JP3600768B2 - 給紙ローラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は動的架橋ゴムを用いた給紙ローラに関し、特に、用紙切れ時に給紙ローラが空転してパッド等と擦動することにより生じるの摩耗の低減を図り、摩耗により発生しやすいゴム粉体の発生を抑制・防止するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機,プリンター,ATM等の電子写真装置の給紙機構にはゴムローラからなる給紙ローラが用いられている。この給紙ローラは、紙、フィルム等を送るものであるため、紙等の用紙との摩擦係数が高いことが要求されると共に、高精度の紙送りを長期間保証するために耐摩耗性が要求される。
【0003】
近年、一般的なインクジェット方式のプリンターは、給紙ローラの空転によって用紙切れが検知される構成となっており、特別な検知手段を必要としないことより、製造コストが抑えられる利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
インクジェット式プリンターにおいて、給紙ローラが用紙切れで空転する時、給紙ローラは分離パッド等と擦動し、該擦動によりも激しく摩耗することが多い。給紙ローラが摩耗するとゴム粉体が発生し、このゴム粉体が給紙ローラの表面に付着し、次ぎの印刷の際に用紙にゴム粉体が付着しやすい。用紙にゴム粉体が付着すると、インクジェット式プリンターにおいて画像形成が困難になったり、画像形成後にゴム粉体が用紙から離脱して画像に白抜け部分が発生してしまう問題がある。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、給紙ローラの耐摩耗性を高め、用紙切れ時に給紙ローラが空転してパッド等と擦動しても摩耗しにくくして、ゴム粉体が発生しないようにすることを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、EPDMゴムを主成分とするゴム、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系樹脂、酸化亜鉛もしくは炭酸亜鉛からなる架橋活性剤、ハロゲン付加量が0.25〜1.5重量%の樹脂架橋剤を含み、
上記樹脂架橋剤でゴムを動的架橋して、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとオレフィン系樹脂の混合物中にゴムを分散させていることを特徴とする給紙ローラを提供するものである。
【0007】
即ち、本発明は、ゴムを樹脂架橋剤で動的架橋して、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとオレフィン系樹脂の混合物中に分散させており、この分散時に、ハロゲン含有量が0.25〜1.5重量%の樹脂架橋剤を用いることにより、ゴムの架橋反応とゴムの水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとオレフィン系樹脂の混合物中への分散をバランス良く進行させ、その結果、素材としての引張強度(破断伸び、破断強度)および引裂強度を向上させて、耐摩耗性を高めているものである。
【0008】
上記樹脂架橋剤中のハロゲン含有量を0.25〜1.5重量%とすると、引張強度、引裂強度が大となり、高耐摩耗性となって、給紙ローラが分離パッドと擦動しても摩耗が抑制され、摩耗により発生するゴム粉体が生じにくくなり、かつ、高い摩擦係数も維持されることは、本発明者が繰り返し実験して見いだしたものである。即ち、樹脂架橋剤中のハロゲン含有量を0.25〜1.5重量%とすると、引張強度が3.0〜10.0MPa、破断伸び率が330〜500%、引裂強度が6.5〜10.0N/mmである給紙ローラを得ることが出来た。
【0009】
ハロゲン含有量を0.25重量%未満にすると、ゴムが完全に架橋されず、引張特性が低下する。逆に1.5重量%を越えると、架橋が早く進行しすぎ、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとオレフィン系樹脂の混合物中へのゴムの微分散が進行中に架橋反応が終了してしまうため、引張特性が低下する。
【0010】
上記樹脂架橋剤は、ハロゲン付加型樹脂架橋剤とハロゲン非付加型樹脂架橋剤とを混合し、ハロゲン含有量を樹脂架橋剤の0.25〜1.5重量%に調整している。
【0011】
樹脂架橋剤としては、フェノール樹脂、アルキルフェノール・ホルムアルデヒド縮合物、メラニン・ホルムアルデヒド縮合物、トリジアン・ホルムアルデヒド縮合物樹脂、硫化−p−第三ブチルフェノール樹脂、アルキルフェノール・スルフィド樹脂等が用いられる。特に、ハロゲン非付加型とハロゲン付加型のアルキルフェノール・ホルムアルデヒド縮合物とを混合し、ハロゲン含有量を樹脂架橋剤の0.25〜1.5重量%に調整すると、他の樹脂架橋剤を使用した場合に比して良好な架橋が得られ、ゴム強度を向上させることができる。
また、樹脂架橋剤の配合量はゴム100重量部に対し、1〜20重量部が好ましい。これは1重量%未満になると架橋不足のため引張特性が低下する一方、20重量%を越えると過架橋状態になり引張特性が低下することによる。
【0012】
なお、樹脂架橋剤としてハロゲン非付加型樹脂架橋剤のみを使用して、ハロゲン供与性物質を配合してもよい。このハロゲン供与物質としては、塩化第二スズ、塩化第二鉄、塩化第二銅等を使用できる。このハロゲン供与性物質のハロゲン量が樹脂架橋剤の0.25〜1.5重量%の範囲とすると、ゴムの架橋を適性に行うことができる。
即ち、本発明は、EPDMゴムを主成分とするゴム、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系樹脂、酸化亜鉛もしくは炭酸亜鉛からなる架橋活性剤、ハロゲン非付加型樹脂架橋剤、ハロゲン供与性物質を含み、該ハロゲン供与物質のハロゲン量が樹脂架橋剤の0.25〜1.5重量%になるように配合したうえで、上記樹脂架橋剤でゴムを動的架橋して、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとオレフィン系樹脂の混合物中にゴムを分散させていることを特徴とする給紙ローラも含むものである。
【0013】
また、本発明では、架橋活性剤として酸化亜鉛、炭酸亜鉛を用いている。この酸化亜鉛、炭酸亜鉛以外の通常ゴムに使用される架橋活性剤である金属酸化物はハロゲンキャッチャーとして作用し、架橋触媒としてもハロゲンの作用を阻害するため、架橋活性剤としては不適となる。
【0014】
ゴム、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系樹脂、オイル、樹脂架橋剤の配合比は任意に選択でき、通常動的架橋されうる範囲の配合比で適用できる。好ましい範囲としては、ゴムに対する水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとオレフィン系樹脂の和との重量比(ゴム/水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー+オレフィン系樹脂)は4/6〜8/2である。また、ゴム、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系樹脂を100重量%とした場合、配合油の添加量は50〜200重量%とすることが好ましい。
【0015】
ゴムとしてはEPDMが最適で、EPDMを100%とすることが最も好ましい。即ち、EPDMは主鎖が飽和炭化水素からなり、主鎖に二重結合を含まない。このため、高濃度オゾン雰囲気、光線照射等の環境下に長時間曝されても、分子主鎖切断が起こりにくい。従って、得られる紙送りローラの耐候性を高めることができる。EPDMには、ゴム成分のみからなる非油展タイプのEPDMとゴム成分とともに親展油を含む油展タイプのEPDMとが存在するが、本発明のゴム組成物にはいずれもタイプのものも使用可能である。
【0016】
なお、EPDMに、ブチルゴム、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム(EPM)から選ばれて1種又は2種以上をブレンドしてもよい。
EPDMと他のゴムとが混合される場合、全ゴムに占めるEPDMの比率は50重量%以上、さらに、80重量%以上が好ましい。
【0017】
水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーは水素添加により飽和して二重結合を無くしたスチレン系熱可塑性エラストマーであって、低硬度で摩擦係数が大きい。しかも二重結合を持たないため、樹脂架橋剤と反応せず、ゴムの架橋を阻害しない。該水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、中間ブロックがエチレンからなるSES、エチレン/プロピレンからなるSEPS、エチレン/ブチレンからなるSEBSが好適に用いられる。
【0018】
オレフィン系樹脂としては市販のオレフィン系樹脂であれば使用でき、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンエチルアクリレート樹脂、エチレンビニルアセテート樹脂、エチレンメタクリル酸樹脂、アイオノマー樹脂等を用いてもよい。
【0019】
水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとオレフィン系樹脂との混合比は特に限定されないが、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー/オレフィン系樹脂を8/2〜2/8の範囲とすると、ゴムを分散させやすいため好ましい。
【0020】
ゴムローラの硬度を低下させるために、ゴム中にオイルを配合している。オイルとしては、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系等の鉱物油や炭化水素系オリゴマーからなるそれ自体公知の合成油、またはプロセスオイル等を用いることができる。合成油としては、例えば、α−オレフィンのオリゴマー、ブテンのオリゴマー、エチレンとα−オレフィンのオリゴマー等を挙げることができ、特にエチレンとα−オレフィンとの非晶質オリゴマーが好ましい。可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルセパケート(DOS)、ジオクチルアジペート(DOA)等を用いることができる。
【0021】
ゴムローラの機械的強度を向上させるために、必要に応じて、充填剤を配合することができる。充填剤としては、例えば、シリカ、カーボンブラック、クレー、タルク等の粉体を挙げることができる。充填剤を配合する場合、充填剤はゴムローラ全体当たり10重量%以下とするのが好ましい。これは充填剤の配合はゴムの引っ張り強度及び引き裂き強度の改善には有効であるものの、余り多く配合するとゴムの柔軟性を大きく低下させるためである。
【0022】
また、ゴムローラ中には上記の配合剤以外に、必要に応じて、老化防止剤、ワックス等を配合することができる。老化防止剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどのイミダゾール類、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミンなどのアミン類などが挙げられる。
【0023】
給紙ローラとなるゴムローラは、上記ゴム、樹脂架橋剤、酸化亜鉛もしくは炭酸亜鉛からなる架橋活性剤、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系樹脂、オイルからなる全ての材料を2軸押出機に投入し、得られた生成物を押出成形により円筒状のローラに成形し、これを所要長さにカットしてD字形の軸芯をはめ込み、ゴムローラもD字形とする。また、上記生成物を可塑化温度以上で可塑化したものをゴムローラとする方法を用いることもできる。
【0024】
上記ゴムローラの硬度はJIS6301のA型硬度計で測定した時の硬度が一般に15〜45、好ましくは20〜40の範囲としている。この範囲とすると、ゴムローラを比較的小さな圧接力で紙に押付けてもゴムローラが充分に変形し、紙との間に大きな接触面積を得ることができる。
【0025】
ゴムローラは円筒状に成形した状態で、その肉厚は1mm〜8mm、好ましくは2mm〜5mmとしている。これは、ゴムローラの硬度との兼ね合いにもよるが、肉厚が小さ過ぎると、ゴムローラが変形しても紙との間に大きな接触面積が形成されにくい。一方、肉厚が大きすぎると、ローラを変形させるためにはゴムローラの紙への圧接力を大きくしなければならず、ゴムローラを紙に圧接するための機構が大型化するためである。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の給紙用のゴムローラを示し、該ゴムローラ1はゴム組成物が成形・架橋して形成しており、その中空部にD字形の軸芯2に圧入あるいは両者を接着剤で接合して固定している。
【0027】
図2は上記給紙用ゴムローラ1をインクジェット式プリンターの紙送ローラに適用した模式図であり、ゴムローラ1に対向するように分離パッド3が設けられている。軸芯2を矢印方向に回転させると、ゴムローラ1も回転して、ゴムローラ1の最上面にある紙4が巻き込まれ、これがゴムローラ1とパッド3との隙間を通過し、プリンターの内部に紙4が供給される。紙4が切れた場合には、ゴムローラ1がパッド3に擦動する。
【0028】
上記紙送用のゴムローラ1は、EPDMゴム、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系樹脂、動的架橋剤としてハロゲン付加型樹脂架橋剤とハロゲン非付加型樹脂架橋剤からなる樹脂架橋剤、酸化亜鉛もしくは炭酸亜鉛からなる架橋活性剤、およびオイル等が配合されたゴム組成物からなり、上記ゴムを樹脂架橋剤により動的架橋して、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとオレフィン系樹脂の混合物中にゴムを分散させている。
【0029】
樹脂架橋剤は、上記のようにハロゲン付加型とハロゲン非付加型とを混合して用い、樹脂架橋剤中のハロゲン付加量を0.25〜1.5重量%としている。ハロゲン付加型樹脂架橋剤として、ハロゲン付加型アルキルフェノール・ホルムアルデヒド縮合物を、ハロゲンが添加されていないハロゲン非付加型樹脂架橋剤として、アルキルフェノールホルムアルデヒド縮合物を用いている。
【0030】
水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、中間ブロックがエチレン/プロピレンからなるSEPSを用い、オレフィン系樹脂としては、ポリプロピレンを用いている。加工性向上、硬度調整等の目的で配合されるオイルとしては、パラフィンオイルを用いている。
【0031】
【実施例】
下記表1に示すように、実施例1〜4及び比較例1〜3について表に記載の配合からなる押出生成物を作成し、該生成物をローラ状(円管状)に押出成形した後、カットして、D字形の軸芯2にはめ込みD字形のゴムローラを製造した。
【0032】
【表1】
【0033】
表中の上段の数値は重量%である。
使用した材料は下記の通りである。
EPDM:住友化学製エスプレン670F(パラフィンオイル100%油展)
水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー:SEPS クラレ製セプトン4077
オレフィン系樹脂:ポリプロピレン日本ポリケム製ノバテックPP BC6
オイル:パラフィンオイル 出光興産製ダイアナプロセスオイルPW−380
架橋活性剤
炭酸亜鉛:堺化学工業製 透明性亜鉛白
酸化亜鉛:三井金属鉱業社製 酸化亜鉛2種
樹脂架橋剤
アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂:田岡化学製
ハロゲン非付加型 タッキロール201
ハロゲン付加型 タッキロール250−3(3重量%臭素付加品)
【0034】
ゴムローラは以下のようにして作成した。
ゴムは予め2TR−75(株式会社モリヤマ 2軸1軸押出機)にてペレット化したものを使用した。また、ゴムに予め油展されている以外の配合油は水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーに含有させたものを使用した。全ての材料をタンブラーにてドライブレンドし、HTM−38(アイペック 2軸押出機)にて、200℃、200rpmにて動的架橋し、ペレット状の生成物を得た。この生成物をφ50単軸押出機(笠松加工研究所)にて210℃、20rpmにて押出成形し、外径φ30mm、内径φ25mmの円管状のローラを得た。これを長さ15mmにカットして、D字形の軸芯にはめ込んで、D字形のゴムローラを作成した。
【0035】
[実施例1乃至実施例4]
実施例1乃至実施例4は、いずれも、ゴム、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン樹脂、オイルの配合比は同一とする一方、樹脂架橋剤の配合比を変えているが、いずれも樹脂架橋剤中のハロゲン量を0.25〜1.5重量%の範囲内とした。また、実施例1乃至実施例3は架橋活性剤として酸化亜鉛を用いる一方、実施例4は炭酸亜鉛を用いた。
【0036】
[比較例1乃至比較例3]
比較例1は樹脂架橋剤としてハロゲン付加型のみを用い、樹脂架橋剤中のハロゲン含有量を3重量%とした。比較例2は樹脂架橋剤としてハロゲン非付加型のみを用いたためハロゲン含有量は0である。比較例3は樹脂架橋剤としてハロゲン付加型とハロゲン非付加型とを用いたが、樹脂架橋剤中のハロゲン含有量の適性量をみるためにハロゲン含有量を1.8重量%とした。
【0037】
上記実施例1乃至実施例4、比較例1乃至比較例3のゴムローラについて、引張試験、引裂試験、摩耗粉体試験を行った。
【0038】
引張試験は、ゴムローラをカットして展開し、ダンベル4号で打ち抜き、JIS K6251に準拠して測定した。
【0039】
引裂強度は、引張試験と同様に、ゴムローラをカットして展開し、クレセント型で打ち抜き、JIS K6252に準拠して測定した。
【0040】
摩耗粉体試験は、実機(セイコーエプソン EM900C)に実施例および比較例のゴムローラからなる給紙ローラを装着し、紙の存在していない状態で印字命令を出し、給紙ローラを空転させた。この操作を40回繰り返して行った後、専用のインクジェット記録用紙(セイコーエプソン スーパーファイン専用光沢紙)を通紙して、これに付着している摩耗粉体の数をカウントした。そして、5個の給紙ローラの平均値を算出した。この摩耗粉対の数の平均値が5以下を○、5を越えると×として、評価した。
【0041】
樹脂架橋剤中のハロゲン量が3重量%である比較例1では、破断時の引張強度は2.8MPa、破断伸びは280%、引裂強度は5.8N/mmで、実施例1乃至実施例4と比較して引張強度、破断伸びおよび引裂強度とも小さかった。また、摩耗粉体試験結果は大量の摩耗粉体が発生し、評価は×であった。
【0042】
樹脂架橋剤中のハロゲン量が0%である比較例2では、ハロゲンが存在しないため、架橋反応がすすまず、破断時の引張強度は2.5MPa、引裂強度は5.5N/mmで、実施例1乃至実施例4と比較していずれも小さかった。また、摩耗粉体試験結果は比較例1と同様に、大量の摩耗粉体が発生し、評価は×であった。
【0043】
樹脂架橋剤中のハロゲン量を1.8重量%とした比較例3は、破断時の引張強度は2.9MPa、引裂強度は6.0N/mmであった。ハロゲン量を0.25重量%〜1.5重量%とした実施例1乃至実施例4は、破断時の引張強度は3.2〜4.0MPa、引裂強度は8.0〜9.4N/mmであり、比較例3は実施例1〜4より引張強度および引裂強度とも小さかった。また、摩耗粉体試験においても、比較例3は大量の摩耗粉体が発生し、評価は×であった。
【0044】
上記比較例1乃至比較例3に対して、樹脂架橋剤中のハロゲン量を0.25重量%〜1.5重量%とした実施例1乃至実施例4は、引張強度、引裂強度とも大きく、また、摩耗粉体試験においても、摩耗粉体の発生量は少なく、評価は○であった。実施例4と実施例2とは酸化亜鉛を炭酸亜鉛に変更した点だけが相違するが、同様の良好な結果がでた。
【0045】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、ゴムを樹脂架橋剤で動的架橋して、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとオレフィン樹脂の混合物中に分散させる時、樹脂架橋剤中のハロゲン量を0.25重量%〜1.5重量%の範囲内としていることにより、ゴムの架橋反応と、ゴムの水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとオレフィン樹脂の混合物中に分散がバランスよく進行し、引張特性(破断伸び、破断強度)と引裂強度とを高めることができ、耐摩耗性を高めることができる。よって、該ゴムローラを給紙ローラとして用いた時、用紙切れで空転して分離パッド等と擦動しても摩耗粉体の発生を抑えることができる。その結果、摩耗粉体が給紙ローラの表面に付着することが防止でき、インクジェットプリンターにおける画像形成の阻害や画像の白抜け発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる紙送ローラに軸芯が取り付けられた状態の斜視図である。
【図2】上記給紙ローラをプリンターに適用した状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1 紙送ローラ
2 軸芯
3 パッド
4 紙
Claims (6)
- EPDMゴムを主成分とするゴム、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系樹脂、酸化亜鉛もしくは炭酸亜鉛からなる架橋活性剤、ハロゲン付加量が0.25〜1.5重量%の樹脂架橋剤を含み、
上記樹脂架橋剤でゴムを動的架橋して、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとオレフィン系樹脂の混合物中にゴムを分散させていることを特徴とする給紙ローラ。 - 上記樹脂架橋剤は、ハロゲン付加型樹脂架橋剤とハロゲン非付加型樹脂架橋剤とを混合してなり、ハロゲン含有量を樹脂架橋剤の0.25〜1.5重量%に調整している請求項1に記載の給紙ローラ。
- 上記樹脂架橋剤は、ハロゲン化アルキルフェノール・ホルムアルデヒド縮合物と、ハロゲン化されていないアルキルフェノールホルムアルデヒド縮合物を混合している請求項2に記載の給紙ローラ。
- EPDMゴムを主成分とするゴム、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系樹脂、酸化亜鉛もしくは炭酸亜鉛からなる架橋活性剤、ハロゲン非付加型樹脂架橋剤、ハロゲン供与性物質を含み、該ハロゲン量が上記樹脂架橋剤に対して0.25〜1.5重量%配合したうえで、
上記樹脂架橋剤でゴムを動的架橋して、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとオレフィン系樹脂の混合物中にゴムを分散させていることを特徴とする給紙ローラ。 - 上記ゴムに対する水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとオレフィン系樹脂の和の重量比を4/6〜8/2の範囲、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとオレフィン系樹脂との混合重量比を8/2〜2/8の範囲に設定し、かつ、ゴム100重量%に対して上記樹脂架橋剤を1〜20重量%配合している請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の給紙ローラ。
- JIS K6251に準拠して測定した引張強度が3.0〜10.0MPa、JIS K6252に準拠して測定した引裂強度が6.5〜10.0N/mmである請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の給紙ローラ。
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