JP5111700B2 - 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性エラストマー組成物の製造方法に関し、詳しくは、熱可塑性エラストマー組成物の生産性を改良すると共に、得られる組成物の強度も改善された熱可塑性エラストマー組成物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェットプリンター、レーザプリンター、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、自動預金支払機(ATM)等における紙送り機構にはゴムローラ(給紙ローラ)が使用されている。上記給紙ローラは、熱可塑性エラストマーにより形成されるものが多く、給紙ローラと対向配置される紙用類重送防止部材も同様に熱可塑性エラストマーから形成されている。従って、上記のような給紙ローラ、紙用類重送防止部材等の事務機器用部材に適した熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法について種々の提案がなされている。
【0003】
この種の熱可塑性エラストマーの製造方法として、例えば、特開平5−78529号では、融点がもっとも高いポリオレフィンとゴムを混合してゴム成分を動的加硫した熱可塑性エラストマー組成物を形成した後、該熱可塑性エラストマー組成物中に低融点ポリオレフィンを混合したことを特徴とする、ポリオレフィンと硬化ゴムとのブレンドからなる熱可塑性エラストマーの製造方法が提案されている。
【0004】
また、特開平9−95540号では、オレフィン系共重合体ゴム及びオレフィン系プラスチックを、予め二軸押出機の上流側にて溶融混練し、次いで下流側にて有機過酸化物を供給し、動的架橋する2段階の工程を有する熱可塑性エラストマーの製造方法が提案されている。
【0005】
さらに、特開平10−87877号では、2段階の混練工程を有する製造方法により製造された、電子写真方式を用いた複写機、プリンター等の帯電、現像、転写ロール等に好適なゴム組成物が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平5−78529号、特開平9−95540号、特開平10−87877号に開示されているように、従来の熱可塑性エラストマーの製造方法においては、ゴム成分と熱可塑性樹脂成分を緊密に混合した後、架橋剤を添加する方法、及びゴム成分とその架橋剤を予め均一状態になるまで低温で混練りし、その後熱可塑性樹脂などの必要な材料を投入し練る方法の2通りの方法が挙げられるが、いずれも2段階の工程が必要であり生産性に劣るという問題がある。
【0007】
従来、生産性に劣るにも関わらず、これらの2段階の工程が行われていた理由は、上記のような材料を同時に投入する1段階の工程にて熱可塑性エラストマーを製造すると、得られる熱可塑性エラストマーは、ゴムの粒子径が大きく、また形状も不均一となってしまい、十分な強度が得られないためである。
【0008】
従って、従来、ゴムの粒子径を小さく、かつ均一に分散させる方法として、ニーダー、バンバリーミキサー又は2軸混練機による1段階目(混合)の練り時間を延長する方法か、又は、ニーダー、バンバリーミキサー及び2軸混練機における配合の投入量を減量し、かつ圧力ををかける方法が行なわれていた。
【0009】
しかし、従来の2段階の工程の製造方法は煩雑であり、またゴムの粒子径を小さく、かつ均一に分散させる上記の前者の方法では、製造時間が延長され、後者の方法では、吐出量を絞ることになるため、どちらの方法も生産性が低下するという問題がある。
【0010】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、混練の工程を簡略化でき、生産性に優れる上に、製造する熱可塑性エラストマー組成物の強度を向上できる熱可塑性エラストマー組成物の製造方法を提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、オレフィン系共重合ゴム(A)と、
オレフィン系樹脂(B)と、
上記オレフィン系樹脂(B)の融点以上の温度にてオレフィン系樹脂(B)より粘度が高く、ポリマー主鎖中にアミド結合を有している熱可塑性樹脂(C)とを、
上記熱可塑性樹脂(C)が、ポリマー組成物全重量の0.5重量%以上の割合となり、かつ、上記オレフィン系樹脂(B)100重量部に対し100重量部未満の割合となるように混合し、
上記混合物を、1つの工程にて同時に混練し、該混練温度は上記オレフィン系樹脂(B)の融点以上であり熱可塑性樹脂(C)の融点以下とし、該混練で動的架橋を行い、熱可塑性エラストマー組成物を製造することを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物の製造方法を提供している。
【0012】
上記のように、本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法においては、上記オレフィン系共重合ゴム(A)、オレフィン系樹脂(B)、上記熱可塑性樹脂(C)を使用し、さらに上記熱可塑性樹脂(C)を、ポリマー組成物全重量及び上記オレフィン系樹脂(B)に対して前記一定の比率で配合することにより、配合された全材料を1つの工程(1段階)にて混練することができる。また、1つの工程にて同時に混練して動的架橋を行うことにより、配合する材料の投入量を従来以上にし、かつ圧力を掛けなくても、ゴム粒径を小さく、かつ均一に分散することができる。よって、従来方法よりも混練工程を簡略化することができ、生産性が良好である上に、強度が改善された熱可塑性エラストマー組成物を得ることができる。
なお、上記ポリマー組成物全重量とは、各種添加剤等の重量を除いた、上記ゴム(A)と上記樹脂(B)、(C)の合計重量を指す。
【0013】
上記のように、熱可塑性樹脂(C)は、上記オレフィン系樹脂(B)の融点以上の温度にてオレフィン系樹脂(B)より粘度が高いことが必要である。このように、ポリマー組成物中に上記規定量の高粘度の熱可塑性樹脂(C)を用いることにより、組成物に全体的にバランス良く圧力がかかり、ゴム(A)の分散性が向上し、熱可塑性エラストマーの引張強度を向上することができる。
【0014】
上記熱可塑性樹脂(C)は、ポリマー組成物全重量の0.5重量%以上、好ましくは1.0重量%以上の割合となり、かつ、上記オレフィン系樹脂(B)100重量部に対し100重量部未満、好ましくは30重量部未満、より好ましくは5重量部未満の割合となるように混合している。即ち、熱可塑性樹脂(C)の混合量は、上記一定量以上なら多いよりも少ない方が好ましい。
上記範囲としているのは、上記熱可塑性樹脂(C)が、ポリマー組成物全重量の0.5重量%より少ないと、微分散せず本発明の効果を発揮しにくいためである。一方、上記熱可塑性樹脂(C)が、上記オレフィン系樹脂(B)100重量部に対し100重量部以上であると、ゴム(A)が分散相となりオレフィン系樹脂(B)がマトリクス相となるような熱可塑性エラストマーを設計している本発明の意図に反し、熱可塑性樹脂(C)がマトリクス相となりうることもあり、本発明の効果が得にくくなるためである。
【0015】
上記オレフィン系共重合ゴム(A)としては、種々のオレフィン系共重合ゴムの内から1種類以上を適宜選択することができる。
上記ゴム(A)としては、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)、又はEPDMを主成分とする他のゴムとの混合物であることが好ましい。
本発明においてはゴム(A)をEPDMを100%とすることが最も好ましく、EPDMと他のゴムとをブレンドする場合、全ゴムに占めるEPDMの比率は、50重量部以上、さらに、80重量部以上が好ましい。この理由は、EPDMは主鎖が飽和炭化水素からなり、主鎖に二重結合を含まないため、高濃度オゾン雰囲気、光線照射等の環境下に長時間曝されても、分子主鎖切断が起こりにくく、従って最終製品、例えばローラの耐候性を高めることができるためである。
【0016】
上記ゴム(A)としては、EPDMの他に、ブチルゴム(IIR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、1,2―ポリブタジエン、アクリロニトリルーブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム(ACM)、クロロスルフォン化ポリエチレン、ポリトランスペンテナマー(PTPR)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、塩素化ポリエチレン(CPE)等が挙げられる。
【0017】
上記熱可塑性樹脂(B)としては、オレフィン系樹脂を用いている。特に、オレフィン系共重合ゴム(A)を用いるため、極性の低い樹脂の方が相溶性が良いという理由により、オレフィン系樹脂であるポリプロピレンが好ましい。
【0018】
上記熱可塑性樹脂(B)の融点以上の温度にて熱可塑性樹脂(B)より粘度が高く、ポリマー主鎖中にアミド結合を有している熱可塑性樹脂(C)としては、該条件を満たす熱可塑性樹脂の内から1種類以上を適宜選択することができる。
上記熱可塑性樹脂(C)としては、例えばポリアミド樹脂である6ナイロン又は66ナイロンが好ましい。また、例えば、熱可塑性樹脂(B)にポリアミドを用いることも可能であり、その場合熱可塑性樹脂(C)として、熱可塑性樹脂(B)のポリアミドよりも高融点または高粘度の別の種類のポリアミドを用いることも可能である。
【0019】
上記のように、混練温度は、上記オレフィン系樹脂(B)の融点以上であり熱可塑性樹脂(C)の融点以下である。これは、上記条件下では、熱可塑性樹脂(C)の粘度が他の材料と比較すると、より高いため、組成物に全体的に圧力がかかり、ゴム(A)の分散性がより良好となり、ゴム(A)粒子径が小さく均一になるためである。
これは、混練温度が上記オレフィン系樹脂(B)の融点より低いと樹脂が分散せずマトリクスを形成しにくいためである。一方、熱可塑性樹脂(C)の融点より高いと圧力がかからず、微分散されないためである。
【0020】
前記本発明の製造方法で製造される熱可塑性エラストマー組成物は、
オレフィン系共重合ゴム(A)と、
オレフィン系樹脂(B)と、
上記オレフィン系樹脂(B)の融点以上の温度にてオレフィン系樹脂(B)より粘度が高く、ポリマー主鎖中にアミド結合を有している熱可塑性樹脂(C)とを含み、
上記熱可塑性樹脂(C)が、ポリマー組成物全重量の0.5重量%以上の割合で、かつ、上記オレフィン系樹脂(B)100重量部に対し100重量部未満の割合で配合されてなり、
上記オレフィン系共重合ゴム(A)が動的架橋され、上記熱可塑性樹脂(C)中の上記オレフィン系共重合ゴム(A)の粒子径が10μm以下であることを特徴とする。
【0021】
上記のように、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、上記オレフィン系共重合ゴム(A)、オレフィン系樹脂(B)及び前記熱可塑性樹脂(C)が使用され、さらに高粘度の上記熱可塑性樹脂(C)は、ポリマー組成物全重量及び上記オレフィン系樹脂(B)に対して前記比率で配合されている。また、ゴム(A)の粒子径が小さく、均一に分散するように動的架橋が行われている。従って、熱可塑性エラストマーの強度、特に引張強度を向上することができる。
【0022】
上記ゴム(A)の粒子径は10μm以下としている。これは、動的架橋され上記熱可塑性樹脂(C)中に分散されるゴム(A)の粒子径が10μmより大きいと、熱可塑性エラストマーの強度が低下するためである。
【0023】
また、上記熱可塑性エラストマーには、必要に応じて、架橋剤等の種々の添加剤を配合しても良い。例えば、架橋剤としては、公知の架橋剤を使用でき、例えば、樹脂架橋剤としては、反応性フェノール樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、トリアジン・ホルムアルデヒド縮合物、ヘキサメトキシメチル・メラミン樹脂等が挙げられる。フェノール樹脂の具体例としては、フェノール、アルキルフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン等のフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類との反応により合成される各種フェノール樹脂が挙げられる。
また硫黄及び加硫促進剤を使用してもよく、又は熱可塑性樹脂(B)及び(C)と反応しないパーオキサイドを使用しても良い。
【0024】
架橋方法としては、樹脂架橋が以下の理由から好ましい。すなわち樹脂架橋では樹脂架橋剤が用いられるが、樹脂架橋剤は加熱等によってゴムに架橋反応を起させる合成樹脂であり、硫黄と加硫促進剤とを併用した場合に生ずるブルームの問題が起らないので好ましい。特に、樹脂架橋剤としてフェノール樹脂を用いると摩耗性等の給紙性能を高めることができる。
【0025】
その他の樹脂架橋剤としては、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、トリアジン・ホルムアルデヒド縮合物、ヘキサメトキシメチル・メラミン樹脂等が挙げられ、特に上記フェノール樹脂が好適である。フェノール樹脂の具体例としては、フェノール、アルキルフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン等のフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類との反応により合成される各種フェノール樹脂が挙げられる。特に、ベンゼンのオルト位又はパラ位にアルキル基が結合したアルキルフェノールと、ホルムアルデヒドとの反応によって得られるアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂が、ゴムとの相溶性に優れるとともに、反応性に富んでいて架橋反応開始時間を比較的早くできるので好ましい。アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂のアルキル基は、通常、炭素数が1から10のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。また、硫化−p−第三ブチルフェノールとアルデヒド類とを付加縮合させた変性アルキルフェノール樹脂や、アルキルフェノール・スルフィド樹脂も樹脂架橋剤として使用可能である。樹脂架橋剤の配合量は、ゴム100重量部に対して1重量部以上20重量部以下が好ましく、8重量部以上15重量部以下が特に好ましい。
【0026】
また、本発明における動的架橋は、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素等のハロゲンの存在下に行ってもよい。動的架橋時にハロゲンを存在させるには、ハロゲン化された樹脂架橋剤を用いるか、エラストマー組成物中にハロゲン供与性物質を配合してもよい。ハロゲン化された樹脂架橋剤としては、上記の各付加縮合型樹脂がハロゲン化されたものが挙げられる。なかでも、フェノール樹脂のアルデヒドユニットに少なくとも一個のハロゲン原子が結合したハロゲン化フェノール樹脂、特にはハロゲン化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂が、ゴムとの相溶性に優れるとともに、反応性に富んでいて架橋反応開始時間を比較的早くできるので好ましい。
【0027】
また、ハロゲン供与性物質としては、塩化第二スズ等の塩化スズ、塩化第二鉄、塩化第二銅等が挙げられる。ハロゲン化樹脂としては、例えば塩素化ポリエチレン等が挙げられる。これらのハロゲン供与性物質は単独で用いられてもよく、ニ種以上が併用されてもよい。
【0028】
架橋反応を適切に行うために架橋助剤(活性剤)を用いてもよい。架橋助剤としては金属酸化物が使用され、特に酸化亜鉛、炭酸亜鉛が好ましい。
【0029】
上記熱可塑性エラストマー組成物を用い、複写機、プリンター、ファクシミリ等の給紙機構に使用される分離シート、分離パッド、分離ローラ等の紙葉類(PPC用紙、OHP用フィルム等)重送防止部材を形成することができる。これにより、紙葉類を1枚ずつ確実に分離し画像形成機構に送り出す紙葉類重送防止部材の強度、耐久性を向上することができる。
【0030】
さらには、上記熱可塑性エラストマー組成物を用い、トレイに蓄えられたPPC用紙、OHP用フィルム等の紙葉類を画像形成機構に送り出す給紙ローラを形成することができる。これにより、給紙ローラの強度、耐久性を向上することができる。
【0031】
上記紙葉類重送防止部材及び給紙ローラは、通常の方法により作成でき、例えば、以下の方法により作成できる。
即ち、全ての原料を2軸押出機、オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダー等のゴム混練装置に投入して1段階の工程にて混練する。混練温度はオレフィン系樹脂(B)の融点以上熱可塑性樹脂(C)の融点以下が好ましく、具体的には、約160℃〜230℃で加熱し、0.5分〜10分程度混練してゴムを動的架橋した後、ゴム混練装置より押し出している。
この押し出した熱可塑性エラストマー組成物をペレット化し、該ペレットを単軸押出機にてシート状に成形し、このシートをスライスまたは研磨することで、必要な厚みのシートとすることにより紙葉類重送防止部材としている。
【0032】
また、上記の熱可塑性エラストマー組成物をペレット化し、該ペレットを射出(インジェクション)成形機により射出成形してチューブ状に成形する。この成形品の表面を研磨した後、所要寸法にカットして給紙用ゴムローラ(給紙ローラ)としている。
なお、射出成形機のかわりに樹脂用単軸押出機によってチューブ状に押し出し、それをカットすることによってゴムローラとすることもできる。
【0033】
給紙ローラ等のローラは円筒状に成形した状態で、その肉厚は1mm〜8mm、好ましくは2mm〜5mmとしている。これは、ローラの強度との兼ね合いにもよるが、肉厚が小さ過ぎると、ローラが変形しても紙との間に大きな接触面積が形成され難い。一方、肉厚が大き過ぎると、ローラを変形させるためにローラの紙への圧接力を大きくしなければならず、ローラを紙に圧接させるための機構が大型化するためである。
【0034】
上記した本発明に係わる製造方法で製造される熱可塑性エラストマー組成物を用いて形成する紙葉類重送防止部材及び給紙ローラは、作成に用いる熱可塑性エラストマー組成物のゴム粒径を小さく、かつ均一に分散されているため、その強度が改善されており、紙葉類重送防止部材、給紙ローラとして用いた場合に、耐久性が向上する。また、紙葉類重送防止部材、給紙ローラ以外にも、各種事務機器用部材にも用いることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法の実施形態について説明する。 本実施形態の製造方法で製造される熱可塑性エラストマー組成物は、オレフィン系共重合ゴム(A)であるEPDMと、分子内にエチレンブロックを有するオレフィン系樹脂(ポリプロピレン)(B)と、オレフィン系樹脂(B)の融点以上においてオレフィン系樹脂(B)より粘度が高い熱可塑性樹脂(C)であるポリアミド樹脂(ナイロン樹脂)との混合物とからなる。
架橋剤としては、樹脂架橋剤である、反応性フェノール樹脂を用いている。
【0036】
また上記熱可塑性樹脂(C)をポリマー組成物全重量の1.2重量%配合し、かつ、オレフィン系樹脂(B)100重量部に対し、4.7重量部配合している。そして上記ゴムを架橋剤により動的架橋して、上記熱可塑性樹脂(C)中の上記オレフィン系共重合ゴム(A)の粒子径が10μm以下となるようにゴムを分散させている。
【0037】
本実施形態の熱可塑性エラストマー組成物は、以下に示す本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法により製造している。
混練機の同一投入口より、上記全材料及び架橋剤等の任意に添加する薬品等を同時に投入して、上記オレフィン系樹脂(B)の融点以上であり上記熱可塑性樹脂(C)の融点以下である200℃の温度で加熱し、1段階の工程で混練している。
この状態で、200rpmにて、1分間混練し、ゴムを動的架橋し、熱可塑性樹脂中に分散させた後、押し出し、熱可塑性エラストマー組成物を製造する。次いで、この押し出した熱可塑性エラストマー組成物をペレット化している。
【0038】
本実施形態の組成物製造時においては、全配合を1段階で練ることができ、工程が省略できる上に、投入量を従来以上にし、かつ圧力を掛けずに製造可能であるので、従来方法よりも生産性が良好である上、全配合を1段階で練る製法においても、ゴム粒径を10μm以下という小ささにでき、かつ均一にする事ができるため、得られる熱可塑性エラストマー組成物の強度を向上することができる。
【0039】
さらに、本発明は、上記熱可塑性エラストマー組成物をペレット化し、該ペレットを単軸押出機にてシート状に成形し、このシートをスライスまたは研磨することで、必要な厚みのシートとすることにより紙葉類重送防止部材とすることができる。また、該ペレットを射出(インジェクション)成形機により射出成形してチューブ状に成形し、この成形品の表面を研磨した後、所要寸法にカットして給紙ローラとすることができる。
【0040】
図1は、本発明の紙葉類重送防止部材としての分離シート、及び給紙ローラが用いられた給紙機構が示された模式的断面図である。この給紙機構は、給紙ローラ2とトレイ4とを備えている。トレイ4は、その上面の給紙ローラ2寄りに分離シート6を備えている。トレイ4の上面には、多数枚の紙葉類8が重ねられて蓄えられている。トレイ4の給紙ローラ2寄りは、その下面に当接するバネ(図示されず)によって上方に押し上げられ、給紙ローラ2に向かって押し付けられている。分離シート6と給紙ローラ2との間には、紙葉類8の先端部分10が挟まれている。給紙ローラ2が図中の矢印Rで示される方向に回転することにより、紙葉類8が1枚ずつ画像形成機構に向けて送り出される構成としている。
なお、トレイと給紙ローラとが離間しており、給紙ローラと対向する位置に分離パッドや分離ローラが設けられる給紙機構に用いることもできる。
【0041】
以下、本発明の熱可塑性エラストマー組成物の実施例1〜3及び比較例1、2について詳述する。
下記表1に示すように、実施例1〜3および比較例1、2について、表1に記載の配合からなる組成物の全ての材料(架橋剤も含む)をタンブラーにてドライブレンドし、HTM−38(アイペック 2軸押出機)にて、200℃、200rpmにて1段階の工程で混練及び動的架橋し、ペレット状の生成物を得た。この生成物をΦ50単軸押出機(笠松加工研究所)にて200℃、20rpmでシート状に成形した。このシートをスライスまたは研磨することで、必要な厚みの試験用のシートを得た。
【0042】
【表1】
【0043】
表中の各配合の数値単位は重量部である。また表中の各配合の記載は以下の通りである。
・ゴム 4770R:EPDM(デュポンダウエラストマージャパン製NORDEL IP NDR4770R)(ゴム(A))
・熱可塑性樹脂 BC6:ポリプロピレン(日本ポリケム製PP BC6)(熱可塑性樹脂(B))
・熱可塑性樹脂(ポリアミド樹脂)(熱可塑性樹脂(C))
LA0010:ナイロン樹脂(宇部興産製LA0010(6ナイロン+PE))
66ナイロン:ナイロン樹脂(宇部興産製PA3060(66ナイロン+PP+EPDM))
PA3060:ナイロン繊維(東レ製プロミランN−SF(66ナイロン))
【0044】
表に記載の配合以外に、さらに架橋剤として、一般的な架橋剤であり樹脂架橋剤である、反応性フェノール樹脂(田岡化学製タッキロール250-III、及び架橋助剤として亜鉛華(三井金属鉱業社製 亜鉛華1号)等を実施例及び比較例の配合において各々使用した。
【0045】
表中、Ny重量/ポリマー全重量(%)とは、熱可塑性樹脂(C)であるポリアミド樹脂のポリマー組成物全重量に対する重量%を示している。
【0046】
(実施例1乃至実施例3)
実施例1乃至実施例3は、オレフィン系共重合ゴム(A)及び、分子内にエチレンブロックを有するオレフィン系樹脂(B)及び該オレフィン系樹脂(B)の融点以上においてオレフィン系樹脂(B)より粘度が高い熱可塑性樹脂(C) をブレンドしており、熱可塑性樹脂(C)を全重量の約0.5重量%以上配合し、かつオレフィン系樹脂(B)100重量部に対し、100重量部未満配合した。また熱可塑性樹脂(C)は、ポリマー主鎖中にアミド結合をもつ熱可塑性樹脂とした。
【0047】
(比較例1及び比較例2)
比較例1は実施例1の配合において、熱可塑性樹脂(C)を0重量部とした。
よって、オレフィン系共重合ゴム(A)及び、分子内にエチレンブロックを有する熱可塑性樹脂(B)のみをポリマー成分とた。
比較例2はオレフィン系共重合ゴム(A)及び熱可塑性樹脂(C)のみをポリマー成分とした。
【0048】
上記実施例1乃至実施例3、比較例1、2の各試験用シートを、ゴムの粒子径及び引張強度に関して以下の様に試験し、評価した。
【0049】
(ゴムの粒子径の測定評価)
SII製SPM(走査型プローグ顕微鏡)にて試験用シート中のゴムの粒子径を測定した。測定機内蔵の画像解析より求めた。
【0050】
(引張強度試験)
引張試験は、試験用シートをカットして、ダンベル4号で打ち抜き、JIS K6251に準拠して測定し、引張強度Tb(MPa)、破断伸び率Eb(%)を求めた。
【0051】
表1に示すように、実施例1乃至実施例3は上記の引張評価試験において、Tb(Mpa)が23.4〜23.7であり、Eb(%)が625〜680であり、引張強度に優れていた。また、上記のゴム粒子の大きさの測定評価においても、実施例1乃至実施例3は全て0.5μm〜5μmであり、ゴム粒径を10μm以下にすることができ、かつ均一にもすることができた。従って、1段階の混練工程により、強度に優れた熱可塑性エラストマー組成物を製造できることが確認できた。
【0052】
さらに実施例1乃至実施例3では、その製造時に投入量を従来以上にし、かつ圧力を掛けずに製造することができ、その場合にも上記ゴム粒子の大きさ及び引張に関する評価の結果は優れていた。従って本発明方法によると、製造効率が飛躍的に向上し、エネルギーのコストも製品コストも低減できることが確認できた。
【0053】
一方、比較例1、2の熱可塑性エラストマー組成物からなるシートは、配合材料が所定の条件を満たしていないため、1段階の混練工程では、上記の引張評価試験において、Tb(Mpa)が各々19.5、18.6であり、Eb(%)も各々420、415であり、実施例と比べて非常に劣っていた。
また上記のゴム粒子の大きさの測定評価においても、比較例1、2の結果は各々5μm〜40μm、0.5μm〜30μmであり、10μm以上の大きいゴム粒径まで、広い範囲で粒径が存在し、均一にすることができなかった。
【0054】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、全配合材料を1段階で練ることができるので混練工程を簡略化できる。また、配合材料の投入量を従来以上にすることができ、かつ圧力を掛けずに製造可能であるので、製造効率が飛躍的に向上し、生産に要するエネルギーのコストも減少するので、生産性や製品コストを低減することができる。
【0055】
また、熱可塑性エラストマー組成物のゴム粒径を小さく、かつ均一にする事ができるので、優れた強度、特に優れた引張強度を有する熱可塑性エラストマー組成物を得ることができる。
【0056】
よって、上記熱可塑性エラストマー組成物からなる紙葉類重送防止部材及び給紙ローラは、強度、耐久性に優れており、かつ経済上有利であり、インクジェットプリンター、レーザプリンター、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、自動預金支払機(ATM)等における紙送り機構において好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の熱可塑性エラストマー組成物を用いた紙葉類重送防止部材(分離シート)及び給紙ローラを備えた給紙機構を示す図である。
【符号の説明】
2 給紙ローラ
4 トレイ
6 分離シート
8 紙葉類
10 先端部分
Claims (2)
- オレフィン系共重合ゴム(A)と、
オレフィン系樹脂(B)と、
上記オレフィン系樹脂(B)の融点以上の温度にてオレフィン系樹脂(B)より粘度が高く、ポリマー主鎖中にアミド結合を有している熱可塑性樹脂(C)とを、
上記熱可塑性樹脂(C)が、ポリマー組成物全重量の0.5重量%以上の割合となり、かつ、上記オレフィン系樹脂(B)100重量部に対し100重量部未満の割合となるように混合し、
上記混合物を、1つの工程にて同時に混練し、該混練温度は上記オレフィン系樹脂(B)の融点以上であり熱可塑性樹脂(C)の融点以下とし、該混練で動的架橋を行い、熱可塑性エラストマー組成物を製造することを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。 - 上記オレフィン系樹脂(B)としてポリプロピレンを用い、上記熱可塑性樹脂(C)としてポリアミド樹脂を用いている請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
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