JP3527467B2 - 熱可塑性エラストマー組成物およびそれを用いたゴムローラ - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物およびそれを用いたゴムローラ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動的架橋ゴムが分
散された熱可塑性エラストマー組成物および該組成物か
ら形成されたゴムローラに関し、特に、記録液との相性
の良さが求められるインクジェットプリンター用紙送り
ローラに好適に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタ、レーザプリン
タ、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、自動預金
支払機(ATM)等における紙送り機構にはゴムローラ
が使用されている。このゴムローラは紙やフィルム等の
搬送物をピックアップし分離しながら紙送りをする必要
があることから、優れた柔軟性と高い耐磨耗性が要求さ
れる。
【0003】紙送りローラの中で、インクジェットプリ
ンタにおいて使用される給紙用のゴムローラでは、記録
液(水性インク)との良好な親和性(相性)を有してい
ることが要求されている。これは、インクジェット用記
録液には、水や多価アルコール等の極性成分が多く含ま
れており、該記録液(極性)との親和性が悪いと、紙送
り時にゴムローラに接触した部分への記録液ののりが悪
くなり、ローラ痕が残るという不都合が発生するためで
ある。
【0004】この種のゴムローラとして、本出願人は先
に特願平11−372619号において、ゴム成分に対
して、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとオレ
フィン系樹脂を混合し、上記ゴム成分を樹脂架橋剤で動
的架橋して、上記水素添加スチレン系熱可塑性エラスト
マーとオレフィン系樹脂中にゴムを分散させた熱可塑性
エラストマー組成物からなるゴムローラを提供してい
る。
【0005】上記熱可塑性エラストマー組成物では、樹
脂架橋剤としてハロゲン付加量を0.25〜1.5重量
%と規定し、あるいは、ハロゲン付加の樹脂架橋剤と非
ハロゲン付加の樹脂架橋剤を併用することにより動的架
橋速度を制御し、ゴムと樹脂の混合がある程度進んだ段
階でゴム成分の架橋が完了するようにしている。該方法
により、成形性とゴムの分散性を確保し、かつ樹脂に対
するゴム成分の増加を可能としている。上記のように、
ゴムの分散性を上げることで、成形したゴムローラの耐
久性を損なうことなく柔軟性を上げ、給紙時における搬
送性のアップを実現し、かつ、耐摩耗性も向上させてい
る。また、ゴム成分を増加させることで給紙時の搬送力
の更なるアップと、耐久性、摩耗粉体の発生の減少を実
現させている。
【0006】上記と同様に、2種以上の熱可塑性エラス
トマー中にゴムを動的架橋させたものとして、特許第2
837741号では、エチレンーα・オレフィン共重合
体ゴムと、結晶エチレン−プロピレンブロック共重合体
樹脂と、数平均分子量が2000から20000の低分
子量プロピレン単独重合樹脂と、鉱物油系軟化剤とから
なり、樹脂架橋剤を用いて動的架橋した熱可塑性エラス
トマー組成物が提供されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た本出願人の先願では、ゴムの分散性を上げるために架
橋速度が遅くなるように制御しているため、架橋密度が
低くなる。そのため、機械的物性が低下し、特に、耐久
性が悪化して、給紙ローラとして用いた場合に、通紙性
能が低下する問題がある。また、ゴム成分の増加にも限
界があるため、摩耗粉体の発生を大幅に減少できず、か
つ、耐久性向上も十分に図れない問題がある。上記問題
を解消するために、架橋速度を速めて架橋速度を密にす
ると、ゴム成分の分散性が悪化し、柔軟性が低下する問
題がある。一方、後記した特許第2837741号に開
示の熱可塑性エラストマー組成物では、低分子量分とし
てポリプロピレンを用いており、ポリプロピレンは、エ
ラストマーではないので、機械的物性(特に、柔軟性)
を低下させる問題がある。
【0008】また、上記いずれの熱可塑性エラストマー
組成物においても、オレフィン系樹脂等の非極性材料を
用いているが、水性インク(極性)等の記録液との相性
については考慮されていない。よって、ゴムローラをイ
ンクジェクトプリンタ用紙送りローラとして用いて、ス
ーパーファイン光沢紙、フォトプリント紙、カラーOH
P用紙等に印刷した際、紙送り時にローラが接触した部
分への記録液ののりが悪くなって、その部分にローラ痕
が残り画像を乱してしまう場合がある。そのため、熱可
塑性エラストマー組成物からなるゴムローラが水溶性記
録液(極性)と良好な親和性を有するようにすることが
要望されている。
【0009】本発明は上記課題に鑑みてなされたもの
で、インクジェットプリンタ等において給紙ローラとし
て用いられ、記録液、特に極性の水性インクとの親和性
がよく、用紙に記録液で印刷された時に、印刷部分にロ
ーラ痕が残ることがないゴムローラを提供することを第
1の課題としている。また、柔軟性と耐磨耗性、耐久性
及び成形性において優れ、上記ゴムローラの形成材料と
して優れた熱可塑性エラストマー組成物を提供すること
を第2の課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、数平均分子量が8万以上である高分子量
スチレン系熱可塑性エラストマーを含む熱可塑性エラス
トマー組成物(A)と、極性末端変性熱可塑性エラスト
マー及び/又は極性―非極性のグラフトポリマーからな
る組成物(B)と、EPDMを主成分とするゴムコンパ
ウンド(C)とが混合され、上記混合物中のゴムが動的
架橋されて上記熱可塑性エラストマー中に分散されてい
ることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物を提供
している。
【0011】このように、本発明では、極性末端変性熱
可塑性エラストマー及び/又は極性―非極性のグラフト
ポリマーからなる組成物(B)を含んでいるため、該エ
ラストマー組成物からなるゴムローラをインクジェット
プリンタ用の給紙ローラとして用いた場合、記録液、特
に、極性の水性インクとの親和性が改善され、ローラ痕
が残ることなく、良好な画像を得ることができる。極性
部分と非極性部分があるために、水性インク(極性)と
オレフィン樹脂、EPDM等の材料(非極性)の両者と
の親和性が良くなる。また、極性末端変性としては、水
酸基に変性したものが好ましいが、材料の骨格となって
いるオレフィン系樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマ
ー、EPDM等との相溶に問題がなければ、その他の極
性基でもよい。
【0012】また、上記熱可塑性エラストマー組成物
(A)中に数平均分子量が7万以下である末端未変性の
低分子量スチレン系熱可塑性エラストマーを含み、上記
ゴムコンパウンド(C)中にゴム100重量%に対して
600重量%以下のオイルを含み、さらに、上記(A)
(B)(C)からなる混合物に、上記ゴムコンパウンド
(C)のゴム100重量%に対して50重量%以下のオ
レフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物(D)と、上
記ゴムコンパウンド(C)のゴム100重量%に対して
500重量%以下の軟化剤(E)と、樹脂架橋剤(F)
とを含んでいてもよい。
【0013】特に、上記のように、末端変性、末端未変
性に関わらず、数平均分子量7万以下、さらに好ましく
は6万以下の低分子量のスチレン系熱可塑性エラストマ
ーを含むことにより、ゴムを熱可塑性エラストマー中に
動的架橋で分散させることによって、高分子量の熱可塑
性エラストマーのみを用いていた場合に発生していたゴ
ム成分の分散性の悪化を防ぎ、ゴムの架橋速度を速めて
もゴムの分散性を良好として、加工性を大幅に改善して
いる。
【0014】上記(A)中の高分子量のスチレン系熱可
塑性エラストマーの数平均分子量が8万以上であるのは
機械的物性(耐摩耗性、耐久性)の理由からであり、好
ましくは15万以上、より好ましくは25万以上であ
る。一方、(A)中に含む末端未変性の低分子量の熱可
塑性エラストマーの数平均分子量が7万以下、好ましく
は1万以上6万以下であるのは、成形性、加工性を改善
し、ゴムの分散性を向上させるからである。両者を使用
する場合、好ましい組合せは当業者が適宜選択すること
ができるが、例えば、分子量が8万以上のスチレン−エ
チレン−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体(S
EEPS)と分子量が7万以下のスチレン−エチレン/
プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)又はSEE
PSは特に好ましい。その他、スチレン−エチレン−ス
チレン共重合体(SES)、SEPS、SEEPS、ス
チレン−エチレン/ブチレン−スチレン共重合体(SE
BS)等から適宜選択される組合せも使用できる。
【0015】上記高分子量スチレン系熱可塑性エラスト
マー、上記末端未変性の低分子量熱可塑性エラストマ
ー、及び上記極性末端変性熱可塑性エラストマーとして
は、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーが好適に
用いられる。
【0016】水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー
は水素添加により二重結合が飽和されており、低硬度で
摩擦係数が大きい。二重結合が無くなっているために、
動的架橋に際して架橋剤と反応して架橋されることがな
いのでゴムの架橋を阻害せず、動的架橋後のエラストマ
ー組成物が所期の可塑性を発現する。従って、本発明に
は動的架橋に際して架橋されない程度に水素添加されて
いるスチレン系熱可塑性エラストマーを用いるのが好ま
しい。上記水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーと
しては、例えばスチレン−エチレン−スチレン共重合体
(SES)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレ
ン共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレ
ン/プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)、ス
チレン−エチレン/ブチレン−スチレン共重合体(SE
BS)等が挙げられる。
【0017】上記(B)中の極性末端変性熱可塑性エラ
ストマーとは、例えば、水酸基末端変性低分子量SEE
PS等がある。また上記(B)中の極性―非極性のグラ
フトポリマーとは、例えば、ポリエチレングリコールグ
ラフトポリエチレン等がある。上記(B)中の極性末端
変性熱可塑性エラストマーを含むことにより、水酸基末
端の影響で、極性記録液との親和性がよくなっている。
また、極性―非極性のグラフトポリマーを含むことによ
って、極性部分が導入され、インクジェット用記録液
(極性)との親和性が改善されている。
【0018】上記軟化剤としてはオイル、可塑剤が挙げ
られる。オイルとしては、例えばパラフィン系、ナフテ
ン系、芳香族系等の鉱物油や炭化水素系オリゴマーから
なるそれ自体公知の合成油、またはプロセスオイルを用
いることができる。合成油としては、例えば、α−オレ
フィンとのオリゴマー、ブテンのオリゴマー、エチレン
とα−オレフィンとの非晶質オリゴマーが好ましい。可
塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート(DO
P)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルセパ
ケート(DOS)、ジオクチルアジペート(DOA)等
を非極性ゴム等との相溶性が悪化し、ローラ痕が残るこ
とが起こらない範囲で用いることができる。
【0019】軟化剤がオイルである場合、ゴム100重
量%に対して600重量%以下を添加しており、好まし
くは、25〜400重量%である。オイルを600重量
%以下としているのは、600重量%を超えると、動的
架橋物の表面からオイルがブリードしてきたり、あるい
はオイルが架橋阻害を起こして、ゴム分が十分に架橋さ
れず、物性が低下するという問題があることに因る。
軟化剤が可塑剤である場合、15〜400重量%、好ま
しくは、25〜200重量%を添加している。
【0020】上記オレフィン系樹脂を主成分とする樹脂
混合物(D)を混合すると、耐摩耗性を向上できるので
好ましい。このオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂混
合物(D)中のオレフィン系樹脂としては、市販のオレ
フィン系樹脂であれば使用でき、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレンエチルアクリレート樹脂、エチレン
ビニルアセテート樹脂、エチレンメタクリル酸樹脂、ア
イオノマー樹脂等が挙げられる。樹脂混合物(D)は、
さらにポリエステル系樹脂、塩素化ポリエチレン等を含
有していても良い。
【0021】ゴム(軟化剤を除く)100重量%に対し
て、オレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物(D)
を50重量%以下含有させると、耐摩耗性を向上できる
理由より好ましい。より、好ましくは2重量%以上40
重量%以下、さらに好ましくは4重量%以上35重量%
以下である。
【0022】上記(C)のEPDM(エチレン−プロピ
レン−ジエンゴム)を主成分とするゴムコンパウンド中
のEPDM以外のゴム成分としては、ジエン系ゴムが好
ましく、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、
スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム
(IR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NB
R)等のジエン系ゴムが良好に用いられる。ジエン系ゴ
ムは熱可塑性樹脂と組み合わせることにより、ジエン系
ゴムを架橋するが熱可塑性樹脂は架橋しない架橋剤を使
用することが可能となるためである。
【0023】本発明においては、ゴムコンパウンドをE
PDMを100%とすることが最も好ましい。EPDM
は主鎖が飽和炭化水素からなり、主鎖に二重結合を含ま
ないため、高濃度オゾン雰囲気、光線照射等の環境下に
長時間曝されても、分子主鎖切断が起こりにくい。従っ
て、最終製品、例えばローラの耐候性を高めることがで
きる。EPDMには、ゴム成分のみからなる非油展タイ
プのEPDMとゴム成分とともに親展油を含む油展タイ
プのEPDMとが存在するが、本発明では油展タイプの
ものを使用することが好ましい。
【0024】またEPDMに、ブチルゴム、BR,イソ
プレンゴム、SBR、クロロプロピレンゴム(CR)、
NR、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリルゴ
ム、エチレンプロピレンゴム(EPR)から選択される
1種または2種以上をブレンドしても良い。EPDMと
他のゴムとをブレンドする場合、全ゴムに占めるEPD
Mの比率は、50重量%以上、さらに、80重量%以上
が好ましい。
【0025】上記(A)中のスチレン系熱可塑性エラス
トマー:(B)の重量比が、95:5〜1:99の範囲
としている。上記重量比が95:5の外へはずれると、
ローラ痕の改善効果が得られない。また、1:99の外
へはずれるとローラの機械的強度が低下し、摩耗粉体の
発生等が生じる恐れがある。なお、上記重量比は、好ま
しくは90:10〜5:95、より好ましくは80:2
0〜15:85としている。なお、最適な比率は、使用
目的、用いる他の成分との関係で、適宜選択することが
できる。
【0026】上記(B)中の極性―非極性のグラフトポ
リマーは、上記混合物(軟化剤、架橋剤、充填剤、加工
助剤、亜鉛華等を除く)中の全ポリマー重量に対して、
3重量%以上15重量%以下の範囲としている。極性―
非極性のグラフトポリマーが、上記全ポリマー重量に対
して、3重量%より少ないと、極性が不足し、ローラ痕
の発生が抑えられないという問題があり、15重量%よ
り多いと、熱可塑性エラストマー組成物全体がもろくな
り、ローラとして不適であるという問題がある。ここで
いうポリマーとは、EPDM、SEEPS、SEPS、
極性―非極性のグラフトポリマー、PP等を指す。
【0027】動的架橋剤としては、樹脂架橋剤が好適に
用いられる。樹脂架橋剤は加熱等によってゴムに架橋反
応を起させる合成樹脂であり、硫黄と加硫促進剤とを併
用した場合に生ずるブルームの問題が起らないので好ま
しい。特に、樹脂架橋剤としてフェノール樹脂を用いる
と給紙性能を高めることができる。
【0028】その他の樹脂架橋剤としては、メラミン・
ホルムアルデヒド樹脂、トリアジン・ホルムアルデヒド
縮合物、ヘキサメトキシメチル・メラミン樹脂等が挙げ
られ、特に上記フェノール樹脂が好適である。フェノー
ル樹脂の具体例としては、フェノール、アルキルフェノ
ール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン等のフェ
ノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フ
ルフラール等のアルデヒド類との反応により合成される
各種フェノール樹脂が挙げられる。特に、ベンゼンのオ
ルト位又はパラ位にアルキル基が結合したアルキルフェ
ノールと、ホルムアルデヒドとの反応によって得られる
アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂が、ゴムと
の相溶性に優れるとともに、反応性に富んでいて架橋反
応開始時間を比較的早くできるので好ましい。アルキル
フェノール・ホルムアルデヒド樹脂のアルキル基は、通
常、炭素数が1から10のアルキル基であり、具体的に
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙
げられる。また、硫化−p−第三ブチルフェノールとア
ルデヒド類とを付加縮合させた変性アルキルフェノール
樹脂や、アルキルフェノール・スルフィド樹脂も樹脂架
橋剤として使用可能である。樹脂架橋剤の配合量は、ゴ
ム100重量%に対して1重量%以上50重量%以下が
好ましく、8重量%以上15重量%以下が特に好まし
い。
【0029】本発明における動的架橋は、塩素、臭素、
フッ素、ヨウ素等のハロゲンの存在下に行ってもよい。
動的架橋時にハロゲンを存在させるには、ハロゲン化さ
れた樹脂架橋剤を用いるか、エラストマー組成物中にハ
ロゲン供与性物質を配合してもよい。ハロゲン化された
樹脂架橋剤としては、上記の各付加縮合型樹脂がハロゲ
ン化されたものが挙げられる。なかでも、フェノール樹
脂のアルデヒドユニットに少なくとも一個のハロゲン原
子が結合したハロゲン化フェノール樹脂、特にはハロゲ
ン化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂が、ゴム
との相溶性に優れるとともに、反応性に富んでいて架橋
反応開始時間を比較的早くできるので好ましい。
【0030】またハロゲン供与性物質としては、塩化第
二スズ等の塩化スズ、塩化第二鉄、塩化第二銅等が挙げ
られる。ハロゲン化樹脂としては、例えば塩素化ポリエ
チレン等が挙げられる。これらのハロゲン供与性物質は
単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよ
い。
【0031】架橋反応を適切に行うために架橋活性剤を
用いてもよい。架橋活性剤としては金属酸化物が使用さ
れ、特に酸化亜鉛、炭酸亜鉛が好ましい。
【0032】本発明の熱可塑性エラストマー組成物に
は、機械的強度を向上させるために、必要に応じて充填
剤を配合することができる。充填剤としては、例えば、
シリカ、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カル
シウム、酸化チタン等の粉体を挙げることができる。充
填剤を配合する場合、充填剤はゴム100重量%に対し
て、30重量%以下とするのが好ましい。充填剤の比率
が上記範囲を越えると、ゴムの柔軟性が低下してしまう
ことがあるからである。
【0033】また、熱可塑性エラストマー組成物には、
さらに老化防止剤、ワックス等を配合することができ
る。老化防止剤としては、例えば、2−メルカプトベン
ゾイミダゾールなどのイミダゾール類、フェニル−α−
ナフチルアミン,N,N´−ジ−6−ナフチル−p−フ
ェニレンジアミン、N−フェニル−N´−イソプロピル
−p−フェニレンジアミンなどのアミン類、ジ−t−ブ
チル−p−クレゾール、スチレン化フェノールなどのフ
ェノール類が挙げられる。
【0034】上記した本発明の熱可塑性エラストマー組
成物は耐久性、弾性、柔軟性を有し、かつ成形性に優れ
ている上に、極性記録液と良好な親和性を有しているの
で、広範囲に利用できる。とりわけ、上記の優れた特性
を活かして、薄い紙やフィルムをピックアップし分離し
ながら紙送りをする必要があるインクジェットプリン
タ、レーザプリンタ、静電式複写機、普通紙ファクシミ
リ装置、ATM等の給紙用ゴムローラとして好適であ
り、記録液、特に極性記録液と良好な親和性を有してい
るので高画質のインクジェットプリンタにおいても良好
に使用できる。
【0035】従って、本発明は、上記熱可塑性エラスト
マー組成物を含むポリマー組成物をローラ状に成形した
ことを特徴とするゴムローラを提供している。
【0036】本発明のゴムローラは、例えば以下の方法
により作製できる。熱可塑性エラストマー組成物を軟化
剤中膨潤させてから、オレフィン樹脂系ペレットを混合
して混練し、押し出してペレットにする。このペレット
とゴム、樹脂架橋剤、その他の配合剤を2軸押出機、オ
ープンロール、バンバリーミキサー、ニーダー等のゴム
混練装置に投入し、160℃〜220℃に加熱しなが
ら、1〜20分程度混練りして動的加硫を行った後、ゴ
ム混練装置より押し出す。この押し出したゴム組成物を
ペレットとし、インジェクション成形機(射出成形機)
に注入してチューブ状に成形することができる。この成
形品の表面を研磨した後、所要寸法にカットしてゴムロ
ーラとすることが可能である。なお、インジェクション
成形機のかわりに樹脂用単軸押出機によってチューブ状
に押し出し、それをカットすることによってゴムローラ
とすることもできる。押し出しによる場合、特に、本発
明の組成物は成形性に優れ、流れ性が良いことから、高
速で押し出し、カットすることにより、生産性を大きく
向上することができる。
【0037】上記ゴムローラの硬度はJIS6301の
A型硬度形で測定したときの硬度が一般に15〜45、
好ましくは20〜40の範囲としている。この範囲とす
ると、ゴムローラを比較的小さい圧接力で紙やフィルム
に押付けてもゴムローラが充分に変形し、紙やフィルム
との間に大きい接触面積を得ることができる。
【0038】ゴムローラは円筒状に成形した状態で、そ
の肉厚は0.5mm〜8mm、好ましくは1mm〜5m
mとしている。これは、ゴムローラの強度との兼ね合い
にもよるが、肉厚が小さすぎると、ゴムローラが変形し
ても紙との間に大きな接触面積が形成され難い。一方、
肉厚が大きすぎると、ローラを変形させるためにゴムロ
ーラの紙への圧接力を大きくしなければならず、ゴムロ
ーラを紙に圧接させるための機構が大型化するためであ
る。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
る。本発明の給紙用のゴムローラは下記の組成物からな
る熱可塑性エラストマーより円筒状のローラに成形し、
その中空部に軸心を圧入するか、あるいは両者を接着剤
で接合して固定している。
【0040】上記熱可塑性エラストマー組成物は、 (A)数平均分子量が8万以上である高分子量スチレン
系熱可塑性エラストマーと、必要に応じて、数平均分子
量が1万以上7万以下である末端未変性の低分子量スチ
レン系熱可塑性エラストマー (B)極性末端変性熱可塑性エラストマー及び/又は極
性―非極性のグラフトポリマーからなるポリマー (C)EPDM等のジエン系ゴムを主成分とするゴムコ
ンパウンド (D)オレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物 (E)軟化剤 (F)樹脂架橋剤(および架橋促進剤)が配合されたゴ
ム組成物からなり、上記ゴムを樹脂架橋剤により動的架
橋して、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーおよ
びオレフィン系樹脂の混合物にゴムを分散させている。
【0041】高分子量の水素添加スチレン系熱可塑性エ
ラストマー(A)には、SEEPSを用いると共に、低
分子量の水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとし
てはSEPSを用い、(B)中、極性末端変性熱可塑性
エラストマーとしては、片末端水酸機基変性SEEPS
を用い、極性―非極性のグラフトポリマーからなるポリ
マーとしては、ポリエチレンオキサイドグラフトポリエ
チレンを用い、オレフィン系樹脂(D)としてはポリプ
ロピレンを用い、ゴムコンパウンド(C)として、EP
DMを用い、樹脂架橋剤(F)としてはフェノール系樹
脂架橋剤を用い、架橋活性剤としては酸化亜鉛を用いて
いる。さらに、硬度調整等の目的で配合される軟化剤
(E)としては、パラフィンオイルを用いている。
【0042】(実施例)実施例1〜7および比較例1〜
5について、下記の表1及び表2に記載の配合からなる
熱可塑性エラストマー組成物を作製し、該生成物をロー
ラ状(円管状)に押し出し成形した後、カットして軸芯
にはめ込み、ゴムローラを製造した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】表中の数値は重量%である。また、略語T
PEは熱可塑性エラストマーを表す。使用した材料は下
記の通りである。 EPDM(ゴム):住友化学製 エスプレン670F
(パラフィンオイル(PW-380)100%油展) 高分子量水素添加スチレン系TPE: SEEPS (Mn=30万)、
クラレ製、セプトン4077 低分子量水素添加スチレン系TPE: SEPS (Mn=5.1万)、
クラレ製、セプトン2002 極性末端変性水素添加スチレン系TPE: 片末端水酸基変
性SEEPS(Mn=5.4万、Mw=6.0万) 、クラレ製、セプトン
HG252 極性―非極性のグラフトポリマー(極性―非極性グラフ
ト化合物):ポリエチレンオキサイドグラフトポリエチ
レン、住友化学製 スミガード300G オレフィン系樹脂:ポリプロピレン、日本ポリケム製、
ノバテックPP BC6 軟化剤1:パラフィンオイル(非極性オイル)、出光興
産製、ダイアナプロセスオイルPW-380 軟化剤2:マレイン酸変性パラフィンオイル(極性オイ
ル)、三井化学製、ルーカントA−6002 架橋活性剤:酸化亜鉛、三井金属鉱業社製、酸化亜鉛2
種 樹脂架橋剤1:田岡化学製タッキロール250-III 樹脂架橋剤2:田岡化学製タッキロール201
【0046】ゴムローラは以下のようにして作製した。
熱可塑性エラストマー組成物を軟化剤中で膨潤させてか
ら、これをオレフィン樹脂系ペレットと共に2軸押出
機、ニーダーまたはバンバリーミキサー等により160
℃〜220℃の温度で、1〜20分間混練して、熱可塑
性エラストマー組成物、オレフィン系樹脂、及び軟化剤
の混合物(コンパウンド)からなるペレットを作製し、
しかる後に、このペレットと、ゴム、樹脂架橋剤として
の反応性フェノール樹脂、架橋活性剤、亜鉛華、老化防
止剤、フィラー等の所要の添加剤を2軸押出機HTM3
8(アイベック(株)製)に投入し、160℃〜220
℃の温度で加熱しながら1〜20分間混練してゴムを動
的架橋した後、押し出した。次いで、この押し出した混
練ゴム組成物をペレット化し、該ペレットを押出成形機
によりチューブ状に成形した。その後、カットを行い、
外径30mm、内径25mm、幅15mmのゴムローラ
を作製した。
【0047】[実施例1乃至実施例7]実施例1乃至実施
例7はいずれも、下記の成分を表1に示す配合比にて混
合し、該混合物中のゴムを動的架橋させて均一に分散さ
せた。 (A)数平均分子量が8万以上である高分子量スチレン
系熱可塑性エラストマーと、必要に応じて、数平均分子
量が1万以上7万以下である末端未変性の低分子量スチ
レン系熱可塑性エラストマー、 (B)極性末端変性熱可塑性エラストマー及び/又は極
性―非極性のグラフトポリマーからなるポリマー、
(C)EPDM等のジエン系ゴムを主成分とするゴムコ
ンパウンド (D)オレフィン系樹脂、 (E)軟化剤 (F)樹脂架橋剤、架橋活性剤
【0048】[比較例1乃至比較例5]他方、比較例1乃
至比較例5は、表2に示すように、オレフィン系樹脂、
樹脂架橋剤、架橋活性剤以外の配合比をそれぞれ変更し
た。
【0049】(比較例1)高分子量水素添加スチレン系
TPEを添加し、軟化剤はパラフィンオイルを使用し
た。(B)成分および(A)の数平均分子量が1万以上
7万以下である低分子量スチレン系熱可塑性エラストマ
ーを末端変性品、未変性品ともに用いなかった。 (比較例2)極性末端変性水素添加スチレン系TPEを
添加し、軟化剤はパラフィンオイルを添加した。数平均
分子量8万以上の高分子量スチレン系TPEは添加しな
かった。 (比較例3)(A)の高分子量水素添加スチレン系TP
Eと、(B)の極性―非極性のグラフトポリマー(極性
−非極性グラフト化合物)、(E)の軟化剤としてパラ
フィンオイルを添加した。ただし、極性―非極性のグラ
フトポリマー(極性−非極性グラフト化合物)を規定の
範囲以上の17.5重量%とした。 (比較例4)油展ゴム(エスプレン670F)に含まれ
る以外の軟化剤にマレイン酸変性パラフィンオイル(極
性オイル)を使用した。(B)成分は添加しなかった。 (比較例5)(A)の高分子量水素添加スチレン系TP
Eと低分子量末端未変性水素添加スチレン系TPEを添
加し、油展ゴム(エスプレン670F)に含まれる以外
の軟化剤としてマレイン酸変性パラフィンオイル(極性
オイル)を添加した。(B)の成分は添加しなかった。
【0050】上記実施例1乃至実施例7、比較例1乃至
比較例5のゴムローラを、磨耗粉体の発生(耐久性試
験)及びローラ痕の有無に関して試験し評価した。評価
結果を上記した表1、表2に示す。
【0051】(耐久性試験)磨耗粉体の発生の有無を以
下の方法で試験した。実機(セイコーエプソン PM―
770C機にセット)に実施例及び比較例のゴムローラ
からなる給紙ローラを装着し、普通紙(富士ゼロックス
株式会社製 P紙(PPC用紙))をフィーダーにセッ
トし、無地の印字命令を繰り返し送って、5000枚通
紙した後、専用のインクジェット記録用紙(セイコーエ
プソン スーパーファイン専用光沢紙MJA4SP3)
を通紙して、これに付着している磨耗粉体の数をカウン
トした。そして2個の給紙ローラの平均値を算出した。
この磨耗粉体の平均値に基いて以下の4段階評価を行っ
た。
【0052】 ◎:非常に良好。磨耗粉体の数(平均)が2以下。 ○:良好。磨耗粉体の数(平均)が2を越え6未満。 △:可。磨耗粉体の数(平均)が6以上10未満。 ×:不可。磨耗粉体の数(平均)が10以上。
【0053】(ローラ痕評価)実施例、比較例の各ゴム
ローラを14.65±0.15mm幅にカットした後、
洗浄し、さらに60℃で2時間放置してから、セイコー
エプソン PM―770C機にセットした。印刷用紙と
しては、同じくセイコーエプソン(株)製のスーパーフ
ァイン専用光沢紙MJA4SP3を用いた。ゴムロー
ラ、印刷用紙、インク等をセットした状態で、スーパー
ファイン画質モードのもと、青べたの印刷命令を用い、
印刷された画像を以下の3段階で評価した。記録液とし
て使用したインクは、極性の水性インク(セイコーエプ
ソン(株)製、カラーインクカートリッジIC5CL0
2W)である。
【0054】 ○:ローラ痕なし。 △:ローラ痕はわずかに認められるが、高画質機でなけ
れば実用上問題ないレベル。 ×:ローラ痕がはっきり認められ、実用不可。
【0055】高分子量の末端未変性水素添加スチレン系
TPEのみの比較例1のゴムローラはローラ痕がはっき
り認められ、実用不可であった。極性末端変性水素添加
スチレン系TPEのみを用いた比較例2では耐久性が悪
化していた。極性―非極性のグラフトポリマーからなる
ポリマーの含量が多い比較例3では、耐久性が悪化し、
ローラ痕がはっきり認められ、実用不可であった。軟化
剤として極性オイルを使用した比較例4では、ローラ痕
がはっきり認められ、実用不可であった。非極性のゴム
あるいは樹脂に極性オイルを加えると、オイルとゴム、
樹脂との相溶性が悪くなるためと考えられる。高分子量
の水素添加スチレン系TPEと低分子量水素添加スチレ
ン系TPEとの混合エラストマーと軟化剤として極性オ
イルを添加した比較例5では、比較例4と同様に、ロー
ラ痕がはっきり認められ、実用不可であった。
【0056】一方、(A)成分の高分子量水素添加スチ
レン系TPEと極性末端変性水素添加スチレン系TPE
を含有し、(A):(B)の重量比が約1:3である実
施例1のゴムローラは成形性、耐久性に優れ、ローラ痕
もない、優れた高性能のローラである。また、他の実施
例2〜7のゴムローラも、充分に実用性のある優れたロ
ーラであることが確認された。
【0057】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
によれば、ゴムを架橋剤で動的架橋して、スチレン系熱
可塑性エラストマーに分散させてなる熱可塑性エラスト
マー組成物において、高分子量スチレン系熱可塑性エラ
ストマーに、必要に応じて、低分子量スチレン系熱可塑
性エラストマーを含む熱可塑性エラストマーと、極性末
端変性熱可塑性エラストマー及び/又は極性―非極性の
グラフトポリマーからなるポリマーと、軟化剤、オレフ
ィン系樹脂、EPDMを主成分とするゴムを組合わせて
用いることにより、成形性が向上し、柔軟性、耐磨耗性
・耐久性の両特性を確保することができる上に、特に、
水性インク等の極性記録液との相性が良好となる。
【0058】本発明の熱可塑性エラストマー組成物の成
形加工品の一例として、給紙用ゴムローラは、紙やフィ
ルム等の搬送物をピックアップし分離しながら紙送りを
する必要があるインジェクションプリンタなどに極めて
有用であり、特に高画質のプリンタにおいてスーパーフ
ァイン光沢紙、フォトプリント紙やカラーOHP用紙に
印刷した場合にも、ローラ痕が残ることなく、良好な画
像を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥山 英之 兵庫県神戸市中央区脇浜町3丁目6番9 号 住友ゴム工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−112649(JP,A) 特開 平5−171003(JP,A) 特開 平6−207110(JP,A) 特開 平7−149971(JP,A) 特開 平8−58999(JP,A) 特開2000−53779(JP,A) 特開2000−273271(JP,A) 特開2001−342301(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 53/00 C08L 23/16 B41J 2/01

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数平均分子量が8万以上である高分子量
    スチレン系熱可塑性エラストマーを含む熱可塑性エラス
    トマー組成物(A)と、 極性末端変性熱可塑性エラストマー及び/又は極性―非
    極性のグラフトポリマーからなる組成物(B)と、 EPDMを主成分とするゴムコンパウンド(C)とが混
    合され、 上記混合物中のゴムが動的架橋されて上記熱可塑性エラ
    ストマー中に分散されていることを特徴とする熱可塑性
    エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】 上記熱可塑性エラストマー組成物(A)
    中に数平均分子量が7万以下である末端未変性の低分子
    量スチレン系熱可塑性エラストマーを含み、 上記ゴムコンパウンド(C)中にゴム100重量%に対
    して600重量%以下のオイルを含み、 さらに、上記(A)(B)(C)からなる混合物に、 上記ゴムコンパウンド(C)のゴム100重量%に対し
    て50重量%以下のオレフィン系樹脂を主成分とする樹
    脂組成物(D)と、 上記ゴムコンパウンド(C)のゴム100重量%に対し
    て500重量%以下の軟化剤(E)と、 樹脂架橋剤(F)とを含んでいる請求項1に記載の熱可
    塑性エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】 上記(A)中のスチレン系熱可塑性エラ
    ストマー:(B)の重量比が、95:5〜1:99の範
    囲である請求項1または請求項2に記載の熱可塑性エラ
    ストマー組成物。
  4. 【請求項4】 上記(B)中の極性―非極性のグラフト
    ポリマーが、軟化剤、架橋剤、充填剤、加工助剤、亜鉛
    華等を除く、上記混合物中の全ポリマー重量を100重
    量%とすると、3重量%以上15重量%以下含まれてい
    る請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の熱可塑
    性エラストマー組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
    記載の熱可塑性エラストマー組成物をローラ状に成形し
    たものからなるゴムローラ。
  6. 【請求項6】 インクジェットプリンタ用の給紙ローラ
    としている請求項5に記載のゴムローラ。
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