JP2002193460A - 紙送りローラ - Google Patents

紙送りローラ

Info

Publication number
JP2002193460A
JP2002193460A JP2000396496A JP2000396496A JP2002193460A JP 2002193460 A JP2002193460 A JP 2002193460A JP 2000396496 A JP2000396496 A JP 2000396496A JP 2000396496 A JP2000396496 A JP 2000396496A JP 2002193460 A JP2002193460 A JP 2002193460A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
feed roller
paper feed
paper
rubber
polyamide resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000396496A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasutoki Ito
靖時 伊藤
Shuichi Sakamoto
秀一 坂本
Kenji Mishima
健司 三島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2000396496A priority Critical patent/JP2002193460A/ja
Publication of JP2002193460A publication Critical patent/JP2002193460A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Handling Of Cut Paper (AREA)
  • Delivering By Means Of Belts And Rollers (AREA)
  • Sheets, Magazines, And Separation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙との摩擦係数が長期間にわたって維持さ
れ、優れた搬送力が発現される紙送りローラ1の提供。 【解決手段】 給紙ローラ1には、軸芯2が挿入されて
いる。給紙ローラ1は、ゴム組成物が架橋されることに
よって形成されている。このゴム組成物は、基材ゴムと
ポリアミド樹脂とを含む。ポリアミド樹脂の配合量は、
0.05質量%以上2.5質量%以下である。好ましく
は、繊維状ポリアミド樹脂が用いられる。基材ゴムは、
エチレン−プロピレン−ジエン共重合体を主成分として
いる。基材ゴムとして、シリコーンゴムが用いられても
よい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、事務機器等に装着
されて紙の搬送に寄与する紙送りローラに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】複写機、ファクシミリ、プリンター、A
TM等の事務機器の給紙機構、画像形成機構、定着機
構、排紙機構等には、紙送りローラ(給紙ローラ、搬送
ローラ、排紙ローラ等と呼ばれている)が用いられてい
る。紙送りローラは紙を送るものなので、紙との摩擦係
数が高いことが要求され、しかもこの高い摩擦係数が長
期間維持されることが要求される。
【0003】通常、紙送りローラは架橋ゴムから構成さ
れている。用いられるゴムとしては、天然ゴム、エチレ
ン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、ウレタ
ンゴム、シリコーンゴム、ポリノルボルネン等が一般的
である。これらのゴムが用いられることにより紙送りロ
ーラに柔軟性が付与され、紙との摩擦係数が高められて
いる。なお、給紙ローラと対向して設けられる分離部材
(分離パッド、分離ローラ等)には、摩擦係数調整等を
目的として合成樹脂繊維が配合されているものも存在す
るが(特許第2652562号公報、特公平7−520
0号公報等参照)、高い摩擦係数が要求される紙送りロ
ーラでは、基材ゴムにとって異物となる合成樹脂繊維の
配合は、検討の対象とされていない。
【0004】紙送りローラは継続的に紙と接触するもの
なので、紙から発生する紙粉がその表面に付着し、蓄積
されることがある。この紙粉は、紙の構成材料であるセ
ルロースや、紙に含まれる添加剤(タルク、炭酸カルシ
ウム等)が粉体となって紙から離脱したものである。紙
粉が付着すると紙と紙送りローラとの摩擦係数が低下
し、紙の搬送ができなくなることがある(搬送不良)。
近年、灰分の多い紙(例えば中国製の紙)が普及しつつ
あるが、この紙では特に紙粉発生量が多いので、このよ
うな紙が用いられた場合の搬送不良が大きな問題となっ
ている。
【0005】特開平9−100053号公報には、表面
粗さRMAXが17μmから48μmとされることによ
り紙粉の付着が抑制され、摩擦係数の低下が防止された
給紙ローラが開示されている。しかしながら、この給紙
ローラが長期間にわたって使用されると、摩耗によって
表面粗さが変化して紙粉付着防止効果が不十分となって
しまう。
【0006】特開平10−87106号公報には、ウレ
タン塗料からなる被膜を備えた紙送りローラが開示され
ている。この被膜は非粘着性とされているので、紙送り
ローラの表面に紙粉が付着しにくい。しかしながら、長
期間の使用によって被膜の性状が経時変化を起こすこと
があり、また被膜が摩滅することもあるので、紙粉付着
防止効果は長続きしにくい。
【0007】特開2000−118779公報には、所
定寸法の凹条溝が回転方向に沿って形成された給紙ロー
ラが開示されている。この給紙ローラでは、付着した紙
粉が凹条溝に封じ込められることにより、摩擦係数の低
下が抑制される。しかしながら、封じ込められうる紙粉
の量には限界があり、また摩耗によって凹条溝の寸法変
化も生じるので、紙粉付着防止効果は長続きしにくい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題に鑑みてなされたものであり、長期間の使用によって
も紙との高い摩擦係数が維持され、従って搬送不良が生
じにくい紙送りローラの提供をその目的とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めになされた発明は、0.05質量%以上2.5質量%
以下のポリアミド樹脂を含むゴム組成物が架橋されてな
る紙送りローラ、である。
【0010】この紙送りローラは主成分がゴムなので、
紙との摩擦係数が高い。また、この紙送りローラはポリ
アミド樹脂を含むので、長期間の使用によっても紙との
摩擦係数が低下しにくい。摩擦係数が維持される理由は
詳細には不明であるが、ポリアミド樹脂の配合によって
紙送りローラの帯電が抑制され、紙粉の付着が起こりに
くいためと推測される。この紙送りローラではポリアミ
ド樹脂が基材ゴムに分散した状態が表面から内部にまで
渡っているので、長期間の使用によって表面が摩耗して
も常にほぼ一定の表面状態が保たれる。従って、優れた
搬送力が長期間にわたって発揮される。
【0011】好ましくは、基材ゴムはエチレン−プロピ
レン−ジエン共重合体を主成分とする。エチレン−プロ
ピレン−ジエン共重合体は、耐候性に優れるゴムであ
る。エチレン−プロピレン−ジエン共重合体が用いられ
ることにより、ポリアミド樹脂が配合されていることと
相まって、摩擦係数の経時変化が抑制される。
【0012】ゴム組成物の基材ゴムは、シリコーンゴム
が主成分とされてもよい。事務機器の内部はシリコーン
オイルが過多な雰囲気となることもあり、紙送りローラ
の表面にこのシリコーンオイルが付着しやすい。シリコ
ーンゴムが用いられることにより、紙送りローラの表面
にシリコーンオイルが付着した場合でも、紙のスリップ
が抑制される。従って、ポリアミド樹脂が配合されてい
ることと相まって、摩擦係数の経時変化が抑制される。
【0013】好ましくは、短繊維状のポリアミド樹脂が
基材ゴムと混合される。これにより、基材ゴムのマトリ
クス中にポリアミド樹脂が分散した、いわゆる「海−島
構造」が確実に達成され、紙粉の付着がよりよく抑制さ
れる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面が参照されつつ、
実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0015】図1は、本発明の一実施形態にかかる紙送
りローラとしての給紙ローラ1が軸芯2とともに示され
た斜視図である。この給紙ローラ1は、ゴム組成物が成
形・架橋されることによって構成されている。給紙ロー
ラ1が軸芯2に圧入されることにより、又は両者が接着
剤で接合されることにより、給紙ローラ1が軸芯2に固
定されている。給紙ローラ1の肉厚は、通常1mmから
8mm、特には2mmから5mmとされる。また、給紙
ローラ1の全長は、通常は10mmから20mmとされ
る。
【0016】ゴム組成物には、ポリアミド樹脂が配合さ
れている。ポリアミド樹脂が配合された給紙ローラ1
は、ゴム単体からなる給紙ローラに比べて帯電しにくい
ので紙粉の付着が抑制され、紙との摩擦係数の低下が抑
制されると推測される。
【0017】ゴム組成物全体に占めるポリアミド樹脂の
配合量は、0.05質量%以上2.5質量%以下であ
る。ポリアミド樹脂の配合量が0.05質量%未満であ
ると、摩擦係数の低下が十分には抑制されないおそれが
ある。この観点から、ポリアミド樹脂の配合量は0.0
6質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が特に
好ましい。逆に、ポリアミド樹脂の配合量が2.5質量
%を超えると、使用による摩擦係数の低下は抑制される
ものの、使用初期の段階での摩擦係数が低くなり、この
初期段階から搬送不良が発生してしまうことがある。こ
の観点から、ポリアミド樹脂の配合量は、2.0質量%
以下が特に好ましい。
【0018】ポリアミド樹脂の具体例としては、ナイロ
ン6、ナイロン66、ナイロン6−ナイロン66共重合
体、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン46、
ナイロン11、ナイロン12、ナイロンMXD6、キシ
リレンジアミンとアジピン酸との重縮合体、キシリレン
ジアミンとピメリン酸との重縮合体、キシリレンジアミ
ンとスペリン酸との重縮合体、キシリレンジアミンとア
ゼライン酸との重縮合体、キシリレンジアミンとセバシ
ン酸との重縮合体、テトラメチレンジアミンとテレフタ
ル酸との重縮合体、ヘキサメチレンジアミンとテレフタ
ル酸との重縮合体、オクタメチレンジアミンとテレフタ
ル酸との重縮合体、トリメチルヘキサメチレンジアミン
とテレフタル酸との重縮合体、デカメチレンジアミンと
テレフタル酸との重縮合体、ウンデカメチレンジアミン
とテレフタル酸との重縮合体、ドデカメチレンジアミン
とテレフタル酸との重縮合体、テトラメチレンジアミン
とイソフタル酸との重縮合体、ヘキサメチレンジアミン
とイソフタル酸との重縮合体、オクタメチレンジアミン
とイソフタル酸との重縮合体、トリメチルヘキサメチレ
ンジアミンとイソフタル酸との重縮合体、デカメチレン
ジアミンとイソフタル酸との重縮合体、ウンデカメチレ
ンジアミンとイソフタル酸との重縮合体、ドデカメチレ
ンジアミンとイソフタル酸との重縮合体等が挙げられ
る。これらのポリアミド樹脂は単独で用いられてもよ
く、また2種以上が併用されてもよい。ポリアミド樹脂
の分子量は特には制限されないが、数平均分子量が10
000以上200000以下のものが好適である。
【0019】配合されるポリアミド樹脂の性状は特には
制限されず、例えば繊維状ポリアミド、粉末状ポリアミ
ド、ペレット状ポリアミド等が用いられ得る。また、市
販されている再生ポリアミド粉末、ポリアミド樹脂と未
架橋ゴムとのブレンド物等が用いられてもよい。特に、
混練時の分散性が高く作業性も良好な短繊維状ポリアミ
ドが好ましい。この短繊維状ポリアミドが配合されるこ
とにより、微粉末ポリアミド樹脂が用いられる場合に比
べて、給紙ローラ1における「海−島構造」が達成され
やすい。
【0020】短繊維状ポリアミドが用いられる場合、分
散性及び作業性の観点から、その繊維長は0.5mm以
上10mm以下が好ましく、1mm以上5mm以下が特
に好ましい。また、同様性の観点から、繊維太さは1.
5デニール以上7デニール以下が好ましく、1.5デニ
ール以上5デニール以下が特に好ましい。
【0021】ポリアミド樹脂と共に、他の熱可塑性ポリ
マーが配合されてもよい。配合されうる熱可塑性ポリマ
ーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノ
マー樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアセ
タール、アクリル樹脂、ソフトセグメントとハードセグ
メントとを備えた熱可塑性エラストマー等が挙げられ
る。ポリアミド樹脂と他の熱可塑性ポリマーとが併用さ
れる場合、両者の合計配合量は2.5質量%以下が好ま
しく、2.0質量%以下が特に好ましい。
【0022】ゴム組成物の基材ゴムとしては、エチレン
−プロピレン−ジエン共重合体、シリコーンゴム、ウレ
タンゴム、ポリノルボルネン、塩素化ポリエチレン、ポ
リイソプレン、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン
共重合体、天然ゴム等が用いられうる。これらのゴム
は、2種以上が併用されてもよい。
【0023】特に好適なゴムは、エチレン−プロピレン
−ジエン共重合体である。エチレン−プロピレン−ジエ
ン共重合体の主鎖は飽和炭化水素からなるので、この主
鎖には二重結合が含まれない。このため、エチレン−プ
ロピレン−ジエン共重合体が高濃度オゾン雰囲気、光線
照射等の環境下に長時間曝されても、分子主鎖切断が起
こりにくい(すなわち耐候性に優れる)。従って、ポリ
アミド樹脂の配合と相まって、良好な搬送力が長期間維
持される。複写機等では画像形成時にオゾンが発生する
ことがあるが、この場合であっても、エチレン−プロピ
レン−ジエン共重合体が用いられることにより給紙ロー
ラ1のオゾン劣化が抑制される。
【0024】給紙ローラ1の強度向上、加工性改善等の
目的で、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体と他の
ゴムとが併用されてもよい。この場合でも、給紙ローラ
1の耐候性の観点から、エチレン−プロピレン−ジエン
共重合体が主成分であるのが好ましい。具体的には、全
基材ゴムに占めるエチレン−プロピレン−ジエン共重合
体の比率が50質量%以上、特には80質量%以上とさ
れるのが好ましく、100質量%とされるのが理想的で
ある。
【0025】エチレン−プロピレン−ジエン共重合体に
は、ゴム成分のみからなる非油展タイプのものとゴム成
分とともに伸展油を含む油展タイプのものとが存在する
が、給紙ローラ1にはいずれのタイプも用いられうる。
なお、油展タイプのエチレン−プロピレン−ジエン共重
合体が用いられる場合は、伸展油を除いたゴム成分が全
基材ゴムに占める比率が、上記の範囲内(50質量%以
上、特には80質量%以上、理想的には100質量%)
とされればよい。
【0026】エチレン−プロピレン−ジエン共重合体と
して、メタロセン触媒によって重合されたもの(いわゆ
る「メタロセンEPDM」)が用いられてもよい。メタ
ロセンEPDMは、チーグラー・ナッタ系触媒によって
重合されたエチレン−プロピレン−ジエン共重合体に比
べて分子量分布が狭く、モノマーの分布が均一である。
このメタロセンEPDMが用いられることにより、給紙
ローラ1の耐摩耗性が向上する。従って、ポリアミド樹
脂の配合と相まって、給紙ローラ1の良好な搬送力が長
期間維持される。
【0027】エチレン−プロピレン−ジエン共重合体に
代えて、シリコーンゴムが用いられてもよい。シリコー
ンゴムは、シリコーンオイルを吸収する性質を備えてい
る。シリコーンゴムが用いられることにより、給紙ロー
ラ1の表面に付着したシリコーンオイルが吸収される。
従って、表面に残存し続けるシリコーンオイルによって
紙がスリップすることが抑制される。ポリアミド樹脂に
よる摩擦係数の経時変化抑制とシリコーンゴムによるス
リップ防止との相乗効果により、良好な搬送力が長期間
維持される。近年普及がめざましいカラー複写機等では
シリコーンゴム製の定着ローラが用いられており、この
ためシリコーンオイルが過多な雰囲気が達成されやす
い。このカラー複写機等において、シリコーンゴムが主
成分とされた給紙ローラ1が特に効果的である。
【0028】給紙ローラ1の架橋形態は特には制限され
ないが、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体が基材
ゴムの主成分とされる場合は、通常は硫黄架橋が採用さ
れ、また硫黄とともに加硫促進剤が併用される。この場
合の硫黄の配合量は、基材ゴム100部に対して0.5
部以上4.0部以下が好ましい。また、加硫促進剤の配
合量は、基材ゴム100部に対して1.0部以上7.0
部以下が好ましい。硫黄又は加硫促進剤の配合量が上記
範囲未満であると、給紙ローラ1の強度が不足すること
がある。逆に、硫黄又は加硫促進剤の配合量が上記範囲
を越えると、給紙ローラ1と紙との摩擦係数が低くなる
ことがある。
【0029】ゴム組成物には、充填剤が配合されてもよ
い。充填剤により、給紙ローラ1の硬度、摩擦係数、表
面粗度等の調整がなされうる。好ましい充填剤として
は、例えば酸化ケイ素、炭酸カルシウム、酸化チタン等
が挙げられる。充填剤の配合量はその種類に応じて適宜
決定されるが、通常は基材ゴム100部に対して10部
以上50部以下、特には20部以上40部以下とされ
る。
【0030】ゴム組成物には、オイル、可塑剤等の軟化
剤が配合されてもよい。これにより、給紙ローラ1が低
硬度となってその摩擦係数が向上する。配合されるオイ
ルとしては、例えばパラフィン系鉱物油、ナフテン系鉱
物油、芳香族系鉱物油、炭化水素系オリゴマー等が挙げ
られる。また、配合される可塑剤としては、ジオクチル
フタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルセパケー
ト、ジオクチルアジペート等が挙げられる。なお、油展
タイプのゴムが用いられる場合は伸展油が軟化剤として
作用するので、他の軟化剤の配合が省略されてもよい。
もちろん、必要に応じ、油展タイプのゴムにさらに軟化
剤が添加されてもよい。
【0031】ゴム組成物には、カーボンブラック等の補
強剤、架橋助剤、着色剤、劣化防止剤等の添加剤が、必
要に応じ適量配合されてもよい。
【0032】エチレン−プロピレン−ジエン共重合体が
主成分とされた給紙ローラ1の製造では、まず基材ゴ
ム、ポリアミド樹脂、架橋剤、各種添加剤等が混練機に
投入され、混練される。好ましい混練機としては、ニー
ダー、バンバリーミキサー等の密閉式混練機が挙げられ
る。次に、混練によって得られたゴム組成物が金型に投
入され、加圧下で成形・架橋される。図1に示されるよ
うに給紙ローラ1は円筒状なので、金型には中子(マン
ドレル)が配される。もちろん、射出成形法等の成形方
法が採用されてもよい。成形後、成形品が所定寸法に裁
断され、給紙ローラ1が得られる。表面粗度の調整等の
目的で、成形品の表面が研磨されてもよい。この給紙ロ
ーラ1に軸芯2が装着され、給紙機構において使用され
る。
【0033】図2は、図1の給紙ローラ1が用いられた
給紙機構3が示された模式的断面図である。この給紙機
構3は、給紙ローラ1の他に、分離パッド4、トレイ5
等を備えている。分離パッド4とトレイ5とは、離間し
ている。分離パッド4は基板6に固定されており、給紙
ローラ1と対向している。給紙ローラ1が図中の矢印R
で示される方向に回転することにより、トレイ5の上の
紙7が1枚ずつ送り出される。紙は、画像形成機構及び
定着機構へと搬送され、排出される。搬送には、搬送ロ
ーラが用いられる。また、排出には、排紙ローラが用い
られる。搬送ローラ及び排紙ローラに給紙ローラ1と同
様のゴム組成物が用いられることにより、これらのロー
ラにおける安定した搬送力が達成されうる。すなわち、
本発明の紙送りローラには、給紙ローラ1の他に搬送ロ
ーラ、排紙ローラ等の、紙の搬送に寄与するローラが含
まれる。
【0034】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明の効果が明ら
かにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限
定的に解釈されるべきではない。
【0035】[実施例1]100%油展のエチレン−プ
ロピレン−ジエン共重合体(住友化学社の商品名「エス
プレン670F」)200部(ゴム成分100部)、酸
化ケイ素(日本シリカ社の商品名「ニプシールVN
3」)5部、炭酸カルシウム(備北粉化社の商品名「B
F300」)10部、酸化チタン(チタン工業社の商品
名「クロノス酸化チタンKR380」)10部、パラフ
ィンオイル(出光興産社の商品名「PW−90」)30
部、カーボンブラック(東海カーボン社の商品名「シー
ストSO」)3部、酸化亜鉛(三井金属社の商品名「酸
化亜鉛2種」)5部、ステアリン酸(日本油脂社の商品
名「つばき」)1部、硫黄(鶴見化学社の粉末硫黄)2
部、加硫促進剤としてのジベンゾチアジルジスルフィド
(大内新興化学工業社の商品名「ノクセラーDM」)1
部、他の加硫促進剤としてのテトラエチルチウラムジス
ルフィド(大内新興化学工業社の商品名「ノクセラーT
ET」)3部及びポリアミド樹脂(6,6−ナイロン繊
維、ローデア社の「1.5d−5mm」)0.27部
(0.1質量%)を密閉式混練機に投入し、混練してゴ
ム組成物を得た。
【0036】このゴム組成物を金型に投入して170℃
で20分間加熱し、ゴムを架橋させて円筒体(コット)
を成形した。この円筒体の内周直径は9mmであり、外
周直径は21mmであり、長さは38mmであった。こ
の円筒体の外周面を外周直径が20mmとなるまで円筒
研削盤で研削し、さらに10mmの長さに切断して実施
例1の給紙ローラを得た。
【0037】[比較例1]ポリアミド樹脂を全く配合し
なかった他は実施例1と同様にして、比較例1の給紙ロ
ーラを得た。
【0038】[実施例2及び3並びに比較例2]ポリア
ミド樹脂の配合量を下記の表1に示されるように変量し
た他は実施例1と同様にして、実施例2及び3並びに比
較例2の給紙ローラを得た。
【0039】[実施例4]あらかじめオイル、充填剤等
が配合されたジメチルシリコーンゴム(信越化学社の商
品名「KE931−U」)100部、2,5ジメチル−
2,5ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンを含有す
る架橋剤(信越化学社の商品名「C−8」)2.0部及
びポリアミド樹脂(前述のローデア社の「1.5d−5
mm」)1.03部(1.0質量%)を密閉式混練機で
混練し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物を金型に投
入して170℃で20分間加熱し、ゴムを第一次架橋さ
せて円筒体(コット)を成形した。この円筒体の内周直
径は9mmであり、外周直径は21mmであり、長さは
38mmであった。この円筒体をオーブンに投入し、2
00℃で4時間加熱して、第二次架橋を行わせた。この
円筒体の外周面を外周直径が20mmとなるまで円筒研
削盤で研削し、さらに10mmの長さに切断して実施例
4の給紙ローラを得た。
【0040】[初期摩擦係数の測定]中国製の普通紙
(北京造紙一の「北京 三一牌 印紙」)を用意し、縦
が60mmで横が210mmの長方形に裁断して測定用
紙9とした。この測定用紙9を図3に示されるように給
紙ローラ1とテフロン(登録商標)プレート8との間に
はさみ、軸芯2に250gfの荷重Wを加えて給紙ロー
ラ1をテフロンプレート8に圧接した。次いで、給紙ロ
ーラ1を矢印Rで示される方向に、周速300mm/秒
で回転させた。そして、測定用紙9の一端に連結された
ロードセル10で、図3中矢印Fで示される方向に発生
した力(gf)を測定した。この力Fを荷重Wで除した
値を求めて初期摩擦係数とした。測定は、温度23℃、
湿度55%の条件下で行った。この結果が、下記の表1
に示されている。
【0041】[通紙試験]給紙ローラを複写機(富士ゼ
ロックス社の商品名「VIVACE455」)に装着し
た。そして、温度23℃、湿度55%の条件下で、A4
サイズの普通紙(前述の「北京 三一牌 印紙」)を1
000枚通紙して、通紙状況を確認した。搬送不良が全
く生じなかったものを「○」とし、不送りが若干発生し
たものを「△」とし、不送りが多発したものを「×」と
した。この結果が、下記の表1に示されている。なお、
比較例2の給紙ローラでは不送りが多発したので、途中
で評価を中止した。
【0042】[摩擦係数保持率の測定]上記通紙試験後
の給紙ローラを用い、初期摩擦係数の測定と同様の方法
で摩擦係数を測定した。そして、下記数式(I)によ
り、摩擦係数保持率Kを算出した。 K=(μ/μ)×100 −−−(I) (数式(I)においてμは初期摩擦係数を表し、μ
は通紙試験後の摩擦係数を表す。) この結果が、下記の表1に示されている。
【0043】
【表1】
【0044】表1において、ポリアミド樹脂が配合され
ていない比較例1の給紙ローラでは、摩擦係数保持率が
低く、従って不送りが発生している。また、ポリアミド
樹脂の配合量が多すぎる比較例2の給紙ローラでは、初
期摩擦係数が低く、従って不送りが多発している。これ
に対し、ポリアミド樹脂が配合された各実施例の給紙ロ
ーラでは、初期摩擦係数が高く、摩擦係数保持率も高い
ので、搬送不良が発生していない。これらの評価結果よ
り、本発明の優位性は明らかである。
【0045】
【発明の効果】以上説明されたように、本発明の紙送り
ローラは使用によっても紙との摩擦係数が低下しにく
い。この紙送りローラでは、長期間にわたって良好な搬
送力が維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態にかかる紙送りロ
ーラとしての給紙ローラが軸芯とともに示された斜視図
である。
【図2】図2は、図1の給紙ローラが用いられた給紙機
構が示された模式的断面図である。
【図3】図3は、給紙ローラの摩擦係数測定の様子が示
された模式的正面図である。
【符号の説明】
1・・・給紙ローラ 2・・・軸芯 3・・・給紙機構 4・・・分離パッド 5・・・トレイ 6・・・基板 7・・・紙 8・・・テフロンプレート 9・・・測定用紙 10・・・ロードセル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三島 健司 兵庫県神戸市中央区脇浜町3丁目6番9号 住友ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 2C059 CC25 3F049 AA02 BA15 LA02 LA05 LA07 LB03 3F343 FA02 FA03 FB02 FB03 FB04 FC23 JA11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.05質量%以上2.5質量%以下の
    ポリアミド樹脂を含むゴム組成物が架橋されてなる紙送
    りローラ。
  2. 【請求項2】 上記ゴム組成物の基材ゴムの主成分がエ
    チレン−プロピレン−ジエン共重合体である請求項1に
    記載の紙送りローラ。
  3. 【請求項3】 上記ゴム組成物の基材ゴムの主成分がシ
    リコーンゴムである請求項1に記載の紙送りローラ。
  4. 【請求項4】 短繊維状のポリアミド樹脂が基材ゴムと
    混合される請求項1から請求項3のいずれか1項に記載
    の紙送りローラ。
JP2000396496A 2000-12-27 2000-12-27 紙送りローラ Pending JP2002193460A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000396496A JP2002193460A (ja) 2000-12-27 2000-12-27 紙送りローラ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000396496A JP2002193460A (ja) 2000-12-27 2000-12-27 紙送りローラ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002193460A true JP2002193460A (ja) 2002-07-10

Family

ID=18861774

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000396496A Pending JP2002193460A (ja) 2000-12-27 2000-12-27 紙送りローラ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002193460A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO1997003122A1 (fr) Composition de caoutchouc conductrice et procede de production
US7253233B2 (en) Elastomer composition and rubber roller
JP4870486B2 (ja) 紙葉類重送防止部材
JP5155286B2 (ja) 紙送りローラ
JP3266859B2 (ja) ゴム組成物、該ゴム組成物を用いたゴムローラ及び該ゴム組成物の製造方法
JP3053372B2 (ja) ゴム組成物及びこれを用いた弾性体ローラ
US10294052B2 (en) Sheet feed roller, and method of producing the same
JP2002193460A (ja) 紙送りローラ
JP3355107B2 (ja) 紙送り用ゴムローラ
JP4285299B2 (ja) 紙送りローラ
JP4443755B2 (ja) 紙送りローラ
JP2007002015A (ja) 紙送りロール用ゴム架橋物およびこれを用いた紙送りロール
JP2004210437A (ja) 紙送りロール用ゴム架橋物、紙送りロール用ゴム組成物、紙送りロール、画像形成装置および紙送り装置
EP1477523B1 (en) Elastomer composition and paper feed roller
JP3255635B2 (ja) 紙葉類重送防止部材
JP4575855B2 (ja) 給紙機構および画像形成装置
JP2002179263A (ja) 紙送りローラ
JP2002338075A (ja) 紙送りローラ
JP2003002483A (ja) 紙送りローラ
JP3330302B2 (ja) Epdmポリマーを主成分とするゴム組成物及びこれを用いたゴムローラ
JP4250023B2 (ja) 弾性部材および紙送りローラ
JP2003002482A (ja) 紙送りローラ
JP4227699B2 (ja) ゴム組成物及びこれを用いた紙送りローラ
JP2002332131A (ja) 紙葉類重送防止部材及びその製造方法
JP2001163468A (ja) 紙葉類重送防止部材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090716

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090728

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091124