JP4347869B2 - 熱可塑性エラストマー組成物、その製造方法及び成形物 - Google Patents
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Description
また、電子導電性ポリマー組成物を用いた導電性ローラの電気抵抗値は印加電圧に依存する問題がある。特に導電性充填剤としてカーボンブラックを用いた場合この傾向が顕著に現れる。さらに、カーボンブラック等の導電性充填剤を配合しすぎると成形加工も行いにくくなる。
そこで、熱可塑性を有し、リサイクル可能なイオン導電性ポリマーが用いられるようになってきている。なかでもエピクロルヒドリンゴムを使用した導電性ローラは低抵抗値および良好な物性を有している。しかし、エピクロルヒドリンゴムに代表されるような塩素を含有するイオン導電性熱可塑性エラストマーは、廃棄の時点で塩化水素等の有害ガスが発生したり、場合によってはダイオキシンが生成したりするという問題がある。
また、ブリード型のものも、機械的物性を損ない特に圧縮永久歪みが悪化する上に、可塑剤がブリードして感光体等の他の部品を激しく汚染してしまい、複写機やプリンター等の画像形成装置の部品として使用することができないという問題がある。
しかし、前記導電性熱可塑性エラストマーにおいては、含有される各成分の分散性を更に高め、分散が不十分であることによる物性の低下や成形不良等を抑制するためにさらなる改善の余地があった。
スチレン系熱可塑性エラストマーおよびポリプロピレンを含む(A)成分と、
エチレンオキサイドープロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体にトリフルオロメタンスルホン酸リチウムを配合したイオン導電性導電剤からなる(B)成分と、
エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体からなる(C)成分と、
ポリエステル系熱可塑性エラストマーからなる(D)成分とを含み、
前記(A)成分100質量部に対して、前記(B)成分は1〜35質量部、前記(C)成分は0.1〜5質量部であり、前記(D)成分は0.1〜10質量部の比率で配合していることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物を提供している。
さらに、検討を重ねた結果、スチレン系熱可塑性エラストマーおよびポリプロピレンを主成分とするベース成分の(A)成分に、前記EO−PO−AGE共重合体からなる(B)成分を配合したときに、当該共重合体の分散性が十分とは言えない場合があり、この状態でロール状に押出成形するとロール表面に成分の分離に起因する筋状の痕ができてしまう場合があることを確認した。このようにEO−PO−AGE共重合体を前記(A)成分中にさらに微細に分散させる余地があるという課題を得て、さらに、実験および検討を加えた。その結果、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体を配合すれば、前記(A)成分中に前記共重合体を微細に分散させることができ、優れた分散性を有する導電性熱可塑性エラストマー組成物が得られることを知見した。
さらに、ポリエステル系熱可塑性エラストマーからなる(D)成分を配合すれば、このエラストマー自身の抵抗が導電性領域にあることと、EO−PO−AGE共重合体ならびにエチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体との相溶性がよいことが相まって、導電性を犠牲にすることなく、流動性をあげることができるとともに、優れた分散性を有する導電性熱可塑性エラストマー組成物が得られることを知見し、本発明を完成させた。
水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーは水素添加により二重結合が飽和されており、低硬度で、摩擦係数が大きく、圧縮歪みが小さく、さらに耐久性にも優れている。また、ベースポリマーとして下述する動的架橋された熱可塑性エラストマー組成物を用いる場合は、動的架橋に際してマトリクスである水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーが架橋剤と反応して架橋されることがないので、ゴム成分の架橋を阻害せず動的架橋後のエラストマー組成物が所望の可塑性を発現することができる点からも水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーを用いることが好ましい。
なかでも、スチレン−エチレン−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)を用いることが特に好ましい。
これは、ポリプロピレンの混合量が1質量部未満であるとポリプロピレンを混合した効果、例えば、加工性の向上等が見られないからである。一方、ポリプロピレンの混合量が100質量部より多いと成形物の硬度が高くなりやすい。
ポリプロピレンの混合量は、スチレン系熱可塑性エラストマー100質量部に対して下限は5質量部、さらに10質量部、特に20質量部が好ましい。また、上限は80質量部、さらに70質量部、特に60質量部が好ましい。
EPDMは、主鎖が飽和炭化水素からなり、主鎖に二重結合を含まないため、高濃度オゾン雰囲気、紫外線を含む光照射等の環境下に長時間曝されても、分子主鎖切断が起こりにくい。よって、本発明の熱可塑性エラストマーの耐オゾン性、耐紫外線性、耐熱性を向上することができる。前記EPDMは単独で用いることが好ましいが、EPDMとNBRとをブレンドする場合には架橋可能なゴム全体に占めるEPDMの比率は50質量%以上であることが好ましく、さらには80質量%以上であることがより好ましい。
樹脂架橋剤は加熱等によってゴムまたは熱可塑性エラストマーに架橋反応を起こさせる合成樹脂であり、硫黄と加硫促進剤とを併用する場合に比べ、ブルームが生じにくく圧縮永久ひずみも小さく、物性低下も小さく、精度維持や耐久性に優れる点で好ましい。さらに、硫黄架橋系に比べ架橋時間が短いため、押出機内に滞留している短い時間内に動的架橋を進行させることができる。
フェノール樹脂の具体例としては、フェノール、アルキルフェノール、クレゾール、キシレノールもしくはレゾルシン等のフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドもしくはフルフラール等のアルデヒド類との反応により合成される各種フェノール樹脂が挙げられる。フェノール樹脂のアルデヒドユニットに少なくとも一個のハロゲン原子が結合したハロゲン化フェノール樹脂を用いることもできる。
特に、ベンゼンのオルト位またはパラ位にアルキル基が結合したアルキルフェノールと、ホルムアルデヒドとの反応によって得られるアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂が、ゴムとの相溶性に優れるとともに反応性に富んでいて架橋反応開始時間を比較的早くできるので好ましい。アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂のアルキル基は、通常、炭素数が1から10のアルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等が挙げられる。また、このアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂のハロゲン化物も好適に用いられる。
さらに、硫化−p−第三ブチルフェノールとアルデヒド類とを付加縮合させた変性アルキルフェノール樹脂や、アルキルフェノール・スルフィド樹脂も樹脂架橋剤として使用可能である。
イオン導電性導電剤からなる(B)成分は、本発明の導電性熱可塑性エラストマー組成物において体積分率で8%以上45%以下の割合で含むことが好ましい。より好ましくは下限は10%以上、さらに15%以上であり、上限はより好ましくは40%以下である。
前記範囲としているのは、8%より少ないと電気抵抗を低減しにくいためである。一方、45%より多いと成形性や圧縮永久ひずみが悪化しやすい上に、これ以上添加しても抵抗値の低下はほとんど見られず、コストが上昇するためである。
なお、ここで言う体積分率とは、導電性熱可塑性エラストマー組成物の樹脂マトリクス相中の体積%である。樹脂マトリクス中の体積%は動的架橋により架橋してドメインを形成するゴムや熱可塑性エラストマーを除き、樹脂マトリクスになり得る組成を全体として考えたときの比率である。
前記トリフルオロメタンスルホン酸リチウムは、フルオロ基およびスルホニル基が電子吸引性を有するため陰イオンがより安定化され、イオンがより高い解離度を示す。これにより少量の添加で非常に低い電気抵抗値を得ることができるという利点がある。
金属塩の配合量が前記範囲より少ないと導電性付与効果が十分に得られないためである。一方、前記範囲より多いと硬くなりやすいためであり、また金属塩はあるレベル以上添加しても導電性はほとんど変化しなくなり、却って金属塩が高価であるためコスト的に不利になることがあるためである。
EO−PO−AGE共重合体は、アリルグリシジルエーテルの共重合比率は1モル%以上10モル%以下とするのが良い。1モル%未満ではブリードや感光体汚染の発生が起こり易くなる一方、10モル%を超えると引張強さや疲労特性、耐屈曲性等が悪化しやすい。
EO−PO−AGE共重合体の数平均分子量は1万以上が好ましく、3万以上がより好ましい。この理由はブリードブルームや感光体汚染を防止するためである。
EO−PO−AGE共重合体を動的架橋するには通常架橋剤を用いる。架橋剤としては例えば樹脂架橋剤または過酸化物など公知の架橋剤を用いることができるが、過酸化物を用いることが好ましい。
前記架橋助剤としては、例えば、メタクリル酸あるいはアクリル酸の金属塩、メタクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、複素環ビニル化合物、アリル化合物、1,2−ポリブタジエンの官能基を利用した多官能ポリマー類、ジオキシム類等が挙げられる。より具体的には、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアリルシアヌレート(TAC)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA)、p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシムまたはN,N’−m−フェニレンビスマレイミドが挙げられ、中でもジオキシム類が好ましく、N,N’−m−フェニレンビスマレイミドがより好ましい。
当該架橋助剤の配合量は架橋助剤の種類または用いる他の成分との関係で適宜選択することができるが、EO−PO共重合体あるいは/およびEO−PO−AGE共重合体100質量部に対して好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.1〜15質量部とする。
エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体を配合することにより、ベースポリマーの(A)成分中にイオン導電性導電剤を微細に分散させることができ、優れた分散性を有する導電性熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体からなる(C)成分の配合量は、本発明の導電性熱可塑性エラストマー組成物100質量部に対し0.1〜5質量部であることが好ましい。
また、この(C)成分の配合量は前記(A)成分100質量部に対し0.1〜10質量部であることが好ましく、イオン導電性導電剤(B)成分100質量部に対し1〜50質量部であることが好ましく、ポリエステル系熱可塑性エラストマーの(D)成分100質量部に対し5〜50質量部であることが好ましい。
前記範囲としているのは、前記範囲より少ないと相溶化の効果が十分にはあらわれず、物性の低下や成形不良等が生じるおそれがあるためである。一方、前記範囲より多くしても相溶化効果に大きな影響を与えず、逆に強度が低下したり、硬度が上昇したりする可能性が出てくるためである。
前記共重合体において、アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等が好ましい。また、アクリル酸エステルの代わりにメタクリル酸エステルを用いたエチレン−メタクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体を成分(C)として用いてもよい。
成分(C)として含有し得る三元共重合体とはオレフィン成分(c1)とアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル(c2)と不飽和カルボン酸単位(c3)からなる三元共重合体である。
オレフィン成分(c1)としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜6のエチレン系炭化水素を挙げることができる。
アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル(c2)成分の具体例としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸またはメタクリル酸とアルコールとのエステル化物を挙げることができ、この中でもアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチルが好ましい。
不飽和カルボン酸単位(c3)は、不飽和カルボン酸やその無水物により導入され、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、特に無水マレイン酸が好ましい。また不飽和カルボン酸単位は、前記3元共重合体中に共重合されていればその形態は限定されず、例えばランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等が挙げられる。
アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル(c2)成分の含量は0.1〜30質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましく、5〜15質量%であることがさらに好ましい。また、不飽和カルボン酸単位(c3)含量は0.05〜20質量%であることが好ましく、0.1〜15質量%であることがより好ましく、0.5〜10質量%であることがさらに好ましく、1〜10質量%であることがとくに好ましい。
なかでも、ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、高融点ポリエステル構成成分と低融点ソフトセグメント構成成分とからなる熱可塑性エラストマーが好ましい、より具体的には、高融点ポリエステル構成成分だけで重合体を形成した場合の融点が150℃以上であり、低融点ソフトセグメント構成成分のみで測定した場合の融点ないし軟化点が80℃以下であるポリエステル系熱可塑性エラストマーが好ましい。
とくに、ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、芳香環を有するポリエステルからなるハードセグメントとポリエーテルおよび/またはポリエステルからなるソフトセグメントとから構成される共重合体が好ましい。
前記酸性成分としてはテレフタル酸を用いることが好ましい。このテレフタル酸を単独で用いることがより好ましいが、その他の酸成分と必要に応じて組み合わせることもできる。テレフタル酸とその他の酸成分を組み合わせて用いる場合、テレフタル酸が全酸成分の70モル%以上、好ましくは75モル%以上占めることが好適である。
前記炭素数が1〜25のグリコールとしてはエチレングリコール、1,4−ブタンジオール等が挙げられる。
なかでも、芳香環を有するポリエステルからなるハードセグメントの構成成分としてはポリブチレンテレフタレートが好ましい。
ポリエステルポリエーテル系熱可塑性エラストマーにおいて、ポリエーテルからなるソフトセグメントは全質量の15質量%〜75質量%を占めることが好ましい。
ポリエーテルポリエステル系熱可塑性エラストマーにおいては、ソフトセグメントである分子鎖の弾性率が低温低湿状態と高温高湿状態との間で変化しにくく安定しているため、本発明の導電性熱可塑性エラストマーにおける抵抗値の環境依存性がより小さくなる。
ポリエステルポリエステル系熱可塑性エラストマーにおいて、芳香族ポリエステルとラクトン類との共重合割合は用途に応じて選定され得るが、標準的な比率としては質量比で芳香族ポリエステル/ラクトン類が97/3〜5/95、より一般的には95/5〜30/70の範囲である。
上記範囲としているのは、上記範囲より少ないと相溶化の効果が十分にはあらわれず、物性の低下や成形不良等が生じるおそれがあるためである。一方、上記範囲より多くしても相溶化効果に大きな影響を与えず、逆に強度が低下したり、硬度が上昇したりする可能性が出てくるためである。
例えば、適度な柔軟性と弾性を与えるために軟化剤を配合することができる。
軟化剤としてはオイルや可塑剤が挙げられる。オイルとしては、例えばパラフィン系、ナフテン系、芳香族系等の鉱物油や炭化水素系オリゴマーからなるそれ自体公知の合成油、またはプロセスオイルを用いることができる。合成油としては、例えばα−オレフィンとのオリゴマー、ブテンのオリゴマー、エチレンとα−オレフィンとの非晶質オリゴマーが好ましい。可塑剤としては、フタレート系、アジペート系、セパケート系、ホスフェート系、ポリエーテル系、ポリエステル系等の可塑剤が挙げられ、より具体的には例えばジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルセパケート(DOS)、ジオクチルアジペート(DOA)等が挙げられる。
(A)成分としてスチレン系熱可塑性エラストマーとポリプロピレン中にゴム成分を動的架橋して分散させた熱可塑性エラストマー組成物を用いた場合は、軟化剤の配合量はゴム成分100質量部に対して15〜600質量部であることが好ましく、25〜400質量部であることが好ましい。
軟化剤の配合量が前記範囲よりも少ないと、軟化剤を添加した効果、すなわち、動的架橋時における架橋可能なゴム成分の分散性をより良化する効果が得られ難く、軟化剤を前記範囲より多くすると、軟化剤が架橋阻害を起こして、十分に動的架橋が行われず、物性が低下しやすいためである。
なお、前記軟化剤の配合量には油展ゴムを用いた場合の伸展油の量が含まれている。
充填剤としては、例えば、シリカ,カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウム、二塩基性亜リン酸塩(DLP)、塩基性炭酸マグネシウム、アルミナ等の粉体を挙げることができる。
充填剤は本発明の導電性熱可塑性エラストマー組成物全質量の15質量%以下で配合するのが好ましい。これは充填剤の配合はエラストマー組成物の引張強度および引裂強度等の改善には有効であるものの、余り多く配合するとエラストマー組成物の柔軟性が低下してローラとした時のローラの摩擦係数が低下する傾向を示すためである。
発泡剤としては公知の発泡剤を用いることができるが、マイクロカプセル型の発泡剤を用いることが好ましい。マイクロカプセル型の発泡剤を使用すると、独立気泡の状態を作ることができ、気泡の孔の大きさおよび数をコントロールしやすいため摩耗性能等が低下しにくい。発泡剤は本発明の導電性熱可塑性エラストマー組成物100質量部に対し0.1〜10質量部の割合で配合するのが好ましく、0.5〜10質量部の割合で配合するのがより好ましい。
そのほか、本発明の導電性熱可塑性エラストマー組成物においては、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、中和剤、造核剤または気泡防止剤等の添加剤を適宜配合してもよい。
即ち、スチレン系熱可塑性エラストマーとポリプロピレン中にEPDMあるいは/およびNBRを動的架橋して分散させた熱可塑性エラストマー組成物からなるベースポリマーの(A)成分と、
EO−PO−AGE共重合体にトリフルオロメタンスルホン酸リチウムからなる金属塩が含まれているイオン導電性導電剤からなる(B)成分と、
エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体からなる(C)成分と、
ポリエステル系熱可塑性エラストマーからなる(D)成分と
を含む熱可塑性エラストマー組成物の製造方法であって、
前記(A)〜(D)成分を混合する前に、(A)成分中において予め前記架橋可能なゴムあるいは/および熱可塑性エラストマーの動的架橋を行うことを特徴としている。
ついで、得られた熱可塑性エラストマー組成物(A)と、イオン導電性導電剤(B)およびエチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体(C)およびポリエステル系熱可塑性エラストマー(D)とを押出機または混練機にて混練することにより、本発明の熱可塑性エラストマー組成物を得ている。
その結果、イオン導電性導電剤を配合してもゴムの架橋度に影響を与えないので、圧縮永久ひずみの増大を抑制することができる。かつ、不必要にイオン導電性導電剤の使用量を増やすことがなく、このため硬度の上昇を抑えることができ、かつ原材料コストを抑えることもできる。
第1の方法としては、まずゴム成分を樹脂架橋剤により動的架橋し、ポリプロピレンとスチレン系熱可塑性エラストマー中に分散させて熱可塑性エラストマー組成物(A)を作製する。ついで、得られた熱可塑性エラストマー組成物(A)と、イオン導電性導電剤(B)と、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体(C)と、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(D)と、架橋剤、好ましくは過酸化物とを混練することにより、成分(A)〜(D)の混合と同時にイオン導電性導電剤(B)に含まれるEO−PO−AGE共重合体を架橋剤、好ましくは過酸化物により動的架橋させ、本発明の熱可塑性エラストマー組成物を得る方法である。
第2の方法としては、まずゴム成分を樹脂架橋剤により動的架橋し、前記ポリプロピレンおよびスチレン系熱可塑性エラストマー中に分散させて熱可塑性エラストマー組成物(A)を作製し、一方でイオン導電性導電剤(B)において予め架橋剤、好ましくは過酸化物によりEO−PO−AGE共重合体を架橋しておき、ついで前記工程で得られた熱可塑性エラストマー組成物(A)と、前記工程で得られたイオン導電性導電剤(B)と、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体(C)と、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(D)とを混練して、本発明の熱可塑性エラストマー組成物を得る方法である。
本発明においては、前者の方法の方が工程数が少なくて済むことから好ましい。
前記動的架橋は、塩素、臭素、フッ素またはヨウ素等のハロゲンの存在下に行ってもよい。動的架橋時にハロゲンを存在させるには、上述したハロゲン化された樹脂架橋剤を用いるか、ハロゲン供与性物質を配合すればよい。前記ハロゲン供与性物質としては、塩化第二スズ等の塩化スズ、塩化第二鉄、塩化第二銅等が挙げられる。ハロゲン供与性物質は1種類の物質を単独で用いてもよく、2種以上の物質を併用してもよい。
前記のようにして得られた導電性熱可塑性エラストマー組成物は、後工程のためにペレット状とするのが良い。これにより良好な成形性を得ることができる。
本発明の成形物は種々の用途に使用することができ、それに応じた形状にすることができる。なかでも、複写機、プリンター、ファクシミリまたはATM等の画像形成装置における導電性部材として用いることが好ましい。導電性部材としてはローラ形状の導電性ローラまたはエンドレスベルト形状の導電性ベルト、シート形状のパッド等の形態が挙げられる。
導電性ベルトは常法により作製できる。例えば、ペレット状の本発明の導電性熱可塑性エラストマー組成物を樹脂用の押出成形機によりベルト状に押し出して成形した後、空冷して導電性ベルトを作製することができる。
また、表面にコーティングを施してもよい。具体的には、ウレタン、アクリルまたはゴムラテックス等を主ポリマーとし、フッ素系樹脂を分散させたような公知のコーティング材料を静電塗装、吹き付け塗装、ディッピング、刷毛塗り塗装等公知の方法により塗布したコーティング層を設けることができる。コーティング層の厚みは1〜20μmが好ましい。表面をコーティングすることにより、例えば転写時に残ったトナーをかき取りやすくする、トナーの着脱性を変化させる、表面エネルギーをコントロールする、紙粉の付着やトナーの固着を防ぐ、摩擦係数を低下させる等の効果が得られる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物においては、含有される各成分の分散性が非常に優れている。その結果、例えば成分が分離しておこる筋状の痕が表層に現れるなどの成形不良を抑制して製造工程の歩留りを増加することができるうえに、特に高温高湿状態における物性の低下を抑制することができる。
また、本発明においては、EO−PO−AGE共重合体が金属塩由来のイオンを安定化してくれているため、高価な金属塩を不用意に増量することなく低抵抗を実現できるので、コスト的にも有利である。
さらに、本発明においては、ポリエステル系熱可塑性エラストマーを配合することにより流動性があがり成形物への加工がより行い易くなる。このポリエステル系熱可塑性エラストマーは前記優れた分散性の実現にも寄与しており、加えてこのエラストマー自身の抵抗が導電性領域にあるので組成物の導電性を犠牲にしなくて済む。
かつ、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は熱可塑性であるため、リサイクルも可能である。
本実施形態の熱可塑性エラストマー組成物は、ポリプロピレンとスチレン系熱可塑性エラストマーとの混合物中に、EPDMあるいは/およびアクリロニトリルブタジエンゴム(以下「NBR」という)を動的架橋して分散させた熱可塑性エラストマー組成物からなるベースポリマーの(A)成分と、
EO−PO−AGE共重合体にトリフルオロメタンスルホン酸リチウムからなる金属陽イオンとフルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンとからなる金属塩が含まれているイオン導電性導電剤からなる(B)成分と、
エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体からなる(C)成分と、
ポリエステル系熱可塑性エラストマーからなる(D)成分と
を含む。
ここで、イオン導電性導電剤からなる(B)成分におけるEO−PO−AGE共重合体は動的架橋されていてもよい。
NBRとしては、ニトリル含有量が25%未満の低ニトリルNBRを用いることが好ましい。
前記EPDMあるいは/およびNBRは樹脂架橋剤により動的架橋している。樹脂架橋剤としては、ハロゲン化アルキルフェノール樹脂架橋剤が特に好ましい。
前記樹脂架橋剤の配合量は、EPDMあるいは/およびNBR100質量部に対して5〜15質量部、好ましく10〜15質量部としいる。
質量比でいえば、イオン導電性導電剤(B)は本発明の導電性熱可塑性エラストマー組成物100質量部に対し2〜15質量部の割合で配合されていることが好ましい。また、イオン導電性導電剤(B)の配合量はベースポリマー(A)100質量部に対し3〜25質量部であることが好ましい。
EO−PO−AGE共重合体としては、エチレンオキサイド:プロピレンオキサイド:アリルグリシジルエーテルの含有比率が80〜95モル%:1〜10モル%:1〜10モル%であるEO−PO−AGE共重合体を用いている。当該共重合体の数平均分子量Mnは5万以上であることがとくに好ましい。
過酸化物としてはジ(tert−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンを用いることが好ましい。前記過酸化物の配合量はEO−PO−AGE共重合体100質量部に対し0.5〜3質量部であることが好ましい。
前記過酸化物とともに架橋助剤を配合してもよい。架橋助剤としては、ジオキシム類が好ましく、N,N’−m−フェニレンビスマレイミドがより好ましい。前記架橋助剤の配合量はEO−PO−AGE共重合体100質量部に対し0.1〜5質量部、好ましくは0.2〜2質量部としている。
構成モノマーの比率は、アクリル酸エステル含量が3〜10質量%、無水マレイン酸含量が1〜5質量%としている。
この(C)成分からなる共重合体は、メルトフローレートが0.5〜100g/10分、好ましくは1〜50g/10分である。
また、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体(C)の配合量は、イオン導電性導電剤の(B)成分100質量部に対し3〜30質量部、ベースポリマーの(A)成分100質量部に対し0.5〜5質量部、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(D)成分100質量部に対し10〜40質量部としている。
ポリエステル系熱可塑性エラストマーの(D)成分の配合量は、本発明の導電性熱可塑性エラストマー組成物100質量部に対し1〜10質量部としている。また、該(D)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対し1〜10質量部、(B)成分100質量部に対し30〜120質量部としている。
軟化剤としてはパラフィン系オイルが好ましく、中でもパラフィンプロセスオイルがより好ましい。軟化剤の配合量は、成分(A)100質量部に対して50〜200質量部であることが好ましい。また、成分(A)中のEPDMあるいは/およびNBR100質量部に対して50〜250質量部であることが好ましい。
炭酸カルシウムの配合量は、本発明の導電性熱可塑性エラストマー組成物全体100質量部に対して5〜10質量部であることが好ましい。
カーボンブラックの配合量は、本発明の導電性熱可塑性エラストマー組成物全体100質量部に対して1〜10質量部であることが好ましい。
発泡剤としてはマイクロカプセル型の発泡剤が好ましい。発泡剤の配合量は、本発明の導電性熱可塑性エラストマー組成物全体100質量部に対して0.5〜5質量部であることがより好ましい。
まず、EPDMまたは/およびNBRは予めペレットにしておく。このペレット状のEPDMまたは/およびNBR、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系樹脂、架橋剤、軟化剤を、温度200℃で混練し、ベースポリマーの(A)成分としての熱可塑性エラストマー組成物のペレットを作製する。
イオン導電性導電剤からなる(B)成分に含まれるEO−PO−AGE共重合体を過酸化物により動的架橋する場合は、後の工程で過酸化物および架橋助剤をイオン導電性導電剤からなる(B)成分等とともに混練すればよい。
本発明の導電性ローラの一実施形態を図1に示す。
導電性ローラ10は、本発明の導電性熱可塑性エラストマー組成物からなる円筒状のローラ部11と円柱状の芯金12とからなる。
この導電性ローラ10は、ペレット状の本発明の導電性熱可塑性エラストマー組成物を180〜230℃の条件下で単軸押出機を用いてチューブ状に押し出し、中空部に金属製の芯金12を圧入するか、あるいは両者を接着剤で接合して固定することにより得られる。なお、円筒形状に成形したローラ部の中空部に略D字形状の芯材を圧入することにより略D字形状のゴムローラとすることもできる。
さらに、導電性ローラ10には表面にコーティング(図示せず)を施してもよい。
表1〜3に記載の配合からなる組成物を用いてチューブ状の押出成形物を作製し、これを軸芯にはめ込んで導電性ローラを作製した。得られた導電性ローラについて各種試験を行った。
なお、EPDMについては100%油展EPDMを用いたが、油展EPDMの伸展油は表中の軟化剤の配合量に算入し、EPDMの欄にはゴム成分のみの値で記載している。例えばEPDM100質量部、軟化剤174質量部である場合、軟化剤174質量部のうち油展EPDM由来の伸展油が100質量部であり、残りの74質量部が下記の市販の軟化剤である。
・NBR ;日本ゼオン(株)製「DN401LL」
・SEEPS;水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー((株)クラレ製「セプトン4
077」)
・PP ;ポリプロピレン樹脂(日本ポリケム(株)製「ノバテックPP」)
・架橋剤;ハロゲン化アルキルフェノール樹脂架橋剤(田岡化学工業(株)製「タッキロ
ール250−III」)
・軟化剤;パラフィン系オイル(出光興産(株)製「ダイアナプロセスオイルPW−38
0」)
・炭酸カルシウム ;白石カルシウム(株)製「BF300」
・カーボンブラック;東海カーボン(株)製「シースト3」
・相溶化剤;エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体(アルケマ(株)
製「ボンダインLX4110」)
・導電剤1;EO−PO−AGE共重合体(日本ゼオン(株)製「ZSN8030」):
トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(三光化学(株)製)=9:1(質
量比)
・導電剤2;ポリエーテル−ポリオレフィン共重合体(三洋化成工業(株)製「ペレスタ
ット300」):トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(三光化学(株
)製)=20:1(質量比)
・導電剤3;ポリエーテルブロックアミド共重合体(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ
製「IRGASTAT P18」):トリフルオロメタンスルホン酸リチウ
ム(三光化学(株)製)=9:1(質量比)
・過酸化物;ジ(tert−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン(日本油脂(株
)製「パーブチルP」)
・架橋助剤;N,N’−m−フェニレンビスマレイミド(川口化学(株)製「アクターP
BM−R」)
・TPEE:ポリエステル系熱可塑性エラストマー(東レ・デュポン(株)製「ハイトレ
ル3078」)
・発泡剤 ;松本油脂製薬(株)製「MB170EVA65」
ベースポリマー(A)として、スチレン系熱可塑性エラストマー(SEEPS)とポリプロピレン樹脂(PP)の混合物中に、EPDMまたは/およびNBRを樹脂架橋剤により動的架橋して分散させている熱可塑性エラストマー組成物を用いた。
まず、EPDM、NBRは予めペレットにしておいた。このペレット状のEPDMまたは/およびNBR、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリプロピレン樹脂、架橋剤、軟化剤を上記表に記載の割合で配合し、タンブラーにてドライブレンドを行ってから2軸押出機(アイペック製「HTM38」)にて回転数200rpm、温度200℃で混練し、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを作製した。
得られたチューブの中空部に芯金を挿入し、本発明の導電性ローラを得た。
実施例7、実施例8、実施例15および実施例16においては、得られた導電性ローラに表面コーティングを施した。すなわち、表面コーティング剤(日本アチゾン製「JLY−009」)をスプレーにて吹きつけ、150℃で10分間焼き付けを行った。
(ローラ抵抗値)
温度23℃、相対湿度55%雰囲気下で、図2に示すように、芯金12を通した導電性ローラ10のローラ部11をφ30のアルミドラム13上に当接搭載し、電源14の+側に接続した内部抵抗r(100Ω〜10kΩ)の導線の先端をアルミドラム13の一端面に接続すると共に電源14の−側に接続した導線の先端を芯金12の一端面に接続して通電を行った。芯金12の両端部に500gずつの荷重をかけ、芯金12とアルミドラム13間に1000Vの電圧をかけながらアルミドラム13を回転させることで間接的に導電性ローラ10を回転させた。このとき周方向に36回抵抗測定を行い、その平均値を求めた。内部抵抗の値は、ローラの抵抗値のレベルに合わせ、測定値の有効数字が極力大きくなるように調節した。図2の装置で、印加電圧をEとすると、ローラ抵抗値RはR=r×E/V−rとなるが、今回−rの項は微小とみなし、R=r×E/Vとし、内部抵抗rにかかる検出電圧Vよりローラ抵抗値Rを算出した。表中には、ローラ抵抗値の平均値の常用対数値で示している。
温度30℃、相対湿度80%という高温高湿下で導電性ローラを一日保管した。その後、上記方法でローラ抵抗値を測定した。通常、高温高湿下にさらされるとローラ抵抗値が低下する。高温高湿下で一日保管し、その後ローラ抵抗値を測定するというサイクルを、ローラ抵抗値が低下しなくなり一定値で安定してくるまで続けた。
表中にはローラ抵抗値が安定するまでの日数を記載してあり、その日数は短いほどよく、具体的には3日以内が良好であり、1日以内が特に好ましい。
ただし、試験は30日間で打ち切り、その間ローラ抵抗値が徐々に低下し続け安定しなかったものについては表中に「安定せず」と記載した。
市販のプリンター((株)沖データ製「C5200n」)または付属カートリッジ(黒)に実施例および比較例の各導電性ゴムローラを転写ローラまたは帯電ローラとして装着した。
温度23℃、相対湿度55%の条件下で50枚印刷した。得られた印刷物について、印刷濃度、印刷ムラ、白抜け等を目視にて確認した。
また、イオン導電性導電剤においてEO−PO−AGE共重合体以外のポリマーを用いた比較例4、比較例5および比較例7、比較例9、比較例10および比較例12では、押出し成形は良好にできたものの、高温高湿下での安定性が悪く、徐々にローラ抵抗値が低下していった。また、実際に転写ローラとしてプリンターに組み込んだときも印刷濃度が除々に濃くなり、実用的にも改良の余地を残していることがわかった。
ポリエステル系熱可塑性エラストマーを配合しなかった比較例3では、高温高湿下での安定性が実施例のものよりも少し劣っていた。
そのうえ、表面コーティングを施した実施例7、実施例8、実施例15および実施例16では摩擦係数をさらに低下させることができた。
11 ローラ部
12 芯金
13 アルミドラム
14 電源
Claims (7)
- スチレン系熱可塑性エラストマーおよびポリプロピレンを含む(A)成分と、
エチレンオキサイドープロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体にトリフルオロメタンスルホン酸リチウムを配合したイオン導電性導電剤からなる(B)成分と、
エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体からなる(C)成分と、
ポリエステル系熱可塑性エラストマーからなる(D)成分とを含み、
前記(A)成分100質量部に対して、前記(B)成分は1〜35質量部、前記(C)成分は0.1〜5質量部であり、前記(D)成分は0.1〜10質量部の比率で配合していることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。 - 前記(A)成分は、EPDMあるいは/およびNBRを前記スチレン系熱可塑性エラストマーおよびポリプロピレン中に動的架橋して分散させている請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 前記動的架橋は、フェノール樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、トリアジン・ホルムアルデヒド縮合物、ヘキサメトキシメチル・メラミン樹脂から選択される樹脂架橋剤からなる請求項2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 請求項2または請求項3に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法であって、
前記(A)成分に前記(B)(C)(D)を混合前に、上記(A)の動的架橋を行っていることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物を成形して得られ、印加電圧1000Vにおける抵抗値が10 4.0 Ω〜10 9.0 Ωであるローラ。
- 表面が紫外線照射されて酸化膜が形成されている請求項5に記載のローラ。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物を発泡成形して得られたものである熱可塑性成形物。
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