JP4223153B2 - 給紙ローラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱可塑性エラストマー組成物で成形された給紙ローラに関するものであり、特に、熱可塑性ポリマーとゴムとを含み、樹脂架橋剤によって動的架橋されてなる熱可塑性エラストマー組成物からなる給紙ローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機、ファクシミリ、プリンター、ATM等の事務機器の給紙機構には、給紙ローラが用いられている。給紙ローラは紙、フィルム等を送るものであるためその摩擦係数が高いことが要求され、しかもこの高い摩擦係数が長期間維持されることが要求される。通常給紙ローラにはエチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、天然ゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、ポリノルボルネン等のゴムが用いられており、これによって給紙ローラに柔軟性が付与され、紙との摩擦係数が高められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
複写機等は使用後解体され、部品の再利用が図られる。例えば合成樹脂製の筐体は、加熱・溶融されて原料プラスチックとして再利用される。また、金属部品も加熱・溶融され、原料金属として再利用される。しかし、給紙ローラはゴム製であるので加熱されても溶融せず、原料ポリマーとしての再利用はほとんどなされていないのが実状である。
【0004】
ところで、給紙ローラが紙を送り出す際に給紙ローラと紙とは強く擦動し合うが、この擦動によって給紙ローラからの抽出物が紙の表面に付着することがある。この付着物は、その後の画像形成機構において画像形成に悪影響を与える。特に、インクジェットプリンターでは、インク自体が極性物質であるので、付着物が非極性物質である場合に紙へのインクののりが阻害されてしまうことがある。給紙ローラが極性材料から構成されて付着物が極性材料とされれば、インクののりの阻害が防がれる。極性材料としては、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等の極性ポリマーが知られているが、これら極性ポリマーは柔軟性に劣り、高い摩擦係数が要求される給紙ローラには不向きである。また、これら極性ポリマーはハロゲンを含有しているので、焼却処分された場合にダイオキシン類が発生してしまうという問題もある。
【0005】
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであり、再利用が可能で、柔軟性に富み、しかもハロゲン含有量の少ない極性弾性材料からなる給紙ローラの提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するためになされた発明は、
熱可塑性ポリマー、ゴム及び可塑剤を含んでおり、このゴムが架橋活性剤の存在下、樹脂架橋剤によって動的架橋されてなる熱可塑性エラストマー組成物であって、
この熱可塑性ポリマーが熱可塑性ポリエステルエラストマーを主成分としており、
ゴムがアクリロニトリル−ブタジエン共重合体を主成分としており、
熱可塑性ポリマーとゴムとの重量比が15/85以上50/50以下であり、
可塑剤の配合量が熱可塑性ポリマーとゴムとの合計量100重量部に対して1重量部以上100重量部以下であり、
樹脂架橋剤の配合量がゴム100重量部に対して1重量部以上20重量部以下であり、 架橋活性剤の配合量がゴム100重量部に対して0.1重量部以上15重量部以下である熱可塑性エラストマー組成物から成形された給紙ローラ
である。
【0007】
この熱可塑性エラストマー組成物は、動的架橋によって得られる。動的架橋では、熱可塑性ポリマー、ゴム、架橋剤、その他の各種添加剤が混練されつつ加熱され、ゴムが架橋される。そして、架橋されたゴムは微細粒子として熱可塑性ポリマー中に分散する。この熱可塑性エラストマー組成物はマトリックスとなる熱可塑性ポリマーの特性である熱可塑性を有しているので、この熱可塑性エラストマー組成物から得られる成形体は、加熱・溶融により再利用が可能である。また、この熱可塑性エラストマー組成物は分散架橋ゴムの特性を併せ持っており、しかも可塑剤が配合されているので、柔軟性(低硬度)に優れる。また、この熱可塑性エラストマー組成物は、熱可塑性ポリマーの主成分として熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPEE)が用いられ、ゴムの主成分としてアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)が用いられているので、極性を有する。さらに、この熱可塑性エラストマー組成物にはハロゲンがほとんど含まれていないので、焼却処分された場合のダイオキシン類の発生が抑制される。
【0008】
固形NBRとともに液状NBRが用いられれば、熱可塑性エラストマー組成物に柔軟性がよりよく付与される。この場合は、可塑剤の配合が省略されてもよい。もちろん、液状NBRと可塑剤とが併用されてもよい。
【0009】
好ましくは、架橋活性剤として酸化亜鉛、炭酸亜鉛又はハロゲン化金属が用いられる。また、架橋活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸又はその塩が用いられてもよい。これらの架橋活性剤が用いられることにより、架橋反応が促進される。
【0010】
好ましくは、熱可塑性ポリマーは水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーを含む。水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーの配合により、熱可塑性エラストマー組成物の耐オゾン性が向上する。
【0011】
好ましくは、ゴムはEPDMをさらに含む。EPDMの配合により、熱可塑性エラストマー組成物の耐オゾン性が向上する。
【0012】
このような熱可塑性エラストマー組成物柔軟性等が要求される給紙ローラを成形している。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面が参照されつつ、本発明の実施形態が説明される。
図1は、本発明の一実施形態にかかる給紙ローラ1が軸芯2とともに示された斜視図である。この給紙ローラ1は、紙送りローラ1に軸芯2が圧入されることにより、又は両者が接着剤で接合されることにより、軸芯2に固定されている。
【0014】
給紙ローラ1は、熱可塑性エラストマー組成物から構成されている。この熱可塑性エラストマー組成物は動的架橋によって得られたものであり、熱可塑性ポリマーのマトリックス中に架橋ゴム粒子が分散したものである。従って、この熱可塑性エラストマー組成物は、熱可塑性ポリマーの特性とゴムの特性とを併せ持つ。熱可塑性エラストマー組成物は加熱によって溶融するので、使用後に原料ポリマーとしての再利用が可能である。
【0015】
熱可塑性ポリマーは、TPEEが主成分とされている。TPEEは、ハード成分としての結晶性芳香族ポリエステル(例えばポリブチレンテレフタレート)成分と、ソフト成分としての非結晶性脂肪族ポリエステルコポリマー(例えばポリカプロラクトン)成分又は脂肪族ポリエーテルコポリマー(例えばポリテトラメチレンエーテルグリコール)成分とからなる。TPEEは極性ポリマーであるので、これが用いられることにより、熱可塑性エラストマー組成物が極性を備える。TPEEは種々のグレードのものが上市されているが、なかでもそれ単体でのショアD硬度が30以下のものが、熱可塑性エラストマー組成物の低硬度達成の観点からは好ましい。
【0016】
熱可塑性エラストマー組成物のマトリックスには、耐オゾン性向上等の目的で、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーが配合されてもよい。水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーは、ハード成分としてのポリスチレン末端ブロックとソフト成分としてのゴム中間ブロックとからなるブロック共重合体を主成分としているもので、中間ブロックが水素添加されているものである。水素添加により二重結合が消滅しているので、動的架橋時に樹脂架橋剤によって架橋させてしまうことがなく、化学的に安定である。水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーの具体例としては、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)等が挙げられる。
【0017】
また、熱可塑性エラストマー組成物のマトリックスには、柔軟性向上等の目的で、塩素化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂が配合されてもよい。但し、ハロゲン含有量抑制の観点から、塩素化ポリエチレンの配合量は必要最小限にとどめられる。
【0018】
他の熱可塑性ポリマー(水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー、熱可塑性樹脂等)がTPEEと併用される場合、両者の重量比は75/25以下が好ましく、50/50以下が特に好ましい。重量比が上記範囲を超えると、他の熱可塑性ポリマーの性能が大きく影響し、TPEEの特徴である極性等が劣ってしまうことがある。
【0019】
給紙ローラ1の熱可塑性エラストマー組成物には前述のように架橋ゴム粒子が分散しており、このゴムはNBRを主成分としている。NBRは極性ポリマーであるので、これが用いられることにより、熱可塑性エラストマー組成物が極性を備える。
【0020】
用いられるNBRとしては、アクリロニトリル量が15重量%から55重量%程度のもので数平均分子量が8万から20万程度の、固形NBRが好適である。また、この固形NBRとともに、数平均分子量が3000から1万程度の液状NBRが用いられてもよい。液状NBRが配合されることにより、熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性が向上する。液状NBRは分子量が小さいことを除いては固形NBRと同等のゴムであるので、これが配合されても熱可塑性エラストマー組成物の他の特性に大きな悪影響を与えることがない。
【0021】
液状NBRが固形NBRとともに用いられる場合、両者の重量比は50/50以下が好ましく、35/65以下が特に好ましい。重量比が上記範囲を超えると、熱可塑性エラストマー組成物の強度が低下してしまうことがある。
【0022】
また、通常のNBRとともに、水素添加NBR、部分架橋NBR、カルボキシル基含有NBR、イソプレン共重合NBR、老化防止剤共重合NBR等が併用されてもよい。
【0023】
ゴムとして、NBRとともにEPDMが併用されてもよい。EPDMは、主鎖が化学的に安定な飽和炭化水素からできているので主鎖切断による劣化が生じにくい。従って、熱可塑性エラストマー組成物の耐候性、耐オゾン性が向上する。用いられるEPDMとしては、そのヨウ素価が12以上36以下であるエチリデンノルボルネン系EPDMが好ましい。このエチリデンノルボルネン系EPDMは、容易にNBRとの共架橋反応を起こす。従って、熱可塑性ポリマー中へのゴム粒子の分散が均一となる。
【0024】
EPDMがNBRと併用される場合、両者の重量比は50/50以下が好ましく、25/75以下が特に好ましい。重量比が上記範囲を超えると、熱可塑性エラストマー組成物の極性が低下してしまうことがある。
【0025】
この熱可塑性エラストマー組成物には、NBRの特性を損なわない範囲で、加工性向上、強度向上、コスト低減等の目的で、EPDM以外にも、他のゴムが配合されてもよい。配合され得るゴムとしては、例えば天然ゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム等が挙げられる。NBRと他のゴムとが併用される場合、全ゴム分に占めるNBRの比率は60重量%以上が好ましく、80重量%以上が特に好ましい。
【0026】
この熱可塑性エラストマー組成物では、熱可塑性ポリマーとゴムとの重量比は15/85以上50/50以下であり、特に20/80以上40/60以下が好ましい。重量比が上記範囲未満であると、熱可塑性エラストマー組成物の可塑化が困難となってしまうことがある。配合比が上記範囲を超えると、熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性が損なわれてしまうことがある。
【0027】
この熱可塑性エラストマー組成物では、ゴム粒子は樹脂架橋剤によって架橋されている。これにより、架橋剤として硫黄等が用いられた場合に比べて、得られる成形体の強度が高められる。樹脂架橋剤の具体例としては、フェノール、アルキルフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン等のフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類との反応により合成された各種フェノール樹脂が挙げられる。特に、ベンゼンのオルト位又はパラ位にアルキル基が結合したアルキルフェノールとホルムアルデヒドとの反応によって得られるアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、このアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂のハロゲン付加物又はスルホン化物が、反応性に富んで架橋開始時間を短くするので好ましい。
【0028】
樹脂架橋剤の配合量は、ゴム100重量部に対して1重量部以上20重量部以下であり、特に5重量部以上15重量部以下が好ましい。配合量が上記範囲未満であると、架橋不足によって熱可塑性エラストマー組成物の永久伸び及び圧縮永久歪みが大きくなってしまうことがある。配合量が上記範囲を超えると、過剰架橋によって熱可塑性エラストマー組成物の硬度が高くなり、柔軟性が損なわれてしまうことがある。
【0029】
動的架橋は、架橋活性剤の存在下に行われる。架橋活性剤により、架橋反応が促進される。好適な架橋活性剤としては、酸化亜鉛、炭酸亜鉛又はハロゲン化金属が挙げられ、これらは単独で用いられてもよく、また、2種以上が併用されてもよい。また、アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩も、架橋活性剤として好適である。但し、架橋阻害防止のためには、アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩は、酸化亜鉛、炭酸亜鉛及びハロゲン化金属とは併用されない方が好ましい。
【0030】
架橋活性剤の配合量は、ゴム100重量部に対して0.1重量部以上15重量部以下であり、特に0.1重量部以上1重量部以下が好ましい。配合量が上記範囲未満であると、架橋不足によって熱可塑性エラストマー組成物の永久伸び及び圧縮永久歪みが大きくなってしまうことがある。配合量が上記範囲を超えると、過剰架橋によって熱可塑性エラストマー組成物の硬度が高くなり、柔軟性が損なわれてしまうことがある。
【0031】
この熱可塑性エラストマー組成物には、可塑剤が配合されてもよい。可塑剤の配合によって、熱可塑性エラストマー組成物がより低硬度となり、柔軟性が向上する。特に、液状NBRが用いられていない熱可塑性エラストマー組成物では、可塑剤の配合が必須である。好適な可塑剤としては、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルセパケート、ジオクチルアジペート等が挙げられる。可塑剤の配合量は、熱可塑性ポリマーとゴムとの合計量100重量部に対して1重量部以上100重量部以下であり、特に20重量部以上40重量部以下が好ましい。配合量が上記範囲未満であると、熱可塑性エラストマー組成物の硬度が大きくなり、柔軟性が損なわれてしまうことがある。配合量が上記範囲を超えると、熱可塑性エラストマー組成物の強度が低下して、例えば射出成形で得られた成形品の脱型時にゲート切れが発生してしまうことがある。可塑剤は、熱可塑性ポリマー又はゴムにあらかじめ練り込まれてもよく、熱可塑性ポリマーとゴムとが動的架橋された組成物中に練り込まれてもよい。
【0032】
この熱可塑性エラストマー組成物には、充填剤、劣化防止剤、着色剤、増量剤等の添加剤が、必要に応じ適量配合されてもよい。
【0033】
【実施例】
以下、給紙ローラとして成形する熱可塑性エラストマー組成物の実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではないことはもちろんである。
【0034】
[実施例1]
10リッターニーダーに、固形NBR(日本ゼオン社の商品名「NIPOL 1032」)66.7重量部及び可塑剤としてのジオクチルフタレート(三建化工社製)33.3重量部を投入し、混練した。このゴム組成物を、二軸一軸押出機(モリヤマ社の商品名「2TR−75」)に投入し、直径約4mmで長さが約4mmのペレットとした。このペレットと、TPEE(東洋紡社の商品名「ペルプレンP−30B」)33.3重量部と、酸化亜鉛(三井金属鉱業社製)3.3重量部(ゴム100重量部に対して4.9重量部)とをタンブラーにて混合した。得られた混合物を、二軸押出機(アイペック社の商品名「HTM38」)に連続投入した。同時に、樹脂架橋剤として、約3重量%臭素が付加されたアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(田岡化学社の商品名「タッキロール250−3」)8.0重量部(ゴム100重量部に対して12.0重量部)も、別の投入口から連続投入した。そして、直径約4mmのストランドに押し出し、冷却後長さ約4mmに裁断して、ペレット状である実施例1の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0035】
[実施例2、実施例3、比較例3及び比較例4]
樹脂架橋剤の配合量を下記の表1に示されるように変量させた他は実施例1と同様にして、実施例2、実施例3、比較例3及び比較例4の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0036】
[比較例1]
TPEEに代えてポリエチレン(住友化学社の商品名「スミカセンα GZ802」)33重量部を配合した他は実施例1と同様にして、比較例1の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0037】
[比較例2]
樹脂架橋剤に代えて、硫黄(鶴見化学社の粉末硫黄)1.3重量部及び加硫促進剤(大内新興化学社の商品名「ノクセラーCZ」及び商品名「ノクセラーTET」)1.3重量部を配合した他は実施例1と同様にして、比較例2の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0038】
[実施例4及び比較例5]
可塑剤の配合量を下記の表1に示されるように変量させた他は実施例1と同様にして、実施例4及び比較例5の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0039】
[実施例5]
固形NBRの配合量を50.0重量部とし、TPEEの配合量を25.0重量部とし、酸化亜鉛の配合量を2.5重量部(ゴム100重量部に対して3.3重量部)とし、樹脂架橋剤の配合量を6.0重量部(ゴム100重量部に対して8.0重量部)とし、可塑剤を配合せず、さらに液状NBR(日本ゼオン社の商品名「NIPOL DN1312」)25.0重量部を配合した他は実施例1と同様にして、実施例5の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0040】
[実施例6]
固形NBRの配合量を50.0重量部とし、さらにEPDM(住友化学社の商品名「エスプレン586」)16.7重量部を配合した他は実施例1と同様にして、実施例6の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0041】
[実施例7及び実施例8]
TPEEの配合量を25.0重量部とし、さらにポリエチレン(前述の「スミカセンα GZ802」)8.3重量部を配合した他は実施例1と同様にして、実施例7の熱可塑性エラストマー組成物を得た。また、TPEEの配合量を25.0重量部とし、さらにSEPS(クラレ社の商品名「セプトン2063」)8.3重量部を配合した他は実施例1と同様にして、実施例8の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0042】
[実施例9、実施例10、比較例6及び比較例7]
各配合剤の配合量を下記の表2に示されるように変量させ、さらに下記の表2に示されるように液状NBR(前述の「NIPOL DN1312」)を配合した他は実施例1と同様にして、実施例9、実施例10、比較例6及び比較例7の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0043】
[実施例11、実施例12、比較例8及び比較例9]
酸化亜鉛の配合量を下記の表2に示されるように変量させた他は実施例1と同様にして、実施例11、実施例12、比較例8及び比較例9の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0044】
[硬度の測定]
こうして得られた熱可塑性エラストマー組成物を射出成形機(住友重工業社の商品名「SG−25」)に投入し、射出成形を施して、幅が30mmで、長さが125mmで、厚みが2mmである板状試験片を得た。そして、この板状試験片を用い、JIS−K6253のスプリング式硬さ試験に準拠して、硬度Hsを測定した。硬度計は、デュロメーターA型を用いた。この結果が、下記の表1及び表2に示されている。
【0045】
[永久伸びの測定]
上記硬度の測定で用いた板状試験片を用い、JIS−K6262に準拠して、100%伸張時の永久伸びPSを測定した。この結果が、下記の表1及び表2に示されている。
【0046】
[圧縮永久歪みの測定]
上記射出成形機にて、直径が29mmで高さが12.7mmである円柱状試験片を射出成形した。そして、この円柱状試験片を用い、JIS−K6262に準拠して、温度70℃で22時間25%圧縮させたときの永久歪みCsを測定した。この結果が、下記の表1及び表2に示されている。
【0047】
[ゲート切れの観察]
上記射出成形における脱型時のゲート切れの有無について、目視で判定した。ゲート切れがないものを「○」とし、あるものを「×」とした。この結果が、下記の表1及び表2に示されている。
【0048】
【表1】
Figure 0004223153
【0049】
【表2】
Figure 0004223153
【0050】
表1及び表2における硬度Hsは45以下が給紙ローラとしての適正値であり、永久伸びPSは10%以下が給紙ローラとしての適正値であり、永久歪みCsは20%以下が給紙ローラとしての適正値である。表1及び表2において、各実施例の熱可塑性エラストマー組成物は、全ての評価項目において良好な結果を示している。これらの評価より、本発明の優位性が確認された。
【0051】
以上、給紙ローラに用いられる場合が一例とされて本発明の熱可塑性エラストマー組成物が詳説されたが、優れた特性を備えた本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、給紙ローラのみならず、例えばガス管の内層、シール部材(パッキン)等の種々の用途に用いられ得る。
【0052】
【発明の効果】
以上説明されたように、本発明の給紙ローラとして成形する熱可塑性エラストマー組成物は、柔軟でかつ極性を有していながら、熱によって溶融する。この熱可塑性エラストマー組成物で成形した給紙ローラ用いと画像形成の阻害が抑制され、また給紙ローラの再利用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の一実施形態にかかる給紙ローラが軸芯とともに示された斜視図である。
【符号の説明】
1 給紙ローラ
2 軸芯

Claims (6)

  1. 熱可塑性ポリマー、ゴム及び可塑剤を含んでおり、このゴムが架橋活性剤の存在下、樹脂架橋剤によって動的架橋されてなる熱可塑性エラストマー組成物であって、
    この熱可塑性ポリマーが熱可塑性ポリエステルエラストマーを主成分としており、
    ゴムがアクリロニトリル−ブタジエン共重合体を主成分としており、
    熱可塑性ポリマーとゴムとの重量比が15/85以上50/50以下であり、
    可塑剤の配合量が熱可塑性ポリマーとゴムとの合計量100重量部に対して1重量部以上100重量部以下であり、
    樹脂架橋剤の配合量がゴム100重量部に対して1重量部以上20重量部以下であり、 架橋活性剤の配合量がゴム100重量部に対して0.1重量部以上15重量部以下である熱可塑性エラストマー組成物から成形された給紙ローラ。
  2. 熱可塑性ポリマー及びゴムを含んでおり、このゴムが架橋活性剤の存在下、樹脂架橋剤によって動的架橋されてなる熱可塑性エラストマー組成物であって、
    この熱可塑性ポリマーが熱可塑性ポリエステルエラストマーを主成分としており、
    ゴムがアクリロニトリル−ブタジエン共重合体を主成分としており、
    熱可塑性ポリマーとゴムとの重量比が15/85以上50/50以下であり、
    アクリロニトリル−ブタジエン共重合体として、固形アクリロニトリル−ブタジエン共重合体とともに液状アクリロニトリル−ブタジエン共重合体が用いられており、
    樹脂架橋剤の配合量がゴム100重量部に対して1重量部以上20重量部以下であり、 架橋活性剤の配合量がゴム100重量部に対して0.1重量部以上15重量部以下である熱可塑性エラストマー組成物から成形された給紙ローラ
  3. 上記架橋活性剤が、酸化亜鉛、炭酸亜鉛又はハロゲン化金属である請求項1又は請求項2に記載の給紙ローラ
  4. 上記架橋活性剤が、アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩である請求項1又は請求項2に記載の給紙ローラ
  5. 上記熱可塑性ポリマーが、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーをさらに含む請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の給紙ローラ。
  6. 上記ゴムがエチレン−プロピレン−ジエン共重合体をさらに含む請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の給紙ローラ。
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