JP2002087623A - 紙葉類重送防止部材 - Google Patents

紙葉類重送防止部材

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JP2002087623A
JP2002087623A JP2000281686A JP2000281686A JP2002087623A JP 2002087623 A JP2002087623 A JP 2002087623A JP 2000281686 A JP2000281686 A JP 2000281686A JP 2000281686 A JP2000281686 A JP 2000281686A JP 2002087623 A JP2002087623 A JP 2002087623A
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elastomer composition
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JP2000281686A
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Yasutoki Ito
靖時 伊藤
Shuichi Sakamoto
秀一 坂本
Takeo Nakazono
健夫 中園
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱・溶融による再利用が可能でありなが
ら、しかも鳴きの発生が抑えられた分離パッド1の提
供。 【解決手段】 給紙機構3は、トレイ5と、給紙ローラ
7と、分離パッド1とを備えている。分離パッド1は基
板9に固定されており、給紙ローラ7と対向している。
分離パッド1は、熱可塑性のエラストマー組成物からな
る。このエラストマー組成物では、樹脂架橋剤によって
動的架橋されたゴム粒子とコルク粒子とが熱可塑性ポリ
マー中に分散している。このエラストマー組成物に占め
るコルク粒子の比率は、10質量%以上30質量%以下
である。ゴムは、EPDMを主成分としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ー、ファクシミリ等の給紙機構に用いられる、分離パッ
ド、分離ローラ、分離シート等の紙葉類重送防止部材に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的な給紙機構では、PPC用紙、O
HP用フィルム、樹脂コート紙等の紙葉類が多数枚トレ
イに蓄えられ、この紙葉類が給紙ローラと分離パッドと
の間を通過して画像形成機構に送られる。給紙ローラと
紙葉類との摩擦係数は、紙葉類同士の摩擦係数よりも大
きくなければならない。これによって、紙葉類が一枚ず
つ確実に分離されて画像形成機構に送られ、いわゆる重
送が防止される。
【0003】また、この給紙機構では、分離パッドと紙
葉類との摩擦係数も、紙葉類同士の摩擦係数よりも大き
くなければならない。これにより、トレイ内の紙葉類の
残り枚数が少なく(例えば数枚程度と)なった場合に残
りの紙葉類すべてが一度に送られてしまうこと(すなわ
ち重送)が防止される。
【0004】さらにこの給紙機構では、分離パッドと紙
葉類との摩擦係数が給紙ローラと紙葉類との摩擦係数よ
りも小さくなければならない。これにより、トレイ内の
最後の紙葉類が送られなくなること(いわゆる紙残り)
の発生が防止される。
【0005】すなわち、この種の給紙機構において、重
送防止と紙残り防止との両立のためには、給紙ローラと
紙葉類との摩擦係数μF、分離パッドと紙葉類との摩擦
係数μR及び紙葉類同士の摩擦係数μPは、下記数式 μF>μR>μP −−−(I) で表される関係にある必要がある。
【0006】分離パッドは通常ゴム(例えば天然ゴム、
ポリウレタン、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−
ブタジエン共重合体等)から成形されており、適切な摩
擦係数μRを達成する目的でコルク粒子、短繊維等が配
合されている(例えば特公昭62−56061号公報、
特公平7−5200号公報等参照)。この分離パッドは
ゴム製であるが故に加熱によっても溶融せず、使用後の
再利用(ポリマー原料としての再利用)ができない。省
資源及び環境保全の機運が高まりつつある今日、再利用
が可能な分離パッドが望まれている。
【0007】ハードセグメントとソフトセグメントとか
らなり、ブロック共重合で得られた熱可塑性エラストマ
ーからなる分離パッドも提案されている(例えば特開平
8−324818号公報、特開平9−240866号公
報等参照)。この分離パッドは加熱によって溶融するの
で、ポリマー原料として再利用が可能である。しかしな
がら、熱可塑性エラストマーが用いられた分離パッドで
は一般的にゴム製の分離パッドに比べて圧縮永久歪みが
大きい。このため、繰り返しの使用によって変形しやす
く、重送防止機能が低下してしまうことがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】動的架橋されたゴム粒
子が熱可塑性ポリマー中に分散したエラストマー組成物
(このエラストマー組成物も、「熱可塑性エラストマ
ー」と称されることがある)から分離パッドを成形する
手段も考えられる。しかしながら、OHP用フィルム、
樹脂コート紙等の、表面が合成樹脂である紙葉類が用い
られる場合は、エラストマー組成物からなる分離パッド
と紙葉類とが密着する傾向が見られるので、給紙時に両
者が擦れ合って振動することにより「鳴き」と称される
不快なノイズが発生するおそれがある。また、両者の密
着により、搬送不良が生じてしまうことがある。
【0009】給紙機構の種類によっては、分離パッドに
代えて分離ローラが設けられる場合もある。また、トレ
イに分離シートが取り付けられ、この分離シートと給紙
ローラとが当接するように構成された給紙機構も存在す
る。これらの分離ローラ及び分離シートにおいても、前
述の分離パッドと同様の問題が懸念される。
【0010】本発明はこのような実状に鑑みてなされた
ものであり、加熱・溶融による再利用が可能でありなが
ら、しかも鳴きの発生が抑えられた紙葉類重送防止部材
の提供をその目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的の達成のために
なされた発明は、樹脂架橋剤によって動的架橋されたゴ
ム粒子とコルク粒子とが熱可塑性ポリマー中に分散した
エラストマー組成物からなり、このエラストマー組成物
に占めるコルク粒子の比率が10質量%以上30質量%
以下である紙葉類重送防止部材、である。
【0012】この紙葉類重送防止部材はマトリクスが熱
可塑性ポリマーであるエラストマー組成物からなるの
で、全体として熱可塑性である。従って、この紙葉類重
送防止部材は加熱されることによって溶融し、ポリマー
原料として再利用されうる。また、10質量%以上30
質量%以下のコルク粒子が含まれているので、適切な摩
擦係数μRが達成されるとともに、紙葉類と密着しにく
く鳴きや搬送不良が防止される。
【0013】好ましくは、ゴムはエチレン−プロピレン
−ジエン共重合体(EPDM)を主成分とする。これに
より、紙葉類重送防止部材の耐候性が向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面が参照されつつ、
本発明の実施形態が詳説される。
【0015】図1は、本発明の一実施形態にかかる紙葉
類重送防止部材としての分離パッド1が用いられた給紙
機構3が示された模式的断面図である。この給紙機構3
は、分離パッド1と、トレイ5と、給紙ローラ7とを備
えている。分離パッド1とトレイ5とは、離間してい
る。分離パッド1は基板9に固定されており、給紙ロー
ラ7と対向している。給紙ローラ7が図中の矢印Rで示
される方向に回転することにより、トレイ5の上の紙葉
類11が1枚ずつ画像形成機構(図示されず)に向けて
送り出される。
【0016】この分離パッド1は、動的架橋によって得
られたエラストマー組成物から成形されている。動的架
橋では、熱可塑性ポリマーに生ゴム、架橋剤、コルク粒
子及びその他の添加剤が配合され、混練・加熱される。
加熱によって生ゴムが架橋され、微細粒子となって熱可
塑性ポリマー中に分散する。このエラストマー組成物
は、マトリックスである熱可塑性ポリマーの長所と分散
質であるゴム粒子の長所とを併せ持つ。このエラストマ
ー組成物からなる分離パッド1では、優れた耐摩耗性が
達成されうる。また、この分離パッド1では適切な摩擦
係数μRが達成され、鳴き及び搬送不良が防止されう
る。さらに、この分離パッド1は全体として熱可塑性な
ので、加熱されることによって溶融し、ポリマー原料と
して再利用されうる。
【0017】この分離パッド1には、コルク粒子が配合
されている。コルク粒子は熱可塑性ポリマー中に分散し
ており、一部は分離パッド1の表面に露出している。こ
の露出により、分離パッド1と紙葉類との密着が防止さ
れる。特に、OHPフィルムや樹脂コート紙のような表
面が合成樹脂である紙葉類は分離パッド1との密着を起
こしやすいが、これらの紙葉類であっても、コルク粒子
の露出によって密着が防止される。
【0018】エラストマー組成物に占めるコルク粒子の
比率は、10質量%以上30質量%以下である。比率が
10質量%未満であると、分離パッド1と紙葉類との密
着が起こりやすく、鳴きや搬送不良が生じることがあ
る。この観点から、コルク粒子の比率は15質量%以上
が特に好ましい。逆に、コルク粒子の比率が30質量%
を越えると、摩擦係数μRが小さくなり、重送が発生す
ることがある。この観点から、コルク粒子の比率は25
質量%以下が特に好ましい。
【0019】コルク粒子は、80メッシュの篩を通過せ
ず10メッシュの篩を通過する粒子径のものが好まし
い。粒子径がこれより小さいと、分離パッド1と紙葉類
との密着が起こりやすく、鳴きや搬送不良が生じること
がある。逆に、粒子径がこれより大きいと、摩擦係数μ
Rが小さくなり、重送が発生することがある。これらの
観点から、コルク粒子は、40メッシュの篩を通過せず
20メッシュの篩を通過する粒子径のものが特に好まし
い。粒子径が上記範囲内であるコルク粒子と他のコルク
粒子が混合される場合でも、粒子径が上記範囲内である
コルク粒子の全コルク粒子に占める比率は50質量%以
上、特には80質量%以上が好ましい。なお、粒子径の
測定には、JIS−Z8801に規定された篩が用いら
れる。
【0020】マトリックスである熱可塑性ポリマーに
は、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ
カーボネート、ポリアセタール、アクリル樹脂等が挙げ
られ、特にポリオレフィンが好適である。ポリオレフィ
ンは分子鎖が飽和状態であるので、動的架橋時に架橋さ
せてしまうことがない。また、ポリオレフィンは一般的
に安価で入手が容易なので、これが用いられることによ
り分離パッド1の製造コストが抑えられる。ポリオレフ
ィンの具体例としては、例えばポリプロピレン、ポリエ
チレン、エチレン−エチルアクリレート樹脂、エチレン
−ビニルアセテート樹脂、エチレン−メタクリル酸樹
脂、アイオノマー樹脂等が挙げられる。また、いわゆる
メタロセン触媒によって重合されたポリプロピレン又は
ポリエチレンも、好適に用いられる。さらに、超高分子
量ポリエチレンも、好適に用いられ得る。これらのポリ
オレフィンは単独で用いられてもよく、また、2種以上
が併用されてもよい。
【0021】ポリオレフィンのなかでも、分離パッド1
の耐摩耗性が向上すること、成形性が良好であること、
安価であること等の観点から、ポリプロピレンが特に好
適である。特に、メルトフローレートが0.5以上10
以下(特には0.5以上5.0以下)であるポリプロピ
レンが用いられれば、分離パッド1の耐摩耗性がさらに
良好となる。メルトフローレートは、JIS−K−67
58に準拠して測定される。
【0022】ポリオレフィンに代えて、又はポリオレフ
ィンとともに、ソフトセグメントとハードセグメントと
を備えた熱可塑性エラストマーが用いられてもよい。好
適な熱可塑性エラストマーとしては、水素添加スチレン
系熱可塑性エラストマーが挙げられる。水素添加スチレ
ン系熱可塑性エラストマーは、ポリスチレン末端ブロッ
クとエラストマー中間ブロックとからなるブロック共重
合体を主成分としているものである。水素添加スチレン
系熱可塑性エラストマーでは中間ブロックが水素添加さ
れることによって二重結合が消滅しており、従って動的
架橋時に架橋させてしまうことがない。水素添加スチレ
ン系熱可塑性エラストマーの具体例としては、スチレン
−エチレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン/
プロピレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン/
ブチレン−スチレン共重合体等が挙げられる。
【0023】分散質であるゴムには、EPDM、ポリブ
タジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイソプ
レン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレ
ン−プロピレン共重合体、ポリウレタン、クロロプレン
ゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、クロロスルホン
化ポリエチレン、天然ゴム等が用いられうる。
【0024】特に好適なゴムは、EPDMである。EP
DMの主鎖は飽和炭化水素からなるので、この主鎖には
二重結合が含まれない。このため、EPDMは高濃度オ
ゾン雰囲気、光線照射等の環境下に長時間曝されても分
子主鎖切断が起こりにくい(すなわち耐候性に優れ
る)。複写機等では画像形成時にオゾンが発生すること
があるが、EPDMが用いられることにより分離パッド
1のオゾン劣化が抑制される。また、EPDMは、熱可
塑性ポリマーへの分散性にも比較的優れる。
【0025】EPDMと他のゴムとが併用されてもよ
い。この場合でも、分離パッド1の耐候性維持の観点か
ら、EPDMが主成分であるのが好ましい。具体的に
は、全ゴムに占めるEPDMの比率が30質量%以上、
さらには50質量%以上、特には80質量%以上とされ
るのが好ましい。耐候性の観点から、EPDMが全ゴム
に占める比率は高いほど好ましいので、本発明ではこの
上限値は特には規定されない。
【0026】EPDMには、ゴム成分のみからなる非油
展タイプのEPDMとゴム成分とともに伸展油を含む油
展タイプのEPDMとが存在するが、分離パッド1には
いずれのタイプのEPDMも用いられ得る。なお、油展
タイプのEPDMが用いられる場合は、伸展油を除いた
ゴム成分が全ゴムに占める比率が、上記の範囲内(30
質量%以上、さらには50質量%以上、特には80質量
%以上)とされればよい。
【0027】粒子直径が小さいほど、ゴム粒子がマトリ
ックス中に均一に分散するので好ましい。具体的には、
ゴム粒子の平均粒子直径は10μm以下が好ましく、5
μm以下が特に好ましい。平均粒子直径は小さいほど好
ましいが、通常得られるゴム粒子の平均粒子直径は0.
1μm以上である。
【0028】ゴムと熱可塑性ポリマーとの質量比は30
/70以上80/20以下が好ましい。質量比が30/
70以下であると、分離パッド1の摩擦係数が小さくな
ってしまうことがある。この観点から、質量比は40/
60以上がより好ましく、50/50以上が特に好まし
い。逆に、質量比が80/20を超えると、熱可塑性ポ
リマーがマトリックスでなくなってしまい、エラストマ
ー組成物の可塑化が困難となってしまうことがある。こ
の観点から、質量比は70/30以下が特に好ましい。
なお、油展ゴムが用いられる場合は、この油展ゴム中の
ゴム成分と熱可塑性ポリマーとの質量比が、上記範囲内
とされる。
【0029】ゴムは、樹脂架橋剤によって架橋されてい
る。樹脂架橋剤が用いられることにより、硫黄と加硫促
進剤とによってゴムが架橋された場合にありがちなブル
ーミングが抑制される。従って、ブルーミングによる分
離パッド1の摩擦係数低下が防止される。好ましい樹脂
架橋剤として、ベンゼンのオルト位又はパラ位にアルキ
ル基が結合したアルキルフェノールとホルムアルデヒド
との反応によって得られる、アルキルフェノール・ホル
ムアルデヒド樹脂が挙げられる。また、このアルキルフ
ェノール・ホルムアルデヒド樹脂のハロゲン化物(塩素
化物、臭素化物、フッ素化物、ヨウ素化物等)も好適に
用いられる。これらの樹脂架橋剤はゴムとの相溶性に優
れており、また、反応性に富んでいて架橋反応開始時間
が早くなるので好ましい。
【0030】樹脂架橋剤の配合量は、ゴム100部(油
展ゴムの場合は、ゴム成分100部)に対して1部以上
20部以下が好ましく、3部以上15部以下が特に好ま
しく、5部以上10部以下がさらに好ましい。配合量が
上記範囲未満であると、架橋不足が起こり、分離パッド
1の耐久性が低下してしまうことがある。逆に、配合量
が上記範囲を越えると、過剰架橋となって動的架橋時の
異常発熱によるエラストマー組成物の熱劣化が生じてし
まうことがある。なお、本明細書において「部」で示さ
れる数値は、質量が基準とされたときの比を意味する。
【0031】エラストマー組成物には、オイル、可塑剤
等の軟化剤が配合されてもよい。これにより、分離パッ
ド1が低硬度となって、その摩擦係数が向上する。配合
されるオイルとしては、例えばパラフィン系鉱物油、ナ
フテン系鉱物油、芳香族系鉱物油、炭化水素系オリゴマ
ー等が挙げられる。また、配合される可塑剤としては、
ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチ
ルセパケート、ジオクチルアジペート等が挙げられる。
なお、油展タイプのゴムが用いられる場合は伸展油が軟
化剤として作用するので、他の軟化剤の配合が省略され
てもよい。もちろん、必要に応じ、油展タイプのゴムに
さらに軟化剤が添加されてもよい。
【0032】エラストマー組成物には、必要に応じて充
填剤、老化防止剤、ワックス、着色剤、架橋助剤、補強
繊維等が適量添加されてもよい。
【0033】エラストマー組成物は、熱可塑性ポリマ
ー、ゴム、樹脂架橋剤、各種添加剤等が、例えばオープ
ンロール、バンバリーミキサー、ニーダー、単軸押出
機、二軸押出機等の既知の混練機にて混練されることに
より得られる。混練時にゴムが架橋され、微細粒子とな
って熱可塑性ポリマーマトリックス中に分散する(いわ
ゆる動的架橋)。得られたエラストマー組成物は、押出
成形、射出成形、圧縮成形等の既知の成形手段により、
分離パッド1とされる。なお、混練機としては、ゴムの
配合量が熱可塑性ポリマーの配合量を多少上回った場合
でも熱可塑性ポリマーがマトリックスとされ得るとの理
由より、二軸押出機が好ましい。
【0034】この分離パッド1が用いられた給紙機構3
では、給紙ローラ7と紙葉類11との摩擦係数μF、分
離パッド1と紙葉類11との摩擦係数μR及び紙葉類1
1、11同士の摩擦係数μPは、下記数式 μF>μR>μP −−−(I) で表される関係にある。これにより、紙葉類11の重送
及び紙残りが防止される。
【0035】このエラストマー組成物は、マトリックス
が熱可塑性ポリマーなので、加熱によって溶融する。す
なわち、このエラストマー組成物は、いわゆる熱可塑性
エラストマー組成物である。従って、使用期間が終了し
た後の分離パッド1は、加熱・溶融されることにより、
再生ポリマーの原料として利用されうる。従って、この
分離パッド1は、省資源に寄与しうる。また、再利用に
よって分離パッド1の廃棄処分や焼却処分の必要がなく
なるので、この分離パッド1は地球環境に悪影響を与え
ない。
【0036】この分離パッド1は、熱可塑性ポリマー中
にゴム粒子が分散しているエラストマー組成物からなる
という点において、ポリマーとしての熱可塑性エラスト
マー(ハードセグメントとソフトセグメントとからな
り、ブロック共重合で得られるもの)単体からなる分離
パッドとは明確に区別される。分散ゴム粒子を備えた分
離パッド1は圧縮永久歪みが小さいので、長期間の使用
によっても紙葉類搬送力が低下しにくい。
【0037】図2は、本発明の他の実施形態にかかる紙
葉類重送防止部材としての分離シート13が用いられた
給紙機構15が示された模式的断面図である。この給紙
機構15は、給紙ローラ17とトレイ19とを備えてい
る。分離シート13は、トレイ19の上面の給紙ローラ
17寄りに設けられている。トレイ19の上面には、多
数枚の紙葉類11が重ねられて蓄えられている。トレイ
19の給紙ローラ17寄りは、その下面に当接するバネ
(図示されず)によって上方に押し上げられ、給紙ロー
ラ17に向かって押しつけられている。分離シート13
と給紙ローラ17との間には、紙葉類11の先端部分が
挟まれている。給紙ローラ17が図中の矢印Rで示され
る方向に回転することにより、紙葉類11が1枚ずつ画
像形成機構(図示されず)に向けて送り出される。
【0038】分離シート13は、図1に示された分離パ
ッド1と同様のエラストマー組成物から形成されてい
る。従って、この分離シート13でも、鳴きや搬送不良
が発生しにくい。また、この分離シート13は加熱によ
って溶融するので、再生ポリマーの原料として利用され
うる。さらに、この分離シート13では、長期間の使用
によっても紙葉類搬送力が低下しにくい。
【0039】分離パッド1(図1参照)に代えて、分離
ローラが設けられた給紙機構も存在する。また、分離パ
ッド1と分離シート13との両方を備えた給紙機構も存
在する。いずれの場合でも、これら紙葉類重送防止部材
(分離パッド、分離ローラ、分離シート等)に図1の分
離パッド1と同様のエラストマー組成物が用いられう
る。
【0040】
【実施例】以下、実施例によって本発明の効果が明らか
されるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的
に解釈されるべきでないことはもちろんである。
【0041】[実施例1]コルクを粉砕し、コルク粒子
を得た。一方、50質量%の伸展油が油展されたEPD
M(住友化学社の商品名「エスプレン670F」)を二
軸押出機(モリヤマ社の「2TR−75」)を用いて押
し出し、直径が4mmで長さが4mmのペレットを得
た。このペレット140部(ゴム成分70部)、ポリプ
ロピレン(日本ポリケム社の商品名「ノバテックPP
MG05BS)30部及び前述のコルク粒子19.8部
(10質量%)をタンブラーにて混合し、二軸押出機
(アイベック社の「HTM38」)に投入した。別の投
入口より樹脂架橋剤としての臭素化アルキルフェノール
・ホルムアルデヒド樹脂(田岡化学社の商品名「タッキ
ロール 250−III」)8.4部を投入し、180℃で
混練して動的架橋を行わせ、エラストマー組成物を得
た。このエラストマー組成物をリボン状(幅30mm、
厚み3mm)に押し出し、冷却後に厚みが半分となるよ
うにスライスした。さらに幅が10mmであり長さが6
0mmである長方形に裁断して、実施例1の分離パッド
を得た。
【0042】[実施例2及び3並びに比較例1及び2]
コルク粒子の配合量を下記の表1に示される通りとした
他は実施例1と同様にして、実施例2及び3並びに比較
例1及び2の分離パッドを得た。
【0043】[比較例3]コルク粒子の配合量を17
8.4部(50質量%)とし、実施例1と同様にして混
練を試みたが、リボン状に押し出すことができなかっ
た。以降の評価を中止した。
【0044】[初期摩擦係数の測定]ヘイドン14型の
摩擦係数測定機(新東科学社の商品名「トライボギア
TYPE:HEIDON−14DR」)を用意した。そ
して、普通紙(キャノン社の「プロパーボンド紙」)を
測定紙として用い、新品段階での分離パッドの摩擦係数
μRを測定した。測定時の荷重を1.96Nとし、速度
を600mm/minとした。また、OHPフィルム
(リコー社の「TYPE PPC−ST」)を用い、同
様に摩擦係数μRを測定した。これらの結果が、下記の
表1に示されている。
【0045】[鳴きの発生の確認]各実施例及び比較例
の分離パッドをプリンター(キャノン社の商品名「LB
P470」)に装着した。そして、OHPフィルム(前
述の「TYPE PPC−ST」)を通紙して、鳴きの
発生の有無を確認した。この結果が、下記の表1に示さ
れている。
【0046】[通紙状況の観察]各実施例及び比較例の
分離パッドをプリンター(前述の「LBP470」)に
装着した。そして、1000枚の普通紙(前述の「プロ
パーボンド紙」)を通紙して、通紙状況(重送の発生の
有無)を目視観察した。この結果が、下記の表1に示さ
れている。
【0047】
【表1】
【0048】表1において、比較例1の分離パッドで
は、OHPフィルムの通紙時に鳴きが発生している。ま
た、比較例2の分離パッドでは、普通紙の通紙時に重送
が発生している。これに対し、各実施例の分離パッドで
は、鳴きも重送も発生していない。これらの評価結果よ
り、本発明の優位性が明らかにされる。
【0049】以上、分離パッドが一例とされてコルク粒
子配合エラストマー組成物の効果が明らかにされたが、
このエラストマー組成物が用いられることにより、分離
ローラ、分離シート等においても同様の効果が得られ
る。
【0050】
【発明の効果】以上説明されたように、本発明の紙葉類
重送防止部材では、鳴きが発生しにくい。また、この紙
葉類重送防止部材は、加熱によって溶融するので、ポリ
マー原料として再利用されうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態にかかる紙葉類重
送防止部材としての分離パッドが用いられた給紙機構が
示された模式的断面図である。
【図2】図2は、本発明の他の実施形態にかかる紙葉類
重送防止部材としての分離シートが用いられた給紙機構
が示された模式的断面図である。
【符号の説明】
1・・・分離パッド 3、15・・・給紙機構 5、19・・・トレイ 7、17・・・給紙ローラ 9・・・基板 11・・・紙葉類 13・・・分離シート
フロントページの続き (72)発明者 中園 健夫 兵庫県神戸市中央区脇浜町3丁目6番9号 住友ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 3F343 FA02 FA09 FA14 FB02 FB03 FB04 FC01 GA02 GB01 GC01 GD01 JA01 JD08 JD37

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂架橋剤によって動的架橋されたゴム
    粒子とコルク粒子とが熱可塑性ポリマー中に分散したエ
    ラストマー組成物からなり、このエラストマー組成物に
    占めるコルク粒子の比率が10質量%以上30質量%以
    下である紙葉類重送防止部材。
  2. 【請求項2】 上記ゴムの主成分がエチレン−プロピレ
    ン−ジエン共重合体である請求項1に記載の紙葉類重送
    防止部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101805468A (zh) * 2010-03-22 2010-08-18 深圳创怡兴实业有限公司 防止纸张重送的分离片及使用该分离片的给纸机构

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