸エステル成分の含量は0.1〜30質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましく、5〜15質量%であることがさらに好ましい。また、グリシジルメタクリレートまたは無水マレイン酸の含量は0.05〜20質量%であることが好ましく、0.1〜15質量%であることがより好ましく、0.5〜10質量%であることがさらに好ましく、1〜10質量%であることが特に好ましい。
相溶化剤としては、前記2種の共重合体とともに下記の定義に該当する三元共重合体の1種または2種以上を用いてもよい。
相溶化剤としての三元共重合体とはオレフィン成分(c1)とアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル(c2)と不飽和カルボン酸単位(c3)からなる三元共重合体である。
オレフィン成分(c1)としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜6のエチレン系炭化水素を挙げることができる。
アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル(c2)成分の具体例としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸またはメタクリル酸とアルコールとのエステル化物を挙げることができ、この中でもアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチルが好ましい。
不飽和カルボン酸単位(c3)は、不飽和カルボン酸やその無水物により導入され、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、特に無水マレイン酸が好ましい。また不飽和カルボン酸単位は、前記3元共重合体中に共重合されていればその形態は限定されず、例えばランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等が挙げられる。
アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル(c2)成分の含量は0.1〜30質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましく、5〜15質量%であることがさらに好ましい。また、不飽和カルボン酸単位(c3)含量は0.05〜20質量%であることが好ましく、0.1〜15質量%であることがより好ましく、0.5〜10質量%であることがさらに好ましく、1〜10質量%であることが特に好ましい。
前記のような相溶化剤の配合量は、エラストマー組成物中のゴム成分100質量に対し1〜20質量部であることが好ましい。
前記相溶化剤の配合量が1質量部未満であると、相溶化剤としての効果が十分でなく、エラストマー組成物と、EO−PO−AGE共重合体、塩およびマイクロカプセルとがうまく混合されず、組成物の均一性が損われるため加工性が悪化する。一方、前記混合物の配合量が20質量部を超えると、相溶化効果は飽和しているためそれ以上向上せず、逆に硬度が高くなるなどのデメリットが大きくなってくる。
本発明の導電性ローラは公知の方法により製造することができる。具体的には例えば以下のような製造方法が挙げられる。
まず、本発明の導電性ローラを構成する組成物を作製する。この工程については下記に詳述する。
ついで、得られた組成物を押出機によりチューブ状に押し出し、それをカットすることによって導電性ローラとすることができる。また、得られた組成物のペレットを射出(インジェクション)成形機により射出してチューブ状に成形し、この成形品の表面を研磨した後、所要寸法にカットして導電性ローラとしてもよい。本発明においては、連続的にチューブを製造することができ、かつ、研磨工程を必要とせず、生産性をかなり向上させることができるという点で、押出成形による方法が好適に用いられる。
本発明の導電性ローラは、前記組成物からなる円筒状の導電層と円柱状の芯金とを備えた構成とし、芯金の周囲の導電層1層のみとする構造が簡便で工業的製造の見地からは好ましい。しかし、前記導電層以外に、電気抵抗の調整等のために2層・3層等の複層構造としても良く、要求性能に応じて各層の種類、積層順序、積層厚み等を適宜設定することができる。なかでも、前記導電層を最外層とすることが好ましい。
本発明の導電性ローラには表面に紫外線照射を行って酸化膜を形成することができる。酸化膜が誘電層となり導電性ローラの誘電正接を低減したり、酸化膜が低摩擦層となることでトナー離れをよくしたりする効果が得られる。
また、表面にコーティングを施してもよい。具体的には、ウレタン、アクリルまたはゴムラテックス等を主ポリマーとし、フッ素系樹脂を分散させたような公知のコーティング材料を静電塗装、吹き付け塗装、ディッピング、刷毛塗り塗装等公知の方法により塗布したコーティング層を設けることができる。コーティング層の厚みは1〜20μmが好ましい。表面をコーティングすることにより、例えば転写時に残ったトナーをかき取りやすくする、トナーの着脱性を変化させる、表面エネルギーをコントロールする、紙粉の付着やトナーの固着を防ぐ、摩擦係数を低下させる等の効果が得られる。
本発明の導電性ローラを構成する組成物を作製する方法について詳述する。
前記組成物の作製方法としては特に限定されず、公知方法を用いることができる。組成物に含まれる成分全てを一度に混練してもよいし、一部の成分を予め混練しておいた後残りの成分を混練するというように2段階以上に分けて段階的に混合してもよい。しかし、下記のような方法で作製することが好ましい。
まず、ジエン系ゴムまたはEPDMゴムの少なくとも1種を含むゴム成分を架橋剤により動的架橋させて、熱可塑性エラストマーおよび熱可塑性樹脂の混合物中に分散させる。
別に、EO−PO−AGE共重合体にフルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩を混練しておく。
得られたエラストマー組成物と、得られた導電性組成物と、所望により相溶化剤およびその他添加物とを加えて混練し、導電化した動的架橋熱可塑性エラストマー組成物を作製し、該導電化した動的架橋熱可塑性エラストマー組成物に、マイクロカプセルをブレンドすることにより前記導電性ローラを構成する組成物を作製することができる。
前記導電性組成物は、動的架橋したドメイン相の方には入りにくく、マトリクス相の方に選択的に混入されるという特徴を持つ。このため、前記製造方法によれば、エラストマー組成物のマトリクスの方に導電性組成物が選択的に配置されることとなり、導電性組成物をマトリクスとなる熱可塑性樹脂あるいは/および熱可塑性エラストマー中に偏在させることができる。その結果、導電性組成物を配合してもゴムの架橋度に影響を与えないので、圧縮永久ひずみの増大を抑制することができる。かつ、不必要に塩の使用量を増やすことがなく、このため硬度の上昇を抑えることができ、さらには原材料コストを抑えることもできる。
EO−PO−AGE共重合体を動的架橋させる場合は2通りの製造方法がある。
第1の方法としては、最終工程において架橋剤、好ましくは過酸化物を配合するという方法である。すなわち、得られたエラストマー組成物と、得られた導電性組成物と、マイクロカプセルと、架橋剤と、所望により相溶化剤およびその他添加物とを加えて混練することにより、各成分混合と同時に導電性組成物に含まれるEO−PO−AGE共重合体を架橋剤、好ましくは過酸化物により動的架橋させることができる。
第2の方法としては、EO−PO−AGE共重合体とフルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩とを混練する際に、架橋剤、好ましくは過酸化物を配合して、予めEO−PO−AGE共重合体を動的架橋しておくという方法である。
動的架橋させる時の加熱温度は160〜250℃、加熱時間は1〜20分であることが好ましい。また、各成分の混合時の加熱温度は160〜250℃、加熱時間は1〜20分であることが好ましい。動的架橋や混練には、2軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー等を使用することができる。
前記動的架橋は、塩素、臭素、フッ素またはヨウ素等のハロゲンの存在下に行ってもよい。動的架橋時にハロゲンを存在させるには、上述したハロゲン化された樹脂架橋剤を用いるか、ハロゲン供与性物質を配合すればよい。前記ハロゲン供与性物質としては、塩化第二スズ等の塩化スズ、塩化第二鉄、塩化第二銅等が挙げられる。ハロゲン供与性物質は1種類の物質を単独で用いてもよく、2種以上の物質を併用してもよい。
前記のようにして得られた組成物は、後工程のためにペレット状とするのが良い。これにより良好な成形性を得ることができる。
本発明の導電性ローラは導電性が要求される用途であれば種々の用途に使用することができる。特に、プリンター、静電式複写機、ファクシミリ装置、ATM等の画像形成装置の導電性部材として非常に好適に用いることができる。具体的には、感光ドラムを一様に帯電させるための帯電ローラ、トナーを感光体に付着させるための現像ローラ、トナー像を感光体等から用紙または中間転写ベルト等に転写するための転写ローラ、トナーを搬送するためのトナー供給ローラ、転写ベルトを内側から駆動するための駆動ローラ、紙の搬送に寄与する紙送りローラ(より具体的には給紙機構を構成する給紙ローラ、搬送ローラもしくは排紙ローラ等)、残留しているトナーを除去するためのクリーニングローラとして用いられる。なかでも本発明の導電性ローラは転写ローラとして用いられることが好ましい。
本発明の導電性ローラは、アクリル基を有するポリマーを外殻とするマイクロカプセルを含むため、低温環境下でも低硬度を保つことができる。これにより本発明の導電性ローラを用いた画像形成装置は低温においても転写不良、帯電不良または搬送不良等を起こすことなく、良好な画像を形成することができる。そのうえ、本発明の導電性ローラは硬度をさげるために加工性を犠牲にすることなく、良好な成形性を有する。
本発明の導電性ローラにおいては、イオン導電剤としてのフルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩を前記マイクロカプセルおよびEO−PO−AGE共重合体ともに配合することにより、電気抵抗を効果的に低減することができる。ゆえに、イオン導電剤の配合量が従来よりも少なくて済むために、電気抵抗のばらつきも少なく、ブリードの発生または圧縮永久ひずみや硬度等の力学的物性の悪化などの問題を防ぐことができ、さらに原材料コストを抑えることもできる。
本発明の導電性ローラにおいては、熱可塑性エラストマーおよび熱可塑性樹脂の混合物中にジエン系ゴムまたはEPDMゴムの少なくとも1種を含むゴム成分を動的架橋させて分散されているので、ゴムのような耐久性、弾性、柔軟性と樹脂のような成形性を併せ持つことができる。さらに、本発明の導電性ローラは熱可塑性であり、リサイクル可能である。
本発明の導電性ローラの一実施形態を図1に示す。
導電性ローラ10は、下記組成物からなる円筒状のローラ部11と円柱状の芯金12とからなる。ローラ部の厚さは1〜20mmであることが好ましく、2〜20mmであることがより好ましい。厚さが1mm未満では弾性が不足しやすく、厚さが20mmを超えると導電性ローラが大きくなりすぎ、複写機やプリンター等に搭載しにくくなるからである。芯金12は、アルミニウム、アルミニウム合金、SUSもしくは鉄等の金属製、セラミック製等とすることができる。
なお、円筒形状に成形したローラ部の中空部に略D字形状の芯材を圧入することにより略D字形状のゴムローラとすることもできる。
さらに、導電性ローラ10には表面にコーティング(図示せず)を施してもよい。
前記導電性ローラ10は、23℃におけるJIS K6253のショアA硬度が20〜40である。なかでも、20〜35であることが好ましく、25〜35であることがより好ましい。23℃における硬度をこの特定範囲に設定することにより、15℃以下の低温環境においても硬度の上昇に起因する画像不良を防ぐことができる。
前記導電性ローラ10は、硬度以外の種々の物性を用途に応じて調整することができる。例えば、印加電圧1000Vにおけるローラ抵抗値は104.0Ω〜109.0Ωであることが好ましく、さらには10Ω〜10Ωであることがより好ましい。
以下に、本発明の導電性ローラを構成する組成物について述べる。
前記組成物は、
オレフィン系樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマーと混合物中にEPDMゴムを動的架橋して分散させたエラストマー組成物と、
EO−PO−AGE共重合体と、
フルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩と、
アクリル基を有するポリマーを外殻とするマクロカプセルと、
所望によりエチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体
とを含む。
前記EO−PO−AGE共重合体は動的架橋されていてもよい。
前記エラストマー組成物において、本実施形態ではオレフィン系樹脂としてはポリプロピレンを用い、スチレン系熱可塑性エラストマーとしてスチレン−エチレン−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)を用いている。スチレン系熱可塑性エラストマーとオレフィン系樹脂の混合割合は、スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対してオレフィン系樹脂が30〜50質量部としている。
前記熱可塑性エラストマーと熱可塑性樹脂の混合物は、EPDMゴム100質量部に対し20〜120質量部の割合で含まれていることが好ましく、40〜100質量部の割合で含まれていることがより好ましく、50〜90質量部の割合で含まれていることがさらに好ましい。
EPDMゴムは樹脂架橋剤により動的架橋されている。
樹脂架橋剤としては、ハロゲン化アルキルフェノール樹脂架橋剤が特に好ましい。前記樹脂架橋剤の配合量は、EPDMゴム100質量部に対して5〜15質量部、好ましくは10〜15質量部としている。
動的架橋反応を適切に行うために、樹脂架橋剤とともに架橋助剤として酸化亜鉛を配合する。架橋助剤の配合量は、上記EPDMゴム100質量部に対して0.5〜10質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。
EO−PO−AGE共重合体としては、エチレンオキサイド:プロピレンオキサイド:アリルグリシジルエーテルの含有比率が80〜95モル%:1〜10モル%:1〜10モル%であるEO−PO−AGE共重合体を用いている。当該共重合体の数平均分子量Mnは5万以上であることがとくに好ましい。
EO−PO−AGE共重合体の配合量はEPDMゴム100質量部に対して3〜20質量部が好ましく、5〜15質量部がより好ましい。
EO−PO−AGE共重合体は動的架橋されていてもよい。
動的架橋は過酸化物により行われることが好ましい。過酸化物としてはジ(tert−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンを用いることが好ましい。前記過酸化物の配合量はEO−PO−AGE共重合体100質量部に対し0.5〜3質量部であることが好ましい。
前記過酸化物とともに共架橋剤を配合してもよい。架共架橋剤としては、ジオキシム類が好ましく、N,N’−m−フェニレンビスマレイミドがより好ましい。前記共架橋剤の配合量はEO−PO−AGE共重合体100質量部に対し0.1〜5質量部であることが好ましく、0.2〜2質量部であることがより好ましい。
フルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩としては、上述の化学式1または2で表される陰イオンを備えた塩が好ましく、なかでも化学式1または2においてX〜Xで示される官能基がCF3SO2−である陰イオンを備えた塩がより好ましい。
前記塩において陰イオンと対になり塩を構成する陽イオンは、アルカリ金属であることが好ましく、中でもリチウムイオンがより好ましい。
具体的に、前記塩としてはビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムが特に好ましい。
フルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩は、EO−PO−AGE共重合体100質量部に対し1〜20質量部の割合で配合されている。好ましく、5〜15質量部の割合である。
前記アクリル基を有するポリマーを外殻とするマイクロカプセルは、外殻を構成するポリマーがカルボキシル基を有するモノマーとしてメタクリル酸またはアクリル酸を用いて重合されたアクリル系コポリマーであることが好ましい。
前記マイクロカプセルは熱膨張性マイクロカプセルであることが好ましく、より具体的には前記外殻に低沸点物質として液状炭化水素が内包されたものであることがより好ましい。
前記マイクロカプセルは、その膨張開始温度が110℃以上、好ましくは110〜160℃、より好ましくは130〜140℃であって、膨張最高温度が150〜200℃、好ましくは180〜190℃であるものを用いる。
前記マイクロカプセルの膨張後の粒子径はより好ましくは50〜150μmであり、さらに好ましくは80〜100μmである。
前記導電性ローラ10を構成する組成物は、相溶化剤としてエチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体を含有していてもよい。
エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体において、アクリル酸エステルとしてアクリル酸メチルまたはアクリル酸エチルを用いており、特にアクリル酸エチルを用いることが好ましい。構成モノマーの比率は、アクリル酸エステル含量が3〜10質量%、無水マレイン酸含量が1〜5質量%としている。当該共重合体においては、メルトフローレートが0.5〜100g/10分であることが好ましく、1〜50g/10分であることがより好ましい。
上記相溶化剤の配合量は、EPDMゴム100質量に対し3〜15質量部であることが好ましく、5〜10質量部であることがより好ましい。
前記導電性ローラ10を構成する組成物においては、前記成分以外に本発明の目的に反しない限り他の成分を配合してもよい。
例えば、適度な柔軟性と弾性を与えるために軟化剤を配合してもよい。
軟化剤としてはオイルや可塑剤が挙げられる。オイルとしては、例えばパラフィン系、ナフテン系、芳香族系等の鉱物油や炭化水素系オリゴマーからなるそれ自体公知の合成油、またはプロセスオイルを用いることができる。合成油としては、例えばα−オレフィンとのオリゴマー、ブテンのオリゴマー、エチレンとα−オレフィンとの非晶質オリゴマーが好ましい。可塑剤としては、フタレート系、アジペート系、セパケート系、ホスフェート系、ポリエーテル系、ポリエステル系等の可塑剤が挙げられ、より具体的には例えばジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルセパケート(DOS)、ジオクチルアジペート(DOA)等が挙げられる。
なかでも、軟化剤としてはパラフィン系オイルが好ましく、パラフィンプロセスオイルがより好ましい。
前記軟化剤の配合量は、上記エラストマー組成物中のゴム成分100質量部に対し50〜250質量部としている。好ましく50〜200質量部であり、特に、70〜150質量部が好ましい。
軟化剤の配合量が前記範囲よりも少ないと、軟化剤を添加した効果、すなわち動的架橋時におけるゴム成分の分散性をより良化する効果が得られ難く、また硬度も高くなりやすい。一方、軟化剤を前記範囲より多く配合すると、軟化剤が架橋阻害を起こして十分に動的架橋が行われないため、物性が低下しやすく、また軟化剤がブリードしやすいためである。
なお、前記軟化剤の配合量にはゴム成分として油展ゴムを用いた場合の伸展油の量が含まれている。
また、機械的強度を改善するために充填剤等を配合してもよい。
充填剤としては、例えば、シリカ,カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウム、二塩基性亜リン酸塩(DLP)、塩基性炭酸マグネシウム、アルミナ等の粉体を挙げることができる。
充填剤は本発明の導電性ローラを構成する組成物全質量の15質量%以下で配合するのが好ましい。これは充填剤の配合は組成物の引張強度および引裂強度等の改善には有効であるものの、余り多く配合すると組成物の柔軟性が低下してローラの摩擦係数が低下する傾向を示すためである。
そのほか、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、中和剤、造核剤または気泡防止剤等の添加剤を適宜配合してもよい。
前記導電性ローラ10は以下の方法で製造している。
まず、EPDMゴムは予めペレットにしておく。このペレット状のEPDMゴム、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系樹脂、架橋剤、軟化剤を、温度200℃で混練し、EPDMゴムを架橋剤により動的架橋させて、スチレン系熱可塑性エラストマーおよびオレフィン系樹脂の混合物中に分散させ、エラストマー組成物を作製する。
別に、EO−PO−AGE共重合体にフルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩を混練して、導電性組成物を作製する。EO−PO−AGE共重合体を動的架橋する場合は、過酸化物も一緒に混練する。
得られたエラストマー組成物と、得られた導電性組成物と、所望により相溶化剤とを加えて、温度200℃で混練し、導電化した動的架橋熱可塑性エラストマー組成物を作製する。該導電化した動的架橋熱可塑性エラストマー組成物は後の工程でのハンドリング性を考慮してペレット状にしておく。
このようにして得られた導電化した動的架橋熱可塑性エラストマー組成物とマイクロカプセルをタンブラーにてドライブレンドを行い、本発明の導電性ローラを構成する組成物とし、該組成物を180〜230℃の条件下で単軸押出機を用いてチューブ状に押し出し、中空部に金属製の芯金12を圧入するか、あるいは両者を接着剤で接合して固定することにより、本発明の導電性ローラ10が得られる。さらに、導電性ローラ10には表面にコーティング(図示せず)を施してもよい。
「実施例」
実施例および比較例を示し、本発明について詳述する。
下記の表1に示す配合からなる組成物を用いてを製造し、得られた導電性ローラについて後述する方法により、押出加工性、硬度および常温または低温での印字についての評価を行った。評価結果を表1に示した。
Figure 0004140856
表中の各成分については下記製品を用いた。
・EPDMゴム;住友化学(株)製「エスプレン505A」
・熱可塑性エラストマー;水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー((株)クラレ製「セプトン4077」)
・熱可塑性樹脂;ポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製「ノバテックPP」)
・軟化剤;パラフィン系プロセスオイル(出光興産(株)製「ダイアナプロセスオイルPW−380」)
・架橋剤;フェノール系樹脂架橋剤(田岡化学工業(株)製「タッキロール250−III」)
・架橋助剤;亜鉛華(三井金属鉱業(株)製「亜鉛華1号」)
・EO−PO−AGE共重合体;日本ゼオン(株)製「ゼオスパン8100」
・塩;ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム
・エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体;アルケマ(株)製「ボンダインLX4110」
・マイクロカプセル;松本油脂製薬(株)製「マツモトマイクロスフェアー F−100」
導電性ローラを以下の工程で製造した。
(実施例1〜3)
ペレット状のEPDM、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリプロピレン樹脂、軟化剤、架橋剤、架橋助剤を上記表に記載の割合で配合し、タンブラーにてドライブレンドを行ってから2軸押出機(アイペック製「HTM38」)にて回転数200rpm、温度200℃で混練し、ゴム成分を動的架橋させたエラストマー組成物のペレットを作製した。
別途、ペレット状のEO−PO−AGE共重合体と、フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩をタンブラーでドライブレンドした後、2軸1軸押出機(モリヤマ製「2TR−75型」)にて温度70℃で混練して押し出し、ペレット化した。
得られたエラストマー組成物のペレット、別途得られた導電性組成物のペレット、実施例2においてはエチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体を上記表に記載の割合で配合し、タンブラーにてドライブレンドを行ってから2軸押出機(アイペック製「HTM38」)にて回転数200rpm、温度200℃で混練し、導電化した動的架橋熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得た。
このようにして得られた導電化した動的架橋熱可塑性エラストマー組成物のペレットとマイクロカプセルをタンブラーにてドライブレンドを行ってから、単軸押出機(サンエヌティー製φ50押出機)を用いて、回転数20rpm、温度200℃でチューブ状に押し出し、外径14mm、内径6mmの押出成形物を得た。
得られたチューブの中空部に芯金を挿入し、長さ218mmに切断し、研磨して本発明の導電性ローラを得た。
(比較例1)
実施例1と全く同様に作製したエラストマー組成物を用いて、実施例1と同一の方法で押出成形し、導電性ローラを得た。
(比較例2,5)
マイクロカプセルを配合しなかった以外は、実施例1と全く同様にして導電性ローラを得た。比較例5については組成比を変更した。
(比較例3)
実施例1と全く同様に作製したエラストマー組成物、ペレット状のEO−PO−AGE共重合体およびマイクロカプセルを配合し、実施例1と全く同様にして導電性ローラを得た。すなわち、塩は配合しなかった。
(比較例4)
マイクロカプセルの配合量を1/10にした以外は、実施例1と全く同様にして導電性ローラを得た。
導電性ローラの試験方法を示す。
(押出加工性)
導電性ローラを構成する組成物のペレットを単軸押出機でチューブ状に押し出したときのチューブの形状(ゴム肌)を目視にて評価した。
○;表面は滑らかで問題なし。
△;表面に若干の凹凸があるもの、押出条件の変更や研磨代を大きくとることにより対応できるレベル。
×:表面の凹凸が非常に大きく、押出途中で切れてチューブを作製できない。
(硬度)
JIS K 6253に準拠して、雰囲気温度23℃にて測定した。
(常温での印字評価)
実施例および比較例の各導電性ローラを転写ローラとしてレーザープリンター(ヒューレットパッカード社製「Laser Jet 4050」)に取り付け、温度23℃、相対湿度55%の条件下で、A4サイズの紙(富士ゼロックスオフィスサプライ(株)製PPC用紙)にハーフトーン印刷を20枚行った。得られた印刷物を目視にて評価した。
○;印字不良は見られず、全く問題なし。
△;20枚中1〜2枚で印字不良が見られたが、当該印字不良は注意深く見ないとわからない程度の些細なもので、問題のないレベル。
×:ほぼ全数で明らかな印字不良が見られた。
(低温での印字評価)
印刷時の環境を温度10℃、相対湿度20%とした以外は、上記と全く同様にして印字評価をおこなった。
EO−PO−AGE共重合体、フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体およびアクリル基を有するポリマーを外殻とするマイクロカプセルを含まない比較例1では、押出加工性に優れていたものの、硬度が高く、加えて電気抵抗の低減効果も十分働かないため常温および低温のいずれにおいても印字不良が見られた。
エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体およびアクリル基を有するポリマーを外殻とするマイクロカプセルを含まない比較例2では、押出加工性に優れていたものの、硬度が高く、低温において印字不良が見られた。比較例2と比べ軟化剤の配合割合を多くした比較例5では、チューブを作製できないほど押出加工性が劣っていた。
フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩およびエチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体を含まない比較例3では、押出加工性に優れ、硬度も十分に低かったものの、抵抗値の低下が十分でなく、特に低温において顕著な印字不良が見られた。
アクリル基を有するポリマーを外殻とするマイクロカプセルの配合量が極端に少ない比較例4では、硬度が高く、低温において印字不良が見られた。
これに対し、実施例1〜3は押出加工性に優れ、硬度も十分に低く、加えて電気抵抗の低減効果も十分働き、かつ各成分が均一に分散されているので、加工性を損わずに、常温ではもちろん低温でも良好な印字が実現できた。
本発明の導電性ローラの概略図である。
符号の説明
10 導電性ローラ
11 ローラ部
12 芯金

Claims (5)

  1. ジエン系ゴムまたはエチレン−プロピレン−ジエンゴムの少なくとも1種を含むゴム成分と、熱可塑性エラストマーおよび熱可塑性樹脂との混合物とからなり、該混合物中に前記ゴム成分が動的架橋されて分散されているエラストマー組成物と、
    前記エラストマー組成物に配合して導電化した動的架橋熱可塑性エラストマー組成物とする、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体とフルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩と、
    前記導電化した動的架橋熱可塑性エラストマー組成物に混合される、アクリル基を有するポリマーを外殻とするマイクロカプセルと、
    を含む組成物から成形され、
    23℃におけるJIS K6253のショアA硬度が40以下であることを特徴とする導電性ローラ。
  2. 押出成形品からなる請求項1に記載の導電性ローラ。
  3. 前記アクリル基を有するポリマーを外殻とするマイクロカプセルが、前記導電化した動的架橋熱可塑性エラストマー組成物100質量部に対し0.5〜15質量部の割合で配合されている請求項1または請求項2に記載の導電性ローラ。
  4. 導電化した動的架橋熱可塑性エラストマー組成物中に相溶化剤としてエチレン−アクリル酸エステル−グリシジルメタクリレート共重合体またはエチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体が更に含まれている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の導電性ローラ。
  5. 画像形成装置における転写ローラからなる請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の導電性ローラ。
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