JP3254197B2 - 紙葉類重送防止部材 - Google Patents

紙葉類重送防止部材

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JP3254197B2
JP3254197B2 JP35110499A JP35110499A JP3254197B2 JP 3254197 B2 JP3254197 B2 JP 3254197B2 JP 35110499 A JP35110499 A JP 35110499A JP 35110499 A JP35110499 A JP 35110499A JP 3254197 B2 JP3254197 B2 JP 3254197B2
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靖時 伊藤
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健夫 中園
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ー、ファクシミリ等の給紙機構に用いられる、分離シー
ト、分離パッド、分離ローラ等の紙葉類重送防止部材に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】給紙機構では、PPC用紙、OHP用フ
ィルム等の紙葉類がトレイに蓄えられ、この紙葉類が給
紙ローラによって画像形成機構に送られる。この給紙ロ
ーラと紙葉類との摩擦係数は、ある程度大きめである必
要がある。具体的には、紙葉類と給紙ローラとの摩擦係
数が、紙葉類同士の摩擦係数よりも大きくなければなら
ない。これによって、紙葉類が一枚ずつ確実に分離され
て画像形成機構に送られ、いわゆる重送が防止される。
【0003】この給紙機構において、如何に紙葉類と給
紙ローラとの摩擦係数が大きくても、トレイ内の紙葉類
の残り枚数が少なく(例えば数枚程度と)なると、残り
の紙葉類すべてが一度に送られて重送が発生してしまう
ことがある。これは、トレイと紙葉類との摩擦係数が紙
葉類同士の摩擦係数よりも小さいため、紙葉類が一枚ず
つ確実に分離されないことに起因する。紙葉類の残り枚
数が少なくなった場合の重送を防止するには、トレイと
紙葉類との摩擦係数がある程度大きめである必要があ
る。
【0004】ところが、トレイと紙葉類との摩擦係数が
大きすぎて、給紙ローラと紙葉類との摩擦係数よりも大
きくなると、トレイ内の最後の紙葉類が送られなくなっ
ていわゆる紙残りが発生してしまう。紙残りを防止する
には、トレイと紙葉類との摩擦係数が給紙ローラと紙葉
類との摩擦係数よりも小さいことが必要である。すなわ
ち、この種の給紙機構において、重送防止と紙残り防止
とを両立させるには、給紙ローラと紙葉類との摩擦係数
μF、トレイと紙葉類との摩擦係数μR及び紙葉類同士
の摩擦係数μPは、下記数式 μF>μR>μP −−−(I) で表される関係にある必要がある。
【0005】紙葉類がPPC用紙である場合、μFは
1.5から2.5程度であり、μPは0.3から0.3
5程度である。従って、μRは0.5以上1.2以下程
度とされる必要がある。ところが、トレイの本体は通常
合成樹脂製であり、この合成樹脂の表面は摩擦係数が小
さいので、本体のみではμRを上記範囲内とすることは
困難である。
【0006】上記数式(I)で表される範囲内のμRを
達成するため、トレイ本体の給紙ローラと対向する位置
に、分離シートが設けられることがある。分離シートは
通常はゴム製であり、また、表面が研磨されることによ
って表面粗度が高められ、摩擦係数が調整されている。
このような分離シートは、例えば特開平5−17034
8号公報等に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】分離シートが長期間使
用されると、表面が摩耗して摩擦係数が低下してしまう
ことがある。また、摩耗量が大幅であると、給紙ローラ
がトレイ本体と接触してしまうおそれもある。また、こ
の分離シートでは表面研磨工程が必要であり、しかもこ
の表面研磨工程で所定範囲の摩擦係数となるように微妙
に表面粗度を調整しなければならないので、製造コスト
が上昇してしまう。さらに、この分離シートはゴム製で
あるので加熱されても溶融せず、このため原料ポリマー
としての再利用が図れないものである。
【0008】複写機の機種によっては、トレイと給紙ロ
ーラとが離間しており、給紙ローラと対向する位置に分
離パッドや分離ローラが設けられる給紙機構もある。こ
れら分離パッドや分離ローラにおいても、前述の分離シ
ートと同様に、摩耗による摩擦係数の低下、製造の困難
性、再利用の困難性等の問題がある。
【0009】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであり、耐摩耗性に優れ、製造が容易であり、しか
も原料ポリマーとしての再利用が可能な紙葉類重送防止
部材の提供をその目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的の達成のために
なされた発明は、樹脂架橋剤によって動的架橋されたゴ
ムの粒子が熱可塑性ポリマー中に分散しており、この熱
可塑性ポリマーが超高分子量ポリエチレンを含んでお
り、この超高分子量ポリエチレン以外の熱可塑性ポリマ
ーとゴムとの合計量100部に対する超高分子量ポリエ
チレンの配合量が5部以上55部以下である紙葉類重送
防止部材、である。
【0011】この紙葉類重送防止部材には超高分子量ポ
リエチレンが配合されており、この超高分子量ポリエチ
レン以外の熱可塑性ポリマー(以下、「他の熱可塑性ポ
リマー」とも称される)とゴムとの合計量100部に対
する超高分子量ポリエチレンの配合量が5部以上55部
以下とされているので、耐摩耗性に優れる。従って、長
期間の使用によっても摩耗しにくく、良好な摩擦係数が
長期間維持される。また、この紙葉類重送防止部材では
表面研磨の必要がないので、製造工程が簡略化される。
しかも、この紙葉類重送防止部材は熱可塑性であるので
加熱によって溶融し、従って原料ポリマーとして再利用
されうる。
【0012】好ましくは、ゴムはエチレン−プロピレン
−ジエン共重合体(EPDM)を主成分とする。これに
より、紙葉類重送防止部材の耐候性が向上する。また、
好ましくは、他の熱可塑性ポリマーは、成形性に優れ安
価であるポリプロピレンである。
【0013】好ましくは、ゴムと他の熱可塑性ポリマー
との質量比は20/80以上70/30以下である。こ
れにより、紙葉類重送防止部材の良好な摩擦係数と熱可
塑性との両立が達成される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面が参照されつつ、
本発明の実施形態が詳説される。
【0015】図1は、本発明の一実施形態にかかる紙葉
類重送防止部材としての分離シートが用いられた給紙機
構が示された模式的断面図である。この給紙機構は、給
紙ローラ2とトレイ4とを備えている。トレイ4は、そ
の上面の給紙ローラ2寄りに分離シート6を備えてい
る。トレイ4の上面には、多数枚の紙葉類8が重ねられ
て蓄えられている。トレイ4の給紙ローラ2寄りは、そ
の下面に当接するバネ(図示されず)によって上方に押
し上げられ、給紙ローラ2に向かって押しつけられてい
る。分離シート6と給紙ローラ2との間には、紙葉類8
の先端部分10が挟まれている。給紙ローラ2が図中の
矢印Rで示される方向に回転することにより、紙葉類8
が1枚ずつ画像形成機構に向けて送り出される。
【0016】この分離シート6は、動的架橋によって得
られた熱可塑性ポリマー組成物から成形されている。こ
の熱可塑性ポリマー組成物では、熱可塑性ポリマーのマ
トリクス中に架橋されたゴムの粒子が分散している。
【0017】分散質として好適なゴムは、EPDMであ
る。EPDMは主鎖が飽和炭化水素からなり、主鎖に二
重結合を含まない。このため、高濃度オゾン雰囲気、光
線照射等の環境下に長時間曝されても、分子主鎖切断が
起こりにくく、耐候性に優れるものである。従って、画
像形成時にオゾンが発生する複写機等の給紙機構に好適
である。また、EPDMは、熱可塑性ポリマーへの分散
性も比較的良好である。
【0018】分散質には、EPDMとともに他のゴムが
併用されてもよい。用いられるゴムとしては、天然ゴ
ム、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、
ポリイソプレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体、エチレン−プロピレン共重合体、クロロプレンゴ
ム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン等が
挙げられる。他のゴムがEPDMと併用される場合で
も、分離シート6の耐候性維持等の観点から、全ゴムに
占めるEPDMの比率が50質量%以上、特には80質
量%以上とされるのが好ましい。耐候性の観点からは全
ゴム中においてEPDMの占める比率は高いほど好まし
いので、本発明ではこの上限値は特には規定されない。
EPDMには、ゴム成分のみからなる非油展タイプのE
PDMとゴム成分とともに親展油を含む油展タイプのE
PDMとが存在するが、本発明ではいずれのタイプのE
PDMも用いられ得る。なお、油展タイプのEPDMが
用いられる場合、親展油を除いたゴム成分が全ゴム中に
占める比率が、上記の50質量%以上(好ましくは80
質量%以上)とされればよい。
【0019】ゴムは、樹脂架橋剤によって架橋されてい
る。樹脂架橋剤が用いられることにより、硫黄と加硫促
進剤とが用いられた場合にありがちなブルーミングの問
題が生じない。従って、ブルーミングによる分離シート
6の摩擦係数低下が防止される。好ましい樹脂架橋剤と
して、ベンゼンのオルト位又はパラ位にアルキル基が結
合したアルキルフェノールと、ホルムアルデヒドとの反
応によって得られるアルキルフェノール・ホルムアルデ
ヒド樹脂が挙げられ、また、このハロゲン化物も好適に
用いられる。これらの樹脂架橋剤はゴムとの相溶性に優
れるとともに、反応性に富んでいて架橋反応開始時間が
早くなるので好ましい。
【0020】樹脂架橋剤の配合量は、ゴム100部に対
して1部以上20部以下が好ましく、8部以上15部以
下が特に好ましい。配合量が上記範囲未満であると、架
橋不足が起こり、分離シート6の耐久性が低下してしま
うことがある。逆に、配合量が上記範囲を越えると、過
剰架橋となって動的架橋時の異常発熱による熱可塑性ポ
リマー組成物の熱劣化が生じてしまうしまうことがあ
る。なお、本明細書において用いられる「部」という用
語は、質量が基準とされたときの比を意味する。
【0021】マトリックスには、超高分子量ポリエチレ
ンが含まれている。超高分子量ポリエチレンとは、AS
TM−D−4020に準拠して測定される平均分子量が
100万以上のポリエチレンのことである。超高分子量
ポリエチレンの配合により、分離シート6の耐摩耗性が
向上する。耐摩耗性向上の観点から、超高分子量ポリエ
チレンの平均分子量は150万以上が好ましく、200
万以上が特に好ましい。
【0022】マトリックスには、他の熱可塑性ポリマー
が含まれる。好適な他の熱可塑性ポリマーはポリオレフ
ィンであり、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン−エチルアクリレート樹脂、エチレン−ビ
ニルアセテート樹脂、エチレン−メタクリル酸樹脂、ア
イオノマー樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いら
れてもよく、また、2種以上が混合されて用いられても
よい。ポリオレフィン系樹脂は分子鎖が飽和状態である
ので、動的架橋時に架橋させてしまうことがない。ま
た、ポリオレフィン系樹脂は一般的に安価で入手が容易
であるので、これが用いられることにより分離シート6
の製造コストが抑えられる。特に好ましいポリオレフィ
ンは、成形性に優れるという理由より、ポリプロピレン
である。
【0023】また、他の熱可塑性ポリマーとして、ポリ
オレフィンに代えて、又はポリオレフィンとともに、ソ
フトセグメントとハードセグメントとを備えた熱可塑性
エラストマーが用いられてもよい。好適な熱可塑性エラ
ストマーとしては、水素添加スチレン系熱可塑性エラス
トマーが挙げられる。水素添加スチレン系熱可塑性エラ
ストマーは、ポリスチレン末端ブロックとエラストマー
中間ブロックとからなるブロック共重合体を主成分とし
ているものである。中間ブロックが水素添加されること
によって二重結合が消滅しており、従って動的架橋時に
架橋させてしまうことがない。用いられる水素添加スチ
レン系熱可塑性エラストマーとしては、例えばスチレン
−エチレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン/
プロピレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン/
ブチレン−スチレン共重合体等が挙げられる。
【0024】他の熱可塑性ポリマーとゴムとの合計量1
00部に対する超高分子量ポリエチレンの配合量は、5
部以上55部以下とされる。配合量が5部以上とされる
ことにより、分離シート6の耐摩耗性が高められる。ま
た、配合量が55部以下とされることにより、分離シー
ト6の成形が容易となる。これらの観点から、超高分子
量ポリエチレンの配合量は10部以上30部以下が好ま
しい。
【0025】ゴムと他の熱可塑性ポリマーとの質量比
は、20/80以上70/30以下が好ましく、50/
50以上70/30以下が特に好ましい。質量比が上記
範囲未満であると、分離シート6の摩擦係数が小さくな
ってしまうことがある。逆に、質量比が上記範囲を超え
ると、熱可塑性ポリマーがマトリックスでなくなってし
まい、組成物の可塑化が困難となってしまうことがあ
る。
【0026】熱可塑性ポリマー組成物には、オイル、可
塑剤等の軟化剤が配合されてもよい。これにより、分離
シート6が低硬度となって、その摩擦係数が向上する。
配合されるオイルとしては、例えばパラフィン系鉱物
油、ナフテン系鉱物油、芳香族系鉱物油、炭化水素系オ
リゴマー等が挙げられる。また、配合される可塑剤とし
ては、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ
オクチルセパケート、ジオクチルアジペート等が挙げら
れる。なお、油展タイプのゴムが用いられる場合は親展
油が軟化剤として作用するので、他の軟化剤の配合が省
略されてもよい。もちろん、必要に応じ、油展タイプの
ゴムにさらに軟化剤が添加されてもよい。
【0027】熱可塑性ポリマー組成物には、必要に応じ
て充填剤、老化防止剤、ワックス、着色剤、架橋助剤等
が適量添加されてもよい。
【0028】熱可塑性ポリマー組成物は、例えばオープ
ンロール、バンバリーミキサー、ニーダー、単軸押出
機、二軸押出機等の既知の混練機にて混練されることに
より得られる。混練時にゴムが架橋され、微細粒子とな
って熱可塑性ポリマーマトリックス中に分散する(いわ
ゆる動的架橋)。得られた熱可塑性ポリマー組成物は、
押出成形、射出成形、圧縮成形等の既知の成形手段によ
り、分離シート6とされる。なお、混練機は、ゴムの配
合量が熱可塑性ポリマーの配合量を多少上回った場合で
も熱可塑性ポリマーがマトリックスとされ得るとの理由
より、二軸押出機が好ましい。
【0029】この分離シート6が用いられた給紙機構で
は、給紙ローラ2と紙葉類8との摩擦係数μF、トレイ
4(すなわち分離シート6)と紙葉類8との摩擦係数μ
R及び紙葉類8、8同士の摩擦係数μPは、下記数式 μF>μR>μP −−−(I) で表される関係にある。これにより、紙葉類の重送及び
紙残りが防止される。
【0030】この分離シート6は動的架橋されたゴム粒
子が熱可塑性ポリマー中に分散しているので、表面研磨
工程が省略されたり、表面研磨工程における研磨時間が
短縮されても、容易にμRが上記数式(I)で表される
範囲内に設定され得る。また、この分離シート6は超高
分子量ポリエチレンが配合されているので摩耗しにくい
が、もし長期間の使用によって表面が摩耗しても、熱可
塑性ポリマーのマトリクス中にゴム粒子が分散した状態
が表面から内部にまで渡っているので、常にほぼ一定の
表面粗度が維持される。従って、摩擦係数の経時変化が
抑えられる。
【0031】図2は、本発明の他の実施形態にかかる紙
葉類重送防止部材としての分離パッドが用いられた給紙
機構が示された模式的断面図である。この給紙機構で
は、トレイ12と給紙ローラ2とが離間している。給紙
ローラ2と対向する位置には、基板14に固定された分
離パッド16が設けられている。給紙ローラ2が図中の
矢印Rで示される方向に回転することにより、トレイ1
2の上の紙葉類8が1枚ずつ画像形成機構に向けて送り
出される。
【0032】分離パッド16は、図1に示された分離シ
ート6と同様の、超高分子量ポリエチレンを含む熱可塑
性ポリマー組成物から成形されている。従って、この分
離パッド16は耐摩耗性に優れ、また、加熱によって原
料ポリマーとしての再利用が可能である。
【0033】分離パッド16に代えて、分離ローラが設
けられた給紙機構も存在する。また、分離パッドと分離
シートとの両方を備えた給紙機構も存在する。いずれの
場合でも、これら紙葉類重送防止部材(分離シート、分
離パッド、分離ローラ等)に図1の分離シート6と同様
の熱可塑性ポリマー組成物が用いられることにより、そ
の耐摩耗性、生産性、再利用性等が高められる。
【0034】
【実施例】以下、実施例によって本発明の効果が明らか
されるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的
に解釈されるべきでないことはもちろんである。
【0035】[実施例1]50質量%の親展油が油展さ
れたEPDM(住友化学社の商品名「670F」)を二
軸押出機(モリヤマ社の「2TR−75」)を用いて押
し出し、直径が4mmで長さが4mmの大きさにペレッ
ト化した。このペレット140部(ゴム成分70部)
と、平均分子量が200万の超高分子量ポリエチレン
(三井化学社の商品名「ミペロン」)10部と、他の熱
可塑性ポリマーとしてのポリプロピレン(日本ポリケム
社の商品名「ノバテックPP MG05BS」)30部
とをタンブラーにて混合し、二軸押出機(アイベック社
の「HTM38」)に投入した。別の投入口より樹脂架
橋剤としての臭素化アルキルフェノール・ホルムアルデ
ヒド樹脂(田岡化学社の商品名「タッキロール 250
−III」)8.4部を投入し、180℃で混練してリボ
ン状(幅30mm、厚み3mm)に押し出した。これを
冷却後、厚みが半分となるようにスライスし、幅10m
m、長さ60mmの長方形に裁断して、実施例1の紙葉
類重送防止部材を得た。
【0036】[比較例1並びに実施例2及び3]超高分
子量ポリエチレンの配合量を下記の表1に示されるよう
に変量させた他は実施例1と同様にして、比較例1並び
に実施例2及び3の紙葉類重送防止部材を得た。
【0037】[比較例2]超高分子量ポリエチレンの配
合量を下記の表1に示されるように変量させた他は実施
例1と同様にして紙葉類重送防止部材を得ようとした
が、成形できなかった。以降の評価を中止した。
【0038】[実施例4及び比較例3]超高分子量ポリ
エチレンを、平均分子量が600万のもの(三井化学社
の商品名「ハイゼックス・ミリオン630M」)とした
他は実施例1と同様にして、実施例4の紙葉類重送防止
部材を得た。また、超高分子量ポリエチレンに代えて平
均分子量が5万のポリエチレン(三井化学社の商品名
「ウルトゼックス2005HC」)を用いた他は実施例
1と同様にして、比較例3の紙葉類重送防止部材を得
た。
【0039】[実施例5及び6]EPDM、ポリプロピ
レン及び超高分子量ポリエチレンの配合量を下記の表1
に示されるように変量させた他は実施例1と同様にし
て、実施例5及び6の紙葉類重送防止部材を得た。
【0040】[比較例4]EPDM(前述の「670
F」)100部(ゴム成分50部)、ポリブタジエン
(日本合成ゴム社の商品名「BR11」)50部及び硫
黄(鶴見化学社の商品名「粉末硫黄」)5.0部を密閉
式混練機で混練し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物
をオープンロールでシーティングし、金型に投入して加
圧・加熱して架橋反応を起こさせ、ゴム片を得た。この
ゴム片を実施例1と同一寸法に裁断し、比較例4の紙葉
類重送防止部材を得た。
【0041】[初期摩擦係数の測定]ヘイドン14型の
摩擦係数測定機(新東科学社の商品名「トライボギア
TYPE:HEIDON−14DR」)を用意し、測定
紙としてキャノン社のプロパーボンド紙を用いて、初期
摩擦係数を測定した。条件は、荷重が1.96Nで、速
度が600mm/minであった。この結果が、下記の
表1に示されている。
【0042】[通紙試験]紙葉類重送防止部材を分離パ
ッドとして装着したプリンター(キャノン社の商品名
「LBP750」)にて、PPC用紙を10万枚通紙し
た。そして、この通紙の前後の紙葉類重送防止部材の質
量を測定し、摩耗量を求めた。また、通紙の初期段階と
最終段階とで、通紙状況を観察した。これらの結果が、
下記の表1に示されている。なお、比較例1及び3の紙
葉類重送防止部材では摩耗が激しく、給紙ローラが基板
に接触して重送が多発したので、通紙を途中で中止し
た。
【0043】
【表1】
【0044】表1において、各実施例の紙葉類重送防止
部材では、超高分子量ポリエチレンが配合されていない
比較例1及び3の紙葉類重送防止部材に比べて摩耗が少
なく、従って使用後の通紙状況が良好である。このこと
より、超高分子量ポリエチレンが紙葉類重送防止部材の
耐摩耗性向上に寄与することが解る。また、各実施例と
比較例2との比較より、超高分子量ポリエチレンの配合
量が55部以下である必要があることが解る。以上の実
験結果より、本発明の優位性が確認される。
【0045】
【発明の効果】以上説明されたように、本発明の紙葉類
重送防止部材は耐摩耗性に優れる。この紙葉類重送防止
部材が給紙機構に用いられることにより、長期間に渡っ
て紙葉類の重送が防止される。また、この紙葉類重送防
止部材は、ゴム製の紙葉類重送防止部材に比べて製造が
容易である。しかも、この紙葉類重送防止部材は全体と
して熱可塑性であるので、原料ポリマーとしての再利用
が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の一実施形態にかかる紙葉類
重送防止部材としての分離シートが用いられた給紙機構
が示された模式的断面図である。
【図2】 図2は、本発明の他の実施形態にかかる紙葉
類重送防止部材としての分離パッドが用いられた給紙機
構が示された模式的断面図である。
【符号の説明】
2・・・・・・給紙ローラ 4、12・・・トレイ 6・・・・・・分離シート 8・・・・・・紙葉類 10・・・・・先端部分 14・・・・・基板 16・・・・・分離パッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−236465(JP,A) 特開2000−143030(JP,A) 特開 平11−228708(JP,A) 特開 平11−348149(JP,A) 特開 平9−31430(JP,A) 特公 平6−74357(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 3/52 C08L 23/06 C08L 23/12 C08L 23/16 C08L 101/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂架橋剤によって動的架橋されたゴム
    の粒子が熱可塑性ポリマー中に分散しており、この熱可
    塑性ポリマーが超高分子量ポリエチレンを含んでおり、
    この超高分子量ポリエチレン以外の熱可塑性ポリマーと
    ゴムとの合計量100部に対する超高分子量ポリエチレ
    ンの配合量が5部以上55部以下である紙葉類重送防止
    部材。
  2. 【請求項2】 上記ゴムがエチレン−プロピレン−ジエ
    ン共重合体を主成分としている請求項1に記載の紙葉類
    重送防止部材。
  3. 【請求項3】 上記超高分子量ポリエチレン以外の熱可
    塑性ポリマーがポリプロピレンである請求項1又は請求
    項2に記載の紙葉類重送防止部材。
  4. 【請求項4】 上記ゴムと、超高分子量ポリエチレン以
    外の熱可塑性ポリマーとの質量比が20/80以上70
    /30以下である請求項1から請求項3のいずれか1項
    に記載の紙葉類重送防止部材。
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