JP2001055491A - 熱可塑性エラストマー組成物及びこれを用いた給紙ローラ - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物及びこれを用いた給紙ローラ

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JP2001055491A
JP2001055491A JP11232518A JP23251899A JP2001055491A JP 2001055491 A JP2001055491 A JP 2001055491A JP 11232518 A JP11232518 A JP 11232518A JP 23251899 A JP23251899 A JP 23251899A JP 2001055491 A JP2001055491 A JP 2001055491A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 再利用が可能で、柔軟性に富み、しかもハロ
ゲン含有量の少ない極性の熱可塑性エラストマー組成物
の提供。 【解決手段】 給紙ローラ1は、熱可塑性エラストマー
組成物から成形されている。この組成物は、熱可塑性ポ
リマー、ゴム及び可塑剤を含んでおり、このゴムが架橋
活性剤の存在下、樹脂架橋剤によって動的架橋されるこ
とによって得られる。熱可塑性ポリマーはTPEEを主
成分としている。また、ゴムは、NBRを主成分として
いる。熱可塑性ポリマーとゴムとの重量比は、15/8
5以上50/50以下である。可塑剤の配合量は、熱可
塑性ポリマーとゴムとの合計量100重量部に対して1
重量部以上100重量部以下である。樹脂架橋剤の配合
量は、ゴム100重量部に対して1重量部以上20重量
部以下である。架橋活性剤の配合量は、ゴム100重量
部に対して0.1重量部以上15重量部以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性エラストマ
ー組成物に関するものであり、特に、熱可塑性ポリマー
とゴムとを含み、樹脂架橋剤によって動的架橋されてな
る熱可塑性エラストマー組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複写機、ファクシミリ、プリンター、A
TM等の事務機器の給紙機構には、給紙ローラが用いら
れている。給紙ローラは紙、フィルム等を送るものであ
るためその摩擦係数が高いことが要求され、しかもこの
高い摩擦係数が長期間維持されることが要求される。通
常給紙ローラにはエチレン−プロピレン−ジエン共重合
体(EPDM)、天然ゴム、ウレタンゴム、クロロプレ
ンゴム、ポリノルボルネン等のゴムが用いられており、
これによって給紙ローラに柔軟性が付与され、紙との摩
擦係数が高められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】複写機等は使用後解体
され、部品の再利用が図られる。例えば合成樹脂製の筐
体は、加熱・溶融されて原料プラスチックとして再利用
される。また、金属部品も加熱・溶融され、原料金属と
して再利用される。しかし、給紙ローラはゴム製である
ので加熱されても溶融せず、原料ポリマーとしての再利
用はほとんどなされていないのが実状である。
【0004】ところで、給紙ローラが紙を送り出す際に
給紙ローラと紙とは強く擦動し合うが、この擦動によっ
て給紙ローラからの抽出物が紙の表面に付着することが
ある。この付着物は、その後の画像形成機構において画
像形成に悪影響を与える。特に、インクジェットプリン
ターでは、インク自体が極性物質であるので、付着物が
非極性物質である場合に紙へのインクののりが阻害され
てしまうことがある。給紙ローラが極性材料から構成さ
れて付着物が極性材料とされれば、インクののりの阻害
が防がれる。極性材料としては、塩素化ポリエチレン、
ポリ塩化ビニル等の極性ポリマーが知られているが、こ
れら極性ポリマーは柔軟性に劣り、高い摩擦係数が要求
される給紙ローラには不向きである。また、これら極性
ポリマーはハロゲンを含有しているので、焼却処分され
た場合にダイオキシン類が発生してしまうという問題も
ある。
【0005】本発明はこのような実状に鑑みてなされた
ものであり、再利用が可能で、柔軟性に富み、しかもハ
ロゲン含有量の少ない極性弾性材料の提供をその目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めになされた発明は、熱可塑性ポリマー、ゴム及び可塑
剤を含んでおり、このゴムが架橋活性剤の存在下、樹脂
架橋剤によって動的架橋されてなる熱可塑性エラストマ
ー組成物であって、この熱可塑性ポリマーが熱可塑性ポ
リエステルエラストマーを主成分としており、ゴムがア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体を主成分としてお
り、熱可塑性ポリマーとゴムとの重量比が15/85以
上50/50以下であり、可塑剤の配合量が熱可塑性ポ
リマーとゴムとの合計量100重量部に対して1重量部
以上100重量部以下であり、樹脂架橋剤の配合量がゴ
ム100重量部に対して1重量部以上20重量部以下で
あり、架橋活性剤の配合量がゴム100重量部に対して
0.1重量部以上15重量部以下であることを特徴とす
る熱可塑性エラストマー組成物、である。
【0007】この熱可塑性エラストマー組成物は、動的
架橋によって得られる。動的架橋では、熱可塑性ポリマ
ー、ゴム、架橋剤、その他の各種添加剤が混練されつつ
加熱され、ゴムが架橋される。そして、架橋されたゴム
は微細粒子として熱可塑性ポリマー中に分散する。この
熱可塑性エラストマー組成物はマトリックスとなる熱可
塑性ポリマーの特性である熱可塑性を有しているので、
この熱可塑性エラストマー組成物から得られる成形体
は、加熱・溶融により再利用が可能である。また、この
熱可塑性エラストマー組成物は分散架橋ゴムの特性を併
せ持っており、しかも可塑剤が配合されているので、柔
軟性(低硬度)に優れる。また、この熱可塑性エラスト
マー組成物は、熱可塑性ポリマーの主成分として熱可塑
性ポリエステルエラストマー(TPEE)が用いられ、
ゴムの主成分としてアクリロニトリル−ブタジエン共重
合体(NBR)が用いられているので、極性を有する。
さらに、この熱可塑性エラストマー組成物にはハロゲン
がほとんど含まれていないので、焼却処分された場合の
ダイオキシン類の発生が抑制される。
【0008】固形NBRとともに液状NBRが用いられ
れば、熱可塑性エラストマー組成物に柔軟性がよりよく
付与される。この場合は、可塑剤の配合が省略されても
よい。もちろん、液状NBRと可塑剤とが併用されても
よい。
【0009】好ましくは、架橋活性剤として酸化亜鉛、
炭酸亜鉛又はハロゲン化金属が用いられる。また、架橋
活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸又はその塩が
用いられてもよい。これらの架橋活性剤が用いられるこ
とにより、架橋反応が促進される。
【0010】好ましくは、熱可塑性ポリマーは水素添加
スチレン系熱可塑性エラストマーを含む。水素添加スチ
レン系熱可塑性エラストマーの配合により、熱可塑性エ
ラストマー組成物の耐オゾン性が向上する。
【0011】好ましくは、ゴムはEPDMをさらに含
む。EPDMの配合により、熱可塑性エラストマー組成
物の耐オゾン性が向上する。
【0012】このような熱可塑性エラストマー組成物
は、柔軟性等が要求される給紙ローラに好適である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面が参照されつつ、
本発明の実施形態が説明される。図1は、本発明の一実
施形態にかかる給紙ローラ1が軸芯2とともに示された
斜視図である。この給紙ローラ1は、紙送りローラ1に
軸芯2が圧入されることにより、又は両者が接着剤で接
合されることにより、軸芯2に固定されている。
【0014】給紙ローラ1は、熱可塑性エラストマー組
成物から構成されている。この熱可塑性エラストマー組
成物は動的架橋によって得られたものであり、熱可塑性
ポリマーのマトリックス中に架橋ゴム粒子が分散したも
のである。従って、この熱可塑性エラストマー組成物
は、熱可塑性ポリマーの特性とゴムの特性とを併せ持
つ。熱可塑性エラストマー組成物は加熱によって溶融す
るので、使用後に原料ポリマーとしての再利用が可能で
ある。
【0015】熱可塑性ポリマーは、TPEEが主成分と
されている。TPEEは、ハード成分としての結晶性芳
香族ポリエステル(例えばポリブチレンテレフタレー
ト)成分と、ソフト成分としての非結晶性脂肪族ポリエ
ステルコポリマー(例えばポリカプロラクトン)成分又
は脂肪族ポリエーテルコポリマー(例えばポリテトラメ
チレンエーテルグリコール)成分とからなる。TPEE
は極性ポリマーであるので、これが用いられることによ
り、熱可塑性エラストマー組成物が極性を備える。TP
EEは種々のグレードのものが上市されているが、なか
でもそれ単体でのショアD硬度が30以下のものが、熱
可塑性エラストマー組成物の低硬度達成の観点からは好
ましい。
【0016】熱可塑性エラストマー組成物のマトリック
スには、耐オゾン性向上等の目的で、水素添加スチレン
系熱可塑性エラストマーが配合されてもよい。水素添加
スチレン系熱可塑性エラストマーは、ハード成分として
のポリスチレン末端ブロックとソフト成分としてのゴム
中間ブロックとからなるブロック共重合体を主成分とし
ているもので、中間ブロックが水素添加されているもの
である。水素添加により二重結合が消滅しているので、
動的架橋時に樹脂架橋剤によって架橋させてしまうこと
がなく、化学的に安定である。水素添加スチレン系熱可
塑性エラストマーの具体例としては、スチレン−エチレ
ン/プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチ
レン−エチレン/ブチレン−スチレン共重合体(SEB
S)等が挙げられる。
【0017】また、熱可塑性エラストマー組成物のマト
リックスには、柔軟性向上等の目的で、塩素化ポリエチ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂
が配合されてもよい。但し、ハロゲン含有量抑制の観点
から、塩素化ポリエチレンの配合量は必要最小限にとど
められる。
【0018】他の熱可塑性ポリマー(水素添加スチレン
系熱可塑性エラストマー、熱可塑性樹脂等)がTPEE
と併用される場合、両者の重量比は75/25以下が好
ましく、50/50以下が特に好ましい。重量比が上記
範囲を超えると、他の熱可塑性ポリマーの性能が大きく
影響し、TPEEの特徴である極性等が劣ってしまうこ
とがある。
【0019】給紙ローラ1の熱可塑性エラストマー組成
物には前述のように架橋ゴム粒子が分散しており、この
ゴムはNBRを主成分としている。NBRは極性ポリマ
ーであるので、これが用いられることにより、熱可塑性
エラストマー組成物が極性を備える。
【0020】用いられるNBRとしては、アクリロニト
リル量が15重量%から55重量%程度のもので数平均
分子量が8万から20万程度の、固形NBRが好適であ
る。また、この固形NBRとともに、数平均分子量が3
000から1万程度の液状NBRが用いられてもよい。
液状NBRが配合されることにより、熱可塑性エラスト
マー組成物の柔軟性が向上する。液状NBRは分子量が
小さいことを除いては固形NBRと同等のゴムであるの
で、これが配合されても熱可塑性エラストマー組成物の
他の特性に大きな悪影響を与えることがない。
【0021】液状NBRが固形NBRとともに用いられ
る場合、両者の重量比は50/50以下が好ましく、3
5/65以下が特に好ましい。重量比が上記範囲を超え
ると、熱可塑性エラストマー組成物の強度が低下してし
まうことがある。
【0022】また、通常のNBRとともに、水素添加N
BR、部分架橋NBR、カルボキシル基含有NBR、イ
ソプレン共重合NBR、老化防止剤共重合NBR等が併
用されてもよい。
【0023】ゴムとして、NBRとともにEPDMが併
用されてもよい。EPDMは、主鎖が化学的に安定な飽
和炭化水素からできているので主鎖切断による劣化が生
じにくい。従って、熱可塑性エラストマー組成物の耐候
性、耐オゾン性が向上する。用いられるEPDMとして
は、そのヨウ素価が12以上36以下であるエチリデン
ノルボルネン系EPDMが好ましい。このエチリデンノ
ルボルネン系EPDMは、容易にNBRとの共架橋反応
を起こす。従って、熱可塑性ポリマー中へのゴム粒子の
分散が均一となる。
【0024】EPDMがNBRと併用される場合、両者
の重量比は50/50以下が好ましく、25/75以下
が特に好ましい。重量比が上記範囲を超えると、熱可塑
性エラストマー組成物の極性が低下してしまうことがあ
る。
【0025】この熱可塑性エラストマー組成物には、N
BRの特性を損なわない範囲で、加工性向上、強度向
上、コスト低減等の目的で、EPDM以外にも、他のゴ
ムが配合されてもよい。配合され得るゴムとしては、例
えば天然ゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、イソプレ
ンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、
アクリルゴム等が挙げられる。NBRと他のゴムとが併
用される場合、全ゴム分に占めるNBRの比率は60重
量%以上が好ましく、80重量%以上が特に好ましい。
【0026】この熱可塑性エラストマー組成物では、熱
可塑性ポリマーとゴムとの重量比は15/85以上50
/50以下であり、特に20/80以上40/60以下
が好ましい。重量比が上記範囲未満であると、熱可塑性
エラストマー組成物の可塑化が困難となってしまうこと
がある。配合比が上記範囲を超えると、熱可塑性エラス
トマー組成物の柔軟性が損なわれてしまうことがある。
【0027】この熱可塑性エラストマー組成物では、ゴ
ム粒子は樹脂架橋剤によって架橋されている。これによ
り、架橋剤として硫黄等が用いられた場合に比べて、得
られる成形体の強度が高められる。樹脂架橋剤の具体例
としては、フェノール、アルキルフェノール、クレゾー
ル、キシレノール、レゾルシン等のフェノール類と、ホ
ルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール等の
アルデヒド類との反応により合成された各種フェノール
樹脂が挙げられる。特に、ベンゼンのオルト位又はパラ
位にアルキル基が結合したアルキルフェノールとホルム
アルデヒドとの反応によって得られるアルキルフェノー
ル・ホルムアルデヒド樹脂、このアルキルフェノール・
ホルムアルデヒド樹脂のハロゲン付加物又はスルホン化
物が、反応性に富んで架橋開始時間を短くするので好ま
しい。
【0028】樹脂架橋剤の配合量は、ゴム100重量部
に対して1重量部以上20重量部以下であり、特に5重
量部以上15重量部以下が好ましい。配合量が上記範囲
未満であると、架橋不足によって熱可塑性エラストマー
組成物の永久伸び及び圧縮永久歪みが大きくなってしま
うことがある。配合量が上記範囲を超えると、過剰架橋
によって熱可塑性エラストマー組成物の硬度が高くな
り、柔軟性が損なわれてしまうことがある。
【0029】動的架橋は、架橋活性剤の存在下に行われ
る。架橋活性剤により、架橋反応が促進される。好適な
架橋活性剤としては、酸化亜鉛、炭酸亜鉛又はハロゲン
化金属が挙げられ、これらは単独で用いられてもよく、
また、2種以上が併用されてもよい。また、アルキルベ
ンゼンスルホン酸又はその塩も、架橋活性剤として好適
である。但し、架橋阻害防止のためには、アルキルベン
ゼンスルホン酸及びその塩は、酸化亜鉛、炭酸亜鉛及び
ハロゲン化金属とは併用されない方が好ましい。
【0030】架橋活性剤の配合量は、ゴム100重量部
に対して0.1重量部以上15重量部以下であり、特に
0.1重量部以上1重量部以下が好ましい。配合量が上
記範囲未満であると、架橋不足によって熱可塑性エラス
トマー組成物の永久伸び及び圧縮永久歪みが大きくなっ
てしまうことがある。配合量が上記範囲を超えると、過
剰架橋によって熱可塑性エラストマー組成物の硬度が高
くなり、柔軟性が損なわれてしまうことがある。
【0031】この熱可塑性エラストマー組成物には、可
塑剤が配合されてもよい。可塑剤の配合によって、熱可
塑性エラストマー組成物がより低硬度となり、柔軟性が
向上する。特に、液状NBRが用いられていない熱可塑
性エラストマー組成物では、可塑剤の配合が必須であ
る。好適な可塑剤としては、ジオクチルフタレート、ジ
ブチルフタレート、ジオクチルセパケート、ジオクチル
アジペート等が挙げられる。可塑剤の配合量は、熱可塑
性ポリマーとゴムとの合計量100重量部に対して1重
量部以上100重量部以下であり、特に20重量部以上
40重量部以下が好ましい。配合量が上記範囲未満であ
ると、熱可塑性エラストマー組成物の硬度が大きくな
り、柔軟性が損なわれてしまうことがある。配合量が上
記範囲を超えると、熱可塑性エラストマー組成物の強度
が低下して、例えば射出成形で得られた成形品の脱型時
にゲート切れが発生してしまうことがある。可塑剤は、
熱可塑性ポリマー又はゴムにあらかじめ練り込まれても
よく、熱可塑性ポリマーとゴムとが動的架橋された組成
物中に練り込まれてもよい。
【0032】この熱可塑性エラストマー組成物には、充
填剤、劣化防止剤、着色剤、増量剤等の添加剤が、必要
に応じ適量配合されてもよい。
【0033】
【実施例】以下、実施例によって本発明の効果が明らか
にされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定
的に解釈されるべきではないことはもちろんである。
【0034】[実施例1]10リッターニーダーに、固
形NBR(日本ゼオン社の商品名「NIPOL103
2」)66.7重量部及び可塑剤としてのジオクチルフ
タレート(三建化工社製)33.3重量部を投入し、混
練した。このゴム組成物を、二軸一軸押出機(モリヤマ
社の商品名「2TR−75」)に投入し、直径約4mm
で長さが約4mmのペレットとした。このペレットと、
TPEE(東洋紡社の商品名「ペルプレンP−30
B」)33.3重量部と、酸化亜鉛(三井金属鉱業社
製)3.3重量部(ゴム100重量部に対して4.9重
量部)とをタンブラーにて混合した。得られた混合物
を、二軸押出機(アイペック社の商品名「HTM3
8」)に連続投入した。同時に、樹脂架橋剤として、約
3重量%臭素が付加されたアルキルフェノール・ホルム
アルデヒド樹脂(田岡化学社の商品名「タッキロール2
50−3」)8.0重量部(ゴム100重量部に対して
12.0重量部)も、別の投入口から連続投入した。そ
して、直径約4mmのストランドに押し出し、冷却後長
さ約4mmに裁断して、ペレット状である実施例1の熱
可塑性エラストマー組成物を得た。
【0035】[実施例2、実施例3、比較例3及び比較
例4]樹脂架橋剤の配合量を下記の表1に示されるよう
に変量させた他は実施例1と同様にして、実施例2、実
施例3、比較例3及び比較例4の熱可塑性エラストマー
組成物を得た。
【0036】[比較例1]TPEEに代えてポリエチレ
ン(住友化学社の商品名「スミカセンα GZ80
2」)33重量部を配合した他は実施例1と同様にし
て、比較例1の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0037】[比較例2]樹脂架橋剤に代えて、硫黄
(鶴見化学社の粉末硫黄)1.3重量部及び加硫促進剤
(大内新興化学社の商品名「ノクセラーCZ」及び商品
名「ノクセラーTET」)1.3重量部を配合した他は
実施例1と同様にして、比較例2の熱可塑性エラストマ
ー組成物を得た。
【0038】[実施例4及び比較例5]可塑剤の配合量
を下記の表1に示されるように変量させた他は実施例1
と同様にして、実施例4及び比較例5の熱可塑性エラス
トマー組成物を得た。
【0039】[実施例5]固形NBRの配合量を50.
0重量部とし、TPEEの配合量を25.0重量部と
し、酸化亜鉛の配合量を2.5重量部(ゴム100重量
部に対して3.3重量部)とし、樹脂架橋剤の配合量を
6.0重量部(ゴム100重量部に対して8.0重量
部)とし、可塑剤を配合せず、さらに液状NBR(日本
ゼオン社の商品名「NIPOL DN1312」)2
5.0重量部を配合した他は実施例1と同様にして、実
施例5の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0040】[実施例6]固形NBRの配合量を50.
0重量部とし、さらにEPDM(住友化学社の商品名
「エスプレン586」)16.7重量部を配合した他は
実施例1と同様にして、実施例6の熱可塑性エラストマ
ー組成物を得た。
【0041】[実施例7及び実施例8]TPEEの配合
量を25.0重量部とし、さらにポリエチレン(前述の
「スミカセンα GZ802」)8.3重量部を配合し
た他は実施例1と同様にして、実施例7の熱可塑性エラ
ストマー組成物を得た。また、TPEEの配合量を2
5.0重量部とし、さらにSEPS(クラレ社の商品名
「セプトン2063」)8.3重量部を配合した他は実
施例1と同様にして、実施例8の熱可塑性エラストマー
組成物を得た。
【0042】[実施例9、実施例10、比較例6及び比
較例7]各配合剤の配合量を下記の表2に示されるよう
に変量させ、さらに下記の表2に示されるように液状N
BR(前述の「NIPOL DN1312」)を配合し
た他は実施例1と同様にして、実施例9、実施例10、
比較例6及び比較例7の熱可塑性エラストマー組成物を
得た。
【0043】[実施例11、実施例12、比較例8及び
比較例9]酸化亜鉛の配合量を下記の表2に示されるよ
うに変量させた他は実施例1と同様にして、実施例1
1、実施例12、比較例8及び比較例9の熱可塑性エラ
ストマー組成物を得た。
【0044】[硬度の測定]こうして得られた熱可塑性
エラストマー組成物を射出成形機(住友重工業社の商品
名「SG−25」)に投入し、射出成形を施して、幅が
30mmで、長さが125mmで、厚みが2mmである
板状試験片を得た。そして、この板状試験片を用い、J
IS−K6253のスプリング式硬さ試験に準拠して、
硬度Hsを測定した。硬度計は、デュロメーターA型を
用いた。この結果が、下記の表1及び表2に示されてい
る。
【0045】[永久伸びの測定]上記硬度の測定で用い
た板状試験片を用い、JIS−K6262に準拠して、
100%伸張時の永久伸びPSを測定した。この結果
が、下記の表1及び表2に示されている。
【0046】[圧縮永久歪みの測定]上記射出成形機に
て、直径が29mmで高さが12.7mmである円柱状
試験片を射出成形した。そして、この円柱状試験片を用
い、JIS−K6262に準拠して、温度70℃で22
時間25%圧縮させたときの永久歪みCsを測定した。
この結果が、下記の表1及び表2に示されている。
【0047】[ゲート切れの観察]上記射出成形におけ
る脱型時のゲート切れの有無について、目視で判定し
た。ゲート切れがないものを「○」とし、あるものを
「×」とした。この結果が、下記の表1及び表2に示さ
れている。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】表1及び表2における硬度Hsは45以下
が給紙ローラとしての適正値であり、永久伸びPSは1
0%以下が給紙ローラとしての適正値であり、永久歪み
Csは20%以下が給紙ローラとしての適正値である。
表1及び表2において、各実施例の熱可塑性エラストマ
ー組成物は、全ての評価項目において良好な結果を示し
ている。これらの評価より、本発明の優位性が確認され
た。
【0051】以上、給紙ローラに用いられる場合が一例
とされて本発明の熱可塑性エラストマー組成物が詳説さ
れたが、優れた特性を備えた本発明の熱可塑性エラスト
マー組成物は、給紙ローラのみならず、例えばガス管の
内層、シール部材(パッキン)等の種々の用途に用いら
れ得る。
【0052】
【発明の効果】以上説明されたように、本発明の熱可塑
性エラストマー組成物は、柔軟でかつ極性を有していな
がら、熱によって溶融する。この熱可塑性エラストマー
組成物が例えば給紙ローラに用いられると画像形成の阻
害が抑制され、また給紙ローラの再利用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態にかかる給紙ロー
ラが軸芯とともに示された斜視図である。
【符号の説明】
1 給紙ローラ 2 軸芯

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリマー、ゴム及び可塑剤を含
    んでおり、このゴムが架橋活性剤の存在下、樹脂架橋剤
    によって動的架橋されてなる熱可塑性エラストマー組成
    物であって、 この熱可塑性ポリマーが熱可塑性ポリエステルエラスト
    マーを主成分としており、 ゴムがアクリロニトリル−ブタジエン共重合体を主成分
    としており、 熱可塑性ポリマーとゴムとの重量比が15/85以上5
    0/50以下であり、 可塑剤の配合量が熱可塑性ポリマーとゴムとの合計量1
    00重量部に対して1重量部以上100重量部以下であ
    り、 樹脂架橋剤の配合量がゴム100重量部に対して1重量
    部以上20重量部以下であり、 架橋活性剤の配合量がゴム100重量部に対して0.1
    重量部以上15重量部以下であることを特徴とする熱可
    塑性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性ポリマー及びゴムを含んでお
    り、このゴムが架橋活性剤の存在下、樹脂架橋剤によっ
    て動的架橋されてなる熱可塑性エラストマー組成物であ
    って、 この熱可塑性ポリマーが熱可塑性ポリエステルエラスト
    マーを主成分としており、 ゴムがアクリロニトリル−ブタジエン共重合体を主成分
    としており、 熱可塑性ポリマーとゴムとの重量比が15/85以上5
    0/50以下であり、 アクリロニトリル−ブタジエン共重合体として、固形ア
    クリロニトリル−ブタジエン共重合体とともに液状アク
    リロニトリル−ブタジエン共重合体が用いられており、 樹脂架橋剤の配合量がゴム100重量部に対して1重量
    部以上20重量部以下であり、 架橋活性剤の配合量がゴム100重量部に対して0.1
    重量部以上15重量部以下であることを特徴とする熱可
    塑性エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】 上記架橋活性剤が、酸化亜鉛、炭酸亜鉛
    又はハロゲン化金属である請求項1又は請求項2に記載
    の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 【請求項4】 上記架橋活性剤が、アルキルベンゼンス
    ルホン酸又はその塩である請求項1又は請求項2に記載
    の熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 【請求項5】 上記熱可塑性ポリマーが、水素添加スチ
    レン系熱可塑性エラストマーをさらに含む請求項1から
    請求項4のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー
    組成物。
  6. 【請求項6】 上記ゴムがエチレン−プロピレン−ジエ
    ン共重合体をさらに含む請求項1から請求項5のいずれ
    か1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6のいずれか1項に
    記載の熱可塑性エラストマー組成物から成形された給紙
    ローラ。
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